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特開2025-9900モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル
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  • 特開-モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル 図1
  • 特開-モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル 図2
  • 特開-モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル 図3
  • 特開-モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009900
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】モータービークルのウインドシールド、及びウインドシールドを備えたモータービークル
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B60J1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024093091
(22)【出願日】2024-06-07
(31)【優先権主張番号】102023000013500
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】522391752
【氏名又は名称】アウトモービリ・ピニンファリーナ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Automobili Pininfarina GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ベゼンツォン,ヴィットリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェルミ,モニカ
(72)【発明者】
【氏名】ディ ファツィオ,アントニオ アルマンド
(72)【発明者】
【氏名】クンダーリ,フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
3D127
【Fターム(参考)】
3D127AA14
3D127BB01
3D127CB07
3D127CC02
3D127CC20
3D127DF03
3D127DF07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運転者のみならずその横にいる乗客にとっても有用な機能を果たし得るように構成された、特にオープン型モータービークル用の、ウインドシールドを提供する。
【解決手段】運転席と、運転席に隣接して配置される乗客席とを有するモータービークル用のウインドシールドが、互いに離れた2つの風防部品(4,5)を備える。2つの風防部品は、モータ駆動により、独立して、下部横軸周りに下降位置と上昇位置との間で、角変位可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席と、前記運転席に隣接して配置された乗客席とを有するモータービークル用のウインドシールドであって、
互いに離れ、下降位置と上昇位置との間で互いに独立して角変位可能である2つの風防部品(4,5)を備え、
前記2つの風防部品(4,5)が、その下部で関節接続され、モータ駆動により変位可能である、
ウインドシールド。
【請求項2】
前記2つの風防部品(4,5)の少なくとも一方が、昇降可能な支持フレーム(6)を含み、前記支持フレーム(6)が、前部横関節部(7)と、前記風防部品(4,5)に対する内部支持体(8,9)とを有し、前記支持フレーム(6)には、水平アクチュエータ(11)を含む作動機構(10)が連結されている、
請求項1に記載のウインドシールド。
【請求項3】
前記水平アクチュエータ(11)が、電動ジャッキで構成され、前記電動ジャッキが、前記風防部品(4,5)の下方に配置され、関節リンク機構(13)によって前記支持フレーム(6)に接続されている、
請求項2に記載のウインドシールド。
【請求項4】
前記関節リンク機構(13)が、第1頂点(16)、第2頂点(17)、及び第3頂点を有する略三角形状の回転カム(14)を備え、前記第1頂点(16)は、前記電動ジャッキ(11)に関節接続され、前記第2頂点(17)には、略鉛直の接続ロッド(15)の下端が関節接続され、前記接続ロッド(15)の上端は、前記支持フレーム(6)に関節接続され、前記第3頂点は、前記カム(14)の水平回転軸(19)を中心に回転する、
請求項3に記載のウインドシールド。
【請求項5】
前記運転席と対応する前記風防部品(4)が、前記乗客席と対応する前記風防部品(5)よりも大きい、
請求項1から4のいずれか1項に記載のウインドシールド。
【請求項6】
モータービークル、特にバルケッタ型のモータービークルであって、
運転席と、
前記運転席に隣接して配置された乗客席と、
前記運転席及び前記乗客席の前方に配置されたウインドシールドと、を有し、
前記ウインドシールドが、互いに離れ、且つ下降位置と上昇位置との間で互いに独立して角変位可能である2つの風防部品(4,5)を備え、
前記2つの風防部品(4,5)が、前記モータービークルの下部で関節接続され、モータ駆動により変位可能である、
モータービークル。
【請求項7】
