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特開2025-9848光学フィルム、およびバックライトユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009848
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】光学フィルム、およびバックライトユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/04 20060101AFI20250109BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G02B5/04 A
G02F1/13357
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077538
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0083671
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0061475
(32)【優先日】2024-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509179087
【氏名又は名称】エルエムエス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LMS Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョヌク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ビョンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドンキュ
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
【Fターム(参考)】
2H042CA01
2H042CA17
2H391AA15
2H391AB02
2H391AB03
2H391AB40
2H391AC13
2H391AC25
2H391AC26
2H391AC53
2H391EA02
2H391EA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光学フィルムおよびバックライトユニットを提供する。
【解決手段】光学フィルムは、第1のベース部、第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含む第1のシート、第2のベース部、第2のベース部の第1の面に、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層、及び第2のベース部の第2の面に形成された第1の拡散層を含み、及び第3のベース部の第2の面に形成された第2の拡散層を含み、第2の拡散層は、第3のプリズムパターン層に対向し、第2のシートの上に重ね合わせて配置された第3のシートを含むことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムにおいて、
第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含む第1のシート、
第2のベース部、前記第2のベース部の第1の面に、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層、及び前記第2のベース部の第2の面に形成された第1の拡散層を含み、前記第1の拡散層が、前記ピラミッドパターン層に対向し、第1のシートの上(over)に重ね合わせて配置された第2のシート、及び
第3のベース部、前記第3のベース部の第1の面に、複数の第3のプリズムパターンが形成された第3のプリズムパターン層、及び前記第3のベース部の第2の面に形成された第2の拡散層を含み、前記第2の拡散層は、前記第3のプリズムパターン層に対向し、前記第2のシートの上に重ね合わせて配置された第3のシートを含み、
前記複数の第1のプリズムパターンは、第1の方向に向かって稜線を形成し、
前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が、前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度を形成するように構成され、
前記複数の第2のプリズムパターンは、前記第1の方向と互いに垂直な方向である第2の方向に向かって稜線を形成し、
前記複数の第3のプリズムパターンの稜線は、前記第2の方向に垂直な第3の方向に向かって稜線を形成する光学フィルム。
【請求項2】
前記第2のシート及び第3のシートはそれぞれ、ラミネートされた形態で製造されている、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記第1のシート、第2のシート及び第3のシートはそれぞれ、ラミネートされた形態で製造されている、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記第1のシートは、前記第2のシートの第2の面に向かって、指定された角度を有する光が入射するように、光を屈折又は反射する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記ピラミッドパターン層の屈折率と、前記第1のプリズムパターン層の屈折率とは、差の絶対値が0.2以下で形成された、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
下記数式1又は数式2を満たす、請求項1に記載の光学フィルム。
【数1】
【数2】
【請求項7】
バックライトユニットにおいて、
エッジタイプの光源、及び
前記光源の上(over)に配置された光学フィルムが、
第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含む第1のシート、
第2のベース部、前記第2のベース部の第1の面に、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層、及び前記第2のベース部の第2の面に形成された第1の拡散層を含み、前記第1の拡散層が、前記ピラミッドパターン層に対向し、第1のシートの上(over)に重ね合わせて配置された第2のシート、及び
第3のベース部、前記第3のベース部の第1の面に、複数の第3のプリズムパターンが形成された第3のプリズムパターン層、及び前記第3のベース部の第2の面に形成された第2の拡散層を含み、前記第2の拡散層は、前記第3のプリズムパターン層に対向し、前記第2のシートの上に重ね合わせて配置された第3のシートを含み、
前記複数の第1のプリズムパターンは、第1の方向に向かって稜線を形成し、
前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が、前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度をなし、
前記複数の第2のプリズムパターンは、前記第1の方向と互いに垂直な方向である第2の方向に向かって稜線を形成し、
前記複数の第3のプリズムパターンの稜線は、前記第2の方向に垂直な第3の方向に向かって稜線を形成する、バックライトユニット。
【請求項8】
前記エッジタイプの光源は、前記第1の方向と垂直な第4の方向に配置され、前記第1の方向と平行な方向に向かって、光を照射するように形成された、請求項7に記載のバックライトユニット。
【請求項9】
前記エッジタイプの光源は、第4の方向に配置され、
前記第1の方向は、前記第4の方向と第1の角度差分だけティルティングされ、前記第3の方向は、前記第1の方向と平行に形成され、前記第4の方向と前記第1の角度差と等しい第2の角度差分だけティルティングされている、請求項7に記載のバックライトユニット。
【請求項10】
下記数式1又は数式2を満たす、請求項7に記載のバックライトユニット。
【数3】

【数4】
【請求項11】
光学フィルムにおいて、
第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含み、
前記複数の第1のプリズムパターンは、第1の方向に向かって稜線を形成し、
前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が、前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度を成している、光学フィルム。
【請求項12】
前記ピラミッドパターン層の屈折率と、前記第1のプリズムパターン層の屈折率とは、差の絶対値が0.2以下で形成された、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項13】
下記数式1又は数式2を満たす、請求項11に記載の光学フィルム。
【数5】
【数6】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な実施形態は、液晶ディスプレイ装置に用いられる光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)装置は、電子装置の画面全体に光を均一に照射するバックライトユニットを含むことができる。バックライトユニットは、光源、導光板、拡散シート、プリズムを含む光学フィルムを含むことができる。光源から出射された光は、導光板を介して上部に伝達され、上部に伝達された光は、拡散シートを通して拡散された後、上部に備えられた光学フィルムを介して、液晶パネルに伝達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0060922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近、開発されているディスプレイ装置は、徐々に厚さが薄くなっており、これにより、バックライトユニットも、薄型で制作されることが求められる。バックライトユニットでは、比較的厚い厚さを持つ拡散シートを除去するための開発が進められている。例えば、バックライトユニットとして、光源、導光板、拡散シート、プリズムシートを含む実施形態から拡散シートを除去するか、それを置き換えるための研究が開発されている。
