(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009867
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】半導体整流素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10D 30/66 20250101AFI20250109BHJP
H10D 30/01 20250101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L29/78 652J
H01L29/78 652T
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
H01L29/78 652S
H01L29/78 652Q
H01L29/78 658E
H01L29/78 658G
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085386
(22)【出願日】2024-05-27
(31)【優先権主張番号】202310809114.X
(32)【優先日】2023-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】318000156
【氏名又は名称】ダイオーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】タオ ロン
(72)【発明者】
【氏名】ゼ ルイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ピン-ハオ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ポール キース ガリ
(72)【発明者】
【氏名】リ-シェン チョウ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】導体整流素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体整流素子は、頂面及び底面を有するエピタキシャル層と、頂面から底面まで延在し、かつ、互いに対向する第1側壁41C及び第2側壁41Dと、両側壁を接続する第1底面41Bとを含む第1凹溝41と、第1凹溝に隣接し、かつ、互いに対向する第3側壁42C及び第4側壁42Dと、両側壁を接続する第2底面42Bとを含む第2凹溝42と、頂面から底面まで延在し、かつ、第1凹溝の第1側壁と少なくとも一部の第1底面に隣接する第1ドープ領域221と、第1ドープ領域に隣接し、かつ互いに分離しており、頂面から底面まで延在し、かつ、第2凹溝の第3側壁、第4側壁及び第2底面に隣接する第2ドープ領域222と、第1凹溝と第2凹溝との間の頂面に設置され、かつ、その底面が第1ドープ領域及び第2ドープ領域に隣接するゲート構造と、接触金属層と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体整流素子において、
互いに対向する頂面及び底面を有するエピタキシャル層と、
前記頂面から前記底面まで延在し、かつ互いに対向する第1側壁及び第2側壁と、前記第1側壁と前記第2側壁を接続する第1底面とを含む第1凹溝と、
前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第1凹溝に隣接する第2凹溝であって、互いに対向する第3側壁及び第4側壁と、前記第3側壁と前記第4側壁を接続する第2底面とを含む第2凹溝と、
前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第1凹溝の前記第1側壁と少なくとも一部の前記第1底面に隣接する第1ドープ領域と、
前記第1ドープ領域に隣接し、かつ互いに分離されており、前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第2凹溝の前記第3側壁、前記第4側壁及び前記第2底面に隣接する第2ドープ領域と、
前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記頂面に設置され、かつその底面が前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域に隣接しているゲート構造と、前記第1凹溝、前記ゲート構造及び前記第2凹溝に沿って前記エピタキシャル層の前記頂面上に設置されている接触金属層と、を含むことを特徴とする、
半導体整流素子。
【請求項2】
前記ゲート構造は、互いに対向する第5側壁及び第6側壁を含み、前記第5側壁と前記第1凹溝の前記第2側壁は断面図から見ると一直線であり、かつ前記ゲート構造の前記第6側壁と前記第2凹溝の前記第3側壁は断面図から見ると一直線である、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項3】
前記第1凹溝の前記第1側壁は前記頂面の第1部分と接続され、かつ前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記頂面の一部は前記頂面の第2部分であり、かつ前記第1部分と前記第2部分がほぼ同じ水平高さに位置している、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項4】
前記第1凹溝の前記第1側壁は前記頂面の第1部分と接続され、前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記頂面の一部は前記頂面の第2部分であり、かつ前記第1部分の水平高さが前記第2部分の水平高さを上回る、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項5】
前記頂面から前記底面まで延在し、かつ第1ドープ領域の少なくとも一部と重なり、かつその深さが前記第1ドープ領域の深さを上回る第3のドープ領域をさらに含む、
請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項6】
前記第3ドープ領域の前記第1ドープ領域に近い部分が高いドープ濃度を有する、請求項5に記載の半導体整流素子。
【請求項7】
前記接触金属層が、前記第1凹溝の前記第2側壁、前記第1凹溝の前記底面、前記第2凹溝の前記第3側壁及び前記第4側壁、及び前記第2凹溝の前記底面に接触している、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項8】
前記第1ドープ領域がさらに前記第1凹溝の前記第1側壁に隣接している、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項9】
前記第1凹溝の前記第1側壁の第1高さは前記第2側壁の第2高さを上回り、前記第2凹溝の前記第3側壁の第3高さは前記第4側壁の第4高さとほぼ同じであり、かつ前記第2高さ、前記第3高さ、前記第4高さがほぼ同じである、請求項1に記載の半導体整流素子。
【請求項10】
半導体整流素子の製造方法において、
炭化ケイ素層上にパターン化層を形成することと、
前記パターン化層をマスクとして前記炭化ケイ素層にエッチングを行い、第1凹溝及び前記第1凹溝に隣接する第2凹溝を形成することと、
前記パターン化層をマスクとして前記炭化ケイ素層にイオン注入を行うことと、
前記炭化ケイ素層に熱アニールを行うことと、
前記熱アニール後に、前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記炭化ケイ素層上にゲート構造を形成することと、を含み、前記ゲート構造は、互いに対向する第1側壁及び第2側壁を有し、前記第1側壁と前記第1凹溝の1つの側壁は連続した側壁であり、かつ前記第2側壁と前記第2凹溝の1つの側壁も連続した側壁であることを特徴とする、
半導体整流素子の製造方法。
【請求項11】
前記熱アニールの前に、炭素含有層を形成して前記炭化ケイ素層を被覆することと、
