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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099275
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0239 20210101AFI20250626BHJP
【FI】
H01S5/0239
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215809
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂本 晃輝
(72)【発明者】
【氏名】國師 渡
(72)【発明者】
【氏名】富士 和則
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC01
5F173MC02
5F173MD44
5F173MD64
(57)【要約】
【課題】配線設計を容易化しつつ半導体発光装置に搭載可能な半導体発光素子の数の増加にも対応可能とする半導体発光装置を提供すること。
【解決手段】半導体発光装置10は、半導体発光素子30Aと、半導体発光素子30Aを駆動する駆動回路40Aとを含む。駆動回路40Aは、半導体発光素子30Aを制御するスイッチング素子411と、半導体発光素子30Aに電流を供給するキャパシタ421とを含む。半導体発光装置10はさらに、スイッチング素子411とキャパシタ421とが埋め込まれた封止樹脂27と、封止樹脂27に設けられ、半導体発光素子30Aと駆動回路40Aとの導電経路を構成する導電部28とを含む。半導体発光素子30Aは、半導体発光素子30Aの実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子により構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を駆動する駆動回路であって、
前記半導体発光素子を制御するスイッチング素子と、
前記半導体発光素子に電流を供給するキャパシタと
を含む前記駆動回路と、
前記駆動回路の少なくとも一部が埋め込まれた封止樹脂と、
前記封止樹脂に設けられ、前記半導体発光素子と前記駆動回路との導電経路を構成する導電部と、を備え、
前記半導体発光素子は、前記半導体発光素子の実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子により構成されている、半導体発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子は、前記実装面に実装された複数の半導体発光素子のうちの一つであり、前記駆動回路は、前記複数の半導体発光素子のうちの一つ以上を各々駆動する複数の駆動回路のうちの一つである、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記導電部は、前記半導体発光素子の前記実装面を含む第1電極層を含み、
前記複数の半導体発光素子は、前記第1電極層の中央領域に集約配置されている、請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記複数の半導体発光素子は、前記第1電極層の前記中央領域に互いに隣接して行列状に配置されている、請求項3に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子と前記キャパシタとのうちの少なくとも一方が前記封止樹脂に埋め込まれている、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記スイッチング素子と前記キャパシタとのうち少なくとも前記キャパシタが前記封止樹脂に埋め込まれており、
前記キャパシタは、平面視で前記半導体発光素子と重なる位置にて前記封止樹脂に埋め込まれている、請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記キャパシタと前記スイッチング素子との双方が前記封止樹脂内で同一層位置に埋め込まれている、請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記キャパシタは、前記封止樹脂に埋め込まれたシリコンキャパシタであり、
前記スイッチング素子は、前記封止樹脂に埋め込まれた縦型MOSFETである、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記キャパシタは、前記封止樹脂に埋め込まれたシリコンキャパシタであり、
前記スイッチング素子は、前記封止樹脂から露出した前記導電部上に実装された窒化物半導体トランジスタである、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記キャパシタは、前記封止樹脂から露出した前記導電部上に実装されたセラミックキャパシタであり、
前記スイッチング素子は、前記封止樹脂に埋め込まれた縦型MOSFETである、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記光出射素子は、フォトニック結晶面発光レーザ素子または垂直共振器型面発光レーザ素子である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記キャパシタは、前記駆動回路に設けられた複数のキャパシタのうちの1つである、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記スイッチング素子は、前記半導体発光素子と複数のワイヤで接続されている、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記駆動回路における前記スイッチング素子を駆動するゲートドライバをさらに備える請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記半導体発光素子に逆並列に接続された保護ダイオードをさらに備える請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記半導体発光素子および前記駆動回路に電流を供給する電源入力部と前記駆動回路との間に設けられた逆流防止ダイオードをさらに備える請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項17】
前記スイッチング素子と前記キャパシタとの双方が前記封止樹脂に埋め込まれており、
前記半導体発光装置はさらに、前記封止樹脂から露出した前記導電部上に実装された表面実装パッケージを備えており、
前記表面実装パッケージは、
第1ランドを含み、前記第1ランドに実装されたマウント部材を収容可能な第1収容部と、
前記第1収容部と段差状に連なり、前記マウント部材に実装された前記半導体発光素子を収容可能な第2収容部であって、環状の第2ランドを含む前記第2収容部と、
前記表面実装パッケージ内に貫通して設けられ、前記第1ランドに接続された第1端と、前記表面実装パッケージから露出した第2端とを有する第1貫通導体と、
前記表面実装パッケージ内に貫通して設けられ、前記第2ランドに接続された第1端と、前記表面実装パッケージから露出した第2端とを有する第2貫通導体と、
を含む、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項18】
端面発光素子により構成された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を駆動する駆動回路であって、
前記半導体発光素子を制御するスイッチング素子と、
前記半導体発光素子に電流を供給するキャパシタと
を含む前記駆動回路と、
前記駆動回路の一部が埋め込まれた封止樹脂と、
前記封止樹脂に設けられ、前記半導体発光素子と前記駆動回路との導電経路を構成する導電部と、
前記半導体発光素子から出射された光を前記半導体発光素子の実装面に交差する方向に反射する光反射素子と
を備える半導体発光装置。
【請求項19】
前記光反射素子は、ミラーまたは回折格子である、請求項18に記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光装置の一つに、半導体レーザ素子を光源として備える半導体レーザ装置がある。半導体レーザ装置は、様々な電子機器に搭載される光源装置として広く採用されている。特許文献1は、半導体レーザ装置の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-29718号公報
【0004】
[概要]
近年、半導体発光装置のさらなる性能向上が求められており、配線設計を容易化しつつ半導体発光装置に搭載可能な半導体発光素子の数の増加にも容易に対応可能とする構造が求められている。
【0005】
本開示の一態様による半導体発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を駆動する駆動回路と、を含む。前記駆動回路は、前記半導体発光素子を制御するスイッチング素子と、前記半導体発光素子に電流を供給するキャパシタと、を含む。前記半導体発光装置は、前記駆動回路の一部が埋め込まれた前記封止樹脂と、前記封止樹脂に設けられ、前記半導体発光素子と前記駆動回路との導電経路を構成する導電部とをさらに含む。前記半導体発光素子は、前記半導体発光素子の実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子により構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る例示的な半導体発光装置の上層側構造の概略平面図である。
図2図2は、図1の半導体発光装置の部分拡大平面図である。
図3図3は、図1の半導体発光装置の下層側構造の概略平面図である。
図4図4は、図2のF4-F4線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図5図5は、図2のF5-F5線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図6図6は、例示的な半導体発光素子の概略斜視図である。
図7図7は、図1の半導体発光装置を含む例示的な発光システムの概略回路図である。
図8図8は、図1の半導体発光装置の製造方法における例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図9図9は、図8に続く例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図10図10は、図9に続く例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図11図11は、図10に続く例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図12図12は、図11に続く例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図13図13は、図12に続く例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る例示的な半導体発光装置の上層側構造の概略平面図である。
図15図15は、図14の半導体発光装置の下層側構造の概略平面図である。
図16図16は、第3実施形態に係る例示的な半導体発光装置の上層側構造の概略平面図である。
図17図17は、図16の半導体発光装置の部分拡大平面図である。
図18図18は、図16の半導体発光装置の下層側構造の概略平面図である。
図19図19は、図17のF19-F19線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図20図20は、図17のF20-F20線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図21図21は、第4実施形態に係る例示的な半導体発光装置の上層側構造の概略平面図である。
図22図22は、図21の半導体発光装置の部分拡大平面図である。
図23図23は、図21の半導体発光装置の下層側構造の概略平面図である。
図24図24は、図22のF24-F24線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図25図25は、図22のF25-F25線に沿って切断した半導体発光装置の概略断面図である。
図26図26は、半導体発光素子実装用の表面実装パッケージを含む半導体発光装置の概略断面図である。
図27図27は、光反射素子と端面発光素子との組み合わせを用いた別例の半導体発光装置の概略平面図である。
【0007】
[詳細な説明]
以下、添付図面を参照して本開示における半導体発光装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するものに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0008】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0009】
[第1実施形態]
図1図13を参照して第1実施形態の半導体発光装置10について説明する。
図1は、半導体発光装置10の上層側平面構造を示し、図2は、図1の半導体発光装置10の一部(左下領域)の構造を拡大して示したものである。図3は、半導体発光装置10の下層側平面構造を示す。図4は、図2のF4-F4線に沿った概略断面構造を示し、図5は、図2のF5-F5線に沿った概略断面構造を示す。図6は、例示的な半導体発光素子の概略斜視図である。図7は、半導体発光装置10を含む発光システム200の概略回路を示す。図8図13は、半導体発光装置10の例示的な製造方法を示す概略断面図である。
【0010】
なお、本開示では、図中に示された互いに直交するXYZ軸に基づいて構成部材を説明する場合がある。本開示において使用される「平面視」という用語は、Z軸方向に半導体発光装置10を視ることをいう。
【0011】
[1-1.半導体発光装置の全体構造]
図1に示すように、半導体発光装置10は、基板20と、一つまたは複数(図1では例えば4個)の半導体発光素子30A~30Dと、一つまたは複数(図1では例えば4個)の駆動回路40A~40Dとを含む。なお、以下の説明において、半導体発光素子30A~30Dを互いに区別しない場合は、半導体発光素子30A~30Dを半導体発光素子30(または各半導体発光素子30)と記載する。同様に、駆動回路40A~40Dを互いに区別しない場合は、駆動回路40A~40Dを駆動回路40(または各駆動回路40)と記載する。
【0012】
複数の半導体発光素子30と複数の駆動回路40は基板20に実装されている。半導体発光装置10は、複数の駆動回路40によって複数の半導体発光素子30を駆動するマルチチャンネル(図1の例では4チャンネル)駆動型の発光モジュールとして具現化されている。ただし、半導体発光装置10はマルチチャンネル型に限定されず、単一の駆動回路を使用したシングルチャンネル型であってもよい。なお、半導体発光素子30の数および駆動回路40の数は、チャンネル数に応じて適宜変更可能である。
【0013】
基板20は平面視矩形状を有している。図1の例では、基板20は正方形状であるが、任意の平面視形状を有し得る。なお、平面視とは、基板20の厚さ方向(図1にて紙面に垂直な方向)に半導体発光装置10を視ることと同義である。基板20は、主面21と、その反対側の裏面22(図4および図5参照)と、第1~第4側面23~26とを含む。第1および第2側面23,24は、Y軸方向における基板20の両端面に相当する。図1の例では、第1側面23は紙面下側に位置し、第2側面24は紙面上側に位置する。第3および第4側面25,26は、X軸方向における基板20の両端面に相当する。図1の例では、第3側面25は紙面左側に位置し、第4側面26は紙面右側に位置する。
【0014】
基板20は、封止樹脂27と、封止樹脂27に設けられた導電部28を含む。第1実施形態では、基板20は、封止樹脂27に対して例えばLDS(Laser Direct Structuring)工法を用いて形成された多数の配線部(すなわち、回路パターン)を導電部28として含む配線部品として構成されている。したがって、基板20は、プリント基板(Printed Circuit Board)を用いたものとは異なる。封止樹脂27には、各駆動回路40の少なくとも一部が埋め込まれており、導電部28は、各駆動回路40について半導体発光素子30と駆動回路40との導電経路を構成する。
