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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009779
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20250109BHJP
   B29C 49/02 20060101ALI20250109BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65D1/02
B29C49/02
B29C49/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033711
(22)【出願日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2023109803
(32)【優先日】2023-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大浦 茂
(72)【発明者】
【氏名】松本 顕政
(72)【発明者】
【氏名】北本 剛史
【テーマコード(参考)】
3E033
4F208
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA13
3E033DB03
3E033DD01
3E033FA03
4F208AC03
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA08
4F208LB01
4F208LB21
4F208LG05
4F208LG08
4F208LG33
4F208LH06
4F208LH18
4F208LN05
4F208LW02
4F208LW09
(57)【要約】
【課題】パックフィルムの厚さ方向と直交する一端側の底が比較的平坦な包装パックを製造することができる包装機を提供する。
【解決手段】包装機は、原料フィルムF1の幅方向における中央部から折り畳むことにより、原料フィルムF2と原料フィルムF2の幅方向における一端部で原料フィルムF2に連続し且つ原料フィルムF2と重ねて配置される原料フィルムF3と、を形成する折り畳みユニット12と、原料フィルムF2、F3が重ねて配置された状態で、金型が原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側から挟持した状態で、原料フィルムF2、F3の幅方向における他端側から原料フィルムF2、F3の間に気体を吐出することにより、原料フィルムF2、F3にポケットを成形するとともに、ポケットが成形された原料フィルムF2、F3の外周部同士を接着させることによりパックフィルムF4を生成する成形装置15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記第1原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における中央部から折り畳むことにより、第2原料フィルムと、前記第2原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における一端部で前記第2原料フィルムに連続し且つ前記第2原料フィルムと重ねて配置される第3原料フィルムと、を形成する折り畳みユニットと、
前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとが重ねて配置された状態で、凹部と凹部に連通する連通溝とを有する第1金型と前記第1金型と対向する第2金型とにより、前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの重畳方向における両側から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとが重なった部分に前記凹部が対向し且つ前記連通溝が前記凹部よりも前記第2原料フィルムおよび前記第3原料フィルムの前記幅方向における他端側に位置するように挟持した状態で、前記第2原料フィルムおよび前記第3原料フィルムの前記幅方向における他端側から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記連通溝に対向する第1領域を通じて前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記凹部に対向する領域に気体を吐出することにより、前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの少なくとも一方にポケットを成形するとともに、前記ポケットが成形される前記少なくとも一方の前記ポケットが成形される部分の外周部と他方とを接着させることによりパックフィルムを生成する成形装置と、
前記パックフィルムの前記幅方向における他端側から前記ポケットの内側にワークを充填するワーク充填ユニットと、
前記パックフィルムの前記幅方向における他端部を封止する封止装置と、を備える、
包装機。
【請求項2】
前記折り畳みユニットは、
円筒状であり筒軸方向における中央部において筒軸周りの周方向全体に亘って延在する溝が形成された第1ガイドローラと、前記第1ガイドローラの側面に載置された前記第1原料フィルムにおける前記溝に対向する部分に、前記第1ガイドローラ側とは反対側から一部が前記第1原料フィルムとともに前記溝に嵌入するように押し付けられることにより、前記第1原料フィルムに折り目を形成する折りローラと、を有する折り目形成部と、
円筒状であり筒軸方向が前記第1ガイドローラの筒軸方向と直交する姿勢で前記第1ガイドローラの筒軸方向に沿って並置された2つの第2ガイドローラを有し、前記折り目形成部から搬出された前記第1原料フィルムが、前記折り目から折り畳まれた状態で2つの前記第2ガイドローラの間に挿入される畳みガイド部と、を有する、
請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記畳みガイド部は、2つの前記第2ガイドローラの間隔を変更可能に2つの前記第2ガイドローラを保持する保持部を有する、
