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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097181
(43)【公開日】2025-06-30
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/03 20060101AFI20250623BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20250623BHJP
【FI】
B60C11/03 300E
B60C11/03 100B
B60C5/00 H
B60C11/03 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213321
(22)【出願日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】山口 彩織
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宇
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB11
3D131BC12
3D131BC15
3D131BC18
3D131BC44
3D131CB06
3D131EB05U
3D131EB10V
3D131EB11V
3D131EB11W
3D131EB11X
3D131EB22X
3D131EB23X
3D131EB24V
3D131EB24W
3D131EB24X
3D131EB42X
3D131EB43X
3D131EB44X
3D131EB46W
3D131EB46X
3D131EB48V
3D131EB48W
3D131EB72X
3D131EB74X
3D131EB81W
3D131EB81X
3D131EC01W
3D131EC01X
3D131EC12V
3D131EC12W
(57)【要約】
【課題】スノー性能を維持しつつ、騒音性能を向上させたタイヤを提供すること。
【解決手段】タイヤ幅方向の少なくとも一端が周方向主溝に連通し、かつ、少なくとも2つの屈曲部を有する、屈曲溝26(28)が、少なくとも2つ設けられ、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で溝幅が異なり、PTA1(%)が0%以上50%未満であり、PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)を満たす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本の周方向主溝によって少なくとも3つの陸部が区画形成され、
タイヤ赤道面のタイヤ幅方向各側において、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅中心線を境に、前記溝幅中心線よりもタイヤ幅方向内側をセンター領域とし、前記溝幅中心線よりもタイヤ幅方向外側をショルダー領域とした場合に、前記センター領域に形成された少なくとも1つの前記陸部に、タイヤ幅方向の少なくとも一端が前記周方向主溝に連通し、かつ、少なくとも2つの屈曲部を有する、屈曲溝が、少なくとも2つ設けられ、
前記屈曲溝の一端から最初の屈曲部の手前までの第1の部分の溝幅と、前記屈曲溝の他端から最初の屈曲部の手前までの第2の部分の溝幅と、のそれぞれが、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で異なり、
同一の前記陸部内に存在する屈曲溝の本数をNとして、
タイヤ周方向に隣り合う2つの前記屈曲溝間の距離である第1の間隔を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にAi(1≦i≦N)とするとともに、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の第2の間隔を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にBi(1≦i≦N)とし、
タイヤ周長をJ(mm)、伝達特性起因の注意長さの範囲をS1(mm)、音源起因の注意長さの範囲をS2(mm)及びS3(mm)とし、
12.4≦S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×1)≦S2(mm)≦J/(N×0.75×1)を満たすS1(mm)、S2(mm)の範囲において、2つの前記不等式の下限値のうち大きい方をLFL1とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL1とし、
12.4≦S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×2)≦S3(mm)≦J/(N×0.75×2)を満たすS1(mm)、S3(mm)の範囲において、2つの前記不等式の下限値のうち大きい方をLFL2とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL2とし、
LFL1×1<Ai(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Ai(mm)<HFL2×1、で規定される条件TA1、
LFL1×1<Bi(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Bi(mm)<HFL2×1、で規定される条件TB1、
条件TB1以外の条件であって、かつ、
LFL1×0.5<Bi(mm)<HFL1×0.5、又は、
LFL2×0.5<Bi(mm)<HFL2×0.5、で規定される条件TB2、及び
条件TB1以外かつ条件TB2以外の条件として規定される条件TB3、をそれぞれ設定し、
条件TA1を満たす間隔Aiの存在割合をPTA1(%)、条件TB1を満たす間隔Biの存在割合をPTB1(%)、条件TB2を満たす間隔Biの存在割合をPTB2(%)、条件TB3を満たす間隔Biの存在割合をPTB3(%)とした場合に、
PTA1(%)が0%以上50%未満であり、
PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)
を満たすことを特徴とするタイヤ。
【請求項2】
前記PTB1(%)が30%以下である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記屈曲溝の一端と他端との間のタイヤ周方向長さDGが、前記屈曲溝の前記第1の部分及び前記第2の部分以外の第3の部分のタイヤ周方向長さDB以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記センター領域の前記陸部には、前記屈曲溝のみが設けられている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項5】
少なくとも3本の周方向主溝によって少なくとも4つの陸部が区画形成されている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項6】