【0015】
封止樹脂27は、熱硬化性の絶縁樹脂材料および添加剤を含む。絶縁樹脂材料の例は、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂である。添加剤は、導電部28の一部を組成する金属元素を含有する。第1実施形態では、導電部28の材料は例えば銅(Cu)であり、添加剤はCuを含有する。ただし、導電部28の材料はCuに限定されない。
【0016】
基板20は、例えば多層基板として構成されている。第1実施形態では、基板20は2層基板であり、導電部28は、基板20の主面21に設けられた上層側の第1電極層28Aと、基板20の裏面22に設けられた下層側の第2電極層28B(図4および図5参照)とを含む。第1電極層28Aは、複数の半導体発光素子30の実装面として用いられる。なお、基板20の主面21は封止樹脂27の主面(第1面)に対応し、基板20の裏面22は封止樹脂27の裏面(第1面とは反対側の第2面)に対応する。
【0017】
図4および図5に示すように、基板20の主面21は、主面レジスト層29Aによって覆われており、基板20の裏面22は、裏面レジスト層29Bによって覆われている。主面レジスト層29Aおよび裏面レジスト層29Bは、例えば、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂などの絶縁材料で形成されている。主面レジスト層29Aおよび裏面レジスト層29Bは、シリカまたはアルミナなどのフィラーを含んでもよい。なお、図1および図2では、主面レジスト層29Aの開口部が二点鎖線によって示されており、図3では、裏面レジスト層29Bの開口部が二点鎖線によって示されている。
【0018】
[1-2.半導体発光素子]
複数の半導体発光素子30は各々、半導体発光素子30の実装面に対して交わる方向(図1ではZ軸方向)に光を出射する光出射素子で構成されており、半導体発光装置10の光源として機能する。例えば、各半導体発光素子30は、所定の波長帯のレーザ光を出力するフォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL:Photonic-Crystal Surface-Emitting Laser)素子で構成されている。PCSEL素子は、高ビーム品質かつ狭い拡がり角をもつビーム出射による高出力動作(高輝度動作)が可能であり、動作波長の温度依存性が少ないという特徴を有する。各半導体発光素子30の構成は同じである。一例として、各半導体発光素子30に採用されているPCSEL素子は、半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)で表されるビーム拡がり角が1°以下、より好ましくは0.10°以上0.15°以下であり、スペクトル幅が0.2nnm以下である。PCSEL素子の素子サイズは、例えば、平面視サイズが1.0mm×1.0mm程度であり、厚さが0.2mm以下である。なお、レーザ光は、可視光線であってもよいし、赤外線などの可視光線よりも波長が長いレーザ光であってもよい。
【0019】
図1および図2に示すように、各半導体発光素子30は平面視矩形状、例えば正方形状を有している。複数の半導体発光素子30は、第1電極層28A(基板20)の中央領域ACに集約配置されている。なお、中央領域ACとは、平面視における基板20の中心を含む領域のことを指す。一例では、複数の半導体発光素子30のうちのいくつか(図1の例では、半導体発光素子30A,30D)を含む第1のセットが中央領域AC内でX軸方向に列状に配置され、残りの半導体発光素子30(図1の例では、半導体発光素子30B,30C)を含む第2のセットが、中央領域AC内で第1のセットにY軸方向に隣接しつつX軸方向に列状に配置されている。したがって、複数の半導体発光素子30は、基板20の中央領域ACに互いに隣接して行列状に配置されている。なお、半導体発光素子30の配列は、図1に示す2行2列に限定されない。
【0020】
図2および図4図6に示すように、各半導体発光素子30は、素子表面に設けられた表面電極31と、反対側の素子裏面に設けられた裏面電極32とを含む。半導体発光素子30は、素子表面の中央部分に発光領域33を有している。表面電極31は、素子表面の発光領域33を露出させる開口(貫通孔)を含む例えば矩形環状に形成されている。裏面電極32は、例えば素子裏面の全面にわたって形成されている。表面電極31はカソード電極に対応し、裏面電極32はアノード電極に対応する。
【0021】
第1実施形態では、各半導体発光素子30は、マウント部材35を用いて第1電極層28Aに実装されている。なお、図示を明瞭にするために、図1および図2では、マウント部材35の図示を省略している。マウント部材35は、平面視で半導体発光素子30よりも大きさサイズを有している。一例では、半導体発光素子30は0.9mm×0.9mm程度のサイズを有する一方、マウント部材35は1.2mm×1.2mm程度のサイズを有し得る。マウント部材35の材料の一例は、銅(Cu)とタングステン(W)との合金であるが、他の金属材料を用いてもよい。マウント部材35は、例えば表面接合部36を含む。表面接合部36の材料の一例は、金(Au)と錫(Sn)との合金であるが、他の金属材料を用いてもよい。このようなマウント部材35を用いることで、第1電極層28Aへの半導体発光素子30の実装を容易化することができる。
【0022】
[1-3.半導体発光装置の駆動回路]
図1に示すように、駆動回路40A~40Dは、半導体発光装置10に搭載されている複数(図1では4個)の半導体発光素子30A~30Dを駆動するために設けられている。これらの駆動回路40A~40Dは各々、複数の半導体発光素子30のうちの一つ以上を駆動するように構成されている。図1の例では、1チャンネル(各駆動回路40)当たり1個の半導体発光素子30が設けられており、駆動回路40A~40Dは、半導体発光素子30A~30Dをそれぞれ駆動する。なお、各駆動回路40の構成は同じであるため、以下では、駆動回路40Aについて説明し、駆動回路40B~40Dについての詳細な説明を省略する。
【0023】
図4に示すように、駆動回路40Aは、スイッチング素子411と、一つまたは複数のキャパシタ421とを含む。第1実施形態では、駆動回路40Aは、1個のキャパシタ421を含む。スイッチング素子411は、複数の半導体発光素子30のうちの一つ以上を制御するように構成されている。第1実施形態では、スイッチング素子411は、1個の半導体発光素子30(すなわち、半導体発光素子30A)を駆動する。スイッチング素子411およびキャパシタ421はともに、封止樹脂27に埋め込まれている。なお、図3では、第1電極層28A、および第1電極層28A上に実装される各部品の図示を省略するとともに、封止樹脂27を破線で示している。
【0024】
図1図4に示すように、スイッチング素子411は、平面視において半導体発光素子30Aの近傍に設けられている。例えば、スイッチング素子411は、半導体発光素子30AとY軸方向に隣接または近接する位置に設けられている。スイッチング素子411は平面視矩形状を有している。なお、第1実施形態では、スイッチング素子411は例えば正方形状であるが、任意の平面視形状を有し得る。スイッチング素子411には、例えば縦型トランジスタが用いられている。このような縦型トランジスタの例としては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタなどが挙げられる。第1実施形態では、スイッチング素子411として例えばn型の縦型MOSFETが用いられている。
【0025】
図4に示すように、スイッチング素子411は、第1面41A(図4では上面)と、その反対側の第2面41B(図4では下面)とを含む。また、スイッチング素子411は、第1面41Aに設けられたドレイン電極41Dと、第2面41Bに設けられたソース電極41Sおよびゲート電極41Gとを含む。ドレイン電極41Dは、例えば第1面41Aの全面に設けられている。ソース電極41Sは、例えば第2面41Bの大部分に設けられている。ゲート電極41Gは、例えば第2面41Bの一つの角部付近に配置されている(図3参照)。
【0026】
キャパシタ421は、複数の半導体発光素子30のうちの一つ以上に電流を供給するように構成されている。第1実施形態では、キャパシタ421は、1個の半導体発光素子30(すなわち、半導体発光素子30A)に電流を供給するように構成されている。図1図4に示すように、キャパシタ421は、平面視においてスイッチング素子411の近傍に設けられている。例えば、キャパシタ421は、スイッチング素子411とY軸方向に隣接または近接する位置に設けられている。また、キャパシタ421は、平面視において半導体発光素子30Aと重なる位置、例えば半導体発光素子30Aの直下の位置に設けられている。
【0027】
キャパシタ421には、例えばシリコンキャパシタが用いられている。シリコンキャパシタは、例えばセラミックキャパシタに比べると小型であるため、基板単位面積当たりの静電容量を大きくしやすいという利点がある。これにより、基板20の面積に占めるキャパシタ421~424の実装面積を小さくして、基板20の小型化、ひいては半導体発光装置10のモジュールサイズの低減を図ることができる。
【0028】
キャパシタ421は平面視矩形状を有している。キャパシタ421は縦型構造を有しており、基板20の主面21に直交する方向、すなわちZ軸方向に互いに対向する第1電極42Aと第2電極42Bとを含む。第1電極42Aは、キャパシタ421の第1面(図4では上面)に位置し、第2電極42Bは、キャパシタ421の第1面と反対側の第2面(図4では下面)に位置している。
【0029】
なお、駆動回路40Aと同様、駆動回路40B~40Dも、スイッチング素子411と同様に構成されたスイッチング素子412~414と、キャパシタ421と同様に構成されたキャパシタ422~424をそれぞれ含む。また、駆動回路40Aと同様、駆動回路40Bのキャパシタ422の数も例えば1個であり、これは、他の駆動回路40C,40Dのキャパシタ423,424についても同様である。そして、駆動回路40Aと同様、駆動回路40B~40D(スイッチング素子412~414およびキャパシタ422~424)も封止樹脂27に埋め込まれている。
【0030】
図1および図3に示すように、駆動回路40A~40Dは、平面視において基板20の中央領域ACを囲む基板20の周辺領域APに配置されている。すなわち、駆動回路40A~40Dは、平面視で半導体発光素子30A~30Dよりも外側に位置する周辺領域APに配置されている。
【0031】
基板20の周辺領域APは、平面視で基板20の中央を通る互いに直交する2つの仮想中心線VC,HCに基づいて区分される4つの配線配置領域として、第1周辺領域AP1、第2周辺領域AP2、第3周辺領域AP3、および第4周辺領域AP4を含む。なお、仮想中心線VCは、X軸方向における基板20の中央位置にてY軸方向に延びる線として定義される。仮想中心線HCは、Y軸方向における基板20の中央位置にてX軸方向に延びる線として定義される。第1周辺領域AP1、第2周辺領域AP2、第3周辺領域AP3、および第4周辺領域AP4は、図1において基板20の左下領域、左上領域、右上領域、および右下領域にそれぞれ対応する。
【0032】
駆動回路40A~40Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第1実施形態では、駆動回路40A~40Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。したがって、第2~第4周辺領域AP2内の駆動回路40B~40D(スイッチング素子412~414およびキャパシタ422~424)のレイアウトは、第1周辺領域AP1内の駆動回路40A(スイッチング素子411およびキャパシタ421)のレイアウトを、平面視で時計回りに90°ずつ順に回転させたものに相当する。また、第1実施形態では、保護ダイオード70A~70Dも、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。
【0033】
[1-4.保護ダイオード]
図1に示すように、半導体発光装置10は、上述した複数の半導体発光素子30A~30Dおよび複数の駆動回路40A~40Dに加えて、半導体発光装置10に搭載されている半導体発光素子30を保護する複数(図1では例えば4個)の保護ダイオード70A~70Dを含む。保護ダイオード70A~70Dは、例えばチャンネル(駆動回路40)毎に設けられている。なお、保護ダイオード70A~70Dの構成は同じであるため、以下では、保護ダイオード70Aについて説明し、保護ダイオード70B~70Dについての詳細な説明を省略する。
【0034】
図7に示すように、保護ダイオード70Aは、スイッチング素子411(駆動回路40A)による制御対象の1個の半導体発光素子30Aに逆並列に接続されている。ただし、保護ダイオード70Aに接続される半導体発光素子30の数は1個に限定されない。保護ダイオード70Aは、1チャンネル(各駆動回路40)当たりに設けられている一つ以上の半導体発光素子30に対して逆並列に接続され得る。
【0035】
[1-5.導電部の電極層]
次に、導電部28の第1および第2電極層28A,28Bについて説明する。図4および図5に示すように、第1電極層28Aは、基板20の主面21に位置する表面電極層として設けられており、第2電極層28Bは、基板20の裏面22に位置する裏面電極層として設けられている。
【0036】
[1-5A.第1電極層(表面電極層)]
図1に示すように、表面電極層である第1電極層28Aは、互いに離間した複数の表面電極(パターン電極)を含む。第1実施形態では、第1電極層28Aは、第1表面電極61A~61Dおよび第2表面電極62A~62Dを含む。
【0037】
第1表面電極61A~61Dおよび第2表面電極62A~62Dは、半導体発光素子30A~30Dおよび保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。すなわち、第1電極層28Aは、半導体発光素子30A~30Dおよび保護ダイオード70A~70Dの実装面を含む。なお、第1実施形態では、駆動回路40A~40D(スイッチング素子412~414およびキャパシタ422~424)は封止樹脂27に埋め込まれているため、第1電極層28Aは、駆動回路40A~40Dの実装面を含まない。
【0038】
第1表面電極61A~61Dは各々、平面視において長尺の矩形状を有している。第1表面電極61A~61Dは各々、中央領域ACと周辺領域AP(第1~第4周辺領域AP1~AP4のうちの対応する一つ)との双方にわたって配置されている。第1表面電極61A~61Dは、中央領域AC内で互いに隣接する部分を半導体発光素子30A~30Dの実装面として含む。また、第1表面電極61A~61Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置される部分を含む。第1~第4周辺領域AP1~AP4に配置される第1表面電極61A~61Dの部分は、保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0039】
第2表面電極62A~62Dは各々、平面視において長尺の矩形状を有している。第2表面電極62A~62Dは、第1表面電極61A~61Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。また、第2表面電極62A~62Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第2表面電極62A~62Dは、保護ダイオード70A~70Dおよび後述するワイヤW1の実装に用いられる。
【0040】
図4および図5に示すように、半導体発光素子30Aは、上述したマウント部材35を用いて第1表面電極61Aに実装されている。第1実施形態では、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)がマウント部材35の表面接合部36に接合され、マウント部材35の裏面が第1表面電極61Aに導電性接合材SDで接合されている。断面図は省略するが、半導体発光素子30Aと同様に、半導体発光素子30B~30Dも、マウント部材35を用いて第1表面電極61B~61Dにそれぞれ実装されている。
