(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097048
(43)【公開日】2025-06-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250623BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213102
(22)【出願日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】前原 秀好
(72)【発明者】
【氏名】清水 建斗
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA49
2C333CA72
2C333EA10
(57)【要約】
【課題】興趣の低下を抑制すること
【解決手段】所定の第1特別演出ゲームの実行中、はずれの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機としてはずれの第1特別演出ゲームの実行を規制可能であり、規制条件は、遊技球が開放契機口に入球したことを契機として成立し得る。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1演出ゲームと、前記第1演出ゲームと異なる第2演出ゲームとを実行可能な遊技機において、
前記第1演出ゲーム、及び前記第2演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段と、
前記演出ゲーム実行手段を制御する演出ゲーム制御手段と、を備え、
所定の第1演出ゲームの実行中、はずれの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として前記はずれの第1演出ゲームの実行を規制可能であり、
前記規制条件は、遊技球が特定入球口に入球したことを契機として成立し得る遊技機。
【請求項2】
前記規制条件が成立したとき、特別入球口が開放される請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、当り抽選の結果を導出する演出ゲームを実行可能に構成された遊技機がある。このような遊技機には、特許文献1に記載された遊技機のように、演出ゲームにおいて、当り抽選の結果を示唆、又は報知する演出を実行可能な遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような遊技機では、演出によって、当り抽選の結果を推測可能である結果、演出ゲームにおいて、当り抽選の結果が導出される前に、当り抽選の結果がはずれである可能性が高いことを遊技者が認識可能となる場合が生じ得る。そして、このような状況では、演出ゲームを継続して実行することを遊技者が煩わしく感じることによって、興趣が低下する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、第1演出ゲームと、前記第1演出ゲームと異なる第2演出ゲームとを実行可能な遊技機において、前記第1演出ゲーム、及び前記第2演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段と、前記演出ゲーム実行手段を制御する演出ゲーム制御手段と、を備え、所定の第1演出ゲームの実行中、はずれの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として前記はずれの第1演出ゲームの実行を規制可能であり、前記規制条件は、遊技球が特定入球口に入球したことを契機として成立し得ることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図3は、第1大入賞口内の通路を示す模式図である。
【
図4】
図4は、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、波紋演出の演出態様の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、中止演出の演出態様の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、特別開放処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、特別停止処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、非時短状態におけるはずれの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、非時短状態における時短当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、非時短状態における小当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図12】
図12は、非時短状態における大当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図13】
図13は、第1時短状態における普通当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図14】
図14は、第2時短状態における時短当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、第2時短状態における小当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図16】
図16は、第2時短状態における大当りの変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明するタイミングチャートである。
【
図17】
図17(a)~
図17(d)は、波紋演出の実行中に変動停止機能が作動するときの波紋演出、及び中止演出の実行態様の具体的な一例について説明する説明図である。
【
図18】
図18は、可動体の動作中に変動停止機能が作動するときの可動体の動作態様の具体的な一例について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の実施形態の一例について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、遊技者が遊技球(持ち球)に触れることができる非封入式である。非封入式のパチンコ遊技機10では、賞球の払出条件が成立すると、賞球が実際に払い出される。パチンコ遊技機10は、遊技球を内部的に記憶して管理し、遊技者が遊技球(持ち球)に触れることができない封入式であってもよい。封入式のパチンコ遊技機10では、賞球の払出条件が成立しても、内部的に記憶している遊技球の個数が増加するものの、遊技球が実際には払い出されない。本明細書において、「賞球を払い出す」とは、実際に遊技球を払い出すことに限定されず、内部的に記憶している遊技球の個数を増加させることを含む意図である。
【0010】
パチンコ遊技機10は、枠体11と、遊技盤20と、を備える。枠体11は、遊技盤20を支持する。遊技盤20の前面側には、遊技球が流下可能な遊技領域20aが形成されている。枠体11は、外枠11aと、中枠11bと、前枠11cと、を備える。中枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持されている。前枠11cは、中枠11bに対して開閉可能に支持されている。外枠11aは、釘などの固定具を用いて、島設備に対して固定される。中枠11bは、遊技盤20が取り付けられる部分を備え、当該部分に取り付けられた遊技盤20を保持する。前枠11cには、開口部11dが形成されている。前枠11cは、透明な保護ガラスを備える(不図示)。保護ガラスは、開口部11dを封止する。遊技盤20が中枠11bに保持された状態において、遊技領域20aは、開口部11dに整合されており、当該開口部11dを介して、保護ガラス越しに視認可能である。
【0011】
パチンコ遊技機10は、音声出力装置13を備える。一例として、音声出力装置13は、前枠11cに設けられたスピーカである。音声出力装置13は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、効果音、セリフ、及び楽曲(BGM)等である。パチンコ遊技機10は、装飾発光装置14を備える。一例として、装飾発光装置14は、前枠11cの前面側、及び遊技盤20に設けられる。装飾発光装置14は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。一例として、装飾発光装置14が有する発光体は、LEDである。
【0012】
パチンコ遊技機10は、発射ハンドル18を備える。発射ハンドル18は、遊技球の発射を指示する操作を可能に構成されている。遊技球は、発射ハンドル18の操作中、所定の間隔で発射される。一例として、所定の間隔は、1分間に発射される遊技球の数が100個未満になる間隔である。一例として、所定の間隔は、1分間に発射される遊技球の数が略100個になる間隔であるとよい。発射ハンドル18は、前枠11cのうち、右下の角部分に設けられている。パチンコ遊技機10は、遊技球の貸出しを指示する貸出ボタン、及び遊技の終了を指示する終了ボタンを備えてもよい。
【0013】
遊技盤20について説明する。
図1及び
図2に示すように、遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成されている。つまり、遊技盤20は、遊技球が流下可能な遊技領域20aを有する。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成されている。遊技領域20aの左上方には、発射ハンドル18の操作によって発射された遊技球が遊技領域20aへ流入する流入口20cが形成されている。
【0014】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置15を備える。一例として、演出表示装置15は、画像を表示可能な画像表示装置を有する。演出表示装置15は、表示窓口20bを介して、画像表示装置における表示領域15aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。一例として、演出表示装置15は、液晶型の表示装置である。演出表示装置15は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。一例として、音声出力装置13、装飾発光装置14、及び演出表示装置15は、それぞれ演出を実行可能な演出装置であり、複数の演出装置を含む演出実行装置群16を形成する。
【0015】
図2に示すように、遊技盤20は、第1特別図柄表示装置19aを備える。第1特別図柄表示装置19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。遊技盤20は、第2特別図柄表示装置19bを備える。第2特別図柄表示装置19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、特別図柄の当り抽選の結果を報知するための図柄である。特別図柄の当り抽選は、内部抽選の一例である。一例として、特別図柄は、特別停止時間にわたって停止表示される。一例として、特別停止時間は、0.5秒である。以下、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを区別しない場合、「特別ゲーム」と総称する場合がある。
【0016】
特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、小当り表示結果としての小当り図柄と、時短表示結果としての時短契機図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選し得る。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示される。その後、当該特別ゲームの終了後、遊技者にとって有利な大当り遊技が生起される。大当り遊技の詳細は後述する。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において、大当りに当選しない場合、小当りに当選し得る。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において小当りに当選すると、特別ゲームにて小当り図柄が停止表示される。その後、当該特別ゲームの終了後、遊技者にとって有利な小当り遊技が生起される。小当り遊技の詳細は後述する。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において、大当り、及び小当りに当選しない場合、時短当りに当選し得る。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において時短当りに当選すると、特別ゲームにて時短契機図柄が停止表示される。特別ゲームにて時短契機図柄が停止表示される場合、大当り遊技及び小当り遊技は生起されない。
【0017】
パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において、大当り、小当り、及び時短当りに当選しない場合、特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示される場合、大当り遊技及び小当り遊技は生起されない。以下、大当り遊技及び小当り遊技を区別しない場合、「当り遊技」と総称する場合がある。また、大当り図柄が停止表示される特別ゲームを「大当りの特別ゲーム」と示す場合がある。また、小当り図柄が停止表示される特別ゲームを「小当りの特別ゲーム」と示す場合がある。また、時短契機図柄が停止表示される特別ゲームを「時短当りの特別ゲーム」と示す場合がある。また、「大当りの特別ゲーム」、「小当りの特別ゲーム」、「時短当りの特別ゲーム」を総称して、「当りの特別ゲーム」と示す場合がある。また、はずれ図柄が停止表示される特別ゲームを「はずれの特別ゲーム」と示す場合がある。
【0018】
遊技盤20は、第1特別保留表示装置19cを備える。第1特別保留表示装置19cは、保留条件が成立したものの、開始条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第1特別保留数には、上限がある。一例として、第1特別保留数の上限数は4である。遊技盤20は、第2特別保留表示装置19dを備える。第2特別保留表示装置19dは、保留条件が成立したものの、開始条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留数には、上限がある。一例として、第2特別保留数の上限数は1である。
【0019】
遊技盤20は、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を実行可能である。普通図柄は、普通図柄の当り抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄の当り抽選は、内部抽選の一例である。一例として、普通図柄は、普通停止時間にわたって表示される。一例として、普通停止時間は、0.004秒である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示される。その後、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が生起される。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選に当選しない場合、普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が停止表示される。普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が停止表示される場合、普通当り遊技は生起されない。遊技盤20は、普通保留表示装置19fを備える。普通保留表示装置19fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。普通保留数には、上限がある。一例として、普通保留数の上限数は4である。また、遊技盤20は、後述する右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示装置や、後述のラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示装置を備えてもよい。
【0020】
遊技盤20には、遊技領域20aに開口するように、複数の入賞口が形成されている。複数の入賞口は、遊技球が入球可能な入球口である。複数の入賞口には、少なくとも、第1始動口22と、第2始動口23と、第1大入賞口24と、第2大入賞口25と、開放契機口30と、がある。第1始動口22は、賞球の払出条件、及び第1特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口22は、演出表示装置15の下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤20は、第1始動口22へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(
図4参照)。
【0021】
第2始動口23は、賞球の払出条件、及び第2特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口23は、第1始動口22の右方にある。第2始動口23は、板状であることを一例とする開閉片23aを備える。第2始動口23は、開閉片23aによって、閉鎖及び開放される。つまり、開閉片23aは、閉鎖状態及び開放状態を取り得る。第2始動口23は、普通当り遊技が生起されるときに開放される。第2始動口23は、開放されているときに遊技球を入球させることができる。第2始動口23は、普通当り遊技が生起されていないときに閉鎖される。第2始動口23は、閉鎖されているときに遊技球を入球させることができない、又は閉鎖されているときには開放されているときに比して遊技球を入球させ難い。一例として、第2始動口23は、左方に向けて常時開口する。一例として、開閉片23aは、閉鎖状態であるときに遊技盤20に埋没する。一例として、開閉片23aは、開放状態であるときに上面を遊技球が流下可能である。一例として、開閉片23aは、上面が右下方に傾斜するように設けられている。一例として、開閉片23aが開状態であるときにその上面を流下する遊技球は、第2始動口23に案内される。つまり、開閉片23aが開放状態であるとき、遊技球は、開閉片23aの上面を流下し、第2始動口23に入球する。一例として、開閉片23aは、開放状態から閉鎖状態に変位する間のうち少なくとも一部の期間において、開閉片23aの上面を遊技球が流下可能である。このため、開閉片23aが開放状態から閉鎖状態に変位する間にも遊技球が第2始動口23に入球し得る。遊技盤20は、第2始動口23の開閉片23aに開閉動作をさせる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図4参照)。遊技盤20は、第2始動口23へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(
図4参照)。第2始動口23の開閉片23aは、所謂「普通電動役物」である。
【0022】
第1大入賞口24は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1大入賞口24は、演出表示装置15の右方にある。第1大入賞口24は、第2始動口23の上方にある。第1大入賞口24は、雫状であることを一例とする開閉片24aを備える。第1大入賞口24は、開閉片24aによって、閉鎖及び開放される。つまり、開閉片24aは、閉鎖状態及び開放状態を取り得る。第1大入賞口24は、当り遊技が生起されるときに開放される。第1大入賞口24は、開放されているときに遊技球を入球させることができる。第1大入賞口24は、大当り遊技が生起されていないときに閉鎖される。第1大入賞口24は、閉鎖されているときに遊技球を入球させることができない。一例として、開閉片24aは、閉鎖状態から下部を中心に左方に約4分の1周回動することによって開放状態を取る。つまり、遊技球は、第1大入賞口24が開放されているとき、開閉片24aの内壁面(上面)を流下した後、第1大入賞口24に入球する。遊技盤20は、第1大入賞口24の開閉片24aに開閉動作をさせる手段として、第1特別ソレノイドSL2を備える(
図4参照)。遊技盤20は、第1大入賞口24へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備える(
図4参照)。第1大入賞口24の開閉片24aは、所謂「特別電動役物」である。
【0023】
第2大入賞口25は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2大入賞口25は、演出表示装置15の右下方にある。第2大入賞口25は、第1大入賞口24の下方にある。第2大入賞口25は、第2始動口23の下方にある。第2大入賞口25は、板状であることを一例とする開閉片25aを備える。第2大入賞口25は、開閉片25aによって、閉鎖及び開放される。つまり、開閉片25aは、閉鎖状態及び開放状態を取り得る。第2大入賞口25は、開放条件が成立することによって開放される。第2大入賞口25の開放条件は、開放契機口30へ遊技球が入球することによって成立し得る。第2大入賞口25は、開放されているときに遊技球を入球させることができる。第2大入賞口25は、閉鎖条件が成立することによって閉鎖される。一例として、第2大入賞口25の閉鎖条件は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定められた上限時間が経過する時間条件が成立することによって成立する。第2大入賞口25は、閉鎖されているときに遊技球を入球させることができない。一例として、第2大入賞口25は、開閉片25aが開放状態であるときに上方に向けて開口する。一例として、開閉片25aは、閉鎖状態であるときに上面を遊技球が流下可能である。一例として、開閉片25aは、開放状態であるときに遊技盤20に埋没する。つまり、開閉片25aが閉鎖状態であるときにその上面を流下する遊技球は、開閉片25aが開放状態となることによって、第2大入賞口25に入球する。遊技盤20は、第2大入賞口25の開閉片25aに開閉動作をさせる手段として、第2特別ソレノイドSL3を備える(
