(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009716
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】地熱田深部熱源メカニズムの探査方法、システム及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G01V 1/00 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G01V1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204791
(22)【出願日】2023-12-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】202310771135.7
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520328464
【氏名又は名称】中国科学院地質與地球物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.19 Beitucheng West Road,Chaoyang District,Beijing 100000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】程遠志
(72)【発明者】
【氏名】李永東
(72)【発明者】
【氏名】孔彦龍
(72)【発明者】
【氏名】李義曼
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105BB01
2G105EE02
2G105LL07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地熱田深部熱源メカニズムの探査方法に関し、既存の熱源探査方法では直接的な温度情報が得られにくいことにより、熱源探査の正確性、ロバスト性が優れない課題を解決することを意図している。
【解決手段】本方法は、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取することと、航空磁気異常データに応じて反転を行い、キュリー面深さを確定することと、地震画像化データと結び付けて、モホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算することと、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算することと、第2データとして、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得することと、第1データと第2データの温度フィッティング度を計算し、最適熱構造モデルパラメータを取得することと、深部3次元温度構造を構築し、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれることと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算することと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定するが、その方法としては、
地熱田磁性層の厚さ又はキュリー面の深さがZbであると仮定し、この磁性層によって生成される理論磁気異常パワースペクトルΦ(k)theは、
ln(Φ(k)the)=A-βln(k)+2ln(1-e-kzb)であり、
そのうち、kは、波数であり、Aは、定数であり、βは、地磁場フラクタル次元であるものと、
航空磁気異常データに基づいて、第1パワースペクトルとして、観測された磁気異常パワースペクトルを計算するものと、
ベイズ反転理論に基づいて、前記理論磁気異常パワースペクトルにおける第1パラメータの、前記第1パワースペクトルでの事後分布を計算し、
P(m|d)∝P(d|m)P(m)
そのうち、mは、第1パラメータを表し、dは、第1パワースペクトルを表し、P(m|d)は、事後分布を表し、P(d|m)は、尤度分布を表し、P(m)は、アプリオリ分布を表し、前記第1パラメータは、A、β、Zbを含むものと、
前記アプリオリ分布を平均分布とし、前記尤度分布はガウス分布に従うものであり、前記事後分布を推定し、前記第1パラメータを統計して、キュリー面深さを確定するものと、であり、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算することと、
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、第2データとして、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得することと、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きいすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが即ち最適熱構造モデルパラメータであることと、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むことと、
を含む、ことを特徴とする地熱田深部熱源メカニズムの探査方法。
【請求項2】
前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度を計算するが、その方法としては、前記地震画像化データに基づいて、設定された第1タイプの岩石の、設定された第1条件で測られた波速データと結び付けて、モホ面箇所の温度を計算し、前記第1タイプの岩石は、ハルツバージャイト、レルゾライトを含み、前記第1条件は、高温、高圧を含む、ものである、ことを特徴とする請求項1に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法。
【請求項3】
岩石圏マントルの温度分布を計算するが、その方法としては、
設定された第2タイプの岩石の、設定された第2条件で測られた波動パラメータに基づいて、マントル波速構造モデルにより、岩石圏マントルの温度分布を取得し、前記第2タイプの岩石は、マントル岩石を含み、前記第2条件は、温圧を含む、ものであることを特徴とする請求項2に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法。
【請求項4】
地熱田深部温度構造データを計算するが、その方法としては、
【数1】
