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特開2025-98097構造化プレミックス及びそれを含む液体組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098097
(43)【公開日】2025-07-01
(54)【発明の名称】構造化プレミックス及びそれを含む液体組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/72 20060101AFI20250624BHJP
   C11D 1/86 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 3/382 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20250624BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20250624BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20250624BHJP
   D06M 13/148 20060101ALI20250624BHJP
   D06M 13/256 20060101ALI20250624BHJP
   D06M 13/46 20060101ALI20250624BHJP
   D06M 23/12 20060101ALI20250624BHJP
【FI】
C11D1/72
C11D1/86
C11D1/12
C11D3/382
C11D1/62
C11D1/29
C11D1/22
C11D17/08
D06M15/53
D06M13/148
D06M13/256
D06M13/46
D06M23/12
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025043781
(22)【出願日】2025-03-18
(62)【分割の表示】P 2023526594の分割
【原出願日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】21171083.5
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22153177.5
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】カジオニ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】グイダ、ヴィンセンツォ
(72)【発明者】
【氏名】マクロウ、ジョスリン・ミッチェル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】耐塩性がより高く、アニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まない洗濯用液体組成物を構造化するために使用することができる一方で、カチオン性に帯電した又は帯電していない高分子構造化剤に関連する乏しい相安定性の問題を回避できる構造化プレミックスを提供する。
【解決手段】非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤と、低いHLB及び高いHLBをそれぞれ有する少なくとも2種の非イオン性界面活性剤とを使用して構造化プレミックスを配合し製造する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化プレミックスであって、
a)1.0重量%~16重量%の、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤;及び
b)4.0%~20%の、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤であって:
(i)5.0~9.5のHLBを有する、少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤と;
(ii)10.5~16.0のHLBを有する、少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤と、を含む、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤;を含み、
前記少なくとも2種の非イオン性界面活性剤の平均HLBが、9.5~12.5である、構造化プレミックス。
【請求項2】
前記構造化プレミックスが、1.0重量%~10重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の、前記非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含む、請求項1に記載の構造化プレミックス。
【請求項3】
a)前記少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤が、7.5~9.0のHLBを有し;
b)前記少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤が、12.0~14.5のHLBを有し;
前記少なくとも2種の非イオン性界面活性剤の平均HLBが、11.0~12.0である、請求項1又は2に記載の構造化プレミックス。
【請求項4】
前記構造化プレミックスが、10重量%~16重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項5】
前記構造化プレミックスは、
a)0.5重量%~8.0重量%、好ましくは1.0重量%~7.0重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の前記低HLB非イオン性界面活性剤と;
b)1.5重量%~16重量%、好ましくは4.0重量%~11.0重量%、より好ましくは6.0重量%~8.0重量%の、前記高HLB非イオン性界面活性剤と、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項6】
前記低HLB非イオン性界面活性剤及び前記高HLB非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から、好ましくはアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤からなる群から、より好ましくはエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤からなる群から独立して選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項7】
前記プレミックスが、5.0重量%未満、好ましくは2.0重量%未満、より好ましくは0.25重量%~1.0重量%の、アニオン性界面活性剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が存在する場合には、前記アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート界面活性剤、アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤である、請求項7に記載の構造化プレミックス。
【請求項9】
前記非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル官能性構造化剤は、結晶化可能グリセリドを含み、好ましくは前記結晶化可能グリセリドは、水添ヒマシ油を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項10】
前記構造化プレミックスは、25℃、0.01秒-1の定常状態せん断速度で、10~10,000Pa.s、好ましくは100~1000Pa.sの粘度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項11】
前記構造化プレミックスが、少なくとも1種の浮遊微粒子又は液滴を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の構造化プレミックス。
【請求項12】
構造化液体布地ケア組成物を作製するための方法であって、
a)請求項1~11のいずれか一項に記載の構造化プレミックスを提供する工程と;
b)前記構造化プレミックスを、液体布地ケア組成物と合わせる工程と、を含む、方法。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の構造化プレミックスを含む液体布地ケア組成物であって、前記液体布地ケア組成物が、7.5%未満の、好ましくは5%未満のアニオン性界面活性剤を含む、液体布地ケア組成物。
【請求項14】
前記布地ケア組成物は、微粒子を含み、好ましくは前記微粒子は、カプセル化剤、油、真珠光沢剤、非水溶性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項15】
前記布地ケア組成物は、カチオン性成分を含み、好ましくは前記カチオン性成分は、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質、カチオン性抗菌剤、カチオン性ポリマー付着助剤、カチオン性コーティングされたカプセル化香料、及びこれらの混合物からなる群から、より好ましくは第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質からなる群から選択される、請求項13又は14に記載の液体布地ケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含む、構造化プレミックスに関する。
【背景技術】
【0002】
液体布地ケア組成物がより複雑になるにつれて、それらを構造化するのがより難しくなる。例えばカプセル化された香料などの、活性物質を懸濁させるためだけでなく、配合物中に豊富に配合されていることを暗示するためにも、このような組成物を構造化することが望ましい。
【0003】
布地柔軟化組成物は、典型的には、カチオン荷電界面活性剤のベシクル(小嚢)を含む。更に、アニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まない洗濯洗剤組成物を配合して製造することが望まれている。上記のような洗剤組成物は、上述のように配合されて、カチオン性荷電ポリマー及び/又はカチオン性抗菌剤などのカチオン性成分を、より良好に組み込むことができる。アニオン性界面活性剤は、このようなカチオン性活性物質と錯体を形成して、有効性の低下及び相安定性の低下をもたらす可能性がある。
【0004】
スキンケア上の理由のため及びある特定の洗浄効果を提供するため、洗濯洗剤組成物、特にアニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まない洗濯洗剤組成物を構造化することも望まれている。アニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まない液体洗濯組成物は、典型的には、ポリマー性の、非荷電又はカチオン性荷電構造化剤を使用して構造化されてきた。その理由は、アニオン性界面活性剤を含むアニオン性荷電構造化剤及び構造化剤プレミックスは、カチオン性活性物質と錯体を形成する可能性があるか、又は低濃度のアニオン性界面活性剤しか含まない場合には、液体組成物全体にわたって構造体を形成するのにあまり有効でないからである。
【0005】
相安定性を不十分なものとすることなく、上記のような組成物を構造化することは、依然として困難である。更に、ポリマー構造化剤は、コロイド系を構造化するために使用される場合、枯渇凝集を引き起こす可能性があるため、一般的に配合して製造することが困難である。枯渇凝集は、Rheovis(商標)CDE、Rheovis(商標)CDX、又はFloSoft(商標)222などの架橋非イオン性又はカチオン性ポリマー構造化剤の使用によって、排除又は少なくとも最小化することができる。しかしながら、このようなポリマー構造化剤の有効性は、存在する塩の濃度に高度に依存したままである。したがって、粘度及び構造化効果は、他の成分と共に導入される塩の濃度が変化するにつれて変化し得る。
【0006】