【0005】
拡散シートは、一面及び/又は他面に拡散層を形成することができる。前記拡散層は、一般に光拡散剤ビーズ(beads)を含むものであり、光源及び導光板から提供された光がプリズムシートに向かうと、より広い範囲に広がる一方、光源に対する視認性を下げる遮蔽シートとしての役割を果たすことができる。
【0006】
ところで、前記拡散シートは、大体に厚さが厚く、バックライトユニットの輝度の向上を阻害する側面があるので、これを置き換えるための努力がなされている。
【0007】
また、前記拡散シートに代えて、ピラミッドパターンと逆プリズムパターンとを含むシートを用いる場合、ピラミッドパターン及び逆プリズムパターンの配置によって、モアレ(moire)が発生する問題が生じることがある。
【0008】
本発明は、多様な実施形態を通じて、厚い拡散シートを使用せずに、光源の形状が視認されることを防止する性能(以下、「遮蔽性能」とも言える)に優れ、同時に輝度が高い(以下、「輝度性能」とも言える)液晶表示装置用の光学フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本開示は、拡散シートに代えて、ピラミッドパターン及び逆プリズムパターンを含むシートを用いる場合において、モアレを効果的に回避するための光学フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の様々な実施形態によれば、光学フィルムにおいて、第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底面の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底面の長さが第2のピッチである複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含む第1のシート、第2のベース部、前記第2のベース部の第1面に、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層、及び前記第2のベース部の第2の面に形成された第1の拡散層を含み、前記第1の拡散層が、前記ピラミッドパターン層に対向し、第1のシートの上(over)に重ね合わせて配置された第2のシート、及び第3のベース部、前記第3のベース部の第1の面に、複数の第3のプリズムパターンが形成された第3のプリズムパターン層、及び前記第3のベース部の第2の面に形成された第2の拡散層を含み、前記第2の拡散層が、前記第3のプリズムパターン層に対向し、第2のシートの上に重ね合わせて配置された第3のシートを含み、前記複数の第1のプリズムパターンは、第1の方向に向かって稜線 を形成し、前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度を成し、前記複数の第2のプリズムパターンは、前記第1の方向と互いに垂直な方向である第2の方向に向かって稜線を形成し、前記複数の第3のプリズムパターンの稜線は、前記第2の方向と垂直な第3の方向に向かって稜線が形成された光学フィルムを提供することができる。
【0011】
本開示の様々な実施形態によれば、バックライトユニットにおいて、エッジタイプの光源、及び前記光源の上(over)に配置された前記光学フィルムを含み、前記光学フィルムは、第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含む第1のシート、第2のベース部、前記第2のベース部の第1の面に、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層、及び前記第2のベース部の第2の面に形成された第1の拡散層を含み、前記第1の拡散層が、前記ピラミッドパターン層に対向し、第1のシートの上(over)に重ね合わせて配置された第2のシート、及び第3のベース部、前記第3のベース部の第1の面に、複数の第3のプリズムパターンが形成された第3のプリズムパターン層、及び前記第3のベース部の第2の面に形成された第2の拡散層を含み、前記第2の拡散層は、前記第3のプリズムパターン層に対向し、第2のシートの上に重ね合わせて配置された第3のシートを含み、前記複数の第1のプリズムパターンは、第1の方向に向かって稜線 を形成し、前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が、前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度をなし、前記複数の第2のプリズムパターンは、前記第1の方向と互いに垂直な方向である第2の方向に向かって稜線を形成し、前記複数の第3のプリズムパターンの稜線は、前記第2の方向に垂直な第3の方向に向かって稜線を形成したバックライトユニットを提供することができる。
【0012】
本開示の様々な実施形態によれば、光学フィルムにおいて、第1のベース部、前記第1のベース部の第1の面に、底辺の長さが第1のピッチであり、対角線の長さが第1-1のピッチである複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層、及び前記第1のベース部の第2の面に、底辺の長さが第2のピッチである複数のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層を含み、前記複数の第1のピラミッドパターンは、第1の方向に向かって稜線を形成し、前記複数のピラミッドパターンは、前記底辺のいずれかの延在方向が、前記第1の方向と0度以上45度以下内の角度をなす光学フィルムを提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の様々な実施形態によれば、厚さの厚い拡散シートを備えていないことで、バックライトユニットの薄型化に寄与することができる。
【0014】
本開示の様々な実施形態によれば、光源に対する遮蔽性能に優れ、輝度性能にも優れた光学フィルム及びそれを含むバックライトユニットを提供することができる。
【0015】
本開示の様々な実施形態によれば、モアレが低減及び/又は防止された光学フィルム及びそれを含むバックライトユニットを提供することができる。
【0016】
本開示で得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していないまた他の効果は、以下の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【0017】
本開示の一実施形態に関して前述した態様又は他の態様、構成及び/又は利点は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明によってさらに明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す斜視図である。
図2】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す図である。
図3】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す図である。
図4a】一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。
図4b】一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。
図4c】一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。
図4d】一実施形態によるピラミッドパターン及びプリズムパターンを示す図である。
図4e】一実施形態によるラミネーション前の状態のピラミッドパターン層を上方から見た様子を示す図である。。
図4f】一実施形態によるラミネーション後の状態のピラミッドパターン層を上方から見た様子を示す図である。
図5a】一実施形態による光学フィルムの輝度を測定するための実験の構成を示す。
図5b】一実施形態による光分布図及び輝度を高めるための最適の入射角を示す図である。
図6a】特定の実施形態(certain embodiment)による逆プリズムパターン層(第1のプリズムパターン層)が形成されたシート及びエッジ型の光源を含むバックライトユニットを示す図である。
図6b】逆プリズムパターン層の屈折率の変化による入射角及び視野角の変化を示す図である。
図7】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す斜視図である。
図8a】いくつかの実施形態による拡散プレートを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図8b】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図8c】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図9a】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図9b】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図9c】一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図9d】一実施形態による、光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
図10a】一実施形態による第1のプリズムパターン層及びピラミッドパターン層の配置による液晶パネルの様子を示す図である。
図10b】一実施形態による第1のプリズムパターン層及びピラミッドパターン層の配置による液晶パネルの様子を示す図である。
