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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099266
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器の更新方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20250626BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215796
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 力弥
(72)【発明者】
【氏名】丹野 政一
(72)【発明者】
【氏名】田村 剛生
(72)【発明者】
【氏名】西田 俊明
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA29
5B376CA42
(57)【要約】
【課題】一の電子機器を選択してプログラムを更新すると、その他の電子機器のプログラムも自動的に更新できる。
【解決手段】電子機器のプログラムの更新の有無を判定する判定部と、判定部の判定結果に基づき、更新プログラムでプログラムを更新する更新部と、グループに属する他の電子機器、及び外部装置と通信する通信部とを備え、更新部は、判定部が、更新プログラムでプログラムが更新されていないと判定した場合、通信部で外部装置から取得した更新プログラム、または通信部で受信した更新プログラムによりプログラムを更新し、通信部は、更新部がプログラムを更新したら、更新プログラムをグループに属する他の電子機器に送信する電子機器。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器のプログラムの更新の有無を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づき、更新プログラムで前記プログラムを更新する更新部と、
グループに属する他の電子機器、及び外部装置と通信する通信部とを備え、
前記更新部は、前記判定部が、前記更新プログラムで前記プログラムが更新されていないと判定した場合、前記通信部で前記外部装置から取得した前記更新プログラム、または前記通信部で受信した前記更新プログラムにより前記プログラムを更新し、
前記通信部は、前記更新部が前記プログラムを更新したら、前記更新プログラムを前記グループに属する前記他の電子機器に送信する電子機器。
【請求項2】
前記電子機器は、第1グループおよび第2グループに属し、
前記更新部は、前記通信部で、前記電子機器が属する第1グループ内の他の電子機器からのみ前記更新プログラムを受信した場合、受信した前記更新プログラムで前記プログラムを更新し、
前記通信部は、前記更新部が前記プログラムを更新したら、前記電子機器が属する第2グループ内の他の電子機器に前記更新プログラムを送信する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記更新部は、前記通信部で、前記電子機器が所定の期間に第1グループに対応する更新プログラムおよび第2グループに対応する更新プログラムの両方を受信した場合、所定の条件を満たした前記更新プログラムで前記プログラムを更新する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通信部は、過去に受信した前記更新プログラムと同一の更新プログラムを受信した場合、前記同一の更新プログラムを他の電子機器に送信しない、請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器のプログラムの更新の有無を判定するステップと、
前記判定するステップの判定結果に基づき、更新プログラムで前記プログラムを更新するステップと、
グループに属する他の電子機器、及び外部装置と通信するステップとを含み、
前記更新するステップにおいては、前記判定するステップで、前記プログラムが更新されていないと判定した場合において、前記通信するステップで前記外部装置から取得した前記更新プログラム、または前記通信するステップにおいて他の電子機器から受信した前記更新プログラムにより前記プログラムを更新し、
前記通信するステップにおいては、前記更新するステップで前記プログラムを更新したら、前記更新プログラムを前記グループに属する前記他の電子機器に送信する電子機器の更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び電子機器の更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの外部記憶装置に保存されたソフトウェアおよびソフトウェアに対応する設定値を情報処理装置に設置する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-46075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、情報処理装置に外部記憶装置(外部装置)からプログラムを設置・更新する場合、外部装置をそれぞれの情報処理装置に接続して、プログラムの設置・更新を行っている。そのため、情報処理装置が複数台ある場合に、外部装置をそれぞれの情報処理装置に接続して、プログラムの設置・更新を行うため、時間を要してしまう。また、屋内や屋外に情報処理装置(電子機器)がある場合には、屋外まで外部装置を持っていく必要があり、手間となる。
【0005】
本開示は、上記課題を鑑み、一の電子機器を選択してプログラムを更新すると、その他の電子機器のプログラムも自動的に更新できる電子機器及び電子機器の更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電子機器は、電子機器のプログラムの更新の有無を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づき、更新プログラムで前記プログラムを更新する更新部と、グループに属する他の電子機器、及び外部装置と通信する通信部とを備え、前記更新部は、前記判定部が、前記更新プログラムで前記プログラムが更新されていないと判定した場合、前記通信部で前記外部装置から取得した前記更新プログラム、または前記通信部で受信した前記更新プログラムにより前記プログラムを更新し、前記通信部は、前記更新部が前記プログラムを更新したら、前記更新プログラムを前記グループに属する前記他の電子機器に送信する。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電子機器の更新方法は、電子機器のプログラムの更新の有無を判定するステップと、前記判定するステップの判定結果に基づき、更新プログラムで前記プログラムを更新するステップと、グループに属する他の電子機器、及び外部装置と通信するステップとを含み、前記更新するステップにおいては、前記判定するステップで、前記プログラムが更新されていないと判定した場合において、前記通信するステップで前記外部装置から取得した前記更新プログラム、または前記通信するステップにおいて他の電子機器から受信した前記更新プログラムにより前記プログラムを更新し、前記通信するステップにおいては、前記更新するステップで前記プログラムを更新したら、前記更新プログラムを前記グループに属する前記他の電子機器に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一の電子機器を選択してプログラムを更新すると、その他の電子機器のプログラムも自動的に更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。
図2図2は、第1実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。
図4図4は、第1実施形態に係る更新プログラムを取得する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。
