(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097508
(43)【公開日】2025-07-01
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250624BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20250624BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20250624BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20250624BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/14
B60L3/00 N
B60L53/66
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213731
(22)【出願日】2023-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 仁
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA10
5G503DA04
5G503FA03
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE02
5H125DD02
(57)【要約】
【課題】充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避すること。
【解決手段】ECUは、電動車両の充電を制御する制御装置である。電動車両は、ACインレットと、ACインレットを塞ぐための第1リッドと、AC/DCインレットと、AC/DCインレットを塞ぐための第2リッドとを備える。ECUは、第1リッドおよび第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドをロック状態にする(ステップS112,ステップS122)。これにより、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の充電を制御する制御装置であって、
前記車両は、第1インレットと、前記第1インレットを塞ぐための第1リッドと、第2インレットと、前記第2インレットを塞ぐための第2リッドとを備え、
前記制御装置は、前記第1リッドおよび前記第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドをロック状態にする、制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記一方のリッドが閉じられたときに、前記他方のリッドをアンロック状態にする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
車両の充電を制御する制御装置であって、
前記車両は、第1インレットと、前記第1インレットを塞ぐための第1リッドと、第2インレットと、前記第2インレットを塞ぐための第2リッドとを備え、
前記制御装置は、前記第1リッドおよび前記第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドが開けられている場合は、前記他方のリッドを自動的に閉じる、制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記他方のリッドを、閉じた後、ロック状態とする、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1インレットは、単相交流充電用であり、
前記第2インレットは、単相交流充電および直流充電の両用であり、
前記第1インレットは、単相交流のライブ端子およびニュートラル端子のうちの一方の端子である第1端子と、他方の端子である第2端子とを含み、
前記第2インレットは、直流のプラス端子および前記一方の端子を兼ねる第3端子と、直流のマイナス端子および前記他方の端子を兼ねる第4端子とを含み、
前記第1端子および前記第2端子は、それぞれ、前記第3端子および前記第4端子と導通される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、制御装置に関し、特に、車両の充電を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電のための複数のインレットにそれぞれ備えられた複数のリッドが開いている場合、充電を禁止する充電システムがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、複数のリッドが開いているときに充電ができないため、ユーザが不便を感じてしまう。
【0005】
この開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することが可能な制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に係る制御装置は、車両の充電を制御する制御装置である。車両は、第1インレットと、第1インレットを塞ぐための第1リッドと、第2インレットと、第2インレットを塞ぐための第2リッドとを備える。制御装置は、第1リッドおよび第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドをロック状態にする。
【0007】
このような構成によれば、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することが可能な制御装置を提供できる。
【0008】
制御装置は、一方のリッドが閉じられたときに、他方のリッドをアンロック状態にするようにしてもよい。
【0009】
このような構成によれば、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避できる。
【0010】
この開示の他の局面によれば、制御装置は、車両の充電を制御する制御装置である。車両は、第1インレットと、第1インレットを塞ぐための第1リッドと、第2インレットと、第2インレットを塞ぐための第2リッドとを備える。制御装置は、第1リッドおよび第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドが開けられている場合は、他方のリッドを自動的に閉じる。