前記熱アニールの後に、前記炭素含有層を除去することとをさらに含む、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1凹溝と前記第2凹溝に充填するための第1誘電層であって、前記第1誘電層の頂面が前記炭化ケイ素層の頂面と面一である第1誘電層を形成することと、露出している、前記炭化ケイ素層の前記頂面に隣接する前記炭化ケイ素層の一部を除去して、前記炭化ケイ素層の前記頂面より低い第1表面を形成することであって、前記第1表面が前記第1凹溝の底面より高い第1表面を形成することと、前記第1表面上に前記ゲート構造を形成することと、をさらに含む、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1表面上にゲート構造を形成することが、
前記第1表面上に第2誘電層を形成することと、
前記第2誘電層上に、頂面が前記第1誘電層の前記頂面と面一であるゲート電極層を形成することと、を含む、
請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1表面と前記炭化ケイ素層の前記頂面との垂直距離が1500~2000オングストロームの間である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
前記パターン化層を形成する前に、前記炭化ケイ素層内に終端ドープ領域を形成することをさらに含む、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項16】
前記パターン化層が前記終端ドープ領域の一部を露出し、かつ前記終端ドープ領域が前記第1凹溝に隣接する、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記パターン化層は前記第1凹溝を画定する開口を含み、かつ断面図から見ると、前記開口が垂直方向に沿って前記終端ドープ領域の一部と重なる、請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記パターン化層は前記第1凹溝を画定する開口を含み、かつ断面図から見ると、前記開口が前記終端ドープ領域の垂直方向に沿った投影のカバー範囲内に位置する、請求項15に記載の製造方法。
【請求項19】
前記第1凹溝と前記第2凹溝の間の前記炭化ケイ素層上に前記ゲート構造を形成する前に、第3誘電層を形成して、前記終端ドープ領域及び前記終端ドープ領域に隣接する前記第1凹溝の一部を被覆することをさらに含む、
請求項15に記載の製造方法。
【請求項20】
前記炭化ケイ素層及び前記ゲート構造上に、前記第1凹溝の前記側壁及び底面と接触し、かつ前記第2凹溝の前記側壁及び底面とも接触する接触金属層を共形的に形成することと、
前記接触金属層上に第1電極層を形成することと、
前記炭化ケイ素層の下方に第2電極層を形成することと、をさらに含み、前記第1電極層と前記第2電極層が前記炭化ケイ素層の対向する両側に位置している、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項21】
基板を提供することと、
前記基板でエピタキシャル成長を行って前記炭化ケイ素層を形成することと、
前記基板の厚さを減らすことと、
前記基板と接触する前記第2電極層を形成することと、をさらに含む、
請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記第1凹溝または前記第2凹溝の深さが4000~5000オングストロームの間である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項23】
前記イオン注入が斜めイオン注入を含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項24】
前記イオン注入の前に、前記パターン化層の複数の側壁に側壁スペーサを形成することをさらに含む、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項25】
前記イオン注入が、前記パターン化層及び前記側壁スペーサをマスクとして前記炭化ケイ素層に対して行われる、請求項24に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体整流素子の構造及びその製造方法に関し、より具体的には、炭化ケイ素上に形成された半導体整流素子を有する構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、半導体材料は、広いバンドギャップ(バンドギャップエネルギー値Egが1.1eVを上回るなど)、低い導通抵抗(RON)、高い熱伝導性、高い動作周波数及び高い電荷キャリア飽和速度を有しており、例えばダイオードやトランジスタのような電子部品の生産、特に電源への応用に非常に適している。上記の特徴を有し、かつ電子部品を製造するために設計される材料は炭化ケイ素(SiC)である。特に、炭化ケイ素は、その異なる多形体(例えば3C-SiC、4H-SiC、6H-SiC)という面において、前に列挙した特性についてはケイ素よりも優れている。
【0003】
炭化ケイ素基板上の電子素子は、ケイ素基板上の同類素子と比べて、ダイナミック出力抵抗が低く、漏れ電流が小さく、動作温度が高く、動作周波数が高いといった数々の長所を有している。炭化ケイ素を基板とする半導体構造は、高温(例えば1700°Cまたはそれ以上)のアニール工程により活性化する必要があるが、多結晶シリコンや一般的なゲート材料は、そのような高温のアニール工程に耐えることができず、工程の整合が困難になり、工程全体のコストも増加する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は、半導体整流素子に関する。前記半導体整流素子は、互いに対向する頂面及び底面を有するエピタキシャル層と、前記頂面から前記底面まで延在し、かつ互いに対向する第1側壁及び第2側壁と、前記第1側壁と前記第2側壁を接続する第1底面とを含む第1凹溝と、前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第1凹溝に隣接する第2凹溝であって、互いに対向する第3側壁及び第4側壁と、前記第3側壁と前記第4側壁を接続する第2底面とを含む第2凹溝と、前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第1凹溝の前記第2側壁及び少なくとも前記第1底面の一部に隣接する第1ドープ領域と、前記第1ドープ領域に隣接し、かつ互いに分離されており、前記頂面から前記底面まで延在し、かつ前記第2凹溝の前記第3側壁、前記第4側壁及び前記第2底面に隣接する第2ドープ領域と、前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記頂面に設置され、かつその底面が前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域に隣接しているゲート構造と、前記第1凹溝、前記ゲート構造及び前記第2凹溝に沿って前記エピタキシャル層の前記頂面上に設置されている接触金属層と、を含む。
【0005】
本開示の実施例は、半導体整流素子の製造方法に関する。前記方法は、炭化ケイ素層上にパターン化層を形成することと、前記パターン化層をマスクとして前記炭化ケイ素層にエッチングを行い、第1凹溝及び前記第1凹溝に隣接する第2凹溝を形成することと、前記パターン化層をマスクとして前記炭化ケイ素層にイオン注入を行うことと、前記炭化ケイ素層に熱アニールを行うことと、前記熱アニール後に、前記第1凹溝と前記第2凹溝との間の前記炭化ケイ素層上にゲート構造を形成することと、を含み、そのうち、前記ゲート構造は、互いに対向する第1側壁及び第2側壁を有し、前記第1側壁と前記第1凹溝の1つの側壁は連続した側壁であり、かつ前記第2側壁と前記第2凹溝の1つの側壁も連続した側壁である。
【0006】