【0019】
添付の図面の全般に渡って、同様の構成要素、構成及び/又は構造については、同様の参照番号を付してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の様々な実施形態及びこれに使用された用語は、本開示に記載されている技術的特徴を、特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、又は代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明に関連して、類似又は関連の構成要素については、同様の参照符号が使用できる。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連の文脈上、特に断りのない限り、一個又は複数個の前記アイテムを含むことができる。
【0021】
様々な実施形態によると、前述の構成要素それぞれの構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、単数又は複数のオブジェクトを含んでもよく、複数のオブジェクトのうち一部は、他の構成要素に分離配置されてもよい。様々な実施形態によると、前述の当該構成要素のうち一つ以上の構成要素又は動作が省略されても、又は一つ以上の他の構成要素又は動作が追加されてもよい。代替的に又は追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、一つの構成要素に統合されることができる。このような場合には、統合された構成要素は、複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を、統合前に、複数の構成要素のうち当該構成要素によって実行されるものと同一又は類似に行うことができる。様々な実施形態によると、モジュール、プログラム又は他の構成要素によって実行される動作は、順次に、並列に、繰り返しに、又は経験的に実行されるか、前記動作のうち一つ以上が異なる順序で実行されるか、省略されるか、又は一つ以上の他の動作が追加されることがある。
【0022】
以下、添付の図面を参照して様々な実施形態について説明する。本実施形態を説明するにおいて、同一の構成については、同一の名称及び同一の符号が使用され、これによる付加的な説明は、省略することにする。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、同一の機能を有する構成要素については、同一の名称及び同一の符号を使うだけで、実質的には、従来と全く同じではないことをあらかじめ言う。
【0023】
様々な実施形態によると、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを示すものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を、予め排除しないものと理解されるべきである。
【0024】
図1は、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す斜視図である。
【0025】
以下の詳細な説明において、液晶表示装置1の長手方向(縦方向)は、「Y軸方向」、幅方向(横方向)は、「X軸方向」、及び/又は高さ方向(厚み方向)は、「Z軸方向」と定義することができる。さらに、いくつかの実施形態では、構成要素が指向する方向に関しては、図面に例示されている直交座標系と併せて、「負/正(-/+)」を併用することができる。図1に示すように、直交座標系に「負/正(-/+)」が記載されていない場合には、別途定義しない限り、当該座標軸が+方向を指すものと解釈してもよい。例えば、「X軸方向」は、+X軸方向を指すものと解釈することができ、「Y軸方向」は、+Y軸方向を指すものと解釈することができる。そして、「Z軸方向」は、+Z軸方向を指すものと解釈することができる。例えば、図1を参照すると、第2のシート120が第1のシート110の上(over)に配置されているとすると、第2のシート120は、第1のシート110から「+Z軸方向(又は第1の方向)」上に配置されていると定義することができる。また、例えば、図4aを参照すると、第1のベース部112の一面(例えば、第1の面112a)は、「+Z軸方向(又は第1の方向)を向く面」と、他面(例えば、第2の面112b)は、「-Z軸方向(又は第2の方向)を向く面」と定義することができる。一実施形態によれば、光学フィルム100の説明における光源の進行方向は、例えば、「+Z軸方向」と表すことができる。方向の説明をする際に、以下の方向についての説明において、直交座標系の3軸のうちいずれかの軸を向くというのは、軸に平行な方向を向くことを含んでもよい。これは、説明を簡潔にするために、図面に記載された直交座標系に基づいており、そのような方向又は構成要素の説明は、本開示の様々な実施形態を限定しないことに留意すべきである。
【0026】
図1を参照すると、液晶表示装置(又はLCD(liquid crystal display)装置)1は、バックライトユニット10と液晶パネル20とを含むことができる。様々な実施形態によれば、バックライトユニット10は、液晶パネル20に光を発するように、液晶パネル20の背面(-Z軸方向を向く面)と対向することができる。バックライトユニット10は、光源11、導光板12、反射板13、光学フィルム100、及び拡散シート17を含むことができる。バックライトユニット10は、図面には示されていないが、反射偏光シートをさらに含んでもよい。
【0027】
光源11は、液晶パネル20の背面に光を発散させるための構成であり、導光板12(light guide plate; LPG)の一側に配置することができる。光源は、配列構造に応じて、エッジ型又は直下型に区分することができ、本開示では、図1に示すように、エッジ型の光源を適用することができる。光源11は、液晶パネル20の背面に光を照射するための構成であり、光源11から出射された光は、導光板12によって面光源の形態に変換され得る。このとき、光源11は、冷陰極蛍光ランプ(cold cathode fluorescent lamp:CCFL)又は外部電極蛍光ランプ(external electrode fluorescent lamp)であってもよい。反射板13は、導光板12の後方に配置され、導光板12の後方(-Z軸方向を向く面)に向かって出射された光を、導光板12に向かって反射させて入射させることにより、光の損失を最小限に抑えることができる。即ち、反射板13は、光リサイクル(light recycling)を行うことができる。
【0028】
図1を参照すると、導光板12から出射された光は、光学フィルム100に入射されるが、本開示の光学フィルム100は、光を集光するためのプリズムシートを少なくとも1つ備え、導光板12から入射した光を均一に分散させた後、プリズムシートに入射させるためのシートとして、ピラミッドパターンを含むシートをさらに含んでもよい。説明の便宜上、以下では、光学フィルム100に含まれる集光用の1つのプリズムシート又は2つ以上のプリズムシートの組み合わせを、「集光プリズムシート」(又は「クロスプリズムシート」)といい、ピラミッドパターンを含むシートを、「ピラミッドシート」ということがある。
【0029】
以下、詳細に後述するが、本開示の光学フィルム100は、ピラミッドシートであり、光源の進行方向(例えば、Z軸方向)と平行な方向を向く一面に、ピラミッドパターンが形成され、光源の進行方向と反対の方向を向く他面に、プリズムパターン(即ち、逆プリズムパターン)が形成された第1のシート110を含むことができる。また、本開示の光学フィルム100は、集光プリズムシートとして、光源の進行方向(例えば、+Z軸方向)と平行な方向を向く一面に、プリズムパターンが形成され、光源の進行方向と反対の方向を向く他面に、拡散層が形成された第2のシートを含むことができる。一実施形態によれば、本開示の光学フィルム100は、集光プリズムシートとして、第2のシート120に加えて、第2のシート120に形成されたプリズムパターンとは稜線の方向が異なるプリズムパターンを含む第3のシート130をさらに含んでもよい。
【0030】
集光プリズムシート(第2のシート120及び/又は第3のシート130)は、表面に形成された光学パターンを用いて、入射した光を集光した後、液晶パネル20に出射させることができる。集光プリズムシート(第2のシート120及び/又は第3のシート130)は、透光性ベースフィルムと、このベースフィルムの上面(+Z軸方向を向く面)に形成されたプリズムパターン層とを含むことができる。プリズムパターン層は、面方向の輝度を向上させるために、指定された角度の傾斜面(例えば、45°の傾斜面)が形成された三角アレイ(array)の形態の光学パターン層で形成することができる。プリズムパターン層のプリズムパターンは、三角柱状であってもよく、三角柱の片面がベースフィルムと対向するように配置されてもよい。プリズムパターンの各断面は、三角形であり得る。
【0031】
一実施形態によれば、集光プリズムシート(第2のシート120及び/又は第3のシート130)は、第2のシート120及び第3のシート130を含む複合プリズムシート構造を形成することができる。ここで、第3のシート130は、第2のシート120の上(over)に重ね合わせて(overlap)配置されてもよい。第2のシート120では、複数の第2のプリズムパターンが互いに並べて配置されてもよい。各第2のプリズムパターンは、一方向に延びる構造であってもよい。例えば、第2のプリズムパターンの各頂点線(以下、「稜線(crest又はridge)」という)は、X軸方向を向くように延びて形成することができる。同様に、第3のシート130では、複数の第3のプリズムパターンが互いに並べて配置されてもよい。各第3のプリズムパターンは、一方向に延びる構造であってもよい。例えば、第3のプリズムパターンの各稜線は、X軸に垂直なY軸の方向を向くように延びて形成することができる。ここで、第1のプリズムパターンの延在方向と、第2のプリズムパターンの延在方向とは、説明の便宜上、X軸とY軸に向かって示されている。ただし、図示の実施形態に限定されず、X軸又はY軸以外の他の方向を向いていてもよいことに留意すべきである。
