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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009844
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】多波長レーザー照射装置及び照射方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/067 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61N5/067
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074783
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0084468
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510327194
【氏名又は名称】ウォンテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONTECH Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】64 Techno 8-ro,Yuseong-gu,Daejeon 34028 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンヒョン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082RA01
4C082RC01
4C082RE16
4C082RE22
4C082RG02
4C082RG06
4C082RJ01
4C082RJ06
4C082RL02
4C082RL07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】冷却ガスの圧力を制御する多波長レーザー照射装置及び照射方法を提供する。
【解決手段】レーザーを発生させるレーザー発生部と、第1電源部の電力を受けて動作する温度調節部と、第1電源部の電力を受けて動作する冷却部とを含む、レーザー発生部でレーザーを発生させる際に、レーザー出力効率を高めるための適切な温度を維持するための温度調節部及び第1電源部の電力を受けて動作し、ユーザーの皮膚に冷却ガスを照射するための冷却部を含めて構成し、前記レーザー発生部は、それぞれ異なる波長のレーザーを出力する第1レーザー発生部と第2レーザー発生部で構成され、前記温度調節部は、第1レーザー発生部の温度を制御する第1温度調節部と第2レーザー発生部の温度を制御する第2温度調節部を含めて構成されている
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的な制御及び動作が行われる本体、
本体の制御によって動作し、本体と有線で接続されるハンドピース、及び
ハンドピースの一方の側面に結合可能なチップを含めて構成され、
前記本体は、全体的な動作を可能にする第1電源部と、
第1電源部の電力を受けて動作し、ユーザー及び施術者に施術詳細画面及び施術詳細設定制御画面を提供するディスプレイ部と、
前記第1電源部の電力を受けて動作し、ディスプレイ部の施術詳細設定値に応じて全体的な動作を制御する制御部と、
前記第1電源部の電力を受けて制御部の制御に従って動作し、レーザーを発生させるレーザー発生部と、
第1電源部の電力を受けて動作し、レーザー発生部でレーザーを発生する際、レーザー出力効率を高めるための適切な温度を維持するための温度調節部とを有し、
第1電源部の電力を受けて動作し、ユーザーの皮膚に冷却ガスを照射するための冷却部を含めて構成しており、
前記レーザー発生部は、それぞれ異なる波長のレーザーを出力する第1レーザー発生器と第2レーザー発生器で構成されており、
前記温度調節部は、第1レーザー発生器の温度を制御する第1温度調節部と、第2レーザー発生器の温度を制御する第2温度調節部とを含んで構成されていることを特徴とする多波長レーザー照射装置。
【請求項2】
前記第1レーザー発生器は、720nmから780nmの波長のレーザーを生成し、第2レーザー発生器では、955nmから1100nmの波長のレーザーを生成することを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項3】
前記第1レーザー発生器と第2レーザー発生器は、
複数のランプ、
ランプから発生した光を吸収する利得媒質、及び
利得媒質に光を共振させるために、利得媒質の水平両端に対向する構造で一対のミラーからなる反射部をそれぞれさらに含んで構成していることを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項4】
前記第1レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、他方のミラーは78%~83%の反射率を有することを特徴とする、請求項3に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項5】
前記第2レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、他方のミラーは38%~43%の反射率を有することを特徴とする、請求項3に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項6】
前記反射部に代えて、利得媒質の両端を前記と同じ反射率を反映してコーティングして使用することを特徴とする、請求項3に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項7】
前記第1温度調節部は、第1レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正な温度に維持するために、第1レーザー発生器内部を管を介して循環する第1冷却水チャンバー、
第1冷却水チャンバーの温度を上昇させる第1ヒーティング部、及び
第1冷却水室の温度を下げる第1冷却ファンを含めて構成しており、
前記第2温度調節部は、第2レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正温度に維持するために、第2レーザー発生器内部を管を通して循環する第2冷却水チャンバー、
前記第2冷却水チャンバーの温度を上昇させる第2ヒーティング部、及び
前記第2冷却水チャンバーの温度を低下させる第2冷却ファンをさらに含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項8】
前記冷却部は、本体内部に取り付けられ、ガス缶が挿入されるガス缶カバー、
ガス缶カバーの下部に結合され、ガス缶のガスが流れる流路として使用される第1ホース、
