(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098298
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 75/18 20060101AFI20250625BHJP
D06F 75/14 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
D06F75/18
D06F75/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082831
(22)【出願日】2022-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】笹部 茂
(72)【発明者】
【氏名】堀端 文枝
【テーマコード(参考)】
4L029
【Fターム(参考)】
4L029DA01
4L029DA18
(57)【要約】
【課題】安定した濃度の処理剤を含有する処理液を衣類に供給する衣類処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本出願は、衣類に所定の特性を与える処理剤を衣類に供給するように構成された衣類処理装置を開示している。衣類処理装置は、水を収容可能に構成された水収容部と、処理剤を含有した原液を収容可能に構成された原液収容部と、水収容部から供給された水及び原液収容部から供給された原液を内部で混合して処理液を生成する処理液生成部と、水収容部中の水及び原液収容部中の原液を吸い出して処理液生成部に供給するとともに、処理液生成部で生成された処理液を吐出するポンプと、ポンプから吐出された処理液を衣類へ供給する処理液供給部と、処理液生成部中の処理液が水収容部に逆流することを抑制する逆流抑制部と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類に所定の特性を与える処理剤を衣類に供給するように構成された衣類処理装置であって、
水を収容可能に構成された水収容部と、
処理剤を含有した原液を収容可能に構成された原液収容部と、
前記水収容部から供給された水及び前記原液収容部から供給された原液を内部で混合して処理液を生成する処理液生成部と、
前記水収容部中の水及び前記原液収容部中の原液を吸い出して前記処理液生成部に供給するとともに、前記処理液生成部で生成された処理液を吐出するポンプと、
前記ポンプから吐出された処理液を衣類へ供給する処理液供給部と、
前記処理液生成部中の処理液が前記水収容部に逆流することを抑制する逆流抑制部と、を備えている、衣類処理装置。
【請求項2】
前記処理液生成部は、前記水収容部に接続されて前記水収容部から流出した水が流れる水流路を形成している水管部と、前記原液収容部に接続されて前記原液収容部から流出した原液が流れる原液流路を形成しているとともに前記水管部に接続されている原液管部と、水と原液とが混合された処理液が前記ポンプに流入するように前記ポンプに接続された処理液管と、を有しており、
前記逆流抑制部は、前記ポンプが動いているときに前記水流路を開き、前記ポンプが動いていないときに前記水流路を閉じるように構成されている、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記逆流抑制部は、前記ポンプの吸込圧によって前記水流路を開き、前記ポンプの吸込圧がなくなると前記水流路を閉じるように構成されている、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記ポンプが動いているときに前記処理液生成部中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように前記原液流路を狭める絞り部を更に備えている、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記水流路及び前記原液流路の断面積及び長さは、前記ポンプが動いているときに前記処理液生成部中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように設定されている、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記原液管部に設けられた拡散抑制部を更に備え、
前記拡散抑制部は、前記ポンプが動いているときに前記原液流路を開く一方で、前記ポンプが動いていないときに前記原液流路を閉じる、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記拡散抑制部は、前記ポンプの吸込圧によって前記原液流路を開き、前記ポンプの吸込圧がなくなると前記原液流路を閉じるように構成されている、請求項6に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記逆流抑制部は、前記原液管部と前記水管部との接続部から離れた位置において前記水管部に設けられており、
前記拡散抑制部は、前記接続部から離れた位置において前記原液管部に設けられている、請求項6に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記原液管部に設けられた拡散抑制部を更に備え、
