(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009817
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20250109BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】45
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063488
(22)【出願日】2024-04-10
(62)【分割の表示】P 2023107932の分割
【原出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】517019991
【氏名又は名称】株式会社プレシジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寿彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】医療従事者による医療情報の処理の自動化を図る。
【解決手段】プロセッサ39とメモリ35、36とを備えるサーバ30を動作させるためのプログラムである。メモリ35,36には、サーバ30及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納されている。プログラムは、プロセッサ39に、病歴情報等の入力を受け入れる第1ステップと、第1ステップで受け入れた入力を用いて検索データベースを検索してサーバ30及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得し、または、第1ステップで受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデルに入力して、サーバ30及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得する第2ステップとを実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記メモリには、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または前記実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップと、
前記第1ステップで受け入れた前記入力を用いて前記検索データベースを検索して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得するか、または、前記第1ステップで受け入れた前記入力を前記プログラムまたは前記機械学習モデルに入力して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作指示を指示するための前記実行指示データを取得する第2ステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記実行指示データは、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる複数の個別実行指示データを含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つは自然言語で記述されており、または、前記検索データベースを検索時の処理に自然言語処理を行うか、または、前記プログラムまたは前記機械学習モデルは自然言語処理を行い前記実行指示データの生成をする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記実行指示データは、検査オーダー実行指示データ、処方オーダー実行指示データ、病名登録実行指示データ、メッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ、テンプレート表示実行指示データ、テンプレートデータ入力実行指示データ、検査結果フィルター後表示実行指示データ、処方情報フィルター後表示実行指示データ、及び受診予約実行指示データの少なくとも一つを含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる前記第1ステップの入力として、紹介状または、お薬手帳、検査結果のスキャナのOCR結果情報、電子的紹介状、電子的お薬手帳及び電子的検査結果、前記患者が入力した自然言語である前記情報、前記患者が入力した音声を音声認識した結果である前記情報、前記プログラムまたは前記機械学習モデルにより生成された前記診療メモの少なくとも一つの情報を用いる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記第2ステップで取得した前記実行指示データを前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに出力し、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する第3ステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記実行指示データは、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる複数の個別実行指示データを含み、
前記第3ステップにおいて、前記第2ステップで取得した、複数の前記個別実行指示データを含む前記実行指示データを前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに出力し、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して、前記複数の個別実行指示データに基づいて一連となる特定の動作実行を指示する
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記第3ステップにおいて特定の動作実行を前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに指示してこのコンピュータ及び/または他のコンピュータから得られた出力を受け入れる第4ステップと、
前記第4ステップで受け入れた前記出力により前記病歴情報または前記診療メモを更新修正する第5ステップと、
前記第5ステップで更新した前記病歴情報または前記診療メモを入力として前記データベースを検索して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得し、または、前記第4ステップで更新した前記病歴情報または前記診療メモを前記プログラムまたは前記機械学習モデルに入力して、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを再度取得する第6ステップと
を実行させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記第2ステップにおいて取得した前記実行指示データにより特定の動作実行を前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに指示するか否かの承認入力を受け入れる第7ステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第7ステップにおいて、前記第2ステップにおいて取得した前記実行指示データの概要を示す情報を生成して提示し、前記情報を提示した後に、前記実行指示データにより特定の動作実行を前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに指示するか否かの承認入力を受け入れる
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記第4ステップにおいて取得した前記出力により前記病歴情報または前記診療メモを更新する際に、更新修正内容の提示と、更新の承認を受け入れる第8ステップ
を実行させる、請求項8に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第7ステップにおいて、取得した前記実行指示データに複数の選択肢が含まれている場合、複数の前記選択肢のうち少なくとも一つの選択入力を受け入れる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第8ステップにおいて、前記病歴情報または前記診療メモの更新修正に複数の選択肢が含まれている場合、複数の前記選択肢のうち少なくとも一つの選択入力を受け入れる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記第7ステップで前記承認入力があった前記実行指示データを前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに出力し、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する第9ステップ
を実行させる、請求項9に記載のプログラム。
【請求項15】
前記検索データベースは、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに含まれる単語、または、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに基づいて自然言語処理をして作成されたタグが前記検索データベースの検索キーとして設定され、前記タグに、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データが対応付けられている、請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記検索データベースは、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモに含まれる入院開始日、手術日、外来初診日等の日付情報を自然言語処理により所定の日時からの相対的な日時に変換した前記タグを含む、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに含まれる単語から前記タグを生成し、または、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモに基づいて自然言語処理をして前記タグを生成する第10ステップと、
前記タグの生成の根拠となる前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つを、前記タグに基づく前記実行指示データを検索した際に提示する第11ステップ
を実行し、
前記第10ステップにおいて、前記病歴情報とのリンク及び前記病歴情報に含まれる前記病名の位置を前記検索データベースに記録し、
前記第11ステップにおいて、前記タグの生成の根拠となる前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つを提示するとき、前記タグの生成の根拠となる前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つが最初に提示された場合、最初に提示されたことを提示するとともに、前記タグの生成の根拠となる前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモが複数存在する場合、最も古い日付情報を有するタグの生成の根拠となる前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモを提示する、
請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記メモリには医療関係の標準用語集が格納され、
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに含まれる前記単語、または、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つを自然言語処理して得られる単語に基づいて、同義語を検索するか、または、これら病歴情報等のコサイン類似度を検索して、前記標準用語集の単語を入手し、その単語を新たな前記タグとして前記検索データベースに設定する第12ステップを実行させる、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項19】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記検索データベースの前記検索タグについての修正入力をユーザから受け入れ、この修正入力に基づいて前記検索タグを修正する第13ステップを実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項20】
前記検索データベースは、前記検索タグについてのコメント及び/または非推奨状態である情報が前記タグに紐付けられた状態で格納されており、
前記第2ステップにおいて、前記タグに基づいて前記検索データベースを検索した際に、このタグに前記コメントが紐付けられている場合はこのコメントを提示し、前記タグに非推奨状態である情報が紐付けられている場合はこのタグに紐付けられている前記実行指示データの提示態様を他の前記実行指示データの提示態様と異ならせる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項21】
前記検索データベースは、前記タグに対して入力されたフラグ、及び/またはポジティブ及びネガティブフィードバックの個数を示す情報がこのタグに紐付けられ、
前記第2ステップにおいて、前記検索データベースを検索する際に、前記タグに前記フラグが紐付けられている場合、前記フラグに基づいて前記実行指示データをフィルターし、または優先的に表示させ、前記タグに前記ポジティブ及びネガティブフィードバックの一方を示す情報が紐付けられている場合、前記ネガティブフィードバックの個数が前記ポジティブフィードバックよりも多いならば、前記実行指示データを優先的に表示させる
請求項15に記載のプログラム。
【請求項22】
前記検索データベースには、ユーザ毎の前記実行指示データの動作指示回数、前記ユーザが属する診療科毎の前記実行指示データの動作指示回数、前記実行指示データに係る患者の名前、前記患者の年齢、前記実行指示データの作成者、前記作成者の役職名、または前記作成者が属する前記診療科が、前記実行指示データに紐付けられて格納され、
前記第2ステップにおいて、前記ユーザの過去の動作指示回数、診療科別の動作指示回数、医療機関での動作指示回数、前記患者の名前、前記患者の年齢、前記実行指示データの作成者、前記実行指示データの作成者の役職名、前記作成者が属する前記診療科、前記ユーザが属する前記診療科で実行指示データに基づく実行指示データの実行指示回数、前記役職名毎の前記実行指示データに基づく実行指示回数のランキング、前記実行指示データに紐付けられている前記個別実行指示データの個数のランキングに基づいて、前記実行指示データの表示態様を変更する
請求項7に記載のプログラム。
【請求項23】
前記第2ステップにおいて、ユーザからの発話入力を受け入れ、前記発話入力に基づいて前記検索データベースを検索して前記実行指示データを取得する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項24】
前記第2ステップにおいて、ユーザからの発話入力を受け入れ、前記発話入力に基づいて、取得した前記実行指示データを修正する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項25】
前記第2ステップにおいて、前記第13ステップにおいて修正された前記検索タグにより前記検索データベースを検索して得られた前記実行指示データについて、前記ユーザからの前記発話入力を受け入れ、前記発話入力に基づいて前記実行指示データを修正する
請求項19に記載のプログラム。
【請求項26】
前記機械学習モデルは、前記タグと前記実行指示データとに基づいて、機械学習またはプロントエンジニアリングして作成される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項27】
前記検索データベースにおいて前記タグは複数設けられており、
前記第2ステップにおいて、前記検索データベースを検索する際、前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに前記タグが含まれているか否かを検索し、前記検索データベースの検索結果として、前記タグに対応した、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得する、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項28】
前記メモリには過去の前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリスト及び前記診療メモのプロブレムの少なくとも一つ及び前記病歴情報等の入力日時と過去の前記実行指示データ及び前記実行指示データの生成日時とが格納されており、
