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特開2025-9755事象識別装置、事象識別方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009755
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】事象識別装置、事象識別方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01H 9/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01H9/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011171
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2023110087
(32)【優先日】2023-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】石井 要次
(72)【発明者】
【氏名】井上 将男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆善
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BC12
2G064BD02
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】光ファイバから受信する光信号に基づく事象識別の能力の向上が図られるようにする。
【解決手段】所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成部と、前記情報生成部により生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別部とを備えて事象識別装置を構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成部と、
前記情報生成部により生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別部と
を備える事象識別装置。
【請求項2】
前記事象識別部は、それぞれが複数の前記識別利用情報のうちのいずれか1つの入力に応じて一次識別結果を出力する複数の一次識別器と、前記一次識別器のそれぞれが出力した一次識別結果の入力に応じて最終識別結果を出力する二次識別器とを備える
請求項1に記載の事象識別装置。
【請求項3】
前記事象識別部は、すべての前記識別利用情報の入力に応じて最終識別結果を出力する1つの識別器を備える
請求項1に記載の事象識別装置。
【請求項4】
前記事象識別部は、複数の事象利用識別情報のうちの一部の入力に応じて一次識別結果を出力する所定数の一次識別器と、前記一次識別結果と前記一次識別器に入力されない前記事象利用識別情報との入力に応じて最終識別結果を出力する二次識別器とを備える
請求項1に記載の事象識別装置。
【請求項5】
所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成ステップと、
前記情報生成ステップにより生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別ステップと
を備える事象識別方法。
【請求項6】
コンピュータを、
所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成部、
前記情報生成部により生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事象識別装置、事象識別方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路に敷設された光通信用ファイバから受信した光信号に基づいて、道路における車両の走行状態に応じたパターンを検出し、検出したパターンに基づいて、道路における車両の走行状態を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/116030号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ファイバから受信する光信号に基づいて所定の事象を識別するにあたっては、事象の識別に関する能力の向上が図られることが好ましい。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、光ファイバから受信する光信号に基づく事象識別の能力の向上が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記した課題を解決する本発明の一態様は、所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成部と、前記情報生成部により生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別部とを備える事象識別装置である。