であり、
そのうち、T(z)は、地熱田深部温度構造データを表し、Q
sは、地表熱流であり、T
sは、地表温度であり、A
0は、地表発熱率であり、Kは、熱伝導係数であり、l
radは、放射性発熱輻射半径であり、T
rは、マントル断熱温度であり、Zは、深さを表し、erfは、誤差関数を表す、ことを特徴とする請求項2に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法。
【請求項5】
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算するが、その方法としては、
θ=1-<RMSE>、
【数2】
であり、
そのうち、θは、温度フィッティング度を表し、<>は、正規化を表し、T(Z
i)
obsは、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を表し、T(Z
i)
preは、地熱田深部温度構造データを表し、nは、データ点の個数を表す、
ことを特徴とする請求項4に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法。
【請求項6】
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データに、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれるように構成されるデータ採取モジュールと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算するように構成されるデータ反転モジュールと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定するが、その方法としては、
地熱田磁性層の厚さ又はキュリー面の深さがZbであると仮定し、この磁性層によって生成される理論磁気異常パワースペクトルΦ(k)theは、
ln(Φ(k)the)=A-βln(k)+2ln(1-e-kzb)であり、
そのうち、kは、波数であり、Aは、定数であり、βは、地磁場フラクタル次元であるものと、
航空磁気異常データに基づいて、第1パワースペクトルとして、観測された磁気異常パワースペクトルを計算するものと、
ベイズ反転理論に基づいて、前記理論磁気異常パワースペクトルにおける第1パラメータの、前記第1パワースペクトルでの事後分布を計算し、
P(m|d)∝P(d|m)P(m)
そのうち、mは、第1パラメータを表し、dは、第1パワースペクトルを表し、P(m|d)は、事後分布を表し、P(d|m)は、尤度分布を表し、P(m)は、アプリオリ分布を表し、前記第1パラメータは、A、β、Zbを含むものと、
前記アプリオリ分布を平均分布とし、前記尤度分布はガウス分布に従うものであり、前記事後分布を推定し、前記第1パラメータを統計して、キュリー面深さを確定するものと、であり、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算するように構成される温度構造計算モジュールと、
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、第2データとして、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得するように構成される温度制約確定モジュールと、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが最適熱構造モデルパラメータであるように構成されるモデルパラメータ取得モジュールと、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むように構成される熱源確定モジュールと、
を備える、ことを特徴とする地熱田深部熱源メカニズムの探査システム。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つの前記プロセッサに通信接続されるメモリと、を備える電子機器であって、
前記メモリには前記プロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記プロセッサに実行されて請求項1~5のいずれか1項に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶され、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに実行されて請求項1~5のいずれか1項に記載の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地熱資源開発の技術分野に属し、具体的には地熱田深部熱源メカニズムの探査方法、システム及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
地熱資源は、1つのクリーンエネルギとして、貯蔵量が大きく、分布が広く、クリーンで環境に優しく、安定的で信頼できる等の利点を有するため、エネルギ構造調整の過程においてますます注目されている。地熱資源は、温度に応じて高温地熱資源と中低温地熱資源に分けることができ、そのうち高温地熱資源は莫大な発電潜在力を秘めており、気候変動に対処し、エネルギの安全と持続可能な発展を保障し、エネルギ変革を実現する有効な手段である。地熱田の深部熱源メカニズムは高温地熱資源の有無を直接に決定する。従来の熱源探査方法は、主に水化学及び地表熱流等の方法が利用されているが、これらの方法では直接的な温度情報が得られにくく、地熱資源の開発方案を直接に制約している。様々な地球科学探査計画の実施に伴い、爆発的に増える観測データとビッグデータの技術方法は、深部熱源メカニズム(Mechanism)の発明探査のための条件を提供している。これに基づいて、本発明は、地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を提案している。
【発明の概要】
【0003】
既存技術における上述課題を解決するために、即ち既存の熱源探査方法では直接的な温度情報が得られにくいことにより、熱源探査の正確性、ロバスト性が優れない課題を解決するために、本発明の第1側面において、
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれることと、
前記航空磁気異常データに応じて反転(inverting)を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算することと、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、地熱田深部温度構造データを計算し、第1データとすることと、