前記拡散抑制部は、前記ポンプが動いているときに前記原液流路を開く一方で、前記ポンプが動いていないときに前記原液流路を閉じるように構成されており、
前記逆流抑制部から前記原液管部と前記水管部との前記接続部までの区間における前記水流路の体積に対する前記拡散抑制部から前記接続部までの区間における前記原液流路の体積の比率の数値は、目標数値に等しい、請求項4又は5に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
処理液の流れを乱流にするように構成された乱流生成部を更に備えている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
処理剤は、フッ素樹脂を含んでいる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類に対して所定の処理を行う衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類の皺を伸ばしたり、衣類に対して除菌したり、衣類の匂いを除去したりする様々な衣類処理装置が開発されている。特許文献1は、
図9に示す衣類処理装置900を開示している。この衣類処理装置900は、アイロンとして構成されており、衣類の摩擦係数を低減する処理剤を衣類に供給しつつ衣類の皺を伸ばすことができる。詳細には、衣類処理装置900は、ヒータ910が取り付けられた加熱底板911と、加熱底板911上に設けられた筐体920と、を有しており、この筐体920内には、処理剤及び蒸気を供給するための内部部品が収容されている。
【0003】
具体的には、筐体920内には、蒸気の元となる水が収容された水収容部930が設けられている。水収容部930には、水収容部930内の水を加熱底板911に滴下させるように構成された滴下部931が設けられている。ヒータ910によって加熱された加熱底板911に水が滴下すると蒸気が発生する。この蒸気を所定領域内で充満させるための蒸気室912が加熱底板911上に設けられている。また、加熱底板911には、蒸気室912内の蒸気を衣類に向けて噴出させるための蒸気孔913が形成されている。
【0004】
衣類処理装置900は、処理剤を含有した原液が収容された原液収容部940と、原液収容部940に接続されて原液収容部940から流出した原液の流路を形成している原液管941と、原液管941が接続された混合室942と、を更に備えている。原液管941には、原液用のポンプ943が設けられており、このポンプ943によって、原液が原液収容部940から吸い出されて原液管941を流れ、混合室942に吐出される。また、混合室942には、原液管941だけでなく水収容部930から延設された水管944も接続されている。水収容部930中の水は、水管944を通じて混合室942に流入可能である。混合室942は、水管944を通じて流入した水と原液管941を通じて流入した原液とを混合するために設けられている。水と原液とが混合される結果、水によって原液が希釈された処理液が混合室942内で生成される。
【0005】
筐体920の前側上部には、処理液を衣類に噴射するための処理液供給部945が設けられており、処理液供給部945は、処理液管946によって混合室942に接続されている。処理液管946には、処理液用のポンプ947が設けられている。このポンプ947によって、処理液が混合室942から処理液供給部945へ供給され、処理液供給部945から処理液が霧状になって衣類に供給される。この結果、処理液中の処理剤によって衣類の摩擦係数が低減され、衣類処理装置900は、小さな力で衣類上をスライドすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の衣類処理装置900では、ポンプ943,947が一定の回転数で継続的に作動していれば、処理液中の処理剤の濃度が略一定の値を保ち得るが、ポンプ943,947が作動と停止を繰り返せば、この濃度が変動することもあり得る。
【0008】
本発明は、ポンプの停止前後において生成される処理液中の処理剤の濃度の変化を抑制することができる衣類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一局面に係る衣類処理装置は、衣類に所定の特性を与える処理剤を衣類に供給するように構成されている。衣類処理装置は、水を収容可能に構成された水収容部と、処理剤を含有した原液を収容可能に構成された原液収容部と、水収容部から供給された水及び原液収容部から供給された原液を内部で混合して処理液を生成する処理液生成部と、水収容部中の水及び原液収容部中の原液を吸い出して処理液生成部に供給するとともに、処理液生成部で生成された処理液を吐出するポンプと、ポンプから吐出された処理液を衣類へ供給する処理液供給部と、処理液生成部中の処理液が水収容部に逆流することを抑制する逆流抑制部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