【0007】
(2)本発明の一態様は、(1)に記載の事象識別装置であって、前記事象識別部は、それぞれが複数の前記識別利用情報のうちのいずれか1つの入力に応じて一次識別結果を出力する複数の一次識別器と、前記一次識別器のそれぞれが出力した一次識別結果の入力に応じて最終識別結果を出力する二次識別器とを備えてよい。
【0008】
(3)本発明の一態様は、(1)に記載の事象識別装置であって、前記事象識別部は、すべての前記識別利用情報の入力に応じて最終識別結果を出力する1つの識別器を備えてよい。
【0009】
(4)本発明の一態様は、(1)に記載の事象識別装置であって、前記事象識別部は、複数の事象利用識別情報のうちの一部の入力に応じて一次識別結果を出力する所定数の一次識別器と、前記一次識別結果と前記一次識別器に入力されない前記事象利用識別情報との入力に応じて最終識別結果を出力する二次識別器とを備えてよい。
【0010】
(5)本発明の一態様は、所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成ステップと、前記情報生成ステップにより生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別ステップとを備える事象識別方法である。
【0011】
(6)本発明の一態様は、コンピュータを、所定の環境に配設された光ファイバから出力される光信号に基づいて、事象識別に用いる事象識別情報として、少なくとも、特定位置ごとの時間経過に応じた振動の変化を示す時系列振動情報、時間経過に応じた振動位置の変化を示す時系列振動位置情報、および特定位置ごとの単位時間における振動の周波数特性を示す周波数特性情報を生成可能とされる情報生成部、前記情報生成部により生成された2以上の識別利用情報を利用して所定の事象に関する識別を行う事象識別部として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光ファイバから受信する光信号に基づく事象識別の能力の向上が図られるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態における事象識別システムの全体的な機能構成例を示す図である。
図2】本実施形態における光ファイバ担持センサの構成例を示す図である。
図3】本実施形態における光ファイバ担持センサの他の構成例を示す図である。
図4】本実施形態における事象識別装置の機能構成例を示す図である。
図5】本実施形態における情報生成部により生成される識別利用情報の例を示す図である。
図6】本実施形態における事象識別部の構成の第1例を示す図である。
図7】本実施形態における事象識別部の構成の第2例を示す図である。
図8】本実施形態における事象識別部の構成の第3例を示す図である。
図9】本実施形態における事象識別システムの具体的な適用例を示す図である。
図10】本実施形態における変形例としての光ファイバ担持センサの構成例を示す図である。
図11】本実施形態における他の変形例としての光ファイバ担持センサの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
[事象識別システムの全体的な構成例]
図1は、本実施形態の事象識別システムの全体的な構成例を示している。同図の事象識別システムは、光ファイバ22と事象識別装置300とを備える。
【0015】
本実施形態において、光ファイバ22は、事象識別環境ENVにて所定の態様で配設される。具体的に、光ファイバ22は、光ファイバ担持センサ20の構造に含められたうえで、光ファイバ担持センサ20が事象識別環境ENVにて配設される。
事象識別環境ENVは、事象識別システムが識別対象とする事象が生じる環境である。
【0016】
本実施形態において、光ファイバ担持センサ20は、識別対象とする事象に応じて発生する振動・音を光信号の変化として検出するセンサである。事象識別環境ENVに配設された光ファイバ担持センサ20は光ファイバ22の端部を介して事象識別装置300と接続される。
【0017】
