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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098459
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】走行可能範囲取得システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250625BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20250625BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20250625BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250625BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250625BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/0969
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214596
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】道田 敏史
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
2F129BB22
2F129CC16
2F129DD40
2F129DD44
2F129DD46
2F129DD47
2F129DD49
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE88
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH12
5H125AA01
5H125AC12
5H125CA18
5H125DD01
5H125EE51
5H125EE55
5H125EE61
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
5H181MC12
(57)【要約】
【課題】走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高める技術の提供。
【解決手段】車両の現在地を取得する現在地取得部と、前記車両の残エネルギー量を取得する残エネルギー量取得部と、前記車両が現在地から走行する場合に、前記車両が減速することが推定される減速要因を有する減速地点を地図情報に基づいて取得する減速地点取得部と、前記減速要因のために前記減速地点で前記車両が減速し再加速して走行する場合に、前記残エネルギー量で、前記車両が現在地から走行可能な走行可能範囲を推定する範囲推定部と、を備える走行可能範囲取得システムを構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在地を取得する現在地取得部と、
前記車両の残エネルギー量を取得する残エネルギー量取得部と、
前記車両が現在地から走行する場合に、前記車両が減速することが推定される減速要因を有する減速地点を地図情報に基づいて取得する減速地点取得部と、
前記減速要因のために前記減速地点で前記車両が減速し再加速して走行する場合に、前記残エネルギー量で、前記車両が現在地から走行可能な走行可能範囲を推定する範囲推定部と、
を備える走行可能範囲取得システム。
【請求項2】
前記減速地点は、一時停止地点、信号機のある直進交差点、右左折を要する交差点、カーブ区間の地点の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の走行可能範囲取得システム。
【請求項3】
前記範囲推定部は、前記車両の走行予定経路に基づいて、前記減速地点としての信号機のある直進交差点それぞれの通過予想時刻を算出し、前記通過予想時刻における信号機のある直進交差点での停止割合に応じた減速回数を算出し、前記減速回数だけ減速し再加速して走行することを含む場合の前記走行可能範囲を推定する、
請求項1または請求項2に記載の走行可能範囲取得システム。
【請求項4】
前記直進交差点での信号機による停止割合はプローブデータに基づいて取得され、
前記プローブデータに基づく停止割合が取得できない場合は、前記走行予定経路と前記直進交差点で交差する交差道路の道路規模と、前記直進交差点における前記走行予定経路の道路規模との比較結果に基づいて停止割合が取得され、
前記走行予定経路の道路規模が前記交差道路の道路規模より小さい場合は、大きい場合よりも、停止割合が大きい、
