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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098935
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】冷媒循環装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 27/02 20060101AFI20250625BHJP
   G05D 7/06 20060101ALI20250625BHJP
   G05D 23/19 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
F28F27/02 B
G05D7/06 Z
G05D23/19 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024188599
(22)【出願日】2024-10-25
(31)【優先権主張番号】63/612,782
(32)【優先日】2023-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
(72)【発明者】
【氏名】植田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】源通 健太
(72)【発明者】
【氏名】永野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】村上 拓
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 鋭彦
【テーマコード(参考)】
5H307
5H323
【Fターム(参考)】
5H307AA12
5H307BB05
5H307DD06
5H307DD17
5H307EE01
5H307FF01
5H323BB06
5H323BB17
5H323CA04
5H323FF04
5H323LL13
5H323TT00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】弁に堆積物が固着しにくい冷媒循環装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様による冷媒循環装置は、一次流路と、二次流路と、弁と、制御部とを備える。一次流路は、一次冷媒が流通する。二次流路は、二次冷媒が流通する。弁は、一次流路または二次流路に設けられ、開度を調整可能である。制御部は、弁の動作を制御する。制御部は、弁が動作していない期間が閾値を超えた場合に、弁に対して予め定められた動作を行わせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次冷媒が流通する一次流路と、
二次冷媒が流通する二次流路と、
一次流路または二次流路に設けられ、開度を調整可能な弁と、
前記弁の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記弁が動作していない期間が閾値を超えた場合に、前記弁に対して予め定められた動作を行わせる、冷媒循環装置。
【請求項2】
前記一次流路および前記二次流路に接続される熱交換器をさらに備え、
前記一次流路は、
前記一次冷媒の流入口と流出口とを前記熱交換器を介して接続する主流路と、
前記熱交換器よりも上流側の位置において前記主流路から分岐し、前記熱交換器よりも下流側の位置において前記主流路と合流するバイパス流路と
を含み、
前記弁は、
前記主流路における前記バイパス流路の分岐位置よりも下流かつ前記熱交換器よりも上流の位置において前記主流路と接続する第一弁と、
前記バイパス流路と接続する第二弁と
を含み、
前記制御部は、前記第一弁または前記第二弁の一方が前記予め定められた動作を行っている間、前記第一弁または前記第二弁の他方を開放する、請求項1に記載の冷媒循環装置。
【請求項3】
前記二次流路に設けられる温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記弁が動作していない期間が閾値を超えた場合であって、且つ、前記温度センサから取得した前記二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内である場合、前記弁に対して前記予め定められた動作を行わせる、請求項1に記載の冷媒循環装置。
【請求項4】
前記一次流路に設けられる圧力センサをさらに備え、
前記制御部は、前記圧力センサの測定値および前記弁の開度に応じて、前記予め定められた動作を行うかを判定する、請求項1に記載の冷媒循環装置。
【請求項5】
前記一次流路または前記二次流路に設けられるセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記予め定められた動作時における前記センサの測定値の変化に基づいて、前記センサが正常に動作しているかを確認する、請求項1に記載の冷媒循環装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒循環装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CPU(Central Processing Unit)などの熱源から受けた熱を内部で循環する冷媒に伝達することで当該熱源を冷却する冷却制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の冷却制御装置は、一次冷却水の流路と、熱源を冷却する冷媒としての二次冷却水の流路と、一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換を行う熱交換器とを有する。
