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特開2025-98481音響特性評価方法、プログラム、及び、音響特性評価システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098481
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】音響特性評価方法、プログラム、及び、音響特性評価システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/00 20060101AFI20250625BHJP
【FI】
G10K15/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214629
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】藤 大地
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌史
(72)【発明者】
【氏名】西村 嘉徳
(72)【発明者】
【氏名】箱田 秀孝
(57)【要約】
【課題】使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現することができる音響特性評価方法を提供する。
【解決手段】音響特性評価方法は、仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定ステップS12と、複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力ステップS20とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって実行される音響特性評価方法であって、
仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定ステップと、
前記複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、前記対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力ステップとを含む、
音響特性評価方法。
【請求項2】
前記出力ステップにおいては、前記評価値が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、前記所定の条件を満たすための前記評価値の目標値を出力する、
請求項1に記載の音響特性評価方法。
【請求項3】
前記出力ステップにおいては、前記評価値が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、前記評価値と前記所定の条件を満たすための目標値との差分を出力する、
請求項1に記載の音響特性評価方法。
【請求項4】
前記出力ステップにおいては、前記評価値が前記所定の条件を満たさないと判定された場合に、前記所定の条件を満たす前記評価値を得るための設計対策案を出力する、
請求項1に記載の音響特性評価方法。
【請求項5】
前記評価値は、人の音声の了解度である、
請求項1に記載の音響特性評価方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の音響特性評価方法を前記コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定部と、
前記複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、前記対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力部とを備える、
音響特性評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響特性評価方法、プログラム、及び、音響特性評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間における音の聞こえ方の評価を行う技術が提案されている。特許文献1には、建築物の室内の環境音の好ましさを、人の感覚に近い正確性をもって客観的に評価できる室内環境音評価方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-085197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現することができる音響特性評価方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る音響特性評価方法は、コンピュータシステムによって実行される音響特性評価方法であって、仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定ステップと、前記複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、前記対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力ステップとを含む。