請求項3に記載の走行可能範囲取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能範囲取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動車両の航続可能距離を算出するための様々な手法が提案されている。特許文献1には、車両の電費と残電力量に基づいて車両の航続可能距離を算出するにあたり、車両の走行状態が降坂路走行状態及び非降坂路走行状態のいずれであるかを判定し、車両が降坂路走行状態である場合に、電費の良化を制限することが記載されている。特許文献2には、移動体の走行時に使用する機器(空調等)の消費エネルギーに応じて航続可能範囲を変化させる手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-109081号公報
【特許文献2】特開2018-066759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両が走行可能な範囲を推定する際に、従来は、車両が減速したり一時停止したりすることについて考慮されていなかった。同じ区間を減速せずに一定車速で走行する場合と、減速し再加速して走行する場合とでは、消費電力量は異なる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高める技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、走行可能範囲取得システムは、車両の現在地を取得する現在地取得部と、車両の残エネルギー量を取得する残エネルギー量取得部と、車両が現在地から走行する場合に、車両が減速することが推定される減速要因を有する減速地点を地図情報に基づいて取得する減速地点取得部と、減速要因のために減速地点で車両が減速し再加速して走行する場合に、残エネルギー量で、車両が現在地から走行可能な走行可能範囲を推定する範囲推定部と、を備える。
【0006】
減速地点で減速要因のために減速し再加速して走行する場合、減速地点で減速せずに定速で走行する場合よりも余分にエネルギーを消費する。走行可能範囲取得システムは、減速地点で減速要因のために減速し再加速して走行することを考慮して走行可能範囲を推定するため、減速を考慮しない場合と比較して、走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】走行可能範囲取得システムの構成を示すブロック図。
図2図2Aは減速して再加速する場合に余分に消費される電力量を説明する図、図2Bは減速要因に応じた余分消費電力量の例を示す図。
図3図3は、信号機のある直進交差点の停止割合の例を説明する図。
図4図4Aおよび図4Bは走行可能範囲の表示例を示す図。
図5図5Aは走行予定範囲取得処理のフローチャート、図5Bは減速要因による消費電力量の取得処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)走行可能範囲取得システムの構成:
(2)走行可能範囲取得処理:
(3)他の実施形態:
【0009】
(1)走行可能範囲取得システムの構成:
図1は、車両に搭載された走行可能範囲取得システム10の構成を示すブロック図である。この走行可能範囲取得システム10は、車両の現在の残エネルギー量で走行することが可能な走行可能範囲(本実施形態においては、目的地までの走行予定経路上で走行可能な範囲)を取得しユーザI/F部45の表示部等に表示させるシステムである。本実施形態において、走行可能範囲取得システム10は、車両に搭載され、ナビゲーションシステムによって実現される。本実施形態に係る車両は、充電可能な蓄電池であるバッテリ52を搭載しており、バッテリ52が蓄積している電力をモータ51に供給して駆動する電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)である。すなわち図1に示す走行可能範囲取得システム10は、バッテリ52の現在の残電力量で走行することが可能である走行可能範囲を取得する。
【0010】
走行可能範囲取得システム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20、および、記録媒体30を備えている。制御部20は、ROM等に記憶された走行可能範囲取得プログラム21を実行することができる。
【0011】
記録媒体30には、地図情報30aが記録される。本実施形態において、地図情報30aは、ノードデータとリンクデータと形状補間点データと施設データとを含む。ノードデータは、交差点の位置を示すデータである。ノードデータには信号機の有無を示す情報が含まれる。ノードがIC(インターチェンジ)やJCT(ジャンクション)に該当する場合は、当該ノードのノードデータにはICやJCTの識別情報が含まれる。リンクデータは、道路区間を示し、道路区間の端点に相当するノードに対応付けられている。すなわち、リンクデータはノード同士を接続するリンクを示している。本実施形態において、リンクデータには、リンクデータが示す道路区間の道路属性を示す情報が含まれている。道路属性には、道路種別、例えば、高速道路、自動車専用道路、国道や県道、細街路等を示す情報が含まれる。制御部20は道路種別により道路規模を特定する。以降では、法定最高速度が閾値より大きい道路種別の道路を高速道路、閾値以下の道路種別を一般道路と呼ぶ。また、リンクデータには、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置を示す形状補間点データが対応付けられている。制御部20は、形状補間点データに基づいて道路区間に曲率半径が既定値以下のカーブ区間が含まれているか否かを判断することができる。止まれ標識や踏切等、各種道路地物が道路区間に設置されている場合、当該道路区間のリンクデータには、設置されている道路地物の位置と種別を示す情報が含まれている。また、リンクデータには、道路区間における道路勾配、距離を示す情報が含まれている。