【0004】
また、特許文献1には、熱交換器への一次冷却水の流量を変化させる弁の開度を調整することで二次冷却水の温度を設定温度になるように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-124965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の冷却制御装置は、流路中に設けられた弁が一定期間動作しなかった場合、イオン化した金属または不純物などが堆積した堆積物が弁に固着し、弁が正常に動作しなくなるおそれがある。
【0007】
そこで、上述の問題点を克服し、流路中に設けられた弁に堆積物が固着しにくい冷媒循環装置の実現が期待されている。
【0008】
本開示は、弁に堆積物が固着しにくい冷媒循環装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様による冷媒循環装置は、一次流路と、二次流路と、弁と、制御部とを備える。一次流路は、一次冷媒が流通する。二次流路は、二次冷媒が流通する。弁は、一次流路または二次流路に設けられ、開度を調整可能である。制御部は、弁の動作を制御する。制御部は、弁が動作していない期間が閾値を超えた場合に、弁に対して予め定められた動作を行わせる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の冷媒循環装置は、弁に堆積物が固着しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係るCDUの概略構成を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るCDUが実行する第一弁の動作処理の手順を示すフローチャートである。
図3図3は、第1実施形態に係るCDUが実行する第二弁の動作処理の手順を示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態に係るCDUの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示による冷媒循環装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。
【0014】
(第1実施形態)
<CDUの構成>
最初に、図1を参照しながら、第1実施形態に係るCDU100の概略構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るCDU100の概略構成を示す図である。なお、「CDU」は、「Coolant Distribution Unit」の略語である。CDU100は、冷媒循環装置の一例である。
【0015】
CDU100は、設備側から供給される冷媒の流量、温度、水質または配水先をコントロールする。CDU100は、CDU100の内部に一次冷媒を吸入し、その一次冷媒をCDU100の外部に圧送する。また、CDU100は、CDU100の内部に二次冷媒を吸入し、その二次冷媒をCDU100の外部に圧送する。なお、CDU100の内部には一次冷媒側のポンプが設けられていないため、CDU100での一次冷媒の吸入および圧送は外部のポンプで行われる。
【0016】
CDU100は、一次冷媒と二次冷媒との間で熱交換を行う。たとえば、不凍液および純水などの冷媒液を一次冷媒および二次冷媒として使用できる。冷媒として使用可能な不凍液としては、エチレングリコール水溶液およびプロピレングリコール水溶液などがある。なお、一次冷媒および二次冷媒の各種類が互いに同じであってもよいし異なってもよい。また、一次冷媒および二次冷媒の少なくとも一方がガス冷媒であってもよい。
【0017】
図1に示すように、CDU100は、一次流路10と、二次流路20と、タンク30と、熱交換器40と備えており、これらは筐体100aに収容されている。
【0018】
一次流路10は、一次冷媒が流通する。一次流路10は、筐体100aに設けられた一次流入口10aと一次流出口10bとを繋ぐ流路である。一次流入口10aおよび一次流出口10bは、筐体100aにおけるX軸正方向側の側面に開口する。筐体100aにおけるX軸正方向側の側面は、たとえば筐体100aの背面である。
【0019】
一次流路10は、主流路11と、バイパス流路12とを備える。すなわち、一次流入口10aから流入した一次媒体は、主流路11を通過しつつ、一部はバイパス流路12を通過し、一次流出口10bから流出される。
【0020】
主流路11は、一次流入口10aと一次流出口10bとを熱交換器40を介して接続する。主流路11には、上流側から、温度センサ111と、圧力センサ112と、第一弁113(単に「弁113」とも記載する。)と、熱交換器40と、温度センサ114と、流量センサ115とが設けられる。
【0021】
温度センサ111は、一次流路10の上流側、具体的には一次流路10の熱交換器40よりも上流側における一次冷媒の液温を測定する。圧力センサ112は、主流路11における温度センサ111よりも下流側に設けられ、一次流路10における一次冷媒の圧力を測定する。
【0022】