事象識別装置300は、光ファイバ担持センサ20から入力される光信号を利用して、識別対象とする事象の識別を行う装置である。同図において、事象識別装置300は、1つの装置として構成された例が示されているが、例えば所定の機能が分散された複数の装置により構成されてもよい。
【0018】
[光ファイバ担持センサの構成例]
図2を参照して、本実施形態の光ファイバ担持センサ20の構成例について説明する。同図に示される光ファイバ担持センサ20は、円筒状の樹脂管21と、樹脂管21の筒壁21A内に樹脂管21の軸(管軸)O1方向に延びる光ファイバ22と、を有する。本実施形態において、樹脂管21が芯材である。
【0019】
筒壁21A内に位置する光ファイバ22は、複数が備えられてよい。同図では、4本の光ファイバ22が備えられた例が示されている。
図2では、4本の光ファイバ22が、軸線O1と垂直な断面において、管軸2周りに90°間隔で位置するようにされた例を示している。また、図2では、4本の光ファイバ22は、軸線O1を中心とする螺旋状に設けられた例を示している。光ファイバ22の螺旋ピッチPは、必要とされる計測精度等に応じて設定されてよい。
【0020】
本実施形態の光ファイバ担持センサ20は、樹脂管21の長手方向(軸線O1方向)の一方の端縁から突出する折り返し部222及び折り返し部223を有する。
折り返し部222は、樹脂管21の長手方向の一方の端縁から突出した光ファイバ22aと光ファイバ22bとが樹脂管21の外方(軸線O1方向で樹脂管21から離れる方向)で連なった部材である。光ファイバ22aと光ファイバ22bとは、樹脂管21の周方向で隣り合っている。
折り返し部223は、樹脂管21の一方の端縁から突出した光ファイバ22cと光ファイバ22dとが樹脂管21の外方で連なった部材である。光ファイバ22cと光ファイバ22dとは、樹脂管21の周方向で隣り合っている。
即ち、本実施形態において、光ファイバ22は、軸線O1方向の一端で樹脂管21から突出し、樹脂管21の外方で、任意の光ファイバ22と、任意の光ファイバ22と芯材である樹脂管21の周方向で隣り合う他の任意の光ファイバ22とが連なった折り返し部222、223を有している。
【0021】
光ファイバ担持センサ20は、樹脂管21の長手方向の他方の端縁から突出する折り返し部229を有する。
折り返し部229は、樹脂壁部24の長手方向の他方の端縁から突出した光ファイバ22gと光ファイバ22hと樹脂管21の外方(軸線O1方向で樹脂管21から離れる方向)で連なった部材である。光ファイバ22gと光ファイバ22hとは、樹脂管21の周方向で隣り合っている。樹脂管21の長手方向の他方の端縁から、光ファイバ22gと光ファイバ22hとが突出している。光ファイバ端部22eと光ファイバ端部22fとは、折り返し部を形成していない。光ファイバ端部22eは、事象識別装置300に接続される。
【0022】
本実施形態においては、1本の光ファイバを折り返すことで、折り返し部222、223、229を形成し、かつ他方の端縁から光ファイバ端部22eと22fとを突出させている。これにより、樹脂管21内に4本の光ファイバ22を位置させている。
【0023】
光ファイバ22としては、コアとクラッドと被覆層とを有し、コアにレーザー光等の不連続ポンプ光を入射して、ブリルアン散乱やラマン散乱等のコアの歪や温度等に由来する散乱光を発生させるものが用いられてよい。このような光ファイバ22は、例えばコアとクラッドとで構成されるものを好適に用いることができる。コアとクラッドの材質は、プラスチックや石英ガラスが挙げられる。
【0024】
光ファイバとしては、クラッドの外周に一次被覆を備える光ファイバ素線や、さらに一次被覆の外周に二次被覆を備える光ファイバ芯線、さらに二次被覆の外周に補強材と補強材の外周を覆う外被とを備える光ファイバコード等が挙げられる。
【0025】
光ファイバ22の種類は、特に限定されず、それぞれひずみや、振動や音等の検出対象、検出方法、検出の際に用いる散乱光の種類等に応じて選択することができる。例えば、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバおよび偏波保持光ファイバからなる群から選択される少なくとも1種類の光ファイバを用いることができる。
【0026】
光ファイバ担持センサ20において複数の光ファイバ22が配設される場合、複数の光ファイバ22は、同じ種類の光ファイバであってもよいし、異なる種類の光ファイバであってもよい。
【0027】
図2の光ファイバ担持センサ20では、筒状の樹脂管の筒壁内に光ファイバが位置している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、光ファイバが筒壁の外(即ち、樹脂管の外周面)に位置してもよい。