タイヤ赤道面を含むセンター陸部のタイヤ幅方向各側に隣り合うセカンド陸部のうち、車両装着外側のセカンド陸部には、タイヤ幅方向両側の前記周方向主溝のいずれにも連通するとともに、タイヤ幅方向内側から外側に延在する途中でタイヤ幅方向に対する傾斜方向が逆転する第1のラグ溝が設けられており、前記第1のラグ溝の延在方向がタイヤ幅方向となる位置が、前記セカンド陸部内のタイヤ幅方向外側領域に存在する、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項7】
タイヤ赤道面を含むセンター陸部のタイヤ幅方向各側に隣り合うセカンド陸部のうち、車両装着内側のセカンド陸部には、タイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に連通するとともに、タイヤ幅方向外側から内側に延在し、前記セカンド陸部内のタイヤ幅方向内側領域において終端する第2のラグ溝が設けられている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項8】
車両装着内側の前記セカンド陸部には、前記第2のラグ溝に連通し、かつ、タイヤ幅方向内側の前記周方向主溝に連通するサイプが形成されている、請求項7に記載のタイヤ。
【請求項9】
車両装着外側の前記ショルダー領域に、タイヤ周方向に延在するとともに、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅の5%以上40%以下の溝幅を有する補助溝が設けられ、少なくとも接地端から前記周方向主溝に向かって延在する第3のラグ溝が設けられ、前記第3のラグ溝は、前記補助溝を横断して陸部内で終端し、及び/又は
車両装着内側の前記ショルダー領域に、タイヤ周方向に延在するとともに、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅の5%以上40%以下の溝幅を有する補助溝が設けられ、少なくとも接地端から前記周方向主溝に向かって延在する第4のラグ溝が設けられ、前記第4のラグ溝は、前記補助溝を横断して陸部内で終端している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項10】
タイヤ赤道面を含むセンター陸部のタイヤ幅方向各側に隣り合うセカンド陸部のうち、車両装着外側のセカンド陸部には、タイヤ幅方向両側の前記周方向主溝のいずれにも連通するとともに、タイヤ幅方向内側から外側に延在する途中でタイヤ幅方向に対する傾斜方向が逆転する第1のラグ溝が設けられており、前記第1のラグ溝の延在方向がタイヤ幅方向となる点が、前記セカンド陸部のタイヤ幅方向外側領域に存在し、
タイヤ赤道面を含むセンター陸部のタイヤ幅方向各側に隣り合うセカンド陸部のうち、車両装着内側のセカンド陸部には、タイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に連通するとともに、タイヤ幅方向外側から内側に延在し、前記セカンド陸部のタイヤ幅方向内側領域において終端する第2のラグ溝が設けられ、
車両装着各側の前記ショルダー領域に、タイヤ周方向に延在するとともに、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅の5%以上40%以下の溝幅を有する補助溝が設けられ、
車両装着外側において、接地端から前記周方向主溝に向かって延在する第3のラグ溝が設けられ、前記第3のラグ溝は、前記補助溝を横断して陸部内で終端し、及び/又は
車両装着内側において、接地端から前記周方向主溝に向かって延在する第4のラグ溝が設けられ、前記第4のラグ溝は、前記補助溝を横断して陸部内で終端し、
前記第1のラグ溝のタイヤ幅方向外側部分と前記第3のラグ溝のタイヤ幅方向内側部分とは、いずれもタイヤ幅方向に対して同じ側に傾斜しており、
前記第2のラグ溝のタイヤ幅方向外側部分と前記第4のラグ溝のタイヤ幅方向内側部分とは、いずれもタイヤ幅方向に対して同じ側に傾斜している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項11】
タイヤ赤道面を含むセンター陸部のタイヤ幅方向各側に隣り合うセカンド陸部のうち、車両装着内側のセカンド陸部には、タイヤ幅方向外側の前記周方向主溝に連通するとともに、タイヤ幅方向外側から内側に延在し、前記セカンド陸部のタイヤ幅方向内側領域において終端する第2のラグ溝が設けられ、
車両装着各側の前記ショルダー領域に、タイヤ周方向に延在するとともに、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅の5%以上40%以下の溝幅を有する補助溝が設けられ、
車両装着内側において、接地端から前記周方向主溝に向かって延在する第4のラグ溝が設けられ、前記第4のラグ溝は、前記補助溝を横断して陸部内で終端し、
前記第2のラグ溝のタイヤ幅方向に対する平均傾斜角度は、前記第4のラグ溝のタイヤ幅方向に対する平均傾斜角度よりも大きい、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スノー性能を維持しつつ騒音性能を向上させたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
騒音振動性能を低下させずにスノー性能を改善することを目的として、複数のセンターサイプの少なくとも一つが、タイヤ周方向の一方及び他方の縁部の少なくともいずれかに面取り部を含み、これら面取り部がタイヤ周方向においてタイヤ赤道面の各側に交互に設けられたタイヤが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-088310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたタイヤにおいては、タイヤ周方向に隣り合う面取り部同士、及び/又はセンターサイプ同士に関し、タイヤ転動時に溝(面取り部及びサイプ)の開閉に関する変動時期が重なる可能性がある。そのような場合には、タイヤと路面が接触した際に発生する音がホーン効果により強調されて、いわゆるパスバイノイズ(PBN)が増大し、騒音性能が劣化するおそれがある。
【0005】
これに対し、騒音性能を向上させるために溝面積比を低減することも考えられるが、溝面積比の低減を図ると排水性能の劣化、ひいてはスノー性能の劣化を引き起こすおそれがある。このため、近年、溝面積比を低減させずにスノー性能を維持しつつ、騒音性能を向上させる技術の開発が要請されている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、溝面積比を低減させずにスノー性能を維持しつつ、騒音性能を向上させたタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタイヤは、少なくとも2本の周方向主溝によって少なくとも3つの陸部が区画形成され、
タイヤ赤道面のタイヤ幅方向各側において、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の溝幅中心線を境に、前記溝幅中心線よりもタイヤ幅方向内側をセンター領域とし、前記溝幅中心線よりもタイヤ幅方向外側をショルダー領域とした場合に、前記センター領域に形成された少なくとも1つの前記陸部に、タイヤ幅方向の少なくとも一端が前記周方向主溝に連通し、かつ、少なくとも2つの屈曲部を有する、屈曲溝が、少なくとも2つ設けられ、