第一弁113は、主流路11における熱交換器40よりも上流側に設けられる。具体的には、第一弁113は、主流路11におけるバイパス流路12の分岐位置よりも下流側、かつ熱交換器40よりも上流側の位置において主流路11と接続する。主流路11での一次冷媒の流量を制御する。第一弁113はたとえば電磁二方弁である。第一弁113は、後述する制御部50によって開度を調整可能である。
【0023】
熱交換器40は、主流路11における第一弁113よりも下流側に設けられる。熱交換器40については後述する。
【0024】
バイパス流路12は、熱交換器40よりも上流側で、かつ圧力センサ112よりも下流側の位置において主流路11から分岐する。
【0025】
バイパス流路12には、第二弁121(単に「弁121」とも記載する。)が設けられる。第二弁121は、バイパス流路12と接続し、バイパス流路12での一次冷媒の流量を制御する。第二弁121はたとえば電磁二方弁である。第二弁121は、後述する制御部50によって開度を調整可能である。
【0026】
主流路11の第一弁113およびバイパス流路12の第二弁121の開度を制御することにより、熱交換器40への一次冷媒の流入量を調整できる。すなわち、熱交換器40における一次冷媒と二次冷媒の熱交換性能が調整可能である。また、第一弁113および第二弁121を閉じることによって、一次冷媒の流通を止めることができる。そのため、一次冷媒の漏れが発生した場合、発生箇所に繋がる流路に配置された弁を閉じることで、一次冷媒の流れを止め一次冷媒の漏れが広がることを抑制できる。
【0027】
バイパス流路12は、熱交換器40よりも下流側の位置において主流路11と合流する。
【0028】
温度センサ114は、主流路11とバイパス流路12との合流点に設けられる。温度センサ114は、一次流路10の下流側、具体的には一次流路10の熱交換器40よりも下流側における一次冷媒の液温を測定する。
【0029】
流量センサ115は、主流路11における温度センサ114よりも下流側に設けられ、一次流路10を流れる一次冷媒の流量を測定する。流量センサ115は、主流路11とバイパス流路12との合流点よりも下流側に設けられるため、一次流路10全体の流量を測定可能である。
【0030】
二次流路20は、二次冷媒が流通する。二次流路20は、筐体100aに設けられた二次流入口20aと二次流出口20bとを繋ぐ流路である。二次流入口20aおよび二次流出口20bは、筐体100aにおけるX軸正方向側の側面に開口する。
【0031】
二次流路20は、主流路21と、供給流路22と、第一流路23と、第二流路24とを備える。すなわち、二次流入口20aから流入した二次媒体は、主流路21を通過しつつ、第一流路23または第二流路24を通過し、二次流出口20bから流出される。
【0032】
主流路21には、上流側から、温度センサ211と、熱交換器40と、圧力センサ214、温度センサ215と、流量センサ216とが設けられる。
【0033】
温度センサ211は、二次流路20の上流側、具体的には二次流路20の熱交換器40よりも上流側における二次冷媒の液温を測定する。熱交換器40は、主流路11における温度センサ211よりも下流側に設けられる。熱交換器40については後述する。
【0034】
供給流路22は、主流路21における熱交換器40よりも下流側、かつ第一流路23および第二流路24の分岐位置よりも上流側の位置において主流路21と合流する。供給流路22はタンク30に接続される。タンク30については後述する。
【0035】
主流路21は、供給流路22との分岐位置よりも下流側の位置において第一流路23と第二流路24とに分岐する。
【0036】
第一流路23には、上流側から、ポンプ231と、逆止弁232とが設けられる。
【0037】
ポンプ231は、二次冷媒を第一流路23の下流側に圧送する。逆止弁232は、第一流路23におけるポンプ231よりも下流側に設けられ、二次流路20を流れる二次冷媒の逆流を防止する。
【0038】
第二流路24には、上流側から、ポンプ241と、逆止弁242とが設けられる。
【0039】
ポンプ241は、二次冷媒を第二流路24の下流側に圧送する。逆止弁242は、分岐第二流路24におけるポンプ241よりも下流側に設けられ、二次流路20を流れる二次冷媒の逆流を防止する。
【0040】
第一流路23および第二流路24は、その下流端、つまり逆止弁232よりも下流側および逆止弁242よりも下流側の位置において合流し、主流路21に接続される。
【0041】
圧力センサ214は、第一流路23と第二流路24との合流点に設けられ、二次流路20における二次冷媒の圧力を測定する。圧力センサ214は、ポンプ231およびポンプ241から圧送された二次冷媒が合流した状態の圧力を測定する。
【0042】
温度センサ215は、二次流路20の下流側、具体的には二次流路20の熱交換器40よりも下流側における二次冷媒の液温を測定する。流量センサ216は、主流路21における温度センサ215よりも下流側に設けられ、主流路21を流れる二次冷媒の流量を測定する。
【0043】
タンク30は、二次冷媒として使用される冷媒を貯蔵する。タンク30は、二次流路20の供給流路22に接続される。タンク30は、二次流路20への冷媒の供給が可能である。二次流路20の循環している二次冷媒が減少した際はタンク30内の冷媒が二次流路20に補給される。これにより、二次流路20を循環している二次冷媒の流量を一定に保つことができる。タンク30は、非図示の液面センサ、タンク30の液面を目視で確認可能なのぞき窓、溜まった気体を放出する空気抜き弁、および二次冷媒が減少した際に注水可能な注水孔を備える。
【0044】