前記2つの風防部品(4,5)の少なくとも一方が、昇降可能な支持フレーム(6)を有し、前記支持フレーム(6)は、前部横関節部(7)と、前記風防部品(4,5)に対する内部支持体(8,9)とを有し、前記支持フレーム(6)には、水平アクチュエータ(11)を含む作動機構(10)が連結されている、
請求項6に記載のモータービークル。
【請求項8】
前記水平アクチュエータ(11)が、電動ジャッキで構成され、前記電動ジャッキが、前記風防部品(4,5)の下方に配置され、関節リンク機構(13)によって前記支持フレーム(6)に接続されている、
請求項7に記載のモータービークル。
【請求項9】
前記関節リンク(13)が、第1頂点(16)、第2頂点(17)、及び第3頂点を有する略三角形状の回転カム(14)を備え、前記第1頂点(16)が、前記電動ジャッキ(11)に関節接続され、前記第2頂点(17)には、略鉛直の連結ロッド(16)の下端が関節接続され、前記連結ロッド(16)の上端は、前記支持フレーム(6)に関節接続され、前記第3頂点は、前記カム(15)の水平回転軸(19)を中心に回転する、
請求項8に記載のモータービークル。
【請求項10】
前記運転席と対応する前記風防部品(4)が、前記乗客席と対応する前記風防部品(5)よりも大きい、
請求項6から9のいずれか1項に記載のモータービークル。
【請求項11】
可動式の車両用のウインドシールドを作動させる装置であって、
前記ウインドシールドが、作動機構(10)が連結され、作動機構(10)が連結された昇降可能な支持フレーム(6)を有し、
前記ウインドシールド(4)が、前記車両の下部で関節接続され、前記作動機構(10)が、前記ウインドシールド(4)の下方に配置された水平アクチュエータ(11)を含み、前記水平アクチュエータ(11)は、関節リンク機構(13)によって前記支持フレーム(6)に接続され、前記関節リンク機構(13)は、下部横軸(7)を中心とする前記ウインドシールド(4)の角変位を制御する、
作動装置。
【請求項12】
前記関節リンク機構(13)は、第1頂点(16)、第2頂点(17)、及び第3頂点を有する略三角形状の回転カム(14)を備え、前記第1頂点(16)は、前記水平アクチュエータに関節接続され、前記第2頂点(17)には、略鉛直の接続ロッド(15)の下端が関節接続され、前記接続ロッド(15)の上端は、前記支持フレーム(6)に関節接続され、前記第3頂点は、前記カム(14)の水平回転軸(19)を中心に回転する、
請求項11に記載の作動装置。
【請求項13】
前記水平アクチュエータ(11)が、電動ジャッキで構成される、
請求項11又は請求項12に記載の作動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、モータービークル用のウインドシールドに関する。より具体的には、例えばコンバーチブル型、より具体的には、完全に屋根のない所謂「バルケッタ」又は「トーピード」型の、オープン型モータービークルに関する。
【背景技術】
【0002】
EP 1291274 B1及びEP 1752367 B1には、特に自動二輪車に関連して、ウインドシールドを備えた車両、より正確には、運転者の前方に配置されて下降位置と上昇位置との間で変位可能なフェアリングを備えた車両が開示されている。EP 06853895 B1及びGB 486067 Aには、一般的な車両に適用可能であり傾斜が可変のウインドシールドが記載されている。
【0003】
これら先行技術の解決手段は、車両の運転者のウインドシールドに明らかに限定されている。更に、ウインドシールドの作動システムは、一般的に複雑で取り扱いにくい。
【0004】
FR 602139 Aには、互いに隣接して配置された2つの部品によって形成されたウインドシールドが記載されている。2つの部品はそれぞれ、独立して、手動により、上部関節軸を中心に角変位する。
【0005】
DE 102005004809 B3には、ウインドシールドの上方及び下方それぞれへの移動により、単一部品で製造されたウインドシールドが記載されており、この部品は、モータ駆動方式により、上昇位置と下降位置との間で、スライドにより変位可能である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、前述の欠点を解消して、運転者のみならずその横にいる乗客にとっても有用な機能を果たし得るように構成された、特にモータービークル用の、ウインドシールドを提供することを目的としている。
【0007】
本発明によれば、この目的は、主に請求項1に記載されるモータービークル用のウインドシールドによって達成される。
【0008】
本発明の実施形態において、2つの風防部品のうちの少なくとも一方、又は各々が、前部節部と、昇降可能な内部支持フレームとを有し、この内部支持フレームには、水平アクチュエータを便宜的に含む作動機構が連結されている。好ましくは、水平アクチュエータは、電動ジャッキで構成され、電動ジャッキは、風防部品の下方に配置され、関節リンク機構によって支持フレームに接続される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によると、関節リンク機構は、第1頂点、第2頂点、及び第3頂点を有する略三角形状の回転カムを備え、第1頂点は、電動ジャッキに関節接続され、第2頂点には、略鉛直の接続ロッドの下端が関節接続され、接続ロッドの上端は、ウインドシールド支持体に関節接続され、第3頂点は、カムの水平回転軸を中心に回転する。
【0010】
運転席と対応する風防部品は、便宜的に乗客席と対応する風防部品よりも大きい。
【0011】
また、本発明は、このようにして製造されたウインドシールドを備えたモータービークル、及びウインドシールドの作動装置に関する。