【0012】
施設データは、道路の周辺等に存在する施設の名称や位置や属性を示す。本実施形態における施設には、目的地になり得る各種の施設が含まれる。例えば、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)等の休憩所や、店舗、商業施設、公共施設、充電施設等の名称、位置、属性等が施設データとして定義されている。
【0013】
本実施形態における車両は、GNSS受信部41と、車速センサ42と、ジャイロセンサ43と、通信部44と、ユーザI/F部45と、車両を制御する車両制御ECU50と、モータ51と、バッテリ52と、を備えている。
【0014】
GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部41は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、車両の位置を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の位置を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。
【0015】
ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌道を特定するために利用される。本実施形態においては、制御部20は、車両の出発地と走行軌道とに基づいて車両の位置を特定し、出発地と走行軌道とに基づいて特定された車両の現在位置をGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正する。また、制御部20は、車両の位置の軌跡と、地図情報30aと、に基づいてマップマッチング処理を行い、道路上の車両の位置を特定する。
【0016】
また、本実施形態における車両は、図示しない計時部と外気温センサを備えている。制御部20は、計時部の出力により現在時刻を取得する。計時部は、GNSS受信部41の出力に応じて現在時刻を補正する。また、制御部20は外気温センサの出力に基づいて外気温を取得する。
【0017】
通信部44は、他の装置と通信を行うための装置である。本実施形態において、制御部20は、通信部44を介して、サーバ100と通信する。サーバ100は、通信部140と制御部120と記録媒体130と通信部140を備える。サーバ100の記録媒体130には地図情報30aと同様の構成の地図情報(不図示)が記録されている。また、記録媒体130にはプローブデータ130aが蓄積されている。プローブデータ130aには、車両ID、日時、車両の位置、車速、加速度が含まれる。車両IDは、プローブ車両の識別情報である。日時は、それぞれ車両の位置・車速・加速度が得られた日時である。プローブ車両は予め決められた距離を走行する毎に、日時・位置・車速・加速度を取得して車載の記録媒体に記録しておき、予め決められたアップロードのタイミングで自車の車両IDとともにプローブデータ130aとしてサーバ100に送信するように構成されている。サーバ100は、複数のプローブ車両から送信されたプローブデータ130aを、通信部140を介して受信し、記録媒体130に記録する。
【0018】
サーバ100の制御部120は、記録媒体130に記録されたプローブデータ130aを車両ID毎に分析し、プローブ車両の走行経路と、その走行経路に含まれる信号交差点を地図情報に基づいて特定する。制御部120は、信号交差点の前後のプローブデータの時刻の間隔や、車速や加速度に基づいて信号交差点でプローブ車両が停止したか否かを判定する。制御部120は、プローブ車両が当該信号交差点に進入した進入方向、及び、当該信号交差点を退出する退出方向の組み合わせと、停止の有無と、当該信号交差点の通過日時と、を当該信号交差点に対応付けて記録する。さらに制御部120は、曜日や時間帯、進入方向および退出方向の組み合わせ毎に、停止したプローブ車両の台数と停止せずに走行したプローブ車両の台数とを集計し、曜日や時間帯、進入方向および退出方向の組み合わせ毎の各信号交差点の停止割合を算出し、停止割合データ130bとして記録媒体130に記録する。
【0019】
サーバ100の制御部120は、走行可能範囲取得システム10から、指定された曜日時間帯、信号交差点、進入方向および退出方向の組み合わせ、に対応する停止割合の要求を受け付けると、それらに対応する停止割合を停止割合データ130bから取得し、走行可能範囲取得システム10に送信するように構成されている。
【0020】
ユーザI/F部45は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル方式のディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカー等の出力部を備えている。本実施形態においては、制御部20により推定された走行可能範囲がユーザI/F部45の表示部に表示される。
