IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図1
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図2
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図3
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図4
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図5
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図6
  • 特開-画像形成装置およびプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098820
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】画像形成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20250625BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250625BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
G03G21/00 388
B41J29/38 204
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215206
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】西村 宗之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】高林 雅恵
(72)【発明者】
【氏名】田中 智尉
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ10
2C061HN04
2C061HN15
2H270LA53
2H270LA60
2H270MC78
2H270MD02
2H270MF17
2H270NB24
2H270NC08
2H270NC16
2H270ND02
2H270ND04
2H270ND06
2H270ND12
2H270ND14
2H270ND25
2H270ND28
2H270ND31
2H270ZD02
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC58
5C062AD05
(57)【要約】
【課題】装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くする。
【解決手段】印刷ジョブ1が終了すると、金色のトナーに対応する装着体を用いる特色用画像形成部による画像の形成の予定が無い状態となる。この場合、CPUは、符号3Cで示すように、特色用画像形成部について、銀色のトナーに対応する装着体に対応する設定を開始する。CPUは、設定として、情報の読み出し処理、および、情報の書き込み処理を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着された装着体を用い、画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行うプロセッサであり、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行うプロセッサと、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段による画像の形成の予定が無い場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、
前記プロセッサは、
前記他の装着体が装着される箇所に装着されている前記装着済み装着体が用いられての画像の形成の予定が無い場合に、当該他の装着体に対応する前記設定を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段以外の他の画像形成手段による画像の形成が行われる予定があっても、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の印刷ジョブの中に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが含まれていない場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブが含まれている場合、当該利用印刷ジョブが実行された後に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブに加えて、当該利用印刷ジョブよりも先に実行され前記装着済み装着体を利用しない印刷ジョブである非利用印刷ジョブが含まれている場合、印刷ジョブの実行の順序を変更し、当該利用印刷ジョブの方が当該非利用印刷ジョブよりも先に実行されるようにする、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記他の装着体に対応する前記設定を行う場合、前記装着済み装着体が装着されている状態にある前記画像形成手段を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記他の装着体に対応する前記設定を開始した後に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブを前記画像形成装置が受信した場合、当該利用印刷ジョブが実行されないようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記利用印刷ジョブが実行されないようにし且つ前記画像形成装置に設けられた情報格納部に当該利用印刷ジョブが格納されるようにする、
請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体に換わって前記他の装着体が装着されることに伴い取り外された当該装着済み装着体が再び装着された場合、前記情報格納部に格納された前記利用印刷ジョブが実行されるようにする、
請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
装着された装着体を用いて画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置に設けられたコンピュータが実行するプログラムであり、
前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行う機能であって、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行う機能を、
前記画像形成装置に設けられた前記コンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トナー交換中にモノクロジョブが投入されていることを表示する手段と、デバイス上にトナー交換を中断してモノクロジョブ印刷を許可する手段を備える印刷装置が開示されている。
特許文献2には、複数個ある印刷モジュールのうちトナー需要が高いが不調な第1印刷モジュールをそれに比べトナー需要が低いが正常な1個又は複数個の第2印刷モジュールのうちいずれかと入れ替える処理が開示されている。
特許文献3には、トナーカートリッジが抜かれたことを検知した時点からの印刷出力ページ数を計数し、このページ数が予め設定された所定値に達した場合、印字薄れが生じる可能性が高まったと判断する処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-145897号公報
【特許文献2】特表2012-511741号公報
【特許文献3】特開2003-271020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置では、カートリッジなどの装着体の交換があった場合に、新たに装着された装着体に対応する設定が行われることがある。
ここで、装着体の交換の後に、新たに装着された装着体についての設定を行う場合、この設定に要する時間の分だけ、画像の形成が開始されるタイミングが遅れる事態が生じうる。