ガス缶カバーの下部に結合されており、第1電源部の電力で動作し、ガス缶カバー内にガス缶が挿入されているかどうかを確認する第1圧力センサ、
第1ホースの一側と結合しており、冷却ガスを保持しているチャンバー、
ガス缶カバーとチャンバーとの間に位置する第1ホースの両端を除く中央部にガス出力を制御し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第1開閉バルブ、
チャンバーの上段一側に結合されており、ガスの有無を検知し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第1レベルセンサ、
チャンバーの下段一側に結合されており、ガスの有無を検知し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第2レベルセンサ、
チャンバーの一側面に結合されており、チャンバー内のガスを外部に排出する排出口、
チャンバー内のガスを外部に排出させるために排出口を開閉し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第2開閉バルブ、
チャンバー内の中央下段に結合されており、チャンバー内のガスの有無を確認する第2圧力センサ、及び
前記チャンバーとハンドピースを接続し、冷却ガスの流路として使用される第2ホースをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項9】
前記ハンドピースは、前記ハンドピースの一方の端部に設けられ、分散するレーザービームを平行に補正する補正レンズをさらに含んで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項10】
前記チップは、本体で生成されたレーザーを出力する際に、予め設定されたレーザー出力スポットサイズで出力するためのレンズ部をさらに含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項11】
先端のレンズ部は、内部に少なくとも1つ以上5つ未満のレンズを含み、前記レンズは、一方の面は凹レンズ、他方の面は凸レンズで構成されているか、または、両側とも凹レンズ、両側とも凸レンズで構成されており、レーザー照射ビームのサイズに応じて、前記レンズを組み合わせて構成されることを特徴とする、請求項10に記載の多波長レーザー照射装置。
【請求項12】
本体の第1電源部から電源を起動し、ハンドピースの第2電源部に電力を供給する段階と、
ハンドピースの制御コントローラからレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階と、
前記ハンドピースの制御コントローラからレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階において、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部と制御部の制御によりレーザー発生部が動作してレーザーを生成する段階と、
前記ディスプレイ部と制御部の制御によりレーザー発生部が動作し、第1レーザー発生部では720nmから780nmの波長のレーザーを生成し、第2レーザー発生部では955nmから1100nmの波長のレーザーを生成する段階と、
第1レーザー発生器と第2レーザー発生器でレーザーを生成すると、レーザー発生器の適正温度を維持するために、温度調節部で温度を維持するための動作を実行する段階と、
レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達され
送られてきたレーザーは先端から患者に照射する段階と、
本体の冷却部から冷却ガスをハンドピースのノズルで照射する段階と、
ハンドピースの制御コントローラからレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階と、
前記ハンドピースの制御コントローラからレーザー出力信号が入力されたか否かを判断する段階において、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部と制御部の制御によりレーザー発生部が動作してレーザーを発生させる段階に戻る段階とを含むことを特徴とする多波長レーザー照射方法。
【請求項13】
前記レーザー発生器の適正温度を維持するために、温度調節部で温度を維持するための動作を実行する段階において、前記温度調節部は、前記第1レーザー発生器の温度を制御する第1温度調節部と、前記第2レーザー発生器の温度を制御する第2温度調節部を含めて構成されることを特徴とする、請求項12に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項14】
前記第1温度調節部は、第1レーザー発生器の温度を50℃~65℃に維持し、第2温度調節部は、第2レーザー発生器の温度を20℃~35℃に維持することを特徴とする、請求項13に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項15】
レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達し、伝達されたレーザーはチップを介して患者に照射する段階において、ハンドピースは、チップにレーザーを伝達する前に、補正レンズで分散されたレーザービームを平行化させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項16】
前記本体の冷却部から冷却ガスをハンドピースのノズルに照射する段階は、
本体の冷却部のガス缶カバーにガス缶を結合する段階と、
ガス缶が結合され、第1圧力センサでガス缶の結合が検知されると第1開閉バルブが開き、ガスがチャンバーの第1レベルセンサまで充填され、第1レベルセンサで検知値が検知されると第1開閉バルブを閉じる段階と、
本体の制御部で、患者にレーザーが照射されたかどうかを判断する段階と、
前記患者にレーザーが照射されたか否かを判断する段階において、レーザーが照射されたと判断されると、ハンドピースの第3開閉バルブが開き、ノズルからガスを患者に照射する段階とをさらに含めて構成されることを特徴とする、請求項12に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項17】
前記ハンドピースの第3開閉バルブが開き、ノズルからガスを患者に照射する段階と、
第1圧力センサと第2圧力センサの値に変化量がないことを判断する段階と、
前記第1圧力センサと第2圧力センサの値に変化量がないかを判断する段階において、変化量がないと判断した場合、ガス缶の内部ガスが全て使い果たされたと判断する段階と、
チャンバーの第2開閉バルブを開き、排出口を開いてチャンバー内の空気圧を外部の空気圧に合わせる段階とをさらに含めて構成されることを特徴とする、請求項16に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項18】
レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達し、伝達されたレーザーはチップを介して患者に照射する段階において、
患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器で生成された720nmから780nmの波長のレーザーと、第2レーザー発生器で生成された955nmから1100nmの波長のレーザーを同時に照射することを特徴とする、請求項12に記載の多波長レーザー照射方法。
【請求項19】
前記患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器で生成された720nmから780nmの波長のレーザーと、第2レーザー発生器で生成された955nmから1100nmの波長のレーザーを同時~200msの時間差をおいて照射することを特徴とする、請求項18に記載の多波長レーザー照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー照射装置に関し、より詳細には、多波長のレーザーを同時に照射する多波長レーザー照射装置及び照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光線および赤外線スペクトル領域内の電磁放射線の使用は、産業、医療および研究の多くの分野で一般的な技術となっている。例えば、そのような放射線は、皮膚科の分野でますます重要になっている。多くの場合、レーザー供給源が、必要な波長で所望の放射線レベルを発生させるために使用される。
【0003】
血管病変または色素沈着病変の治療、毛髪除去および皮膚剥離などの皮膚科用途に一般的に使用される多くのレーザーがある。選択的光熱溶解の原理は、多くのレーザー治療の基礎であり、静脈瘤、火炎状母斑、その他の混濁性血管病変、および入れ墨を含む色素沈着病変などの多くの状態を治療するために使用される。ターゲット構造を含む真皮および表皮層は、通常、レーザーまたは閃光ランプからの光で照射される。このような光の波長は、そのエネルギーが構造体内に優先的または選択的に吸収されるように選択される。これは、構成蛋白質が変性したり、色素粒子が拡散する点まで温度を上昇させる目的で、局所的な加熱を生成する。
【0004】
対象者の皮膚に様々な波長のレーザーを照射して皮膚の状態を改善しようとする皮膚治療装置が公知である。
【0005】
このような皮膚トリートメント装置で使用するレーザーの例としては、1064nm、755nm波長のレーザーを挙げることができる。1064nm波長のレーザーは、真皮血管に作用し、皮膚の色に関係なく除毛、皮膚再生効果を見ることができる。すなわち、このような1064nm波長のレーザーは、皮膚の浸透深度が深く、オキシヘモグロビン(Oxyhemoglobin)吸収度が高いため、真皮血管治療に有用である。また、1064nm波長のレーザーはメラニン吸収度が高くないので、皮膚の色が黒い対象者にも優れた除毛効果を得ることができる。また、1064nm波長のレーザーは浸透深度が深いだけでなく、吸収度が高いため、真皮層内のコラーゲンを刺激することになる。これにより、小じわ改善、皮膚再生効果が高い。
【0006】
755nm波長のレーザーは表皮のホワイトニング効果があり、皮膚色が明るい対象者において高い除毛効果を示す。つまり、755nm波長のレーザーは、浸透深度が1064nm波長のレーザーより少し浅いが、メラニン吸収度が高いため、1064nm波長のレーザーより除毛効果が優れている。しかし、メラニン吸収度が高いという理由から、皮膚色タイプに制限がある。皮膚が黒い対象者は、皮膚が先にエネルギーを吸収して皮膚にダメージを与えるため、皮膚の色が黒い対象者には使用できない。一方、755nm波長のレーザーはメラニン吸収度が高いため、皮膚色を明るくする美白効果がある。
【0007】
前記の1064nm、755nm波長のレーザーを組み合わせて対象者に処置すれば、皮膚浸透深度別、皮膚色別に対応して血管治療、除毛、美白効果を向上させることができる。このような理由から、近年のレーザーを用いた皮膚トリートメント装置は、少なくとも2つ以上の波長のレーザーを同時にまたは交互に照射できるように実装されている。
【0008】
このとき、異なる波長のレーザーの出力効率を高めるために、レーザー発生装置の温度を繊細に制御する必要があり、また、レーザーが照射され、痛みを和らげるために冷却ガスを照射するが、このとき、冷却ガスを正常に照射するために、内部冷却ガス出力構造に対する内部圧力制御が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題を解決するための本発明の目的は、1064nm波長のレーザーと755nm波長のレーザーを同時または交互に照射するが、レーザー出力の最大効率のために冷/温水を利用してレーザー共振器内部の温度を制御し、レーザーを出力した後、痛みを緩和させるための冷却ガスを出力する際に、冷却ガスの出力のための製品内部のガス流路内の圧力を制御する多波長レーザー照射装置及び照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明の多波長レーザー照射装置及び照射方法は、全体的な制御及び動作が行われる本体、本体の制御により動作し、本体と有線接続されるハンドピース、及びハンドピースの一方の側に結合可能なチップを含んで構成される。
【0011】
前記本体は、全体的な動作を可能にする第1電源部と、第1電源部の電力を受けて動作し、ユーザー及び施術者に施術詳細画面及び施術詳細設定制御画面を提供するディスプレイ部と、前記第1電源部の電力を受けて動作し、ディスプレイ部の施術詳細設定値に応じて全体的な動作を制御する制御部と、前記第1電源部の電力を受けて制御部の制御に従って動作し、レーザーを発生させるレーザー発生部と、第1電源部の電力を受けて動作し、レーザー発生部でレーザーを発生する際にレーザー出力効率を高めるための適正な温度を維持するための温度調節部と、第1電源部の電力を受けて動作し、ユーザーの皮膚に冷却ガスを照射するための冷却部を含めて構成される。
【0012】
前記レーザー発生部は、それぞれ異なる波長のレーザーを出力する第1レーザー発生器と第2レーザー発生器で構成され、前記温度調節部は、第1レーザー発生器の温度を制御する第1温度調節部と第2レーザー発生器の温度を制御する第2温度調節部を含むことができる。
【0013】
前記第1レーザー発生器は、720nmから780nmの波長のレーザーを生成し、第2レーザー発生器では、955nmから1100nmの波長のレーザーを生成することができる。
【0014】
前記第1レーザー発生器および第2レーザー発生器は、複数のランプ、ランプから発生した光を吸収する利得媒質、および利得媒質に光を共振させるために利得媒質の水平両端に対向する構造で一対のミラーで構成された反射部をそれぞれさらに含むことができる。