請求項2に記載の包装機。
【請求項4】
前記成形装置は、気体吐出ノズルを有し前記気体吐出ノズルを介して圧縮気体を吐出するノズルユニットを有し、前記第2原料フィルムおよび前記第3原料フィルムの前記幅方向における他端側から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記連通溝に対向する第1領域に前記気体吐出ノズルを挿通させた状態で、前記気体吐出ノズルの先端部から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記凹部に対向する領域に気体を吐出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項5】
前記封止装置は、前記パックフィルムの前記幅方向における他端部を加熱した状態で挟持する複数の加熱部を有し、前記複数の加熱部により、前記パックフィルムの前記幅方向における他端部を順次加熱して段階的に熱収縮させることにより、前記パックフィルムの前記幅方向における他端部を封止する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製シートによって形成された一対の主板部を備える容器本体と、内容物と、を有する容器包装体の製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。ここで、容器本体は、一対の主板部に規定された内容物を収容する密閉状態の収容空間を構成する殻部と、一対の主板部の端部領域同士が接合されたシール部と、主板部の端縁に繋がり且つ厚さが周囲部分よりも薄い開封起点薄肉部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-156474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された容器包装体の製造方法では、一対のフィルムを重ねてからポケットを成形するため、例えば一対のフィルムの厚さ方向と直交する一端側の底が比較的平坦な容器包装体を成形することが難しい。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、パックフィルムの厚さ方向と直交する一端側の底が比較的平坦な包装パックを製造することができる包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る包装機は、
第1原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記第1原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における中央部から折り畳むことにより、第2原料フィルムと、前記第2原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における一端部で前記第2原料フィルムに連続し且つ前記第2原料フィルムと重ねて配置される第3原料フィルムと、を形成する折り畳みユニットと、
前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとが重ねて配置された状態で、凹部と凹部に連通する連通溝とを有する第1金型と前記第1金型と対向する第2金型とにより、前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの重畳方向における両側から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとが重なった部分に前記凹部が対向し且つ前記連通溝が前記凹部よりも前記第2原料フィルムおよび前記第3原料フィルムの前記幅方向における他端側に位置するように挟持した状態で、前記第2原料フィルムおよび前記第3原料フィルムの前記幅方向における他端側から前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記連通溝に対向する第1領域を通じて前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの間における前記凹部に対向する領域に気体を吐出することにより、前記第2原料フィルムと前記第3原料フィルムとの少なくとも一方にポケットを成形するとともに、前記ポケットが成形される前記少なくとも一方の前記ポケットが成形される部分の外周部と他方とを接着させることによりパックフィルムを生成する成形装置と、
前記パックフィルムの前記幅方向における他端側から前記ポケットの内側にワークを充填するワーク充填ユニットと、
前記パックフィルムの前記幅方向における他端部を封止する封止装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第2原料フィルムと第2原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における一端部で第2原料フィルムに連続し且つ第2原料フィルムと重ねて配置される第3原料フィルムと、を形成した後、第2原料フィルムおよび第3原料フィルムの幅方向における他端側から第2原料フィルムと第3原料フィルムとの間における金型の凹部に対向する領域に気体を吐出することにより、第2原料フィルムと第3原料フィルムとの少なくとも一方にポケットを成形する。これにより、ポケットの形状を、ポケットにおける第2原料フィルムと第3原料フィルムとの一端部側を第2原料フィルムの厚さ方向に沿った方向へ立ち上がった形状とすることができるので、ポケットの一端側の底が比較的平坦な包装パックを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る包装機の正面図である。
図2】実施の形態に係る折り畳みユニットの概略斜視図である。
図3】(A)は実施の形態に係る折り畳みユニットの一部を示す図であり、(B)はガイドローラの一部を示す図である。
図4】実施の形態に係る折り畳みユニットの一部を示す図である。
図5】実施の形態に係るチャックフィーダの正面図である。