前記屈曲溝の一端から最初の屈曲部の手前までの第1の部分の溝幅と、前記屈曲溝の他端から最初の屈曲部の手前までの第2の部分の溝幅と、のそれぞれが、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で異なり、
同一の前記陸部内に存在する屈曲溝の本数をNとして、
タイヤ周方向に隣り合う2つの前記屈曲溝間の距離である第1の間隔を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にAi(1≦i≦N)とするとともに、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の第2の間隔を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にBi(1≦i≦N)とし、
タイヤ周長をJ(mm)、伝達特性起因の注意長さの範囲をS1(mm)、音源起因の注意長さの範囲をS2(mm)及びS3(mm)とし、
12.4≦S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×1)≦S2(mm)≦J/(N×0.75×1)を満たすS1(mm)、S2(mm)の範囲において、2つの前記不等式の下限値のうち大きい方をLFL1とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL1とし、
12.4≦S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×2)≦S3(mm)≦J/(N×0.75×2)を満たすS1(mm)、S3(mm)の範囲において、2つの前記不等式の下限値のうち大きい方をLFL2とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL2とし、
LFL1×1<Ai(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Ai(mm)<HFL2×1、で規定される条件TA1、
LFL1×1<Bi(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Bi(mm)<HFL2×1、で規定される条件TB1、
条件TB1以外の条件であって、かつ、
LFL1×0.5<Bi(mm)<HFL1×0.5、又は、
LFL2×0.5<Bi(mm)<HFL2×0.5、で規定される条件TB2、及び
条件TB1以外かつ条件TB2以外の条件として規定される条件TB3、をそれぞれ設定し、
条件TA1を満たす間隔Aiの存在割合をPTA1(%)、条件TB1を満たす間隔Biの存在割合をPTB1(%)、条件TB2を満たす間隔Biの存在割合をPTB2(%)、条件TB3を満たす間隔Biの存在割合をPTB3(%)とした場合に、
PTA1(%)が0%以上50%未満であり、
PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)
を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るタイヤでは、溝面積比を低減する代わりに、タイヤと路面が接触した際に発生する音がホーン効果により強調され易いトレッドのタイヤ幅方向中央領域において、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期がタイヤ周方向に隣り合う溝部分について重なることを低減している。具体的には、タイヤ幅方向中央領域の陸部に設けた屈曲溝について、タイヤ周方向に隣り合う溝同士の溝幅を異ならせることを前提に、PTA1(%)を0%以上50%未満とするとともに、PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)としている。これにより、排水性能を劣化させることなく、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士について、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を意図的にずらすことができ、ひいてはこれらの溝部分同士において、パスバイノイズを低減することができる。従って、本発明によれば、スノー性能を維持しつつ、騒音性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態のタイヤのトレッド表面を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す屈曲溝の溝幅を示す平面図である。
図3図3は、図1に示す屈曲溝の溝部分同士の間隔を示す平面図である。
図4図4は、図1に示す屈曲溝の2種類の周方向長さを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、タイヤ径方向とは、タイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面とは、タイヤの回転軸に直交するとともに、タイヤ幅の中心を通る平面である。
【0011】
同様に、以下の説明において、正規リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、又はETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。
【0012】
同様に、以下の説明において、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、又はETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、又はETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」をいう。
【0013】
図1は、本実施形態のタイヤのトレッド表面を示す平面図であり、正規リムに組んで正規内圧を付与した無負荷状態(非接地状態)を示すものである。図1においては、複数の同じ構成要素の1つにのみ符号を付けている。同図に示すタイヤ10のトレッド部はゴム材(トレッドゴム)から構成される。また、タイヤ径方向最外部に位置するトレッド部の表面(トレッド表面12)は、車両走行時に路面と接触する。そして、図1に示されるように、トレッド表面には所定模様のトレッドパターンが形成されている。なお、図1に示すトレッドパターンは、左側が車両装着内側である。
【0014】
図1に示す例では、トレッド表面12に、4本の周方向主溝14(14a、14b、14c、14d)がタイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向に対称に設けられている。周方向主溝14は、6mm以上14mm以下の溝幅を有する。ここで、溝幅とは、溝が延在する方向に垂直な方向に測定した溝寸法(最大値)を意味する(以下、他の溝についても同様である。)。また、周方向主溝14は、5mm以上10mm以下の溝深さを有する。ここで、溝深さとは、溝がないとした場合におけるプロファイルラインからタイヤ径方向に測定した溝寸法(最大値)を意味する(以下、他の溝についても同様である。)。
【0015】
これらの周方向主溝14によって、5つの陸部16、18、20、22、24が区画形成されている。センター陸部16はタイヤ赤道面CLを含み、そのタイヤ幅方向各側にセカンド陸部18、20が区画形成され、さらにそれらのタイヤ幅方向外側にショルダー陸部22、24が区画形成されている。なお、本実施形態において、4本の周方向主溝14aから周方向主溝14dによって区画形成された陸部には、図1に示すようなリブのみならず、ブロック列も含まれる。