【0015】
前記第1レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、他方のミラーは78%~83%の反射率を有することができる。
【0016】
前記第2レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、もう一方のミラーは38%~43%の反射率を有することができる。
【0017】
前記反射部に代えて、利得媒質の両端を前記と同じ反射率を反映してコーティングして使用することができる。
【0018】
前記第1温度調節部は、第1レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正温度に維持するために、第1レーザー発生器の内部を管を介して循環する第1冷却水チャンバーと、第1冷却水チャンバーの温度を上げる第1ヒーティング部と、第1冷却水チャンバーの温度を下げる第1冷却ファンを含んで構成されている、前記第2温度調節部は、第2レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正な温度に維持するために、第2レーザー発生器の内部を管を介して循環する第2冷却水チャンバー、第2冷却水チャンバーの温度を上げる第2ヒーティング部及び第2冷却水チャンバーの温度を下げる第2冷却ファンをさらに含むことができる。
【0019】
前記冷却部は、本体内部に取り付けられ、ガス缶が挿入されるガス缶カバーと、ガス缶カバーの下端に結合され、ガス缶のガスが流れる流路として使用される第1ホースと、ガス缶カバーの下部に結合され、第1電源部の電力で動作し、ガス缶カバー内にガス缶が挿入されたか否かを確認する第1圧力センサと、第1ホースの一側と結合されており、冷却ガスを保管しているチャンバー、ガス缶カバーとチャンバーとの間に位置する第1ホースの両端を除く中央部にガス出力を制御し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第1開閉バルブ、チャンバーの上端一側に結合されている、ガスの有無を検知し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第1レベルセンサ、チャンバーの下端一側に結合され、ガスの有無を検知し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第2レベルセンサ、チャンバーの一側面に結合され、チャンバー内のガスを外部に排出させる排出口、チャンバー内のガスを外部に排出させるために排出口を開閉し、第1電源部の電力と制御部の制御で動作する第2開閉バルブ、チャンバー内の中央下端に結合されており、チャンバー内のガスの有無を確認する第2圧力センサ、及び前記チャンバーとハンドピースを接続しており、冷却ガスの流路として使用される第2ホースをさらに含むことができる。
【0020】
前記ハンドピースは、ハンドピースの一方の端部に設けられ、分散するレーザービームを平行に補正する補正レンズをさらに含むことができる。
【0021】
前記チップは、本体で生成されたレーザーを出力する際に、予め設定されたレーザー出力スポットサイズで出力するためのレンズ部をさらに含むことができる。
【0022】
前記チップのレンズ部は、内部に少なくとも1つ以上5つ未満のレンズを含み、レンズは、片面が凹レンズ、もう片面が凸レンズで構成されているか、両面とも凹レンズ、両面とも凸レンズであってもよく、レーザー照射ビームのサイズに応じて前記レンズを組み合わせて構成することができる。
【0023】
本体の第1電源部で電源を稼働させ、ハンドピースの第2電源部に電力を供給する段階;ハンドピースの制御コントローラでレーザー出力信号が入力されたか否かを判断する段階;前記ハンドピースの制御コントローラでレーザー出力信号が入力されたか否かを判断する段階において、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部と制御部の制御に従ってレーザー発生部が動作し、レーザーを生成する段階;前記ディスプレイ部と制御部の制御によりレーザー発生部が動作し、第1レーザー発生部では720nmから780nmの波長のレーザーを生成し、第2レーザー発生部では955nmから1100nmの波長のレーザーを生成する段階;第1レーザー発生器と第2レーザー発生器でレーザーを生成すると、レーザー発生器の適正温度を維持するために、温度調節部で温度を維持するための動作を実行する段階;レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達され、伝達されたレーザーはチップを介して患者に照射する段階;本体の冷却部で冷却ガスをハンドピースのノズルに照射する段階;ハンドピースの制御コントローラでレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階と、ハンドピースの制御コントローラでレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階において、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部と制御部の制御によってレーザー発生部が動作してレーザーを生成する段階に戻る段階;を含むことができる。
【0024】
前記レーザー発生器の適正温度を維持するために、温度調節部で温度を維持するための動作を実行する段階において、温度調節部は、第1レーザー発生器の温度を制御する第1温度調節部と、第2レーザー発生器の温度を制御する第2温度調節部とを含んで構成することができる。
【0025】
前記第1温度調節部は、第1レーザー発生器の温度を50℃~65℃に維持し、第2温度調節部は、第2レーザー発生器の温度を20℃~35℃に維持することができる。
【0026】
レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達し、伝達されたレーザーをチップを介して患者に照射する段階において、ハンドピースは、チップにレーザーを伝達する前に、補正レンズで分散されたレーザービームを平行化する段階をさらに含むことができる。
【0027】
前記本体の冷却部から冷却ガスをハンドピースのノズルに照射する段階において、本体の冷却部のガス缶カバーにガス缶を結合する段階;ガス缶が結合され、第1圧力センサでガス缶の結合が検知されると、第1開閉バルブが開き、ガスがチャンバーの第1レベルセンサまで充填され、第1レベルセンサで検知値が検知されると、第1開閉バルブを閉じる段階;本体の制御部で患者にレーザーが照射されたかどうかを判断する段階と、前記患者にレーザーが照射されたかどうかを判断する段階において、レーザーが照射されたと判断されると、ハンドピースの第3開閉バルブが開き、ノズルを通じて患者にガスを照射する段階とをさらに含むことができる。