上述の衣類処理装置は、ポンプの停止前後において生成される処理液中の処理剤の濃度の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、衣類処理装置の実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は、省略する場合がある。たとえば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
図1は、衣類処理装置100の概略図である。
図1に示す衣類処理装置100は、衣類の皺を伸ばすアイロンとして機能するように構成されている。
【0014】
(衣類処理装置の全体的な構成)
衣類処理装置100は、アイロンの底部を構成している加熱板110と、加熱板110の上側に設けられた筐体120と、を有している。
【0015】
加熱板110には、ヒータ111が取り付けられており、ヒータ111への電力供給により、加熱板110が加熱される。また、加熱板110の前側部分には、衣類へ蒸気を吹き付けるための蒸気口112が形成されている。
【0016】
筐体120は、使用者によって握持可能に構成された握持部121と、握持部121の下側及び前側において加熱板110の熱を利用して蒸気を生成するための様々な蒸気生成部品を収容した本体部123と、を有している。
【0017】
これらの蒸気生成部品は、水が収容されているとともに加熱板110に水を滴下可能に構成された水収容部130と、蒸気が充満する蒸気室140と、水収容部130から加熱板110へ水を滴下させるときに利用される弁機構150と、を含んでいる。
【0018】
水収容部130は、容器形状の部品からなり、加熱板110から上側に離間した位置において本体部123内で固定されている。水収容部130の底部には、加熱板110に向けて開口した滴下口131が形成されている。水収容部130内の水は、滴下口131を通じて、加熱板110上に滴下される。
【0019】
蒸気室140は、水収容部130と加熱板110との間の空間に設けられており、蒸気室140の内部空間は、滴下口131を通じて水収容部130の内部空間に連通可能である。蒸気室140は、滴下口131から加熱板110に水が滴下することにより生成された蒸気が充満するように構成されている。
【0020】
弁機構150は、滴下口131を閉じる閉位置と滴下口131を開く開位置との間で変位可能に蒸気室140内に設けられた開閉弁151を有している。開閉弁151の上側には、開閉弁151を上下に変位させるための弁操作部152、連結部153及び付勢部材154が配置されている。
【0021】
弁操作部152及び付勢部材154を配置するために、開閉弁151の上側において、筐体120の上面には、凹部122が設けられている。弁操作部152は、弁操作部152の上部が凹部122から突出している一方で、弁操作部152の下部が凹部122内に収容された状態で配置されている。付勢部材154は、凹部122内に配置されており、弁操作部152を上向きに付勢している。このため、弁操作部152は、使用者の指で下向きに押されて凹部122内に没入するように構成されており、使用者が指を離すと付勢部材154によって上向きに移動し、元の位置に戻る。
【0022】
連結部153は、上下方向に延びる棒状の部材であり、弁操作部152の上述の上下動を開閉弁151に伝達するために設けられている。詳細には、連結部153の上端は、弁操作部152に連結されており、連結部153の下端は、開閉弁151に連結されている。このため、弁操作部152が下方に押されると、開閉弁151は滴下口131から下方に離間し、弁操作部152が付勢部材154によって上向きに変位すると、開閉弁151も上向きに変位し、滴下口131を閉じる。
【0023】
(処理剤を衣類に供給するための構成)
衣類処理装置100は、衣類に所定の特性を与える処理剤を衣類に供給するための処理剤供給機構160を更に有している。本実施形態では、処理剤は、衣類が着用されたときにおいて皮脂などの汚れが衣類に付着することを抑制する防汚効果を発揮する剤である。このような防汚効果は、たとえば、処理剤にフッ素樹脂が含まれることによって得られる。
【0024】
処理剤供給機構160は、処理剤を含有した原液が収容される原液収容部161を水収容部130の上側に有しており、水収容部130内の水を利用して原液を希釈するように構成されている。詳細には、処理剤供給機構160は、原液が水で希釈された処理液が内部で生成される処理液生成部162と、処理液生成部162に原液収容部161内の原液及び水収容部130内の水を吸い込むための吸込圧を生じさせるポンプ163と、を有している。
【0025】
処理液生成部162は、ポンプ163の吸込圧により、水収容部130から供給された水と原液収容部161から供給された原液とを内部で混合するように構成されている。詳細には、処理液生成部162は、3つの管部分を有しており、これらの管部分のうち1つは、原液収容部161に接続された原液管部164である。原液管部164は、原液収容部161から流出した原液が流れる原液流路を形成している。他のもう1つの管部分は、水収容部130に接続された水管部165であり、水管部165は、水収容部130から流出した水が流れる水流路を形成している。水管部165の下流端は、水流路を流れる水が原液流路を流れる原液と混ざるように原液管部164の下流端と接続しており、これらの接続部166において、原液を水で希釈する希釈処理が開始する。残りの1つの管部分は、ポンプ163から延設されて接続部166に接続された処理液管167であり、処理液管167は、上述の希釈処理によって得られた処理液がポンプ163に流入する処理液流路を形成している。
