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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098749
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】観察装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/90 20230101AFI20250625BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20250625BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20250625BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20250625BHJP
   G02B 21/26 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
H04N23/90
H04N23/60 500
G03B15/00 T
G03B19/07
G02B21/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215099
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小口 寿明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 信二
【テーマコード(参考)】
2H052
2H054
5C122
【Fターム(参考)】
2H052AB01
2H052AB17
2H052AD14
2H052AD19
2H052AD21
2H052AD31
2H052AF14
2H052AF25
2H054BB05
2H054BB07
5C122DA30
5C122FA01
5C122FA08
5C122FA18
5C122FH18
5C122GE06
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】対象物を簡便に多方向から観察することができる観察装置を提供すること。
【解決手段】観察装置1は、対象物Tを先端Eで保持する管状のキャピラリ20と、キャピラリ20の基端Bを保持し、中心軸線42a回りに回転する回転軸部材42と、中心軸線42aと直交する直交方向に回転軸部材42を移動させる駆動装置50と、キャピラリ20の先端Eに保持されている対象物Tの画像を撮像する撮像部60と、を備える。駆動装置50は、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している場合に、中心軸線42aと平行な平行軸線Ap上にキャピラリ20の先端Eが位置するように回転軸部材42を直交方向に移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を先端で保持する管状のキャピラリと、
前記キャピラリの基端を保持し、中心軸線回りに回転する回転軸部材と、
前記中心軸線と直交する直交方向に前記回転軸部材を移動させる駆動装置と、
前記キャピラリの先端に保持されている前記対象物の画像を撮像する撮像部と、を備え、
前記駆動装置は、
前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転している場合に、
前記中心軸線と平行な平行軸線上に前記キャピラリの先端が位置するように前記回転軸部材を前記直交方向に移動させる、
観察装置。
【請求項2】
前記駆動装置は、
前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転している場合に、
前記回転軸部材の前記中心軸線回りの回転と同期させて、前記回転軸部材を前記平行軸線回りに回転移動させる、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項3】
前記撮像部は、
第1方向に沿って前記対象物の画像を撮像する第1撮像部と、
前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記対象物の画像を撮像する第2撮像部と、を備え、
前記第1撮像部および前記第2撮像部は、前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転しているときの前記キャピラリの先端の画像を撮像可能であり、
前記駆動装置が前記回転軸部材を移動させるときの前記回転軸部材の移動方向は、前記第1撮像部および前記第2撮像部によって撮像された画像に基づいて導出される前記キャピラリの先端の移動方向および移動量を用いて定められる、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項4】
前記第1方向および前記第2方向は、前記中心軸線に対して垂直である、
請求項3に記載の観察装置。
【請求項5】
前記第1方向および前記第2方向は、前記中心軸線を含む平面と平行である、
請求項3に記載の観察装置。
【請求項6】
前記撮像部は、ピントがあっている部位が互いに異なる複数の前記対象物の画像を撮像し、
前記撮像部によって撮像された複数の前記対象物の画像において前記ピントが合っている部位が合成された全焦点画像を生成する画像処理部をさらに備える、
