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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097613
(43)【公開日】2025-07-01
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/122 20230101AFI20250624BHJP
   H10K 50/11 20230101ALI20250624BHJP
   H10K 50/81 20230101ALI20250624BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20250624BHJP
   H10K 50/82 20230101ALI20250624BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250624BHJP
   H10K 50/813 20230101ALI20250624BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20250624BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K50/11
H10K50/81
H10K59/35 452
H10K59/35 553
H10K50/82
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
H10K50/813
H10K59/121
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213895
(22)【出願日】2023-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 昌
(72)【発明者】
【氏名】米倉 利昌
(72)【発明者】
【氏名】船越 浩史
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD89
3K107EE06
3K107EE07
3K107FF13
3K107FF15
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094EA04
5C094EC04
(57)【要約】
【課題】 歩留まりを改善可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、第1下電極と、前記第1下電極と重なる複数の第1画素開口を有するリブと、隔壁と、前記複数の第1画素開口をそれぞれ通じて前記第1下電極に接触し、電圧の印加に応じて光を発する複数の第1有機層と、前記複数の第1有機層をそれぞれ覆う複数の第1上電極と、を備えている。前記隔壁は、前記リブの上方に配置された下部と、前記下部の側面から突出する端部を有する上部と、を含む。また、前記隔壁は、前記複数の第1画素開口とそれぞれ重なる複数の第1開口と、前記複数の第1画素開口の間に配置された第1隔壁とを含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1下電極と、
前記第1下電極と重なる複数の第1画素開口を有するリブと、
前記リブの上方に配置された下部と、前記下部の側面から突出する端部を有する上部と、を含む隔壁と、
前記複数の第1画素開口をそれぞれ通じて前記第1下電極に接触し、電圧の印加に応じて光を発する複数の第1有機層と、
前記複数の第1有機層をそれぞれ覆う複数の第1上電極と、
を備え、
前記隔壁は、
前記複数の第1画素開口とそれぞれ重なる複数の第1開口と、
前記複数の第1画素開口の間に配置された第1隔壁と、
を含む、表示装置。
【請求項2】
前記第1下電極は、第1方向に長尺な形状を有し、
前記複数の第1開口のうちの2つは、第1方向に並び、
前記第1隔壁は、前記2つの第1開口の間で前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1部分を有している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記2つの第1開口および前記第1部分の前記第1方向に沿った合計幅は、前記2つの第1開口の少なくとも一方の前記第2方向に沿った幅よりも大きい、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
さらに、前記第1下電極と前記第2方向に隣り合う第2下電極と、
電圧の印加に応じて前記第1有機層とは異なる色の光を発する第2有機層と、
前記第2有機層を覆う第2上電極と、を備え、
前記リブは、前記第2下電極と重なる第2画素開口を有し、
前記第2有機層は、前記第2画素開口を通じて前記第2下電極に接触し、
前記隔壁は、さらに、
前記第2画素開口と重なる第2開口と、
前記第1画素開口と前記第2画素開口との間に配置された第2隔壁と、
を含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1部分の前記第1方向に沿った幅は、前記第2隔壁の前記第2方向に沿った幅よりも小さい、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1部分は、前記第2隔壁と直交している、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1開口の面積は、前記第2開口の面積よりも小さい、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の第1開口の総面積は、前記第2開口の面積よりも大きい、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の第1開口のうちの2つは、前記第2方向に並び、