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つの入力または前記タグの生成と同時または同日または同月または関連付けて実行指示した前記実行指示データに基づいて前記検索データベースの前記実行指示データを生成する第14ステップ
を実行させる、請求項1記載のプログラム。
【請求項29】
前記第14ステップにおいて、前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つに含まれる識別子とこの識別子に続く単語を抽出し、抽出した前記単語を前記タグに設定する、請求項28に記載のプログラム。
【請求項30】
前記識別子は前記過去の前記プロブレムリストに含まれる前記識別子であり、
前記第14ステップにおいて、前記プロブレムリストに含まれる病名、症状名を前記タグに設定する、
請求項29に記載のプログラム。
【請求項31】
前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つには過去の検査情報が含まれており、
前記第2ステップにおいて、前記実行指示データとして検査オーダー実行指示データを取得し、そのうち、前記過去の前記検査情報と同じまたは同義の前記検査実行指示データを表示する、
請求項28に記載のプログラム。
【請求項32】
前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つには過去の処方情報が含まれており、
前記第2ステップにおいて、前記実行指示データとして処方オーダー実行指示データを取得し、そのうち、前記過去の前記処方情報と同じ成分の薬を、絞り込んで表示するかハイライトするかランクの上位に表示する、
請求項28に記載のプログラム。
【請求項33】
前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つには既往歴等の病名が含まれており、
前記第2ステップにおいて、前記実行指示データとして病名登録実行指示データを取得し、前記病名と同じまたは同義の前記病名登録実行指示データ確認し、病名登録されてない病名を、絞り込んで表示するかハイライトするかランクの上位に表示する、
請求項28に記載のプログラム。
【請求項34】
前記過去の病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つには既往歴等の病名が含まれており、
前記第2ステップにおいて、前記実行指示データとして病名登録実行指示データを取得し、前記病名の副病名の入力を受け入れる、
請求項28に記載のプログラム。
【請求項35】
前記プログラムは、
自然語または選択肢ボタンによる指示入力を受け入れる第15ステップを実行させ、
前記第2ステップの前記入力として前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つと前記指示入力とを用い、前記実行指示データを取得する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項36】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記検索データベースの検索結果、または前記実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルの出力結果と、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データとを同時に視認可能な状態で提示する第16ステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項37】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記病歴情報、前記患者が入力した情報、前記病名、前記症状名、前記プロブレムリストのプロブレム及び前記診療メモの少なくとも一つを要約した情報と、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータへの前記実行指示データの検索理由を示す自然言語とを生成し、前記病歴情報等と、前記病歴情報等を要約した情報と、前記自然言語とを提示し、前記実行指示データに対する承認ボタンまたは選択ボタンを同時に視認可能な状態で提示する第17ステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項38】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記メモリには、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記病歴の入力を受け入れる第18ステップと、
前記第18ステップで受け入れた前記病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、
前記第19ステップで生成された前記検索単語に基づいて前記医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項39】
前記プログラムは、前記プロセッサにさらに、
前記医療指示情報の頻度または過去に医療指示をしたユーザ名または役職を表示する第21ステップを実行させる、請求項37に記載のプログラム。
【請求項40】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記メモリには、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作指示を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または前記実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納され、
前記プロセッサは、
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップと、
前記第1ステップで受け入れた前記入力を用いてとして前記検索データベースを検索して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得し、または、前記第1ステップで受け入れた前記入力を前記プログラムまたは前記機械学習モデルに入力して、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための前記実行指示データを取得する第2ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項41】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記メモリには、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、
前記プロセッサは、
前記病歴の入力を受け入れる第18ステップと、
前記第18ステップで受け入れた前記病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、
前記第19ステップで生成された前記検索単語に基づいて前記医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項42】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記メモリには、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または前記実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納され、
前記プロセッサは、
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップと、
前記第1ステップで受け入れた前記入力を用いて前記検索データベースを検索して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得するか、または、前記第1ステップで受け入れた前記入力を前記プログラムまたは前記機械学習モデルに入力して、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための前記実行指示データを取得する第2ステップと
を実行する、方法。
【請求項43】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記メモリには、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、
前記プロセッサは、
前記病歴の入力を受け入れる第18ステップと、
前記第18ステップで受け入れた前記病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、
前記第19ステップで生成された前記検索単語に基づいて前記医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップと
を実行する、方法。
【請求項44】
前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または前記実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納されたメモリと、
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる手段と、
前記病歴情報の入力を受け入れる手段が受け入れた前記入力を用いて前記検索データベースを検索して前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための前記実行指示データを取得し、または、前記第1ステップで受け入れた前記入力を前記プログラムまたは前記機械学習モデルに入力して、前記コンピュータ及び/または前記他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための前記実行指示データを取得する手段と
を有する、システム。
【請求項45】
少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納されたメモリと、
前記病歴の入力を受け入れる手段と、
前記病歴の入力を受け入れる手段が受け入れた前記病歴に基づいて検索単語を生成する手段と、
前記検索単語を生成する手段が生成した前記検索単語に基づいて前記医療指示情報を検索してユーザに提示する手段と
を有する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医師が患者に対する問診内容及び問診結果を電子的に記録し、さらに患者に行う医療行為の履歴を電子的に記録する電子カルテは公知である。
【0003】
上述した技術に関連する技術として、特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
特許文献1には、医療支援装置に関する技術が開示されている。医療支援装置において、入力項目表示手段は入力項目を表示器に表示する。入力項目選択手段は複数の前記入力項目から一の前記入力項目を選択する。音声認識手段は、選択された辞書を用いて、入力された音声の音声認識を行い、音声に対する語句候補を抽出する。語句候補表示手段は抽出された語句候補を表示器に表示する。選択操作受付手段は語句候補から一の語句候補の選択操作を受付ける。記憶制御手段は、選択操作された一の語句候補を、選択した一の前記入力項目に対する回答として記憶手段に記憶させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術では、医療分野の専門辞書を用いて音声認識処理を行っているが、この場合でも、医療従事者が音声入力をする必要があり、その手間を削減することが求められていた。
【0007】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、医療従事者による医療情報の処理の自動化または承認をユーザに求める半自動化を図る技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムである。メモリには、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる実行指示データが格納された検索データベース、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデルが格納されている。プログラムは、プロセッサに、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップと、第1ステップで受け入れた入力を用いて検索データベースを検索して前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得し、または、第1ステップで受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデルに入力して、前記コンピュータ及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得する第2ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、医療従事者による医療情報の処理の自動化または承認をユーザに求める半自動化を図ることができる。また、本開示は、電子カルテを効率的に利用するための機能である文書登録、オーダー指示登録などの登録業務も半自動化させるため、電子カルテを効率的に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るシステムの全体の構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る検索データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る検索データベースのデータ構造の他の例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係るシステムにおける処理流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係るシステムにおける処理流れの他の例を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態に係るシステムにおける処理流れのまた他の例を示すフローチャートである。
【
図10】一実施形態に係るシステムにおける処理流れのまた他の例を示すフローチャートである。
【
図11】一実施形態に係る端末装置で表示される画面の一例を表す模式図である。
【
図12】一実施形態に係る端末装置で表示される画面の別の一例を表す模式図である。
【
図13】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図14】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図15】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図16】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図17】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図18】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図19】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図20】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図21】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図22】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図23】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図24】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図25】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図26】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図27】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【
図28】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0012】
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0013】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0014】
また、以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