【0032】
一実施形態によれば、ピラミッドシート(第1のシート110)にもプリズムパターン(複数の第1のプリズムパターン)を形成することができる。第1のシート110に含まれる複数の第1のプリズムパターンは、第2のシート120に含まれる複数の第2のプリズムパターンと、第3のシート130に含まれる複数の第3のプリズムパターンとは異なり、光が進行する方向と平行な方向(+Z軸方向)ではなく、光の進行方向に対して逆方向(-Z軸方向)に突出して形成されてもよい。したがって、第1のシート110に含まれる複数の第1のプリズムパターンを、「逆プリズムパターン」と呼ぶことがある。複数の第1のプリズムパターンの稜線方向P1は、複数の第2のプリズムパターンの稜線方向P2及び複数の第3のプリズムパターンの稜線方向P3と同じ又は異なるように形成することができる。一実施形態によれば、図1に示すように、複数の第1のプリズムパターンの稜線方向P1は、複数の第2のプリズムパターンの稜線方向P2と直交し、複数の第3のプリズムパターンの稜線方向P3とは平行に形成することができ、本開示の液晶表示装置1は、それに応じた効果を享受することができる。稜線方向に関するより詳細な説明は、後述する。
【0033】
拡散シート17は、光学フィルム100から入射した光を、均一に分散させることができる。拡散シート17は、光拡散剤ビーズ(beads)が添加された硬化性樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート、及びラジカル発生型モノマーのうち少なくとも1つを選択し、1つ又は2つ以上を混合したものである)溶液を塗布して、光拡散剤ビーズによって、光拡散を引き起こすことができる。また、拡散シート17は、均一又は不均一な大きさの形状(例えば、球形、半球形又は楕円形)の突起パターン(又は、突出部)を形成して、光の拡散を促進することができる。従来技術によるいくつかの実施形態によれば、拡散シート17として、図1に示す集光プリズムシートの上(over)に配置された上拡散シート17だけでなく、集光プリズムシートの下(below)に配置された下拡散シートをさらに含んでもよい。ただし、本開示では、集光プリズムシートとピラミッドシートとを組み合わせた光学フィルム100を設けることによって、下拡散シートを置き換えることができる。
【0034】
一実施形態によれば、バックライトユニット10は、前述の構成要素のうち少なくとも1つ(例えば、拡散シート17)を省略しても、又は1つ以上の他の構成要素(例えば、反射偏光シート(図示せず))を追加してもよい。
【0035】
反射偏光シート(図示せず)は、光学フィルム100及び拡散シート17の上部に設けられ、光学フィルム100から集光され、上拡散シートによって拡散された光に対して、一部の偏光は、透過し、他の偏光は、下部に反射する役割を果たすことができる。
【0036】
液晶パネル20は、光源11から発散した光を、電気信号に応じて、所定のパターンに屈折させることができる。この屈折された光は、液晶パネル20の前面に配置されたカラーフィルタと偏光フィルタとを通過して、画面を構成することができる。
【0037】
図1の液晶表示装置1に含まれる構成要素は、他の構成要素と高さ方向(+Z軸方向)に重畳(overlapped)及び積層された(stacked)状態で組み立てることができる。例えば、いくつかの実施形態による液晶表示装置1は、図1に示すように、個別に製造されたバックライトユニット10及び液晶パネル20を、高さ方向(+Z軸方向)に重畳及び積層することができる。
【0038】
図2は、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す図である。図3は、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す図である。
【0039】
図2は、液晶表示装置1のY軸とZ軸とがなす平面と平行な断面を示し、図3は、液晶表示装置1のX軸とZ軸とがなす平面と平行な断面を示すことができる。以下、図1と重複する部分の説明は、省略する。
【0040】
本開示の液晶表示装置1は、光学フィルム100と導光板12との間に、別途の拡散シート(例えば、下拡散シート)が別途設けられておらず、本開示の光学フィルム100のみに、拡散シートを置き換えることを特徴とすることができる。
【0041】
本開示において、「光学フィルム100」とは、図1図3に示すように、一面に複数のピラミッドパターンが形成された第1のシート110と、第1のシート110の上に配置され、一面に複数のプリズムパターンが形成された第2のシート120と、第2のシート120の上に配置され、一面に複数のプリズムパターンが形成された第3のシート130とを含むフィルムであってもよい。図1図3では、説明の便宜上、第1のシート110、第2のシート120及び第3のシート130が互いに離隔されているように示されているが、これとは異なり、第1のシート110、第2のシート120及び第3のシート130は、互いにラミネーション(lamination)して形成されてもよい。本開示において、「ラミネーション(lamination)」とは、2つの異なるシートの対向する面の少なくとも一方の面が、接着性樹脂で形成されたパターンを含むことによって、2つの異なるシートが貼り合わされることを意味することができる。例えば、2つの異なるシートの対向する2つの面のうち一方の面に、半硬化状態の接着性樹脂で形成されたパターンが存在し、このパターンに他方の面が相互接触した状態で、その後、完全に硬化されて貼り合わされるものであってもよい。また、例えば、2つの異なるシートの対向する面は、両面が半硬化状態の接着性樹脂で形成され、互いに接触した後に、完全に硬化されて貼り合わされることができる。ラミネートされた形態の光学フィルム100は、ラミネートされず、単に積層された場合の実施形態よりも薄く、遮蔽性能に優れたバックライトユニットを提供することができる。
【0042】
第1のシート110の複数のピラミッド(又は四角錐)パターンは、光源11から伝達された光を屈折及び/又は反射させて、第2のシート120に伝達することができる。第2のシート120は、複数のプリズム(又は三角柱)が液晶表示装置1の幅方向(X軸方向)に延び、高さ方向(Z軸方向)に突出した形態で形成されてもよい。第2のシート120は、第1のシート110を通過した光を、第3のシート130に伝達することができる。第3のシート130は、複数のプリズム(又は三角柱)が液晶表示装置1の長手方向(Y軸方向)に延び、高さ方向(Z軸方向)に突出した形態で形成されてもよい。第3のシート130は、第2のシート120を通過した光を、液晶パネル20に向かって伝達することができる。光源11から光学フィルム100に入射した光は、第1のシート110、第2のシート120及び第3のシート130を順次通過しながら、拡散及び/又は集光されて、光源11の形状を覆う遮蔽性能の確保はもちろん、高い輝度性能も確保可能な利点がある。図1図3に示す実施形態では、第2のシート120の複数のプリズムパターンは、液晶表示装置1の幅方向(X軸方向)に延びており、第3のシート130の複数のプリズムパターンは、液晶表示装置1の長手方向(Y軸方向)に延びているものが示されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、これとは異なって、第2のシート120の複数のプリズムパターンは、液晶表示装置1の長手方向(Y軸方向)に延び、第3のシート130の複数のプリズムパターンは、液晶表示装置1の幅方向(X軸方向)に延びてもよい。ただし、第2のシート120の複数のプリズムパターンと、第3のシート130の複数のプリズムパターンとは、互いに直交するだけでよい。図1を再び参照すると、第1のシート110のピラミッドパターン層111は、第1の方向の長さaと第2の方向の長さbとの底辺と、高さhと、頂角Aと頂角Bとを有する4つの側面111-1、111-2、111-3、111-4と、1つの下面を含むピラミッドパターン(以下、図4aのピラミッドパターン111a)を含むことができる。ピラミッドパターンの寸法は、実施形態によって異なるように設定することができる。
【0043】
以下、図4a~図4fを参照して、光学フィルム100についてより詳細に説明する。
【0044】
図4aは、一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。図4bは、一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。図4cは、一実施形態による光学フィルムを示す断面図である。図4dは、一実施形態によるピラミッドパターン及びプリズムパターンを示す図である。図4eは、一実施形態によるラミネーション前の状態のピラミッドパターン層を上方からみた様子を示す図である。図4fは、一実施形態によるラミネーション後の状態のピラミッドパターン層を上方からみた様子を示す図である。
【0045】
図4a~図4cを参照すると、本開示の一実施形態による光学フィルム100は、第1のシート110を含む光学フィルム100aと、第1のシート110及び第2のシート120を含む光学フィルム100bと、第1のシート110、第2のシート120及び第3のシート130を含む光学フィルム100cとを含むことができる。例えば、第1のシート110は、他のシート(例えば、第2のシート120及び第3のシート130)なしで単独で、光学フィルム100aの構成要素として使用することができる。本開示によれば、第2のシート120及び/又は第3のシート130は、第1のシート110をさらに含むことで、光源に対する遮蔽性能に優れ、輝度性能にも優れた光学フィルムを提供することができる。以下では、特に説明のない限り、便宜上、図4cの光学フィルム100cを例にして、光学フィルム100に含まれる各構成要素について詳細に説明することができる。一実施形態によれば、3枚のシート110、120、130の光学フィルム(例えば、図4cの光学フィルム100c)のみならず、1枚のシート110の光学フィルム(例えば、図4aの光学フィルム100a)及び2枚のシート110、120の光学フィルム(例えば、図4bの光学フィルム100b)も本発明の範囲に含まれ得ることに留意すべきである。