請求項1に記載の観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対象物を観察する観察装置の一例として、微小粒子を収容する長尺状の観察容器を支持する支持台、および、観察容器に収容された微小粒子を撮像する撮像部を備える微小粒子計測装置が開示されている。撮像部は、観察容器の径方向外側に配置される。撮像部の撮像結果に基づいて観察容器に収容された微小粒子が観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/181803号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の微小粒子計測装置(観察装置)においては、観察容器の延びる方向に撮像部を配置することが困難である。また、観察容器に収容された微小粒子(対象物)の姿勢を変更することができない。よって、対象物を観察する方向は制限される。一方で、対象物を簡便に多方向から観察し、対象物の立体形状を同定したいとの要望がある。
【0005】
本開示は、対象物を簡便に多方向から観察することができる観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る観察装置は、対象物を先端で保持する管状のキャピラリと、前記キャピラリの基端を保持し、中心軸線回りに回転する回転軸部材と、前記中心軸線と直交する直交方向に前記回転軸部材を移動させる駆動装置と、前記キャピラリの先端に保持されている前記対象物の画像を撮像する撮像部と、を備え、前記駆動装置は、前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転している場合に、前記中心軸線と平行な平行軸線上に前記キャピラリの先端が位置するように前記回転軸部材を前記直交方向に移動させる。
【0007】
これによれば、回転軸部材が中心軸線回りに回転している場合に、平行軸線上にキャピラリの先端が位置するように回転軸部材が直交方向に移動する。これにより、対象物が平行軸線上に位置するとともに、姿勢が変化する。したがって、観察装置は、対象物を簡便に多方向から観察することができる。
【0008】
本開示の一態様に係る観察装置において、駆動装置は、前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転している場合に、前記回転軸部材の前記中心軸線回りの回転と同期させて、前記回転軸部材を前記平行軸線回りに回転移動させる。
【0009】
これによれば、キャピラリの先端が平行軸線上に位置した状態で、キャピラリの先端および対象物が平行軸線回りに回転することで、対象物の姿勢が変化する。したがって、観察装置は、対象物をより簡便に多方向から観察することができる。
【0010】
本開示の一態様に係る観察装置において、撮像部は、第1方向に沿って前記対象物の画像を撮像する第1撮像部と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記対象物の画像を撮像する第2撮像部と、を備え、前記第1撮像部および前記第2撮像部は、前記回転軸部材が前記中心軸線回りに回転しているときの前記キャピラリの先端の画像を撮像可能であり、前記駆動装置が前記回転軸部材を移動させるときの前記回転軸部材の移動方向は、前記第1撮像部および前記第2撮像部によって撮像された画像に基づいて導出される前記キャピラリの先端の移動方向および移動量を用いて定められる。
【0011】
これによれば、駆動装置が回転軸部材を移動させるときの回転軸部材の移動方向を精度よくかつ簡便に定めることができる。
【0012】
本開示の一態様に係る観察装置において、前記第1方向および前記第2方向は、前記中心軸線に対して垂直である。
【0013】
これによれば、第1撮像部および第2撮像部によって撮像された画像に基づいてキャピラリの先端の移動方向および移動量を精度良く導出することができる。
【0014】
本開示の一態様に係る観察装置において、前記第1方向および前記第2方向は、前記中心軸線を含む平面と平行である。
【0015】
これによれば、第1撮像部および第2撮像部によって撮像された画像に基づいてキャピラリの先端の移動方向および移動量を精度良く導出することができる。
【0016】
本開示の一態様に係る観察装置において、前記撮像部は、ピントがあっている部位が互いに異なる複数の前記対象物の画像を撮像し、前記撮像部によって撮像された複数の前記対象物の画像において前記ピントが合っている部位が合成された全焦点画像を生成する画像処理部をさらに備える。
【0017】
これによれば、画像処理部が全焦点画像を生成することで、対象物の全体に亘って鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示の実施形態に係る観察装置の構成を示す図である。
図2図2は、キャピラリを模式的に示す断面図である。
図3図3は、回転軸部材の位置が固定されており、かつ、キャピラリの先端が中心軸線からずれている場合において、回転軸部材が中心軸線回りに回転している状態を示す図である。
図4図4は、キャピラリの先端が中心軸線からずれている場合において回転軸部材が中心軸線回りに回転しているときに、キャピラリの先端が変位しないように回転装置が移動する状態を示す図である。
図5図5は、駆動装置が回転軸部材を平行軸線回りに回転移動させたときにおいて、平行軸線に沿って見たときにおける回転軸部材の中心軸線の軌跡を示す図である。
図6図6は、中心軸線の軌跡の半径を導出する際の撮像部の配置を示す図である。
図7A図7Aは、キャピラリの先端が交点からX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図7B図7Bは、キャピラリの先端が交点からX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図8A図8Aは、キャピラリの先端が交点からY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図8B図8Bは、キャピラリの先端が交点からY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図9A図9Aは、キャピラリの先端が交点からZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図9B図9Bは、キャピラリの先端が交点からZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図10図10は、キャピラリに吸引されて保持された対象物の画像を撮像部が撮像するところを示す模式図である。