非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含む構造化プレミックスは、洗剤組成物中に活性物質を懸濁させることが知られている。しかしながら、このようなプレミックスは、典型的には、アニオン性界面活性剤を、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を乳化するために使用してきた。このように、それらは、アニオン性界面活性剤をほとんど若しくは全く含まないか、又はカチオン性に帯電した若しくはカチオン性にコーティングされた成分を含む液体組成物を構造化するのには、依然として適していないままである。
【0007】
加えて、様々な組成物が典型的には同じ場所で製造されるので、多数の異なる組成物にわたって適合性を有する構造化プレミックスを提供することが望ましい。
【0008】
したがって、耐塩性がより高く、様々な洗濯用液体組成物を構造化するために使用することができる構造化プレミックス、特にアニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まず、その一方でカチオン荷電又は非荷電ポリマー構造化剤に関連する乏しい相安定性の問題を回避できる構造化プレミックスが、依然として必要とされている。
【0009】
国際公開第2002/040627(A2)号は、構造化系、特にスレッド状構造化系及び/又はディスク状構造化系に関し、構造化剤が一緒に凝集して、他のディスク状構造体と相互作用して構造化系をもたらすことができるディスク状構造体を形成する構造化系と、そのような構造化系を作製するための方法と、そのような構造化系を含む安定化液体組成物と、液体組成物を安定化するためにそのような構造化系を利用する系と、安定化液体組成物を利用して利益を提供するための方法と、に関する。欧州特許第1534221(A1)号(Noveon)は、アニオン性ポリマーレオロジー調整剤をカチオン性成分と相溶化する方法であって、カチオン性成分をアニオン性錯化剤と錯化させた後に、錯化されたカチオン性成分をアニオン性レオロジー調整剤と合わせることを含む方法に関する。欧州特許第1534221(A1)号は更に、アニオン性ポリマーレオロジー調整剤及び錯化カチオン性成分を含む組成物と、アニオン性レオロジー調整剤及びアニオン性錯化剤で錯化されたカチオン性成分を含有するパーソナルケア用又は家庭用組成物に関する。国際公開第2014/070201(A1)号(Clorox)は、アニオン性ポリマー対イオン組成物を有するカチオン性ミセルと、その方法、及びシステムを開示している。国際公開第2014/026859号(Henkel)は、少なくとも1種の非イオン性で、両親媒性で、会合性の増粘剤及びカチオン性の殺生物性化合物を含む、液体織物用又は硬質表面用処理剤に関する。国際公開第2011/031940(A1)号(Procter&Gamble)は、液体又はゲル形態の洗剤中で使用するための、アルカノールアミンで中和されたアニオン性界面活性剤で乳化された、結晶性グリセリド(複数可)を含む構造化系に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2002/040627(A2)号
【特許文献2】欧州特許第1534221(A1)号
【特許文献3】国際公開第2014/070201(A1)号
【特許文献4】国際公開第2014/026859号
【特許文献5】国際公開第2011/031940(A1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、構造化プレミックスに関し、その構造化プレミックスは、1.0重量%~16重量%の非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤と、4.0重量%~20重量%の少なくとも2種の非イオン性界面活性剤と、を含み、上記の少なくとも2種の非イオン性界面活性剤は:少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤であって、5.0~9.5のHLBを有する少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤;及び少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤であって、10.5~16.0のHLBを有する少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤、から選択され、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤の平均HLBが、9.5~12.5である。
【0012】
本発明は更に、液体洗剤組成物が7.5%未満のアニオン性界面活性剤を含む、先行する請求項のいずれかに記載の構造化プレミックスを含む液体洗剤組成物に更に関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の構造化プレミックスは、様々な液体組成物、特にアニオン性成分をほとんど又は全く含まず、かつ/又はカチオン性成分を含む液体組成物に対して、良好な構造化を提供する。加えて、構造化プレミックスは、ポリマー構造化剤によって提供されるものよりも耐塩性がより高く、かつ相安定性もより高いレオロジーを提供する。
【0014】
本明細書で定義するとき、ある成分「を本質的に含まない」とは、その成分が、それぞれのプレミックス又は組成物の15重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、更により好ましくは2重量%未満の濃度で存在することを意味する。最も好ましくは、ある成分が「本質的に含まれない」とは、その成分が、対応するプレミックス又は組成物中に全く存在しないことを意味する。
【0015】
本明細書で定義するとき、「安定した」とは、米国特許出願第2008/0263780(A1)号に記載されるFloc Formation Testを用いて測定されるとき、少なくとも約2週間、好ましくは少なくとも4週間、より好ましくは少なくとも1ヶ月、更により好ましくは少なくとも4ヶ月の期間にわたって、25℃に維持されたプレミックスに対して、可視的な相分離が観測されないことを意味する。
【0016】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、それぞれのプレミックス又は組成物の重量%である。平均値は、全て、特に明確に断らない限りは、それぞれのプレミックス、組成物、又はその構成成分の「重量」に基づいて計算したものである。
【0017】
別途注記がない限り、全ての構成成分、プレミックス、又は組成物のレベルは、その構成成分、プレミックス、又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
別途明記されない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0019】
構造化プレミックス:
非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル官能性構造化剤は、界面活性剤を使用して乳化されて、構造化プレミックスを形成する。非ポリマーで結晶性のヒドロキシル官能性構造化剤は、結晶化可能なグリセリドを含むことができる。好ましくは、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤は、水添ヒマシ油(一般に「HCO」と略される)又はその誘導体を含むか、又は更にはそれらからなる。
【0020】
ヒマシ油は、主にリシノール酸を含むが、オレイン酸及びリノール酸も含む、トリグリセリド植物油である。ヒマシ油は水素添加されると、水添ヒマシ油としても知られるヒマシ油ワックスになる。水添ヒマシ油は、ヒマシ油の少なくとも85重量%のリシノール酸を含んでもよい。好ましくは、水添ヒマシ油は、グリセリルトリス-12-ヒドロキシステアレート(CAS番号:139-44-6)を含む。好ましい実施形態において、水添ヒマシ油は、水添ヒマシ油の少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも95重量%のグリセリルトリス-12-ヒドロキシステアレートを含む。しかしながら、水添ヒマシ油組成物はまた、他の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐エステルを含むことができる。好ましい実施形態では、水添ヒマシ油は、ASTMのD3418又はISO11357を使用して測定して、45℃~95℃の範囲内の融点を有する。水添ヒマシ油は残留不飽和物が低くてもよく、一般にエトキシル化されないが、それは、エトキシル化は融点温度を望ましくない程度まで低下させる傾向があるためである。「残留不飽和物が低い」とは、本明細書では、20以下、好ましくは10以下、より好ましくは3以下のヨウ素価を意味する。当業者であれば、一般に知られている技法を使用する、ヨウ素価の測定方法を知っているであろう。
【0021】
構造化プレミックスは、1.0重量%~16重量%、好ましくは1.0重量%~10重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含む。
【0022】
本発明の構造化プレミックスは、好ましくは水を含む。水は、好ましくは、構造化プレミックスの45重量%~97重量%、より好ましくは55重量%~93重量%、更により好ましくは65重量%~87重量%の濃度で存在する。
【0023】
本発明の構造化プレミックスは、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、その少なくとも2種の非イオン性界面活性剤は:
a)少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤であって、5~9.5、好ましくは7.5~9.0のHLBを有する、少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤;及び
b)少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤であって、10.5~16、好ましくは12~14.5のHLBを有する、少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤、から選択され、
それらの少なくとも2種の非イオン性界面活性剤の平均HLBが、9.5~12.5、好ましくは11.0~12.0である。
【0024】
プレミックスが2種以上の低HLB非イオン性界面活性剤を含む場合、その低HLB非イオン性界面活性剤は、前述の範囲内の平均HLBを有する。プレミックスが2種以上の高HLB非イオン性界面活性剤を含む場合、高HLB非イオン性界面活性剤は、前述の範囲内の平均HLBを有する。
【0025】
低HLB非イオン性界面活性剤と高HLB非イオン性界面活性剤との組み合わせは、1種の非イオン性界面活性剤を含むプレミックスよりも改善された構造化をもたらすということが判明している。
【0026】
「HLB」は、界面活性剤の、親水性と親油性とのバランスである。これは、親水性又は親油性である程度の尺度であり、分子の異なる領域についての値を計算することによって決定される。HLBを計算する他の方法が知られているが(特に、Davis法、Davies JT(1957)、「A quantitative kinetic theory of emulsion type,I.Physical chemistry of the emulsifying agent」を参照)、本発明の目的のためには、Griffin法(Griffin,WC.(1949)、「Classification of Surface-Active Agents by『HLB』」及びGriffin,WC.(1954)の「Calculation of HLB Values of Non-Ionic Surfactants」に記載の方法)を使用する。
【0027】
非イオン性界面活性剤のHLBを計算するためのGriffinの方法は、上記の1954年の文献に記載されているように、以下のとおりである:
HLB=20/M
(式中、Mは、分子の親水性部分の分子量であり、Mは、分子全体の分子量であり、結果は0~20のスケールで与えられる)。
【0028】
非イオン性界面活性剤の組み合わせの平均HLBは、個々の界面活性剤のHLBの重量平均である。
【0029】
重量平均HLB=(x HLB+x HLB+....)/(x+x+....)