前記第1隔壁は、前記第2方向に並ぶ前記2つの第1開口の間に配置される第2部分を有し、
前記第2部分は、前記第1部分と交差する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
第1下電極と、
前記第1下電極と重なる第1画素開口を有するリブと、
前記リブの上方に配置された下部と、前記下部の側面から突出する端部を有する上部と、を含む隔壁と、
前記第1画素開口を通じて前記第1下電極に接触し、電圧の印加に応じて光を発する第1有機層と、
前記第1有機層を覆う第1上電極と、
を備え、
前記隔壁は、
前記第1画素開口と重なる第1開口と、
前記第1画素開口と重なり、前記第1開口の縁部から離間した第1隔壁と、
を含む、表示装置。
【請求項11】
第1方向に沿った前記第1開口の幅は、前記第1方向に交差する第2方向に沿った前記第1開口の幅よりも大きく、
前記第1隔壁は、前記第1方向における前記第1開口の中心に配置されている、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1隔壁は、前記第2方向における前記第1開口の中心に配置されている、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
さらに、前記第1下電極と隣り合う第2下電極と、
電圧の印加に応じて前記第1有機層とは異なる色の光を発する第2有機層と、
前記第2有機層を覆う第2上電極と、を備え、
前記リブは、前記第2下電極と重なる第2画素開口を有し、
前記第2有機層は、前記第2画素開口を通じて前記第2下電極に接触し、
前記隔壁は、さらに、
前記第2画素開口と重なる第2開口と、
前記第1画素開口と前記第2画素開口との間に配置された第2隔壁と、
を含む、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1隔壁の幅は、前記第2隔壁の幅よりも小さい、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1開口の面積は、前記第2開口の面積よりも大きい、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記隔壁は、複数の前記第1隔壁を含む、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項17】
第1方向に沿った前記第1開口の幅は、前記第1方向に交差する第2方向に沿った前記第1開口の幅よりも大きく、
前記複数の第1隔壁は、前記第1方向に沿って並んでいる、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数の第1隔壁は、等間隔に並んでいる、
請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1有機層は、青色の光を放つ発光層を含む、
請求項1または10に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1有機層は、青色の光を放つ発光層を含み、
前記第2有機層は、緑色または赤色の光を放つ発光層を含む、
請求項4または13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。この種の表示装置において、歩留まりの改善を可能とする技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【特許文献6】国際公開第2018/179308号
【特許文献7】米国特許出願公開第2022/0077251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、歩留まりを改善可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、第1下電極と、前記第1下電極と重なる複数の第1画素開口を有するリブと、隔壁と、前記複数の第1画素開口をそれぞれ通じて前記第1下電極に接触し、電圧の印加に応じて光を発する複数の第1有機層と、前記複数の第1有機層をそれぞれ覆う複数の第1上電極と、を備えている。前記隔壁は、前記リブの上方に配置された下部と、前記下部の側面から突出する端部を有する上部と、を含む。また、前記隔壁は、前記複数の第1画素開口とそれぞれ重なる複数の第1開口と、前記複数の第1画素開口の間に配置された第1隔壁とを含む。
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、第1下電極と、前記第1下電極と重なる第1画素開口を有するリブと、隔壁と、前記第1画素開口を通じて前記第1下電極に接触し、電圧の印加に応じて光を発する第1有機層と、前記第1有機層を覆う第1上電極と、を備えている。前記隔壁は、前記リブの上方に配置された下部と、前記下部の側面から突出する端部を有する上部と、を含む。また、前記隔壁は、前記第1画素開口と重なる第1開口と、前記第1画素開口と重なり、前記第1開口の縁部から離間した第1隔壁と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る副画素のレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。
図3図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図4図4は、有機層に適用し得る層構造の一例を示す図である。
図5図5は、図2に示した隔壁の概略的な平面図である。
図6図6は、図2中のIV-IV線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る副画素のレイアウトの他の例を示す概略的な平面図である。