【0011】
このような構成によれば、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することが可能な制御装置を提供できる。
【0012】
制御装置は、他方のリッドを、閉じた後、ロック状態とするようにしてもよい。このような構成によれば、複数のリッドが開いた状態となることをさらに回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避できる。
【0013】
第1インレットは、単相交流充電用であり、第2インレットは、単相交流充電および直流充電の両用であり、第1インレットは、単相交流のライブ端子およびニュートラル端子のうちの一方の端子である第1端子と、他方の端子である第2端子とを含み、第2インレットは、直流のプラス端子および一方の端子を兼ねる第3端子と、直流のマイナス端子および他方の端子を兼ねる第4端子とを含み、第1端子および第2端子は、それぞれ、第3端子および第4端子と導通されるようにしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、第1インレットおよび第2インレットが導通している場合であっても、複数のリッドが開いた状態となることが回避される。このため、第1インレットおよび第2インレットの一方に充電電圧が掛けられたとしても、他方のインレットのリッドは閉じられているため、他方のインレットに掛かる充電電圧の影響をユーザが受けることを回避できる。
【発明の効果】
【0015】
この開示によれば、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することが可能な制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この実施の形態に係る電池システムを搭載した電動車両の全体構成図である。
【
図2】第1実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
【
図3】第2実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第3実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、この実施の形態に係る電池システムSを搭載した電動車両1の全体構成図である。この実施の形態において、電動車両1は、たとえば、電気自動車である。電動車両1は、回転電機であるモータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、動力伝達ギヤ20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、バッテリ100と、監視ユニット200と、制御装置の一例である電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
【0018】
MG10は、たとえば埋込構造永久磁石同期電動機(IPMモータ)であって、電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能を有する。MG10の出力トルクは、減速機および差動装置等を含んで構成された動力伝達ギヤ20を介して駆動輪30に伝達される。
【0019】
電動車両1の制動時には、駆動輪30によりMG10が駆動され、MG10が発電機として動作する。これにより、MG10は、電動車両1の運動エネルギーを電力に変換する回生制動を行う制動装置としても機能する。MG10における回生制動力により生じた回生電力は、バッテリ100に蓄えられる。
【0020】
PCU40は、MG10とバッテリ100との間で双方向に電力を変換する電力変換装置である。PCU40は、たとえば、ECU300からの制御信号に基づいて動作するインバータとコンバータとを含む。
【0021】
コンバータは、バッテリ100の放電時に、バッテリ100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してMG10を駆動する。
【0022】
一方、インバータは、バッテリ100の充電時に、MG10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧をバッテリ100の充電に適した電圧に降圧してバッテリ100に供給する。
【0023】
SMR50は、バッテリ100とPCU40とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成(ON)されている(すなわち、導通状態である)場合、バッテリ100とPCU40との間で電力の授受が行われ得る。一方、SMR50がECU300からの制御信号に応じて開放(OFF)されている(すなわち、遮断状態である)場合、バッテリ100とPCU40との間の電気的な接続が遮断される。
【0024】
バッテリ100は、MG10を駆動するための電力を蓄える。バッテリ100は、再充電が可能な直流電源(二次電池)であり、複数の単電池(電池セル)101が積層され、たとえば、電気的に直列に接続されて構成された組電池である。単電池101は、たとえば、リチウムイオン電池から構成されてよい。
【0025】
監視ユニット200は、電圧検出部210と、電流センサ220と、温度センサ230とを含む。電圧検出部210は、単電池101の電圧VB(単電池101の各々の端子間の電圧VB)を検出する。電流センサ220は、バッテリ100(単電池101)に入出力される電流IBを検出する。温度センサ230は、単電池101の各々の温度TBを検出する。各検出部は、その検出結果をECU300に出力する。
【0026】