【0016】
タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向各側において、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝14c、14dの溝幅中心線(図示せず)を境に、これら溝幅中心線よりもタイヤ幅方向内側をセンター領域CRとし、溝幅中心線よりもタイヤ幅方向外側をショルダー領域SR、SRとする。
【0017】
センター領域CRに形成されたセンター陸部16には、タイヤ幅方向両端が周方向主溝14a、14bに連通し、かつ、2つの屈曲部を有する、屈曲溝が複数設けられている。図1に示す例では、屈曲溝として、溝幅の異なる2種類の屈曲溝26、28が、タイヤ周方向に交互に設けられている。
【0018】
屈曲溝26(28)は、優れたスノー性能を確保するため1.5mmより大きい溝幅を有する。なお、溝幅の上限値は5mmとすることが好ましい。また、屈曲溝26(28)は、優れたスノー性能を確保するため周方向主溝14の溝深さの40%以上の深さを有する。なお、溝深さの上限値は周方向主溝14の溝深さの90%以下とすることが好ましい。
【0019】
図1に示すように、センター領域CRに形成された車両装着外側のセカンド陸部18には、タイヤ幅方向両側の周方向主溝14a、14cのいずれにも連通するとともに、タイヤ幅方向内側から外側に延在する途中でタイヤ幅方向に対する傾斜方向が逆転する第1のラグ溝30が設けられている。第1のラグ溝30は車両装着外側においてスノー性能向上のために設けられ、タイヤ幅方向に対する傾斜方向を延在途中で逆転させることで、当該傾斜方向が逆転しない溝に比べてパスバイノイズを低減することができる。
【0020】
セカンド陸部18には、タイヤ周方向に隣り合う第1のラグ溝30、30同士の間に、第1のラグ溝30とほぼ平行に延在するサイプ32が形成されている。なお、本明細書において、サイプとは、溝幅が0.5mm以上1.5mm以下であり、かつ、溝深さが周方向主溝14の溝深さの20%以上80%以下である溝を意味する。
【0021】
センター領域CRに形成された車両装着内側のセカンド陸部20には、スノー性能向上のため、タイヤ幅方向外側の周方向主溝14dからタイヤ幅方向内側に延在するとともに陸部20内で終端する第2のラグ溝34が設けられている。また、セカンド陸部20には、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向内側端部から延在してタイヤ幅方向内側の周方向主溝14bに連通するサイプ36が形成されている。さらに、セカンド陸部20には、タイヤ周方向に隣り合う第2のラグ溝34、34同士の間に、第2のラグ溝34とほぼ平行に延在し、かつ、タイヤ幅方向両側の周方向主溝14b、14dのいずれにも連通するサイプ38が形成されている。
【0022】
ショルダー領域SRに形成された車両装着外側のショルダー陸部22には、接地端(図示せず)を跨いでタイヤ幅方向内側に延在して陸部22内で終端する第3のラグ溝40が設けられている。また、ショルダー陸部22には、タイヤ周方向において隣り合う第3のラグ溝40、40間に、周方向主溝14cからタイヤ幅方向外側に延在するサイプ42が形成され、サイプ42は接地端付近で小溝44に連通している。なお、本明細書において、小溝とは、溝幅が0.5mm以上3.0mm以下であり、かつ、溝深さが0.3mm以上2.0mm以下である溝を意味する。さらに、接地端のタイヤ幅方向外側にはタイヤ周方向に一定のピッチで三角溝46が設けられている。
【0023】
ショルダー陸部22内のタイヤ幅方向内側領域には、周方向主溝14cに平行に補助溝48が設けられている。一般に、車両装着外側のショルダー陸部22は、スノー性能のうち、特に旋回性能への寄与が大きい。このため、補助溝48をショルダー陸部22に設けることにより、ショルダー陸部22の剛性を好適に調整して、旋回性能を効率的に高めることができる。なお、補助溝48の溝深さは周方向主溝14cの溝深さの0.3倍以上0.8倍以下とすることができる。
【0024】
ショルダー領域SRに形成された車両装着内側のショルダー陸部24には、接地端(図示せず)を跨いでタイヤ幅方向内側に延在して陸部24内で終端する第4のラグ溝50が設けられている。また、ショルダー陸部24には、タイヤ周方向において隣り合う第4のラグ溝50、50間に、周方向主溝14dからタイヤ幅方向外側に延在するサイプ52が形成され、サイプ52は接地端付近で小溝54に連通している。さらに、ショルダー陸部24内のタイヤ幅方向内側領域には、周方向主溝14dに平行に補助溝56が設けられている。なお、補助溝56の溝深さは周方向主溝14dの溝深さの0.3倍以上0.8倍以下とすることができる。
【0025】
図2は、図1に示す屈曲溝の溝幅を示す平面図である。以下では、タイヤ周方向に複数設けられた屈曲溝のうち、タイヤ周方向に隣り合う2つの屈曲溝26、28についてのみ説明する。図2に示すように、屈曲溝26(28)は、一端から最初の屈曲部の手前までの第1の部分26a(28a)の溝幅W1(W2)と、屈曲溝26(28)の他端から最初の屈曲部の手前までの第2の部分26b(28b)の溝幅W3(W4)と、のそれぞれが、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で異なる。即ち、図2においては、溝幅W1と溝幅W2は異なり、溝幅W3と溝幅W4は異なる。なお、溝幅W1と溝幅W3についての関係は特に限定されず、異なっていても同じであってもよい。溝幅W2と溝幅W4についての関係も特に限定されず、異なっていても同じであってもよい。
【0026】
第1の部分26a(28a)の溝幅W1(W2)は、第1の部分26a(28a)をその延在方向に5等分し、5等分した各セクションの延在方向中心部分における、延在方向に垂直な方向の寸法を算出し、5つのセクションについてこの算出された値を平均した値を使用する。第2の部分26b(28b)の溝幅W3(W4)についても同様である。
【0027】
第1の部分26a(28a)及び第2の部分26b(28b)は、延在方向において直線形状であっても曲線形状であってもよい。また、屈曲部とは、第1の部分26a(28a)及び/又は第2の部分26b(28b)に接続された部分であって、第1の部分26a(28a)又は第2の部分26b(28b)に対して溝幅中心線の曲率が変化する点から再度曲率が変化する点までの部分をいう。
【0028】
溝幅W1と溝幅W2、或いは、溝幅W3と溝幅W4は上述のとおり異なるが、本実施形態では、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で溝幅が異なっていれば、他の溝部分同士については溝幅が異なっていても同一でもよい。センター陸部16に、溝幅の異なる3種類の屈曲溝A、屈曲溝B及び屈曲溝Cを設ける場合には、繰り返し単位となる屈曲溝ユニットとして、例えば以下の例が挙げられる。なお、本段落においては、以下、屈曲溝AをA、屈曲溝BをB、屈曲溝CをCと表記する。以下に示す例は単なる例示であり、他の例(4種類以上の屈曲溝を設ける場合)についても本実施形態の範囲に含まれるものである。
・ABC
・ABBCC
・ABBBCCC
・ABAC
・ABBACC
・ABBBACCC
・AABC
・AABBCC