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記音響特性評価方法を前記コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0007】
本発明の一態様に係る音響特性評価システムは、仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定部と、前記複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、前記対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る音響特性評価方法等は、使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る音響特性評価システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、仮想空間の一例を示す平面図である。
図3図3は、音響特性の評価動作の例1のフローチャートである。
図4図4は、SN比と了解度との関係を示す図である。
図5図5は、判定結果の表示画面の第1の例を示す図である。
図6図6は、判定結果の表示画面の第2の例を示す図である。
図7図7は、判定結果の表示画面の第3の例を示す図である。
図8図8は、音響特性の評価動作の例2のシーケンス図である。
図9図9は、仮想空間における複数のエリアのレイアウトの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る音響特性評価システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る音響特性評価システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
音響特性評価システム10は、室内空間を設計するために、当該室内空間における音響特性を簡易的に評価(シミュレーション)することができるシステムである。ここでの音響特性とは、広義の意味である。音響特性評価システム10は、例えば、新たに建築される建物内の室内空間の事前設計、または、既築の建物内の室内空間をリニューアル(リフォーム)するときの事前設計を行うために用いられる。室内空間は、例えば、オフィス空間であるが、住宅内の空間などのその他の室内空間であってもよい。
【0014】
例えば、室内空間が壁(仕切り)が少ない比較的オープンなオフィス空間であり、壁を使用せずに使用目的ごとに複数のエリアに分割されているような場合、従業者の執務の妨げとなるのは、他の従業者(人)の音声と、空調機器の動作音などの暗騒音とが主要因であると考えられる。
【0015】
そこで、音響特性評価システム10は、例えば、人の音声の了解度を評価する。人の音声の了解度は、当該人が何を話しているかが理解できるかどうかを示す指標であり、言い換えれば、明瞭度である。つまり、音響特性評価システム10は、オフィス空間の執務エリアで他のエリアからの音声が聞こえにくく、執務に集中できる(音声の了解度が低い)か否かを評価する。音響特性評価システム10は、具体的には、評価装置20と、サーバシステム30とを備える。
【0016】
評価装置20は、音響特性を評価するために用いられる装置である。評価装置20は、例えば、所定のアプリケーションプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータまたはタブレット端末などによって実現される。評価装置20は、具体的には、通信部21と、情報処理部22と、記憶部23と、操作受付部24と、表示部25とを備える。
【0017】
通信部21は、評価装置20がサーバシステム30と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部21によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0018】
情報処理部22は、音響特性を評価するための情報処理を行う。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部22は、機能的な構成要素として、設定部22a、評価部22b、及び、出力部22c有する。設定部22a、評価部22b、及び、出力部22cの機能は、例えば、情報処理部22を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。設定部22a、評価部22b、及び、出力部22cのそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0019】