図11図11は、本開示の実施形態の変形例に係る観察装置において、中心軸線の軌跡の半径を導出する際の撮像部の配置を示す図である。
図12A図12Aは、キャピラリの先端が交点からX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図12B図12Bは、キャピラリの先端が交点からX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図13A図13Aは、キャピラリの先端が交点からY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図13B図13Bは、キャピラリの先端が交点からY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図14A図14Aは、キャピラリの先端が交点からZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第1撮像部によって撮像された画像を示す図である。
図14B図14Bは、キャピラリの先端が交点からZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第2撮像部によって撮像された画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0020】
また、以下の説明においては、Z方向を観察装置1の上下方向とし、X方向を観察装置1の左右方向とし、Y方向を観察装置1の前後方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は互いに直交する。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。
【0021】
図1は、本開示の実施形態に係る観察装置1の構成を示す図である。観察装置1は、対象物Tを観察するための装置である。対象物Tは、比較的微小なものであり、例えば、細胞、シリコンゴムビーズなどの弾性体、ならびに、スフェロイドおよびオルガノイドなどの粘弾性体である。
【0022】
観察装置1は、基台10、キャピラリ20、吸引ポンプ30、回転装置40、駆動装置50、撮像部60、および、制御装置70を備える。
【0023】
図2は、キャピラリ20を模式的に示す断面図である。キャピラリ20は、真直ぐに延びる中空の管状である。キャピラリ20の両端は、開口している。キャピラリ20は、例えばガラス製である。なお、キャピラリ20の材料は、ガラスに限定されず、電気絶縁性を有する材料であればよい。
【0024】
キャピラリ20は、本体部21、および、本体部21より先端E側で本体部21と連続する先端部22を有する。本体部21の外径および内径はそれぞれほぼ一定である。先端部22では、基端B側から先端E側に向かうほど外径および内径が小さくなる。なお、先端部22の先端Eの外径はおよそ20μmであり、先端部22の先端Eの内径はおよそ15μmである。なお、先端Eの外径および内径が上記の大きさに限定されないことは言うまでもない。
【0025】
図1に示す吸引ポンプ30は、チューブ31を介してキャピラリ20の基端Bに接続されている。吸引ポンプ30が駆動することで、キャピラリ20の内側の圧力が負圧となる。これにより、キャピラリ20は、対象物Tを先端Eから吸引し、対象物Tを先端Eで保持する。キャピラリ20は、キャピラリ20の先端Eが対象物Tの外表面に接触した状態で対象物Tを保持する。なお、キャピラリ20は、キャピラリ20の先端Eが対象物Tに挿入された状態で対象物Tを保持してもよい。
【0026】
回転装置40は、キャピラリ20を回転させる。回転装置40は、筐体41、回転軸部材42、および、モータ43を備える。回転軸部材42は、中心軸線42aを有する円柱状であり、筐体41に対して中心軸線42a回りに回転可能である。中心軸線42aはZ方向と平行である。回転軸部材42は、キャピラリ20の基端Bを一端(下端)で保持する。
【0027】
モータ43は、回転軸部材42を中心軸線42a回りに回転させる。回転軸部材42が回転することで、キャピラリ20は中心軸線42a回りに回転する。
【0028】
駆動装置50は、基台10に配置され、回転装置40を移動させる。具体的には、駆動装置50は、中心軸線42aと直交する直交方向に回転装置40を移動させる。直交方向は、Z方向と直交する方向である。
【0029】
駆動装置50は、基台10に対してX方向およびY方向それぞれに沿って回転装置40を移動させるXYテーブル51、および、XYテーブル51を移動させる第1アクチュエータ52を備える。XYテーブル51は、基台10に対してX方向およびY方向それぞれに沿って回転装置40を移動させる。これにより、回転装置40は、直交方向に移動する。
【0030】
さらに、駆動装置50は、回転装置40をZ方向に沿って移動させる。駆動装置50は、基台10に対してZ方向に沿って回転装置40を移動させるZテーブル53、および、Zテーブル53を移動させる第2アクチュエータ54を備えている。
【0031】
撮像部60は、対象物Tの画像を撮像する。撮像部60は、光学系61、および、撮像素子62を有する。光学系61は、複数のレンズを有し、焦点距離を調節可能である。光学系61は、対象物Tの光学像を撮像素子62の受光面に結ぶ。撮像素子62は、光学像を画像データに変換して制御装置70に出力する。
【0032】