熱交換器40は、一次流路10および二次流路20に接続される。一次冷媒および二次冷媒は、熱交換器40の内部に流入し、熱交換器40の内部から流出する。熱交換器40は、その内部において、一次冷媒と二次冷媒との間で熱交換を行う。熱交換器40の熱交換方式は、たとえば、プレート式である。
【0045】
CDU100は、制御部50をさらに備える。制御部50は、本開示において述べられる種々の工程をCDU100に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部50は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにCDU100の各要素を制御するように構成され得る。たとえば、制御部50は、弁113または弁121の動作を制御する。第1実施形態において、制御部50の一部又は全てがCDU100に含まれてもよい。
【0046】
制御部50は、処理部、記憶部及び通信インターフェースを含んでもよい。制御部50は、たとえばコンピュータにより実現される。処理部は、記憶部からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部に格納され、処理部によって記憶部から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェースに接続されている通信回線であってもよい。処理部は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェースは、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してCDU100との間で通信してもよい。
【0047】
なお、図1は、CDU100の構成の一例を示すものであり、図1に示した部材以外の部材をさらに備えてもよい。たとえば、CDU100は、タッチスクリーンを備えてもよい。タッチスクリーンは、筐体100aにおけるX軸負方向側の側面に設けられ、システムの稼働状況、各センサの測定値を表示する。また、CDU100は、電源ユニットを備えてもよい。電源ユニットは、後述するポンプ231、ポンプ241、弁113および弁121などへ電力を供給する。外部から電源を供給する場合は、CDU100は電源ユニットを配置しなくてもよい。
【0048】
また、CDU100は、図1に図示したセンサに加えて、他のセンサをさらに備えてもよい。他のセンサの例として、一次流路10または二次流路20内の一次冷媒または二次冷媒の流速を測定する流速センサ、一次冷媒または二次冷媒の導電率、濁度、イオン指数またはpH等を測定する水質センサ、CDU100内部の湿度を測定する湿度センサ、CDU100内の液漏れを検知するリークセンサなどが挙げられる。
【0049】
センサは、一次流路10または二次流路20内に配置されるものと一次流路10または二次流路20の外に配置されるものがある。例として、一次流路10または二次流路20内に配置されるものとしては、圧力センサ112,214および流量センサ115,216が挙げられる。また、一次流路10または二次流路20の外に配置されるものとしては、湿度センサ、リークセンサが挙げられる。なお、本開示に記載の「一次流路10内」とは、一次冷媒が循環する箇所のみでなく、一次流路10と流体的に接続された空間を含む。
【0050】
上記センサは、制御部50と接続し、測定結果を制御部50に送信することができる。また、上記センサは、制御部50とホットスワップ可能に接続されており、CDU100が稼働中であっても挿抜することができる。そのため、センサに異状が生じた際に、CDU100を停止せずにセンサのメンテナンスを行うことができ、サーバへの影響を抑えることができる。同種のセンサを複数、近くに配置することで、一方のセンサを抜去した場合でも、近い範囲での測定を続けることができる。
【0051】
上記のように構成されるCDU100は、弁113または弁121が一定期間動作しなかった場合、イオン化した金属または不純物などが堆積した堆積物が弁113または弁121に固着し、弁113または弁121が正常に動作しなくなるおそれがある。また、弁113および弁121に異常が生じていても検知することができないおそれがある。また、弁113または弁121は動作しない時間が長い場合、固着して故障してしまう場合がある。
【0052】
そこで、第1実施形態に係るCDU100は、弁113または弁121が一定時間動作しなかった場合に、弁113または弁121に予め定められた動作を行わせることとした。これにより、弁113または弁121に堆積物が蓄積しにくい。また、弁113または弁121が故障した場合でも早期に発見することができる。具体的には、弁113または弁121が故障により動かなくなり、二次冷媒の温度が閾値範囲外になった後に故障を発見すると二次冷媒の温度調整が必要になる。一方、第1実施形態に係るCDU100によれば、かかる温度調整が必要になる前に故障を発見することができる。以下、図2を参照しながら、CDU100の具体的な動作処理について説明する。
【0053】
<CDUの具体的動作>
図2は、第1実施形態に係るCDU100が実行する第一弁113の動作処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
まず、制御部50は、第一弁113が動作していない期間が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS101)。閾値は、たとえば3日間である。
【0055】