電動車両1は、AC/DCインレット60を備える。AC/DCインレット60を用いることで、バッテリ100は、直流(DC:Direct Current)電力を供給する充電設備である外部のDC電源400からの急速充電、および、単相交流(AC:Alternate Current)電力を供給する充電設備である外部のAC電源500からの普通充電が可能とされている。AC/DCインレット60は、外部のDC電源400の充電ケーブル430の先端に設けられたコネクタ440および外部のAC電源500の充電ケーブル410の先端に設けられたコネクタ420が接続可能に構成される。AC/DCインレット60の端子61は、コネクタ420の端子421およびコネクタ440の端子441と接続される。端子61,421,441は、単相交流のライブ端子と直流のプラス端子との兼用である。AC/DCインレット60の端子62は、コネクタ420の端子422およびコネクタ440の端子442と接続される。端子62,422,442は、単相交流のニュートラル端子と直流のマイナス端子との兼用である。AC/DCインレット60の端子63は、コネクタ440の端子443と接続される。端子63,443は、ECU300とDC電源400の制御装置との通信のための信号線の端子である。AC/DCインレット60およびコネクタ420,440としては、たとえば、NACS(North American Charging Standard:北米充電標準規格)に準拠したものを採用することができる。
【0027】
電動車両1は、ACインレット80を備える。ACインレット80を用いることで、バッテリ100は、AC電源500から普通充電が可能とされている。ACインレット80は、外部のAC電源500の充電ケーブル510の先端に設けられたコネクタ520が接続可能に構成される。ACインレット80の端子81は、コネクタ520の端子521と接続される。端子81,521は、単相交流のライブ端子である。ACインレット80の端子82は、コネクタ520の端子522と接続される。端子82,522は、単相交流のニュートラル端子である。ACインレット80およびコネクタ520としては、たとえば、SAE(Society of Automotive Engineers)J1772もしくはIEC(International Electrotechnical Commission)62196-2Type1、または、CCS(Combined Charging System)Type-1,2それぞれのAC部分であるAC_Type1,2などに準拠したものを採用することができる。
【0028】
充電リレー70は、AC/DCインレット60とバッテリ100とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。ACインレット80とバッテリ100の間の電力線には、車載充電器130が設けられており、外部のAC電源500から供給される交流電力を直流電力に変換するとともに、バッテリ100を充電可能な電圧に変換する。充電リレー90は、ACインレット80と車載充電器130とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。AC/DCインレット60と充電リレー70とを結ぶ2本の電力線は、それぞれ、ACインレット80と充電リレー90とを結ぶ2本の電力線と、導通可能なように2本の電力線で接続される。このように、ACインレット80は、AC/DCインレット60と導通しているため、AC/DCインレット60のユーザおよび防水・防塵に対する高電圧保護対策と同様の対策が、ACインレット80にも施される。
【0029】
急速充電時には、充電リレー70は、ECU300からの制御信号に応じて、AC/DCインレット60とバッテリ100との間でのDC電力の供給と遮断とを切り替える。充電リレー70が閉成されることにより、バッテリ100の外部充電(急速充電)が実行される。普通充電時には、充電リレー90は、ECU300からの制御信号に応じて、AC/DCインレット60またはACインレット80と車載充電器130との間でのAC電力の供給と遮断とを切り替える。充電リレー90が閉成されることにより、バッテリ100の外部充電(普通充電)が実行される。
【0030】
AC/DCインレット60には、リッド65と、カーテシスイッチ310と、リッドロック装置330とが備えられる。リッド65は、閉鎖状態では、AC/DCインレット60を外部から塞ぐ一方、開放状態では、AC/DCインレット60にコネクタ420,440が接続可能とされる。カーテシスイッチ310は、リッド65の閉鎖状態において押し込まれた状態となり、閉鎖状態であることを示す信号をECU300に出力する一方、リッド65の開放状態において押し込まれていない状態となり、開放状態であることを示す信号をECU300に出力する。リッドロック装置330は、ECU300によって制御されて、リッド65が閉じられた状態において、リッド65が開放不能なロック状態としたり、開放可能なアンロック状態としたりする、ロック機構を備える。
【0031】
ACインレット80には、リッド85と、カーテシスイッチ320と、リッドロック装置340とが備えられる。リッド85は、閉鎖状態では、ACインレット80を外部から塞ぐ一方、開放状態では、ACインレット80にコネクタ520が接続可能とされる。カーテシスイッチ320は、リッド85の閉鎖状態において押し込まれた状態となり、閉鎖状態であることを示す信号をECU300に出力する一方、リッド85の開放状態において押し込まれていない状態となり、開放状態であることを示す信号をECU300に出力する。リッドロック装置340は、ECU300によって制御されて、リッド85が閉じられた状態において、リッド85が開放不能なロック状態としたり、開放可能なアンロック状態としたりする、ロック機構を備える。
【0032】
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(たとえば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含む)302とを含む。ECU300は、監視ユニット200から受ける信号、図示しない各種センサからの信号(たとえば、アクセル開度信号、車速信号、等)、メモリ302に記憶されたマップおよびプログラム等の情報に基づいて、電動車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。なお、電池システムSは、バッテリ100(単電池101)、監視ユニット200、ECU300、等から構成されている。
【0033】
上述した電動車両1において、充電のための複数のインレットであるAC/DCインレット60およびACインレット80にそれぞれ備えられた複数のリッド65,85が開いている場合、充電を禁止することが考えられる。しかし、複数のリッド65,85が開いているときに充電ができないため、ユーザが不便を感じてしまう。
【0034】