(式中、x、x、...は、混合物の各非イオン性界面活性剤の重量(単位はg)であり、HLB、HLB、...は、各非イオン性界面活性剤のHLBである)。
【0030】
構造化プレミックスは、4.0重量%~20重量%、好ましくは10重量%~16重量%の非イオン性界面活性剤を含む。構造化プレミックスは、0.5重量%~8.0重量%、好ましくは1.0重量%~7.0重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の低HLB非イオン性界面活性剤と;1.5重量%~16重量%、好ましくは4.0重量%~11.0重量%、より好ましくは6.0重量%~8.0重量%の高HLB非イオン性界面活性剤と、を含むことができる。
【0031】
低HLB非イオン性界面活性剤及び高HLB非イオン性界面活性剤のいずれか又は両方に好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、低HLB非イオン性界面活性剤及び高HLB非イオン性界面活性剤は、同じクラスの非イオン性界面活性剤である。
【0032】
好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、直鎖状又は分岐状、一級又は二級アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤であり得る。アルキルエトキシル化非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0033】
低HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、8~18個の炭素原子、又は10~16個の炭素原子、又は12~14個の炭素原子を含むアルキル鎖長を有することができる。低HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくはエトキシル化されており、より好ましくは他の種類のアルコキシル化を有していない。好適な低HLB非イオン性界面活性剤は、0~6.0の、好ましくは0.5~4.5の、より好ましくは2.5~3.5の、平均アルコキシル化度を有することができる。
【0034】
低HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適な好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤としては、Tomadol(登録商標)1-3(C11 EO3、Evonik Industries社によって供給)、Surfonic(登録商標)24-3(C12~14 EO3、Huntsman社によって供給)、及びTomadol(登録商標)25-3(C12~15 EO3、Evonik Industries社によって供給)が挙げられる。
【0035】
高HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、8~24個の炭素原子、又は8~18個の炭素原子、又は9~16個の炭素原子を含むアルキル鎖長を有することができる。高HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくはエトキシル化されており、より好ましくは他の種類のアルコキシル化を有していない。高HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適なものは、アルキル鎖中の炭素原子数が6.5~16.0、好ましくは7.0~14.0であり、平均して8.0~12である、平均アルコキシル化度を有することができる。
【0036】
高HLB非イオン性界面活性剤として使用するのに好適な好適なアルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤としては、Tomadol 25-12(C12~15 EO12、Evonik Industries社により供給)、Tomadol 91-8(C9~11 EO8、Evonik Industries社により供給)、Surfonic 24-9(C12~14 EO9、Huntsman社により供給)、Lorodac 26-7(C12~16 EO7、Sasol社により供給)が挙げられる。
【0037】
プレミックスは、5.0重量%未満、好ましくは2.0重量%未満、より好ましくは0.25重量%~1.0重量%のアニオン性界面活性剤を含むことができる。アニオン性界面活性剤が存在する場合、そのアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート界面活性剤、アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤である。
【0038】
好適なアルキルサルフェート界面活性剤は、8~18であり得る、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均アルキル鎖長を有し得る。好適なアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤は、好ましくはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤である。アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤は、8~18であり得る、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均アルキル鎖長を有し得る。好適なアルキルベンゼンスルホネートとしては、C10~C18アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。
【0039】
構造化プレミックスは、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤(存在する場合)に加えて、追加の界面活性剤を含有してもよい。特に、構造化プレミックスは:カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤:双性イオン性界面活性剤;及びこれらの混合物、から選択される追加の界面活性剤を含んでもよい。しかしながら、プレミックスは、好ましくは、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤(存在する場合)以外の追加の界面活性剤を含まない。
【0040】
構造化プレミックスは、特に非中和アニオン性界面活性剤を使用してプレミックスを形成する場合には、pH調整剤を更に含んでもよい。所望のpHに応じて、アルカリ源並びに無機タイプ及び有機タイプのいずれかの酸性化剤を含む、任意の既知のpH調整剤を使用することができる。
【0041】
必要であれば、pH調整剤は、構造化プレミックスの0.001重量%~3.0重量%、好ましくは0.005重量%~1.0重量%、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%の濃度で存在することができる。
【0042】
好ましい無機アルカリ源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びそれらの混合物であり、最も好ましくは無機アルカリ源は、水酸化ナトリウムである。生態学的理由から好ましくはないが、水溶性リン酸塩をアルカリ源として利用してもよく、例えば、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
好適なアルカノールアミンは、低級アルカノールモノ-、ジ-、及びトリアルカノールアミンから選択され得る(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミンであり得る)。高級なアルカノールアミンほど分子量が大きく、本目的にとっては質量効率が低くなることがある。質量効率の理由から、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミンが好ましい。モノエタノールアミンが特に好ましいが、特定の実施形態では、トリエタノールアミンなどの更なるアルカノールアミンが緩衝剤として有用である場合がある。本明細書で使用される最も好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミンである。
【0044】
構造化プレミックスは、好ましくは、任意選択で緩衝剤を使用することによって、5~11、又は6~9.5、又は7~9の範囲内のpHを有する。理論に束縛されるものではないが、緩衝剤は、構造化プレミックスのpHを安定化し、それによって、HCO構造化剤のいかなる潜在的な加水分解をも制限すると考えられる。しかし、緩衝液を含まない実施形態も考えられ、そしてHCOが加水分解する場合、幾分かの12-ヒドロキシステアレートが形成され得るが、これはまた、HCOよりも少ない程度であるが、構造化をなし得る。特定の好ましい緩衝剤含有実施形態において、pH緩衝剤は、ナトリウムなどの一価無機カチオンを構造化プレミックスに導入しない。好ましい緩衝剤は、ホウ酸の塩などのモノエタノールアミン塩である。しかし、緩衝液が意図的に添加されたナトリウムも、ホウ素も、リンも含まない実施形態も考えられる。いくつかの実施形態では、モノエタノールアミン塩は、構造化プレミックスの0重量%~5重量%、0.5重量%~3重量%、又は0.75重量%~1重量%の濃度で存在してもよい。
【0045】
アルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン、及び/又は他のアミンを、緩衝系の一部として使用することができるが、ただし、アルカノールアミンは最初に、存在する任意のアニオン性界面活性剤の酸形態を中和するという、主要構造化剤の乳化目的のために十分な量で添加されるか、又はアニオン性界面活性剤は、別の手段によって、予め中和されている。