図7図7は、第2実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、第2実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第3実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。
図10図10は、第3実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、第3実施形態に係る更新プログラムを取得する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第3実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[第1実施形態]
(通信システム)
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、通信システム1は、管理装置10と外部装置12と電子機器14aと、電子機器14bと、電子機器14cとを含む。すなわち、通信システム1は、管理装置10と外部装置12と複数の電子機器14とを含む。電子機器14aから電子機器14cは、それぞれグループAに属する。電子機器14a~電子機器14cは、所定の範囲内(例えば、数キロメートルから数十キロメートル)に位置しており、互いにグループ通信を実行する。電子機器14a~電子機器14cが位置する場所は、限定されない。例えば、全ての電子機器が屋内又は屋外に位置していても、いずれかが屋内又は屋外に位置していてもよい。なお、図1では、簡単のため、電子機器14は、電子機器14aから電子機器14cの3台を示すが、3台以上であってもよい。グループAは、第1グループである。また、グループを特定しない場合には、適宜「グループ」と記載する。
【0013】
通信システム1は、グループAに属する電子機器14の更新プログラムAが保存された外部装置12が1台の電子機器(例えば電子機器14a)に接続される。電子機器14aは、外部装置12から更新プログラムAを取得し、取得した更新プログラムAで電子機器14aに記憶されているプログラムを更新する。電子機器14aは、電子機器14b及び電子機器14cにグループ通信で更新プログラムAを送信する。電子機器14b及び電子機器14cは、更新プログラムAをグループ通信で受信したら、受信した更新プログラムAで、それぞれのプログラムを自動更新する。電子機器14b及び電子機器14cは、更新プログラムAでそれぞれのプログラムを更新したら、更新プログラムAをグループAに属する他の電子機器にグループ通信で送信する。すなわち、通信システム1は、1台の電子機器のプログラムを更新することで、グループに属する残りの電子機器のプログラムを自動で更新することのできるシステムである。なお、更新プログラムは、グループに属する電子機器に対応するプログラムであることが好ましい。更新プログラムは、例えば、グループAに属する電子機器14に対応するプログラムである。また、更新プログラムは、1つの更新プログラムだけではなく、複数の更新プログラムを含んでもよい。これにより、電子機器14の複数の機能のプログラムを更新することができる。さらに、更新プログラムは、電子機器14の設定データであってもよい。更新プログラムは、例えば、ファームウェア更新プログラム、FPU(Field Programming Unit)データ、ライセンス更新プログラムなどが挙げられる。
【0014】
(管理装置)
管理装置10は、通信システム1の電子機器14を管理する装置である。管理装置10は、例えば、電子機器14の通信を管理する。管理装置10は、外部装置12に更新プログラムを保存する。管理装置10は、外部装置12に更新プログラムを保存する際に、暗号化してもよい。このとき、管理装置10は、外部装置12が接続される電子機器14に暗号ファイルを復号する復号ファイルを書き込んでおく。管理装置10は、例えば、コンピュータなどの情報処理装置である。
【0015】
(外部装置)
外部装置12は、管理装置10や電子機器14の外部に接続できるデータの記憶装置である。外部装置12は、例えば、電子機器14の更新プログラムを保存する。外部装置12は、管理装置10に接続され、管理装置10から電子機器14の更新プログラムを保存する。外部装置12は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。
【0016】
(電子機器)
図2を用いて、電子機器14について説明する。図2は、第1実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。電子機器14は、業務用無線機、スマートフォンなどの携帯型の通信装置で実現される。本開示においては、電子機器14は、無線機である。
【0017】
図2に示すように、電子機器14は、通信部20と、操作部22と、出力部24と、記憶部26と、制御部30とを備える。
【0018】
通信部20は、接続部20aと無線通信部20bとを含む。接続部20aは、外部装置12からデータを読み出したり、書き込んだりする。接続部20aは、例えば、USBメモリの接続端子を含む。接続部20aは、制御部30が外部装置12の接続を検出したら、外部装置12と通信する。通信部20は、無線通信部20bは、電子機器14間で通信を実行する。無線通信部20bは、グループに属する他の電子機器と無線通信する。無線通信部20bは、他の電子機器に対して各種の情報を送信し、他の電子機器から各種の情報を受信する。なお、通信部20が他の電子機器や外部装置12との間で送受信を行うデータの種類に特に制限はない。通信部20は、例えば、更新プログラムの送受信を行う。無線通信部20bは、後述する更新部46がプログラムを更新したら、更新プログラムを他の電子機器に送信する。無線通信部20bは、例えば、近距離無線通信を実行する機能を有していてもよいし、長距離無線通信を実行する機能を有していてもよい。通信部20は、通信回路などで構成される。
【0019】
操作部22は、電子機器14に対する各種の入力操作を受け付ける。操作部22は、受付けた入力操作に応じた入力信号を制御部30に出力する。操作部22は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、マイク、PTT(Push tо Talk)ボタンなどを含む。
【0020】
出力部24は、各種のデータを出力する。出力部24は、例えば、更新プログラムのダウンロードやインストールの実行情報を表示する。出力部24は、例えば、他の電子機器14のユーザの音声を出力する。出力部24は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイやスピーカーを含む。
【0021】
記憶部26は、各種の情報を記憶している。記憶部26は、電子機器14の情報を記憶する。記憶部26は、例えば、電子機器14のID(IDentifier)を記憶する。電子機器14のIDには、電子機器14毎に付与されるID(端末ID)と電子機器14が属するグループに付与されるID、つまり、グループ毎のID(グループID)とを含む。記憶部26は、復号する復号ファイルを記憶する。記憶部26は、制御部30の演算内容及びプログラム等の情報を記憶する。記憶部26は、外部装置12に保存されている更新プログラムを記憶する。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つを含む。
【0022】
制御部30は、電子機器14の各部を制御する。制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAMまたはROMなどの記憶装置とを有する。制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部30は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0023】
制御部30は、処理部40と、取得部42と、判定部44と、更新部46と、出力制御部48とを備える。
【0024】