図8図8は、図7に示した隔壁の概略的な平面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る副画素のレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。
図10図10は、図9に示した隔壁の概略的な平面図である。
図11図11は、第2実施形態に係る副画素のレイアウトの他の例を示す概略的な平面図である。
図12図12は、図11に示した隔壁の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向(第2方向)と称し、Y軸に沿った方向をY方向(第1方向)と称し、Z軸に沿った方向をZ方向と称する。Z方向は、X方向とY方向を含む平面の法線方向である。また、Z方向と平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0010】
各実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末、ウェアラブル端末等の各種の電子機器に搭載され得る。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの構成例を示す図である。表示装置DSPは、絶縁性の基板10を備えている。基板10は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周辺の周辺領域SAとを有している。基板10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限られず、正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
【0013】
表示領域DAは、X方向およびY方向にマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、異なる色を表示する複数の副画素SPを含む。本実施形態においては、画素PXが青色の副画素SP1と、緑色の副画素SP2と、赤色の副画素SP3とを含む場合を想定する。ただし、画素PXは、副画素SP1,SP2,SP3とともに、あるいは副画素SP1,SP2,SP3のいずれかに代えて、白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0014】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子DEとを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2および駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0015】
表示領域DAには、各副画素SPの画素回路1に走査信号を供給する複数の走査線GLと、各副画素SPの画素回路1に映像信号を供給する複数の信号線SLと、複数の電源線PLとが配置されている。図1の例においては、走査線GLおよび電源線PLがX方向に延び、信号線SLがY方向に延びている。
【0016】
画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極は、信号線SLに接続されている。画素スイッチ2のドレイン電極は、駆動トランジスタ3のゲート電極およびキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3のソース電極は、電源線PLおよびキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3のドレイン電極は、表示素子DEに接続されている。
【0017】
なお、画素回路1の構成は図示した例に限られない。例えば、画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタおよびキャパシタを備えてもよい。
【0018】
図2は、第1実施形態に係る副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。図2に示す例においては、副画素SP2,SP3がそれぞれ副画素SP1とX方向に並んでいる。さらに、副画素SP2と副画素SP3とがY方向に並んでいる。
【0019】
副画素SP1,SP2,SP3がこのようなレイアウトである場合、表示領域DAには、副画素SP2,SP3がY方向に交互に配置された列と、複数の副画素SP1がY方向に繰り返し配置された列とが形成される。
【0020】
なお、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトや副画素SP1,SP2,SP3のサイズは、図2の例に限られない。他の例として、副画素SP1,SP2,SP3がX方向に並んでいてもよい。また、副画素SP1,SP2,SP3のうちの少なくとも2つのサイズが同等であってもよい。
【0021】
表示領域DAには、リブ5が配置されている。リブ5は、副画素SP1,SP2,SP3においてそれぞれ画素開口AP1,AP2,AP3を有している。画素開口AP1は、画素開口AP11,AP12を含む。画素開口AP11,AP12は、それぞれ第1画素開口の一例である。画素開口AP2は、第2画素開口の一例である。
【0022】
図2の例において、画素開口AP11,AP12は、Y方向に並んでいる。また、画素開口AP11はX方向において画素開口AP3と隣り合い、画素開口AP12はX方向において画素開口AP2と隣り合っている。
【0023】
図2の例において、画素開口AP11の面積は、画素開口AP12の面積と等しい。また、画素開口AP11,AP12のそれぞれの面積は、画素開口AP2の面積より小さく、画素開口AP3の面積よりも大きい。さらに、画素開口AP11,AP12のそれぞれの合計面積(画素開口AP1の総面積)は、画素開口AP2,AP3よりも大きい。