図4参照)。遊技盤20は、第2大入賞口25へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備える(
図4参照)。第2大入賞口25の開閉片25aは、所謂「特別電動役物」である。
【0024】
図3に示すように、遊技盤20は、第1大入賞口24に入球した遊技球が通過可能な通路26を備える。通路26は、分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐するように設けられている。パチンコ遊技機10は、振分シャッタ28を備える。振分シャッタ28は、分岐部27に設けられている。振分シャッタ28は、第1状態と、第2状態を取り得る。第1大入賞口24に入球した遊技球は、振分シャッタ28が第1状態を取るときに第1通路26aに振り分けられる。第1大入賞口24に入球した遊技球は、振分シャッタ28が第2状態を取るときに第2通路26bに振り分けられる。遊技盤20は、振分シャッタ28を第1状態と、第2状態と、を取り得るように動作をさせる手段として、振分ソレノイドSL4を備える(
図4参照)。
【0025】
遊技盤20は、第1通路26a内の特定領域を通過する遊技球を検知する特定センサSE5を備える。本実施形態において、特定領域とは、所謂、「V領域」である。一例として、小当り遊技が生起されることで第1大入賞口24が開放される場合に当該第1大入賞口24に入球した遊技球が特定領域を通過すると、遊技球が特定領域を通過したことを契機として大当り遊技が生起される。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、当り抽選において大当りに当選したことを契機として生起される大当り遊技と、当り抽選において小当りに当選したことを契機として生起される大当り遊技と、がある遊技機(所謂、「1種2種混合機」)である。
【0026】
遊技盤20は、ゲート29を備える。ゲート29は、演出表示装置15の右上方にある。ゲート29は、第2始動口23、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25の上方にある。ゲート29は、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口29aを有する。遊技盤20は、ゲート口29aへ入球し、ゲート29を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE6を備える(
図4参照)。ゲート29は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート29は、遊技球が入球しても賞球の払出条件が成立しない入球口である。
【0027】
開放契機口30は、第2大入賞口25の開放条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。一例として、開放契機口30は、演出表示装置15の下方にある。一例として、開放契機口30は、第2始動口23、第1大入賞口24、第2大入賞口25、及びゲート29の下方にある。開放契機口30は、常時、遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、開放契機口30へ入球した遊技球を検知する開放契機センサSE7を備える(
図4参照)。遊技盤20は、遊技領域20aの最下方に、第1始動口22、第2始動口23、第1大入賞口24、第2大入賞口25、及び開放契機口30の何れにも入球しなかった遊技球を遊技領域20aから排出するためのアウト口31を備える。
【0028】
パチンコ遊技機10において、遊技者は、発射ハンドル18の操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口20bより左方にある左方領域、及び表示窓口20bより右方にある右方領域に遊技球を打ち分けることができる。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちと示す)、遊技球は、右方領域に流下案内され易い。遊技球は、右方領域を流下する場合、第2始動口23、第1大入賞口24、第2大入賞口25、ゲート29、及び開放契機口30へ入球し得る。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度より若干弱い強度に調整して行う。一例として、パチンコ遊技機10では、右打ちした場合であって、かつ、第2始動口23、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25に入球しない場合において、高確率で開放契機口30へ遊技球が入球するように遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。一例として、遊技部品は、右打ちした場合であって、かつ、第2始動口23、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25に入球しない場合において、8割以上の確率で開放契機口30へ遊技球が入球するように配置されているとよい。
【0029】
一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちと示す)、遊技球は、左方領域に流下案内され易い。遊技球は、左方領域を流下する場合、第1始動口22へ入球し得る。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。パチンコ遊技機10では、右打ちした場合、第1始動口22へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口22への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口22へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0030】
左方領域は、遊技盤20を正面視したときに遊技領域20aを左右に二等分する中心線CLより左側に位置する領域である。右方領域は、遊技盤20を正面視したときに中心線CLより右側に位置する領域である。発射ハンドル18の操作によって発射された遊技球は、遊技領域20aの左上方にある流入口20cに案内され、遊技領域20aに流入する。つまり、左方領域は、流入口20c寄りの領域でもある。そして、右方領域は、流入口20cから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置15の左側を通る。その後、遊技球は、遊技領域20aの最下方に位置するアウト口31へ向かう。右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置15の右側を通る。その後、遊技球は、アウト口31へ向かう。
【0031】
次に、パチンコ遊技機10の機能について説明する。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を備える。
入球補助機能は、第2始動口23への遊技球の入球を補助するための機能である。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口23に入球する確率(以下、入球率と示す)が異なる状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23に入球する確率が高い。高入球率状態は、第2始動口23への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態である。高入球率状態は、普通電動役物である第2始動口23への入球をサポートする電サポ状態ともいえる。
【0032】
高入球率状態は、以下に示す2つの制御を組み合わせて実現される。一例として、高入球率状態を実現するための1つめの制御は、普通ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときより短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。一例として、普通図柄の変動時間短縮制御は、低入球率状態と高入球率状態とにおいて、普通ゲームの変動時間を規定する変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンを異ならせることで実現できる。
【0033】
一例として、高入球率状態を実現するための2つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23の合計開放時間(例えば平均の合計開放時間)を、低入球率状態のときより長くする開放時間延長制御である。一例として、開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23の開放回数を低入球率状態のときより多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23の1回の開放時間を低入球率状態のときより長くする制御のうち、少なくとも一方である。一例として、開放時間延長制御は、低入球率状態と高入球率状態とにおいて、普通当り遊技における第2始動口23の開放態様が定められた開放パターンが異なる普通当り遊技の実行割合を変動させることで実現できる。つまり、開放時間延長制御は、高入球率状態において普通当り遊技が実行されるとき、第2始動口23の合計開放時間が長い普通当り遊技が、低入球率状態に比して実行され易くすることで実現できる。一例として、開放パターンには、第2始動口23の開放回数、開放時間、及び開放タイミング(閉鎖タイミング)が定められる。
【0034】
一例として、高入球率状態は、次に説明する3つめの制御を組合せて実現される。3つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときより短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。一例として、特別図柄の変動時間短縮制御は、低入球率状態と高入球率状態とにおいて、特別ゲームの変動時間を規定する変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンを異ならせることで実現できる。変動パターンの詳細は後述する。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(以下、「時短状態」と示す)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(以下、「非時短状態」)となる。
【0035】
次に、小当りの種類、及び小当り遊技について説明する。
小当り遊技は、小当りの種類に応じて生起される。小当りの種類は、小当り図柄(特別図柄)の種類によって規定される。つまり、小当り遊技は、特別図柄の種類に応じて生起される。小当りは、1種類であってもよく、複数種類であってもよい。特別図柄の各小当り図柄は、1種類又は複数種類の特別図柄をそれぞれ含む。一例として、小当りは、1種類である。つまり、小当り遊技は、1種類である。なお、以下の説明では、特別図柄の当り抽選について、説明の便宜上、単に当り抽選と示す場合がある。
【0036】
小当り遊技では、最初に、予め定められた時間(以下、小当りオープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。小当り遊技では、小当りオープニング時間の経過後に、第1大入賞口24を開放するラウンド遊技が1回行われる。
【0037】
小当り遊技において、ラウンド遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する個数条件、予め定められた上限時間が経過する時間条件、又は遊技球が特定領域を通過する生起条件が成立すると終了される。一例として、上限個数は、10個である。つまり、小当り遊技において、ラウンド遊技は、10個の遊技球が入球することによって個数条件が成立する場合に終了する。一例として、上限時間は、1.75秒である。つまり、小当り遊技においてラウンド遊技は、1.75秒が経過することによって時間条件が成立する場合に終了する。なお、上限個数は、小当り遊技の種類によって異なってもよい。上限時間は、小当り遊技の種類によって異なってもよい。
【0038】
小当り遊技では、ラウンド遊技において、第1大入賞口24が所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。一例として、小当り遊技では、ラウンド遊技において、第1大入賞口24が1.7秒開放した後に0.5秒閉鎖する。小当り遊技では、ラウンド遊技において、振分シャッタ28が所定の振分態様(振分パターン)にて動作する。一例として、小当り遊技では、ラウンド遊技が開始される時点において、振分シャッタ28が第2状態を取る。その後、振分シャッタ28は、ラウンド遊技において第1大入賞口24に特定個数の遊技球が入球したことを契機として第1状態を取る。小当り遊技には、それぞれ特定個数が定められている。一例として、特定個数は、1個である。上述したように、第1大入賞口24に入球した遊技球は、振分シャッタ28が第1状態を取るときに第1通路26aの特定領域を通過し得る。つまり、小当り遊技では、ラウンド遊技において、第1大入賞口24に特定個数の遊技球が入球したことによって、生起条件が成立し得る。
【0039】
ラウンド遊技では、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技のラウンド遊技を実行中であることを認識可能なラウンド演出である。小当り遊技では、ラウンド遊技が終了すると、予め定められた時間(以下、小当りエンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。小当り遊技は、小当りエンディング時間の経過に伴って終了される。小当り遊技において、ラウンド遊技が生起条件の成立によって終了すると、小当り遊技の終了後に大当り遊技が生起される。つまり、生起条件は、満たされていることによって大当り遊技が生起される契機となる条件である。
【0040】
次に、大当りの種類、及び大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、大当りの種類、及び小当りの種類に応じて生起される。大当りの種類は、大当り図柄(特別図柄)の種類によって規定される。つまり、大当り遊技は、特別図柄の種類に応じて生起される。
【0041】
大当り遊技には、第1大当り遊技、及び第2大当り遊技がある。第1大当り遊技は、当り抽選において大当りに当選したことを契機として生起される大当り遊技である。一例として、大当りは、1種類であってもよく、複数種類であってもよい。特別図柄の大当り図柄は、1種類又は複数種類の特別図柄をそれぞれ含む。第2大当り遊技は、小当り遊技において生起条件が満たされた場合に生起される大当り遊技である。つまり、第2大当り遊技は、当り抽選において小当りに当選したことに基づく大当り遊技である。
【0042】
大当り遊技では、最初に、予め定められた時間(以下、大当りオープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口24を開放するラウンド遊技が予め定められた回数を上限として行われる。一例として、第1大当り遊技、及び第2大当り遊技のラウンド遊技の上限回数は、何れも10回である。ここで、小当り遊技において生起条件が満たされた場合に生起される第2大当り遊技では、小当り遊技における1回のラウンド遊技をその上限回数に含む。つまり、第2大当り遊技の第1大入賞口24を開放するラウンド遊技の回数は、実質9回である。なお、小当り遊技において生起条件が満たされた場合に生起される第2大当り遊技では、オープニング時間が経過することなく、ラウンド遊技が開始されてもよい。
【0043】
大当り遊技において、1回のラウンド遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定められた上限時間が経過する時間条件が成立すると終了される。一例として、上限個数は、10個である。つまり、1回のラウンド遊技は、10個の遊技球が入球することによって個数条件が成立する場合に終了する。一例として、上限時間は、25秒である。つまり、1回のラウンド遊技は、25秒が経過することによって時間条件が成立する場合に終了する。
【0044】
ラウンド遊技において、第1大入賞口24は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。ラウンド遊技では、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技のラウンド遊技を実行中であることを認識可能なラウンド演出である。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定められた時間(以下、大当りエンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、大当りエンディング時間の経過に伴って終了される。なお、以下の説明において、オープニング演出について、小当り遊技におけるオープニング演出、及び大当り遊技におけるオープニング演出を区別する場合、それぞれ、小当りオープニング演出、及び大当りオープニング演出と示す。また、ラウンド演出について、小当り遊技におけるラウンド演出、及び大当り遊技におけるラウンド演出を区別する場合、それぞれ、小当りラウンド演出、及び大当りラウンド演出と示す。また、エンディング演出について、小当り遊技におけるエンディング演出、及び大当り遊技におけるエンディング演出を区別する場合、それぞれ、小当りエンディング演出、及び大当りエンディング演出と示す。
【0045】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出について説明する。演出は、演出実行装置群16を構成する複数の演出装置のうち1つの演出装置によって又は複数の演出装置を協働させることによって実行され得る。
【0046】
演出表示装置15における表示演出には、演出図柄(飾り図柄)を用いた図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)が含まれる。演出表示装置15では、複数の図柄列を表示可能である。図柄列の各々は、複数の演出図柄を含んで構成され、リールとも称される。複数の演出図柄のそれぞれは、当り抽選の結果を識別するための識別情報として、「1」~「8」の数字を含んで構成される。一例として、演出図柄は、「1」~「8」のアラビア数字にキャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。演出ゲームでは、複数の図柄列の各々で演出図柄を変動表示させてから、複数の図柄列の各々で演出図柄を停止表示させることにより、演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。つまり、演出ゲームでは、複数列の識別情報を変動表示した後、複数列の識別情報が停止表示される。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0047】
一例として、演出ゲームには、特別ゲームに対応して実行される特別演出ゲームと、普通ゲームに対応して実行される普通演出ゲームと、がある。一例として、特別演出ゲームは、非時短状態、又は第2時短状態である場合に実行される。一例として、普通演出ゲームは、第1時短状態である場合に実行される。一例として、特別演出ゲームには、第1特別演出ゲームと、第1特別演出ゲームとは異なる第2特別演出ゲームと、がある。第1特別演出ゲームは、第1特別ゲームに対応して実行される演出ゲームである。第2特別演出ゲームは、第2特別ゲームに対応して実行される演出ゲームである。第1特別演出ゲームは、第1演出ゲームの一例である。第2特別演出ゲームは、第2演出ゲームの一例である。一例として、特別演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。特別演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。例えば、特別演出ゲームでは、特別ゲームで大当り図柄が停止表示されるとき、大当りの図柄組合せが停止表示される。一例として、大当りの図柄組合せは、[777]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとなる組合せ(所謂、図柄揃い)である。例えば、特別演出ゲームでは、特別ゲームで小当り図柄が停止表示されるとき、小当りの図柄組合せが停止表示される。一例として、小当りの図柄組み合わせには、[777]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとなる組合せである。例えば、特別演出ゲームでは、特別ゲームで時短契機図柄が停止表示されるとき、時短契機の図柄組合せが停止表示される。一例として、時短契機の図柄組合せは、[777]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとなる組合せである。例えば、特別演出ゲームでは、特別ゲームではずれ図柄が停止表示されるとき、はずれの図柄組合せが停止表示される。一例として、はずれの図柄組合せは、[787]及び[468]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとならない組合せである。特別ゲーム及び当該特別ゲームに対応して実行される特別演出ゲームは、変動ゲームの一例となる。
【0048】
