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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009888
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】コイル電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20250109BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20250109BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20250109BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F27/24 J
H01F27/29 123
H01F37/00 A
H01F37/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024090569
(22)【出願日】2024-06-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0087166
(32)【優先日】2023-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 賢
(72)【発明者】
【氏名】李 東 煥
(72)【発明者】
【氏名】林 大 気
(72)【発明者】
【氏名】金 範 錫
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB04
5E070CA03
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】高いインダクタンスを確保すると共に結合係数を容易に調節することができ、積層されたコイルが傾くことを防止してコイル間の間隔を維持することができるカップルドインダクタ構造を有するコイル電子部品を提供する。
【解決手段】本発明のコイル電子部品は、第1コイルと、第1コイルから離隔される第2コイルと、第1コイルの第1コアと第2コイルの第2コアとの間の第1領域から第1コイルと第2コイルとの間の第2領域まで延長されるように配置される中間層と、第1コイル、第2コイル、及び中間層を囲む磁性体と、を備え、中間層の透磁率(permeability)は、磁性体の透磁率よりも小さい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コイルと、
前記第1コイルから離隔される第2コイルと、
前記第1コイルの第1コアと前記第2コイルの第2コアとの間の第1領域から前記第1コイルと前記第2コイルとの間の第2領域まで延長されるように配置される中間層と、
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記中間層を囲む磁性体と、を備え、
前記中間層の透磁率(permeability)は、前記磁性体の透磁率よりも小さいことを特徴とするコイル電子部品。
【請求項2】
前記中間層は、前記第1コイル及び前記第2コイルに接することを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項3】
前記中間層は、前記第2領域の外側縁から離隔されることを特徴とする請求項2に記載のコイル電子部品。
【請求項4】
前記第1領域における前記中間層の厚さは、前記第2領域における前記中間層の厚さと同一であることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項5】
前記中間層は、前記第1領域から前記第1コアの一部分まで延長されることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項6】
前記中間層は、前記第1領域から前記第2コアの一部分まで延長されることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項7】
前記中間層は、前記第1領域から前記第1コアの一部分まで延長され、
前記中間層は、前記第1領域から前記第2コアの一部分まで延長されることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項8】
前記第2領域は、前記中間層が配置される内側領域と、前記内側領域に接して前記磁性体が配置される外側領域と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項9】
前記第2領域内に配置されて前記第1コイル及び前記第2コイルに接する支持体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項10】
前記支持体は、前記中間層から離隔されることを特徴とする請求項9に記載のコイル電子部品。
【請求項11】
前記支持体は、前記中間層に接することを特徴とする請求項9に記載のコイル電子部品。
【請求項12】
前記支持体は、磁性材料、エポキシ、又は非磁性材料からなることを特徴とする請求項9に記載のコイル電子部品。
【請求項13】
前記磁性体の外部に配置されて前記第1コイルの第1引出部に連結される第1外部電極と、
前記磁性体の外部に配置されて前記第1コイルの第2引出部に連結される第2外部電極と、
前記磁性体の外部に配置されて前記第2コイルの第1引出部に連結される第3外部電極と、
前記磁性体の外部に配置されて前記第2コイルの第2引出部に連結される第4外部電極と、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項14】
前記第1コイルは、巻線型コイルを含み、
前記第2コイルは、巻線型コイルを含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項15】
前記第1コイルは、
互いに対向する第1面及び第2面を有する第1支持基板と、
前記第1支持基板の第1面に配置される第1コイルパターンと、
前記第1支持基板の第2面に配置される第2コイルパターンと、
前記第1支持基板を貫通して前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを連結する第1ビアと、を含み、
前記第2コイルは、
互いに対向する第1面及び第2面を有する第2支持基板と、
前記第2支持基板の第1面に配置される第1コイルパターンと、
前記第2支持基板の第2面に配置される第2コイルパターンと、
前記第2支持基板を貫通して前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを連結する第2ビアと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項16】
