(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009771
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】車両用パーキング装置
(51)【国際特許分類】
B60T 1/06 20060101AFI20250109BHJP
F16D 63/00 20060101ALI20250109BHJP
F16H 63/34 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60T1/06 G
F16D63/00 H
F16H63/34
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024028122
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0084834
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524076246
【氏名又は名称】ヒュンダイ トランシス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hyundai Transys Inc.
【住所又は居所原語表記】105, Sindang 1-ro, Seongyeon-myeon Seosan-si Chungcheongnam-do, 31930 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ サン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】シン ヘ ジョン
【テーマコード(参考)】
3J058
3J067
【Fターム(参考)】
3J058AB21
3J058BA44
3J058CC12
3J058CD25
3J058FA07
3J067AB23
3J067DB32
3J067FA57
3J067FA84
3J067FB85
3J067GA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両においてパーキングロッド部の損傷を防止できる車両用パーキング装置を提供する。
【解決手段】本発明による車両用パーキング装置は、駆動部と、駆動部の中心軸に連結され、中心軸の回転により回転するディテントレバー部と、ディテントレバー部の回転により直線移動するパーキングロッド部と、パーキングロッド部に接触し、パーキングロッド部の移動により昇下降するスプラグ部と、スプラグ部の上側に配置され、スプラグ部の上昇により噛合して回転が制限されるパーキングギヤ部とを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、
前記駆動部の中心軸に連結され、前記中心軸の回転により回転するディテントレバー部と、
前記ディテントレバー部の回転により直線移動するパーキングロッド部と、
前記パーキングロッド部に接触し、前記パーキングロッド部の移動により昇下降するスプラグ部と、
前記スプラグ部の上側に配置され、前記スプラグ部の上昇により噛合して回転が制限されるパーキングギヤ部とを含むことを特徴とする車両用パーキング装置。
【請求項2】
前記パーキングロッド部は、
前記ディテントレバー部に噛合し、前記ディテントレバー部の回転により前後進移動するパーキングロッド伝達部と、
前記パーキングロッド伝達部に取付けられ、前記スプラグ部の長手方向に沿って形成されるパーキングロッドボディ部と、
前記パーキングロッドボディ部の端部に取付けられ、前記スプラグ部と接触し、前記スプラグ部を昇降させるパーキングロッドカム部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用パーキング装置。
【請求項3】
前記パーキングロッドカム部は、
前記パーキングロッドボディ部の端部に取付けられ、前記パーキングロッドボディ部から外側へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になるパーキングロッドカムボディ部と、
前記パーキングロッドカムボディ部に取付けられ、前記パーキングロッドカムボディ部の外径より小さい円筒状に形成されるパーキングカムパイプ部とを含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用パーキング装置。
【請求項4】
前記パーキングロッドカム部は、
前記パーキングロッドカムボディ部と前記パーキングカムパイプ部との間に形成され、前記パーキングロッドカムボディ部から前記パーキングカムパイプ部へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になるカム傾斜部をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用パーキング装置。
【請求項5】
前記カム傾斜部の傾斜角は、前記パーキングロッドカムボディ部の傾斜角より大きく形成されることを特徴とする請求項4に記載の車両用パーキング装置。
【請求項6】
前記スプラグ部は、
支持ボディ部と、
前記支持ボディ部に回転可能に取付けられるスプラグボディ部と、
前記スプラグボディ部の一側に形成され、前記パーキングロッド部に接触するスプラグ接触部と、
前記スプラグボディ部の他側に形成され、前記スプラグボディ部の上昇時、前記パーキングギヤ部に挿入されるスプラグ突起部と、
前記スプラグボディ部から突出し、前記パーキングロッドカムボディ部に接触するスプラグストッパ部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用パーキング装置。