【0041】
図1および図2に示すように、半導体発光素子30A~30Dは、第2表面電極62A~62DにそれぞれワイヤW1で接続されている。第1実施形態では、半導体発光素子30A~30Dの表面電極31(カソード電極)が第2表面電極62A~62DにそれぞれワイヤW1で接続されている。ワイヤW1は、ワイヤボンディング装置により形成されたボンディングワイヤであり、例えば、Au、Al、またはCuなどの導体が用いられている。ワイヤW1の数は特に限定されず、1本以上であればよい。第1実施形態では、例えば回路全体の配線インダクタンスを低減する観点などから、半導体発光素子30Aの電流経路の一部をなすワイヤW1の数は複数本(例えば4本以上)とされている。
【0042】
保護ダイオード70Aは、第1および第2表面電極61A,62Aの双方にわたって実装されている。保護ダイオード70Aはアノード電極71とカソード電極72とを含む。第1実施形態では、アノード電極71が第2表面電極62Aに導電性接合材(図示略)で接合され、カソード電極72が第1表面電極61Aに導電性接合材(図示略)で接合されている。なお、保護ダイオード70Aと同様に、保護ダイオード70B~70Dも、第1表面電極61B~61Dおよび第2表面電極62B~62Dにそれぞれ実装されている。
【0043】
したがって、保護ダイオード70A~70Dのカソード電極72は、半導体発光素子30A~30Dの裏面電極32(アノード電極)に電気的に接続されており、保護ダイオード70A~70Dのアノード電極71は、半導体発光素子30A~30Dの表面電極31(カソード電極)に電気的に接続されている。すなわち、保護ダイオード70A~70Dは、半導体発光素子30A~30Dにそれぞれ逆並列に接続されている。
【0044】
[1-5B.第2電極層(裏面電極層)]
図3に示すように、裏面電極層である第2電極層28Bは、互いに離間した複数の裏面電極(パターン電極)を含む。これらの裏面電極は、図示しない回路基板に対する半導体発光装置10の実装時にその回路基板に電気的に接続される外部電極端子として機能する。第1実施形態では、第2電極層28Bは、第1裏面電極81、第2裏面電極82A~82D、および第3裏面電極83A~83Dを含む。
【0045】
第1裏面電極81は、基板20の中央領域ACおよび第1~第4周辺領域AP1~AP4にわたって配置されており、平面視において、キャパシタ421~424、第1表面電極61A~61D、スイッチング素子411~414、および第2表面電極62A~62Dと重なっている。第1裏面電極81は、封止樹脂27にそれぞれ埋め込まれたスイッチング素子411~414のソース電極41S(図4参照)およびキャパシタ421~424の第2電極42B(図4参照)との電気的接続用に設けられている。第1裏面電極81は、平面視でスイッチング素子411~414のゲート電極41G(図4参照)と重なる4つの位置に開口部を含む。第1裏面電極81は、グランド電圧を供給するグランド端子として機能する。
【0046】
第2裏面電極82A~82Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されており、平面視でスイッチング素子411~414のゲート電極41G(図4参照)と重なっている。第2裏面電極82A~82Dは、封止樹脂27に埋め込まれたスイッチング素子411~414のゲート電極41Gとの電気的接続用に設けられており、上述した第1裏面電極81の4つの開口部内に配置されている。第2裏面電極82A~82Dは、ゲート電圧信号を供給する信号端子として機能する。
【0047】
第3裏面電極83A~83Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されており、平面視で第1表面電極61A~61Dとそれぞれ重なっている。図3の例では、第3裏面電極83A~83Dは、第2表面電極62A~62Dとも重なっているが、第2表面電極62A~62Dと必ずしも重なっていなくてもよい。第3裏面電極83A~83Dは、第1表面電極61A~61Dとの電気的接続用に設けられており、電源電圧を供給する電源端子として機能する。
【0048】
[1-6.半導体発光素子と駆動回路との接続構造]
導電部28は、半導体発光素子30A~30Dと駆動回路40A~40D(スイッチング素子411~414およびキャパシタ421~424)と第1および第2電極層28A,28Bとを電気的に接続する複数のビア(接続導体)を含む。第1実施形態では、導電部28は第1~第6ビア91~96を含む。第1~第6ビア91~96は、例えば、Ti、TiN、Au、Ag、Cu、Al、およびWを含む群から選択された一つまたは複数の材料によって形成されている。
【0049】
図2および図4に示すように、第1ビア91は、平面視で半導体発光素子30A、第1表面電極61A、およびキャパシタ421の第1電極42Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第1ビア91は、第1表面電極61Aからキャパシタ421の第1電極42Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極61Aとキャパシタ421の第1電極42Aとを接続している。したがって、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)はキャパシタ421の第1電極42Aに電気的に接続されている。
【0050】
第1ビア91の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第1実施形態では、例えば、半導体発光素子30Aと第1表面電極61Aとキャパシタ421の第1電極42Aとが重なる領域内に複数の第1ビア91が行列状(例えば2×2個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、キャパシタ422~424の第1電極42Aと第1表面電極61B~61Dとを接続する他の第1ビア91についても同様に構成および配置されている。
【0051】
図2および図4に示すように、第2ビア92は、平面視で第2表面電極62Aおよびスイッチング素子411のドレイン電極41Dと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第2ビア92は、第2表面電極62Aからスイッチング素子411のドレイン電極41Dまで封止樹脂27を貫通しており、第2表面電極62Aとスイッチング素子411のドレイン電極41Dとを接続している。上述したように、第2表面電極62Aは、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)にワイヤW1によって接続されている。したがって、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)はスイッチング素子411のドレイン電極41Dに電気的に接続されている。
【0052】
第2ビア92の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第1実施形態では、例えば、第2表面電極62Aとスイッチング素子411のドレイン電極41Dとが重なる領域内に複数の第2ビア92が行列状(例えば3×3個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第2表面電極62B~62Dとスイッチング素子412~414のドレイン電極41Dとを接続する他の第2ビア92についても同様に構成および配置されている。
【0053】
図2および図5に示すように、第3ビア93は、平面視で第1表面電極61Aおよび第3裏面電極83Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第3ビア93は、第1表面電極61Aから第3裏面電極83Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極61Aと第3裏面電極83Aとを接続している。上述したように、第3裏面電極83Aは電源端子として設けられており、第1表面電極61Aはキャパシタ421の第1電極42Aに電気的に接続されている。これにより、半導体発光装置10の動作時におけるスイッチング素子411のオフ状態で、キャパシタ421には電源電圧に基づく電荷が蓄積される。
【0054】
第3ビア93の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第1実施形態では、例えば、第1表面電極61Aと第3裏面電極83Aとが重なる領域内に複数の第3ビア93が行列状(例えば2×3個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第1表面電極61B~61Dと第3裏面電極83B~63Dとを接続する他の第3ビア93についても同様に構成および配置されている。
【0055】
図3および図4に示すように、第4ビア94は、平面視でキャパシタ421の第2電極42Bおよび第1裏面電極81と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第4ビア94は、キャパシタ421の第2電極42Bから第1裏面電極81まで封止樹脂27を貫通しており、キャパシタ421の第2電極42Bと第1裏面電極81とを接続している。上述したように、第1裏面電極81はグランド端子として設けられている。したがって、キャパシタ421の第2電極42Bはグランドに接続されている。
【0056】
第4ビア94の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第1実施形態では、例えば、キャパシタ421と第1裏面電極81とが重なる領域内に複数の第4ビア94が行列状(例えば2×2個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、キャパシタ422~424の第2電極42Bと第1裏面電極81とを接続する他の第4ビア94についても同様に構成および配置されている。
【0057】
図3および図4に示すように、第5ビア95は、平面視でスイッチング素子411のソース電極41Sおよび第1裏面電極81と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第5ビア95は、スイッチング素子411のソース電極41Sから第1裏面電極81まで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のソース電極41Sと第1裏面電極81とを接続している。したがって、スイッチング素子411のソース電極41Sはグランドに接続されている。
【0058】
第5ビア95の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第1実施形態では、例えば、スイッチング素子411のソース電極41Sと第1裏面電極81とが重なる領域内に複数(例えば6個)の第5ビア95が配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、スイッチング素子412~414のソース電極41Sと第1裏面電極81とを接続する他の第5ビア95についても同様に構成および配置されている。
【0059】
図3および図4に示すように、第6ビア96は、平面視で第2裏面電極82Aおよびスイッチング素子411のゲート電極41Gと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第6ビア96は、スイッチング素子411のゲート電極41Gから第2裏面電極82Aまで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のゲート電極41Gと第2裏面電極82Aとを接続している。半導体発光装置10の動作時に、第2裏面電極82Aにはゲート電圧信号が印加される。これにより、スイッチング素子411のゲート電極41Gにゲート電圧信号が供給される。第6ビア96の数は特に限定されず、1個以上であってよい。
【0060】
[1-7.半導体発光装置の電流経路]
半導体発光装置10は、駆動回路40A~40Dが複数の半導体発光素子30A~30Dを駆動するマルチチャンネル駆動型の発光モジュールとして具現化されている。上述したように、半導体発光装置10において、駆動回路40A~40Dは半導体発光素子30A~30Dとともに基板20に実装されている。したがって、各駆動回路40A~40Dと半導体発光素子30A~30Dとの間の電流経路(導電経路)は基板20の導電部28によって形成される。
【0061】
第1実施形態では、上記電流経路は、キャパシタ421の第1電極42A、第1ビア91、第1電極層28A(表面電極層)の第1表面電極61A、マウント部材35、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)、半導体発光素子30の表面電極31(カソード電極)、ワイヤW1、第1電極層28Aの第2表面電極62A、第2ビア92、スイッチング素子411のドレイン電極41D、スイッチング素子411のソース電極41S、第5ビア95、第2電極層28B(裏面電極層)の第1裏面電極81、第4ビア94、およびキャパシタ421の第2電極42Bの順に電流が流れるループ状に構成される。
【0062】
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、他の駆動回路40B~40Dの各々についても、駆動回路40Aと同様な電気的接続が実現されており、上記電流経路と同様なループ状の電流経路が個別に構成される。
【0063】
[1-8.半導体発光装置の回路構成]
図7に示すように、半導体発光装置10を含む発光システム200は、直流電源201と、直流電源201と並列に接続されるキャパシタ202と、電流制限抵抗203と、逆流防止用ダイオード204A~204Dと、ゲートドライバ205A~205Dと、パルスジェネレータ206A~206Dと、制御電源207A~207Dとを含む。
【0064】
直流電源201、キャパシタ202、および電流制限抵抗203は、半導体発光素子30A~30Dおよび駆動回路40A~40Dに電流を供給するように構成されている。直流電源201、キャパシタ202、および電流制限抵抗203は、電源入力部の一例である。電流制限抵抗203の第1端子は、直流電源201の正極に電気的に接続されている。
【0065】
逆流防止用ダイオード204A~204Dのアノードは、電流制限抵抗203の第2端子に電気的に接続されている。逆流防止用ダイオード204A~204Dのカソードは、第3裏面電極83A~83Dおよび第1表面電極61A~61Dを介して半導体発光素子30A~30Dの裏面電極32(アノード電極)およびキャパシタ421~424の第1電極42Aに電気的に接続されている。
【0066】
ゲートドライバ205A~205Dは、スイッチング素子411~414のゲート電極41Gにそれぞれ電気的に接続されている。第1実施形態では、ゲートドライバ205A~205Dは、第2裏面電極82A~82Dにそれぞれ電気的に接続されている。ゲートドライバ205A~205Dは、第2裏面電極82A~82Dを介してスイッチング素子411~414のゲート電極41Gにゲート電圧信号をそれぞれ供給することで、スイッチング素子411~414を個別に駆動する。
【0067】
パルスジェネレータ206A~206Dおよび制御電源207A~207Dは、ゲートドライバ205A~205Dにそれぞれ電気的に接続されている。パルスジェネレータ206A~206Dは、スイッチング素子411~414を制御するためのパルス信号をゲートドライバ205A~205Dにそれぞれ出力するように構成されている。制御電源207A~207Dは、ゲートドライバ205A~205Dに動作電圧をそれぞれ印加するように構成されている。
【0068】
直流電源201の負極、キャパシタ202、パルスジェネレータ206A~206D、キャパシタ421~424の第2電極42B、制御電源207A~207Dの負極、およびスイッチング素子411~414のソース電極41Sは、グランド端子(第2電極層28Bの第1裏面電極81)に電気的に接続されている。
【0069】
