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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098637
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】用紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 17/02 20060101AFI20250625BHJP
   D21H 17/01 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
D21H17/02
D21H17/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214902
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522280663
【氏名又は名称】appcycle株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004152
【氏名又は名称】弁理士法人お茶の水内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町野 健
(72)【発明者】
【氏名】中田 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】高山 雅人
(72)【発明者】
【氏名】辻 志穂
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 圭
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055AA03
4L055AC06
4L055AG43
4L055CG32
4L055EA16
4L055EA32
4L055FA13
4L055FA14
(57)【要約】
【課題】環境に配慮した、強度及び表面性に優れた用紙を提供すること。
【解決手段】パルプと、りんご、柑橘類のいずれか、または両方の搾汁残渣とを含有し、前記搾汁残渣の平均粒子径(Dv(50))が10μm以上1000μm以下である用紙。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプと、りんご、柑橘類のいずれか、または両方の搾汁残渣とを含有し、前記搾汁残渣の平均粒子径(Dv(50))が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする用紙。
【請求項2】
用紙全体に対して、前記搾汁残渣を3質量%以上50質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
果物ジュースの製造過程において、大量の搾汁残渣が発生し、この搾汁残渣の有効利用が模索されている。
例えば、りんごの搾汁残渣については、りんご搾汁残渣を配合した動物の糞尿に対し消臭効果のある飼料(特許文献1)、搾汁残渣を再搾汁して、乳製品等にりんご臭が残らないようにした搾り粕再生飼料(特許文献2)、リンゴ搾汁残渣に植物長繊維屑からなる補助材を混合し、その混合物に高圧を付加することでさらにリンゴ果汁を抽出し、二次圧搾後の混合物を乾燥、発酵処理して家畜飼料とすること(特許文献3)が提案されている。また、特許文献4には、搾汁残渣を含有する食用シートが提案されている。
このように、搾汁残渣の利用または利用に関する技術的提案は、主として付加価値の低い飼料用途や食用といった可食物としての利用であり、紙に関するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-199509号公報
【特許文献2】登録実用新案第3032813号公報
【特許文献3】特開2006-280332号公報
【特許文献4】特開2011-030446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、環境に配慮した、強度及び表面性に優れた用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.パルプと、りんご、柑橘類のいずれか、または両方の搾汁残渣とを含有し、前記搾汁残渣の平均粒子径(Dv(50))が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする用紙。
2.用紙全体に対して、前記搾汁残渣を3質量%以上50質量%以下含むことを特徴とする1.に記載の用紙。
【発明の効果】
【0006】
本発明の用紙は、搾汁残渣を原料とし、廃棄物の量を減らすことができるため、環境への負荷を軽減することができる。本発明の用紙は、搾汁残渣を含まない用紙と比較して、強度に優れている。また、特定の粒子径の搾汁残渣を含有することで、残渣によるダートが少なく表面性に優れた用紙とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、パルプと、りんご、柑橘類のいずれか、または両方の搾汁残渣とを含有する用紙に関する。
【0008】
・パルプ
パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることができる。
【0009】
本発明の用紙は、強度に優れているため、古紙パルプを多く配合することができる。また、リサイクル材料である古紙パルプを配合することは、環境への点からも好ましい。本発明の用紙は、パルプ全量に対して古紙パルプを50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことがさらに好ましく、90重量%以上、さらには100重量%とすることもできる。古紙パルプとしては、段ボール古紙、上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を離解した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に印刷された古紙、および筆記された古紙、廃棄機密文書等の紙類、雑誌古紙、新聞古紙を離解後脱墨したパルプ(DIP)等を使用することができる。
【0010】
・搾汁残渣