制御部50は、第一弁113が動作していない期間が閾値を超えたと判定した場合(ステップS101,Yes)、二次流路20の温度センサ211,215から二次冷媒の液温を取得する(ステップS102)。たとえば、制御部50は、温度センサ211,215からそれぞれ取得した測定値の平均値を二次冷媒の液温としてもよい。
【0056】
つづいて、制御部50は、二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内であるか否かを判定する(ステップS103)。制御部50は、二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内である場合(ステップS103,Yes)、処理をステップS104に進める。一方、制御部50は、二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内でない場合(ステップS103,No)、本フローの処理を終了する。
【0057】
つづいて、制御部50は、第一弁113から第一弁113の開度の情報を取得する。また、制御部50は、圧力センサ214から測定値を取得する(ステップS104)。
【0058】
つづいて、制御部50は、圧力センサ214の測定値が大きく変化したか否かを判定する(ステップS105)。たとえば、制御部50は、圧力センサ214の測定値の変化が、予め測定した第一弁113の開度に応じた圧力センサ214の変動幅よりも大きい場合、圧力センサ214の測定値が大きく変化したと判定する。
【0059】
制御部50は、圧力センサ214の測定値が大きく変化した場合(ステップS105,Yes)、処理をステップS106に進める。一方、制御部50は、圧力センサ214の測定値が大きく変化していない場合(ステップS105,No)、本フローの処理を終了する。
【0060】
つづいて、制御部50は、第二弁121を開放させる(ステップS106)。ここで、「開放」とは、全開の状態だけでなく、開度が一定以上の開き状態も含む。すなわち、制御部50は、第二弁121の開度を一定以上に上げる。なお、すでに第二弁121が開放している場合、制御部50は本処理をスキップしてもよい。
【0061】
つづいて、制御部50は、第一弁113に予め定められた動作を行わせる(ステップS107)。たとえば、制御部50は、第一弁113の開度を上げてもよい。また、制御部50は、第一弁113の開度を下げてもよい。また、制御部50は、第一弁113の開度を上げ下げする動作を行わせてもよい。また、制御部50は、第一弁113の開度を上げ下げする動作を複数回行わせてもよい。ここで、予め定められた動作の前後で、第一弁113の開度は同じであることが望ましい。これにより、第一弁113の予め定められた動作の前後で、二次冷媒の流通が変化することを抑制することができる。
【0062】
ここで、制御部50は、第一弁113が予め定められた動作を行わなかった場合、たとえば、第一弁113の開度が変化しなかった場合または第一弁113からエラーが出力された場合、タッチスクリーンなどの表示部(非図示)を用いてエラーを通知してもよい。
【0063】
つづいて、制御部50は、センサの動作を確認する(ステップS108)。具体的には、制御部50は、流量センサ115,216または圧力センサ112,214の動作を確認する。たとえば、制御部50は、第一弁113に予め定められた動作を行わせている間、流量センサ115の測定値に変化があったか確認する。制御部50は、流量センサ115の測定値に変化があった場合、流量センサ115が正常に動作していると判定する。一方、制御部50は、流量センサ115の測定値に変化がない場合、流量センサが正常に動作していないと判定し、タッチスクリーンなどの表示部(不図示)を用いてエラーを通知してもよい。
【0064】
制御部50は、流量センサ216または圧力センサ112,214についても同様に動作の確認を行ってもよい。また、制御部50は、温度センサ111,114,211,215などの他のセンサについても同様に動作の確認を行ってもよい。
【0065】
上述してきたように、第1実施形態に係るCDU100の制御部50は、弁113が動作していない期間が閾値を超えた場合に、弁113に対して予め定められた動作を行わせる。
【0066】
このように弁113を定期的に動作させることで、弁113に堆積物が固着しにくい。
【0067】
制御部50は、第一弁113または第二弁121の一方が予め定められた動作を行っている間、第一弁113または第二弁121の他方を開放してもよい。
【0068】
これにより、第一弁113または第二弁121の動作によって一次流路10内の内圧が上昇することを抑制することができる。
【0069】
ここで、第一弁113または第二弁121の一方の予め定められた動作の前後で、第一弁113または第二弁121の他方の開度は同じであることが望ましい。これにより、第一弁113または第二弁121の予め定められた動作の前後で、二次冷媒の流通が変化することを抑制することができる。
【0070】
制御部50は、弁113が動作していない期間が閾値を超えた場合であって、且つ、温度センサ211および温度センサ215から取得した二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内である場合、弁113に対して予め定められた動作を行わせてもよい。言い換えると、弁113が動作していない期間が閾値を超えた場合であっても、二次冷媒の液温が温度範囲外である場合は、弁113に対して予め定められた動作を行わせなくてもよい。
【0071】
