(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025097948
(43)【公開日】2025-07-01
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理方法及び医用情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20250624BHJP
G16H 50/70 20180101ALI20250624BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20250624BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20250624BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H50/70
G16H10/60
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024220051
(22)【出願日】2024-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2023213454
(32)【優先日】2023-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高澤 純一
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】篠原 滉平
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 展樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀行
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
5L099AA25
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】従来に比して、診断の効率を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る医用情報処理装置は、第1取得部と、抽出部と、第1特定部と、第2特定部と、表示制御部と、を備える。第1取得部は、患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得する。抽出部は、患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出する。第1特定部は、投薬情報から、有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定する。第2特定部は、関連薬剤がある場合、関連薬剤に関する関連画像情報を特定する。表示制御部は、有害事象情報と、投薬情報と、薬剤に関する薬剤情報と、関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得する第1取得部と、
前記患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出する抽出部と、
前記投薬情報から、前記有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定する第1特定部と、
前記関連薬剤がある場合、前記関連薬剤に関する関連画像情報を特定する第2特定部と、
前記有害事象情報と、前記投薬情報と、前記薬剤に関する薬剤情報と、前記関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する表示制御部と、
を備える、医用情報処理装置。
【請求項2】
前記第1特定部は、前記投薬情報と、前記患者に前記薬剤を投与した日時から前記有害事象の発生が予兆される予兆期間を含む予兆期間情報と、に基づいて、前記関連薬剤を特定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記第2特定部は、前記予兆期間に基づいて、前記予兆期間内に撮像された撮像画像データを含む、前記関連画像情報を特定する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記有害事象情報は、前記有害事象の重症度を示す重症度情報を含む、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得し、
前記患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出し、
前記投薬情報から、前記有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定し、
前記関連薬剤がある場合、前記関連薬剤に関する関連画像情報を特定し、
前記有害事象情報と、前記投薬情報と、前記薬剤に関する薬剤情報と、前記関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する、
ことを含む、医用情報処理方法。
【請求項6】
患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得し、
前記患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出し、
前記投薬情報から、前記有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定し、