撮像部60は、対象物Tを撮像可能に配置されている。基台10、吸引ポンプ30、回転装置40、駆動装置50および制御装置70それぞれと対象物Tとの間には、撮像部60を配置可能な空間がある。つまり、撮像部60は、対象物Tの周囲において、キャピラリ20に干渉しないように配置すればよい。なお、観察装置1は、対象物Tを観察する際に撮像部60を複数備えてもよい。複数の撮像部60は、互いに異なる位置にあってもよい。
【0033】
制御装置70は、観察装置1を統括制御する。制御装置70は、吸引ポンプ30、回転装置40、駆動装置50、および、撮像部60と電気的に接続されている。制御装置70は、画像処理部71および表示部72を有する。画像処理部71は、撮像部60から取得した画像データに基づいて対象物Tの画像を生成する。表示部72は、画像処理部71によって生成された画像を表示する。
【0034】
次に、対象物Tを観察するときの観察装置1の動作について説明する。制御装置70は、吸引ポンプ30を制御して、キャピラリ20の先端Eに対象物Tを保持させる。
【0035】
制御装置70は、回転装置40の回転軸部材42を回転させる。回転軸部材42が回転することで、キャピラリ20および対象物Tが中心軸線42a回りに回転する。これにより、対象物Tの姿勢がかわり、撮像部60は、対象物Tを多方向から撮像することができる。
【0036】
図3は、回転軸部材42の位置が固定されており、かつ、キャピラリ20の先端Eが中心軸線42aからずれている場合において、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している状態を示す図である。
【0037】
キャピラリ20の先端Eが中心軸線42aからずれている場合、キャピラリ20の基端Bは回転軸部材42に保持されていることで、キャピラリ20は中心軸線42aに対して傾斜している。よって、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転すると、キャピラリ20の先端Eは、中心軸線42aの周りを回る。このときのキャピラリ20の先端Eの軌跡は、中心軸線42aと直交する平面に含まれ、中心軸線42aに沿って見たときにおいて円状である。
【0038】
また、このとき、対象物Tは、キャピラリ20の先端Eと同様に、中心軸線42aの周りを回る。この場合、対象物Tの移動に合わせて撮像部60のピントを調整する必要がある。また、対象物Tが比較的微小なものである場合には、対象物Tと中心軸線42aとのずれ量が対象物Tの大きさに対して大きくなり、対象物Tが移動すると、撮像部60の撮像可能な範囲から対象物Tが外れることがある。よって、回転軸部材42が回転してもキャピラリ20の先端Eが変位しないように、キャピラリ20の先端Eが中心軸線42a上に位置することが望ましい。
【0039】
しかしながら、キャピラリ20の先端Eが中心軸線42aに一致した状態でキャピラリ20が中心軸線42a回りの回転のみをした場合にキャピラリ20の先端Eが中心軸線42a上に位置することは、キャピラリ20の精密な位置調整が必要である。よって、キャピラリ20の先端Eが中心軸線42a上に位置させるようにキャピラリ20を回転軸部材42に固定することは困難である。そこで、制御装置70は、駆動装置50を制御して、キャピラリ20の先端Eが変位しないように回転装置40を移動させる。
【0040】
図4は、キャピラリ20の先端Eが中心軸線42aからずれている場合において回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転しているときに、キャピラリ20の先端Eが変位しないように回転装置40が移動する状態を示す図である。
【0041】
制御装置70は、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している場合に、駆動装置50を制御して、中心軸線42aと平行な平行軸線Ap上にキャピラリ20の先端Eが位置するように回転軸部材42を直交方向に移動させる。
【0042】
具体的には、制御装置70は、駆動装置50を制御して、回転軸部材42の中心軸線42a回りの回転と同期させて、回転軸部材42を平行軸線Ap回りに回転移動させる。換言すれば、駆動装置50は、キャピラリ20の先端Eが通り且つ中心軸線42aと平行な平行軸線Ap回りに回転軸部材42を回転移動させる。本実施形態において、平行軸線ApはZ方向と平行である。
【0043】
図5は、駆動装置50が回転軸部材42を平行軸線Ap回りに回転移動させたときにおいて、平行軸線Apに沿って見たときにおける回転軸部材42の中心軸線42aの軌跡Lを示す図である。中心軸線42aの軌跡Lは、平行軸線Apを中心とした円状である。中心軸線42aの軌跡Lの半径は、次に説明するように予め導出されて制御装置70の記憶領域に予め格納されている。
【0044】
図6は、中心軸線42aの軌跡Lの半径を導出する際の撮像部60の配置を示す図である。図6に示す第1方向D1はX方向と平行であり、第2方向D2はY方向と平行である。第1方向D1および第2方向D2は、互いに交点Pで直交し、Z方向と平行な中心軸線42aに対して垂直である。なお、中心軸線42aの軌跡Lの半径を導出する際、キャピラリ20の先端Eには、対象物Tは保持されない。
【0045】
図6では、キャピラリ20の先端Eが交点Pに位置する場合のキャピラリ20が実線で示されている。また、図6では、キャピラリ20の先端Eが交点Pから移動した場合のキャピラリ20が破線で示されている。なお、このことは、後述する図7A,7B,8A,8B,9A,9B,11,12A,12B,13A,13B,14A,14Bでも同様である。具体的には、図7A,7B,8A,8B,9A,9Bで示すキャピラリ20は、本体部21の外径である。また、図11,12A,12B,13A,13Bで示すキャピラリ20は、先端部22を側方から見た形状である。図6では、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合が示されている。
