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特開2025-9929風力タービンのナセルの変圧器を取り出す方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009929
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】風力タービンのナセルの変圧器を取り出す方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/50 20160101AFI20250109BHJP
   F03D 80/80 20160101ALI20250109BHJP
【FI】
F03D80/50
F03D80/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024099674
(22)【出願日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】23382680.9
(32)【優先日】2023-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513131419
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・ディガール・ブロ・デ・キュサール
(72)【発明者】
【氏名】ロイク・ラゲネス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エドワード・ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】シャーリー・ブフェ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB77
3H178BB79
3H178CC25
3H178DD11Z
3H178DD70X
(57)【要約】
【課題】風力タービンのナセルから変圧器を取り出すための方法を提供する。
【解決方法】方法は、ガイドシステムに沿ってカートを移動させることを含み、カートが変圧器を運搬し、ガイドシステムが、ナセルの内側に配置された第1のガイド部分と、ナセルの開口を通ってナセルの第1の端部を越えて延びる第2のガイド部分とを備える。この方法はさらに、変圧器を第2のガイド部分に沿って移動させて、変圧器をナセルの外側に配置することを含む。このような方法に適したナセルおよび風力タービンも提供されえる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンのナセル(16)から変圧器(90)を取り出す方法であって、
前記変圧器(90)を運搬するカート(130)をガイドシステム(100)に沿って移動させるステップであって、前記ガイドシステム(100)は、前記ナセル(16)の内部に配置された第1のガイド部分(111)と、前記ナセルの開口(19)を通って前記ナセルの第1の端部(17)を越えて延在する第2のガイド部分(112)とを備える、前記ステップと、
前記変圧器(90)を前記第2のガイド部分(112)に沿って移動させ、前記変圧器(90)を前記ナセル(16)の外側に配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記カート(130)を前記ガイドシステム(100)に沿って移動させる前に、前記変圧器(90)を前記カート(130)に接続するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変圧器(90)を前記カート(130)に接続するステップが、前記変圧器(90)を前記カート(130)から前記吊り下げるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ナセルの前記第1の端部(17)が前記ナセルの後端部である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ナセル内の前記変圧器(90)の軌道から前記ナセル内の要素を移動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ガイドシステム(100)が伸縮ガイドシステムであり、前記第2のガイド部分(112)が長手方向軸に沿って前記第1のガイド部分(111)に対して相対的に移動可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のガイド部分(112)を前記第1のガイド部分(111)に取り付けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のガイド部分(112)をクレーンで前記ナセル(16)に向けて吊り上げるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガイドシステム(100)がホイストをさらに備え、前記方法が、前記ホイストを用いて前記変圧器(90)を前記ナセル(16)の床から持ち上げるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記変圧器(90)を前記ナセル(16)の外側に移動させた後、前記変圧器(90)をクレーンで吊り上げるステップをさらに含み、任意選択で、前記クレーンが前記第2のガイド部分に取り付けられた状態で吊り上げられる、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
風力タービンのナセル(16)であって、