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得し、第2データとすることと、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが最適熱構造モデルパラメータであることと、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むことと、を含む地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を提案する。
【0004】
いくつかの好ましい実施形態において、前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定する方法としては、
地熱田磁性層の厚さ又はキュリー面の深さがZbであると仮定し、この磁性層によって生成される理論磁気異常パワースペクトルΦ(k)theは、
ln(Φ(k)the)=A-βln(k)+2ln(1-e-kzb)であり、
そのうち、kは、波数であり、Aは、定数であり、βは、地磁場フラクタル次元であるものと、航空磁気異常データに基づいて、第1パワースペクトルとして、観測された磁気異常パワースペクトルを計算するものと、ベイズ反転理論に基づいて、前記理論磁気異常パワースペクトルにおける第1パラメータの、前記第1パワースペクトルでの事後分布を計算し、
P(m|d)∝P(d|m)P(m)
そのうち、mは、第1パラメータを表し、dは、第1パワースペクトルを表し、P(m|d)は、事後分布(posterior distribution)を表し、P(d|m)は、尤度分布(likelihood distribution)を表し、P(m)は、アプリオリ分布(prior distribution)を表し、前記第1パラメータは、A、β、Zbを含むものと、前記アプリオリ分布を平均分布とし、前記尤度分布はガウス分布に従うものであり、前記事後分布を推定し、前記第1パラメータを統計して、キュリー面深さを確定するものと、である。
【0005】
いくつかの好ましい実施形態において、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度を計算するが、その方法としては、前記地震画像化データに基づいて、設定された第1タイプの岩石の、設定された第1条件で測られた波速データと結び付けて、モホ面箇所の温度を計算し、前記第1タイプの岩石は、ハルツバージャイト(harzburgite)、レルゾライト(Lherzolite)を含み、前記第1条件は、高温、高圧を含む、ものである。
【0006】
いくつかの好ましい実施形態において、岩石圏マントルの温度分布を計算するが、その方法としては、設定された第2タイプの岩石の、設定された第2条件で測られた波動パラメータに基づいて、マントル波速構造モデルにより、岩石圏マントルの温度分布を取得し、前記第2タイプの岩石は、マントル岩石を含み、前記第2条件は、温圧を含む、ものである。
【0007】
いくつかの好ましい実施形態において、地熱田深部温度構造データを計算するが、その方法としては、
【0008】
【数1】
であり、
そのうち、T(z)は、地熱田深部温度構造データを表し、Q
sは、地表熱流であり、T
sは、地表温度であり、A
0は、地表発熱率であり、Kは、熱伝導係数であり、l
radは、放射性発熱輻射半径であり、T
rは、マントル断熱温度であり、Zは、深さを表し、erfは、誤差関数を表す。
【0009】
いくつかの好ましい実施形態において、前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算するが、その方法としては、
θ=1-<RMSE>
【0010】
【数2】
であり、
そのうち、θは、温度フィッティング度を表し、<>は、正規化を表し、T(Z
i)
obsは、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を表し、T(Z
i)
preは、地熱田深部温度構造データを表し、nは、データ点の個数を表す。
【0011】
本発明の第2側面において、
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれるように構成されるデータ採取モジュールと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算するように構成されるデータ反転モジュールと、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、地熱田深部温度構造データを計算し、第1データとするように構成される温度構造計算モジュールと、
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得し、第2データとするように構成される温度制約確定モジュールと、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが即ち最適熱構造モデルパラメータであるように構成されるモデルパラメータ取得モジュールと、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むように構成される熱源確定モジュールと、
を備える地熱田深部熱源メカニズムの探査システムを提案する。
【0012】
本発明の第3側面において、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つの前記プロセッサに通信接続されるメモリと、を備える電子機器であって、前記メモリには前記プロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記プロセッサに実行されて上述した地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる、電子機器を提案する。
【0013】
本発明の第4側面において、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶され、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに実行されて上述した地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる、コンピュータ可読記憶媒体を提案する。
【0014】