・AABBBCCC
・AABAAC
・AABBAACC
・AABBBAACCC
・AAABC
・AAABBCC
・AAABBBCCC
・AAABAAAC
・AAABBAAACC
【0029】
センター陸部16に、溝部分の溝幅の異なる複数種類の屈曲溝を設ける場合に、複数種類の屈曲溝の溝部分の幅は、各部分から算出された平均値に対する各部分から算出された標準偏差の割合(標準偏差/平均値)が0以上0.1以下の範囲となるように設定するものとする。例えば、図2に示す例では、部分26aと部分28a(部分26bと部分28b)について、各部分から算出された平均値に対する各部分から算出された標準偏差の割合(標準偏差/平均値)が、0以上0.1以下の範囲となるように設定する。
【0030】
なお、屈曲溝26に含まれる溝部分同士の溝幅W1、W3については、同一であっても異なっていてもよい。同様に、屈曲溝28に含まれる溝部分同士の溝幅W2、W4については、同一であっても異なっていてもよい。図2に示す例では、溝幅W1と溝幅W3は同一であり、また、溝幅W2と溝幅W4は同一である。但し、溝幅W1と溝幅W3(或いは溝幅W2と溝幅W4)が、異なる場合は、これらの溝部分間(例えば、第1の部分26aと第2の部分26bとの間)において、溝幅が異なること自体によっても、溝部分の開閉に関する変動時期が異なる可能性が高くなる。このため、溝幅W1と溝幅W3(或いは溝幅W2と溝幅W4)は、同一である場合よりも異なる場合の方がパスバイノイズの低減効果が高まるため、より好ましい。
【0031】
図3は、図1に示す屈曲溝の溝部分同士の間隔を示す平面図である。図3についても、タイヤ周方向に複数設けられた屈曲溝のうち、タイヤ周方向に隣り合う2つの屈曲溝26、28についてのみ説明する。ここで、図1に示すセンター陸部16内に存在する屈曲溝の本数をNとする。
【0032】
タイヤ周方向に隣り合う2つの屈曲溝26、28間の距離である第1の間隔D1を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にAi(1≦i≦N)とするとともに、第1の部分26aと第2の部分26bとの間の第2の間隔D2、並びに、第1の部分28aと第2の部分28bとの間の第2の間隔D3を、タイヤ全周において計測したときの長さを順にBi(1≦i≦N)とする。
【0033】
例えば、センター陸部16に屈曲溝が2本のみ設けられている場合(屈曲溝26と屈曲溝28のみの場合)は、図3に示す第1の間隔D1は1つ規定され、第2の間隔D2と第2の間隔D3は合わせて2つ規定される。これに対し、例えばセンター陸部16に屈曲溝が30本設けられている場合は、図3に示す第1の間隔D1は1つの屈曲溝について1つ存在するので合計で30規定され、第2の間隔D2、D3も屈曲溝の数と同じだけ存在するので合計で30規定される。
【0034】
屈曲溝26、28についての第1の間隔D1は、タイヤ周方向に隣り合う2つの屈曲溝の溝部分同士(例えば、第1の部分26a及び第1の部分28a同士)が平行である場合、図2に示す溝幅W1を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)をベースに作成した仮想線と、図2に示す溝幅W2を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)をベースに作成した仮想線と、の間の最短距離として決定する。各仮想線は、5つの上記溝幅中心点が仮想線からできるだけ離れないように、設定する。
【0035】
これに対し、タイヤ周方向に隣り合う2つの屈曲溝の溝部分同士(例えば、第1の部分26a及び第1の部分28a同士)が平行でない場合は、屈曲溝26、28についての第1の間隔D1は以下のように決定する。即ち、まず、図2に示す溝幅W1を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)を車両装着一方側から順に点a1、点b1、点c1、点d1、点e1とするとともに、図2に示す溝幅W2を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)を車両装着一方側から順に点a2、点b2、点c2、点d2、点e2とする。次に、点a1と点a2との間の距離Sa、点b1と点b2との間の距離Sb、点c1と点c2との間の距離Sc、点d1と点d2との間の距離Sd、点e1と点e2との間の距離Seとする。そして、距離Saから距離Seまでの平均値を算出して第1の間隔D1とする。
【0036】
屈曲溝26についての第2の間隔D2は、1つの屈曲溝の溝部分同士(例えば、第1の部分26a及び第2の部分26b同士)が平行である場合、図2に示す溝幅W1を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)をベースに作成した仮想線と、図2に示す溝幅W3を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)をベースに作成した仮想線と、の間の最短距離として決定する。各仮想線は、5つの上記溝幅中心点が仮想線からできるだけ離れないように、設定する。図3に示す屈曲溝28についての第2の間隔D3についても、第2の間隔D2と同様に(溝幅W2と溝幅W4に基づき)決定する。
【0037】
これに対し、1つの屈曲溝の溝部分同士(例えば、第1の部分26a及び第2の部分26b同士)が平行でない場合は、屈曲溝26についての第2の間隔D2は以下のように決定する。即ち、まず、図2に示す溝幅W1を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)を車両装着一方側から順に点a1、点b1、点c1、点d1、点e1とするとともに、図2に示す溝幅W3を求めた際に用いた、5等分した各セクションにおける溝幅中心点(図示せず)を車両装着一方側から順に点a3、点b3、点c3、点d3、点e3とする。次に、点a1と点a3との間の距離sa、点b1と点b3との間の距離sb、点c1と点c3との間の距離sc、点d1と点d3との間の距離sd、点e1と点e3との間の距離seとする。そして、距離saから距離seまでの平均値を算出して第1の間隔D1とする。なお、図3に示す屈曲溝28についての第2の間隔D3についても、第2の間隔D2と同様に(溝幅W2と溝幅W4に基づき)決定する。
【0038】
次に、タイヤ周長をJ(mm)、伝達特性起因の注意長さの範囲をS1(mm)、並びに音源起因の注意長さの範囲をS2(mm)及びS3(mm)と定義する。
【0039】
ここで、伝達特性起因の注意長さの範囲S1(mm)とは、パスバイノイズの代表速度を、タイヤ周辺空間の音響特性を計測した際にホーン効果によりセンター領域で強調される周波数範囲の上限と下限でそれぞれ割ることによって算出される下限値及び上限値により挟まれる範囲を意味する。
【0040】
また、音源起因の注意長さの範囲S2(mm)とは、屈曲溝によって形成されるブロックが路面と接するときに発生するピッチ次数の1次±25%の範囲を意味し、音源起因の注意長さの範囲S3(mm)とは、屈曲溝によって形成されるブロックが路面と接するときに発生するピッチ次数の2次±25%の範囲を意味する。
【0041】
次に、センター陸部16に設けられた屈曲溝26、28から発生した音がホーン効果で強調されるような、伝達特性起因の注意長さS1(mm)の範囲は、以下のとおりである。
12.4<S1(mm)<19.5
【0042】