スイッチング素子411~414のドレイン電極41Dは、半導体発光素子30A~30Dの表面電極31(カソード電極)と、保護ダイオード70A~70Dのアノード電極71とにそれぞれ電気的に接続されている。保護ダイオード70A~70Dのカソード電極72は、半導体発光素子30A~30Dの裏面電極32(アノード電極)にそれぞれ電気的に接続されている。
【0070】
上記のように構成された半導体発光装置10では、駆動回路40A~40Dのスイッチング素子411~414がオフ状態のとき、直流電源201によってキャパシタ421~424が充電される。そして、スイッチング素子411~414がオフ状態からオン状態に切り替わると、スイッチング素子411~414を介してキャパシタ421~424から半導体発光素子30A~30Dに電流が流れる。これにより、半導体発光素子30A~30Dからパルス発光されたレーザ光が出射される。このように、駆動回路40A~40Dは、半導体発光素子30A~30Dを個別に駆動するように構成されている。
【0071】
一例として、駆動回路40A~40Dは、半導体発光素子30A~30Dを順次に駆動する。この場合、例えば1つの半導体発光素子のみを備える半導体発光装置と比較して、半導体発光装置10から出射されるレーザ光のパルス間隔が短くなるように各半導体発光素子30A~30Dのパルス発光を調整することができる。したがって、単位時間当たりのパルス数の増加を図ることができる。また、駆動回路40A~40Dによる駆動対象の半導体発光素子30A~30Dが順番に発光することによって、1つの半導体発光素子のみを備える半導体発光装置と比較して、各半導体発光素子30A~30Dの発熱を抑制することができる。
【0072】
[1-9.半導体発光装置の製造方法]
次に、図8図13を参照して半導体発光装置10の例示的な製造方法について説明する。以下では、理解を容易にするために、図2のF4-F4線に沿った図4の構造に対応する半導体発光装置10の製造方法について説明し、図8図13において、図4に示す各構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0073】
まず、図8に示すように、支持部材100上にスイッチング素子411およびキャパシタ421を保持する。このとき、スイッチング素子411およびキャパシタ421は、図4に示したものと上下反転した姿勢とされる。
【0074】
次いで、図9に示すように、支持部材100上にスイッチング素子411とキャパシタ421とを覆う樹脂層27Aを形成する。樹脂層27Aは、図4の封止樹脂27の一部をなす層であって、熱硬化性の絶縁樹脂材料と、導電部28の一部を組成する金属元素を含有する添加剤とを含む層である。絶縁樹脂材料は、例えばエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂である。樹脂層27Aは、コンプレッション成形により形成される。
【0075】
次いで、図10に示すように、支持部材100(図9参照)を除去した後、キャパシタ421に接続される第4ビア94と、スイッチング素子411に接続される第5および第6ビア95,96と、第4および第5ビア94,95に接続される第1裏面電極81と、第6ビア96に接続される第2裏面電極82Aとを形成する。
【0076】
図10の工程では、樹脂層27Aにレーザを照射することで、第1および第2裏面電極81,82Aの下地層と第4~第6ビア94~96の下地層とを析出させる。第4~第6ビア94~96の下地層は、レーザ照射によって形成された貫通孔(ビアホール)の壁面に析出される。これらの下地層は、樹脂層27Aに含まれる添加剤に含有された金属元素によって組成される。レーザ照射によって金属元素が励起されることで、その金属元素を含む金属層が下地層として析出される。次いで、これらの下地層を覆うめっき層を形成する。このめっき層は、導電部28の材料(例えば、Cuを含む材料)によって形成される。めっき層は、例えば無電解めっきによって形成される。これにより、図10に示すように、下地層とそれを覆うめっき層とによって、第1および第2裏面電極81,82Aと、第4~第6ビア94~96とが形成される。なお、ここでは詳細な図示および説明は省略するが、この図10の工程では、上記と同様な手法によるレーザ照射および無電解めっきを通じて、他の第2裏面電極82B~82Dおよび第3裏面電極83A~83Dと、第3ビア93および第6ビア96とが形成される。
【0077】
次いで、図11に示すように、図10の構造体を上下反転して支持部材101上に保持する。次いで、図12に示すように、樹脂層27Aとスイッチング素子411とキャパシタ421とを覆う樹脂層27Bを形成する。樹脂層27Aと同様、樹脂層27Bは、図4の封止樹脂27の一部をなす層であって、熱硬化性の絶縁樹脂材料と、導電部28の一部を組成する金属元素を含有する添加剤とを含む層である。樹脂層27Bは、コンプレッション成形により形成される。これらの樹脂層27A,27Bによって、スイッチング素子411とキャパシタ421とを封止する封止樹脂27が形成される。
【0078】
次いで、図13に示すように、支持部材101(図12参照)を除去した後、キャパシタ421に接続される第1ビア91と、スイッチング素子411に接続される第2ビア92と、第1ビア91に接続される第1表面電極61Aと、第2ビア92に接続される第2表面電極62Aとを形成する。
【0079】
図13の工程では、樹脂層27Bにレーザを照射することで、第1および第2表面電極61A,62Aの下地層と第1および第2ビア91,92の下地層とを析出させる。第1および第2ビア91,92の下地層は、レーザ照射によって形成された貫通孔(ビアホール)の壁面に析出される。これらの下地層は、樹脂層27Bに含まれる添加剤に含有された金属元素によって組成される。レーザ照射によって金属元素が励起されることで、その金属元素を含む金属層が下地層として析出される。次いで、これらの下地層を覆うめっき層を形成する。このめっき層は、導電部28の材料(例えば、Cuを含む材料)によって形成される。めっき層は、例えば無電解めっきによって形成される。これにより、図13に示すように、下地層とそれを覆うめっき層とによって、第1および第2表面電極61A,62Aと、第1および第2ビア91,92とが形成される。なお、ここでは詳細な図示および説明は省略するが、この図13の工程では、上記と同様な手法によるレーザ照射および無電解めっきを通じて、他の第1表面電極61B~61Dおよび他の第2表面電極62B~62Dが形成される。なお、第3ビア93の一部または全部が図13の工程で形成されてもよい。
【0080】
次いで、図13の構造体における第1表面電極61A上に、マウント部材35を用いて半導体発光素子30Aを実装する。これにより、図4の構造が得られる。このとき、第1表面電極61B~61D上にも、マウント部材35を用いて半導体発光素子30B~30Dが実装される。その後、半導体発光素子30A~30Dをそれぞれ第2表面電極62A~62DにワイヤW1(図2参照)で接続する。以上の工程により、半導体発光装置10が製造される。
【0081】
[1-10.半導体発光装置の作用]
近年、半導体発光装置のさらなる性能向上が求められている。このような要求に対し、半導体発光装置を小型化しつつ半導体発光装置に搭載可能な半導体発光素子の数の増加にも対応可能とする構造が求められている。
【0082】
ここで、第1実施形態では、半導体発光素子30A~30Dとともに駆動回路40A~40Dが基板20に実装されており、かつ駆動回路40A~40D(第1実施形態では、スイッチング素子411~414およびキャパシタ421~424)が封止樹脂27内に埋め込まれている。この構成では、例えば、各キャパシタ421~424が各半導体発光素子30A~30Dと平面視で重なる位置において封止樹脂27に埋め込まれていることにより、半導体発光装置10の小型化を図ることができる。また、スイッチング素子411~414が封止樹脂27に埋め込まれていることにより、封止樹脂27から露出された配線上にスイッチング素子411~414が実装される構成に比べて、ワイヤ本数の削減を図ることができる。これはインダクタンスの増加を抑えることに寄与する。結果として、駆動回路40A~40Dが封止樹脂27に埋め込まれた構成では、封止樹脂27から露出された配線上に駆動回路40A~40Dが実装される構成に比べて半導体発光装置10の小型化を図りつつ配線設計の自由度を向上させることができる。
【0083】
また、第1実施形態では、各半導体発光素子30が、実装面(第1実施形態では、第1電極層28A)に対して交わる方向に光を出射する光出射素子(例えば、PCSEL素子)により構成されているため、端面発光素子により構成された半導体発光素子を基板20の端に配置する場合に比べて、例えば配線レイアウトなどの設計制約を受けることなく、より多くの半導体発光素子30を高いレイアウト自由度で半導体発光装置10に搭載することができる。このため、マルチチャンネル駆動型における多チャンネル化にも容易に対応可能となる。これにより、チャンネル数を増大させて例えばLiDARで求められるような視野角の拡大および解像度の向上を図ることができる。
【0084】
[1-11.半導体発光装置の利点]
第1実施形態の半導体発光装置10は、以下の利点を有する。
(1-1)半導体発光装置10は、半導体発光素子30A~30Dとともに駆動回路40A~40Dを備え、各駆動回路40A~40Dの少なくとも一部が、封止樹脂27内に埋め込まれている。この構成によれば、封止樹脂27から露出された配線上に駆動回路40A~40D全体が実装される構成に比べて、配線設計を容易化することができる。また、各半導体発光素子30が、実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子によって構成されているため、半導体発光素子30を基板20の中央領域ACに配置することができる。この構成によれば、端面発光素子によって構成された半導体発光素子を基板20の端に配置する場合に比べて、配線レイアウトなどの設計制約を受けることなく、より多くの半導体発光素子30を高いレイアウト自由度で半導体発光装置10に搭載することが可能となる。これにより、半導体発光装置10に搭載可能な半導体発光素子30の数の増加にも対応可能とすることができる。
【0085】
(1-2)各半導体発光素子30にPCSEL素子が採用されている。PCSEL素子は、高ビーム品質かつ狭い拡がり角をもつビーム出射による高出力動作(高輝度動作)が可能である。とりわけ、ビーム拡がり角は端面発光素子に比べて極小(例えば、1°以下)とすることができるため、端面発光素子を用いる場合に必要となる例えばコリメートレンズなどを省略することができる。これにより、部品点数を削減して各半導体発光素子30のサイズひいては半導体発光装置10(発光モジュール)の小型化およびコスト削減を実現することができる。
【0086】
(1-3)PCSEL素子は、波長のスペクトル幅が狭く且つ動作波長の温度依存性が少ないといった特徴を有することから、例えば光学ノイズを低減して半導体発光装置10(発光モジュール)の光学特性を向上させることができる。これは、例えばLiDARなどのレーザシステムに半導体発光装置10を適用する場合に有利である。
【0087】
(1-4)半導体発光素子30A~30Dが基板20(第1電極層28A)の中央領域ACに集約配置されているため、半導体発光素子30A~30Dを駆動する駆動回路40A~40Dおよびそれに関連する回路素子の配線設計の自由度を向上させることができる。結果として、チャンネル数をより増大させることが可能となる。
【0088】
(1-5)半導体発光素子30A~30Dが基板20(第1電極層28A)の中央領域ACに互いに隣接して行列状に配置されている。これにより、更により多くの半導体発光素子30を半導体発光装置10に搭載することが可能となる。
【0089】
(1-6)各キャパシタ421~424が各半導体発光素子30A~30Dと平面視で重なる位置において封止樹脂27に埋め込まれている。これにより、半導体発光装置10の小型化を図ることができる。
【0090】
(1-7)スイッチング素子411~414が封止樹脂27に埋め込まれている。これにより、封止樹脂27から露出された配線上にスイッチング素子411~414が実装される構成に比べて、ワイヤ本数の削減を図ることができる。これにより、インダクタンスの増加を抑えることができる。
【0091】
(1-8)キャパシタ421~424にシリコンキャパシタが採用されている。シリコンキャパシタは、セラミックキャパシタに比べて小型であるため、基板単位面積当たりの静電容量を大きくしやすい利点がある。これにより、基板20の面積に占めるキャパシタ421~424の実装面積を小さくして、基板20の小型化ひいては半導体発光装置10のモジュールサイズの低減を図ることができる。
【0092】
(1-9)駆動回路40A~40Dは、基板20の中央領域ACを囲む周辺領域APに配置されている。これにより、例えば基板20の中央領域ACに半導体発光素子30A~30Dを集約配置しつつ、基板20の周辺領域APに駆動回路40A~40Dを高い設計自由度で搭載することができる。これは、多チャンネル化をより促進するものとなる。
【0093】
(1-10)基板20の周辺領域APは、2つの仮想中心線VC,HCに基づいて区分される第1~第4周辺領域AP1~AP4を含み、駆動回路40A~40Dは各々、第1~第4周辺領域AP1~AP4のうちの一つに配置されている。この構成では、2つの仮想中心線VC,HCで区分される第1~第4周辺領域AP1~AP4内に、すなわち、中央領域ACに搭載された半導体発光素子30A~30Dの周囲に、駆動回路40A~40Dを対称の関係(第1実施形態では例えば回転対象の関係)で配置することができる。これにより、配線設計のレイアウトを容易化しつつ多チャンネル化を実現することができる。
【0094】
(1-11)半導体発光装置10は、半導体発光素子30A~30Dとともに駆動回路40A~40Dを含む。この構成では、各駆動回路40とその駆動対象の半導体発光素子30とに流れる電流の電流経路(導電経路)が導電部28に形成されるため、駆動回路40A~40Dが半導体発光装置10の外部に設けられる場合と比べて電流経路が短くなる。これにより、電流経路の長さに起因するインダクタンスを低減することができるとともに各電流経路のインダクタンスのばらつきを低減することができる。その結果、各半導体発光素子30が出射するレーザ光のパルス幅の短パルス化を図り、パルス幅のばらつきを低減することができる。一例では、各半導体発光素子30が出射するレーザ光のパルス幅は4ns以下である。また、一例では、各半導体発光素子30が出射するレーザ光のパルス幅のばらつきの絶対値は10%以下である。
【0095】
(1-12)半導体発光装置10は、半導体発光素子30A~30Dに逆並列に接続される保護ダイオード70A~70Hを備える。この構成では、半導体発光素子30に過大な逆バイアスが加わることを抑制して、各半導体発光素子30のピーク光出力を高めることができる。
【0096】
(1-13)各駆動回路40のスイッチング素子(例えば、駆動回路40Aのスイッチング素子411)とその制御対象の半導体発光素子30との間の電流経路上に位置するワイヤW1の数が複数本(第1実施形態では、例えば4本以上)とされている。この構成では、半導体発光装置10全体におけるインダクタンスを低減することができる。
【0097】
[第2実施形態]
次に、図14および図15を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態の半導体発光装置10は、マルチチャンネル駆動型に代えてシングルチャンネル駆動型が採用されている点で、第1実施形態の半導体発光装置10とは異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10との相違点を中心に第2実施形態を説明し、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0098】
図14は、第2実施形態の半導体発光装置10の上層側平面構造を示し、図15は、第2実施形態の半導体発光装置10の下層側平面構造を示す。なお、図14では、主面レジスト層29Aの開口部が二点鎖線によって示されており、図15では、裏面レジスト層29Bの開口部が二点鎖線によって示されている。
【0099】
[2-1.第2実施形態の半導体発光装置の全体構造]
