(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097417
(43)【公開日】2025-07-01
(54)【発明の名称】バスバホルダ
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20250624BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20250624BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/30
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213601
(22)【出願日】2023-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦島 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】古谷 元気
(72)【発明者】
【氏名】中村 光希
(72)【発明者】
【氏名】古屋 宏恭
【テーマコード(参考)】
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB10
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE02
5G357DE08
5G363AA16
5G363BA10
5G363DA13
5G363DA15
5G363DC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のバスバを個別に取り外し可能なバスバホルダを提供する。
【解決手段】バスバホルダは、絶縁被覆で覆われた第1、第2バスバB1、B2のそれぞれの直線部B1a,B2aを並走させて保持する保持体10と、保持体に第1ヒンジ部41を介して繋がれた第1カバー20と、保持体に第2ヒンジ部42を介して繋がれた第2カバー30と、第1カバーを閉位置で保持体に保持させる第1保持機構50と、第2カバー30を閉位置で保持体に保持させる第2保持機構60と、を有し、保持体は、第1挿入口10aから差し入れた第1バスバの直線部を嵌め込んで収容する第1嵌合収容室10bと、第2挿入口10cから差し入れた第2バスバの直線部を嵌め込んで収容する第2嵌合収容室10dと、を有し、第1カバーは、閉位置で一部を残して第1挿入口を塞ぐ形状に形成され、第2カバーは、閉位置で第1挿入口の一部を塞ぎ且つ第2挿入口を塞ぐ形状に形成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁被覆で覆われた第1バスバと絶縁被覆で覆われた第2バスバのそれぞれの直線部を並走させて保持する保持体と、
前記保持体に第1ヒンジ部を介して繋がれた第1カバーと、
前記保持体に第2ヒンジ部を介して繋がれた第2カバーと、
前記第1カバーを閉位置で前記保持体に保持させる第1保持機構と、
前記第2カバーを閉位置で前記保持体に保持させる第2保持機構と、
を有し、
前記保持体は、第1挿入口から差し入れた前記第1バスバの前記直線部を嵌め込んで収容する第1嵌合収容室と、第2挿入口から差し入れた前記第2バスバの前記直線部を嵌め込んで収容する第2嵌合収容室と、を有し、
前記第1カバーは、閉位置で一部を残して前記第1挿入口を塞ぐ形状に形成され、
前記第2カバーは、閉位置で前記第1挿入口の前記一部を塞ぎ且つ前記第2挿入口を塞ぐ形状に形成されることを特徴としたバスバホルダ。
【請求項2】
前記保持体は、第1底壁と前記第1底壁から互いに間隔を空けて垂設させた一対の第1側壁とで前記第1嵌合収容室を形成し、かつ、第2底壁と前記第2底壁から互いに間隔を空けて垂設させた一対の第2側壁とで前記第2嵌合収容室を形成し、
前記第1ヒンジ部は、前記第1カバーの固定端を一方の前記第1側壁に繋ぎ、前記第1カバーを片持ち状態で保持して、前記第1カバーにおける開位置と閉位置との間での開閉を可能にし、
前記第2ヒンジ部は、前記第2カバーの固定端を一方の前記第2側壁に繋ぎ、前記第2カバーを片持ち状態で保持して、前記第2カバーにおける開位置と閉位置との間での開閉を可能にし、
前記第1保持機構は、前記保持体に設けた第1カバー係合部と前記第1カバーの自由端に設けた第1カバー被係合部とを閉位置で係合させるものであり、
前記第2保持機構は、前記保持体に設けた第2カバー係合部と前記第2カバーの自由端に設けた第2カバー被係合部とを閉位置で係合させるものであることを特徴とした請求項1に記載のバスバホルダ。
【請求項3】
前記第2カバーは、閉位置で閉位置の前記第1カバーを覆うことを特徴とした請求項1又は2に記載のバスバホルダ。
