(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009819
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】整形外科用医療器具接続機構、ならびに関連するアセンブリおよびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61B17/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064672
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】63/511,407
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/612,382
(32)【優先日】2024-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522226683
【氏名又は名称】マイクロポート オーソペディックス ホールディングス インク
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル デイヴィッド ホランズウオース
(72)【発明者】
【氏名】フレッド ダブリュー ボウマン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル リン ブルックス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手術時間が長くなる可能性を抑制できる整形外科用医療器具接続機構を提供する。
【解決手段】突起を有する第1医療器具であり、突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、突起胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む、第1医療器具と、第2医療器具内に延びる穴を画定する内部側壁と、穴の内側に配置された不連続ねじ部と、を有する第2医療器具であり、不連続ねじ部は、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定し、かつねじ無しチャネルによって、第1医療器具の突起の溝ねじ部を受けるように構成されている、第2医療器具と、を一般的に含む整形外科用医療器具接続機構、関連するアセンブリおよびシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起を有する第1医療器具であり、前記突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って前記近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、前記突起胴体は、前記近位端よりも前記遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む、第1医療器具と、
胴体と、前記胴体内に延びる穴を画定する内部側壁と、前記穴の内側に配置された不連続ねじ部と、を有する第2医療器具であり、前記不連続ねじ部は、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定し、かつ前記ねじ無しチャネルによって、前記第1医療器具の前記突起の前記溝ねじ部を受けるように構成されている、第2医療器具と、
を含む整形外科用医療器具接続機構。
【請求項2】
前記突起は、前記突起の前記遠位端よりも前記近位端に近い位置に配置されたシャンク部をさらに含む、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項3】
前記溝ねじ部のねじ山および前記不連続ねじ部のねじ山の断面形状は、台形である、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項4】
前記不連続ねじ部は、前記不連続ねじ部高さに沿って延びる複数のねじ無しチャネルを画定する、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項5】
前記不連続ねじ部は、複数のねじ無しチャネルによって、前記第1医療器具の前記突起の前記溝ねじ部を受けるように構成されている、請求項4記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項6】
前記溝ねじ部のねじ山および前記不連続ねじ部のねじ山は、タイミング式ねじ山である、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項7】
前記第1医療器具は、基部をさらに含み、前記突起は、前記基部の遠位側から延び、可動式棟無しスペーサは、前記基部の前記遠位側から延びている、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項8】
前記基部の前記遠位側から延びるピンをさらに含む、請求項7記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項9】
前記第2医療器具は、前記第2医療器具の近位側をさらに含み、前記第2医器具の前記近位側は、可動式棟無しスペーサ受部をさらに含む、請求項8記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項10】
前記第2医療器具の前記近位側は、前記医療器具接続機構の形態が組立て前形態から組立て形態に変化すると、前記第1医療器具の前記ピンをぴったりと受けるように構成された弓形溝をさらに画定する、請求項9記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項11】
前記医療器具接続機構が組立て形態にされた場合、前記第1医療器具と前記第2医療器具との間に配置された複数の追加の医療器具をさらに含む、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項12】
前記第1医療器具は、アダプタ、ハンドル、および位置決め部材からなる群から選択される、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項13】
前記第2医療器具は、ブローチ、リーマ、やすり、キールパンチ、および骨切り装置からなる群から選択される、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項14】
前記第2医療器具は、エンドプロテーゼコーン、エンドプロテーゼインプラント、およびエンドプロテーゼインプラントコンポーネントからなる群から選択される、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項15】
前記第2医療器具は、整形外科用器具、整形外科用エンドプロテーゼインプラント、またはそのコンポーネントと係合するように構成された補助アダプタである、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項16】
前記ねじ無しチャネルは、前記第2医療器具の前記胴体内部を凹ませて形成されたキースロットである、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項17】
前記突起の前記溝ねじ部は、キー付き溝ねじ部である、請求項1記載の整形外科用医療器具接続機構。
【請求項18】
突起を有する第1医療器具であり、前記突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って前記近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、前記突起胴体は、前記近位端よりも前記遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む、第1医療器具と、
胴体と、前記胴体内に延びる穴を画定する内部側壁と、前記穴の内側に配置された不連続ねじ部と、を有する第2医療器具であり、前記不連続ねじ部は、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定し、かつ前記ねじ無しチャネルによって、前記第1医療器具の前記突起の前記溝ねじ部を受けるように構成され、前記溝ねじ部のねじ山および前記不連続ねじ部のねじ山は、タイミング式ねじ山である、第2医療器具と、
を含む整形外科用医療器具接続機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2023年6月30日に提出された米国仮出願番号第63/511,407号の優先権を主張する。この関連出願の開示は、本明細書により、その全体が本開示に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、一般的には、整形外科手術の分野に関し、より具体的には、整形外科用器具接続機構ならびに関連するシステムおよびアセンブリに関する。
【0003】
関連技術