図面と結び付けて以下の詳細な説明を閲読することにより、本開示の若干の実施例の態様を最適に理解することができる。各種の構造は比例通りに作成しなくてもよいという点に注意しなければならない。実際には、論述を明確にするという見地から、各種の構造の大きさを任意に拡大または縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図2】
図2は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図3】
図3は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図4】
図4は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図5】
図5は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図6】
図6は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図7】
図7は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図8】
図8は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図9】
図9は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図10】
図10は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図11】
図11は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図12】
図12は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図13】
図13は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図14】
図14は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図15】
図15は、本件の異なる実施例に基づく半導体整流素子の上面図である。
【
図16】
図16は、本件の異なる実施例に基づく半導体整流素子の上面図である。
【
図17】
図17は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図18】
図18は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図19】
図19は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図20】
図20は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図21】
図21は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図22】
図22は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図23】
図23は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図24】
図24は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図25】
図25は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図26】
図26は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図27】
図27は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図28】
図28は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図29】
図29は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【
図30】
図30は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
同一または類似する部品は、図及び詳細な記述の中では、同様の参照符号を使用して示している。本開示の若干の実施例は、以下の詳細な説明及び図面により、速やかに理解することができる。
【0009】
以下の開示では、提供される標的の様々な特徴を実施するための多くの異なる実施例または範例を提供している。以下では、部品及び配置の具体的な実例を説明している。もちろん、これらは単なる範例なので、限定的でないことが望ましい。本開示では、第2特徴の上方または上に第1特徴を形成するという引用は、第1特徴と第2特徴が直接接触を形成している実施例を含むことができ、かつ第1特徴と第2特徴との間に第1特徴と第2特徴が直接接触を形成しなくてよい別の特徴を形成する実施例を含むこともできる。また、本開示では、各実施例の中で図面符号及び/または文字が重複してもよい。この重複は簡単かつ明確にするために行われるものであり、それ自体は、議論されている各実施例及び/または配置の間の関係を示しているわけではない。
【0010】
以下では本開示の実施例について詳細に議論している。しかし、本開示が様々な特定の環境下で具体化することができる多くの適用概念を提供していることを理解しておかなければならない。議論されている具体的な実施例は説明的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0011】
本開示では、半導体整流素子の構造及びその製造方法を提供している。一般的な半導体整流素子の製造方法と比較して、本開示の製造方法は、多結晶シリコン材料または誘電材料を形成する前に活性化工程を行うことを含むことで、炭化ケイ素上に整流素子を適切に整合している。さらに、本開示の製造方法は、ゲート構造の自己整合ステップをさらに含むことで、パターン化工程が引き起こすおそれのある基板に対する損傷を減らすと同時に、フォトマスクの使用を減らして工程全体のコストを削減することもできる。
【0012】
図1~
図14は、本件のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子1の製造方法中の1つ以上の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の態様をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。
【0013】
図1を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、半導体材料層11の表面11A上でエピタキシャル成長を行って炭化ケイ素層12を形成するとともに、炭化ケイ素層12内にドープ領域21を形成することを含む。半導体材料層11は対向する表面11A及び表面11Bを有する。いくつかの実施例では、表面11A及び表面11Bは水平面であってよい。説明しやすいように、表面11A及び表面11Bに直交する方向を垂直方向とし、垂直方向に直交する方向を水平方向と定義する。いくつかの実施例では、表面11Aは、半導体材料層11の頂面であり、表面11Bは、半導体材料層11の底面である。いくつかの実施例では、表面11Aはシリコンウェハの頂面である。半導体材料層11の材料は、多結晶シリコンまたは単結晶シリコンであってよい。半導体材料層11はドープ領域を含むことができる。例えば、半導体材料層11は、n型トランジスタとして配置可能なp型ドープ領域及びn型ドープ領域(p型トランジスタとして配置可能)を含む。N型ドープ領域にはn型ドーパント、例えばリン、ヒ素、その他のn型ドーパントまたはその組合せがドープされる。P型ドープ領域にはp型ドーパント、例えばホウ素、インジウム、その他のp型ドーパントまたはその組合せがドープされる。N型またはP型ドープ領域は、イオン注入工程、拡散工程及び/またはその他の適切なドープ工程を実行して形成することができる。半導体材料層11は第1型のドープ領域を有し、表面11Aから表面11Bまで延在し、かつ表面11A全体を被覆している。説明しやすいように、以下では、第1型はN型を例に説明しているが、本開示はこれに限定されず、N型(第1型)やP型(第2型)の半導体材料層11は、半導体整流素子1の導電型によって調整することができる。