記憶部23は、音響特性の評価に必要な情報が記憶される記憶装置である。音響特性の評価に必要な情報には、情報処理部22が実行するコンピュータプログラム(上述の所定のアプリケーションプログラム)などが含まれる。記憶部23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0020】
操作受付部24は、音響特性の評価に関するユーザの操作を受け付ける。ユーザは、例えば、室内空間の設計者などである。操作受付部24は、キーボード、マウス、及び、タッチパネルなどのデバイスの少なくとも1つによって実現される。
【0021】
表示部25は、音響特性の評価に関する表示画面を表示する。表示部25は、液晶パネルまたは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0022】
サーバシステム30は、音響特性を評価するために用いられるシステムであり、1つまたは複数のサーバ装置(クラウドサーバ)によって実現される。サーバシステム30は、具体的には、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33とを備える。
【0023】
通信部31は、サーバシステム30が評価装置20と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部31によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0024】
情報処理部32は、音響特性を評価するための情報処理を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32は、機能的な構成要素として、設定部32a、評価部32b、及び、出力部32cを有する。設定部32a、評価部32b、及び、出力部32cの機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。設定部32a、評価部32b、及び、出力部32cのそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0025】
記憶部33は、音響特性の評価に必要な情報が記憶される記憶装置である。音響特性の評価に必要な情報には、情報処理部32が実行するコンピュータプログラムなどが含まれる。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0026】
[仮想空間の例]
音響特性の評価(シミュレーション)の対象となる仮想的な室内空間(以下、仮想空間とも記載する)の一例について説明する。音響特性評価システム10は、例えば、図2のような仮想空間において音響特性を評価することができる。図2は、仮想空間の一例を示す平面図である。仮想空間は、例えば、実際の室内空間のラフなレイアウト案に対応する空間である。仮想空間は、実際の室内空間のマップデータまたはBIM(Building Information Modeling)データなどをベースにこれらのデータを簡略化することによって作成されてもよい。
【0027】
図2に示されるように、仮想空間は、複数のエリアに分割される。図2の例では、仮想空間は、平面視において4×4の16のエリアに分割されている。以下、16個のエリアをエリア1~16として区別する。なお、1つのエリアは、一辺が数m~数十m程度(例えば、3mなど、1m以上20m以下)の長さであり、一般的な音響特性のシミュレーションに用いられるメッシュよりも大きい。
【0028】
16個のエリアのそれぞれには、使用目的が定められている。言い換えれば、16個のエリアのそれぞれに対して、使用目的の設定が可能である。図2の例では、打ち合わせ(会議)用にエリア1、エリア9、及び、エリア13の3つのエリアが設けられ、執務用にエリア2~エリア4、エリア10~エリア12、及び、エリア14~エリア16の9つのエリアが設けられ、廊下としてエリア5~エリア8の4つのエリアが設けられている。
【0029】
[音響特性の評価動作の例1]
音響特性評価システム10は、図2のような仮想空間に対して比較的少数の評価用パラメータを設定するだけで、当該仮想空間における音響特性を簡易的に評価することができる。以下、音響特性の評価動作の例1について説明する。図3は、音響特性の評価動作の例1のフローチャートである。
【0030】
ユーザは、仮想空間に対して各種の設定(各種情報の入力)を行うための操作を行い、評価装置20の操作受付部24はこのような操作を受け付ける(S11)。
【0031】
設定部22aは、受け付けられた操作に基づいて、各種設定を行う(S12)。設定部22aは、具体的には、複数のエリアの設定、エリア間の直接音の遮蔽の有無の設定、隣接エリア間の面積の設定、並びに、複数のエリアそれぞれにおける、評価用パラメータの設定を行う。評価用パラメータには、例えば、吸音率、暗騒音レベル、及び、音声レベルの3つだけが含まれる。なお、エリア間の直接音の遮蔽の有無の設定、隣接エリア間の面積の設定は、複数のエリアの設定であると考えることもできるし、評価用パラメータの設定であると考えることもできる。