【0024】
なお、画素開口AP11の面積は、画素開口AP12の面積と異なっていてもよい。また、画素開口AP11,AP12のそれぞれの面積は、画素開口AP2,AP3のそれぞれの面積より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0025】
表示領域DAには、隔壁6が配置されている。隔壁6は、リブ5の上方に位置し、全体的にリブ5と重なっている。図2の例においては、隔壁6がリブ5と同様の平面形状を有している。すなわち、隔壁6は、副画素SP1,SP2,SP3においてそれぞれ開口A1,A2,A3を含む。開口A1は、開口A11,A12を含む。開口A11,A12,A2,A3は、それぞれ画素開口AP11,AP12,AP2,AP3と重なっている。開口A11,A12は、それぞれ第1開口の一例である。開口A2は、第2開口の一例である。
【0026】
図2の例において、開口A11の面積は、開口A12の面積と等しい。また、開口A11,A12のそれぞれの面積は、開口A2の面積より小さく、開口A3の面積よりも大きい。さらに、開口A11,A12のそれぞれの合計面積(開口A1の総面積)は、開口A2,A3よりも大きい。
【0027】
なお、開口A11の面積は、開口A12の面積と異なっていてもよい。また、開口A11,A12のそれぞれの面積は、開口A2,A3のそれぞれの面積より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0028】
隔壁6は、隔壁6A(第1隔壁)と、隔壁6B(第2隔壁)とを含む。隔壁6Aは、画素開口AP11と画素開口AP12との間に配置されている。図2の例において、隔壁6Aは、開口A11と開口A12との間でX方向に延びる第1部分6Aaにより構成されている。
【0029】
隔壁6Bは、画素開口AP1と画素開口AP2との間に配置されている。図2の例において、隔壁6Bは、画素開口AP12と画素開口AP2との間に配置されている。隔壁6Bは、Y方向に延び、隔壁6Aと交差している。なお、図2の例において、隔壁6Bは、隔壁6Aの第1部分6Aaと直交しているが、この例に限られない。
【0030】
副画素SP1は、画素開口AP1とそれぞれ重なる下電極LE1(第1下電極)、上電極UE1(第1上電極)および有機層OR1(第1有機層)を備えている。副画素SP2は、画素開口AP2とそれぞれ重なる下電極LE2(第2下電極)、上電極UE2(第2上電極)および有機層OR2(第2有機層)を備えている。副画素SP3は、画素開口AP3とそれぞれ重なる下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3を備えている。
【0031】
下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1のうち画素開口AP1と重なる部分は、副画素SP1の表示素子DE1を構成する。下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2のうち画素開口AP2と重なる部分は、副画素SP2の表示素子DE2を構成する。下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3のうち画素開口AP3と重なる部分は、副画素SP3の表示素子DE3を構成する。表示素子DE1,DE2,DE3は、後述するキャップ層をさらに含んでもよい。
【0032】
副画素SP1,SP2,SP3の画素回路1(図1参照)は、それぞれ下電極LE1,LE2,LE3の下方に配置されている。下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素SP1の画素回路1に接続されている。下電極LE2は、コンタクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回路1に接続されている。図2の例においては、コンタクトホールCH1,CH2,CH3が全体的にリブ5および隔壁6と重なっているが、この例に限られない。
【0033】
図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。上述の基板10の上に回路層11が配置されている。回路層11は、図1に示した画素回路1、走査線GL、信号線SLおよび電源線PLなどの各種回路や配線を含む。回路層11は、有機絶縁層12により覆われている。有機絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化する平坦化膜として機能する。
【0034】
下電極LE1,LE2,LE3は、有機絶縁層12の上に配置されている。リブ5は、有機絶縁層12および下電極LE1,LE2,LE3の上に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3の端部は、リブ5により覆われている。図3の断面には表れていないが、下電極LE1,LE2,LE3は、それぞれ有機絶縁層12に設けられたコンタクトホールCH1,CH2,CH3(図2参照)を通じて回路層11の画素回路1に接続されている。
【0035】
隔壁6は、リブ5の上に配置された導電性を有する下部61と、下部61の上に配置された上部62とを含む。上部62は、下部61よりも大きい幅を有している。これにより、上部62の両端部が下部61の側面よりも突出している。このような隔壁6の形状は、オーバーハング状と呼ばれる。
【0036】
図3の例において、下部61は、リブ5の上に配置されたボトム層63と、ボトム層63の上に配置された軸層64とを有している。例えば、ボトム層63は、軸層64よりも薄く形成されている。また、図3の例においては、ボトム層63の両端部が軸層64の側面から突出している。