【0021】
バッテリ52は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池、または、キャパシタなどにより構成された高電圧の蓄電装置であり、充電施設において充電が可能である。バッテリ52は駆動力源であるモータ51に電気的に接続され、当該バッテリ52からモータ51に電力を供給することにより車両を駆動させる。なお、バッテリ52には、図示しないセンサが取り付けられており、当該センサはバッテリの充電残量を示す情報を出力する。当該センサの出力に基づいて、車両制御ECU50は、定期的にバッテリ52のSOC(State Of Charge)を推定する。制御部20は、車両制御ECU50からSOCを取得し、バッテリ52の残電力量を推定する。
【0022】
モータ51は、例えば、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されており、図示しない車両の駆動輪に動力伝達可能に連結されている。モータ51は、少なくとも電力が供給されることにより駆動されてトルクを出力する電動機としての機能を有する。また、モータ51は外部からトルクを受けて駆動されることによって電力を発生する発電機としての機能を有する。すなわち、モータ51は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータである。モータ51は、上述のようにバッテリ52に電気的に接続されている。したがって、バッテリ52に蓄えられている電力をモータ51に供給し、モータ51を電動機として機能させて、駆動トルクを出力することができる。また、駆動輪から伝達されるトルクによってモータ51を発電機として機能させて、その際に発生する回生電力をバッテリ52に蓄えることもできる。なお、モータ51は、車両制御ECU50によって出力回転数や出力トルクが電気的に制御される。
【0023】
車両制御ECU50は、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置であり、本実施形態においては、主に、モータ51を制御する。具体的には、車両制御ECU50は、モータ51に対して制御信号を出力可能であり、当該モータ51に対して制御信号を出力することでモータ51を動作し車両を駆動させる。また、車両を走行させる際の回転方向と反対方向にモータ51を回転させることが可能であり、この回転によって発生する回生電力はバッテリ52に充電される。すなわち、車両制御ECU50が出力する制御信号によってモータ51による充電や放電の切り替えが制御され回生電力が回収される。
【0024】
制御部20は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして、走行可能範囲取得プログラム21を実行可能である。上述のように、走行可能範囲取得システム10は、ナビゲーションシステムによって実現されるため、制御部20は、ROM等に記録された図示しないナビゲーションプログラムも実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ユーザI/F部45の表示部に車両の現在地が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムである。
【0025】
上述の走行可能範囲取得プログラム21が実行されると、制御部20は、現在地取得部21a、残エネルギー量取得部21b、減速地点取得部21c、および、範囲推定部21dとして機能する。制御部20は、現在地取得部21aの機能により、GNSS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力情報に基づいて車両の現在地を取得する。残エネルギー量取得部21bの機能により、制御部20は、車両の残エネルギー量を取得する。すなわち、制御部20は、車両制御ECU50からバッテリ52のSOCを取得し、SOCに基づいてバッテリ52の残電力量を推定する。
【0026】
減速地点取得部21cの機能により、制御部20は、車両が現在地から走行する場合に、車両が減速することが推定される減速要因を有する減速地点を地図情報30aに基づいて取得する。本実施形態においては、利用者が目的地を入力すると、制御部20は現在地から目的地までの経路探索を行う。探索によって得られた経路を走行予定経路と呼ぶ。制御部20は、走行予定経路における減速地点を取得する。
【0027】
制御部20は、減速地点として、一時停止地点、信号機のある直進交差点、右左折を要する交差点、カーブ区間の地点が走行予定経路に含まれているか否かを判定し、含まれている場合はその減速地点の位置と当該減速地点の減速要因を取得する。
【0028】
具体的には例えば、制御部20は走行予定経路を構成するノードのノードデータやリンクのリンクデータ、経由地の施設データを参照し、走行予定経路に止まれ標識、踏切、高速道路のIC、立ち寄り地点等のように、停止または停止に近い車速まで減速すると見なす地点が含まれているか否かを判定する。これらの地点が含まれている場合、制御部20は減速要因が一時停止である減速地点として、これらを取得する。立ち寄り地点は例えば、高速道路のSAやPA等である。利用者が経路探索に際してSAやPAに立ち寄ることを指定した場合、走行予定経路にSAやPAが経由地として含まれている。