また、センター陸部16に設けられた屈曲溝26、28がパスバイノイズの音の原因となるような、音源起因の注意長さS2(mm)、S3(mm)の範囲は、以下のとおりである。
J/(N×1.25×1)<S2(mm)<J/(N×0.75×1)
J/(N×1.25×2)<S3(mm)<J/(N×0.75×2)
【0043】
これらS1(mm)、S2(mm)、及びS3(mm)の上記範囲を基に、
S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×1)≦S2(mm)≦J/(N×0.75×1)を満たすS1(mm)、S2(mm)の範囲において、これら2つの不等式の下限値のうち大きい方をLFL1とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL1とする。
【0044】
同様に、
12.4≦S1(mm)≦19.5、かつ、
J/(N×1.25×2)≦S3(mm)≦J/(N×0.75×2)を満たすS1(mm)、S3(mm)の範囲において、これら2つの不等式の下限値のうち大きい方をLFL2とし、2つの前記不等式の上限値のうち小さい方をHFL2とする。
【0045】
さらに、以上の知見を基に、
LFL1×1<Ai(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Ai(mm)<HFL2×1、で規定される条件を、条件TA1とする。
【0046】
LFL1×1<Bi(mm)<HFL1×1、又は、
LFL2×1<Bi(mm)<HFL2×1、で規定される条件を、条件TB1とする。
【0047】
条件TB1以外の条件であって、かつ、
LFL1×0.5<Bi(mm)<HFL1×0.5、又は、
LFL2×0.5<Bi(mm)<HFL2×0.5、で規定される条件を、条件TB2とする。
【0048】
条件TB1以外かつ条件TB2以外の条件として規定される条件を、条件TB3とする。
【0049】
そして、条件TA1を満たす間隔Aiの存在割合をPTA1(%)、条件TB1を満たす間隔Biの存在割合をPTB1(%)、条件TB2を満たす間隔Biの存在割合をPTB2(%)、条件TB3を満たす間隔Biの存在割合をPTB3(%)とする。
【0050】
条件TA1を満たす場合、又は、条件TB1を満たす場合とは、タイヤ転動時に、溝部分の開閉に関する変動時期がタイヤ周方向に隣り合う溝部分間で重なる可能性が高いことから、パスバイノイズが大きく、不所望な場合を意味する。
【0051】
条件TB2を満たす場合とは、タイヤ転動時に、溝部分の開閉に関する変動時期がタイヤ周方向に隣り合う溝部分間で重なる可能性が低いことから、パスバイノイズが小さく、所望な場合を意味する。
【0052】
条件TB3を満たす場合(条件TB1も条件TB2も満たさない場合)とは、タイヤ転動時に、溝部分の開閉に関する変動時期がタイヤ周方向に隣り合う溝部分間で重なる可能性が中程度であることから、パスバイノイズが中程度で、不所望でも所望でもない場合を意味する。
【0053】
なお、条件TA1、条件TB1、条件TB2及び条件TB3のいずれかを導き出すために用いた上記各不等式については、本発明者らが鋭意、検討とともに数々の実験を行って得たものである。本発明者らは、これらの不等式に関し技術的な根拠は明確には見い出せていないが、膨大な実験データに基づく裏付けは有しており、最終的に騒音性能が向上するために用いることが有用な不等式であるとの知見を得ている。
【0054】
以上のような前提の下、本実施形態は、上述したようにタイヤ周方向に隣り合う溝同士の溝幅を異ならせることを前提に、PTA1(%)が0%以上50%未満であり、PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)を満たす。
【0055】
本実施形態のタイヤ10においては、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士のうち少なくとも一組の溝部分同士の間で溝幅を異ならせて、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期をある程度意図的にずらすことができる(作用1)。
【0056】
そして、隣り合う屈曲溝同士の間隔に関して不所望な場合の割合PTA1の全体に占める割合を半分未満とし、各屈曲溝内に含める溝部分同士の間隔に関して所望な場合の割合PTB2、不所望な場合の割合PTB1、及び不所望でも所望でもない場合の割合PTC3、を比較し、これら3つの割合のうち、所望な場合の割合PTB2をその他の場合の割合PTB1、PTB3のいずれよりも高くすることで、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期をさらにずらすことができる(作用2)。
【0057】
本実施形態のタイヤ10は、以上の作用1及び作用2が相まって、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を確実にずらすことができ、その結果パスバイノイズを低減して騒音性能を向上させることができる。
【0058】
本実施形態のタイヤ10は、従来のタイヤに対して溝面積比を低減するのではなく、特定の陸部(具体的にはタイヤ幅方向中央領域に含まれるセンター陸部16等)に着目して、上述した作用1、2によるパスバイノイズの低減を図ったものである。従って、本実施形態のタイヤ10によれば、スノー性能(排水性能と、操縦安定性能、旋回性能及びトラクション性能等と、の組み合わせ。以下同様。)を従来程度に維持した上で、上述した騒音性能の向上を実現することができる。なお、図1に示す例では、特に、周方向主溝を4本設けることにより、パスバイノイズ低減の寄与が最も大きいセンター陸部16の幅を比較的小さくして陸部16の剛性を低減することで、パスバイノイズの低減を効率的に行うことができる。
【0059】
図1に示す例では、屈曲溝26はセンター陸部16にのみ設けられているが、本実施形態はこのような場合に限られず、センター領域CRに区画形成された陸部(陸部16、18、20)であれば、いずれの陸部にも屈曲溝を設けることができ、図1に示すトレッドパターンによる効果と同様の効果を得ることができる。
【0060】
なお、例えば、図示しないが、センター陸部16とセカンド陸部20に屈曲溝が設けられている場合は、図2に示す溝幅W1からW4及び図3に示す間隔D1からD3については、陸部ごとに算出するものとし、上述した割合PTA1、並びにPTB1、PTB2及びPTB3についてはタイヤ全体について算出するものとする。
【0061】
図1に示す例においては、PTA1(%)を40%未満とすることで、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期をさらにずらすことができ、その結果パスバイノイズをさらに低減することができる。さらに、PTA1(%)を30%未満とすることで、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期をさらに一層ずらすことができ、その結果パスバイノイズを著しく低減することができる。
【0062】