【0015】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0016】
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインターフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
【0017】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0018】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0019】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0020】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0021】
<0 システムの概要>
本開示に係るシステムは、医師に代表される医療従事者が、病歴情報、診療メモなどの医療情報の入力を契機に、このシステム内あるいは他のシステムにあるコンピュータが解釈可能なフォーマットによる動作実行の指示をこのコンピュータに行うシステムである。加えて、指示に基づくコンピュータからの結果の返信を契機に、さらに、コンピュータが解釈可能なフォーマットによる動作実行の指示をコンピュータに行い、以上の動作を繰り返すシステムである。なお、病歴とは、患者の既往症、アレルギー歴、家族歴、現病歴(現症・経過・検査所見・治療)などの記録をふくむものであり、カルテデータの一部である。多くの場合は、自然文で記載されることもあるが、電子カルテのテンプレートという形をもちいて、データが定型化されることもある。特にテンプレートでは既往歴、家族歴、現病歴が分かれたテンプレート形式で記録し、下記に示す自然言語処理時に、その2つまたは3つを異なる入力として扱って、精度を上げてもよい。
【0022】
以下、本開示に係るシステムの骨子について説明するが、以下の説明により本開示に係るシステムが限定的に解釈される必要はなく、本明細書の開示及び当業者が有する通常の技術的知識及び常識に基づいて本開示の内容を理解すべきである。
【0023】
本開示に係るシステムは、時間情報の入った病歴情報の自然文を入力として、様式に沿った機械(コンピュータ)への指示のためのデータ(以下機械向け実行指示データ)を、自然文または単語またはタグと紐づく機械向け実行指示データの検索データベースの自然文との類似検索または機械向け実行指示データの生成モデルまたは機械処理を用いて生成することで入手し、機械への実行指示を行うことで人の機械入力の手間を軽減する。
【0024】
また、本開示に係るシステムは、機械への実行指示の結果または返信を時間情報とともにテキスト化することで病歴を更新し、様式に沿った機械への実行指示のためのデータの入手を2回目以降くりかえすことで、継続的に機械の指示の手間を軽減するものである。
【0025】
この際、病歴の自然言語と、医療従事者に機械への実行指示データを誘導する自然言語と、その二つの自然言語に基づいて機械向け実行指示データを入手する機能がくみあわさることで、病歴の追記と、チャット機能を有する機械への実行指示のナビゲーションと、機械への実行指示の入力の省力化が同時に達成できる。
【0026】
また、本開示に係るシステムは、病歴を入力するユーザーインターフェースと、病歴をインプットとし、専用の検索または専用の生成AI(人工知能)を利用することによって入手された機械への実行指示データを入手し、機械への実行指示を表示し承認を得るユーザーインターフェースを備える。なお、この場合の機械への実行指示は、自然言語追記実行指示、問診票表示実行指示、検査発注実行指示、処方実行指示、診療報酬病名入力実行指示、患者へのメッセージ送付実行指示、RPA実行指示、テンプレート表示実行指示、テンプレートデータ入力実行指示、検査結果フィルター後表示実行指示、処方情報フィルター後表示実行指示、受診予約実行指示などを含む。以下、機械への実行指示データは、これらの指示を含む
【0027】
特に、本開示に係るシステムは、病歴を入力するユーザーインターフェースと、病歴をインプットとし、検索を利用することによって入手された機械への複数の指示を入手し、機械への実行指示を表示し選択または日付等の修正をして新しい実行指示に更新をするユーザーインターフェースを備える。
【0028】
さらに、本開示に係るシステムは、病歴を入力するユーザーインターフェースと、病歴をインプットとし検索を利用することによって入手された機械への一つ以上の指示を入手し、機械への実行指示を表示し選択をするユーザーインターフェースを備え、機械への実行指示とそのタグを表示し修正するユーザーインターフェースを持つ。
【0029】
また、本開示に係るシステムは、病歴を入力する画面と、病歴を入力とした検索または機械への実行指示に専用の生成モデルを利用することによって入手された機械への実行指示を入手し、検索単語候補と同画面で病歴に対応する機械への実行指示を表示し承認を得るボタンを押すと、指示の内容を病歴に追記するか、指示の承認の結果、他の機械で表示された問診票に対して、患者が入力した結果を受け取ったり、検査をおこなった結果、検査結果を得たりしたことにより、病歴を更新し、次の機械への実行指示更新候補を表示、それを承認するユーザーインターフェースと、その承認の結果更新された病歴更新の動作を繰り返す。
【0030】
この承認を得る際に、現在の患者とこの指示が行われた患者の差を表示することも可能である。一例では、インフルエンザの患者に対する処方で、咳、鼻汁が出ている患者に対して類似症例を検索をして、実行指示データを入手した際に、検索の結果として、咳、鼻汁、発熱を認める患者が引っかかった場合は、テンプレート表示の中で症状の欄に、今患者の病歴:咳(+)、鼻汁(+)、発熱(―)、実行データ指示データの元の病歴:咳(+)、鼻汁(+)、発熱(+)などのように、症状の有無をプラスマイナスにするなどしてわかりやすく差分を表示するための自然言語処理を行ってもよい。また、これらの情報をより比較、理解しやすくするために表形式で時系列と比較を表示してもよい。
【0031】
特に、本開示に係るシステムは、病歴を入力する機能と、病歴を入力とした検索または機械への実行指示に専用の生成モデルを利用することによって入手された機械への実行指示を入手し、機械への実行指示を表示し承認を得るユーザーインターフェースを備え、病歴を基に医療従事者に機械への実行指示データを誘導する自然言語を表示する機能を伴う。
【0032】
なお、病歴の更新時に、ユーザに病歴更新部分をハイライトしてもよく、また、病歴の更新者が自然言語処理であることを記録し、その変更歴を履歴管理して差分を表示するインターフェースを用意してもよい。特にテンプレートを用いて病歴を記載している場合で、問診票の入力内容により、現病歴、既往歴、家族歴、アレルギーの有無等のテンプレートの値が更新された場合は、その更新部分をハイライトして、情報が追記、更新されたことをユーザに示してもよい。
【0033】
また、本開示に係るシステムは、病歴を入力するユーザーインターフェースと、病歴を記載するインターフェースに記載された自然文をもとに、プロブレムリストが更新され、そのプロブレムリストをもとに、検索単語が設定され、過去の検査、過去の処方、過去の機械指示が検索されるシステムである。
【0034】
さらに、本開示に係るシステムは、病歴を入力するユーザーインターフェースと、病歴を記載するインターフェースに記載された自然文をもとに、チャットの文章が生成され、検索単語が設定され、過去の検査、過去の処方、過去の機械指示が検索されるシステムである。
【0035】
さらに、本開示に係るシステムは、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータを備え、病歴の入力を受け入れたら、この病歴に基づいて検索単語を生成し、生成した検索単語に基づいて医療指示情報を検索してユーザに提示する。さらに、医療指示情報の頻度または過去に医療指示をしたユーザ名または役職を表示してもよい。
【0036】
<一実施形態>
<1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態の医療支援システム(以下、単に「システム」と称する)1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10及び端末装置20を示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ30とを含む。端末装置10、20とサーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ30はWebサーバ(クラウドサーバを含む)としての機能を有するサーバであり、端末装置10、20との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10、20にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ30のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0037】
端末装置10のハードウェア構成と端末装置20のハードウェア構成とは共通するので、端末装置10のハードウェア構成について説明することで、端末装置20のハードウェア構成の説明を省略する。なお、端末装置10の構成要素と同一の端末装置20の構成要素については、参照符号を2から始まるものとして、参照符号の体系を同じにしている。
【0038】
端末装置10は、患者が操作する装置である。患者は、端末装置10の出力装置14に表示される電子問診票の問診設問を閲覧し、この問診設問に対応する問診返信内容を入力装置13により入力する。なお、医療従事者が患者による端末装置10の操作、つまり電子問診票の問診返信内容の入力を支援することもあり得る。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0039】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ30と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0040】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインターフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0041】
端末装置20は、医療従事者またはシステム1の管理者が操作する装置である。ここに、医療従事者とは、医師、看護師、医療知識を有する検査技師等を含む概念である。なお、以下の説明において、医療従事者とシステム1の管理者とを区別して説明する時以外は、医療従事者にはシステム1の管理者が含まれるものとする。
【0042】
医療従事者は、端末装置20を用いて医療情報を閲覧し、医療行為を含む患者に対する指示を入力する。入力された指示は、後述するサーバ30において処理され、あるいは、システム1の外にある外部サーバ40において処理され、処理結果が端末装置20に表示される。また、端末装置10を介して患者が入力した電子問診票の入力結果も端末装置20に表示される。
【0043】
サーバ30は、本実施形態のシステム1の管理者により管理され、端末装置20の利用者である医療従事者により適宜格納内容が修正/追加/削除がされる。サーバ30は電子カルテ装置でもあり、医療施設において医療従事者が端末装置20を介して電子カルテの入力項目及び入力内容を閲覧し、入力内容の修正/追記を行う。本開示に係るシステムの特徴でもある、医療指示情報を含む各種指示情報のログの少なくとも一部は、電子カルテの入力内容として反映される。
【0044】
サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ30は、通信IF32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、プロセッサ39とを備える。
【0045】
通信IF32は、サーバ30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインターフェースである。入出力IF33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインターフェースとして機能する。メモリ35は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ36は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0046】
<1.1 端末装置10の機能的な構成>
図2は、
図1に示す端末装置10の機能的な構成の例を表すブロック図である。
図2に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。
図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0047】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ30)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0048】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、または情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、キーボード、マウス、リーダー等により実現されてもよい。端末装置10が携帯端末等である場合には、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0049】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0050】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0051】
記憶部180は、例えば、メモリ15、および記憶部16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、電子問診票データ182、画像データ183を記憶する。
【0052】
電子問診票データ182は、サーバ30に格納されている電子問診票データ3028に基づいて生成され、患者が端末装置10を操作して問診返信内容の入力を行った電子問診票のデータである。
【0053】
画像データ183は、患者に対して電子問診票を提示する際に使用される画像データである。
【0054】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるアプリケーションプログラム181を読み込み、アプリケーションプログラム181に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、記憶部180に格納されたアプリケーションプログラム181に従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、提示制御部194と、電子問診票入力部195と、電子問診票データ送出部196としての機能を発揮する。
【0055】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、または情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、キーボード、マウス等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
【0056】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ30等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された業務内容をサーバ30へ送信する。また、送受信部192は、ユーザに関する情報を、サーバ30から受信する。
【0057】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、アプリケーションプログラム181に従って演算を行い、演算結果をメモリ15等に出力する処理を行う。
【0058】
提示制御部194は、サーバ30から提供された情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部194は、サーバ30から送信される情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部194は、サーバ30から送信される情報をスピーカー172から出力させる。
【0059】
電子問診票入力部195は、提示制御部194によりディスプレイ141に表示された電子問診票の問診設問に対して患者が入力した問診返信内容の入力(この問診返信内容の入力は、予め設定された問診設問の選択肢のいずれかに対する選択入力を含む)を受け入れ、受け入れた問診返信内容の入力を、この問診返信内容に関連付けられた問診項目に紐付けて電子問診票データ182に格納する。
【0060】