そこで、ECU300は、第1のリッド65および第2のリッド85のうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドをロック状態にする。これにより、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することができる。
【0035】
[第1実施形態]
この実施の形態においては、使用するリッドだけでなく、非使用のリッドが開いている場合、つまり、複数のリッドが開いている場合は、ECU300は、充電を不能にする(たとえば、充電リレー90を遮断する)。
【0036】
図2は、第1実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
図2を参照して、この処理は、ECU300のCPU301によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。
【0037】
まず、AC/DCインレット60のリッド65のカーテシスイッチ310からリッド65が開放状態であることを示す信号を受信したか否かを判断する(ステップS111)。受信した(ステップS111でYES)と判断した場合、CPU301は、ACインレット80のリッド85のリッドロック装置340をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS112)。一方、受信していない(ステップS111でNO)と判断した場合、CPU301は、ACインレット80のリッド85のリッドロック装置340をオフ、つまり、アンロック状態とする(ステップS113)。
【0038】
ステップS112およびステップS113の後、CPU301は、ACインレット80のリッド85のカーテシスイッチ320からリッド85が開放状態であることを示す信号を受信したか否かを判断する(ステップS121)。受信した(ステップS121でYES)と判断した場合、CPU301は、AC/DCインレット60のリッド65のリッドロック装置330をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS122)。一方、受信していない(ステップS121でNO)と判断した場合、CPU301は、AC/DCインレット60のリッド65のリッドロック装置330をオフ、つまり、アンロック状態とする(ステップS123)。ステップS122およびステップS123の後、CPU301は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0039】
[第2実施形態]
第1実施形態においては、AC/DCインレット60のカーテシスイッチ310およびACインレット80のカーテシスイッチ320から、それぞれ、リッド65,85が開放状態であることを示す信号を受信した場合の処理について説明した。第2実施形態においては、AC/DCインレット60のカーテシスイッチ310およびACインレット80のカーテシスイッチ320から、それぞれ、リッド65,85が閉鎖状態であることを示す信号を受信した場合の処理について説明する。
【0040】
図3は、第2実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
図3を参照して、この処理は、ECU300のCPU301によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。
【0041】
まず、AC/DCインレット60のリッド65のカーテシスイッチ310からリッド65が閉鎖状態であることを示す信号を受信したか否かを判断する(ステップS116)。受信した(ステップS116でYES)と判断した場合、CPU301は、ACインレット80のリッド85のリッドロック装置340をオフ、つまり、アンロック状態とする(ステップS117)。一方、受信していない(ステップS116でNO)と判断した場合、CPU301は、ACインレット80のリッド85のリッドロック装置340をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS118)。
【0042】
ステップS117およびステップS118の後、CPU301は、ACインレット80のリッド85のカーテシスイッチ320からリッド85が閉鎖状態であることを示す信号を受信したか否かを判断する(ステップS126)。受信した(ステップS126でYES)と判断した場合、CPU301は、AC/DCインレット60のリッド65のリッドロック装置330をオフ、つまり、アンロック状態とする(ステップS127)。一方、受信していない(ステップS126でNO)と判断した場合、CPU301は、AC/DCインレット60のリッド65のリッドロック装置330をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS128)。ステップS127およびステップS128の後、CPU301は、実行する処理をこの処理の呼出元の上位の処理に戻す。
【0043】
[第3実施形態]
第1実施形態および第2実施形態においては、一方のリッドが開放状態とされたときに、他方のリッドをロック状態とするようにした。第3実施形態においては、一方のリッドが開放状態とされたときに、他方のリッドが開けられている場合は、他方のリッドを自動的に閉じるとともに、他方のリッドをロック状態とする。
【0044】
図4は、第3実施形態における車両の充電を制御する処理の一部の流れを示すフローチャートである。
図4を参照して、この処理は、ECU300のCPU301によって、上位の処理から所定周期ごとに呼出されて実行される。
図4においては、第1実施形態の
図2と同じステップ番号の処理は、
図2と同じ処理であるので、重複する説明は繰返さない。
【0045】
第3実施形態においては、リッドロック装置330,340が、前述のロック機構に加えて、それぞれ、ECU300のCPU301によって制御されて、リッド65,リッド85を電動で自動的に開閉する開閉機構を備えることとする。
【0046】
AC/DCインレット60のリッド65のカーテシスイッチ310からリッド65が開放状態であることを示す信号を受信した(ステップS111でYES)と判断した場合、CPU301は、ACインレット80のリッド85が開いていれば、自動的に閉じるようリッド85のリッドロック装置340の開閉機構を制御した後、リッドロック装置340のロック機構をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS114)。
【0047】