【請求項4】
前記第2カバーは、閉位置で閉位置の前記第1カバーを嵌め込む切欠き部を有することを特徴とした請求項1又は2に記載のバスバホルダ。
【請求項5】
前記保持体は、自身を車体に固定する固定部を有することを特徴とした請求項1又は2に記載のバスバホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バスバは、バスバホルダの収容室に収容され且つ保持されることがある。例えば、下記の特許文献1には、複数のバスバが収容され且つ保持される第1収容室と、電圧検知線が収容される第2収容室と、第1収容室を塞ぐ第1カバーと、第2収容室を塞ぐ第2カバーと、第1カバーを開閉させるヒンジと、第2カバーを開閉させるヒンジと、を有する技術について開示されている。また、下記の特許文献2には、2つのバスバ毎のバスバ収容部が設けられたバスバ保持部と、各バスバ収容部を塞ぐバスバ覆い部と、バスバ覆い部を開閉させるヒンジ部と、を有する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-014297号公報
【特許文献2】特開2014-007105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の技術は、1枚のカバーを開いた際に全てのバスバの取り外しが可能であり、取外し対象のバスバの取り違えを防ぐ観点で改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、複数のバスバを個別に取り外し可能なバスバホルダを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、絶縁被覆で覆われた第1バスバと絶縁被覆で覆われた第2バスバのそれぞれの直線部を並走させて保持する保持体と、前記保持体に第1ヒンジ部を介して繋がれた第1カバーと、前記保持体に第2ヒンジ部を介して繋がれた第2カバーと、前記第1カバーを閉位置で前記保持体に保持させる第1保持機構と、前記第2カバーを閉位置で前記保持体に保持させる第2保持機構と、を有し、前記保持体は、第1挿入口から差し入れた前記第1バスバの前記直線部を嵌め込んで収容する第1嵌合収容室と、第2挿入口から差し入れた前記第2バスバの前記直線部を嵌め込んで収容する第2嵌合収容室と、を有し、前記第1カバーは、閉位置で一部を残して前記第1挿入口を塞ぐ形状に形成され、前記第2カバーは、閉位置で前記第1挿入口の前記一部を塞ぎ且つ前記第2挿入口を塞ぐ形状に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るバスバホルダにおいては、第1カバーと第2カバーが閉位置のときに第2バスバを取り外すのであれば、第2カバーを開位置まで開けばよい。そして、このバスバホルダにおいては、第1カバーと第2カバーが閉位置のときに第1バスバを取り外すのであれば、第1カバーと第2カバーを双方とも開位置まで開く必要がある。このように、本発明に係るバスバホルダは、第1バスバと第2バスバの中から取外し対象のバスバを個別に取り外すことができる。よって、このバスバホルダは、その取外し対象のバスバの取り違えを防ぐ上で有用なものと云える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが開位置のときを表している。
【
図2】
図2は、実施形態のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーが閉位置で且つ第2カバーが開位置のときを表している。
【
図3】
図3は、実施形態のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが閉位置のときを表している。
【
図4】
図4は、実施形態のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが開位置のときで且つ第1バスバと第2バスバが収容された状態を表している。
【
図5】
図5は、実施形態のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが閉位置のときで且つ第1バスバと第2バスバが収容された状態を表している。
【
図6】
図6は、変形例のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが開位置のときを表している。
【
図7】
図7は、変形例のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーが閉位置で且つ第2カバーが開位置のときを表している。