【0046】
図4cを参照すると、光学フィルム100(例えば、光学フィルム100c)では、第1のシート110、第2のシート120、及び第3のシート130はそれぞれ、第1のベース部112、第2のベース部122、及び第3のベース部132を含むことができる。このとき、第1のベース部112、第2のベース部122、及び第3のベース部132は、光を透過させることができる透明な材質、例えば、ポリカーボネート(polycarbonate)系、ポリスルホン(polysulfone)系、ポリアクリレート(polyacrylate)系、ポリスチレン(polystyrene)系、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)系、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)系、ポリノルボルネン(polynorbornene)系、ポリエステル(polyester)系の材料を含むことができる。具体的な例として、第1のベース部112、第2のベース部122、及び/又は第3のベース部132は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)又はポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)などからなることができる。第1のベース部112、第2のベース部122、及び第3のベース部132は、例えば、約10~約50μmの厚さを有するPETであってよく、より具体的には、約24~約40μmの厚さを有するPETであってもよい。図6a以下の図面で後述する視野角分布を含む様々な実験例では、第1のベース部112、第2のベース部122、及び第3のベース部132がそれぞれ、24μmの厚さを有するPETであると例示することができる。しかしながら、第1のベース部112、第2のベース部122、及び第3のベース部132の厚さは、前記の例に限定されないことに留意すべきである。
【0047】
図1の実施形態で説明したように、第1のシート110は、第1のベース部112の第1の面112aに、第1の方向の長さa、第2の方向の長さb、高さh、ピッチP、及び頂角Aと頂角Bとを形成する4つの側面111-1、111-2、111-3、111-4に対応する四角錐(quadrangular pyramid)形態のピラミッドパターン111aを含むことができる。光学フィルム100は、第1の方向に複数の列を有し、第1の方向に垂直な第2の方向に複数の行を有する複数のピラミッドパターン111aを含むことができる。
【0048】
図4aと図4dを一緒に参照すると、一実施形態による、ピラミッドパターン111aは、陰刻パターンであってもよい。ピラミッドパターン111aは、四角錐形状の溝(groove)が規則的に形成された陰刻パターンを意味することができ、4つの側面111-1、111-2、111-3、111-4によって定義することができる。ここで、4つの側面は、互いに同じ又は異なる三角形の形状であってもよく、頂角A及び頂角Bの寸法は、ピラミッドパターン111aの横方向の長さa、縦方向の長さb、及び各断面の高さに従って設定され得る。一実施形態によれば、頂角Aと頂角Bとは、実質的に同じ角度を形成することができ、それによって、ピラミットパターン111aの横方向の長さa及び縦方向の長さbも実質的に等しく設定することができる。ここで、頂角Aと頂角Bとが実質的に同一であるということは、頂角Aと頂角Bとが工程偏差(例えば、10%内外)内で同じ値を有することを意味することができる。
【0049】
また、ピラミッドパターン111aにおける高さhとピッチPは、頂点角Cに基づいて設定することができる。光学フィルム100は、高さ方向(Z軸方向)と平行な垂直断面が三角形又は台形のピラミッドパターン111aを含み、頂点角Cは、ピラミッドパターン111aの4つの側面のうち2つの対向する側面間の角度として定義することができる。
【0050】
一実施形態によれば、ピラミッドパターン111aにおける頂点角Cは、60度以上160度以下で定義することができる。例えば、頂点角Cは、90度であり得る。指定された範囲内で、ピラミッドパターン111aの頂点角Cが大きくなるほど、第2のシート120に入射する光の角度θ(theta)(以下、「入射角θ」と言える)が大きくなる。例えば、本開示の3枚のシートを含む光学フィルム(例えば、光学フィルム100c)において、ピラミッドパターン111aを含む第1のシート110は、第2のシート120及び第3のシート130に入射する光が、輝度の向上する最適な角度で入射できるようにする役割を果たすことができる。光学フィルムの構成要素と輝度との関係については、図5以下の実施形態を通じてより詳細に後述する。
【0051】
一実施形態によれば、ピラミッドパターン111aは、陽刻パターンでも形成されてもよい。
【0052】
図4eは、第1のシート110が第2のシート120に対してラミネートされる前のピラミッドパターン層を示し、図4fは、第1のシート110が第2のシート120とラミネートされた後、第1のシート110を第2のシート120から剥離した状態のピラミッドパターン層を示すことができる。図4eを参照すると、ラミネーション前のピラミッドパターン層111は、第1の側面111-1と第4の側面111-4との間に、第1の側面111-1と第4の側面111-4の境界を区別する第1の隔壁111-5を含み、第2の側面111-2と第3の側面111-3との間に、第2の側面111-2と第3の側面111-3の境界を区別する第2の隔壁111-6を含むことができる。第1の隔壁111-5と第2の隔壁111-6とは、第1のシート110の最も高い部分であってもよい。一実施形態によれば、第1の隔壁111-5は、第1の方向と平行であり、第2の隔壁111-6は、第2の方向に平行に形成されるが、必ずしもこれに限定されないことに留意されたい。図4fを参照すると、第1のシート110の上面に位置するピラミッドパターン層111が、第2のシート120の背面(例えば、第2のシート120の背面の第1の拡散層123)にラミネートされると、ピラミッドパターン層111の最上端に位置する構成である第1の隔壁111-5と第2の隔壁111-6の端部が押されることがある。これにより、第1の隔壁111-5の先端部が変形して、所定の幅W1を有する第1の平面部111-7が形成され、第2の隔壁111-6の先端部が変形して、所定の幅W2を有する第2の平面部111-8が形成され得る。一実施形態によれば、第1の平面部111-7の幅W1と、第2の平面部111-8の幅W2とは、実質的に等しくてもよい。
【0053】
本開示の様々な実施形態によれば、ピラミッドパターン層111を含むことによって、周辺部の4つの分面方向の光を制御することができる。本開示の一実施形態によれば、ピラミッドパターン層111は、2つの対向する三角形間の角度である頂点角が90度以上130度以下のピラミッドパターン111aを含むことができる。一実施形態によれば、ピラミッドパターン111aの頂点角が、少なくとも90度の角度で形成される場合、図6aのように、遮蔽性能を満たすことができ、頂点角がそれ以下の場合には、光源11aが視認されるホットスポット視認性(HSV; hot spot visibility)が増加することがある。
【0054】
ピラミッドパターン層111は、複数のピラミッドパターンから構成されてもよく、第1のシート110の第1の面112aに規則的に配置されてもよい。第1のベース部112の第2の面112bには、複数の第1のプリズムパターンを含む第1のプリズムパターン層113が形成されてもよい。第1のプリズムパターン層113は、第2のシート120に設けられた第2のプリズムパターン層121、及び、第3のシート130に設けられた第3のプリズムパターン層131と配置される方向を除いて、実質的に同じ構成であり得る。
【0055】
第2のシート120は、第2のベース部122の第1の面122aに、液晶表示装置1の幅方向(又は長手方向)に向かって平行に延びる複数の第2のプリズムパターンが形成されている第2のプリズムパターン層121を含むことができる。第2のプリズムパターン層121の断面は、三角形であってもよい。例えば、第2のプリズムパターン層121に含まれる複数の第2のプリズムパターンは、ピッチがcで、高さがdで形成されてもよい。第3のシート130は、第3のベース部132の第1の面132aに、液晶表示装置1の長手方向(又は幅方向)に向かって平行に延びる複数の第3のプリズムパターンが形成されている第3のプリズムパターン層131を含むことができる。第3のプリズムパターン層131に形成されたプリズムパターンの断面は、三角形であってもよい。例えば、第3のプリズムパターン層131に形成された複数の第3のプリズムパターンは、ピッチがeで、高さがfで形成されてもよい。ここで、第2のプリズムパターン層121に含まれる複数の第2のプリズムパターンと、第3のプリズムパターン層131に含まれる複数の第3のプリズムパターンとは、互いに直交する方向に延び、それぞれ同じピッチ及び高さを有するように形成することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、実施形態によって変わり得る。
【0056】
第2のシート120の第2のベース部122の第2の面122bには、第1の拡散層123が含まれ、第3のシート130の第3のベース部132の第2の面132bには、第2の拡散層133が含まれ得る。第1の拡散層123及び第2の拡散層133は、第1の拡散層123及び第2の拡散層133をそれぞれ粗面化して、濁度を高めるマット(matte)処理、ガラス、ポリマー等のビーズを用いて、濁度を高めるビーズ(beads)処理を含めて、濁度を高める全ての処理方式を用いて作製することができる。例えば、図8a以下の図面で後述する視野角分布を含む様々な実験例において、第1の拡散層123は、3%のヘイズ(haze)値を有し、第2の拡散層133は、40%のヘイズ(haze)値を有するものを例示することができる。