【0014】
炭化ケイ素層12は、半導体材料層11と同じ導電型、つまり第1型ドープを有する。いくつかの実施例では、エピタキシャル成長において、N型電気性を有するイオンを注入することでN型の炭化ケイ素層12を形成しているので、別途イオン注入を行う必要はない。N型電気性のイオンは炭化ケイ素層12内全体に分布しているので、炭化ケイ素層12全体に位置するドープ領域25を形成することができる。炭化ケイ素層12は表面12A及び表面12Aと対向する表面12Bを有する。いくつかの実施例では、表面12A及び表面12Bは水平面であってよい。いくつかの実施例では、表面12Aは炭化ケイ素層12の頂面であり、表面12Bは炭化ケイ素層12の底面である。いくつかの実施例では、炭化ケイ素層12の表面12Bの表面は半導体材料層11の表面11Aと接触する。
【0015】
続いて、炭化ケイ素層12の表面12Aにイオン注入を行って、第2型ドープを有するドープ領域21を形成する。いくつかの実施例では、ドープ領域21は回路終端としてのドープ領域であり、終端ドープ領域とも呼ばれる。いくつかの実施例では、ドープ領域21はガードリングの役割を有する。いくつかの実施例では、ドープ領域21は、上面図から見ると環状である(図中には描かれていない)。ドープ領域21の形成方法は、酸化物層を炭化ケイ素層12の表面12Aに形成した後、前記酸化物層上にパターン化フォトマスクを形成するというものである。パターン化されたフォトマスクを利用して前記酸化物層をパターン化し、フォトマスクを除去した後、パターン化された酸化物層をマスクとして炭化ケイ素層12の表面12Aにイオン注入を行う。パターン化された酸化層は、イオン注入ステップの後、除去される。上述のドープ領域21の形成方法については、本開示のいくつかの実施例で提供する例に基づいて説明しているが、本開示はこれに限定されない。また、ドープ領域21はドープ領域25の導電性を相殺するので、電気的に言えば、ドープ領域25の被覆範囲はドープ領域21の外の炭化ケイ素層12の一部と画定される。
【0016】
図2を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、半導体材料の炭化ケイ素層12の表面12A上にパターン化層51を形成し、炭化ケイ素層12の一部を露出させ、かつドープ領域21の一部を被覆することを含む。いくつかの実施例では、パターン化層51はドープ領域21の一部及びドープ領域21と接続する炭化ケイ素層12の一部を露出させている。いくつかの実施例では、パターン化層51は開口511及び開口512を有し、炭化ケイ素層12の一部を露出させている。パターン化層51は、フォトマスク、硬化層、誘電層(例えば酸化層や窒化層)など、後続のエッチング工程のマスクとして適合する材料層であってよい。いくつかの実施例では、パターン化層51は酸化物(例えば酸化ケイ素)を含む。いくつかの実施例では、酸化物層を形成して炭化ケイ素層12全体の表面12Aを被覆し、パターン化フォトマスクを酸化物層上に形成し、パターン化フォトマスクを使用して一部の酸化層を除去し、その後、フォトマスクを除去して、炭化ケイ素層12の一部を露出させるパターン化層51を形成する。
【0017】
図3を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、パターン化層51をマスクとして炭化ケイ素層12にエッチング工程を行って、複数の凹溝(
図3に示す凹溝41、42)を形成することを含む。複数の凹溝は互いに隣接し、かつ炭化ケイ素層12の表面12Aから表面12Bまで延在する。同じエッチングステップを経て形成されるため、前記複数の凹溝はほぼ同じ深さを有する。いくつかの実施例では、複数の凹溝の底面は、概ね同じ水平面12Dに位置している。いくつかの実施例では、凹溝41の深さD41は、凹溝42の深さD42とほぼ同じである。いくつかの実施例では、凹溝41の深さD41または凹溝42の深さD42は、4000~5000オングストロームの間である。いくつかの実施例では、凹溝41の底面41B及び凹溝41の側壁42Dはほぼ同じ水平高さを有し、水平面12Dに位置している。いくつかの実施例では、凹溝41の底面41B、凹溝41の側壁42Dは同じ水平面12Dに位置している。いくつかの実施例では、複数の凹溝41、42の深さはドープ領域21の深さを下回る。パターン化層51はドープ領域21の一部を露出させており、かつ凹溝41の深さはドープ領域21の深さを下回るので、ドープ領域21は凹溝41の側壁41D及び底面41Bの一部に隣接する。また、複数の凹溝(凹溝41、42を含む)は、パターン化層51をマスクとして形成されているので、パターン化層51は複数の凹溝の複数の開口に対応している。凹溝41の側壁41C、41Dは、パターン化層51の対応する第1開口511の側壁と位置合わせされ、凹溝42の側壁42C、42Dはパターン化層51の対応する第2開口512の側壁と位置合わせされており、そのうち、側壁41C、41Dは底面41Bと個別に接続され、かつ互いに対向しており、側壁42C、42Dは底面42Bと個別に接続され、かつ互いに対向している。いくつかの実施例では、パターン化層51の第1開口511は、
図3に示すように、垂直方向に沿ってドープ領域21の一部と重なっている。
【0018】
図4を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、パターン化層51をマスクとして炭化ケイ素層12にイオン注入を行い、複数のドープ領域22を形成することを含み、そのうち、複数のドープ領域22はドープ領域21と同じ導電型を有する。上記の説明に類似して、ドープ領域22はドープ領域25の導電性を相殺するので、電気的に言えば、ドープ領域25の被覆範囲は、ドープ領域21、22の外の炭化ケイ素層12の一部と画定される。
【0019】
複数のドープ領域22は、ドープ領域221及びドープ領域222を含む。いくつかの実施例では、ドープ領域221は表面12Aから表面12Bまで延在し、かつ凹溝41の側壁41C及び底面41Bの一部に隣接する。いくつかの実施例では、ドープ領域221は凹溝41の側壁41C及び底面41Bの一部に沿って、炭化ケイ素層12の内部まで延在している。複数のドープ領域22を個別にその対応する凹溝側壁に沿って横方向に拡散させるために、
図4に示すステップは、少なくとも1回の斜めイオン注入を含む。いくつかの実施例では、
図4に示すステップは複数回のイオン注入を含み、かつそのうちの少なくとも1回は斜めイオン注入である。いくつかの実施例では、
図4に示すステップは複数回の斜めイオン注入を含み、所望の横方向拡散範囲を達成するために、斜めイオン注入では回ごとに異なる傾斜角を設定することができる。いくつかの実施例では、ドープ領域21の表面12Aから表面12Bまでの深さは、ドープ領域22の表面12Aから表面12Bまでの深さ以上である。
【0020】
パターン化層51はドープ領域21の一部を露出させているので、ドープ領域221はドープ領域21と接触している。いくつかの実施例では、
図4のイオン注入ステップにおいて、露出したドープ領域21にイオンを注入しており、