前記中間層は、前記第2領域の一部分まで延長されるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項17】
前記第1コイルの表面及び前記第2コイルの表面には、絶縁膜が備えられることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の機能が多様化することにより消費電力が増加するにつれてモバイル機器内バッテリー使用時間を増やすためにパワー半導体(PMIC:power management integrated circuit)周辺に損失が少なく効率に優れたコイル電子部品が採用されている。
【0003】
コイル電子部品が1次コイルと2次コイルとが積層されたカップルドインダクタ構造を有する場合、高いインダクタンスを確保しながら結合係数(coefficient of coupling:K)を容易に調節することができる方法が要求される。
【0004】
また、積層された1次コイルと2次コイルとが互いに相対的に傾くことを防止して1次コイルと2次コイルとの間の間隔を一定に維持する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-67769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高いインダクタンスを確保すると共に結合係数を容易に調節することができるカップルドインダクタ構造を有するコイル電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるコイル電子部品は、第1コイルと、前記第1コイルから離隔される第2コイルと、前記第1コイルの第1コアと前記第2コイルの第2コアとの間の第1領域から前記第1コイルと前記第2コイルとの間の第2領域まで延長されるように配置される中間層と、前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記中間層を囲む磁性体と、を備え、前記中間層の透磁率(permeability)は、前記磁性体の透磁率よりも小さい。
【0008】
前記中間層は、前記第1コイル及び前記第2コイルに接し得る。
前記中間層は、前記第2領域の外側縁から離隔され得る。
前記第1領域における前記中間層の厚さは、前記第2領域における前記中間層の厚さと同一であり得る。
前記中間層は、前記第1領域から前記第1コアの一部分まで延長され得る。
前記中間層は、前記第1領域から前記第2コアの一部分まで延長され得る。
前記中間層は、前記第1領域から前記第1コアの一部分まで延長され、前記中間層は、前記第1領域から前記第2コアの一部分まで延長され得る。
前記第2領域は、前記中間層が配置される内側領域と、前記内側領域に接して前記磁性体が配置される外側領域と、を含み得る。
前記コイル電子部品は、前記第2領域内に配置されて前記第1コイル及び前記第2コイルに接する支持体を更に含み得る。
前記支持体は、前記中間層から離隔され得る。
前記支持体は、前記中間層に接し得る。
前記支持体は、磁性材料、エポキシ、又は非磁性材料からなり得る。
前記コイル電子部品は、前記磁性体の外部に配置されて前記第1コイルの第1引出部に連結される第1外部電極と、前記磁性体の外部に配置されて前記第1コイルの第2引出部に連結される第2外部電極と、前記磁性体の外部に配置されて前記第2コイルの第1引出部に連結される第3外部電極と、前記磁性体の外部に配置されて前記第2コイルの第2引出部に連結される第4外部電極と、を更に含み得る。
前記第1コイルは、巻線型コイルを含み、前記第2コイルは、巻線型コイルを含み得る。
前記第1コイルは、互いに対向する第1面及び第2面を有する第1支持基板と、前記第1支持基板の第1面に配置される第1コイルパターンと、前記第1支持基板の第2面に配置される第2コイルパターンと、前記第1支持基板を貫通して前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを連結する第1ビアと、を含み、前記第2コイルは、互いに対向する第1面及び第2面を有する第2支持基板と、前記第2支持基板の第1面に配置される第1コイルパターンと、前記第2支持基板の第2面に配置される第2コイルパターンと、前記第2支持基板を貫通して前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを連結する第2ビアと、を含み得る。
前記中間層は、前記第2領域の一部分まで延長されるように配置され得る。
前記第1コイルの表面及び前記第2コイルの表面には、絶縁膜が備えられ得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコイル電子部品によれば、高いインダクタンスを確保すると共に結合係数を容易に調節することができ、また積層されたコイルが傾くことを防止してコイル間の間隔を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態によるコイル電子部品の第1例を概略的に示す斜視図である。
図2図1のコイル電子部品を概略的に示す平面図である。
図3図1のコイル電子部品を概略的に示す底面斜視図である。
図4図1のIV-IV’線に沿って切断した概略断面図である。
図5】一実施形態によるコイル電子部品の第2例を概略的に示す斜視図である。
図6】一実施形態によるコイル電子部品の第3例を概略的に示す斜視図である。
図7】一実施形態によるコイル電子部品の第4例を概略的に示す断面図である。
図8】一実施形態によるコイル電子部品の第5例を概略的に示す斜視図である。
図9図8のIX-IX’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体に亘って同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付けた。また、図面において、一部の構成要素は誇張されるか省略されるか又は概略的に示され、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0013】
図面は本明細書に開示した実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示した技術的思想は制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は代替物を含むものと理解されなければならない。
【0014】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
【0015】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”又は“上に”あるという場合、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという場合は中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”又は“上に”あるという場合は、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に“の上に”又は“上に”位置することを意味するものではない。
