(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098341
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20250625BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20250625BHJP
【FI】
H02M1/08 C
H02M1/08 A
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214406
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】関 洋伸
(72)【発明者】
【氏名】菅原 有理
【テーマコード(参考)】
5H740
5H770
【Fターム(参考)】
5H740BB08
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH05
5H740JA01
5H740JB01
5H770AA05
5H770BA01
5H770CA06
5H770GA01
5H770GA07
5H770KA01Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トランス内蔵ICが発生する伝導ノイズや放射ノイズを含めたノイズを抑制する電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置を提供する。
【解決手段】モータ400を駆動するインバータ装置100において、電力供給装置300は、トランス内蔵IC301と、トランス内蔵IC301に接続された電源入力ライン311と、電源入力ライン311上に配備されたデカップリングコンデンサ302と、電源入力ライン311上の、デカップリングコンデンサ302より上流側に配備されたフィルタ回路304と、フィルタ回路304とデカップリングコンデンサ302との間で電源入力ライン311に配備されたYコンデンサ303と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス内蔵ICと、
前記トランス内蔵ICに接続された電源入力ラインと、
前記電源入力ライン上に配備されたデカップリングコンデンサと、
前記電源入力ライン上の、前記デカップリングコンデンサより上流側に配備されたフィルタ回路と、
前記フィルタ回路と前記デカップリングコンデンサとの間で前記電源入力ラインに配備されたYコンデンサと、
を備える電力供給装置。
【請求項2】
前記トランス内蔵ICと、前記Yコンデンサと、前記デカップリングコンデンサとは同一基板上に配備される請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記Yコンデンサは、グランド接続された金属部材に対し、前記Yコンデンサが配備された基板上に形成された幅が1mm以上の導体パターンを経て接続される請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記Yコンデンサは、グランド接続された金属部材に対し、前記Yコンデンサが配備された基板上に形成された導体パターンと、前記導体パターンから前記金属部材までを繋いだ金属端子とを経て接続される請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記金属端子は、断面積が2mm2以上である請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記金属端子は、円柱状あるいは板状の形状を有する請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記金属端子は、半径1mm以上の円柱状あるいは幅が2mm以上の板状の形状を有する請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記金属部材は、前記Yコンデンサが配備された基板と他の基板とを電磁的に遮蔽する金属製の遮蔽板、前記Yコンデンサが配備された基板が収容された金属製の筐体、あるいは前記Yコンデンサが配備された基板外に配備された半導体素子を冷却するための金属製の冷却器、若しくは表面に銅メッキや導電性を有する塗料を塗布した樹脂製の遮蔽板、筐体、あるいは冷却器である請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記金属部材は、前記遮蔽板、前記筐体および前記冷却器のうち、前記Yコンデンサとの接続距離が短いものである請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記金属部材は、グランド接続された他の部材に較べて前記Yコンデンサとの接続距離が短い請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項11】