本発明の用紙は、製紙原料として、りんご、柑橘類のいずれか、または両方の搾汁残渣を含む。搾汁残渣は、公知の方法でりんご、または柑橘類を搾汁した後の搾汁残渣を、乾燥した後、粉砕したものを用いることができる。粉砕前または粉砕後に洗浄工程を経てもよい。
本発明は、搾汁残渣として、平均粒子径(Dv(50))が10μm以上1000μm以下のものを使用する。搾汁残渣の平均粒子径(Dv(50))をこの範囲とすることで、搾汁残渣による紙力向上効果と紙面の美観(夾雑物の少なさ)を両立した用紙とすることができる。搾汁残渣の平均粒子径(Dv(50))は、例えば、レーザー回折式粒子径測定装置(マルバーン・パナリティカル社製、マスターサイザー3000)等で測定することができる。この平均粒子径(Dv(50))は、20μm以上がより好ましく、25μm以上がさらに好ましく、また、250μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
【0011】
本発明の用紙において、搾汁残渣を繊維長分布測定装置(ABB社製、L&W Fiber Tester Plus CODE912)で測定したときの平均繊維長(長さ加重)は、0.10mm以上1mm以下が好ましく、より好ましくは0.15mm以上0.80mm以下であり、さらに好ましくは0.20mm以上0.50mm以下である。また、平均繊維幅(長さ加重)は、10μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以上80μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上50μm以下である。搾汁残渣の平均繊維長と平均繊維幅を上記した範囲内とすることで紙面に夾雑物として確認される繊維塊が少なくなり、用紙の美観が向上する、紙力の発現に搾汁残渣由来の繊維が寄与することができる。
また、搾汁残渣において、ファイン(繊維長0.2mm未満の微細繊維)の割合であるファイン率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、95%以上が最も好ましい。ファイン率を前記範囲とすることで、紙の繊維間結合点が増えるため、高強度な紙を得ることができる。なお、ファイン率とは、繊維長分布測定装置により算出可能な値であり、全繊維の累積長さに対する繊維長0.2mm以下の繊維の累積長さの占める割合(%)である。
【0012】
本発明の用紙において、搾汁残渣の配合量は特に制限されないが、用紙全体に対して3質量%以上50質量%以下が好ましい。搾汁残渣の配合量がこの範囲内であると、搾汁残渣を含まない場合と比較して、強度に優れた用紙を得ることが容易である。搾汁残渣の配合量は、用紙全体に対して5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、45質量%以下がより好ましい。
【0013】
本発明の用紙は、必要に応じて公知の填料、製紙用助剤を含むことができる。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。
【0014】
製紙用助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)等の各種の内添サイズ剤、ノニオン性、カチオン性、両性の各種歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変性物等、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル、消泡剤、着色染料、着色顔料、pH調整剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能であり、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
【0015】
本発明の用紙の坪量は、特に制限されないが、例えば、10g/m以上1100g/m以下とすることができる。坪量は、その用途に応じて選択することができ、例えば、単層紙として用いる場合は10g/m以上500g/m以下、より好ましくは30g/m以上300g/m以下の範囲で適宜設定することができる。また、2層以上の紙層を有する多層抄き板紙である場合、一層が上記範囲でもよいが、全層の合計を10g/m以上1100g/m以下の範囲で適宜設定することができ、例えば、段ボール用ライナとして用いる場合は、70g/m以上550g/m以下とすることができる。
【0016】
本発明の搾汁残渣を含む用紙は、搾汁残渣を含まない用紙と比較して、そのメカニズムは不明であるが、強度に優れている。本発明の用紙の引張強度は、搾汁残渣を含まない以外は同様の用紙と比較して、その引張強さが5%以上向上していることが好ましく、10%以上向上していることがより好ましく、20%以上向上していることがさらに好ましく、30%以上向上していることがよりさらに好ましく、40%以上向上していることがよりさらに好ましく、50%以上向上していることがよりさらに好ましい。
【0017】
本発明の搾汁残渣を含む用紙は、搾汁残渣を含むため夾雑物が増加してしまう。そのため、本発明の搾汁残渣は上述の通り粉砕処理を行って微細化してから紙料に添加される。粗大な夾雑物が存在すると、印刷物の美観が損なわれる、印刷した文字の判別が困難になるなどの問題が発生する恐れがある。
本発明の搾汁残渣を含む用紙は、直径250μm以上の夾雑物の個数が100,000個/m以下が好ましく、より好ましくは50,000個/m以下である。また、100μm未満の微細な夾雑物の個数は150,000個/m以上が好ましく、200,000個/m以上がより好ましい。上記範囲とすることで、文字などの印刷物の判別の障害となりにくく、自然な色味や風合いを有する用紙とすることができる。用紙中の夾雑物は、きょう雑物測定装置(日本製紙ユニテック社製)等によって測定することができる。また、夾雑物の面積及び個数は、スキャナの読み取り側に用紙の表面をセットし、解像度400dpiで10cm×10cmの画像を取り込み、付属のソフトウェアで解析して求めることもできる。
【0018】