前記関連薬剤がある場合、前記関連薬剤に関する関連画像情報を特定し、
前記有害事象情報と、前記投薬情報と、前記薬剤に関する薬剤情報と、前記関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する、
各処理をコンピュータに実行させる、医用情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法及び医用情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医師は、心毒性を有する抗がん剤等の薬剤を患者に投与する場合、治療前、治療開始後及び治療中において、定期的な心機能検査(心機能モニタリング)を行うことが推奨されている。医師は、患者に心毒性が発生すると、例えば、患者に投与した抗がん剤、抗がん剤を投与したことによる心臓障害等の有害事象や、心機能検査の結果を示す撮像画像等の各種情報を確認し、患者への診断を行う。しかしながら、上述したこれらの情報が関連付けておらず、医師は、診断に対して手間が発生しているため、更なる改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、従来に比して、診断の効率を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用情報処理装置は、第1取得部と、抽出部と、第1特定部と、第2特定部と、表示制御部と、を備える。第1取得部は、患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得する。抽出部は、患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出する。第1特定部は、投薬情報から、有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定する。第2特定部は、関連薬剤がある場合、関連薬剤に関する関連画像情報を特定する。表示制御部は、有害事象情報と、投薬情報と、薬剤に関する薬剤情報と、関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る医用情報処理装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る有害事象情報の一例を示すテーブルである。
【
図3】
図3は、実施形態に係る投薬情報の一例を示すテーブルである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る薬剤詳細情報の一例を示すテーブルである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像情報の一例を示すテーブルである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る出力情報の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1変形例に係る医用情報処理装置を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1変形例に係る出力情報の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1変形例に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第2変形例に係る出力情報の一例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第2変形例に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置、医用情報処理方法及び医用情報処理プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る医用情報処理装置、医用情報処理方法及び医用情報処理プログラムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る医用情報処理装置10を示すブロック図である。例えば、
図1に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置10は、ネットワーク30を介してデータ保管装置20と通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク30は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を含む。なお、
図1に示すネットワーク30には、医用情報処理装置10及びデータ保管装置20のみが接続されているが、実際には、その他種々の装置及びシステムが接続されている。
【0009】
データ保管装置20は、患者の医療情報(診療データ)や、種々のガイドライン等の情報を保管する。具体的には、データ保管装置20は、ネットワーク30に接続された種々の装置やシステムから医療情報のデータ(生データや、医用画像、解析結果、レポート等)を受信し、受信した医療情報のデータを自装置内の記憶回路に記憶させて保管する。
【0010】
また、データ保管装置20は、ガイドラインや文献など情報を保管するための操作に応じて、当該情報のデータを自装置内の記憶回路に記憶させて保管する。例えば、データ保管装置20は、PACS(Picture Archiving AND Communication System)や、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)等によって実現される。
【0011】