図6】実施の形態に係る成形装置の正面図である。
図7】(A)は実施の形態に係る金型の平面図であり、(B)は実施の形態に係る金型の(A)のA-A線における断面矢視図である。
図8】実施の形態に係る成形装置の動作を説明するための図であり、(A)は原料フィルムを金型で挟持する様子を示す図であり、(B)は原料フィルムの間に気体吐出プラグを差し込む様子を示す図である。
図9】実施の形態に係る成形装置が、原料フィルムの間に気体を吐出してポケットを成形する様子を示す図である。
図10】実施の形態に係る容器フィルムを示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)のB-B線における断面矢視図である。
図11】実施の形態に係る封止装置の正面図である。
図12】実施の形態に係る容器フィルムを示し、(A)はワークが投入された直後の状態を示す図であり、(B)は封止装置により封止された状態を示す図である。
図13】実施の形態に係るチャックフィーダの正面図である。
図14】実施の形態に係る包装パックを示し、(A)は正面図であり、(B)は蓋部分が切り取られた状態を示す図である。
図15】(A)は変形例に係る金型の平面図であり、(B)は変形例に係る金型の(A)のB-B線における断面矢視図である。
図16】変形例に係る成形装置の動作を説明するための図であり、(A)は原料フィルムを金型で挟持する様子を示す図であり、(B)は原料フィルムの間に気体吐出プラグを差し込む様子を示す図である。
図17】変形例に係る成形装置が、原料フィルムの間に気体を吐出してポケットを成形する様子を示す図である。
図18】変形例に係るバッファユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態に係る包装機は、第1原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、折り畳みユニットと、成形装置と、ワーク充填ユニットと、封止装置と、を備える。折り畳みユニットは、第1原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における中央部から折り畳むことにより、第2原料フィルムと、第2原料フィルムの延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における一端部で第2原料フィルムに連続し且つ第2原料フィルムと重ねて配置される第3原料フィルムと、を形成する。成形装置は、第2原料フィルムと第3原料フィルムとが重ねて配置された状態で、凹部と凹部に連通する連通溝とを有する第1金型と第1金型と対向する第2金型とにより、第2原料フィルムと第3原料フィルムとの重畳方向における両側から第2原料フィルムと第3原料フィルムとが重なった部分に凹部が対向し且つ連通溝が凹部よりも第2原料フィルムおよび第3原料フィルムの幅方向における他端側に位置するように挟持した状態で、第2原料フィルムおよび第3原料フィルムの幅方向における他端側から第2原料フィルムと第3原料フィルムとの間における連通溝に対向する領域を通じて第2原料フィルムと第3原料フィルムとの間における凹部に対向する領域に気体を吐出することにより第2原料フィルムと第3原料フィルムとの少なくとも一方にポケットを成形するとともに、ポケットが成形される少なくとも一方のポケットが成形される部分の外周部と他方とを接着させることによりパックフィルムを生成する。ワーク充填ユニットは、パックフィルムの幅方向における他端側からポケットの内側にワークを充填する。封止装置は、ポケットの内側にワークが充填された状態で、パックフィルムの幅方向における他端部を封止する。
【0010】
本実施の形態に係る包装機は、図1に示すように、原料フィルム供給ユニット11と、折り畳みユニット12と、スリッタ13と、チャックフィーダ14と、成形装置15と、ワーク充填ユニット16と、封止装置17と、チャックフィーダ18と、長尺のベース21と、を備える。原料フィルム供給ユニット11は、原料フィルムF1が巻回されるフィルムリール111と、ベース21から立設し先端部でフィルムリール111を支持する支柱112と、を有する。フィルムリール111は、図2に示すように、シャフト1116と、シャフト1116に外嵌され外側に原料フィルムF1が巻回される円筒状の巻回部1111と、巻回部1111の筒軸方向における両端部それぞれから筒軸方向と直交する方向へ張り出した外鍔部1112と、を有する。また、フィルムリール111は、シャフト1116の長手方向における外鍔部1112それぞれの外側部分に嵌入固定されたリング1113を有する。また、支柱112の先端部には、+Z方向側の端縁から-Z方向側へ延在する切欠112aが形成されておいる。そして、支柱112は、フィルムリール111のシャフト1116における外鍔部1112とリング1113との間の部分が切欠112aの内側に嵌入された状態でフィルムリール111を支持する。
【0011】
図1に戻って、折り畳みユニット12は、折り目形成部121と、畳みガイド部122と、フィルムガイド123と、を有し、原料フィルムF1の延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における中央部に折り目を形成した後、原料フィルムF1の幅方向における折り目の両側を折り目から折り畳むことにより、原料フィルムF2と、原料フィルムF2の延長方向および厚さ方向と直交する幅方向における一端部で原料フィルムF2に連続し且つ原料フィルムF2と重ねて配置される原料フィルムF3と、を形成する。折り目形成部121は、図2に示すように、長尺円筒状のガイドローラ1211と、ガイドローラ1211の筒軸方向における両端部それぞれから筒軸方向と直交する方向へ張り出した外鍔部1212と、ガイドローラ1211の内側に挿通されガイドローラ1211の両端部に固定された軸受1215を介してガイドローラ1211を回転自在に支持するシャフト1216と、シャフト1216の両端部それぞれを支持する2本の支柱1213と、を有する。2本の支柱1213それぞれの基端部は、ベース21に固定されている。