電子問診票データ送出部196は、電子問診票入力部195により問診返信内容の入力が受け入れられ、記憶部180に電子問診票データ182として格納された電子問診票データ182をサーバ30に送出する。
【0061】
<1.2 端末装置20の機能的な構成>
図3は、
図1に示す端末装置20の機能的な構成の例を表すブロック図である。
図3に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。
【0062】
端末装置20の機能的な構成は端末装置10の機能的な構成と共通するものが多いので、端末装置10の機能的な構成と異なる部分を中心に説明を行う。
【0063】
記憶部280は、例えば、メモリ25、およびストレージ26等により実現され、端末装置20が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部280は、例えば、電子カルテデータ282を記憶する。
【0064】
電子カルテデータ282は、医療従事者が端末装置20を操作して入力を行ったデータであり、後述するサーバ30の各機能部により生成された医療指示情報を含む各種指示情報のログの少なくとも一部は、電子カルテの入力内容として反映される。
【0065】
制御部290は、プロセッサ29が記憶部280に記憶されるアプリケーションプログラム281を読み込み、アプリケーションプログラム281に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部290は、端末装置20の動作を制御する。制御部290は、記憶部280に格納されたアプリケーションプログラム281に従って動作することにより、操作受付部291と、送受信部292と、データ処理部293と、提示制御部294と、指示情報入力指示部295と、電子カルテデータ出力部296としての機能を発揮する。
【0066】
操作受付部291、送受信部292、データ処理部293、及び提示制御部294の動作は、端末装置10の操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、及び提示制御部194と同様であるので、これらの説明は省略する。
【0067】
指示情報入力指示部295は、サーバ30が備える自然言語生成モデル3023等からの医療指示情報を含む各種指示情報に基づいて、この自然言語生成モデル3023等を含む他のコンピュータに対する各種指示を承認する、選択する、等の動作を行い、サーバ30内のモジュール、または外部サーバ40内のモジュール等に対して各種指示を行う。医療指示情報、各種指示情報の詳細については後述する。
【0068】
電子カルテデータ出力部296は、指示情報入力指示部295からサーバ30等への各種指示情報及び各種指示情報に基づくサーバ30等からの出力を含む情報を、電子カルテデータとしてサーバ30に出力する。
【0069】
<1.3 サーバ30の機能的な構成>
図4は、サーバ30の機能的な構成の例を示す図である。
図4に示すように、サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
【0070】
通信部301は、サーバ30が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0071】
記憶部302は、例えば、電子カルテデータ3022と、自然言語生成モデル3023と、実行指示データ生成モデル3024と、医療情報データ3025と、RPAデータ3026と、検索データベース3027と、電子問診票データ3028と、判定モデル3029等とを有する。
【0072】
電子カルテデータ3022は、サーバ30を利用する医療施設を受診したことがある患者についての電子カルテデータ3022である。電子カルテデータ3022そのものは既知であるので、その詳細は割愛するが、一般的に、時間情報が入った病歴情報、患者の検査データ、患者への処方データなどである。電子カルテデータ3022は、入力項目とこの入力項目に関連付けられた入力内容とを有する。電子カルテデータ3022のデータ形式には特段の限定はないが、本実施例の電子カルテデータ3022は、XAML(Extensible Application Markup Language)で記述されたデータをJSON(JavaScript Object Notation)(JavaScriptは登録商標)形式に変換したものである。電子カルテデータ3022は、その入力項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子カルテデータ3022を構成する。
【0073】
本実施形態のシステム1において、電子カルテデータ3022は医療情報の一例である。また、後述するように、サーバ30と端末装置20との間のやり取り、サーバ30、外部サーバ40内のモジュール間のやり取りのログも、端末装置20操作する医療従事者の承認を経て電子カルテデータ3022として取り込まれる。また、端末装置20を介して医療従事者が入力した診療録についても、端末装置20操作する医療従事者の承認を経て電子カルテデータ3022として取り込まれる。
【0074】
自然言語生成モデル3023は、例えばChatGPTに代表されるように、自然言語が入力されると、この自然言語に対する自然言語を出力するものである。一例では、医療従事者に機械への実行指示データがなぜ提示されているのか(つまり実行指示データの提示理由)を説明する自然言語を出力するようにファインチューニングを行い、実行指示データの承認を入力するボタンの近傍に表示することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。このような自然言語を作成する自然言語モデルは、病歴情報と機械指示情報と、「医療従事者に機械への実行指示データがなぜ提示されているのかを説明する自然言語」の3つのペアの情報一覧を作成し、病歴情報と機械指示情報を入力にして、「医療従事者に示す機械への実行指示データがなぜ提示されているのかを説明する自然言語」を生成するように機械学習をすることで作成することができる。
【0075】
チャット機能及び大規模言語モデルそのものは公知技術であるので、その具体的な構成や生成方法についての説明はここでは割愛する。
【0076】
実行指示データ生成モデル3024は、自然言語生成モデル3023と同様に、特定の医療指示情報等に対して適切な回答を返信できるように、事前に適切な自然言語情報を用いて学習されて生成されている。
【0077】
本実施形態のシステム1における実行指示データ生成モデル3024としては、電子問診票データを生成する電子問診票データ生成モデル、過去の患者の病歴や問診結果、さらには過去の検査内容、処方内容、病名登録内容に基づいて、特定の患者に対して適切な検査オーダーを生成する検査オーダー指示データ生成モデル、特定の患者に対して適切な処方オーダーを生成する処方オーダー指示データ生成モデル、特定の患者に対して適切な病名登録指示を生成する病名登録指示生成モデル、サーバ30や外部サーバ40のモジュールに対して適切なRPA(Robotic Process Automation)オーダーを生成するRPA実行指示データ生成モデルなどがある。ここに、RPAオーダーは、例えば医療施設での館内放送を行うモジュール、医療施設内における患者への案内メッセージを生成して送出し、あるいは表示するモジュール等への指示が挙げられ、これらモジュールに対して適切な動作を行わせる実行指示を生成するものである。
【0078】
実行指示データ生成モデル3024は、好ましくは、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールが解釈可能なフォーマットによる、モジュールに対して特定の動作を指示するために用いる実行指示データである。
【0079】
自然言語生成モデル3023の生成方法は公知であるのでここでの説明は割愛するが、実行指示データ生成モデル3024は、ある意味、医療指示情報についてカスタマイズされた自然言語生成モデルであるので、その生成方法については後述する。
【0080】
医療情報データ3025は、後述する各種情報入力受入モジュール3035により受け入れられた医療情報に関するデータである。ここにいう医療情報の典型例は、お薬手帳OCR結果、紹介状OCR結果、診療メモ、患者入力のテキストまたは音声情報、カルテのログ、通信記録、印刷指示、物流情報、医療従事者の勤怠情報など、電子教科書、薬剤相互作用情報、禁忌状態情報、医療現場に存在する情報である。一般的に医療情報は、電子カルテよりも広い概念であり、医療情報データ3025の一部は電子カルテデータ3022と重複することがあり得る。
【0081】
なお、診療メモとは、臨床現場で医療従事者が記載する必ずしも公的な責任を負わない文章である。具体的には、思いついたことのメモ、カンファレンスなどのメモである。自然言語生成モデル3023などが診療メモを自動で作成することが可能である。しかし、カルテとして保存するためには、その診療メモを医師が承認することが必要である。他、紙の問診票の記載内容、患者が持参する経過記録などは、実際の医療現場では、診療メモとして扱われていることが多く、医師が承認をすると電子カルテデータ3022になる。
【0082】
RPAデータ3026は、サーバ30内または外部サーバ40内のモジュールに対するRPAデータである。
【0083】
検索データベース(DB:Database)3027は、医療情報に含まれる単語または単語の列、または、医療情報に基づいて自然言語処理をして作成された検索タグと、この検索タグに対応する、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データ、または自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024に入力すべき自然文との対応関係を示したデータベースである。詳細については後述する。
【0084】
電子問診票データ3028は、端末装置10を介して患者が入力を行う電子問診票の基礎となるデータと、このデータに基づいて患者が入力を行った内容についてのデータである。
【0085】
好ましくは、電子問診票データ3028は、問診項目とこの問診項目に関連付けられた問診設問、問診設問タイプ、及び問診選択肢を規定する実行指示データである。電子問診票データ3028のデータ形式にも特段の限定はないが、電子カルテデータ3022と同様に、XAMLで記述されたデータをJSON形式に変換したものである。電子カルテデータ3022と同様に、電子問診票データ3028は、その入力項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子問診票データ3028を構成する。
【0086】
判定モデル3029は、後述する各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた医療情報に、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して所定の動作を指示する実行指示データを生成すべきか否かを判定するためのモデルである。判定モデル3029は、例えば、いわゆる機械学習モデルである。判定モデル3029の生成方法については後述する。
【0087】
本実施形態に係る機械学習モデルは、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数、及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る予測モデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよいが、多層のネットワークモデル(以下、多層化ネットワークと呼ぶ)であるとする。多層化ネットワークを用いる予測モデルは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層あるいは隠れ層とを有する。予測モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとしての使用が想定される。
【0088】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、画像を対象とする畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)を用いてもよい。
【0089】
また、上記はあくまで予測モデルの例示であり、予測モデルとしては、他の構成を備えてもよい。例えば、予測モデルは、狩猟情報および環境情報を変数とし、各変数に過去の実績から導出された係数が付された関数により記述されるルールベースのモデルであってもよい。
【0090】
制御部303は、プロセッサ29が記憶部302に記憶されるアプリケーションプログラム3021を読み込み、アプリケーションプログラム3021に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部303は、アプリケーションプログラム3021に従って動作することにより、受信制御モジュール3031、送信制御モジュール3032、生成モデル生成モジュール3033、検索データベースデータ生成モジュール3034、各種情報入力受入モジュール3035、検索DB検索モジュール3036、生成モデル入出力モジュール3037、提示制御部3038、実行指示情報出力モジュール3039、電子カルテデータ生成モジュール3040として示す機能を発揮する。
【0091】
受信制御モジュール3031は、サーバ30が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0092】
送信制御モジュール3032は、サーバ30が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0093】
生成モデル生成モジュール3033は、サーバ30の記憶部302に格納されている実行指示データ生成モデル3024及び判定モデル3029を生成する。生成モデル生成モジュール3033による実行指示データ生成モデル3024及び判定モデル3029の生成の具体的手法については後述する。
【0094】
検索データベースデータ生成モジュール3034は、サーバ30の記憶部302に格納されている検索データベース3027のデータを生成する。
【0095】
より具体的には、検索データベースデータ生成モジュール3034は、電子カルテデータ3022や医療情報データ3025に含まれる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つ(以下、単に「医療情報」「病歴情報」とする)を抽出し、この病歴情報と同日または同時に行われたまたは意図的に病歴と紐づけられた機械に対する実行指示データをペアにして記録する。また、病歴情報に含まれる単語または単語の列または病歴情報を自然言語処理にて変換した表現を検索タグとして設定する。どの単語または単語の列を検索タグとして設定するかは任意であるが、一例として、医療情報に含まれる病歴、病名、症状名を検索タグまたは表示タイトルとして設定する例が挙げられる。このような検索タグまたは表示タイトルは、電子カルテデータ3022の病歴情報に含まれる病名、症状名、プロブレムリストのプロブレムから抽出してもよい。また、病歴情報からプロブレムの抽出には、1行の長さ、識別子の有無、病名・症状名の有無、テニオハの有無などを基に判定をしてもよい。他、病名、症状名、プロブレムリストは、検索タグまたはタイトルとして登録するにあたって、病名・症状名を名寄せして標準病名、標準症状名に正規化をしたり、誤字脱字を修正したりしてもよい。他、3月1日などの日付情報を、入院1日目、外来初日、術後3日目、などの入院や診察形態、相対的な日付に変えて、検索タグまたは表示タイトルとしてもよい。
【0096】
検索データベース3027には、過去の病歴情報及びその入力日時、さらにはこの過去の病歴情報に基づいて検索データベースデータ生成モジュール3034が生成した過去の実行指示データ及びその生成部が格納されている。検索データベースデータ生成モジュール3034は、検索タグの生成と時間的関連性がある(例えば、同日、同月)または関連付けて実行指示された実行指示データに基づいて、実行指示データを生成して検索データベース3027に格納してもよい。
【0097】
ここに、プロブレムリストとは、その患者に対して何を治療し、何を解決しようとしているのかが分かる一覧であり、プロブレムが解決するたび、あるいは、新たなプロブレムが出現するたびに随時更新されていく必要がある。
【0098】
医療従事者が電子カルテデータ3022に病歴としてプロブレムリストのプロブレムを記述する際などに、病歴、病名、症状名などの前に特定の記号(例えば#または改行記号)を付けることがある。検索データベースデータ生成モジュール3034は、この特定の記号を電子カルテデータ3022等から抽出し、特定の記号に続く単語または単語の列をプロブレムであると判断し、この単語等を検索タグとして設定する。
【0099】
そして、検索データベースデータ生成モジュール3034は、検索タグ毎に、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを、電子カルテデータまたは医療情報データより生成し、病歴情報と紐づけて、検索データベース3027のデータとして格納する。
【0100】
