(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099409
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】表示制御装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60K 35/23 20240101AFI20250626BHJP
【FI】
B60K35/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216051
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】松延 剛
(72)【発明者】
【氏名】石丸 和寿
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制する。
【解決手段】表示制御部は、車両上下方向および車両幅方向に幅をもち、車両幅方向の外縁における外形が車両上下方向に対して非平行なマーカ100を、AR-HUDの表示領域74のうち、AR-HUDの表示領域74を透過して視認される車両の前景に含まれる対象物(先行車両)の像90に対応する位置に表示させる。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含む表示制御装置。
【請求項2】
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含む表示制御装置。
【請求項3】
前記部分画像は、車両幅方向に等間隔に配置されている請求項1記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記部分画像は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状である請求項1記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記マーカは車両幅方向に左右非対称である請求項1または請求項2記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した前記信頼度に基づいて前記マーカの表示態様を変化させる請求項1または請求項2記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した前記車両上下方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの車両上下方向の幅を変化させる請求項6記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、取得した前記車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカの車両上下方向の幅を大きくする請求項7記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した前記車両幅方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる請求項6記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、取得した前記車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカのうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った割合を大きくする請求項9記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記マーカの画像を、前記車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して前記表示機器の表示領域に表示させると共に、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整する請求項1記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示機器はヘッドアップディスプレイである請求項1または請求項2記載の表示制御装置。
【請求項13】
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる表示制御方法。
【請求項14】
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる表示制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させるための表示制御プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させるための表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両前方の先行車両に対して追従走行するときに、HUD(Head Up Display)に、先行車両に重畳するようにマーカを表示させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行車両などの対象物に対応する位置にマーカを表示させる場合、対象物の位置検出の精度が、例えば対象物の色や対象物との距離などによって変動するので、対象物に対してずれた位置にマーカが表示されることがある。この際、ユーザによってマーカの位置ずれが認識される度合はマーカの形状によって相違し、マーカの形状によってはマーカの位置ずれがユーザによって明瞭に認識される虞がある。
【0005】
本開示は上記事実を考慮して成されたもので、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制できる表示制御装置、表示制御方法および表示制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る表示制御装置は、車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含んでいる。
【0007】