【
図8】
図8は、変形例のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが閉位置のときを表している。
【
図9】
図9は、変形例のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが開位置のときで且つ第1バスバと第2バスバが収容された状態を表している。
【
図10】
図10は、変形例のバスバホルダを示す斜視図であり、第1カバーと第2カバーが閉位置のときで且つ第1バスバと第2バスバが収容された状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るバスバホルダの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係るバスバホルダの実施形態の1つを
図1から
図5に基づいて説明する。
【0011】
図1から
図5の符号1は、本実施形態のバスバホルダを示す。
【0012】
バスバホルダ1は、絶縁被覆で覆われた第1バスバB1と絶縁被覆で覆われた第2バスバB2の一部を収容し且つ保持するための部材であり(
図4及び
図5)、自動車等の車両の車体に取り付けられる。このバスバホルダ1は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。尚、第1バスバB1と第2バスバB2は、例えば、車両の二次電池からの電源分配に用いられ、その内の一方がポジティブ側として、その内の他方がネガティブ側として用いられる。
【0013】
バスバホルダ1は、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aを並走させて保持する保持体10を有する(
図1から
図5)。この保持体10は、第1挿入口10aから差し入れた第1バスバB1の直線部B1aを嵌め込んで収容する第1嵌合収容室10bと、第2挿入口10cから差し入れた第2バスバB2の直線部B2aを嵌め込んで収容する第2嵌合収容室10dと、を有する。
【0014】
具体的に、ここで示す保持体10は、第1底壁11と、この第1底壁11から互いに間隔を空けて垂設させた一対の第1側壁12と、第2底壁13と、この第2底壁13から互いに間隔を空けて垂設させた一対の第2側壁14と、を有する(
図1から
図3)。
【0015】
この保持体10においては、その第1底壁11と一対の第1側壁12と第2底壁13と一対の第2側壁14がそれぞれに矩形の平板状に形成されている。そして、この保持体10においては、第1底壁11と第2底壁13が間隔を空けて同一平面上に配置され、かつ、一対の第1側壁12と一対の第2側壁14がその平面同士を向かい合わせにして互いに間隔を空けて対向配置されている。一対の第1側壁12は、第1底壁11の2つの辺部側を固定端とし、この2つの辺部からそれぞれに垂設されている。また、一対の第2側壁14は、第2底壁13の2つの辺部側を固定端とし、この2つの辺部からそれぞれに垂設されている。よって、保持体10は、第1底壁11と一対の第1側壁12とで囲われた直方体形状の空間を有しており、その空間を第1嵌合収容室10bとして利用する。この保持体10においては、第1底壁11と一対の第1側壁12とで第1嵌合収容室10bを形成しているので、一対の第1側壁12における自由端側の矩形の開口を第1挿入口10aとして利用する。また、保持体10は、第2底壁13と一対の第2側壁14とで囲われた直方体形状の空間を有しており、その空間を第2嵌合収容室10dとして利用する。この保持体10においては、第2底壁13と一対の第2側壁14とで第2嵌合収容室10dを形成しているので、一対の第2側壁14における自由端側の矩形の開口を第2挿入口10cとして利用する。
【0016】
ここで示す保持体10においては、一方の第1側壁12と一方の第2側壁14を外壁側に配置し、内壁側の他方の第1側壁12と他方の第2側壁14における自由端同士を矩形の平板状の連結壁15で繋いでいる(
図1から
図3)。
【0017】
この保持体10は、自身を車体に固定する固定部16を有する(
図3及び
図5)。この固定部16は、一方の第1側壁12と一方の第2側壁14の内の少なくとも一方の外壁面に設ける。例えば、固定部16は、車体側に設けた片部を挿入嵌合させるもの、車体側に螺子止め固定するものなど、如何様な形態を採るものであってもよい。
【0018】
更に、バスバホルダ1は、第1カバー20と第2カバー30を有する(
図1から
図5)。
【0019】
第1カバー20は、閉位置で一部を残して第1挿入口10aを塞ぐ形状に形成される(
図2)。また、第2カバー30は、閉位置で第1挿入口10aの一部を塞ぎ且つ第2挿入口10cを塞ぐ形状に形成される(