図4の破線ボックスで示している領域211は、ドープ領域21において二次イオンが注入された領域を表しており、よって、領域211は高いドープ濃度を有している。複数のドープ領域22は、半導体整流素子1のバルクドープ領域であり、ドープ領域21は終端ドープ領域である。領域211は、その後のステップで誘電材料に被覆され、バルクドープ領域としては作用せず、終端ドープ領域として作用する。説明しやすいように、領域211をドープ領域21の一部として画定しており、かつ領域211とドープ領域221の境界はドープ領域21とドープ領域221の境界に相当する。いくつかの実施例では、領域211は、ドープ領域221よりも高いドープ濃度を有する。いくつかの実施例では、領域211は、ドープ領域21のその他の部分よりも高いドープ濃度を有する。いくつかの実施例では、ドープ領域22はドープ領域21とは異なるドープ濃度を有する。いくつかの実施例では、ドープ領域21のドープ濃度は、1立方センチメートル当たり1*10
17~1*10
18(cm
-3)の間である。いくつかの実施例では、ドープ領域22のドープ濃度は1*10
16~1*10
17cm
-3の間である。
【0021】
ドープ領域222は、ドープ領域221に隣接し、かつ互いに分離している。いくつかの実施例では、ドープ領域222は表面12Aから表面12Bまで延在し、かつ凹溝42の対向する両側壁42C、42D及び底面42Bに隣接している。いくつかの実施例では、ドープ領域222は凹溝42の側壁42C、42D及び底面42Bに沿って炭化ケイ素層12の内部まで延在している。ドープ領域222はドープ領域221と同じイオン注入ステップを経て形成されているので、ドープ領域221とほぼ同じ深さ及びドープ濃度を有している。
【0022】
図5を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、炭素含有層52を形成して炭化ケイ素層12を被覆した後、炭化ケイ素層12に高温アニールを行うことを含む。いくつかの実施例では、炭素含有層52は炭化ケイ素層12全体を被覆する。いくつかの実施例では、炭素含有層52は炭化ケイ素層12を共形的に被覆している。後続で炭化ケイ素層12に高温アニールを行ってドープ領域21、22中のイオンを活性化させるので、炭素含有層52は高温でのケイ素の析出を防止することができる。炭素含有層52が形成された後、炭化ケイ素層12に対して高温アニールを行う。いくつかの実施例では、前記高温アニールステップの温度は1400~2500度(°C)の間である。いくつかの実施例では、前記高温アニールステップを実行する時間は20~40分の間である。炭素含有層52は、前記高温アニールステップ後に除去される。
【0023】
図6を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、前記高温アニールステップの後、誘電層13を形成してドープ領域21を被覆することを含む。誘電層13がドープ領域21全体を被覆することを確保するために、誘電層13はさらにドープ領域21と隣接するドープ領域221の一部を被覆する。誘電層13の形成方法は、前述のパターン化層51の形成方法を参考にすることができるので、ここでは繰り返し説明しない。いくつかの実施例では、誘電層13は凹溝41の側壁41Dと底面41Bの一部を被覆する。いくつかの実施例では、誘電層13は酸化物(例えば酸化ケイ素)を含む。
【0024】
図7を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、前記誘電層13を形成した後、誘電層14を形成して残りの凹溝41及び凹溝42に充填することを含む。いくつかの実施例では、蒸着工程を行って誘電材料を形成し、炭化ケイ素層12全体を被覆した後、誘電材料にドライエッチングを行って、表面12Aより高い部分の誘電材料を除去することで、誘電層14を形成する。いくつかの実施例では、前記誘電材料と炭化ケイ素層12はエッチング選択比を有しているので、前記ドライエッチングステップは炭化ケイ素層12の表面12Aで停止される。
【0025】
誘電層14の頂面14Aは炭化ケイ素層12の表面12Aと面一または共平面である。誘電層14は複数の凹溝に充填される複数の部分を含むことができる。いくつかの実施例では、誘電層14は、凹溝41内に位置する部分誘電層141と、凹溝42内に位置する部分誘電層142とを含む。いくつかの実施例では、部分誘電層141の頂面141Aは炭化ケイ素層12の表面12Aと面一または共平面である。いくつかの実施例では、部分誘電層142の頂面142Aは炭化ケイ素層12の表面12Aと面一または共平面である。いくつかの実施例では、部分誘電層142の頂面142Aは部分誘電層142の頂面142Aとほぼ同じ水平高さに位置する。さらに、後続のエッチング工程において誘電層13と誘電層14との間にエッチング選択比を有することができるように、誘電層14は誘電層13とは異なる誘電材料を有する。いくつかの実施例では、誘電層14は窒化物(例えば窒化ケイ素)を含む。
【0026】
図8を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、炭化ケイ素層12の一部を除去して、露出している炭化ケイ素層12の一部の頂面を誘電層14の頂面14Aより低くすることを含む。いくつかの実施例では、炭化ケイ素層12にドライエッチングを行って、誘電層13、14に被覆されていない部分の炭化ケイ素層12を除去する。ドライエッチングステップ後の炭化ケイ素層12は露出した表面12Cを有し、表面12Cの水平高さは表面12Aの水平高さより低く、かつ複数の凹溝(41、42を含む)の底面の水平高さより高い。いくつかの実施例では、表面12Cは水平面であってよい。いくつかの実施例では、ドライエッチングステップ後の炭化ケイ素層12の頂面は、異なる水平高さを有する水平面を含む。いくつかの実施例では、ドライエッチングステップ後の炭化ケイ素層12の頂面は表面12A及び表面12Cを含み、かつ表面12Aの水平高さは表面12Cの水平高さを上回る。前記ドライエッチングステップでは所定の厚さの炭化ケイ素層12を除去しており、かつ所定の厚さは凹溝41の深さを下回る。後続のステップで表面12C上にゲート構造が形成されるので、除去される炭化ケイ素層12の厚さによりゲート構造の厚さが決まる。そのため、所定の厚さは、必要とするゲート構造の厚さに基づいて調整することができる。いくつかの実施例では、前記ドライエッチングステップは、前記ドライエッチングステップを所定の時間実行することにより、除去される炭化ケイ素層12の厚さが前記所定の厚さに達するよう制御するタイムモード(time-mode)であってよい。いくつかの実施例では、前記所定の厚さは1000オングストローム(angstroms)~3000オングストロームの間である。言い換えれば、炭化ケイ素層12の表面12Cから誘電層14の頂面14A(頂面141A、142Aを含む)までの垂直距離D12は、1000オングストローム~3000オングストロームの間にあるのである。いくつかの実施例では、誘電層13に被覆されている炭化ケイ素層12の一部は表面12Aを部分的に残しており、かつ表面12Cと表面12Aの垂直距離(D12と同じ)は1000オングストロームから3000オングストロームの間である。いくつかの実施例では、側壁41C、42C、42Dはほぼ同じ高さを有する。いくつかの実施例では、側壁41Dの高さは、側壁41C、42Cまたは42Dの高さを上回る。
【0027】
後続のステップにおいてゲート構造が炭化ケイ素層12の表面12C上に形成されるので、凹溝41、42の間の表面12Cに近い炭化ケイ素層12内では、半導体整流素子1の動作時に通路が形成され、またドープ領域221、222がゲート構造下方の炭化ケイ素層12において横方向に延在することで、電流の流動に有利となることに注意が必要である。上記の
図4に示すように、パターン化層51が被覆されているので、斜めイオン注入を行ってもドープ領域221、222の接触面12Aの範囲には限りがあるが、
図8のドライエッチング工程を経ると、ドープ領域221、222の接触面12Cの範囲が増加し、電流の流動に有利となり、半導体整流素子1の効率が上がる。いくつかの実施例では、前記ドライエッチングステップの後、側壁41Cの高さは側壁41Dの高さを下回る。いくつかの実施例では、前記ドライエッチングステップの後、ドープ領域221は側壁41Cと表面12Cのコーナが隣接する。いくつかの実施例では、前記ドライエッチングステップの後、ドープ領域221は側壁41Cと表面12Cの一部が隣接する。同様に、凹溝42の側壁42C及び42Dの高さは、側壁41Cの高さとほぼ同じである。また、ドープ領域222と表面12Cの位置関係は、ドープ領域221と側壁41Cの位置関係と類似しているので、ここでは繰り返し説明しない。