【0026】
ポンプ163は、手動式に動作するように構成されており、使用者の操作に応じて、水収容部130内の水及び原液収容部161内の原液を、処理液生成部162を通じて吸い出す。詳細には、ポンプ163は、ポンプ本体171と、上向きに付勢された状態でポンプ本体171に取り付けられたポンプ操作部172と、を有しており、ポンプ操作部172は、本体部123の上面から突出している。ポンプ操作部172は、弁操作部152と同様の操作がなされる部分であり、使用者は、ポンプ操作部172を指で下方に押し下げることができ、使用者がポンプ操作部172から指を離せば、ポンプ操作部172は、上向きに変位する。
【0027】
ポンプ本体171には、処理液が吸い込まれる吸込口173と処理液が吐出される吐出口174とが設けられており、吸込口173には、処理液管167の下流端(上端)が接続されている。ポンプ本体171は、ポンプ操作部172の上下動により吸込口173において吸込圧を生じさせるとともに吐出口174において吐出圧を生じさせるように構成されている。たとえば、ポンプ本体171には、ポンプ操作部172の上下動に追従して上下動するピストンと、ポンプ本体171に流入した処理液が処理液生成部162に戻ることを防止する逆止弁と、が内蔵されていてもよい。この場合、ピストンの上下動に応じて、上述の吸込圧及び吐出圧が生ずる。
【0028】
吐出口174には、ポンプ163から吐出された処理液が流れる吐出管175が接続されており、吐出管175の先端には、処理液を衣類に供給するための処理液供給部176が取り付けられている。処理液供給部176は、処理液を噴霧するように構成されており、衣類に霧状の処理液を吹きかけることができる角度で本体部123の前端に取り付けられている。
【0029】
ポンプ163の吸込圧によって過度に多くの原液が吸い込まれることを防止するために、原液管部164には、原液流路を狭める絞り部177が設けられている。本実施形態では、絞り部177は、弁体によって構成されており、この弁体の絞り度は、ポンプ163が動いているときに処理液生成部162中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値(所定の比率)になるように設定されている。なお、所定の目標数値は、処理液の機能に応じて許容される範囲を有して設定されてもよい。
【0030】
また、原液管部164には、ポンプ163が動いていない状態で原液管部164中の処理剤が接続部166側に拡散することを抑制するための拡散抑制部178も設けられている。詳細には、拡散抑制部178は、原液の流れ方向において絞り部177の下流側且つ接続部166の上流側において原液管部164に取り付けられている。拡散抑制部178は、ポンプ163の吸込圧によって
図1の矢印Aの方向に回動して原液流路を開く開姿勢になる一方で、吸込圧がなくなると矢印Aとは逆向きに回動して原液流路を閉じる閉姿勢に戻る弁によって構成されている。拡散抑制部178は、閉姿勢になった状態で、拡散抑制部178の上流側(原液収容部161側)にある原液中の処理剤が接続部166側に拡散することを抑制する。
【0031】
拡散抑制部178を構成している弁と同様の構成を有している弁によって構成された逆流抑制部179が水管部165に設けられている。逆流抑制部179は、ポンプ163の吸込圧によって
図1の矢印Bの方向に回動して水流路を開く開姿勢になる一方で、吸込圧がなくなると矢印Bとは逆向きに回動して水流路を閉じる閉姿勢に戻る。逆流抑制部179は、ポンプ163が動いていない状態になったときに、処理液管167及び接続部166中の処理液が水収容部130に逆流することを防止するために設けられている。
【0032】
逆流抑制部179は、水管部165中の水の流れ方向において、接続部166から所定の距離だけ上流側に離れた位置に設けられている。また、拡散抑制部178は、原液管部164中の原液の流れ方向において、接続部166から所定の距離だけ上流側に離れた位置に設けられている。接続部166からの逆流抑制部179及び拡散抑制部178の距離は、好ましくは、以下のように設定され得る。
【0033】
ポンプ163が動いている間、原液は、処理液生成部162中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値(所定の比率)になるように水と混ざる。この目標数値に基づいて、拡散抑制部178及び逆流抑制部179の設置位置が定められる。詳細には、逆流抑制部179から接続部166までの流路区間の水流路の体積に対する拡散抑制部178から接続部166までの流路区間の原液流路の体積の比率の数値が上述の目標数値に等しくなる位置に、逆流抑制部179及び拡散抑制部178が設けられている。なお、目標数値に相応の範囲が設定されてもよいことは、上述した通りである。
【0034】
(衣類処理装置100の動作)