【0046】
構造化プレミックスは、非アミノ官能性有機溶媒を更に含んでもよい。非アミノ官能性有機溶媒は、アミノ官能基を含有しない有機溶媒である。好適な非アミノ官能性有機溶媒としては、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールをはじめとするグリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。より好ましい非アミノ官能性有機溶媒としては、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、及びこれらの混合物が挙げられる。非常に好ましいのは、非アミノ官能性有機溶媒の混合物であり、特に:例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールなどの、低級脂肪族アルコール;1,2-プロパンジオール又は1,3-プロパンジオールなどのジオール;及びグリセロール、のうちの2種以上の混合物である。プロパンジオールとジエチレングリコールとの混合物も好ましい。このような混合物は、好ましくは、メタノールもエタノールも含まない。
【0047】
好ましい非アミノ官能性有機溶媒は、周囲温度及び圧力(すなわち、21℃及び1気圧)で液体であり、炭素、水素、及び酸素を含む。非アミノ官能性有機溶媒は、構造化プレミックスを調製するときに存在してもよく、又は液体組成物に直接添加されてもよい。
【0048】
構造化プレミックスはまた、特に使用前にプレミックスを保存することが意図される場合、防腐剤又は殺生物剤を含んでもよい。
【0049】
構造化プレミックスは、Anton Paar MCR 302レオメーター(Anton Paar社(オーストリア、Graz)製)を使用して、2°の角度及び206ミクロンの間隙を有する円錐及び平板形状を用いて、0.01秒-1の定常状態のせん断速度及び25℃の温度で測定して、10~10,000、好ましくは100~1000Pa.sの粘度を有することができる。
【0050】
構造化プレミックスは、少なくとも1種の浮遊微粒子又は液滴を更に含むことができる。
【0051】
構造化プレミックスを含む液体組成物:
本発明の構造化プレミックスは、液体組成物、特に液体布地ケア組成物を構造化するのに有用である。本発明の液体組成物は、典型的には、構造化プレミックスを介して導入される、0.01重量%~2重量%、好ましくは0.03重量%~1重量%、より好ましくは0.05重量%~0.5重量%の、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含む。
【0052】
好適な液体組成物としては、洗濯洗剤組成物及び洗濯用のすすぎ添加剤などの、液体布地ケア組成物が挙げられる。本明細書で使用するとき、「液体組成物」とは、基材を濡らして処理することができる液体を含む、任意の組成物を指す。「液体布地ケア組成物」とは、衣類を洗浄するなど衣類を処理するのに好適な組成物であって、改善された柔軟性又は新鮮さなどの他の布地ケア効果を提供する組成物を指す。
【0053】
液体組成物は、より容易に分散可能であり、固体の組成物の場合のように最初に組成物を溶解する必要なく、処理される対象の表面を、より均一にコーティングすることができる。液体組成物は、25℃で流動することができ、ほとんど水のような粘度を有する組成物を含むが、ゆっくりと流動し、数秒間又は数分間もそれらの形状を保持する「ゲル」組成物も含む。組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含んでいてもよいが、組成物全体は、例えば錠剤又は顆粒などの全体として非流体である製品形態を除外する。液体組成物は、好ましくは、0.9~1.3g/cm、より具体的には1.00~1.10g/cmの範囲内の密度を有し、いかなる固形添加物をも除外するが、存在する場合にはいかなる気泡をも含む。
【0054】
好適なすすぎ添加剤としては、液体布地柔軟剤組成物が挙げられる。本明細書で使用するとき、「液体布地柔軟剤組成物」は、布地(例えば家庭用洗濯機内の衣類)を柔軟化することができる液体を含む、任意の処理組成物を指す。組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含んでいてもよいが、組成物全体は、例えば錠剤又は顆粒などの全体として非液体である製品形態を除外する。
【0055】
水性液体布地柔軟化組成物が好ましい。このような水性液体布地柔軟剤組成物では、含水量は、液体布地柔軟剤組成物の5重量%~98重量%、好ましくは50重量%~96重量%、より好ましくは70重量%~95重量%の濃度で存在し得る。
【0056】
未希釈布地柔軟剤組成物のpHは、典型的には、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の加水分解安定性を改善するために酸性であり、pH2.0~6.0、好ましくはpH2.0~4.5、より好ましくはpH2.0~3.5であり得る(「方法」の項を参照されたい)。
【0057】
布地柔軟剤組成物の注ぎ性を維持しながら濃厚な外観を提供するために、布地柔軟剤組成物の粘度は、Brookfield(登録商標)DV-E回転粘度計で測定したとき、50mPa・s~800mPa・s、好ましくは70mPa・s~600mPa・s、より好ましくは100mPa・s~500mPa・sであり得る(「方法」の項を参照されたい)。
【0058】
本発明の液体布地柔軟剤組成物は、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質(布地柔軟化活性物質、「FSA」)を、2%~25%、好ましくは3%~20%、より好ましくは3%~17%、最も好ましくは4%~15%の濃度で含み得る。第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の濃度は、本組成物(希釈又は濃縮組成物)中の全柔軟化活性物質の所望の濃度、及び他の柔軟化活性物質の有無に依存し得る。しかしながら、時と共に粘度が増加し、相不安定性が増していくことのリスクは、典型的には、より高いFSA濃度を有する布地柔軟剤組成物の方が高い。他方で、非常に高いFSAレベルでは、粘度は制御することがより困難になる。
【0059】
好ましくは、第四級アンモニウム布地柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価(「方法」の項を参照されたい)は、5~60、より好ましくは10~45、更により好ましくは15~40である。理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム布地柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸が少なくとも部分的に不飽和であるとき、FSAの加工がより容易な低い融点が得られる。特に、二重不飽和脂肪酸は、加工の容易なFSAを実現可能にする。
【0060】
好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質としては、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、全第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質に対して、モノエステルクワットの濃度は、2.0重量%~40.0重量%であり、ジエステルクワットの濃度は、40.0重量%~98.0重量%であり、トリエステルクワットの濃度は、0.0重量%~25.0重量%である。
【0061】
好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質は、以下の式:
{R (4-m)-N+-[X-Y-R}A-
(式中、
mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、
各Rは、独立して、ヒドロカルビル基又は分枝状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、Rは、直鎖であり、より好ましくは、Rは、部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、
各Rは、独立して、C~Cアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルから選択され、
各Xは、独立して、-(CH)n-、-CH-CH(CH)-、又は-CH(CH)-CH-であり、
各nは、独立して、1、2、3、又は4であり、好ましくは、各nは、2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、
A-は、独立して、塩化物、硫酸メチル、及び硫酸エチルからなる群から選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は、硫酸メチルである;
ただし、Yが-O-(O)C-であるときには、各Rにおける炭素の合計は、13~21、好ましくは、13~19である)の化合物を含み得る。柔軟剤相溶性アニオン(A-)が硫酸メチルであるとき、粘度増加の問題がより大きくなるが、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の製造における四級化工程を促進するので、それは好ましい柔軟剤相溶性アニオンである。
【0062】
好適な第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質の例は、KAO Chemicals社から商標名Tetranyl AT-1及びTetranyl AT-7590で、Evonik社から商標名Rewoquat WE16DPG、Rewoquat WE18、Rewoquat WE20、Rewoquat WE28、及びRewoquat 38DPGで、Stepan社から商標名Stepantex GA90、Stepantex VR90、Stepantex VK90、Stepantex VA90、Stepantex DC90、Stepantex VL90Aで市販されている。