図1に示す例においては、割合PTB2と割合PTB1との差が20%以上であり、かつ、割合PTB2と割合PTB3との差異が10%以上であることが、好ましい。これらの条件を満たす場合は、上述した不所望な場合の割合PTB1が、不所望でも所望でもない場合の割合PTB3よりも低いため、全体に占める不所望な場合の割合PTB1をさらに低減することができる。その結果、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士について、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を意図的により高いレベルでずらすことができ、ひいてはこれらの溝部分同士において、パスバイノイズをさらに低減することができる。
【0063】
図1に示すタイヤ10においては、割合PTB1が30%以下であることが好ましい。このような条件を満たす場合は、全体に占める不所望な場合の割合PTB1をさらに低減することができる。その結果、タイヤ周方向に隣り合う溝部分同士について、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を意図的により高いレベルでずらすことができ、ひいてはこれらの溝部分同士において、パスバイノイズをさらに低減することができる。
【0064】
割合PTB1が30%以下であり、かつ、割合PTB2>割合PTB3>割合PTB1を満たす場合には、タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を意図的にさらに一層高いレベルでずらすことができ、ひいてはこれらの溝部分同士において、パスバイノイズをさらに一層低減することができる。
【0065】
図4は、図1に示す屈曲溝の2種類の周方向長さを示す平面図である。図4に示すように、屈曲溝26(28)の一端と他端との間のタイヤ周方向長さDG1(DG2)が、屈曲溝26(28)の第3の部分26c(28c)(各屈曲溝において第1の部分及び第2の部分以外の部分)のタイヤ周方向長さDB1(DB2)以上であることが、好ましい。ここで、タイヤ周方向長さDG1とDG2については、同一であっても異なっていてもよい。また、タイヤ周方向長さDB1とDB2についても、同一であっても異なっていてもよい。
【0066】
図4図1)に示す屈曲溝26(28)の第3の部分26c(28c)については、屈曲部を除いた長手方向部分(のタイヤ幅方向中心線)がタイヤ赤道面CL上に位置するため、タイヤ周方向に延在している。しかしながら、上記長手方向部分(のタイヤ幅方向中心線)がタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向のいずれかの側にずれて位置する場合には、排水性能を考慮して、上記長手方向部分を、タイヤの踏み込み側から蹴り出し側に向かって、タイヤ幅方向内側から外側に延在するように設けることが好ましい。
【0067】
タイヤ周方向長さDG1(DG2)をタイヤ周方向長さDB1(DB2)以上とすることにより、タイヤ10が路面と接触した際に、屈曲溝26(28)の第1の部分26a(28a)と第2の部分26b(28b)がより変形し易くなり、パスバイノイズをさらに低減して、騒音性能をさらに高めることができる。
【0068】
図1に示す例においては、センター陸部16には上述した屈曲溝26、28のみが設けられているが、本実施形態はこのような例に限られず、センター陸部16には他の溝を設けることもできる。しかしながら、センター陸部16に屈曲溝以外の溝を設けると、屈曲溝を設けたことによる効果(タイヤ転動時に溝部分の開閉に関する変動時期を意図的にずらすことができ、ひいてはこれらの溝部分同士において、パスバイノイズを低減することができる)が他の溝の存在により薄れる可能性があるため、パスバイノイズ低減の観点からは、センター陸部16には屈曲溝以外の溝を設けることは好ましくない。
【0069】
図1に示す例の変形例として、溝面積比は変更せずに、3本の周方向主溝を設けて、センター領域に2つの陸部を区画形成することもできる。周方向主溝を2本以上(好ましくは3本以上)設ければ、本実施形態において所望の排水性能、ひいてはスノー性能を維持しつつ、優れた騒音性能を得ることができる。
【0070】
図1に示すタイヤ10においては、第1のラグ溝30の延在方向がタイヤ幅方向となる位置(傾斜方向変更位置)が、セカンド陸部18内のタイヤ幅方向外側領域に存在することが好ましい。ここで、セカンド陸部18のタイヤ幅方向外側領域とは、セカンド陸部18のタイヤ幅方向内側端部を0%の位置とするとともに、タイヤ幅方向外側端部を100%の位置とした場合に、50%以上の位置から100%未満(好ましくは90%以下)の位置までの領域を意味する。
【0071】
傾斜方向変更位置を、セカンド陸部18内のタイヤ幅方向外側領域とすることで、セカンド陸部18において、第1のラグ溝30に関し、タイヤ幅方向内側の周方向主溝14aから傾斜方向変更位置まで延在する部分(内側溝部分)の長さを、タイヤ幅方向外側の周方向主溝14cから傾斜方向変更位置まで延在する部分(外側溝部分)の長さよりも、大きくすることができる。
【0072】
降雪状況下でのタイヤ転動時には、タイヤ赤道面CLに近いほど、路面上に堆積した雪や水膜と接する可能性が高いことから、同一の溝についてもタイヤ幅方向内側部分においては特に優れた排水性能が要求される。このため、第1のラグ溝30についても、外側溝部分よりも内側溝部分における排水性能が重要である。排水時に水流がタイヤ幅方向内側から外側に向かうことを考慮すると、上述の構成(内側溝部分の長さを、外側溝部分の長さよりも大きくすること)を採用することで、水膜等と接する可能性がより高い内側溝部分においてある程度同方向への排水を行った上で、水流の方向を変えて外側溝部分において排水を連続的に行うことができるため、スノー性能をさらに高めることができる。
【0073】
図1に示すタイヤ10においては、第2のラグ溝34がセカンド陸部20内のタイヤ幅方向内側領域において終端していることが好ましい。ここで、セカンド陸部20内のタイヤ幅方向内側領域とは、セカンド陸部20のタイヤ幅方向外側端部を0%の位置とするとともに、タイヤ幅方向内側端部を100%の位置とした場合に、50%以上の位置から100%未満(好ましくは90%以下)の位置までの領域を意味する。
【0074】
第2のラグ溝34がセカンド陸部20内のタイヤ幅方向内側領域の位置まで延在していることにより、排水性能、ひいてはスノー性能をさらに高めることができる。また、第2のラグ溝34がセカンド陸部20内で終端していることで、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向内側部分における音の発生を抑制し、パスバイノイズをさらに低減することができる。
【0075】
図1に示す例では、上述のとおり、セカンド陸部20には、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向内側端部から延在してタイヤ幅方向内側の周方向主溝14bに連通するサイプ36が形成されている。本実施形態には、図1に示す例の他、第2のラグ溝34が陸部20内で終端せずに周方向主溝14bにも連通している例も含まれる。しかしながら、第2のラグ溝34がタイヤ幅方向内側の周方向主溝14bに連通していると、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向内側部分において発生する音が比較的大きく、パスバイノイズを低減することが困難である。これに対し、図1に示すように、第2のラグ溝34を陸部内で終端させ、その延長線上に第2のラグ溝34よりも細いサイプ36を形成することで、サイプ36のタイヤ幅方向内側部分において発生する音を比較的小さくすることができ、排水性能を劣化させずにパスバイノイズを効率的に低減することができる。