【0037】
また、図3の例において、上部62は、第1トップ層65および第2トップ層66を有している。第1トップ層65は、軸層64の上に配置されている。第2トップ層66は、第1トップ層65の上に配置されている。第2トップ層66は、図示したように第1トップ層65よりも薄く形成されてもよい。また、第2トップ層66は、第1トップ層65より小さい幅を有してもよい。隔壁6が図3に示す構成を有する場合、図2に示した開口A11,A12,A2,A3は、それぞれ第1トップ層65の端部により囲われた領域に相当する。
【0038】
有機層OR1は、画素開口AP1を通じて下電極LE1を覆っている。上電極UE1は、有機層OR1を覆い、下電極LE1と対向している。有機層OR2は、画素開口AP2を通じて下電極LE2を覆っている。上電極UE2は、有機層OR2を覆い、下電極LE2と対向している。有機層OR3は、画素開口AP3を通じて下電極LE3を覆っている。上電極UE3は、有機層OR3を覆い、下電極LE3と対向している。上電極UE1,UE2,UE3は、隔壁6の下部61の側面に接触している。
【0039】
表示素子DE1は、上電極UE1を覆うキャップ層CP1を含む。表示素子DE2は、上電極UE2を覆うキャップ層CP2を含む。表示素子DE3は、上電極UE3を覆うキャップ層CP3を含む。キャップ層CP1,CP2,CP3は、それぞれ有機層OR1,OR2,OR3が発する光の取り出し効率を向上させる光学調整層としての役割を有している。
【0040】
以下の説明においては、有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1を含む多層体を積層膜FL1と呼び、有機層OR2、上電極UE2およびキャップ層CP2を含む多層体を積層膜FL2と呼び、有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3を含む多層体を積層膜FL3と呼ぶ。
【0041】
積層膜FL1の一部は、上部62の上に位置している。当該一部は、積層膜FL1のうち隔壁6の周囲に位置する部分(表示素子DE1を構成する部分)と離間している。同様に、積層膜FL2の一部は上部62の上に位置し、当該一部は積層膜FL2のうち隔壁6の周囲に位置する部分(表示素子DE2を構成する部分)と離間している。さらに、積層膜FL3の一部は上部62の上に位置し、当該一部は積層膜FL3のうち隔壁6の周囲に位置する部分(表示素子DE3を構成する部分)と離間している。
【0042】
副画素SP1,SP2,SP3には、それぞれ封止層SE11,SE12,SE13が配置されている。封止層SE11は、キャップ層CP1や副画素SP1の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。封止層SE12は、キャップ層CP2や副画素SP2の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。封止層SE13は、キャップ層CP3や副画素SP3の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。
【0043】
図3の例においては、副画素SP1,SP2の間の隔壁6上の積層膜FL1および封止層SE11が、当該隔壁6上の積層膜FL2および封止層SE12と離間している。また、副画素SP1,SP3の間の隔壁6上の積層膜FL1および封止層SE11が、当該隔壁6上の積層膜FL3および封止層SE13と離間している。
【0044】
封止層SE11,SE12,SE13は、樹脂層RS1により覆われている。樹脂層RS1は、封止層SE2により覆われている。封止層SE2は、樹脂層RS2により覆われている。樹脂層RS1,RS2および封止層SE2は、少なくとも表示領域DAの全体に連続的に設けられ、その一部が周辺領域SAにも及んでいる。
【0045】
偏光板、タッチパネル、保護フィルムまたはカバーガラスなどのカバー部材が樹脂層RS2の上方にさらに配置されてもよい。このようなカバー部材は、例えばOCA(Optical Clear Adhesive)などの接着層を介して樹脂層RS2に接着されてもよい。
【0046】
有機絶縁層12は、ポリイミドなどの有機絶縁材料で形成されている。リブ5および封止層SE11,SE12,SE13,SE2は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)または酸化アルミニウム(Al)などの無機絶縁材料で形成されている。一例では、リブ5がシリコン酸窒化物で形成され、封止層SE11,SE12,SE13,SE2がシリコン窒化物で形成されている。樹脂層RS1,RS2は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの樹脂材料(有機絶縁材料)で形成されている。
【0047】
下電極LE1,LE2,LE3は、例えば銀で形成された反射層と、この反射層の上面および下面をそれぞれ覆う一対の導電性酸化物層とを有している。各導電性酸化物層は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)またはIGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)などの透明な導電性酸化物で形成することができる。
【0048】
図4は、有機層OR1,OR2,OR3に適用し得る層構造の一例を示す図である。有機層OR1,OR2,OR3は、発光層EMLを含む複数の薄膜によって構成されている。本実施形態においては、有機層OR1,OR2,OR3が正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子ブロッキング層EBL、発光層EML、正孔ブロッキング層HBL、電子輸送層ETLおよび電子注入層EILをZ方向に順に積層した構造を有する場合を想定する。ただし、有機層OR1,OR2,OR3は、複数の発光層EMLを含むいわゆるタンデム構造などの他の構造を有してもよい。