変圧器(90)と、
カート(130)を案内するように構成されたガイドシステム(100)と、を含み、
前記ガイドシステム(100)は、前記ナセル(16)の内部に配置される第1のガイド部分(111)と、第2のガイド部分(112)とを備え、
前記第2のガイド部分(112)は、開口(19)を介して前記ナセルの第1の端部(17)を越えて延びるように構成され、
前記カート(130)は前記変圧器(90)を運ぶように構成されている、ナセル(16)。
【請求項12】
前記ガイドシステム(100)が長手方向のレール(110)を含み、前記カート(130)がレールに沿って移動するように構成された1つまたは複数のローラまたはスライドパッド(120)を含む、請求項11に記載のナセル(16)。
【請求項13】
前記カート(130)の両端が前記ガイドシステム(100)に弾力的に連結されて同調質量ダンパを形成する、請求項11に記載のナセル(16)。
【請求項14】
前記ガイドシステム(100)が伸縮ガイドシステムであり、前記第2のガイド部分(112)が長手方向軸に沿って長手方向レール(110)の第1のガイド部分(111)に対して相対的に移動可能である、請求項11に記載のナセル(16)。
【請求項15】
タワー(15)と、
請求項11~14のいずれかに記載のナセル(16)と、
ハブ(20)を介して前記ナセル(16)に回転可能に支持された1つまたは複数のブレード(22)と、
を含む、風力タービン(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風力タービンのナセルの電気部品を取り出す方法に関し、より詳細には、風力タービンのナセルから変圧器(transformers:トランス)を取り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の風力タービンは、電力網に電力を供給するために一般的に使用されている。この種の風力タービンは一般に、タワーと、タワー上に配置されたロータとを含む。ロータは通常、ハブと複数のブレードを含み、ブレードへの風の影響を受けて回転する。この回転によりトルクが発生し、通常、ロータシャフトを介して発電機に直接(「直接駆動」または「ギアレス」)またはギアボックスを使用して伝達される。こうして発電機は電力を生成し、送電網(electrical grid)に供給することができる。
【0003】
風力タービンはここ数十年の間に急速な進化を遂げ、明らかに大型化の傾向にある。風力タービンが発電する電力はロータの掃引面積(rotor swept area)に比例し、したがってブレードの長さの2乗に比例する。そのため、風からより多くのエネルギーを引き出し、より高い発電量を得ることを目的として、より高いタワーとより長いブレードが使用されてきた。長年にわたる大型化は、風力タービンの部品に作用する荷重の大幅な増加につながり、機械工学、電気工学、材料工学、土木工学など幅広い分野に新たな課題を突きつけている。
【0004】
風力タービン発電機によって生成された電力は、変圧器(transformer)や電力変換器(power converter)などのさまざまな電気部品を介して調整される。タービンの変圧器が電力の電圧振幅を上げ、調整された電力が送電網に供給される。
【0005】
これらの電気部品は一般的に風力タービンタワーの基部(base)に設置されてきた。しかし、風力タービンのナセルに設置するのが一般的になりつつある。
【0006】
変圧器やコンバータは比較的大きく、重量もある(重量は約10~11トンとなりえる)。変圧器などの部品が損傷した場合、その交換に多くの時間と労力を費やさなければならない。このような重い構成部品の交換は、特に地上から高い位置にある風力タービンのナセルに設置されている場合、難題となる。
【0007】
ナセルに設置された変圧器の場合、吊り上げ装置を使用してナセル上部から変圧器を取り出すことが知られている。この場合、クレーンからの吊り上げラインが変圧器に接続され、変圧器はナセル上部の開口から吊り上げられ、取り出される。取り出しの際、吊り上げ動作が変圧器の振動を引き起こし、変圧器がナセル内の要素にぶつかるなどして損傷する可能性がある。したがって、この方法は非常に繊細で時間がかかる。
【0008】
また、ナセルの底部、例えばハッチから変圧器を取り出すことも知られている。これらの方法には、ナセル内に設置しなければならない特殊なクレーンを使用する必要がある。
【0009】
本開示は、前述の欠点のいくつかを少なくとも部分的に克服する方法および装置を提供する。
【発明の概要】
【0010】
本開示の一態様では、風力タービンのナセルから変圧器を取り出す方法が提供される。本方法は、ガイドシステムに沿ってカート(cart:台車)を移動させることを含み、カートは変圧器を運搬し、ガイドシステムは、ナセルの内部に配置された第1のガイド部分と、ナセルの開口を通ってナセルの第1の端部を越えて延在する第2のガイド部分とを備える。この方法はさらに、変圧器を第2のガイド部分に沿って移動させ、変圧器をナセルの外側に配置することを含む。
【0011】
この態様によれば、風力タービンのナセルからの変圧器の取り出しが簡素化される。複雑な工具や重い工具を使用することなく、変圧器を取り出すことができる。また、取り出し時間も大幅に短縮できる。さらに、抜き取りプロセス(extraction process)中、変圧器は常に制御された動き下にあるため、変圧器の振動によってナセル内部の部品が損傷するリスクを排除または低減することができる。
【0012】