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明するが、添付図面は、非限定的な例示のみを目的として提供されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るウインドシールドを備えたモータービークルの車室の前部を示す概略斜視図であって、第1状態にあるウインドシールドを示す図。
図2図1と同様の図であって、第2状態にあるウインドシールドを示す図。
図3】本発明に係る2つの風防部品の一方を示す前方斜視図。
図4図1の状態における図3の風防部品を拡大して示す縦断面模式図。
図5図2の状態における図3の風防部品を示す、図4と同様の図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1を参照して、モータービークルの、例えば「バルケッタ」型のスポーツカーの車室の前部が、概して符号1で示されている。前部1は、ダッシュボード2と、図示しない運転シートを備えたステーションの前に配置されたステアリングホイール3とを有する。同じく図示しないが、当該ステーションに隣接して、乗客シートを備えたステーションが配置されている。
【0015】
本発明の特有の特徴によれば、モータービークルには、通常透明な2つの風防部品4,5によって形成されるウインドシールドが設けられている。風防部品4,5は、互いに離れており、以下で明らかとなるように独立して移動可能である。
【0016】
風防部品4は、運転席であるステアリングホイール3の前方に配置されている一方、風防部品5は、乗客席の前方に配置されている。
【0017】
2つの風防部品4,5は、下降位置と上昇位置との間で選択的に独立して角変位する。図1では、風防部品4が上昇位置にあり、風防部品5が下降位置にある。一方、図2では、風防部品4が下降位置にあり、風防部品5が上昇位置にある。明らかに、風防部品4,5は、同時に上昇位置又は下降位置に位置し得る。
【0018】
図3に更に詳細に示すように、風防部品4は、概して、比較的に細長いフェアリング(スポーツタイプの自動二輪車のフェアリングに類似するが、より大きい)のような形状をしており、実質的にディフレクタのような形状をしている風防部品5とは異なる。好ましくは、風防部品5は、風防部品4よりも小さい。
【0019】
各風防部品4,5の前縁は、車両構造の下部で、対応する軸7を中心に関節接続されている。軸7は、実質的に水平であり、車両の長手方向軸に直交する。
【0020】
この横軸7を中心として車両構造の前部且つ下部に関節接続された風防部品4,5はそれぞれ、そのような軸を中心に、限られた角度範囲、例えば20°~30°又はそれ以上のオーダーの範囲で、上昇及び下降可能である。
【0021】
各風防部品4,5の角変位は、運転者と同乗者とに対して独立して、車両の車室内部から制御されるそれぞれのモータ駆動式の作動機構によって行われる。以下、この点について、風防機構4に関連して図4及び図5を参照して説明するが、以下の説明は、風防部品5にも該当することは明らかである。あるいは、風防部品5の作動機構は、異なっていてもよく、簡素化されていてもよい。
【0022】
風防部品4は、支持フレーム6に支持される。支持フレーム6は、―前部において―水平/横方向の関節軸7を中心として回転可能である。支持フレーム6には、―後部において―内部から風防部品4を支持する支持要素8が設けられている。風防支持4の安定性を高めるため、支持フレーム6の前部に更に、支持要素9が設けられていてもよい。
【0023】
支持フレーム6は、概して符号10で示された作動機構に接続されている。作動機構10は、風防部品4の下方に、車両の前部2に収容された水平アクチュエータ11を備える。水平アクチュエータ11は、例えば、その回転中心20に固定された電動ジャッキで構成される。ジャッキ11のステムが、概して符号12で示されている。ステム12は、関節リンク機構13により支持フレーム6の後部に接続される。関節リンク機構13は、略三角形状の回転カム14と、回転-並進運動を提供する略鉛直の接続ロッド15とを含む。カム14の第1の下部頂点16は、ジャッキ11のステム12に関節接続され、別の下部頂点17は、接続ロッド15の下端に関節接続される。接続ロッド15の上端は、符号18において、支持フレーム6に関節接続される。カム4の上部頂点は、水平/横方向の回転軸19を中心に回転する。
【0024】
図4は、風防部品4の下降位置を示す。ジャッキ11のステム12は、車両の前進方向と反対方向において、長手方向のストロークが電子的に調整可能である。ステム12が後退し、カム14が、下降した角度位置に配置され、接続ロッド15が、フレーム6の略水平状態と対応する位置に保持される。
【0025】
ジャッキ11のステム12が伸長すると、カム14が反時計回りに回転し、接続ロッド15を上方に回転-並進させ、これと共にフレーム6及び風防部品4を図5に示す上昇位置に向けて移動させる。ステム12により推力が働いている間、ジャッキ11は、その回転中心20を中心にして自由に回転する。
【0026】
風防部品5の作動機構は、上記概説と全く同様であってもよく、構造上の観点から簡素化されていてもよい。風防部品5の作動機構もまた、電動アクチュエータによって作動されてもよい。2つの電動アクチュエータは、選択的に独立して制御され得る。それにより、運転者及び同乗者それぞれの判断で、2つの風防部品4,5を移動させることができる。
【0027】
明らかに、本発明の構造の詳細及び実施形態は、特許請求の範囲において定義される本発明の保護範囲から逸脱することなく、説明及び図示されたものから大幅に変更されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】