一例として、普通演出ゲームは、普通ゲームとともに開始され、普通ゲームとともに終了される。普通演出ゲームでは、普通ゲームで停止表示される普通図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。一例として、普通ゲームで停止表示され得る普通図柄は、第1普通当り図柄、及び第2普通当り図柄である。例えば、普通演出ゲームでは、普通ゲームで第1普通当り図柄が停止表示されるとき、第1普通当りの図柄組合せが停止表示される。一例として、第1普通当りの図柄組合せは、[787]及び[468]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとならない組合せである。例えば、普通演出ゲームでは、普通ゲームで第2普通当り図柄が停止表示されるとき、第2普通当りの図柄組合せが停止表示される。一例として、第2普通当りの図柄組合せは、[777]等のように、全ての図柄列の演出図柄の識別情報(数字)が同じとなる組合せ(所謂、図柄揃い)である。普通ゲーム及び当該普通ゲームに対応して実行される普通演出ゲームは、変動ゲームの一例となる。以下の説明では、第1特別ゲーム及び当該第1特別ゲームに対応して実行される第1特別演出ゲームを纏めて第1変動ゲームと示す場合がある。また、第2特別ゲーム及び当該第2特別ゲームに対応して実行される第2特別演出ゲームを纏めて第2変動ゲームと示す場合がある。また、普通ゲーム及び当該普通ゲームに対応して実行される普通演出ゲームを纏めて第3変動ゲームと示す場合がある。また、第1変動ゲーム、第2変動ゲーム、及び第3変動ゲームを区別しない場合、単に変動ゲームと示す場合がある。
【0049】
演出ゲームは、リーチ演出を含む場合がある。リーチ演出は、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを停止表示させる演出である。以下、リーチが形成されている状態をリーチ状態と示す場合がある。リーチは、当りの図柄組合せが形成される手前の状態、又は第2普通当りの図柄組合せが形成される手前の状態(所謂、テンパイ)である。例えば、リーチは、[7↓7]等のように、任意の図柄列(例えば、中図柄列)にて演出図柄が変動表示されており、かつ、その図柄列とは異なる複数の図柄列(以下、リーチ形成列といい、例えば左右の図柄列)にて、同一の識別情報(数字)を含む演出図柄が停止表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、Nリーチ演出と示す)と、Nリーチ演出に比して、今回の演出ゲームにて当りとなる期待度が高いスーパーリーチ演出(以下、SPリーチ演出と示す)と、がある。
【0050】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20の裏側(後方)に、主基板80と、副基板90と、を備える。主基板80と、副基板90とは、主基板80から副基板90へと一方向に各種の制御コマンド(制御信号)を出力可能となるように接続されている。主基板80は、所定の処理を実行し、副基板90へ制御信号を出力する。副基板90は、主基板80から入力した制御コマンドに基づいて所定の処理を実行する。
【0051】
主基板80について説明する。
主基板80は、主制御CPU81と、主制御ROM82と、主制御RWM83と、乱数生成回路84と、を備える。主制御CPU81は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。主制御ROM82は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。主制御ROM82は、複数種類の変動パターンを記憶している。一例として、変動パターンには、特別図柄用の変動パターンと、普通図柄用の変動パターンと、がある。特別図柄用の変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。特別図柄用の変動パターンは、特別ゲームの変動内容を特定可能な情報である。一例として、特別図柄用の変動パターンは、特別演出ゲームの演出時間、及び演出内容を特定可能である。普通図柄用の変動パターンは、普通ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。普通図柄用の変動パターンは、普通ゲームの変動内容を特定可能な情報である。一例として、普通図柄用の変動パターンは、普通演出ゲームの演出時間、及び演出内容を特定可能である。
【0052】
特別図柄用の変動パターンには、大当りの変動パターンと、小当りの変動パターンと、時短当りの変動パターンと、はずれの変動パターンと、がある。大当りの変動パターンに基づく特別演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される。小当りの変動パターンに基づく特別演出ゲームは、リーチ演出を経ないで最終的に小当りの図柄組み合わせが停止表示される。時短当りの変動パターンに基づく特別演出ゲームは、リーチ演出を経ないで最終的に時短契機の図柄組み合わせが停止表示される。はずれの変動パターンに基づく特別演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される。
【0053】
普通図柄用の変動パターンには、第1普通当りの変動パターンと、第2普通当りの変動パターンと、がある。第1普通当りの変動パターンに基づく普通演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的に第1普通当りの図柄組合せが停止表示される。第2普通当りの変動パターンに基づく普通演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に第2普通当りの図柄組合せが停止表示される。主制御RWM83は、主制御CPU81の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM83が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路84は、ハードウェア乱数を生成する。主基板80は、主制御CPU81による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0054】
主基板80は、各センサSE1~SE7と接続されている。主制御CPU81は、各センサSE1~SE7が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板80は、各表示装置19a~19fと接続されている。主制御CPU81は、各表示装置19a~19fの表示内容を制御可能である。主基板80は、各ソレノイドSL1~SL4と接続されている。主制御CPU81は、各ソレノイドSL1~SL3の動作を制御することにより、第2始動口23、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25の開放態様のそれぞれを制御可能である。主制御CPU81は、振分ソレノイドSL4の動作を制御することにより、振分シャッタ28の振分態様を制御可能である。
【0055】
次に、副基板90について説明する。
副基板90は、副制御CPU91と、副制御ROM92と、副制御RWM93と、を備える。副制御CPU91は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。副制御CPU91は、演出に関する制御を行う演出制御手段の一例である。副制御CPU91は、報知手段の制御を行う報知制御手段の一例である。副制御ROM92は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM92は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。副制御RWM93は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM93が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板90は、副制御CPU91による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板90は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0056】
副基板90は、演出表示装置15と接続されている。副制御CPU91は、演出表示装置15の表示内容を制御可能である。副基板90は、音声出力装置13と接続されている。副制御CPU91は、音声出力装置13の出力内容を制御可能である。副基板90は、装飾発光装置14と接続されている。副制御CPU91は、装飾発光装置14の発光態様を制御可能である。
【0057】
次に、主基板80の主制御CPU81が行う各種の処理について説明する。
特別入力処理について説明する。
主制御CPU81は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理の1つとして、特別入力処理を実行する。特別入力処理において、主制御CPU81は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口22へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口22へ入球した場合、主制御CPU81は、主制御RWM83に記憶されている第1特別保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU81は、第1特別保留数を1加算して更新する。つまり、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。主制御CPU81は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。主制御CPU81は、更新後の第1特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、特別保留数コマンドと示す)を副基板90へ出力する。
【0058】
次に、主制御CPU81は、乱数生成回路84が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく第1乱数情報を主制御RWM83に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄等の決定に用いる図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。第1乱数情報は、第1特別ゲーム用の情報であること、及びその記憶順序を特定可能となるように記憶される。第1乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1乱数情報を主制御RWM83に記憶させておくことで、第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0059】
主制御CPU81は、取得した第1特別ゲーム用の各種乱数に基づいて、先読み処理を実行する。先読み処理において、主制御CPU81は、第1特別ゲームの変動内容を事前判定する。一例として、主制御CPU81は、取得した当り乱数の値が、当り抽選に当選する値であるか否かを特定する。先読み処理において、主制御CPU81は、当り図柄乱数の値が、何れの当り図柄に当選する値であるかを特定してもよい。先読み処理において、主制御CPU81は、変動パターン乱数の値が、何れの変動パターンに当選する値であるかを特定してもよい。主制御CPU81は、先読みした第1特別ゲームの変動内容を特定可能な制御コマンド(以下、先読みコマンドと示す)を副基板90へ出力する。
【0060】
主制御CPU81は、先読み処理を終了した場合、遊技球が第1始動口22へ入球していない場合、又は第1特別保留数が上限数未満ではない場合に、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23へ入球している場合、主制御CPU81は、主制御RWM83に記憶されている第2保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主制御CPU81は、第2保留数を1加算して更新する。主制御CPU81は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示装置19dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0061】
次に、主制御CPU81は、乱数生成回路84が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく第1乱数情報を主制御RWM83に記憶させる。第2乱数情報は、第2特別ゲームに用いる情報であること、及びその記憶順序を特定可能となるように記憶される。第2乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2乱数情報を主制御RWM83に記憶させておくことで、第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0062】
第1特別開始処理について説明する。
主制御CPU81は、タイマ割り込み処理の1つとして、第1特別開始処理を実行する。主制御CPU81は、第1特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。一例として、第1特別ゲームの開始条件には、第1特別ゲームの実行中ではないことを含み得る。一例として、第1特別ゲームの開始条件には、開放条件が成立中ではないことを含み得る。一例として、開放条件は、当り遊技中に成立する。つまり、主制御CPU81は、当り遊技中ではなく、かつ第1特別ゲームの実行中ではない場合に第1特別ゲームの開始条件が成立していると判定し得る。一方、主制御CPU81は、当り遊技中又は第1特別ゲームの実行中である場合に特別ゲームの開始条件が成立していないと判定する。第1特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU81は、第1特別開始処理を終了する。第1特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU81は、第1特別保留数が零より大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU81は、第1特別開始処理を終了する。
【0063】
第1特別保留数が零より大きい場合、主制御CPU81は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU81は、減算後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。次に、主制御CPU81は、第1乱数情報のうち、最先に記憶された情報を主制御RWM83から取得する。主制御CPU81は、取得した第1乱数情報から特定される当り乱数を用い、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU81は、現在の確率状態に応じた確率で大当り抽選を行う。一例として、パチンコ遊技機10は、複数の確率状態を備えない場合、現在の遊技状態にかかわらず、一定の確率で大当り抽選を行う。
【0064】
大当りに当選した場合、主制御CPU81は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第1図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の大当り図柄を決定する。なお、第1特別ゲームにて停止表示され得る特別図柄の大当り図柄が1種類しかない場合は、第1図柄抽選を行わずに1種類の大当り図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU81は、第1特別開始処理を終了する。
【0065】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU81は、取得した第1乱数情報から特定される当り乱数を用い、特別図柄の当り抽選として、時短当りに当選とするか否かの時短当り抽選(時短当り判定)を行う。主制御CPU81は、現在の遊技状態にかかわらず、一定の確率で時短当り抽選を行う。一例として、時短当りに当選する確率は、大当りに当選する確率より低くてもよく、大当りに当選する確率と同じであってもよく、大当りに当選する確率より高くてもよい。
【0066】
時短当りに当選した場合、主制御CPU81は、時短当り変動処理を行う。時短当り変動処理において、主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第2図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の時短契機図柄を決定する。なお、時短契機図柄が1種類しかない場合は、第2図柄抽選を行わずに時短契機図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、時短当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0067】
時短当りに当選しなかった場合、主制御CPU81は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第3図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる特別図柄のはずれ図柄を決定する。なお、はずれ図柄が1種類しかない場合は、第3図柄抽選を行わずにはずれ図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第1乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチなしの複数のはずれの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU81は、第1特別開始処理を終了する。
【0068】
第2特別開始処理について説明する。
主制御CPU81は、タイマ割り込み処理の1つとして、第2特別開始処理を実行する。主制御CPU81は、第2特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。一例として、第2特別ゲームの開始条件には、第2特別ゲームの実行中ではないことを含み得る。一例として、第2特別ゲームの開始条件には、開放条件の成立中ではないことを含み得る。つまり、主制御CPU81は、当り遊技中ではなく、かつ第2特別ゲームの実行中ではない場合に第2特別ゲームの開始条件が成立していると判定し得る。一方、主制御CPU81は、当り遊技中又は第2特別ゲームの実行中である場合に特別ゲームの開始条件が成立していないと判定する。第2特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了する。第2特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU81は、第2特別保留数が零より大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了する。
【0069】
第2特別保留数が零より大きい場合、主制御CPU81は、第2特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU81は、減算後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示装置19dを制御する。次に、主制御CPU81は、第2乱数情報のうち、最先に記憶された情報を主制御RWM83から取得する。主制御CPU81は、取得した第2乱数情報から特定される当り乱数を用い、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU81は、現在の確率状態に応じた大当り確率で大当り抽選を行う。
【0070】
大当りに当選した場合、主制御CPU81は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第4図柄抽選を行い、第2特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の大当り図柄を決定する。なお、第2特別ゲームにて停止表示され得る特別図柄の大当り図柄が1種類しかない場合は、第4図柄抽選を行わずに1種類の大当り図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了する。
【0071】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU81は、取得した第2乱数情報から特定される当り乱数を用い、特別図柄の当り抽選として、小当りに当選とするか否かの小当り抽選(小当り判定)を行う。主制御CPU81は、現在の遊技状態にかかわらず、一定の確率で小当り抽選を行う。一例として、小当りに当選する確率は、大当りに当選する確率より低くてもよく、大当りに当選する確率と同じであってもよく、大当りに当選する確率より高くてもよい。
【0072】
小当りに当選した場合、主制御CPU81は、小当り変動処理を行う。小当り変動処理において、主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第5図柄抽選を行い、第2特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の小当り図柄を決定する。なお、第2特別ゲームにて停止表示され得る特別図柄の小当り図柄が1種類しかない場合は、第5図柄抽選を行わずに1種類の小当り図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある小当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了する。
【0073】
小当りに当選しなかった場合、主制御CPU81は、時短当り変動処理を行う。時短当り変動処理において、主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第6図柄抽選を行い、第2特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の時短契機図柄を決定する。なお、時短契機図柄が1種類しかない場合は、第6図柄抽選を行わずに時短契機図柄を決定する構成であってもよい。主制御CPU81は、第2乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、時短当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了する。つまり、第2特別ゲームにて特別図柄のはずれ図柄は停止表示されない。