図14に示すように、第2実施形態の半導体発光装置10は、基板20と、半導体発光素子30Aと、駆動回路40Aと、保護ダイオード70Aとを含む。第1実施形態と同様に、駆動回路40Aは、封止樹脂27内にそれぞれ埋め込まれたスイッチング素子411およびキャパシタ421を含み、スイッチング素子411には縦型MOSFETが採用され、キャパシタ421にはシリコンキャパシタが採用されている。基板20は、一方向(X軸方向)に長尺の矩形状を有している。
【0100】
[2-2.導電部の電極層]
第2実施形態の基板20は、第1実施形態と同様に2層基板であり、導電部28は、上層側の第1電極層28A(図14参照)と、下層側の第2電極層28B(図15参照)とを含む。以下、第2実施形態の第1および第2電極層28A,28Bについて説明する。
【0101】
[2-2A.第1電極層(表面電極層)]
図14に示すように、表面電極層である第1電極層28Aは、互いに離間した第1表面電極261および第2表面電極262を含む。図14の例では、第1および第2表面電極261,262は同一形状であり、長尺の矩形状を有している。第1および第2表面電極261,262は、互いに長辺を隣り合わせて配置されている。第1表面電極261および第2表面電極262は、半導体発光素子30Aおよび保護ダイオード70Aの実装に用いられる。
【0102】
半導体発光素子30Aは、マウント部材35(図6参照)を用いて第1表面電極261に実装されている。なお、図示を明瞭にするために、図14では、マウント部材35の図示を省略している。詳細な図示は省略するが、第1実施形態と同様に、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)がマウント部材35の表面接合部36に接合され、マウント部材35の裏面が第1表面電極261に接合されている。
【0103】
半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)はワイヤW1で第2表面電極262に接続されている。第1実施形態と同様に、例えば回路全体の配線インダクタンスを低減する観点などから、半導体発光素子30Aの電流経路の一部をなすワイヤW1の数は複数本(例えば4本以上)とされている。
【0104】
保護ダイオード70Aは、第1および第2表面電極261,262の双方にわたって実装されており、アノード電極71が第2表面電極262に、カソード電極72が第1表面電極261に接合されている。したがって、保護ダイオード70Aは、半導体発光素子30Aに逆並列に接続されている。
【0105】
[2-2B.第2電極層(裏面電極層)]
図15に示すように、裏面電極層である第2電極層28Bは、互いに離間した第1裏面電極281、第2裏面電極282、および第3裏面電極283A,283Bを含む。これらの裏面電極281,282,283A,283Bは、図示しない回路基板に対する半導体発光装置10の実装時にその回路基板に電気的に接続される外部電極端子として機能する。
【0106】
第1裏面電極281は、平面視で第1および第2表面電極261,262と重なっている。第1裏面電極281は、例えばY軸方向に長尺の矩形状を有している。第1裏面電極281は、封止樹脂27内に埋め込まれたスイッチング素子411のソース電極41Sおよびキャパシタ421の第2電極42Bとの電気的接続用に設けられている。第1裏面電極281は、平面視でスイッチング素子411のゲート電極41G(図4参照)と重なる位置に開口部を含む。第1裏面電極281は、グランド電圧を供給するグランド端子として機能する。
【0107】
第2裏面電極282は、平面視でスイッチング素子411のゲート電極41G(図4参照)と重なっている。第2裏面電極282は、封止樹脂27に埋め込まれたスイッチング素子411のゲート電極41Gとの電気的接続用に設けられており、上述した第1裏面電極281の開口部内に配置されている。第2裏面電極282は、ゲート電圧信号を供給する信号端子として機能する。
【0108】
第3裏面電極283A,283Bは、平面視で第1および第2表面電極261,262と重なっている。ただし、第3裏面電極283A,283Bは、第2表面電極262と必ずしも重なっていなくてもよい。第3裏面電極283A,283Bは、第1表面電極261との電気的接続用に設けられており、電源電圧を供給する電源端子として機能する。
【0109】
[2-3.半導体発光素子と駆動回路との接続構造]
導電部28は、半導体発光素子30Aと駆動回路40A(スイッチング素子411およびキャパシタ421)と第1および第2電極層28A,28Bとを電気的に接続する複数のビア(接続導体)を含む。第2実施形態では、導電部28は第1~第6ビア91~96を含む。第2実施形態の第1~第6ビア91~96は、図4および図5を参照して説明した第1実施形態の第1~第6ビア91~96に対応するものであるため、以下では、図4および図5も併せて参照しつつ第2実施形態の第1~第6ビア91~96を説明する。
【0110】
図14に示すように、第1ビア91は、平面視で半導体発光素子30A、第1表面電極261、およびキャパシタ421の第1電極42A(図4および図5参照)と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第1ビア91は、第1表面電極261からキャパシタ421の第1電極42Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極261とキャパシタ421の第1電極42Aとを接続している。したがって、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)はキャパシタ421の第1電極42Aに電気的に接続されている。第1ビア91の数は特に限定されず、1個以上であってよい。図14の例では、第1ビア91は行列状(例えば2×2個)に配置されている。
【0111】
第2ビア92は、平面視で第2表面電極262およびスイッチング素子411のドレイン電極41D(図4参照)と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第2ビア92は、第2表面電極262からスイッチング素子411のドレイン電極41Dまで封止樹脂27を貫通しており、第2表面電極262とスイッチング素子411のドレイン電極41Dとを接続している。上述したように、第2表面電極262は、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)にワイヤW1によって接続されている。したがって、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)はスイッチング素子411のドレイン電極41Dに電気的に接続されている。第2ビア92の数は特に限定されず、1個以上であってよい。図14の例では、第2ビア92は行列状(例えば3×3個)に配置されている。
【0112】
第3ビア93は、平面視で第1表面電極261および第3裏面電極283A,283Bと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第3ビア93は、第1表面電極261から第3裏面電極283A,283Bまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極261と第3裏面電極283A,283Bとを接続している。上述したように、第3裏面電極283A,283Bは電源端子として設けられており、第1表面電極261はキャパシタ421の第1電極42Aに電気的に接続されている。これにより、半導体発光装置10の動作時におけるスイッチング素子411のオフ状態で、キャパシタ421には電源電圧に基づく電荷が蓄積される。第3ビア93の数は特に限定されず、1個以上であってよい。図14の例では、第3ビア93は、第3裏面電極283A上にて行列状(例えば4×4個)に配置されるとともに、第3裏面電極283B上にて行列状(例えば4×4個)に配置されている。
【0113】
図15に示すように、第4ビア94は、平面視でキャパシタ421の第2電極42B(図4および図5参照)および第1裏面電極281と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第4ビア94は、キャパシタ421の第2電極42Bから第1裏面電極281まで封止樹脂27を貫通しており、キャパシタ421の第2電極42Bと第1裏面電極281とを接続している。上述したように、第1裏面電極281はグランド端子として設けられている。したがって、キャパシタ421の第2電極42Bはグランドに接続されている。第4ビア94の数は特に限定されず、1個以上であってよい。図15の例では、第4ビア94は行列状(例えば2×2個)に配置されている。
【0114】
第5ビア95は、平面視でスイッチング素子411のソース電極41Sおよび第1裏面電極81と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第5ビア95は、スイッチング素子411のソース電極41Sから第1裏面電極81まで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のソース電極41Sと第1裏面電極81とを接続している。したがって、スイッチング素子411のソース電極41Sはグランドに接続されている。
【0115】
第5ビア95の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第2実施形態では、例えば、スイッチング素子411のソース電極41Sと第1裏面電極281とが重なる領域内に複数(例えば6個)の第5ビア95が配置されている。
【0116】
第6ビア96は、平面視で第2裏面電極282およびスイッチング素子411のゲート電極41G(図4参照)と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第6ビア96は、スイッチング素子411のゲート電極41Gから第2裏面電極282まで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のゲート電極41Gと第2裏面電極282とを接続している。半導体発光装置10の動作時に、第2裏面電極282にはゲート電圧信号が印加される。これにより、スイッチング素子411のゲート電極41Gにゲート電圧信号が供給される。第6ビア96の数は特に限定されず、1個以上であってよい。
【0117】
[2-4.半導体発光装置の電流経路]
第2実施形態では、駆動回路40Aと半導体発光素子30Aとの間の電流経路(導電経路)は、キャパシタ421の第1電極42A(図4参照)、第1ビア91、第1電極層28A(表面電極層)の第1表面電極261、マウント部材35(図6参照)、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極:図4参照)、半導体発光素子30の表面電極31(カソード電極:図4参照)、ワイヤW1、第1電極層28Aの第2表面電極262、第2ビア92、スイッチング素子411のドレイン電極41D(図4参照)、スイッチング素子411のソース電極41S、第5ビア95、第2電極層28B(裏面電極層)の第1裏面電極281、第4ビア94、およびキャパシタ421の第2電極42B(図4参照)の順に電流が流れるループ状に構成される。
【0118】
[2-5.半導体発光装置の回路構成]
第2実施形態の半導体発光装置10を含む発光システム200は、例えば第1実施形態で図7を参照して説明した回路構成と同様に構成され得る。したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0119】
[2-6.半導体発光装置の利点]
以上説明した第2実施形態の半導体発光装置10によれば、上記第1実施形態の半導体発光装置10で得られる利点(1-1)~(1-2),(1-6)~(1-9),(1-11)~(1-13)と同様な利点に加えて、以下の利点が得られる。
【0120】
(2-1)第2電極層28B(裏面電極層)は、第1裏面電極281、第2裏面電極282、および第3裏面電極283A,283Bを含む。第3裏面電極283A,283Bは各々、第1裏面電極281および第2裏面電極282に比べて大きな面積を有している。この構成によれば、放熱面積を大きくして半導体発光装置10で発生した熱を効率良く放熱することができる。
【0121】
[第3実施形態]
次に、図16図20を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態の半導体発光装置10は、駆動回路40A~40Dのキャパシタ421~424にセラミックキャパシタが採用されている点で、第1実施形態の半導体発光装置10とは主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10との相違点を中心に第3実施形態を説明し、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0122】
図16は、第3実施形態の半導体発光装置10の上層側平面構造を示し、図17は、図16の半導体発光装置10の一部(左下領域)の構造を拡大して示したものである。図18は、第3実施形態の半導体発光装置10の下層側平面構造を示す。図19は、図17のF19-F19線に沿った概略断面構造を示し、図20は、図17のF20-F20線に沿った概略断面構造を示す。なお、図16および図17では、主面レジスト層29Aの開口部が二点鎖線によって示されており、図18では、裏面レジスト層29Bの開口部が二点鎖線によって示されている。
【0123】
[3-1.第3実施形態の半導体発光装置の全体構造]
図16に示すように、第3実施形態の半導体発光装置10は、基板20と、半導体発光素子30A~30Dと、駆動回路40A~40Dと、保護ダイオード70A~70Dとを含む。基板20は、平面視矩形状(例えば正方形状)を有している。駆動回路40A~40Dのスイッチング素子411~414は封止樹脂27内に埋め込まれている。第1実施形態と同様、スイッチング素子411~414には縦型MOSFETが採用されている。一方、駆動回路40A~40Dのキャパシタ421~424は封止樹脂27内に埋め込まれておらず、導電部28の第1電極層28A上に実装されている。上記したように、キャパシタ421~424にはセラミックキャパシタが採用されている。
【0124】
[3-2.導電部の電極層]
第3実施形態の基板20は、第1実施形態と同様に2層基板であり、導電部28は、上層側の第1電極層28A(図16および図17参照)と、下層側の第2電極層28B(図18参照)とを含む。以下、第3実施形態の第1および第2電極層28A,28Bについて説明する。
【0125】
[3-2A.第1電極層(表面電極層)]
図16および図17に示すように、表面電極層である第1電極層28Aは、互いに離間した複数の表面電極を含む。第3実施形態では、第1電極層28Aは、第1表面電極361A~361D、第2表面電極362A~362D、および第3表面電極363A~363Dを含む。
【0126】
第1表面電極361A~361D、第2表面電極362A~362D、および第3表面電極363A~363Dは、半導体発光素子30A~30D、駆動回路40A~40Dのキャパシタ421~424、および保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0127】
第1表面電極361A~361Dは各々、中央領域ACと周辺領域AP(第1~第4周辺領域AP1~AP4のうちの対応する一つ)との双方にわたって配置されている。第1表面電極361A~361Dは、中央領域AC内で互いに隣接する部分を半導体発光素子30A~30Dの実装面として含む。さらに、第1表面電極361A~361Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置される部分を含む。第1~第4周辺領域AP1~AP4に配置される第1表面電極361A~361Dの部分は、キャパシタ421~424および保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0128】
第2表面電極362A~362Dは、第1表面電極361A~361Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第2表面電極362A~362Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第2表面電極362A~362Dは、ワイヤW1の実装および保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0129】