【0063】
これらの種類の薬剤及びそれらの一般的な製造方法は、米国特許第4,137,180号に開示されている。
【0064】
構造化プレミックスは、液体洗剤組成物、特に液体洗濯洗剤組成物の構造化に特に有用である。組成物は、任意の好適な濃度のアニオン性界面活性剤を含むことができるが、低濃度のアニオン性界面活性剤を含むか、又はより好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない組成物に特に適している。本発明の構造化プレミックスは低濃度のアニオン性界面活性剤しか含まないので、構造化プレミックスは、第四級アンモニウムエステル柔軟化活性物質、カチオン性抗菌剤、カチオン性ポリマー付着助剤、カチオン性コーティングされたカプセル化香料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものなどのカチオン性活性物質を含む液体組成物を構造化するのに特に好適である。
【0065】
本明細書で使用するとき、「液体洗剤組成物」は、衣類などの基材を洗浄するのに好適な組成物を指す。好適な液体洗剤組成物は、顕著な洗浄効果を提供するように、十分な洗浄性界面活性剤を含む。最も好ましいのは、例えば家庭用洗濯機などで布地を洗浄することができる、液体洗濯洗剤組成物である。
【0066】
本発明の液体洗剤組成物は、1重量%~70重量%、好ましくは5重量%~60重量%、より好ましくは10重量%~50重量%、最も好ましくは15重量%~45重量%の、洗浄性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤が好ましい。
【0067】
本発明の洗剤組成物は、好ましくは30重量%まで、より好ましくは1~15重量%、最も好ましくは2~10重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、いわゆるピークの狭いアルキルエトキシレートを含むC12~C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及びエトキシ/プロポキシ混合物)、C6~C12アルキルフェノールのブロック型アルキレンオキシド縮合体、C8~C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(Pluronic(登録商標)(BASF Corp.製))、並びに半極性の非イオン性物質(例えば、アミンオキシド及びホスフィンオキシド)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤の広範な開示は、米国特許第3,929,678号に見出すことができる。
【0068】
アニオン性界面活性剤が存在する場合、そのアニオン性界面活性剤は、好ましくは、液体組成物の30重量%まで、好ましくは2重量%~25重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の濃度で存在する。アニオン性界面活性剤が存在する場合、そのアニオン性界面活性剤は、C11~C18アルキルベンゼンスルホネート、C10~C20分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート、C10~C18アルキルエトキシサルフェート、中鎖分枝鎖アルキルサルフェート、中鎖分枝鎖アルキルアルコキシサルフェート、1~5個のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルアルコキシカルボキシレート、変性アルキルベンゼンスルホネート、C12~C20メチルエステルスルホネート、C10~C18α-オレフィンスルホネート、C6~C20スルホスクシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。しかしながら、本来、洗剤組成物の当該技術分野で知られている任意のアニオン性界面活性剤、例えばW.M.Linfield,Marcel Dekker編「Surfactant Science Series」,Vol.7,に開示されるもの等を用いてもよい。洗剤組成物は、好ましくは、少なくとも1種のスルホン酸界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を含むか、又はその酸の水溶性の塩の形態を含む。
【0069】
好ましくは、液体洗剤組成物は、1重量%~95重量%の水、非アミノ官能性有機溶媒、及びこれらの混合物を含む。濃縮液体組成物の場合、組成物は、好ましくは15重量%~70重量%、より好ましくは20重量%~50重量%、最も好ましくは25重量%~45重量%の水、非アミノ官能性有機溶媒、及びこれらの混合物を含む。あるいは、液体組成物は、低水分液体組成物であってもよい。このような低水分液体組成物は、20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水を含むことができ、可溶性単位用量物品を作製するのに特に適している。
【0070】
本発明の液体洗剤組成物は、2重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~25重量%の非アミノ官能性有機溶媒を含んでもよい。
【0071】
液体洗剤組成物はまた、従来の洗剤成分を含んでもよく、その従来の洗剤成分は:両性、双性イオン性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される、追加の界面活性剤;酵素;酵素安定剤;両親媒性アルコキシル化脂洗浄ポリマー;粘土汚れ洗浄ポリマー;汚れ放出ポリマー;汚れ懸濁ポリマー;漂白剤系;蛍光増白剤;色調染料;粒子;香料送達系を含む香料及び他の臭気制御剤;ヒドロトロープ;抑泡剤;布地ケア香料;pH調整剤移染防止剤;保存剤;非布地直接染料;及びこれらの混合物、から選択される。
【0072】
本発明の構造化プレミックスは、より長いスレッドを含む構造化プレミックスが改善された低せん断粘度を提供するので、微粒子を安定化するのに特に有効である。したがって、本発明の構造化プレミックスは、微粒子を更に含む液体組成物を安定化させるために特に適している。好適な微粒子は、カプセル化剤、油、真珠光沢剤(例えば、マイカ及び二酸化チタン)、非水溶性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。好適な油は、香油、シリコーン消泡剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。特に好ましい油は、液体組成物に、又は液体組成物で処理された基材に臭気効果を提供する香料である。そのような香料が添加される場合には、液体組成物の重量の0.1%~5%、より好ましくは0.3%~3%、更により好ましくは0.6%~2%の濃度で添加される。
【0073】
処理された基材に長期間持続する使用中の利益を提供するために、カプセル化剤を、液体組成物に添加することができる。カプセル化剤は、液体組成物の0.01重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%、更により好ましくは0.15重量%~0.75重量%のカプセル化された活性物質の濃度で、添加することができる。好ましい一実施形態において、カプセル化物は、カプセル化された活性物質が香料である香料カプセル化物、及びカプセル化された活性物質が1種以上の酵素である酵素カプセル化物である。香料カプセル化物は、例えば、処理された基材がこすられた際に破壊されると、カプセル化された香料を放出する。
【0074】
カプセル化物は、典型的には、カプセル化物コアと、カプセル化物コアを取り囲むカプセル化物壁とを含む。カプセル化物壁は、典型的には、ホルムアルデヒドを少なくとも1つの他のモノマーと架橋することによって形成される。コアは、香料などの有益剤を含むことができる。
【0075】
カプセル化物コアは、任意選択的に、希釈剤を含んでもよい。希釈剤は、カプセル化される有益剤を希釈するために使用される材料であり、したがって不活性であることが好ましい。すなわち、希釈剤は、製造中又は使用中に有益剤と反応しない。好ましい希釈剤は:ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0076】
カプセル化物、及びそれらを製造する方法は、以下の参考文献に開示されている:米国特許出願公開第2003-215417(A1)号;米国特許出願公開第2003/216488(A1)号;米国特許出願公開第2003/158344(A1)号;米国特許出願公開第2003/165692(A1)号;米国特許出願公開第2004/071742(A1)号;米国特許出願公開第2004/071746(A1)号;米国特許出願公開第2004/072719(A1)号;米国特許出願公開第2004/072720(A1)号;欧州特許第1,393,706(A1)号;米国特許出願公開第2003/203829(A1)号;米国特許出願公開第2003/195133(A1)号;米国特許出願公開第2004/087477(A1)号;米国特許出願公開第2004/0106536(A1)号;米国特許第6645479号;米国特許第6200949号;米国特許第4882220号;米国特許第4917920号;米国特許第4514461号;米国再発行特許第32,713号;米国特許第4234627号。
【0077】
カプセル化技術は、MICROENCAPSULATION:Methods and Industrial Applications,Edited by Benita and Simon(Marcel Dekker,Inc.,1996)に開示されている。メラミン-ホルムアルデヒド樹脂又は尿素-ホルムアルデヒド樹脂などのホルムアルデヒド系樹脂は、それらの広範囲の利用可能性及び合理的コスト故に、香料のカプセル化にとって特に魅力的である。