処理部40は、電子機器14の各種処理を実行する。処理部40は、例えば、外部装置12が接続されたかを判定する。処理部40は、電子機器14に対する外部装置12の接続が検出されたら、更新プログラムを実行するかをユーザに確認処理を行う。処理部40は、例えば、更新プログラムが暗号化されていた場合、復号処理を行う。処理部40は、記憶部26から復号ファイルを読み出して、暗号化されている更新プログラムを復号する。処理部40は、例えば、電子機器14に備えられているアップデート機能を立ち上げる。また、処理部40は、ユーザに対するメッセージを生成してもよい。例えば、処理部40は、電子機器14に接続された外部装置12の更新プログラムが適合していなかった場合、更新プログラムが不適合である旨のメッセージを生成する。
【0025】
取得部42は、電子機器14の更新プログラムを取得する。取得部42は、自電子機器が属するグループの更新プログラムが保存された外部装置12が通信部20の接続部20aに接続されたら、外部装置12から更新プログラムを取得する。取得部42は、取得した更新プログラムを記憶部26に出力する。
【0026】
判定部44は、電子機器14の各種判定処理を行う。判定部44は、例えば、電子機器14の制御部30が動作するためのプログラムを更新するかを判定する。判定部44は、例えば、電子機器14の通信部20で更新プログラムを取得したか否かを判定する。判定部44は、例えば、電子機器14のプログラムを更新済みか否かを判定する。また、判定部44は、例えば、電子機器14の通信頻度を判定する。
【0027】
更新部46は、更新プログラムにより電子機器14のプログラムを更新する。更新部46は、判定部44が、電子機器14のプログラムが更新されていないと判定した場合、外部装置12から通信部20で取得した更新プログラムにより現在のプログラムを更新する。更新部46は、判定部44が、電子機器14のプログラムが更新されていないと判定した場合、電子機器14が他の電子機器から通信部20で受信した更新プログラムにより現在のプログラムを更新する。更新部46は、更新プログラムを更新前のプログラムに上書きすることで、現在のプログラムを更新する。更新部46は、更新プログラムで電子機器14のプログラムを更新した後は、同一の更新プログラムを取得したとしても、プログラムを更新しない。
【0028】
出力制御部48は、電子機器14の各種データを出力部24に出力する。出力制御部48は、例えば、他の電子機器と通信部20で無線通信して受信したユーザの音声データを出力し出力部24に音声を出力させる。出力制御部48は、電子機器14の更新プログラムの更新の進行状況等を出力部24に表示させる。
【0029】
(通信処理)
次に、第1実施形態に係る電子機器14の通信処理について説明する。図3は、第1実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図3は、簡単のため電子機器14aが外部装置12から更新プログラムAを取得する例を示すが、電子機器14b又は電子機器14cのいずれか1台が外部装置12から更新プログラムAを取得してもよい。
【0030】
図3では、電子機器14aは、外部装置12が接続され、外部装置12から更新プログラムを取得する電子機器である。電子機器14b及び電子機器14cは、更新プログラムを無線通信で受信する電子機器である。
【0031】
電子機器14aの取得部42は、外部装置12から更新プログラムAを取得する(ステップS10)。なお、取得した更新プログラムAが暗号化されていた場合、電子機器14aの処理部40は、更新プログラムAを復号処理する。
【0032】
電子機器14aの更新部46は、更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新する(ステップS12)。電子機器14aの更新部46は、電子機器14aの取得部42が取得した更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを上書きして自動更新する。
【0033】
電子機器14aの通信部20は、更新プログラムAを同じグループAに属する他の電子機器に送信する(ステップS14)。無線通信の信号には、例えば、通信の宛先を示す端末IDやグループIDの情報が含まれており、無線通信の信号を受信した電子機器14は自身に宛てられて送信された信号であるかを判断する。具体的には、電子機器14aの通信部20は、更新プログラムAを電子機器14b及び電子機器14cに送信するために、宛先としてグループAのグループIDの情報を含む信号を送信する。
【0034】
電子機器14bの通信部20は、電子機器14aから送信された更新プログラムAを受信する(ステップS16)。図3に示す例では、電子機器14cは、障害物や妨害信号などで電波の不調により電子機器14aから更新プログラムAを受信できない状態である。
【0035】
電子機器14bの更新部46は、電子機器14aから受信した更新プログラムAでプログラムを更新する(ステップS18)。電子機器14bの更新部46は、電子機器14bの通信部20が電子機器14aから受信した更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを上書きして更新する。
【0036】
電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAを同じグループAに属する他の電子機器に送信する(ステップS20)。具体的には、電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAを電子機器14a及び電子機器14cに送信するために、宛先としてグループAのグループIDの情報を含む信号を送信する。
【0037】
電子機器14aの通信部20は、電子機器14bから送信された更新プログラムAを受信する(ステップS22)。
【0038】
電子機器14aの更新部46は、電子機器14aのプログラムを更新しない(ステップS24)。電子機器14aの更新部46は、既に更新プログラムAでプログラムを更新しているため、電子機器14bから受信した更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新しない。
【0039】
電子機器14aの通信部20は、更新プログラムAを他の電子機器に送信しない(ステップS26)。具体的には、電子機器14aの通信部20は、既に更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新しているため、更新プログラムAを同じグループAの電子機器14b及び電子機器14cに送信しない。
【0040】
電子機器14cの通信部20は、電子機器14bから送信された更新プログラムAを受信する(ステップS28)。
【0041】
電子機器14cの更新部46は、更新プログラムAで電子機器14cのプログラムを更新する(ステップS30)。電子機器14cの更新部46は、通信部20が電子機器14bから受信した更新プログラムAで電子機器14cのプログラムを上書きして更新する。
【0042】
電子機器14cの通信部20は、更新プログラムAを他の電子機器に送信する(ステップS32)。具体的には、電子機器14cの通信部20は、更新プログラムAを同じグループAの電子機器14a及び電子機器14bに送信する。
【0043】
電子機器14bは、更新プログラムAを受信する(ステップS34)。電子機器14bの通信部20は、電子機器14cから送信された更新プログラムAを受信する。図3に示す例では、電子機器14aは、電波の不調などにより電子機器14cから更新プログラムAを受信できない状態である。
【0044】
電子機器14bの更新部46は、電子機器14bのプログラムを更新しない(ステップS36)。電子機器14bの更新部46は、既に更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを更新しているため、電子機器14cから受信した更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを更新しない。
【0045】
電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAを他の電子機器に送信しない(ステップS38)。具体的には、電子機器14bの通信部20は、既に更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを更新しているため、更新プログラムAを同じグループAの電子機器14a及び電子機器14cに送信しない。