【0029】
また、制御部20は、走行予定経路を構成する各ノードの進入方向と退出方向に基づいて走行予定経路における直進交差点を抽出し、抽出した直進交差点のノードデータを参照して信号機が存在する交差点を、信号機のある直進交差点とみなす。走行予定経路に信号機のある直進交差点が含まれている場合、制御部20は、当該信号機のある直進交差点を減速地点として取得する。また、制御部20は、車両の走行予定経路に基づいて、信号機のある直進交差点の通過予想時刻を取得する。具体的に、制御部20は、現在時刻に、走行予定経路の始点からの各リンクの旅行時間を加算していき、該当の信号機のある直進交差点の通過予想時刻を算出する。旅行時間は、各リンクの旅行速度と距離から算出される。旅行速度はリンクの道路種別に応じた値が採用される(時間帯や天候、渋滞情報、規制情報等によって可変であってもよい)。
【0030】
また、制御部20は、走行予定経路を構成する各ノードの進入方向と退出方向に基づいて走行予定経路における右折交差点または左折交差点の有無を判定する。走行予定経路に車両が右折または左折する交差点が含まれる場合、制御部20は、これらの地点を、右左折を要する交差点として取得する。制御部20は、右左折を要する交差点は信号機の有無に関わらず、減速する地点であると見なす。
【0031】
また、制御部20は、走行予定経路を構成する各リンクに形状補間点データが対応付けられている場合、形状補間点データに基づいてリンク内のカーブ区間の曲率半径を算出する。走行予定経路に曲率半径が既定値(例えばR50)以下のカーブ区間が含まれる場合、制御部20は当該カーブ区間の地点(例えば始点)を減速地点として取得する。なお、走行予定経路に高速道路のJCTが含まれる場合、制御部20は当該JCTも減速要因がカーブ区間の減速地点として取得する。
このように、走行予定経路上の一時停止地点や、信号機のある直進交差点、右左折交差点、カーブ区間の有無を判定し、これらの減速地点で減速することを考慮することで、後述する走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高めることができる。
【0032】
範囲推定部21dの機能により、制御部20は、車両が現在地から走行可能な走行可能範囲を推定する。本実施形態においては、車速と勾配に応じた車両の単位時間当たりの消費電力量のテーブル(第1テーブルと呼ぶ)が記録媒体30に記録されている(不図示)。第1テーブルに保存された値は車両の走行履歴に基づいて生成、あるいは更新されるものであってもよい。制御部20は、走行予定経路の始点側から順に、走行予定経路を構成する道路区間の長さと勾配と旅行速度を地図情報30aに基づいて取得する。道路区間は、リンクの区間である。道路区間は勾配の変化地点で1つのリンクを分割した場合の各区間であってもよい。制御部20は、道路区間の旅行速度と長さから道路区間の旅行時間を算出する。そして、制御部20は、道路区間の旅行速度と勾配に応じて第1テーブルから取得した単位時間あたりの消費電力量と、道路区間の旅行時間とに応じて、走行予定経路を構成する道路区間毎に移動に要する消費電力量(移動消費電力量)を算出する。
【0033】
さらに本実施形態においては、外気温に応じた、空調機の単位時間あたりの消費電力量のテーブル(第2テーブルと呼ぶ)が記録媒体30に記録されている(不図示)。第2テーブルに保存された値は、車両における利用者の空調機の使用履歴と外気温に基づいて生成あるいは更新されるものであってもよい。なお、空調機が統計的に使用されないことが多い外気温に対応する空調機の単位時間あたりの消費電力量は0である。制御部20は、外気温センサから外気温を取得する。制御部20は、外気温に応じて第2テーブルから取得した単位時間あたりの消費電力量と、各道路区間の旅行時間とに応じて、走行予定経路を構成する道路区間毎に、空調機に要する消費電力量(空調消費電力量)を算出する。
【0034】
さらに、制御部20は、減速要因のために減速地点で車両が減速し再加速して走行する場合に、減速地点で減速せずに定速で走行する場合よりも余分に消費する電力量(減速消費電力量)を算出する。図2Aは、速度V1で距離Dを定速走行した場合の消費電力量(a)と、距離Dの区間を速度V1での走行から速度V2(<V1)まで所定の加速度で減速し再度速度V1まで所定の加速度で加速する場合の消費電力量(b)の関係を説明する図である。図2Bに示すように、(b)の方が(a)よりも余分に電力を消費する。
【0035】