本開示の別の態様では、風力タービンのナセルが提供される。ナセルは変圧器を備える。ナセルは、カートを案内するように構成されたガイドシステムをさらに備える。ガイドシステムは、ナセルの内部に配置される第1のガイド部分(guide part)と、第2のガイド部分とを備え、第2のガイド部分は、開口を介してナセルの第1の端部を越えて延びるように構成され、カートは、変圧器を運ぶように構成される。
【0013】
さらなる態様では、風力タービンが提供される。風力タービンは、タワーと、ナセルと、ハブを介してナセルに回転可能に支持された1つまたは複数のブレードとを備える。ナセルは変圧器を備える。ナセルは、カートを案内するように構成されたガイドシステムをさらに備える。ガイドシステムは、ナセルの内側に配置される第1のガイド部分と、第2のガイド部分とを備え、第2のガイド部分は、開口を介してナセルの第1の端部を越えて延びるように構成され、カートは、変圧器を運ぶように構成される。
【0014】
本開示の実施形態の付加的な目的、利点および特徴は、本明細書を検討することにより当業者に明らかになるか、または実施により知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】風力タービンの一例を模式的に示す透視図である。
図2】風力タービンのハブとナセルの一例を示す。
図3】風力タービンのナセルから変圧器を取り出す方法の一例を示すフローチャートである。
図4】本開示によるナセルの一例を概略的に示す。
図5】本開示によるガイドシステムの一部の例を概略的に示す。
図6】本開示によるナセルの一例を概略的に示している。
図7】風力タービンのナセルに変圧器を導入する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本開示の実施形態を詳細に参照するが、その1つ以上の例が図面に示されている。各例は、説明のために提供されるものであり、限定として提供されるものではない。実際、当業者には、教示の範囲または精神から逸脱することなく、本開示において様々な修正および変形を行うことができることが明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用され、さらなる実施形態を得ることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形をカバーすることが意図される。
【0017】
図1は、風力タービン10の一例を示す透視図である。この例では、風力タービン10は水平軸風力タービンである。あるいは、風力タービン10は垂直軸風力タービンであってもよい。本実施例では、風力タービン10は、地面12上の支持システム14から延びるタワー15と、タワー15に取り付けられたナセル16と、ナセル16に結合されたロータ18とを含む。ロータ18は、回転可能なハブ20と、ハブ20に結合され、ハブ20から外側に延びる少なくとも1つのロータブレード22とを含む。この例では、ロータ18は3つのロータブレード22を有する。代替実施形態では、ロータ18は3枚より多いか少ないロータブレード22を含む。タワー15は、支持システム14とナセル16との間に空洞(図1には示されていない)を画定するために、管状鋼から製造することができる。代替実施形態では、タワー15は、任意の適切な高さを有する任意の適切なタイプのタワーである。代替案によれば、タワーは、コンクリート製部分と鋼管製部分を含むハイブリッドタワーとすることができる。また、部分的または全体的な格子タワーとすることもできる。
【0018】
ロータブレード22は、ロータ18を回転させて運動エネルギーを風から利用可能な機械エネルギー、ひいては電気エネルギーに変換できるようにするため、ハブ20に対して間隔をあけて配置されている。ロータブレード22は、複数の荷重伝達領域26でブレード根元部分24をハブ20に結合することにより、ハブ20に嵌合される。荷重伝達領域(load transfer regions:負荷伝達領域)26は、ハブ荷重伝達領域とブレード荷重伝達領域(両方とも図1には示されていない)を有することができる。ロータブレード22に誘導された荷重は、荷重伝達領域26を介してハブ20に伝達される。
【0019】
この実施例では、ロータブレード22は、約15m(メートル)から約90m以上の範囲の長さを有することができる。ロータブレード22は、風力タービン10が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の適切な長さを有することができる。例えば、ブレードの長さの非限定的な例としては、20m以下、37m、48.7m、50.2m、52.2m、または91mを超える長さが挙げられる。風が風向28からロータブレード22に当たると、ロータ18はロータ軸30を中心に回転する。ロータブレード22が回転して遠心力を受けると、ロータブレード22も様々な力とモーメントを受ける。そのため、ロータブレード22は、中立位置、すなわち非偏向位置から偏向位置まで偏向および/または回転する(deflect and/or rotate from a neutral, or non-deflected, position to a deflected position)場合がある。
【0020】
さらに、ロータブレード22のピッチ角、すなわち風向きに対するロータブレード22の向きを決定する角度は、風ベクトルに対する少なくとも1つのロータブレード22の角度位置を調整することによって風力タービン10によって生成される負荷および電力を制御するために、ピッチシステム32によって変更することができる。ロータブレード22のピッチ軸34が示されている。風力タービン10の運転中、ピッチシステム32は、特に、ロータブレード(の一部)の迎え角(angle of attack)を減少させるようにロータブレード22のピッチ角を変更することができ、これにより、回転速度を減少させることを容易にし、かつ/またはロータ18の失速(stall)を容易にする。