本発明の有益効果は、本発明により熱源探査の正確性、ロバスト性が高められることである。
【0015】
本発明は、データとしては、キュリー面深さ、モホ面温度及び捕獲岩から明らかになった深さでの温度情報を導入し、地表熱流のみを踏まえた従来の地熱田深部熱構造確定方法と比較して、異なる深さでの温度制約が加えられ、計算結果がより正確になる。方法としては、ベイズ反転方法を導入し、上述した複数の観測資料を制約とし、確率が最も大きいモデルを最適モデルとして確定し、その上モデルの不確定度を与えることができ、従来方法のパラメータの不正確によって計算結果に偏差が存在し且つ確信度を評定できない課題が有効的に克服される。要約すると、本発明の技術方案は、地熱田深部熱源メカニズムのためにより有効的で、正確な評価方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例の1つの地熱田深部熱源メカニズムの探査方法のフロー模式図である。
【
図2】本発明の一実施例の1つの地熱田深部熱源メカニズムの探査システムのフレームワーク模式図である。
【
図3】本発明の一実施例の1つの地熱田深部熱源メカニズムの探査方法の概略フロー模式図である。
【
図4】本発明の一実施例の、本願の実施例を実現するために適した電子機器のコンピュータシステムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記の図面を参照した非制限的な実施例に対する詳しい記述を閲読することにより、本願の他の特徴、目的及び利点はより明白になる。
【0018】
本発明の目的、技術方案及び利点をより明確にするために、以下、図面と結び付けて本発明の実施例における技術方案を明確、完全に記述するが、無論、記述される実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得たすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
以下、図面及び実施例と結び付けて本願をさらに詳しく説明する。ここで記述される具体的な実施例は、関連発明を解釈するためのものに過ぎず、該発明を限定するものではないことを理解できる。なお、記述を容易にするために、図面には関連発明に関する部分のみが示されている。
【0020】
なお、矛盾がない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法は、
図1に示すように、
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれるステップと、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー(Curie)面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算するステップと、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算するステップと、
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、第2データとして、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得するステップと、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが即ち最適熱構造モデルパラメータであるステップと、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むステップと、を含む。
【0022】
本発明の地熱田深部熱源メカニズムの探査方法をより明晰に説明するために、以下、図面3と結び付けて本発明の方法の一実施例における各ステップを押し広げて詳しく説明する。
【0023】
本発明は、地震、地磁気、地表熱流及び岩石実験等の資料を総合的に利用し、地熱田3次元温度構造を構築し、深部熱源メカニズムを探査し、地熱資源賦存メカニズム及びその潜在力評定のための科学的根拠が提供され、具体的には以下の通りである。
【0024】
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれている。本実施例において、ブロック内(即ち)探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の既存の資料(地質データ)を全面的に収集、整理し、地震画像化、航空磁気異常、大地熱流、岩石実験及び掘削資料、堆積層並びに地殻厚さ等を含む。野外地質調査を展開し、各類の岩石の熱伝導率、発熱率及び放射性発熱輻射半径を測定し、異なる地層岩石の熱物理パラメータ幅値を統計する。
【0025】
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算し、温度がキュリー温度(~580℃)まで上昇すると、磁性媒体は常磁性になり、磁気異常が発生しなくなり、実際に観測された地磁気異常もキュリー面深さ(~580℃の等温面)以上の磁性媒体に由来するものである。このように、磁気異常観測によりキュリー面深さを確定する、即ち580℃等温面に対応する深さを確定することができ、地熱田の温度構造を計算するための独立した制約が提供される。
【0026】
本実施例において、キュリー面深さの反転過程は、以下の通りである。
【0027】
地熱田磁性層の厚さ又はキュリー面の深さがZbであると仮定し、この磁性層によって生成される理論磁気異常パワースペクトルΦ(k)theは、
ln(Φ(k)the)=A-βln(k)+2ln(1-e-kzb) (1)であり、
そのうち、kは、波数であり、Aは、定数であり、βは、地磁場フラクタル次元であり、
航空磁気異常データに基づいて、第1パワースペクトルとして、観測された磁気異常パワースペクトルΦ(k)obsを計算し、
ベイズ反転(inversion)理論に基づいて、パラメータm=[A,β,Zb]の反転過程は、つまりこれらのパラメータの、磁気異常観測における事後分布を計算することであり、
P(m|d)∝P(d|m)P(m) (2)
そのうち、mは、第1パラメータを表し、dは、第1パワースペクトルを表し、P(m|d)は、事後分布を表し、P(d|m)は、尤度分布を表し、P(m)は、アプリオリ分布を表し、
即ち、1群のデータdを与え、モデルパラメータmを取得する確率は、モデルパラメータmを与え観測データdを取得する確率とモデルパラメータ分布確率との積に正比例し、P(d|m)は、「尤度分布」と呼ばれ、P(m)は、「アプリオリ分布」である。反転過程において、事後は、尤度を評定することによりモデルパラメータの事前確率、即ちそれらとデータとのフィッティング程度を更新する。