第3表面電極363A~363Dは、第1表面電極361A~361Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第3表面電極363A~363Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第3表面電極363A~363Dは、キャパシタ421~424の実装に用いられる。
【0130】
図19および図20に示すように、半導体発光素子30Aは、マウント部材35を用いて第1表面電極361Aに実装されている。第3実施形態では、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)がマウント部材35の表面接合部36に接合され、マウント部材35の裏面が第1表面電極361Aに導電性接合材SDで接合されている。断面図は省略するが、半導体発光素子30Aと同様に、半導体発光素子30B~30Dも、マウント部材35を用いて第1表面電極361B~361Dにそれぞれ実装されている。
【0131】
図16および図17に示すように、半導体発光素子30A~30Dは、第2表面電極362A~362DにそれぞれワイヤW1で接続されている。第3実施形態では、半導体発光素子30A~30Dの表面電極31(カソード電極)が第2表面電極362A~362DにそれぞれワイヤW1で接続されている。第1実施形態と同様に、例えば回路全体の配線インダクタンスを低減する観点などから、半導体発光素子30Aの電流経路の一部をなすワイヤW1の数は複数本(例えば4本以上)とされている。
【0132】
第3実施形態において、駆動回路40Aは、複数(例えば4個)のキャパシタ421を含む。キャパシタ421は、第1および第3表面電極361A,363Aの双方にわたって実装されている。各キャパシタ421は、第1電極42Aと第2電極42Bとを含み、第1電極42Aが第1表面電極361Aに導電性接合材SD(図19参照)で接合され、第2電極42Bが第3表面電極363Aに導電性接合材SD(図19参照)で接合されている。なお、駆動回路40Aと同様に、駆動回路40B~40Dも各々、複数(例えば4個)のキャパシタ422~424を含み、キャパシタ421と同様に実装されている。
【0133】
保護ダイオード70Aは、第1および第2表面電極361A,362Aの双方にわたって実装されており、アノード電極71が第2表面電極362Aに、カソード電極72が第1表面電極361Aに接合されている。したがって、保護ダイオード70Aは、半導体発光素子30Aに逆並列に接続されている。なお、保護ダイオード70Aと同様に、保護ダイオード70B~70Dも、第1表面電極361B~361Dおよび第2表面電極362B~362Dにそれぞれ実装されている。
【0134】
[3-2B.第2電極層(裏面電極層)]
図18に示すように、裏面電極層である第2電極層28Bは、互いに離間した複数の裏面電極(パターン電極)を含む。これらの裏面電極は、図示しない回路基板に対する半導体発光装置10の実装時にその回路基板に電気的に接続される外部電極端子として機能する。第3実施形態では、第2電極層28Bは、第1裏面電極381A~381D、第2裏面電極382、および第3裏面電極383A~383Dを含む。
【0135】
第1裏面電極381A~381Dは、基板20の中央領域ACに配置されており、平面視で第1表面電極361A~361Dと重なっている。第1裏面電極381A~381Dは各々、平面視矩形状を有している。第1裏面電極381A~381Dは、第1表面電極361A~361Dとの電気的接続用に設けられている。第1裏面電極381A~381Dは、電源電圧を供給する電源端子として機能する。
【0136】
第2裏面電極382は、基板20の第1~第4周辺領域AP1~AP4にわたって配置されている。第2裏面電極382は、基板20の中央領域ACを囲む枠状に形成されており、平面視において、スイッチング素子411~414、第1表面電極361A~361D、第2表面電極362A~362D、および第3表面電極363A~363Dと重なっている。第2裏面電極382は、封止樹脂27内に埋め込まれたスイッチング素子411~414のソース電極41S(図20参照)および第3表面電極363A~363Dとの電気的接続用に設けられている。第1裏面電極382は、平面視でスイッチング素子411~414のゲート電極41G(図20参照)と重なる4つの位置に開口部を含む。第2裏面電極382は、グランド電圧を供給するグランド端子として機能する。
【0137】
第3裏面電極383A~383Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されており、平面視でスイッチング素子411~414のゲート電極41G(図20参照)と重なっている。第3裏面電極383A~383Dは、封止樹脂27に埋め込まれたスイッチング素子411~414のゲート電極41Gとの電気的接続用に設けられており、上述した第2裏面電極382の4つの開口部内に配置されている。第3裏面電極383A~383Dは、ゲート電圧信号を供給する信号端子として機能する。
【0138】
[3-3.半導体発光素子と駆動回路との接続構造]
導電部28は、半導体発光素子30A~30Dと駆動回路40A~40D(スイッチング素子411~414およびキャパシタ421~424)と第1および第2電極層28A,28Bとを電気的に接続する複数のビア(接続導体)を含む。第3実施形態では、導電部28は第1~第5ビア91~95を含む。
【0139】
図17および図19に示すように、第1ビア91は、平面視で半導体発光素子30A、第1表面電極361A、および第1裏面電極381Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第1ビア91は、第1表面電極361Aから第1裏面電極381Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極361Aと第1裏面電極381Aとを接続している。したがって、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)は、電源端子として設けられた第1裏面電極381Aに電気的に接続されている。また、上述したように、第1表面電極361Aはキャパシタ421の第1電極42Aに電気的に接続されている。これにより、半導体発光装置10の動作時におけるスイッチング素子411のオフ状態で、キャパシタ421には電源電圧に基づく電荷が蓄積される。第1ビア91の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第3実施形態では、第1ビア91は行列状(例えば3×3個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第1表面電極361B~361Dと第1裏面電極381B~381Dとを接続する他の第1ビア91についても同様に構成および配置されている。
【0140】
第2ビア92は、平面視で第2表面電極362Aおよびスイッチング素子411のドレイン電極41D(図20参照)と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第2ビア92は、第2表面電極362Aからスイッチング素子411のドレイン電極41Dまで封止樹脂27を貫通しており、第2表面電極362Aとスイッチング素子411のドレイン電極41Dとを接続している。上述したように、第2表面電極362Aは、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)にワイヤW1によって接続されている。したがって、半導体発光素子30Aの表面電極31(カソード電極)はスイッチング素子411のドレイン電極41Dに電気的に接続されている。第2ビア92の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第3実施形態では、第2ビア92は行列状(例えば3×3個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第2表面電極362B~362Dとスイッチング素子412~414のドレイン電極41Dとを接続する他の第2ビア92についても同様に構成および配置されている。
【0141】
第3ビア93は、平面視で第3表面電極363Aおよび第2裏面電極382と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第3ビア93は、第3表面電極363Aから第2裏面電極382まで封止樹脂27を貫通しており、第3表面電極363Aと第2裏面電極382とを接続している。上述したように、第2裏面電極382はグランド端子として設けられており、第3表面電極363Aはキャパシタ421の第2電極42Bに接続されている。したがって、キャパシタ421の第2電極42Bはグランドに接続されている。第3ビア93の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第3実施形態では、第3ビア93は、行列状(例えば2×6個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第3表面電極363B~363Dと第2裏面電極382とを接続する他の第3ビア93についても同様に構成および配置されている。
【0142】
図18および図20に示すように、第4ビア94は、平面視でスイッチング素子411のソース電極41Sおよび第2裏面電極382と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第4ビア94は、スイッチング素子411のソース電極41Sから第2裏面電極382まで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のソース電極41Sと第2裏面電極382とを接続している。したがって、スイッチング素子411のソース電極41Sはグランドに接続されている。第4ビア94の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第3実施形態では、例えば7個の第4ビア94が配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、スイッチング素子412~414のソース電極41Sと第2裏面電極382とを接続する他の第4ビア94についても同様に構成および配置されている。
【0143】
第5ビア95は、平面視で第3裏面電極383Aおよびスイッチング素子411のゲート電極41G(図20参照)と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第5ビア95は、スイッチング素子411のゲート電極41Gから第3裏面電極383Aまで封止樹脂27を貫通しており、スイッチング素子411のゲート電極41Gと第3裏面電極383Aとを接続している。半導体発光装置10の動作時に、第3裏面電極383Aにはゲート電圧信号が印加される。これにより、スイッチング素子411のゲート電極41Gにゲート電圧信号が供給される。第5ビア95の数は特に限定されず、1個以上であってよい。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、スイッチング素子412~414のゲート電極41Gと第3裏面電極383B~383Dとを接続する他の第5ビア95についても同様に構成および配置されている。
【0144】
[3-4.半導体発光装置の電流経路]
第3実施形態では、駆動回路40Aと半導体発光素子30Aとの間の電流経路(導電経路)は、キャパシタ421の第1電極42A、第1電極層28A(表面電極層)の第1表面電極361A、マウント部材35、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)、半導体発光素子30の表面電極31(カソード電極)、ワイヤW1、第1電極層28Aの第2表面電極362A、第2ビア92、スイッチング素子411のドレイン電極41D、スイッチング素子411のソース電極41S、第4ビア94、第2電極層28B(裏面電極層)の第2裏面電極382、第3ビア93、第1電極層28Aの第3表面電極363A、およびキャパシタ421の第2電極42Bの順に電流が流れるループ状に構成される。
【0145】
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、他の駆動回路40B~40Dの各々についても、駆動回路40Aと同様な電気的接続が実現されており、上記電流経路と同様なループ状の電流経路が個別に構成される。
【0146】
[3-5.半導体発光装置の回路構成]
第3実施形態の半導体発光装置10を含む発光システム200は、例えば第1実施形態で図7を参照して説明した回路構成と同様に構成され得る。したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0147】
[3-6.半導体発光装置の利点]
以上説明した第3実施形態の半導体発光装置10によれば、上記第1実施形態の半導体発光装置10で得られる利点(1-1)~(1-5),(1-7),(1-9)~(1-13)と同様な利点に加えて、以下の利点が得られる。
【0148】
(3-1)キャパシタ421~424にセラミックキャパシタが採用されている。これにより、シリコンキャパシタを採用する場合に比べて半導体発光装置10のコストを低減することができる。
【0149】
(3-2)各駆動回路40は、並列接続された複数のキャパシタを含む。例えば、駆動回路40Aは、並列接続された4個のキャパシタ421を含み、他の駆動回路40B~40Dにおいても、同数のキャパシタが設けられている。この構成では、各駆動回路40が単一のキャパシタを含む場合に比べて、インダクタンスを低減することができる。
【0150】
[第4実施形態]
次に、図21図25を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態の半導体発光装置10は、駆動回路40A~40Dのスイッチング素子411~414に横型トランジスタが採用されている点で、第1実施形態の半導体発光装置10とは主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10との相違点を中心に第4実施形態を説明し、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0151】
図21は、第4実施形態の半導体発光装置10の上層側平面構造を示し、図22は、図21の半導体発光装置10の一部(左下領域)の構造を拡大して示したものである。図23は、第4実施形態の半導体発光装置10の下層側平面構造を示す。図24は、図22のF24-F24線に沿った概略断面構造を示し、図25は、図22のF25-F25線に沿った概略断面構造を示す。なお、図21および図22では、主面レジスト層29Aの開口部が二点鎖線によって示されており、図23では、裏面レジスト層29Bの開口部が二点鎖線によって示されている。
【0152】
[4-1.第4実施形態の半導体発光装置の全体構造]
図21に示すように、第4実施形態の半導体発光装置10は、基板20と、半導体発光素子30A~30Dと、駆動回路40A~40Dと、保護ダイオード70A~70Dとを含む。基板20は、平面視矩形状(例えば正方形状)を有している。駆動回路40A~40Dのスイッチング素子411~414は封止樹脂27内に埋め込まれておらず、導電部28の第1電極層28A上に実装されている。上記したように、スイッチング素子411~414には横型トランジスタが採用されている。一方、駆動回路40A~40Dのキャパシタ421~424は封止樹脂27内に埋め込まれている。第1実施形態と同様、キャパシタ421~424にはシリコンキャパシタが採用されている。
【0153】
横型トランジスタの一例は、窒化物半導体(例えば、窒化ガリウム(GaN))を用いた窒化物半導体トランジスタである。第4実施形態では、例えば、窒化物半導体を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)が用いられている。なお、横型トランジスタであれば、スイッチング素子411~414にMOSFETが用いられてもよい。