第1の態様では、車両の前景または車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させるマーカを、車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行な構成としている。これにより、マーカは、車両幅方向の端部側において、車両幅方向の位置が異なるエッジを複数有することになる。そして、この車両幅方向の位置が異なる複数のエッジが、各々、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈されることで、対象物に対するマーカの精確な位置ずれ量がユーザに認識され難くなる。また、マーカは、複数の部分画像が車両幅方向に間隔を空けて並ぶ構成であるので、マーカのうち車両幅方向の中央部などが、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈され難くなる。従って、第1の態様によれば、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0008】
第2の態様に係る表示制御装置は、短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含んでいる。
【0009】
第2の態様では、車両の前景または車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させるマーカを、短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行な構成としている。これにより、マーカは、第1の態様に係るマーカと同様に、車両幅方向の端部側において、車両幅方向の位置が異なるエッジを複数有することになる。そして、この車両幅方向の位置が異なる複数のエッジが、各々、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈されることで、対象物に対するマーカの精確な位置ずれ量がユーザに認識され難くなる。従って、第2の態様によれば、第1の態様と同様に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。なお、第1の態様および第2の態様において、対象物に対応する位置は、対象物と重畳する位置であってもよいし、対象物と隣接する位置であってもよいし、対象物と所定値未満の間隔を隔てた位置であってもよい。
【0010】
第3の態様は、第1の態様において、前記部分画像は、車両幅方向に等間隔に配置されている。
【0011】
部分画像の配置に疎密がある場合、間隔が小さい部分(配置が密の部分)に対応する複数の部分画像が、ユーザによるマーカ認識において一塊の画像として認識され易くなる。そして、一塊の画像として認識された複数の部分画像における、その車両幅方向の端部や中央部などが、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈され易くなる。これに対して第3の態様では、部分画像が車両幅方向に等間隔に配置されているので、部分画像の配置に疎密がある場合と比較して、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることをより効果的に抑制することができる。
【0012】
第4の態様は、第1の態様において、前記部分画像は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状である。
【0013】
第4の態様では、車両上下方向の上端部および下端部のうち、車両幅方向に平行な部分については、ユーザによるマーカ認識において、車両幅方向の位置ずれに対する基準点がとり難くなる。また、上端部および下端部のうち、車両上下方向に平行な部分については、ユーザによるマーカ認識において、車両上下方向の位置ずれに対する基準点がとり難くなる。これにより、対象物に対する車両幅方向および車両上下方向のマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0014】
なお、第4の態様における「平行」は、「幾何学的な平行」に対し、ユーザによるマーカ認識で平行と認識される所定値以下の角度差が生じている状態も含むものである。
【0015】
第5の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記マーカは車両幅方向に左右非対称である。
【0016】
マーカが車両幅方向に左右非対称である場合、マーカは車両幅方向に左右対称である場合と比較して、マーカのうち車両幅方向の中央部などが、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈され難くなる。従って、第5の態様によれば、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることをさらに抑制することができる。
【0017】
第6の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した前記信頼度に基づいて前記マーカの表示態様を変化させる。
【0018】
第6の態様では、対象物の位置の認識に関する信頼度に基づいてマーカの表示態様を変化させるので、対象物の位置の認識に関する信頼度をユーザに認識させることができる。
【0019】
第7の態様は、第6の態様において、前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した前記車両上下方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの車両上下方向の幅を変化させる。
【0020】
第7の態様によれば、マーカの車両上下方向の幅を変化させる、という表示態様の簡易な変化により、対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度をユーザに認識させることができる。
【0021】
第8の態様は、第7の態様において、前記表示制御部は、取得した前記車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカの車両上下方向の幅を大きくする。
【0022】
第8の態様によれば、対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができる。また、対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度が低くなるに従ってマーカの車両上下方向の幅を大きくすることで、対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度が低い場合に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0023】