また、折り目形成部121は、2本の支柱1213の先端部に架設された梁1217と、梁1217の中央部に固定され、ガイドローラ1211の+Z方向側に載置された原料フィルムF1の中央部に+Z方向側から折りローラ1214aを押し付けることにより原料フィルムF1の幅方向における中央部に折り目を形成する折りローラユニット1214と、を有する。ガイドローラ1211は、図3(A)に示すように、筒軸方向における中央部において、筒軸周りの周方向全体に亘って延在する断面V字状の溝1211aが形成されている。また、折りローラユニット1214は、円盤状であり厚さ方向に沿った中心軸方向における中央部が径方向に張り出し且つ中心軸方向における両端側に向かうほど中心軸に近づくように傾斜した側面形状を有し原料フィルムF1に折り目を付けるための折りローラ1214aと、折りローラ1214aを前述の中心軸がガイドローラ1211の筒軸方向と略平行となる姿勢で回転自在に保持するとともに梁1217に固定されたローラユニット本体1214bと、を有する。そして、図3(B)に示すように、ガイドローラ1211の+Z方向側に原料フィルムF1が載置された状態で、折りローラ1214aの側面における径方向に張り出した周縁部分がガイドローラ1211の溝1211aに嵌入するように押し付けられることにより、原料フィルムF1の幅方向における中央部に折り目が形成される。ここで、前述のようにガイドローラ1211の両端部に外鍔部1212が設けられている。これにより、ガイドローラ1211に載置される原料フィルムF1の幅方向への移動が規制されるため、折り目が原料フィルムF1の幅方向における略中央部からずれることが抑制される。
【0012】
図2に戻って、畳みガイド部122は、原料フィルムF1がその幅方向における中央部から折り畳まれることにより生成された互いに重ねて配置された原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側から原料フィルムF2、F3を挟持する2本の円筒状のガイドローラ1221を有する。また、畳みガイド部122は、図4に示すように、ガイドローラ1221の内側に挿通されガイドローラ1221の両端部に固定された軸受1224を介してガイドローラ1221をそれらの筒軸周りに回転自在に支持するシャフト1225と、シャフト1225の長手方向における両端部を、それらの長手方向がZ軸方向と略一致する姿勢で保持する2つの保持部1222と、シャフト1225の両端部を保持部1222に固定するための固定部材1226と、を有する。これにより、2本のガイドローラ1221は、それぞれ、シャフト1225に支持された状態で、それらの筒軸がZ軸方向に沿う姿勢で略平行に配置されている。また、畳みガイド部122は、2つの保持部1222をZ軸方向に離間した状態で支持する支柱1223を有し、支柱1223の基端部は、ベース21に固定されている。保持部1222は、長尺の矩形板状の主片1222bと、主片1222bの長手方向における一端部から立設した側片1222cと、主片1222bの幅方向における両端部それぞれから立設した側片1222dと、を有する。そして、側片1222cが、支柱1223に固定されている。主片1222bには、長手方向に沿って延在し主片1222bの厚さ方向に貫通する長孔1222aが形成されている。そして、2本のガイドローラ1221のうちの+X方向側に配置される一方の内側に挿通されたシャフト1225は、その両端部が長孔1222aに挿通された状態で主片1222bに固定部材1226により固定されている。そして、シャフト1225の両端部が固定される位置は、長孔1222aの長手方向において変更可能となっている。これにより、2本のガイドローラ1221の間の隙間は、+X方向側に配置されたガイドローラ1221に挿通されたシャフト1225の保持部1222における固定位置を変更することで、原料フィルムF2、F3の厚さに適した幅に設定することができる。なお、Y軸方向における、折り目形成部121のガイドローラ1111の筒軸と、畳みガイド部122のガイドローラ1221の筒軸と、の間の距離は、例えば300mm以上且つ600mm以下に設定される。
【0013】
フィルムガイド123は、原料フィルムF2、F3のZ軸方向への蛇行を抑制する。具体的には、フィルムガイド123は、原料フィルムF2、F3の-Z方向側を支持し原料フィルムF2、F3が-Z方向側へ垂れてしまうことを抑制する。また、フィルムガイド123は、畳みガイド部122から搬出された重ね合わされた原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部が離間した状態にならないように原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部のX軸方向における両側から原料フィルムF2、F3を保持した状態で原料フィルムF2、F3を案内する。
【0014】
図1に戻って、スリッタ13は、原料フィルムF2、F3を案内するフィルムガイド131と、スリット形成部132と、を有し、互いに重ね合わされた原料フィルムF2、F3の互いに対向する面側とは反対側にY軸方向に延在する溝を形成する。スリット形成部132は、原料フィルムF2、F3の厚さ方向における両側において互いに対向するように配置された刃(図示せず)を有し、搬送される原料フィルムF2、F3における、包装パックBP1の蓋部分と本体部分との間の境界部分に対応する部分に刃の先端部を当接させることにより溝を形成する。
【0015】