医用情報処理装置10は、例えば、病院内に勤務する医師によって操作される装置であり、従来に比して、医師による診断の効率を向上させるための各種処理を実行する。例えば、医師は、患者に心毒性が発生すると、患者に投与した抗がん剤、抗がん剤を投与したことによる心臓障害等の有害事象や、心機能検査の結果を示す撮像画像等の各種情報を確認し、患者への診断を行う。医用情報処理装置10は、上述したこれらの情報が関連付け、医師は関連付けられた情報を確認し、患者に対して、診断を行うことを可能にし、従来に比して、診断の効率を向上させる。例えば、医用情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)や、ワークステーション、サーバ等のコンピュータ装置によって実現される。
【0012】
本実施形態に係る医用情報処理装置10は、
図1に示すように、通信インターフェース11、入力インターフェース12、ディスプレイ13、記憶回路14及び処理回路15を備える。
【0013】
通信インターフェース11は、医用情報処理装置10と、ネットワーク30を介して接続された各装置との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インターフェース11は、処理回路15に接続されており、ネットワーク30上の各装置から受信したデータを処理回路15に対して、送信、又は、処理回路15から受信したデータをネットワーク30上の各装置に送信する。例えば、通信インターフェース11は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network interface Controller)等によって実現される。
【0014】
入力インターフェース12は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース12は、処理回路15に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路15に送信する。例えば、入力インターフェース12は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。
【0015】
なお、本明細書において、入力インターフェース12は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ送信する電気信号の処理回路も入力インターフェース12の例に含まれる。
【0016】
ディスプレイ13は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ13は、処理回路15に接続されており、処理回路15から受信した各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ13は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。ディスプレイ13は、表示部の一例である。
【0017】
記憶回路14は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路14は、処理回路15に接続されており、処理回路15から受信したデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路15に送信する。例えば、記憶回路14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路14は、医用情報処理装置10とネットワーク30を介して接続されたクラウドコンピュータにより実現されることとしてもよい。
【0018】
処理回路15は、医用情報処理装置10の全体を制御する。具体的には、処理回路15は、医師による診断の効率を向上させるための各種処理を実行する。例えば、処理回路15は、ネットワーク30上の装置とのデータのやり取り、記憶回路14に対するデータの保存、データを用いた種々の処理を制御する。
【0019】
例えば、
図1に示すように、本実施形態では、医用情報処理装置10の処理回路15が、登録機能151、第1取得機能152、抽出機能153、整列機能154、第1特定機能155、判定機能156、第2取得機能157、第2特定機能158、第3取得機能159及び表示制御機能160を実行する。
【0020】
登録機能151は、有害事象情報を登録する。登録機能151は、登録部の一例である。具体的には、登録機能151は、操作者が操作する入力インターフェース12と協働して、記憶回路14に、患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を登録する。有害事象情報は、例えば、抗がん剤による心毒性の有害事象を示す症状である。
【0021】
ここで、登録機能151が記憶回路14に登録する有害事象情報について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る有害事象情報の一例を示すテーブルである。
図2に示すように、有害事象情報T1は、患者名を含む患者情報と、発生した有害事象と、患者が心毒性を発生した日時を含む発生日時情報と、を含む情報である。
【0022】
患者情報は、患者名、患者を識別するための識別子を含む。発生した有害事象は、
図2に示す中毒性心筋炎、心機能低下に限定されず、抗がん剤による心毒性の有害事象を示す症状を含む、例えば、左室機能障害、心筋虚血、不整脈、中毒性心筋炎等がある。
【0023】