使用者は、ヒータ111に電力を供給し、加熱板110を加熱した後に、加熱板110を衣類上でスライドさせる。この結果、衣類の皺が伸びる。衣類の皺が伸びにくければ、使用者は、弁操作部152を押し下げる。弁操作部152の下方の変位に伴って、開閉弁151は、滴下口131から下方に離れ、滴下口131が開かれる。このとき、水収容部130内の水は、滴下口131から加熱板110上に滴下し、加熱板110の熱によって蒸発する。この結果、蒸気室140内に蒸気が充満し、その膨張圧力で蒸気口112から噴射される。この状態で、使用者が、衣類処理装置100を持ち上げ、蒸気口112が衣類に向いた状態で加熱板110を衣類から離せば、蒸気室140内の蒸気は、衣類に向けて噴射され得る。これにより、蒸気の噴射部分において衣類が湿気を帯びて皺が伸びやすくなる。
【0035】
上述のアイロンがけの作業において、使用者は、処理剤供給機構160を用いて防汚処理を行うことができる。たとえば、使用者は、衣類の襟といった汚れやすい部分に対して防汚処理を行ってもよい。この場合、使用者は、処理液供給部176が衣類の襟に向く位置に衣類処理装置100を移動させ、ポンプ操作部172を操作してもよい。
【0036】
使用者がポンプ操作部172を操作すると、ポンプ163の吸込圧によって、拡散抑制部178は、矢印Aの方向に回動し、逆流抑制部179は、矢印Bの方向に回動する。すなわち、拡散抑制部178及び逆流抑制部179はともに開姿勢になり、原液流路及び水流路が開かれる。この結果、原液収容部161内の原液は、原液管部164を通じて接続部166に向けて流れ、水収容部130内の水は、水管部165を通じて接続部166に向けて流れる。このため、接続部166において、原液及び水が混合され、処理液が生成される。この処理液は、処理液管167を流れてポンプ163の吸込口173に吸い込まれる。なお、処理液が処理液管167を流れている間、原液と水との混合が促進され、これらは、所定の比率で略均一に混ざった状態になり得る。
【0037】
ポンプ163は、吸い込んだ処理液を吐出口174から吐出する。処理液は、吐出管175を通じて処理液供給部176に向けて流れ、処理液供給部176は、衣類に向けて処理液を噴霧する。その後、使用者が処理液の噴霧部分に加熱板110を押し当てれば、加熱板110の熱により処理液の水が蒸発し、処理液中の処理剤が衣類に付着した状態になる。処理剤の付着部分は、処理剤によって皮脂などの汚れが付着しにくくなる。
【0038】
上述の防汚処理が終わると、使用者は、ポンプ操作部172に対する操作を止める。この結果、ポンプ163は停止し、ポンプ163の吸込圧がなくなる。吸込圧がなくなると、拡散抑制部178及び逆流抑制部179はともに、開姿勢から閉姿勢に戻り、原液流路及び水流路が閉じられる。
【0039】
この状態では、処理液管167及び接続部166には、処理剤を含んだ処理液が存在しているが、この処理液は、逆流抑制部179によって逆流抑制部179の下流側(上側)に留められる。すなわち、水収容部130に向かう処理液の逆流は、逆流抑制部179によって抑制される。この結果、ポンプ163が動いていない状態になっても、処理液は、水収容部130に流入しない。このため、水収容部130内の水に処理液中の処理剤が混入することが抑制される。ポンプ163が再作動したときには、水収容部130内の水は、処理液生成部162に流入するが、この水には処理剤が混入していないので、ポンプ163の再始動時において処理剤の混入に起因する濃度の増加は生じない。
【0040】
ポンプ163が停止した直後において、拡散抑制部178から接続部166までの流路区間は、原液によって満たされている。原液中の処理剤の濃度は、接続部166内の処理液中の処理剤の濃度よりも高くなっているので、これらの濃度差によって、拡散抑制部178から接続部166までの流路区間にある処理剤は、接続部166へ拡散される。一方、原液流路は、拡散抑制部178によって閉じられているので、拡散抑制部178に対して原液収容部161側にある原液中の処理剤が拡散抑制部178を越えて接続部166側に拡散することは抑制されている。このため、拡散抑制部178に対して接続部166側における処理剤の濃度は、過度に高くなることはない。
【0041】
拡散抑制部178に対して接続部166側にある原液及び逆流抑制部179に対して接続部166側にある水は、処理剤の濃度差によって、時間経過とともに混合し得る。かりに、拡散抑制部178及び逆流抑制部179に対して接続部166側にある原液及び水が完全に混ざり合った場合における水に対する原液の比率の数値は、逆流抑制部179及び拡散抑制部178に対して接続部166側の流路の体積比率の数値に等しくなる。この体積比率の数値は、使用者がポンプ163を動かしている間において生成される処理液における水に対する原液の比率の数値(所定の比率)に等しくなっている。このため、使用者がポンプ163を再度動かしたときにポンプ163に流入する処理液中の処理剤の濃度は、ポンプ163が停止する前に生成されていた処理液中の処理剤の濃度に略等しくなり得る。すなわち、ポンプ163の停止の前後における処理剤の濃度の変動が抑制される。
【0042】