上述の実施形態では、筒状の樹脂管が芯材となっているが、本発明はこれに限定されない。芯材が筒状(即ち、中空)でなく、中実であってもよい。
芯材が中実である場合、光ファイバは芯材中に位置してもよいし、芯材の外周に位置してもよい。
【0028】
図3を参照して、芯材が中実、光ファイバが芯材の外周に位置する光ファイバ担持センサ20Aの構成例について説明する。光ファイバ担持センサ20Aは、本実施形態の事象識別システムにおいて、光ファイバ担持センサ20に代えて用いることができる。あるいは、本実施形態の事象識別システムにおいて、複数の光ファイバ担持センサが備えられる場合には、複数の光ファイバ担持センサにおいて光ファイバ担持センサ20と光ファイバ担持センサ20Aとが混在してもよい。
図3において、図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、主に図1の光ファイバ担持センサ20との相違点について説明する。
【0029】
光ファイバ担持センサ20Aは、長尺棒状の芯材121と、芯材121の外周面に位置する光ファイバ22を有する。光ファイバ22は、軸線O2を中心に螺旋を描いている。光ファイバ22の描く螺旋の螺旋ピッチP2は、螺旋ピッチPと同様である。
【0030】
芯材121は、直線棒状で、中実の部材である。芯材121を中実の部材とすることで、光ファイバ担持センサ20Aの剛性をより高めて、変位の検知精度のさらなる向上を図れる。
芯材121の外径R2は、樹脂管21の外径Rと同様である。芯材121の素材としては、樹脂組成物、セラミック、金属、ガラス等を例示できる。
【0031】
光ファイバ22は、芯材121の外周面に密着して固定されている。芯材121の外周面に対する光ファイバ22の固定方法としては、接着、融着、テープ貼付等を例示できる。
【0032】
光ファイバ担持センサ20Aでは、例えば、芯材121に光ファイバ22を巻き付け、接着剤で接着することにより、芯材121に光ファイバ22が固定されてよい。
【0033】
[事象識別装置の機能構成例]
図4を参照して、本実施形態の事象識別装置300の機能構成例について説明する。
以下の説明にあたり、事象識別装置300は、1つの光ファイバ担持センサ20と接続されている場合を例に挙げる。また、1つの光ファイバ担持センサ20には4本の光ファイバ22がそれぞれ個別に螺旋状に配置されている場合を例に挙げる。
【0034】
同図の事象識別装置300は、受信部301、情報生成部302、事象識別部303、および記憶部304を備える。同図の事象識別装置300としての機能は、ハードウェアとしての事象識別装置300が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現されてよい。
【0035】
受信部301は、光ファイバ22からの光信号を受信する。この場合の受信部301は、4本の光ファイバ22ごとの光ファイバ端部22e(22e-1、22e-2、22e-3、22e-4)が接続されている。つまり、受信部301は、1つの光ファイバ担持センサ20に設けられた4本の光ファイバ22のそれぞれと接続される。
【0036】
受信部301は、接続された4つの光ファイバ22のそれぞれに対して光ファイバ端部22eからパルス光を入射させる。光ファイバ22においては入射されたパルス光が伝送されることに伴って発生する散乱光が、同じ光ファイバ22を経由して戻り光として入射側に戻ってくる。受信部301は、戻り光を光信号として受信する。
【0037】
例えば、事象識別環境ENVにおいては、識別対象とされた事象の発生に応じた振動や音が発生する。このような振動や音の発生が地盤もしくは空気等を介して光ファイバ22において伝送される散乱光に影響を及ぼし、受信部301が受信する戻り光にも影響が及ぶ。すなわち、戻り光は、事象識別環境ENVにおいて発生した振動や音などに応じて変化する。
【0038】
情報生成部302は、受信部により受信された光信号Soptが入力される。情報生成部302は、入力された光信号Soptを利用して、複数の識別利用情報を生成する。識別利用情報は、事象識別部303が対象とする事象の識別(事象識別)に利用する情報である。
【0039】
事象識別部303は、情報生成部302が生成した複数の事象識別情報を利用して事象識別を実行し、識別した結果(事象識別結果)を出力する。例えば、事象識別部303は、事象識別結果を記憶部304に記憶させてよい。また、事象識別部303は、外部のディスプレイやプリンタにより事象識別結果を出力させてよい。また、事象識別部303により得られた事象識別結果と対応の識別利用情報とを対応付けたデータは、事象識別部303が利用する学習済みモデルの構築のための教師データとして利用されてよい。
