(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098929
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】屈折率の局所的なばらつきを有する基板を含むトリム部品、及びかかるトリム部品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
G04B 45/00 20060101AFI20250625BHJP
C03C 17/34 20060101ALI20250625BHJP
C04B 41/87 20060101ALI20250625BHJP
C04B 41/89 20060101ALI20250625BHJP
C23C 28/00 20060101ALI20250625BHJP
C23C 28/04 20060101ALI20250625BHJP
G04B 37/22 20060101ALI20250625BHJP
G04B 19/06 20060101ALI20250625BHJP
G04B 39/00 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
G04B45/00 V
C03C17/34 Z
C04B41/87 F
C04B41/89
C23C28/00 D
C23C28/04
G04B37/22 J
G04B19/06 B
G04B39/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024176387
(22)【出願日】2024-10-08
(31)【優先権主張番号】23218769.0
(32)【優先日】2023-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ハラー、 カミーユ
(72)【発明者】
【氏名】モラディ、 ミナ
(72)【発明者】
【氏名】スパソフ、 ヴラディスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ガスタルター、 マリオン
(72)【発明者】
【氏名】オーデ、 アーマッド
(72)【発明者】
【氏名】スプリンガー、 サイモン
【テーマコード(参考)】
4G059
4K044
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AC08
4G059EA01
4G059EA04
4G059EB02
4G059GA02
4G059GA04
4G059GA12
4K044AA11
4K044AB06
4K044BA12
4K044BA18
4K044BB04
4K044BB05
4K044BB10
4K044BB16
4K044BC09
4K044CA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】幅広いカラーパレットにわたって、いくつかの明るい飽和色を含む部品を提供する。
【解決手段】本発明は、トリム面(110)を有する基板(11)を含むトリム部品(10)に関する。基板(11)は、装飾エリア(12、13)を含み、トリム面(110)の第1の部分(111)が装飾エリア(12、13)によって画定され、トリム面(110)の残りの部分がトリム面(110)の第2の部分(112)を画定する。トリム面(110)の第1の部分(111)は、トリム面(110)の第2の部分(112)の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記トリム面(110)の全体が、トリム面(110)に干渉色を与えるように、5nmから1μmの間の厚さを有する透明及び/又は半透明のコーティング(14)で覆われ、トリム面(110)の第1及び第2の部分(111、112)の色が異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリム面(110)を有する基板(11)を含むトリム部品(10)であって、
前記基板(11)は装飾エリア(12、13)を含み、前記トリム面(110)の第1の部分(111)が、前記装飾エリア(12、13)によって画定され、前記トリム面(110)の残りの部分が、前記トリム面(110)の第2の部分(112)を画定し、前記トリム面(110)の前記第1の部分(111)は、前記トリム面(110)の前記第2の部分(112)の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記トリム面(110)の全体が、前記トリム面(110)に干渉色を与えるように、5nmから1μmの間の厚さを有する透明及び/又は半透明のコーティング(14)で覆われており、前記トリム面(110)の前記第1及び第2の部分(111、112)の色が異なっており、
前記トリム部品(10)が、前記装飾エリア(12、13)が前記トリム面(110)の前記残りの部分とは異なる化学組成を有することを特徴とする、トリム部品(10)。
【請求項2】
前記基板(11)は、金属、ガラス、サファイア、セラミック材料、ポリマー、又は金属マトリックス複合材料から作られている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項3】
前記コーティング(14)は、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、ホウ化物、又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせの層によって形成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項4】
前記コーティング(14)は、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、及び/又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせからなる層の積み重ねによって形成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項5】