前記Yコンデンサから前記金属部材に至る接続ラインは、前記電源ラインの0Vパターンから電気的に分離されている請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の電力供給装置と、
前記電力供給装置から電力が供給され、インバータ回路を構成するパワー半導体を搭載したパワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、
を備えるゲート駆動装置。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の電力供給装置と、
コンデンサとパワーモジュールからなるインバータ回路と、
前記電力供給装置から電力が供給され、前記パワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、
を備えるインバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばインバータにゲート信号を供給するゲートドライブ回路などに電力を供給する電力供給装置として絶縁型の電源回路が存在する。また、近年、電力供給装置の小型化のため、電力供給装置に絶縁トランス内蔵のICが用いられ始めた。
例えば特許文献1は、電力供給装置に適用可能なトランス内蔵ICを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、トランス内蔵ICが有するトランスの小型化を行うために、トランス内蔵ICでは数MHz~十数MHzといった高周波のスイッチングが行われ、伝導ノイズや放射ノイズを含めたノイズの抑制が望まれる。
そこで、本発明は、ノイズの抑制を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る電力供給装置の一態様は、トランス内蔵ICと、上記トランス内蔵ICに接続された電源入力ラインと、上記電源入力ライン上に配備されたデカップリングコンデンサと、上記電源入力ライン上の、上記デカップリングコンデンサより上流側に配備されたフィルタ回路と、上記フィルタ回路と上記デカップリングコンデンサとの間で上記電源入力ラインに配備されたYコンデンサと、を備える。
【0006】
また、本開示に係るゲート駆動装置の一態様は、上記電力供給装置と、上記電力供給装置から電力が供給され、インバータ回路を構成するパワー半導体を搭載したパワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、を備える。
また、本開示に係るインバータ装置の一態様は、上記電力供給装置と、コンデンサとパワーモジュールからなるインバータ回路と、上記電力供給装置から電力が供給され、上記パワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ノイズが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態によるインバータ装置の構成を模式的に示すブロック構成図である。
【
図2】
図2は、金属部材と金属端子の第1の具体例を示す図である。
【
図3】
図3は、金属部材と金属端子の第2の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、金属部材と金属端子の第3の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置の実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、先に説明した図に記載の要素については、後の図の説明において適宜に参照する場合がある。
【0010】
(インバータ装置100の構造)
図1は、本実施形態によるインバータ装置100の構成を模式的に示すブロック構成図である。
インバータ装置100は、例えば400Vや800Vなどの高圧電源600に接続され、高圧電源600からの直流電力を交流電力に変換してモータ400に供給し、モータ400を駆動する装置である。
【0011】
インバータ装置100は、コンデンサ101と、パワーモジュール102と、ゲート駆動装置200とを備えている。
コンデンサ101とパワーモジュール102とでインバータ回路が構成されている。コンデンサ101はインバータ回路における平滑コンデンサである。パワーモジュール102は、インバータ回路を構成してスイッチングを担うパワー半導体がモジュール化されたものである。
【0012】
ゲート駆動装置200は、ゲート駆動回路201と、電力供給装置300とを備えている。ゲート駆動回路201は、パワーモジュール102に搭載されたパワー半導体のゲートをオンオフ駆動する。電力供給装置300はゲート駆動回路201に電力を供給する。