チャックフィーダ14は、可動チャックユニット141と、固定チャックユニット142と、基台143と、を有する。基台143は、ベース21に固定されている。可動チャックユニット141は、図5に示すように、原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部を挟持するチャック1411と、長尺であり長手方向における+Z方向側の端部でチャック1411を支持する支柱1412と、基台143に対してY軸方向に移動自在に配置され+Z方向側に支柱1412の基端部が固定されたスライド体1413と、スライド体1413を矢印AR101に示す方向へ移動させるチャック移動機構1414と、を有する。可動チャックユニット141は、チャック1411が原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部を挟持した状態で、スライド体1413を+Y方向へ移動させた後、チャック1411による原料フィルムF2、F3の挟持を解除してから-Y方向側へ戻り、その後、再びチャック1411により原料フィルムF2、F3を挟持することを繰り返すことで、原料フィルムF2、F3を間欠的に成形装置15へ搬送する。固定チャックユニット142は、原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部を挟持するチャック1421と、長尺であり長手方向における+Z方向側の端部でチャック1421を支持し基端部が基台143に固定された支柱1422と、を有する。固定チャックユニット142は、可動チャックユニット141が原料フィルムF2、F3の挟持を解除した後、チャック1421により原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部を挟持し、スライド体1413が-Y方向側に戻りチャック1411により再び原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部が挟持された後、原料フィルムF2、F3の挟持を解除する。即ち、チャックフィーダ14では、固定チャックユニット142と、可動チャックユニット141とが交互に原料フィルムF2、F3を挟持しながら、原料フィルムF2、F3を間欠的に搬送する。これにより、可動チャックユニット141においてスライド体1413が-Y方向側へ戻る方向へ移動する際、原料フィルムF2、F3がチャック1411に接触して-Y方向側へ戻ってしまうことを抑制できる。
【0016】
成形装置15は、図6に示すように、加熱部151と、原料フィルムF2、F3にポケットを成形するポケット成形部152と、上側フィルムガイド1541と、下側フィルムガイド1542と、フィルム加熱部1543と、装置本体153と、を有する。成形装置15は、加熱部151において原料フィルムF2、F3を加熱した後、ポケット成形部152において原料フィルムF2、F3にポケットを成形する。上側フィルムガイド1541と下側フィルムガイド1542とは、成形装置15に供給される、折り畳まれた原料フィルムF2、F3の幅方向における両端部に当接した状態で、原料フィルムF2、F3を加熱部151へ案内する。ここで、上側フィルムガイド1541は、-Z方向側ほど厚さが薄くなるような断面楔状の案内部材1541aを有し、案内部材1541aの-Z方向側の先端部を原料フィルムF2、F3の間に挿入した状態で原料フィルムF2、F3を案内する。フィルム加熱部1543は、-Z方向側ほど厚さが薄くなるような断面楔状の案内部材(図示せず)と、案内部材を加熱する例えばカートリッジ型のヒータ(図示せず)と、を有する。そして、原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部を、案内部材により互いに離れる方向へ拡げられた状態で加熱することで、原料フィルムF2、F3の+Z方向側の端部が拡げられた状態が維持されるようにする。これにより、原料フィルムF2、F3は、それらの上端部が互い離れる方向へ開いた状態でポケット成形部152へ搬送される。
【0017】
加熱部151は、加熱板1511、1512と、加熱板1511、1512の温度を制御する加熱制御部1513と、を有する。加熱板1511、1512は、それぞれ、原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側に配置され原料フィルムF2、F3を順次加熱する。ポケット成形部152は、原料フィルムF2、F3にポケットを成形するための金型セット1521と、ノズルユニット1522と、ノズルユニット1522を駆動する駆動部1523と、有する。ノズルユニット1522は、ノズル台(図示せず)と、ノズル台から金型セット1521側に突出した気体吐出ノズル(図示せず)と、を有する。駆動部1523は、圧縮気体を供給する気体供給源(図示せず)に接続されており、気体供給源から供給される圧縮気体を気体吐出ノズルから吐出させる。金型セット1521は、図7(A)および(B)に示すように、2つの金型15211、15212を含む。金型15211、15212は、それぞれ、成形しようとするポケットの形状に応じた形状を有する凹部15211a、15212aと、凹部15211a、15212aに連通する連通溝15211b、15212bと、を有する。また、金型15211、15212の凹部15211a、15212aから連通溝15211b、15212bへ向かう方向側の端部には、端縁に向かうにつれて金型15211、15212の厚さが薄くなるように傾斜したテーパ部15211c、15212cが形成されている。また、ポケット成形部152は、金型15211、15212を冷却する冷却機構(図示せず)を有する。
【0018】
ポケット成形部152では、まず、図8(A)の矢印AR11に示すように、金型15211、15212を、原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側から原料フィルムF2、F3を挟持する形で突き合わせる。次に、図8(B)の矢印AR21に示すように、ノズルユニット1522の気体吐出孔15221を原料フィルムF2、F3における連通溝15211b、15212bに対向する部分に配置する。このとき、ノズルユニット1522のノズル台15222が金型15211、15212のテーパ部15211c、15212cに原料フィルムF2、F3の図8(B)における上端部を介して当接する。その後、図9の矢印AR31に示すように、気体吐出ノズル15221から原料フィルムF2、F3の間に気体が吐出されることでポケットPo1が成形される。つまり。