有害事象情報T1は、これに限定されず、例えば、有害事象の重症度を示す重症度情報を含んでも良い。重症度情報は、例えば、CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)により定められた基準である。なお、重症度情報はこれに限定されない。有害事象情報T1は、登録機能151が記憶回路14に登録した日時を含む登録日時情報を含んでも良い。
【0024】
図1に戻り、第1取得機能152は、有害事象情報を取得する。第1取得機能152は、第1取得部の一例である。具体的には、第1取得機能152は、記憶回路14から、登録機能151が登録した、患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得する。
【0025】
抽出機能153は、投薬情報を抽出する。抽出機能153は、抽出部の一例である。具体的には、抽出機能153は、記憶回路14から、第1取得機能152が取得した有害事象情報に含まれる、患者情報に基づいて、患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出する。
【0026】
ここで、抽出機能153が記憶回路14から抽出する投薬情報について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る投薬情報の一例を示すテーブルである。
図3に示すように、投薬情報T2は、患者名を含む患者情報と、患者に投与した薬剤情報を含む薬剤と、患者に薬剤を投与した投与した投与日時を含む投与日時情報と、を含む情報である。患者に投与した薬剤情報は、
図3に示すシクロホスファミド、ドキソルビシンに限定されない。
【0027】
図1に戻り、整列機能154は、予兆期間情報を整列する。整列機能154は、整列部の一例である。具体的には、整列機能154は、抽出機能153が抽出した投薬情報に基づいて、記憶回路14に記憶する薬剤詳細情報から当該薬剤情報に含まれる薬剤に紐づけられた予兆期間情報を整列する。
【0028】
ここで、整列機能154が整列する予兆期間情報について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る薬剤詳細情報の一例を示すテーブルである。
図4に示すように、薬剤詳細情報T3は、薬剤を含む投薬情報と、有害事象を含む有害事象情報と、当該薬剤を患者に投与し、投与した日時から有害事象の発生が予兆される予兆期間を含む予兆期間情報と、当該薬剤に関連付けられた画像情報と、を含む情報である。薬剤に関連付けられた画像情報は、他のシステムで解析された解析結果を含み、解析結果には、当該解析の際に用いられた元の撮像画像を含んでも良い。画像情報について、後述する。
【0029】
図1に戻り、第1特定機能155は、有害事象の発生に関連する薬剤を特定する。第1特定機能155は、第1特定部の一例である。具体的には、第1特定機能155は、投薬情報から、有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定する。例えば、第1特定機能155は、抽出機能153が抽出した投薬情報と、整列機能154が整列した、患者に薬剤を投与した日時から有害事象の発生が予兆される予兆期間を含む予兆期間情報と、に基づいて、有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定する。
【0030】
例えば、第1特定機能155は、
図3に示す投薬情報に含む、薬剤に関連付けられた薬剤の投与日時と、
図4に示す薬剤詳細情報T3に含む、薬剤に関連付けられた有害事象の予兆期間と、から、有害事象の発生に起因した薬剤を含む関連薬剤情報を特定する。
図3及び
図4の場合、第1特定機能155が特定した薬剤は、ドキソルビシンであると特定する。関連薬剤情報は、薬剤の名称や、当該薬剤に関する効能を含む。なお、薬剤情報はこれに限定されない。
【0031】
判定機能156は、有害事象の発生に関連する薬剤はあるかを判定する。判定機能156は、判定部の一例である。具体的には、判定機能156は、第1特定機能155が特定した薬剤があるかを判定する。ここで、判定機能156は、第1特定機能155が特定した薬剤がある場合、有害事象の発生に関連する薬剤はあると判定する。他方で、判定機能156は、第1特定機能155が特定した薬剤がない場合、有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定する。
【0032】
第2取得機能157は、画像情報を取得する。第2取得機能157は、第2取得部の一例である。具体的には、第2取得機能157は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はあると判定した場合、記憶回路14から、判定機能156が判定した有害事象の発生に関連する薬剤を投与した患者の画像情報を取得する。
【0033】
ここで、第2取得機能157が取得する画像情報について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施形態に係る画像情報の一例を示すテーブルである。
図5に示すように、画像情報T4は、患者名を含む患者情報と、患者の画像種類を含む画像種類情報と、画像が撮像された撮像日時を含む撮像日時情報と、を含む情報である。
【0034】
なお、第2取得機能157は、当該画像情報について、複数の画像情報を取得しても良い。複数の画像情報は、例えば、有害事象の発生に関連する薬剤を投与した患者の画像情報と、当該有害事象の発生に関連する薬剤を投与した患者の画像情報と比較するための患者の画像情報である。比較するための患者の画像情報は、比較画像情報ともいう。比較画像情報は、例えば、有害事象が発生していない時の患者の画像データに関する情報である。