【0078】
カプセル化物は、好ましくは1ミクロン~75ミクロン、より好ましくは5ミクロン~30ミクロンのサイズを有する。カプセル化物壁は、好ましくは0.05ミクロン~10ミクロン、より好ましくは0.05ミクロン~1ミクロンの厚さを有する。典型的には、カプセル化物コアは、50重量%~95重量%の有益剤を含む。
【0079】
液体組成物は、第四級アンモニウム化合物などの、カチオン性抗菌剤を含むことができる。このようなカチオン性抗菌剤は、液体布地柔軟化組成物及び/又は液体洗剤組成物などの液体組成物に、抗菌効果を提供する。
【0080】
好ましい第四級アンモニウム化合物は、以下の式で表される:
【0081】
【化1】
(式中、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、炭素原子6~26個の、疎水性で、脂肪族、アリール脂肪族、又は脂肪族アリール基であり、分子のカチオン部分全体の分子量は、少なくとも165である)。疎水性基は、長鎖アルキル、長鎖アルコキシアリール、長鎖アルキルアリール、ハロゲン置換長鎖アルキルアリール、長鎖アルキルフェノキシアルキル、アリールアルキルなどであってもよい。窒素原子上の、疎水性基以外の残りの基は、通常12個以下の炭素原子を含有する、炭化水素構造の置換基である。基R、R、R及びRは、直鎖であっても、又は分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖であり、1つ以上のアミド結合又はエステル結合を含んでもよい。基Xは、任意の塩形成アニオン基であってもよく、好ましくは、第四級アンモニウム殺菌剤の水への可溶化を助ける。Xは、例えば塩化物、臭化物又はヨウ化物などのハロゲン化物であってもよいが、Xはメトサルフェート対イオンであってもよく、又はXは炭酸イオンであってもよい。
【0082】
本発明の組成物に使用されるより好ましい第四級アンモニウム化合物としては、構造式:
【0083】
【化2】
(式中、R’及びR’は、同じであっても異なっていてもよく、かつC8~C12アルキルから選択され、好ましくはR’及びR’は、C10であるか、又はR’はアルキル、好ましくはC12~C18アルキル、C8~C18アルキルエトキシ、C8~C18アルキルフェノールエトキシであり、かつR’はベンジル又は置換ベンジル、好ましくはエチルベンジルである)が挙げられる。Xは、ハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物又はヨウ化物であるか、あるいはXは、メトサルフェート対イオンである。R2’及びR3’で表されるアルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってもよいが、好ましくは実質的に直鎖であるか、又は完全に直鎖である。
【0084】
例示的な第四級アンモニウム化合物としては、臭化セチルトリメチルアンモニウムなどのアルキルアンモニウムハライド、臭化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムブロミドなどのアルキルアリールアンモニウムハライド、N-セチルピリジニウムブロミドなどのN-アルキルピリジニウムハライドなどが挙げられる。他の好適な種類の第四級アンモニウム化合物としては、分子が、オクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N-(ラウリルココアミノホルミルメチル)-ピリジニウムクロリドなどのアミド結合又はエステル結合のいずれかを含有するものが挙げられる。殺菌剤として有用な他の非常に有効な種類の第四級アンモニウム化合物としては、疎水性基が、ラウリルフェニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルアミノフェニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ドデシルフェニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、塩素化ドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなどの場合のように、置換された芳香族核によって特徴付けられるものが挙げられる。
【0085】
特に有用な第四級殺菌剤としては、商標名BARDAC、BARQUAT、BTC、及びHYAMINEで現在市販されている組成物が挙げられる。これらの第四級アンモニウム化合物は、通常、C2~C6のアルコール(エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールなど)、エチレングリコールなどのグリコールなどの溶媒中で、又は、水、上記のようなアルコール、及び上記のようなグリコールを含有する混合物中で提供される。特に好ましいのは、例えばLonza社からBardac 2250(商標)、Bardac 2270(商標)、Bardac 2270E(商標)、Bardac 2280(商標)などの商品名で販売されているジデシルジメチルアンモニウムクロリド、及び/又は、例えばLonza社から商品名Barquat 4280Z(商標)で販売されている、アルキル、好ましくはC12~C18のジメチルベンジルアンモニウムクロリドと、及びアルキル、好ましくはC12~C18のジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリドとの混合物である。好ましい実施形態では、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びアルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリドは、20:80~80:20又は40:60~60:40の比で存在し、50:50の比が最も好ましい。
【0086】
他の適切であるがあまり好ましくない抗菌剤としては、殺菌性アミン、特に、LONZA-BAC 12(例えば、Lonza,Inc.(ニュージャージー州Fairlawn)及び/又はStepan Co.(イリノイ州Northfield)、並びに他の販売元から販売)などの殺菌性トリアミンが挙げられる。
【0087】
本発明による洗浄組成物では、抗菌剤、好ましくは第四級アンモニウム化合物は、洗浄組成物により処理されることが求められる選択された細菌に対して満足のいく殺菌活性を発揮するのに有効な量で存在することが必要である。このような有効性は、耐性の低い細菌株に対しては、存在する第四級アンモニウム化合物が比較的少量であっても達成可能であるが、より耐性の高い細菌株に対しては、これらのより耐性の高い株を破壊するために、より多量の第四級アンモニウム化合物が必要となる。
【0088】
第四級アンモニウム化合物は、殺菌に有効な量で存在する必要があるだけであり、0.001重量%程度の少量であり得る。より好ましい組成物では、硬質表面洗浄組成物は、殺菌効力に加えて改善された光沢のために、組成物の0.05重量%~5.00重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.9重量%~1.5重量%の濃度で抗菌剤を含む。
【0089】
殺菌有効量の抗菌剤は、EN1276(化学的消毒剤の殺菌活性試験)の方法を使用して、3分間足らずで黄色ブドウ球菌を少なくとも4.5log、好ましくは少なくとも5log減少させる結果をもたらすと考えられる。
【0090】
単位用量物品:
液体組成物はまた、水溶性フィルム中にカプセル化されて、単位用量物品を形成することができる。このような単位用量物品は、本発明の液体組成物を含み、液体組成物は低水分液体組成物であり、液体組成物は水溶性又は水分散性フィルムに封入されている。
【0091】
単位用量物品は、少なくとも1つの内部空間を完全に封入する水溶性フィルムによって形成される1つの区画を含んでもよく、その内部空間は、低水分液体組成物を含む。単位用量物品は、任意選択的に、更なる低水分液体組成物又は固体組成物を含む追加の区画を含んでもよい。多区画単位用量形態は、以下のような理由に関して望ましいものであり得る:化学的に非適合性の成分を分ける場合;又は、成分の一部分がより早く若しくはより遅く洗浄液中に放出されることが望ましい場合。単位用量物品は、当該技術分野において既知の任意の手段を使用して形成することができる。
【0092】
低水分液体組成物が液体洗濯洗剤組成物である単位用量物品が、特に好ましい。本発明の構造化プレミックスは、45重量%未満、好ましくは30重量%未満、より好ましくは20重量%未満、最も好ましくは15重量%未満の水を含む低水分液体組成物を、構造化するために使用することができる。
【0093】
好適な水溶性パウチ材料としては、ポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体が挙げられる。好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムからなる群から選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0094】
構造化プレミックスの製造方法:
本発明の構造化プレミックスは、任意の好適な方法を使用して作製されてもよい。好ましい方法は:少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を水性界面活性剤ブレンド中で混合して、少なくとも1種の低HLB非イオン性界面活性剤及び少なくとも1種の高HLB非イオン性界面活性剤が、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤の平均HLBが9.5~12.5となる濃度で存在するようにする工程と;水性界面活性剤ブレンド中で、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含むエマルションを、80℃~98℃の第1の温度で作製する工程と;そのエマルションを冷却する工程と、を含む。