【0028】
前記ハンドピースの第3開閉バルブを開き、ノズルを通して患者にガスを照射する段階と、第1圧力センサと第2圧力センサの値に変化量がないかを判断する段階と、前記第1圧力センサと第2圧力センサの値に変化量がないかを判断する段階と、変化量がないと判断した場合、ガス缶内のガスが全て使い果たされたと判断する段階と、チャンバーの第2開閉バルブを開き、排出口を開き、チャンバー内の空気圧を外部空気圧に合わせる段階とをさらに含むことができる。
【0029】
レーザー発生部で生成されたレーザーを光ファイバーを介してハンドピースに伝達し、伝達されたレーザーはチップを介して患者に照射する段階において、
患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器で生成された720nmから780nmの波長のレーザーと、第2レーザー発生器で生成された955nmから1100nmの波長のレーザーを同時に照射することができる。
【0030】
前記患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器で生成された720nmから780nmの波長のレーザーと、第2レーザー発生器で生成された955nmから1100nmの波長のレーザーを同時に又は200msの時間差をおいて照射することができる。
【発明の効果】
【0031】
このような特徴によれば、本発明は、レーザー発生器の内部適正温度を維持することにより、最大効率のレーザーを出力することができる。
【0032】
そして、レーザーを照射した後、冷却ガスを出力することで痛みを軽減する効果がある。このとき、冷却ガスを出力するために本体内部ガス流路の圧力を制御することで、冷却ガスの出力を円滑に行うことができ、内部ガス流路の圧力の制御により、ガス缶の爆発に対する危険度が低くなる効果がある。
【0033】
また、755nm波長のレーザーと1064nm波長のレーザーを同時に照射したり、最大200msまで照射時間間隔を可変することができ、皮膚特性や皮膚色に応じて詳細な制御が可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置の構成図である。
図2】本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置のうち、温度調節部の構成図である。
図3】本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置のうち、冷却部の構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係る多波長レーザー照射装置における冷却部と冷却流路を示す模式図である。
図5】本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法のフローチャートである。
図6】本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法における冷却ガス出力方法に関するフローチャートである。
図7】本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法のうち、本体内圧力制御方法に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参考として、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0036】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続(接続、接触、結合)」されているとは、「直接的に接続」されている場合だけでなく、その間に他の部材を挟んで「間接的に接続」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を"含む"と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに備えることができることを意味する。
【0037】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されるものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味がない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定することを意図するものであって、1つまたは複数の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されるべきである。
【0038】
次に、添付の図面を参照して、本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置及び照射方法について説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置の構成図であり、図2は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置のうち温度調節部の構成図であり、図3は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射装置のうち冷却部の構成図である。
【0040】
図1乃至図3を参照すると、多波長レーザー照射装置は、全体的な制御及び動作が行われる本体10、本体10の制御によって動作し、本体10と有線接続されるハンドピース20及びハンドピース20の一側に結合可能なチップ30を含めて構成されている。
【0041】
前記本体10は、全体的な動作を可能にする第1電源部11、第1電源部11の電力を受けて動作し、ユーザー及び施術者に施術詳細画面及び施術詳細設定制御画面を提供するディスプレイ部12、前記第1電源部11の電力を受けて動作し、ディスプレイ部12の施術詳細設定値に応じて全体的な動作を制御する制御部13、前記第1電源部11の電力を受けて制御部13の制御に従って動作し、レーザーを発生させるレーザー発生部14、第1電源部11の電力を受けて動作し、レーザー発生部14でレーザーを発生する際にレーザー出力効率を高めるための適正な温度を維持するための温度調節部15及び第1電源部11の電力を受けて動作し、ユーザーの皮膚に冷却ガスを照射するための冷却部18を含むことを特徴とする。
【0042】
本体10とハンドピース20は有線接続されており、本発明では、本体10のレーザー発生部14で生成されたレーザーを光ファイバ(OpticalFiber)を介してハンドピース20に伝達することが好ましい。
【0043】
前記ディスプレイ部12は、ユーザーに詳細な設定のためのUIを提供し、ユーザーはディスプレイ部12でレーザー出力の詳細設定を調節することができる。また、ディスプレイ部12でレーザー出力及び停止を制御し、装置の動作に発生するエラーをディスプレイ部12を通じて施術者及びユーザーに表示する。