前記コーティング(14)は、Al2O3の層を間に介在させた2層のTiO2からなる層の積み重ねによって形成されている、請求項4に記載のトリム部品(10)。
【請求項6】
前記コーティング(14)は、空間L*a*b*において、L*が28から60の間であり、a*が-9から-0.6の間であり、b*が21から31の間であることを特徴とする色を前記トリム部品(10)に付与するように構成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項7】
トリム部品(10)に装飾をもたらす方法であって、
基板(11)のトリム面(110)の局所的な表面処理のステップを含み、前記基板において、前記トリム面(110)の一部に、前記トリム面(110)の残りの部分とは異なる屈折率を有するように装飾エリア(12、13)が生成され、
前記方法は、前記トリム面(110)が干渉色を有するように前記トリム面(110)の全体にわたってコーティング(14)を堆積するステップを含み、
前記方法は、前記局所的な表面処理のステップが、前記装飾エリア(12、13)をもたらすべく前記トリム面の局所的な化学組成の変化を生成するように、電子ビーム蒸着、イオンボンバードメント、又は電子ビームリソグラフィによって行われることを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記局所的な表面処理のステップは、相変化、結晶構造変化、表面拡散、酸化、還元、又は窒化によって前記装飾エリア(12、13)をもたらすべく、前記トリム面の局所アニーリングを生成するようにレーザーによって行われる、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計、宝飾品、又は飾品製造の分野に関し、詳しくは、屈折率が局所的に変化する基板を含むトリム部品に関する。
【背景技術】
【0002】
時計製作術の分野において、外部部品の可視表面の光学的特性、ひいては美的外観を修正するべく、薄膜が一般に使用されている。
【0003】
薄膜を堆積するべく、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、原子層堆積法(ALD)、ガルバニック成長法を含むいくつかの方法が使用され得る。
【0004】
薄膜は純金属、金属合金、又はセラミック材料から作られ得る。
【0005】
しかしながら、これらの薄膜は、その組成及び厚さに応じて固有色の範囲が比較的限られている。
【0006】
反射層上に堆積された異なる薄層(半透明材料から作られるのが典型的である)を積み重ねることによって得られる干渉色により、広い範囲の色及び飽和度の高い色を得ることができる。
【0007】
前述の薄層はすべて単色であり、多色装飾には、必要な色の数だけ堆積段階が必要であり、前記堆積段階には、フォトリソグラフィ及び化学エッチング、「リフトオフ」、「シャドウマスク」として知られるプロセス、又はレーザー若しくは反応性イオンエッチングによるアブレーションによって行われるのが典型的な中間構造化段階が続く。
【0008】
これらの構造化段階は、公差要件に適合することを保証するべく面倒かつ高コストとなる場合が多い。
【0009】
したがって、幅広いカラーパレットにわたって、いくつかの明るい飽和色を含む部品を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、トリム面を有する基板を含むトリム部品に関する。この基板は、装飾エリアを含み、トリム面の第1の部分が装飾エリアによって画定され、トリム面の残りの部分はトリム面の第2の部分を画定する。トリム面の第1の部分は、第2の部分とは異なる屈折率を有し、前記トリム面の全体が、トリム面に干渉色を与えるように、厚さが5nmから1μmの間の透明又は半透明のコーティングで覆われ、トリム面の第1の部分と第2の部分の色とは異なる。
【0011】
この文章では、光学的干渉現象によって生成される色を「干渉色」と称する。
【0012】
このようにして、比較的簡単な態様で、広い範囲の強烈な飽和色をトリム部品に生じさせることができる。
【0013】
特定の実施形態において、本発明はさらに、単独で又は技術的に可能な任意の組み合わせで、以下の特徴のうち一以上を含んでよい。
【0014】
特定の実施形態において、基板の装飾エリアが結晶相を有して基板の残りの部分が非晶相を有するか、又はその逆である。
【0015】
特定の実施形態において、基板の装飾エリアと基板の残りの部分とは、異なる結晶構造を有する。
【0016】
特定の実施形態において、基板の装飾エリアと基板の残りの部分とは、異なる結晶面配向を有する。
【0017】
特定の実施形態において、基板の装飾エリアは、トリム面の残りの部分とは異なる化学組成を有する。
【0018】
特定の実施形態において、基板は金属、ガラス、サファイア、セラミック材料、ポリマー、又は金属マトリックス複合材料から作られる。
【0019】
特定の実施形態において、コーティングは、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、ホウ化物、又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせの層によって形成される。
【0020】
特定の実施形態において、コーティングは、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、及び/又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせから作られた層の積み重ねによって形成される。
【0021】
特定の実施形態において、コーティングは、Al2O3の層を間に介在させたTiO2の2層からなる層の積み重ねによって形成される。
【0022】