ポケット成形部152は、原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側から原料フィルムF2、F3が重なった部分に金型15211、15212の凹部15211a、15212aが対向し且つ連通溝15211b、15212bが凹部15211a、15212aよりも+Z方向における他端側に位置するように挟持した状態で、原料フィルムF2、F3の+Z方向側から原料フィルムF2、F3の間における連通溝15211b、15212bに対向する第1領域S1を通じて原料フィルムF2、F3の間における凹部15211a、15212aに対向する第2領域S2に気体を吐出することにより、原料フィルムF2、F3にポケットPo1を成形する。また、ポケット成形部152は、原料フィルムF2、F3におけるポケットPo1が成形される部分の外周部同士を接着させる。このとき、冷却機構は、金型15211、15212を冷却しており、原料フィルムF2、F3にポケットPo1が成形された後、加熱されて軟化した原料フィルムF1、F3が冷却されて硬化する。これにより、図10(A)および(B)に示すように、複数のポケットPo1が延長方向に沿って並列するパックフィルムF4が形成される。このパックフィルムF4は、複数のポケットPo1を有する容器フィルムF41、F42のポケットPo1が突出する側とは反対側のポケットPo1の外周部分同士が接着されてなり、ポケットPo1に対応する部分に空隙が形成された構造を有する。また、容器フィルムF41、F42の、容器フィルムF41、F42が連続する側とは反対側の端部は、互いに離れる方向へ開いた状態となっている。
【0019】
図1に戻って、ワーク充填ユニット16は、液体、粉体等のワークを吐出するワーク吐出ノズル161aを有するワーク供給ヘッド161と、パックフィルムF4を-Z方向側から支持するフィルム支持部162と、を有する。ワーク充填ユニット16は、ワーク供給ヘッド161の-Z方向側に配置されたパックフィルムF4の+Z方向側からポケットPo1の内側へワーク吐出ノズル161aを挿入させるようにワーク供給ヘッド161を-Z方向側へ移動させてからワークをポケットPo1の内側へ供給する。そして、ワーク充填ユニット16は、ワークの供給が完了すると、ワーク供給ヘッド161を+Z方向側へ移動させることにより、ワーク吐出ノズル161aをパックフィルムF4から離脱させる。
【0020】
封止装置17は、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を封止する。封止装置17は、図11に示すように、上側フィルムガイド175、176と、加熱部171、172、173と、冷却部174と、下側フィルムガイド177と、を有する。上側フィルムガイド175、176と下側フィルムガイド177は、封止装置17に供給されるパックフィルムF4の幅方向における両端部に当接した状態で、パックフィルムF4を案内する。下側フィルムガイド177は、冷却機構により冷却されており、パックフィルムF4の-Z方向側の端部を支持することで、パックフィルムF4が-Z方向側へ垂れてしまうことを抑制している。
【0021】
加熱部171、172、173は、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を加熱した状態で挟持することにより、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を徐々に熱収縮させながら潰していく。これにより、封止装置17への投入直前において、図12(A)に示すように容器フィルムF41、F42の+Z方向側の端部が開いた状態だったパックフィルムF4が、図12(B)に示すように容器フィルムF41、F42の+Z方向側の端部同士が接着され封止された状態になる。冷却部174は、金型(図示せず)と、金型を冷却する冷却機構(図示せず)と、を有し、金型をパックフィルムF4の+Z方向側の端部に押し当てることによりパックフィルムF4の+Z方向側の端部を冷却して硬化させる。
【0022】
チャックフィーダ18は、可動チャックユニット181と、固定チャックユニット182と、基台183と、を有する。基台183は、ベース21に固定されている。可動チャックユニット181は、図13に示すように、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を挟持するチャック1811と、長尺であり長手方向における+Z方向側の端部でチャック1811を支持する支柱1812と、基台183に対してY軸方向に移動自在に配置され+Z方向側に支柱1812の基端部が固定されたスライド体1813と、スライド体1813を矢印AR102に示す方向へ移動させるチャック移動機構1814と、を有する。可動チャックユニット181は、チャック1811がパックフィルムF4の+Z方向側の端部を挟持した状態で、スライド体1813を+Y方向へ移動させた後、チャック1811によるパックフィルムF4の挟持を解除してから-Y方向側へ戻り、その後、再びチャック1811によりパックフィルムF4を挟持することを繰り返すことで、パックフィルムF4を間欠的に封止装置17の下流側へ搬送する。固定チャックユニット182は、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を挟持するチャック1821と、長尺であり長手方向における+Z方向側の端部でチャック1821を支持し基端部が基台183に固定された支柱1822と、を有する。固定チャックユニット182は、可動チャックユニット181がパックフィルムF4の挟持を解除した後、チャック1821によりパックフィルムF4の+Z方向側の端部を挟持し、スライド体1813が-Y方向側に戻りチャック1811により再びパックフィルムF4の+Z方向側の端部が挟持された後、パックフィルムF4の挟持を解除する。即ち、チャックフィーダ18では、固定チャックユニット182と、可動チャックユニット181とが交互にパックフィルムF4を挟持しながら、パックフィルムF4を間欠的に搬送する。これにより、可動チャックユニット181においてスライド体1813が-Y方向側へ戻る方向へ移動する際、パックフィルムF4がチャック1811に接触して-Y方向側へ戻ってしまうことを抑制できる。ここで、チャックフィーダ18の1回の送り量は、チャックフィーダ14の1回の送り量よりも大きく設定されている。これにより、2つのチャックフィーダ14、18間における原料フィルムF2、F3、パックフィルムF4に加わる張力を維持することができる。また、チャックフィーダ18が、封止装置17の下流側に配置されていることにより、省スペース化を図ることができ、包装機全体の小型化を図ることができる。