【0074】
一例として、主制御CPU81は、第2特別開始処理において変動パターン決定抽選を行うとき、第1特別開始処理において変動パターン決定抽選を行うときに比して、期待変動時間が短くなるように、変動パターン決定抽選を行う。ここで、第1変動ゲームの期待変動時間とは、第1特別開始処理において決定され得る各変動パターンに定められた変動時間と、当該変動パターンの決定割合との積の総和である。また、第2変動ゲームの期待変動時間とは、第2特別開始処理において決定され得る各変動パターンに定められた変動時間と、当該変動パターンの決定割合との積の総和である。つまり、第1変動ゲームの期待変動時間は、第1変動ゲームの変動パターンの決定割合に応じた平均変動時間であるといえる。同様に、第2変動ゲームの期待変動時間は、第2変動ゲームの変動パターンの決定割合に応じた平均変動時間であるといえる。上記のように変動パターン決定抽選を行うことにより、第2変動ゲームが実行されるときの期待変動時間は、第1変動ゲームが実行されるときの期待変動時間よりも短い。
【0075】
主制御CPU81は、大当り変動処理、小当り変動処理、時短当り変動処理、及びはずれ変動処理において、特別図柄用の変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板90へ出力する。特別図柄用の変動開始コマンドは、特別開始処理における各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、時短契機図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、特別図柄用の変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0076】
このように、第1特別開始処理では、当り抽選において時短当り、及び大当りに当選し得る。一方、第1特別開始処理では、当り抽選において小当りに当選しない。第2特別開始処理では、当り抽選において時短当り、小当り、及び大当りに当選し得る。一方、第2特別図柄開始処理では、当り抽選がはずれない。つまり、第2特別図柄開始処理では、当り抽選において、何れかの当りに必ず当選する。また、第1特別開始処理では、時短当りに当選した場合に、特別図柄の時短契機図柄が決定される。一方、第2特別開始処理では、時短当り抽選を経ずに、特別図柄の時短契機図柄が決定され得る。
【0077】
第1特別開始処理、又は第2特別開始処理を終了すると、主制御CPU81は、第1特別開始処理、及び第2特別開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU81は、第1特別開始処理を終了した場合、第1特別ゲームを実行させる。主制御CPU81は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、特別図柄用の変動終了コマンドと示す)を副基板90に出力する。
【0078】
主制御CPU81は、第2特別開始処理を終了した場合、第2特別ゲームを実行させる。主制御CPU81は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、主制御CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄用の変動終了コマンドを副基板90に出力する。
【0079】
小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理は、小当り遊技を生起するための処理である。主制御CPU81は、小当り図柄を停止表示させた特別ゲームの終了後、小当り遊技を生起する。一例として、主制御CPU81は、第1大入賞口24の開閉片24aを所定の動作パターンにしたがって動作させることによって小当り遊技を生起する。具体的に、主制御CPU81は、第2特別開始処理にて決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づいて、小当り遊技の種類を特定する。主制御CPU81は、特定した種類の小当り遊技を生起する。
【0080】
最初に、主制御CPU81は、開放条件が成立中であることを示すように開放情報を更新する。開放情報は、開放条件が成立中であるか否かを特定可能な情報である。開放情報は、主制御RWM83に記憶される。次に、主制御CPU81は、小当りオープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、小当りオープニングコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、小当りオープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させる。主制御CPU81は、小当り遊技のラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、小当りラウンドコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、特定した小当り遊技に対応する開放制御データを使用して第1特別ソレノイドSL2を制御し、第1大入賞口24の開放態様を制御する。ラウンド遊技の開始後、主制御CPU81は、個数条件、時間条件、又は生起条件が成立すると、第1大入賞口24を閉状態とするように、第1特別ソレノイドSL2を制御する。つまり、主制御CPU81は、第1カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上限個数に達するか、ラウンド遊技の上限時間が経過するか、特定センサSE5により遊技球が検知されると、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU81は、ラウンド遊技が終了すると、小当りエンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、小当りエンディングコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、小当りエンディング時間が経過すると、小当り遊技を終了する。主制御CPU81は、個数条件、又は時間条件によって、ラウンド遊技が終了した場合、開放条件が成立中ではないことを示すように開放情報を更新する。つまり、主制御CPU81は、小当り遊技に続けて、大当り遊技が実行されるときには、開放情報を更新しない。
【0081】
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を生起するための処理である。主制御CPU81は、大当り図柄を停止表示させた特別ゲームの終了後、又は生起条件が成立したことによってラウンド遊技が終了した小当り遊技の終了後、大当り遊技を生起する。一例として、主制御CPU81は、第1大入賞口24の開閉片24aを所定の動作パターンに従って動作させることによって大当り遊技を生起する。具体的に、主制御CPU81は、大当り図柄を停止表示させた特別ゲームの終了後に大当り遊技を生起する場合、第1特別開始処理、又は第2特別開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。一方、主制御CPU81は、生起条件が成立したことによってラウンド遊技が終了した小当り遊技の終了後に大当り遊技を生起する場合、第1特別開始処理、又は第2特別開始処理にて決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU81は、特定した種類の大当り遊技を生起する。
【0082】
最初に、主制御CPU81は、開放条件が成立中であることを示すように開放情報を更新する。次に、主制御CPU81は、大当りオープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、大当りオープニングコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、大当りオープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させる。具体的に、主制御CPU81は、特定した大当り遊技に対応する開放制御データを使用して第1特別ソレノイドSL2を制御し、第1大入賞口24の開放態様を制御する。ラウンド遊技の開始後、主制御CPU81は、第1カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又はラウンド遊技の上限時間が経過すると、第1大入賞口24を閉状態とするように、第1特別ソレノイドSL2を制御する。つまり、主制御CPU81は、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU81は、このようなラウンド遊技を実行させる処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU81は、大当り遊技のラウンド遊技を開始する毎に、大当り遊技のラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、大当りラウンドコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当りエンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、大当りエンディングコマンドと示す)を副基板90に出力する。主制御CPU81は、大当りエンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU81は、開放条件が成立中ではないことを示すように開放情報を更新する。
【0083】
遊技状態を移行させる遊技状態移行処理について説明する。
主制御CPU81は、主制御RWM83にフラグなどの情報を記憶させることによって、遊技状態を制御する。
【0084】
主制御CPU81は、大当り遊技を終了すると、当該大当り遊技の種類に応じた遊技状態に制御する。一例として、主制御CPU81は、第1大当り遊技の終了後、又は第2大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御する。主制御CPU81は、第1大当り遊技の終了後、又は第2大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御するとき、第1時短状態に制御することを特定可能なように時短状態フラグを更新する。
【0085】
また、主制御CPU81は、特別ゲームにて時短契機図柄を停止表示する場合に当該特別ゲームの終了後、第2時短状態に制御する。つまり、主制御CPU81は、時短当りの特別ゲームの終了後、第2時短状態に制御する。主制御CPU81は、時短当りの特別ゲームの終了後、第2時短状態に制御するとき、第2時短状態に制御することを特定可能なように時短状態フラグを更新する。
【0086】
主制御CPU81は、時短状態に制御している場合に当該時短状態の種類に応じた終了条件が成立すると非時短状態に制御する。一例として、主制御CPU81は、第1時短状態に制御している場合、当該時短状態に制御後の普通ゲームの実行回数が予め定められた第1上限回数に達した場合に第1時短状態の終了条件が成立したと判定する。一例として、第1上限回数は、120回である。一例として、主制御CPU81は、第1時短状態に制御している場合、当該第1時短状態に制御後の第1特別ゲームの実行回数と第2特別ゲームの実行回数との合計が予め定められた規定回数に達した場合に第1時短状態の終了条件が成立したと判定する。一例として、規定回数は、100回である。一例として、主制御CPU81は、第1時短状態に制御している場合、当該第1時短状態に制御後の第2特別ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に達した場合に第1時短状態の終了条件が成立したと判定する。一例として、所定回数は、1回である。
【0087】
一例として、主制御CPU81は、第2時短状態に制御している場合、当該第2時短状態に制御後の第1特別ゲームの実行回数と第2特別ゲームの実行回数との合計が予め定められた規定回数に達した場合に第2時短状態の終了条件が成立したと判定する。一例として、主制御CPU81は、第2時短状態に制御している場合、当該第2時短状態に制御後の第2特別ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に達した場合に第2時短状態の終了条件が成立したと判定する。
【0088】
主制御CPU81は、各時短状態の終了条件が成立するとき、非時短状態に制御するとともに、当該非時短状態に制御後の遊技状態を特定可能なように、主制御RWM83に記憶されている時短状態フラグを更新する。つまり、主制御CPU81は、非時短状態に制御する場合、非時短状態に制御することを特定可能なように時短状態フラグを更新する。
【0089】
一例として、主制御CPU81は、遊技状態が移行したとき、現在の遊技状態を特定可能な制御コマンド(以下、状態指定コマンドと示す)を副基板90へ出力する。状態指定コマンドには、非時短状態を特定可能な状態指定コマンドと、第1時短状態を特定可能な状態指定コマンドと、第2時短状態を特定可能な状態指定コマンドと、がある。一例として、主制御CPU81は、電力供給が開始されたとき、現在の遊技状態を特定可能な状態指定コマンドを副基板90へ出力する。非時短状態は、通常遊技状態の一例である。第1時短状態、及び第2時短状態は、通常遊技状態に比して有利な有利遊技状態の一例である。
【0090】
このように、各時短条件の終了条件には、共通する終了条件として、第2特別ゲームの実行回数が所定回数に達したことを含む。ここで、主制御CPU81は、所定回数目の第2特別ゲームが終了したことを契機として、時短状態の終了条件が成立したと判定する。上述したように、第2特別ゲームでは、時短契機図柄が停止表示され得る。一例として、主制御CPU81は、所定回数目の第2特別ゲームにおいて時短契機図柄が停止表示される場合、所定回数目の第2特別ゲームが終了したことを契機として、非時短状態に制御させた後、当該第2特別ゲームにおいて時短契機図柄が停止表示されたことを契機として、第2時短状態に制御する。このため、各時短状態では、第2特別ゲームが実行される場合、当該第2特別ゲームにおいて時短契機図柄が停止表示されると、非時短状態に制御された後に第2時短状態に制御されることとなる。上述したように、第2特別ゲームでは、当り抽選において、小当り、又は大当りに当選しなかった場合には、必ず時短当りとなって時短契機図柄が停止表示される。このため、各時短状態に制御された後、第2特別ゲームが実行されると、当り抽選において、小当り、又は大当りに当選するまで、第2時短状態に制御されることとなる。
【0091】
普通入力処理について説明する。
主制御CPU81は、タイマ割り込み処理の1つとして、普通入力処理を実行する。主制御CPU81は、ゲートセンサSE6から検知信号を入力すると、主制御RWM83に記憶されている普通保留数が上限数未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU81は、普通入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU81は、普通保留数を1加算して更新する。主制御CPU81は、更新後の普通保留数を特定可能な制御コマンド(以下、普通保留数コマンドと示す)を副基板90へ出力する。次に、主制御CPU81は、乱数生成回路84が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく普通乱数情報を主制御RWM83に記憶させる。例えば、乱数は、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数、普通当り図柄等の決定に用いる普通図柄乱数、及び普通図柄用の変動パターンの決定に用いる普通変動パターン乱数などである。その後、主制御CPU81は、普通入力処理を終了する。
【0092】
普通開始処理について説明する。
主制御CPU81は、タイマ割り込み処理の1つとして普通開始処理を実行する。主制御CPU81は、普通ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU81は、普通当り遊技中ではなく、かつ普通ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中又は普通ゲームの実行中である場合に否定判定する。普通ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU81は、普通開始処理を終了する。普通ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU81は、普通保留数が零より大きいか否かを判定する。普通保留数が零である場合、主制御CPU81は、普通開始処理を終了する。
【0093】
普通保留数が零ではない場合、主制御CPU81は、普通保留数を1減算して更新する。主制御CPU81は、減算後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示装置19fを制御する。主制御CPU81は、普通乱数情報のうち、最先に記憶された情報を主制御RWM83から取得する。主制御CPU81は、取得した普通乱数情報から特定される普通当り乱数を用い、普通図柄の当り抽選として、普通当りに当選とするか否かの普通当り抽選(普通当り判定)を行う。主制御CPU81は、現在の遊技状態にかかわらず、一定の普通当り確率で普通当り抽選を行う。一例として、普通当り確率は、1/1である。なお、普通当り確率が1/1である場合、主制御CPU81は、普通当り抽選を行わなくてもよい。
【0094】
次に、主制御CPU81は、普通乱数情報から特定可能な普通図柄乱数を用いて普通図柄抽選を行い、普通ゲームにて停止表示させる普通図柄の普通当り図柄を決定する。一例として、普通ゲームにて停止表示され得る普通図柄の普通当り図柄には、第1普通当り図柄と、第2普通当り図柄と、がある。一例として、主制御CPU81は、現在の遊技状態に応じた割合で普通当り図柄の種類を決定するように、普通図柄抽選を行う。一例として、現在の遊技状態が非時短状態である場合、主制御CPU81は、普通図柄の普通当り図柄として、1/1の割合で第1普通当り図柄を決定する。一例として、現在の遊技状態が時短状態である場合、主制御CPU81は、普通図柄の普通当り図柄として、99/100、又は零の割合で第1普通当り図柄を決定する。つまり、現在の遊技状態が時短状態である場合、主制御CPU81は、普通図柄の普通当り図柄として、1/100、又は1/1の割合で第2普通当り図柄を決定する。
【0095】
一例として、現在の遊技状態が時短状態である場合の普通当り図柄の決定割合は、時短状態の種類によって異なる。一例として、第1時短状態に制御された場合の第1普通当り図柄の決定割合は、99/100である。一例として、第1時短状態に制御された場合の第2普通当り図柄の決定割合は、1/100である。つまり、第1大当り遊技、又は第2大当り遊技の終了を契機として時短状態に制御された場合の第1普通当り図柄の決定割合は、99/100である。また、第1大当り遊技、又は第2大当り遊技の終了を契機として時短状態に制御された場合の第2普通当り図柄の決定割合は、1/100である。
【0096】
一例として、第2時短状態に制御された場合の第1普通当り図柄の決定割合は、零である。一例として、第2時短状態に制御された場合の第2普通当り図柄の決定割合は、1/1である。つまり、時短契機図柄の停止表示を契機として時短状態に制御された場合の第1普通当り図柄の決定割合は、零である。また、時短契機図柄の停止表示を契機として時短状態に制御された場合の第2普通当り図柄の決定割合は、1/1である。
【0097】
主制御CPU81は、普通ゲームの変動時間を定められた普通図柄用の変動パターンを決定する。一例として、主制御CPU81は、非時短状態である場合、第1変動時間を定められた第1普通変動パターンを決定する。一方、主制御CPU81は、時短状態の場合、第1変動時間より短い第2変動時間を定められた複数の第2普通変動パターンから1の変動パターンを決定する。一例として、第1変動時間は、10分である。一例として、主制御CPU81は、時短状態の場合、普通図柄抽選の結果に応じて、普通図柄用の変動パターンを決定する。一例として、主制御CPU81は、普通図柄抽選の結果、普通当り図柄として第1普通当り図柄を決定した場合、普通乱数情報から特定可能な普通変動パターン乱数を用いて普通変動パターン決定抽選を行い、複数ある第1普通当り図柄用の第2普通変動パターンの中から変動パターンを決定する。一例として、主制御CPU81は、普通図柄抽選の結果、普通当り図柄として第2普通当り図柄を決定した場合、普通乱数情報から特定可能な普通変動パターン乱数を用いて普通変動パターン決定抽選を行い、複数ある第2普通当り図柄用の第2普通変動パターンの中から変動パターンを決定する。この遊技状態に応じた変動パターンの決定態様により、時短状態中は、普通ゲームの変動時間が短縮される。
【0098】
普通図柄用の変動パターンを決定すると、主制御CPU81は、普通図柄表示装置19eに普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄用の変動開始コマンド、及び普通図柄コマンドを副基板90へ出力する。普通図柄用の変動開始コマンドは、決定した普通図柄用の変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。普通図柄コマンドは、決定した普通図柄(第1普通当り図柄、又は第2普通当り図柄)を特定可能な制御コマンドである。その後、主制御CPU81は、決定した普通図柄用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普通図柄抽選の結果に応じた普通当り図柄を停止表示させるとともに、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、普通図柄用の変動終了コマンドと示す)を副基板90に出力する。特別開始処理、及び普通開始処理を実行する主制御CPU81は、変動ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンを決定する変動パターン決定手段の一例である。