特定の実施形態において、コーティングは、空間L*a*b*において、L*が28から60の間、a*が-9から-0.6の間、b*が21から31の間であることを特徴とする色をトリム部品に付与するように構成される。
【0023】
本発明の他の態様は、例えば、上述に従ったトリム部品上に、装飾をもたらす方法に関する。この方法は、基板のトリム面を局所的に表面処理するステップを含み、このステップでは、装飾エリアが基板においてトリム面の一部に生成され、この装飾エリアは、トリム面の残りの部分とは異なる屈折率を有し、この方法は、生成されたトリム面の全体に、トリム面が干渉色を有するようにコーティングを堆積させるステップを含む。
【0024】
特定の実装モードにおいて、局所的に表面処理するステップは、相変化、結晶構造変化、表面拡散、酸化、還元、又は窒化によって装飾エリアをもたらすべく、トリム面の局所アニーリングを生成するようにレーザーによって行われる。
【0025】
特定の実装モードにおいて、局所的に表面処理するステップは、装飾エリアをもたらすべくトリム面の化学組成に局所的な変化を生じさせるように、電子ビーム蒸着、イオンボンバードメント、又は電子ビームリソグラフィによって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の特徴及び利点が、
図1を参照しながら、例によって与えられるが決して限定するものではない以下の詳細な説明から明らかになる。
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係るトリム部品の断面図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、トリム面110の第1の部分111に少なくとも一つの装飾エリア12、13を有する基板11を含むトリム部品10に関する。基板11は、金属、ガラス、サファイア、セラミック材料、ポリマー、若しくは金属マトリックス複合材料、又はさらに一般的には原子配列が修正され得る任意の材料から作られ得る。例として、基板11は、CrNi、CrC、又は金及びニッケルの合金から作られてよい。
【0029】
図1は、2つの異なる装飾エリア12及び13を有するトリム部品10を示す。しかしながら、文章を読みやすくするべく、以下では一つの装飾エリアが説明される。
【0030】
装飾エリア12又は13は、表示面110の局所的な表面処理によってもたらされる。その結果、装飾エリア12又は13は、表示面110の残りの部分、すなわち表示面110の第2の未処理部分112、の屈折率とは異なる屈折率を有する。本文章において、表面処理という用語はまた、表面処理をもたらす限りにおいて体積処理と称してもよい。詳しくは、
図1に示すように、表面処理によって、基板11の体積の中に延びる装飾エリア12又は13が生成される。例として、表面処理の結果生じる装飾エリア12又は13は、100μmに等しい深さまで基板の体積の中に延びてよい。
【0031】
トリム表面110の全体が、透明及び/又は半透明のコーティング14で覆われ、その厚さは、トリム表面110に干渉色を与えるように、5nmから1μmの間である。装飾エリア12又は13の(すなわちトリム表面110の第1の部分111の)屈折率とトリム表面110の第2の部分112の屈折率とが異なるので、これらの色は異なり、装飾エリア12又は13は、トリム表面110上に色付き装飾パターンを形成する。
【0032】
本発明は、この色付き装飾パターンをもたらすためのいくつかの変形例を含む。
【0033】
第1の実施形態において、基板11は非晶相を有し、トリム面110の局所的な表面処理により、この非晶相を局所的に結晶相に変換することができる。このようにして、装飾エリア12又は13が結晶相を有し、基板11の残りの部分が非晶相を有する。
【0034】
局所的な表面処理は好ましくは、トリム表面に局所的なアニーリングを発生させるようにレーザーによって行われる。このアニーリングは、基板11の表面を局所的に還元又は酸化させる効果を有し得る。
【0035】
逆に、基板11が結晶相を有し、トリム面110の局所的な表面処理によって、結晶相を局所的に非晶相に変換することもできる。このようにして、装飾エリア12又は13が非晶相を有し、基板11の残りの部分が結晶相を有する。この例では、基板11はサファイア又はダイヤモンドから作られ得る。
【0036】
第2の実施形態において、装飾エリア12又は13は、基板11の残りの部分とは異なる結晶構造を有するように作られる。
【0037】
第3の実施形態において、装飾エリア12又は13は、基板11の残りの部分の結晶面とは異なる配向の結晶面を有するように作られる。
【0038】
これらの実施形態において、装飾エリア12又は13のこれらの異なる構成は、基板11の材料及びレーザーパラメータに応じて得られる。所望の結果に応じてこれらのパラメーターを修正することは、当業者の手の届く範囲にある。
【0039】
本発明の第4の実施形態において、装飾エリア12又は13は、トリム面110の第2の部分112の化学組成とは異なる化学組成を有するようにもたらされる。例として、装飾エリア12又は13をもたらすべく、トリム面の化学組成に局所的な変化を生じさせるように、電子ビーム蒸着又はリソグラフィーによって基板11を局所的に処理してよい。
【0040】
詳しくは、例えば基板11が金属合金又はドープされた結晶シリコンから作られている場合、原子が基板11からトリム表面110に移動し得る。さらに、例えば蒸発により原子が喪失したり、又は、例えば周囲空気中での酸化により若しくは制御された雰囲気中での窒化により、トリム表面110上で原子が獲得されたりし得る。
【0041】
原子の喪失又は獲得は、スパッタリング又は任意の他の適切な方法によって達成され得る。
【0042】
トリム表面110上に少なくとも2つの異なる装飾エリア12及び13を得るべく、上述のものの中からいくつかの局所的な表面処理のソリューションが使用される。
【0043】