本発明の目的は、装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、装着された装着体を用い、画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行うプロセッサであり、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行うプロセッサと、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段による画像の形成の予定が無い場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、前記プロセッサは、前記他の装着体が装着される箇所に装着されている前記装着済み装着体が用いられての画像の形成の予定が無い場合に、当該他の装着体に対応する前記設定を行う、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段以外の他の画像形成手段による画像の形成が行われる予定があっても、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、請求項3に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、前記プロセッサは、前記画像形成装置が実行予定の印刷ジョブの中に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが含まれていない場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブが含まれている場合、当該利用印刷ジョブが実行された後に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブに加えて、当該利用印刷ジョブよりも先に実行され前記装着済み装着体を利用しない印刷ジョブである非利用印刷ジョブが含まれている場合、印刷ジョブの実行の順序を変更し、当該利用印刷ジョブの方が当該非利用印刷ジョブよりも先に実行されるようにする、請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記他の装着体に対応する前記設定を行う場合、前記装着済み装着体が装着されている状態にある前記画像形成手段を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記他の装着体に対応する前記設定を開始した後に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブを前記画像形成装置が受信した場合、当該利用印刷ジョブが実行されないようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記利用印刷ジョブが実行されないようにし且つ前記画像形成装置に設けられた情報格納部に当該利用印刷ジョブが格納されるようにする、請求項9に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記装着済み装着体に換わって前記他の装着体が装着されることに伴い取り外された当該装着済み装着体が再び装着された場合、前記情報格納部に格納された前記利用印刷ジョブが実行されるようにする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、装着された装着体を用いて画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置に設けられたコンピュータが実行するプログラムであり、前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行う機能であって、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行う機能を、前記画像形成装置に設けられた前記コンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
請求項2の発明によれば、装着済み装着体を用いる画像の形成に対して影響を与えずに、他の装着体に対応する設定を行うことが可能となる。
請求項3の発明によれば、装着済み装着体を用いる画像の形成に対して影響を与えずに、他の装着体に対応する設定を行うことが可能となる。
請求項4の発明によれば、装着済み装着体を用いる画像形成手段以外の他の画像形成手段による画像の形成が終了してから、他の装着体に対応する設定が行われる場合に比べ、画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
請求項5の発明によれば、装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが実行されている際に他の装着体に対応する設定が行われることを防止できる。
請求項6の発明によれば、装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが実行されている際に他の装着体に対応する設定が行われることを防止できる。
請求項7の発明によれば、印刷ジョブの実行の順序を変更しない場合に比べ、他の装着体に対応する設定をより早期に開始することができる。
請求項8の発明によれば、被通知者に対して、装着済み装着体を利用しての画像形成を行えないことを通知可能になる。
請求項9の発明によれば、他の装着体に対応する設定が開始された後に装着済み装着体が利用されて画像形成が行われることを防止できる。
請求項10の発明によれば、他の装着体に対応する設定が開始された後に画像形成装置が受信した利用印刷ジョブを保存しておくことが可能となる。
請求項11の発明によれば、装着済み装着体に換わって他の装着体が装着されることに伴い取り外されたこの装着済み装着体が再び装着された場合に、保存されていた利用印刷ジョブの実行を行えるようになる。
請求項12の発明によれば、装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置を示した図である。
図2】情報処理部の構成を示した図である。
図3】処理の具体例を示した図である。
図4】画像形成装置にて実行される他の処理の一例を示した図である。
図5】CPUが実行する処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図6】(A)、(B)は、他の処理の一例を示した図である。
図7】画像形成装置に関連する者を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100を示した図である。図1は、画像形成装置100の正面から画像形成装置100を見た場合の状態を示している。
画像形成装置100は、タンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。
この画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙Pに転写される画像を形成する複数の画像形成部200が設けられている。本実施形態では、5つの画像形成部200が設けられている。
【0009】
画像形成手段の一例としての画像形成部200の各々は、像保持体の一例としての感光体ドラム11を備える。
画像形成部200の各々は、トナーを含む現像剤を用い、用紙Pに転写される画像であるトナー像をこの感光体ドラム11上に形成する。言い換えると、画像形成部200の各々は、粉体状の現像剤を用いて、トナー像を感光体ドラム11上に形成する。
本実施形態の現像剤は、乾式のキャリアと乾式のトナーとにより構成される。画像形成部200の各々は、キャリアおよびトナーを用い、トナー像を感光体ドラム11上に形成する。
【0010】
5つの画像形成部200は、色が互いに異なる現像剤を用いて、トナー像を感光体ドラム11上に形成する。
具体的には、本実施形態では、5つの画像形成部200のうちの、符号91A~91Dで示す4つの画像形成部200は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色の現像剤の何れかを用いて、トナー像を形成する。言い換えると、この4つの画像形成部200は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の基本色の現像剤を用いて、トナー像を形成する。
【0011】
より具体的には、4つの画像形成部200のうち、符号91Aで示す画像形成部200は、イエローの現像剤を用いて、イエローのトナー像を形成し、符号91Bで示す画像形成部200は、マゼンタの現像剤を用いて、マゼンタのトナー像を形成する。
また、符号91Cで示す画像形成部200は、シアンの現像剤を用いて、シアンのトナー像を形成し、符号91Dで示す画像形成部200は、黒の現像剤を用いて、黒のトナー像を形成する。
【0012】
また、符号91Eで示す残り1つの画像形成部200は、クリア、白、金、銀、ピンク、緑、オレンジなど、上記の4色以外の色である特色の現像剤を用いて、トナー像を形成する。
なお、特色の現像剤としては、その他に、磁性を有するトナーを含む現像剤や、導電性を有するトナーを含む現像剤も一例に挙げられる。また、特色の現像剤としては、紫外線や赤外線などの光の照射で発光するトナーを含む現像剤も一例に挙げられる。
なお、本実施形態では、現像剤として、キャリアとトナーと混合されたいわゆる2成分現像剤を用いるが、現像剤としては、これに限らず、トナーのみにより構成されたいわゆる1成分現像剤を用いてもよい。
【0013】
画像形成部200の各々には、現像装置14が設けられている。