【0021】
本実施例では、各ロータブレード22のブレードピッチは、風力タービンコントローラ(風力タービン制御装置)36またはピッチ制御システム80によって個別に制御される。あるいは、全てのロータブレード22のブレードピッチは、の制御システムによって同時に制御されてもよい。
【0022】
さらに、この例では、風向き28が変わると、ナセル16をヨー軸38を中心に回転させて、ロータブレード22を風向き28に対して位置決めしてもよい。
【0023】
本実施例では、風力タービンコントローラ36は、ナセル16内に集中配置されているように示されているが、風力タービンコントローラ36は、風力タービン10全体、支持システム14上、風力発電所内、および/または遠隔制御センターに分散配置されたシステムであってもよい。風力タービンコントローラ36は、本明細書で説明する方法および/またはステップを実行するように構成されたプロセッサ40を含む。さらに、本明細書で説明する他の構成要素の多くは、プロセッサを含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」という用語は、当該技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されず、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け、集積回路、および他のプログラマブル回路を広く指し、これらの用語は本明細書で互換的に使用される。プロセッサおよび/または制御システムは、メモリ、入力チャネル、および/または出力チャネルを含むこともできることを理解されたい。
【0025】
図2は、風力タービン10の一部の拡大断面図である。この例では、風力タービン10は、ナセル16と、ナセル16に回転可能に結合されたロータ18とを含む。より具体的には、ロータ18のハブ20は、メインシャフト44、ギアボックス46、高速シャフト48、およびカップリング50によって、ナセル16内に配置された発電機42に回転可能に結合されている。実施例では、メインシャフト44は、ナセル16の長手方向軸(図示せず)と少なくとも部分的に同軸上に配置されている。メインシャフト44の回転によりギアボックス46が駆動され、ロータ18およびメインシャフト44の比較的遅い回転運動を高速シャフト48の比較的速い回転運動に変換することにより、高速シャフト48が駆動される。後者は、カップリング50の助けを借りて、電気エネルギーを生成するための発電機42に接続されている。さらに、400V~1000Vの電圧を有する発電機42によって生成された電気エネルギーを、中程度の電圧、例えば10~35KVを有する電気エネルギーに変換するために、変圧器90および/または適切な電子機器、スイッチ、および/またはインバータをナセル16内に配置することができる。前記電気エネルギーは、電力ケーブルを介してナセル16からタワー15に伝導される。
【0026】
ギアボックス46、発電機42および変圧器90は、任意にメインフレーム52として具現化される、ナセル16の主支持構造フレームによって支持されてもよい。ギアボックス46は、1つまたは複数のトルクアーム103によってメインフレーム52に連結されるギアボックスハウジングを含むことができる。実施例では、ナセル16はまた、主前方支持軸受60および主後方支持軸受62を含む。さらに、発電機42は、特に、発電機42の振動がメインフレーム52に導入され、それによって騒音放出源を引き起こすことを防止するために、デカップリング支持手段54によってメインフレーム52に取り付けることができる。
【0027】
任意選択で、メインフレーム52は、ロータ18およびナセル16の構成部品の重量、ならびに風荷重および回転荷重によって引き起こされる荷重全体を担持し、さらに、これらの荷重を風力タービン10のタワー15に導入するように構成される。ロータシャフト44、発電機42、ギアボックス46、高速シャフト48、カップリング50、並びにメインフレーム52、及び前方支持軸受60及び後方支持軸受62を含むがこれらに限定されない任意の関連する締結、支持、及び/又は固定装置は、ドライブトレイン64と呼ばれることがある。
【0028】
一部の実施例では、風力タービンはギアボックス46のない直接駆動風力タービンであってもよい。発電機42は、ダイレクトドライブ風力タービンのロータ18と同じ回転速度で動作する。したがって、一般に、ギアボックス46を有する風力タービンと同程度の電力を供給するために、ギアボックス46を有する風力タービンで使用される発電機よりもはるかに大きな直径を有する。
【0029】
ナセル16はまた、風向28に対するロータブレード22の遠近を制御するために、ヨー軸38を中心にナセル16を回転させ、それによってロータ18も回転させるために使用されるヨー駆動機構56を含むことができる。
【0030】
風向28に対してナセル16を適切に位置決めするために、ナセル16は、風向計および風速計を含む少なくとも1つの気象測定システム58を含むこともできる。気象測定システム58は、風向28および/または風速を含む情報を風力タービン制御装置36に提供することができる。本実施例では、ピッチシステム32は、少なくとも部分的に、ハブ20内にピッチアセンブリ66として配置されている。ピッチアセンブリ66は、1つ以上のピッチ駆動システム68と、少なくとも1つのセンサ70とを含む。各ピッチ駆動システム68は、ピッチ軸34に沿ってロータブレード22のピッチ角を変調するために、それぞれのロータブレード22(図1に示す)に結合されている。図2には、3つのピッチ駆動システム68のうちの1つだけが示されている。