第9の態様は、第6の態様において、前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した前記車両幅方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる。
【0024】
第9の態様によれば、マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる、という表示態様の簡易な変化により、対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度をユーザに認識させることができる。
【0025】
第10の態様は、第9の態様において、前記表示制御部は、取得した前記車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカのうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った長さを長くする。
【0026】
第10の態様によれば、対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができる。
【0027】
第11の態様は、第1の態様において、前記マーカは、複数の部分画像が車両幅方向に間隔を空けて配列されており、前記表示制御部は、前記マーカの画像を、前記車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して前記表示機器の表示領域に表示させると共に、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整する。
【0028】
第11の態様では、マーカの画像を、車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して表示機器の表示領域に表示させる。これにより、車両と対象物との距離が大きくなるに従って部分画像の間隔が小さくなるので、ユーザによるマーカ認識においてマーカ全体が一塊の画像として認識され易くなる。これに対して第11の態様では、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整するので、マーカ全体が一塊の画像として認識されることが抑制される。従って、第11の態様によれば、車両と対象物との距離が大きい場合にも、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0029】
第12の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記表示機器はヘッドアップディスプレイである。
【0030】
第12の態様によれば、ヘッドアップディスプレイの表示領域にマーカを表示する場合に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0031】
第13の態様に係る表示制御方法は、車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる。
【0032】
第13の態様によれば、第1の態様と同様に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0033】
第14の態様に係る表示制御方法は、短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる。
【0034】
第14の態様によれば、第2の態様と同様に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0035】
第15の態様に係る表示制御プログラムは、コンピュータに、車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させる。
【0036】
第15の態様によれば、第1の態様と同様に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0037】
第16の態様に係る表示制御プログラムは、 コンピュータに、短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させる。
【0038】
第16の態様によれば、第2の態様と同様に、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0039】
本開示は、対象物に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】実施形態に係る車載システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】カメラユニットおよび表示制御ECUの機能ブロック図である。
【
図3】AR-HUDの概略構成などを示す説明図である。
【
図5】第1実施形態に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図6A】先行車両に対して適切な位置にマーカが表示されている状態を示すイメージ図である。
【
図6B】先行車両に対してマーカが右にずれて表示されている状態を示すイメージ図である。
【
図6C】先行車両に対してマーカが左にずれて表示されている状態を示すイメージ図である。
【
図7A】先行車両に対してマーカが上にずれて表示されている状態を示すイメージ図である。
【
図7B】先行車両に対してマーカが下にずれて表示されている状態を示すイメージ図である。
【
図8】第2実施形態に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図9A】車両上下方向の信頼度に応じてマーカの車両上下方向の長さを変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図9B】車両上下方向の信頼度に応じてマーカの車両上下方向の長さを変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図10A】車両上下方向の信頼度に応じてマーカの車両上下方向の長さを変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図10B】車両上下方向の信頼度に応じてマーカの車両上下方向の長さを変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図11A】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図11B】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図11C】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図12A】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図12B】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図12C】車両幅方向の信頼度に応じてマーカの濃色部分の割合を変化させる態様を示すイメージ図である。