また、画像形成部200の各々には、現像装置14に対して現像剤を供給する供給装置70が設けられている。
現像装置14は、感光体ドラム11上に、現像剤であるトナーを付着させて、感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナーにより可視像化する。言い換えると、現像装置14は、像保持体である感光体ドラム11に対する現像を行い、感光体ドラム11上に、トナーよりなるトナー像を形成する。
【0014】
供給装置70は、現像装置14に現像剤を供給する。具体的には、供給装置70は、この供給装置70に装着されたトナーカートリッジ71からの現像剤を、現像装置14に供給する。
現像剤は、上記の通り、キャリアとトナーとにより構成され、供給装置70は、現像装置14に対して、現像剤として、キャリア、トナーを補給する。なお、本実施形態では、キャリアは、正の帯電極性を有し、トナーは、負の帯電極性を有する。
【0015】
画像形成部200の各々には、装着体80が設けられている。
画像形成部200の各々は、画像形成装置100に対して装着されたこの装着体80を用いて、用紙Pに転写される画像の一例としてのトナー像を形成する。
本実施形態では、画像形成装置100のうちの、画像形成部200が設けられている箇所の各々に対して装着体80が装着される。
本実施形態では、画像形成装置100の装置本体100A側に、複数の凹状の被装着部120が設けられている。本実施形態では、画像形成部200の各々に、被装着部120が設けられている。
本実施形態では、被装着部120の各々に、対応する装着体80が挿入されて装着体80が装着される。
【0016】
本実施形態では、被装着部120に対して、装着体80の着脱を行えるようになっており、必要に応じて、他の装着体80への交換を行う。
装着体80は、画像形成部200にて用いられる現像剤毎に用意されている。画像形成部200にて用いられる現像剤が、他の種類の現像剤に切り替えられる場合には、装着体80の交換も行われる。
装着体80の各々は、複数の構成部材により構成されている。本実施形態では、装着体80は、構成部材の一例としての感光体ドラム11、帯電用部材12、および、ドラムクリーナ17を含んで構成されている。
なお、装着体80には、他の部材を含んでもよく、例えば、装着体の一部として、現像装置14も含まれる場合がある。この場合、装着体80の交換の際には、現像装置14も交換されることになる。
【0017】
像保持体の一例としての感光体ドラム11は、上記の通り、形成されるトナー像を保持する。感光体ドラム11は、矢印Aで示す方向に回転する。
帯電用部材12は、感光体ドラム11の帯電に用いられる。本実施形態では、帯電用部材12と感光体ドラム11との間に電圧が印加されて、感光体ドラム11の帯電が行われる。
ドラムクリーナ17は、感光体ドラム11上に残った現像剤を除去する。
【0018】
さらに、本実施形態では、画像形成部200の各々に、露光装置13が設けられている。
露光装置13は、感光体ドラム11に光を照射して、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。露光装置13は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの光源を備え、この光源から出射された光を、感光体ドラム11に照射する。
【0019】
また、画像形成装置100には、画像形成部200の各々にて形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト15と、画像形成部200の各々にて形成されたトナー像をこの中間転写ベルト15に転写する一次転写部10とが設けられている。
一次転写部10には、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置されるこの一次転写ロール16を含んで構成される。
さらに、画像形成装置100には、中間転写ベルト15上に転写されたトナー像を用紙Pに転写するための二次転写部20が設けられている。
【0020】
中間転写ベルト15は、不図示のモータにより駆動される駆動ロール31によって図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。
本実施形態では、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上には、重畳されたトナー像が形成される。
二次転写部20は、中間転写ベルト15の外面側に配置される二次転写ロール22と、中間転写ベルト15の内面側に配置されるバックアップロール25とを含んで構成される。
本実施形態では、二次転写部20にて、画像形成部200により形成され中間転写ベルト15上に転写されたトナー像が、二次転写部20へ搬送されてきた用紙Pに転写される。
【0021】
また、画像形成装置100には、用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙P上に定着させる定着装置60が設けられている。
さらに、画像形成装置100には、プログラムを実行するCPUを備える情報処理部240が設けられている。情報処理部240は、画像形成装置100の各部を制御したり、各部の設定を行ったりする。
また、画像形成装置100には、ユーザの操作を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示する操作受付部45が設けられている。
操作受付部45は、例えばタッチパネルにより構成され、ユーザの操作を受け付ける機能だけではなく、ユーザへの情報の表示機能も有する。
【0022】
さらに、本実施形態では、用紙Pを反転させる反転機構900が設けられている。
反転機構900は、二次転写部20にて一方の面にトナー像が転写された用紙Pの表裏を反転させて、二次転写部20に対してこの用紙Pを再度供給する。これにより、本実施形態では、用紙Pの両面へのトナー像の形成を行える。
反転機構900は、用紙搬送経路R1から分岐した分岐経路R2に対して、定着装置60を通過した後の用紙Pを送り込むことで、用紙Pの表裏を反転する。
【0023】
具体的には、反転機構900は、分岐部BPを用紙Pが通過した後に、この用紙Pを逆方向へ搬送し、さらに、この用紙Pを分岐経路R2に送り込む。
この分岐経路R2は、二次転写部20よりも上流側にて、用紙搬送経路R1に合流する。これにより、本実施形態では、二次転写部20に対して、表裏が反転された状態の用紙Pが再び供給される。この場合、用紙Pの一方の面のみならず、他方の面にも、トナー像が形成され、用紙Pの両面にトナー像が形成される。
【0024】
画像形成装置100にて行われる処理の流れを説明する。
画像形成装置100は、例えば、図示しない画像読取装置やコンピュータから出力される画像データを受信する。
そして、この画像データに対して、画像処理が施される。これにより、複数設けられた画像形成部200の各々に対応した画像データが生成される。
生成された画像データは、画像形成部200の各々に設けられた露光装置13へ出力される。
【0025】
露光装置13は、入力された画像データに応じて、感光体ドラム11に対する光の照射を行う。
本実施形態では、各感光体ドラム11の表面が帯電用部材12によって帯電された後、露光装置13によってこの表面への走査露光が行われる。これにより、感光体ドラム11の表面に、静電潜像が形成される。
次いで、現像装置14による現像処理が行われ、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。そして、このトナー像が、一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
【0026】
トナー像が中間転写ベルト15上に転写された後、中間転写ベルト15の移動により、このトナー像は二次転写部20へ移動する。このとき、第1用紙収容部53や第2用紙収容部54からの用紙Pが、搬送ロール52等によって、二次転写部20へ搬送される。
そして、中間転写ベルト15上のトナー像が、二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
【0027】
その後、トナー像が転写された用紙Pは、中間転写ベルト15から剥離され、搬送ベルト55へ搬送される。搬送ベルト55は、用紙Pを定着装置60まで搬送する。
定着装置60に搬送された用紙Pは、定着装置60にて、加熱および加圧される。これにより、用紙P上のトナー像がこの用紙Pに定着する。そして、この用紙Pは、画像形成装置100から排出される。
なお、用紙Pの両面にトナー像が形成される場合は、用紙Pが定着装置60を通過した後、この用紙Pは、分岐経路R2を通って二次転写部20へ再度供給される。
そして、二次転写部20にて、この用紙Pの他方の面に対して、トナー像が転写される。その後、この用紙Pは、定着装置60を再度通過し、この他方の面に転写されたトナー像が、用紙Pに定着する。
【0028】