【0032】
まず、複数のエリアの設定について説明する。上記図2を用いて説明したように、設定部22aは、仮想空間に対して複数のエリアを設定する。設定部22aは、具体的には、複数のエリアの形状及び大きさ、複数のエリアの配置、及び、複数のエリアの使用目的等を設定する。この結果、上記図2で説明したように、仮想空間には、例えば、エリア1~nのn個(図2ではn=16)のエリアが設定されるとともに、エリア1~nのそれぞれに使用目的が設定される。使用目的は、例えば、あらかじめ準備された選択肢の中から選択される。
【0033】
図2は仮想空間を平面視した図(2次元的に見た図)であるが、ステップS11のエリアの設定は、3次元的に行われる。つまり、ステップS11においては、エリア1~nのそれぞれについて、当該エリアの床面積、及び、当該エリアの床面から天井までの高さが設定(規定)される。言い換えれば、ステップS11においては、エリア1~nのそれぞれの容積が設定(規定)されていると考えることができる。
【0034】
次に、エリア間の直接音の遮蔽の有無の設定について説明する。ステップS11において、ユーザは、例えば、図2の仮想空間に対して直接音の遮蔽箇所(壁などの仕切りがある箇所)を指定する操作を行う。ステップS12において、設定部22aは、指定された遮蔽箇所に基づいて、直接音の遮蔽の有無を示すパラメータcijを設定する。i及びjはエリア番号であり、cij=1の場合、エリアjからエリアiへ直接音が届くことを意味し、cij=0の場合、エリアjからエリアiへ直接音が届かないことを意味する。
【0035】
図2では、ユーザによる遮蔽箇所は太線で示されている。設定部22aは、例えば、エリアjの中心点とエリアiの中心点とを結ぶ線分が遮蔽箇所と交差しない場合に直接音が届く(cij=1)と設定し、エリアjの中心点とエリアiの中心点とを結ぶ線分が遮蔽箇所と交差する場合に直接音が届かない(cij=0)と設定する。図2の例では、エリア1からエリア2~4へは直接音は届くため、c21=c31=c41=1と設定される(図2の実線矢印参照)。一方、エリア1からエリア5へは直接音は届かないため、c51=0と設定される(図2の破線矢印参照)。
【0036】
次に、隣接エリア間面積の設定について説明する。隣接エリア間面積は、隣接するエリア間の遮蔽されていない面積(音が通過する面積)を意味し、パラメータFij[m]で表される。i及びjはエリア番号である。例えば、F12は、エリア1とエリア2との間の遮蔽されていない面積を意味する。なお、エリア1とエリア3とは隣接していないためF13は0となる。
【0037】
次に、吸音率の設定について説明する。エリアの吸音率は、エリアの床、壁、または、天井などに設けられた材料と、その材料が設けられている箇所の面積に基づいて設定される。例えば、エリア1が3[m]×3[m]×3[m]の立方体であり、ステップS11において、ユーザは、エリア1の床面及び天井に吸音率0.5の吸音材が設けられていることを入力する。設定部は、エリア1の表面積54[m]のうち、9×2=18[m]に吸音率0.5の吸音材が設けられていることから、エリア1の吸音率を、0.5×(18/54)に設定する。ステップS12において、設定部22aは、n個のエリアそれぞれについて吸音率を設定する。
【0038】
次に、暗騒音レベルの設定について説明する。ステップS11において、ユーザは、例えば、エリア1~nのそれぞれについて、当該エリアにおける暗騒音レベルを、あらかじめ準備された選択肢の中から選択する。選択肢としては、例えば、レベル小、レベル中、及び、レベル大の3段階が準備されるが、4段階以上の細かい選択肢が準備されていてもよい。記憶部23には、選択肢と暗騒音レベルの数値(30dBなど)とが対応付けられた暗騒音レベル情報が記憶されており、選択肢の選択結果は暗騒音レベルに変換することができる。なお、ステップS11において、ユーザは、暗騒音の数値を入力してもよい。
【0039】
次に、音声レベルの設定について説明する。音声レベルは、騒音レベルと言い換えることができ、オフィス空間においては、会話量と考えることができる。ステップS11において、ユーザは、例えば、エリア1~nのそれぞれについて、当該エリアにおける音声レベルを、あらかじめ準備された選択肢の中から選択する。選択肢としては、例えば、レベル小、レベル中、及び、レベル大の3段階が準備されるが、4段階以上の細かい選択肢が準備されていてもよい。記憶部23には、選択肢と音声レベルの数値(50dBなど)とが対応付けられた音声レベル情報が記憶されており、選択肢の選択結果は音声レベルに変換することができる。なお、ステップS11において、ユーザは、音声レベルの数値を入力してもよい。
【0040】
なお、吸音率、暗騒音レベル、及び、音声レベルについては、周波数ごとに設定される。例えば、本評価動作の例1のように、1オクターブバンドの評価を行う場合、吸音率、暗騒音レベル、及び、音声レベルは、複数の周波数のそれぞれについて設定される。特定の周波数帯に限定して評価を行う場合、吸音率、暗騒音レベル、及び、音声レベルは、特定の周波数についてのみ設定されればよい。以下、kを周波数として、エリアiの吸音率をαi,k、エリアiの暗騒音レベルをNi,k、エリアiの音声レベルをWi,kと記載する。