【0049】
キャップ層CP1,CP2,CP3は、例えば複数の透明層が重ねられた積層構造を有している。これら透明層は、無機材料によって形成された層および有機材料によって形成された層を含み得る。また、これら透明層は、互いに異なる屈折率を有している。例えば、これら透明層の屈折率は、上電極UE1,UE2,UE3の屈折率および封止層SE11,SE12,SE13の屈折率と異なる。キャップ層CP1,CP2,CP3は、それぞれ有機層OR1,OR2,OR3が発する光の取り出し効率を向上させる光学調整層としての役割を有している。なお、キャップ層CP1,CP2,CP3の少なくとも1つが省略されてもよい。
【0050】
隔壁6のボトム層63および軸層64は、例えば互いに異なる金属材料によって形成されている。ボトム層63の金属材料としては、例えば、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、モリブデン-タングステン合金(MoW)またはモリブデン-ニオブ合金(MoNb)を用いることができる。軸層64の金属材料としては、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウム-ネオジム合金(AlNd)、アルミニウム-イットリウム合金(AlY)またはアルミニウム-シリコン合金(AlSi)を用いることができる。なお、ボトム層63および軸層64の少なくとも一方が複数の層の積層構造を有してもよい。また、軸層64は、絶縁材料で形成された層を含んでもよい。
【0051】
例えば、隔壁6の第1トップ層65は金属材料で形成され、第2トップ層66は透明な導電性酸化物で形成されている。第1トップ層65の金属材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、モリブデン、タングステン、モリブデン-タングステン合金またはモリブデン-ニオブ合金を用いることができる。第2トップ層66の導電性酸化物としては、例えばITOまたはIZOを用いることができる。なお、上部62は、特定の材料で形成された単層構造を有してもよい。さらに、上部62は、絶縁材料で形成された層を含んでもよい。
【0052】
隔壁6には共通電圧が供給されている。この共通電圧は、下部61に接触した上電極UE1,UE2,UE3にそれぞれ供給される。すなわち、隔壁6は、上電極UE1,UE2,UE3に共通電圧を供給する配線としての役割を有している。下電極LE1,LE2,LE3には、それぞれ副画素SP1,SP2,SP3の画素回路1を通じて信号線SLの映像信号に応じた画素電圧が供給される。
【0053】
有機層OR1,OR2,OR3は、電圧の印加に応じて発光する。具体的には、下電極LE1と上電極UE1の間に電位差が形成されると、有機層OR1の発光層EMLが青色の波長域の光を放つ。下電極LE2と上電極UE2の間に電位差が形成されると、有機層OR2の発光層EMLが緑色の波長域の光を放つ。下電極LE3と上電極UE3の間に電位差が形成されると、有機層OR3の発光層EMLが赤色の波長域の光を放つ。他の例として、有機層OR2の発光層EMLが赤色の波長域の光を放ち、有機層OR3の発光層EMLが緑色の波長域の光を放ってもよい。
【0054】
さらに他の例として、有機層OR1,OR2,OR3の発光層EMLが同一色(例えば白色)の光を放ってもよい。この場合において、表示装置DSPは、発光層EMLが放つ光を副画素SP1,SP2,SP3に対応する色の光に変換するカラーフィルタを備えてもよい。また、表示装置DSPは、発光層EMLが放つ光により励起して副画素SP1,SP2,SP3に応じた色の光を生成する量子ドットを含んだ層を備えてもよい。
【0055】
図5は、図2に示した隔壁6の概略的な平面図である。ここで、図5に示すように、開口A11のX方向およびY方向に沿った幅をそれぞれ幅W1x,W1yと定義し、開口A12のX方向およびY方向に沿った幅をそれぞれ幅W2x,W2yと定義する。また、第1部分6AaのY方向に沿った幅を幅WAaと定義し、隔壁6BのX方向に沿った幅を幅WBと定義する。
【0056】
本実施形態において、幅W1xは幅W2xと等しく(W1x=W2x)、幅W1yは幅W2yと等しい(W1y=W2y)。すなわち、図5の例においては、開口A11,A12のそれぞれの面積が等しい。なお、幅W1xと幅W2xとの大小関係、および、幅W1yと幅W2yとの大小関係は、この例に限られない。幅W1xは幅W2xと異なっていてもよいし、幅W1yは幅W2yと異なっていてもよい。
【0057】
本実施形態において、幅W1y,W2y,WAaの合計幅(W1y+W2y+WAa)は、幅W1x、W2xのうち少なくとも一方(図5の例では幅W1x、W2xの双方)よりも大きい。幅WAaは、幅WBよりも小さい(WAa<WB)。
【0058】
図6は、図2中のIV-IV線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。なお、基板10、回路層11、樹脂層RS1、封止層SE2および樹脂層RS2は図示を省略している。
【0059】
以下の説明においては、リブ5のうち隔壁6Aと重なる部分をリブ5Aと呼ぶ。リブ5Aは、下電極LE1の上に配置されている。第1部分6Aaは、リブ5Aの上に配置されている。第1部分6Aaは、画素開口AP11と画素開口AP12との間に配置されている。隔壁6A(第1部分6Aa)は、隔壁6の他の部分と同じくオーバーハング状である。副画素SP1において、積層膜FL1は、第1部分6Aaにより分断されている。
【0060】