多くの最小侵襲整形外科手術では、外科医は、さまざまなツールを使用して、エンドプロテーゼインプラントを準備し、配置する。このような器具の多くは、ハンドルとアダプタで構成されている。アダプタは、手術全体を通じて選択的に使用されるさまざまなブローチング、リーミング、および配置ツールに接続できる。効率的に作業し、患者が麻酔下にある時間を最小限に抑えるために、外科医は、通常、技師、看護師、およびその他の医療専門家のチームと協力して、使用前に、さまざまな滅菌手術器具を組み立て、準備する。
【0004】
従来の整形外科用医療器具接続機構の中には、単一の係合点で構成されているものがある。これらは、通常、接続および切断が迅速であったが、これらの設計では、器具の取り付けが不的確になったり、緩んだりする可能性がある他の設計には、繊細で複雑なスプリングおよびピンの機構が含まれており、繰り返し衝撃を受けると、故障しがちである。
【0005】
国際出願番号第PCT/US2016/032346号明細書においてDeesらによって開示された装置などの他の従来装置は、ガイドロッドの使用が必要であった。ガイドロッドは、アライメントの可能性を制限する可能性があり、そのようなガイドロッドの設置および調整により、手術時間が長くなる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際出願番号第PCT/US2016/032346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の概要
従来技術の問題は、本開示による例示的な整形外科用医療器具接続機構によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、
突起を有する第1医療器具であり、突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、突起胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む、第1医療器具と、
胴体と、胴体内に延びる穴を画定する内部側壁と、穴の内側に配置された不連続ねじ部と、を有する第2医療器具であり、不連続ねじ部は、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定し、かつねじ無しチャネルによって、第1医療器具の突起の溝ねじ部を受けるように構成されている、第2医療器具と、
を含んでいる。
【0009】
本明細書記載の特定の例示的な実施形態は、接続機構コンポーネントが嵌入器具からの繰り返しの鈍力に耐えることを可能にしながら、整形外科用器具の迅速で的確で安全な組み立ておよび分解を可能にすると考えられる。
【0010】
さらに、本明細書記載の特定の例示的な実施形態は、本開示に従って、例示的な医療器具接続機構を介して、組み立ておよび分解されるように構成されることができるさまざまなモジュール式整形外科用医療器具アセンブリの使用を可能にすると考えられる。
【0011】
さらに、本明細書記載の特定の例示的な実施形態は、複雑な接続機構を利用する従来の設計と比較して、手術時に、手動の整形外科用器具の使用をより少なくできると考えられる。
【0012】
さらに、本明細書記載の特定の例示的な実施形態は、使用者が整形外科用医療器具を自由な形で(例えば、髄内ロッドなどの誘導器具によって制限されることなく)使用できるようにすると考えられる。
【0013】
さらに、本明細書記載の特定の例示的な実施形態は、モジュール式ブローチなどのモジュール式医療器具の使用を可能にすると考えられている。モジュール式ブローチのモジュール式ブローチコンポーネントは、そのようなコンポーネントの供給において他のモジュール式ブローチコンポーネントと一緒に使用されることができ、それにより、在庫を最小限に抑えながら、各患者特有の解剖学的構造によりよく適応することができる。
【0014】
上記の内容は、添付の図面に示されているように、本開示の例示的な実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかになる。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、開示された実施形態を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、例示的な第1医療器具の等角図であり、第1医療器具は、整形外科用インプラントアセンブリのアダプタである。
【
図2】
図2は、例示的な第2医療器具の等角図であり、第2医療器具は、アダプタを受けるように構成された整形外科用器具である。
【
図4】
図4は、例示的な医療器具接続機構および位置決め器具を有する整形外科用器具アセンブリの等角図であり、整形外科用器具アセンブリは、組立て形態で示されている。
【
図5】
図5は、
図4の整形外科用器具アセンブリの近接の斜視断面側面図である。
【
図6】
図6は、例示的な医療器具接続機構を有する例示的な整形外科用器具アセンブリの等角拡大図である。例示的な整形外科用器具アセンブリは、分解形態で示された、スタックされたモジュール式整形外科用器具を含んでいる。
【
図7】
図7は、組立て形態で示された、
図6の例示的な整形外科用器具アセンブリの等角図である。
【
図8A】
図8Aは、部分的な組立て形態で示された、
図7の例示的な整形外科用器具アセンブリの底面図である。
【
図8B】
図8Bは、完全な組立て形態で示された、
図7の例示的な整形外科用器具アセンブリの底面図である。
【
図9】
図9は、係合前形態の例示的な整形外科用器具アセンブリの正面図である。
【
図10】
図10は、組立て形態の例示的な整形外科用器具アセンブリの等角図である。図示された整形外科用器具アセンブリの第2医療器具は、補助アダプタである。
【
図11】
図11は、補助アダプタに係合されたエンドプロテーゼインプラントをさらに示す、
図10の整形外科用器具アセンブリの等角図である。
【
図12】
図12は、位置決め器具に係合された
図11の整形外科用器具アセンブリの等角図である。エンドプロテーゼインプラントは、切除された近位頚骨に挿入されている。
【0016】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明は、例示および説明のみを目的として提示されており、網羅的であることや本発明の範囲および精神を限定することを意図したものではない。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最も適切に説明するために選択され、記載されている。当業者であれば、本明細書に開示された発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの変形例を成し得ることを認識するであろう。
【0017】
特に明記しない限り、同様の参照符号は、複数の図全体にわたって対応する部分を示している。図面は、本開示によるさまざまな特徴および構成要素の実施形態を表しているが、図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、本開示の実施形態をより適切に説明するために特定の特徴が誇張されている場合があり、このような例示は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0018】
本明細書に明示的に記載されている場合を除き、下記の解釈ルールが本明細書に適用される。(a)本明細書で使用されるすべての単語は、状況に応じて、その状況の性別または数(単数または複数)に解釈されるものとする。(b)本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示していない限り、複数形の参照を含む。(c)列挙された範囲または値に適用される先行詞「約」は、測定値から当該技術分野で既知のまたは予想される範囲または値の偏差による近似値を示す。(d)単語「本明細書において(herein)」、「本明細書により(hereby)」、「本明細書に(hereto)」、「前述の(hereinbefore)」および「後述の(hereinafter)」、ならびに同様の意味を持つ単語は、特に明記しない限り、本明細書全体を指し、特定の段落、特許請求の範囲、またはその他の部分を指すものではない。(e)説明的な見出しは、便宜上のものであり、明細書の一部の解釈の意味を制御しまたは影響を及ぼすものではない。(f)「または(or)」および「いずれか(any)」は排他的ではなく、「含む(include)」および「含んでいる(including)」は限定的ではない。さらに、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、制限のない用語(つまり、「含むがこれらに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。
【0019】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などの参照は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示しているが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない。さらに、このような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明されている場合、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連して、そのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であると主張される。