【0041】
以上のような各種設定が行われた後、評価部22bは、エリア1~nのそれぞれにおける音声レベルWi,k(i=1,2、・・・n)を音圧レベルからエネルギーに変換する(S13)。つまり、評価部22bは、音声レベルWi,kを、デシベル値からワット値に変換する。以下の式は、音声レベルLsをエネルギーEsに変換するための式であり、評価部22bは、例えば、以下の式のLsに音声レベルWi,k[dB]を代入することで、エネルギーに変換されたWi,k[W]を得ることができる。なお、Wmは定数であり、0でもよい。
【0042】
【数1】
【0043】
次に、評価部22bは、エリア1~nで発生する音声のエネルギーWi,kと、上述のパラメータcijとに基づいて、エリア1~nのそれぞれにおける直接音エネルギーEdi,kを算出する(S14)。例えば、上述のパラメータcijに基づいて、エリア1に、エリア2~4からの直接音が到達し、他のエリアからは直接音が到達しない場合、エリア1における直接音エネルギーは、W1,kと、下記の式(つまり、エリア間の距離r)に基づいてそれぞれ減衰補正されたW2,k、W3,k、及び、W4,kとの和となる。なお、Qは定数であり、全方位に音が拡散するような通常のケースにおいて、Qは1である。
【0044】
【数2】
【0045】
なお、ステップS13及びS14の直接音エネルギーEdi,kは、複数の周波数のそれぞれについて算出される。1オクターブバンドの評価を行う場合、例えば、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、及び、4kHzの5通りで直接音エネルギーが算出される。つまり、kは、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、及び、4kHzのいずれかとなる。
【0046】
次に、評価部22bは、エリア1~nで発生する音声のエネルギーWi,kと、以下の間接音エネルギーの収支を示す式(後退差分方程式)に基づいて、エリア1~nのそれぞれにおける間接音エネルギーEsi,kを算出する(S15)。間接音エネルギーEsi,kの初期値は0であり、dtは、例えば、10msである。
【0047】
【数3】
【0048】
なお、この式において、Vベクトルは、エリア1~nの容積を要素とするベクトルであり、エリア1~nの容積は、設定部22aによって設定された、当該エリアの床面積、及び、当該エリアの床面から天井までの高さに基づいて算出される。Sベクトルは、エリア1~nの表面積を要素とするベクトルであり、エリア1~nの表面積は、設定部22aによって設定された、当該エリアの床面積、及び、当該エリアの床面から天井までの高さに基づいて算出される。αベクトルは、エリア1~nの吸音率αi,kを要素とするベクトルであり、上述のように、エリア1~nの吸音率αi,kは、設定部22aによって設定される。Fijは、上述の隣接エリア間面積であり、設定部22aによって設定される。
【0049】
なお、ステップS15において、間接音エネルギーEsi,kは、直接音エネルギーEdi,kと同様に、複数の周波数のそれぞれについて算出される。
【0050】
次に、評価部22bは、複数のエリア1~nのそれぞれにおける直接音エネルギーEdi,k、及び、間接音エネルギーEsi,kの合計であるエネルギーEi,kを算出する(S16)。エネルギーEi,kは、Ei,k=Edi,k+Esi,kの式により周波数ごとに算出される。
【0051】
次に、評価部22bは、エリア1~nのそれぞれにおけるエネルギーEi,kを音圧Lに変換する(S17)。以下の式は、エネルギーを音圧レベルに変換するための式である。なお、以下の式においてΣで表されるように、周波数ごとのエネルギーは、加算(積分)されたうえで音圧Lに変換される。
【0052】
【数4】
【0053】
次に、評価部22bは、エリア1~nのそれぞれにおける音声の了解度を算出する(S18)。評価部22bは、具体的には、エリア1~nのそれぞれにおいて周波数ごとの暗騒音レベルNi,kを重み付け平均することで暗騒音レベルNを算出し、エリア1~nのそれぞれにおける暗騒音レベルNに対するLのSN比を算出し、図4のカーブにしたがってSN比を了解度に変換する。重み付け平均における、暗騒音レベルNi,kに対する重みは、例えば、上記ステップS13において得られる音声レベルのエネルギーWi,k[W]の比率に応じて決定される。
【0054】
図4は、SN比と了解度との関係を示す図である。了解度は、音響特性の評価値(シミュレーション値)の一例である。なお、SN比そのものが評価値として使用されてもよい。
【0055】