【0046】
(電子機器の処理)
次に、第1実施形態に係る電子機器14の処理について説明する。
【0047】
まず、更新プログラムを外部装置12から取得する電子機器14aの処理について説明する。図4は、第1実施形態に係る更新プログラムを取得する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
処理部40は、外部装置12が接続され、外部装置12に記憶された更新プログラムAを検出する(ステップS100)。
【0049】
処理部40は、外部装置12の更新プログラムAを実行するかを判断する(ステップS102)。詳しくは、処理部40は、ユーザに対して、外部装置12の更新プログラムAを実行するかの確認処理を行う。処理部40は、例えば、出力部24でユーザに対して、更新プログラムAを実行するか確認する旨のメッセージを表示する。
【0050】
処理部40は、外部装置12の更新プログラムAを実行しない場合、つまり、ユーザが更新プログラムAを実行しないことを選択した場合(ステップS102;No)、ユーザの指示に従った処理を行い(ステップS104)、外部装置12の更新プログラムAについての処理を終了する。ユーザの指示に従った処理は、例えば外部装置12が接続される前の処理が挙げられる。
【0051】
処理部40は、外部装置12の更新プログラムAを実行する場合、つまり、ユーザが更新プログラムAを実行することを選択した場合(ステップS102;Yes)、更新プログラムAを復号する(ステップS106)。なお、処理部40は、更新プログラムAが暗号化されていない場合には、ステップS108の処理を行う。
【0052】
取得部42は、復号化された更新プログラムAを取得する(ステップS108)。取得部42は、更新プログラムAを電子機器14aの記憶部26に出力する。
【0053】
判定部44は、電子機器14aのプログラムを更新するかを判定する(ステップS110)。判定部44は、外部装置12に保存されている更新プログラムAが適合するか、つまり、外部装置12に保存されている更新プログラムAが有効であるか否かを判定することで電子機器14aのプログラムを更新するかを判定する。
【0054】
判定部44は、電子機器14aのプログラムを更新しないと判定した場合(ステップS110;No)、処理部40は、電子機器14aのプログラムを更新しない旨のメッセージ生成し、出力部24に表示して(ステップS112)、処理を終了する。処理部40が生成するメッセージは、例えば「不適合な更新プログラム」などであってよい。電子機器14aのプログラムを更新しない場合とは、例えば復号処理を行った場合に、更新プログラムAが無効である場合が挙げられる。
【0055】
判定部44は、電子機器14aのプログラムを更新すると判定した場合(ステップS110;Yes)、更新部46は、電子機器14aのプログラムを上書きして自動更新する(ステップS114)。このときに、処理部40は、電子機器14aに備えられているアップデート機能を立ち上げる。
【0056】
通信部20は、無線通信部20bで更新プログラムAを他の電子機器に送信する(ステップS116)。詳しくは、通信部20は、記憶部26から更新プログラムAを読み出して、同じグループAに属する他の電子機器に無線通信で送信する。通信部20は、他の電子機器が記憶しているグループIDを宛先に、更新プログラムAを送信する。通信部20は、例えば電子機器14aと同じグループID(第1グループのID)を記憶している電子機器14b及び電子機器14cに更新プログラムAを送信する。なお、通信部20は、端末IDを基に、他の電子機器に更新プログラムAを送信してもよい。
【0057】
判定部44は、通信部20が無線通信部20bで更新プログラムAを受信したかを判定する(ステップS118)。判定部44は、通信部20が更新プログラムAを受信していないと判定した場合(ステップS118;No)処理を終了する。
【0058】
判定部44は、通信部20が無線通信部20bで更新プログラムAを受信したと判定した場合(ステップS118;Yes)、更新部46は、プログラムを更新せず(ステップS120)、かつ通信部20は、無線通信部20bで更新プログラムAを他の電子機器に送信しないで(ステップS122)、処理を終了する。
【0059】
次に、外部装置12が接続されず、更新プログラムを通信部20の無線通信部20bで受信する電子機器14b及び電子機器14cの処理について説明する。電子機器14b及び電子機器14cは、同様の処理を行う。本開示では、電子機器14bについて、説明する。図5は、第1実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
通信部20は、電子機器14aから送信された更新プログラムAを受信する(ステップS200)。このときに、処理部40は、通信部20の無線通信部20bで受信したデータが更新プログラムであった場合、電子機器14bに備えられているアップデート機能を立ち上げる。
【0061】
判定部44は、電子機器14bが現在使用しているプログラムが更新プログラムAで更新済みであるかを判定する(ステップS202)。判定部44は、電子機器14bのプログラムが更新プログラムAで更新済みでないと判定した場合(ステップS202;No)、ステップS204の処理に進む。ステップS204及びステップS206の処理は、電子機器14aが実行する図4のステップS114及びステップS116と同様の処理なので説明を省略する。
【0062】
判定部44は電子機器14bのプログラムが更新プログラムAで更新済みであると判定した場合(ステップS202;Yes)、ステップS208の処理に進む。ステップS208及びステップS210の処理は、電子機器14aが実行する図4のステップS120及びステップS122と同様の処理なので説明を省略する。
【0063】
上述したように、本開示では、電子機器(例えば電子機器14b)は、プログラムを更新した後に、同じグループの他の電子機器に更新プログラムを送信する。そのため、既にプログラムを更新した電子機器(例えば電子機器14a)は、再度同じ更新プログラムを受信することとなる。この場合には、更新や送信の処理を行わない。これにより、様々な位置にいる電子機器から更新プログラムが転送されるので、例えば、電子機器14aが送信した電波が届かない位置にいる電子機器14cも、電波が届く位置にいる電子機器14bから更新プログラムを受信でき、グループに属するすべての電子機器が順次更新処理を終了できる。
【0064】
以上述べたように、第1実施形態に係る電子機器14は、グループAに属している、いずれか1台の電子機器(本開示では、電子機器14a)が外部装置12から更新プログラムAを取得して、取得した更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新する。そして、電子機器14aは、電子機器14aのプログラムを更新プログラムAで更新した後に、グループAに属する他の電子機器14b及び14cに更新プログラムAを送信する。電子機器14b及び電子機器14cは、電子機器14aから更新プログラムを直接または間接的に受信し、受信した更新プログラムAでプログラムを更新した後に、グループAに属する他の電子機器14に更新プログラムを送信する。そのため、外部装置12を1台の電子機器に接続することで、グループに属する電子機器のプログラムを更新することができる。つまり、電子機器ごとに外部装置12を接続する手間を省略できる。
【0065】
また、電子機器(本開示では電子機器14b)は、他の電子機器のプログラムの更新が完了しているかにかかわらず、更新プログラムを送信(転送)する。そのため、電子機器(本開示では電子機器14c)が1回目(電子機器14aによる更新プログラムAの送信)で更新プログラムを受信できなくても、電子機器14bによる更新プログラムAの転送で更新プログラムAを受信する。このため、電子機器14cは、1回目で更新プログラムを受信できなくても、更新プログラムAを受信し、プログラムを更新できる。
【0066】