コーティング14は、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、ホウ化物、若しくはこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせの層によって形成されてよく、又はこれらの層の積み重ねによって形成されてよい。好ましくは、ALD法又はPVD法によって堆積される。代替的に、任意の適切な薄膜堆積法によって堆積させてもよい。
【0044】
詳しくは、一実施形態において、コーティング14は、Al2O3層を間に介在させた2つのTiO2層からなる層の積み重ねによって形成される。さらに詳しくは、TiO2の第1の層が、基板11のトリム表面110上に堆積され、5から15nmの間の厚さを有し、さらには6.5から9nmの間の厚さを有してもよい。Al2O3の層が、第1のTiO2層上に堆積され、60から70nmの間の厚さ、例えば62から68nmの間の厚さを有する。最後に、第2のTiO2層がAl2O3層上に堆積され、25から35nmの間の厚さ、例えば28から31nmの間の厚さを有する。
【0045】
コーティング14のこれらの特徴は、ガラス製の基板11との組み合わせにより、空間L*a*b*において、L*が28から60の間、a*が-9から-0.6の間、b*が21から31の間で特徴付けられる色をトリム部品10に与えることを可能にする。詳しくは、トリム部品10は緑色を有し、第1の部分111、すなわち単数又は複数の装飾エリア12及び13、換言すればトリム面110の第1の部分111及び第2の部分112はそれぞれが異なる色合いの緑色を有する。
【0046】
一般的に、コーティング14は、層の積み重ねから構成されてよく、各層は、1から100nmの間の厚さを有し、コーティングが5から200nmの間の厚さを有するように寸法決めされてよい。
【0047】
さらに一般的に、以上で考慮された実装例及び実施形態は、非限定的な例として説明されていること、それゆえ他の変形例も想定され得ることに留意すべきである。
【0048】
なお、本文章において、基板11は、基板本体と、前記基板本体上に堆積されたコーティングとから構成され得る。この場合、基板11のトリム面110がコーティングの可視面によって形成され、単数又は複数の装飾エリア12及び13が前記コーティングの中に形成される。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリム面(110)を有する基板(11)を含むトリム部品(10)であって、
前記基板(11)は装飾エリア(12、13)を含み、前記トリム面(110)の第1の部分(111)が、前記装飾エリア(12、13)によって画定され、前記トリム面(110)の残りの部分が、前記トリム面(110)の第2の部分(112)を画定し、前記トリム面(110)の前記第1の部分(111)は、前記トリム面(110)の前記第2の部分(112)の屈折率とは異なる屈折率を有し、前記トリム面(110)の全体が、前記トリム面(110)に干渉色を与えるように、5nmから1μmの間の厚さを有する透明及び/又は半透明のコーティング(14)で覆われており、前記トリム面(110)の前記第1及び第2の部分(111、112)の色が異なっており、
前記トリム部品(10)が、前記装飾エリア(12、13)が前記トリム面(110)の前記残りの部分とは異なる化学組成を有することを特徴とする、トリム部品(10)。
【請求項2】
前記基板(11)は、金属、ガラス、サファイア、セラミック材料、ポリマー、又は金属マトリックス複合材料から作られている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項3】
前記コーティング(14)は、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、ホウ化物、又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせの層によって形成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項4】
前記コーティング(14)は、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、及び/又はこれらの元素の少なくとも2つの組み合わせからなる層の積み重ねによって形成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項5】
前記コーティング(14)は、Al2O3の層を間に介在させた2層のTiO2からなる層の積み重ねによって形成されている、請求項4に記載のトリム部品(10)。
【請求項6】
前記コーティング(14)は、空間L*a*b*において、L*が28から60の間であり、a*が-9から-0.6の間であり、b*が21から31の間であることを特徴とする色を前記トリム部品(10)に付与するように構成されている、請求項1に記載のトリム部品(10)。
【請求項7】
トリム部品(10)に装飾をもたらす方法であって、
基板(11)のトリム面(110)の局所的な表面処理のステップを含み、前記基板(11)において、前記トリム面(110)の一部に、前記トリム面(110)の残りの部分とは異なる屈折率を有するように装飾エリア(12、13)が生成され、
前記方法は、前記トリム面(110)が干渉色を有するように前記トリム面(110)の全体にわたってコーティング(14)を堆積するステップを含み、
前記方法は、前記局所的な表面処理のステップが、前記装飾エリア(12、13)をもたらすべく前記トリム面の局所的な化学組成の変化を生成するように、電子ビーム蒸着、イオンボンバードメント、又は電子ビームリソグラフィによって行われることを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記局所的な表面処理のステップは、相変化、結晶構造変化、表面拡散、酸化、還元、又は窒化によって前記装飾エリア(12、13)をもたらすべく、前記トリム面の局所アニーリングを生成するようにレーザーによって行われる、請求項7に記載の方法。
【外国語明細書】