次に、評価部22bは、エリア1~nのそれぞれにおける了解度が所定の条件を満たすか否かの判定を行う(S19)。上述のように、エリア1~nのそれぞれには使用目的が設定され、所定の条件は、エリア1~nのそれぞれに設定された使用目的に応じて異なる。記憶部23には、使用目的と所定の条件とが対応付けられた判定条件情報が記憶されており、使用目的から所定の条件を特定することができる。所定の条件は、例えば、打ち合わせ(会議)用のエリアにおいては了解度50%以下、執務用のエリアにおいては30%以下、というようにあらかじめ定められている。エリアによっては、所定の条件として、条件なし(制約なし)というように定められていてもよい。所定の条件は、操作受付部24へのユーザの操作等により、ユーザによって変更されてもよい。
【0056】
次に、出力部22cは、判定結果を出力する(S20)。出力部22cは、例えば、判定結果を表示するための判定結果情報を表示部25に出力することで、判定結果を出力(可視化)する。図5は、判定結果の表示画面の第1の例を示す図である。
【0057】
図5の例では、エリア1~nのそれぞれの判定結果が示されており、OKと記載されたエリアは、所定の条件を満たすと判定されたエリアであり、NGと記載されたエリアは、所定の条件を満たさないと判定されたエリアである。NGと判定されたエリアについては、所定の条件を満たすための了解度の目標値(例えば、所定の条件の上限値)が表示されている。このように、出力部22cは、了解度(評価値)が所定の条件を満たさないと判定された場合に、所定の条件を満たすための了解度の目標値を出力してもよい。
【0058】
また、図6は、判定結果の表示画面の第2の例を示す図である。図6の例では、NGと判定されたエリアについては、算出された了解度と所定の条件を満たすための了解度の目標値との差分が表示されている。このように、出力部22cは、了解度が所定の条件を満たさないと判定された場合に、算出された了解度と所定の条件を満たすための了解度の目標値との差分を出力してもよい。
【0059】
また、図7は、判定結果の表示画面の第3の例を示す図である。図7の例では、NGと判定されたエリアについては、所定の条件を満たす了解度を得るための設計対策案が表示されている。このように、出力部22cは、了解度が所定の条件を満たさないと判定された場合に、所定の条件を満たす了解度を得るための設計対策案を出力してもよい。
【0060】
なお、ステップS20においては、図5図7のうち2つ以上の表示内容を組み合わせた表示画面が表示されてもよい。例えば、ステップS20においては、所定の条件を満たすための了解度の目標値と、設計対策案とが表示されてもよい。
【0061】
以上説明したように、音響特性評価システム10は、仮想的な室内空間を、平面視において数m~数百m程度のオーダの大きさの複数のエリアに分割し、かつ、吸音率、音声の音圧レベル、及び、暗騒音の音圧レベルなどの少数の評価用パラメータを設定することで、簡易的に複数のエリアのそれぞれにおける音響特性を評価することができる。
【0062】
また、ステップS19における判定に用いられる所定の要件は、エリアの使用目的に応じて定められていることから、音響特性評価システム10は、使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現する(支援する)ことができる。
【0063】
なお、上記評価動作の例1においては、エリア1~nの全てが評価対象とされ、エリア1~nの全てにおいて所定の条件が満たされるか否かが判定された。しかしながら、音響特性評価システム10は、エリア1~nの少なくとも一部である対象エリアを評価対象とし、対象エリアにおいて所定の条件が満たされるか否かを判定してもよい。対象エリアは、例えば、操作受付部24へのユーザの操作等により、ユーザによって指定される。
【0064】
[音響特性の評価動作の例2]
上記評価動作の例1では、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた評価装置20単独で音響特性を評価する例について説明された。ここで、音響特性の評価を行うための処理は、評価装置20及びサーバシステム30が分担して行ってもよく、上記評価動作の例1で評価装置20が実行すると説明された処理の一部または全部は、サーバシステム30によって実行されてもよい。
【0065】
以下では、音響特性を評価するための実質的な情報処理をサーバシステム30が実行し、評価装置20がユーザインターフェースとして用いられる例(音響特性の評価動作の例2)について説明する。図8は、音響特性の評価動作の例2のシーケンス図である。
【0066】
ユーザは、仮想空間に対して各種の設定(各種情報の入力)を行うための操作を行い、評価装置20の操作受付部24はこのような操作を受け付ける(S31)。情報処理部22は、受け付けられた操作によって定まる設定の内容を示す設定情報を、通信部21を用いてサーバシステム30へ送信する(S32)。
【0067】
サーバシステム30の通信部31は、設定情報を受信する。設定部32aは、設定情報に基づいて、上記評価動作の例1のステップS12の処理と同様に、設定を行う(S33)。また、評価部32bは、上記評価動作の例1のステップS13~S19の処理と同様の処理を行う(S34~S40)。