【0095】
この工程では、次にプレミックスを冷却する。理論に束縛されるものではないが、冷却中に、液体油エマルション液滴は、界面活性剤吸着の結果として脱湿潤し、それによって結晶化を促進すると考えられる。冷却中にエマルション液滴の周りから小さな結晶が核形成することがある。更に、結晶化は、界面活性剤の吸着又は冷却速度によって影響され得ると考えられる。外部構造化系は、約0.1℃/分~約10℃/分、約0.5℃/分~約1.5℃/分、又は約0.8℃/分~約1.2℃/分の、冷却速度で冷却される。
【0096】
エマルションは、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤、好ましくは水添ヒマシ油(HCO)の液滴を、溶融形態で含む。液滴は、好ましくは0.1ミクロン~4ミクロンの、より好ましくは1ミクロン~3.5ミクロンの、更により好ましくは2ミクロン~3.5ミクロンの、最も好ましくは2.5ミクロン~3ミクロンの平均直径を有する。平均直径は、乳化が完了した温度で測定される。
【0097】
エマルションは、溶融形態の非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤を含むか又は更にはそれからなる第1の液体と、水性界面活性剤ブレンドを含むか又はそれからなる第2の液体と、を提供することによって調製することができる。第1の液体は、第2の液体中に乳化される。これは、典型的には、第1の液体及び第2の液体を一緒に合わせ、それらを混合装置に通すことによって行われる。エネルギー入力をプレミックスに送達する任意の好適な装置を用いて、エマルションを形成することができる。このような装置の非限定的な例は、スタティックミキサー及びダイナミックミキサー(全ての種類の低せん断及び高せん断ミキサーを含む)から選択され得る。いくつかの実施形態では、エマルションは、バッチ製造システム、又は半連続製造システム若しくは連続製造システムで形成することができる。
【0098】
第2の液体は、50重量%~99重量%、より好ましくは60重量%~95重量%、最も好ましくは70重量%~90重量%の水を含むことができる。第2の液体は、乳化を改善するために、アルキルサルフェート界面活性剤を含む。好ましい一実施形態において、第2の液体は、少なくとも1重量%、好ましくは1重量%~50重量%、より好ましくは5重量%~40重量%、最も好ましくは10重量%~30重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、生成されるエマルションが、主に界面活性剤連続相ではなく主に水連続相中に存在する、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤の液滴であるような濃度で、第2の液体中に存在するということを理解すべきである。
【0099】
第2の液体は、防腐剤を含むことができる。好ましくは、防腐剤は抗菌剤である。任意の適切な防腐剤、例えば、Thor Chemicals社(英国チェシャー)から市販されている「Acticide」シリーズの抗菌剤から選択される防腐剤を使用することができる。
【0100】
第1の液体及び第2の液体を合わせて、第1の温度でエマルションを形成する。第1の温度は、80℃~98℃、好ましくは85℃~95℃、より好ましくは87.5℃~92.5℃であり、エマルションを形成する。
【0101】
好ましくは、第1の液体は、第2の液体と合わせる直前の時点で、70℃以上の温度であり、より好ましくは70℃と150℃との間の温度であり、最も好ましくは、75℃と120℃の間の温度である。この温度範囲は、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤が溶融されることを確実にして、エマルションが効率的に形成されるようにする。しかしながら、高すぎる温度は、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤の変色、又は更には分解さえももたらす。
【0102】
第2の液体は、第1の液体と合わされる前の時点で、典型的には80℃~98℃の、好ましくは85℃~95℃の、より好ましくは87.5℃~92.5℃の温度である。すなわち、第1の温度又はそれに近い温度である。
【0103】
エマルション中の非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤対水の比は、1:50~1:5、好ましくは1:33~1:7.5、より好ましくは1:20~1:10であり得る。換言すれば、非ポリマー性で結晶性のヒドロキシル含有構造化剤対水の比は、2つの液体流が合わされるとき、例えば、混合装置に入る際には、1:50~1:5、好ましくは1:33~1:7.5、より好ましくは1:20~1:10であり得る。
【0104】
エマルションを製造する方法は、連続プロセス又はバッチプロセスであり得る。連続的であることによって、実行間のダウンタイムが低減され、コスト効率のより良い及び時間効率のより良いプロセスがもたらされる。「連続プロセス」とは、本明細書においては、装置を通る材料の連続流を意味する。「バッチプロセス」とは、本明細書においては、プロセスが別個の、異なる工程を経ることを意味する。装置を通る生成物の流れは、変換の異なる段階が完了すると中断される、すなわち材料の不連続な流れである。
【0105】
理論に束縛されるものではないが、連続プロセスの使用は、バッチプロセスと比較して、エマルション液滴サイズの改善された制御を提供すると考えられる。結果として、連続プロセスは、典型的に、所望の平均サイズを有する液滴のより効率的な生成をもたらし、したがって、液滴サイズは、より狭い範囲内に収まることになる。エマルションのバッチ生産は、バッチタンク内で生じる混合の程度の固有の変動に起因して、一般に、生産される液滴サイズが、より大きく変動する結果になる。変動は、バッチタンク内の混合パドルの使用及び配置に起因して生じ得る。その結果、より遅く移動する液体(したがって、より少ない混合及びより大きい液滴)のゾーンと、より速く移動する液体(したがって、より多くの混合及びより小さい液滴)のゾーンとが生じることとなる。当業者には、連続プロセスを可能にするために適切な混合装置を選択する方法は知られているであろう。更に、連続プロセスは、冷却工程へのエマルションのより速い移動を可能にする。冷却工程への移送前にバッチタンク内では、冷却が起こり得るが、連続プロセスはまた、この利用よりも早すぎる冷却を、より少なくすることを可能にする。
【0106】
エマルションは、任意の好適な混合装置を使用して調製することができる。混合装置は、典型的には、液体を混合するために機械的エネルギーを使用する。好適な混合装置としては、静的及び動的混合装置を挙げることができる。動的ミキサー装置の例は、ホモジナイザー、ローターステーター、及び高せん断ミキサーである。混合装置は、必要なエネルギー散逸率を提供するために、直列又は並列に配置された複数の混合装置であってもよい。
【0107】
好ましくは、エマルションは、1×10W/Kg~1×10W/Kg、好ましくは1×10W/Kg~5×10W/Kg、より好ましくは5×10W/Kg~1×10W/Kgのエネルギー散逸率を有する、高エネルギー分散を介して、成分を合わせることによって形成される。
【0108】
理論に束縛されるものではないが、高エネルギー分散は、エマルションサイズを減少させ、後の工程における結晶成長の効率を増加させると考えられる。
【0109】
エマルションは、任意の適切な手段によって、例えば、熱交換装置を通過させることによって、第2の温度まで冷却することができる。好適な熱交換装置は、プレートアンドフレーム熱交換器、シェルアンドチューブ熱交換器、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0110】
エマルションは、2つ以上の熱交換装置を通過させることができる。この場合、第2のすなわち後続の熱交換装置は、典型的には、第1の熱交換装置に対して直列に配置される。熱交換装置のそのような配置は、エマルションの冷却プロファイルを制御するために使用することができる。
【0111】
エマルションは第2の温度で少なくとも2分間維持される。好ましくは、エマルションは、第2の温度で2~30分間、好ましくは5~20分間、より好ましくは10~15分間維持される。
【0112】
構造化プレミックスを液体組成物に組み込むためには、例えばスタティックミキサーなどの任意の好適な手段を使用することができ、かつバッチプロセスで典型的に使用されるようなオーバーヘッドミキサーを使用することができる。
【0113】
好ましくは、構造化プレミックスのスレッドの損傷を最小限にするために、構造化プレミックスは、高せん断混合を必要とする成分の組み込み後に添加される。より好ましくは、構造化プレミックスは、液体組成物に組み込まれる最後の成分である。構造化プレミックスは、好ましくは、低せん断混合を用いて液体組成物に組み込まれる。好ましくは、構造化プレミックスは、1000秒-1未満、好ましくは500秒-1未満、より好ましくは200秒-1未満の平均せん断速度を用いて、液体組成物に組み込まれる。混合の滞留時間は、好ましくは20秒未満、より好ましくは5秒未満、より好ましくは1秒未満である。せん断速度及び滞留時間は、混合装置に用いられる方法に従って計算され、通常、製造業者によって提供される。例えば、スタティックミキサーの場合、平均せん断速度は、次の式を用いて計算される:
【0114】
【数1】
(式中、
は、静的ミキサーの空隙率(サプライヤーによって提供される)であり、
pipeは、静的ミキサー要素を含むパイプの内径であり、