ACインレット80のリッド85のカーテシスイッチ320からリッド85が開放状態であることを示す信号を受信した(ステップS121でYES)と判断した場合、CPU301は、AC/DCインレット60のリッド65が開いていれば、自動的に閉じるようリッド65のリッドロック装置330の開閉機構を制御した後、リッドロック装置330のロック機構をオン、つまり、ロック状態とする(ステップS124)。
【0048】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、
図2のステップS113およびステップS123で、それぞれ、ACインレット80およびAC/DCインレット60のリッドロック装置340,330をアンロック状態とするようにした。また、
図3のステップS117およびステップS127で、それぞれ、ACインレット80およびAC/DCインレット60のリッドロック装置340,330をアンロック状態とするようにした。しかし、これに限定されず、ステップS113、ステップS123、ステップS117およびステップS127においては、何も実行しないようにしてもよい。
【0049】
(2) 第3実施形態においては、リッドロック装置330,340が、ロック機構に加えて開閉機構を備えるようにした。しかし、これに限定されず、リッドロック装置330,340が、ロック機構を備えない一方、開閉機構を備えるようにしてもよい。
【0050】
(3) 前述した実施の形態をECU300のような制御装置、または、制御装置を備える電動車両1のような車両の開示と捉えることができるし、制御装置または車両の制御方法または制御プログラムの開示と捉えることができる。
【0051】
[まとめ]
(1)
図1で示したように、ECU300は、電動車両1の充電を制御する制御装置である。
図1で示したように、電動車両1は、第1インレット(たとえば、ACインレット80)と、第1インレットを塞ぐための第1リッド(たとえば、リッド85)と、第2インレット(たとえば、AC/DCインレット60)と、第2インレットを塞ぐための第2リッド(たとえば、リッド65)とを備える。
図2から
図4で示したように、ECU300は、第1リッドおよび第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドをロック状態にする(たとえば、
図2のステップS112,ステップS122、
図3のステップS118,ステップS128、
図4のステップS114,ステップS124)。
【0052】
これにより、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することができる。
【0053】
(2)
図2から
図4で示したように、ECU300は、一方のリッドが閉じられたときに、他方のリッドをアンロック状態にするようにしてもよい(たとえば、
図2,
図4のステップS113,ステップS123、
図3のステップS117,ステップS127)。
【0054】
これにより、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避できる。
【0055】
(3)
図1で示したように、ECU300は、電動車両1の充電を制御する制御装置である。
図1で示したように、電動車両1は、第1インレット(たとえば、ACインレット80)と、第1インレットを塞ぐための第1リッド(たとえば、リッド85)と、第2インレット(たとえば、AC/DCインレット60)と、第2インレットを塞ぐための第2リッド(たとえば、リッド65)とを備える。
図4で示したように、ECU300は、第1リッドおよび第2リッドのうち一方のリッドが開けられたときに、他方のリッドが開けられている場合は、他方のリッドを自動的に閉じる(たとえば、ステップS114,ステップS124)。
【0056】
これにより、複数のリッドが開いた状態となることを回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避することができる。
【0057】
(4)
図4で示したように、ECU300は、他方のリッドを、閉じた後、ロック状態とするようにしてもよい(たとえば、ステップS114,ステップS124)。
【0058】
これにより、複数のリッドが開いた状態となることをさらに回避できる。その結果、充電ができないためユーザが不便を感じてしまうことを回避できる。
【0059】
(5)
図1で示したように、第1インレットは、単相交流充電用であり、第2インレットは、単相交流充電および直流充電の両用であり、第1インレットは、単相交流のライブ端子およびニュートラル端子のうちの一方の端子である第1端子(たとえば、端子81)と、他方の端子である第2端子(たとえば、端子82)とを含み、第2インレットは、直流のプラス端子および一方の端子を兼ねる第3端子(たとえば、端子61)と、直流のマイナス端子および他方の端子を兼ねる第4端子(たとえば、端子62)とを含み、第1端子および第2端子は、それぞれ、第3端子および第4端子と導通される(
図1で示されるように、端子81が端子61と導通され、端子82が端子62と導通される。)ようにしてもよい。
【0060】
これにより、第1インレットおよび第2インレットが導通している場合であっても、複数のリッドが開いた状態となることが回避される。このため、第1インレットおよび第2インレットの一方に充電電圧が掛けられたとしても、他方のインレットのリッドは閉じられているため、他方のインレットに掛かる充電電圧の影響をユーザが受けることを回避できる。
【0061】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
1 電動車両、10 MG、20 動力伝達ギヤ、30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、60 AC/DCインレット、61~63,81,82,421,422,441~443,521,522 端子、65,85 リッド、70,90 充電リレー、80 ACインレット、100 バッテリ、101 単電池、130 車載充電器、200 監視ユニット、210 電圧検出部、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ、310,320 カーテシスイッチ、330,340 リッドロック装置、400 DC電源、410,430,510 充電ケーブル、420,440,520 コネクタ、500 AC電源、S 電池システム。