二次冷媒の液温が温度範囲外の場合は、すなわち、二次冷媒の液温調整が必要な場合であるため、そのような場合には動作を行わせないこととする。これにより、CDU100の冷却性能を維持することができる。また、一次流路10および二次流路20内の結露を抑制することができる。
【0072】
制御部50は、圧力センサ112の測定値および弁113の開度に応じて、予め定められた動作を行うかを判定してもよい。
【0073】
弁113に堆積物が固着すると、一次流路10内の圧力が上昇する傾向がある。そこで、一次流路10内の圧力センサ112の測定値を基に、弁113を動作すべきか否かを判定することで、弁113への堆積物の固着の進行を抑制することができる。
【0074】
また、制御部50の記憶部は、弁113が動作していない期間を判定する閾値を複数備えていてもよい。制御部50は、圧力センサ112の測定値に基づいて複数の閾値の中から一の閾値を選択し、弁113が動作していない期間が一の閾値を超えたか判定を行うこととしてもよい。たとえば、圧力センサ112の測定値が大きい場合には、複数の閾値の中から値の小さい閾値を選択してもよい。
【0075】
これにより、一次流路10の内圧の上昇傾向がみられる場合に通常よりも短い期間で動作処理を行うことができ、弁113の堆積物の固着の進行を抑制することができる。
【0076】
制御部50は、予め定められた動作時におけるセンサ(一例として、流量センサ115,216または圧力センサ112,214)の測定値の変化に基づいて、センサが正常に動作しているかを確認してもよい。
【0077】
これにより、弁113の堆積物の固着抑制を行いながら、センサが正常に動作しているかどうかを確認することができる。
【0078】
なお、図2のフローチャートと同様の動作処理を第二弁121に対して行ってもよい。図3は、第1実施形態に係るCDU100が実行する第二弁121の動作処理の手順を示すフローチャートである。なお、制御部50が動作を行わせる対象が異なる点以外は、図2のフローチャートと同様であるため、各ステップの詳細な説明は省略する。
【0079】
まず、制御部50は、第二弁121が動作していない期間が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS201)。制御部50は、第二弁121が動作していない期間が閾値を超えたと判定した場合(ステップS201,Yes)、処理をステップS202に進める。
【0080】
つづいて、制御部50は、ステップS202,S203において、図2のステップS102,S102と同様の処理を行う。
【0081】
つづいて、制御部50は、第二弁121から第二弁121の開度の情報を取得する。また、制御部50は、圧力センサ214から測定値を取得する(ステップS204)。
【0082】
つづいて、制御部50は、第二弁121の開度および圧力センサ214の測定値がそれぞれ閾値範囲内であるか否かを判定する(ステップS205)。制御部50は、第二弁121の開度および圧力センサ214の測定値がそれぞれ閾値範囲内である場合(ステップS205,Yes)、処理をステップS206に進める。一方、制御部50は、第二弁121の開度および圧力センサ214の測定値がそれぞれ閾値範囲内でない場合(ステップS205,No)、本フローの処理を終了する。
【0083】
つづいて、制御部50は、第一弁113を開放させて(ステップS206)、第二弁121に予め定められた動作を行わせる(ステップS207)。
【0084】
つづいて、制御部50は、センサの動作を確認する(ステップS208)。
【0085】
なお、本フローの処理は、図2に示した第一弁113の動作処理とはタイミングをずらして実行してもよい。これにより、第一弁113の動作処理と第二弁121の動作処理とを同時に行う場合と比較して、一次冷媒の流れに影響を及ぼしにくくなり、一次流路10内の内圧の上昇を抑えることができる。
【0086】
なお、ここでは、一次流路10に設けられた第一弁113および第二弁121に対して動作処理を行わせる例について示したが、動作処理の対象の弁はこれに限られない。例えば、二次流路20に設けられた弁(非図示)に対して動作処理を行わせることとしてもよい。また、弁の配置箇所、配置個数は図2の例に限られない。
【0087】
また、制御部50は、圧力センサ214の測定値に応じて、弁113または弁121の開度を調整してもよい。かかる構成によれば、一次流路10内の内圧が上昇することを抑制することができる。
【0088】
また、制御部50は、弁113または弁121を閉鎖した後で、上記の図2のフローチャートに示す処理を行うこととしてもよい。弁113および弁121を閉鎖することで一次流路10の内圧が上昇するため、動作処理を行った場合に弁113または弁121の堆積物がより取れやすい。
【0089】
また、一次流路10に設けられる圧力センサは複数あってもよい。同様に、二次流路20に設けられる圧力センサは複数あってもよい。
【0090】
また、図2のステップS105において、制御部50は、流量センサ115の測定値をさらに用いて、圧力センサ214の測定値の変化が大きいか否かを判定してもよい。
【0091】
上述してきたように、第1実施形態に係るCDU100の制御部50は、弁113が動作していない期間が閾値を超えた場合に、弁113に対して予め定められた動作を行わせる。このように弁113を定期的に動作させることで、弁113に堆積物が固着しにくい。
【0092】
(第2実施形態)
第1実施形態では、弁113および弁121の2つの二方弁が一次流路10に設けられる例について説明したが、弁の種類はこれに限られない。2つの二方弁の代わりに1つの三方弁が一次流路10に設けられてもよい。図4は、第2実施形態に係るCDU100の概略構成を示す図である。