図3)。ここで示す第1カバー20は、矩形の第1挿入口10aにおける長手方向の両端を除いた部分を閉位置で塞ぐ。そして、ここで示す第2カバー30は、その矩形の第1挿入口10aにおける長手方向の両端と第2挿入口10cの全体を閉位置で塞ぐ。
【0020】
第1カバー20には、第1嵌合収容室10bに収容された第1バスバB1の直線部B1aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝21が形成されている(
図1及び
図4)。また、第2カバー30には、第2嵌合収容室10dに収容された第2バスバB2の直線部B2aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝31Aと、第1嵌合収容室10bに収容された第1バスバB1の直線部B1aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝31Bと、が形成されている(
図1、
図2及び
図4)。
【0021】
ここで示す第1カバー20は、矩形の平板状に形成されている(
図1、
図2及び
図4)。また、ここで示す第2カバー30は、閉位置で第1挿入口10aの全体と第2挿入口10cの全体を塞ぎ得る矩形の平板状に形成され、閉位置で閉位置の第1カバー20を覆う(
図1から
図5)。そこで、この第2カバー30には、閉位置で閉位置の第1カバー20を嵌め入れる凹部32が形成されている(
図1、
図2及び
図4)。この凹部32は、第1カバー20の形状の合わせた矩形に形成され、閉位置で閉位置の第1カバー20を嵌め入れて外から覆う。
【0022】
第1カバー20は、保持体10に第1ヒンジ部41を介して繋がれている(
図1及び
図4)。この第1ヒンジ部41は、第1カバー20の固定端を一方の第1側壁12に繋ぎ、第1カバー20を片持ち状態で保持して、第1カバー20における開位置と閉位置との間での開閉を可能にするものである。ここで示す第1ヒンジ部41は、所謂リビングヒンジとして形成されている。ここでは、第1カバー20における長手方向のそれぞれの端部に第1ヒンジ部41を設けている。
【0023】
第2カバー30は、保持体10に第2ヒンジ部42を介して繋がれている(
図1から
図5)。この第2ヒンジ部42は、第2カバー30の固定端を一方の第2側壁14に繋ぎ、第2カバー30を片持ち状態で保持して、第2カバー30における開位置と閉位置との間での開閉を可能にするものである。ここで示す第2ヒンジ部42は、所謂リビングヒンジとして形成されている。ここでは、第2カバー30における長手方向のそれぞれの端部に第2ヒンジ部42を設け、かつ、この両端の第2ヒンジ部42の間に更に2つの第2ヒンジ部42を設けている。
【0024】
更に、バスバホルダ1は、第1カバー20を閉位置で保持体10に保持させる第1保持機構50と、第2カバー30を閉位置で保持体10に保持させる第2保持機構60と、を有する(
図1、
図2及び
図4)。
【0025】
第1保持機構50は、保持体10に設けた第1カバー係合部51と、第1カバー20の自由端に設けた第1カバー被係合部52と、を備える(
図1、
図2及び
図4)。この第1保持機構50は、その第1カバー係合部51と第1カバー被係合部52を閉位置で係合させることによって、第1カバー20を閉位置で保持体10に保持させる。ここで示す第1保持機構50においては、連結壁15に設けた貫通孔15aの周縁部を第1カバー係合部51として利用し、その貫通孔15aに閉位置で差し入れた第1カバー被係合部52の例えば爪部を第1カバー係合部51に引っ掛けて、第1カバー20を閉位置で保持体10に保持させる。
【0026】
第2保持機構60は、保持体10に設けた第2カバー係合部61と、第2カバー30の自由端に設けた第2カバー被係合部62と、を備える(
図1、
図2及び
図4)。この第2保持機構60は、その第2カバー係合部61と第2カバー被係合部62を閉位置で係合させることによって、第2カバー30を閉位置で保持体10に保持させる。ここで示す第2保持機構60においては、他方の第2側壁14の外壁面から膨出させた筒部14aの環状の端面を第2カバー係合部61として利用し、その筒部14aの中に差し入れた第2カバー被係合部62の爪部62aを第2カバー係合部61に引っ掛けて、第2カバー30を閉位置で保持体10に保持させる。この第2保持機構60は、第2カバー30における長手方向のそれぞれの端部に設けている。
【0027】
以上示したバスバホルダ1においては、第1カバー20と第2カバー30が開位置のときに、第1バスバB1の直線部B1aを第1嵌合収容室10bに収容する(
図1及び