【請求項7】
前記スプラグストッパ部が前記スプラグボディ部から突出する高さは、
前記スプラグストッパ部が前記パーキングロッドカムボディ部に接触する時、前記スプラグ接触部と前記パーキングカムパイプ部とが離隔するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の車両用パーキング装置。
【請求項8】
前記スプラグストッパ部は、前記パーキングロッドカムボディ部のテーパ形状に応じて、前記支持ボディ部からスプラグ接触部へ向かって下方傾斜するように形成されることを特徴とする請求項6に記載の車両用パーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用パーキング装置に関し、より詳しくは、車両においてパーキングロッド部の損傷を防止できる車両用パーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用パーキング装置は、駆動部の作動時、マニュアルシャフトに回転が伝達されて、マニュアルシャフトに組立てられたマニュアルシャフトを介してロッドアセンブリがスプラグを持ち上げる形態からなる。
【0003】
傾斜のある勾配路で、車両がP段維持の状態からP段解除の際、車両勾配または車重によってパーキングギヤトルクが強い回転力を発生させてパーキングギヤが回転する。パーキングギヤが1軸に配置されている場合、さらに速い角速度で回転する。
【0004】
この時、ロッドアセンブリがP段から外れた位置に到達する前まで、スプラグは、ロッドスプリングによる復元力でパーキングギヤ歯の間への進入を試みてラチェッティング(racheting)をする。スプラグがパーキングロッドに損傷をきたしてパーキング機能の損失が発生することがある。したがって、これを改善する必要性が求められる。
【0005】
本発明の背景技術は、大韓民国公開特許公報第10-2018-0106184号(2018.10.01公開、発明の名称:車両のパーキング装置)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車両においてパーキングロッド部の損傷を防止できる車両用パーキング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による車両用パーキング装置は、駆動部と、前記駆動部の中心軸に連結され、前記中心軸の回転により回転するディテントレバー部と、前記ディテントレバー部の回転により直線移動するパーキングロッド部と、前記パーキングロッド部に接触し、前記パーキングロッド部の移動により昇下降するスプラグ部と、前記スプラグ部の上側に配置され、前記スプラグ部の上昇により噛合して回転が制限されるパーキングギヤ部とを含むことができる。
【0008】
本発明において、前記パーキングロッド部は、前記ディテントレバー部に噛合し、前記ディテントレバー部の回転により前後進移動するパーキングロッド伝達部と、前記パーキングロッド伝達部に取付けられ、前記スプラグ部の長手方向に沿って形成されるパーキングロッドボディ部と、前記パーキングロッドボディ部の端部に取付けられ、前記スプラグ部と接触し、前記スプラグ部を昇降させるパーキングロッドカム部とを含むことができる。
【0009】
本発明において、前記パーキングロッドカム部は、前記パーキングロッドボディ部の端部に取付けられ、前記パーキングロッドボディ部から外側へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になるパーキングロッドカムボディ部と、前記パーキングロッドカムボディ部に取付けられ、前記パーキングロッドカムボディ部の外径より小さい円筒状に形成されるパーキングカムパイプ部とを含むことができる。
【0010】
本発明において、前記パーキングロッドカム部は、前記パーキングロッドカムボディ部と前記パーキングカムパイプ部との間に形成され、前記パーキングロッドカムボディ部から前記パーキングカムパイプ部へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になるカム傾斜部をさらに含むことができる。
【0011】
本発明において、前記カム傾斜部の傾斜角は、前記パーキングロッドカムボディ部の傾斜角より大きく形成される。
【0012】
本発明において、前記スプラグ部は、支持ボディ部と、前記支持ボディ部に回転可能に取付けられるスプラグボディ部と、前記スプラグボディ部の一側に形成され、前記パーキングロッド部に接触するスプラグ接触部と、前記スプラグボディ部の他側に形成され、前記スプラグボディ部の上昇時、前記パーキングギヤ部に挿入されるスプラグ突起部と、前記スプラグボディ部から突出し、前記パーキングロッドカムボディ部に接触するスプラグストッパ部とを含むことができる。
【0013】
本発明において、前記スプラグストッパ部が前記スプラグボディ部から突出する高さは、前記スプラグストッパ部が前記パーキングロッドカムボディ部に接触する時、前記スプラグ接触部と前記パーキングカムパイプ部とが離隔するように構成される。
【0014】
本発明において、前記スプラグストッパ部は、前記パーキングロッドカムボディ部のテーパ形状に応じて、前記支持ボディ部からスプラグ接触部へ向かって下方傾斜するように形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明による車両用パーキング装置によれば、P段解除の際、スプラグ部とパーキングギヤ部との間でラチェッティングが発生してもスプラグ部がパーキングロッド部のパーキングロッドボディ部と直接接触しなくなって、形状的に頑丈でパーキングロッド部のパーキングロッドカム部に衝撃を加えないので、挙動に影響を与えずに正常作動できる。
【0016】