【0035】
第2特定機能158は、有害事象の発生に起因した薬剤がある場合、薬剤に関連する関連画像情報を特定する。第2特定機能158は、第2特定部の一例である。具体的には、第2特定機能158は、関連薬剤がある場合、関連薬剤に関する関連画像情報を特定する。例えば、第2特定機能158は、整列機能154が整列した予兆期間情報に含む、予兆期間に基づいて、第2取得機能157が取得した、予兆期間内に撮像された撮像画像データを含む、関連画像情報を特定する。
【0036】
図4及び
図5の場合、
図4に示す予兆期間に含まれる、
図5に示す撮像日時は、「2023-7-13 13:00」であることから、第2特定機能158が特定した関連する画像情報は、第2MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像であると特定する。
【0037】
第3取得機能159は、最新の画像情報を取得する。第3取得機能159は、第3取得部の一例である。具体的には、第3取得機能159は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定した場合、記憶回路14から、有害事象が発生した患者の最新の画像情報を取得する。
【0038】
表示制御機能160は、出力情報を表示する。表示制御機能160は、表示制御部の一例である。具体的には、表示制御機能160は、ディスプレイ13に出力情報を表示させる。例えば、表示制御機能160は、ディスプレイ13に、有害事象情報と、投薬情報と、薬剤に関する薬剤情報と、関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する。ここで、出力情報について、
図6を用いて説明する。
【0039】
図6は、実施形態に係る出力情報の一例を説明するための図である。
図6に示す出力情報は、本実施形態を具体的に説明するために、患者にドキソルビシンを投与した後、中毒性心筋炎が発生し、当該有害事象について、医師が患者に対し診断を行う場合に用いる情報として説明する。
【0040】
図6に示す出力情報40は、画像情報50、投薬情報60、関連薬剤情報70及び有害事象情報80を含む。画像情報50は、第2取得機能157が取得した画像情報である。
図6に示す画像情報50は、関連画像情報に含む画像データ51と、比較画像情報に含む、画像データ52を示す。
図6に示す投薬情報は、抽出機能153が抽出した投薬情報である。
図6に示す投薬情報60は、患者に投与した、ドキソルビシン及びアバスチンについて、薬剤毎に、投与した日時がわかるように、点で示している。
【0041】
関連薬剤情報70は、第1特定機能155が特定した関連薬剤情報である。
図6に示す関連薬剤情報70は、患者に投与したドキソルビシンの薬剤名を示す。有害事象情報80は、第1取得機能152が取得した有害事象情報や重症度情報である。
図6に示す有害事象情報は、当該患者の有害事象が発生した部位である心臓や、患者に投薬した日時を示すマーク81やマーク82、有害事象の名称、当該有害事象の重症度のCTCAEスコア、予兆期間83を示す。
【0042】
また、出力情報40の有害事象情報80には、画像情報50に含む画像データ51及び画像データ52が撮像された日時を示すマーク511及びマーク521を示しても良い。これにより、例えば、医師は、医用情報処理装置10が出力する出力情報が、有害事象が発生した患者について、患者に投与した薬剤、有害事象、心機能検査の結果を示す撮像画像等の各種情報が関連付けられているため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0043】
また、表示制御機能160は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定した場合、「関連する薬剤なし」と表示する。そして、表示制御機能160は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定した場合、第3取得機能159が、記憶回路14から取得した、有害事象が発生した患者の最新の画像情報を表示する。
【0044】
図7は、実施形態に係る医用情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、患者に有害事象が発生し、操作者により患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を記憶回路14に登録した後に開始するものとする。
【0045】
まず、第1取得機能152は、記憶回路14から、有害事象情報を取得する(ステップS71)。続いて、抽出機能153は、第1取得機能152が取得した有害事象情報に含まれる、患者情報に基づいて、患者に投与した投薬情報を抽出する(ステップS72)。
【0046】
続いて、整列機能154は、抽出機能153が抽出した投薬情報に基づいて、記憶回路14に記憶する薬剤詳細情報から当該薬剤情報に含む薬剤に紐づけられた予兆期間情報を整列する(ステップS73)。続いて、第1特定機能155は、抽出機能153が抽出した投薬情報と、整列機能154が整列した予兆期間情報と、に基づいて、有害事象の発生に起因した薬剤を特定する(ステップS74)。
【0047】
判定機能156は、有害事象の発生に関連する薬剤はあるかを判定する(ステップS75)。ここで、判定機能156は、第1特定機能155が特定した薬剤がない場合、有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定する(ステップS75:No)と、ステップS79へ進む。他方で、判定機能156は、第1特定機能155が特定した薬剤がある場合、有害事象の発生に関連する薬剤はあると判定する(ステップS75:Yes)と、ステップS76へ進む。