【0040】
記憶部304は、事象識別装置300に関連する各種の情報を記憶する。
【0041】
[情報生成部による識別利用情報の生成について]
図5を参照して、本実施形態の情報生成部302による識別利用情報の生成に関して説明する。
情報生成部302には受信部301が受信した光信号Soptが入力される。図4において、受信部301は4つの光信号を受信している。ここでは説明を簡単にするため、受信部301は、受信した4つの光信号を合成した1つの光信号Soptを情報生成部302に入力するようにされた場合を例に挙げる。
【0042】
情報生成部302は、入力された光信号Soptに基づいて、3つの識別利用情報を生成する。つまり、図5に示されるように、情報生成部302は、識別利用情報として、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3を生成可能とされる。
【0043】
時系列波形情報D1は、事象識別環境ENVにおける特定位置にて発生する振動に対応する波形の時間経過に応じた変化を示す情報(時系列振動情報の一例)である。情報生成部302は、事象識別環境ENVにおいて定められた複数の特定位置ごとに対応して複数の時系列波形情報D1を生成してよい。
【0044】
時系列振動位置情報D2は、事象識別環境ENVにおいて発生した振動の時間経過に応じた位置変化を示す情報である。時系列波形情報D1は、発生した振動ごとに応じて複数の時系列振動位置情報D2を生成してよい。
【0045】
時系列周波数特性情報D3は、事象識別環境ENVにおける特定位置にて発生する振動に対応する周波数特性の時間経過に応じた変化を示す情報である。情報生成部302は、事象識別環境ENVにおいて定められた複数の特定位置ごとに対応して複数の時系列周波数特性情報D3を生成してよい。時系列周波数特性情報D3は、スペクトログラムであってよい。
【0046】
情報生成部302に入力される光信号Soptは、例えば事象識別環境ENVにおいて発生した振動に応じた光ファイバ22の歪みに対応して変化する信号となる。つまり、光信号Soptは、光ファイバ22の歪みを示す情報となる。
そこで、情報生成部302は、入力された光信号Soptについて、所定の演算を行って振動の速度を示す振動速度情報に変換する。情報生成部302は、振動速度情報について微分(一次微分)を行って振動の加速度(振動加速度)を示す振動加速度情報に変換する。
【0047】
情報生成部302は、上記のように得られた振動加速度情報が示す振動加速度から、特定の位置ごとに対応して時刻ごとに発生する振動波形を検出することにより、特定の位置ごとの時間経過に応じた振動を示す時系列波形情報D1を生成する。
また、情報生成部302は、振動加速度情報が示す振動加速度から、特定の振動についての時刻に応じて変化する位置を検出することにより、時系列振動位置情報D2を生成する。
また、情報生成部302は、振動加速度情報が示す振動加速度に対して設定した時間窓に対して周波数解析(例えばFFT)を行うことで単位時間に対応する周波数特性を検出する処理を、時間窓をシフトさせながら実行し、時間窓ごとに対応して得られた周波数特性を時間経過に沿って並べることで、時系列周波数特性情報D3を生成する。
【0048】
[事象識別部の構成例:第1例]
以下に、本実施形態の事象識別部303の構成について3例を挙げて説明することとし、まず、第1例について説明する。
図6は、事象識別部303の構成の第1例を示している。同図の事象識別部303は、1つの識別器331を備える。
識別器331には、情報生成部302(同図では図示せず)により生成された時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3が入力される。
識別器331は、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3の入力に応じて事象識別を実行し、最終識別結果D10を出力する。
【0049】
識別器331は、人工知能を利用して最終識別結果D10を出力するようにされてよい。この場合において、識別器331が利用する学習モデルは、例えば、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3のデータセットと識別結果(最終識別結果)とを対応させた学習データにより学習器に学習を実行させることで構築されてよい。なお、識別器331が利用する学習モデルは、例えばディープラーニングなどにより構築されてもよい。
【0050】
このように、本実施形態においては、複数の識別利用情報を利用して所定の事象の識別を行うようにされる。識別利用情報は、例えば識別精度が高くなる事象や各種条件等の要素が異なる。つまり、識別利用情報は、それぞれが異なる性質の優位性を有している。