【0057】
第1のシート110及び第2のシート120は、第1のシート110のピラミッドパターン層111と、第2のシート120の第1の拡散層123が、互いにラミネートされた形態で接続され、第2シート120及び第3シート130は、第2のシート120の第2のプリズムパターン層121と、第3のシート130の第2の拡散層133が、互いにラミネートされた形態で接続されてもよい。このとき、第1の拡散層123及び第2の拡散層133はそれぞれ、例えば、マットパターンを接着剤(例えば、接着性樹脂)で形成することができ、最初は、100%硬化ではなく、約50%の硬化(例えば、半硬化)状態で、他のシートにラミネートされたが、その後、100%硬化されることによって、他のシートにラミネートされる形態で作製することができる。
【0058】
図5aは、一実施形態による光学フィルムの輝度を測定するための実験の構成を示す。図5bは、一実施形態による光分布度及び輝度を高めるための最適な入射角を示す図である。図5bにおいて、視野角分布は、水平面(例えば、XY平面に平行な面)上に結ばれる光の分布を表すことができる。
【0059】
図5aを参照すると、輝度測定のための実験の構成は、光学フィルム100と光測定装置210とを含むことができる。ここで、光学フィルム100は、第2のシート120と第3のシート130とが貼り合わされた様子を示すことができ、第1のシート110は、省略して示されてもよい。光測定装置210は、例えば、色彩輝度計などの高速分光測定システムであり得る。図面には示されていないが、光学フィルム100を基準に、光測定装置210の反対側には、光源を含むバックライトユニットを配置することができる。
【0060】
光測定装置210は、図5aに示すように、光学フィルム100の高さ方向(Z軸方向)に入射する光を計測することができる。そして、その光分布について、視野角分布(BSDF、bidirectional scattering distribution function)を用いて、図5bのように示すことができる。このとき、液晶表示装置1に対して高い輝度を得るためには、光測定装置210で測定される視野角データにおいて、光測定装置210が向く方向であるZ軸に平行な「光測定装置基準0度」付近の明るさが高くなければならず、0度付近の明るさは、光学フィルム100で第2のシート120及び第3のシート130を通過する光が特定の角度で入射したときに、最も大きくなることを、実験結果から分かることができた。すなわち、液晶表示装置1の輝度は、第2のシート120と第3のシート130との貼合体の下面(例えば、第2のシート120の第2の面122b)を通過する光が、特定の入射角θで入射すると、最も大きくなることがある。ここで、入射角θは、第2のシート120の第2の面122bに対する法線(normal line)を基準として、第1のシート110を出射した光(又は光束)の中心光がなす角度を意味することができる。
【0061】
例えば、図5bの一実施形態(例1-1)を参照すると、第2のベース部122及び第3のベース部132がそれぞれ、24μmの厚さを有する実施形態では、第2のベース部122の第1の面122aに形成された第2のプリズムパターン層121のプリズムパターンのピッチcが50μmで、高さdが25μmで形成され、第2のベース部122の第2の面122bに形成された第1の拡散層123は、3%のヘイズ値を有し、第3のベース部132の第1の面132aに形成された第3のプリズムパターン層131のプリズムパターンのピッチeが50μmで、高さfが25μmで形成され、第3のベース部132の第2の面132bの第2の拡散層133が40%のヘイズ値を有するとする場合、光測定装置基準0度付近の明るさが最も高くなる最適な入射角θは、65度で形成することができる。すなわち、第2のシート120と第3のシート130との貼合体の下面(例えば、第2のシート120の他面122b)を通過する光が、+65度(又は-65度)の角度で入射したときに、最も高い輝度値を持つことがある。
【0062】
さらに、例えば、図5bの一実施形態(例1-2)を参照すると、第2のベース部122及び第3のベース部132がそれぞれ、24μmの厚さを有する実施形態では、第2のベース部122の第1の面122aに形成された第2のプリズムパターン層121のプリズムパターンのピッチcが45及び55μmであり、高さdが22.5及び22.7μmで形成され、第2のベース部122の第2の面122bに形成された第1の拡散層123が15%のヘイズ値を有し、第3のベース部132の第1の面132aに形成された第3のプリズムパターン層131のプリズムパターンのピッチeが50μmで、高さfが25μmで形成され、第3のベース部132の第2の面132bの第2の拡散層133が30%のヘイズ値を有するとする場合、光測定装置基準0度付近の明るさが最も高くなる最適な入射角θは、73度で形成することができる。すなわち、第2のシート120と第3のシート130との貼合体の下面(例えば、第2のシート120の他面122b)を通過する光が、+73度(又は-73度)の角度で入射したときに、最も高い輝度値を持つことがある。
【0063】
以上をまとめると、第2のシート120に入射する光の入射角θは、第2のシート120に含まれる第2のプリズムパターン層121の複数の第2のプリズムパターンの仕様及び/又は稜線方向(例えば、図1のP2)と、第3のシート130に含まれる第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの仕様及び/又は稜線方向(例えば、P3)に従って決定することができる。即ち、入射角θは、光学フィルム100に要求される第2のシート120及び/又は第3のシート130の要求仕様に応じて様々に設定することができるが、本開示の光学フィルム100は、第1のベース部112を基準に、下面にプリズムパターンを含む第1のプリズムパターン層113と、上面にピラミッドパターンを含むピラミッドパターン層111とを含むことで、いくつかの実施形態による光学フィルム100に要求される最適の入射角θに対応する光路を形成することができ、結果として、高い輝度を有する光学フィルム100を提供することができる。一方、図5bを参照すると、視野角Φ(phi)が示されており、これは、図5bに示す視野角分布の中心から一側(例えば、X軸と平行な方向)に描かれた仮想線と、第1のシート110を出射した光(又は光束)の中心光とがなす角度を意味することができる。視野角Φ(phi)は、第2のシート120に入射する光の第1のシート110の第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの仕様及び/又は稜線方向(例えば、図1のP1)によって決定されるものであり、図5bに示す2つの実施形態(例1-1、例1-2)では、最適の視野角Φとして、45度で形成されている。以下、図6a及び図6bの実施形態を通じて、視野角Φについてより詳細に説明する。
【0064】
本開示の様々な実施形態によれば、光が入射する方向からその遮蔽性能を高めると同時に、第2のシート120と第3のシート130との貼合体の下面(例えば、第2のシート120の第2の面122b)を通過する光が、特定の入射光の角度θで入射できるように設計された第1のシート110を含む光学フィルム100を提供することができる。
【0065】
一実施形態による光学フィルム100は、図1図5bに示すように、第1のベース部112、この第1のベース部112の第1の面112aに、複数のピラミッドパターンが形成されたピラミッドパターン層111、及び第1のベース部112の第2の面112bに、複数の第1のプリズムパターンが形成された第1のプリズムパターン層113を含む第1のシート110を含み、第1のシート110の上(over)に重ね合わせて配置され、第2のベース部122、及びこの第2のベース部122の第1の面122aに、複数の第2のプリズムパターンが形成された第2のプリズムパターン層121及び第2のベース部122の第2の面122bに形成された第1の拡散層123を含む第2のシート120を含み、この第2のシート120の上(over)に重ね合わせて配置され、第3のベース部132、この第3のベース部132の第1の面132aに、複数の第3のプリズムパターンが形成された第3のプリズムパターン層131及び第3のベース部132の第2の面132bに形成された第2の拡散層133を含む第3のシート130を含むことができる。
【0066】
図1図5bの液晶表示装置1は、第1のシート110、第2のシート120、及び第3のシート130が互いにラミネートされた形態で製造することができ、特にラミネートされた第2のシート120と第3のシート130の仕様を考慮して、第1のシート110は、第1のベース部112の第1の面112aに形成されたピラミッドパターン層111と、第2の面112bに形成された第1のプリズムパターン層113の仕様を適宜調整すると、第2のシート120の第2の面122bと当接する点で、第2のシート120に向かって、光が特定の入射光の角度θで入射するように、光を屈折及び/又は反射させることができる(輝度性能の向上)。
【0067】
図6aは、特定の実施形態(certain embodiment)による逆プリズムパターン層(第1のプリズムパターン層)が形成されたシート及びエッジ型の光源を含むバックライトユニットを示す図である。図6bは、逆プリズムパターン層の屈折率の変化による入射角及び視野角の変化を示す図である。図6a及び図6bの実施形態を介して、逆プリズムパターン層の屈折率の変化に応じて、図5bに示す入射角及び視野角φが設定される様子を説明することができる。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、図6aに示すように、複数のピラミッドパターンを含むピラミッドパターン層を除いて、第2の面に複数の第1のプリズムパターンを含む第1のプリズムパターン層が形成された第1のシート110'を提供することができる。図6bにおいて、出射光の項目は、図6aに示す実施形態における導光板12と第1のシート110'との間で測定されたものであり、導光板12から出射された光の光学特性に関するデータを表すことができる。図6bの様々な実施形態(例2-1、例2-2、例2-3)の項目は、第1のシート110'上で測定された光の光学特性に関するデータを表すことができる。