【0020】
説明的なサポートを提供するために必要な範囲で、添付の特許請求の範囲の主題および/または文章は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書で特に明記されていない限り、その間のすべての部分範囲の範囲内にある個別の各値を、個別に参照するための簡略な方法としてのみ意図されている。列挙された範囲内の個別の各値は、まるで個別の各値が本明細書に個別に列挙されたかのように、明細書または特許請求の範囲に組み込まれる。特定の値の範囲が提示される場合、文脈上明らかに特段の定めがない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10 分の1以下までの各中間値、およびその記載された範囲の部分範囲内のその他の記載値または中間値が、本明細書に含まれるものと理解されたい。すべての部分範囲も含まれる。これらのより小さな範囲の上限と下限も、記載された範囲内に具体的かつ明示的に排除される限界がない限り、本明細書に含まれる。
【0022】
用語「水平」および「垂直」は、絶対基準、すなわち地表面に対する方向を示すために使用される。ただし、これらの用語は、構造が互いに完全に平行または完全に垂直であることを要求するものと解釈されるべきではない。例えば、第1垂直構造と第2垂直構造は、必ずしも互いに平行である必要はない。
【0023】
本開示全体を通じて、特段の定めがない限り、人体の解剖学的構造について言及する際には、「遠位」、「近位」、「内側」、「外側」、「前」および「後」などの様々な位置用語が、慣例的な方法で使用される。より具体的には、「遠位」は、身体への接続部位から離れた領域を指し、「近位」は身体への接続部位に近い領域を指す。例えば、遠位大腿骨は、脛骨に近い大腿骨の部分を指し、近位大腿骨は、股関節に近い大腿骨の部分を指す。また、用語「内側」と「外側」は、本質的に反対の意味である。「内側」は、身体の正中に近いものを指す。「外側」は、身体の正中よりも、身体の右側または左側に近いものを指す。「前」と「後」については、「前」は、体の前方に近い位置にあるものを指し、「後」は、体の後方に近い位置にあるものを指す。
【0024】
「内反」と「外反」は、広義の用語であり、膝関節に対する内側および/または外側方向の回転運動を含むが、これに限定されない。
【0025】
大腿骨の用語「下肢機能軸」は、大腿骨頭の中心から膝の遠位大腿骨の中心まで引かれた仮想の線を指す。
【0026】
用語「解剖軸」は、用途に応じて、大腿骨骨幹部または脛骨骨幹部の中央に縦に引いた仮想の線を指す。
【0027】
図1は、例示的な医療器具接続機構150(
図5)を含む整形外科用器具アセンブリ100(
図4)の例示的な第1医療器具105を示している。本明細書に開示される医療器具は、一般に、外科手術、特に整形外科手術での使用が想定されていることは理解されるであろう。特定の例示的な実施形態では、医療器具は、整形外科用器具、整形外科用インプラント、整形外科用器具アダプタ、それらの組み合わせまたはコンポーネントであり得ると考えられる。ただし、本開示は、考えられる「医療器具」を、提示された例に限定するものではない。図示の例示的な実施形態では、第1医療器具105は、近位端117と、突起胴体113の高さbHに沿って近位端117から遠位に配置された遠位端119と、を有する突起115を含むアダプタである。突出胴体113は、必要に応じて、遠位端119よりも近位端117に近い位置に配置されたシャンク部111を含み得る。溝ねじ部118は、近位端117よりも遠位端119に近い位置に配置される。他の例示的な実施形態では、非ねじ状のシャンク部111は存在せず、溝ねじ部118が近位端117まで延び得る。
【0028】
溝ねじ部118は、突起胴体113の溝なし部分から概ね半径方向外側に延びるタイミング式ねじ山135を含むことが望ましい。図示の実施形態では、突起胴体113の溝あり部は、2つのせん断面114を含み、せん断面114は、突起胴体113の対向する側面に配置され、概ね突起胴体113の高さbHに沿って延びている。
【0029】
図2は、例示的な医療器具接続機構150を含む整形外科用器具アセンブリ100の例示的な第2医療器具110を示している。第2医療器具110は、遠位側147から遠位に配置された近位側124を有する胴体126と、近位側124と遠位側147との間に延びる内部側壁129(
図3)と、を含む。内部側壁129は、第2医療器具110の胴体126内に延びる穴127を画定する。不連続ねじ部121は、穴127の内側に配置される。図示の実施形態では、不連続ねじ部121のねじ山133(
図3)は、内部側壁129から、穴127の中心縦軸C(
図8A)に向かって半径方向内側に延びる。不連続ねじ部121は、不連続ねじ部高さtpHに沿って延びるねじ無しチャネルを画定する。言い換えると、不連続ねじ部高さtpHの一部に沿ってねじ山133が存在しないことにより、ねじ無しチャネル123が画定される。ねじ無しチャネル123の両側の隣接する不連続ねじ山133a、133b(
図3)間の距離Dは、第1医療器具105と第2医療器具110が係合し始める際(つまり、「係合前」または「組立て前」の形態で配置される際、
図8Aを参照)、突起115の溝ねじ部118をぴったりと受けるようなサイズであることが望ましい。このように、不連続ねじ部121は、ねじ無しチャネル123により、第1医療器具105の突起115の溝ねじ部118を「受けるように構成されている」と言える。さらに、第1医療器具105の突起115の溝ねじ部118をぴったりと受けることができるねじ無しチャネル123は、「キースロット」または「キー付きねじ無しチャネル」123であると言える。
【0030】
図示の実施形態では、ねじ無しチャネル123の両側の隣接する不連続ねじ山133a、133b間の距離Dは、複数の隣接する不連続ねじ山133a、133bの間で実質的に均一である。理論に縛られることなく、この配置は、特に視界が限られている状況において、突起115の溝ねじ部118を、不連続ねじ部121に素早く誘導するのを容易にするため、望ましいと考えられる。ただし、本開示は、均一な距離Dで配置された隣接する不連続ねじ山133a、133bによって画定されるねじ無しチャネル123を含む実施形態に限定されないことが理解されるであろう。特定の実施形態では、距離Dで隔てられた、ねじ無しチャネル123の両側に配置される一対の隣接する基準不連続ねじ山133a、133bに対して、上方または下方に配置された1つまたは複数の不連続ねじ山は、基準不連続ねじ山133a、133bの距離Dより長いか、または短いねじ無しチャネル距離で隔てられ得る。
【0031】
図3でより明確に分かるように、ねじ無しチャネル123は、第2医療器具110の胴体126内に嵌入させることができる。言い換えると、ねじ無しチャネルの内部側壁125は、内部側壁129から半径方向外側に配置される。ステップ128は、内部側壁129の縁141と、隣接するねじ無しチャネル123の縁143との間に半径方向に延びる。このように、ねじ無しチャネル123は、「第2医療器具110の胴体126内に嵌入されている」と言える。同じステップおよび縁構造が、通常、ねじ無しチャネル123の反対側に存在することは理解されるであろう。図示の実施形態では、第2キースロット123bは、第1キースロットの反対側に配置される(
図2)。他の例示的な実施形態では、ねじ無しチャネルの内部側壁125が存在せず、ねじ無しチャネル123が第2医療器具110の胴体126を貫通してさらに半径方向に延びることが理解されるであろう。ただし、特定の例示的な実施形態では、不連続ねじ部121は、単一のキースロット123aによって中断され得る。他の例示的な実施形態では、2つより多いキースロットは、不連続ねじ部121で構成され得る。
【0032】
理論に縛られることなく、第2医療器具110の胴体126内に嵌入されたキースロット123は、本明細書に開示される例示的な接続機構150を接続または切断する際に、第1医療器具105の突起115の溝ねじ部118の位置合わせおよび誘導をさらに容易にし得ることがさらに考えられる。これは、視界が限られている場合に特に有益であると考えられる。嵌入されたキースロット123により、第1医療器具105を、感触で第2医療器具110に誘導することができ、これは、例示的な接続機構150を含む整形外科用器具アセンブリ100の効率的な組み立てまたは分解に寄与することができる。
【0033】
整形外科用インプラントに、同様の縁141、143とステップ128構造が存在する場合、キースロット123は、「整形外科用インプラントの胴体内に嵌入されている」と言えることが理解される。同様に、同様の縁141、143とステップ128構造が補助アダプタに存在する場合(