【0046】
中心軸線42aの軌跡Lの半径を導出する際には、2つの撮像部60が用いられる。2つの撮像部60は、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bである。第1撮像部60aは、第1方向D1に沿ってキャピラリ20の先端Eの画像を撮像する。第2撮像部60bは、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿ってキャピラリ20の先端Eの画像を撮像する。
【0047】
まず、キャピラリ20の先端Eが交点Pから移動した際に、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eの移動方向および移動距離を導出する例について説明する。はじめに、図6に示すように、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合について説明する。
【0048】
図7Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。なお、説明の便宜上、図7A、および、後述する図7B,8A,8B,9A,9B,12A,12B,13A,13B,14A,14Bにおいて、X方向、Y方向およびZ方向は交点Pで直交するものとする。
【0049】
図7Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、移動していない。よって、図7Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量はゼロであることを導出することができる。
【0050】
図7Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0051】
図7Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、X方向に沿ってX方向の+側に移動している。また、図7Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0052】
よって、図7Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図7Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に実際に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの実際の移動量を導出することができる。
【0053】
次に、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合について説明する。
【0054】
図8Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。
【0055】
図8Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Y方向に沿ってY方向の+側に移動している。また、図8Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0056】
図8Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0057】
図8Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、移動していない。よって、図8Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量はゼロであることを導出することができる。
【0058】
よって、図8Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図8Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に実際に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの実際の移動量を導出することができる。
【0059】
次に、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合について説明する。
【0060】
図9Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。
【0061】
図9Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の+側に移動している。また、図9Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0062】
図9Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0063】
図9Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の+側に移動している。また、図9Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0064】
よって、図9Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図9Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に実際に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの実際の移動量を導出することができる。
【0065】