【0016】
明細書全体で、“含む”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を“含む”という場合、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に含むことができることを意味する。
【0017】
また、明細書全体で、“平面上”という場合、これは対象部分を上から見た場合を意味し、“断面上”という場合、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た場合を意味する。
【0018】
また、明細書全体で、“連結される”という場合、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するものではなく二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、又は位置や機能によって異なる名称で称されたが一体であることを意味する。
【0019】
図1は、一実施形態によるコイル電子部品の第1例を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のコイル電子部品を概略的に示す平面図であり、図3は、図1のコイル電子部品を概略的に示す底面斜視図であり、図4は、図1のIV-IV’線に沿って切断した概略断面図である。
【0020】
図1図2図3、及び図4を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品1000は、磁性体100、第1コイル200、第2コイル300、中間層400、第1外部電極500、第2外部電極600、第3外部電極700、及び第4外部電極800を含む。
【0021】
磁性体100は大略直六面体形状に形成されるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。焼成(sintering)時、磁性粉末などの収縮によって、磁性体100は、完全な直六面体形状ではないが、実質的に直六面体形状を有する。例えば、磁性体100は、大略直六面体形状であるが、角や頂点に該当する部分が丸い形状を有する。
【0022】
本実施形態では、説明の便宜のために、長さ方向(L軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第1面S1及び第2面S2と定義し、幅方向(W軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第3面S3及び第4面S4と定義し、厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第5面S5及び第6面S6と定義する。
【0023】
コイル電子部品1000の長さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)の中央部における長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して長さ方向(L軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味する。又は、コイル電子部品1000の長さは、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して長さ方向(L軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味する。或いは、コイル電子部品1000の長さは、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して長さ方向(L軸方向)に平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0024】
コイル電子部品1000の厚さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)の中央部における長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して厚さ方向(T軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味する。又は、コイル電子部品1000の厚さは、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して厚さ方向(T軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味する。或いは、コイル電子部品1000の厚さは、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して厚さ方向(T軸方向)に平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0025】
コイル電子部品1000の幅は、コイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)の中央部における長さ方向(L軸方向)-幅方向(W軸方向)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して幅方向(W軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味する。又は、コイル電子部品1000の幅は、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して幅方向(W軸方向)に平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味する。或いは、コイル電子部品1000の幅は、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側の境界線をそれぞれ連結して幅方向(W軸方向)に平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0026】
一方、コイル電子部品1000の長さ、幅、及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ(micrometer)測定法で測定することもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップの間に本実施形態によるコイル電子部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定する。一方、マイクロメータ測定法でコイル電子部品1000の長さを測定する場合、コイル電子部品1000の長さは、1回測定された値を意味することも、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル電子部品1000の幅及び厚さ測定にも同様に適用される。