【0031】
本実施例では、ピッチアセンブリ66は、それぞれのロータブレード22をピッチ軸34を中心に回転させるために、ハブ20およびそれぞれのロータブレード22(図1に示す)に結合された少なくとも1つのピッチベアリング(ピッチ軸受)72を含む。ピッチ駆動システム68は、ピッチ駆動モータ74、ピッチ駆動ギアボックス76、およびピッチ駆動ピニオン78を含む。ピッチ駆動モータ74は、ピッチ駆動モータ74がピッチ駆動ギアボックス76に機械的な力を与えるように、ピッチ駆動ギアボックス76に結合されている。ピッチ駆動ギアボックス76は、ピッチ駆動ピニオン78がピッチ駆動ギアボックス76によって回転されるように、ピッチ駆動ピニオン78に結合されている。ピッチベアリング72は、ピッチ駆動ピニオン78の回転がピッチベアリング72の回転を引き起こすように、ピッチ駆動ピニオン78に結合されている。
【0032】
ピッチ駆動システム68は、風力タービン制御装置36からの1つまたは複数の信号を受けてロータブレード22のピッチ角を調整するために、風力タービン制御装置36に連結されている。本実施例では、ピッチ駆動モータ74は、ピッチアセンブリ66が本明細書で説明するように機能することを可能にする、電力および/または油圧システムによって駆動される任意の適切なモータである。あるいは、ピッチアセンブリ66は、油圧シリンダ、バネ、および/またはサーボ機構(ただし、これらに限定されない)などの任意の適切な構造、構成、配置、および/または構成要素を含むことができる。特定の実施形態では、ピッチ駆動モータ74は、ハブ20の回転慣性および/または風力タービン10の構成要素にエネルギーを供給する蓄積エネルギー源(図示せず)から抽出されたエネルギーによって駆動される。
【0033】
ピッチアセンブリ66はまた、特定の優先された状況の場合及び/又はロータ18の過速時に、風力タービンコントローラ36からの制御信号に従ってピッチ駆動システム68を制御するための1つ以上のピッチ制御システム80を含むことができる。実施例では、ピッチアセンブリ66は、風力タービンコントローラ36から独立してピッチ駆動システム68を制御するために、それぞれのピッチ駆動システム68に通信可能に結合された少なくとも1つのピッチ制御システム80を含む。実施例では、ピッチ制御システム80は、ピッチ駆動システム68およびセンサ70に結合されている。風力タービン10の通常運転中、風力タービン制御装置36は、ロータブレード22のピッチ角を調整するためにピッチ駆動システム68を制御することができる。
【0034】
一実施形態によれば、例えばバッテリ及び電気コンデンサ(battery and electric capacitors)を含む発電機84が、ハブ20に、又はハブ20内に配置され、センサ70、ピッチ制御システム80、及びピッチ駆動システム68に結合されて、これらの構成要素に電力源を供給する。本実施例では、発電機84は、風力タービン10の運転中、ピッチアセンブリ66に継続的な電力源を供給する。代替実施形態では、発電機84は、風力タービン10の電力損失事象の間だけピッチアセンブリ66に電力を供給する。電力損失事象には、電力網の損失またはディップ、風力タービン10の電気システムの誤動作、および/または風力タービン制御装置36の故障が含まれる場合がある。電力喪失事象の間、発電機84は、ピッチアセンブリ66が電力喪失事象の間作動できるように、ピッチアセンブリ66に電力を供給するために作動する。
【0035】
この例では、ピッチ駆動システム68、センサ70、ピッチ制御システム80、ケーブル、および発電機84はそれぞれ、ハブ20の内側表面88によって画定された空洞86内に配置されている。代替実施形態では、前記構成要素はハブ20の外側ルーフ面に対して位置決めされ、外側ルーフ面に直接的または間接的に結合されてもよい。
【0036】
本発明の一態様では、風力タービンのナセルから変圧器を取り出すための方法300が開示される。図3は、方法300のフローチャートを示す。
【0037】
方法300は、ステップ302において、カートをガイドシステムに沿って移動させることを含み、カートは変圧器を運搬し、ガイドシステムは、ナセルの内部に配置された第1のガイド部分と、ナセルの開口を通ってナセルの第1の端部を越えて延びる第2のガイド部分とを備える。本方法はさらに、ステップ304において、変圧器を第2のガイド部分に沿って移動させ、変圧器をナセルの外側に配置することを含む。
【0038】
この方法は、複雑で重い工具を使用する必要なく、ナセルから変圧器を取り出す方法を提供することができる。変圧器の取り出しは比較的速く、簡素化される。
【0039】
風力タービンのナセルから変圧器を取り出す方法の様々な実施形態を図4図6に概略的に示す。
【0040】
図4は、変圧器90とガイドシステム100とを含む風力タービンのナセル16の一例を概略的に示している。ガイドシステム100は、カートを案内するように構成されている。ガイドシステム100は、ナセル16の内部に配置される第1のガイド部分111と、第2のガイド部分112とを含む。ガイドシステムの第2のガイド部分112は、開口(opening)19を通ってナセルの第1の端部17を越えて延びるように構成されており、カートは変圧器90を運ぶように構成されている。
【0041】