検索タグと実行指示データ等との紐付けは、医療従事者が手作業で行ってもよいが、検索データベースデータ生成モジュール3034が電子カルテデータ3022等を解析し、検索タグとこの検索タグが出現した際に医療従事者がどのような指示を行ったかを学習して紐付けをしてもよい。また、実行指示データが、#高血圧、#便秘などのように複数のタグが紐づいている場合は、実行指示データを細かく分割し、それぞれ、#高血圧に紐づくものなのか、#便秘に紐づくものなのかを、医薬品の効能情報などや電子教科書の情報、他のタグと紐づくデータを基に分離し、各タグに細分化実行指示データを紐づけるアルゴリズムを実行したあとで格納してもよい。具体的には#高血圧、#便秘と紐づく処方例として、降圧薬と便秘薬が紐づいていた場合、#高血圧には降圧薬、#便秘には便秘薬を整理して紐づけてもよい。また、他の紐付で#高血圧と紐づいている薬剤を高血圧の治療薬と判断し、それを除いた薬剤を残りの便秘薬と判断をしてもよい。他、医療情報データ3025に電子カルテのログ情報や医療従事者の検索行動ログやセンサーログ情報を保持し、タグとして、同時に電子教科書などを検索したログに記載の検索単語を基にタグを生成してもよい。他、電子カルテのログ情報から実行指示データを自動生成して、検索データベース3027に記録してもよい。
【0101】
検索タグに紐付けられている実行指示データは、この実行指示データによりサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して指示する特定の動作実行を含むことができる。つまり、一つの検索タグに対して一連の動作実行を行うことが望まれている場合、個々の動作実行を指示する個別実行指示データをまとめて一つの実行指示データとし、これらを関連付けて検索データベース3027に格納してもよい。ここにいう一連の動作実行とは、同時に実施される動作実行であってもよく、また、所定の時間内において逐次実行される動作実行であってもよい。
【0102】
また、検索データベースデータ生成モジュール3034は、この検索データベースデータ生成モジュール3034が生成した検索タグを端末装置20のディスプレイ241を介して提示し、端末装置20の入力装置23、音声処理部27を介してユーザからの検索タグの修正指示を受け入れる。修正指示があった検索タグは、検索データベースデータ生成モジュール3034がこの修正指示に基づいて修正し、検索データベース3027に修正内容を格納する。
【0103】
また、記憶部302に医療関係の標準用語集が格納されている場合、検索データベースデータ生成モジュール3034は、病歴情報に含まれる単語、または、病歴情報を自然言語処理して得られる単語に基づいて、同義語を検索するか、または、これら病歴情報等のコサイン類似度を検索して、標準用語集の単語を入手し、その単語を新たな検索タグとして検索データベース3027に設定してもよい。
【0104】
さらに、検索データベースデータ生成モジュール3034は、検索タグについてのコメント及び/または非推奨状態である情報をタグに紐付けた状態で検索データベース3027に格納し、提示制御部3038は、検索DB検索モジュール3036により、検索タグに基づいて検索データベース3027を検索した際に、この検索タグにコメントが紐付けられている場合はこのコメントを提示し、タグに非推奨状態である情報が紐付けられている場合はこのタグに紐付けられている実行指示データの提示態様を他の実行指示データの提示態様と異ならセル。
【0105】
さらに、検索データベースデータ生成モジュール3034は、検索タグに対して入力されたフラグ、及び/またはポジティブ及びネガティブフィードバックの個数を示す情報をこのタグに紐付けて検索データベース3027に格納し、提示制御部3038は、検索DB検索モジュール3036により検索データベース3027を検索する際に、検索タグにフラグが紐付けられている場合、フラグに基づいて実行指示データをフィルターし、または優先的に表示させ、タグにポジティブ及びネガティブフィードバックの一方を示す情報が紐付けられている場合、ネガティブフィードバックの個数がポジティブフィードバックよりも多いならば、実行指示データを優先的に表示させる。
【0106】
さらに、検索データベースデータ生成モジュール3034は、ユーザ毎の実行指示データの動作指示回数、ユーザが属する診療科毎の実行指示データの動作指示回数、実行指示データに係る患者の名前、患者の年齢、実行指示データの作成者、作成者の役職名、または作成者が属する診療科を、実行指示データに紐付けて検索データベース3027に格納し、提示制御部3038は、検索DB検索モジュール3036により検索データベース3027を検索する際に、ユーザの過去の動作指示回数、診療科別の動作指示回数、医療機関での動作指示回数、患者の名前、患者の年齢、実行指示データの作成者、実行指示データの作成者の役職名、作成者が属する診療科、ユーザが属する診療科で実行指示データに基づく実行指示データの実行指示回数、役職名毎の実行指示データに基づく実行指示回数のランキング、実行指示データに紐付けられている個別実行指示データの個数のランキングに基づいて、実行指示データの表示態様を変更する。
【0107】
各種情報入力受入モジュール3035は、端末装置10、20、外部サーバ40等から入力される医療情報を含む各種情報を受け入れ、記憶部302に格納する。好ましくは、各種情報入力受入モジュール3035は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ等の入力装置を有し、入力装置を介して入力された各種情報を受け入れて記憶部302に格納する。また、各種情報入力受入モジュール3035は、端末装置10、20の入力装置13、23及び音声処理部17、27を介して入力された各種情報を受け入れて記憶部302に格納する。
【0108】
さらに、各種情報入力受入モジュール3035は、実行指示情報出力モジュール3039によりサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して実行指示データに基づいて特定の動作実行を指示した結果を受け入れ、この結果に基づいて医療情報データ3025を更新する。更新された医療情報は、検索DB検索モジュール3036の入力となり、また、検索データベースデータ生成モジュール3034が生成する検索タグの元ともなる。各種情報入力受入モジュール3035による医療情報の更新の際、提示制御部3038は、更新修正内容を提示するとともに、端末装置20を介して更新の承認を受け入れ、この更新の承認があったら、各種情報入力受入モジュール3035による医療情報の更新を行ってもよい。
【0109】
検索DB検索モジュール3036は、各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた各種情報に基づいて、病歴情報に含まれる自然言語または自然言語より生成した検索タグを用いて検索データベース3027を検索し、検索結果である、検索タグに対応する、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対する実行指示、または自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024に入力すべき病歴情報を取得する。また検索DB検索モジュールの検索は自然言語をベースとしたベクトル表現またはベクトル表現そのものをもとに検索してもよい。
【0110】
生成モデル入出力モジュール3037は、各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた病歴情報を含む各種情報、また、検索DB検索モジュール3036が取得した指示等を自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024に入力し、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024からの出力である自然言語または、実行指示データを取得する。また、生成モデル入出力モジュール3037は、各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた病歴情報を含む各種情報を判定モデル3029に入力し、判定モデル3029からの判定結果を取得する。そして、生成モデル入出力モジュール3037は、判定モデル3029からの判定結果からの判定結果に基づいて、各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた医療情報を含む各種情報、また、検索DB検索モジュール3036が取得した指示等を、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024に入力し、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024からの出力である自然言語または実行指示データを取得する。
【0111】
提示制御部3038は、各種情報入力受入モジュール3035が受け入れた病歴情報を含む各種情報、及び、生成モデル入出力モジュール3037が取得した、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024からの出力である実行指示データを、送信制御モジュール3032と協働して医療従事者が操作する端末装置20に送信してこの端末装置20のディスプレイ241に表示させる。なお、提示制御部3038が端末装置20のディスプレイ241を介して表示させた各種情報等に基づいて、端末装置20を操作する医療従事者が文字入力(含む修正、追記、削除)を行い、また、選択入力を行った内容は、受信制御モジュール3031と協働して各種情報入力受入モジュール3035が取得する。
【0112】
また、提示制御部3038は、後述する実行指示情報出力モジュール3039が出力する、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対する指示情報を出力する際に、この指示情報に対して医療従事者による承認を求めるユーザーインターフェースを端末装置20のディスプレイ241に表示させる。上述したように、このインターフェースを介して医療従事者が行った指示入力、選択入力は、受信制御モジュール3031と協働して各種情報入力受入モジュール3035が取得する。この際、提示制御部3038は、指示情報の元となる実行指示データを要約した情報を、端末装置20のディスプレイ241を介して表示させ、指示情報に対する承認を求める。この、実行指示データを要約した情報は、自然言語生成モデル3023または実行指示データ生成モデル3034により生成すればよい。
【0113】
さらに、提示制御部3038は、医療情報が特定の患者の病歴であった場合、この病歴を元にプロブレムリストを生成、更新し、このプロブレムリストを元に検索単語を設定し、この検索単語を用いて、実行指示データの検索データベースを検索する。そして、実行指示情報出力モジュール3039は、医療機関内または同患者の過去の機械への実行指示データの検索データベースを病歴情報またはタグをベースとして探索し、病歴が記載された同患者に対する検査実行指示候補、処方実行指示候補、病名登録実行指示等の実行指示データを入手し、提示制御部3038は、この検査実行指示候補、処方実行指示候補、病名登録実行指示候補に対して、タグを表示して医療従事者に提示をして承認を求めるユーザーインターフェースを端末装置20のディスプレイ241に表示させる。加えて、過去の医療情報データ3025における検査指示、処方指示の頻度を表示させる。この頻度表示は、表示順を変える、色を変える、文字等の濃さを変えるなど、種々の態様があり得る。
【0114】
提示制御部3038は、病的情報を入力として、判定モデル3029に入力を出力し、判定モデルの結果として、実行指示データの生成または検索または表示を行うのかを判定する機能も持つ。
【0115】
また、提示制御部3038は、検索タグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つを、検索DB検索モジュール3036がタグに基づく実行指示データを検索した際に、端末装置20のディスプレイ241を介して提示する。この際、検索データベースデータ生成モジュール3034は、病歴情報とのリンク及び病歴情報に含まれる病名の位置を検索データベース3027に記録し、提示制御部3038は、タグの生成の根拠となる病歴情報を提示するとき、タグの生成の根拠となる病歴情報が最初に提示された場合、最初に提示されたことを提示するとともに、タグの生成の根拠となる病歴情報が複数存在する場合、最も古い日付情報を有するタグの生成の根拠となる病歴情報を提示する、
【0116】
実行指示情報出力モジュール3039は、自然言語生成モデル3023からの出力である自然言語、実行指示データ生成モデル3024からの出力である実行指示データ、及び、医療従事者が端末装置20を介して操作入力を行った結果に基づき、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対する指示情報を生成し、このモジュールに対して出力する。
【0117】
電子カルテデータ生成モジュール3040は、サーバ30の制御部303の各モジュールと自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024との情報のやり取りをログとして取得し、このログを電子カルテデータ3022として記憶部302に格納する。
【0118】
<2 データ構造>
図5及び
図6は、サーバ30が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図5及び
図6は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0119】
図5及び
図6に示すデータベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0120】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。サーバ30の制御部303は、各種プログラムに従ってプロセッサ29に、記憶部302に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0121】
図5は、検索DB3027のデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、検索DB3027のレコードの各々は、例えば、項目「種類」と、項目「構造データ」と、項目「病院標準承認フラグ」と、項目「診療科標準承認フラグ」と、項目「利用回数」と、項目「患者名」と、項目「検索タグもしくは自然文」とを含む。検索DB3027の各項目は、検索データベースデータ生成モジュール3034により入力される。検索DB3027が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0122】
項目「種類」は医療情報の種類を示す情報である。
【0123】
項目「構造化データ」は、項目「検索タグもしくは自然文」に紐付けられた構造化データであり、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して特定の動作実行を指示する実行指示データの一例である。
【0124】
項目「病院標準承認フラグ」及び項目「診療科標準承認フラグ」は、実行指示情報出力モジュール3039により、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して実行指示データを出力してこのモジュールに特定の動作実行を指示する際に、提示制御部3038により、この実行指示データを病院標準として承認するか否か、また、診療科標準として承認するか否かを入力するためのボタン等を端末装置20のディスプレイ241に表示させ、承認する旨の入力を受け入れた場合、実行指示情報出力モジュール3039がフラグを立てた(項目に1を入力する)ものである。
【0125】
項目「利用回数」は、実行指示情報出力モジュール3039により、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して項目「構造データ」により特定される実行指示データを出力する毎に、実行指示情報出力モジュール3039が値をインクリメント入力するものである。
【0126】
項目「患者名」は、検索DB3027の当該行のデータを生成する際に、このデータを生成する元となる医療情報に含まれていた患者の氏名に関する情報である。
【0127】
「検索タグもしくは自然文」は、項目「種類」により特定される医療情報に含まれる検索タグを示す情報である。
【0128】
図6は、検索DB3027のデータ構造の他の例を示す図である。
図6に示すように、検索DB3027のレコードの各々は、例えば、項目「種類」と、項目「構造データ」と、項目「病院標準承認フラグ」と、項目「診療科標準承認フラグ」と、項目「利用回数」と、項目「患者名」と、項目「検索タグもしくは自然文」とを含む。検索DB3027の各項目は、検索データベースデータ生成モジュール3034により入力される。検索DB3027が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0129】
図6に示すデータ構造と