【0027】
磁性体100は、コイル電子部品1000の外観を成し、第1外部電極500及び第2外部電極600を通じて第1コイル200に電流が印加され、第3外部電極700及び第4外部電極800を通じて第2コイル300に電流が印加される時に、第1コイル200で誘導される磁束及び第2コイル300で誘導される磁束が通る経路である磁路(magnetic path)が形成される空間である。
【0028】
磁性体100は、第1コイル200、第2コイル300、及び中間層400を囲んで封止(encapsulation)し、磁性物質を含む。磁性体100は磁性粒子を含み、磁性粒子の間には絶縁材が介される。
【0029】
磁性物質は、第1金属磁性粉末、第1金属磁性粉末よりも粒径が大きい第2金属磁性粉末、及び第2金属磁性粉末よりも粒径が大きい第3金属磁性粉末を含む。第1金属磁性粉末の平均粒径(D50)は0.1μm以上0.2μm以下であり、第2金属磁性粉末の平均粒径(D50)は1μm以上2μm以下であり、第3金属磁性粉末の平均粒径(D50)は25μm以上30μm以下である。
【0030】
磁性粒子は、磁気特性を示すフェライト(ferrite)粒子や金属磁性粒子である。
【0031】
フェライト粒子は、例えばMg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうちの少なくとも一つ以上である。
【0032】
金属磁性粒子は、組成が異なる2種類以上の粉末で構成され、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択される1種以上を含む。例えば、金属磁性粒子は、純鉄、Fe-Si系合金、Fe-Si-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Ni-Mo系合金、Fe-Ni-Mo-Cu系合金、Fe-Co系合金、Fe-Ni-Co系合金、Fe-Cr系合金、Fe-Cr-Si系合金、Fe-Si-Cu-Nb系合金、Fe-Ni-Cr系合金、Fe-Cr-Al系合金のうちの少なくとも一つ以上である。ここで、金属磁性粒子の組成が異なるということは含量が異なる場合を意味することもある。
【0033】
金属磁性粒子は非晶質又は結晶質である。例えば、金属磁性粒子はFe-Si-B-Cr系非晶質合金であるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。金属磁性粒子は、平均粒径が約0.1μm~30μmであるが、これに限定されるものではない。本明細書上で、平均粒径はD90又はD50などと表現される粒度分布を意味する。粒度分布は、測定対象となる粒子群内にどのような大きさ(粒径)の粒子がどのような割合で含まれるかを示す指標であり、通常の技術者によく知られている。D50(粒度分布の体積累積50%に相当する粒径)は平均粒径を示す。
【0034】
金属磁性粒子は2種類以上の異なる金属磁性粒子である。ここで、金属磁性粒子の種類が異なるということは、金属磁性粒子が平均粒径、組成、成分比、結晶性、及び形状のうちの少なくとも一つで互いに区別されることを意味する。
【0035】
絶縁材は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独で又は混合して含むが、これに限定されるものではない。
【0036】
磁性体100を形成する方法は特に制限されない。例えば、第1コイル200及び第2コイル300の上部及び下部に磁性材料からなるシート(sheet)を配置した後、これを圧着及び硬化して磁性体100を形成する。
【0037】
第1コイル200及び第2コイル300は、磁性体100の内部に配置され、コイル電子部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル電子部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、第1コイル200及び第2コイル300に電流が印加されると、エネルギーを磁場形態に貯蔵して出力電圧を維持することによって電子機器の電源を安定させる役割を果たす。
【0038】
第1コイル200と第2コイル300とは互いに磁気的に結合(coupling)されてカップルド(coupled)インダクタ構造を成す。
【0039】
第1コイル200及び第2コイル300は、表面が絶縁物質で被覆された金属(例えば、銅(Cu)又は銀(Ag))線を螺旋形に巻いた形態である。即ち、第1コイル200及び第2コイル300は巻線型コイルである。第1コイル200及び第2コイル300は、単線に限定されず、撚線や2つ以上の線からなるものであってもよい。
【0040】
第1コイル200及び第2コイル300は、円形コイルであるが、これに限定されない。例えば、第1コイル200及び第2コイル300は長方形コイルなどの公知の多様なコイルである。
【0041】
第1コイル200及び第2コイル300の個別線(wire)の断面は、四角形、円形、楕円形などの公知の多様な形状を有する。
【0042】
第1コイル200及び第2コイル300は、複数のターン(turn)を有し、エッジワイズ(edgewise)コイルである。
【0043】
例えば、第1コイル200は、コイル電子部品1000の第5面S5側から第6面S6側に順次に最外側ターンコイルC1及び最内側ターンコイルC2を有する。一方、図示していないが、最外側ターンコイルC1と最内側ターンコイルC2との間には少なくとも一つの中間ターンコイルが配置され得る。
【0044】
同様に、第2コイル300は、コイル電子部品1000の第6面S6側から第5面S5側に順次に最外側ターンコイルC1’及び最内側ターンコイルC2’を有する。一方、図示していないが、最外側ターンコイルC1’と最内側ターンコイルC2’との間には少なくとも一つの中間ターンコイルが配置され得る。
【0045】
第1コイル200及び第2コイル300の複数のターンのそれぞれの表面に沿って絶縁膜IFが備えられる。絶縁膜IFは第1コイル200及び第2コイル300の複数のターンを保護し、絶縁させるためのものであり、パリレン(Parylene)などの公知の絶縁性物質を含む。絶縁膜IFに含まれる絶縁性物質はどのようなものでも可能であり、特別な制限はない。例えば、絶縁膜IFは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂である。絶縁膜IFは、気相蒸着などの方法で形成されるが、これに限定されない。
【0046】
一方、第1コイル200及び第2コイル300の形状は、上述のものに限定されず、公知の多様な形状であってもよい。例えば、第1コイル200は、磁性体100の外面から内側に向かって順次に最外側ターンコイル、一つ以上の中間ターンコイル、及び最内側ターンコイルを有する。同様に、第2コイル300は、磁性体100の外面から内側に向かって順次に最外側ターンコイル、一つ以上の中間ターンコイル、及び最内側ターンコイルを有する。
【0047】