【
図13】第3実施形態に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図14A】近距離表示および遠距離表示におけるマーカの表示の一例を示すイメージ図である。
【
図14B】先行車両との距離に応じたマーカの部分画像の数、間隔などの変化の一例を示す線図である。
【
図14C】遠距離表示で部分画像の数、間隔を変化させない場合と、遠距離表示で部分画像の数、間隔を変化させる場合と、でのマーカの表示の相違を説明する説明図である。
【
図15】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図16】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図17】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図18】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図19】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図20】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図21】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図22】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図23】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【
図24】本開示に係るマーカのバリエーションの一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0042】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施形態に係る車載システム10は通信バス12を備えており、通信バス12には、周辺状況取得デバイス群14、車両走行状態検出センサ群26、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)-ECU(Electronic Control Unit)34および表示制御ECU42が各々接続されている。なお、
図1は車載システム10の一部のみ示している。また、以下では車載システム10が搭載された車両を自車両と称する。
【0043】
周辺状況取得デバイス群14は、自車両の周囲環境がどのような状況かを表す情報を取得するデバイスとして、GNSS(Global Navigation Satellite System)装置16、車載通信機18、ナビゲーションシステム20、レーダ装置22およびカメラユニット24などを含んでいる。
【0044】
GNSS装置16は、複数のGNSS衛星からGNSS信号を受信して自車両の位置を測位する。車載通信機18は、他の車両との間の車車間通信および路側機との間の路車間通信の少なくとも一方を行う。ナビゲーションシステム20は、地図情報を記憶する地図情報記憶部20Aを含み、GNSS装置16から得られる位置情報と地図情報記憶部20Aに記憶された地図情報とに基づいて、自車両の位置を地図上で表示したり、目的地迄の経路を決定して案内する処理を行う。
【0045】
レーダ装置22は、自車両の周囲に存在する歩行者や他車両等の物体を点群情報として検出し、検出した物体と自車両の相対位置および相対速度を取得する。また、レーダ装置22は、個々の物体との相対位置や相対速度の変化等に基づき、ノイズやガードレール等の路側物等を監視対象から除外し、歩行者や他車両等の監視対象物体との相対位置や相対速度等の情報を出力する。
【0046】
カメラユニット24は、自車両の周囲を複数のカメラで撮影し、撮影した画像を出力する。また、図示は省略するが、カメラユニット24は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、および、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部を内蔵している。記憶部には、カメラユニット24のCPUを先行車両検出部70(
図2参照)として機能させるための所定のプログラムが記憶されている。先行車両検出部70は、複数のカメラによって撮影された自車両の前方の画像から、当該画像に映っている自車両の先行車両を認識し、自車両と先行車両との距離および車両幅方向の相対位置を検出・出力する。
【0047】
また、車両走行状態検出センサ群26は、車両の走行状態を取得する複数のセンサとして、自車両の操舵角を検出する舵角センサ28、自車両の走行速度を検出する車速センサ30および自車両に加わる加速度を検出する加速度センサ32を含んでいる。
【0048】
ADAS-ECU34は、自車両のスロットル開度を変更するスロットルACT36、自車両の制動装置が発生する制動力を変更するブレーキACT38、および、自車両の操舵装置による操舵量を変更する操舵ACT40が各々接続されている。
【0049】
ADAS-ECU34は、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどの不揮発性の記憶部および通信I/F(Inter Face)を含んでいる。記憶部にはADASソフトウェアが記憶されている。ADAS-ECU34は、CPUが自動運転ソフトウェアを実行することで、自動運転モードが選択されている場合に、自車両の乗員による運転操作を伴わずに、自車両を自動的に走行させる自動運転処理を行う。
【0050】