本開示全体を通じて、カートは、変圧器を運搬し、例えば車輪やローラを介して、あるいはスケートまたはパッド上を滑ることによって(through wheels or rollers, or by sliding on skates or pads)ガイドに沿って移動(displace:変位)させるのに適したあらゆる種類の運搬要素とみなすことができる。
【0042】
本方法は、ナセルの第1の端部17に開口19を形成するためにカバーを開くことまたは取り外すことを含んでいてもよい。ナセルは、開放および/または取り外しが可能なカバーを含む第1の端部17を含んでいてもよい。
【0043】
図4に示すように、ナセルの第1の端部17は、ナセルの後端部を含むことができる。ナセル内の変圧器の位置、およびナセル内の他の要素の分布に応じて、開口19はナセルの外壁の特定の位置に配置することができる。他の例では、ナセルの第1の端部17は、ナセルの横方向の端部の1つを含む(comprise one of the lateral ends of the nacelle)ことができる。
【0044】
開口19は、変圧器90、カート、ガイドシステム100が通過できる大きさであればよい。カバーは手動または自動で開けたり外したりすることができる。
【0045】
この方法は、カート130をガイドシステム100に沿って移動させる前に、変圧器90をカート130に接続することをさらに含んでいてもよい。
【0046】
図4に示すように、変圧器90をカートに吊り下げて(suspending the transformer 90 from a cart)ガイドシステム100に沿って移動させてもよい。さらに、カートは、変圧器90を第1の位置から第2の位置まで開口19を通して移動させてもよい。いくつかの実施例では、第1の位置はナセルの内側の位置であり、第2の位置はナセルの外側の位置であってもよい。他の例では、変圧器はナセルの外側からナセルの内側に移動させることができる。
【0047】
いくつかの例では、この方法は、ナセル内の変圧器90の軌道(trajectory)からナセル内の要素を移動させることを含んでいてもよい。開口19と変圧器90との間に位置するナセル16内の要素は、変圧器を運ぶカートを移動させる前に移動させてもよい。これらの要素は、ナセル16内で変圧器90の軌道から外れて移動させることができる。軌道は、変圧器90がガイドシステム100に沿って移動させられるときにたどり得る移動経路とみなすことができる。
【0048】
変圧器90を運搬するためのカート130を案内するように構成されたガイドシステム100の一部の例を図5に示す。
【0049】
図5に概略的に示すように、ガイドシステム100は、長手方向レール(longitudinal rail)110を含むことができ、カート130は、長手方向レール110に沿って移動するように構成された1つまたは複数のローラまたはスライドパッド(one or more rollers or sliding pads)120を含んでもよい。
【0050】
いくつかの例では、長手方向レール110は、例えばIビーム(I beam)のようなビームを含むことがある。長手方向レール110は、実質的に直線状であってよく、ナセルの床面に対して実質的に平行であってよい。長手方向レール110は、変圧器90の重量に耐えるように構成されえる。長手方向レール110は、鋼製であってもよい。
【0051】
カート130は、長手方向レール110に沿って変位(移動)するように構成され、変圧器90を運搬するように構成されてもよい。図5に示す例では、カートは2つのローラで長手方向レール110に沿って案内される。カート130は、例えば電動モータを用いて長手方向レール110に沿って移動させることができる。
【0052】
さらに、ガイドシステム100は、カート130に接続された固定要素またはロック要素(fixation or locking elements)140を含んでいてもよい。固定要素140は、開いた構成または「ロック解除された:unlocked」構成と、閉じた構成または「ロックされた:locked」構成とを有することができる。開いた構成では、固定要素140は、長手方向レール110に沿ったカート130の移動を可能にすることができる。閉じた構成では、固定要素140は、カート130に加えて長手方向レール110にも接続し、それによってカート130が長手方向レール110に沿って移動するのを防止することができる。固定要素140は、カート130が所望のときだけ長手方向レール110に沿って移動することを保証することができる。
【0053】
幾つかの実施例では、風力タービンの通常運転中、変圧器90は、カート130から吊り下げられていてもよい。幾つかの実施例では、カート130の両端をガイドシステム100、例えば長手方向レール110に弾力的に連結(resiliently connected)して、同調質量ダンパ(tuned mass damper、図示せず)を形成してもよい。減衰のために変圧器を使用することにより、追加の質量ダンパの使用を回避し、ナセルの総重量を低減することができる。
【0054】
他の実施例では、変圧器90は、ナセルから取り出す前にナセルの床から持ち上げてもよい。いくつかの実施例では、ガイドシステム100は、変圧器90と接続するように構成されたホイスト(hoist、図示せず)を含んでいてもよい。変圧器90は、ホイスト(hoist:巻上装置)、例えば1つ以上のチェーンホイスト(chain hoists:鎖巻上装置)でナセルの床から持ち上げられ、カート130に接続される。いくつかの例では、ホイストはカート130の一部であってもよい。
【0055】