【0028】
前記アプリオリ分布を平均分布とし、前記尤度分布はガウス分布に従うものであり、前記事後分布を推定し、前記第1パラメータの分布を統計して、キュリー面深さを確定する。
【0029】
地震画像化データ(横波及びPn波を含む)に基づいて、設定された第1タイプの岩石の、設定された第1条件で測られた波速データと結び付けて、モホ面箇所の温度を計算し、前記第1タイプの岩石は、即ち上部マントルの頂部の主な岩石鉱物成分であり、ハルツバージャイト、レルゾライトを含み、前記第1条件は、高温、高圧を含む。
【0030】
設定された第2タイプの岩石の、設定された第2条件で測られた波動パラメータに基づいて、地震学で既に得られたマントル波速構造モデルにより、岩石圏マントルの温度分布を取得し、前記第2タイプの岩石は、マントル岩石を含み、前記第2条件は、温圧を含む。
【0031】
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算し、本実施例において、収集及び測定された岩石の熱伝導率、発熱率及び放射性発熱輻射半径等のパラメータの取り値範囲に応じて、地熱田地表熱流測定の誤差を考慮し、これらの測定パラメータの取り値範囲と誤差からなるモデル空間により、一様確率分布サンプリング方法を使用しモデル空間に対してランダムサンプリングを行い、ランダムサンプリングされたモデルパラメータ空間及び熱伝導方程(式3は、地熱田深部温度構造モデルである)に基づいて地熱田深部温度構造T(Zi)preを計算し、
【0032】
【数3】
そのうち、T(z)は、地熱田深部温度構造データを表し、Q
sは、地表熱流であり、T
sは、地表温度であり、A
0は、地表発熱率であり、Kは、熱伝導係数であり、l
radは、放射性発熱輻射半径であり、T
rは、マントル断熱温度であり、Zは、深さを表し、erfは、誤差関数を表す。
【0033】
前記キュリー面深さ、前記モホ面箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、第2データとして、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報T(Zi)obsを取得し、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが即ち最適熱構造モデルパラメータであり、
本実施例において、前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算するが、その方法としては、
θ=1-<RMSE> (4)
【0034】
【数4】
であり、
そのうち、θは、温度フィッティング度を表し、θ=1又は100%の場合は、即ち完全フィッティングであり、<>は、正規化を表し、T(Z
i)
obsは、探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を表し、T(Z
i)
preは、地熱田深部温度構造データを表し、nは、データ点の個数を表す。
【0035】
本発明は、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きいもの(本発明で好ましい温度フィッティング度は0.8である)を選出し、温度フィッティング度を満たすモデルパラメータに対して統計分析を行い、出現確率が最も大きいものを最適モデルパラメータとして取り(具体的には、温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きいすべての地熱田深部温度構造モデル(即ち式3)を保留し、保留したモデルの温度フィッティング度に対して正規分布計算を行い、正規分布計算された最大確率に対応する地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、最適モデルに対応する熱物理パラメータ(熱伝導率、発熱率及び放射性発熱輻射半径を含む)を最適熱構造モデルパラメータとする)、フィッティング度を満たすモデルパラメータ分布の分散(variance)に応じてモデルパラメータの不確定度を確定し、後続の結果信頼性分析に用いる。
【0036】
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含む。
【0037】
本実施例において、最適熱構造モデルパラメータを用いて地熱田深部3次元温度構造を構築する(即ち、最適熱構造モデルパラメータを、式(3)に代入し、地熱田深部3次元温度構造を取得する)。深部温度場分布に応じて、地熱田深部熱源メカニズムを特定し、地温勾配に急変が出現したか否かに応じてマグマ熱源であるか非マグマ熱源であるかを判定する。
【0038】
本発明は、データとしては、キュリー面深さ、モホ面温度及び捕獲岩から明らかになった深さでの温度情報を導入し、地表熱流のみを踏まえた従来の地熱田深部熱構造確定方法と比較して、異なる深さでの温度制約が加えられ、計算結果がより正確になる。方法としては、ベイズ反転方法を導入し、上述した複数の観測資料を制約とし、確率が最も大きいモデルを最適モデルとして確定し、その上モデルの不確定度を与えることができる。従来方法のパラメータの不正確によって計算結果に偏差が存在し且つ確信度を評定できない課題は有効的に克服される。要約すると、本発明の技術方案は、地熱田深部熱源メカニズムのためにより有効的で、正確な評価方法を提供可能である。
【0039】
本発明の第2実施例の1つの地熱田深部熱源メカニズムの探査システムは、
図2に示すように、
探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の地質データを採取し、前記地質データには、異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータ、地震画像化データ、航空磁気異常データが含まれるように構成されるデータ採取モジュール100と、
前記航空磁気異常データに応じて反転を行い、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのキュリー面深さを確定し、前記地震画像化データと結び付けて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のそのモホ面箇所の温度及び岩石圏マントルの温度分布を計算するように構成されるデータ反転モジュール200と、