図2は、情報処理部240の構成を示した図である。情報処理部240は、コンピュータにより実現される。
情報処理部240は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部111と、情報を格納する情報格納部19とを有する。
情報格納部19は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0029】
演算処理部111には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部111には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部111には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部111に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eが設けられている。
【0030】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。情報格納部19には、演算処理部111により実行されるプログラムなどの各種の情報が記憶される。
本実施形態では、演算処理部111が、ROM11cや情報格納部19に記憶されたプログラムを読み込むことによって、情報処理部240にて行われる処理が実行される。
【0031】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、情報処理部240へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、情報処理部240へ提供してもよい。
【0032】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0033】
〔設定処理についての説明〕
CPU11aが行う設定処理について説明する。
本実施形態のCPU11aは、画像形成部200(図1参照)についての設定処理を行う。具体的には、CPU11aは、画像形成部200についての設定であって、画像形成部200の各々に装着される装着体80に対応する設定を行う。
CPU11aは、画像形成部200に対して新たな装着体80が装着される度に、この画像形成部200により行われる画像形成についての設定であって、この画像形成部200に装着された装着体80に対応する設定を行う。
これにより、画像形成部200は、装着体80に応じた処理を行って画像形成を行うことになる。
【0034】
本実施形態では、装着体80毎に、画像形成部200についての設定が行われ、この設定に応じて、画像形成部200にて行われる処理が異なるようになる。
具体的には、設定に応じて、例えば、画像形成部200に設けられた駆動部の駆動条件が変更されたり、画像形成部200にて印加される電圧の電圧値が変更されたり、画像形成部200にて流れる電流の電流値が変更されたりする。
【0035】
CPU11aは、装着される装着体80に応じて、この装着体80が装着された画像形成部200についての設定を行う。
具体的には、本実施形態では、後述するように、装着される装着体80に応じて、この装着体80に対応付けられている情報を、画像形成部200に対応付けられて設けられているメモリに書き込む処理を行う。
なお、本実施形態では、装着体80の各々に、装着体80の種別についての情報が格納された情報記録媒体(不図示)が設けられている。さらに、画像形成装置100側には、この情報記録媒体に格納されている情報を読み出す読み出し部が設けられている。
CPU11aは、この情報記録媒体から読み出された情報を基に、画像形成装置100に装着された装着体80の種別を特定する。
【0036】
本実施形態では、後述するように、CPU11aが、装着体80が画像形成部200に既に装着されている状態にて、装着されているこの装着体80(以下、「装着済み装着体81」と称する)に換わって新たに装着される他の装着体82に対応する設定を行う。
他の装着体82に対応するこの設定は、この他の装着体82が画像形成装置100に実際に装着された後に行うようにしてもよいが、本実施形態では、この他の装着体82が画像形成装置100に実際に装着される前に、この他の装着体82に対応する設定が行われる。
【0037】
本実施形態では、装着済み装着体81が装着されている状態にて、この装着済み装着体81に換わってこれから装着される予定の他の装着体82に対応する設定を行う。
装着済み装着体81が装着されている状態にて、他の装着体82に対応する設定を行うと、他の装着体82が実際に装着された後に、この他の装着体82に対応する設定を行う場合に比べて、より早期に、画像形成の再開を行える。
本実施形態では、装着体80の交換の際に、画像形成が一時的に停止されるが、装着済み装着体81が装着されている状態にて、他の装着体82に対応する設定を行うと、より早期に、画像形成の再開を行える。
【0038】
装着体80の交換の際には、画像形成装置100のユーザが、操作受付部45や、自身の端末装置(不図示)などを通じて、装着体80の交換の指示を行う。端末装置としては、例えば、PCやスマートフォンやタブレット端末などが挙げられる。
ユーザは、交換の指示を行う際、装着体80の交換を行う画像形成部200を特定するための情報と、この画像形成部200に装着されている装着済み装着体81に換わってこれから装着される予定の他の装着体82を特定するための情報とを入力する。
【0039】
CPU11aは、ユーザから、装着体80の交換の指示があると、その時点で装着されている装着済み装着体81に換わってこれから装着される予定の他の装着体82に対応する設定を開始する。
本実施形態では、装着済み装着体81が未だ装着されている状態にて、この装着済み装着体81に換わって装着される他の装着体82に対応する設定が開始される。
【0040】
〔設定処理の詳細〕
CPU11aによる設定の処理の詳細を説明する。
CPU11aは、設定を行うにあたって、装着済み装着体81を用いる画像形成部200による画像の形成の予定が無い場合に、この設定の処理を行う。
言い換えると、CPU11aは、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200による画像の形成の予定が無い場合に、設定の処理を開始する。
【0041】
本実施形態では、上記の通り、画像形成部200は、複数設けられ、装着体80は、この画像形成部200毎に用意される。
図1の符号91Eで示す特色用の画像形成部200(以下、「特色用画像形成部200T」と称する)には、複数種類の装着体80が用意される。
特色用画像形成部200Tでは、ユーザの希望に応じて、それまで装着されていた装着体80である装着済み装着体81に換わって、例えば、他の色のトナー像を形成するための新たな他の装着体82が装着される。
【0042】
CPU11aは、これから装着される予定のこの他の装着体82が装着される箇所にその時点で装着されている装着済み装着体81を用いる画像の形成の予定が無い場合に、この装着済み装着体81が装着されている状態にて、他の装着体82に対応する設定を行う。
より具体的には、CPU11aは、例えば、特色用画像形成部200Tに装着済み装着体81が装着されている状態において、この特色用画像形成部200Tによる画像の形成の予定が無い場合に、この特色用画像形成部200Tについての設定であって上記の他の装着体82に対応する設定を行う。
【0043】
〔処理の具体例〕
図3は、処理の具体例を示した図である。
図3に示すこの具体例では、符号3Aで示すタイミングのときに、ユーザから、装着体80の交換の指示があった場合を例示している。
図3にて示すこの処理例では、装着済み装着体81の一例としての、金色のトナーに対応した装着済み装着体81から、他の装着体82の一例としての、銀色のトナーに対応した他の装着体82への交換指示があった場合を例示している。
【0044】
この処理例では、ユーザから、装着体80の交換の指示があった際、特色の一例である金色のトナーを使用する印刷ジョブである印刷ジョブ1が実行中の状態となっている。
この状態の場合、CPU11aは、他の装着体82の一例である、銀色のトナーに対応した他の装着体82に対応する設定を開始しない。
その後、この処理例では、符号3Bで示すタイミングとなると、金色のトナーを使用する印刷ジョブ1が終了する。以後、印刷ジョブ2以降の印刷ジョブには、金色のトナーを使用する印刷ジョブが含まれない状態となる。
【0045】
印刷ジョブ1が終了すると、装着済み装着体81の一例である、金色のトナーに対応する装着体80を用いる特色用画像形成部200Tによる画像の形成の予定が無い状態となる。
この場合、CPU11aは、符号3Cで示すように、特色用画像形成部200Tについて、他の装着体82の一例である、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を開始する。
本実施形態では、設定として、情報の読み出し処理、および、情報の書き込み処理を行う。読み出し処理、書き込み処理の詳細については、後述する。