【0048】
ステップS76において、第2取得機能157は、記憶回路14から、判定機能156が判定した有害事象の発生に関連する薬剤を投与した患者の画像情報を取得する(ステップS76)。続いて、第2特定機能158は、整列機能154が整列した予兆期間情報に含む、予兆期間に基づいて、第2取得機能157が取得した、予兆期間内に撮像された、有害事象の発生に関連する関連画像情報を特定する(ステップS77)。
【0049】
続いて、表示制御機能160は、出力情報を表示する(ステップS78)。ステップS79において、表示制御機能160は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定した場合、「関連する薬剤なし」と表示する(ステップS79)。そして、表示制御機能160は、判定機能156が有害事象の発生に関連する薬剤はないと判定した場合、第3取得機能159が、記憶回路14から取得した、有害事象が発生した患者の最新の画像情報を表示する(ステップS80)。本処理が終了すると、医用情報処理装置10の処理回路15が行う処理は終了する。
【0050】
上述したように、実施形態によれば、医用情報処理装置10は、患者に発生した有害事象を示す有害事象情報を取得し、患者に投与した薬剤を示す投薬情報を抽出し、投薬情報から、有害事象の発生に関連する関連薬剤を特定し、関連薬剤がある場合、関連薬剤に関する関連画像情報を特定し、有害事象情報と、投薬情報と、薬剤に関する薬剤情報と、関連画像情報と、を含む、出力情報を表示する。
【0051】
これにより、例えば、有害事象が発生した患者に対して、医師が診断する場合、医用情報処理装置10が出力する出力情報が、有害事象が発生した患者について、患者に投与した薬剤、有害事象、心機能検査の結果を示す撮像画像等の各種情報が関連付けられているため、医師は、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0052】
また、医用情報処理装置10は、投薬情報と、患者に薬剤を投与した日時から有害事象の発生が予兆される予兆期間を含む予兆期間情報と、に基づいて、関連薬剤を特定する。さらに、医用情報処理装置10は、予兆期間に基づいて、予兆期間内に撮像された撮像画像データを含む、関連画像情報を特定する。
【0053】
これにより、例えば、医用情報処理装置10は、患者に投与した日時から有害事象の発生が予兆される予兆期間から、有害事象に関連する関連薬剤や撮像画像データを特定するため、医師は、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0054】
また、有害事象情報は、有害事象の重症度を示す重症度情報を含む。これにより、医師は、有害事象の重症度を把握することができるため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0055】
なお、上述した実施形態は、医用情報処理装置10が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0056】
(第1変形例)
例えば、医師は、出力情報40に含む関連薬剤情報70の関連薬剤を把握した後、当該関連薬剤の代用となる代替薬剤を特定し、特定した代替薬剤を患者に投与することを検討することがある。そこで、第1変形例に係る医用情報処理装置10では、代替薬剤を特定する形態について説明する。
【0057】
図8は、第1変形例に係る医用情報処理装置10を示すブロック図である。
図8に示すように、第1変形例に係る医用情報処理装置10の処理回路15は、登録機能151、第1取得機能152、抽出機能153、整列機能154、第1特定機能155、判定機能156、第2取得機能157、第2特定機能158、第3取得機能159、表示制御機能160及び第4取得機能161を備える。
【0058】
第4取得機能161は、入力操作情報を取得する。第4取得機能161は、第4取得部の一例である。具体的には、第4取得機能161は、操作者が操作する入力インターフェース12と協働して、出力情報40を操作した入力操作情報を取得する。例えば、第4取得機能161は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報(一例として、重症度のCTCAEスコア等)を押下した入力操作情報を取得する。なお、入力操作情報は、これに限定されず、例えば、関連薬剤情報70の関連薬剤の薬剤名を操作した場合でも適用することができる。
【0059】
第1特定機能155は、第4取得機能161が取得した入力操作情報に基づいて、入力操作情報に対応する有害事象が発生した関連薬剤の代用となる代用薬剤を特定する。例えば、第1特定機能155は、データ保管装置20から薬剤に関する情報を取得し、第4取得機能161が取得した入力操作情報に基づいて、入力操作情報に対応する有害事象が発生した関連薬剤の代用となる代用薬剤を特定する。なお、薬剤に関する情報は、記憶回路14に記憶されていてもよい。
【0060】
表示制御機能160は、出力情報40に含む関連薬剤情報70を更新する。具体的には、表示制御機能160は、第1特定機能155が特定した代替薬剤に係る薬剤名を関連薬剤情報70に追加し、関連薬剤情報71に更新する。そして、表示制御機能160は、ディスプレイ13に更新した関連薬剤情報を含む出力情報40を表示させる。ここで、
図9を用いて更新した出力情報40について説明する。
【0061】
図9は、第1変形例に係る出力情報40の一例を説明するための図である。本変形例を具体的に説明するために、