また、第1実施形態に係る電子機器は、他の電子機器のプログラムの更新が完了しているかに関わらず、更新プログラムAを送信(転送)する。このため、電子機器のプログラムを更新プログラムAで更新したあとでも更新プログラムAを再度受信する。この場合、電子機器は、再度受信した更新プログラムAでプログラムを更新せず、更新プログラムAを他の電子機器に転送しない。これにより、更新プログラムAで電子機器のプログラムの更新を完了した電子機器から順次処理を終了するので、更新プログラムAの転送が無限に繰り返されない。
【0067】
[第2実施形態]
図6から図8を用いて、本実施形態に係る通信システム1Aについて説明する。図6は、第2実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。図7は、第2実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。図8は、第2実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、第1実施形態の通信システム1と同様の構成要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2実施形態では、通信システム1Aの基本的な構成は第1実施形態の通信システム1と同様であり、電子機器14が複数のグループに属している点が第1実施形態と異なる。
【0068】
(通信システム)
通信システム1Aは、管理装置10と外部装置12と電子機器14aと、電子機器14bと、電子機器14cとを含む。具体的には、通信システム1Aは、電子機器14aと電子機器14bとがグループAに属し、電子機器14bと電子機器14cとがグループBに属する点で、図1に示す通信システム1と異なる。つまり、電子機器14bは、グループAとグループBの2つのグループに属する。グループは、2つ以上のグループであってよい。例えば、電子機器14bは、グループC、グループDにも属していてもよい。グループBは、第2グループである。
【0069】
電子機器14aは、外部装置12から取得した更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新すると、グループA及びグループBに属する電子機器14bに更新プログラムAを送信する。電子機器14bは、電子機器14aから受信した更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを自動で更新し、更新プログラムAをグループBに属する電子機器14cに送信する。このとき、電子機器14bは、更新プログラムAをグループAに属する他の電子機器14に送信してもよい。電子機器14cは、電子機器14bから更新プログラムAを受信したら、その更新プログラムで電子機器14cを自動更新し、グループBに属する他の電子機器に送信する。すなわち、通信システム1Aは、1台の電子機器のプログラムを更新することで、異なるグループに属する電子機器にプログラムを送信でき、その電子機器のプログラムを自動で更新することのできるシステムである。ただし、通信システム1Aは、グループBに属する電子機器14が、外部装置12からグループBに属する電子機器に対応する更新プログラムBを取得し、送受信されていないものとする。
【0070】
なお、更新プログラムAは、グループAに属する電子機器に対応する更新プログラムAであるが、グループBに属する電子機器に対応するプログラムを含んでいてもよい。すなわち、更新プログラムAは、グループAに属する電子機器とグループBに属する電子機器とに共通する更新プログラムを含んでいてもよい。これにより、1台の電子機器を更新することで、他の電子機器が異なるグループに属していても、グループに共通する更新プログラムによって、異なるグループに属する電子機器のプログラムを更新できる。
【0071】
(通信処理)
図7を用いて、第2実施形態に係る電子機器14の通信処理について説明する。なお、図7は、電子機器14aが外部装置12から更新プログラムAを取得する例を示す。
【0072】
図7では、電子機器14aは、外部装置12が接続され、外部装置12から更新プログラムを取得する電子機器である。電子機器14b及び電子機器14cは、更新プログラムを受信する電子機器である。
【0073】
ステップS10、ステップS12及びステップS50は、図3のステップS10、S12及びステップS14と同様の処理なので、説明を省略する。なお、ステップS50において、電子機器14cは第2グループだけに属しているため、電子機器14aの通信部20が送信した更新プログラムAを受信しない。ステップS52は、図3のステップS16と同様の処理なので、説明を省略する。
【0074】
電子機器14bの判定部44は、所定の期間内に更新プログラムを受信していないと判定する(ステップS54)。電子機器14bの判定部44は、電子機器14bが更新プログラムAを受信してから所定の期間内にグループBに属する電子機器に対応する更新プログラムBを受信していないと判定する。本開示においては、所定の期間は、グループに属するすべての電子機器が順次更新プログラムを受信するまでの時間を考慮し、1日から3日間程度である。つまり、電子機器14bは、3日間のうちに更新プログラムBを受信していない。なお、図示しないが、このとき、グループBに属する電子機器(電子機器14c)の処理部40は、グループAの更新プログラムで電子機器14cのプログラムを更新できるように処理を切り替えてもよい。例えば、電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAを受信したが更新プログラムBを受信していない旨の情報を電子機器14cに送信する。電子機器14cの処理部40は、電子機器14bから送信された更新プログラムAを受信したが更新プログラムBを受信していない旨の情報に基づいて、処理を切り替える。これにより、異なるグループに属する電子機器14は、他のグループの更新プログラムを受信してもその更新プログラムで電子機器14のプログラムを更新することが可能となる。
【0075】
ステップS56及びステップS58は、図3のステップS18及びステップS20と同様の処理なので、説明を省略する。なお、ステップS58において、電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAをグループBのグループメンバ(他の電子機器)に送信する。
【0076】
ステップS60~ステップS64は、図3のステップS28~ステップS32と同様の処理なので、説明を省略する。なお、ステップS64において、電子機器14cの通信部20は、更新プログラムAをグループBのグループメンバに転送している。
【0077】
ステップS66~ステップS70は、図3のステップS34~ステップS38と同様の処理なので、説明を省略する。なお、ステップS70において、電子機器14bの通信部20は、更新プログラムAをグループBのグループメンバ(他の電子機器)、及びグループAのグループメンバ(他の電子機器)に送信しない。
【0078】
(電子機器の処理)
次に、第2実施形態に係る電子機器14の処理について説明する。なお、電子機器14aの処理は、図4のステップ100~ステップS122と同じ処理なので、説明を省略する。
【0079】
図8を用いて電子機器14bの処理を説明する。図8におけるステップS400の処理は、図5のステップS200と同様の処理なので、説明を省略する。
【0080】
電子機器14bの判定部44は、更新プログラムAを受信してから所定の期間内に更新プログラムBを受信していないと判定する(ステップS402)。電子機器14bの判定部44は、所定の期間内にグループBに属する他の電子機器(例えば電子機器14c)からグループBの更新プログラムBを通信部20が受信していないと判定する。
【0081】
ステップS404は、図5のステップS202と同様の処理なので、説明を省略する。
【0082】
電子機器14bの更新部46は、更新プログラムAで電子機器14bのプログラムを更新する(ステップS406)。電子機器14bの更新部46は、電子機器14bのプログラムを上書きして自動更新する。電子機器14bの更新部46は、電子機器14bが通信部20で電子機器14bが属するグループA内の他の電子機器から更新プログラムAを受信した場合、受信した更新プログラムAで自動更新する。このときに、処理部40は、電子機器14bに備えられているアップデート機能を立ち上げる。