第1コイル200は、巻回部210及び引出部220を含む。
【0048】
巻回部210は、金属線(wire)が少なくとも一つのターン(turn)を成す部分である。
【0049】
引出部220は、巻回部210の両端からそれぞれ延長されて磁性体100の第6面S6にそれぞれ露出する。引出部220は、第1引出部223及び第2引出部225を含む。第1引出部223は巻回部210の一端から延長されて磁性体100の第6面S6に露出し、第2引出部225は巻回部210の他端から延長されて磁性体100の第6面S6に露出する。第1引出部223及び第2引出部225が磁性体100の第6面S6に露出する部分は、長さ方向(L軸方向)に互いに離隔されるが、これに限定されるものではない。
【0050】
第2コイル300は、巻回部310及び引出部320を含む。
【0051】
巻回部310は、金属線(wire)が少なくとも一つのターン(turn)を成す部分である。
【0052】
引出部320は、巻回部310の両端からそれぞれ延長されて磁性体100の第6面S6にそれぞれ露出する。引出部320は、第1引出部323及び第2引出部325を含む。第1引出部323は巻回部310の一端から延長されて磁性体100の第6面S6に露出し、第2引出部325は巻回部310の他端から延長されて磁性体100の第6面S6に露出する。第1引出部323及び第2引出部325が磁性体100の第6面S6に露出する部分は、長さ方向(L軸方向)に互いに離隔されるが、これに限定されるものではない。
【0053】
以上では、第1コイル200の引出部220及び第2コイル300の引出部320の両方が磁性体100の第6面S6に露出するものとして説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第1コイル200の引出部220は磁性体100の第3面S3に露出し、第2コイル300の引出部320は第4面S4に露出する。
【0054】
中間層400は第1コイル200と第2コイル300との間に配置される。例えば、中間層400は第1コイル200及び第2コイル300に接する。
【0055】
中間層400は、厚さ方向(T軸方向)から見た場合に長方形形状であるが、これに限定されるものではない。中間層400は、例えば第1コイル200の巻回部210や第2コイル300の巻回部310と類似の形状を有する。
【0056】
中間層400は、第1コイル200の第1コア230(core)と第2コイル300の第2コア330との間の第1領域R1から第1コイル200と第2コイル300との間の第2領域R2の一部分まで延長されるように配置される。
【0057】
第1コア230は第1コイル200の第1中空(hollow space)が磁性体100によって少なくとも部分的に満たされた領域であり、第2コア330は第2コイル300の第2中空が磁性体100によって少なくとも部分的に満たされた領域である。即ち、第1コイル200の第1中空を満たした磁性体100は第1コイル200が巻回された第1コアを成し、第2コイル300の第2中空を満たした磁性体100は第2コイル300が巻回された第2コアを成す。
【0058】
第1領域R1における中間層400の厚さは第2領域R2における中間層400の厚さと同一である。
【0059】
中間層400の厚さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)の中央部における長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross-section)に対する光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真を基準にして測定する。中間層400の厚さは、上述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の中間層400から同じ間隔で離れた5つの地点における中間層400の厚さの算術平均値である。
【0060】
第1領域R1における中間層400の厚さは第2領域R2における中間層400の厚さとは異なってもよい。例えば、中間層400は、第1領域R1から第1コア230の一部分まで延長されるか、又は第1領域R1から第2コア330の一部分まで延長される。他方、中間層400は第1領域R1から第1コア230の一部分及び第2コア330の一部分まで延長される。
【0061】
中間層400が第1領域R1から第1コア230の一部分まで延長される場合、第1コア230の一部分は中間層400で満たされ、第1コア230の残り部分は磁性体100で満たされる。また、中間層400が第1領域R1から第2コア330の一部分まで延長される場合、第2コア330の一部分は中間層400によって満たされ、第2コア330の残り部分は磁性体100によって満たされる。この場合、第1コイル200の第1中空を満たした磁性体100及び中間層400は第1コイル200が巻回された第1コア230を成し、第2コイル300の第2中空を満たした磁性体100及び中間層400は第2コイル300が巻回された第2コア330を成す。
【0062】
中間層400が第1領域R1から第2領域R2の一部分まで延長されるように配置されるため、中間層400は第2領域R2の全体には配置されない。
【0063】
例えば、第2領域R2は、コイル電子部品1000の外面に近い外側縁とコイル電子部品1000の内側に近い内側縁とを有する。言い換えると、第2領域R2は第1コア230及び第2コア330側に近い内側縁と第1コア230及び第2コア330側から遠い外側縁とを有する。中間層400は、第2領域R2の内側縁から外側縁に向かって延長されるが、外側縁から離隔される。
【0064】
中間層400は第2領域R2で第1コイル200の最内側ターンコイルC2及び第2コイル300の最内側ターンコイルC2’に接しながら第2領域R2の一部分を満たす。中間層400が満たしていない第2領域R2の残り部分は磁性体100によって満たされる。即ち、第2領域R2の外側縁から中間層400までは磁性体100が配置される。
【0065】
一方、中間層400は磁性物質を含んで第1コイル200と第2コイル300との磁気的結合(coupling)特性に影響を与える。中間層400は磁性粒子を含み、磁性粒子の間には絶縁材が介される。
【0066】
磁性物質は、第1金属磁性粉末、第1金属磁性粉末よりも粒径が大きい第2金属磁性粉末、及び第2金属磁性粉末よりも粒径が大きい第3金属磁性粉末を含む。第1金属磁性粉末の平均粒径(D50)は0.1μm以上0.2μm以下であり、第2金属磁性粉末の平均粒径(D50)は1μm以上2μm以下であり、第3金属磁性粉末の平均粒径(D50)は25μm以上30μm以下である。
【0067】
磁性粒子は、磁気特性を示すフェライト(ferrite)粒子や金属磁性粒子である。
【0068】
フェライト粒子は、例えばMg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうちの少なくとも一つ以上である。
【0069】