図9に示す出力情報40は、
図6に示す出力情報40を医師が確認した後に出力情報40を操作することとして説明する。
【0062】
例えば、医師は、
図6に示す出力情報40を確認した後、関連薬剤情報70に示す、患者に投与した関連薬剤であるドキソルビシンの代用となる代用薬剤を検討することがある。この場合、
図9に示す重症度のCTCAEスコア84を押下する。
【0063】
そして、第4取得機能161は、医師が操作する入力インターフェース12と協働して、重症度のCTCAEスコア84を押下した入力操作情報を取得する。続いて、第1特定機能155は、データ保管装置20から薬剤に関する情報を取得し、重症度のCTCAEスコア84に対応する関連薬剤であるドキソルビシンの代用となる代用薬剤を特定する。
【0064】
続いて、表示制御機能160は、第1特定機能155が特定したドキソルビシンの代替薬剤に係る薬剤名を関連薬剤情報70に追加し、関連薬剤情報71に更新し、ディスプレイ13に更新した関連薬剤情報71を含む出力情報40を表示させる。
【0065】
図9に示す更新した関連薬剤情報71は、患者に投与した関連薬剤のドキソルビシンの薬剤名と、ドキソルビシンの代用薬剤である、第1薬剤、第2薬及び第3薬剤[!]を示す。第3薬剤は、患者に投与したアバスチンとの併用に注意する必要があるため、注意喚起のために[!]を付している。これにより、例えば、医師は、関連薬剤情報71が更新された出力情報40を確認することで、関連薬剤の代用薬剤を検討することができるため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0066】
図10は、第1変形例に係る医用情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、
図6に示す出力情報40を医師が確認した後に出力情報40を操作した後に開始するものとする。
【0067】
第4取得機能161は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報(例えば、重症度のCTCAEスコア等)を押下した入力操作情報を取得する(ステップS81)。続いて、第1特定機能155は、第4取得機能161が取得した入力操作情報に基づいて、入力操作情報に対応する有害事象が発生した関連薬剤の代用となる代用薬剤を特定する(ステップS82)。
【0068】
続いて、表示制御機能160は、第1特定機能155が特定した代替薬剤に係る薬剤名を関連薬剤情報70に追加し、関連薬剤情報71に更新する(ステップS83)。そして、表示制御機能160は、ディスプレイ13に更新した関連薬剤情報71を含む出力情報40を表示させる(ステップS84)。
【0069】
上述したように、第1変形例によれば、医用情報処理装置10は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報を押下した入力操作情報を取得し、入力操作情報に基づいて、入力操作情報に対応する有害事象が発生した関連薬剤の代用となる代用薬剤を特定する。そして、医用情報処理装置10は、特定した代替薬剤に係る薬剤名を関連薬剤情報70に追加し、関連薬剤情報71に更新し、ディスプレイ13に更新した関連薬剤情報71を含む出力情報40を表示させる。
【0070】
これにより、例えば、医師は、関連薬剤情報71が更新された出力情報40を確認することで、関連薬剤の代用薬剤を検討することができるため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0071】
(第2変形例)
例えば、医師は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報毎に、予兆期間を確認することがある。そこで、第2変形例に係る医用情報処理装置10では、重症度情報毎に、予兆期間を表示する形態について説明する。
【0072】
例えば、第4取得機能161は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報(一例として、重症度のCTCAEスコア等)を押下した入力操作情報を取得する。例えば、第1特定機能155は、記憶回路14に記憶する投薬情報T2から、第4取得機能161が取得した入力操作情報に含まれる重症度情報に対応する薬剤を特定する。
【0073】
表示制御機能160は、出力情報40に含む予兆期間を更新する。具体的には、表示制御機能160は、出力情報40に表示された予兆期間を、第1特定機能155が特定した薬剤に対応する予兆期間に更新する。そして、表示制御機能160は、ディスプレイ13に更新した予兆期間を含む出力情報40を表示させる。ここで、
図11を用いて更新した出力情報40について説明する。
【0074】
図11は、第2変形例に係る出力情報40の一例を説明するための図である。本変形例を具体的に説明するために、
図10に示す出力情報40は、
図6に示す出力情報40を医師が確認した後に出力情報40を操作することとして説明する。
【0075】
例えば、医師は、
図6に示す出力情報40を確認した後、有害事象情報80の重症度情報毎に、予兆期間を確認したい場合がある。この場合、
図9に示す重症度のCTCAEスコア85を押下する。
【0076】
そして、第4取得機能161は、医師が操作する入力インターフェース12と協働して、重症度のCTCAEスコア85を押下した入力操作情報を取得する。続いて、第1特定機能155は、記憶回路14に記憶する投薬情報T2から、第4取得機能161が取得した入力操作情報に含まれる重症度のCTCAEスコア85に対応するドキソルビシンを特定する。