自動運転処理は、周辺状況取得デバイス群14および車両走行状態検出センサ群26から得られる情報に基づいて自車両およびその周辺の状況を判断し、スロットルACT36、ブレーキACT38および操舵ACT40を制御する処理である。自動運転処理の一例は、カメラユニット24によって認識された先行車両に追従するように自車両を走行させるACC(Adaptive cruise control)である。
【0051】
表示制御ECU42は、CPU44、ROMやRAMなどのメモリ46、HDDやSSDなどの不揮発性の記憶部48および通信I/F50を含んでいる。CPU44、メモリ46、記憶部48および通信I/F50は内部バス52を介して相互に通信可能に接続されている。記憶部48には表示制御プログラム54およびマーカ画像データ55が記憶されている。表示制御ECU42は、表示制御プログラム54が記憶部48から読み出されてメモリ46に展開され、メモリ46に展開された表示制御プログラム54がCPU44によって実行されることで、
図2に示す表示制御部72として機能し、後述する表示制御処理を行う。
【0052】
表示制御ECU42は、AR(Augmented Reality)-ヘッドアップディスプレイ(以下、AR-HUDという)56およびメータディスプレイ68が接続されている。本実施形態に係るAR-HUD56は、
図6Aなどに符号74を付して表示領域を示すように、ウインドシールドガラスへの反射などにより自車両の乗員であるユーザの前方視野の一部を表示領域74とする(前景内下方に像を結ぶ)小型のHUDである。また、メータディスプレイ68は自車両のインストルメントパネルに設けられたディスプレイである。表示制御ECU42は、AR-HUD56およびメータディスプレイ68への情報表示を制御する。
【0053】
図3に示すように、AR-HUD56は、LED(Light Emitting Diode)などから成る光源部58を備えており、光源部58の光射出側には、LCD(Liquid Crystal Display)などから成る透過型の表示部60が配置されている。表示部60の光射出側には、凸面鏡62、凹面鏡64が順に配置されており、表示部60を透過した光は、凸面鏡62、凹面鏡64で順に反射されて車両のウインドシールドに照射される。AR-HUD56は、表示部60に表示された画像(後述するマーカ100など)が、ユーザから距離L1~L2だけ隔てて空中に浮いた、車両上下方向に対して傾斜した虚像面66に結像するように光学系が設計されている。これにより、ユーザに、虚像面66に結像された画像が自車両の前方の路面に重畳されているかのように錯覚させることができる。
【0054】
また、表示制御ECU42の記憶部48に記憶されているマーカ画像データ55は、
図4に示すマーカ100を表すデータである。本実施形態に係るマーカ100は、車両上下方向および車両幅方向に幅をもち、車両幅方向の外縁における外形が車両上下方向に対して非平行とされている。より詳しくは、マーカ100は、同一形状の複数の部分画像102が、車両幅方向に等間隔で配列されて構成されており、個々の部分画像102は、およそ台形状とされている。すなわち、個々の部分画像102は、車両上下方向および車両幅方向に対して傾斜した直線から成る平行な一対な辺104、106を有している。また、個々の部分画像102は、辺104、106の車両上下方向の上端部同士が車両幅方向に平行な辺108で接続されていると共に、辺104、106の車両上下方向の下端部同士が車両上下方向に平行な辺110で接続されている。そして、マーカ100は、複数の部分画像102における辺108、110の車両上下方向の位置が揃っている。
【0055】
なお、表示制御ECU42は表示制御装置および表示制御部の一例である。また、HUD56は表示機器の一例である。また、マーカ100は、「車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカ」の一例である。
【0056】
次に第1実施形態の作用として、自車両のイグニッションスイッチがオンされている間、表示制御ECU42(表示制御部72)によって実行される表示制御処理について、
図5を参照して説明する。
【0057】
表示制御処理のステップ200において、表示制御部72は、AR表示条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態において、表示制御部72は、ADAS-ECU34がACCを実行している場合に、AR表示条件が成立していると判断する。ADAS-ECU34がACCを実行していない場合には、ステップ200の判定が否定され、ステップ200の判定を繰り返す。この場合、AR-HUD56の表示領域74にはマーカ100は表示されない。
【0058】
また、ADAS-ECU34がACCを実行している場合は、ステップ200の判定が肯定されてステップ202へ移行する。ステップ202において、表示制御部72は、ADAS-ECU34によるACCで自車両が追従対象としている先行車両との距離および車両幅方向の相対位置をカメラユニット24から取得する。
【0059】
また、ステップ208において、表示制御部72は、記憶部48からマーカ画像データ55を読み出し、読み出したマーカ画像データ55に基づいて、先行車両との距離が予め定められた基準距離となる基準位置に先行車両が位置しているときに、AR-HUD56の表示領域74に表示させるマーカ100を作成する。
【0060】
次のステップ214において、表示制御部72は、ステップ202で取得した先行車両との距離と、上述した基準距離と、の距離差に応じてマーカ100を拡大または縮小させる。なお、マーカ100の拡大縮小率は、例として
図14Bにも示すように、先行車両との距離が大きくなるに従って拡大縮小率が小さくなる(縮小する方向へ変化する)ように決定される。
【0061】
ステップ220において、表示制御部72は、先行車両との距離および車両幅方向の相対位置に基づいて、表示領域74内の先行車両の像90に対応する位置(例えば
図6A参照)にマーカ100を表示させるための、AR-HUD56へのマーカ100の表示位置を演算する。そして表示制御部72は、拡大または縮小したマーカ100が、先行車両の像90に対応する位置に表示されるようにAR-HUD56を制御する。ステップ220の処理を終了するとステップ200に戻る。
【0062】
上記の表示制御処理により、ADAS-ECU34がACCを実行している間、AR-HUD56の表示領域74内の先行車両の像90に対応する位置(例えば
図6A参照)にマーカ100が表示される。但し、カメラユニット24による先行車両の位置検出の精度が、例えば先行車両の色や先行車両との距離、天候などによって変動する。このため、例えば
図6B、
図6C、
図7A、