【0023】
本実施の形態に係る包装機を使用した包装パックBP1の製造方法では、まず、折り畳みユニット12において、原料フィルムF1の幅方向における中央部に折り目を形成してから、原料フィルムF1の幅方向における折り目の両側を折り畳んで重ねることにより原料フィルムF2、F3を生成する。次に、成形装置15において、原料フィルムF2、F3を加熱した状態で、原料フィルムF2、F3の間に気体を吐出することで、原料フィルムF2、F3の幅方向における互いに連続する側を膨らまして原料フィルムF2、F3にポケットPo1を成形してパックフィルムF4を生成する。続いて、パックフィルムF4のポケットPo1にワーク供給ヘッド161のワーク吐出ノズル161aを挿入した状態で、ワーク吐出ノズル161aを通じてポケットPo1内にワークを充填する。その後、封止装置17において、パックフィルムF4の+Z方向側の端部を加熱して潰すことを複数回行うことで当該端部を段階的に平坦にしてから完全に封止し、当該端部を冷却して硬化させる。次に、打ち抜き装置(図示せず)において、打抜型を用いてパックフィルムF4から包装パックを打ち抜く。これにより、例えば図14(A)に示すような、本体部分B1と蓋部分R1とを有する包装パックBP1が作製される。この包装パックBP1の本体部分B1と蓋部分R1との間の境界部分には、スリッタ13で形成されたスリットSL1が位置している。そして、包装パックBP1の利用者は、図14(B)に示すように、包装パックBP1の蓋部分R1を捻ることで、蓋部分R1を本体部分B1から離脱させて開封することができる。
【0024】
以上説明したように、本実施の形態に係る包装機によれば、幅方向における一端部で連続した原料フィルムF2、F3を形成した後、原料フィルムF2、F3の幅方向における他端側から原料フィルムF2、F3の間における金型15211、15212の凹部15211a、15212aに対向する領域に気体を吐出することにより、原料フィルムF2、F3の幅方向における一端部側を膨らますことによりポケットPo1を形成する。これにより、ポケットPo1の形状を、ポケットPo1における原料フィルムF2、F3の一端部側を原料フィルムF2、F3の厚さ方向に沿った方向へ立ち上がった形状とすることができるので、ポケットPo1の一端側の底が比較的平坦な包装パックBP1を作製することができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、折り畳みユニット12の畳みガイド部が、ガイドローラ1211に代えて、互いに近接して配置された2つの円柱状のガイドシャフト(図示せず)を有するものであってもよい。また、実施の形態に係る折り畳みユニット12では、原料フィルムF1における折り目が形成される面側へ折り目の両側を折り畳むことにより原料フィルムF2、F3を形成する例について説明した。但し、これに限らず、例えば折り畳みユニットが、原料フィルムF1における折り目が形成される面側とは反対側へ折り目の両側を折り畳むことにより原料フィルムF2、F3を形成するものであってもよい。
【0026】
実施の形態において、スリッタが、刃を原料フィルムF2、F3における、包装パックBP1の蓋部分と本体部分との間の境界部分に対応する部分に押し付けることにより溝を形成するものであってもよい。或いは、スリッタが、搬送される原料フィルムF2、F3における、包装パックBP1の蓋部分と本体部分との間の境界部分に対応する部分にレーザ光を照射することにより溝を形成するものであってもよい。また、スリッタ13が、成形装置15により原料フィルムF2、F3にポケットPo1を成形する工程よりも後の工程に配置されるものであってもよい。
【0027】
実施の形態において、スリッタが、包装パックBP1の端部の幅方向全体に亘って溝を形成せずに、幅方向における一方の端部を残す形で溝を形成するものであってもよい。本構成によれば、包装パックBP1の蓋部分を開封した場合、本体部分と蓋部分とが繋がった状態となるので、蓋部分が本体部分から離脱して単独の廃棄物となってしまうことを抑制できる。特に、蓋部分が小さい子供等により誤飲されてしまうことも未然に防げる。
【0028】
実施の形態において、互いに重ね合わされた原料フィルムF2、F3における包装パックのいわゆるノッチカット部分に対応する部分に原料フィルムF2、F3を厚さ方向に貫通するスリットまたは貫通孔を形成するノッチカット形成装置を備えるものであってもよい。このノッチカット形成装置は、例えばノッチカット形状に応じた形状を有するバイト(図示せず)を有し、バイトを原料フィルムF2、F3の厚さ方向における一方側から当接させて他方側へ移動させることにより原料フィルムF2、F3を貫通するスリットまたは貫通孔を形成するものであってもよい。
【0029】
実施の形態において、例えば図15(A)および(B)に示すように、金型セット21521が、3つの金型215211、215212、215213を含むものであってもよい。金型215211、215212は、それぞれ、成形しようとするポケットの形状に応じた形状を有する凹部215211a、215212aと、凹部215211a、215212aに連通する連通溝215211b、215212bと、を有する。凹部215211a、215212aにおける連通溝215211b、215212b側とは反対側の端部は開放されている。また、金型215211、215212の凹部215211a、215212aから連通溝215211b、215212bへ向かう方向側の端部には、端縁に向かうにつれて金型215211、215212の厚さが薄くなるように傾斜したテーパ部215211c、215212cが形成されている。金型215213は、金型215211、214212それぞれにおける凹部215211a、215212aが形成された側の面同士が対向するように突き合わされた状態で、金型215211、215212におけるテーパ部215211c、215212c側とは反対側の端面を覆うように金型215211、215212に突き合わされる。