いくつかの例では、変圧器90は、1つ以上の静音ブロック(one or more silent blocks:サイレントブロック)135を介してカート130に接続されることがある。静音ブロック135は、可撓性材料またはエラストマー材料(flexible or elastomeric material)から作られてもよく、振動を吸収するように構成されてもよく、サイレントブロックを介して伝達され得るあらゆるエネルギーを減衰させる。図5に示すように、変圧器90は、2つの静音ブロック135を介してカート130に接続されてもよい。
【0056】
図4に戻ると、ガイドシステム100の長手方向レールは、第1のガイド部分111と第2のガイド部分112とを含むことができる。
【0057】
長手方向レールの第1のガイド部分111は、ナセル16の内部に配置してもよい。ナセルにおいて、長手方向レールの第1のガイド部分111は、変圧器90の上方に配置されてもよく、変圧器90とガイドシステムに沿って移動(displace:変位)するように構成されたカート130との間の接続を可能にする。
【0058】
長手方向レールの第1のガイド部分111をナセル内部に設置することで、ガイドシステムの一部を恒久的に(permanently)使用可能な状態にすることができ、変圧器の移動プロセスを簡素化することができる。
【0059】
幾つかの例では、長手方向レールの第1のガイド部分111は、ナセルの内壁に取り付けられてもよい。他の実施例では、長手方向レールの第1のガイド部分111は、ナセルの床に平行で変圧器90の上方の天井を画定する壁に取り付けられてもよい。長手方向レールの第1のガイド部分111は、ナセルの第1の端部17に向かって、すなわち開口19に向かって延びていてもよい。
【0060】
図4に示すように、ガイドシステムの第2のガイド部分112は、変圧器90をナセルの内側からナセルの外側に移動させることができるように、開口19を通してナセルの第1の端部17を越えて延びている、すなわち、この例では、ナセルはガイドシステムの第1のガイド部分111からガイドシステムの第2のガイド部分112に移動される。他の例では、変圧器を設置または再設置する場合、変圧器90をガイドシステムの第2のガイド部分112からガイドシステムの第1のガイド部分111に移動させることができる。
【0061】
いくつかの例では、ガイドシステム100は伸縮ガイドシステム(telescopic guide system:〔円筒形望遠鏡のように〕伸縮自在のシステム)であってもよく、長手方向レールの第2のガイド部分112は、長手方向軸に沿って長手方向レールの第1のガイド部分111に対して移動可能であってもよい。
【0062】
このような実施例では、伸縮ガイドシステムは、長手方向レールの第2のガイド部分112を、引っ込んだ位置にも、伸ばした位置にもできるようにすることができる。引き込み位置は、長手方向レールの第2のガイド部分112がナセルの内側に位置する位置を含んでよい。伸長位置では、長手方向レールの第2のガイド部分112は、開口19を通ってナセルの第1の端部17を越えて延びることができる。
【0063】
伸縮ガイドシステムは、ナセル内に恒久的に設置されるガイドシステムを提供することができる。変圧器を例えばナセル内部の第1の位置からナセル外部の第2の位置へ移動させるためにガイドシステムを準備するための追加の工具や設備が不要になるため、変圧器の取り出しおよび/または導入のプロセスが簡素化される可能性がある。
【0064】
ナセルの通常運転中、長手方向レールの第2のガイド部分112は後退位置にあることがある。変圧器をナセル16から取り出す(またはナセル16に導入する)必要がある場合、ナセルの第1の端部17のカバーを開き、および/または取り外して開口19を形成することができる。開口19が形成されると、長手方向レールの第2の部分112は、その伸長位置まで移動させることができる。この例では、カート130は、一旦伸長位置になると、長手方向レールの第2のガイド部分112に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、伸縮ガイドシステムは電気的手段(electrical means)に接続されていてもよい。他の実施例では、長手方向レールの第2のガイド部分112は、手動で伸長位置または収縮位置に移動させることができる。
【0066】
さらなる例では、方法は、第2のガイド部分112を第1のガイド部分111に(解放可能に:releasably)取り付けることを含んでよい。いくつかの例では、方法は、クレーンを用いて第2のガイド部分112をナセルに向かって吊り上げることを含んでいてもよい。クレーンなどの吊り具は、長手方向レールの第2のガイド部分112を運び、ナセルの開口19を通して長手方向レールの第1のガイド部分111に隣接するように配置することができる。次に、第1のガイド部分111と第2のガイド部分112を一緒に取り付けることができる。例えば、専門の作業者がボルトまたは他の適切な締結具で両部品を一緒に取り付けることができる。長手方向レールの第2のガイド部分112は、ナセル内に恒久的に配置する必要はなく、重量増を避けることができる。
【0067】
他の例では、第2のガイド部分112は、ナセルの内部クレーンによって吊り上げられる。
【0068】
図6は、図4および図5に示した実施例によるガイドシステム100を構成するナセル16を概略的に示している。ガイドシステムの第2のガイド部分112は、ナセルの開口を通ってナセルの第1の端部を越えて延び、変圧器90を搭載する。
【0069】
いくつかの例では、変圧器90は、ナセルから取り出される損傷した変圧器である。
【0070】