このように、キャピラリ20の先端Eの移動方向が異なると、第1撮像部60aによって撮像された画像におけるキャピラリ20の先端Eの移動方向と、第2撮像部60bによって撮像された画像におけるキャピラリ20の先端Eの移動方向との組合せが異なる。
【0066】
よって、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bそれぞれによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eの実際の移動方向を導出することができる。また、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bそれぞれによって撮像された画像に基づいて計測されるキャピラリ20の先端Eの移動量に基づいて、キャピラリ20の先端Eの実際の移動量を導出することができる。
【0067】
したがって、回転装置40の回転軸部材42の位置が固定された状態で、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転させたときにおいて互いに異なる3つのキャピラリ20の先端Eの位置の間におけるキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量を導出することで、互いに異なる3つのキャピラリ20の先端Eの位置を通る円および当該円の半径を算出することができる。算出された円の半径は、図5に示す軌跡Lの半径に相当する。
【0068】
当該算出された半径を用いて、上記のように制御装置70は、駆動装置50を制御して、回転軸部材42の中心軸線42a回りの回転と同期させて、図4に示すように回転軸部材42を平行軸線Ap回りに回転移動させる。よって、駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向は、円状の軌跡Lの周方向である。このように、駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向は、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて導出されるキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量を用いて定められる。
【0069】
上記のように駆動装置50が回転軸部材42を移動させることで、キャピラリ20の先端Eが変位せずに平行軸線Ap上に位置した状態で、キャピラリ20の先端Eおよび対象物Tが平行軸線Ap回りに回転する。よって、対象物Tの移動に合わせて撮像部60のピントを調整する必要が抑制され、対象物Tが比較的微小なものである場合でも撮像部60の撮像可能な範囲から対象物Tが外れないようにすることができる。また、対象物Tが平行軸線Ap回りに回転することで、対象物Tの姿勢が変化する。したがって、観察装置1は、対象物Tを簡便に多方向から観察することができる。
【0070】
図10は、キャピラリ20に吸引されて保持された対象物Tの画像を撮像部60が撮像するところを示す模式図である。図10に示すキャピラリ20の先端Eは、対象物Tに挿入されている。図10では、撮像部60は、キャピラリ20の先端Eを通り、平行軸線Apに対して傾斜する撮像方向Dpに沿って対象物Tの画像を撮像する。
【0071】
例えば、キャピラリ20の先端Eにピントが合っている場合、キャピラリ20の先端Eを通り、撮像方向Dpと垂直な平面Hと交差する対象物Tの外表面の位置(例えば点A)ではピントが合っている。
【0072】
しかしながら、撮像部60の被写界深度が比較的浅いことにより、平面Hから離れた対象物Tの外表面の位置(例えば撮像部60に最も近い点B)では、ピントが合わないことがある。
【0073】
そこで、撮像部60は、ピントがあっている部位が互いに異なる複数の対象物Tの画像を撮像し、画像処理部71は、撮像部60によって撮像された複数の対象物Tの画像においてピントが合っている部位が合成された全焦点画像を生成する。
【0074】
例えば、撮像部60は、点A、点B、および、撮像方向Dpにおいて点Aと点Bとの間の部位(例えば点C)にピントを合わせて対象物Tの画像を撮像する。さらに、画像処理部71は、点Aにピントが合っている画像のうち点A周辺の部位、点Bにピントが合っている画像のうち点B周辺の部位、および、点Cにピントが合っている画像のうち点C周辺の部位を合成した全焦点画像を生成する。これにより、対象物Tの全体に亘って鮮明な画像を得ることができる。
【0075】
また、対象物Tが透光性を有する場合には、撮像部60がキャピラリ20の先端Eを挟んで撮像部60と反対側の外表面の部位および対象物Tの内部にピントを合わせた対象物Tの画像を撮像し、当該画像のピントが合っている部分を用いて画像処理部71が全焦点画像を生成してもよい。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態によれば、観察装置1は、対象物Tを先端Eで保持する管状のキャピラリ20と、キャピラリ20の基端Bを保持し、中心軸線42a回りに回転する回転軸部材42と、中心軸線42aと直交する直交方向に回転軸部材42を移動させる駆動装置50と、キャピラリ20の先端Eに保持されている対象物Tの画像を撮像する撮像部60と、を備える。駆動装置50は、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している場合に、中心軸線42aと平行な平行軸線Ap上にキャピラリ20の先端Eが位置するように回転軸部材42を直交方向に移動させる。
【0077】
これによれば、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している場合に、平行軸線Ap上にキャピラリ20の先端Eが位置するように回転軸部材42が直交方向に移動する。これにより、対象物Tが平行軸線Ap上に位置するとともに、姿勢が変化する。したがって、観察装置1は、対象物Tを簡便に多方向から観察することができる。