【0044】
前記制御部13は、ディスプレイ部12からレーザー出力、停止、詳細設定等が検出されると、本体及びハンドピースの全体的な動作を制御する。
【0045】
前記レーザー発生部14は、それぞれ異なる波長のレーザーを出力する第1レーザー発生器14-1と第2レーザー発生器14-2で構成されており、本発明の一実施例では、第1レーザー発生器14-1は755nmの波長を出力し、第2レーザー発生器14-2は1064nmの波長を出力することが好ましいが、これに限定されない。
【0046】
前記第1レーザー発生器14-1と第2レーザー発生器14-2は、多数のランプ、ランプから発生した光を吸収する利得媒質及び利得媒質に光を共振させるために利得媒質の水平両端に対向する構造で一対のミラーで構成された反射部をそれぞれ含めて構成されている。このとき、第1レーザー発生器の利得媒質は、エンディヤグ(Nd:YAG)であることを特徴とし、第2レーザー発生器の利得媒質は、アレキサンドライト(Alexandrite)であることを特徴とする。
【0047】
前記反射部はそれぞれ反射率が異なり、第1レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、他方のミラーは78%~83%の反射率を有することを特徴とする。第2レーザー発生器の一方のミラーは少なくとも97%以上の反射率を有し、他方のミラーは38%~43%の反射率を有することを特徴とする。
【0048】
このとき、反射部に代えて、利得媒質の両端を前記と同じ反射率を反映してコーティングして使用することができる。
【0049】
前記温度調節部15は、第1レーザー発生器の温度を制御する第1温度調節部16と、第2レーザー発生器の温度を制御する第2温度調節部17を含んで構成されている。
【0050】
前記第1温度調節部16は、第1レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正な温度に維持するために、第1レーザー発生器の内部を管を介して循環する第1冷却水室16-1、第1冷却水室16-1の温度を上昇させる第1ヒーティング部16-2及び第1冷却水室16-1の温度を低下させる第1冷却ファン16-3を含めて構成されている。
【0051】
前記第2温度調節部17は、第2レーザー発生器のランプと利得媒質の温度を適正な温度に維持するために、第2レーザー発生器内部を管を通して循環する第2冷却水チャンバー17-1、第2冷却水チャンバー17-1の温度を上げる第2ヒーティング部17-2及び第2冷却水チャンバー17-1の温度を下げる第2冷却ファン17-3を含んで構成されている。
【0052】
前記冷却部18は、本体内部に取り付けられており、ガス缶が挿入されるガス缶カバー18-1、ガス缶カバー18-1の下部に結合されており、ガス缶のガスが流れる流路として使用される第1ホース(図示せず)、ガス缶カバー18-1の下部に結合されており、第1電源部11の電力で動作し、ガス缶カバー18-1内にガス缶が挿入されたか否かを確認する第1圧力センサ18-2、第1ホースの一側と結合されており、冷却ガスを保管しているチャンバー18-4、ガス缶カバー18-1とチャンバー18-4の間に位置する第1ホースの両端を除く中央部にガス出力を制御し、第1電源部11の電力と制御部13の制御で動作する第1開閉バルブ18-3、チャンバー18-4の上部一側に結合されている、ガスの有無を検知し、第1電源部11の電力と制御部13の制御で動作する第1レベルセンサ18-5、チャンバー18-4の下部一側に結合されており、ガスの有無を検知し、第1電源部11の電力と制御部13の制御で動作する第2レベルセンサ18-6、チャンバー18-4の一側面に結合されており、チャンバー18-4内のガスを外部に排出させる排出口18-8、チャンバー18-4内のガスを外部に排出させるために排出口18-8を開閉し、第1電源部11の電力と制御部13の制御で動作する第2開閉バルブ18-7、チャンバー18-4内の中央下段に結合されており、チャンバー18-4内のガスの有無を確認する第2圧力センサ18-9、及び前記チャンバー18-4とハンドピース20を接続しており、冷却ガスの流路として使用される第2ホース(図示せず)を含めて構成されている。
【0053】
冷却部18を通じて冷却ガスを照射する際、まず、ガス缶をガス缶カバー18-1内に結合した後、第1圧力センサ18-2でガス缶結合の有無を確認すると、第1開閉バルブ18-3を開いてガス缶のガスが出力されるように制御部13で制御する。
【0054】
ガス缶からガスが出力されると、第1ホースを介してチャンバー18-4にガスが充填され、チャンバーの第2レベルセンサ18-6と第1レベルセンサ18-5にセンシング値が全て検出されると、第1開閉バルブ18-3を閉じてガス缶のガス出力を停止する。この時、第1レベルセンサ18-5までガスが充填されたと判断される。
【0055】
レーザーが照射され、冷却ガスが出力されると、チャンバー18-4に充填されていたガスが第2ホースを介してハンドピース20のノズル24に照射され、この過程を繰り返すと、チャンバー18-4の第1レベルセンサ18-5のセンシング値が先に検出されないが、第2レベルセンサ18-6のセンシング値が検出されなくなるまで第1開閉バルブ18-3を閉じておく。
【0056】
第2レベルセンサ18-6のセンシング値が検出されない場合は、チャンバー18-4内にガスがないと判断し、第1開閉バルブ18-3を開いてガス缶の冷却ガスを再びチャンバー18-4の第1レベルセンサ18-5にセンシング値が検出されるまで充填する。
【0057】
この時、第1圧力センサ18-2の値と第2圧力センサ18-9のセンシング値に変化がない場合、ガス缶の内部ガスが全て使い果たされたと判断し、ディスプレイ部12を通じてガス缶交換通知を出力する。第1圧力センサ18-2のセンシング値は、ガス缶の重量とガス缶内部のガスの重量を検出するので、センシング値に変化がなければ、ガス缶内部の冷却ガスが全て消耗したと判断される。しかし、第1圧力センサ18-2でセンシング値に変化がないと判断されたとしても、第2圧力センサ18-9でセンシング値に変化があれば、チャンバー18-4内に残留ガスがあるので、第1圧力センサ18-2のセンシング値に変化がないとしてガス缶交換の通知をディスプレイ部12に出力すると、残留ガスがあるにもかかわらず、施術を停止しなければならないので、第1圧力センサ18-2と第1圧力センサ18-9の両方でセンシング値に対する変化がないと判断されなければ、ガス缶の交換通知をディスプレイ部12を通じて出力するようにする。
【0058】
第1圧力センサ18-2と第2圧力センサ18-9でセンシング値に対する変化がないことが検出されると、ガス缶の交換通知をディスプレイ部12に出力し、本体10の構造物の動作による内部熱発生により冷却部18の圧力が上昇するので、第2開閉バルブ18-7を開いてチャンバー18-4内の圧力を排出口18-8を通じて外部に排出させる。前記の排出口18-8を通じてチャンバー18-4内の圧力を排出することにより、冷却部18の圧力を下げる。その後、新しいガス缶をガス缶カバー18-1に結合し、ガスを第1レベルセンサ18-5にセンシング値が検出されるまで充填する。