【0083】
ステップS408~ステップS412は、更新プログラムAの送信先が異なるだけで図5のステップS206~S210と同様の処理なので、説明を省略する。なお、第2実施形態においては、電子機器14bによる更新プログラムAの送信先は、自身が属するグループであり、グループBの他の電子機器である。なお、電子機器14bは、グループAにも属しているため、更新プログラムAをグループAの他の電子機器にも送信してもよい。
【0084】
図は省略するが、電子機器14cは、電子機器14bから更新プログラムを受信し、図8のステップS400~ステップS410の処理を行い、処理を終了する。
【0085】
以上説明したように、第2実施形態に係る電子機器14は、複数のグループに属している。第2実施形態では、電子機器14bは、2つのグループに属している。そのため、グループBの更新プログラムBを受信しない場合、異なるグループに属する電子機器(例えば電子機器14c)は、電子機器14bを介して更新プログラムAを受信できる。そして、電子機器14cは、電子機器14cの処理部40が更新プログラムAで更新できるように処理を切り替えることで、電子機器14cも更新プログラムAで電子機器14cのプログラムを更新することができる。また、電子機器14bが複数のグループに属していることで、電子機器14aは、更新プログラムAを他のグループである電子機器14cにも送ることができる。そのため、外部装置12を1台の電子機器に接続することで、複数のグループ間でグループを超えて電子機器のプログラムを更新することができる。つまり、グループごとの電子機器に外部装置12を接続する手間を省略できる。
【0086】
[第3実施形態]
図9から図12を用いて、本実施形態に係る通信システム1Bについて説明する。図9は、第3実施形態に係る通信システムの構成を説明するための図である。図10は、第3実施形態に係る電子機器の通信処理の一例を示すシーケンス図である。図11は、第3実施形態に係る更新プログラムを取得する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12は、第3実施形態に係る更新プログラムを受信する電子機器の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、上記実施形態の通信システムと同様の構成要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第3実施形態では、通信システム1Bの基本的な構成は第2実施形態の通信システム1Aと同様であり、電子機器14cが外部装置12Bから更新プログラムを取得する点が異なる。
【0087】
(通信システム)
通信システム1Bは、管理装置10と管理装置10Bと外部装置12と外部装置12Bと電子機器14aと、電子機器14bと、電子機器14cとを含む。通信システム1Bは、電子機器14の更新プログラムが保存された外部装置12及び外部装置12Bがそれぞれ電子機器14a及び電子機器14cに接続される点で、図6に示す通信システム1Aと異なる。電子機器14aは、外部装置12から更新プログラムAを取得する。電子機器14cは、外部装置12Bから更新プログラムBを取得する。電子機器14aは、取得した更新プログラムAで電子機器14aのプログラムを更新する。電子機器14cは、取得した更新プログラムBで電子機器14cのプログラムを更新する。電子機器14aは、更新プログラムAをグループAのグループメンバ(他の電子機器)に送信する。電子機器14cは、更新プログラムBをグループBのグループメンバ(他の電子機器)に送信する。すなわち、電子機器14bは、更新プログラムAと更新プログラムBを受信する。電子機器14bは、複数のプログラムを受信したら、条件を満たす更新プログラムで電子機器14bのプログラムを自動更新する。すなわち、通信システム1Bは、1台の電子機器のプログラムを更新することで、グループに属する残りの電子機器のプログラムを自動で更新することのできるシステムである。
【0088】
(通信処理)
図10を用いて、第3実施形態に係る電子機器14の通信処理について説明する。
【0089】
図10では、電子機器14a及び電子機器14cは、外部装置12が接続され、それぞれ外部装置12及び外部装置12Bから更新プログラムを取得する電子機器である。電子機器14bは、更新プログラムを無線通信で受信する電子機器である。
【0090】
ステップS10及びステップS12、ステップS50及びステップS52は、図8と同様の処理なので、説明を省略する。
【0091】
電子機器14cの取得部42は、外部装置12Bから更新プログラムBを取得する(ステップS72)。なお、取得した更新プログラムBが暗号化されていた場合、電子機器14cの処理部40は、更新プログラムBを復号処理する。
【0092】
電子機器14cの更新部46は、更新プログラムBで電子機器14cのプログラムを更新する(ステップS74)。電子機器14cの更新部46は、電子機器14cの取得部42が取得した更新プログラムBで電子機器14cのプログラムを上書きして自動更新する。
【0093】
電子機器14cの通信部20は、更新プログラムBを他の電子機器に送信する(ステップS76)。具体的には、電子機器14cの通信部20は、電子機器14cの更新部46がプログラムを更新したら、更新プログラムBをグループBのグループメンバ(電子機器14b)に送信する。
【0094】
電子機器14bの通信部20は、電子機器14cから送信された更新プログラムBを受信する(ステップS78)。
【0095】
電子機器14bの判定部44は、所定時間内に複数の更新プログラムを受信したと判定する(ステップS80)。具体的には、更新プログラムAを受信してから所定時間内に更新プログラムBを受信したと判定する。
【0096】
電子機器14bの判定部44は、条件を判定する(ステップS82)。例えば、判定する条件は、複数のグループに属する電子機器がそれぞれのグループの電子機器と通信した通信回数(頻度)であり、所定の過去の期間、例えば、過去1週間に通信頻度の多かったグループを条件に合致すると判定する。図12に示す例では、電子機器14bの判定部44は、電子機器14bの通信頻度を比較する。電子機器14bの判定部44は、例えば、電子機器14bがグループAに属する他の電子機器と通信する回数よりも、グループBに属する他の電子機器と通信する回数の方が多いと判定し、グループBを選択する。このとき、電子機器bの処理部40は、条件を満たしたグループBの更新プログラムBで電子機器14bのプログラムを更新できるように処理を切り替える。所定の条件は、通信頻度に限定されない。例えば、出力部24に複数の更新プログラムを受信したことを表示し、ユーザが操作部22を操作して選択した更新プログラムを条件に合致する更新プログラムとしてもよい。例えば、更新プログラムを受信した順番を判定の条件としてもよく、これらに限定されない。
【0097】
電子機器14bの更新部46は、更新プログラムBで電子機器14bのプログラムを更新する(ステップS84)。電子機器14bの更新部46は、電子機器14bの判定部44の判定結果に基づき、電子機器14bの通信部20が電子機器14cから受信した更新プログラムBで電子機器14bのプログラムを更新する。
【0098】
電子機器14bの通信部20は、更新プログラムB(条件を満たしたプログラム)を第2グループBの他の電子機器に送信する(ステップS86)。具体的に電子機器14bの通信部20は、電子機器14bのプログラムを更新したら、更新プログラムBをグループBに宛てて、すなわち、電子機器14cに送信する。なお、プログラムの更新に用いなかった更新プログラムAをグループAの電子機器に宛てて送信してもよい。
【0099】
電子機器14cの通信部20は、電子機器14bから送信された更新プログラムBを受信する(ステップS88)。
【0100】
電子機器14cの更新部46は、電子機器14cのプログラムを更新しない(ステップS90)。電子機器14cは、既に更新プログラムBで電子機器14cのプログラムを更新しているため、電子機器14bから受信した更新プログラムBでプログラムを更新しない。