【0093】
弁19は、主流路11とバイパス流路12との分岐点に設けられ、主流路11およびバイパス流路12での一次冷媒の流量を制御する。弁19はたとえば電磁三方弁である。弁19は、制御部50によって開度を調整可能である。
【0094】
弁19は、主流路11での一次冷媒の流量を制御する第一弁と、バイパス流路12での一次冷媒の流量を制御する第二弁とを含んでもよい。制御部50は、第一弁と第二弁との開度を制御することにより、熱交換器40への一次冷媒の流入量を調整できる。すなわち、熱交換器40における一次冷媒と二次冷媒の熱交換性能が調整可能である。
【0095】
このように一次流路10に三方弁が1つ設けられる構成とすることで、使用する弁の個数を減らすことができ、コストを低下させることができる。
【0096】
(その他の実施形態)
<ポンプの動作処理>
本開示のCDU100は、複数のポンプ231,241(図1参照)を備えるため、複数のポンプ231,241のうち一方のポンプのみを稼働させて他のポンプを待機させることが可能である。待機するポンプが一定期間動作しなかった場合、第一弁113および第二弁121と同様に動作処理を行うことが可能である。
【0097】
<弁の開閉による堆積物の除去>
一次流路10または二次流路20内に配置された部材および流路管に堆積物が溜まり、機能不全、または、一次冷媒または二次冷媒の流通可能な面積が低下するおそれがある。具体的には、流路管内にセンサが配置された場合、センサ周辺の堆積物が溜まることで、センサの機能が制限されるおそれがある。また、一次流路10または二次流路20中の流路抵抗の高い箇所(屈曲している箇所、または流路が狭い箇所)に堆積物が溜まった場合、より流路抵抗が上昇して一次冷媒または二次冷媒の循環に影響を与えるおそれがある。
【0098】
そこで、図1に示すように、一次流路10に弁113または弁121が配置されている場合、弁113または弁121の開閉を繰り返すことで弁113または弁121付近に乱流を起こすことができ、乱流によって固着した堆積物を、固着位置から剥がし、流路内で循環させることが可能になる。さらに、一次流路10内にメッシュ状のフィルターを設けることで、堆積物をフィルターによって止めることができ、再び他部材に固着することを抑制できる。フィルターは、一次流路10内から取り外し可能であり、フィルターが詰まった場合は取り外してメンテナンスを行うことができる。上記の乱流を起こすための弁113または弁121の開閉速度は、一次流路10を流れる冷媒量を調整するための弁113または弁121の開閉速度よりも速い。
【0099】
乱流を発生させて堆積物を流すタイミングは、第1実施形態において前述した弁113または弁121の動作処理と合わせて行うことができる。また、センサの測定値(たとえば、流量センサ115,216によって計測した流量等)、または、ポンプ231,241の回転数等から堆積物による影響を検知したタイミングで実施することもできる。
【0100】
乱流を大きくする、あるいは衝撃流にすることにより、体積の大きい堆積物や、強力に固着した堆積物を流すことが可能になる。乱流を大きくする、あるいは衝撃流にする方法としては、弁113または弁121の開閉速度を上げること、開閉する回数を多くすること、及び、循環する一次冷媒の流量を増加することなどが挙げられる。なお、本処理は二次流路20に設けられた弁に対して行うこととしてもよい。
【0101】
<ポンプの動作による堆積物の除去>
図1に示すように、一次流路10中にポンプ231またはポンプ241が配置されている場合、ポンプ231またはポンプ241の回転を調整することで乱流を発生させることが可能である。乱流は、ポンプ231またはポンプ241の回転、停止、または逆回転を繰り返すことにより起こすことができる。
【0102】
なお、上記の乱流を起こすためのポンプ231またはポンプ241の回転速度の変化は、一次流路10、及び、二次流路20を流れる冷媒量を調整するためのポンプ231またはポンプ241の回転速度の変化よりも大きい。乱流を大きくする、あるいは衝撃流にするには、ポンプ231またはポンプ241の回転速度の上昇、急停止、または循環する冷媒量の増加などが挙げられる。
【0103】
<各部材の自己診断機能>
CDU100内に配置され、制御部50と接続している部材は、異常が生じた場合に制御部50に通知することができる。さらに、各部材は稼働状況またはメンテナンス頻度などを記録することで、メンテナンスが必要になるまでの期間を自己診断することが可能である。たとえば、自己診断可能である部材として、弁113,121またはポンプ231,241が挙げられるが、記載していない部材であっても自己診断機能を持たせることは可能である。
【0104】
弁113または弁121は、第1実施形態に示した弁113または弁121の動作処理時における動作検知、前回メンテナンス時からの開閉の回数、変化量の累計、および継続稼働時間などから、メンテナンスが必要な時期を自己診断する機能を備える。
【0105】
ポンプ231またはポンプ241は、上述したポンプ231またはポンプ241の動作処理時における動作検知、または前回メンテナンス時からの累計の回転数や、回転速度の変更頻度、起動および停止回数等から、メンテナンスが必要な時期を自己診断する機能を備える。さらに、メンテナンスまでの期間の指標として、記憶部に保存した同じデューティ比での回転数の比較を行い、変化の割合を使用することもできる。また、正常に稼働している際の稼働音、または、異常稼働時の稼働音との比較を行うことで、ポンプ231またはポンプ241が正常かを判断することが可能である。