【0059】
また、本体10の制御部13で予め設定されている冷却ガスの出力量に応じて、ハンドピース20の第3開閉バルブ23を制御してノズル24から出力する。
【0060】
前記ハンドピース20は、外部からの衝撃から内部構成部品を保護するためのハウジング21を含み、ハウジング21内には、本体10の第1電源部11と有線接続されて電力を印加される第2電源部22、第2電源部22の電力を受けて動作し、前記本体10の冷却部18から出力される冷却ガスを出力するために、制御部13の制御によって開閉される第3開閉バルブ23、前記第3開閉バルブ23の開閉の有無によって冷却ガスが噴出されるノズル24、ハンドピース20のハウジング21の一面に位置し、施術の詳細設定値と全体的な動作の有無を制御することができる制御コントローラ25及びハンドピース30の一側端部に具備されており、光ファイバー(OpticalFiber)を通じて出力されるレーザービームは光が分散されるが、この時、レーザー光を平行に補正する補正レンズ26を含めて構成している。
【0061】
前記制御コントローラ25は、タッチ方式またはボタン方式のいずれかであることを特徴とする。
【0062】
前記チップ30は、外部からの衝撃から内部構成部品を保護するためのハウジング31を含み、ハウジング31の一側に具備され、前記ハンドピース20と着脱可能にする着脱部材32、ハウジング31の内部に構成され、本体10で生成されたレーザーを出力するとき、既設定されたレーザー出力スポットサイズで出力するためのレンズ部33及びハウジング31の一側に結合されており、施術者の皮膚とレーザー照射長さを一定に維持させる支持部34を含めて構成している。
【0063】
前記チップ30のレンズ部33は、内部に少なくとも1つ以上5つ未満のレンズを含み、レンズは、一方の面は凹レンズ、他方の面は凸レンズで構成されたり、両側ともが凹レンズ、両側ともが凸レンズであってもよく、レーザー照射ビームのサイズに応じて前記のレンズを組み合わせて構成することができる。
【0064】
一実施例として、20mmサイズのビームサイズを出力する際、ハンドピース20の補正レンズ26で分散されたレーザービームを平行化させ、チップ30のレンズ部33のレンズの組み合わせでビームサイズを調整するが、この時、二つのレンズを組み合わせ、一方のレンズは一方の面は凸面、他方の面は凹面で構成され、他方のレンズは両方ともが凹面で構成されていることを特徴とする。
【0065】
次に、添付の図面を参照して、本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法について詳細に説明する。
【0066】
図5は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法のフローチャートであり、図6は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法のうち、冷却ガス出力方法に関するフローチャートであり、図7は、本発明の一実施例による多波長レーザー照射方法のうち、本体内圧力制御方法に関するフローチャートである。
【0067】
図5乃至図7を参照すると、まず、本体10の第1電源部11から電源を起動し、ハンドピース20の第2電源部21に電力を伝達する、S10。
【0068】
ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する、S11。このとき、ハンドピース20の制御コントローラ24だけでなく、フットスイッチまたはディスプレイ部12で出力制御ができることを特徴とする。
【0069】
前記ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階S11で、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部12と制御部13の制御によりレーザー発生部14が動作してレーザーを生成する、S12。
【0070】
前記ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階S11で、レーザー出力信号が入力されない場合は、本体10の第1電源部11から電源を起動し、ハンドピース20の第2電源部21に電力を供給する段階S10で待機する、S13。
【0071】
前記ディスプレイ部12と制御部13の制御により、レーザー発生部14が動作し、第1レーザー発生部14-1では、720nmから780nmの波長のレーザーを生成し、第2レーザー発生部14-2では、955nmから1100nmの波長のレーザーを生成する、S14。このとき、本発明では、第1レーザー発生器14-1で生成されるレーザーは、755nm波長のレーザーであることが好ましく、第2レーザー発生器14-2で生成されるレーザーは、1064nm波長のレーザーであることが好ましいが、これに限定されない。
【0072】
第1レーザー発生器14-1と第2レーザー発生器14-2でレーザーを生成すると、レーザー発生器の適正温度を維持するために、温度調節部15で温度を維持するための動作を実行する、S15。この時、温度調節部15は、第1レーザー発生器14-1の温度を制御する第1温度調節部16と第2レーザー発生器14-2の温度を制御する第2温度調節部17を含めて構成している。
【0073】
前記第1温度調節部16は、第1レーザー発生器14-1の温度を50℃~65℃に維持し、第2温度調節部17は、第2レーザー発生器14-2の温度を20℃~35℃に維持することを特徴とする。本発明の一実施例では、第1レーザー発生器14-1は50℃、第2レーザー発生器14-2は29℃が好ましく、これに限定されない。
【0074】
前記第1レーザー発生器14-1と第2レーザー発生器14-2でレーザーが生成される時、内部熱が発生するが、これを検知するために、それぞれ温度センサ(図示せず)を含めて構成している。第1レーザー発生器14-1と第2レーザー発生器142は、冷却水がそれぞれのレーザー発生器内部を流れるように冷却及びヒーティングを行う。このため、第1温度調節部16は、第1レーザー発生器14-1の適正温度50℃に維持するために、第1ヒーティング部16-2で第1冷却水チャンバー16-1を加熱して冷却水温度を上昇させ、第1レーザー発生器14-1の温度を温度センサで検出して50℃を超えた場合、第1冷却ファン16-3を利用して第1冷却水チャンバー16-1を冷却して冷却水温度を低下させる。
【0075】
第2温度調節部17は、第2レーザー発生器14-2の適正温度29℃に維持するために、第2冷却ファン17-3を利用して第2冷却水チャンバー17-1を冷却して冷却水温度を低下させ、第2レーザー発生器17-1の温度を温度センサで検出して29℃未満の場合、第2ヒーティング部17-2で第2冷却水チャンバー17-1を加熱して冷却水温度を上昇させる。