【0030】
ここで、ポケット成形部152では、まず、図16(A)の矢印AR211に示すように、金型215211、215212を、原料フィルムF2、F3の重畳方向における両側から原料フィルムF2、F3を挟持する形で突き合わせるとともに、矢印AR212に示すように、金型215213を、金型215211、215212の図16(A)における下端面を覆うように金型215211、215212に突き合わせる。次に、図16(B)の矢印AR221に示すように、ノズルユニット21522の気体吐出孔215221を原料フィルムF2、F3における連通溝15211b、15212bに対向する部分に配置する。このとき、ノズルユニット1522のノズル台15222が金型215211、215212のテーパ部215211c、215212cに原料フィルムF2、F3の図16(B)における上端部を介して当接する。その後、図17の矢印AR231に示すように、気体吐出孔215221から原料フィルムF2、F3の間における連通溝215211b、215212bに対向する第1領域S1を通じて、原料フィルムF2、F3の間の領域S2に気体が吐出されることでポケットPo1が成形される。
【0031】
本構成によれば、例えば金型215213について、凹部215211a、215212aに対向する部分から上側に突出する構造を設けることで、実施の形態に係る金型15211、15212では作製できないポケットPo1の形状を実現することができる。従って、作製できるポケットPo1の形状のバリエーションを増やすことができる。
【0032】
実施の形態において、例えば図18に示すように、ワーク充填ユニット16と、封止装置17と、の間にパックフィルムF4を一時的に蓄積しておくバッファユニット3019が設けられていてもよい。バッファユニット3019は、パックフィルムF4が+Z方向側に載置されるステージ3191と、ステージ3191におけるパックフィルムF4の搬送方向に沿って回転軸がZ軸方向に沿うように離間して配置されたガイドローラ3192、3193と、Y軸方向におけるガイドローラ3192、3193の間において回転軸がZ軸方向に沿うように配置されパックフィルムに張力を印加するテンションローラ3194と、付勢機構3195と、を有する。ガイドローラ3192、3193は、パックフィルムF4の+X方向側の面に当接し、テンションローラ3194は、パックフィルムF4の-X方向側の面に当接している。そして、付勢機構3195は、テンションローラ3194を+X方向へ付勢することによりパックフィルムに張力を印加する。付勢機構3195は、エアリリンダ、バネ等によりテンションローラ3194を+X方向側へ付勢する。なお、このバッファユニット3019が、チャックフィーダ18とチャックフィーダ18の下流側に設置された打ち抜き装置との間に配置されていてもよい。また、バッファユニット3019は、ステージ3191のみを備えるものであってもよい。
【0033】
実施の形態において、折り畳みユニット12の折り目形成部121のX軸方向における両側から、折り畳みユニット12の畳みガイド部122へ2つの原料フィルムを供給することができる副原料フィルム供給ユニットを更に備えるものであってもよい。この場合、1つの原料フィルムを折り畳んでパックフィルムF4を作製する場合と、当該副原料フィルム供給ユニットから2つの原料フィルムを供給してパックフィルムを作製する場合と、の両方に適用することができる。
【0034】
実施の形態において、封止装置17が、冷却部174によりパックフィルムF4の+Z方向側の端部を冷却して硬化させた後、パックフィルムF4の+Z方向側の端部に刻印を実行する刻印部(図示せず)を有するものであってもよい。
【0035】
実施の形態において、2枚の原料フィルムF2、F3を重ね合わせる重ね合わせ工程と、互いに重ね合わされた2枚の原料フィルムF2、F3を加熱した状態で、2枚の原料フィルムF2、F3の両方を膨らますようにして2枚の原料フィルムF2、F3の互いに対向する部分にポケットPo1を成形することによりパックフィルムF4を生成する工程と、パックフィルムF4におけるポケットPo1と連通する部分にワーク供給ヘッドのワーク吐出ノズルを挿入してワークをポケットPo1内に充填する工程と、パックフィルムF4の端部を段階的に平坦にしてから封止する工程と、を行うものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、例えば液体を充填するための包装パックを製造に好適である。
【符号の説明】
【0037】
11:原料フィルム供給ユニット、12:折り畳みユニット、13:スリッタ、14、18:チャックフィーダ、15:成形装置、16:ワーク充填ユニット、17:封止装置、21:ベース、111:フィルムリール、112:支柱、121:折り目形成部、122:畳みガイド部、123,131:フィルムガイド、132:スリット形成部、141,181:可動チャックユニット、142,182:固定チャックユニット、143,183:基台、151,171,172,173:加熱部、152:ポケット成形部、153:装置本体、161:ワーク供給ヘッド、161a:ワーク吐出ノズル、162:フィルム支持部、175,176,1541:上側フィルムガイド、174:冷却部、177:下側フィルムガイド、1211,3192,3193:ガイドローラ、1211a:溝、1214:折りローラユニット、1214a:折りローラ、1511,1512:加熱板、1513:加熱制御部、1521:金型セット、1522:ノズルユニット、1523:駆動部、1542:下側フィルムガイド、1543:フィルム加熱部、3019:バッファユニット、3191:ステージ、3194:テンションローラ、15211,15212,215211,215212,215213:金型、BP1:包装パック、F1,F2,F3:原料フィルム、F4:パックフィルム、F41,F42:容器フィルム、Po1:ポケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18