【0078】
また、駆動装置50は、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転している場合に、回転軸部材42の中心軸線42a回りの回転と同期させて、回転軸部材42を平行軸線Ap回りに回転移動させる。
【0079】
これによれば、キャピラリ20の先端Eが平行軸線Ap上に位置した状態で、キャピラリ20の先端Eおよび対象物Tが平行軸線Ap回りに回転することで、対象物Tの姿勢が変化する。したがって、観察装置1は、対象物Tをより簡便に多方向から観察することができる。
【0080】
また、撮像部60は、第1方向D1に沿って対象物Tの画像を撮像する第1撮像部60aと、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って対象物Tの画像を撮像する第2撮像部60bと、を備える。第1撮像部60aおよび第2撮像部60bは、回転軸部材42が中心軸線42a回りに回転しているときのキャピラリ20の先端Eの画像を撮像可能である。駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向は、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて導出されるキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量を用いて定められる。
【0081】
これによれば、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて導出されるキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量に基づいて、駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向を精度よくかつ簡便に定めることができる。
【0082】
また、第1方向D1および第2方向D2は、中心軸線42aに対して垂直である。
【0083】
これによれば、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいてキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量を精度良く導出することができる。
【0084】
撮像部60は、ピントがあっている部位が互いに異なる複数の対象物Tの画像を撮像する。撮像部60によって撮像された複数の対象物Tの画像においてピントが合っている部位が合成された全焦点画像を生成する画像処理部71をさらに備える。
【0085】
これによれば、画像処理部71が全焦点画像を生成することで、対象物Tの全体に亘って鮮明な画像を得ることができる。
【0086】
次に、本開示の実施形態の変形例に係る観察装置1について説明する。
【0087】
例えば、画像処理部71は、全焦点画像を生成しなくてもよい。
【0088】
また、駆動装置50は、上記の実施形態のように回転軸部材42を回転移動させなくてもよい。この場合、例えば、図5に示す中心軸線42aの軌跡L上において、対象物Tを観測する観測位置が複数定められた場合に、駆動装置50は、当該複数の観測位置の間で回転軸部材42を直線移動させてもよい。この場合、駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向は、当該複数の観測位置を互いに結ぶ直線に沿う方向である。
【0089】
また、図6に示す第1方向D1および第2方向D2は、X方向およびY方向と平行であることに限定されないことは言うまでもない。例えば次に説明するように第1方向D1および第2方向D2を定めてもよい。
【0090】
図11は、本開示の実施形態の変形例に係る観察装置1において、中心軸線42aの軌跡Lの半径を導出する際の撮像部60の配置を示す図である。
【0091】
本変形例においては、第1方向D1および第2方向D2は、中心軸線42aを含む平面と平行である。具体的には、第1方向D1および第2方向D2は、Z方向およびY方向を含む平面と平行である。また、第1方向D1および第2方向D2とZ方向となす角度は、45°である。なお、第1方向D1および第2方向D2とZ方向となす角度が45°に限定されないことは言うまでもない。
【0092】
第1撮像部60aおよび第2撮像部60bは、対象物Tの-Z側から中心軸線42aに対して傾斜する方向に沿って対象物Tを撮像する。なお、図11に示す第1方向D1および第2方向D2は、図6に示す第1方向D1および第2方向D2と同様に交点Pで直交する。
【0093】
図11では、キャピラリ20の先端Eが交点Pに位置する場合のキャピラリ20が実線で示されている。また、図11では、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合のキャピラリ20が破線で示されている。
【0094】
はじめに、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合について説明する。
【0095】
図12Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。
【0096】
図12Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、X方向に沿ってX方向の+側に移動している。また、図12Aに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0097】
図12Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0098】