【0069】
図6a及び図6bを参照すると、複数の第1のプリズムパターンの稜線の配列方向(例えば、P1)は、光源の配置(例えば、X軸に平行な第4の方向に配置される)に対して垂直であり得る。いくつかの実施形態によれば、第1のシート110'に設けられたプリズムパターン層の屈折率が変化するにつれて、第2のシート120の第2の面122bへの入射角θは、約73度付近で保持され、視野角φは、第1のプリズムパターン層の屈折率が変わると、変化することを確認することができる。例えば、第1のプリズムパターン層の屈折率が1.49の場合、第2のシート120の第2の面122bへの入射角は、+74度(又は-74度)で形成され、視野角は、60度で形成されてもよい。また、例えば、第1のプリズムパターン層の屈折率が1.58の場合、第2のシート120の第2の面122bへの入射角は、+72度(又は-72度)で形成され、視野角は、54度で形成されてもよい。また、例えば、第1のプリズムパターン層の屈折率が1.69の場合、第2のシート120の第2の面122bへの入射角は、+73度(又は-73度)で形成され、視野角は、53度で形成されてもよい。即ち、第1のプリズムパターン層の屈折率を調整すると、第2のシート120の第2の面122bに入射する光の視野角φを、所望の角度に調整することができる。このような原理を用いて、光学フィルム100が最適な輝度性能を発揮できるように、第1のシートに設けられたピラミッドパターン層111及び第1のプリズムパターン層113の仕様を多様に設定することができる。
【0070】
図7は、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置を示す斜視図である。図8aは、いくつかの実施形態による拡散プレートを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。図8bは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。図8cは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、図6aに示すように、第1の面に複数のピラミッドパターンを含むピラミッドパターン層を含み、第2の面に複数の第1のプリズムパターンを含む第1のプリズムパターン層が形成された第1のシート110を提供することができる。第1のシート110を除く残りの構成要素については、図1図5bの前述の説明を参照することができる。図8aにおいて、「拡散プレート」項目は、図7の液晶表示装置1において、第1のシート110の代わりに光拡散剤ビーズが添加された光学シートが配置されたとき、光学シートと第2のシート120との間で測定された光と、第3のシート130と拡散シート17との間で測定された光との光学特性、及び、そのデータ(例えば、視野角分布1、視野角分布2、輝度、入射角θ、視野角φ)を表すことができる。また、図8bの様々な実施形態(「例3-1」、「例3-2」、「例3-3」)の項目は、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを多様に変化させたとき、第1のシート110と第2のシート120との間で測定された光と、第3のシート130と拡散シート17との間で測定された光との光学特性に関するデータ(例えば、視野角分布1、視野角分布2、輝度、入射角θ、視野角φ)を表すことができる。なお、図8cの様々な実施形態(「例3-4」、「例3-5」、「例3-6」)の項目は、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを多様に変化させたとき、第1のシート110と第2のシート120との間で測定された光と、第3のシート130と拡散シート17との間で測定された光との光学特性に関するデータ(例えば、視野角分布1、視野角分布2、輝度、入射角θ、視野角φ)を表すことができる。視野角分布1は、第1のシート110を出射した光に対する視野角を示すためのものであり、第1のシート110と第2のシート120との間の点の水平面(例えば、XY平面に平行な面)上に結ばれる光の分布を表すことができる。視野角分布2は、光学フィルム100全体を出射した光に対する視野角を示すためのものであり、第3のシート130と拡散シート17との間の点の水平面(例えば、XY平面に平行な面)上に結ばれる光の分布を表すことができる。図8a、図8b及び図8cを見ると、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを様々に変化させたとき、輝度、入射角、及び/又は視野角が様々に変化することを確認することができる。
【0072】
図8bの様々な実施形態(「例3-1」、「例3-2」、「例3-3」)の項目を見ると、例3-2に示すように、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとがそれぞれ、1.58と1.49のとき、図8aの拡散シートを備えた実施形態に比べて、125.2%の輝度を有することで、輝度性能が向上したことを確認することができる。また、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを、例3-1又は例3-3のように設定した場合に比べて、最も高い輝度の上昇効果を有することを確認することができる。
【0073】
図8cの様々な実施形態(「例3-4」、「例3-5」、「例3-6」)の項目を見ると、例3-5に示すように、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとがそれぞれ、1.58と1.69のとき、図8aの拡散シートを備えた実施形態に比べて、120.6%の輝度を有することで、輝度性能が向上したことを確認することができる。また、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを、例3-4又は例3-6のように設定した場合に比べて、最も高い輝度の上昇効果を有することを確認することができる。
【0074】
様々な実施形態によれば、第1のシート110のピラミッドパターン層111と、第1のプリズムパターン層113との屈折率差(|Diff P-Diff PY|)は、多くても0.2以下になるように形成することができる。図8b及び図8cを参照すると、ピラミッドパターン層111と第1のプリズムパターン層113との屈折率差の絶対値が0.2以下で構成されたときに、第1のシート110を出射した光の輝度を向上することができる。
【0075】
様々な実施形態によれば、ピラミッドパターン層111と第1の拡散層123との屈折率は、その差の絶対値が0.2以下となるように形成することができる。ピラミッドパターン層111と第1の拡散層123との屈折率差が0.2以下を有するように形成されることで、第1のシート110と第2のシート120との貼り合せのときに、下側に位置する第1のシート110に形成されたピラミッドパターン111aの損傷を防止して、光分離特性及び光分布の変形を最小限にすることによって、上側に配置された第2のシート120に入射する最適の入射角θを維持するのに有利であり得る。
【0076】
様々な実施形態によれば、第2のプリズムパターン層121と第2の拡散層133との屈折率差は、0超過0.2以下で形成することができる。第2のプリズムパターン層121と第2の拡散層133との屈折率が0より大きく、0.2以下の差を有することにより、光学フィルム100が高い輝度を有するようにすることができる。
【0077】
前述の屈折率に関する一例として、本開示の一実施形態による第1のシート110、第2のシート120、及び第3のシート130を含む光学フィルム100(例えば、図4cの光学フィルム100c)は、第1のプリズムパターン層113の屈折率が1.49で、ピラミッドパターン層111の屈折率は、1.49~1.69で形成された第1のシート110、第1の拡散層123の屈折率は、1.49で、第2のプリズムパターン層121の屈折率は、1.69で形成された第2のシート120、及び第2の拡散層133の屈折率は、1.49で、第3のプリズムパターン層131の屈折率は、1.69で形成された第3のシート130を含むことができる。一実施形態によれば、他の構成要素に対する屈折率は、固定された状態で、最上層のプリズムを含む第3のプリズムパターン層131の屈折率に合わせて、逆プリズムパターンを含む第1のプリズムパターン層113の屈折率を適切に調整することにより、第2のシートの下面に入射する光に対する最適の入射角θを形成することができる。
【0078】
図9aは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。図9bは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。図9cは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。図9dは、一実施形態による光学フィルムを含む液晶表示装置の光学特性を示す図である。
【0079】