第1部分6Aaにより分断された2つの有機層OR1は、画素開口AP11,AP12をそれぞれ通じて下電極LE1に接触している。第1部分6Aaにより分断された2つの上電極UE1は、当該2つの有機層OR1をそれぞれ覆っている。第1部分6Aaにより分断された2つのキャップ層CP1は、当該2つの上電極UE1をそれぞれ覆っている。積層膜FL1の一部は、隔壁6Aの上部62の上に位置している。当該一部は、積層膜FL1のうち隔壁6Aの周囲に位置する部分(表示素子DE1を構成する部分)と離間している。封止層SE11は、隔壁6Aおよびキャップ層CP1を連続的に覆っている。
【0061】
ここで、本実施形態が奏するいくつかの効果について説明する。表示装置DSPの製造過程において、積層膜FL1は、表示領域DAの全体に蒸着により形成される。さらに、積層膜FL1を覆う封止層SE11が形成される。続いて、これら積層膜FL1および封止層SE11に対するパターニングが実施される。具体的には、積層膜FL1および封止層SE11のうち副画素SP1に配置された部分が残され、副画素SP2,SP3に配置された部分が除去される。その後、積層膜FL2と封止層SE12が同様の手順で副画素SP2に形成される。さらに、積層膜FL3と封止層SE13も同様の手順で副画素SP3に形成される。
【0062】
蒸着によって形成される積層膜FL1は、下電極LE1との密着性が弱く、表示装置DSPの製造途中で剥離する可能性がある。この剥離により、表示装置DSPの歩留まりが悪化し得る。
【0063】
積層膜FL1の剥離は、積層膜FL1が連続して広範囲に形成された領域で生じやすい。この点に関し、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、開口A1が隔壁6Aの第1部分6Aaにより開口A11,A12に分断されている。これにより、副画素SP1に形成される積層膜FL1が第1部分6Aaにより分断される。そのため、隔壁6Aを設けない場合と比べると、副画素SP1において積層膜FL1が連続して形成される範囲が小さくなり、積層膜FL1が剥離しにくくなる。従って、表示装置DSPの歩留まりを改善できる。
【0064】
本実施形態においては、開口A1の面積(開口A11,A12の総面積)が開口A2,A3の面積よりも大きい。したがって、開口A1,A2,A3の中では開口A1にて上記剥離が生じやすい。そのため、開口A1を隔壁6Aにより分断することで、上記剥離のリスクを効果的に抑制することが可能である。ただし、この例に限られず、開口A2,A3の少なくとも一方も隔壁により分断されてもよい。これにより、上記剥離を抑制する効果が一層向上する。
【0065】
また、本実施形態において、積層膜FL1を分断する第1部分6Aaの幅WAaは、画素開口AP1と画素開口AP2との間に配置される隔壁6Bの幅WBよりも小さい。第1部分6Aaの幅WAaが大きくなるにつれてリブ5Aの幅も大きくなるため、画素開口AP1が小さくなり、副画素SP1の開口率が低下する。そのため、第1部分6Aaの幅WAaを小さくすることで、副画素SP1の開口率の低下を抑制することができる。
【0066】
なお、本実施形態において、下電極LE1および開口A1は、Y方向に長尺な形状を有している。また、第1部分6Aaは、X方向に延びている。さらに、開口A1は、開口A11,A12がY方向に並ぶように第1部分6Aaで分断されている。この例に限られず、第1部分6Aaは、Y方向に延びていてもよい。すなわち、開口A1は、開口A11,A12がX方向に並ぶように第1部分6Aaで分断されていてもよい。
【0067】
また、本実施形態において、開口A1は隔壁6Aにより2つに分断されているが、3つ以上に分断されていてもよい。この場合、互いに平行な複数の隔壁により開口が分断されていてもよいし、後述するように互いに交差する隔壁により開口が分断されていてもよい。
【0068】
図7は、第1実施形態に係る副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの他の例を示す概略的な平面図である。上述の表示装置DSPと同一または類似の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0069】
画素開口AP1は、画素開口AP11,AP12,AP13,AP14を含む。図7の例において、画素開口AP11,AP13はX方向に並び、画素開口AP12,AP14はX方向に並び、画素開口AP11,AP12はY方向に並び、画素開口AP13,AP14はY方向に並んでいる。また、図7の例においては、画素開口AP11,AP12,AP13,AP14のそれぞれの面積が等しい。なお、画素開口AP11,AP12,AP13,AP14のそれぞれの面積が異なっていてもよい。
【0070】
開口A1は、開口A11,A12,A13,A14を含む。開口A11,A12,A13,A14は、それぞれ画素開口AP11,AP12,AP13,AP14と重なっている。また、図7の例においては、開口A11,A12,A13,A14のそれぞれの面積が等しい。なお、開口A11,A12,A13,A14のそれぞれの面積が異なっていてもよい。
【0071】
隔壁6Aは、図2の例と同じく第1部分6Aaを有している。第1部分6Aaは、画素開口AP11と画素開口AP12との間、および、画素開口AP13と画素開口AP14との間に配置されている。隔壁6Aは、第2部分6Abをさらに有している。第2部分6Abは、画素開口AP11と画素開口AP13との間、および、画素開口AP12と画素開口AP14との間に配置されている。図7の例において、第1部分6Aaは、X方向に延びている。また、第2部分6Abは、Y方向に延び、第1部分6Aaと交差している。
【0072】