図2Bは、1回の減速・再加速で、想定される旅行速度による定速走行より余分に消費すると見なす電力量の一例を減速要因別に示した図である。リンクの旅行速度V1は、道路種別の他に、時間帯や天候、渋滞情報、規制情報等によっても異なり得るため、減速要因毎に、各旅行速度V1と余分消費電力量の対応関係を示したテーブルが準備され、走行予定経路の減速地点を通過する際の推定旅行速度V1に応じたテーブルが参照され余分消費電力量が取得される。なお減速後の速度V2も時間帯や天候等に応じて異なりうるため、減速要因と、旅行速度V1と、減速後の速度V2に応じた余分消費電力量のテーブルが準備され、減速地点を通過する際の推定旅行速度V1と推定減速後速度V2に応じたテーブルが参照され余分消費電力量が取得されてもよい。なお図2Bに示した値はあくまで一例であり車種やその他の条件に応じて適宜変更される。図2Bに示すように制御部20は例えば、一般道路の交差点(信号機の有無に関わらない)での右折または左折を1回行うと、右折または左折の前に減速し、その後再加速することにより、一般道路の旅行速度で同じ距離を走行する場合と比較すると例えば23Wh余分に電力量を消費すると見積もる。制御部20は、一般道路の止まれ標識や踏切等の一時停止要する地点では、減速、停止、発進、加速することで、1回につき例えば30Whの電力量を一般道路の旅行速度で定速で走行する場合よりも余分に消費すると見積もる。
【0036】
高速道路のIC(入口)やSAやPAでは、車両は停止あるいは停止に近い速度まで減速し、その後加速することから、制御部20は、高速道路の旅行速度で減速せずに走行する場合と比較して1回につき例えば60Wh余分に電力量を消費すると見積もる。なお高速道路のIC(出口)の余分消費電力量は一般道路の止まれ標識、踏切の場合と同程度と見なして良い。高速道路のJCTは、カーブ区間の前に減速しカーブ区間後に再度加速することが想定されるため、制御部20は、高速道路の旅行速度で減速せずに走行する場合と比較して1回につき例えば15Wh余分に電力量を消費すると見積もる。
【0037】
一般道路の曲率半径が既定値以下のカーブ区間では、高速道路のJCTの場合と同様にカーブ区間の前に減速しカーブ区間後に再度加速することが想定されるが旅行速度や減速後の速度との差分の想定が高速道路のJCTと異なるため、制御部20は、一般道路の旅行速度で減速せずに走行する場合と比較して1回につき例えば23Wh余分に電力量を消費すると見積もる。
【0038】
一般道路における信号機のある交差点を直進する場面では、信号機の標示によって、停止をせずに一般道路の旅行速度で走行できる場合と、交差点前で停止しその後加速する場合がある。一般道路の信号機のある直進交差点で停止する場合は、制御部20は停止せずに走行する場合と比較して1回につき例えば30Wh余分に電力量を消費すると見積もる(止まれ標識や踏切の場合と同程度)。
【0039】
なお、信号機のある直進交差点については、制御部20は、通過予想時刻における直進交差点での停止割合をそれぞれ取得し、取得した各直進交差点の停止割合に応じた減速回数を算出する。そして、制御部20は、減速回数だけ減速し再加速して走行することを含む場合の走行可能範囲を推定する。
【0040】
図3は、黒い太線で示す走行予定経路上の信号機のある直進交差点I1,I2,I3の8時から12時の時間帯の停止割合の例を示している。この例ではI1,I2,I3の停止割合はそれぞれ、30%、60%、80%である。この場合、制御部20は、直進交差点I1で0.3回、直進交差点I2で0.6回、直進交差点I3で0.8回停止すると見なす。従って例えば直進交差点I1での余分消費電力量を、制御部20は、30Wh×0.3回で9Whと見なす。このように、通過予想時刻に応じた停止割合を用いることで、走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高めることができる。
【0041】
なお、直進交差点での信号機による停止割合は、上述したようにサーバ100においてプローブデータ130aに基づいて取得され、制御部20は、サーバ100から該当の交差点の停止割合を取得する。プローブデータに基づく停止割合が取得できない場合は、制御部20は、走行予定経路と直進交差点で交差する交差道路の道路規模と、直進交差点における走行予定経路の道路規模との比較結果に基づいて停止割合を取得する。制御部20は走行予定経路のリンクの道路種別や交差道路のリンクの道路種別からそれぞれの道路の道路規模を特定する。制御部20は、走行予定経路の道路規模が交差道路の道路規模より小さい場合は、大きい場合よりも、停止割合として大きな値を採用する。このように、プローブデータや道路規模の比較結果を用いることで、停止割合の精度を高めることができ、その結果、走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高めることができる。
【0042】
このようにして、制御部20は、走行予定経路の勾配や旅行速度に応じた消費電力量(移動消費電力量)と、走行予定経路を走行する際の空調機の稼働状況に応じた消費電力量(空調消費電力量)を算出して合算し、さらに、減速要因のために減速地点で車両が減速し再加速して走行する場合に減速地点で減速せずに定速で走行する場合より余分に消費すると見なす電力量(減速消費電力量)を加算して、走行予定経路の消費電力量を算出する。
【0043】