ナセルから変圧器を取り出す方法は、変圧器90をナセル16の外に移動させた後、クレーンで変圧器90を持ち上げる(pick up:取り上げる/ピックアップする)ことをさらに含んでいてもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、損傷を受けた変圧器90を長手方向レールの第2のガイド部分112から持ち上げるために、吊り上げ装置(図示せず)を使用することができる。吊り上げ装置は変圧器90に接続され、変圧器90はカート130から解放される。
【0072】
いくつかの実施例では、クレーンで変圧器90を持ち上げることは、ガイドシステムの第2のガイド部分112に巻上装置(hoisting equipment)を接続することを含む。その後、第2のガイド部分112は、例えば専門のオペレータによって第1のガイド部分から切り離され、変圧器90、第2のガイド部分112およびカート130はすべて、クレーンで持ち上げられる。第2のガイド部分は、変圧器を第2のガイド部分に対して固定位置に保持するための適切なロック要素またはストッパーを含んでいてもよい。専門のオペレータがナセルの外部にアクセスすることなく変圧器をピックアップすることができるため、抜き取りプロセスがより安全になる可能性がある。
【0073】
他の実施例では、長手方向レールの第2のガイド部分112に配置されたカート130に変圧器90例えば新しい変圧器を取り付けるために巻上装置が使用されてもよい。新しい変圧器90を搭載したカート130は、長手方向レールの第2のガイド部分112および長手方向レールの第1のガイド部分111に沿って移動することができる。幾つかの実施例では、更なるステップで、変圧器90は、例えばガイドシステムのホイストを通してナセル内の所定の位置に下ろされる。他の実施例では、カート130の両端を長手方向レール110に弾力的に連結して、同調質量ダンパ(tuned mass damper)を形成してもよい。
【0074】
本開示のさらなる態様では、風力タービン10が提供される。風力タービン10は、タワー15と、ナセル16と、ハブ20を介してナセル16から回転可能に支持された1つまたは複数のブレード22とを備える。ナセル16は、変圧器90と、カート130を運ぶように構成されたガイドシステム100とを備える。ガイドシステム100は、ナセル内部に配置される第1のガイド部分111と、第2のガイド部分112とを含む。第2のガイド部分112は、開口19を通してナセルの第1の端部17を越えて延びるように構成されており、カート130は変圧器90を運ぶように構成されている。
【0075】
本開示のさらに別の態様では、風力タービンのナセルに変圧器を導入するための方法700が提供される。図7は、方法700のフローチャートを示す。
【0076】
本方法は、ステップ702において、ガイドシステムに沿ってカートを移動させることであって、カートが変圧器を運搬し、ガイドシステムが、ナセルの内部に配置された第1のガイド部分と、ナセルの開口を通ってナセルの第1の端部を越えて延在する第2のガイド部分とを備える、移動させることを含む。本方法はさらに、ステップ704において、変圧器を第1のガイド部分に沿って移動させ、変圧器をナセルの内部に配置することを含む。
【0077】
方法300に関する態様と説明は、逆の順序で組み合わせて方法700に適用することができる。
【0078】
本明細書は、好ましい実施形態を含む教示を開示するため、また、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含め、当業者であれば誰でも教示を実践できるようにするために、実施例を用いて説明する。特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。記載された様々な実施形態からの側面、およびそのような各側面に対する他の既知の等価物は、本出願の原理に従って追加の実施形態および技術を構築するために、当業者によって混合および適合させることができる。図面に関連する参照符号が請求項において括弧内に配置されている場合、それは単に請求項の分かりやすさを向上させようとするためのものであり、請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0079】
10:風力タービン 12:地面 14:支持システム 15:タワー 16:ナセル 17:第1の端部 18:ロータ 19:開口 20:ハブ 22:ロータブレード 24:ブレード根元領域 26:荷重伝達領域 28:風向 30:ロータ軸 32:ピッチシステム 34:ピッチ軸 36:風力タービンコントローラ 38:ヨー軸 42:発電機 44:メインシャフト 46:ギアボックス 48:高速シャフト 50:カップリング 51:シャフトセンサ 52:メインフレーム 53:発電機センサ 54:デカップリング支持手段 56:ヨー駆動機構 58:気象測定システム 60:主前方支持軸受 62:主後方支持軸受 64:ドライブトレイン 66:ピッチアセンブリ 68:ピッチ駆動システム 70:センサ 72:ピッチベアリング 74:ピッチ駆動モータ 76:ピッチ駆動ギアボックス 78:ピッチ駆動ピニオン 80:ピッチ制御システム 84:電源/発電機 86:空洞 88:内面 90:変圧器 100:ガイドシステム 110:長手方向レール 111:第1のガイド部分 112:第2のガイド部分 120:ローラ/スライドパッド 130:カート 135:静音ブロック 140:固定要素/ロック要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】