金属磁性粒子は、組成が異なる2種類以上の粉末で構成され、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択される1種以上を含む。例えば、金属磁性粒子は、純鉄、Fe-Si系合金、Fe-Si-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Ni-Mo系合金、Fe-Ni-Mo-Cu系合金、Fe-Co系合金、Fe-Ni-Co系合金、Fe-Cr系合金、Fe-Cr-Si系合金、Fe-Si-Cu-Nb系合金、Fe-Ni-Cr系合金、Fe-Cr-Al系合金のうちの少なくとも一つ以上である。ここで、金属磁性粒子の組成が異なるということは含量が異なる場合を意味することもある。
【0070】
金属磁性粒子は非晶質又は結晶質である。例えば、金属磁性粒子はFe-Si-B-Cr系非晶質合金であるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。金属磁性粒子は、平均粒径が約0.1μm~30μmであるが、これに限定されるものではない。本明細書上で、平均粒径はD90又はD50などと表現される粒度分布を意味する。粒度分布は、測定対象となる粒子群内にどのような大きさ(粒径)の粒子がどのような割合で含まれるかを示す指標であり、通常の技術者によく知られている。D50(粒度分布の体積累積50%に相当する粒径)は平均粒径を示す。
【0071】
金属磁性粒子は2種類以上の異なる金属磁性粒子である。ここで、金属磁性粒子の種類が異なるということは、金属磁性粒子が平均粒径、組成、成分比、結晶性、及び形状のうちの少なくとも一つで互いに区別されることを意味する。
【0072】
絶縁材は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独で又は混合して含むが、これに限定されるものではない。
【0073】
中間層400は上述の材料を含むが、中間層400の透磁率(permeability)は磁性体100の透磁率よりも小さい。更に、磁性体100及び中間層400の透磁率は第1コイル200と第2コイル300との結合係数(coefficient of coupling、K)を調節するために適切に設定される。
【0074】
例えば、磁性体100及び中間層400の透磁率を調節する方法で、磁性体100に含まれる第1磁性粒子の体積分率と中間層400に含まれる第2磁性粒子の体積分率とを互いに異なるようにする。ここで、磁性粒子の体積分率は磁性体100の体積に対する第1磁性粒子の体積の比率又は中間層400の体積に対する第2磁性粒子の体積の比率を意味する。第1磁性粒子及び第2磁性粒子の体積分率で磁性体100と中間層400との相対的な透磁率を調節するために第1磁性粒子及び第2磁性粒子を同一物質、例えば同一組成の金属合金で実現する。一方、磁性体100及び中間層400の透磁率を調節する方法で、断面積で確認時に磁性体100に含まれる第1磁性粒子の面積分率と中間層400に含まれる第2磁性粒子の面積分率とを互いに異なるようにする。ここで、磁性粒子の面積分率は磁性体100の断面積に対する第1磁性粒子の断面積の比率又は中間層400の断面積に対する第2磁性粒子の断面積の比率を意味する。
【0075】
中間層400の透磁率が磁性体100の透磁率よりも小さい場合は、中間層400に含まれる第2磁性粒子の体積分率が磁性体100に含まれる第1磁性粒子の体積分率よりも小さい場合である。中間層400の透磁率が磁性体100の透磁率よりも小さい場合、第1コイル200と第2コイル300との結合係数は相対的に増加する。ここで、結合係数が相対的に増加するということは中間層400の透磁率と磁性体100の透磁率とが同一な場合に比べて結合係数が大きくなるということを意味する。中間層400の透磁率が相対的に小さい場合、中間層400に流れる磁束(magnetic flux)の量は相対的に少なく、第1コイル200と第2コイル300とが共有する磁束による相互インダクタンスは大きくなる。ここで、中間層400に流れる磁束は図4で中間層400を長さ方向(L軸方向)に流れるものとして理解することができる。
【0076】
結局、第1コイル200と第2コイル300との相互インダクタンスは大きくなり、第1コイル200又は第2コイル300のみに形成される漏れインダクタンス(leakage inductance)は小さくなるため、第1コイル200と第2コイル300との結合係数は大きくなる。
【0077】
第1外部電極500及び第2外部電極600は磁性体100の外部に備えられて第1コイル200に電気的に連結される。
【0078】
第1外部電極500は磁性体100の第6面S6に配置され、第1コイル200の第1引出部223は磁性体100の第6面S6に露出して第1外部電極500に連結される。
【0079】
第2外部電極600は磁性体100の第6面S6に配置され、第1コイル200の第2引出部225は磁性体100の第6面S6に露出して第2外部電極600に連結される。
【0080】
第1外部電極500及び第2外部電極600は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されるが、これに限定されるものではない。
【0081】
第1外部電極500及び第2外部電極600は導電性金属をメッキして形成された複数の金属層を含む。
【0082】
図1の右側円を参照すると、第1外部電極500は、第1金属層501、第2金属層502、及び第3金属層503を含む。
【0083】
第1金属層501は、第1コイル200の第1引出部223及び磁性体100の外面に接するメッキ層であり、銅(Cu)を含む。第2金属層502は、第1金属層501を覆うメッキ層であり、ニッケル(Ni)を含む。第3金属層503は、第2金属層502を覆うメッキ層であり、スズ(Sn)を含む。但し、本実施形態は、このような3層構造に限定されるものではなく、第1金属層501の上に一つのメッキ層のみが追加された2層構造も可能である。
【0084】
図1の左側円を参照すると、第2外部電極600は、第1金属層601、第2金属層602、及び第3金属層603を含む。
【0085】
第1金属層601は、第1コイル200の第2引出部225及び磁性体100の外面に接するメッキ層であり、銅(Cu)を含む。第2金属層602は、第1金属層601を覆うメッキ層であり、ニッケル(Ni)を含む。第3金属層603は、第2金属層602を覆うメッキ層であり、スズ(Sn)を含む。但し、本実施形態は、このような3層構造に限定されるものではなく、第1金属層601の上に一つのメッキ層のみが追加された2層構造も可能である。
【0086】
このように、第1外部電極500及び第2外部電極600は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)、又はこれらの合金を含み、複数のメッキ層を含む。例えば、第1外部電極500及び第2外部電極600は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ニッケル/銅(Ni/Cu)、パラジウム/ニッケル(Pd/Ni)、パラジウム/ニッケル/銅(Pd/Ni/Cu)、銅/ニッケル/銅(Cu/Ni/Cu)形態の組み合わせで形成される。