このため、例えば単一の識別利用情報による事象識別では識別結果について十分な精度が得られない可能性がある。そこで、本実施形態のように複数の識別利用情報を利用して事象識別を行うことで、或る識別利用情報では識別精度が低くなる要素について他の識別利用情報の優位性により補償することが可能となり、最終識別結果D10の精度を向上させることができる。
【0051】
そのうえで、本例においては、1つの識別器331に複数の識別利用情報を入力させて最終識別結果D10を出力させるようにしている。このような構成では、識別器331が1つであることから処理負荷も軽減され、高速な処理が期待できる。
【0052】
なお、本例において事象識別部303は、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3のうちの一部複数(この場合は2つ)の入力に応じて最終識別結果D10を出力するようにされてよい。この場合において、識別器331に入力される識別利用情報が固定である場合には、情報生成部302は生成可能な識別利用情報のうちで、識別器331に入力される識別利用情報を生成し、識別器331に入力されない識別利用情報については生成しないようにされてよい。
また、識別対象の事象の変更や、事象識別環境ENVにおける各種条件の変化等に応じて、識別器331に入力させる一部複数の識別利用情報が変更されてよい。
【0053】
[事象識別部の構成例:第2例]
図7は、事象識別部303の構成の第2例を示している。同図の事象識別部303は、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3のそれぞれに対応する3つの一次識別器332(332-1、332-2、332-3)を備える。また、事象識別部303は、1つの二次識別器333を備える。
【0054】
一次識別器332-1には、時系列波形情報D1が入力される。一次識別器332-1は、時系列波形情報D1の入力に応じた一次識別結果を出力する。
一次識別器332-2には、時系列振動位置情報D2が入力される。一次識別器332-2は、時系列振動位置情報D2の入力に応じた一次識別結果を出力する。
一次識別器332-3には、時系列周波数特性情報D3が入力される。一次識別器332-3は、時系列周波数特性情報D3の入力に応じた一次識別結果を出力する。
つまり、第2例の事象識別部303においては、事象識別の第一段階として、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3の個々の識別利用情報に対応する3つの一次識別結果を得るようにされる。
【0055】
二次識別器333には、一次識別器332-1、332-2、332-3のそれぞれから一次識別結果が入力される。二次識別器333は、入力された3つの一次識別結果に基づく識別結果(最終識別結果)を出力する。
【0056】
本例においては、識別利用情報のそれぞれが対応の一次識別器332に入力されることで、識別利用情報のそれぞれに応じた一次識別結果を得るようにされている。この場合、一次識別器332のそれぞれを対応の識別利用情報に適合させるように構築することができるため、識別利用情報のそれぞれに応じた一次識別結果の精度の向上を図ることができる。また、本例の構成では、識別利用情報のそれぞれに対応する一次識別器332ごとの一次識別結果に係数を与えるなどして重み付けすることも容易に可能となる。そして、二次識別器333が、このような一次識別結果を統合して最終識別結果D10を得ることとなるため、最終識別結果D10についても精度の向上を図ることができる。
【0057】
[事象識別部の構成例:第3例]
図8は、事象識別部303の構成の第3例を示している。同図の事象識別部303は、1つの一次識別器334と1つの二次識別器335とを備える。
一次識別器334は、時系列波形情報D1の入力に応じた一次識別結果を出力する。
二次識別器335は、一次識別器334が出力した一次識別結果と、時系列振動位置情報D2と、時系列周波数特性情報D3との入力に応じた最終識別結果D10を出力する。
【0058】
即ち、本例の事象識別部303は、一次識別器334が複数の全ての識別利用情報のうちの一部の識別利用情報の入力に応じて一次識別結果を出力するようにされる。また、二次識別器335は、一次識別器334が出力する一次識別結果と、複数の全ての識別利用情報のうちで一次識別器334に入力されていない残りの識別利用情報との入力に応じた最終識別結果D10を出力するようにされる。
【0059】