図4)。そして、このバスバホルダ1においては、第1カバー20を閉位置まで回動させ、この第1カバー20を第1保持機構50で閉位置に保つ(
図2)。尚、
図2では、図示の便宜上、第1バスバB1を省いている。また、
図4では、図示の便宜上、第2バスバB2の直線部B2aについても第2嵌合収容室10dに収容している。
【0028】
次に、このバスバホルダ1においては、第2カバー30を開位置に保ったまま、第2バスバB2の直線部B2aを第2嵌合収容室10dに収容する(
図4)。そして、このバスバホルダ1においては、第2カバー30を閉位置まで回動させ、この第2カバー30を第2保持機構60で閉位置に保つ(
図5)。
【0029】
このバスバホルダ1においては、第1カバー20と第2カバー30が閉位置のときに第2バスバB2を取り外すのであれば、第2カバー30を開位置まで開けばよい。そして、このバスバホルダ1においては、第1カバー20と第2カバー30が閉位置のときに第1バスバB1を取り外すのであれば、第1カバー20と第2カバー30を双方とも開位置まで開く必要がある。
【0030】
このように、本実施形態のバスバホルダ1は、複数のバスバ(第1バスバB1、第2バスバB2)の中から取外し対象のバスバを個別に取り外すことができる。よって、このバスバホルダ1は、その取外し対象のバスバの取り違えを防ぐ上で有用なものと云える。また、このバスバホルダ1は、複数のバスバ(第1バスバB1、第2バスバB2)を1つずつ取り外していくことができるので、そのバスバ間の接触に伴う通電を抑止することができる。
【0031】
更に、このバスバホルダ1においては、閉位置の第1カバー20を閉位置の第2カバー30で覆っているので、第2カバー30を開かなければ、第1カバー20を開くことができない。よって、このバスバホルダ1においては、第1カバー20と第2カバー30が閉位置のときに第1バスバB1を取り外すのであれば、第2カバー30を開位置まで開いた上で、更に第1カバー20を開位置まで開く必要がある。従って、本実施形態のバスバホルダ1は、取外し対象のバスバの取り違えをより好適な状態で防ぐことができ、かつ、バスバ間の接触に伴う通電をより好適な状態で抑止することができる。
【0032】
また、本実施形態のバスバホルダ1は、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aに組み付ける形態を採っている。よって、このバスバホルダ1は、体格の小型化が可能になる。そして、このバスバホルダ1は、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aの範囲内で自由に組付け位置を設定することができる。従って、本実施形態のバスバホルダ1は、様々な車両でのバスバの配索経路に追従させ易く、汎用性を持たせることができる。
【0033】
また、本実施形態のバスバホルダ1は、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aに組み付ける形態を採っており、第1バスバB1と第2バスバB2の全体を収容するものと比較して、第1保持機構50と第2保持機構60の数量の削減や第1バスバB1と第2バスバB2に対する組付け作業性の向上が可能になる。
【0034】
また、本実施形態のバスバホルダ1は、第1カバー20と第2カバー30がそれぞれに第1ヒンジ部41と第2ヒンジ部42を介して保持体10に連結された一体構造を採っているので、部品点数の削減や第1バスバB1と第2バスバB2に対する組付け作業性の向上が可能になる。
【0035】
[変形例]
図6から
図10の符号2は、本変形例のバスバホルダを示す。本変形例のバスバホルダ2は、前述した実施形態のバスバホルダ1において、第1カバー20と第2カバー30を下記の第1カバー120と第2カバー130に置き換えたものに相当する(
図6から
図10)。よって、本変形例のバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同様の部位等に実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
本変形例の第1カバー120は、前述した実施形態の第1カバー20と同等の形状に形成されたカバー主体121を有しており、閉位置のカバー主体121で保持体10の第1挿入口10aをその一部(第1挿入口10aにおける長手方向の両端)を残して塞ぐ(
図6から
図10)。
【0037】
カバー主体121は、実施形態の第1カバー20と同じように、その固定端が保持体10の一方の第1側壁12に第1ヒンジ部41を介して繋がれている(
図6及び