【0028】
図9を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、炭化ケイ素層12の露出した表面12C上に誘電層15を形成することを含む。いくつかの実施例では、誘電層15は酸化物(例えば酸化ケイ素)を含む。いくつかの実施例では、炭化ケイ素層12を熱酸化するステップにより誘電層15を形成する。いくつかの実施例では、誘電層15の厚さは50オングストロームから200オングストロームの間である。いくつかの実施例では、誘電層15はその後に形成されるゲート構造のゲート誘電層である。いくつかの実施例では、誘電層15は炭化ケイ素層12が露出している表面12C全体を被覆する。誘電層15は複数の部分を含み、それぞれが誘電層14の隣接する部分の間に延在している。例えば、誘電層15は部分誘電層151及び部分誘電層152を含む。いくつかの実施例では、その中の誘電層151、152の一部は互いに分離している。いくつかの実施例では、部分誘電層151は凹溝41、42の間の表面12C上に延在している。いくつかの実施例では、部分誘電層151は部分誘電層141、142の間に位置し、かつ部分誘電層141、142と接触している。いくつかの実施例では、部分誘電層152は部分誘電層142と別の隣接する誘電層14のその他の部分(図中未表示)との間の表面12C上に延在している。
【0029】
図10を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、誘電層15上にゲート電極層16を形成することを含む。いくつかの実施例では、ゲート電極層16は多結晶シリコンを含む。いくつかの実施例では、蒸着ステップを行ってゲート電極材料を形成し、炭化ケイ素層12全体を被覆した後、エッチングステップを行って、誘電層14の頂面14Aより高いゲート電極材料を除去することで、ゲート電極層16を形成する。誘電層15と類似するように、ゲート電極層16も複数の部分を含み、それぞれが異なる部分の誘電層15上に形成されている。例えば、ゲート電極層16は、部分誘電層151の上にあるゲート電極161と、部分誘電層152の上にある、ゲート電極161に隣接するゲート電極162とを含み、かつゲート電極161と162は互いに分離している。
【0030】
ゲート電極層16と誘電層14はエッチング選択比を有しており、ゲート電極材料で行われるエッチングステップは誘電層14の頂面14Aで停止する。よって、ゲート電極層16の頂面16Aと誘電層14の頂面14Aとは、ほぼ同じ水平高さに位置する。いくつかの実施例では、ゲート電極層16の頂面16Aは誘電層14の頂面14Aと面一または共平面である。言い換えると、ゲート電極161の頂面161Aは、部分誘電層141の頂面141A、部分誘電層142の頂面142A及びゲート電極162の頂面162Aのうちのいずれか1つまたは複数と同じ水平高さに位置しているか、または共平面である。さらに、誘電層14の頂面14Aは炭化ケイ素層12の表面12Aと面一または共平面なので、ゲート電極層16の頂面16Aは炭化ケイ素層12の表面12Aと面一または共平面である。言い換えると、ゲート電極161の頂面161A、ゲート電極162の頂面162Aのうちのいずれか1つまたは複数は、炭化ケイ素層12の表面12Aと同じ水平高さに位置しているのである。
【0031】
図11を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、誘電層14を除去することを含む。いくつかの実施例では、ウェットエッチングを行って凹溝41、42内の誘電層14を除去している。ゲート電極161、部分誘電層151は共同でゲート構造171を構成し、かつゲート電極162、部分誘電層152が共同でゲート構造172を構成している。いくつかの実施例では、ゲート構造171の側壁41Cに近接する側壁と側壁41Cは、断面図から見ると一直線であり、しかもゲート構造171の側壁42Dに近接する側壁と側壁42Dは、断面図から見ると一直線である。ゲート構造172はゲート構造171と類似する配置を有しているので、ここでは繰り返し説明しない。
【0032】
図12を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、炭化ケイ素層12とゲート構造17の上に共形的に接触金属層31を形成することを含む。接触金属層31は、例えばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、窒化チタン(TiN)、窒化モリブデン(MoN)、またはそれらの組合せといった適切な金属材料を含むことができる。いくつかの実施例では、接触金属層31は凹溝41の側壁41C及び底面41Bの一部と接触し、かつ凹溝42の側壁42C、42D及び底面42Bと接触している。また、接触金属層31を形成する過程またはその後では、温度が400~600°Cであるステップを経る可能性があるので、接触金属層31と炭化ケイ素層12の間、及び接触金属層31とゲート電極層16の間に金属ケイ化物を形成する。金属ケイ化物の形成により、接触金属層31と炭化ケイ素層12、または接触金属層31とゲート電極層16の間の電気抵抗を低減することができるので、半導体整流素子1の性能を向上させることに役立つ。
【0033】
図13を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、接触金属層31上に第1電極層32を形成することを含む。第1電極層32は、例えばタングステン化チタン(TiW)、アルミニウム・シリコン・銅合金(AlSiCu)、またはその組合せといった適切な金属材料または合金を含むことができるが、ここでは限定していない。第1電極層32を形成した後、第1電極層32及び接触金属層31をエッチングすることで、一部のゲート構造17を電気的に接続し、一部のゲート構造17を電気的に隔離することができる。エッチングステップは必要な回路設計に基づいて行われるので、図面はエッチングステップを描いているわけではないが、当業者であれば、本開示の上記の内容に基づいてエッチングステップを調整し、必要な第1電極層32のパターンと接触金属層31のパターンを形成することができる。
【0034】
図14を参照すると、半導体整流素子1の前記製造方法は、不活性化層33を第1電極層32上に形成すること、及び第2電極層34を炭化ケイ素層12の下方に形成することを含む。いくつかの実施例では、不活性化層33は、蒸着ステップ及びパターン化ステップを経て形成することができる。不活性化層33が第1電極層32を露出している部分は、後続で導電プラグ(図中未表示)を形成する工程の中で導電プラグと電気的に接続するために用いられる。いくつかの実施例では、第2電極層34は第1電極層32と同じ導電材料を有する。第2電極層34と第1電極層32は炭化ケイ素層12の対向する両側に位置している。いくつかの実施例では、第2電極層34は半導体材料層11の表面11B上に形成されている。いくつかの実施例では、第2電極層34は半導体材料層11と接触する。いくつかの実施例では、第2電極層34を形成する前に、半導体材料層11に対して研磨またはエッチングを行って、半導体材料層11の厚さを減らしている。
【0035】
図14中の矢印は、半導体整流素子1の動作時の電流の流れる方向を示しており、ドープ領域221の横方向接触面12Cの範囲が大きいほど、電流の流れを助けると理解することができる。上で説明しているように、前述の
図4の斜めイオン注入はドープ領域22が凹溝側壁(例えば41C、42C、42D)に沿って水平に延在することを助けるが、パターン化層51がドープ領域22の表面12Aに近接する部分の水平に延在する範囲を制限する。この問題は、正に前述の