本例において、一次識別器334に入力される識別利用情報は、複数の全ての識別利用情報のうちの一部であればよく、1でも複数であってもよい。また、一次識別器334に入力される1または複数の識別利用情報と、二次識別器335に入力される残りの識別利用情報は、例えば識別の対象とする事象等の条件に応じて適宜変更されてよい。
【0060】
このような本例においては、例えば複数の識別利用情報のうちで、識別対象の事象の識別に最も適合している基本的なものとなる1または複数の一部の識別利用情報を、一次識別器334に入力させて一次識別結果を得るようにしてよい。そのうえで、本例では、二次識別器335について、一次識別器334の一次識別結果において識別精度の低い要素を、的確に他の識別利用情報により補強可能なように構築して、高い精度の最終識別結果D10が得られるようにすることが可能となる。
【0061】
[事象識別システムの適用例]
図9を参照して、本実施形態の事象識別システムの具体的な適用例について説明する。図9において、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
同図の事象識別システムは、自動車等の車両CRが通る道路RDの下に光ファイバ担持センサ20を埋設している。このように設けられた光ファイバ担持センサ20における光ファイバ22は、道路RDを車両CRが通過することに応じて発生する振動や音に応じて戻り光を変化させる。
事象識別装置300において、情報生成部302は、受信部301により受信された戻り光を利用して、識別利用情報(時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3)を生成する。事象識別部303は、識別利用情報の入力に応じた最終識別結果D10を出力する。
【0062】
このような事象識別システムにおいて、事象識別装置300の情報生成部302が生成する識別利用情報(時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3)は、例えば道路RDを車両が通過することに応じて発生する振動について検出した情報として扱うことができる。
そのうえで、事象識別部303については、識別利用情報の入力に応じて、道路RDにおける車両CRの通過状況、道路状況等の事象を識別し、これらの事象についての最終識別結果D10を出力可能に構成することができる。
具体例として、事象識別部303は、道路RDを通過する車両CRごとの速度、道路RDを通過する車両CRごとの種類(例えば、普通車、貨物車、自動二輪車等の種類)、道路RDを通過する車両CRごとの重量や大きさ、道路RDの凹凸状態、道路RDへの荷物等の物体の落下状況等を識別した結果を示す最終識別結果D10を生成してよい。
【0063】
図9の事象識別システムにおける事象識別部303としては、識別対象とする事象や、識別対象となる環境における各種の条件等に応じて、例えば図6図8に示した構成(識別アルゴリズム)のうちで最適とされる識別アルゴリズムが採用されてよい。また、事象識別部303は、識別対象とする事象の変更や、識別対象となる環境における各種の条件の変更等に応じて、識別アルゴリズムを切り替えるようにされてもよい。
【0064】
時系列波形情報D1は、硬い物、重い物、速度の高いものほど振幅が大きくなる。また、時系列波形情報D1は、時刻と振幅との2軸によりグラフ化した場合において、歩行程度の速度による移動体を識別した場合にはパルス状となるのに対して、車両CRのように高速に移動する移動体を識別した場合にはエンベロープ(包絡線)状となるという特性がある。
また、時系列振動位置情報D2は、時刻と位置との2軸によりグラフ化した場合において、速度に応じて高い精度で傾きが得られる。また、時系列振動位置情報D2は、速度が高くなるにつれ強度も大きくなる。また、時系列振動位置情報D2は、歩行程度の速度による移動体を識別した場合には点状となるのに対して、車両CRのように高速に移動する移動体の識別した場合には線状となるという特性がある。
また、時系列周波数特性情報D3は、硬い物については高い周波数まで応答する。また、時系列周波数特性情報D3は、道路RDのくぼみのような形状変化に対して周波数特徴量が変化しやすいという特性を有する。
【0065】
また、上記のような特性から、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3についての、速度、車両CRの種類、車両CRの位置、道路RDの段差等の異常発生の各事象の識別の優位性は以下のように導出される。
まず、速度の識別については時系列振動位置情報D2が最も良好であり、車両CRの種類の識別については時系列周波数特性情報D3が最も良好であり、車両CRの位置については時系列振動位置情報D2が最も良好であり、異常発生の識別については時系列周波数特性情報D3が最も良好である。