【0099】
普通当り遊技処理について説明する。
普通当りに当選した場合、主制御CPU81は、普通ゲームの終了後、第2始動口23の開閉片23aを所定の動作パターンに従って動作させ、普通当り遊技を生起する。一例として、主制御CPU81は、第2始動口23の開閉片23aを、普通当りの種類に応じた動作パターンに従って動作させ、普通当り遊技を生起する。つまり、普通当り遊技は、普通当りの種類に応じて生起される。一例として、普通当りの種類は、普通当り図柄の種類によって規定される。つまり、普通当り遊技は、普通図柄の種類に応じて生起される。一例として、普通当り遊技には、第1普通当り図柄に基づく第1普通当り遊技と、第2普通当り図柄に基づく第2普通当り遊技と、がある。
【0100】
一例として、主制御CPU81は、第1普通当り遊技において、第1開放時間の開放をした後、第1閉鎖時間の閉鎖をする開放パターンとなるように、普通ソレノイドSL1を制御する。一例として、第1開放時間は、第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ入球できない、又は第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ略入球できない時間である。つまり、第1普通当り遊技では、第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ入球できない、又は第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ略入球できない。一例として、第1開放時間は、0.008秒である。一例として、第1閉鎖時間は、0.008秒である。一例として、主制御CPU81は、第2普通当り遊技において、第2開放時間の開放をした後、第2閉鎖時間の閉鎖をする開放パターンとなるように、普通ソレノイドSL1を制御する。一例として、第2開放時間は、第2始動口23の開放中に第2始動口23へ遊技球が容易に入球し得る時間である。つまり、第2普通当り遊技では、第2始動口23の開放中に第2始動口23へ遊技球が容易に入球し得る。一例として、第2開放時間は、5.4秒である。一例として、第2閉鎖時間は、0.008秒である。
【0101】
このように、非時短状態では、第1普通当り図柄、及び第2普通当り図柄のうち、第1普通当り図柄のみが決定されるため、第1普通当り遊技、及び第2普通当り遊技のうち、第1普通当り遊技のみが実行され得る。そして、第1普通当り遊技では、第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ入球できない、又は第2始動口23の開放中に遊技球が第2始動口23へ略入球できない。このため、非時短状態では、左打ちで遊技を行うことが推奨される。一方、時短状態では、第2普通当り図柄が決定され得るため、第2普通当り遊技が実行され得る。そして、第2普通当り遊技では、第2始動口23の開放中に第2始動口23へ遊技球が容易に入球し得る。このため、時短状態では、第2始動口23へ遊技球を入球させるように右打ちで遊技を行うことが推奨される。
【0102】
副基板90の副制御CPU91が実行する各種の処理について説明する。
副制御CPU91は、主基板80から入力する各種の制御コマンドに基づいて、所定の演出、及び所定の報知を実行するように、演出実行装置群16を制御する。
【0103】
大当り演出を実行させるための大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU91は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出実行装置群16を制御する。副制御CPU91は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出実行装置群16を制御する。副制御CPU91は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出実行装置群16を制御する。副制御CPU91は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出実行装置群16を制御する。
【0104】
演出ゲームを実行させるための処理について説明する。
まず、特別演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定するための特別演出図柄決定処理について説明する。
【0105】
副制御CPU91は、非時短状態、又は第2時短状態に制御されているときに特別図柄用の変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄用の変動開始コマンドから特定可能な変動パターンと、特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄と、に基づいて、特別演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。
【0106】
副制御CPU91は、特別図柄用の変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄用の変動開始コマンドから特定可能な変動パターンと、特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄と、に基づいて、特別演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。一例として、副制御CPU91は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合に、大当りの図柄組合せを決定する。一例として、大当りの図柄組合せは、複数の演出図柄が同一の演出図柄である図柄組合せである。一例として、副制御CPU91は、特別図柄コマンドから小当り図柄を特定可能である場合に、小当りの図柄組合せを決定する。一例として、小当りの図柄組合せは、複数の演出図柄が同一の演出図柄である図柄組合せである。
【0107】
一例として、副制御CPU91は、特別図柄コマンドから時短契機図柄を特定可能である場合に、時短契機の図柄組み合わせを決定する。一例として、時短契機の図柄組合せは、複数の演出図柄が同一の演出図柄である図柄組合せである。一例として、副制御CPU91は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合に、はずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU91は、はずれの図柄組合せを決定する際、変動開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、リーチを含むはずれの図柄組合せ、又はリーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。一例として、リーチを含むはずれの図柄組み合わせは、複数の演出図柄のうち、左右列の演出図柄が同一の演出図柄である一方、中列の演出図柄が異なる演出図柄である図柄組み合わせである。一例として、リーチを含まないはずれの図柄組合せは、複数の演出図柄がそれぞれ異なる演出図柄である図柄組合せである。
【0108】
次に、普通演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定するための普通演出図柄決定処理について説明する。
副制御CPU91は、第1時短状態に制御されているときに普通図柄用の変動開始コマンド、及び普通図柄コマンドを入力すると、普通図柄用の変動開始コマンドから特定可能な変動パターンと、普通図柄コマンドから特定可能な普通図柄と、に基づいて、普通演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。
【0109】
副制御CPU91は、普通図柄用の変動開始コマンド、及び普通図柄コマンドを入力すると、普通図柄用の変動開始コマンドから特定可能な変動パターンと、普通図柄コマンドから特定可能な普通図柄と、に基づいて、普通演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。一例として、副制御CPU91は、普通図柄コマンドから第1普通当り図柄を特定可能である場合に、第1普通当り図柄の図柄組合せを決定する。副制御CPU91は、第1普通当りの図柄組合せを決定する際、変動開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、リーチを含む第1普通当りの図柄組合せ、又はリーチを含まない第1普通当りの図柄組合せを決定する。一例として、リーチを含む第1普通当りの図柄組み合わせは、複数の演出図柄のうち、左右列の演出図柄が同一の演出図柄である一方、中列の演出図柄が異なる演出図柄である図柄組み合わせである。一例として、リーチを含まない第1普通当りの図柄組合せは、複数の演出図柄がそれぞれ異なる演出図柄である図柄組合せである。一例として、副制御CPU91は、普通図柄コマンドから第2普通当り図柄を特定可能である場合に、第2普通当り図柄の図柄組合せを決定する。一例として、第2普通当りの図柄組合せは、複数の演出図柄が同一の演出図柄である図柄組合せである。
【0110】
特別演出図柄決定処理、又は普通演出図柄決定処理によって、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定すると、副制御CPU91は、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置15を含む演出実行装置群16を制御する。つまり、副制御CPU91は、演出ゲームを開始させる。演出実行装置群16は、演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段の一例である。副制御CPU91は、演出ゲーム実行手段としての演出実行装置群16を制御する演出ゲーム制御手段の一例である。副制御CPU91は、演出ゲームの実行中に予告演出を実行させる場合、当該予告演出を実行するように、演出表示装置15を含む演出実行装置群16を制御する。予告演出は、遊技者にとって有利な状況が到来するか否かを示唆、又は報知する演出である。一例として、予告演出は、遊技者にとって有利な状況が到来する度合(以下、有利度と示す)を認識可能な演出である。
【0111】
一例として、副制御CPU91は、演出ゲームの開始後、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させる。その後、副制御CPU91は、変動終了コマンドの入力を契機として、図柄組合せを確定状態で停止表示させる。一例として、副制御CPU91は、変動パターンに定められた変動時間の経過を契機として、図柄組合せを確定状態で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。副制御CPU91は、演出ゲームの開始後、所定のタイミングが到来する前に変動終了コマンドを入力した場合、変動終了コマンドの入力を契機として、図柄組合せを仮で停止表示させることなく、確定状態で停止表示させる。
【0112】
先読み演出について説明する。
一例として、先読み演出は、変動ゲームの実行が保留された際に、当該変動ゲームを対象に実行するか否かが決定される演出である。一例として、先読み演出は、複数の変動ゲームにわたって実行可能な演出である。一例として、先読み演出は、実行の対象となる変動ゲームの有利度を認識可能な演出である。一例として、先読み演出には、波紋演出がある。
【0113】
図5に示すように、波紋演出は、波紋画像を表示する波紋表示演出を含み得る。一例として、波紋表示演出には、第1波紋表示演出と、第2波紋表示演出と、第3波紋表示演出と、がある。第1波紋表示演出は、第1波紋画像hg1を表示する表示演出である。第2波紋表示演出は、第2波紋画像hg2を表示する表示演出である。第3波紋表示演出は、第3波紋画像hg3を表示する表示演出である。一例として、第1波紋画像hg1は、白色の波紋を模した画像である。一例として、第2波紋画像hg2は、赤色の波紋を模した画像である。一例として、第3波紋画像hg3は、金色の波紋を模した画像である。一例として、第1波紋画像hg1、第2波紋画像hg2、及び第3波紋画像hg3は、演出図柄、及び背景画像に重畳的に表示される画像であって、演出図柄、及び背景画像の一部を透過して視認可能な画像である。一例として、第1波紋画像hg1、第2波紋画像hg2、及び第3波紋画像hg3は、実行の対象となる変動ゲームの有利度を認識可能な画像である。一例として、第3波紋画像hg3は、第2波紋画像hg2に比して、実行の対象となる変動ゲームの有利度が高いことを認識可能な画像である。一例として、第2波紋画像hg2は、第1波紋画像hg1に比して、実行の対象となる変動ゲームの有利度が高いことを認識可能な画像である。
【0114】
1の波紋演出は、1~4の波紋表示演出を含んで構成される。つまり、波紋演出は、1~4回の変動ゲームにわたって実行可能な演出である。1の波紋演出は、第1波紋表示演出、第2波紋表示演出、又は第3波紋表示演出を含んで構成される。1の波紋演出では、第1波紋表示演出が実行された後には、第1波紋表示演出、第2波紋表示演出、又は第3波紋表示演出が実行され得る。また、1の波紋演出では、第2波紋表示演出が実行された後には、第2波紋表示演出、又は第3波紋表示演出が実行され得る。また、1の波紋演出では、第3波紋表示演出が実行された後には、第1波紋表示演出、第2波紋表示演出、及び第3波紋表示演出のうち第3波紋表示演出のみが実行され得る。
【0115】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10が備える特徴的な機能である変動停止機能について説明する。
変動停止機能は、実行中の変動ゲームを途中で停止する機能である。ここで、変動ゲームの途中とは、変動ゲームの実行中であって、かつ、変動パターンに定められた変動時間が経過していないときである。本明細書において、変動ゲームの停止には、変動ゲームの中止、及び変動ゲームの中断を含む。変動ゲームの中止は、変動ゲームの途中で変動ゲームを終了させることである。変動ゲームの中断は、変動ゲームの途中で変動ゲームを停止させた後、変動停止機能の作動が終了することを契機として、変動ゲームを再開させることである。一例として、変動停止機能は、変動ゲームの実行中に第2大入賞口25が開放されることによって作動する。一例として、変動停止機能は、第2大入賞口25が閉鎖することによって、その作動を終了する。
【0116】
一例として、変動ゲームは、変動停止機能が作動するとき、その種類に応じて、中止する場合と、中断する場合とがある。一例として、第2変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するとき、当該第2変動ゲームは、中断される。一例として、大当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するとき、当該第1変動ゲームは、中断される。一例として、小当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するとき、当該第1変動ゲームは、中断される。一例として、時短当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するとき、当該第1変動ゲームは、中止される。一例として、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するとき、当該第1変動ゲームは、中止される。なお、第1普通当りの変動ゲームの実行中には、変動停止機能は作動しない。つまり、変動停止機能は、第1変動ゲームの実行中、又は第2変動ゲームの実行中に作動し得る。
【0117】
変動停止機能が作動する場合、パチンコ遊技機10では、停止演出が実行される。
停止演出は、変動ゲームの実行が停止されたことを認識可能な演出である。停止演出には、変動ゲームの実行が中止されたことを認識可能な中止演出と、変動ゲームの実行が中断されたことを認識可能な中断演出とがある。
【0118】
図6に示すように、中止演出は、導入演出として、導入画像dgを表示する表示演出を含む。一例として、導入演出は、変動ゲームが中止されたことを認識可能な演出である。一例として、導入画像dgは、変動ゲームが中止されたことを認識可能な画像である。一例として、導入画像dgは、おみくじ箱を模した画像である。一例として、中止演出は、第1結果演出として、第1結果画像kg1を表示する表示演出を含み得る。中止演出において、第1結果演出は、導入演出が終了することを契機として実行される。つまり、中止演出では、導入演出が実行された後、導入演出に代えて第1結果演出が実行され得る。第1結果演出は、実行が中止された変動ゲームがはずれの変動ゲームであることを認識可能な演出である。つまり、第1結果演出は、中止演出の終了後に時短状態が付与されないことを認識可能な演出である。一例として、第1結果画像kg1は、実行が中止された変動ゲームがはずれの変動ゲームであることを認識可能な画像である。つまり、第1結果画像kg1は、中止演出の終了後に時短状態が付与されないことを認識可能な画像である。一例として、第1結果画像kg1は、おみくじ棒が出ているおみくじ箱を模した画像である。一例として、第1結果画像kg1は、「はずれ」の文字列が書かれたおみくじ棒を模した画像である。
【0119】
一例として、中止演出は、第2結果演出として、第2結果画像kg2を表示する表示演出を含み得る。中止演出において、第2結果演出は、導入演出が終了することを契機として実行される。つまり、中止演出では、導入演出が実行された後、導入演出に代えて第2結果演出が実行され得る。第2結果演出は、実行が中止された変動ゲームが時短当りの変動ゲームであることを認識可能な演出である。つまり、第2結果演出は、中止演出の終了後に時短状態が付与されることを認識可能な演出である。一例として、第2結果画像kg2は、実行が中止された変動ゲームが時短当りの変動ゲームであることを認識可能な画像である。つまり、第2結果画像kg2は、中止演出の終了後に時短状態が付与されることを認識可能な画像である。一例として、第2結果画像kg2は、おみくじ棒が出ているおみくじ箱を模した画像である。一例として、第2結果画像kg2は、「当り」の文字列が書かれたおみくじ棒を模した画像である。
【0120】
このように、中止演出には、導入演出と、第1結果演出とを含んで構成される中止演出と、導入演出と、第2結果演出とを含んで構成される中止演出とがある。以下の説明では、これらを区別する場合、導入演出と、第1結果演出とを含んで構成される中止演出を第1中止演出と示し、導入演出と、第2結果演出とを含んで構成される中止演出を第2中止演出と示す。
【0121】
一例として、中断演出は、実行中の変動ゲーム、及び各種演出を一時停止する演出である。つまり、中断演出が実行されると、実行中の変動ゲームにおける、演出図柄の変動表示が一時停止される。また、中断演出が実行されると、実行中の変動ゲームにおける、リーチ演出の実行が一時停止される。また、中断演出が実行されるとき、予告演出を含む各種演出が実行中であれば、当該演出についても一時停止される。その後、中断演出の終了に伴って、変動ゲーム、及び各種演出が再開される。一例として、中断演出は、変動停止機能の作動が終了することによって終了する。
【0122】
変動停止機能を作動させるために主制御CPU81が実行する処理について説明する。
まず、変動停止機能を作動させる契機となる特別開放処理について説明する。
特別開放処理は、第2大入賞口25を開放させるために主制御CPU81が実行する処理である。
【0123】
図7に示すように、ステップS101において、主制御CPU81は、開放契機センサSE7から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が開放契機口30へ入球したか否かを判定する。遊技球が開放契機口30へ入球していない場合(ステップS101:NO)、主制御CPU81は、特別開放処理を終了する。遊技球が開放契機口30へ入球した場合(ステップS101:YES)、ステップS102において、主制御CPU81は、主制御RWM83に記憶される開放情報を参照して、開放条件の成立中であるか否かを判定する。開放条件の成立中である場合(ステップS102:YES)、主制御CPU81は、特別開放処理を終了する。開放条件の成立中ではない場合(ステップS102:NO)、ステップS103において、主制御CPU81は、特別停止処理を実行する。開放条件が成立中ではない場合に遊技球が開放契機口30へ入球することは、規制条件が成立することの一例である。つまり、規制条件は、遊技球が開放契機口30へ入球したことを契機として成立し得る。規制条件は、変動ゲームの実行の規制に係る条件である。ここで、変動ゲームの実行の規制とは、変動ゲームを中止することである。変動ゲームの実行の規制とは、実行中の変動ゲームの少なくとも一部(特別ゲーム、又は特別演出ゲームの少なくとも一方)を中止することである。なお、本実施形態において、変動ゲームを中断する際、変動ゲームを一時的に停止し、その後、停止した状況から再開させる。したがって、本明細書における変動ゲームの実行の規制には含まれない。開放契機口30は、特定入球口の一例である。
【0124】
図8に示すように、特別停止処理のステップS201において、主制御CPU81は、特別ゲームの実行中であるか否かを判定する。特別ゲームの実行中ではない場合(ステップS201:NO)、主制御CPU81は、特別停止処理を終了する。特別ゲームの実行中である場合(ステップS201:YES)、ステップS202において、主制御CPU81は、実行中の特別ゲームが第2特別ゲームであるか否かを判定する。実行中の特別ゲームが第2特別ゲームではない場合(ステップS202:NO)、ステップS203において、主制御CPU81は、実行中の特別ゲームが小当り、又は大当りの特別ゲームであるか否かを判定する。実行中の特別ゲームが第2特別ゲームである場合(ステップS202:YES)、又は実行中の特別ゲームが小当り、又は大当りの特別ゲームである場合(ステップS203:YES)、ステップS204において、主制御CPU81は、特別ゲームの実行を中断する。一例として、主制御CPU81は、特別ゲームの変動時間の計測を中断する。主制御CPU81は、特別ゲームの実行を中断したことを特定可能な制御コマンド(以下、中断コマンドと示す)を副基板90へ出力する。その後、主制御CPU81は、特別開放処理を終了する。