図10を参照)、キースロット123は、「補助アダプタの胴体内に嵌入されている」と言えることが理解される。このような実施形態では、対向するステップ128とねじ無しチャネルの内部側壁125は、キースロット123をさらに画定すると言える。図示された例示的な実施形態は、2つの対向するねじ無しチャネル123を含む。したがって、図示された不連続ねじ部121は、不連続ねじ山の第2部分121bと対向する不連続ねじ山の第1部分121aを含むと言える。ただし、他の例示的な実施形態では、単一のねじ無しチャネル123が存在し得ることが理解されるであろう。さらに他の例示的な実施形態では、2つより多いねじ無しチャネル123が存在し得る。複数のねじ無しチャネル123を有する実施形態では、ねじ無しチャネルは、隣接するねじ無しチャネル123または複数のねじ無しチャネル123に対して、一定の間隔で配置されることが望ましい。ただし、他の例示的な実施形態では、複数のねじ無しチャネル123は、隣接するねじ無しチャネル123または複数のねじ無しチャネル123に対して、不規則な間隔で配置され得ることは理解されるであろう。
【0034】
例示的な実施形態では、不連続ねじ部121のねじ山133と、突起115の相補的な溝ねじ部118のねじ山135とは、半径方向に二等分された場合に、台形断面を有することが望ましい(
図3を参照)。理論に縛られることなく、ACMEねじ形状または台形メートルねじ形状などの台形断面を有するねじ山133、135は、一般的に軸方向距離あたりのねじ山数が少なく、ねじ形状の基部での強度が高く、ねじせん断耐力が高いため、標準ねじ山と比較して、ある程度、係合速度を速めることができると考えられる。さらに、このような台形ねじ山133、135は、互いにカムロック係合すると、係合したねじ山133、135を通じて、嵌入力をより均一に効率的に伝達することができ、そのため、非台形ねじ山に比べて、繰り返しの嵌入に長く耐えることができると考えられる。ただし、本開示は、ねじ山を、ACME、台形メートル、またはその他の台形ねじ山に限定するものではない。標準ねじ山、V字型ねじ山、米国規格ねじ山、ユニファイねじ山、メートルねじ山、角ねじ山、ACMEねじ山、英国規格(ウイットワース規格)ねじ山、ナックルねじ山、およびバットレス型ねじ山を含むがこれらに限定されない、すべてのタイプのねじ山が本開示の範囲内であると考えられる。
【0035】
理論に縛られることなく、不連続ねじ部121のねじ山133と、溝ねじ部118のねじ山135とは、所与の整形外科用器具アセンブリ100を組立て形態にすると、突起115の開始位置(すなわち、組立て前形態)に対する突起115の既知の角変位および既知の移動深さが得られるように、「タイミング式」または「クロック式」であることが望ましいと考えられる。
【0036】
「ねじタイミング」または「ねじクロッキング」は、ねじのピッチおよび間隔の関数である。実際には、ねじ山135、133を組立て前形態(
図8Aを参照)にすると、溝ねじ部分118のねじ山135は、不連続ねじ部121のねじ無しチャネル123a、123bに配置される。
図8Aに示す実施形態では、第1横軸TAは、対向するねじ無しチャネル123a、123bの間に延び、溝ねじ部118を横方向に二分するものと想定され得る。組立て前形態にされると、溝ねじ部118と不連続ねじ部121は、共通の中心縦軸Cを共有する。タイミング式ねじの場合、螺合の開始点は、内ねじ135と外ねじ133の間の共有回転軸に対するねじピッチと、突起115の長さとによって決まる。整形外科用器具アセンブリ100が、組立て前形態から組立て形態に回転すると、溝ねじ部118のねじ山135は、不連続ねじ部121のねじ山133とかみ合い始める。タイミング式ねじの場合、突起の長さは、角変位ごとに第2医療器具110の中に既知の距離だけ移動する。迅速な接続を容易にするためには、それぞれのねじ山135、133が完全にかみ合って螺合するのに1回転未満であることが望ましいと考えられる。本明細書記載のねじ形状を作製するために、シングルポイントねじミルを使用することができると考えられる。
【0037】
タイミング式ねじは、手術室での可視性と時間的制約のため、本明細書で検討されている例示的な医療器具接続機構にとって特に有利であると考えられる。外科医または技術者が、例示的な医療器具接続機構150を有する整形外科用器具アセンブリ100を当該アセンブリを見ずに組み立てることができ、かつ第1医療器具105を既知の角度(「°」)(例えば、特定の実施形態では90°) だけ回転させると、当該アセンブリが完全に組み立てられ、固定されることを分かっている場合、外科医は、中断を最小限に抑えて手術を続行することができる。これは、最終的に、患者の麻酔時間を短縮し、患者の安全性を向上させることに貢献できる。
【0038】
さらに、理論に縛られることなく、例示的な実施形態において台形ねじおよびタイミング式ねじを使用すると、溝ねじ部118および不連続ねじ部121 とともに、それぞれのねじ山133、135が、完全なねじ込み接続よりも速く(例えば、1/4回転で)かみ合う(つまり、組立て形態となる)ことができると考えられる。完全なねじ込み接続では、それぞれのコンポーネントを係合するのに数回の回転が必要であり、コンポーネントが互いに完全にねじ込まれない可能性があり、特に、整形外科手術において一般的な衝撃力を受ける場合、接続の安定性が損なわれる可能性がある。
【0039】
さらに、本開示による例示的な整形外科用医療器具接続機構150は、整形外科用医療器具接続機構150が組立て形態である場合に、かみ合ったねじ山133、135の周囲に衝撃力を効率的に伝達することが理解されるであろう。この特徴により、使用中の接続機構150の摩耗が軽減されるとともに、接続機構150の嵌合コンポーネントを有する整形外科用医療器具の迅速な組み立ておよび分解が可能になり、最終的には、患者の麻酔時間の短縮に貢献できる。
【0040】
本明細書では、突起115は第1医療器具105から延び、不連続ねじ部121は第2医療器具110の穴127の内部に配置されていると説明されているが、他の例示的な実施形態では、突起115は第2医療器具110から延び、第1医療器具105の穴127の内部に配置された不連続ねじ部121と(本開示全体にわたって説明されているすべての方法で)嵌合するように構成され得ることが理解されるであろう。
【0041】
相補的なねじ山133、135は、本明細書で説明されている例示的な医療器具係合機構にとって最も堅牢で信頼性の高いタイプの係合機構であると考えられるが、その他のすべての回転係合式機械的係合機構も、本開示の範囲内であると考えられることが理解されるであろう。このような他の回転係合式機械的係合機構の非限定的な例としては、第1医療器具105から延びる1つまたは複数の別の突起(さらなる例として、1つまたは複数のフック、クランプ、留め金、傾斜部、レッジ、または隆起部が挙げられる)、および第2医療器具110内に配置された1つまたは複数の受器(第1医療器具105からの1つまたは複数の別の突起をぴったりと受けるように構成されている)が挙げられる。さらなる受器としては、(さらなる例として、)第1医療器具105からの1つまたは複数の別の突起をぴったりと受けるように構成されている1つまたは複数の相補的なロッド、クランプ、留め金、傾斜部、ループ、アーチ、レッジ、凹部、隙間、または隆起部が挙げられる。他の例示的な実施形態では、受器は、第1医療器具105上にあり、別の突起は第2医療器具110上にあり得ることが理解されるであろう。上記の組み合わせおよび配列は、本開示の範囲内であるとみなされる。
【0042】
図1および
図2を参照すると、例示の第1医療器具105(
図1B)および例示の第2医療器具110(
図2)は、分解形態で示されている。同様に、例示の医療器具接続機構150(
図5)も分解形態で示されていることが理解されるであろう。例示の接続機構150を有する例示の整形外科用器具アセンブリ100を組立て形態にするために、突起115の溝ねじ部118を、第2医療器具110の不連続ねじ部121のねじ無しチャネル123に滑り込ませることができる。ねじ無しチャネル123は、望ましくはキースロット123であるため、溝ねじ部118は、視認性が制限されている状態または視認性が全くない状態で、ねじ無しチャネル123に素早く挿入できると考えられる。溝ねじ部118がねじ無しチャネル123に挿入された場合、整形外科用器具アセンブリ(さらに言うと、例示的な医療器具接続機構150自体)100は、「組立て前」形態であると言える(
図8Aおよび9を参照)。突起115と溝ねじ部118を回転させて、不連続ねじ部121のねじ山に係合させると、例示的な整形外科用器具アセンブリ100は、「組立て」形態になる(
図7および8Bを参照)。
【0043】
図1~
図8Bに示された例示的なアセンブリでは、突起115は、基部116に固定的に係合しており、その結果、第1医療器具105全体(図示の例示的な実施形態ではアダプタ)が突起115とともに回転して、例示的な整形外科用器具アセンブリ100が組立て形態になる。ただし、他の例示的な実施形態では、突起115は、基部116とは独立して回転できると考えられる。
【0044】
実施形態では、組立て前形態の開始位置と、完全な組立て形態の係合位置とを示すために、印またはその他の表示が付され得ると考えられる。
【0045】
組立て前形態の例示的な整形外科用器具アセンブリ100を示す
図9を参照すると、可動式棟無しスペーサ112は、第1医療器具105の基部116の遠位側103と第2医療器具110の近位側124との間に形成される隙間G内に配置されることが望ましい。図示の実施形態では、可動式棟無しスペーサ112は、整形外科用器具アセンブリ100の向きが回転Rによって組立て前形態(