図8は、図7に示した隔壁6の概略的な平面図である。ここで、図8に示すように、第2部分6AbのX方向に沿った幅を幅WAbと定義する。図8の例において、幅WAbは、幅WBよりも小さい(WAb<WB)。第1部分6Aaの幅WAaと同様に、第2部分6Abの幅WAbを小さくすることで、副画素SP1の開口率の低下を抑制することができる。
【0073】
図7および図8の例においては、開口A1が第1部分6Aaおよび第2部分6Abにより4つに分断されている。すなわち、図2の例よりも分断された開口の数が多いため、表示装置DSPの製造過程で副画素SP1に形成される積層膜FL1がさらに剥離しにくくなる。なお、図7および図8に示した隔壁6Aの構成は、副画素SP2,SP3にも適用することが可能である。
【0074】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す概略的な平面図である。第1実施形態に係る表示装置DSPと同一または類似の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0075】
本実施形態において、リブ5は、画素開口AP1の縁部E1から離間した島状のリブ5Aを含む。リブ5Aは、下電極LE1の上に配置されている。隔壁6は、画素開口AP1と重なり、開口A1の縁部E2から離間した島状の隔壁6Aを含む。隔壁6Aは、リブ5Aの上に配置されている。リブ5Aおよび隔壁6Aは、平面視において矩形形状の角部がラウンド状に形成された形状を有している。なお、リブ5Aおよび隔壁6Aの各々の角部は、直角に形成されていてもよい。また、リブ5Aおよび隔壁6Aは、円形状や楕円形状に形成されていてもよい。図9の例において、開口A1の面積は、開口A2の面積よりも大きい。画素開口AP1は、第1画素開口の一例である。開口A1は、第1開口の一例である。隔壁6Aは、第1隔壁の一例である。
【0076】
図10は、図9に示した隔壁6の概略的な平面図である。ここで、図10に示すように、開口A1の縁部E2のうちY方向に平行で隔壁6Aを挟むように配置される2本の辺E2yと、隔壁6Aの中心Oとの距離をそれぞれ距離Dx1,Dx2と定義する。また、開口A1の縁部E2のうちX方向に平行で隔壁6Aを挟むように配置される2本の辺E2xと、隔壁6Aの中心Oとの距離をそれぞれ距離Dy1,Dy2と定義する。さらに、隔壁6AのX方向およびY方向に沿った幅をそれぞれ幅WAx,WAyと定義する。
【0077】
本実施形態において、距離Dx1は距離Dx2と等しく(Dx1=Dx2)、距離Dy1は距離Dy2と等しい(Dy1=Dy2)。すなわち、隔壁6Aは、X方向およびY方向における開口A11の中心に配置されている。なお、上記の例に限られず、隔壁6Aは、開口A11の中心からずれた位置に配置されてもよい。距離Dy1と距離Dy2とを足した距離は、距離Dx1と距離Dx2とを足した距離よりも大きい(Dy1+Dy2>Dx1+Dx2)。幅WAx,WAyは、幅WBよりも小さい(WAx,WAy<WB)。
【0078】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、積層膜の剥離を抑制することができ、表示装置DSPの歩留まりを改善することができる。
【0079】
また、第2実施形態においては、隔壁6Aを開口A1の縁部から離間させることで、第1実施形態よりも副画素SP1の開口率を大きくすることが可能である。
【0080】
図11は、第2実施形態に係る副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの他の例を示す概略的な平面図である。リブ5は、複数のリブ5Aを含む。隔壁6は、複数の隔壁6Aを含む。図11の例においては、リブ5および隔壁6は、それぞれ3つのリブ5Aおよび隔壁6Aを含む。なお、複数のリブ5Aおよび複数の隔壁6Aのそれぞれの数は、3つに限られず、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0081】
図11の例において、複数のリブ5Aおよび複数の隔壁6Aは、Y方向に沿って並んでいる。なお、複数のリブ5Aおよび複数の隔壁6Aは、X方向に沿って並んでいてもよいし、X方向およびY方向のそれぞれに沿って並んでいなくてもよい。
【0082】
図12は、図11に示した隔壁6の概略的な平面図である。Y方向に沿って並んだ3つの隔壁6Aのうち、Y方向に沿って隣り合う隔壁6Aの中心Oの距離をそれぞれ距離D1,D2と定義する。本実施形態において、距離D1は、距離D2と等しい(D1=D2)。すなわち、複数の隔壁6Aは、Y方向に沿って等間隔に並んでいる。
【0083】
本実施形態においても、上記の実施形態と同様に、積層膜の剥離を抑制することができ、表示装置DSPの歩留まりを改善することができる。また、本実施形態においては、開口A1が長尺に延びる方向(Y方向)に沿って複数の隔壁6Aが並んでいる。これにより、開口A1において隔壁6Aが適度に分散され、上記剥離を抑制する効果が向上する。
【0084】
以上の各実施形態にて開示した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0085】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0086】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0087】
DSP…表示装置、DA…表示領域、SA…周辺領域、PX…画素、SP1,SP2,SP3…副画素、LE1,LE2,LE3…下電極、OR1,OR2,OR3…有機層、UE1,UE2,UE3…上電極、SE11,SE12,SE13…封止層、5,5A…リブ、6,6A,6B…隔壁、61…下部、62…上部、6Aa…第1部分、6Ab…第2部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12