【0154】
[4-2.導電部の電極層]
第4実施形態の基板20は、第1実施形態と同様に2層基板であり、導電部28は、上層側の第1電極層28A(図21および図22参照)と、下層側の第2電極層28B(図23参照)とを含む。以下、第4実施形態の第1および第2電極層28A,28Bについて説明する。
【0155】
[4-2A.第1電極層(表面電極層)]
図21および図22に示すように、表面電極層である第1電極層28Aは、互いに離間した複数の表面電極を含む。第4実施形態では、第1電極層28Aは、第1表面電極461A~461D、第2表面電極462A~462D、第3表面電極463A~463D、および第4表面電極464A~464Dを含む。
【0156】
第1表面電極461A~461D、第2表面電極462A~462D、第3表面電極463A~463D、および第4表面電極464A~464Dは、半導体発光素子30A~30D、駆動回路40A~40Dのスイッチング素子411~414、および保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0157】
第1表面電極461A~461Dは各々、中央領域ACと周辺領域AP(第1~第4周辺領域AP1~AP4のうちの対応する一つ)との双方にわたって配置されている。第1表面電極461A~461Dは、中央領域AC内で互いに隣接する部分を半導体発光素子30A~30Dの実装面として含む。さらに、第1表面電極461A~461Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置される部分を含む。第1~第4周辺領域AP1~AP4に配置される第1表面電極461A~461Dの部分は、保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0158】
第2表面電極462A~462Dは、第1表面電極461A~461D、第3表面電極463A~463D、および第4表面電極464A~464Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第2表面電極462A~462Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第2表面電極462A~462Dは、ワイヤW1の実装、ならびにスイッチング素子411~414および保護ダイオード70A~70Dの実装に用いられる。
【0159】
第3表面電極463A~463Dは、第2表面電極462A~462Dおよび第4表面電極464A~464Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第3表面電極463A~463Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第3表面電極463A~463Dは、スイッチング素子411~414の実装に用いられる。
【0160】
第4表面電極464A~464Dは、第2表面電極462A~462Dおよび第3表面電極463A~463Dにそれぞれ隣接しつつ、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第4表面電極464A~464Dは、回転対称の関係を有して第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されている。第4表面電極464A~464Dは、スイッチング素子411~414の実装に用いられる。
【0161】
図24および図25に示すように、半導体発光素子30Aは、マウント部材35を用いて第1表面電極461Aに実装されている。第4実施形態では、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)がマウント部材35の表面接合部36に接合され、マウント部材35の裏面が第1表面電極461Aに導電性接合材SDで接合されている。断面図は省略するが、半導体発光素子30Aと同様に、半導体発光素子30B~30Dも、マウント部材35を用いて第1表面電極461B~461Dにそれぞれ実装されている。
【0162】
図21および図22に示すように、半導体発光素子30A~30Dは、第2表面電極462A~462DにそれぞれワイヤW1で接続されている。第4実施形態では、半導体発光素子30A~30Dの表面電極31(カソード電極)が第2表面電極462A~462DにそれぞれワイヤW1で接続されている。第1実施形態と同様に、例えば回路全体の配線インダクタンスを低減する観点などから、半導体発光素子30Aの電流経路の一部をなすワイヤW1の数は複数本(例えば4本以上)とされている。
【0163】
第4実施形態において、スイッチング素子411~414は、上述したように横型トランジスタである。図22に示すように、スイッチング素子411は、第2表面電極462Aに実装されるドレイン電極41Dと、第3表面電極463Aに実装されるゲート電極41Gと、第4表面電極464Aに実装されるソース電極41Sとを含む。例えば、図24に示すように、ドレイン電極41Dは、はんだなどの接合部SDによって第2表面電極462Aに接合されている。図示は省略するが、ゲート電極41Gおよびソース電極41Sも、接合部によって第3表面電極463Aおよび第4表面電極464Aにそれぞれ接合されている。なお、スイッチング素子411と同様に、スイッチング素子412~414も、第2表面電極462B~462D、第3表面電極463B~463D、および第4表面電極464B~464Dにそれぞれ実装されている。
【0164】
保護ダイオード70Aは、第1および第2表面電極461A,462Aの双方にわたって実装されており、アノード電極71が第2表面電極462Aに、カソード電極72が第1表面電極461Aに接合されている。したがって、保護ダイオード70Aは、半導体発光素子30Aに逆並列に接続されている。なお、保護ダイオード70Aと同様に、保護ダイオード70B~70Dも、第1表面電極461B~461Dおよび第2表面電極462B~462Dにそれぞれ実装されている。
【0165】
[4-2B.第2電極層(裏面電極層)]
図23に示すように、裏面電極層である第2電極層28Bは、互いに離間した複数の裏面電極(パターン電極)を含む。これらの裏面電極は、図示しない回路基板に対する半導体発光装置10の実装時にその回路基板に電気的に接続される外部電極端子として機能する。第4実施形態では、第2電極層28Bは、第1裏面電極481、第2裏面電極482A~482D、および第3裏面電極483A~483Dを含む。
【0166】
第1裏面電極481は、基板20の中央領域ACおよび第1~第4周辺領域AP1~AP4にわたって配置されており、平面視において、キャパシタ421~424、第1表面電極461A~461D、および第4表面電極464A~464Dと重なっている。第1裏面電極481は、封止樹脂27に埋め込まれたキャパシタ421~424の第2電極42B(図24参照)および第4表面電極464A~464Dとの電気的接続用に設けられている。第1裏面電極481は、グランド電圧を供給するグランド端子として機能する。
【0167】
第2裏面電極482A~482Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されており、平面視で第3表面電極463A~463Dと重なっている。第2裏面電極482A~482Dは、第3表面電極463A~463Dとの電気的接続用に設けられている。第2裏面電極482A~482Dは、ゲート電圧信号を供給する信号端子として機能する。
【0168】
第3裏面電極483A~483Dは、第1~第4周辺領域AP1~AP4にそれぞれ配置されており、平面視で第1表面電極461A~461Dと重なっている。第3裏面電極483A~483Dは、第1表面電極461A~461Dとの電気的接続用に設けられている。第3裏面電極483A~483Dは、電源電圧を供給する電源端子として機能する。
【0169】
[4-3.半導体発光素子と駆動回路との接続構造]
導電部28は、半導体発光素子30A~30Dと駆動回路40A~40D(スイッチング素子411~414およびキャパシタ421~424)と第1および第2電極層28A,28Bとを電気的に接続する複数のビア(接続導体)を含む。第4実施形態では、導電部28は第1~第5ビア91~95を含む。
【0170】
図22および図24に示すように、第1ビア91は、平面視で半導体発光素子30A、第1表面電極461A、およびキャパシタ421の第1電極42Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第1ビア91は、第1表面電極461Aからキャパシタ421の第1電極42Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極461Aとキャパシタ421の第1電極42Aとを接続している。上述したように、第1表面電極461Aは、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)と電気的に接続されている。したがって、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)はキャパシタ421の第1電極42Aと電気的に接続されている。第1ビア91の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第4実施形態では、第1ビア91は行列状(例えば2×2個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第1表面電極461B~461Dとキャパシタ422~424の第1電極42Aとを接続する他の第1ビア91についても同様に構成および配置されている。
【0171】
第2ビア92は、平面視で第4表面電極464Aおよび第2裏面電極481と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第2ビア92は、第4表面電極464Aから第2裏面電極481まで封止樹脂27を貫通しており、第4表面電極464Aと第2裏面電極481とを接続している。上述したように、第4表面電極464Aはスイッチング素子411のソース電極41Sに接続されており、第2裏面電極481はグランド端子として設けられている。したがって、スイッチング素子411のソース電極41Sはグランドに接続されている。第2ビア92の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第4実施形態では、第2ビア92は行列状(例えば2×4個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第4表面電極464B~464Dと第2裏面電極481とを接続する他の第2ビア92についても同様に構成および配置されている。
【0172】
第3ビア93は、平面視で第3表面電極463Aおよび第2裏面電極482Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。断面図は省略するが、第3ビア93は、第3表面電極463Aから第2裏面電極482Aまで封止樹脂27を貫通しており、第3表面電極463Aと第2裏面電極482Aとを接続している。上述したように、第3表面電極463Aはスイッチング素子411のゲート電極41Gに接続されており、第2裏面電極482Aはゲート電圧信号を供給する信号端子として設けられている。したがって、半導体発光装置10の動作時に、スイッチング素子411のゲート電極41Gにはゲート電圧信号が供給される。
【0173】
図22および図25に示すように、第4ビア94は、平面視で第1表面電極461Aおよび第3裏面電極483Aと重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第3ビア93は、第1表面電極461Aから第3裏面電極483Aまで封止樹脂27を貫通しており、第1表面電極461Aと第3裏面電極483Aとを接続している。上述したように、第1表面電極461Aはキャパシタ422の第1電極42Aに電気的に接続されており、第3裏面電極483Aは電源端子として設けられている。これにより、半導体発光装置10の動作時におけるスイッチング素子411のオフ状態で、キャパシタ421には電源電圧に基づく電荷が蓄積される。第4ビア94の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第4実施形態では、第4ビア94は行列状(例えば2×3個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、第1表面電極461B~461Dと第3裏面電極483B~483Dとを接続する他の第4ビア94についても同様に構成および配置されている。
【0174】
図23および図25に示すように、第5ビア95は、平面視でキャパシタ421の第2電極42Bおよび第1裏面電極481と重なる位置において封止樹脂27内に配置されている。第5ビア95は、キャパシタ421の第2電極42Bから第1裏面電極481まで封止樹脂27を貫通しており、キャパシタ421の第2電極42Bと第1裏面電極481とを接続している。上述したように、第1裏面電極481はグランド端子として設けられている。したがって、キャパシタ421の第2電極42Bはグランドに接続されている。第5ビア95の数は特に限定されず、1個以上であってよい。第4実施形態では、第5ビア95は行列状(例えば2×2個)に配置されている。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、キャパシタ422~424の第2電極42Bと第1裏面電極481とを接続する他の第5ビア95についても同様に構成および配置されている。
【0175】
[4-4.半導体発光装置の電流経路]
第4実施形態では、駆動回路40Aと半導体発光素子30Aとの間の電流経路(導電経路)は、キャパシタ421の第1電極42A、第1ビア91、第1電極層28A(表面電極層)の第1表面電極461A、マウント部材35、半導体発光素子30Aの裏面電極32(アノード電極)、半導体発光素子30の表面電極31(カソード電極)、ワイヤW1、第1電極層28Aの第2表面電極462A、スイッチング素子411のドレイン電極41D、スイッチング素子411のソース電極41S、第1電極層28Aの第4表面電極464A、第2ビア92、第2電極層28B(裏面電極層)の第1裏面電極481、第5ビア95、およびキャパシタ421の第2電極42Bの順に電流が流れるループ状に構成される。
【0176】
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、他の駆動回路40B~40Dの各々についても、駆動回路40Aと同様な電気的接続が実現されており、上記電流経路と同様なループ状の電流経路が個別に構成される。
【0177】
[4-5.半導体発光装置の回路構成]
第4実施形態の半導体発光装置10を含む発光システム200は、例えば第1実施形態で図7を参照して説明した回路構成と同様に構成され得る。したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0178】
[4-6.半導体発光装置の利点]
以上説明した第4実施形態の半導体発光装置10によれば、上記第1実施形態の半導体発光装置10で得られる利点(1-1)~(1-6),(1-8)~(1-13)と同様な利点に加えて、以下の利点が得られる。
【0179】
(4-1)スイッチング素子411~414に横型トランジスタの一例である窒化物半導体トランジスタ(例えば、第4実施形態ではGaN-HEMT)が採用されている。この構成では、窒化物半導体トランジスタを利用した半導体発光装置10を提供することができる。
【0180】
[変更例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態および以下の各変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0181】
・上記各実施形態では、封止樹脂27から露出した導電部28(第1電極層28A)上にマウント部材35を使用して半導体発光素子30を実装したが、図26を参照して以下に説明するように表面実装パッケージ300を使用して半導体発光素子30を実装してもよい。
【0182】