【0076】
第1レーザー発生部14-1と第2レーザー発生部14-2でレーザーを生成すると、レーザー発生部の適正温度を維持するために温度調節部15で温度を維持するための動作を実行する段階S15の後、レーザー発生部14で生成されたレーザーが光ファイバーを介してハンドピース20に伝達され、伝達されたレーザーはチップ30を通じて患者に照射される、S16。
【0077】
この時、患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器14-1で生成された720nmから780nmの波長のレーザーと、第2レーザー発生器14-2で生成された955nmから1100nmの波長のレーザーを同時に照射する。本発明では、第1レーザー発生器14-1で生成されるレーザーは755nm波長のレーザーであることが好ましく、第2レーザー発生器14-2で生成されるレーザーは1064nm波長のレーザーであることが好ましいが、これに限定されない。
【0078】
前記患者に照射されるレーザーは、前記第1レーザー発生器14-1で生成された720nm乃至780nm波長のレーザーと、第2レーザー発生器14-2で生成された955nm乃至1100nm波長のレーザーを同時乃至200msの時間差をおいて照射することができ、これに限定されない。
【0079】
このとき、ハンドピース20は、チップ30にレーザーを照射する前に、補正レンズ26で分散したレーザービームを平行化する。
【0080】
レーザーを先端部30から患者に照射する段階S16の後、本体10の冷却部18から冷却ガスをハンドピース20のノズル23に照射する、S17。
【0081】
冷却ガスをハンドピース20のノズル23に照射する段階、S17の後、ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する、S18。
【0082】
ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたか否かを判断する段階S18で、レーザー出力信号が入力されたと判断されると、ディスプレイ部12と制御部13の制御によりレーザー発生部14が動作してレーザーを生成する段階S12に戻る、S19。
【0083】
ハンドピース20の制御コントローラ24からレーザー出力信号が入力されたかどうかを判断する段階S18で、レーザー出力信号が入力されない場合は、レーザー出力を終了する。このとき、装置の電源が完全に終了するのではなく、本体10の第1電源部11から電源を稼働させ、ハンドピース20の第2電源部21に電力を供給する段階S10で待機することを特徴とする。
【0084】
前記本体10の冷却部18から冷却ガスをハンドピース20のノズル23に照射する段階でS17、まず、本体10の冷却部18のガス缶カバー181にガス缶を結合する、S20。
【0085】
ガス缶が結合されS20、第1圧力センサ18-2でガス缶の結合がセンシングされると、第1開閉バルブ18-3が開き、ガスがチャンバー18-4の第1レベルセンサ18-5まで充填され、第1レベルセンサ18-5でセンシング値がセンシングされると、第1開閉バルブ18-3を閉じる、S21。この時、ハンドピース20の第3開閉バルブ22と接続されている第2ホースから第1レベルセンサ18-5までガスが充填される。
【0086】
次に、本体10の制御部13は、患者にレーザーが照射されたかどうかを判断する、S22。
【0087】
前記患者にレーザーが照射されたか否かを判断する段階S22で、レーザーが照射されたと判断されると、ハンドピース20の第3開閉バルブ22が開き、ノズル23からガスを患者に照射する、S23。
【0088】
これにより、レーザーを患者の皮膚に照射すると、発生する熱を冷却ガスで冷却して火傷を防ぐことができ、痛みを和らげる効果がある。
【0089】
前記ハンドピース20の第3開閉バルブ22が開き、ノズル23を通じてガスを患者に照射する段階S23の後、第1圧力センサ18-2と第2圧力センサ18-9の値に変化量がないかを判断する、S30。
【0090】
前記第1圧力センサ18-2と第2圧力センサ18-9の値に変化量がないかを判断する段階S30で、変化量がないと判断した場合、ガス缶の内部ガスが全て消耗したと判断しS31、チャンバー18-4の第2開閉バルブ18-7を開き、排出口18-8を開いてチャンバー内の気圧を外部気圧と合わせる、S32。
【0091】
前記ハンドピース20の第3開閉バルブ22が開き、ノズル23を通じてガスを患者に照射する段階S23以降、第1圧力センサ18-2の値が減少するか判断する、S40。
【0092】
前記第1圧力センサ18-2の値が減少するかどうかを判断する段階S40で、第1圧力センサ18-2の値が減少すると判断すると、ガス缶カバー18-1の熱線をオンにしてガス缶内部の圧力を上げる、S41。
【0093】
前記ハンドピース20の第3開閉バルブ22が開き、ノズル23を通じてガスを患者に照射する段階S23の後、第2レベルセンサ18-6でセンシング値があるかどうかを判断する、S50。
【0094】
前記第2レベルセンサ18-6でセンシング値があるか判断する段階S50で、第2レベルセンサ18-6でセンシング値があると判断した場合、第1開閉バルブ18-3が開き、第1レベルセンサ18-5でセンシング値が検出されるまでガスを充填する、S51。
【0095】
前記第1圧力センサ18-2と第2圧力センサ18-9の値に変化量がないか判断する段階S30、第1圧力センサ18-2の値が減少するか判断する段階S40及び第2レベルセンサ18-6でセンシング値があるか判断する段階S50は、本体10の第1電源部11で電源を稼働し、ハンドピース20の第2電源部21に電力を伝達する段階S10の後に継続して実行することを特徴とする。
【0096】
これにより、本体10内部の圧力が外部の圧力より高くなることを防止し、ガス缶の爆発やガス注入の誤りを防ぐことができる効果がある。また、冷却部内部に冷却ガスを継続的に充填し、施術を中断するなどの不都合を未然に防止する効果がある。
【0097】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲に定義されている本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0098】
10 本体
11 第1電源部
12 ディスプレイ部
13 制御部
14 レーザー発生部
15 温度調節部
18 冷却部
20 ハンドピース
21 ハウジング
22 第2電源部
23 第3開閉バルブ
24 ノズル
25 制御コントローラ
26 補正レンズ
30 ヒント
31 ハウジング
32 着脱部材
33 レンズ部
34 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7