また、本発明によれば、スプラグ部のスプラグストッパ部がパーキングロッドカム部と線接触する構造からなり、その他の部品の変形なしにパーキング動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例による車両用パーキング装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による車両用パーキング装置の主要構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による車両用パーキング装置を概略的に示す正面図である。
【
図4】本発明の一実施例による車両用パーキング装置の主要構成を概略的に示す正面図である。
【
図5】本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてスプラグ部とパーキングロッド部のパーキングロッドカム部を概略的に示す正面図である。
【
図6】本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてスプラグ部とパーキングロッド部のパーキングロッドカム部の作動を概略的に示す正面図である。
【
図7】本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段にある状態を概略的に示す正面図である。
【
図8】本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段から解除されることを概略的に示す正面図である。
【
図9】本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段から解除された状態を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明による車両用パーキング装置の一実施例を説明する。この過程において、図面に示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上誇張して示されていてもよい。
【0019】
また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例によって異なる。そのため、このような用語に関する定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて行われなければならない。
【0020】
図1は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置を概略的に示す斜視図であり、
図2は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置の主要構成を概略的に示す斜視図であり、
図3は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置を概略的に示す正面図であり、
図4は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置の主要構成を概略的に示す正面図であり、
図5は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてスプラグ部とパーキングロッド部のパーキングロッドカム部を概略的に示す正面図であり、
図6は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてスプラグ部とパーキングロッド部のパーキングロッドカム部の作動を概略的に示す正面図であり、
図7は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段にある状態を概略的に示す正面図であり、
図8は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段から解除されることを概略的に示す正面図であり、
図9は、本発明の一実施例による車両用パーキング装置においてP段から解除された状態を概略的に示す正面図である。
【0021】
図1~
図9を参照すれば、本発明の一実施例による車両用パーキング装置は、駆動部100と、ディテントレバー部200と、パーキングロッド部300と、スプラグ部400と、パーキングギヤ部500とを含むことができる。
【0022】
駆動部100は、運転席に取付けられたノブ(図示せず)によって作動可能である。駆動部100は、中心軸110を備えるアクチュエータ、モータなどからなる。駆動部100の中心軸110は、ディテントレバー部200に連結される。
【0023】
ディテントレバー部200は、駆動部100の中心軸110に連結され、中心軸110の回転により回転できる。
【0024】
ディテントレバー部200は、パーキングロッド部300のパーキングロッド伝達部310と噛合可能である。回転したディテントレバー部200は、スプリングによって設定角度以上への回転が制限され、スプリングによって原位置に復帰できる。このスプリングは、一側がハウジングなどに固定され、他側がディテントレバー部200に連結される。
【0025】
パーキングロッド部300は、ディテントレバー部200の回転により直線移動することができる。パーキングロッド部300は、ディテントレバー部200のギヤに噛合し、ディテントレバー部200の回転により前後進直線移動することができる。
【0026】
パーキングロッド部300は、パーキングロッド伝達部310と、パーキングロッドボディ部320と、パーキングロッドカム部330とを含むことができる。パーキングロッド伝達部310は、ディテントレバー部200に噛合し、ディテントレバー部200の回転により前後進(
図1および
図3基準)移動することができる。
【0027】