そして、制御部20は、残エネルギー量で、車両が現在地から走行可能な走行可能範囲を推定する。本実施形態において制御部20は、道路区間毎に、移動消費電力量、空調消費電力量、減速消費電力量の和を算出し、走行予定経路の始点側から累積していき、バッテリ52の残電力量(あるいは残電力量の所定(100未満)%でもよい)に到達する道路区間を特定する。そして、現在地から当該道路区間までを走行可能範囲として利用者に案内する。走行可能範囲内の走行予定経路の周囲の所定幅の領域内にある充電施設を検索し、走行予定経路の始点から最も遠い充電施設を提案するように構成されてもよい。図4Aは車両の現在地から目的地までの走行予定経路の全体を案内する画面の一例である。図4Aに示すように、走行予定経路の色をバッテリ52の残電力量の推移を表現したグラデーション(残電力量が多いほど濃いグレー)で表示してもよい。また、図4Aの番号に示すように、充電を提案する地点を案内してもよい。図4Aの例では、1番が走行予定経路における1回目の充電地点、2番が2回目の充電地点を示している。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、走行可能範囲取得システムは、減速地点で減速要因のために減速し再加速して走行することを考慮して走行可能範囲を推定するため、減速を考慮しない場合と比較して、走行可能範囲の推定精度が向上する可能性を高めることができる。
【0045】
(2)走行予定範囲取得処理:
次に、制御部20が実行する走行予定範囲取得処理を、図5Aを参照しながら説明する。走行可能範囲取得処理は、利用者が目的地を設定した場合に実行される。走行予定範囲取得処理が開始されると、制御部20は、走行予定経路を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は現在地取得部21aの機能により、GNSS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力と地図情報30aに基づいて、車両の現在地を取得し、現在地から目的地までの経路を探索し、走行予定経路を取得する。
【0046】
続いて、制御部20は、範囲推定部21dの機能により、距離、車速、勾配を考慮した、車両の移動に要する消費電力量を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、第1テーブルを参照し、走行予定経路を構成する道路区間毎に、道路区間の距離、旅行速度、勾配に応じた移動消費電力量を算出する。
【0047】
続いて、制御部20は、範囲推定部21dの機能により、空調機の消費電力量を取得する(ステップS110)。すなわち制御部20は、第2テーブルを参照し、道路区間毎に、外気温に応じた空調消費電力量を算出する。
【0048】
続いて、制御部20は、範囲推定部21dの機能により、減速要因による消費電力量を取得する(ステップS115)。図5Bは、具体的な処理内容を示すフローチャートである。ステップS200~S220は、走行予定経路に含まれる、減速要因を有する減速地点を取得する処理である。ステップS200では制御部20は、走行予定経路に一般道路が含まれる場合であって走行予定経路の一般道路において右折または左折する交差点がある場合に当該交差点を、減速要因が右左折の減速地点として取得する。ステップS205では、制御部20は、走行予定経路に一般道路が含まれる場合であって、走行予定経路の一般道路において止まれの標識がある地点や踏切地点が含まれる場合に当該地点を減速要因が止まれ標識、踏切である減速地点として取得する。
【0049】
ステップS210では、制御部20は、走行予定経路に高速道路が含まれる場合であって通過することが予定されているICや立ち寄ることが予定されているSA・PAが含まれる場合に、それらの地点を減速要因がIC・SA・PAの減速地点として取得する。また、制御部20は、走行予定経路に高速道路のJCTが含まれる場合、その地点を減速要因がJCTの減速地点として取得する。
【0050】
ステップS215では、制御部20は、走行予定経路に信号機のある直進交差点が含まれる場合に、当該交差点を減速要因が信号機のある直進交差点である減速地点として取得する。ステップS220では、制御部20は、曲率半径が既定値以下のカーブ区間が存在する場合に、当該カーブ区間の地点を、減速要因が既定値以下の曲率半径のカーブ区間である減速地点として取得する。
【0051】
ステップS225では、制御部20は、各道路区間について、減速要因に応じた消費電力量(減速消費電力量)を算出する。すなわち、制御部20は、道路区間にステップS200~S220で取得した減速地点が存在する場合は、その減速地点の減速要因に応じた余分消費電力量(図2Bを参照)を用いて道路区間における減速要因による余分消費電力量を算出する。なお、道路区間に信号機のある直進交差点が含まれる場合は、制御部20は、上述した停止割合を1回あたりの消費電力量に乗じて算出する。制御部20は、プローブデータ130aに基づいて算出された停止割合データ130bが存在する場合はその値を停止割合として採用し、存在しない場合は走行予定経路の道路規模と交差道路の道路規模の比較結果に応じた停止割合を採用する。
【0052】