【0046】
金色のトナーに対応する装着体80、銀色のトナーに対応する装着体80を用いて画像形成を行う特色用画像形成部200Tは、上記の通り、特色のための画像形成部200となっている。
また、本実施形態では、特色用画像形成部200Tの他に、上記の通り、図1の符号91A~91Dで示す、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の基本色のトナーを用いてトナー像を形成する4つの画像形成部200が設けられている。
【0047】
以下、本明細書では、特色用画像形成部200T以外のこの4つの画像形成部200の各々を、「基本色用画像形成部200K」と称する。
また、以下、本明細書では、上記の金色のトナーに対応する装着体80などの装着済み装着体81が装着されている状態にありこの装着済み装着体81を用いる状態にある画像形成部200を、「利用画像形成部200」と称する。
利用画像形成部200は、装着済み装着体81を利用しての画像の形成を行える状態にある。
【0048】
図3に示す処理例では、CPU11aは、装着済み装着体81の一例である、金色のトナーに対応する装着体80が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定がある場合、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行わない。
本実施形態では、図3の符号3Aで示すタイミングのとき、金色のトナーに対応する装着体80が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定がある。この場合、CPU11aは、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行わない。
図3の符号3Aで示すタイミングは、装着体80の交換の指示があったタイミングであり、図3に示す処理例では、装着体80の交換の指示があったタイミングでは、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定は開始されない。
【0049】
CPU11aは、特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定が無い状態となると、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を開始する。
言い換えると、CPU11aは、装着済み装着体81を利用しての画像の形成を行える状態にある画像形成部200である利用画像形成部200による画像の形成が行われる予定が無い状態となると、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を開始する。
図3の符号3Bで示すタイミングのとき以降では、金色のトナーに対応する装着体80を用いる特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定が無い状態となる。
本実施形態では、図3の符号3Bで示すタイミングのとき以降に、CPU11aが、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を開始する。
【0050】
本実施形態では、CPU11aは、ユーザからの交換の指示を受信した際に、基本色用画像形成部200Kによる画像の形成が行われる予定があっても、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
CPU11aは、特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定が無い場合には、基本色用画像形成部200Kによる画像の形成が行われる予定があっても、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
【0051】
図3に示す例では、符号3Bで示すタイミングのとき以降且つ装着体80の交換が実際に開始される符号3Dで示すタイミングよりも前には、特色用画像形成部200Tによる画像の形成が行われる予定は無い。
一方、符号3Bで示すタイミングのとき以降且つ装着体80の交換が実際に開始される符号3Dで示すタイミングよりも前には、基本色用画像形成部200Kよる画像の形成が行われる予定がある。
この場合、本実施形態では、符号3Bで示すタイミングの後に、特色用画像形成部200Tについての設定であって、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
この場合、基本色用画像形成部200Kよる画像の形成が行われる予定がある状況で、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定が行われる。
【0052】
CPU11aは、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、利用画像形成部200の一例である特色用画像形成部200Tを利用する印刷ジョブである利用印刷ジョブが含まれていない場合、他の装着体82に対応する上記の設定を行う。
言い換えると、CPU11aは、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、装着済み装着体81が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tを利用する印刷ジョブである利用印刷ジョブが含まれていない場合、他の装着体82に対応する設定を開始する。
【0053】
より具体的には、CPU11aは、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、金色のトナーに対応する装着体80が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tを利用する利用印刷ジョブが含まれていない場合、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
図3に示す処理例では、当初、これから装着される予定の銀色のトナーに対応する装着体80が装着される予定の箇所である予定箇所に、金色のトナーに対応する装着体80が装着された状態となっている。
CPU11aは、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、この予定箇所に装着されている、金色のトナーに対応する装着体80を用いる印刷ジョブが含まれていない場合、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
【0054】
図3の符号3Aで示すタイミングの際には、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、装着済み装着体81が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tを利用する利用印刷ジョブである印刷ジョブ1が含まれている。
この場合、CPU11aは、他の装着体82である、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行わない。
これに対して、図3の符号3Bで示すタイミングの際には、装着済み装着体81が装着されている状態にある特色用画像形成部200Tを利用する利用印刷ジョブは実行済みの状態となっている。
【0055】
図3の符号3Bで示すタイミングの際には、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、装着済み装着体81を利用する状態にある特色用画像形成部200Tを利用する利用印刷ジョブは含まれていない。
この場合、CPU11aは、他の装着体82の一例である、銀色のトナーに対応する装着体80に対応する設定を行う。
CPU11aは、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、利用印刷ジョブが含まれている場合、この利用印刷ジョブが実行された後に、これから装着される予定の他の装着体82に対応する設定を行う。
【0056】
本実施形態では、設定の処理が完了し、且つ、印刷ジョブが全て終了すると、図3の符号3Eで示すように、画像形成装置100の電源がオフされる。次いで、本実施形態では、図3の符号3Fで示すように、ユーザによって、装着体80の交換が行われる。
具体的には、特色用画像形成部200Tに装着されている、装着済み装着体81である金色のトナーに対応した装着体80から、銀色のトナーに対応した他の装着体82への交換が行われる。
なお、本実施形態では、装着体80の物理的なこの交換が行われる際、符号3Gで示すように、CPU11aが、この交換に応じた、内部的な処理も行う。
【0057】
その後、画像形成装置100の電源がオンされ、符号3Hで示すように、画像形成が再開される。
図3に示す処理例では、画像形成の再開後に最初に実行される印刷ジョブは、印刷ジョブ5となっている。