pipeは、内径Dpipeを有するパイプを通る流体の平均速度であり、式:
【0115】
【数2】
から計算され、Qは、静的ミキサーを通る流体の体積流量である)。
【0116】
スタティックミキサーの場合、滞留時間は、次の式を用いて計算される:
【0117】
【数3】
(式中、
Lは、スタティックミキサーの長さである)。
【0118】
方法:
A)pHの測定:
pHは、取扱説明書に従って較正したゲル充填プローブ(Toledoプローブ、部品番号52 000 100など)を備えたSantarius PT-10P pHメータを使用して、25℃で、未希釈組成物に対して測定する。
【0119】
B)レオロジー:
粘度測定は、AR-G2レオメーター(TA instruments社製)を使用して、コーン及びプレート形状(直径60mm及びギャップ50μmの2°ステンレス鋼コーンを備える)を使用して行われる。定常状態フロー実験は、0.01秒-1のせん断速度で開始し、せん断速度を100-1-1に増加させて、10点/ディケードで対数的に間隔をあけて行う。データを30秒のサンプル時間で取得し、少なくとも3回の連続測定を各点で行う。
【0120】
降伏点測定は、AR-G2レオメーター(TA instruments社製)上で、コーン及びプレート形状(直径60mm及びギャップ50μmの2°ステンレス鋼コーンを備える)を使用して行われる。定常状態フロー実験は、10秒-1のせん断速度で開始し、せん断速度を10-1-1に減少させて、10点/ディケードで対数的に間隔をあけて行う。データを、30秒のサンプル時間にわたって取得し、少なくとも3回の連続測定を各点で行う。せん断速度-せん断応力(流れ)曲線は、0.1~10秒-1の間で、ハーシェル-バルクリー方程式(下記)に当てはめられる。なお、式中、σは、降伏応力であり、σはせん断応力であり、
【0121】
【数4】
はせん断速度であり、Kは粘度の尺度であり、nはべき乗指数である。
【0122】
【数5】
【0123】
C)エネルギー散逸率:
静的乳化装置を含む連続プロセスでは、エネルギー散逸率は、乳化装置にわたる圧力降下を測定し、この値に流量を掛け、次いで装置の有効容量で割ることによって計算される。乳化が、バッチタンク又は高せん断ミキサーなどの外部電源を介して行われる場合、エネルギー散逸は、以下の式1を介して計算される(Kowalski,A.J.,2009.,Power consumption of in-line rotor-stator devices.Chem.Eng.Proc.48、581.);
=P+P+P 式1
【0124】
上式中、Pは、液体に対してロータを回転させるのに必要な動力であり、Pは、液体の流れからの追加の動力要件であり、Pは、例えば軸受、振動、騒音などから失われる動力である。
【0125】
実施例:
本発明のプレミックス及び比較プレミックスを、以下の手順を用いて作製した。
【0126】
Discovery Hybrid Rheometer(DHR)(TA Instruments社(デラウェア州New Castle)製)に取り付けられたデンプンペースト化セル中で、Trios(登録商標)ソフトウェア(バージョン番号5.0.0.44608)を実行して作製した。
【0127】
合計30.0gの脱塩水、界面活性剤、及びフレーク状水添ヒマシ油を、表1に示すブレンドを提供するのに適切な量で、デンプンペースト化セルカップに添加した。アニオン性界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホネート)を使用する場合、最初に、そのアニオン性界面活性剤を、モノエタノールアミンを使用して中和した。次いで、セルカップをセルジャケットに入れ、レオメーターに取り付けた。次いで、インペラをカップ内に、正確な高さまで下げ、ロッキングカバーを取り付けた。レオメーター温度を90℃に設定し、セル内容物を、レオメーターを実行するために使用されるTrios(登録商標)ソフトウェア上の20の混合速度設定点で、設定温度に達した後10分までの時間にわたり撹拌した。
【0128】
本発明のプレミックス1~6は、高HLB非イオン性界面活性剤及び低HLB非イオン性界面活性剤の両方を、本発明に必要な範囲内に入る平均HLBをもたらす濃度で含んでいた。対照的に、比較例Aは、単一の非イオン性界面活性剤を含み、比較例B及びCは、高HLB非イオン性界面活性剤及び低HLB非イオン性界面活性剤を、平均HLBが本発明によって要求される範囲外となる濃度で含んだ。
【0129】
プレミックスを、10:90重量比で、モデル洗剤組成物中に分散させた。モデル洗剤組成物は、脱イオン水中の10.0重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(HLAS)と、1.9重量%のモノエタノールアミンと、からなっていた。これにより、得られた洗剤混合物は、9%のアニオン性界面活性剤(HLAS)と、0.4%の水添ヒマシ油と、を含んでいた。次いで、降伏点を測定した。
【0130】
表1に示す、得られた降伏点から分かるように、本発明のプレミックスは、比較プレミックスと比べて、限定されたアニオン性界面活性剤を含むか又はアニオン性界面活性剤を含まない一方で、改善された構造化を提供する。
【0131】
【表1】
Tomadol 1-3(Evonik Industries社により供給)
Surfonic 24-3(Huntsman社により供給)
Tomadol 25-3(Evonik Industries社により供給)
Tomadol 25-12(Evonik Industries社により供給)
Surfonic 24-9(Huntsman社により供給)
Lorodac 26-7(Sasol社により供給)
Tomadol 91-8(Evonik Industries社により供給)
モノエタノールアミンを用いて中和された、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(Procter and Gamble社により供給)
Thixcin R(登録商標)(Elementis Global社により供給)
10Trios(登録商標)ソフトウェアバージョン番号5.0.0.44608を使用して、ハーシェル-バルクリーモデルに基づいて推定される
【0132】
以下の構造化プレミックスを、上記と同じ方法論を使用して作製し、降伏点を測定したが、5.0重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む市販の洗剤組成物(Dreft Stage 1:Newborn液体洗剤、北米で販売)を使用した。
【0133】
【表2】
11Tomadol 45-7
【0134】
以下は、本発明の構造化プレミックスを用いて製造することができる液体洗剤組成物である。
【0135】
【表3】
12ポリエチレンオキシド主鎖及び複数のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマー(BASF社(ドイツ)により供給)
13国際公開第2017/162836号(Novozymes)の配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、及び9によって定義されるデオキシリボヌクレアーゼの野生型及びバリアント、並びに国際公開第2018/011277号(Novozymes)に記載されるものを含むBacillus cibiデオキシリボヌクレアーゼのバリアント、並びに/又は国際公開第2018/178061号(Novozymes)の配列番号3、6、9、12、15、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、72及び73によって定義されるデオキシリボヌクレアーゼの野生型及びバリアントなどのリボヌクレアーゼなどデオキシリボヌクレアーゼは、微量のスーパーオキシドジスムターゼ不純物を含んでいる場合がある。
144,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム塩、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩、又は5-[(4-アミノ-6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-2-[(Z)-2-[4-[(4-アミノ-6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]-2-スルホナトフェニル]エテニル]ベンゼンスルホネートなど
15Tinosan(登録商標)HP(BASF社(ドイツ)により供給)
16適切な抗酸化剤としては、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン;ベンゼンアミン、4-(1-メチル-1-フェニルエチル)-N-[4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル]-;オクタデシルジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート、及びそれらの混合物が挙げられる
【0136】
以下は、本発明の構造化プレミックスを用いて製造することができる液体布地柔軟化組成物である。
【0137】
【表4】
17(Evonik社により供給)この材料の親脂肪酸のヨウ素価は18~22であり、この材料は、遊離の脂肪酸の形態の夾雑物と、モノエステル及びジエステル形態のN,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含有する
18ジエチレントリアミン五酢酸Na塩(DTPA)
1920%水溶液として、商品名Proxel(登録商標)GXLで、Lonza社により供給される。
【0138】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【外国語明細書】