ステップS115で以上のようにして減速要因による消費電力量を取得した後、制御部20は、走行可能範囲を推定する(ステップS120)。制御部20は、残エネルギー量取得部21bの機能により、車両制御ECU50からSOCを取得し、SOCに基づいて残電力量を推定する。制御部20は、範囲推定部21dの機能により、走行予定経路の始点側から、道路区間毎に移動消費電力量と空調消費電力量と減速消費電力量の和を累積していく。制御部20は、累積値が、残電力量(残電力量の所定(100未満)%でもよい)に達する道路区間を特定し、制御部20は走行予定経路の始点から当該道路区間までの区間が走行可能範囲であると推定する。そして、制御部20は、図4Aに示すような、走行予定経路の表示に際して、残電力量で走行可能な範囲を表示する。
【0053】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行可能範囲取得システム10は、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現される装置であっても良い。
【0054】
走行可能範囲取得システムを構成する現在地取得部21a、残エネルギー量取得部21b、減速地点取得部21c、範囲推定部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、減速地点取得部21cや範囲推定部21dの機能がサーバで実現されてもよい。すなわち減速地点の取得や走行可能範囲の推定の処理がサーバで行われ、ユーザI/F部を有するクライアントに結果が通知されるように構成されてもよい。上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0055】
車両を駆動するエネルギー源は電力に限定されない。ガソリンを含む様々なエネルギー源によって走行する車両において、走行可能範囲取得システムの手法は適用可能である。
【0056】
さらに、上記実施形態は、目的地までの走行予定経路における走行可能範囲を推定する態様であったが、目的地が設定されていない状態で現在地から走行可能な範囲を推定するように構成されてもよい。例えば、制御部20は、現在地を基準として複数の方角に複数の仮想目的地を設定し、現在地から仮想目的地までの仮想経路をそれぞれ探索して取得する。制御部20は、それらの仮想経路上での減速要因を有する減速地点を取得する。制御部20は上記実施形態と同様に、各仮想経路について、移動消費電力量と空調機消費電力量と減速要因消費電力量と、残エネルギー量とに基づいて、車両が到達可能な地点を取得する。制御部20は、図4Bに示すように、各仮想経路の到達可能地点を結んで形成される領域を、走行可能範囲として利用者に案内するように構成されてもよい。
【0057】
上記実施形態においては、プローブデータ130aに基づいて停止割合を算出する処理をサーバ100にて行う例を説明したが、プローブデータ130aをサーバ100から取得し走行可能範囲取得システム10がプローブデータ130aに基づいて直進する信号交差点における停止割合を算出するように構成されてもよい。
【0058】
走行予定経路上の右左折交差点について、交差点前の走行予定経路と交差点後の走行予定経路との交差角度に応じて余分消費電力量を見積もるように構成されてもよい。例えば、車両の交差角度(鋭角)が小さいほど、低速まで減速すると見なし、その後に加速した場合の消費電力量は交差角度が小さいほど大きい値としてもよい。
【0059】
曲率半径の大きさに応じてカーブ区間の余分消費電力量が見積もられても良い。例えば、曲率半径に応じたカーブ区間の推奨車速を取得し、カーブ区間を含む道路の道路種別等に応じた旅行速度との差分を算出し、カーブ区間で旅行速度から推奨車速まで減速して走行して再度旅行速度まで加速する場合に、旅行速度で減速せずに直進して走行する場合より余分に消費する消費電力量を導出するようにしてもよい。
【0060】
減速地点が閾値以内に複数存在する場合はそれらをまとめて1つの減速地点と見なしても良い。例えば信号機のある2つの直進交差点間の距離が閾値以内である場合は、閾値以内にある複数の当該直進交差点を1つの直進交差点と見なし、停止割合(例えば複数の当該直進交差点のうち最初に通過する交差点の停止割合)を取得するようにしてもよい。
【0061】
上記実施形態においては、空調機の消費電力量を加味して走行可能範囲を推定する構成であったが空調機以外の電力消費装置の消費電力量も考慮してよい。例えば、時間帯や天候、トンネル区間の有無に応じてヘッドライト、ワイパーが稼働しうる。ヘッドライトやワイパーの稼働の有無に応じて消費電力量も変化するため、ヘッドライトやワイパーの稼働の有無に応じた消費電力量を加味して走行可能範囲を推定してもよい。
【0062】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0063】
10…走行可能範囲取得システム、20…制御部、21…走行可能範囲取得プログラム、21a…現在地取得部、21b…残エネルギー量取得部、21c…減速地点取得部、21d…範囲推定部、30…記録媒体、30a…地図情報、41…GNSS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…通信部、45…ユーザI/F部、50…車両制御ECU、51…モータ、52…バッテリ、100…サーバ、120…制御部、130…記録媒体、130a…プローブデータ、130b…停止割合データ、140…通信部、I1,I2,I3…信号機のある直進交差点
図1
図2
図3
図4
図5