【0087】
場合によって、一番外側の層をスズ(Sn)で構成することもできる。スズメッキ層は、相対的に低い溶融点を有するため、第1外部電極500及び第2外部電極600の基板実装容易性を向上させることができる。
【0088】
一般に、スズメッキ層は、スズ(Sn)-銅(Cu)-銀(Ag)合金ペーストを含むソルダ(solder)を通じて基板上の電極パッドに結合される。即ち、スズメッキ層は熱処理(reflow)工程時にソルダと互いに溶融して結合される。
【0089】
第3外部電極700及び第4外部電極800は磁性体100の外部に備えられて第2コイル300に電気的に連結される。
【0090】
第3外部電極700は磁性体100の第6面S6に配置され、第2コイル300の第1引出部323は磁性体100の第6面S6に露出して第3外部電極700に連結される。
【0091】
第4外部電極800は磁性体100の第6面S6に配置され、第2コイル300の第2引出部325は磁性体100の第6面S6に露出して第4外部電極800に連結される。
【0092】
第3外部電極700及び第4外部電極800の構造及び成分は、上述の第1外部電極500及び第2外部電極600と同一なため、それに関する重複する説明は省略する。
【0093】
一方、本実施形態によるコイル電子部品1000の磁性体100で、第1外部電極500、第2外部電極600、第3外部電極700、及び第4外部電極800が配置された領域を除いた領域には絶縁層900が備えられる。これとは異なり、磁性体100の第6面S6で第1コイル200の第1引出部223が露出した部分、第1コイル200の第2引出部225が露出した部分、第2コイル300の第1引出部323が露出した部分、及び第2コイル300の第2引出部325が露出した部分の間の領域に絶縁層が存在してもよい。この場合、第1外部電極500、第2外部電極600、第3外部電極700、及び第4外部電極800は、絶縁層の一部分を覆う。
【0094】
このように、絶縁層900は、磁性体100の第1面S1、第2面S2、第3面S3、第4面S4、第5面S5、及び第6面S6のうちの少なくとも一部に配置されて、他の電子部品と外部電極(500、600、700、800)と間の電気的ショートを防止する。
【0095】
絶縁層900は、電解メッキで外部電極(500、600、700、800)を形成する時にレジスト(resist)として使用されるが、これに限定されるものではない。
【0096】
図5は、一実施形態によるコイル電子部品の第2例を概略的に示す斜視図である。
【0097】
図5を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品2000の第1外部電極2500は磁性体100の第6面S6で第1コイル200の第1引出部223に連結されて磁性体100の第2面S2まで延長される。また、第2外部電極2600は磁性体100の第6面S6で第1コイル200の第2引出部225に連結されて磁性体100の第1面S1まで延長される。
【0098】
第3外部電極2700は磁性体100の第6面S6で第2コイル300の第1引出部323に連結されて磁性体100の第1面S1まで延長される。また、第4外部電極2800は磁性体100の第6面S6で第2コイル300の第2引出部325に連結されて磁性体100の第2面S2まで延長される。
【0099】
以上を除いた残りの構成要素は、図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なため、それに関する重複する説明は省略する。
【0100】
図6は、一実施形態によるコイル電子部品の第3例を概略的に示す斜視図である。
【0101】
図6を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品3000の第1外部電極3500は磁性体100の第6面S6で第1コイル200の第1引出部223に連結されて磁性体100の第2面S2及び第5面S5まで延長される。また、第2外部電極3600は磁性体100の第6面S6で第1コイル200の第2引出部225に連結されて磁性体100の第1面S1及び第5面S5まで延長される。
【0102】
第3外部電極3700は磁性体100の第6面S6で第2コイル300の第1引出部323に連結されて磁性体100の第1面S1及び第5面S5まで延長される。また、第4外部電極3800は磁性体100の第6面S6で第2コイル300の第2引出部325に連結されて磁性体100の第2面S2及び第5面S5まで延長される。
【0103】
以上を除いた残りの構成要素は、図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なため、それに関する重複する説明は省略する。
【0104】
図7は、一実施形態によるコイル電子部品の第4例を概略的に示す断面図である。
【0105】
図7を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品4000は、磁性体100、第1コイル200、第2コイル300、中間層400、及び支持体4100を含む。
【0106】
中間層400は第1コイル200と第2コイル300との間に配置される。例えば、中間層400は第1コイル200及び第2コイル300に接する。
【0107】
中間層400は、第1コイル200の第1コア230と第2コイル300の第2コア330との間の第1領域R1から第1コイル200と第2コイル300との間の第2領域R2の一部分まで延長されるように配置される。
【0108】
第2領域R2は、内側領域R21及び外側領域R22を含む。
【0109】
内側領域R21は中間層400が配置される領域であり、第1コア230及び第2コア330側に近い領域である。
【0110】
外側領域R22は、内側領域R21に接して磁性体100が配置される領域であり、第1コア230及び第2コア330側から遠い領域である。
【0111】
支持体4100は第2領域R2内に配置されて第1コイル200及び第2コイル300に接する。支持体4100が第1コイル200に接して第2コイル300にも接するため、支持体4100は第1コイル200と第2コイル300とが互いに相対的に傾くことを防止することができる。即ち、支持体4100によって第1コイル200と第2コイル300との間隔が一定に維持される。
【0112】
一方、支持体4100は、中間層400から離隔されてもよく、中間層400に接してもよい。
【0113】
支持体4100は、例えば磁性材料、エポキシ、又は非磁性材料からなる。支持体4100が磁性材料からなる場合、支持体4100の透磁率は、中間層400の透磁率よりも大きくてもよく、磁性体100の透磁率と同一であるか又はそれよりも小さくてもよい。
【0114】