拡散抑制部178及び逆流抑制部179はともに、接続部166から離れた位置に設けられている。すなわち、拡散抑制部178及び逆流抑制部179は、互いに近接することなく配置されている。この場合、使用者は、逆流抑制部179に妨げられることなく、拡散抑制部178を点検したり修繕したりすることができ、拡散抑制部178に妨げられることなく、逆流抑制部179を点検したり修繕したりすることもできる。
【0043】
処理液における水に対する原液の比率は、絞り部177の絞り度によって設定されるので、原液管部164を過度に細くしなくてもよい。このため、原液管部164の詰まりの虞が低減される。本実施形態では、絞り部177は、弁体によって構成されているが、
図2に示すように、原液流路を狭めるように原液管部164の内周面から突出した突出部により構成されていてもよい。
【0044】
なお、絞り部177を設けることなく、処理液中の水に対する原液の比率が目標数値に近づけられてもよい。たとえば、処理液における水に対する原液の比率は、水管部165及び原液管部164が水及び原液の流れに与える抵抗によって設定されてもよい。この抵抗は、原液流路及び水流路の断面積及び長さに関係するので、原液流路及び水流路の断面積及び長さは、処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように設定されてもよい。この比率が小さければ、原液管部164として、たとえば、毛細管が用いられてもよい。
【0045】
処理剤供給機構160を簡素化するために、
図3に示すように、拡散抑制部178は、省略されてもよい。
図3に示す処理剤供給機構160では、
図1の拡散抑制部178の取付位置に絞り部177が配置されている。この処理剤供給機構160は、処理液における水に対する原液の比率が低い場合に好適に利用可能である。すなわち、水に対する原液の比率が低ければ、絞り部177は、原液流路の断面積を大きく低減するように構成され得る。この場合、ポンプ163の停止時において絞り部177に対して原液収容部161側にある原液中の処理剤が接続部166側に拡散することは、絞り部177によってある程度抑制され得る。このため、拡散抑制部178が省略されても、接続部166への処理剤の拡散を抑制し、ポンプ163の再作動時において過度に高い濃度の処理剤を有する処理液がポンプ163に吸い込まれることが防止され得る。
【0046】
なお、
図4に示すように、原液流路の断面積を低減することにより(たとえば、原液管部164として毛細管を使用することにより)、絞り部177が更に省略されてもよい。原液流路が小さくなればなるほど、ポンプ163の停止時における原液流路内の原液から接続部166内の処理液への処理剤の拡散量が小さくなり得る。このため、ポンプ163の再作動時において過度に高い濃度の処理剤を有する処理液がポンプ163に吸い込まれることが防止され得る。
【0047】
図1に示す衣類処理装置100では、逆流抑制部179及び拡散抑制部178は、処理液における水に対する原液の比率がポンプ163の再作動時に目標数値になるように接続部166から離れた位置に設けられている。代替的に、逆流抑制部179及び拡散抑制部178は、
図5に示すように、水管部165及び原液管部164の下流端に設けられてもよい。この場合、接続部166及び処理液管167の処理液の濃度状態は、ポンプ163の停止の間においても原液の拡散の影響を受けず、ポンプ163の停止前の状態を維持することができる。
【0048】
図1乃至
図5に示す衣類処理装置100では、手動式のポンプ163が用いられている。代替的に、ポンプ163は、電動式であってもよい。この場合、衣類処理装置100は、
図6に示すように、ポンプ163を制御するように構成された制御回路181と、ポンプ163の作動及び停止を制御回路181に指示するために使用者によって操作されるオンオフ操作部182と、を有してもよい。制御回路181は、水管部165に取り付けられた電磁弁183を制御する第1弁制御部184と、原液管部164に取り付けられた電磁弁185を制御する第2弁制御部186と、を有している。制御回路181は、これらの電磁弁183,185に電気的に接続されている。この場合、逆流抑制部179は、第1弁制御部184及び電磁弁183によって構成され、拡散抑制部178は、第2弁制御部186及び電磁弁185によって構成される。
【0049】
使用者がオンオフ操作部182を操作し、ポンプ163の作動を指示すると、制御回路181は、ポンプ163を起動する。制御回路181の第1弁制御部184及び第2弁制御部186は、ポンプ163の起動に同期して、電磁弁183,185を制御し、水流路及び原液流路を開く。この結果、水及び原液がポンプ163によって吸い出され、処理液生成部162内で処理液が生成される。この処理液は、ポンプ163から吐出され、処理液供給部176を通じて衣類に供給される。
【0050】
図1乃至
図6に示す衣類処理装置100において、水及び原液は、処理液生成部162内で混合され処理液になるが、これらの混合が不十分な状態で処理液がポンプ163に流入することが想定される。このため、
図7に示すように、水と原液との混合を促すように乱流を生じさせる乱流生成部190が、処理液管167に設けられてもよい。
【0051】