図9)。また、このカバー主体121は、実施形態の第1カバー20と同じように、その自由端に第1カバー被係合部52を有しており、この第1カバー被係合部52を閉位置で保持体10の第1カバー係合部51に係合させることで、保持体10に保持される(
図6から
図10)。また、このカバー主体121は、実施形態の第1カバー20と同じように、第1嵌合収容室10bに収容された第1バスバB1の直線部B1aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝122が形成されている(
図6及び
図9)。
【0038】
本変形例の第2カバー130は、前述した実施形態の第2カバー30と同じように、閉位置で保持体10の第1挿入口10aにおける先の一部(第1挿入口10aにおける長手方向の両端)を塞ぎ且つ保持体10の第2挿入口10cを塞ぐ形状のものとして形成される(
図6から
図10)。
【0039】
但し、本変形例の第2カバー130は、実施形態の第2カバー30とは異なり、閉位置で閉位置の第1カバー120を嵌め込む切欠き部130aを有する(
図6から
図10)。この第2カバー130は、第2挿入口10cを塞ぐ主体部131と、この主体部131から突出させ、第1挿入口10aにおける先の一部(第1挿入口10aにおける長手方向の両端)を塞ぐ片部132と、を有する形状のものとして形成される(
図6から
図10)。この第2カバー130においては、その主体部131と片部132に隣設させた形で切欠き部130aが設けられる。ここで示す主体部131は、矩形の平板状に形成されている。また、ここで示す片部132は、矩形の平板状に形成され、かつ、主体部131における長手方向の両端から各々突出させている。切欠き部130aは、その一対の片部132の間に配置されている。
【0040】
本変形例の第2カバー130は、実施形態の第2カバー30と同じように、その固定端(主体部131における固定端)が保持体10の一方の第2側壁14に第2ヒンジ部42を介して繋がれている(
図6から
図10)。また、この第2カバー130は、実施形態の第2カバー30と同じように、その自由端(一対の片部132におけるそれぞれの自由端)に第2カバー被係合部62を有しており、この第2カバー被係合部62を閉位置で保持体10の第2カバー係合部61に係合させることで、保持体10に保持される(
図6から
図10)。また、この第2カバー130は、実施形態の第2カバー30と同じように、第2嵌合収容室10dに収容された第2バスバB2の直線部B2aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝133Aと、第1嵌合収容室10bに収容された第1バスバB1の直線部B1aにおける端部を閉位置で嵌め入れる嵌合溝133Bと、が形成されている(
図6、
図7及び
図9)。その嵌合溝133Aは、主体部131に形成されている。そして、嵌合溝133Bは、それぞれの片部132に形成されている。
【0041】
本変形例のバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120と第2カバー130が開位置のときに、第1バスバB1の直線部B1aを第1嵌合収容室10bに収容する(
図6及び
図9)。そして、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120を閉位置まで回動させ、この第1カバー120を第1保持機構50で閉位置に保つ(
図7)。尚、
図7では、図示の便宜上、第1バスバB1を省いている。また、
図9では、図示の便宜上、第2バスバB2の直線部B2aについても第2嵌合収容室10dに収容している。
【0042】
次に、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第2カバー130を開位置に保ったまま、第2バスバB2の直線部B2aを第2嵌合収容室10dに収容する(
図9)。そして、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第2カバー130を閉位置まで回動させ、この第2カバー130を第2保持機構60で閉位置に保つ(
図10)。
【0043】
このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120と第2カバー130が閉位置のときに第2バスバB2を取り外すのであれば、第2カバー130を開位置まで開けばよい。そして、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120と第2カバー130が閉位置のときに第1バスバB1を取り外すのであれば、第1カバー120と第2カバー130を双方とも開位置まで開く必要がある。