図5に示すデータ構造とはほぼ同一であるので詳細な説明は省略するが、
図6において、項目「検索タグもしくは自然文」には自然文が入力されている。
【0130】
<3 動作例>
以下、サーバ30の動作の一例について説明する。
【0131】
図7は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。
図7は、患者が持参した他院からの紹介状を起点として、この紹介状に記載の病歴情報に基づいて電子問診票の実行指示データを生成または検索データベースから抽出し、この電子問診票に対する患者の回答があったらこの回答を病歴情報に追加する動作の一例を示す図である。
【0132】
図7の右に示すフローチャートは、
図7の左のフローチャートに示す動作を実現するための検索データベース3027及び判定モデル3029を生成する動作を示すものであり、
図7の左に示すフローチャートは、
図7の右のフローチャートに示す動作により生成された検索データベース3027及び判定モデル3029に基づいた動作を示すものである。
【0133】
まず、
図7の右に示すフローチャートから説明をする。ステップS700において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、自然言語で記載された病歴情報または病歴に紐づけられた検索タグと、電子カルテデータ3022に含まれる医療従事者の電子問診票表示実行指示を抽出し、検索データベース3027の一例である、電子問診票表示指示検索データベースを作成する。具体的には、例えば、制御部303は、検索データベースデータ生成モジュール3034により、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグ及び電子問診票作成指示を抽出し、検索データベース3027の一例である、電子問診票表示指示検索データベースを作成する。ステップS700で生成した電子問診票表示指示検索データベースは、記憶部302の検索データベース3027に格納される。
【0134】
次いで、ステップS701において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、医療情報に含まれる、医療従事者の問診の追加が必要かの判断結果を抽出し、判定モデル3029の一例である、追加の問診が必要かの判定モデルを作成する。具体的には、具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル生成モジュール3033により、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、医療情報に含まれる、医療従事者の問診の追加が必要かの判断結果を抽出し、判定モデル3029の一例である、追加の問診が必要かの判定モデルを作成する。ステップS701で生成した、追加の問診が必要かの判定モデルは、記憶部302の判定モデル3029に格納される。
【0135】
次に、
図7の左に示すフローチャートの説明を行う。ステップS750において、制御部303は、患者が持参した他院からの紹介状をスキャンすることで、病歴情報、特に病歴の自然言語を入手する。具体的には、例えば、制御部303は、各種情報入力受入モジュール3035が備えるスキャナにより紹介状をスキャンし、この紹介状から、病歴情報、特に病歴の自然言語を入手する。そして、各種情報入力受入モジュール3035は、入手した病歴の自然言語を医療情報データ3025として記憶部302に格納する。
【0136】
ステップS751において、制御部303は、ステップS750で入手した病歴の自然言語を判定モデル3029に入力し、判定結果を取得する。
図7における判定モデル3029の判定結果は、ステップS750で取得した病歴の自然言語に基づいて、患者に対して追加の問診が必要か否かの判定結果である。具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル入出力モジュール3037により、ステップS750で入手した病歴の自然言語を判定モデル3029に入力し、判定結果を取得する。そして、判定モデル3029による判定結果が、患者に対して追加の問診が必要であるとの判定結果であったら、プログラムはステップS752に進み、含まれていないと判定したら、
図7の左のフローチャートによる動作を終了する。
【0137】
ステップS752において、制御部303は、病歴または病歴から生成される検索タグを検索キーとして、検索データベース3027の一例である電子問診票指示検索データベースを検索し、検索結果である実行指示データを、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに送信し、この電子問診票生成モジュールを用いて電子問診票データの作成を指示する。具体的には、例えば、制御部303は、検索DB検索モジュール3036により、病歴または病歴から生成される検索タグを検索キーとして、検索データベース3027の一例である電子問診票指示検索データベースを検索し、実行指示情報出力モジュール3039により、検索結果である実行指示データを、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに送信し、この電子問診票生成モジュールを用いて電子問診票データの作成を指示する。
【0138】
ステップS753において、患者が所持する端末装置10の制御部190は、サーバ30の電子問診票作成モジュールから送出されてきた電子問診票データに基づいて、ディスプレイ141に電子問診票を表示させる。次いで、ステップS754において、患者は、端末装置10を用いて、電子問診票にデータを入力する。入力されたデータは、端末装置10の制御部190を介してサーバ30に送信される。
【0139】
ステップS755において、制御部303は、ステップS754で入力されて送出されてきた電子問診票データを病歴情報に追加し、新しい(更新した)病歴情報を生成する。具体的には、例えば、制御部303は、各種情報入力受入モジュール3035により、ステップS754で入力されて送出されてきた電子問診票データを病歴情報に追加し、新しい(更新した)病歴情報を生成する。なお、上記の紹介状スキャナの代わりにお薬手帳スキャナを用いてもよい。また、一例だが、診療をガイドする上において、新型コロナウイルスの感染の発症が想定され、相互作用する薬剤が多いパキロビットという薬剤の処方を検討する上において、パキロビットと相互作用する薬剤をお薬手帳のOCRの結果データ表示時にハイライトして表示して、その薬剤を処方するリスクが高い患者かどうかを表示する機能を持ってもよい。
【0140】
図8は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。
図8のフローチャートに示す動作は、
図7のフローチャートに示す動作と同様であるが、
図7においては検索データベース3027のデータを生成していている一方、
図8においては実行指示データ生成モデル3024を生成している点が異なる。従って、
図7の説明と共通するステップについての説明は省略し、
図7のステップと異なるステップの説明を中心に説明を行う。
【0141】
図8の右に示すフローチャートのステップS800において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、医療情報に含まれる医療従事者の電子問診票作成指示を抽出し、実行指示データ生成モデル3024の一例である、電子問診票表示指示生成モデルを作成する。具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル生成モジュール3033により、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグ及び電子問診票作成指示を抽出し、実行指示データ生成モデル3024の一例である、電子問診票表示指示生成モデルを作成する。ステップS800で生成した電子問診票表示指示生成モデルは、記憶部302の実行指示データ生成モデル3024に格納される。
【0142】
図8の左に示すフローチャートのステップS852において、制御部303は、病歴または病歴から生成されるタグを、実行指示データ生成モデル3024の一例である電子問診票表示指示生成モデルに入力し、電子問診票表示指示生成モデルの出力結果である実行指示データを用いて、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに電子問診票データの作成を指示する。具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル入出力モジュール3037により、病歴または病歴から生成されるタグを、実行指示データ生成モデル3024の一例である電子問診票表示指示生成モデルに入力し、実行指示情報出力モジュール3039により、電子問診票表示指示生成モデルの出力結果である実行指示データを用いて、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに電子問診票データの作成を指示する。
【0143】
図9は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。
図9は、電子カルテデータ3022等に含まれる医療情報の一例である病歴情報を起点として、この病歴に基づいて、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して動作指示を行い、このモジュールからの処理結果により病歴を更新する動作の一例を示す図である。
【0144】
図9の右に示すフローチャートは、
図9の左のフローチャートに示す動作を実現するための検索データベース3027及び判定モデル3029を生成する動作を示すものであり、
図9の左に示すフローチャートは、
図9の右のフローチャートに示す動作により生成された検索データベース3027及び判定モデル3029に基づいた動作を示すものである。
【0145】
まず、
図9の右に示すフローチャートから説明をする。ステップS900において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、自然言語で記載された病歴情報または病歴情報に紐づけられた検索タグと、電子カルテデータ3022内の、病歴情報と関連する実行指示データ(電子問診票生成実行指示データ、検査オーダー実行指示データ、または処方オーダー実行指示データ、または病名登録実行指示データ、またはメッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ)より、検索データベース3027の一例である、機械指示検索データベースを作成する。すなわち、制御部303は、検索データベースデータ生成モジュール3034により、電子カルテデータ3022等を参照して、自然言語の病歴情報または病歴情報に紐づけられた検索タグと、電子カルテデータ3022内の、病歴情報と同患者に、同時期(同年、同月、同時間、同秒等)に指示出しされるか、意図的に医療従事者が紐づけた実行指示データ(電子問診票生成実行指示データ、検査オーダー実行指示データ、または処方オーダー実行指示データ、または病名登録実行指示データ、またはメッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ)のペアをデータとし、機械指示検索データベースを作成する。ステップS900で生成した機械指示検索データベースは、記憶部302の検索データベース3027に格納される。
【0146】
次いで、ステップS901において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグを入力として、追加の機械指示が必要かの判定を行う、判定モデルを作成する。具体的には、例えば、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、電子カルテデータ3022等に含まれる、追加の機械指示がされたかの結果を抽出するか、医療従事者が追加の機械指示が必要かを判断した結果を収集し、そのデータを機械学習を行うことで、判定モデルを作成する。ステップS701で生成した、追加の機械指示が必要かの判定モデルは、記憶部302の判定モデル3029に格納される。
【0147】
次に、
図9の左に示すフローチャートの説明を行う。ステップS950において、制御部303は、電子カルテデータ3022等の医療情報から病歴を入手する。具体的には、例えば、制御部303は、各種情報入力受入モジュール3035により、電子カルテデータ3022等の医療情報から病歴を入手する。
【0148】
ステップS951において、制御部303は、ステップS950で入手した病歴を判定モデル3029に入力し、判定結果を取得する。
図9における判定モデル3029の判定結果は、ステップS950で取得した病歴に基づいて、追加の機械指示が必要か否かの判定結果である。具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル入出力モジュール3037により、ステップS950で入手した病歴を判定モデル3029に入力し、判定結果を取得する。そして、判定モデル3029による判定結果が、追加の機械指示が必要であるとの判定結果であったら、プログラムはステップS952に進み、含まれていないと判定したら、
図9の左のフローチャートによる動作を終了する。
【0149】
ステップS952において、制御部303は、病歴の自然言語または病歴から生成される検索タグを検索キーとして、検索データベース3027の一例である、機械指示検索データベースを検索し、検索結果である実行指示データを取得する。具体的には、例えば、制御部303は、検索DB検索モジュール3036により、病歴の自然言語または病歴から生成される検索タグを検索キーとして、検索データベース3027の一例である、機械指示検索データベースを検索し、検索結果である実行指示データを取得する。
【0150】
ステップS953において、制御部303は、ステップS952で取得した実行指示データを、医療従事者が所持する端末装置20に送信し、端末装置20の制御部290の提示制御部294は、サーバ30から送出されてきた実行指示データに基づいて、ディスプレイ241にこの実行指示データを提示し、さらに、端末装置20の指示情報入力指示部295は、医療従事者に、この実行指示データに基づいてサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに特定の動作を指示するか否かの承認入力を求める。そして、ステップS953において承認入力がされたら、ステップS954において、端末装置20の制御部290は、承認入力がされたことをサーバ30に送信し、制御部303は、承認入力がされた実行指示データを、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送信し、この実行指示データに基づく特定の動作を指示する。具体的には、例えば、制御部303は、実行指示情報出力モジュール3039により、承認入力がされた実行指示データを、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送信し、この実行指示データに基づく特定の動作を指示する。
【0151】
ステップS955において、制御部303は、ステップS954においてサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送信した実行指示データに基づく特定の動作の結果を受け入れ、この結果、及び、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールからの入力に基づいて病歴を更新する。具体的には、例えば、制御部303は、各種情報入力受入モジュール3035により、ステップS954においてサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送信した実行指示データに基づく特定の動作の結果を受け入れ、この結果、及び、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールからの入力に基づいて病歴を更新する。
【0152】
図10は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。
図10のフローチャートに示す動作は、
図9のフローチャートに示す動作と同様であるが、
図9においては検索データベース3027を生成していている一方、
図10においては実行指示データ生成モデル3024を生成している点が異なる。従って、
図9の説明と共通するステップについての説明は省略し、
図7のステップと異なるステップの説明を中心に説明を行う。
【0153】