図7に示す乱流生成部190は、過度に流路抵抗を発生しない程度に目の粗いメッシュ部材によって構成されている。代替的に、乱流生成部190として、処理液管167において乱流の発生を促すように構成された他の部品が処理液管167に取り付けられてもよい。あるいは、乱流生成部190は、処理液管167の内周壁から隆起した螺旋状の突条であってもよい。なお、乱流生成部190は、
図8に示すように、吐出管175に設けられてもよい。
【0052】
図1乃至
図8に示す衣類処理装置100は、アイロンとして構成されている。代替的に、衣類処理装置100は、衣類に蒸気を吹きかける機能のみを有している蒸気噴出器として構成されてもよい。たとえば、既知の蒸気噴出器に処理剤供給機構160が組み込まれれば、蒸気とともに処理剤を衣類に供給することができる。
【0053】
図1乃至
図8に示す衣類処理装置100では、処理剤として防汚効果を発揮するフッ素樹脂が用いられている。代替的に、処理剤は、衣類に対して脱臭効果又は除菌効果を発揮する剤であってもよいし、アイロンがけの作業時において衣類とアイロンとの間の摩擦係数を下げる剤などの衣類を保護する剤であってもよく、機能は特に限定されない。
【0054】
(効果等)
上述の実施形態に係る衣類処理装置100は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
【0055】
上述の実施形態に係る一の局面に係る衣類処理装置は、衣類に所定の特性を与える処理剤を衣類に供給するように構成されている。衣類処理装置は、水を収容可能に構成された水収容部と、処理剤を含有した原液を収容可能に構成された原液収容部と、水収容部から供給された水及び原液収容部から供給された原液を内部で混合して処理液を生成する処理液生成部と、水収容部中の水及び原液収容部中の原液を吸い出して処理液生成部に供給するとともに、処理液生成部で生成された処理液を吐出するポンプと、ポンプから吐出された処理液を衣類へ供給する処理液供給部と、処理液生成部中の処理液が水収容部に逆流することを抑制する逆流抑制部と、を備えている。
【0056】
上述の構成によれば、ポンプが水収容部及び原液収容部から水及び原液を吸い出すと、水及び原液は、処理液生成部内で混合され処理液が生成される。この処理液は、ポンプによって処理液供給部に吐出され、処理液供給部から衣類に供給される。この結果、処理液中の処理剤によって、衣類に所定の特性が与えられる。
【0057】
ポンプの停止時には、ポンプの吸込圧がなくなるので、処理液生成部で生成された処理液が水収容部に逆流することが考えられる。仮に、このような逆流が生じた場合には、水収容部内に処理剤が流入し、その後、ポンプが水収容部内の水を吸い出した場合には、処理剤が混入した水が水収容部から処理液生成部に供給される。このとき、処理液生成部には、原液も原液収容部から供給される。このため、処理液生成部では、処理剤が混入した水と原液とが混合されるので、水への処理剤の混入量の分だけ高い濃度の処理液が生成され得る。すなわち、ポンプの停止前後によって処理液中の処理剤の濃度が変動し得る。一方、水収容部への処理液の逆流が逆流抑制部によって抑制されれば、このような処理剤の濃度変動が抑制される。
【0058】
上述の構成において、処理液生成部は、水収容部に接続されて水収容部から流出した水が流れる水流路を形成している水管部と、原液収容部に接続されて原液収容部から流出した原液が流れる原液流路を形成しているとともに水管部に接続されている原液管部と、水と原液とが混合された処理液がポンプに流入するようにポンプに接続された処理液管と、を有していてもよい。逆流抑制部は、ポンプが動いているときに水流路を開き、ポンプが動いていないときに水流路を閉じるように構成されていてもよい。
【0059】
上述の構成によれば、ポンプの作動時には、水収容部から流出した水は、水管部の水流路を流れ、原液収容部から流出した原液は、原液管部の原液流路を流れる。原液管部は、水管部に接続されているので、原液及び水が混ざり合い処理液が生成される。この処理液は、処理液管を通じてポンプに流入する。この場合、水の流れ方向において逆流抑制部の下流側には処理液が存在しているが、この処理液は、ポンプが停止すると逆流抑制部が水流路を閉じた状態になっているので、ポンプの停止時において逆流抑制部の上流側に戻らない。このため、逆流抑制部の上流側の水収容部中の水に処理剤が混入することが抑制される。
【0060】
上述のいずれかの構成において、逆流抑制部は、ポンプの吸込圧によって水流路を開き、ポンプの吸込圧がなくなると水流路を閉じるように構成されていてもよい。
【0061】
上述の構成によれば、逆流抑制部は、ポンプの吸込圧の有無によって、水流路を開いたり閉じたりするので、逆流抑制部を開閉させるための部品を別途設ける必要はない。このため、衣類処理装置の構造は、簡素化される。
【0062】
上述のいずれかの構成において、衣類処理装置は、ポンプが動いているときに処理液生成部中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように原液流路を狭める絞り部を更に備えていてもよい。
【0063】