図9)から組立て形態(
図7参照)に変更されると、第1医療器具105の基部116内に格納される。他の例示的な実施形態では、整形外科用器具アセンブリ100の向きが組立て前形態から完全な組立て形態に変更されると、可動式棟無しスペーサ112は、第2医療器具110内に格納され得ることが理解されるであろう。圧縮、変形、または格納が可能なあらゆるタイプのスペーサが、本開示の範囲内であるとみなされる。可動式棟無しスペーサ112の非限定的な例としては、ボールプランジャー、格納式ピン、またはOリングが挙げられる。
【0046】
図1~
図3に示す実施形態では、例示的な整形外科用器具アセンブリ100の向きが組立て前形態から組立て形態へ回転される際に、摩擦を均等に軽減するために、基部116内の等しく反対の位置に、2つの可動式棟無しスペーサ112が設けられることが望ましい。ただし、他の例示的な実施形態では、単一の可動式棟無しスペーサ112が設けられ得ることが理解されるであろう。さらに他の例示的な実施形態では、2つより多い可動式棟無しスペーサ112が設けられ得る。2つ以上の可動式棟無しスペーサ112を含む例示的な実施形態では、2つ以上の可動式棟無しスペーサ112は、互いに対して、均等に間隔を空けることができるか、または不均等に間隔を空けることできると理解されるであろう。
【0047】
図示の実施形態では、可動式棟無しスペーサ受器134が、第2医療器具110の近位側124の近位表面122に配置されている。第1医療器具105の可動式棟無しスペーサ112は、整形外科用器具アセンブリ100が組立て形態になっている場合、可動式棟無しスペーサーレ受器134内に配置される。可動式棟無しスペーサ112と、(存在する場合)可動式棟無しスペーサ受器134は、例示的な実施形態では、第1医療器具105、第2医療器具100のいずれか、または第1医療器具105および第2医療器具110の両方に配置され得ることが理解されるであろう。
【0048】
図示の第1医療器具105は、基部116の遠位側103から延びるピン104をさらに含む。ピン104は、第1医療器具105を、組立て前形態の第2医療器具110に対して、位置合わせするために使用され得る。使用者は、第1医療器具105の突起115を、第2医療器具110の不連続ねじ部121のねじ無しチャネル123に挿入しながら、第2医療器具110の近位側124に配置された弓形溝136の第1端部166に、ピン104を位置合わせする。ピン104と弓形溝136の併用により、例示的な整形外科用器具アセンブリ100が組立て前形態にあり、完全に組み立てられるように適切に位置合わせされていることを、視覚的および触覚的に素早くフィードバックすることができる。言い換えれば、ピン104と弓形溝136は、接続機構150のタイミング式ねじ山133、135の適切な位置合わせを伝える望ましい使用者用インジケータとなり得る。
【0049】
使用者が、整形外科用器具アセンブリ100を回転させて、整形外科用器具アセンブリ100を組立て形態にすると、ピン104は、基部116とともに回転し、ピン104が弓形溝136の円弧状に離れた第2端部167に到達するまで、反対向きの弓形溝126にさらに深く延びる。実施形態によっては、ピン104と、(共に存在する場合)溝136は、第1医療器具105、第2医療器具100のいずれか、または第1医療器具105と第2医療器具110の両方に配置され得ることが理解されるであろう。さらに、ねじ山133、135は、時計回りまたは反時計回りに回転するように配置され得ることも理解されるであろう。
【0050】
タイミング式ねじ山133、135を含む例示的な実施形態では、使用者が整形外科用器具アセンブリ100を組立て前形態から組立て形態に回転させると、隙間Gが効率的に除かれ、それにより、第1医療器具105が第2医療器具110に係合完了したというさらなる触覚的フィードバックが使用者に提供される。
【0051】
図1~
図11の特定の実施形態をまとめて参照すると、これらの特定の例は、膝関節形成術で使用するように構成された整形外科用器具アセンブリ100を示している。
【0052】
簡単に言えば、典型的な膝関節形成手術では、外科医は、膝の前または前内側面に、長さ約5~6インチのほぼ垂直なmedial parapatellar切開を行う。
【0053】
次に、外科医は、脂肪組織の切開を続け、関節包の前または前内側面を露出させる。次に、外科医は、medial parapatellar関節切開術を行って関節包に穴をあける。次に、開創器を使用して膝蓋骨を概ね外側(約90度)に動かし、大腿骨の遠位顆と近位脛骨プラトーの上にある軟骨半月板を露出させる。次に、外科医は、半月板を除去し、器具を使用して遠位大腿骨と近位脛骨を測定して切除し、試用インプラント、そして最終的には最終インプラントを収容する。
【0054】
切除した脛骨180(
図12)を、エンドプロテーゼ膝関節インプラントの脛骨コンポーネントとするために、外科医は、近位脛骨骨幹端および骨幹に、徐々に大きくなる一連のブローチを挿入して、選択した(1つまたは複数の)インプラントの形状およびサイズを反映した骨のポケットを作製することができる。ブローチ器具には、多くの場合、嵌合取り付け形状を備えたブローチ(
図2および
図3を参照)と、衝撃ハンドル(
図4および
図5を参照)に取り付けられるアダプタ(
図1を参照)が含まれる。
【0055】
近位脛骨180には、脛骨インプラント構造の全体的な安定性を損なう空隙や骨質の悪い部分が存在し得る。外科医は、円すい形のインプラント(
図11および
図12参照)を使用して、これらの部分を充填および補強し、骨のさらなる劣化を防ぎ、脛骨インプラント周りの骨の構造的完全性を向上させることができる。
【0056】
図1に戻ると、図示の例では、第1医療器具105は、
図2のブローチ(すなわち、第2医療器具110の例)と嵌合するように構成されたアダプタである。突起115は、アダプタの基部116から、好ましくは基部116の遠位側103から延びるシャフトである。好ましい実施形態では、ピン104と、ボールプランジャー(つまり、可動式棟無しスペーサ112の例)も、基部116の遠位側103から延びている。ピン104、可動式棟無しスペーサ112のいずれか、またはピン104と可動式棟無しスペーサ112の両方を使用して、タイミング式ねじ山133、135の位置合わせを行い、前述の方法で第 1医療器具105と第2医療器具110を組み立てることができる。
【0057】
図示の例示的な実施形態では、第1医療器具105(すなわち、アダプタ)は、基部116の近位側108から延びる受器構造101をさらに含む。受器構造101は、基部116の近位側108から延びる受器構造基部106と、受器構造基部106から近位に延びるブリッジ102と、ブリッジ102から近位に延びる受器バックストップ107を含む。ブリッジ102は、横断面に沿って二等分された場合に、受器構造基部106および受器バックストップ107の断面積よりも小さい断面積を有することが望ましい。図示の実施形態では、受器構造101は、概ね円筒形であり、ブリッジ102と、受器構造基部106および受器バックストップ107の隣接する壁とは、環状の隙間131 を画定する。環状の隙間131は、位置決め器具(
図4および
図5)の係合突起(例えば、環状フォロワ156)によって埋められ、それによって、第1医療器具105を選択的に係合することができる。
【0058】
図2および
図3に戻ると、図示の例では、第2医療器具110は、
図1のアダプタと嵌合するように構成されたブローチである。例示の第2医療器具110は、内部側壁129を含む。内部側壁129は、第2医療器具110の胴体126内に延びる穴127を画定する。不連続ねじ部121は、穴127内に配置されている。不連続ねじ部121のねじ山133は、内部側壁129から、穴127の中心縦軸C(
図8A)に向かって半径方向内側に延びている。不連続ねじ部121は、不連続ねじ部高さtpHに沿って延びるねじ無しチャネル 123を画定する。不連続ねじ部121は、ねじ無しチャネル123により、第1医療器具105の突起115の溝ねじ部118を受けることができる。図示の第2医療器具110の外側146は、第2医療器具110の高さに沿って概ね円周方向に配置された複数のブローチ歯149をさらに含む。外側146と複数のブローチ歯149は、1つまたは複数のチップブリーチ148を画定できる。本開示による医療器具の1つがブローチである場合、ブローチの外側に配置されたチップブリーチ148により、骨髄、ならびにその他の骨幹端組織および/または骨幹組織が「チップ」として分解され、チップブリーチ148から排出され、ブローチ加工が容易になる。チップブリーチ148は、外側146に斜めに配置されることが望ましい。その結果、第2医療器具110の遠位側147に近い位置に配置されたチップブリーチ148の端部が、第2医療器具110の近位側124に近い位置に配置されたチップブリーチ148 の端部からオフセットされる。斜めのチップブリーチ148がないと、組織は、より長いリボンとして排出されるか、または排出が完全に妨げられる可能性がある。
【0059】