【0101】
電子機器14cの通信部20は、更新プログラムBを他の電子機器に送信しない(ステップS92)。電子機器14cの通信部20は、既に更新プログラムBでプログラムを更新しているため、電子機器14bから受信した更新プログラムBをグループBのグループメンバに送信しない。すなわち、プログラムの更新に用いたか否かに関わらず、過去に一度受信した更新プログラムと同一の更新プログラムを再度受信した場合は、同一の更新プログラムによるプログラムの更新はせず、同一の更新プログラムを他の電子機器に送信しないようにする。
【0102】
(電子機器の処理)
次に、第3実施形態に係る電子機器の処理について説明する。
【0103】
まず、図11を用いて更新プログラムを取得する電子機器14cの処理について説明する。なお、電子機器14aの処理は、図4と同じ処理なので、説明を省略する。
【0104】
処理部40は、外部装置12Bの接続を検出する(ステップS600)。
【0105】
処理部40は、外部装置12Bの更新プログラムBを実行するかを判断する(ステップS602)。詳しくは、処理部40は、ユーザに対して、外部装置12Bの更新プログラムBを実行するかの確認処理を行う。処理部40は、例えば、出力部24でユーザに対して、更新プログラムBを実行するか確認する旨のメッセージを表示する。
【0106】
処理部40は、外部装置12Bの更新プログラムBを実行しない場合、つまり、ユーザが更新プログラムBを実行しないことを選択した場合(ステップS602;No)、ユーザの指示に従った処理を行い(ステップS604)、外部装置12Bの更新プログラムBについての処理を終了する。ユーザの指示に従った処理は、例えば外部装置12Bが挿入される前の処理を継続することが挙げられる。
【0107】
処理部40は、外部装置12Bの更新プログラムBを実行する場合、つまり、ユーザが更新プログラムBを実行することを選択した場合(ステップS602;Yes)、更新プログラムBを復号する(ステップS606)。なお、処理部40は、更新プログラムBが暗号化されていない場合には、ステップS608の処理を行う。
【0108】
取得部42は、外部装置12Bから更新プログラムBを取得する(ステップS608)。取得部42は、更新プログラムBを電子機器14cの記憶部26に出力する。
【0109】
判定部44は、電子機器14cのプログラムを更新するかを判定する(ステップS610)。判定部44は、外部装置12Bに保存されている更新プログラムBが適合するか、つまり、外部装置12Bに保存されている更新プログラムBが有効であるか否かを判定することで電子機器14cのプログラムを更新するかを判定する。
【0110】
判定部44は、電子機器14cのプログラムを更新しないと判定した場合(ステップS610;No)、処理部40は、電子機器14cのプログラムを更新しない旨のメッセージ生成し、出力部24に表示して(ステップS612)、処理を終了する。電子機器14cの処理部40が生成するメッセージは、例えば「不適合な更新プログラム」などであってよい。電子機器14cのプログラムを更新しない場合とは、例えば復号処理を行った場合に、更新プログラムBが無効である場合が挙げられる。
【0111】
判定部44は、電子機器14cのプログラムを更新すると判定した場合(ステップS610;Yes)、更新部46は、電子機器14cのプログラムを上書きして自動更新する(ステップS614)。このときに、処理部40は、電子機器14cに備えられているアップデート機能を立ち上げる。
【0112】
通信部20は、無線通信部で更新プログラムBを他の電子機器に送信する(ステップS616)。詳しくは、通信部20は、電子機器14cの記憶部26から更新プログラムBを読み出して、同じグループBに属する他の電子機器に送信する。通信部20は、他の電子機器が記憶しているグループIDを宛先に、更新プログラムBを送信する。通信部20は、例えば電子機器14cと同じグループID(第2グループのID)を記憶している電子機器14bに更新プログラムBを送信する。なお、通信部20は、端末IDを宛先に、他の電子機器に更新プログラムBを送信してもよい。
【0113】
判定部44は、電子機器14cの通信部20が更新プログラムBを受信したかを判定する(ステップS618)。判定部44は、通信部20が更新プログラムBを受信していないと判定した場合(ステップS618;No)、処理を終了する。
【0114】
判定部44は、通信部20が更新プログラムBを受信したと判定した場合(ステップS618;Yes)、更新部46は、プログラムを更新せず(ステップS620)、かつ通信部20は、更新プログラムBを他の電子機器に送信しないで(ステップS622)、処理を終了する。
【0115】
次に、図12を用いて更新プログラムを受信する電子機器14bの処理について説明する。
【0116】
図12におけるステップS700は、図5のステップS200と同様の処理なので説明を省略する。
【0117】
通信部20は、グループBの更新プログラムBを受信する(ステップS702)。通信部20は、電子機器14cから送信された更新プログラムBを受信する。
【0118】
判定部44は、所定の期間内に複数の更新プログラムを受信したと判定する(ステップS704)。判定部44は、電子機器14bが所定の期間内に複数の更新プログラムを受信したと判定する。具体的には、判定部44は、通信部20が更新プログラムAを受信してから所定の期間内に更新プログラムBを受信したと判定する。
【0119】
判定部44は、条件を判定する(ステップS706)。判定部44は、受信した複数の更新プログラムのうち、どの更新プログラムで更新するかの条件を判定する。ここでの条件は、通信頻度や受信した順番等が挙げられる。例えば、判定部44は、自身が属する複数のグループに対する通信頻度を判定する。または、判定部44は、電子機器14bがどの更新プログラムを1番早く受信したかを判定する。さらには、判定部44は、出力部24を介して、電子機器14bのユーザにどの更新プログラムで更新するかを判定させてもよい。本実施形態では、判定部44は、電子機器14bが所定の過去の期間においてグループAよりもグループBの電子機器との通信回数(通信頻度)が多く更新プログラムBが条件に合致すると判定する。
【0120】
ステップS708は、更新プログラムBが条件を満たした更新プログラムとなるだけで、図5のステップS202と同様の処理なので、説明を省略する。
【0121】
更新部46は、条件を満たした更新プログラムで電子機器14bのプログラムを更新する(ステップS710)。更新部46は、条件を満たした更新プログラムBで電子機器14bのプログラムを上書きして自動更新する。更新部46は、通信部20で、電子機器14bが所定の期間内にグループAに対応する更新プログラムAおよびグループBに対応する更新プログラムBを受信した場合、所定の条件を満たした更新プログラムで電子機器14bのプログラムを更新する。更新部46は、例えば、通信頻度が多いグループの方の更新プログラムでプログラムを更新する。また、例えば、更新部46は、通信部20が1番早く受信した更新プログラムで更新する。また、例えば、更新部46は、ユーザが選択した更新プログラムで更新する。本実施形態では、更新部46は、更新プログラムBで電子機器14bのプログラムを更新する。このときに、処理部40は、電子機器14bに備えられているアップデート機能を立ち上げる。
【0122】
通信部20は、条件を満たした更新プログラムをそのグループの他の電子機器に送信する(ステップS712)。詳しくは、通信部20は、記憶部26から条件を満たしたプログラム、すなわち、電子機器14bを更新するのに用いた更新プログラム(本実施形態では、更新プログラムB)をそのグループ(本実施形態では、グループB)の他の電子機器に送信する。ここでのそのグループとは、更新プログラムを送信した電子機器が属するグループを指す。通信部20は、電子機器14bが属する複数のグループからグループBを選択して、グループB(電子機器14c)に宛てて更新プログラムBを送信し、処理を終了する。通信部20は、自電子機器が記憶しているIDを基に、更新プログラムBを送信する。例えば、電子機器14bが送信した更新プログラムの宛先と同じグループID(グループBのID)を記憶している電子機器14cが更新プログラムBを受信する。なお、通信部20は、端末IDを基に他の電子機器に条件を満たした更新プログラムを送信してもよい。