図8のステップによって解決される。ドープ領域221のゲート構造171の底面における部分は、ドープ領域(トランジスタの軽ドープドレイン拡張(LDD)に類似)を拡張する作用を提供することができ、半導体整流素子1の操作速度を高めることができる。
【0036】
自己整合ゲート工程はフォトマスクの使用を減らすことを助け、整合問題を回避するだけでなく、工程全体のコストを引き下げることもできる。しかし、従来のゲート構造自己整合工程は、ゲート構造をマスクとして基板に対してイオン注入を行うので、イオンを活性化するためのアニールステップはゲート構造の形成後に行う必要があり、自己整合ゲートが炭化ケイ素材料上に適用できなくなる。前述の
図1から
図14のステップによると、本開示の高温アニールステップはゲート構造17の形成ステップの前に行われるので、従来技術におけるアニール温度が高すぎることによりゲート構造が損傷する問題を解決することができ、炭化ケイ素材料への適用をさらに進めることができる。ドープ領域22及びゲート構造17は、いずれもパターン化層51によって画定することができ、別途フォトマスクを必要とせずに、従来技術の自己整合ゲート工程の効果を達成する。また、ドープ領域22は斜めイオン注入ステップによって形成されるので、本開示は、ドープ領域を自己整合拡張する効果を達成することができる。
【0037】
図15、16に示しているのは、本件の様々な実施例に基づく半導体整流素子2、3の上面図であり、ゲート構造17が様々な配置を有することができることを表している。
図15、16に示されているゲート構造17の配置は説明のためのものであって、本開示を制限するものではないことに注意が必要である。
【0038】
図15を参照すると、いくつかの実施例では、ゲート構造17は複数のグループを含み、隣接するグループのゲート構造17の延在方向は互いに垂直である。いくつかの実施例では、ドープ領域21は環状であり、ゲート構造17のすべてを包囲している。いくつかの実施例では、
図14のゲート構造171、172は互いに連結されている。いくつかの実施例では、ゲート構造171、172は同じゲート構造の両側辺に属し、そのうち、前記両側辺は互いに対向し、かつ互いに平行である。いくつかの実施例では、
図1~14は、
図15のA-A’接線に基づく複数の段階の断面概略図である。いくつかの実施例では、
図1~14は、
図15のB-B’接線に基づく複数の段階の断面概略図である。いくつかの実施例では、ドープ領域25は表面12Aに隣接しており、上面図から見ると、ドープ領域221を取り囲んでいる。
【0039】
図16を参照すると、いくつかの実施例では、ゲート構造17は隣接する互いに平行な複数のゲート構造17を有する。いくつかの実施例では、ドープ領域21は環状であり、ゲート構造17のすべてを包囲している。いくつかの実施例では、ゲート構造17の延在方向は半導体整流素子3の中の1側辺に平行であり、互いに連結されている。いくつかの実施例では、
図14のゲート構造171、172は互いに連結されている。いくつかの実施例では、ゲート構造171、172は同じゲート構造の両側辺に属し、そのうち、前記両側辺は互いに対向し、かつ互いに平行である。いくつかの実施例では、
図1~14は、
図16のC-C’接線に基づく複数の段階の断面概略図である。いくつかの実施例では、ドープ領域25は表面12Aに隣接しており、かつ上面図から見ると、ドープ領域221を取り囲んでいる。
【0040】
上で説明した本開示の構造及び工程によると、同じ目的及び概念において、上記の工程中のステップでは、調整や順序の置換を行って、同一または類似する垂直パワー半導体素子、半導体整流素子を実現することができる。
図17~23は、本件の他のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子4の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の形態をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。説明を簡略化するために、以下では、前述の
図1~
図14に示されている工程とは異なる部分についてのみ記述し、同一または類似のステップについては繰り返し説明しないものとする。
【0041】
図17から
図18を参照すると、前述の
図1~
図3のステップにより複数の凹溝が形成されているが、異なるのは、
図18の実施例では、複数の凹溝がさらに凹溝42に隣接する凹溝43を含み、凹溝43と凹溝41は凹溝の対向する両側に位置し、かつ凹溝41がドープ領域21内に形成されているという点である。いくつかの実施例では、パターン化層51はさらに、凹溝43に対応する開口513を含む。いくつかの実施例では、断面図から見ると、開口511はドープ領域21の垂直方向に沿った投影のカバー範囲内に位置している。いくつかの実施例では、断面図から見ると、ドープ領域21の凹溝41に隣接するのは側壁41C、41D及び底面41Bである。
【0042】
図19を参照すると、前述の
図4のステップに基づいて複数のドープ領域22が形成されているが、異なるのは、
図19に示すイオン注入のステップでは、凹溝41が炭化ケイ素層12のドープ領域21によって被覆される範囲内に形成されているという点であり、そのためドープ領域221がドープ領域21と重なっている。言い換えると、凹溝41の側壁41C、41D及び底面41Bに隣接する部分のドープ領域21が、ドープ領域22を形成するステップにおいて、同時にイオン注入されているということである。いくつかの実施例では、ドープ領域221はドープ領域21内に形成されている。いくつかの実施例では、ドープ領域221のドープ濃度はドープ領域21またはその他のドープ領域22(ドープ領域222、223など)よりも高い。
図19のステップの後、前述の
図5のステップに基づいて炭素含有層を形成した後、高温アニールステップを行い、かつ高温アニールステップの後、炭素含有層を除去する。
【0043】
図20を参照すると、前述の
図7のステップに基づいて誘電層14が形成されているが、異なるのは、
図20に示す誘電層14が、さらに凹溝43内に位置する部分誘電層143を含み、かつ部分誘電層141の対向する両側壁及び底面がドープ領域221に隣接しているという点である。
【0044】
図21を参照すると、前述の
図8のステップに基づいて表面12Aに近接する一部の炭化ケイ素層12が除去されているが、異なるのは、
図20に示す炭化ケイ素層12は
図8の誘電層13によって被覆されておらず、そのため、炭化ケイ素層12は異なる水平高さに位置する表面12A及び表面12Cを同時に有することができないという点である。いくつかの実施例では、エッチング工程は、誘電層14が露出しているすべての表面12A上で行われる。言い換えると、いくつかの実施例では、エッチングステップ後の炭化ケイ素層12の頂面(表面12Cに相当)は、誘電層14の頂面14Aよりも低いということである。
【0045】
図22を参照すると、前述の
図6のステップに基づいて誘電層13が形成されているが、異なるのは、
図22に示されている誘電層13は表面12C上に位置し、かつ凹溝41を被覆していないという点である。いくつかの実施例では、誘電層13は部分誘電層141と互いに分離されている。
【0046】
図23を参照すると、前述の
図9~
図14のステップに基づいて半導体整流素子4が形成されているが、異なるのは、
図23のゲート構造17がゲート構造173、174をさらに含むという点である。いくつかの実施例では、誘電層15は部分誘電層153、154をさらに含み、そのうち、部分誘電層153は凹溝43に隣接する表面12Cの一部上、凹溝43の部分誘電層152に対向する側に位置し、部分誘電層154は凹溝41と誘電層13との間の表面12C上に位置している。いくつかの実施例では、ゲート電極層16は、部分誘電層153上に位置するゲート電極163と、部分誘電層154上に位置するゲート電極164をさらに含む。いくつかの実施例では、ゲート構造173は部分誘電層153及びゲート電極163を含み、ゲート構造174は部分誘電層154及びゲート電極164を含む。ゲート構造174は誘電層13に隣接し、半導体整流素子4の動作及び性能に寄与しないので、ダミーゲートとも呼ばれている。