第1医療器具105と第2医療器具110は、意図された目的に望ましい物理的および化学的特性を有する材料から製造され得ることが理解されるであろう。例えば、第1医療器具105と第2医療器具110が再利用可能な整形外科用器具である場合、材料は、ステンレス鋼または他の適切な臨床試験済み材料であり得る。第1医療器具105、第2医療器具110、またはそのコンポーネントが使い捨てに設計されているか、または限定的用途のために設計されている例では、材料は、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)および架橋ポリエチレン(「XLPE」)を含むがこれらに限定されない)(「PE」)、およびポリアミド(ガラス充填ポリアミドおよび炭素繊維充填ポリアミドを含むがこれらに限定されない)を必須的に含む群から選択され得る。
【0060】
第1医療器具105と第2医療器具110との間、またはそのコンポーネント間の引っかき傷を最小限に抑えることが望ましい例示的な実施形態では、第1医療器具105、第2医療器具110、またはその係合コンポーネントは、PEEKから製造され得る。1つの例示的な実施形態では、突起118は、PEEKから製造され、第1医療器具110の残りの部分は、PEEKから製造されていない。他の例示的な実施形態では、第1医療器具105、第2医療器具110、またはそのコンポーネントは、目に見える摩耗の兆候をさらに減らすため、摩擦係数をさらに減らすため、または患者のアレルギーに対応するためにコーティングされ得る。コーティングの非限定的な例のリストには、コバルトクロムモリブデン合金、ジルコニウム酸化物、およびニオブ窒化物が含まれる。他の例示的な実施形態では、溝ねじ部118のねじ山135は、組立て形態において、不連続ねじ部121のねじ山133と間接的に係合することができる。このような例示的な実施形態では、組立て形態において、それぞれのねじ山133、135の間に、ライナーまたはその他の中間構造が配置され得る。このようなライナーは、所望の目的のために選択された材料から作製され得る。このような材料には、本明細書に列挙された材料のすべてが含まれ得る。
【0061】
図4および
図5は、組立て形態において、位置決め器具153(例えば、ハンドル)に選択的に固定係合された例示的な整形外科用器具アセンブリ100を示す。
図4に示す実施形態の詳細な斜視断面側面図である
図5に示すように、位置決め器具153は、バイアス係合機構155により、受器構造101のブリッジ102に係合する。当業者に知られているバイアス係合機構155はすべて、本開示の範囲内とみなされる。図示の実施形態では、バイアス係合機構155は、位置決め器具153のハウジング159内に配置されたバイアスばね157を含む。バイアスばね157は、受器構造101が位置決め器具153内に配置されると、第1医療器具105の受器構造101のブリッジ102を取り囲む環状フォロワ156にバイアス力を加える。環状フォロワ156は、次に、ブリッジ102にバイアス力を加える。ブリッジ102は、これらの力を、受器バックストップ107と受器構造基部106により、位置決め器具153の隣接するハウジング159に分配する。それにより、例示的な整形外科用器具アセンブリ100の第1医療器具105を固定的に係合させる。
【0062】
第1医療器具105を位置決め器具153から外すには、使用者は、バイアス係合機構155の露出ボタン154を押し下げ、バイアスばね157のバイアス力を取り除き、それにより、ブリッジ102を環状フォロワ156から解放させ、第1医療器具105を位置決め器具153から取り外すことができる。このように、例示的な整形外科用器具アセンブリ100は、位置決め器具153に「選択的に固定係合」されていると言える。
【0063】
図5は、組立て形態における例示的な医療器具接続機構150をさらに示す。溝ねじ部118のねじ山135は、第2医療器具110(例えば、ブローチ)の不連続ねじ部121のねじ無しチャネル123に挿入される。そして、ねじ山135は、不連続ねじ部121の隣接するねじ山133の間に配置され、かつねじ山133にぴったりと受けられるように回転され、それにより、不連続ねじ部121のねじ133と係合する。医療器具接続機構150を取り外し、それにより整形外科用器具アセンブリを分解形態にするには、使用者は、溝ねじ部118のねじ山135が不連続ねじ部121のねじ山133から外れ、第2医療器具110に対してねじ無しチャネル123に向かって移動するように、第1医療器具105に対して第2医療器具110を回転させることができる。溝ねじ部118のねじ山135がねじ無しチャネル123内にある場合、第1医療器具105を第2医療器具110から縦方向に引き抜くことができ、それにより、例示的な整形外科用器具アセンブリを分解形態にすることができる。
【0064】
図6および
図7は、例示的な医療器具接続機構150を含む別の例示的な整形外科用器具アセンブリ100の斜視図であり、医療器具接続機構150が組立て形態である場合、複数の追加の医療器具110b、110cが、第1医療器具105と第2医療器具110aとの間に配置されている。図示の実施形態では、第1医療器具105と第2医療器具110aとの間に配置された各追加医療器具110b,110cは、2つの対向するねじ無しチャネル123b、123cを含んでおり、それぞれが、上述のように、第1医療器具105の突起115の溝ねじ部118と係合することができる。図示の実施形態の第1医療器具105は、
図1に示す突起115よりも長い突起115を有する。実際には、
図6および
図7に示す突起115の遠位端119は、追加医療器具110b、110cの対向するねじ無しチャネル123c、123bを通り、第2医療器具110の対向するねじ無しチャネル123aにまで延び、例示的な整形外科用器具アセンブリ100を組立て前形態にすることができる。溝ねじ部118が、第2医療器具110の対向するねじ無しチャネル123aから回転して外れ、第2医療器具110の不連続ねじ部121の隣接するねじ山133とかみ合うと、例示的な整形外科用器具アセンブリ100(転じて、例示的な医療器具接続機構150)は、「組立て形態」になると言える。
図6~
図7では、第2医療器具110aと各追加医療器具110b、110c(例えば、第3医療器具110bおよび第4医療器具110c)は、スタック可能なブローチである。ただし、他の実施形態において他の種類の医療器具を使用できることは理解されるであろう。
【0065】
図示の実施形態では、第4医療器具110cは、組立て済みの整形外科用器具100が挿入される骨の自然な先細りに対応するために、第3医療器具110bよりも小さいサイズにされる。例示的な実施形態では、第3医療器具110bは、第2医療器具100aと同じサイズであり得る。他の例示的な実施形態では、提供される医療器具のサイズはすべて、提供される他の追加医療器具の1つまたは複数のサイズと異なり得る。本開示による例示的な医療器具接続機構150を有する追加医療器具110b、110cは、真のモジュール性(すなわち、第2、第3、第4、またはさらなる医療器具110a、110b、110c・・・のすべてを、第1医療器具105(例えば、アダプタ)と交換可能に使用できること)を可能にすると考えられる。理論に縛られることなく、本開示で想定される真のモジュール性を備えた例示的な整形外科用器具アセンブリ100により、使用者は、在庫を最小限に抑えながら、患者固有の自然な解剖学的構造に適応する方法で、所望のブローチアセンブリを迅速に組み立て、所望の骨の所望の部位をより適切にブローチングすることができると考えられる。
【0066】
他の例示的な実施形態では、突起115は、複数の溝ねじ部を含むことができ、複数の溝ねじ部のうちの1つの溝ねじ部が、組立て形態において第1医療器具105と第2医療器具110との間に配置された追加医療器具110b、110cの不連続ねじ部121b、121cにさらに係合できることが理解されるであろう。それぞれのねじ部のねじ山135、133は、上記のようにタイミングが調整されることが望ましい。複数の追加医療器具110b、110cを含む実施形態では、追加医療器具110b、110cが無い実施形態と比較して、(組立て前形態から組立て形態に移行する際、)突起115の角変位が小さくなり得ることが理解されるであろう。
【0067】
図8Aは、組立て前形態で示された、
図6および
図7の例示的な整形外科用器具アセンブリ100の底面図である。
図8Bは、組立て形態で示された、
図6および
図7の例示的な整形外科用器具アセンブリ100の底面図である。
【0068】
図は、一般に、二等分冠状面および矢状面を中心に概ね対称である第2医療器具110の胴体126の中心に延びる穴127を示しているが、本開示のいかなる内容も、本発明を図示の実施形態に限定するものではない。他の例示的な実施形態では、穴127、したがって不連続ねじ部121は、第2医療器具110の胴体126の遠位側147の一部に、遠位側147の他の部分よりも近づけて配置され得る。さらに、他の例示的な実施形態では、第1または第2医療器具105、110は、非対称、単一の二等分面を中心に対称、複数の二等分面を中心に対称、または放射状に対称であり得る。
【0069】
図2~
図8Bを参照して図示および説明されている実施形態では、第2医療器具110は、骨形成器具である。一般的な骨形成器具には、ブローチ(
図2~
図8Bを参照)、やすり、リーマ、キールパンチ、およびその他の切断器具が含まれる。ただし、他の例示的な実施形態では、第2医療器具110は、骨形成器具以外の整形外科用器具であり得ると理解されるであろう。このような器具には、測定器具、視覚化器具、およびそれらの組み合わせが含まれる。測定器具または視覚化器具と骨形成器具との組み合わせおよび配列は、本開示の範囲内とみなされる。