図12Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、X方向に沿ってX方向の+側に移動している。また、図12Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0099】
よって、図12Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図12Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからX方向に沿ってX方向の+側に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの移動量を導出することができる。
【0100】
次に、図11に示すように、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合について説明する。
【0101】
図13Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。
【0102】
図13Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の-側に移動している。また、図13Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0103】
図13Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0104】
図13Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の+側に移動している。また、図13Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0105】
よって、図13Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図13Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからY方向に沿ってY方向の+側に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの移動量を導出することができる。
【0106】
次に、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合について説明する。
【0107】
図14Aは、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第1撮像部60aによって撮像された画像を示す図である。
【0108】
図14Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の+側に移動している。また、図14Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第1方向D1に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0109】
図14Bは、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動した場合の第2撮像部60bによって撮像された画像を示す図である。
【0110】
図14Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像において、キャピラリ20の先端Eは、Z方向に沿ってZ方向の+側に移動している。また、図14Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eを第2方向D2に沿って見たときのキャピラリ20の先端Eの移動量を計測することができる。
【0111】
よって、図14Aに示す第1撮像部60aによって撮像された画像および図14Bに示す第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eが交点PからZ方向に沿ってZ方向の+側に移動したこと、および、キャピラリ20の先端Eの交点Pからの移動量を導出することができる。
【0112】
このように、上記の実施形態と同様に、キャピラリ20の先端Eの移動方向が異なると、第1撮像部60aによって撮像された画像におけるキャピラリ20の先端Eの移動方向と、第2撮像部60bによって撮像された画像におけるキャピラリ20の先端Eの移動方向との組合せが異なる。
【0113】
よって、上記の実施形態と同様に、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bそれぞれによって撮像された画像に基づいて、キャピラリ20の先端Eの実際の移動方向を導出することができる。また、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bそれぞれによって撮像された画像に基づいて計測されるキャピラリ20の先端Eの移動量に基づいて、キャピラリ20の先端Eの実際の移動量を導出することができる。
【0114】
本変形例によれば、第1方向D1および第2方向D2は、中心軸線42aを含む平面と平行である。
【0115】
これによれば、上記の実施形態と同様に、第1撮像部60aおよび第2撮像部60bによって撮像された画像に基づいて導出されるキャピラリ20の先端Eの移動方向および移動量に基づいて、駆動装置50が回転軸部材42を移動させるときの回転軸部材42の移動方向を精度よくかつ簡便に定めることができる。
【符号の説明】
【0116】
1 観察装置
20 キャピラリ
40 回転装置
42 回転軸部材
42a 中心軸線
50 駆動装置
60 撮像部
60a 第1撮像部
60b 第2撮像部
71 画像処理部
Ap 平行軸線
D1 第1方向
D2 第2方向
E 先端
T 対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B