【0125】
一方、実行中の特別ゲームが小当り、又は大当りの特別ゲームではない場合(ステップS203:NO)、ステップS205において、主制御CPU81は、特別ゲームの実行を中止する。一例として、主制御CPU81は、特別ゲームの変動時間の計測を終了する。主制御CPU81は、特別ゲームの実行を中止したことを特定可能な制御コマンド(以下、中止コマンドと示す)を副基板90へ出力する。その後、主制御CPU81は、特別開放処理を終了する。
【0126】
図7に示すように、ステップS103の特別停止処理が終了すると、ステップS104において、主制御CPU81は、第2大入賞口25の開放を決定する。つまり、規制条件が成立したとき、第2大入賞口25が開放される。第2大入賞口25は、特別入球口の一例である。その後、主制御CPU81は、特別開放処理を終了する。
【0127】
第2大入賞口25の開放を決定した場合、主制御CPU81は、特別開放処理とは別の処理において、第2大入賞口25の開放態様を制御する。具体的に、主制御CPU81は、予め定められた開放制御データを使用して第2特別ソレノイドSL3を制御し、第2大入賞口25の開放態様を制御する。一例として、第2大入賞口25の開放態様は、小当り遊技における第1大入賞口24の開放態様、及び大当り遊技における第1大入賞口24の開放態様の何れとも異なる。つまり、小当り、又は大当りの演出ゲームの終了後、第1大入賞口24は、規制条件が成立したときとは異なる開放態様で開放される。小当り、又は大当りの演出ゲームは、特別当りの演出ゲームの一例である。一例として、主制御CPU81は、予め定められた開放制御データを使用して、第2大入賞口25を特定時間にわたって開放した後に閉鎖するように第2特別ソレノイドSL3を制御する。一例として、特定時間は、1.8秒以上であって、かつ、30秒未満である任意の秒数である。一例として、特定時間は、1.8秒である。主制御CPU81は、第2大入賞口25を開放させるとき、開放条件が成立中であることを示すように開放情報を更新する。
【0128】
その後、主制御CPU81は、閉鎖条件が成立した場合に第2大入賞口25の開放を終了させる。一例として、主制御CPU81は、個数条件、又は時間条件が成立した場合に閉鎖条件が成立したと判定する。一例として、主制御CPU81は、開放条件が成立してから上限個数の遊技球が第2大入賞口25へ入球した場合に個数条件が成立したと判定する。一例として、第2大入賞口25の上限個数は、10個である。一例として、主制御CPU81は、開放条件が成立してから上限時間が経過した場合に時間条件が成立したと判定する。一例として、第2大入賞口25の上限時間は、2秒である。つまり、閉鎖条件は、主制御CPU81が第2大入賞口25を閉鎖させた後、0.2秒が経過したときに成立し得る。閉鎖条件が成立した場合、主制御CPU81は、開放条件が成立中ではないことを示すように開放情報を更新する。閉鎖条件が成立した場合、主制御CPU81は、特別ゲームの変動時間の計測を中断中であると、特別ゲームの変動時間の計測を再開する。このように、開放条件には、第2大入賞口25の開放中であることを含み得る。
【0129】
上述した各種演出を実行するために副制御CPU91が実行する処理について説明する。
まず、先読み演出としての波紋演出を実行するために副制御CPU91が実行する波紋演出処理について説明する。
【0130】
副制御CPU91は、特別保留数コマンド、及び先読みコマンドを入力すると、波紋演出を実行するか否か、及び実行する場合の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、特別保留数コマンドから特定可能な第1特別保留数と、先読みコマンドから特定可能な第1変動ゲームの変動内容に基づいて、波紋演出を実行するか否か、及び実行する場合の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、第1特別保留数が1である場合、波紋演出を実行しないことを決定する。一例として、副制御CPU91は、第1特別保留数が2以上である場合、波紋演出の実行を決定し得る。一例として、副制御CPU91は、第1特別保留数が多いほど、波紋演出の実行を決定し易い。一例として、副制御CPU91は、新たに保留された第1変動ゲームが、当りの第1変動ゲームである場合、はずれの変動ゲームである場合に比して、波紋演出の実行を決定し易い。一例として、副制御CPU91は、新たに保留された第1変動ゲームの変動内容が、リーチ演出を含む変動内容である場合、リーチ演出を含まない変動内容である場合に比して、波紋演出の実行を決定し易い。一例として、副制御CPU91は、新たに保留された第1変動ゲームの変動内容が、SR演出を含む変動内容である場合、NR演出を含む変動内容である場合に比して、波紋演出の実行を決定し易い。波紋演出を実行しないことを決定した場合、副制御CPU91は、波紋演出処理を終了する。
【0131】
波紋演出の実行を決定した場合、副制御CPU91は、波紋演出の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、波紋演出を構成する波紋表示演出の数が第1特別保留数以下となるように波紋演出の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、第1波紋表示演出<第2波紋表示演出<第3波紋表示演出の順に有利度が高くなるように、波紋演出の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、第2波紋表示演出の後に第1波紋表示演出が実行されないように波紋演出の演出態様を決定する。一例として副制御CPU91は、第3波紋表示演出の後に、第1波紋表示演出、及び第2波紋表示演出が実行されないように波紋演出の演出態様を決定する。
【0132】
副制御CPU91は、波紋演出の実行、及び実行する波紋演出の演出態様を決定した後、波紋演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する。一例として、副制御CPU91は、波紋演出の実行を決定した後、波紋演出を構成する波紋表示演出のうち、最後の波紋表示演出が、波紋演出の実行の対象となる変動ゲームにおいて実行されるように、波紋演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する。つまり、波紋演出が4つの波紋表示演出を含んで構成される場合、波紋演出の実行の対象となる第1変動ゲームの3回前となる第1変動ゲームの実行を契機として波紋演出が実行される。同様に、波紋演出が3つの波紋表示演出を含んで構成される場合、波紋演出の実行の対象となる第1変動ゲームの2回前となる第1変動ゲームの実行を契機として波紋演出が実行される。波紋演出が2つの波紋表示演出を含んで構成される場合、波紋演出の実行の対象となる第1変動ゲームの1回前となる第1変動ゲームの実行を契機として波紋演出が実行される。
【0133】
副制御CPU91は、波紋演出の実行タイミングが到来したと判定すると波紋演出を実行させるように演出実行装置群16を制御する。一例として、副制御CPU91は、波紋演出の実行タイミングが到来したと判定すると、波紋演出を構成する波紋表示演出のうち、最初の第1変動ゲームにおいて実行される波紋表示演出を実行させるように演出実行装置群16を制御する。その後、副制御CPU91は、波紋演出を構成する波紋表示演出が全て実行されるまで、新たな第1変動ゲームが開始されるごとに、波紋演出を構成する波紋表示演出を順に実行させるように演出実行装置群16を制御する。
【0134】
中止演出を実行するために副制御CPU91が実行する処理について説明する。
副制御CPU91は、中止コマンドを入力すると、変動ゲームを中止するように演出実行装置群16を制御する。また、副制御CPU91は、中止コマンドを入力すると、各種演出を中止するように演出実行装置群16を制御する。一例として、副制御CPU91は、波紋演出の実行中に中止コマンドを入力すると、波紋演出を中止するように演出実行装置群16を制御する。つまり、保留中の変動ゲームを対象とした波紋演出の実行中に変動ゲームの実行が中止されるとき、以降の変動ゲームで波紋演出は再開されない。なお、新たに保留された第1変動ゲームを実行の対象とする新たな波紋演出は実行され得る。
【0135】
副制御CPU91は、中止コマンドを入力すると、中止演出の実行、及び実行する中止演出の演出態様を決定する。一例として、副制御CPU91は、はずれの第1変動ゲームの実行中に中止コマンドを入力すると、第1中止演出の実行を決定する。一方、副制御CPU91は、時短当りの第1変動ゲームの実行中に中止コマンドを入力すると、第2中止演出の実行を決定する。副制御CPU91は、決定した演出態様による中止演出を実行するように演出実行装置群16を制御する。一例として、中止演出は、第2大入賞口25の開放時間以下の演出時間にわたって実行される。一例として、中止演出は、第2大入賞口25の開放時間と同じ演出時間にわたって実行される。
【0136】
中断演出を実行するために副制御CPU91が実行する処理について説明する。
副制御CPU91は、変動ゲームの実行中に中断コマンドを入力すると、中断演出を実行するように演出実行装置群16を制御する。つまり、副制御CPU91は、変動ゲームの実行中に中断コマンドを入力すると、実行中の変動ゲームを一時停止するように演出実行装置群16を制御する。また、副制御CPU91は、変動ゲームの実行中に中断コマンドを入力すると、実行中の各種演出を一時停止するように演出実行装置群16を制御する。一例として、中断演出は、第2大入賞口25の開放時間と同じ演出時間にわたって実行される。副制御CPU91は、中断演出の演出時間が経過すると、中断演出を終了するように演出実行装置群16を制御する。つまり、副制御CPU91は、中断演出の演出時間が経過すると、変動ゲームの実行を再開するように演出実行装置群16を制御する。また、副制御CPU91は、中断演出の演出時間が経過すると、各種演出の実行を再開するように演出実行装置群16を制御する。
【0137】
次に、変動停止機能が作動したときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明する。
まず、非時短状態において、変動停止機能が作動したときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明する。
【0138】
図9では、時点T00において、はずれの第1変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが実行される。時点T01において、新たにはずれの第1変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T02において、実行中であったはずれの第1変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが終了する。また、はずれの第1変動ゲームが終了したことによって、時点T01において保留されたはずれの第1変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが実行される。その後、変動停止機能を作動させるため、遊技者が右打ちしたとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0139】
そして、時点T03において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、はずれの第1変動ゲームの実行が中止される。つまり、所定の第1特別演出ゲームの実行中、はずれの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機としてはずれの第1特別演出ゲームの実行を規制可能である。このとき、演出実行装置群16では、中止演出が実行される。これにより、遊技者は、実行が中止された変動ゲームの種類を認識可能である。
【0140】
また、第2大入賞口25が開放されることによって、第2大入賞口25へ遊技球が入球可能となる。上述したように、第2大入賞口25の賞球は1である。このため、開放契機口30へ遊技球が入球した後も右打ちを継続することによって第2大入賞口25へ遊技球が入球しても、遊技者の所持する遊技球は増加しない。時点T04では、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。また、開放条件が非成立となったことで、第1変動ゲームの実行条件が成立する。このため、演出実行装置群16では、新たな第1特別演出ゲームが実行される。
【0141】
図10では、時点T10において、はずれの第1変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが実行される。時点T11において、新たに時短当りの第1変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T12において、実行中であったはずれの第1変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが終了する。また、はずれの第1変動ゲームが終了したことによって、時点T11において保留された時短当りの第1変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、時短当りの第1特別演出ゲームが実行される。その後、変動停止機能を作動させるため、遊技者が右打ちしたとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0142】
そして、時点T13において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、時短当りの第1変動ゲームの実行が中止される。つまり、所定の第1特別演出ゲームの実行中、時短当りの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として時短当りの第1特別演出ゲームの実行を規制可能である。このとき、演出実行装置群16では、中止演出が実行される。これにより、遊技者は、実行が中止された変動ゲームの種類を認識可能である。
【0143】
また、時短当りの第1変動ゲームの実行が中止されることによって、第1特別図柄表示装置19aには、時短契機図柄が停止表示される。これにより、遊技状態は、非時短状態から第2時短状態へ移行する。このとき、右打ちによる遊技球の発射を継続している場合、ゲート29へ遊技球が入球し得る。ゲート29へ遊技球が入球すると、普通ゲームが実行される。また、遊技状態が第2時短状態であるため、実行される普通ゲームは、第2普通当りの普通ゲームである。つまり、普通ゲームの終了を契機として、第2普通当り遊技が実行される。上述したように、第2普通当り遊技では、第2始動口23の開放中に第2始動口23へ遊技球が容易に入球し得る。このため、遊技者が右打ちを継続している場合、第2始動口23へ遊技球が入球する。このとき、開放条件が成立中であることによって、第2変動ゲームの実行が保留される。
【0144】
その後、時点T14において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、開放条件の成立中に保留された第2変動ゲームの実行条件が成立する。つまり、第2変動ゲームが実行される。また、演出実行装置群16では、第2特別演出ゲームが実行される。上述したように、第2変動ゲームが実行されると、当り抽選に当選するまで、第2時短状態に制御される。つまり、時短当りの第1変動ゲームの実行が中止されるとき、遊技者が右打ちを継続することで、大当り遊技が付与されることとなる。
【0145】
図11では、時点T20において、はずれの第1変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが実行される。時点T21において、新たに小当りの第1変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T22において、実行中であったはずれの第1変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが終了する。また、はずれの第1変動ゲームが終了したことによって、時点T21において保留された小当りの第1変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、小当りの第1特別演出ゲームが実行される。その後、変動停止機能を作動させるため、遊技者が右打ちしたとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0146】
そして、時点T23において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、小当りの第1変動ゲームの実行が中断される。このとき、演出実行装置群16では、中断演出が実行される。これにより、遊技者は、小当り遊技、又は大当り遊技が付与されることを認識可能である。
【0147】
その後、時点T24において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、中断されていた小当りの変動ゲームが再開される。このように、所定の第1特別演出ゲームの実行中、小当りの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、小当りの第1特別演出ゲームの実行が規制されない。時点T25では、変動時間が経過したことを契機として、小当りの変動ゲームが終了したとする。これにより、小当り遊技が生起される。そして、小当り遊技では、遊技者が右打ちすることによって、大当り遊技の生起条件が成立する。つまり、大当り遊技が生起される。
【0148】
図12では、時点T30において、はずれの第1変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが実行される。時点T31において、新たに大当りの第1変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T32において、実行中であったはずれの第1変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、はずれの第1特別演出ゲームが終了する。また、はずれの第1変動ゲームが終了したことによって、時点T31において保留された大当りの第1変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、大当りの第1特別演出ゲームが実行される。その後、変動停止機能を作動させるため、遊技者が右打ちしたとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0149】
そして、時点T33において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、大当りの第1変動ゲームの実行が中断される。このとき、演出実行装置群16では、中断演出が実行される。これにより、遊技者は、小当り遊技、又は大当り遊技が付与されることを認識可能である。
【0150】
その後、時点T34において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、中断されていた大当りの変動ゲームが再開される。このように、所定の第1特別演出ゲームの実行中、大当りの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、大当りの第1特別演出ゲームの実行が規制されない。時点T35では、変動時間が経過したことを契機として、大当りの変動ゲームが終了したとする。これにより、大当り遊技が生起される。
【0151】
次に、第1時短状態において、変動停止機能が作動したときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明する。
図13では、時点T40において、第3変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、普通演出ゲームが実行される。時点T41において、第3変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T42において、実行中であった第3変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、普通演出ゲームが終了する。第3変動ゲームが終了したことによって、時点T41において保留された第3変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、新たに普通演出ゲームが実行される。その後、第1時短状態に制御されていることにより、遊技者が右打ちを継続したとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0152】
そして、時点T43において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。一方、開放契機口30へ遊技球が入球したものの、特別ゲームが実行されていないため、変動停止機能が作動しない。つまり、第3変動ゲームの実行は停止されない。このように、所定の普通演出ゲームの実行中、別の普通演出ゲームが保留されたとき、所定の普通演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、別の普通演出ゲームの実行が規制されない。特に、本実施形態では、普通演出ゲームの実行が中止されないだけでなく、中断もされない。つまり、所定の普通演出ゲームの実行中、別の普通演出ゲームが保留されたとき、所定の普通演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、別の普通演出ゲームを継続して実行可能である。その後、時点T44において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。このとき、開放条件が非成立となったか否かにかかわらず、第3変動ゲームは継続して実行される。
【0153】
次に、第2時短状態において、変動停止機能が作動したときの変動ゲームの実行態様の具体的な一例について説明する。