【0070】
図2~
図8Bを参照して図示および説明された例示的な実施形態は、特に、1つまたは複数の円すい形脛骨インサート160(
図11および
図12を参照)に対し近位脛骨180を準備するように適合させることができる。円すい形脛骨インサート160は、整形外科用エンドプロテーゼインプラントの一種である。円すい形脛骨インサート160は、通常、手術脛骨180に空隙または骨質の悪い部分がある場合に使用される。外科医は、骨幹端および/または骨幹から海綿骨をリーミング、ブローチング、またはその他の方法で除去して、円すい形脛骨インサート160の外形寸法を概ね補完し、反映するポケットを作成することができる。挿入されると、円すい形脛骨インサート160は、脛骨180の骨幹端および/または骨幹部分を補強し、骨の劣化をさらに低減し、エンドプロテーゼ膝関節インプラントの脛骨コンポーネントを囲む骨の構造的完全性を向上させる。
【0071】
図6および
図7のモジュール式整形外科用器具アセンブリ100は、例示的な機械的接続機構150を備えたブローチング器具の例である。図示のブローチ器具には、ブローチ構造体(すなわち、第1医療器具105と第2医療器具110との間に配置される追加医療器具110b、110c)の外形寸法を反映または補完する外形寸法を有する補完的な円すい形脛骨インサート160も備えられていることが望ましい。円すい形脛骨インサート160は、モジュール式の円すい形脛骨インサートであることが望ましい。このようにして、外科医は、手術患者の脛骨180の特有の解剖学的構造に適した追加医療器具110b、110c(例えば、本開示による例示的な接続機構150のコンポーネントを有するモジュール式脛骨ブローチ)のサイズおよび形状を選択することができる。その後、外科医は、上記の方法で、例示的な整形外科用器具アセンブリ100を組み立てることができる。組み立てが終わると、外科医は、切除した脛骨180の上にブローチング器具を配置し、ハンマーまたはその他の嵌入具を使用して近位脛骨180をブローチングし、準備された円すい形脛骨インサート160の外形寸法を補完するポケットを作成することができる(
図12)。
【0072】
準備された円すい形脛骨インサート160は、ブローチの外形寸法に合うため、脛骨180に作成されたポケットは、円すい形脛骨インサート160をぴったりと受けることができまる。
図10~
図12は、この概念を示す。
【0073】
図10は、第1医療器具105がアダプタであり、第2医療器具110が円すい形脛骨インサート160(
図11)を選択的に係合するように構成された補助アダプタである組立て形態の例示的な整形外科用器具アセンブリ100を示す。
図11は、くさび状テーパにより、整形外科用器具アセンブリ100に選択的に係合された円すい形脛骨インサート160を示す。
図12は、
図11の例示的な整形外科用器具アセンブリ100が位置決め器具153(例えば、ハンドル)にさらに取り付けられ、円すい形脛骨インサート160が、
図1~
図8Bのいずれかに示されたもののようなブローチング整形外科用器具アセンブリ100によって作成された切除近位脛骨180中のポケット内に配置されている様子を示す。
【0074】
他の例示的な実施形態では、第2医療器具110は、第1医療器具105の突起115を受けるように構成された整形外科用インプラントであり得る(
図11参照)。整形外科用インプラントの例の非限定的なリストには、脛骨コーン、大腿骨コーン、エンドプロテーゼインプラントの脛骨および大腿骨コンポーネント、および前述のいずれかのトライアルインプラントが含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0075】
他の例示的な実施形態では、第2医療器具110は、補助アダプタであり得る(
図10)。このような例示的な実施形態では、補助アダプタはさらに、整形外科用器具、整形外科用インプラント、または別のアダプタを選択的に係合するように構成されていてもよい(
図11参照)。補助アダプタを含むこのような例示的な実施形態では、整形外科用インプラント、整形外科用器具、または別のアダプタは、第1医療器具105を間接的に係合するように構成されていると言える。
【0076】
その他の一般的な整形外科用インプラントには、インプラントされたときに骨幹端骨または骨幹骨に延びるインプラントまたはそのコンポーネント、その他のアーギュメント、スペーシング要素、および空隙充填材が含まれる。本開示の内容はすべて、本開示の範囲を膝関節に限定するものではないことが理解されるであろう。例示的な接続機構150を有するすべての整形外科用器具、整形外科用インプラント、および補助アダプタは、本開示の範囲内とみなされる。
【0077】
例示的な整形外科用器具アセンブリ100のコンポーネントは、外科用キットの形で提供され得る。キットのコンポーネントは、外科用トレイまたはケースなどの便利な形式で配置されることが好ましい。ただし、キットのコンポーネントは、手術時に使用するために手術室で一緒に組み立てられるか、または集められる限り、一緒に梱包または配送される必要はない。
【0078】
例示的なキットには、例示的な整形外科用器具アセンブリ100のすべての適切な実施形態、本明細書記載の例示的な整形外科用器具アセンブリ100の変形例、および実施形態による他のすべての例示的な整形外科用器具アセンブリを含めることができる。例示的なキットには、1つまたは複数の第1医療器具105(好ましくは異なるサイズ)と、1つまたは複数の第2医療器具(好ましくは異なるサイズ)と、組立て形態において第1医療器具105と第2医療器具110との間に配置されるように構成された1つまたは複数の追加医療器具110b、110c(好ましくは異なるサイズ)と、が含まれ得るが、特定のキットは、これらの要素の一部またはすべてを欠き得ると理解されるであろう。
【0079】
第1医療器具105のすべての適切な実施形態、本明細書記載の第1医療器具105の変形例、および実施形態による他のすべての第1医療器具105は、本開示の範囲内であるとみなされる。第2医療器具110のすべての適切な実施形態、本明細書記載の第2医療器具110の変形例、および実施形態による他のすべての第2医療器具110は、本開示の範囲内であるとみなされる。追加医療器具110bのすべての適切な実施形態、本明細書記載の追加医療器具110bの変形例、および実施形態による他のすべての追加医療器具110bは、本開示の範囲内であるとみなされる。
【0080】
特定の実施形態によるキットに含める第1医療器具105、第2医療器具110、および追加医療器具110b(110cなど)の適切な個数または種類は、キットに含まれるコンポーネントを使用して実施することが意図されている手術など、さまざまな考慮事項に基づいて選択され得る。
【0081】
例示的な整形外科用器具アセンブリは、アダプタと、整形外科用器具と、を含み得る。
アダプタは、シャフトを有し、シャフトは、近位端と、シャフト胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を有する。シャフト胴体は、遠位端よりも近位端に近い位置に配置されたシャンク部分と、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部と、を含む。
整形外科用器具は、胴体と、内部側壁と、を有する。内部側壁は、整形外科用器具胴体内に延びる穴を画定し、穴は、不連続ねじ部により、アダプタのシャフトを受けるように構成され、不連続ねじ部は、その中を縦方向に延びるねじ無しチャネルを画定する。
【0082】
特定の例示的なアセンブリは、係合構成をさらに含むことができ、シャフトの遠位端の溝ねじ部のシャフトねじ山が、整形外科用器具の不連続ねじ部のねじ山に隣接して係合する。
【0083】
特定の例示的なアセンブリでは、シャフトねじ山と不連続ねじ山は、台形である。
【0084】
例示的な整形外科用器具アセンブリは、アダプタと、整形外科用器具と、を含み得る。
アダプタは、シャフトを有し、シャフトは、近位端と、シャフト胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を有する。シャフト胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む。
整形外科用器具は、胴体と、内部側壁と、不連続ねじ部と、を有する。内部側壁は、胴体内に延びる穴を画定する。不連続ねじ部は、内部側壁から長手方向中心軸に向かって半径方向内側に延びる一連のねじ山を含む。不連続ねじ部は、不連続ねじ部の高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定する。ねじ無しチャネル内部側壁は、第1ねじ無しチャネル縁と、第2ねじ無しチャネル縁と、を有する。第1ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第1縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第1縁と第1ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第1ステップを画定する。第2ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第2縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第2縁と第2ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第2ステップを画定する。ねじ山は、第1ステップおよび第2ステップで、またはその前で終端し、第1ステップと、第2ステップと、ねじ無しチャネル内部側壁とは、整形外科用器具に沿って長手方向に延びるキースロットを画定する。キースロットは、アダプタの溝ねじ部をぴったりと受けるように構成されている。