電力供給装置300は、トランス内蔵IC(Integrated Circuit)301と、デカップリングコンデンサ302と、Yコンデンサ303と、フィルタ回路304を備えている。電力供給装置300は、例えば9Vから16Vの低電圧電源500に接続される。そして、電力供給装置300は、トランス内蔵IC301に接続され、低電圧電源500からトランス内蔵IC301に電力を入力する電源入力ライン311を備えている。電源入力ライン311には0Vパターン311aと電源パターン311bが含まれている。
【0013】
なお、トランス内蔵IC301と、デカップリングコンデンサ302と、Yコンデンサ303は、パワーモジュール102の出力相数に応じて複数セットが設けられるが、
図1では代表として1セット分が示されている。
トランス内蔵IC301と、デカップリングコンデンサ302と、Yコンデンサ303と、フィルタ回路304は、電源入力ライン311上にこの順で配備されている。即ち、デカップリングコンデンサ302は電源入力ライン311上に配備されている。フィルタ回路304は、電源入力ライン311上の、デカップリングコンデンサ302より上流側に配備されている。そして、Yコンデンサ303は、フィルタ回路304とデカップリングコンデンサ302との間で電源入力ライン311に配備されている。
【0014】
また、電力供給装置300は、トランス内蔵IC301と、デカップリングコンデンサ302と、Yコンデンサ303とを搭載した基板310を備えている。
トランス内蔵IC301は、電源入力ライン311から得られる電力をゲート駆動回路201に供給する。トランス内蔵IC301は、入力側と出力側を内蔵のトランスで絶縁した絶縁型の電源回路を含んでいる。内蔵トランスの小型化のため、トランス内蔵IC301では、数MHz~十数MHz(Mega Hertz)といった高周波でスイッチングが行われ、例えば放射ノイズや伝導ノイズの抑制が求められる。
【0015】
デカップリングコンデンサ302とYコンデンサ303とフィルタ回路304は、ノイズ抑制のために設けられている。
デカップリングコンデンサ302は、電源入力ライン311の0Vパターン311aと電源パターン311bとの間に設けられたコンデンサであり、電源入力ライン311の電圧を直流に保つ。
【0016】
フィルタ回路304は、電源入力ライン311に混入したノイズを除去する。
Yコンデンサ303は、デカップリングコンデンサ302とフィルタ回路304との間に設けられる。Yコンデンサ303は、図示が省略された、0Vパターン311a側のコンデンサおよび電源パターン311b側のコンデンサを有する。そして、Yコンデンサ303は、0Vパターン311aと電源パターン311bのそれぞれを、各コンデンサを介して、グランド接続された金属部材350へと繋げる。Yコンデンサ303は、グランド接続された金属部材350に対し、基板310上に形成された導体パターン312と、導体パターン312から金属部材350までを繋いだ金属端子313とを介して接続されている。従って、金属端子313以外の部材を経る場合に較べて、低いインピーダンスでYコンデンサ303がグランドに接続される。
【0017】
トランス内蔵IC301とデカップリングコンデンサ302とYコンデンサ303とフィルタ回路304が電源入力ライン311上にこの順で配備されることにより、フィルタ回路304とYコンデンサ303との相乗効果が得られる。この結果、トランス内蔵IC301によるノイズが抑制される。
【0018】
また、トランス内蔵IC301とデカップリングコンデンサ302とYコンデンサ303が同一基板310上に配備されているためYコンデンサ303とトランス内蔵IC301との距離が近く、ノイズ抑制の効果が高い。
また、導体パターン312および金属端子313を経る低インピーダンスの接続によってノイズ抑制の効果が高められている。金属端子313は断面積が2mm2以上であることが望ましい。2mm2以上の大きな断面積を有する金属端子313はインピーダンスが低いのでノイズ抑制の効果が高い。
【0019】
また、導体パターン312は幅が1mm以上であることが望ましい。即ち、Yコンデンサ303は、グランド接続された金属部材350に対し、Yコンデンサ303が配備された基板310上に形成された幅が1mm以上の導体パターン312を経て接続されることが望ましい。幅が1mm未満の導体パターン312を経る場合に較べて低いインピーダンスでYコンデンサ303がグランドに接続されるのでノイズ抑制の効果が高い。
【0020】
また、Yコンデンサ303から金属部材350に至る、一例として導体パターン312と金属端子313とからなる接続ラインは、電源入力ライン311の0Vパターン311aから電気的に分離されている。この電気的な分離によってノイズ抑制効果が顕著となっている。