図26は、表面実装パッケージ300を含む半導体発光装置10の概略断面図である。表面実装パッケージ300は、複数のセラミック層を積層してなるセラミックパッケージであり、第1収容部301および第2収容部302を含む。第1収容部301は第1ランド311を含み、マウント部材35を収容可能に構成されている。マウント部材35は第1ランド311に実装されている。
【0183】
第2収容部302は、第1収容部301と段差状に連なっており、マウント部材35に実装された半導体発光素子30を収容可能に構成されている。第2収容部302は環状の第2ランド312を含み、半導体発光素子30の表面電極31は、複数のワイヤW1によって環状の第2ランド312に接続されている。なお、図26では2本のワイヤW1のみを示しているが、実際にはより多数のワイヤW1によって半導体発光素子30の表面電極31が環状の第2ランド312に接続されている。
【0184】
表面実装パッケージ300はさらに、表面実装パッケージ300内に貫通して設けられた第1貫通導体303および第2貫通導体304を含む。第1貫通導体303は、第1ランド311に接続された第1端と、表面実装パッケージ300から露出した第2端とを有している。第2貫通導体304は、第2ランド312に接続された第1端と、表面実装パッケージ300から露出した第2端とを有している。
【0185】
図26の例では、表面実装パッケージ300が導電性接合材SDによって第1実施形態の半導体発光装置10の第1電極層28Aに実装されている。第1貫通導体303の第2端が第2表面電極62Aに接合され、第2貫通導体304の第2端が第1表面電極61Aに接合されている。なお、図示は省略するが、他の第2表面電極62B~62Dにも第1貫通導体303が同様に接合され、他の第1表面電極61B~61Dにも第2貫通導体304が同様に接合されている。
【0186】
このような表面実装パッケージ300を用いて第2ランド312にワイヤW1を接続することで、マウント部材35を用いて半導体発光素子30を実装する構成においてワイヤW1の長さを短くすることができる。これにより、抵抗およびインダクタンスを低減することができる。また、半導体発光素子30を囲む環状の第2ランド312に多数のワイヤW1を接続することが可能となるため、抵抗およびインダクタンスをより低減することが可能となる。
【0187】
・上記各実施形態では、各半導体発光素子30にPCSEL素子を採用したが、図27を参照して以下に説明するように、各半導体発光素子30に端面発光素子を採用しつつ、光反射素子50を併用してもよい。
【0188】
図27は、端面発光素子によって構成された半導体発光素子30と光反射素子50との組み合わせを用いた別例の半導体発光装置の概略平面図である。半導体発光素子30は、所定の波長帯のレーザ光を出力する端面発光型レーザ(Edge Emitting Laser:EEL)素子で構成されている。なお、レーザ光は可視光線であってもよいし、赤外線などの可視光線よりも波長が長いレーザ光であってもよい。
【0189】
光反射素子50は、上記各実施形態の基板20(第1導電層28A)の中央領域ACに配置されている。光反射素子50の周囲には、複数(図27の例では8個)の半導体発光素子30(端面発光素子)が配置されている。光反射素子50は、半導体発光素子30(端面発光素子)から出射された光を基板20に交差する方向に反射するように構成されている。光反射素子50の一例は、光を入射方向に対して所定の角度で反射するように構成された光反射型ミラーである。図27の例では、45°の反射角を有し、光を入射方向に対して垂直方向に反射するように構成された4つの反射面51A~51Dを有するミラーが光反射素子50として用いられている。
【0190】
なお、光反射素子50はミラーのみに限定されない。光反射素子50の他の例は、光を入射方向に対して所定の角度で回折するように構成された回折格子である。この場合、回折格子は反射型または透過型のいずれであってもよい。反射型の場合は、ミラーの場合と同様、回折格子は光を入射方向に対して垂直方向に反射するように構成され得る。透過型の場合、回折格子は、光の屈折によって光の入射方向に対して回折光を垂直方向に出射するように構成され得る。このように、実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子に代えて、端面発光素子と光反射素子50との組み合わせを用いることも可能である。
【0191】
・上記各実施形態では、各半導体発光素子30にPCSEL素子を採用したが、PCSEL素子に限定されない。例えば、実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子として垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)素子を採用してもよい。
【0192】
・上記各実施形態では、駆動回路40A~40Dを第1~第4周辺領域AP1~AP4に回転対称の関係で配置したが、周辺領域APに任意のレイアウトで配置してもよい。
・上記第3実施形態において、各駆動回路40に設けられるセラミックキャパシタの数は1つでもよい。
【0193】
・第1実施形態の基板20上にゲートドライバ205A~205Dが搭載されてもよい。すなわち、半導体発光装置10がゲートドライバ205A~205Dを含んでいてもよい。
【0194】
・第2実施形態の基板20上に保護ダイオード70A~70Dが搭載されていなくてもよい。すなわち、半導体発光装置10が保護ダイオード70A~70Dを含んでいなくてもよい。
【0195】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、例えば、「第1要素が第2要素上に実装される」という表現は、或る実施形態では第1要素が第2要素に接触して第2要素上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1要素が第2要素に接触することなく第2要素の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1要素と第2要素との間に他の要素が形成される構造を排除しない。
【0196】
本開示で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造(例えば、図1に示される構造)は、本明細書で説明されるZ軸方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0197】
[付記]
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、各付記に記載された構成要素に対応する実施形態の構成要素の符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0198】
(付記1)
半導体発光素子(30(30A;30B;30C;30D))と、
前記半導体発光素子(30)を駆動する駆動回路(40(40A;40B;40C;40D))であって、
前記半導体発光素子(30)を制御するスイッチング素子(411;412;413;414)と、
前記半導体発光素子(30)に電流を供給するキャパシタ(421;422;423;424)と
を含む前記駆動回路(40)と、
前記駆動回路(40)の少なくとも一部が埋め込まれた封止樹脂(27)と、
前記封止樹脂(27)に設けられ、前記半導体発光素子(30)と前記駆動回路(40)との導電経路を構成する導電部(28)と、を備え、
前記半導体発光素子(30)は、前記半導体発光素子(30)の実装面に対して交わる方向に光を出射する光出射素子により構成されている、半導体発光装置。
【0199】
(付記2)
前記半導体発光素子(30)は、前記実装面に実装された複数の半導体発光素子(30A~30D)のうちの一つであり、前記駆動回路(40)は、前記複数の半導体発光素子のうちの一つ以上を各々駆動する複数の駆動回路(40A~40D)のうちの一つである、付記1に記載の半導体発光装置。
【0200】
(付記3)
前記導電部(28)は、前記半導体発光素子(30)の前記実装面を含む第1電極層(28A)を含み、
前記複数の半導体発光素子(30A~30D)は、前記第1電極層(28A)の中央領域(AC)に集約配置されている、付記2に記載の半導体発光装置。
【0201】
(付記4)
前記複数の半導体発光素子(30A~30D)は、前記第1電極層(28A)の前記中央領域(AC)に互いに隣接して行列状に配置されている、付記3に記載の半導体発光装置。
【0202】
(付記5)
前記スイッチング素子(411;412;413;414)と前記キャパシタ(421;422;423;424)とのうちの少なくとも一方が前記封止樹脂(27)に埋め込まれている、付記1~4のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0203】
(付記6)
前記スイッチング素子(411;412;413;414)と前記キャパシタ(421;422;423;424)とのうち少なくとも前記キャパシタ(421;422;423;424)が前記封止樹脂(27)に埋め込まれており、
前記キャパシタ(421;422;423;424)は、平面視で前記半導体発光素子(30)と重なる位置にて前記封止樹脂(27)に埋め込まれている、付記5に記載の半導体発光装置。
【0204】
(付記7)
前記キャパシタ(421;422;423;424)と前記スイッチング素子(411;412;413;414)との双方が前記封止樹脂(27)内で同一層位置に埋め込まれている、付記5または6に記載の半導体発光装置。
【0205】
(付記8)
前記キャパシタ(421;422;423;424)は、前記封止樹脂(27)に埋め込まれたシリコンキャパシタであり、
前記スイッチング素子(411;412;413;414)は、前記封止樹脂(27)に埋め込まれた縦型MOSFETである、付記1~7のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0206】
(付記9)
前記キャパシタ(421;422;423;424)は、前記封止樹脂(27)に埋め込まれたシリコンキャパシタであり、
前記スイッチング素子(411;412;413;414)は、前記封止樹脂(27)から露出した前記導電部(28)上に実装された窒化物半導体トランジスタである、付記1~6のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0207】
(付記10)
前記キャパシタ(421;422;423;424)は、前記封止樹脂(27)から露出した前記導電部(28)上に実装されたセラミックキャパシタであり、
前記スイッチング素子(411;412;413;414)は、前記封止樹脂(27)に埋め込まれた縦型MOSFETである、付記1~5のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0208】
(付記11)
前記光出射素子(30)は、フォトニック結晶面発光レーザ素子または垂直共振器型面発光レーザ素子である、付記1~10のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0209】
(付記12)
前記キャパシタ(421;422;423;424)は、前記駆動回路(40)に設けられた複数のキャパシタ(421~424)のうちの1つである、付記1~11のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0210】
(付記13)
前記スイッチング素子(411;412;413;414)は、前記半導体発光素子と複数のワイヤで接続されている、付記1~12のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0211】
(付記14)
前記駆動回路(40)における前記スイッチング素子(411;412;413;414)を駆動するゲートドライバ(205A;205B;205C;205D)をさらに備える付記1~13のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0212】
(付記15)
前記半導体発光素子(30)に逆並列に接続された保護ダイオード(70A;70B;70C;70D)をさらに備える付記1~14のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0213】
(付記16)
前記半導体発光素子(30)および前記駆動回路(40)に電流を供給する電源入力部と前記駆動回路(40)との間に設けられた逆流防止ダイオード(204A;204B;204C;204D)をさらに備える付記1~15のうちのいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0214】
(付記17)
前記スイッチング素子(411;412;413;414)と前記キャパシタ(421;422;423;424)との双方が前記封止樹脂(27)に埋め込まれており、
前記半導体発光装置はさらに、前記封止樹脂(27)から露出した前記導電部(28)上に実装された表面実装パッケージ(300)を備えており、
前記表面実装パッケージ(300)は、
第1ランド(311)を含み、前記第1ランド(311)に実装されたマウント部材(35)を収容可能な第1収容部(301)と、
前記第1収容部(301)と段差状に連なり、前記マウント部材(35)に実装された前記半導体発光素子(30)を収容可能な第2収容部(302)であって、環状の第2ランド(312)を含む前記第2収容部(302)と、
前記表面実装パッケージ(300)内に貫通して設けられ、前記第1ランド(311)に接続された第1端と、前記表面実装パッケージ(300)から露出した第2端とを有する第1貫通導体(303)と、
前記表面実装パッケージ(300)内に貫通して設けられ、前記第2ランド(312)に接続された第1端と、前記表面実装パッケージ(300)から露出した第2端とを有する第2貫通導体(304)と、
を含む、付記1に記載の半導体発光装置。
【0215】
(付記18)
端面発光素子により構成された半導体発光素子(30)と、
前記半導体発光素子(30)を駆動する駆動回路(40)であって、
前記半導体発光素子(30)を制御するスイッチング素子(411;412;413;414)と、
前記半導体発光素子(30)に電流を供給するキャパシタ(421;422;423;424)と
を含む前記駆動回路(40)と、
前記駆動回路(40)の一部が埋め込まれた封止樹脂(27)と、
前記封止樹脂(27)に設けられ、前記半導体発光素子(30)と前記駆動回路(40)との導電経路を構成する導電部(28)と、
前記半導体発光素子(30)から出射された光を前記半導体発光素子(30)の実装面に交差する方向に反射する光反射素子(50)と
を備える半導体発光装置。
【0216】
(付記19)
前記光反射素子(50)は、ミラーまたは回折格子である、付記18に記載の半導体発光装置。
【符号の説明】
【0217】
10:半導体発光装置
20:基板
21:主面
22:裏面
23~26:第1~第4側面
27:封止樹脂
28A:第1電極層(表面電極層)
28B:第2電極層(裏面電極層)
29A:主面レジスト層
29B:裏面レジスト層
30,30A~30D:半導体発光素子
31:表面電極
32:裏面電極
33:発光領域
35:マウント部材
40,40A~40D:駆動回路
411~414:スイッチング素子
41A:第1面
41B:第2面
41S:ソース電極
41G:ゲート電極
41D:ドレイン電極
421~424:キャパシタ
42A:第1電極
42B:第2電極
50:光反射素子
70A~70D:保護ダイオード
71:アノード電極
72:カソード電極
200:発光システム
201:直流電源
202:キャパシタ
203:直流制限抵抗
204A~204D:逆流防止用ダイオード
205A~205D:ゲートドライバ
206A~206D:パルスジェネレータ
207A~207D:制御電源
300:表面実装パッケージ
301:第1収容部
302:第2収容部
303:第1貫通導体
304:第2貫通導体
311:第1ランド
312:環状の第2ランド
AC:中央領域
AP:周辺領域
AP1:第1周辺領域
AP2:第2周辺領域
AP3:第3周辺領域
AP4:第4周辺領域
VC,HC:仮想中心線
W1:ワイヤ
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