【0068】
ステップS40の判定処理の後、出力部32cは、判定結果を出力する(S41)。出力部32cは、具体的には、判定結果を表示するための判定結果情報を、通信部31を用いて評価装置20へ出力(送信)する。
【0069】
評価装置20の通信部21は、判定結果情報を受信する。情報処理部22は、受信された判定結果情報を表示部25に表示(可視化)する(S42)。この結果、図5のような判定結果の表示画面が表示部25に表示される。
【0070】
以上説明したように、音響特性評価システム10は、実質的な情報処理をサーバシステム30が実行することにより、複数のエリアのそれぞれにおける音響特性を評価することもできる。
【0071】
なお、上記評価動作の例2においても、エリア1~nの全てが評価対象とされる必要はなく、エリア1~nの少なくとも一部が評価対象(対象エリア)とされればよい。
【0072】
[設定対策案の決定]
上記評価動作の例1のステップS20、及び、上記評価動作の例2のステップS42において設計対策案を表示する場合の、どのように設計対策案を決定するかについて説明する。
【0073】
例えば、設計対策の候補として、レイアウト変更、パーティションの追加、吸音材の追加、及び、サウンドマスキング用のスピーカの追加などがあらかじめ準備されている。レイアウト変更は、例えば、図2の室内空間において、打ち合わせ(会議)用のエリア、執務用のエリア、及び、廊下のレイアウトを変更することを意味する。図9は、レイアウトの変更例を示す図である。サウンドマスキング用のスピーカの追加は、暗騒音レベルを上げることで了解度を低下させる対策を意味する。
【0074】
例えば、レイアウト変更について、現状のまま、または、図9のレイアウトに変更の2通りの対策があり、パーティションの追加について、パーティションを追加しない、または、廊下と執務エリアとの間に高さ6mのパーティションの追加する、の2通りの対策があるとする。また、吸音材について、吸音材を追加しない、吸音率0.1の吸音材を追加する、または、吸音率0.2の吸音材を追加する、の3通りの対策があり、スピーカの追加について、スピーカを追加しない、スピーカを1台追加する、または、スピーカを2台追加する、の3通りの対策があるとする。これらを組み合わせた対応策としては、2×2×3×3=36パターン考えられる。
【0075】
情報処理部22(または情報処理部32)は、これらの36パターンの対策(複数の所定の対策パターン)を実施した場合の執務エリアのSN比を上記図3のフローチャートにしたがって算出し、執務エリアの全てにおいてSN比が所定値(例えば、10dB)以上低下する、という制約条件を満たす1つ以上のパターンを抽出する。
【0076】
次に、情報処理部22(または情報処理部32)は、抽出したパターンのうち、コスト(対策費用)が最も低いパターンをユーザに提示する設計対策案として決定する。コストは、例えば、以下の式に基づいて算出される。
【0077】
【数5】
【0078】
上記の評価関数においてcost iは、cost1~4の4種類であり、具体的には、cost1:レイアウト変更にかかるコスト、cost2:パーティションの追加にかかるコスト、cost3:吸音材の追加にかかるコスト、cost4:スピーカの追加にかかるコスト、である。記憶部23(または記憶部33)には、これらの対策を行うために必要なコスト(対策費用)を示すコスト情報があらかじめ記憶されており、情報処理部22(または情報処理部32)は、抽出したパターンの対策内容とコスト情報と上記評価関数とに基づいて、抽出したパターンの対策内容のコストを算出することができる。
【0079】
なお、スピーカを追加する対策(サウンドマスキングを導入する対策)によれば、SN比は上記制約条件を満たしやすくなるが、暗騒音レベルの上昇により執務エリアに位置する人の不快感が増大すると考えられる。そこで、上記評価関数においては、暗騒音レベルの上昇(不快感の増大)は、コストの増大として取り扱われている。具体的には、N:エリアjにおける暗騒音レベルのコスト、n:暗騒音レベルへの重みづけ係数、である。
【0080】
なお、このような設定対策案の決定方法は、一例であり、設計対策案は他の決定方法(例えば、既存の他の決定方法)を用いて決定されてもよい。
【0081】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、例示される発明から得られる効果等について説明する。
【0082】
発明1は、コンピュータシステムによって実行される音響特性評価方法であって、仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定ステップS12(またはS33)と、複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力ステップS20(またはS41)とを含む、音響特性評価方法である。
【0083】