【0106】
<洗浄用流路>
CDU100内の一次流路10および二次流路20中に着脱可能なカプラ(迅速流体継手)を設け、カプラを切り離すことによって特定の部位を一次流路10および二次流路20から切り離すことが可能になる。たとえば、熱交換器40の流入口の上流と流出口の下流にカプラを設けることで、熱交換器40を一次流路10または二次流路20から切り離すことができる。一次流路10または二次流路20内を流れる冷媒に溶け込んでいるシリカ、カルシウム、マグネシウム等の無機塩類が析出したスケール(水垢)が付着、もしくは、固着した際に、カプラを切り離すことによって熱交換器40を切り離し、洗浄用流路と接続している外部接続用のカプラを装着することで、洗浄用流路から強酸等を流してスケールを洗浄することができる。
【0107】
洗浄に使用するのは強酸に限定されず、アルカリ性の液体またはその他の特性を備える液を使用することも可能である。また、液体に限定されずに気体の衝突による洗浄、パウダー、またはペレットを使用することも可能である。
【0108】
カプラによる流路からの分離以外の形態として、流路の切り替えが可能な弁(たとえば三方弁、または2つの二方弁の組み合わせ等)を設けることで洗浄用流路を設けることも可能である。
【0109】
熱交換器40の流入口の上流と流出口の下流にそれぞれ三方弁を設けることができ、制御部50は、三方弁を動作させることで循環用の流路と洗浄用流路を分離させることができる。
【0110】
たとえば、冷媒を循環する場合、制御部50は、三方弁の内の循環用の流路と流通する弁を開いて、洗浄用流路と流通する弁を閉じる。一方、洗浄をする場合、制御部50は、洗浄用流路と流通する弁を開いて、循環用流路と流通する弁を閉じる。なお、酸性、または、アルカリ性の液を流した場合は、洗浄後に熱交換器40内を中和することで、冷媒を循環させた際の影響を抑制できる。
【0111】
また、上記の説明では、CDU100の熱交換器40について記載したが、熱交換器40以外の部材であってもよい。さらにCDU100以外(たとえば、ラジエータ、水冷ヘッドなどで構成されるクローズ水冷)の部材であっても同様の構成を持たせることができる。
【0112】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
一次冷媒が流通する一次流路と、
二次冷媒が流通する二次流路と、
一次流路または二次流路に設けられ、開度を調整可能な弁と、
前記弁の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記弁が動作していない期間が閾値を超えた場合に、前記弁に対して予め定められた動作を行わせる、冷媒循環装置。
(2)
前記一次流路および前記二次流路に接続される熱交換器をさらに備え、
前記一次流路は、
前記一次冷媒の流入口と流出口とを前記熱交換器を介して接続する主流路と、
前記熱交換器よりも上流側の位置において前記主流路から分岐し、前記熱交換器よりも下流側の位置において前記主流路と合流するバイパス流路と
を含み、
前記弁は、
前記主流路における前記バイパス流路の分岐位置よりも下流かつ前記熱交換器よりも上流の位置において前記主流路と接続する第一弁と、
前記バイパス流路と接続する第二弁と
を含み、
前記制御部は、前記第一弁または前記第二弁の一方が前記予め定められた動作を行っている間、前記第一弁または前記第二弁の他方を開放する、(1)に記載の冷媒循環装置。
(3)
前記二次流路に設けられる温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記弁が動作していない期間が閾値を超えた場合であって、且つ、前記温度センサから取得した前記二次冷媒の液温が予め定められた温度範囲内である場合、前記弁に対して前記予め定められた動作を行わせる、(1)または(2)に記載の冷媒循環装置。
(4)
前記一次流路に設けられる圧力センサをさらに備え、
前記制御部は、前記圧力センサの測定値および前記弁の開度に応じて、前記予め定められた動作を行うかを判定する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の冷媒循環装置。
(5)
前記一次流路または前記二次流路に設けられるセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記予め定められた動作時における前記センサの測定値の変化に基づいて、前記センサが正常に動作しているかを確認する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の冷媒循環装置。
【0113】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記の実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されても良い。
【符号の説明】
【0114】
10 一次流路
10a 一次流入口
10b 一次流出口
11 主流路
12 バイパス流路
111,114,211,215 温度センサ
115,216 流量センサ
20 二次流路
20a 二次流入口
20b 二次流出口
30 タンク
40 熱交換器
50 制御部
100 CDU
112,214 圧力センサ
113 第一弁
121 第二弁
231,241 ポンプ
232,242 逆止弁
図1
図2
図3
図4