【0123】
判定部44は、通信部20が条件を満たした更新プログラムで更新済みであると判定した場合(ステップS708;Yes)、更新部46は、プログラムを更新せず(ステップS714)、かつ通信部20は、条件を満たした更新プログラムをそのグループの他の電子機器に送信しないで(ステップS716)、処理を終了する。
【0124】
以上説明したように、第3実施形態では、複数のグループに属した電子機器(電子機器14b)が複数の更新プログラムを受信する。このとき、電子機器14bは、条件を満たした更新プログラムで電子機器14bのプログラムを更新する。電子機器14bは、条件を満たした更新プログラムで電子機器14bのプログラムを更新したら、その更新プログラムが対応するグループに属する他の電子機器(電子機器14c)にだけ送信する。また、電子機器14aは、更新プログラムAで更新されるが、更新プログラムAは電子機器14cに送信しない。一方、電子機器14aは、更新プログラムAを電子機器14bに送信する。つまり、更新プログラムをグループA内にだけに送信するように制御できる。また、電子機器14cは、更新プログラムBで更新されるが、更新プログラムBは電子機器14aに送信しない。一方、電子機器14cは、更新プログラムBを電子機器14bに送信する。つまり、更新プログラムをグループB内にだけに送信するように制御できる。すなわち、それぞれのグループを代表する1台の電子機器14に、それぞれのグループに対応した更新プログラムを記憶した外部装置12を接続することで、更新プログラムを送信する範囲を制御できるともいえる。
【0125】
[他の例]
上記実施形態では、複数の更新プログラムを受信した場合、更新に用いた更新プログラムを他の電子機器に送信していた。例えば、電子機器14bは、所定の期間内に更新プログラムA及び更新プログラムBを受信し、更新プログラムBでプログラムを更新した場合、電子機器14bは、更新に用いた更新プログラムBを電子機器14cに送信していた。他の例では、電子機器14bは、更新に用いていない更新プログラムAをグループAに属する他の電子機器に送信する。つまり、他の例では、電子機器14bの通信部20は、グループAの電子機器及びグループBの電子機器からそれぞれの更新プログラムを受信した場合、更新に用いていない更新プログラムをその更新プログラムを送信したグループに送信するようにしてもよい。
【0126】
これにより、電子機器14aから更新プログラムAを受信できなかったグループAの他の電子機器は、電子機器14bから送信された更新プログラムAを受信して、プログラムを更新することが可能となる。
【0127】
また、電子機器14は、更新プログラムを他の電子機器に送信する際に、同じグループに属する他の電子機器に更新プログラムの更新を受け入れるかの確認を行ってもよい。これにより、プログラムの更新を受け入れた電子機器のみに更新プログラムを送信することが可能となる。また、同じグループに属する全ての電子機器が更新の受入を拒否した場合は、更新プログラムを送信しないことも可能となる。更新プログラムの受入を確認した場合、更新プログラムを送信しようとした電子機器14の出力部24に更新プログラムの受入状況を表示してユーザに通知してもよい。
【0128】
また、複数のグループに属し、複数の更新プログラムを受信した電子機器14は、更新プログラムを他の電子機器に送信する際に、グループごとに更新プログラムの更新を受け入れるかの確認を行ってもよい。これにより、プログラムの更新を受け入れたグループに属する電子機器のみがプログラムを更新することが可能となる。
【0129】
さらに、複数のグループに属する電子機器14は、予めプログラムの更新を受け付けないグループが設定されていてもよい。これにより、電子機器14は、当該グループから送信された更新プログラムを受信する前に対象外とすることができる。すなわち、電子機器14は、必要な更新プログラムだけを受信することが可能となる。
【0130】
<効果>
本実施形態に係る電子機器は、電子機器14のプログラムの更新の有無を判定する判定部44と、判定部44の判定結果に基づき、プログラムを更新プログラムで更新する更新部46と、グループに属する他の電子機器と通信する通信部とを備え、更新部46は、判定部44が、更新プログラムでプログラムが更新されていないと判定した場合、通信部20で外部装置12から取得した更新プログラム、または通信部20で受信した前記更新プログラムによりプログラムを更新し、通信部20は、更新部46がプログラムを更新したら、更新プログラムをグループに属する他の電子機器に送信する。
【0131】
これにより、一の電子機器を選択してプログラムを更新すると、その他の電子機器のプログラムも自動的に更新できる。
【0132】
本実施形態に係る電子機器は、グループAおよびグループBに属し、更新部46は、通信部20で、電子機器が属するグループA内の他の電子機器からのみ更新プログラムAを受信した場合、受信した更新プログラムAでプログラムを更新し、通信部20は、電子機器が属するグループB内の他の電子機器に更新プログラムAを送信する。これにより、グループBに属する電子機器は、電子機器に共通する更新プログラムをグループAに属する電子機器から受信できる。すなわち、電子機器が属するグループが異なっていても、異なるグループに属する電子機器に共通する更新プログラムを送受信することができる。これにより、1台の電子機器を更新プログラムで更新するだけで、異なるグループに属する他の電子機器も更新プログラムを受信してプログラムを更新できる。すなわち、複数の電子機器のプログラムを適切に更新できる。
【0133】
本実施形態に係る電子機器の更新部は、通信部20で、電子機器14が所定の期間にグループAに対応する更新プログラムAおよびグループBに対応する更新プログラムBの両方を受信した場合、所定の条件を満たした更新プログラムでプログラムを更新する。これにより、電子機器14は適切な更新プログラムで電子機器のプログラムを更新することができる。
【0134】
本実施形態に係る電子機器の通信部20は、過去に受信した更新プログラムと同一の更新プログラムを受信した場合、同一の更新プログラムを他の電子機器に送信しない。これにより、更新プログラムで電子機器のプログラムの更新を完了した電子機器から順次処理を終了することができるので、更新プログラムの転送が繰り返されない。すなわち、複数の電子機器のプログラムを適切に更新できる。
【0135】
本実施形態に係る電子機器の更新方法は、電子機器14のプログラムの更新の有無を判定するステップと、判定するステップの判定結果に基づき、更新プログラムでプログラムを更新するステップと、グループに属する他の電子機器、及び外部装置12と通信するステップとを含み、更新するステップにおいては、判定するステップで、プログラムが更新されていないと判定した場合において、前記通信するステップで外部装置12から取得した更新プログラム、または他の電子機器から受信した更新プログラムによりプログラムを更新し、通信するステップにおいては、更新ステップでプログラムを更新した更新プログラムをグループに属する他の電子機器に送信する。
【0136】
これにより、一の電子機器を選択してプログラムを更新すると、その他の電子機器のプログラムも自動的に更新できる。すなわち、複数の電子機器のプログラムを適切に更新できる。
【0137】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0138】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0139】
1,1A,1B 通信システム
10,10B 管理装置
12,12B 外部装置
14,14a,14b,14c 電子機器
20 通信部
22 操作部
24 出力部
26 記憶部
30 制御部
40 処理部
42 取得部
44 判定部
46 更新部
48 出力制御部
A 第1グループ
B 第2グループ
図1
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図12