【0085】
例示的な整形外科用器具アセンブリは、アダプタと、整形外科用器具と、を含み得る。
アダプタは、シャフトを有し、シャフトは、近位端と、シャフト胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を有する。シャフト胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む。
整形外科用器具は、胴体と、内部側壁と、不連続ねじ部と、を有する。内部側壁は、胴体内に延びる穴を画定する。不連続ねじ部は、内部側壁から長手方向中心軸に向かって半径方向内側に延びる一連のねじ山を含む。不連続ねじ部は、不連続ねじ部の高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定する。第1ねじ無しチャネル内部側壁は、第1ねじ無しチャネル縁と、第2ねじ無しチャネル縁と、を有する。第1ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第1縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第1縁と第1ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第1ステップを画定する。第2ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第2縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第2縁と第2ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第2ステップを画定する。ねじ山は、第1ステップおよび第2ステップで、またはその前で終端し、第1ステップと、第2ステップと、ねじ無しチャネル内部側壁とは、整形外科用器具に沿って長手方向に延びる第1キースロットを画定する。第2ねじ無しチャネル内部側壁は、第3ねじ無しチャネル縁と、第4ねじ無しチャネル縁と、を有する。第3ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第3縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第3縁と第3ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第3ステップを画定する。第4ねじ無しチャネル縁は、内部側壁の第4縁から半径方向外側に、かつ円形に隣接して配置され、内部側壁の第4縁と第4ねじ無しチャネル縁との間に半径方向に配置された第4ステップを画定する。ねじ山は、第3ステップおよび第4ステップで、またはその前で終端し、第3ステップと、第4ステップと、第2ねじ無しチャネル内部側壁とは、整形外科用器具に沿って長手方向に延びる第2キースロットを画定する。キースロットは、アダプタの溝ねじ部をぴったりと受けるように構成されている。
【0086】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、第1医療器具と、第2医療器具と、を含む。
第1医療器具は、突起を有し、突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、突起胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む。
第2医療器具は、胴体と、内部側壁と、不連続ねじ部と、を有する。内部側壁は、胴体内に延びる穴を画定する。不連続ねじ部は、穴内に配置され、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定する。不連続ねじ部は、ねじ無しチャネルにより、第1医療器具の突起の溝ねじ部を受けるように構成されている。
【0087】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、突起の遠位端よりも近位端に近い位置に配置されたシャンク部をさらに含む突起を有し得る。
【0088】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、台形断面形状を有する、溝ねじ部のねじ山と不連続ねじ部のねじ山とを有し得る。
【0089】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、不連続ねじ部高さに沿って延びる複数のねじ無しチャネルを画定する不連続ねじ部を有し得る。このような例示的な実施形態は、必要に応じて、複数のねじ無しチャネルにより、第1医療器具の突起の溝ねじ部分を受けるように構成された不連続ねじ部を有し得る。
【0090】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、タイミング式ねじ山である溝ねじ部のねじ山と不連続ねじ部のねじ山とを有し得る。
【0091】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、基部をさらに含む第1医療器具を有し得る。基部の遠位側から突起が延び、基部の遠位側から可動式棟無しスペーサが延びている。このような例示的な実施形態は、必要に応じて、基部の遠位側から延びるピンをさらに含み得る。このような例示的な医療機器接続機構は、第2医療器具を有し、第2医療器具は、第2医療器具の近位側をさらに備え、第2医療器具の近位側が可動式棟無しスペーサ受器をさらに備えることが理解されるであろう。このような例示的な実施形態では、第2医療器具の近位側は、必要に応じて、医療器具接続機構の形態が組立て前形態から組立て形態に変化すると、第1医療器具のピンをぴったりと受けるように構成された弓形溝をさらに画定し得る。
【0092】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、医療器具接続機構が組立て形態になった場合に、第1医療器具と第2医療器具との間に配置される複数の追加医療器具をさらに含み得る。
【0093】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、第1医療器具を、アダプタ、ハンドル、および位置決め部材を必須的に含む群から選択することができる。
【0094】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、第2医療器具を、ブローチ、リーマ、やすり、キールパンチ、および骨切り装置を必須的に含む群から選択されることができる。
【0095】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、第2医療器具を、エンドプロテーゼコーン、エンドプロテーゼインプラント、およびエンドプロテーゼインプラントコンポーネントを必須的に含む群から選択することができる。
【0096】
例示的な整形外科用医療機器接続機構では、第2医療器具は、整形外科用器具、整形外科用エンドプロテーゼインプラント、またはそのコンポーネントと係合するように構成された補助アダプタであり得る。
【0097】
例示的な整形外科用医療器具接続機構では、ねじ無しチャネルは、キースロットであり得る。キースロットは、第2医療器具の胴体内に嵌入されている。
【0098】
例示的な整形外科用医療器具接続機構では、突起の溝ねじ部は、キー付き溝ねじ部であり得る。
【0099】
例示的な整形外科用医療器具接続機構は、第1医療器具と、第2医療器具と、を含む。
第1医療器具は、突起を有し、突起は、近位端と、突起胴体の高さに沿って近位端から遠位に配置された遠位端と、を含み、突起胴体は、近位端よりも遠位端に近い位置に配置された溝ねじ部を含む。
第2医療器具は、胴体と、内部側壁と、不連続ねじ部と、を有する。内部側壁は、胴体内に延びる穴を画定する。不連続ねじ部は、穴内に配置され、不連続ねじ部高さに沿って延びるねじ無しチャネルを画定する。不連続ねじ部は、ねじ無しチャネルにより、第1医療器具の突起の溝ねじ部を受けるように構成されている。溝ねじ部のねじ山と不連続ねじ部のねじ山は、タイミング式ねじである。
【0100】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、その変更および改良が間違いなくすぐに分かると予想される。したがって、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるすべての変更および改良を網羅するものとして解釈されることが意図されている。
【外国語明細書】