【0021】
以下、金属部材350と金属端子313の具体例について説明する。
図2は、金属部材350と金属端子313の第1の具体例を示す図である。
図2には、Yコンデンサ303(図示省略)が搭載された基板310と、他の基板320が示されている。他の基板320は、例えば制御基板などである。そして、
図2には、金属部材350の一例として金属製の遮蔽板351が示されている。遮蔽板351は、Yコンデンサ303が搭載された基板310と他の基板320とを電磁的に遮蔽するものである。遮蔽板351としては、アルミニウム等の金属製のもの、または表面に銅メッキや導電性を有する塗料が塗布された樹脂製のものなどの例が考えられる。
【0022】
また、
図2には、金属端子313の一例として、基板310から遮蔽板351へと突き出した円柱状の形状を有する金属端子313aが示されている。円柱状の金属端子313aは、一例として半径1mm以上のサイズを有し、大きな断面積によって低インピーダンスが実現されている。また、円柱状の形状であると大きな断面積の金属端子313aが容易に得られる。
【0023】
金属端子313aは、基板310に配備された複数のYコンデンサ303に繋がる各導体パターン312から遮蔽板351の直近箇所までを直線的に接続し、低インピーダンスの接続が実現されている。遮蔽板351は基板310の近辺に存在する場合が多いため、Yコンデンサ303から遮蔽板351までの接続距離が短く、低インピーダンスの接続が得られやすい。
【0024】
図3は、金属部材350と金属端子313の第2の具体例を示す図である。
図3には、Yコンデンサ303(図示省略)が搭載された基板310と、基板310を保持するパワーモジュール102が示されている。そして、
図3には、金属部材350の一例として金属製の筐体352が示されている。筐体352は、内部に基板310およびパワーモジュール102を収容して保護するものである。筐体352としては、アルミニウム等の金属製のもの、または表面に銅メッキや導電性を有する塗料が塗布された樹脂製のものなどの例が考えられる。
【0025】
また、
図3には、金属端子313の一例として、基板310から筐体352へと橋掛けられた板状の形状を有する金属端子313bが示されている。板状の金属端子313bは、一例として幅が2mm以上のサイズを有し、大きな断面積によって低インピーダンスが実現されている。また、板状の形状であると大きな断面積の金属端子313bが容易に得られる。
【0026】
金属端子313bが基板310から筐体352の近接箇所に橋掛けられることで、Yコンデンサ303から筐体352までが短距離で接続され、低インピーダンスの接続が実現されている。筐体352は、基板310を収容しているため、Yコンデンサ303からの接続距離が短くなる場合が多く、低インピーダンスの接続が得られやすい。
【0027】
図4は、金属部材350と金属端子313の第3の具体例を示す図である。
図4にも、Yコンデンサ303(図示省略)が搭載された基板310と、基板310を保持するパワーモジュール102が示されている。そして、
図4には、金属部材350の一例として金属製の冷却器353が示されている。冷却器353は、基板310外に配備されたパワーモジュール102を冷却するための例えばヒートシンクである。冷却器353としては、アルミニウム等の金属製のもの、または表面に銅メッキや導電性を有する塗料が塗布された樹脂製のものなどの例が考えられる。図示は省略するが、冷却器353と筐体352とは例えば金属製のネジ等で導通が取られている。
【0028】
また、
図4には、金属端子313の一例として、基板310から冷却器353へと突き出した金属端子313cが示されている。
図4に示す金属端子313cも断面積が2mm
2以上であり、低インピーダンスが実現されている。
金属端子313cが基板310から冷却器353まで直線的に接続することで、Yコンデンサ303から冷却器353までが短距離で接続され、低インピーダンスの接続が実現されている。パワーモジュール102の冷却器353は、Yコンデンサ303が搭載された基板310の近辺に位置する場合が多いため、Yコンデンサ303から冷却器353までの接続距離が短く、低インピーダンスの接続が得られやすい。
【0029】
なお、金属部材350の具体例と金属端子313の具体例との組み合わせは上記で説明した組み合わせに限定されず、任意の組み合わせが可能である。また、上述した遮蔽板351、筐体352および冷却器353のうち複数について金属端子313による接続が可能な場合は、遮蔽板351、筐体352および冷却器353のうちYコンデンサ303との接続距離が短いものが金属部材350として用いられることが好ましい。これにより、Yコンデンサ303から金属部材350まで低インピーダンスで接続され、ノイズ抑制の効果が高い。