【0066】
そこで、上識別利用情報ごとの優位性を考慮して、図9の事象識別システムとして、例えば車両CRの速度と道路RDの段差との2つの対象を識別するように構成する場合には、例えば事象識別部303について、時系列振動位置情報D2と時系列周波数特性情報D3とについて時系列波形情報D1よりも高い重み付けで識別が行われるような識別アルゴリズムを構築してよい。
【0067】
なお、本実施形態の事象識別システムにおいて、事象識別装置300が識別対象とする事象は、上記のように歪み、振動に基づくものに限定されない。例えば、事象識別装置300は、温度、動圧等に関連する事象を識別するようにされてよい。
【0068】
なお、本実施形態において、情報生成部302が生成する識別利用情報は、時系列波形情報D1、時系列振動位置情報D2、および時系列周波数特性情報D3の3つに限定されるものではなく、情報生成部302が、さらに多くの識別利用情報を生成可能なようにされてよい。一例として、情報生成部302は、時系列波形情報D1に準じたものとして、振動の振幅に代えて振動の強度の時間経過の変化を示す情報も生成してよい。
【0069】
<変形例>
本実施形態の光ファイバ担持センサの変形例について説明する。以下に変形例として示す光ファイバ担持センサは、図1の光ファイバ担持センサ20に代えて事象識別環境ENVに配設することができる。
【0070】
図10は、本実施形態の変形例としての光ファイバ担持センサ30の構成例を示している。同図は、光ファイバ担持センサ30を延伸方向に対して直交する方向に沿って切断した場合の断面を示している。
同図の光ファイバ担持センサ30は、1本の光ファイバ22を備える。光ファイバ22は、中実の内部被覆31により覆われている。内部被覆31は、さらに中実の外部被覆32により覆われている。
内部被覆31と外部被覆32は、例えば樹脂により形成されるものであってよい。
同図の構成において、図2の光ファイバ担持センサ20の芯材(樹脂管21)に対応する部位は、内部被覆31または外部被覆32とされてよい。本実施形態における芯材としての内部被覆31または外部被覆32の硬さについては、例えば光ファイバ担持センサ20の芯材(樹脂管21)と同等であってよい。
【0071】
同図の光ファイバ担持センサ30のように、構造において備えられる光ファイバ22が1本である場合、事象識別装置300における受信部301は、当該1本の光ファイバ22から出力される1つの光信号を光信号Soptとして情報生成部302に出力してよい。
【0072】
また、図11は、本実施形態における他の変形例としての光ファイバ担持センサ30Aの構成例を示している。
光ファイバ担持センサ30Aは、2本の光ファイバ22-1、22-2を含む。例えば光ファイバ22-1は、検出(測定)に用いられ、光ファイバ22-2は、温度補正用に用いられてよい。
光ファイバ22-1は中実の内部被覆31-1により覆われ、光ファイバ22-2は中実の内部被覆31-2により覆われる。内部被覆31-1と内部被覆31-2は、互いに接するようにされたうえで、中実の外部被覆32により覆われる。中実の外部被覆32の外径R3は、5mm以上20mm以下が好ましい。
【0073】
本変形例の光ファイバ担持センサ30Aの場合、受信部301は、光ファイバ22-2から出力される光信号により、光ファイバ22-1から出力される光信号について温度補正を行い、温度補正後の光信号Soptを情報生成部302に出力してよい。
【0074】
なお、上述の事象識別装置300としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の事象識別装置300としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD、SDD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
20,20A,30,30A 光ファイバ担持センサ、21 樹脂管、22,22-1,22-2 光ファイバ、31,31-1,31-2 内部被覆、32 外部被覆、300 事象識別装置、301 受信部、302 情報生成部、303 事象識別部、304 記憶部、331 識別器、332 一次識別器、332-1 一次識別器、332-2 一次識別器、332-3 一次識別器、333 二次識別器、334 一次識別器、335 二次識別器、CR 車両、D1 時系列波形情報、D2 時系列振動位置情報、D3 時系列周波数特性情報、D10 最終識別結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11