前記異なる地層における各類の岩石の熱物理パラメータに基づいて、地熱田深部温度構造モデルにより、第1データとして、地熱田深部温度構造データを計算するように構成される温度構造計算モジュール300と、
前記キュリー面深さ、前記モホ面(Moho surface)箇所の温度、前記岩石圏マントルの温度分布及び地熱田マントル捕獲岩に基づいて、フィッティングを行い、第2データとして、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田のその異なる深さでの温度制約情報を取得するように構成される温度制約確定モジュール400と、
前記第1データと前記第2データの温度フィッティング度を計算し、前記温度フィッティング度が設定フィッティング度閾値よりも大きい場合に対応するすべての地熱田深部温度構造モデルを保留し、統計分析により、出現確率が最も大きい地熱田深部温度構造モデルを最適モデルとし、前記最適モデルのその対応する熱物理パラメータが即ち最適熱構造モデルパラメータであるように構成されるモデルパラメータ取得モジュール500と、
前記最適熱構造モデルパラメータに基づいて前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の深部3次元温度構造を構築し、さらに深さ温度場分布に応じて、前記探査すべき深部熱源メカニズムの地熱田の熱源を確定し、前記熱源がマグマ熱源、非マグマ熱源を含むように構成される熱源確定モジュール600と、
を備える。
【0040】
当業者であれば、記述の便宜及び簡素化のために、上述で記述されたシステムの具体的な作動過程及び関連説明は、前述方法実施例における対応過程を参照することができ、ここでは繰り返し説明しないことを明確に理解できる。
【0041】
なお、上述実施例に係る地熱田深部熱源メカニズムの探査システムは、上述各機能モジュールの振り分けで例示的に説明しているだけであり、実際の応用において、必要に応じて上述機能を異なる機能モジュールに割り当てて完成させる、即ち本発明の実施例におけるモジュール又はステップを再分解するか又は組み合わせることができ、例えば、上述実施例のモジュールは、以上の記述の全部又は一部の機能を完成させるように、1つのモジュールとして合併されてもよいし、さらに複数のサブモジュールに分割されてもよい。本発明の実施例に関わるモジュール、ステップの名称については、個々のモジュール又はステップを区別するためのものに過ぎず、本発明を不適切に限定するものとは見なされない。
【0042】
本発明の第3実施例の1つの電子機器は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つの前記プロセッサに通信接続されるメモリとを備え、そのうち、前記メモリには前記プロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記プロセッサに実行されて上述した地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる。
【0043】
本発明の第4実施例の1つのコンピュータ可読記憶媒体は、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶され、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに実行されて上述した地熱田深部熱源メカニズムの探査方法を実現するために用いられる。
【0044】
当業者であれば、記述の便宜及び簡素化のために、上述で記述された電子機器、可読記憶媒体の具体的な作動過程及び関連説明は、前述方法実例における対応過程を参照することができ、ここでは繰り返し説明しないことを明確に理解できる。
【0045】
以下、本願の方法、システム、装置実施例を実現するために適したサーバのコンピュータシステムの構造模式図が示される
図4を参照する。
図4に示すサーバは、1つの例示に過ぎず、本願の実施例の機能及び使用範囲にいかなる制限も与えるべきではない。
【0046】
図4に示すように、コンピュータシステムは、リードオンリーメモリ(ROM、Read Only Memory)402に記憶されたプログラム又は記憶部408からランダムアクセスメモリ(RAM、RandoM Access Memory)403にロードされたプログラムに応じて様々な適切な動作及び処理を実行可能な中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)401を備える。RAM403において、システム操作に必要な様々なプログラム及びデータがさらに記憶されている。CPU401、ROM402及びRAM403は、バス404を介して互いに繋がる。入力/出力(I/O、Input/Output)インターフェイス405もバス404に接続される。
【0047】
以下の部材、即ち、キーボード、マウス等を含む入力部406と、例えば陰極線管(CRT、Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)等及びスピーカ等を含む出力部407と、ハードディスク等を含む記憶部408と、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク、Local Area Network)カード、モデム等のネットワークインターフェイスカードを含む通信部409とは、I/Oインターフェイス405に接続される。通信部409は、例えばインターネットのネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバ410も必要に応じてI/Oインターフェイス405に接続される。取外し可能な媒体411、例えば磁気ディスク、光ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等は、必要に応じてドライバ410にインストールされ、これにより、そこから読み取られたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部408にインストールされる。
【0048】