上述したように、第2時短状態では、第2普通当り図柄のみが決定されるため、右打ちをすることによって高確率で第2変動ゲームが実行される。つまり、第2時短状態では、非時短状態に比して第2変動ゲームが実行され易い。
【0154】
図14では、時点T50において、時短当りの第2変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが実行される。時点T51において、新たに時短当りの第2変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T52において、実行中であった時短当りの第2変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが終了する。上述したように、第2時短状態において、時短当りの第2特別演出ゲームが実行されると、一時的に非時短状態に制御された後に第2時短状態に制御される。つまり、実質的に第2時短状態が継続する。時短当りの第2変動ゲームが終了したことによって、時点T51において保留された時短当りの第2変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、新たに時短当りの第2特別演出ゲームが実行される。その後、第2時短状態に制御されていることにより、遊技者が右打ちを継続したとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0155】
そして、時点T53において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、時短当りの第2変動ゲームの実行が中断される。このとき、演出実行装置群16では、中断演出が実行される。
【0156】
その後、時点T54において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、中断されていた時短当りの変動ゲームが再開される。このように、所定の第2特別演出ゲームの実行中、時短当りの第2特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第2特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、時短当りの第2特別演出ゲームの実行が規制されない。
【0157】
図15では、時点T60において、時短当りの第2変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが実行される。時点T61において、新たに小当りの第2変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T62において、実行中であった時短当りの第2変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが終了する。時短当りの第2変動ゲームが終了したことによって、時点T61において保留された小当りの第2変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、新たに小当りの第2特別演出ゲームが実行される。その後、第2時短状態に制御されていることにより、遊技者が右打ちを継続したとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0158】
そして、時点T63において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、小当りの第2変動ゲームの実行が中断される。このとき、演出実行装置群16では、中断演出が実行される。その後、時点T64において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、中断されていた小当りの変動ゲームが再開される。このように、所定の第2特別演出ゲームの実行中、小当りの第2特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第2特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、小当りの第2特別演出ゲームの実行が規制されない。
【0159】
図16では、時点T70において、時短当りの第2変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが実行される。時点T71において、新たに大当りの第2変動ゲームの実行が保留されたとする。その後、時点T72において、実行中であった時短当りの第2変動ゲームが終了されたとする。これにより、演出実行装置群16では、時短当りの第2特別演出ゲームが終了する。時短当りの第2変動ゲームが終了したことによって、時点T71において保留された大当りの第2変動ゲームが実行される。これにより、演出実行装置群16では、新たに大当りの第2特別演出ゲームが実行される。その後、第2時短状態に制御されていることにより、遊技者が右打ちを継続したとする。これにより、開放契機口30へ遊技球が入球し得る。
【0160】
そして、時点T73において、開放契機口30へ遊技球が入球したとする。これにより、第2大入賞口25が開放される。つまり、開放条件が成立する。また、開放契機口30へ遊技球が入球したことを契機として、変動停止機能が作動する。これにより、大当りの第2変動ゲームの実行が中断される。このとき、演出実行装置群16では、中断演出が実行される。その後、時点T74において、第2大入賞口25の時間条件が成立したとする。これにより、第2大入賞口25が閉鎖される。つまり、開放条件が非成立となる。これにより、中断されていた大当りの変動ゲームが再開される。このように、所定の第2特別演出ゲームの実行中、大当りの第2特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第2特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、大当りの第2特別演出ゲームの実行が規制されない。
【0161】
また、規制条件が成立することによって、第1特別演出ゲームは、変動時間が短縮され得る。具体的には、規制条件が成立することによって、はずれの第1特別演出ゲームの変動時間が短縮される。また、規制条件が成立することによって、時短当りの第1特別演出ゲームの変動時間が短縮される。そして、はずれの第1特別演出ゲームの変動時間が短縮されるときには、遊技状態が変化しないのに対して、時短当りの第1特別演出ゲームの変動時間が短縮されるときには、遊技状態が非時短状態から第2時短状態へと変化する。そして、時短状態(第2時短状態)は、変動ゲームの変動時間が非時短状態よりも短い状態である。このため、時短状態(第2時短状態)では、非時短状態に比して、単位時間当たりに実行される変動ゲームの回数が多くなる。つまり、規制条件が成立したとき、第1特別演出ゲームにおいて、時短当りの図柄組合せが停止表示されるときには、はずれの図柄組合せが停止表示されるときよりもその後の時間効率が良い。一方、規制条件が成立しても、第2特別演出ゲームは、変動時間が短縮されない。時短当りの図柄組合せが停止表示されることは、特定結果が導出されることの一例である。はずれの図柄組合せが停止表示されることは、非特定結果が導出されるときの一例である。
【0162】
また、規制条件が成立したときには、中止演出、又は中断演出を実行可能である。これらの演出は、規制条件が成立していないときには、実行不能な演出である。このため、中止演出、及び中断演出は、規制条件が成立したことを認識可能な演出であるといえる。つまり、規制条件が成立したときには、規制条件が成立したことを認識可能な演出を実行可能であるといえる。
【0163】
次に、波紋演出、及び中止演出の実行態様の具体的な一例について説明する。
図17(a)には、はずれの第1変動ゲームが実行されているときの状況を示している。このとき、保留中の第1変動ゲームを対象として、波紋演出が実行されているものとする。また、開放条件が成立中ではないものとする。ここで、開放契機口30へ遊技球が入球すると、変動停止機能が作動する。
【0164】
図17(b)に示すように、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動すると、はずれの第1変動ゲームの実行が中止される。また、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動すると、各種演出の実行が中止される。つまり、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動すると、波紋演出が中止される。また、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動することによって、第1中止演出が実行される。これにより、遊技者は、はずれの第1変動ゲームを実行中であったことを認識可能である。上述したように、変動停止機能は、第2大入賞口25の開放中に作動する。第2大入賞口25の時間条件は、2秒が経過することによって成立する。一方、第2大入賞口25の個数条件は、10個の遊技球が入球することによって成立する。ここで、パチンコ遊技機10は、1分間に略100個の遊技球が発射される。つまり、発射した遊技球が全て第2大入賞口25に入球したと仮定しても、第2大入賞口25の個数条件が成立するまでには、概ね15秒を要することとなる。このため、第2大入賞口25は、100%、又は略100%の確率で、時間条件が成立することによって閉鎖される。これにより、中止演出の演出時間が経過する前に変動停止機能の作動が終了することはない、又は中止演出の演出時間が経過する前に変動停止機能の作動が終了することは略ない。
【0165】
図17(c)に示すように、変動停止機能の作動が終了すると、保留中であった第1変動ゲームが実行される。ここでは、時短当りの第1変動ゲームが実行されたとする。直前の変動では、当該時短当りの第1変動ゲームを対象として、波紋演出が実行されていたものの、変動停止機能が作動することによって、その実行が中止されている。このため、時短当りの第1変動ゲームにおいて、波紋演出は実行されない。
【0166】
図17(d)に示すように、時短当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動すると、時短当りの第1変動ゲームの実行が中止される。また、時短当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動すると、各種演出の実行が中止される。また、時短当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動することによって、第2中止演出が実行される。これにより、遊技者は、時短当りの第1変動ゲームを実行中であったことを認識可能である。
【0167】
このように、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として、はずれの第1特別演出ゲームの実行が規制されるとき、はずれの第1特別演出ゲームにおいて実行されることが決定されていた波紋演出(波紋表示演出)の実行を規制可能である。
【0168】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、所定の第1特別演出ゲームの実行中、はずれの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機としてはずれの第1特別演出ゲームの実行を規制可能である。これによれば、第1特別演出ゲームにおいて導出される当り抽選の結果がはずれである可能性が高いことを認識した場合、遊技者は、開放契機口に遊技球が入球するように遊技球を発射させることで、はずれの第1特別演出ゲームの実行を規制することができる。よって、興趣の低下を抑制することができる。
【0169】
(2)一方、所定の第2特別演出ゲームの実行中、別の第2特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第2特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、別の第2特別演出ゲームの実行が規制されない。これによれば、演出ゲームの種類によって、好適にその実行を規制することができる。
【0170】
(3)特に、第2特別演出ゲームが実行されるときの期待変動時間は、第1特別演出ゲームが実行されるときの期待変動時間よりも短い。つまり、期待変動時間の長短に応じて、演出ゲームの実行を規制させるか否かを異ならせている。より具体的には、期待変動時間の長い演出ゲームが実行されるときに、その実行を規制させることが可能である。これにより、興趣が低下し易い状況に限定して、その原因を解消可能に構成させることで、好適に、興趣の低下を抑制することができる。
【0171】
(4)また、第2特別演出ゲームは、第2時短状態において実行され易い演出ゲームである。一般的に、有利な状況が発生し易い遊技状態では、当り抽選の結果がはずれである可能性が高いことを遊技者が認識可能な演出ゲームが、相対的に実行され難い。このため、このような状況では、演出ゲームの実行を規制させないことで、好適に、興趣の低下を抑制することができる。
【0172】
(5)また、本実施形態では、規制条件が成立したとき、規制条件が成立したことを認識可能な演出を実行可能であることによって、規制条件が成立したか否かを遊技者が認識し易い。
【0173】
(6)また、本実施形態では、規制条件が成立したとき、大入賞口(第2大入賞口25)が開放される。これによれば、大入賞口(第2大入賞口25)が開放されることによって、規制条件が成立したか否かを認識可能である。
【0174】
(7)また、本実施形態では、規制条件が成立することによって、第1特別演出ゲームは、変動時間が短縮される。これによれば、第1特別演出ゲームの実行期間を短縮することができることで、興趣の低下を抑制することができる。
【0175】
(8)また、本実施形態では、規制条件が成立したとき、第1特別演出ゲームにおいて、時短契機の図柄組合せが停止表示されるとき、はずれの図柄組合せが導出されるときよりもその後の時間効率が良くなる。よって、規制条件が成立したときに、第1特別演出ゲームの結果に興味を持たせることができる。
【0176】
(9)また、本実施形態では、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として、はずれの第1特別演出ゲームの実行が規制されるとき、はずれの第1特別演出ゲームにおいて実行されることが決定されていた先読み演出(波紋演出)の実行を規制可能である。例えば、先読み演出の実行前に、演出ゲームの実行が規制されるような状況では、先読み演出が実行されたか否かを遊技者が認識不能である。このような、状況で、その後の演出ゲームにおいて先読み演出を再開すると、想定しない演出態様で先読み演出が実行される虞がある。このため、演出ゲームの実行が規制されるときには、先読み演出の実行も規制することによって、想定しない演出態様で先読み演出が実行されることを抑制することができる。よって、興趣の低下を抑制することができる。
【0177】
(10)小当り、又は大当りの演出ゲームが終了する場合、大入賞口(第1大入賞口24)が、規制条件が成立したときの大入賞口(第2大入賞口25)の開放態様とは異なる開放態様で開放される。これにより、大入賞口が開放される条件によって、入球し易さを好適に設定することができる。
【0178】
(11)所定の第1特別演出ゲームの実行中、小当り、又は大当りの第1特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第1特別演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、小当り、又は大当りの第1特別演出ゲームの実行が規制されない。これにより、規制条件が成立しても、演出ゲームの実行が規制されないときには、小当り、又は大当りとなることを認識可能である。よって、興趣を向上することができる。
【0179】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組合せて実施することができる。
・可動体を備えていてもよい。パチンコ遊技機10が可動体を備える場合、可動体は、第1特別演出ゲームの実行中に動作可能であってもよい。この場合、可動体の動作中に変動停止機能が作動し得る。このため、変動停止機能が作動したときの可動体の状況に応じて、可動体を動作させることで、好適に可動体の動作を停止することができる。以下、可動体の動作中に変動停止機能が作動したときの可動体の動作態様の具体的な一例について
図18を用いて説明する。
【0180】
図18に示すように、開放契機口30へ遊技球が入球することによって変動停止機能が作動すると、可動体kは、原位置に位置しているか否かに応じた動作を行う。一例として、可動体kが原位置に位置しているか否かは、可動体kが原位置に位置しているか否かを認識可能な原位置センサを備えるとともに、当該原位置センサの入力状況に応じて判定されるとよい。一例として、変動停止機能が作動した際に可動体kが原位置に位置していないとき、可動体kは、原位置センサが可動体kを検知するまで、原位置に向けて動作する。つまり、規制条件が成立したとき、可動体が原位置に位置していない場合、可動体を原位置に向けて移動させる。原位置は、所定位置の一例である。可動体kは、原位置センサが可動体kを検知した後、所定距離だけ、演出位置とは反対方向に動作する。一方、可動体kが原位置に位置していない場合、可動体kを動作させてもよく、可動体kを動作させなくてもよい。一例として、可動体kが原位置に位置していない場合、可動体kの動作中であると可動体kを動作させてもよく、可動体kの動作中であるかにかかわらず可動体kを動作させてもよい。一例として、変動停止機能が作動した際に可動体kが原位置に位置している場合、可動体kは、原位置センサが可動体kを検知しなくなるまで、演出位置に向けて(原位置とは異なる方に向けて)動作する。その後、可動体kは、原位置センサが可動体kを検知するまで、原位置に向けて動作する。可動体kは、原位置センサが可動体kを検知した後、所定距離だけ、演出位置とは反対方向に動作する。
【0181】
・演出ゲームは、背景音楽を出力する音演出を含んで実行されてもよい。この場合、背景音楽には、複数の演出ゲームに跨って出力される特定背景音楽があってもよい。つまり、複数の演出ゲームにわたって、一連の特定背景音楽を出力可能であってもよい。この場合、規制条件が成立したとき、特定背景音楽の出力を規制可能であってもよい。つまり、規制条件が成立したとき、演出ゲームの実行が中止されるか、演出ゲームの実行が中断されるかに応じて、特定背景音楽の出力を中止してもよく、特定背景音楽の出力を中断してもよい。
【0182】
・複数の入賞口には、入球によって、第1大入賞口24の開放条件が成立し得る特定入球口があってもよい。この場合、第1大入賞口24の開放条件は、当り遊技中ではなく、かつ、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25の何れもが開放中ではないときに、特定入球口へ遊技球が入球することによって成立するようにしてもよい。同様に、第2大入賞口25の開放条件は、当り遊技中ではなく、かつ、第1大入賞口24、及び第2大入賞口25の何れもが開放中ではないときに、特定入球口へ遊技球が入球することによって成立するようにしてもよい。
【0183】
・開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、当り遊技において開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、一部、又は全部の大当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、一部、又は全部の小当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第1始動口22へ遊技球が入球したことに基づく当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第1始動口22へ遊技球が入球したことに基づく大当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第1始動口22へ遊技球が入球したことに基づく小当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第2始動口23へ遊技球が入球したことに基づく当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第2始動口23へ遊技球が入球したことに基づく大当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。一例として、開放契機口30へ遊技球が入球したことによって開放可能な大入賞口は、第2始動口23へ遊技球が入球したことに基づく小当り遊技で開放可能な大入賞口であってもよい。
【0184】
・第1特別図柄の当り抽選は、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選から、任意に選択されるとよい。一例として、第1特別図柄の当り抽選に、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選を含むように構成される場合、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選の順に当り抽選が実行されるとよい。つまり、上記のように構成する場合、小当り抽選は、大当り抽選に当選しなかった場合に実行されるとよい。また、上記のように構成する場合、時短当り抽選は、小当り抽選に当選しなかった場合に実行されるとよい。
【0185】
・第2特別図柄の当り抽選は、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選から、任意に選択されるとよい。一例として、第2特別図柄の当り抽選に、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選を含むように構成される場合、大当り抽選、小当り抽選、及び時短当り抽選の順に当り抽選が実行されるとよい。つまり、上記のように構成する場合、小当り抽選は、大当り抽選に当選しなかった場合に実行されるとよい。また、上記のように構成する場合、時短当り抽選は、小当り抽選に当選しなかった場合に実行されるとよい。