パーキングロッド伝達部310は、ラックギヤからなる。したがって、回転するディテントレバー部200に対してラックギヤからなるパーキングロッド伝達部310は、前後進に直線移動可能である。
【0028】
パーキングロッドボディ部320は、パーキングロッド伝達部310に取付けられ、スプラグ部400の長手方向に沿って長い形状のボディで形成される。パーキングロッドボディ部320は、周辺部品との干渉を避けるために、L状に折曲げられて形成される。
【0029】
パーキングロッドカム部330は、パーキングロッドボディ部320の端部(
図4基準の右側端部)に取付けられ、スプラグ部400と接触し、スプラグ部400を昇降させることができる。パーキングロッドカム部330は、パーキングロッドボディ部320が前後進移動しながらスプラグ部400と接触する面が異なる外径に形成される。したがって、スプラグ部400は、パーキングロッドカム部330との接触により昇降できる。
【0030】
パーキングロッドカム部330は、パーキングカムボディ部331と、パーキングカムパイプ部333とを含むことができる。パーキングカムボディ部331は、パーキングロッドボディ部320の端部(
図2基準の右側端部)に取付けられ、パーキングロッドボディ部320から外側へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になる。
【0031】
パーキングカムボディ部331は、パーキングロッドボディ部320の端部から外側(
図4基準の右側)へ向かうほどテーパして外径の大きさが小さくなる。すなわち、パーキングカムボディ部331は、パーキングロッドボディ部320からパーキングカムパイプ部333へ向かうほど外径の大きさが小さくなる。したがって、パーキングカムボディ部331は、パーキングロッドボディ部320からパーキングカムパイプ部333へ向かって下方傾斜するように形成される。
【0032】
パーキングカムボディ部331は、外径が次第に小さくなるようにテーパして形成されて、スプラグ部400のスプラグストッパ部450と線接触してラチェッティングが発生してもパーキングロッド部300を保護することができる。
【0033】
パーキングカムパイプ部333は、パーキングカムボディ部331に取付けられ、パーキングカムボディ部331の外径より小さい円筒状に形成される。パーキングカムパイプ部333は、スプラグ部400のスプラグ接触部430と接触できる。
【0034】
パーキングロッドカム部330は、カム傾斜部335をさらに含むことができる。カム傾斜部335は、パーキングロッドカムボディ部331とパーキングカムパイプ部333との間に形成され、パーキングロッドカムボディ部331からパーキングカムパイプ部333へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になる。
【0035】
カム傾斜部335の表面にはスプラグストッパ部450が接触できる。カム傾斜部335は、パーキングロッドカムボディ部331からパーキングカムパイプ部333へ向かうほど外径の大きさが小さくなるようにテーパ形状になって、スプラグ接触部430がカム傾斜部335の表面に沿って移動するにつれ、接触面積と接触時間が増加して衝撃を緩和させることができる。
【0036】
カム傾斜部335の傾斜角(θ1)は、パーキングロッドカムボディ部331の傾斜角(θ2)より大きく形成される。カム傾斜部335の傾斜角(θ1)は、パーキングロッドカムボディ部331の傾斜角(θ2)より大きく形成されて、スプラグ接触部430がパーキングロッドカムボディ部331の表面に沿って移動し、カム傾斜部335に移動し、スプラグストッパ部450がパーキングロッドカムボディ部331に接触する接触面積と接触時間が増加できる。
【0037】
スプラグ部400は、パーキングロッド部300に接触し、パーキングロッド部300の移動により昇下降可能である。
【0038】
スプラグ部400は、パーキングロッド部300に接し、パーキングロッド部300の移動により昇降できる。スプラグ部400は、上昇してパーキングギヤ部500と接してパーキングギヤ部500の回転を制限することができる。すなわち、スプラグ部400によってパーキングギヤ部500の回転が制限されると、車両はP段の状態にある。
【0039】
スプラグ部400が下降してパーキングギヤ部500から外れると、パーキングギヤ部500は回転できる。すなわち、スプラグ部400がパーキングギヤ部500から外れると、車両はP段の状態ではなくなる。
【0040】
スプラグ部400は、支持ボディ部410と、スプラグボディ部420と、スプラグ接触部430と、スプラグ突起部440と、スプラグストッパ部450とを含むことができる。
【0041】
支持ボディ部410は、ハウジングに取付けられるもので、スプラグボディ部420を回転可能に支持することができる。
【0042】
スプラグボディ部420は、一端部(
図4基準の左側端部)が支持ボディ部410に回転可能に取付けられる。スプラグボディ部420は、スプラグ接触部430がパーキングロッド部300のパーキングロッドカム部330との接触面に沿って昇降する時、支持ボディ部410を中心に回転できる。
【0043】
スプラグ接触部430は、スプラグボディ部420の一側(
図4基準の下側)に突出形成され、パーキングロッド部300に接触できる。スプラグ接触部430は、パーキングロッドカム部330のパーキングロッドカムボディ部331とパーキングカムパイプ部333を経て、スプラグ部400が昇降できる。
【0044】
スプラグ接触部430は、パーキングカムパイプ部333からパーキングロッドカムボディ部331側に移動しながらスプラグ部400が上昇し、パーキングロッドカムボディ部331からパーキングカムパイプ部333側に移動しながらスプラグ部400が下降することができる。