図9a~図9dの実施形態では、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとは、一定に維持(例えば、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとをそれぞれ、1.49及び1.49に設定)し、第3のシート130の第3のプリズムパターン層131に含まれる複数の第3のプリズムパターンの稜線方向P3と、第1のシート110の第1のプリズムパターン層113に含まれる複数の第1のプリズムパターンの稜線方向P1とを様々に設定したとき、第1のシート110と第2のシート120との間で測定された光と、第3のシート130と拡散シート17との間で測定された光との光学特性に関するデータ(例えば、視野角分布1、視野角分布2、輝度、左/右入射角θ、左/右視野角φ)を表すことができる。視野角分布1は、第1のシート110を出射した光に対する視野角を示すためのものであり、第1のシート110と第2のシート120との間の点の水平面(例えば、XY平面に平行な面)上に結ばれる光の分布を表すことができる。視野角分布2は、光学フィルム100全体を出射した光に対する視野角を示すためのものであり、第3のシート130と拡散シート17との間の点の水平面(例えば、XY平面に平行な面)上に結ばれる光の分布を表すことができる。図9a、図9b、図9c及び図9dを見ると、第1のシート110のピラミッドパターン層111の屈折率Diff PYと、第1のプリズムパターン層113の屈折率Diff Pとを様々に変化すると、輝度、左/右入射角、及び/又は左/右視野角が様々に変化することが確認できる。
【0080】
図9aの様々な実施形態(「例4-1」、「例4-2」、「例4-3」、「例4-4」)の項目を見ると、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して直交するとき、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向(P1;第1の方向)も、光源11の配列方向(第4の方向)に対して直交するとき(即ち、第3の方向と平行なとき)、輝度が151.6%で最も高いことが確認できる。
【0081】
図9bの様々な実施形態(「例4-5」、「例4-6」、「例4-7」、「例4-8」)の項目を見ると、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して75度だけティルティングされているときは、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向(P1;第1の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して75度だけティルティングされているとき(すなわち、第3の方向と平行なとき)、輝度が148.0%で最も高いことが確認できる。
【0082】
図9cの様々な実施形態(「例4-9」、「例4-10」、「例4-11」、「例4-12」)を参照すると、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して60度だけティルティングされているときは、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向(P1;第1の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して60度だけティルティングされているとき(すなわち、第3の方向と平行なとき)、輝度が132.7%で最も高いことが確認できる。
【0083】
図9dの様々な実施形態(「例4-13」、「例4-14」、「例4-15」、「例4-16」)の項目を見ると、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して45度だけティルティングされているときは、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向(P1;第1の方向)が、光源11の配列方向(第4の方向)に対して45度だけティルティングされているとき(すなわち、第3の方向と平行なとき)、輝度が121.8%で最も高いことが確認できる。
【0084】
一実施形態によれば、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)を、光源11の配列方向(第4の方向)からティルティングされるように配置することによって、モアレ(moire)現象を防止する一方、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向(P3;第3の方向)と、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向(P1;第1の方向)とが、実質的に同じ方向を向くように、光学フィルム100を構成することにより、高い輝度性能も確保することができる。即ち、本開示によれば、第1のプリズムパターン層113の複数の第1のプリズムパターンの稜線方向P1は、第3のプリズムパターン層131の複数の第3のプリズムパターンの稜線方向P3と平行であることがある。
【0085】
一実施形態によれば、3枚のシート110、120、130の光学フィルム100のみならず、1枚のシート110の光学フィルム(例えば、図4aの光学フィルム100a)及び2枚のシート110、120の光学フィルム(例えば、図4bの光学フィルム100b)も本発明の範囲に含まれ得る。
【0086】
本開示の一実施形態によれば、1枚のシート110の光学フィルム(例えば、図4aの光学フィルム100a)でもモアレ現象を防止することができる。図10aは、1枚のシート110における第1のプリズムパターン層113及びピラミッドパターン層111の配列による液晶パネルの様子を示す図である。図10bは、一実施形態による第1のプリズムパターン層113及びピラミッドパターン層111の配列による液晶パネルの様子を示す図である。
【0087】
モアレ現象は、ピラミッドパターン層111のピラミッドパターン111aと、第1のプリズムパターン層113のプリズムパターンとで、パラメータの数値及び/又はパターンの配列を多様に変化させることによって、容易に発生することも、又は発生しないこともある。
【0088】
例えば、図10a及び図10bに示すように、ピラミッドパターン層111のピラミッドパターン111aと、第1のプリズムパターン層113のプリズムパターンとが配置された状態であれば、ピラミッドパターン111aのパラメータの数値とプリズムパターンのパラメータの数値との差(以下、「パラメータの数値差」という)に応じて、モアレ現象が容易に発生することも、又は発生しないこともある。ここで、パラメータは、例えば、長さ(length)に対するパラメータであり、ここで、「パラメータの数値差」とは、例えば、ピラミッドパターンのピッチとプリズムパターンのピッチとの差を意味することができる。
【0089】
本開示の一実施形態によれば、ピラミッドパターン層111は、第1のピッチpi1を有する複数のピラミッドパターン111aを含み、第1のプリズムパターン層113(又は逆プリズムパターン層)は、第2のピッチpi2を有する複数のプリズムパターンを含むことができる。ここで、ピラミッドパターン111aの第1のピッチpi1は、底辺a1、a2の長さと定義することができる。パターンの数値の差は、第1のピッチpi1と第2のピッチpi2との間の差を意味することができる。
【0090】
一方、ピラミッドパターン111aの一底辺と、プリズムパターンの稜線方向とが、0度又は90度を形成せず、所定の角度(例えば、30度)以上傾いた場合には、ピラミッドパターン111aの底辺の長さである第1のピッチpi1ではなく、ピラミッドパターン111aの対角線の長さに対応する第1-1のピッチpi1-1を基準に、パターンの数値の差を比較することができる。図6a及び図6bの実施形態では、ピラミッドパターン111aの底辺の長さa1、a2を、プリズムパターンのピッチpi2と比較するのではなく、ピラミッドパターン111aの対角線の長さの半分であるpi1-1/2を、プリズムパターンのピッチpi2と比較したときに、モアレが発生する現象について表すことができる。
【0091】
例えば、図10aに示す液晶パネル20には、モアレが発生し、図10bに示す液晶パネル20には、モアレが発生しないことがある。例えば、図10aは、プリズムパターンのピッチpi2が21μmであり、ピラミッドパターンの底辺の長さが30μmであり、ピラミッドパターンの対角線の長さの半分が21.21μmのとき、モアレ現象が発生したことを示している。また、例えば、図10bは、プリズムパターンのピッチpi2が17μmであり、ピラミッドパターンの底辺の長さが30μmであり、ピラミッドパターンの対角線の長さの半分が21.21μmのとき、モアレ現象が発生しないことが示されている。これにより、ピラミッドパターンのあるパラメータ(例えば、対角線の長さの半分)の長さと、プリズムパターンのピッチの長さとが類似するときは、モアレ現象が発生し、類似しないときには、モアレ現象が発生しないことを確認することができる。光学フィルム100にモアレが発生しないピッチ関係を数式でまとめると、次の通りである。光学フィルム100にモアレが発生しないためには、下記数式1又は数式2を満たす必要がある。
【0092】
【数1】
【0093】
【数2】
ここで、nは、自然数であり得る。
【0094】
本開示のいくつかの実施形態では、ピラミッドパターンのピッチと、プリズムパターンのピッチとが類似している場合、「類似」とは、例えば、2つの異なるピッチで、マイクロメートル単位(μm)を基準に、小数点以下の値を捨てたときに、同じ値を持つ場合に類似していると言える。あるいは、「類似」とは、例えば、2つの異なるピッチの差が、ある1つのパターンのピッチの全長の3%未満である場合に類似していると言える。
【0095】
以上で説明した本開示の様々な実施形態の光学フィルム及びそれを含むバックライトユニットは、前述した実施形態及び図面によって限定されるものではなく、本開示の技術的範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0096】
液晶表示装置:1
バックライトユニット:10
光源:11
導光板:12
反射板:13
拡散シート:17
液晶パネル:20
光学フィルム:100
第1のシート:110
ピラミッドパターン層:111
第1のベース部:112
第1のプリズムパターン層:113
第2のシート:120
第2のプリズムパターン層:121
第2のベース部:122
第1の拡散層:123
第3のシート:130
第3のプリズムパターン層:131
第3のベース部:132
第2の拡散層:133
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図9d
図10a
図10b