【0186】
・第2特別図柄の当り抽選では、はずれとなる場合があってもよい。つまり、はずれの第2変動ゲームを実行可能であってもよい。これによれば、所定の第2特別演出ゲームの実行中、はずれの第2特別演出ゲームが保留されたとき、所定の第2演出ゲームの終了後、規制条件が成立しても、規制条件が成立したことによっては、はずれの第2特別演出ゲームの実行が規制されないこととなる。
【0187】
・普通当り抽選では、はずれとなる場合があってもよい。つまり、はずれの第3変動ゲームを実行可能であってもよい。
・大当り抽選を省略して、大当りとなるか否かを決定してもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、第1特別開始処理、及び第2特別開始処理の一方、又は両方において、大当りとなるか否かを決定する際、大当り抽選をすることなく100%の割合で大当りとなることを決定するように構成されてもよく、大当り抽選をすることなく100%の割合で大当りとならないことを決定するように構成されていてもよい。
【0188】
・小当り抽選を省略して、小当りとなるか否かを決定してもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、第1特別開始処理、及び第2特別開始処理の一方、又は両方において、小当りとなるか否かを決定する際、小当り抽選をすることなく100%の割合で小当りとなることを決定するように構成されてもよく、小当り抽選をすることなく100%の割合で小当りとならないことを決定するように構成されていてもよい。
【0189】
・時短当り抽選を省略して、時短当りとなるか否かを決定してもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、第1特別開始処理、及び第2特別開始処理の一方、又は両方において、時短当りとなるか否かを決定する際、時短当り抽選をすることなく100%の割合で時短当りとなることを決定するように構成されてもよい。また、パチンコ遊技機10は、第1特別開始処理、及び第2特別開始処理の一方、又は両方において、時短当りとなるか否かを決定する際、時短当り抽選をすることなく100%の割合で時短当りとならないことを決定するように構成されていてもよい。
【0190】
・時短当りとならない場合に時短契機図柄が停止表示され得るようにしてもよい。この場合、時短当り抽選に加えて、又は代えて、時短契機図柄が停止表示されるか否かを決定する抽選を行ってもよく、抽選を行うことなく、時短契機図柄が停止表示されることを決定してもよい。つまり、時短契機図柄は、当りではない場合(はずれの場合)において停止表示されるようにしてもよい。なお、このように構成される場合であっても、時短契機図柄が停止表示されることを契機として時短状態に制御可能であるとよい。
【0191】
・当りに当選する確率は任意に変更してもよい。一例として、第1特別図柄の当り抽選、及び第2特別図柄の当り抽選の一方、又は両方において、大当りに当選する確率は、小当りに当選する確率よりも低くてもよく、小当りに当選する確率と同じであってもよく、小当りに当選する確率よりも高くてもよい。一例として、第1特別図柄の当り抽選、及び第2特別図柄の当り抽選の一方、又は両方において、大当りに当選する確率は、時短当りに当選する確率よりも低くてもよく、時短当りに当選する確率と同じであってもよく、時短当りに当選する確率よりも高くてもよい。一例として、第1特別図柄の当り抽選、及び第2特別図柄の当り抽選の一方、又は両方において、小当りに当選する確率は、時短当りに当選する確率よりも低くてもよく、時短当りに当選する確率と同じであってもよく、時短当りに当選する確率よりも高くてもよい。
【0192】
・第2変動ゲームを対象として、先読み演出を実行してもよい。つまり、開放契機口30へ遊技球が入球することによって実行が中止され得る先読み演出と、開放契機口30へ遊技球が入球することによって実行が中断され得る先読み演出とがあってもよい。
【0193】
・第3変動ゲームを対象として、先読み演出を実行してもよい。つまり、開放契機口30へ遊技球が入球することによって実行が停止され得る先読み演出と、開放契機口30へ遊技球が入球しても実行が停止されない先読み演出とがあってもよい。
【0194】
・時短当りの変動ゲームの実行中、変動規制機能が作動する場合、第2大入賞口25の閉鎖を契機として、時短状態に制御されてもよい。これによれば、第2大入賞口25の開放中、第2始動口23が開放されるか否かによって、中止演出において結果演出が実行される前に、時短状態に制御されるか否かが露見してしまうことを抑制することができる。
【0195】
・変動停止機能が作動するときに、実行を中止する変動ゲームと、実行を中断する変動ゲームとは、任意に変更してもよい。一例として、小当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第1変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、小当りの第1変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。一例として、大当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第1変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、大当りの第1変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。一例として、はずれの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第1変動ゲームの実行を中止しなくてもよい。この場合、はずれの第1変動ゲームは、規制条件が成立することによって中断されてもよく、規制条件が成立した後も中止されることなく継続して実行されてもよい。一例として、時短当りの第1変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第1変動ゲームの実行を中止しなくてもよい。この場合、時短当りの第1変動ゲームは、規制条件が成立することによって中断されてもよく、規制条件が成立した後も中止されることなく継続して実行されてもよい。
【0196】
また、一例として、小当りの第2変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第2変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、小当りの第2変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。一例として、大当りの第2変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第2変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、大当りの第2変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。一例として、はずれの第2変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第2変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、はずれの第2変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。一例として、時短当りの第2変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第2変動ゲームの実行を中断しなくてもよい。この場合、時短当りの第2変動ゲームは、規制条件が成立することによって中止されてもよく、規制条件が成立した後も中断されることなく継続して実行されてもよい。
【0197】
また、一例として、はずれの第3変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第3変動ゲームの実行を停止してもよい。一例として、第1普通当りの第3変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第3変動ゲームの実行を停止してもよい。一例として、第2普通当りの第3変動ゲームの実行中に変動停止機能が作動するときは、当該第3変動ゲームの実行を停止してもよい。
【0198】
・変動ゲームの実行中ではないときに規制条件が成立する場合、保留中の変動ゲームの実行を規制(中止)可能であってもよい。例えば、変動ゲームの実行後、次の変動ゲームが実行されるまで、インターバル期間を設けるとともに、当該インターバル期間において、規制条件が成立する場合、保留中の変動ゲームの実行を規制(中止)可能であってもよい。
【0199】
・変動ゲームの規制条件が成立した場合、所定期間にわたって、変動ゲームの実行を中止してもよい。つまり、変動ゲームの規制条件が成立したとき、実行中、又は保留中である変動ゲームの実行を規制可能であるとともに、その後に実行条件(保留条件)が成立した変動ゲームの実行を所定期間にわたって規制(中止)してもよい。一例として、所定期間は、規制条件が成立してから、予め定められた任意の終了条件が成立するまでの期間である。一例として、終了条件は、予め定められた終了回数の変動ゲームが実行されることである。一例として、終了条件は、遊技状態が変化するときである。一例として、終了条件は、当り遊技が付与されるときである。
【0200】
・変動停止機能は、変動ゲームの非実行中(待機状態)において保留条件が成立した変動ゲームを対象としては作動しないようにしてもよい。つまり、変動停止機能は、所定の変動ゲームの実行中に保留条件が成立した変動ゲームを対象として作動可能であってもよい。
【0201】
・中止演出は、任意に変更してもよい。
・中断演出は、任意に変更してもよい。一例として、中断演出は、当りであることを認識可能な演出を実行可能であってもよい。この場合、中断演出と、中止演出とは、一部の演出が同じであってもよい。
【0202】
・先読み演出の実行中、又は先読み演出の実行待機中に、変動停止機能が作動する場合、その時点において保留中の変動ゲームの全てが終了するまで新たな先読み演出が実行されないようにしてもよい。つまり、変動ゲームの実行を中止するとき、保留中の変動ゲームがある場合には、少なくとも保留中の変動ゲームの全てが終了するまで先読み演出が実行されないようにしてもよい。
【0203】
・第2大入賞口25の個数条件は、1であってもよい。つまり、第2大入賞口25の閉鎖条件は、個数条件によって成立可能であってもよい。この場合、第2大入賞口25の閉鎖条件が成立したことを契機として、停止演出が終了されるとよい。
【0204】
・各遊技状態において実行可能な演出ゲームは任意に変更してもよい。つまり、非時短状態では、第2特別演出ゲームを実行可能であってもよく、普通演出ゲームを実行可能であってもよい。また、第1時短状態では、第1特別演出ゲームを実行可能であってもよく、第2特別演出ゲームを実行可能であってもよい。また、第2時短状態では、第1特別演出ゲームを実行可能であってもよく、普通演出ゲームを実行可能であってもよい。つまり、所定の演出ゲームの実行中、別の演出ゲームが保留されたとき、所定の演出ゲームの終了後、遊技状態が変化するときであっても、変動停止機能が作動することによって、別の演出ゲームの実行を規制可能であってもよい。
【0205】
・規制条件は、所定の入球口へ遊技球が入球することによって成立可能であれば、任意に変更してもよい。一例として、規制条件は、特定変動ゲームの実行中に所定の入球口へ遊技球が入球することによって成立可能であってもよい。一例として、規制条件は、大入賞口が開放されないときに成立可能であってもよい。つまり、特定入球口は、大入賞口の開放契機とならない入球口であってもよい。一例として、特定入球口は、遊技球が入球することによって、任意の入球口が開放される契機となる入球口であってもよく、入球口が開放される契機とならない入球口であってもよい。
【0206】
・規制条件が成立したとき、変動停止機能が作動することによって、変動ゲームの実行が停止されたがこれに限らない。一例として、規制条件が成立したとき、変動ゲームの変動時間を所定時間だけ減少させてもよい。
【0207】
・変動ゲームの実行が規制されるとき、先読み演出の実行が規制されなくてもよい。
・各時短状態における第2始動口23への入球率は、任意に変更してもよい。一例として、第1時短状態は、第2始動口23への遊技球の入球が容易な状態であってもよい。この場合、第1時短状態では、特別演出ゲームが実行されてもよい。
【0208】
・小当りは、複数種類あってもよい。小当りを複数種類備える場合、小当り遊技は、複数種類あってもよい。この場合、上限個数は、小当り遊技の種類によって異なってもよい。また、上限時間は、小当り遊技の種類によって異なってもよい。また、特定個数は、小当り遊技の種類によって異なっていてもよい。小当り遊技において生起条件が満たされることによって生起される大当り遊技は、小当り(小当り遊技)の種類に応じて異なっていてもよい。
【0209】
小当りを複数種類備える場合、時短状態の終了条件となる、又は時短状態の終了条件となり易い小当りがあってもよく、時短状態の種類に応じて、時短状態の終了条件となる、又は時短状態の終了条件となり易い小当りが異なっていてもよい。このように構成する場合、時短状態では、第2始動口23へ遊技球が入球することによって、第2大入賞口25に遊技球が入球しない、又は遊技球の入球が困難になるようにしてもよい。これによれば、時短状態の種類によって、任意の大当り遊技(任意の小当り遊技に基づく大当り遊技)を極めて高い確率で生起させることができる。
【0210】
・普通当り図柄の決定割合は、現在の遊技状態にかかわらず、同じであってもよい。この場合、同じ普通当り図柄が決定された場合であっても、現在の遊技状態に応じて、第2始動口23の開閉片23aの動作パターンが異なっていてもよい。つまり、現在の遊技状態、及び当該遊技状態に制御された契機に応じて、第2始動口23の開放中に第2始動口23に遊技球が容易に入球し得る割合が異なっていれば、普通当り図柄の決定割合は同じであってもよい。
【0211】
・第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを、第1始動口22、及び第2始動口23への入賞順に実行してもよい。
・第1特別ゲーム及び第2特別ゲームのうち一方の特別ゲームを他方の特別ゲームよりも優先して実行してもよい。
【0212】
・パチンコ遊技機10は、確変機能を備えてもよい。例えば、確変機能を備えたパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を備えたパチンコ遊技機10として、遊技球が第1大入賞口24内にある特定領域を通過することを条件に高確状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0213】
・パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
【0214】
・主制御CPU81、主制御ROM82、主制御RWM83、及び乱数生成回路84は、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0215】
・副基板90をサブ統括制御基板とし、副基板90とは別に演出表示装置15を専門に制御する表示制御基板、装飾発光装置14を専門に制御する発光制御基板、音声出力装置13を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。実施形態において、単一の基板に主制御CPU81、及び副制御CPU91を搭載してもよい。表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組合せて単数又は複数の基板としてもよい。
【0216】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)第1演出ゲームと、前記第1演出ゲームと異なる第2演出ゲームとを実行可能な遊技機において、前記第1演出ゲーム、及び前記第2演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段と、前記演出ゲーム実行手段を制御する演出ゲーム制御手段と、を備え、所定の第1演出ゲームの実行中、はずれの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として前記はずれの第1演出ゲームの実行を規制可能であり、前記規制条件は、遊技球が特定入球口に入球したことを契機として成立し得る遊技機。
【0217】
(付記2)第1演出ゲームと、前記第1演出ゲームと異なる第2演出ゲームとを実行可能な遊技機において、前記第1演出ゲーム、及び前記第2演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段と、前記演出ゲーム実行手段を制御する演出ゲーム制御手段と、を備え、所定の第1演出ゲームの実行中、はずれの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として前記はずれの第1演出ゲームの実行を規制可能であり、所定の第2演出ゲームの実行中、はずれの第2演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第2演出ゲームの終了後、前記規制条件が成立しても、前記規制条件が成立したことによっては、前記はずれの第2演出ゲームの実行が規制されず、前記規制条件は、遊技球が特定入球口に入球したことを契機として成立し得る遊技機。
【0218】
(付記3)第1演出ゲームと、前記第1演出ゲームと異なる第2演出ゲームとを実行可能な遊技機において、前記第1演出ゲーム、及び前記第2演出ゲームを実行する演出ゲーム実行手段と、前記演出ゲーム実行手段を制御する演出ゲーム制御手段と、を備え、所定の第1演出ゲームの実行中、はずれの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として前記はずれの第1演出ゲームの実行を規制可能であり、前記規制条件が成立したときには、前記規制条件が成立したことを認識可能な演出を実行可能であり、前記規制条件は、遊技球が特定入球口に入球したことを契機として成立し得る遊技機。
【0219】
(付記4)前記第2演出ゲームが実行されるときの期待変動時間は、前記第1演出ゲームが実行されるときの期待変動時間よりも短い(付記2)に記載の遊技機。
(付記5)通常遊技状態と、前記通常遊技状態に比して有利な有利遊技状態と、があり、前記有利遊技状態では、前記通常遊技状態に比して前記第2演出ゲームが実行され易い(付記2)、又は(付記4)に記載の遊技機。
【0220】
(付記6)前記規制条件が成立したとき、特別入球口が開放される(付記1)~(付記5)の何れかに記載の遊技機。
(付記7)前記規制条件が成立することによって、前記第1演出ゲームは、変動時間が短縮される(付記1)~(付記6)の何れかに記載の遊技機。
【0221】
(付記8)前記規制条件が成立したとき、前記第1演出ゲームにおいて、特定結果が導出されるときには、非特定結果が導出されるときよりも時間効率が良い(付記1)~(付記7)の何れかに記載の遊技機。
【0222】
(付記9)前記所定の第1演出ゲームの終了後、規制条件が成立したことを契機として、前記はずれの第1演出ゲームの実行が規制されるとき、前記はずれの第1演出ゲームにおいて実行されることが決定されていた先読み演出の実行を規制可能である(付記1)~(付記8)の何れかに記載の遊技機。
【0223】
(付記10)可動体を備え、前記規制条件が成立したとき、前記可動体が所定位置に位置していない場合、前記可動体を所定位置に向けて移動させる(付記1)~(付記9)の何れかに記載の遊技機。
【0224】
(付記11)複数の演出ゲームにわたって、一連の特定背景音楽を出力可能であり、前記規制条件が成立したとき、前記特定背景音楽の出力を規制可能である(付記1)~(付記10)の何れかに記載の遊技機。
【0225】
(付記12)特別当りの演出ゲームの終了後、前記特別入球口が、前記規制条件が成立したときとは異なる開放態様で開放される(付記1)~(付記11)の何れかに記載の遊技機。
【0226】
(付記13)前記所定の第1演出ゲームの実行中、特別当りの第1演出ゲームが保留されたとき、前記所定の第1演出ゲームの終了後、前記規制条件が成立しても、前記規制条件が成立したことによっては、前記特別当りの第1演出ゲームの実行が規制されない(付記1)~(付記12)の何れかに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0227】
CL…中心線 dg…導入画像 hg1…第1波紋画像 hg2…第2波紋画像 hg3…第3波紋画像 k…可動体 kg1…第1結果画像 kg2…第2結果画像 SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…第1カウントセンサ SE4…第2カウントセンサ SE5…特定センサ SE6…ゲートセンサ SE7…開放契機センサ SL1…普通ソレノイド SL2…第1特別ソレノイド SL3…第2特別ソレノイド SL4…振分ソレノイド 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…外枠 11b…中枠 11c…前枠 11d…開口部 13…音声出力装置 14…装飾発光装置 15…演出表示装置 15a…表示領域 16…演出実行装置群 18…発射ハンドル 19a…第1特別図柄表示装置 19a-19f…表示装置 19b…第2特別図柄表示装置 19c…第1特別保留表示装置 19d…第2特別保留表示装置 19e…普通図柄表示装置 19f…普通保留表示装置 20…遊技盤 20a…遊技領域 20b…表示窓口 20c…流入口 22…第1始動口 23…第2始動口 23a…開閉片 24…第1大入賞口 24a…開閉片 25…第2大入賞口 25a…開閉片 26…通路 26a…第1通路 26b…第2通路 27…分岐部 28…振分シャッタ 29…ゲート 29a…ゲート口 30…開放契機口 31…アウト口 80…主基板 81…主制御CPU 82…主制御ROM 83…主制御RWM 84…乱数生成回路 90…副基板 91…副制御CPU 92…副制御ROM 93…副制御RWM