図10の右に示すフローチャートのステップS1000において、制御部303は、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対する指示(電子問診票生成実行指示データ、検査オーダー実行指示データ、または処方オーダー実行指示データ、または病名登録実行指示データ、またはメッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ)より、実行指示データ生成モデル3024の一例である、機械指示生成モデルを作成する。すなわち、制御部303は、生成モデル生成モジュール3033により、電子カルテデータ3022等を参照して、病歴の自然言語または病歴に紐づけられた検索タグと、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対する指示(電子問診票生成実行指示データ、検査オーダー実行指示データ、または処方オーダー実行指示データ、または病名登録実行指示データ、またはメッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ)より、実行指示データ生成モデル3024の一例である、機械指示生成モデルを作成する。ステップS1000で生成した機械指示生成モデルは、記憶部302の実行指示データ生成モデル3024に格納される。
【0154】
図10の左に示すフローチャートのステップS1052において、制御部303は、病歴または病歴から生成されるタグを、実行指示データ生成モデル3024の一例である機械指示生成モデルに入力し、機械指示生成モデルの出力結果である実行指示データを用いて、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに電子問診票データの作成を指示する。具体的には、例えば、制御部303は、生成モデル入出力モジュール3037により、病歴または病歴から生成されるタグを、実行指示データ生成モデル3024の一例である機械表示指示生成モデルに入力し、実行指示情報出力モジュール3039により、電子問診票表示指示生成モデルの出力結果である実行指示データを用いて、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールの一例である電子問診票生成モジュールに電子問診票データの作成を指示する。
【0155】
<4 画面例>
以下、端末装置20に出力される画面の一例を、
図11~
図28を参照して説明する。
【0156】
図10~
図19は、本実施形態のシステム1における病歴情報の更新を示す図である。これら図において、項目とはシステム1においてどのような動作が行われたかを示す情報、日付は動作が行われた日付を示す情報、内容は病歴情報、及び、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024との自然言語による情報のやり取り、及び、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに対して行う指示情報及びその結果を示す情報である。項目、日付及び内容に記載された情報は実行指示データであり、少なくともその一部は電子カルテデータを生成するためのログになる。
【0157】
図10~
図19に示す病歴情報の更新の流れの概略を説明する。他院からの紹介状を持参した患者が受診してきたので、この紹介状をスキャンすることで病歴情報を取得する。取得した病歴情報から電子カルテに記載する必要のない項目や内容を削除した上で、この病歴情報を自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024に入力すると、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024は、診療録の下書きを作成するとともに、患者に対する電子問診票作成のための実行指示データを作成し、医師の許可を求める。
【0158】
医師から許可されたら、診療録を更新するとともに、この実行指示データを、サーバ30、外部サーバ40内のモジュールに出力して電子問診票を生成させ、患者の端末装置10に表示させる。患者が端末装置10を用いて入力した電子問診票データがサーバ30に送出され、医師の許可の元に診療録が更新される。
【0159】
また、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024は、患者に対する新型コロナウイルスの検査を勧め、医師の指示の元に検査指示がサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送出される。これとともに、患者に対して検査室に向かう指示を行う音声指示がサーバ30、外部サーバ40内のモジュールに送出される。
【0160】
さらに、検査結果がサーバ30に送出されたら、この検査結果に基づいて診療録の更新と追加の電子問診票作成について医師に勧め、医師の許可の元に診療録の更新と電子問診票の送出が行われる。
【0161】
患者が電子問診票を入力し、処方薬の追加の希望を入力すると、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024は、診療録の更新、患者に対するボイスメッセージの送信、及び処方薬の追加の可否を医師に求め、医師の許可の元に処方箋が発行され、患者に帰宅許可のボイスメッセージが送信される。
【0162】
図10~
図19において、網掛け部分は、端末装置20を用いて医師が入力した内容を示す。
【0163】
次に、
図20~
図26は、本実施形態のシステム1、特にサーバ30(含む自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024)からの出力と医療従事者による入力内容とが、医療従事者が所持する端末装置20のディスプレイ241に表示される例を示す図である。
【0164】
図20~
図26に示す画面例の特徴は、サーバ30と端末装置20との間の情報の入出力ログと、この入出力ログから抽出されたログのサマリー(このサマリーは電子カルテデータの一部にもなる)とがディスプレイ241の同一画面に表示されることである。
【0165】
ディスプレイ241の画面の右には、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024のチャット機能が出力する自然言語と、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024が同様に出力する、医療従事者に対して推奨するサーバ30、外部サーバ40内のモジュールへの指示入力候補が表示される。一方、ディスプレイ241の画面の左には、画面の右に表示されている内容のサマリーがサーバ30により生成され、表示されている。このサマリーが医療従事者における診療録であり、電子カルテデータでもある。サマリーは、自然言語生成モデル3023、実行指示データ生成モデル3024、あるいは、要約作成用に訓練された機械学習モデルにより生成される。
【0166】
図20~
図26において、網掛け部分は、端末装置20を用いて医師が選択入力した選択肢を示す。
【0167】
次に、
図27、
図28は、医療従事者が所持する端末装置20のディスプレイ241に表示される、電子問診票の入力結果を示す図である。
図27、
図28において、網掛け部分は、端末装置20を用いて医師が選択入力した選択肢を示す。
【0168】
<5 一実施形態の効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態のシステム1によれば、医療従事者による医療情報の処理の自動化を図ることができる。
【0169】
<6 付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0170】
一例として、上述した一実施形態では、音声認識により電子問診票データの修正/追記を行っていたが、電子問診票、電子カルテテンプレート、電子カルテデータについても音声認識による修正/追記を行ってもよい。
【0171】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0172】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0173】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0174】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えるコンピュータ(30)を動作させるためのプログラムであって、メモリ(35)には、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる実行指示データが格納された検索データベース(3027)、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)が格納され、プログラムは、プロセッサ(39)に、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップ(S750)と、第1ステップ(S750)で受け入れた入力を用いて検索データベース(3027)を検索してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得するか、または、第1ステップ(S750)で受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)に入力してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作指示を指示するための実行指示データを取得する第2ステップ(S852)とを実行させる、プログラム。
(付記2)
実行指示データは、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる複数の個別実行指示データを含む付記1に記載のプログラム。
(付記3)
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つは自然言語で記述されており、または、検索データベース(3027)を検索時の処理に自然言語処理を行うか、または、プログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)は自然言語処理を行い実行指示データの生成をする付記1に記載のプログラム。
(付記4)
実行指示データは、検査オーダー実行指示データ、処方オーダー実行指示データ、病名登録実行指示データ、メッセージ送付実行指示データ、RPA実行指示データ、自然言語追記実行指示データ、テンプレート表示実行指示データ、テンプレートデータ入力実行指示データ、検査結果フィルター後表示実行指示データ、処方情報フィルター後表示実行指示データ、及び受診予約実行指示データの少なくとも一つを含む付記1に記載のプログラム。
(付記5)
病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップ(S750)の入力として、紹介状または、お薬手帳、検査結果のスキャナのOCR結果情報、電子的紹介状、電子的お薬手帳及び電子的検査結果、患者が入力した自然言語である情報、患者が入力した音声を音声認識した結果である情報、プログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)により生成された診療メモの少なくとも一つの情報を用いる付記1に記載のプログラム。
(付記6)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、第2ステップ(S852)で取得した実行指示データをコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに出力し、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する第3ステップ(S954)を実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記7)
実行指示データは、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するために用いる複数の個別実行指示データを含み、第3ステップ(S954)において、第2ステップ(S852)で取得した、複数の個別実行指示データを含む実行指示データをコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに出力し、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して、複数の個別実行指示データに基づいて一連となる特定の動作実行を指示する付記6に記載のプログラム。
(付記8)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、第3ステップ(S954)において特定の動作実行をコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに指示してこのコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータから得られた出力を受け入れる第4ステップ(S955)と、第4ステップ(S955)で受け入れた出力により病歴情報または診療メモを更新修正する第5ステップと、第5ステップで更新した病歴情報または診療メモを入力としてデータベースを検索してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得し、または、第4ステップ(S955)で更新した病歴情報または診療メモをプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)に入力して、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを再度取得する第6ステップと
を実行させる、付記6に記載のプログラム。
(付記9)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、第2ステップ(S852)において取得した実行指示データにより特定の動作実行をコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに指示するか否かの承認入力を受け入れる第7ステップ(S953)を実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記10)
第7ステップ(S953)において、第2ステップ(S852)において取得した実行指示データの概要を示す情報を生成して提示し、情報を提示した後に、実行指示データにより特定の動作実行をコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに指示するか否かの承認入力を受け入れる付記9に記載のプログラム。
(付記11)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、第4ステップ(S955)において取得した出力により病歴情報または診療メモを更新する際に、更新修正内容の提示と、更新の承認を受け入れる第8ステップ(S954)を実行させる、付記8に記載のプログラム。
(付記12)
第7ステップ(S953)において、取得した実行指示データに複数の選択肢が含まれている場合、複数の選択肢のうち少なくとも一つの選択入力を受け入れる、付記7に記載のプログラム。
(付記13)
第8ステップ(S954)において、病歴情報または診療メモの更新修正に複数の選択肢が含まれている場合、複数の選択肢のうち少なくとも一つの選択入力を受け入れる、付記11に記載のプログラム。
(付記14)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、第7ステップ(S953)で承認入力があった実行指示データをコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに出力し、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する第9ステップを実行させる、付記9に記載のプログラム。
(付記15)
検索データベース(3027)は、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つに含まれる単語、または、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つに基づいて自然言語処理をして作成されたタグが検索データベース(3027)の検索キーとして設定され、タグに、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データが対応付けられている、付記1に記載のプログラム。
(付記16)
検索データベース(3027)は、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモに含まれる入院開始日、手術日、外来初診日等の日付情報を自然言語処理により所定の日時からの相対的な日時に変換したタグを含む、付記15に記載のプログラム。