上述の構成によれば、処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように、原液流路は、絞り部によって狭められているので、原液管部を過度に細くしたり、過度に長くしたりしなくとも、水及び原液を所望の比率で混合することができる。
【0064】
上述のいずれかの構成において、水流路及び原液流路の断面積及び長さは、ポンプが動いているときに処理液生成部中で生成される処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように設定されていてもよい。
【0065】
上述の構成によれば、水流路及び原液流路の断面積及び長さは、処理液中の水に対する原液の比率が所定の目標数値になるように設定されているので、絞り弁といった他の部材を用いることなく、水及び原液を所望の比率で混合することができる。
【0066】
上述のいずれかの構成において、衣類処理装置は、原液管部に設けられた拡散抑制部を更に備えていてもよい。拡散抑制部は、ポンプが動いているときに原液流路を開く一方で、ポンプが動いていないときに原液流路を閉じる。
【0067】
上述の構成によれば、ポンプが動いていないときには、原液管部は、拡散抑制部によって閉じられる。この状態では、拡散抑制部と原液収容部との間にある原液中の処理剤が原液管部と水管部との接続部側に拡散することが抑制される。この結果、拡散抑制部について原液管部と水管部との接続部側にある処理剤の濃度の経時的な変化が抑制される。
【0068】
上述のいずれかの構成において、拡散抑制部は、ポンプの吸込圧によって原液流路を開き、ポンプの吸込圧がなくなると原液流路を閉じるように構成されていてもよい。
【0069】
上述の構成によれば、ポンプの吸込圧の有無によって、拡散抑制部が原液流路を開いたり閉じたりするので、拡散抑制部を開閉させるための部品を別途設ける必要はない。このため、衣類処理装置の構造は、簡素化される。
【0070】
上述のいずれかの構成において、逆流抑制部は、原液管部と水管部との接続部から離れた位置において水管部に設けられていてもよい。拡散抑制部は、接続部から離れた位置において原液管部に設けられていてもよい。
【0071】
上述の構成によれば、逆流抑制部及び拡散抑制部は、原液管部と水管部との接続部から離れた位置に設けられているので、当該接続部の周囲において逆流抑制部及び拡散抑制部を密集させなくてもよい。この場合、逆流抑制部及び拡散抑制部は、互いに妨げられることなく、点検又は修繕され得る。
【0072】
上述のいずれかの構成において、衣類処理装置は、原液管部に設けられた拡散抑制部を更に備えていてもよい。拡散抑制部は、ポンプが動いているときに原液流路を開く一方で、ポンプが動いていないときに原液流路を閉じるように構成されていてもよい。逆流抑制部から原液管部と水管部との接続部までの区間における水流路の体積に対する拡散抑制部から接続部までの区間における原液流路の体積の比率の数値は、目標数値に等しくなっていてもよい。
【0073】
上述の構成によれば、ポンプが停止する前においては、水に対する原液の比率の数値が目標数値になるように処理液が処理液生成部内で生成されている。ポンプが停止すると、逆流抑制部から原液管部と水管部との接続部までの区間における水流路は、水で満たされている。また、拡散抑制部から接続部までの区間における原液流路は、原液で満たされている。その後、ポンプが再度動かされると、逆流抑制部から接続部までの区間にある水と拡散抑制部から接続部までの区間における原液とが混ざり合う。このように混ざり合った水及び原液の比率の数値は、これらの区間の体積比率の数値に略等しくなる。この体積比率の数値は、処理液中の水に対する原液の比率の目標数値に等しくなっているので、ポンプが動き始めたときに処理液生成部において生成される処理液中の水に対する原液の比率の数値も目標数値になり得る。
【0074】
上述のいずれかの構成において、衣類処理装置は、処理液の流れを乱流にするように構成された乱流生成部を更に備えていてもよい。
【0075】
上述の構成によれば、乱流生成部によって処理液の流れが乱流になるので、原液と水との混合が促進される。
【0076】
上述のいずれかの構成において、処理剤は、フッ素樹脂を含んでいてもよい。
【0077】
上述の構成によれば、衣類処理装置を用いて、フッ素樹脂を衣類に供給することができる。フッ素樹脂が衣類に付着すれば、衣類への皮脂汚れの付着がフッ素樹脂によって抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本実施形態の技術は、衣類に対して所定の処理を行うことが必要とされる技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
100・・・・・衣類処理装置
130・・・・・水収容部
161・・・・・原液収容部
162・・・・・処理液生成部
163・・・・・ポンプ
164・・・・・原液管部
165・・・・・水管部
166・・・・・接続部
167・・・・・処理液管
176・・・・・処理液供給部
177・・・・・絞り弁
178・・・・・拡散抑制部
179・・・・・逆流抑制部
190・・・・・乱流生成部
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】