この印刷ジョブ5は、銀色のトナーに対応する装着体80を用いる印刷ジョブである。図3に示す処理例では、画像形成が再開されると、銀色のトナーに対応する装着体80を用いる画像形成を行える。
【0058】
〔他の処理の説明〕
図4は、画像形成装置100にて実行される他の処理の一例を示した図である。
図4に示すこの処理では、ユーザからの装着体80の交換の指示を、印刷ジョブが全て終了した後にのみ、受け付けることができる構成となっている。
【0059】
ここで、図3にて示した上記の処理例では、ユーザからの装着体80の交換の指示を、印刷ジョブが全て終了する前に、受け付けることが可能な構成となっていた。
言い換えると、図3にて示した処理例では、未だ実行されていない印刷ジョブがあっても、ユーザからの交換の指示を受け付けるための画面が、操作受付部45や、ユーザの端末装置に表示される構成となっていた。
これにより、図3にて示した処理例では、印刷ジョブが全て終了する前に、ユーザからの装着体80の交換の指示を受け付けることが可能な構成となっていた。
これに対して、図4に示す処理例では、未だ実行されていない印刷ジョブがある状態では、ユーザからの装着体80の交換の指示を、受け付けることができない構成となっている。
図4にて示す処理例では、印刷ジョブが全て終了した後に、新たに装着される他の装着体82に対応する設定が開始される。
【0060】
図4にて示すこの処理例では、開始されたこの設定が終了すると、上記と同様、画像形成装置100の電源が一旦オフされ、次いで、装着済み装着体81から、新たな他の装着体82への交換が行われる。その後、画像形成装置100の電源がオンされる。
これにより、図4に示すこの処理例でも、新たな他の装着体82が装着された状態にある特色用画像形成部200Tを利用しての画像の形成を行えるようになる。
図4にて示したこの処理例では、図3に示した処理例に比べて、印刷処理を再開できるようになるまでに要する時間が長くなる。
【0061】
本実施形態では、装着体80を交換することで、用紙Pに形成される画像の色の変更を行える。
例えば、特色用画像形成部200Tに装着されている装着体80を、金色のトナーに対応する装着体80から、銀色のトナーに対応する装着体80に交換する場合を想定する。
この場合、それまで、基本色および金色よりなる画像を形成可能な状態から、基本色および銀色よりなる画像の形成が可能な状態となる。
【0062】
装着体80の交換にあたっては、ハード面とソフト面の両面での処理を行う。
ここで、ハード面におけるハードとは、ハードウェアのことであり、物理的な装置や機械を指す。ソフト面におけるソフトとは、ソフトウェアのことであり、電子計算機に指令を出すためのプログラムを指す。プログラムは、電子計算機に対する指令であり、一の結果を得ることができるように組み合わされている。
ハード面での処理では、装着体80を物理的に交換する作業をユーザが行う。ハード面の処理では、画像形成装置100に装着されている上記の装着済み装着体81を取り外し、新たな他の装着体82の装着を行う。
交換の前後において、形成される画像の色が同じである場合には、現像剤の交換のみを行うだけで済み、装着体80の交換を行わずに済む。
これに対して、交換の前後において、形成される画像の色が異なる場合には、装着体80の交換を行う必要が生じる。
【0063】
ソフト面での設定では、例えば、情報の読み出し、および、情報の書き込みが行われる。ソフト面での設定では、上記にて説明した、画像形成部200についての設定であって装着体80毎の設定が行われる。
ソフト面でのこの設定では、情報の読み出し、および、情報の書き込みが行われる。言い換えると、上記にて説明した設定の処理では、情報の読み出し、および、情報の書き込みが行われる。
【0064】
ソフト面でのこの設定では、装着体80の交換の際に、まず、それまでに装着されていた装着済み装着体81についての設定値や調整値を、不図示の第1メモリから読み出し、不図示の第2メモリへ格納する。
なお、本実施形態では、第1メモリに、装着済み装着体81の使用履歴についての情報も格納されており、この使用履歴についての情報も第2メモリに格納される。
この第1メモリや第2メモリは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体により実現される。
【0065】
その後、これから装着される予定の新たな他の装着体82に対応する設定値や調整値を、第2メモリから読み出し、そして、読み出したこの設定値や調整値を、第1メモリに書き込む。
なお、この他の装着体82が、既に使用されたことがある装着体80である場合には、第2メモリに、この他の装着体82についての使用履歴についての情報も格納されている。この場合、この使用履歴についての情報も、第1メモリに書き込まれる。
【0066】
装着体80の交換の際には、装着体80の交換に合わせて、設定値や調整値も変更する。
装着体80を交換する際には、装着済み装着体81についての設定値や調整値を、第1メモリから読み出す。そして、これから装着される新たな他の装着体82についての設定値や調整値を、この第1メモリに書き込む。
【0067】
本実施形態では、画像形成部200の各々に対応して設けられた第1メモリと、この第1メモリとは別の共通の第2メモリとが設けられている。第2メモリは、第1メモリよりも容量が大きい。
装着体80の各々に対応する上記の設定値や調整値は、予め、第2メモリに格納されている。
装着済み装着体81から、新たな他の装着体82への交換の際には、装着済み装着体81に対応する設定値や調整値が、第1メモリから読み出されて、第2メモリへ格納される。また、使用履歴についての情報も、第1メモリから読み出されて、第2メモリへ格納される。
【0068】
次いで、新たに装着される他の装着体82に応じた設定値や調整値が、第2メモリから読み出されて、第1メモリに格納される。なお、上記の通り、使用履歴についての情報がある場合には、この使用履歴についての情報も、第2メモリから読み出されて、第1メモリへ格納される。
新たな他の装着体82が装着される場合、第1メモリに格納される情報が変化する。これにより、新たな他の装着体82が装着される画像形成部200では、行われる処理の内容が変化する。
【0069】
第1メモリと第2メモリとの間の情報の受け渡しには、時間を要することが多い。情報のこの受け渡しが、印刷ジョブの全てが終了してから行われる場合、画像形成の再開までに要する時間が長くなる。
これに対して、本実施形態では、ソフト面の処理については、上記のように、特色用画像形成部200Tが使用される予定に無い場合、基本色用画像形成部200Kを利用する他の印刷ジョブがあっても、ソフト面の処理を開始する。
これにより、印刷ジョブが全て終了する前に、ソフト面の処理が開始され、これに応じて、画像形成の再開をより早期に行える。
【0070】
〔一連の処理の説明〕
図5は、CPU11aが実行する処理の流れの一例を示したフローチャートである。
図5では、装着体80の交換指示がユーザからあった後の処理の流れを示している。
CPU11aは、ユーザから交換指示があった場合、画像形成装置100にて印刷処理が行われているか否かを判断する(ステップS101)。
言い換えると、CPU11aは、ユーザから交換指示があった場合、未だ実行していない印刷ジョブがあるかを判断する。
【0071】
そして、CPU11aは、画像形成装置100にて印刷処理が行われていると判断しなかった場合、上記の設定処理を行う(ステップS102)。言い換えると、CPU11aは、実行予定の印刷ジョブが無い場合、上記の設定処理を開始する。
一方、CPU11aは、ステップS101にて、画像形成装置100にて印刷処理が行われていると判断した場合、ユーザからの交換の指示を受け付けたことを示す情報を出力する(ステップS103)。
これにより、本実施形態では、操作受付部45(図1参照)や、ユーザの端末装置に、交換の指示を受け付けたことを示す情報が表示される。
【0072】
次いで、CPU11aは、実行予定の印刷ジョブの中に、装着済み装着体81が装着されている画像形成部200を利用する利用印刷ジョブがあるかを判断する(ステップS104)。
そして、CPU11aは、実行予定の印刷ジョブの中に、利用印刷ジョブがないと判断した場合、ステップS102の処理を実行し、上記にて説明した設定の処理を行う。
一方、CPU11aは、ステップS104にて、実行予定の印刷ジョブの中に、利用印刷ジョブがないと判断しなかった場合、ステップS104の処理を再び実行する。
【0073】
〔他の処理例〕
図6(A)、(B)は、他の処理の一例を示した図である。
図6にて示すこの処理例では、図6(A)に示すように、当初、非利用印刷ジョブが、利用印刷ジョブよりも先に実行される予定となっている。
上記の通り、利用印刷ジョブとは、印刷ジョブ3のように、装着済み装着体81を用いる状態にある特色用画像形成部200Tを利用する印刷ジョブのことを指す。言い換えると、利用印刷ジョブとは、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用する印刷ジョブのことを指す。