(付記17)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つに含まれる単語からタグを生成し、または、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモに基づいて自然言語処理をしてタグを生成する第10ステップと、タグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つを、タグに基づく実行指示データを検索した際に提示する第11ステップを実行し、第10ステップにおいて、病歴情報とのリンク及び病歴情報に含まれる病名の位置を検索データベース(3027)に記録し、第11ステップにおいて、タグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つを提示するとき、タグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つが最初に提示された場合、最初に提示されたことを提示するとともに、タグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモが複数存在する場合、最も古い日付情報を有するタグの生成の根拠となる病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモを提示する、付記16に記載のプログラム。
(付記18)
メモリ(35)には医療関係の標準用語集が格納され、プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つに含まれる単語、または、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つを自然言語処理して得られる単語に基づいて、同義語を検索するか、または、これら病歴情報等のコサイン類似度を検索して、標準用語集の単語を入手し、その単語を新たなタグとして検索データベース(3027)に設定する第12ステップを実行させる、付記15に記載のプログラム。
(付記19)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、検索データベース(3027)の検索タグについての修正入力をユーザから受け入れ、この修正入力に基づいて検索タグを修正する第13ステップを実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記20)
検索データベース(3027)は、検索タグについてのコメント及び/または非推奨状態である情報がタグに紐付けられた状態で格納されており、第2ステップ(S852)において、タグに基づいて検索データベース(3027)を検索した際に、このタグにコメントが紐付けられている場合はこのコメントを提示し、タグに非推奨状態である情報が紐付けられている場合はこのタグに紐付けられている実行指示データの提示態様を他の実行指示データの提示態様と異ならせる付記1に記載のプログラム。
(付記21)
検索データベース(3027)は、タグに対して入力されたフラグ、及び/またはポジティブ及びネガティブフィードバックの個数を示す情報がこのタグに紐付けられ、第2ステップ(S852)において、検索データベース(3027)を検索する際に、タグにフラグが紐付けられている場合、フラグに基づいて実行指示データをフィルターし、または優先的に表示させ、タグにポジティブ及びネガティブフィードバックの一方を示す情報が紐付けられている場合、ネガティブフィードバックの個数がポジティブフィードバックよりも多いならば、実行指示データを優先的に表示させる付記15に記載のプログラム。
(付記22)
検索データベース(3027)には、ユーザ毎の実行指示データの動作指示回数、ユーザが属する診療科毎の実行指示データの動作指示回数、実行指示データに係る患者の名前、患者の年齢、実行指示データの作成者、作成者の役職名、または作成者が属する診療科が、実行指示データに紐付けられて格納され、第2ステップ(S852)において、ユーザの過去の動作指示回数、診療科別の動作指示回数、医療機関での動作指示回数、患者の名前、患者の年齢、実行指示データの作成者、実行指示データの作成者の役職名、作成者が属する診療科、ユーザが属する診療科で実行指示データに基づく実行指示データの実行指示回数、役職名毎の実行指示データに基づく実行指示回数のランキング、実行指示データに紐付けられている個別実行指示データの個数のランキングに基づいて、実行指示データの表示態様を変更する付記7に記載のプログラム。
(付記23)
第2ステップ(S852)において、ユーザからの発話入力を受け入れ、発話入力に基づいて検索データベース(3027)を検索して実行指示データを取得する付記1に記載のプログラム。
(付記24)
第2ステップ(S852)において、ユーザからの発話入力を受け入れ、発話入力に基づいて、取得した実行指示データを修正する付記1に記載のプログラム。
(付記25)
第2ステップ(S852)において、第13ステップにおいて修正された検索タグにより検索データベース(3027)を検索して得られた実行指示データについて、ユーザからの発話入力を受け入れ、発話入力に基づいて実行指示データを修正する付記19に記載のプログラム。
(付記26)
機械学習モデル(3023、3024)は、タグと実行指示データとに基づいて、機械学習またはプロントエンジニアリングして作成される付記1に記載のプログラム。
(付記27)
検索データベース(3027)においてタグは複数設けられており、第2ステップ(S852)において、検索データベース(3027)を検索する際、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つにタグが含まれているか否かを検索し、検索データベース(3027)の検索結果として、タグに対応した、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得する、付記15に記載のプログラム。
(付記28)
メモリ(35)には過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリスト及び診療メモのプロブレムの少なくとも一つ及び病歴情報等の入力日時と過去の実行指示データ及び実行指示データの生成日時とが格納されており、プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力またはタグの生成と同時または同日または同月または関連付けて実行指示した実行指示データに基づいて検索データベース(3027)の実行指示データを生成する第14ステップを実行させる、付記1記載のプログラム。
(付記29)
第14ステップにおいて、過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つに含まれる識別子とこの識別子に続く単語を抽出し、抽出した単語をタグに設定する、付記28に記載のプログラム。
(付記30)
識別子は過去のプロブレムリストに含まれる識別子であり、第14ステップにおいて、プロブレムリストに含まれる病名、症状名をタグに設定する、付記29に記載のプログラム。
(付記31)
過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つには過去の検査情報が含まれており、第2ステップ(S852)において、実行指示データとして検査オーダー実行指示データを取得し、そのうち、過去の検査情報と同じまたは同義の検査実行指示データを表示する、付記28に記載のプログラム。
(付記32)
過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つには過去の処方情報が含まれており、第2ステップ(S852)において、実行指示データとして処方オーダー実行指示データを取得し、そのうち、過去の処方情報と同じ成分の薬を、絞り込んで表示するかハイライトするかランクの上位に表示する、付記28に記載のプログラム。
(付記33)
過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つには既往歴等の病名が含まれており、第2ステップ(S852)において、実行指示データとして病名登録実行指示データを取得し、病名と同じまたは同義の病名登録実行指示データ確認し、病名登録されてない病名を、絞り込んで表示するかハイライトするかランクの上位に表示する、付記28に記載のプログラム。
(付記34)
過去の病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つには既往歴等の病名が含まれており、第2ステップ(S852)において、実行指示データとして病名登録実行指示データを取得し、病名の副病名の入力を受け入れる、付記28に記載のプログラム。
(付記35)
プログラムは、自然語または選択肢ボタンによる指示入力を受け入れる第15ステップを実行させ、第2ステップ(S852)の入力として病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つと指示入力とを用い、実行指示データを取得する付記1に記載のプログラム。
(付記36)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、検索データベース(3027)の検索結果、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)の出力結果と、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データとを同時に視認可能な状態で提示する第16ステップ
を実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記37)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つを要約した情報と、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータへの実行指示データの検索理由を示す自然言語とを生成し、病歴情報等と、病歴情報等を要約した情報と、自然言語とを提示し、実行指示データに対する承認ボタンまたは選択ボタンを同時に視認可能な状態で提示する第17ステップ
を実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記38)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えるコンピュータ(30)を動作させるためのプログラムであって、メモリ(35)には、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、プログラムは、プロセッサ(39)に、病歴の入力を受け入れる第18ステップと、第18ステップで受け入れた病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、第19ステップで生成された検索単語に基づいて医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップとを実行させるプログラム。
(付記39)
プログラムは、プロセッサ(39)にさらに、医療指示情報の頻度または過去に医療指示をしたユーザ名または役職を表示する第21ステップを実行させる、付記37に記載のプログラム。
(付記40)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えた情報処理装置であって、メモリ(35)には、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作指示を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース(3027)、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)が格納され、プロセッサ(39)は、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップ(S750)と、第1ステップ(S750)で受け入れた入力を用いてとして検索データベース(3027)を検索してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得し、または、第1ステップ(S750)で受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)に入力して、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための実行指示データを取得する第2ステップ(S852)とを実行する、情報処理装置。
(付記41)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えた情報処理装置であって、メモリ(35)には、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、プロセッサ(39)は、病歴の入力を受け入れる第18ステップと、第18ステップで受け入れた病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、第19ステップで生成された検索単語に基づいて医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップとを実行する、情報処理装置。
(付記42)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えたコンピュータ(30)により実行される方法であって、メモリ(35)には、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース(3027)、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)が格納され、プロセッサ(39)は、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる第1ステップ(S750)と、第1ステップ(S750)で受け入れた入力を用いて検索データベース(3027)を検索してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得するか、または、第1ステップ(S750)で受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)に入力して、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための実行指示データを取得する第2ステップ(S852)とを実行する、方法。
(付記43)
プロセッサ(39)とメモリ(35)とを備えたコンピュータ(30)により実行される方法であって、メモリ(35)には、少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納され、プロセッサ(39)は、病歴の入力を受け入れる第18ステップと、第18ステップで受け入れた病歴に基づいて検索単語を生成する第19ステップと、第19ステップで生成された検索単語に基づいて医療指示情報を検索してユーザに提示する第20ステップとを実行する、方法。
(付記44)
コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行うために用いる実行指示データが格納された検索データベース(3027)、または実行指示データを生成するプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)が格納されたメモリ(35)と、病歴情報、患者が入力した情報、病名、症状名、プロブレムリストのプロブレム及び診療メモの少なくとも一つの入力を受け入れる手段と、病歴情報の入力を受け入れる手段が受け入れた入力を用いて検索データベース(3027)を検索してコンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示するための実行指示データを取得し、または、第1ステップ(S750)で受け入れた入力をプログラムまたは機械学習モデル(3023、3024)に入力して、コンピュータ(30)及び/または他のコンピュータに対して特定の動作実行を指示する行わせるための実行指示データを取得する手段とを有する、システム。
(付記45)
少なくとも病歴または病歴から生成されたデータと医療指示情報または病歴追記指示情報とが組になって格納されたデータが格納されたメモリ(35)と、病歴の入力を受け入れる手段と、病歴の入力を受け入れる手段が受け入れた病歴に基づいて検索単語を生成する手段と、検索単語を生成する手段が生成した検索単語に基づいて医療指示情報を検索してユーザに提示する手段とを有する、システム。
【符号の説明】
【0175】
1…システム 10…端末装置 20…端末装置 30…サーバ 35…メモリ 36…ストレージ 39…プロセッサ 40…外部サーバ 301…通信部 302…記憶部 303…制御部 3021…アプリケーションプログラム 3022…電子カルテデータ 3023…自然言語生成モデル 3024…実行指示データ生成モデル 3025…医療情報データ 3026…RPAデータ 3027…検索データベース 3028…電子問診票データ 3029…判定モデル 3031…受信制御モジュール 3032…送信制御モジュール 3033…生成モデル生成モジュール 3034…検索データベースデータ生成モジュール 3035…情報入力受入モジュール 3036…検索DB検索モジュール 3037…生成モデル入出力モジュール 3038…提示制御部 3039…実行指示情報出力モジュール 3040…電子カルテデータ生成モジュール