【0076】
図1に示すタイヤ10においては、第3のラグ溝40が車両装着外側の接地端(又は接地端のタイヤ幅方向外側位置)から延在して補助溝48を横断して陸部22内で終端しており、また、第4のラグ溝50が車両装着内側の接地端(又は接地端のタイヤ幅方向外側位置)から延在して補助溝56を横断して陸部24内で終端している。ここで、ラグ溝40(50)が補助溝48(56)を横断しているとは、ラグ溝40(50)のタイヤ幅方向内側端部が補助溝48(56)のタイヤ幅方向内側端部よりもタイヤは幅方向内側に位置し、かつ、ラグ溝40(50)のタイヤ幅方向外側端部が補助溝48(56)のタイヤ幅方向外側端部よりもタイヤは幅方向外側に位置していることを意味する。
【0077】
ラグ溝40(50)が車両装着外側(車両装着内側)の接地端(又は接地端のタイヤ幅方向外側位置)から延在していることで、各接地端付近における陸部の剛性をある程度低減することに起因して、トラクション性能を高めることができる。これに対し、ラグ溝40(50)が補助溝48(56)を横断して陸部22(24)内で終端していることにより、ラグ溝40(50)のタイヤ幅方向長さをある程度確保して排水性能をさらに高めるとともに、ラグ溝40(50)を周方向主溝14c(14d)には連通させないことで、ラグ溝40(50)のタイヤ幅方向内側部分における音の発生を抑制し、パスバイノイズをさらに低減させることができる。
【0078】
図1に示す例では、ラグ溝40(50)が補助溝48(56)を横断して陸部22(24)内で終端しているが、本実施形態はこのような例に限らず、車両装着外側及び内側のいずれかにおいてのみ、ラグ溝が補助溝を横断して陸部内で終端している例も含まれる。
【0079】
図1に示すタイヤ10においては、第1のラグ溝30のタイヤ幅方向外側部分と第3のラグ溝40のタイヤ幅方向内側部分とが、いずれもタイヤ幅方向に対して同じ側に傾斜しており、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向外側部分と第4のラグ溝50のタイヤ幅方向内側部分とが、いずれもタイヤ幅方向に対して同じ側に傾斜している。このような構成によれば、図1において第1のラグ溝30をタイヤ幅方向外側に延長した延長線の接地端における点と、第3のラグ溝40の接地端における点と、を車両装着外側の接地端線上で分散させることができ、パスバイノイズをさらに低減することができる。また、図1において第2のラグ溝34をタイヤ幅方向外側に延長した延長線の接地端における点と、第4のラグ溝50の接地端における点と、を車両装着内側の接地端線上で分散させることができ、パスバイノイズをさらに低減することができる。
【0080】
図1に示すタイヤ10においては、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向に対する平均傾斜角度(第2のラグ溝の平均角度)は、第4のラグ溝50のタイヤ幅方向に対する平均傾斜角度(第4のラグ溝の平均角度)よりも大きいことが好ましい。ここで、第2のラグ溝の平均角度とは、第2のラグ溝34のタイヤ幅方向最内側位置と最外側位置とを結んだ線分がタイヤ幅方向に対してなす角を意味する。また、第4のラグ溝の平均角度とは、第4のラグ溝34のタイヤ幅方向最内側位置と接地端位置とを結んだ線分がタイヤ幅方向に対してなす角を意味する。
【0081】
第2のラグ溝の平均角度を、第4のラグ溝の平均角度よりも大きくすることで、図1において第2のラグ溝34をタイヤ幅方向外側に延長した延長線上の接地端における点(タイヤ幅方向内側から外側に向かって、第2のラグ溝34、サイプ52、小溝54と連なる一連の曲線における接地端における点)と、第4のラグ溝50の接地端における点と、を接地端線上で分散させることができ、パスバイノイズをさらに低減することができる。
【実施例0082】
タイヤサイズを245/70R17 110T(JATMAにて規定)とし、4本の周方向主溝を有し、表1に示す諸条件を満たす、各供試タイヤ(比較例のタイヤ及び発明例1から11のタイヤ)を作製した。なお、表1中の各用語は、いずれも本実施形態において説明した用語に準ずるものである。また、各供試タイヤの構成要素のうち、表1に示されていない構成要素については、図1に示すタイヤ構成要素に準ずるものである。
【0083】
次に、各供試タイヤを、サイズ17x7Jのリムに装着するとともに、空気圧を230kPaとして、これらを排気量3500ccの4WDの車両に装着した。これら全ての供試タイヤについて、以下の要領に従い、騒音性能(パスバイノイズに関する)及びスノー性能(横加速度性能及び制動性能に関する)についての評価を行った。
【0084】
(騒音性能の評価方法)
テストコースにて、各供試タイヤについて、速度50km/hで走行した状態からトランスミッションをニュートラルとしてエンジンを停止させたときの通過音に関する騒音レベル(dB)を測定し、各発明例のタイヤについて比較例のタイヤとの騒音レベルの差を求め、この差自体を評点とした。これらの評点は低いほど騒音性能が優れていることを示す。その結果を表1に併記する。
【0085】
(スノー性能の評価方法)
テストコースにて、各供試タイヤについて、雪上路面を走行した際の横加速度性能に関する評価(スノー性能1)と、制動性能に関する評価(スノー性能2)を行った。スノー性能1については、半径7mの雪上路面のテストコースを、速度を変えて5周し、それぞれ周のラップタイムから横加速度を計算し、比較例のタイヤの結果を100とした指数で評価した。スノー性能2については、雪上路面にて車両を走行させ、30km/hで制動力をかけてABSを作動させたときの制動距離を測定し、その逆数を算出して、比較例のタイヤの結果を100とした指数で評価した。これらの評点は大きいほどスノー性能1、2が優れていることを示す。これらの結果を表1に併記する。
【0086】
【表1】
【0087】
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する(即ち、タイヤ周方向に隣り合う溝同士の溝幅を異ならせることを前提に、PTA1(%)が0%以上50%未満であるとともに、PTB2(%)>PTB1(%)、かつ、PTB2(%)>PTB3(%)を満たす)発明例1から発明例12のタイヤは、いずれも、本発明の技術的範囲に属さない比較例のタイヤに比べて、スノー性能を維持しつつ、騒音性能が向上していることが判る。
【符号の説明】
【0088】
10 タイヤ
12 トレッド表面
14、14a、14b、14c、14d 周方向主溝
16 センター陸部
18、20 セカンド陸部
22、24 ショルダー陸部
26、28 屈曲溝
26a、28a 第1の部分
26b、28b 第2の部分
26c、28c 第3の部分
30 第1のラグ溝
32、36、38、42、52 サイプ
34 第2のラグ溝
40 第3のラグ溝
44、54 小溝
46 三角溝
48、56 補助溝
50 第4のラグ溝
CL タイヤ赤道面
CR センター領域
D1 第1の間隔
D2、D3 第2の間隔
DB1 屈曲溝26の第3の部分26cのタイヤ周方向長さ
DB2 屈曲溝28の第3の部分28cのタイヤ周方向長さ
DG1 屈曲溝26の一端と他端との間のタイヤ周方向長さ
DG2 屈曲溝28の一端と他端との間のタイヤ周方向長さ
SR ショルダー領域
W1、W2、W3、W4 溝幅
図1
図2
図3
図4