本発明の用紙の用途は特に制限されない。例えば、印刷用紙、書籍用紙、情報用紙、新聞紙、クラフト紙、クラフト伸長紙、クレープ紙、上質紙、薄葉紙、衛生用紙、包装用紙、板紙(段ボール用ライナ、中しん原紙、紙器用板紙、製函用板紙、積層合紙用板紙等)、園芸・農業用資材(園芸用シート、農業用シート、苗床用シート、果実袋等)等とすることができる。本発明の用紙は、搾汁残渣を含むため、果実に関連する用途、例えば、果実の栽培に用いる園芸・農業用資材や、果実の保管・運搬等に用いる包装材料等に用いることにより、より環境に配慮した印象とすることができる。また、本発明の用紙は表面性に優れるため、印刷した際のダートなどが目立ちにくく、美観に優れた印刷物とすることができるため、文字や図柄を印刷、描画して使用する印刷用紙、書籍用紙、情報用紙、新聞紙に好適であり、ノート、名刺、ファンシー紙などの用途にも好適に使用することができる。
【0019】
用紙の製造(抄紙)方法、抄紙機の型式は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等、及びこれらを組み合わせた抄き合わせの抄紙機等を用いた公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能である。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
【0020】
抄紙した後に、必要に応じて表面処理剤を塗布して外添することができる。表面処理剤を塗布する場合、用紙の要求される品質に応じて、水溶性高分子物質、表面サイズ剤などの公知の表面処理薬品を単独または適宜配合して使用することができる。
表面処理剤を塗布するサイズプレスの型式は特に限定はなく、ツーロールサイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー等の公知の装置を適宜用いて表面処理剤を外添することができる。カレンダーは、バイパスしてもよく、通常の操業範囲内で処理してもよい。
【実施例0021】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で得られた用紙は、以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
・平均粒子径
固形分濃度0.1%となるように水に分散した搾汁残渣を、レーザー回折式粒子径測定装置(マルバーン・パナリティカル社製、マスターサイザー3000)で測定した。
・平均繊維長・平均繊維幅・ファイン率
繊維長分布測定装置(ABB社製、L&W Fiber Tester Plus CODE912)で測定した。
【0022】
・坪量
JIS P 8124を参考に測定した。
・厚さ
JIS P 8118を参考に測定した。
・密度
坪量と厚さから求めた。
・王研式平滑度
JIS P 8155に準拠して測定した。
・引張り強さ
JIS P 8113に準拠して測定した。
・裂断長
JIS P 8113に準拠して測定した。
夾雑物:きょう雑物測定装置(Easy Scan、日本製紙ユニテック社製)を用いてダート個数とダート面積を計測した。ダートの個数とは1mあたりのダートの個数、ダートの面積とは1mあたりのダート面積(mm)の総和を意味する。
【0023】
(実施例1)
広葉樹晒クラフトパルプ(ろ水度630ml程度のLBKP;日本製紙社製)を固形分濃度0.6重量%となるように水を加えてLBKPスラリーを得た。また、りんご粉末(appcycle社製、平均粒子径(Dv(50))66.6μm)を固形分濃度5重量%となるように水を加えてスリーワンモーターを用いて攪拌することでりんご粉末スラリーを得た。前記LBKPスラリーと前記りんご粉末スラリーを全固形分重量割合が55:45となるように混合したものを原料とした。
これを丸型手抄き機にて、坪量64g/mとなるように抄紙し、プレス装置にて脱水し、さらに送風乾燥機により50℃で緊張乾燥させることにより、用紙を作製した。
用紙中の搾汁残渣の含有率は、計算により算出した。具体的には、LBKPは、丸型手抄き機による抄紙時の歩留まりが100%であり、投入したLBKPは全て用紙中に含まれているため、用紙の重量と投入したLBKPの重量の差を搾汁残渣(用紙-LBKP投入量=搾汁残渣)として算出した。
【0024】
(実施例2)
前記LBKPスラリーと前記りんご粉末スラリーを全固形分重量割合が32:68となるように混合したものを原料とした以外は、実施例1と同様に用紙を作製した。
(実施例3)
前記りんご粉末を一度水に分散したものをADVANTEC社製No.2濾紙を用いて濾過し、濾物固形分濃度4重量%となるように水を加えてスリーワンモーターを用いて攪拌することで洗浄りんご粉末スラリー(平均粒子径(Dv(50))59.7μm)を得た。前記LBKPスラリーと前記洗浄りんご粉末スラリーを全固形分重量割合が73:27となるように混合したものを原料とした以外は実施例1と同様に用紙を作製した。
【0025】
(比較例1)
前記LBKPスラリーのみを原料とした以外は、実施例1と同様に用紙を作製した。
(比較例2)
ぶどう粉末(appcycle社製、平均粒子径(Dv(50))49.6μm)を固形分濃度5重量%となるように水を加えてスリーワンモーターを用いて攪拌することでぶどう粉末スラリーを得た。前記LBKPスラリーと前記ぶどう粉末スラリーを全固形分重量割合が66:34となるように混合したものを原料とした以外は、実施例1と同様に用紙を作製した。
(比較例3)
粉砕しないリンゴ搾汁残渣乾燥物(appcycle社製)を固形分濃度5重量%となるように水を加えてスリーワンモーターを用いて攪拌することでりんご未粉砕スラリーを得た。前記LBKPスラリーと前記りんご未粉砕スラリーを全固形分重量割合が68:32となるように混合したものを原料とした以外は、実施例1と同様に用紙を作製した。なお、この搾汁残渣は大きすぎるため、平均粒子径(測定範囲0.01~3500μm)、平均繊維長等は測定不能である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
実施例1~3で得られた用紙は、比較例1で得られた用紙と比較して強度に優れていた。また、実施例1、3で得られた用紙は、適度な粗さを有し、自然な風合いを備えていたが、印刷適性を損なうほどではなかった。
比較例2、3で得られた用紙は、比較例1で得られた用紙よりも強度に劣っていた。また、比較例3で得られた用紙は、その紙面が非常に粗く、印刷が困難なほどであった。