これに対し、非利用印刷ジョブとは、印刷ジョブ1、印刷ジョブ2のように、装着済み装着体81を用いる状態にある特色用画像形成部200Tを利用しない印刷ジョブのことを指す。言い換えると、非利用印刷ジョブとは、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用しない印刷ジョブのことを指す。
【0074】
図6(A)にて示す処理例では、画像形成装置100が実行予定の印刷ジョブの中に、利用印刷ジョブと、非利用印刷ジョブとが含まれている。
また、図6(A)にて示す処理例では、利用印刷ジョブよりも先に、非利用印刷ジョブが実行される状況となっている。
この場合、CPU11aは、印刷ジョブの実行の順序を変更し、図6(B)に示すように、利用印刷ジョブの方が非利用印刷ジョブよりも先に実行されるようにする。
【0075】
この処理例では、CPU11aは、ユーザから、装着体80の交換の指示があった場合に、印刷ジョブの実行の順序を変更する。これにより、図6(B)に示すように、利用印刷ジョブの方が、非利用印刷ジョブよりも先に実行されるようになる。
CPU11aは、印刷ジョブの実行の順序を変更した場合、上記と同様、利用印刷ジョブが実行された後に、これから装着される予定の他の装着体82に対応する設定を行う。
この場合、印刷ジョブの順序の変更を行わない場合に比べ、他の装着体82に対応する設定をより早期に開始でき、これに伴い、画像形成の再開をより早期に行える。
【0076】
〔情報の出力処理〕
次に、情報の出力処理について説明する。
CPU11aは、他の装着体82に対応する上記の設定を行う場合、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力する処理を行う。
より具体的には、CPU11aは、他の装着体82に対応する上記の設定を行う場合、例えば、特色用画像形成部200Tを利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力する処理を行う。
【0077】
これにより、本実施形態では、操作受付部45や、ユーザが操作する端末装置に、特色用画像形成部200Tを利用しての画像の形成を行えないことを示す情報が表示される。
これにより、ユーザが、特色を用いて画像形成を行えないことを認識する。
本実施形態では、装着体80の交換の指示がユーザからなされた後も、ユーザは、画像形成装置100に対して、装着済み装着体81を用いての画像の形成の指示を行えるようになっている。
【0078】
言い換えると、本実施形態では、装着体80の交換の指示がユーザからなされた後も、ユーザは、画像形成装置100に対して、特色を用いての画像の形成の指示を行えるようになっている。
上記のように、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力すると、装着済み装着体81を利用する利用印刷ジョブが画像形成装置100へ出力されることが抑制される。
より具体的には、後述する印刷指示者から、画像形成装置100へ、装着済み装着体81を利用する利用印刷ジョブが出力されることが抑制される。
【0079】
〔画像形成装置100に関連する者の説明〕
図7は、画像形成装置100に関連する者を示した図である。
画像形成装置100には、様々な者が関わっており、図7では、画像形成装置100に関わる者の一例を示している。画像形成装置100に関わる者としては、例えば、印刷指示者、実機管理者、実機操作者が挙げられる。
印刷指示者は、印刷物を得たい者であり、画像形成装置100への印刷ジョブの出力を行う者である。印刷指示者は、1人に限らず、複数人の場合もある。
実機管理者は、画像形成装置100を管理する責任者である。
実機操作者は、画像形成装置100についての作業を行う者である。実機操作者は、画像形成装置100への用紙Pの補給やトナーの補給などを行う。また、実機操作者は、トナーの交換やテスト印刷を行う。また、実機操作者は、上記の装着体80の交換作業を行う。
【0080】
ここで、図3に示した印刷ジョブ1の実行中に、実機管理者(図7参照)が、操作受付部45(図1参照)や端末装置を介して、装着体80の交換を指示した場合を想定する。
この場合、本実施形態では、印刷ジョブ1の実行中に、操作受付部45、および、印刷指示者の端末装置に、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報が表示される。
具体的には、例えば、「装着体80が交換中」であることを示す表示が行われる。これにより、装着体80の交換の指示を行った者以外の者である印刷指示者も、装着体80の交換が行われることを知るようになる。
【0081】
ここでは、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報として、装着体80が交換中であることを示す情報の出力および表示が行われる場合を一例に説明した。
但し、これに限らず、例えば、特色での画像形成は行えないことを示す情報が、出力され、特色での画像形成は行えないことを示すこの情報が、操作受付部45や、印刷指示者の端末装置に表示されるようにしてもよい。
【0082】
以上の処理により、本実施形態では、印刷指示者が、特色を使用する印刷ジョブに基づく画像形成の指示を誤って行うことが生じにくくなる。
なお、本実施形態では、装着体80の交換が終了した場合、CPU11aが、交換が終了したことを示す情報を出力する。
これにより、操作受付部45、および、印刷指示者の端末装置に、装着体80の交換が終了したことを示す情報が表示される。
【0083】
〔その他の処理〕
その他、CPU11aは、上記の他の装着体82に対応する設定を開始した後に、装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用する利用印刷ジョブを画像形成装置100が受信した場合、この利用印刷ジョブが実行されないようにしてもよい。
画像形成装置100へ出力される印刷ジョブには、使用するトナーについての情報も含まれている。CPU11aは、このトナーについての情報により特定されるトナーの色が、装着済み装着体81に対応付けられている色と一致する場合、この印刷ジョブが実行されないようにしてもよい。
【0084】
装着済み装着体81が装着されている状態にある画像形成部200を利用する利用印刷ジョブが実行されないようにすることで、ユーザが意図しない画像が形成されるなどの不具合が生じることが抑制される。
本実施形態では、他の装着体82に対応する設定を開始した後も、利用印刷ジョブを画像形成装置100が受信可能な構成となっている。この場合、他の装着体82に対応する設定を開始した後に、利用印刷ジョブに基づく画像の形成が行われ、ユーザが意図しない画像が形成されるおそれがある。
この場合に、この利用印刷ジョブが実行されないようにすると、ユーザが意図しない画像が形成されるという不具合が生じにくくなる。
【0085】
また、その他に、CPU11aは、上記の他の装着体82に対応する設定を開始した後に、利用印刷ジョブを画像形成装置100が受信した場合、この利用印刷ジョブが実行されないようにし且つ情報格納部19(図2参照)にこの利用印刷ジョブが格納されるようにしてもよい。
さらに、CPU11aは、装着済み装着体81に換わって他の装着体82が装着されることに伴い取り外されたこの装着済み装着体81が画像形成部200に再び装着された場合、情報格納部19に格納されたこの利用印刷ジョブが実行されるようにしてもよい。
【0086】
装着済み装着体81が特色用画像形成部200Tから一旦取り外れた後、この装着済み装着体81が、特色用画像形成部200Tに再び装着される場合も想定される。
この場合、上記のように、利用印刷ジョブが情報格納部19に格納される構成とすると、装着済み装着体81が、特色用画像形成部200Tに再び装着された場合に、この利用印刷ジョブの実行を行えるようになる。
この場合、ユーザが、この利用印刷ジョブに基づく画像形成の指示を新たに行わないでも、この利用印刷ジョブに基づく画像形成が開始される。
【0087】
また、上記では、非利用印刷ジョブの実行中に、他の装着体82に対応する設定を行う場合を一例に説明した。言い換えると、上記では、非利用印刷ジョブの実行中に、上記のソフト面についての処理を行う場合を説明した。
ところで、これに限らず、非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理も行える構成としてもよい。より具体的には、非利用印刷ジョブの実行中に、装着済み装着体81から他の装着体82への交換を行える構成としてもよい。
【0088】
非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理も行える構成とする場合は、CPU11aから、装着体80の交換が可能であること示す情報が出力されるようにする。
これにより、操作受付部45や端末装置に、装着済み装着体81から他の装着体82への交換を行えることを示す情報が表示される。