以上を除いた残りの構成要素は、図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なため、それに関する重複する説明は省略する。
【0115】
図8は、一実施形態によるコイル電子部品の第5例を概略的に示す斜視図であり、図9は、図8のIX-IX’線に沿って切断した断面図である。
【0116】
図8及び図9を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品5000は、磁性体100、第1コイル5200、第2コイル5300、中間層5400、第1外部電極500、第2外部電極600、第3外部電極700、第4外部電極800、及び支持体5500を含む。
【0117】
第1コイル5200は、第1支持基板5210、第1コイルパターン5220、第2コイルパターン5230、及び第1ビア5240を含む。
【0118】
第1支持基板5210は、互いに対向する第1面5213及び第2面5215を含み、絶縁性材料からなる。
【0119】
第1コイルパターン5220は第1支持基板5210の第1面5213に配置され、第2コイルパターン5230は第1支持基板5210の第2面5215に配置される。第1コイルパターン5220及び第2コイルパターン5230は、本技術分野で使用されるメッキ工程、例えばパターンメッキ、異方性メッキ、等方性メッキなどの方法を使用して形成され、これらの工程のうちの複数の工程を用いて多層構造で形成される。
【0120】
第1ビア5240は第1支持基板5210を貫通して第1コイルパターン5220と第2コイルパターン5230とを連結する。
【0121】
第2コイル5300は、第2支持基板5310、第1コイルパターン5320、第2コイルパターン5330、及び第2ビア5340を含む。
【0122】
第2支持基板5310は、互いに対向する第1面5313及び第2面5315を含み、絶縁性材料からなる。
【0123】
第1コイルパターン5320は第2支持基板5310の第1面5313に配置され、第2コイルパターン5330は第2支持基板5310の第2面5315に配置される。第1コイルパターン5320及び第2コイルパターン5330は、本技術分野で使用されるメッキ工程、例えばパターンメッキ、異方性メッキ、等方性メッキなどの方法を使用して形成され、これらの工程のうちの複数の工程を用いて多層構造で形成される。
【0124】
第2ビア5340は第2支持基板5310を貫通して第1コイルパターン5320と第2コイルパターン5330とを連結する。
【0125】
中間層5400は第1コイル5200と第2コイル5300との間に配置される。
【0126】
中間層5400は第1コイル5200の第1コア5227と第2コイル5300の第2コア5327との間の第1領域R1から第1コイル5200と第2コイル5300との間の第2領域R2の一部分まで延長されるように配置される。
【0127】
第2領域R2は、内側領域R21及び外側領域R22を含む。
【0128】
内側領域R21は、中間層5400が配置される領域であり、第1コア5227及び第2コア5327側に近い領域である。
【0129】
外側領域R22は、内側領域R21に接して磁性体100が配置される領域であり、第1コア5227及び第2コア5327側から遠い領域である。
【0130】
支持体5500は第2領域R2内に配置されて第1コイル5200及び第2コイル5300に接する。支持体5500が第1コイル5200に接して第2コイル5300にも接するため、支持体5500は第1コイル5200と第2コイル5300とが互いに相対的に傾くことを防止することができる。即ち、支持体5500によって第1コイル5200と第2コイル5300との間隔が一定に維持される。
【0131】
一方、中間層5400は磁性物質を含んで第1コイル5200と第2コイル5300との磁気的結合(coupling)特性に影響を与える。中間層400は磁性粒子を含み、磁性粒子の間には絶縁材が介される。
【0132】
中間層5400の透磁率(permeability)は磁性体100の透磁率よりも小さい。更に、磁性体100及び中間層5400の透磁率は第1コイル5200と第2コイル5300との結合係数(coefficient of coupling:K)を調節するために適切に設定される。
【0133】
第1外部電極500及び第2外部電極600は磁性体100の外部に備えられて第1コイル5200に電気的に連結される。
【0134】
第1コイル5200の第1引出部5223は磁性体100の第4面S4に露出して第1外部電極500に連結される。第1外部電極500は磁性体の第4面S4から第5面S5及び第6面S6まで延長される。また、第1コイル5200の第2引出部5225は磁性体100の第3面S3に露出して第2外部電極600に連結される。第2外部電極600は磁性体の第3面S3から第5面S5及び第6面S6まで延長される。
【0135】
第3外部電極700及び第4外部電極800は磁性体100の外部に備えられて第2コイル5300に電気的に連結される。
【0136】
第2コイル5300の第1引出部5323は磁性体100の第4面S4に露出して第3外部電極700に連結される。第3外部電極700は磁性体の第4面S4から第5面S5及び第6面S6まで延長される。また、第2コイル5300の第2引出部5325は磁性体100の第3面S3に露出して第4外部電極800に連結される。第4外部電極800は磁性体の第3面S3から第5面S5及び第6面S6まで延長される。
【0137】
以上を除いた残りの構成要素は、図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なため、それに関する重複する説明は省略する。
【0138】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0139】
1000、2000、3000、4000、5000 コイル電子部品
100 磁性体
200、5200 第1コイル
210、310 巻回部
220、320 引出部
223、323、5223 第1引出部
225、325、5325 第2引出部
230、5227 第1コア
300、5300 第2コイル
330、5327 第2コア
400、5400 中間層
500、2500、3500 第1外部電極
501、601 第1金属層
502、602 第2金属層
503、603 第3金属層 600、2600、3600 第2外部電極
700、2700、3700 第3外部電極
800、2800、3800 第4外部電極
900 絶縁層
4100、5500 支持体
5210、5310 第1、第2支持基板
5213、5313 第1面
5215、5315 第2面
5220、5320 第1コイルパターン
5230、5330 第2コイルパターン
5240、5340 第1、第2ビア
C1、C1‘ 最外側ターンコイル
C2、C2‘ 最内側ターンコイル
IF 絶縁膜
R1、R2 第1、第2領域
R21 内側領域
R22 外側領域
S1~S6 第1~第6面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9