このような音響特性評価方法は、使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現することができる。
【0084】
発明2は、出力ステップS20(またはS41)においては、評価値が所定の条件を満たさないと判定された場合に、所定の条件を満たすための評価値の目標値を出力する、発明1の音響特性評価方法である。
【0085】
このような音響特性評価方法は、対象エリアにおける評価値が所定の条件を満たすための評価値の目標値をユーザに提示することができる。
【0086】
発明3は、出力ステップS20(またはS41)においては、評価値が所定の条件を満たさないと判定された場合に、評価値と所定の条件を満たすための目標値との差分を出力する、発明1の音響特性評価方法である。
【0087】
このような音響特性評価方法は、対象エリアにおける評価値と目標値との差分をユーザに提示することができる。
【0088】
発明4は、出力ステップS20(またはS41)においては、評価値が所定の条件を満たさないと判定された場合に、所定の条件を満たす評価値を得るための設計対策案を出力する、発明1の音響特性評価方法である。
【0089】
このような音響特性評価方法は、対象エリアにおいて所定の条件を満たす評価値を得るための設計対策案をユーザに提示することができる。
【0090】
発明5は、評価値は、人の音声の了解度である、発明1~4のいずれかの音響特性評価方法である。
【0091】
このような音響特性評価方法は、対象エリアにおける人の音声の了解度を評価することができる。
【0092】
発明6は、発明1~5のいずれかの音響特性評価方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0093】
このようなプログラムによれば、コンピュータシステムは、室内空間の対象エリアにおける音響特性を簡易的に評価することができる。
【0094】
発明7は、仮想的な室内空間に対して使用目的が異なる複数のエリアを設定する設定部22a(または設定部32a)と、複数のエリアの少なくとも1つである対象エリアにおける音響特性の評価値が、対象エリアの使用目的に応じて定められた所定の条件を満たすか否かの判定結果を示す情報を出力する出力部22c(または出力部32c)とを備える、音響特性評価システム10である。
【0095】
このような音響特性評価システム10は、使用目的に応じた室内空間の音響設計を実現することができる。
【0096】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記実施の形態において開示された表示画面、及び、表示画面への操作は一例であり、情報処理システムにおいては、同様の機能を有する他の表示画面、及び、同様の目的で行われる他の操作が採用されてもよい。例えば、上記実施の形態におけるアイコンまたはオブジェクトの選択は、クリック操作に基づいて行われてもよいし、タップ操作に基づいて行われてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、音響特性評価システム、及び、サーバシステムなどのシステムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。このように、本明細書におけるシステムは、単一の装置によって構成される場合もあるし、複数の装置によって構成される場合もある。システムが複数の装置によって実現される場合、システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(例えば、無線ルータなど)が介在してもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0102】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として一つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0103】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0104】
例えば、本発明は、評価装置またはサーバシステムとして実現されてもよい。本発明は、コンピュータシステム(音響特性評価システム)が実行する音響特性評価方法として実現されてもよい。本発明は、このような音響特性評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0105】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10 音響特性評価システム
20 評価装置
21、31 通信部
22、32 情報処理部
22a、32a 設定部
22b、32b 評価部
22c、32c 出力部
23、33 記憶部
24 操作受付部
25 表示部
30 サーバシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9