【0047】
上で説明した本開示の構造及び工程に基づき、同じ目的及び概念において、上記の工程中のステップでは、調整や順序の置換を行って、同一または類似する半導体整流素子を実現することができる。
図24~
図30は、本件の他のいくつかの実施例に基づく半導体整流素子5の製造方法の中の1つ以上の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の形態をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。説明を簡略化するために、以下では、前述の
図17~
図23に示されている工程とは異なる部分についてのみ記述し、同一または類似のステップについては繰り返し説明しないものとする。
【0048】
図24を参照すると、前述の
図18のステップに基づいて複数のドープ領域22が形成されているが、異なるのは、
図24の実施例では、イオン注入のステップでイオンを炭化ケイ素層12内に垂直注入しているという点である。いくつかの実施例では、イオン注入のステップは垂直イオン注入を含む。いくつかの実施例では、イオン注入のステップは斜めイオン注入を含まない。イオン注入工程のパラメータを調整することにより、形成される複数のドープ領域22を表面12Aと分離させたり、表面12Aに隣接させたりするよう調整することができる。いくつかの実施例では、各ドープ領域22(221、222、223を含む)は表面12Aから分離しており、かつ各ドープ領域22(221、222、223を含む)と表面12Aの垂直距離D13は1000~2000オングストロームの間である。いくつかの実施例では、各ドープ領域22(221、222、223を含む)は表面12Aに隣接している(
図19のドープ領域221、222、223に類似)。
【0049】
図25を参照すると、半導体整流素子5の前記製造方法は、パターン化層53の開口511、512、513の側壁に側壁スペーサ54を形成することをさらに含む。側壁スペーサ54の形成は、例えば、パターン化層53及び炭化ケイ素層12上に誘電材料を共形的に蒸着し、その後、誘電材料に対してエッチング工程を行って水平部分の誘電材料を除去することを含む。
【0050】
図26を参照すると、前述の
図18(または
図3)のエッチングステップに基づいて複数の凹溝(41、42、43を含む)が形成されているが、異なるのは、
図26の実施例は、パターン化層53及び側壁スペーサ54をマスクとして炭化ケイ素層12にエッチングを行っているという点である。いくつかの実施例では、凹溝41、42、43の幅はそれぞれ開口511、512、513の幅を下回る。いくつかの実施例では、パターン化層53及び側壁スペーサ54は、同じ誘電材料を含む。いくつかの実施例では、パターン化層53及び側壁スペーサ54を同時に(または単一エッチングステップで)除去することができる。
【0051】
図27から
図30を参照すると、前述の
図20から
図23のステップに基づいて半導体整流素子5が形成されているが、異なるのは、
図30のドープ領域22の形成ステップには斜めイオン注入が含まれていないため、半導体整流素子5のドープ領域22の配置が、半導体整流素子4のドープ領域22の配置とは若干異なる可能性があるという点である。さらに、いくつかの実施例では、半導体整流素子5のドープ領域22と表面12Aが分離しているので(
図27に示す通り)、
図28のエッチングステップの所定の厚さは、複数のドープ領域221、222、223(特に222、223)が表面12Cに接触することを確保するために、
図24に示す距離D13以上に制御されることになる。
【0052】
以上の方法に基づいて形成された半導体整流素子4、半導体整流素子5は、半導体整流素子1と類似する構造を有しており、その従来技術に対する優位性は半導体整流素子1と同じなので、ここでは繰り返し述べない。本開示で提供する半導体整流素子は、炭化ケイ素の材料特性のお陰で、消費電力の削減とスイッチング効率の向上を提供することができるとともに、本開示で提供する製造方法は、酸化ケイ素材料上での自己整合工程を有効に整合させ、高温アニール工程がゲート構造に与える損傷を回避すると同時に、工程全体のコストを削減することもできる。
【0053】
本文中では、記述しやすいように、「の下」、「下面」、「下部」、「上方」、「上部」、「左側」、「右側」などの空間に対応する用語を使用して、図面に示す1つの部品または特徴と別の1つまたは複数の部品または特徴との関係を記述している。図面に記載されている方向の他に、空間に対応する用語は、装置の使用時または運転時の異なる方向をカバーすることもある。他の方式でも装置の方向(90度回転、またはその他の向き)を決めることができ、かつ同様に相応の方式で本文中で使用する空間に対応する用語を解釈することもできる。部品が他の部品に「接続され」、または「連結され」ていると書かれている場合は、他の部品に直接接続または連結されていてもよいし、中間部品が存在してもよいという点を理解しておかなければならない。
【0054】
本文で使用されているように、用語の「概ね」、「ほぼ」、「基本的に」及び「約」は、小さな変化を記述及び解釈するために用いられる。イベントまたは状況と結び付けて使用される場合、前記用語は、イベントまたは状況が間違いなく発生した実例、及びイベントまたは状況が発生間近の実例を指すことができる。本文で所定の値または範囲に関して使用される場合、用語の「約」は、全体的に所定の値または範囲の±10%、±5%、±1%または±0.5%以内にあることを意味する。本文では、範囲を1つの端点からもう1つの端点まで、または2つの端点の間として表すことができる。本文で開示しているすべての範囲には、別途明示していない限り、端点が含まれている。「ほぼ共面」という用語は、2つの表面が同一平面に沿って位置決めされている位置の差が数マイクロメートル(μm)以内にあること、例えば、同一平面に沿って位置決めされている位置の差が10μm以内、5μm以内、1μm以内、または0.5μm以内にあることを指すことができる。数値または特性が「ほぼ」同一とされる場合、前記用語は、前記値の平均値の±10%、±5%、±1%または±0.5%以内の値を指すことができる。
【0055】
前述の内容は、いくつかの実施例の特徴及び本開示の詳細な面を概述している。本開示に記載されている実施例は、同一または類似する目的を実施するため、及び/または本文で紹介している実施例の同一または類似する利点を実現するためにその他の工程及び構造を設計し、または修正するための基礎として容易に用いることができる。このような同等の構造は、本開示の主旨及び範囲から逸脱しておらず、かつ本開示の主旨及び範囲から逸脱しない状況において、各種の改変、置換及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1、2、3、4、5 半導体整流素子
11 半導体材料層
11A、11B 表面
12 炭化ケイ素層
12A、12B、12C 表面
12D 水平面
13 誘電層
14 誘電層
141、142、143 部分誘電層
14A、141A、142A 頂面
15 誘電層
151、152、153、154 部分誘電層
16 ゲート電極層
161、162、163、164 ゲート電極
16A、161A、162A 頂面
17 ゲート構造
171、172、173、174 ゲート構造
21 ドープ領域
211 領域
22 ドープ領域
221、222、223 ドープ領域
25 ドープ領域
31 接触金属層
32 第1電極層
33 不活性化層
34 第2電極層
41 凹溝
41B 底面
41C、41D 側壁
42 凹溝
42B 底面
42C、42D 側壁
43 凹溝
51 パターン化層
511、512、513 開口
52 炭素含有層
53 パターン化層
54 側壁スペーサ
D12、D13 距離
D41、D42 深さ
【外国語明細書】