この場合、ユーザは、非利用印刷ジョブの実行中に、装着済み装着体81から他の装着体82への交換を行うようになる。
【0089】
また、非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理も行える構成とする場合、装着済み装着体81が装着されている画像形成部200への給電を停止するなどの処理を行うようにする。
言い換えると、非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理を行える構成とする場合、装着済み装着体81が装着されている画像形成部200の状態を、ユーザによる装着済み装着体81の取り外しを行える状態とする。
【0090】
また、非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理を行える構成とする場合、装着済み装着体81が取り外された後の画像形成部200の状態を、ユーザによる新たな他の装着体82の装着を行える状態とする。
非利用印刷ジョブの実行中に、ハード面についての処理も行える場合、ソフト面についての処理のみが可能である構成に比べて、装着体80の交換後の画像形成の再開をより早期に行える。
【0091】
また、上記にて説明した構成および処理は、画像形成部200が1つしか設けられていないいわゆるモノクロ機に適用してもよい。
モノクロ機では、ユーザから装着体80の交換の指示があり、且つ、画像形成部200による画像の形成の予定が無い場合に、新たな他の装着体82に対応する設定を行う。
【0092】
(付記)
(((1)))
装着された装着体を用い、画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行うプロセッサであり、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行うプロセッサと、
を備える画像形成装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段による画像の形成の予定が無い場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((3)))
前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、
前記プロセッサは、
前記他の装着体が装着される箇所に装着されている前記装着済み装着体が用いられての画像の形成の予定が無い場合に、当該他の装着体に対応する前記設定を行う、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体が装着されている前記画像形成手段以外の他の画像形成手段による画像の形成が行われる予定があっても、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
(((3)))に記載の画像形成装置。
(((5)))
前記画像形成手段は、複数設けられ、前記装着体は、当該画像形成手段の各々に対して装着され、
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の印刷ジョブの中に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが含まれていない場合に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブが含まれている場合、当該利用印刷ジョブが実行された後に、前記他の装着体に対応する前記設定を行う、
(((5)))に記載の画像形成装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記画像形成装置が実行予定の前記印刷ジョブの中に、前記利用印刷ジョブに加えて、当該利用印刷ジョブよりも先に実行され前記装着済み装着体を利用しない印刷ジョブである非利用印刷ジョブが含まれている場合、印刷ジョブの実行の順序を変更し、当該利用印刷ジョブの方が当該非利用印刷ジョブよりも先に実行されるようにする、
(((6)))に記載の画像形成装置。
(((8)))
前記プロセッサは、
前記他の装着体に対応する前記設定を行う場合、前記装着済み装着体が装着されている状態にある前記画像形成手段を利用しての画像の形成を行えないことを示す情報を出力する、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((9)))
前記プロセッサは、
前記他の装着体に対応する前記設定を開始した後に、前記装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブを前記画像形成装置が受信した場合、当該利用印刷ジョブが実行されないようにする、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((10)))
前記プロセッサは、
前記利用印刷ジョブが実行されないようにし且つ前記画像形成装置に設けられた情報格納部に当該利用印刷ジョブが格納されるようにする、
(((9)))に記載の画像形成装置。
(((11)))
前記プロセッサは、
前記装着済み装着体に換わって前記他の装着体が装着されることに伴い取り外された当該装着済み装着体が再び装着された場合、前記情報格納部に格納された前記利用印刷ジョブが実行されるようにする、
(((10)))に記載の画像形成装置。
(((12)))
装着された装着体を用いて画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置に設けられたコンピュータが実行するプログラムであり、
前記画像形成手段についての設定であって装着される前記装着体に対応する設定を行う機能であって、当該装着体が装着されている状態にて、装着されている当該装着体である装着済み装着体に換わって装着される他の装着体に対応する設定を行う機能を、
前記画像形成装置に設けられた前記コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0093】
(((1)))に係る画像形成装置によれば、装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
(((2)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体を用いる画像の形成に対して影響を与えずに、他の装着体に対応する設定を行うことが可能となる。
(((3)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体を用いる画像の形成に対して影響を与えずに、他の装着体に対応する設定を行うことが可能となる。
(((4)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体を用いる画像形成手段以外の他の画像形成手段による画像の形成が終了してから、他の装着体に対応する設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
(((5)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが実行されている際に他の装着体に対応する設定が行われることを防止できる。
(((6)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体を用いる印刷ジョブである利用印刷ジョブが実行されている際に他の装着体に対応する設定が行われることを防止できる。
(((7)))に係る画像形成装置によれば、印刷ジョブの実行の順序を変更しない場合に比べ、他の装着体に対応する設定をより早期に開始することができる。
(((8)))に係る画像形成装置によれば、被通知者に対して、装着済み装着体を利用しての画像形成を行えないことを通知可能になる。
(((9)))に係る画像形成装置によれば、他の装着体に対応する設定が開始された後に装着済み装着体が利用されて画像形成が行われることを防止できる。
(((10)))に係る画像形成装置によれば、他の装着体に対応する設定が開始された後に画像形成装置が受信した利用印刷ジョブを保存しておくことが可能となる。
(((11)))に係る画像形成装置によれば、装着済み装着体に換わって他の装着体が装着されることに伴い取り外されたこの装着済み装着体が再び装着された場合に、保存されていた利用印刷ジョブの実行を行えるようになる。
(((12)))に係るプログラムによれば、装着体が交換された後に、交換後の装着体についての設定が行われる場合に比べ、装着体が交換されてから画像形成が開始できるようになるまでの時間をより短くすることができる。
【符号の説明】
【0094】
11a…CPU、19…情報格納部、80…装着体、81…装着済み装着体、82…他の装着体、100…画像形成装置、200…画像形成部、200K…基本色用画像形成部、200T…特色用画像形成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7