【0077】
続いて、表示制御機能160は、出力情報40に表示された予兆期間83を、第1特定機能155が特定したドキソルビシンに対応する予兆期間86に更新し、ディスプレイ13に更新した予兆期間86を含む出力情報40を表示させる。
【0078】
これにより、例えば、医師は、予兆期間86が更新された出力情報40を確認することで、有害事象情報80の重症度情報毎に、予兆期間を確認することができるため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0079】
図12は、第2変形例に係る医用情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、
図6に示す出力情報40を医師が確認した後に出力情報40を操作した後に開始するものとする。
【0080】
第4取得機能161は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報(例えば、重症度のCTCAEスコア等)を押下した入力操作情報を取得する(ステップS91)。続いて、第1特定機能155は、記憶回路14に記憶する投薬情報T2から、第4取得機能161が取得した入力操作情報に含まれる重症度情報に対応する薬剤を特定する(ステップS92)。
【0081】
続いて、表示制御機能160は、出力情報40に表示された予兆期間83を、第1特定機能155が特定した薬剤に対応する予兆期間86に更新する(ステップS93)。そして、表示制御機能160は、ディスプレイ13に更新した予兆期間86を含む出力情報40を表示させる(ステップS94)。
【0082】
上述したように、第2変形例によれば、医用情報処理装置10は、出力情報40に含む有害事象情報80の重症度情報を押下した入力操作情報を取得し、入力操作情報に含まれる重症度情報に対応する薬剤を特定する。そして、医用情報処理装置10は、出力情報40に表示された予兆期間83を、第1特定機能155が特定した薬剤に対応する予兆期間86に更新し、ディスプレイ13に更新した予兆期間86を含む出力情報40を表示させる。
【0083】
これにより、例えば、医師は、予兆期間86が更新された出力情報40を確認することで、有害事象情報80の重症度情報毎に、予兆期間を確認することができるため、従来に比して、診断の効率を向上することができる。
【0084】
(第3変形例)
本実施形態では、有害事象として、抗がん剤による心毒性に関する症状として説明したが、これに限定されない。有害事象は、抗がん剤等の薬剤に限定されず、有害事象が発生する薬剤について、医用情報処理装置10は、適用することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態及び変形例では、本明細書における、登録部、第1取得部、抽出部、整列部、第1特定部、判定部、第2取得部、第2特定部、第3取得部、表示制御部及び第4取得部を、それぞれ、処理回路の、登録機能、第1取得機能、抽出機能、整列機能、第1特定機能、判定機能、第2取得機能、第2特定機能、第3取得機能、表示制御機能及び第4取得機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における、登録部、第1取得部、抽出部、整列部、第1特定部、判定部、第2取得部、第2特定部、第3取得部、表示制御部及び第4取得部は、実施形態で述べた登録機能、第1取得機能、抽出機能、整列機能、第1特定機能、判定機能、第2取得機能、第2特定機能、第3取得機能、表示制御機能及び第4取得機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0086】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0087】
ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサ毎に単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0088】
ここで、プロセッサによって実行される医用情報処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用情報処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0089】
また、この医用情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この医用情報処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用画像処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0090】
また、上述した実施形態及び変形例において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0091】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、従来に比して、診断の効率を向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
10…医用情報処理装置、11…通信インターフェース、
12…入力インターフェース、13…ディスプレイ、14…記憶回路、
15…処理回路、151…登録機能、152…第1取得機能、153…抽出機能、
154…整列機能、155…第1特定機能、156…判定機能、
157…第2取得機能、158…第2特定機能、159…第3取得機能、
160…表示制御機能、161…第4取得機能