特に、本開示の実施例によれば、上記フローチャートを参照して説明された過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができる。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ可読媒体に載せられたコンピュータプログラムが備えられるコンピュータプログラム製品を含み、該コンピュータプログラムは、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを備える。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信部409を介して、ネットワークからダウンロード及びインストールされることができる、及び/又はリムーバブルメディア411からインストールされる。該コンピュータプログラムが中央処理ユニット(CPU)401に実行されると、本願の方法で限定される上記機能が実行される。なお、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体または上記両者の任意の組合せであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、たとえば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置またはデバイス、または任意の以上の組合せを含んでもよいがこれらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリー(EPROMまたはフラッシュメモリー)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリー(CD-ROM)、光ストレージコンポーネント、磁気ストレージデバイス、または上記任意の接的な組合せを含んでもよいがこれらに限定されない。本発明において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、いずれのプログラムを含むまたは記憶する有形媒体であってもよく、該プログラムは、命令実行システム、装置またはデバイスで使用されるか、またはそれと組み合わせて使用させてもよい。本発明において、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドに含まれてもよいか、またはキャリアウェーブの一部として伝送する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードが載せられたデータ信号であってもよい。このような伝送するデータ信号は、複数種の形態を利用することができ、電磁信号、光信号または上記の任意の適当な組合せを含むが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外のいずれのコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスで使用されるか、またはそれと組み合わせて使用するプログラムを送信、伝送または輸送することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適当な媒体で輸送されることができ、無線、ワイヤ、光ケーブル、RF(無線周波数)など、または上記の任意の適合な組合せを含むが、これらに限定されない。
【0049】
1種または複数種のプログラムデザイン言語またはその組合せで本発明の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードを書き、上記プログラムデザイン言語は、オブジェクト指向プログラミング言語、たとえば、Java(登録商標)、Smalltalk、C++を含み、従来の手続型プログラムデザイン言語、たとえば「C」言語または類似のプログラムデザイン言語をさらに含む。プログラムコードは、完全にユーザコンピュータで実行され、部分的にユーザコンピュータで実行され、1つの独立なソフトウェアパッケージとして実行され、部分的にユーザコンピュータで部分的にリモートコンピュータで実行され、または完全にリモートコンピュータまたはサーバで実行されてもよい。リモートコンピュータに関する状況において、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークによってユーザコンピュータに接続されることができ、或いは、外部コンピュータに接続される(たとえば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットによって接続される)ことができる。
【0050】
図面におけるフローチャートとブロック図は、本発明の各種の実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ボックスは1つのモジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を代表することができ、該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部が1つまたは複数の所定のロジック機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきものとして、幾つかの切り替え可能な実現において、ボックスに表記した機能も図面に表記した順序と異なるもので発生することができる。例えば、2つの連続して示すボックスは実際に基本的に並行して実行でき、それらは関連する機能によれば、逆の順序で実行される場合がある。また、注意する必要があるものとして、ブロック図及び/またはフローチャートにおける各ボックス、及びブロック図及び/またはフローチャートにおけるボックスの組み合わせは、所定の機能または操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されることができるか、または専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されることができる。
【0051】
また、用語「第1」「第2」などは、類似する対象を区分するためのものに過ぎず、特定の順序または時間的順序を説明又は表示するためのものではない。
【0052】
用語「含む」または何れの他の類似用語は、非排他的に含むを意味する。したがって、一連の要素を含む過程、方法、物または装置/デバイスには、それらの要素に加え、その他の明示しない要素を含み、或いは、これらの過程、方法、物、または装置/デバイスに固有する要素をさらに含むことができる。
【0053】
これまで、図面に示す好ましい実施形態と結び付けて本発明の技術方案を記述しているが、当業者として容易に理解するように、本発明の保護範囲は、無論、これらの具体的な実施形態に限られるものではない。本発明の原理から逸脱しない前提で、当業者は関連技術特徴に対して等価の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換の後の技術方案は、いずれも本発明の保護範囲内に収まるものである。