【0044】
このように、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、複数のバスバ(第1バスバB1、第2バスバB2)の中から取外し対象のバスバを個別に取り外すことができる。よって、このバスバホルダ2は、その取外し対象のバスバの取り違えを防ぐ上で有用なものと云える。また、このバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、複数のバスバ(第1バスバB1、第2バスバB2)を1つずつ取り外していくことができるので、そのバスバ間の接触に伴う通電を抑止することができる。
【0045】
ここで、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第2カバー130を開かなければ、第1カバー120を開くことができないものとして構成してもよい。例えば、このバスバホルダ2においては、閉位置の第1カバー120のカバー主体121から第1挿入口10aにおける先の一部(第1挿入口10aにおける長手方向の両端)に向けて係止部123を突出させ(
図6、
図7及び
図9)、この閉位置の係止部123を閉位置の第2カバー130の片部132で覆う。これにより、このバスバホルダ2においては、閉位置の第1カバー120を開こうとしたときに、その係止部123が第2カバー130の片部132で係止されるので、閉位置の第2カバー130を開かなければ、閉位置の第1カバー120を開くことができない。よって、このバスバホルダ2においては、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120と第2カバー130が閉位置のときに第1バスバB1を取り外すのであれば、第2カバー130を開位置まで開いた上で、更に第1カバー120を開位置まで開く必要がある。従って、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、取外し対象のバスバの取り違えをより好適な状態で防ぐことができ、かつ、バスバ間の接触に伴う通電をより好適な状態で抑止することができる。ここでは、閉位置のカバー主体121における長手方向の一端から第1挿入口10aにおける長手方向の一方の端部に向けて2つの係止部123を突出させ、かつ、閉位置のカバー主体121における長手方向の他端から第1挿入口10aにおける長手方向の他方の端部に向けて2つの係止部123を突出させている。
【0046】
また、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aに組み付ける形態を採っている。よって、このバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、体格の小型化が可能になり、また、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aの範囲内で自由に組付け位置を設定することができる。従って、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、様々な車両でのバスバの配索経路に追従させ易く、汎用性を持たせることができる。
【0047】
また、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1バスバB1と第2バスバB2のそれぞれの直線部B1a,B2aに組み付ける形態を採っており、第1バスバB1と第2バスバB2の全体を収容するものと比較して、第1保持機構50と第2保持機構60の数量の削減や第1バスバB1と第2バスバB2に対する組付け作業性の向上が可能になる。
【0048】
また、本変形例のバスバホルダ2は、実施形態のバスバホルダ1と同じように、第1カバー120と第2カバー130がそれぞれに第1ヒンジ部41と第2ヒンジ部42を介して保持体10に連結された一体構造を採っているので、部品点数の削減や第1バスバB1と第2バスバB2に対する組付け作業性の向上が可能になる。
【符号の説明】
【0049】
1,2 バスバホルダ
10 保持体
10a 第1挿入口
10b 第1嵌合収容室
10c 第2挿入口
10d 第2嵌合収容室
11 第1底壁
12 第1側壁
13 第2底壁
14 第2側壁
16 固定部
20,120 第1カバー
30,130 第2カバー
41 第1ヒンジ部
42 第2ヒンジ部
50 第1保持機構
51 第1カバー係合部
52 第1カバー被係合部
60 第2保持機構
61 第2カバー係合部
62 第2カバー被係合部
130a 切欠き部
B1 第1バスバ
B2 第2バスバ
B1a,B2a 直線部