【0045】
スプラグ接触部430がパーキングロッドカム部330のパーキングカムボディ部331とパーキングカムパイプ部333を経て、スプラグ部400のスプラグボディ部420が昇降できる。すなわち、スプラグ接触部430は、パーキングカムパイプ部333からパーキングカムボディ部331側に移動しながら上昇し、パーキングカムボディ部331からパーキングカムパイプ部333側に移動しながら下降することができる。
【0046】
スプラグ突起部440は、スプラグボディ部420の他側(
図4基準の上側)に突出形成され、スプラグボディ部420の上昇時、パーキングギヤ部500に挿入される。スプラグ突起部440は、スプラグボディ部420の下降時、パーキングギヤ部500から離脱できる。スプラグ突起部440がパーキングギヤ部500に挿入されれば、パーキングギヤ部500の回転が制限される。
【0047】
スプラグストッパ部450は、スプラグボディ部420の下側(
図2基準)から突出し、パーキングロッドカムボディ部331に接触することができる。スプラグストッパ部450は、パーキングロッドカムボディ部331のテーパ形状に応じて、支持ボディ部410からスプラグ接触部430へ向かって下方傾斜するように形成される。
【0048】
スプラグストッパ部450は、パーキングカムボディ部331に線接触してラチェッティング(ratcheting)が発生してもパーキングロッド部300を保護することができる。
【0049】
スプラグストッパ部450がスプラグボディ部420から突出する高さ(H)は、スプラグストッパ部450がパーキングロッドカムボディ部420に接触する時、スプラグ接触部430とパーキングカムパイプ部333とが離隔するように構成される。
【0050】
スプラグストッパ部450がパーキングロッドカムボディ部420に接触する時、スプラグストッパ部450がスプラグボディ部420から突出する高さ(H)は、スプラグ接触部430とパーキングカムパイプ部333とが離隔するように構成されて、スプラグ接触部430がパーキングカムパイプ部333との接触による衝撃と騒音の発生を防止することができる。
【0051】
パーキングギヤ部500は、外側面に複数のギヤが形成されるもので、スプラグ部400の上側に配置され、スプラグ部400の上昇によりパーキングギヤ部500のギヤにスプラグ部400のスプラグ突起部440が挿入噛合して回転が制限される。
【0052】
すなわち、パーキングギヤ部500は、スプラグ部400のスプラグ突起部440によって回転が制限される。スプラグ突起部440がパーキングギヤ部500から離脱すれば、パーキングギヤ部500は回転できる。パーキングギヤ部500は、スプラグ部400のスプラグ突起部440によって回転が制限されて、車両のパーキング状態を維持することができる(P段状態)。
【0053】
図7~
図9を参照して、本発明の一実施例による車両用パーキング装置の作動を説明する。
【0054】
図7は、車両用パーキング装置においてP段にある状態を示す図である。
図7を参照すれば、駆動部100によってディテントレバー部200が回転できる。ディテントレバー部200とパーキングロッド部300のパーキングロッド伝達部310との噛合によりパーキングロッドボディ部320が左側方向に移動可能である。パーキングロッドボディ部320の移動により、スプラグ部400のスプラグ突起部440は、パーキングカムパイプ部333との接触位置が変動する。
【0055】
すなわち、スプラグ部400のスプラグ突起部440がカムボディ部331からパーキングカムパイプ部333側に移動するにつれ、スプラグボディ部420は、支持ボディ部410を中心に回転しながらスプラグ部400が下降することができる。
【0056】
スプラグストッパ部450は、パーキングロッドカムボディ部331のテーパ形状に応じて形成されて、スプラグストッパ部450は、パーキングロッドカムボディ部331に線接触しながら移動することができる。
【0057】
図9を参照すれば、下降したスプラグ部400においてスプラグ部400のスプラグ突起部440は、パーキングギヤ部500から分離可能である。
【0058】
本発明による車両用パーキング装置によれば、P段解除の際、スプラグ部400とパーキングギヤ部500との間でラチェッティングが発生してもスプラグ部400がパーキングロッド部300のパーキングロッドボディ部320と直接接触しなくなって、形状的に頑丈でパーキングロッド部300のパーキングロッドカム部330に衝撃を加えないので、挙動に影響を与えずに正常作動できる。
【0059】
また、本発明によれば、スプラグ部400のスプラグストッパ部450がパーキングロッドカム部330と線接触する構造からなり、その他の部品の変形なしにパーキング動作を実現できる。
【0060】
本発明は図示の実施例を参照して説明されたが、これは例示に過ぎず、当該技術の属する分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形および均等な他の実施例が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は以下の特許請求の範囲によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0061】
100:駆動部 110:中心軸
200:ディテントレバー部 300:パーキングロッド部
310:パーキングロッド伝達部 320:パーキングロッドボディ部
330:パーキングロッドカム部 331:パーキングロッドカムボディ部
333:パーキングカムパイプ部 400:スプラグ部
410:支持ボディ部 420:スプラグボディ部
430:スプラグ接触部 440:スプラグ突起部
450:スプラグストッパ部 500:パーキングギヤ部