【0030】
別の観点では、グランド接続された金属部材350として複数の候補が存在する場合、グランド接続された他の部材に較べてYコンデンサ303との接続距離が短い部材が金属部材350として用いられることが好ましい。これにより、Yコンデンサ303から金属部材350まで低インピーダンスで接続され、ノイズ抑制の効果が高い。
【0031】
なお、ここでは、本開示の電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置における使用方法の一例としてモータの駆動が挙げられるが、本開示の電力供給装置、ゲート駆動装置およびインバータ装置の使用方法は上記に限定されず、照明、太陽光発電など広範囲に使用可能である。
【0032】
上述した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0033】
(1)
トランス内蔵ICと、
前記トランス内蔵ICに接続された電源入力ラインと、
前記電源入力ライン上に配備されたデカップリングコンデンサと、
前記電源入力ライン上の、前記デカップリングコンデンサより上流側に配備されたフィルタ回路と、
前記フィルタ回路と前記デカップリングコンデンサとの間で前記電源入力ラインに配備されたYコンデンサと、
を備える電力供給装置。
【0034】
(2)
前記トランス内蔵ICと、前記Yコンデンサと、前記デカップリングコンデンサとは同一基板上に配備される(1)に記載の電力供給装置。
【0035】
(3)
前記Yコンデンサは、グランド接続された金属部材に対し、前記Yコンデンサが配備された基板上に形成された幅が1mm以上の導体パターンを経て接続される(1)または(2)に記載の電力供給装置。
【0036】
(4)
前記Yコンデンサは、グランド接続された金属部材に対し、前記Yコンデンサが配備された基板上に形成された導体パターンと、前記導体パターンから前記金属部材までを繋いだ金属端子とを経て接続される(1)~(3)のいずれかに記載の電力供給装置。
【0037】
(5)
前記金属端子は、断面積が2mm2以上である(4)に記載の電力供給装置。
(6)
前記金属端子は、円柱状あるいは板状の形状を有する(4)または(5)に記載の電力供給装置。
【0038】
(7)
前記金属端子は、半径1mm以上の円柱状あるいは幅が2mm以上の板状の形状を有する(4)~(6)のいずれかに記載の電力供給装置。
【0039】
(8)
前記金属部材は、前記Yコンデンサが配備された基板と他の基板とを電磁的に遮蔽する金属製の遮蔽板、前記Yコンデンサが配備された基板が収容された金属製の筐体、あるいは前記Yコンデンサが配備された基板外に配備された半導体素子を冷却するための金属製の冷却器、若しくは表面に銅メッキや導電性を有する塗料を塗布した樹脂製の遮蔽板、筐体、あるいは冷却器である(4)~(7)のいずれかに記載の電力供給装置。
【0040】
(9)
前記金属部材は、前記遮蔽板、前記筐体および前記冷却器のうち、前記Yコンデンサとの接続距離が短いものである(8)に記載の電力供給装置。
【0041】
(10)
前記金属部材は、グランド接続された他の部材に較べて前記Yコンデンサとの接続距離が短い(4)~(9)のいずれかに記載の電力供給装置。
【0042】
(11)
前記Yコンデンサから前記金属部材に至る接続ラインは、前記電源ラインの0Vパターンから電気的に分離されている(4)~(10)のいずれかに記載の電力供給装置。
【0043】
(12)
(1)から(11)のいずれかに記載の電力供給装置と、
前記電力供給装置から電力が供給され、インバータ回路を構成するパワー半導体を搭載したパワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、
を備えるゲート駆動装置。
【0044】
(13)
(1)から(11)のいずれかに記載の電力供給装置と、
コンデンサとパワーモジュールからなるインバータ回路と、
前記電力供給装置から電力が供給され、前記パワーモジュールのゲートをオンオフ駆動するゲート駆動回路と、
を備えるインバータ装置。
【符号の説明】
【0045】
100 :インバータ装置
101 :コンデンサ
102 :パワーモジュール
200 :ゲート駆動装置
201 :ゲート駆動回路
300 :電力供給装置
301 :トランス内蔵IC
302 :デカップリングコンデンサ
303 :Yコンデンサ
304 :フィルタ回路
310 :基板
311 :電源入力ライン
311a :0Vパターン
311b :電源パターン
312 :導体パターン
313、313a、313b、313c :金属端子
320 :他の基板
350 :金属部材
351 :遮蔽板
352 :筐体
353 :冷却器
400 :モータ
500 :低電圧電源
600 :高電圧電源