図7Bに示すように、先行車両の像90に対してずれた位置にマーカ100が表示されることがある。
【0063】
なお、
図6Bは、
図6Aに示すマーカ100の適正な表示位置に対し、車両幅方向の右側にずれた位置にマーカ100が表示された状態(右ずれ)を示している。なお、
図6Cは、
図6Aに示すマーカ100の適正な表示位置に対し、車両幅方向の左側にずれた位置にマーカ100が表示された状態(左ずれ)を示している。なお、
図7Aは、
図6Aに示すマーカ100の適正な表示位置に対し、車両上下方向の上側にずれた位置にマーカ100が表示された状態(上ずれ)を示している。なお、
図7Bは、
図6Aに示すマーカ100の適正な表示位置に対し、車両上下方向の下側にずれた位置にマーカ100が表示された状態(下ずれ)を示している。
【0064】
これに対して、本実施形態に係るマーカ100は、
図4に示すように、車両上下方向および車両幅方向に幅をもち、車両幅方向の外縁における外形が車両上下方向に対して非平行とされている。また、マーカ100は、同一形状の複数の部分画像102が、車両幅方向に等間隔で配列されて構成されており、個々の部分画像102は、およそ台形状とされている。すなわち、個々の部分画像102は、車両上下方向および車両幅方向に対して傾斜した直線から成る平行な一対な辺104、106を有している。また、個々の部分画像102は、辺104、106の車両上下方向の上端部同士が車両幅方向に平行な辺108で接続されていると共に、辺104、106の車両上下方向の下端部同士が車両上下方向に平行な辺110で接続されている。
【0065】
マーカ100が上記の形状とされていることで、例えばマーカ100の車両幅方向左端においては、
図4に符号112で示す範囲内のエッジおよび符号114で示す範囲内のエッジが、各々、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈されることになる。これにより、
図6B、
図6C、
図7A、
図7Bからも明らかなように、先行車両の像90に対するマーカ100の精確な位置ずれ量がユーザに認識され難くなる。従って、先行車両の像90に対するマーカ100の位置ずれがユーザに明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0066】
以上説明したように、第1実施形態において、表示制御部72は、車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカ100を、AR-HUD56の表示領域74のうち、AR-HUD56の表示領域74を透過する車両の前景に含まれる対象物に対応する位置に表示させる。これにより、対象物に対するマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0067】
また、第1実施形態において、部分画像102は、車両幅方向に等間隔に配置されているので、部分画像102の配置に疎密がある場合と比較して、対象物に対するマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることをより効果的に抑制することができる。
【0068】
さらに、第1実施形態において、部分画像102は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状であるので、対象物に対する車両幅方向および車両上下方向のマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0069】
また、第1実施形態において、マーカ100は車両幅方向に左右非対称であるので、対象物に対するマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることをさらに抑制することができる。
【0070】
〔第2実施形態〕
次に本開示の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
第2実施形態に係るカメラユニット24は、先行車両との距離および車両幅方向の相対位置を検出することに加え、先行車両の色や先行車両との距離、天候などに基づき、先行車両の位置検出の信頼度も車両上下方向および車両幅方向について各々検出する。
【0072】
次に
図8を参照し、第2実施形態に係る表示制御処理について説明する。第2実施形態に係る表示制御処理では、AR表示条件が成立していると判断されてステップ200の判定が肯定されると、ステップ206へ移行する。ステップ206において、表示制御部72は、先行車両との距離、車両幅方向の相対位置、先行車両の位置認識における車両上下方向および車両幅方向の信頼度をカメラユニット24から各々取得する。
【0073】
次のステップ208において、表示制御部72は、基準位置におけるマーカ100を作成する。そしてステップ210において、表示制御部72は、カメラユニット24から取得した、先行車両の位置認識における車両上下方向の信頼度に応じて、ステップ208で作成したマーカ100の表示態様、詳しくはマーカ100の車両上下方向の長さを変更する。
【0074】
具体的には、先行車両の位置認識における車両上下方向の信頼度が閾値以上の場合、表示制御部72は、
図9Aおよび
図10Aに示すように、マーカ100の車両上下方向の長さを相対的に短くする。この場合、車両上下方向についてのマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制する効果は小さくなり、車両上下方向の位置がマーカ100によりピンポイントで認識されることになる。一方、先行車両の位置認識における車両上下方向の信頼度が閾値未満の場合、表示制御部72は、
図9Bおよび
図10Bに示すように、マーカ100の車両上下方向の長さを相対的に長くする。この場合、車両上下方向についてのマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制する効果が大きくなる。そして、先行車両の位置認識における車両上下方向の信頼度に応じてマーカ100の車両上下方向の長さを上記のように変化させることで、先行車両の位置認識に関する車両上下方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができる。
【0075】
またステップ212において、表示制御部72は、カメラユニット24から取得した、先行車両の位置認識における車両幅方向の信頼度に応じて、マーカ100の表示態様、詳しくはマーカ100の車両幅方向に沿った濃色部分/淡色部分の割合を変更する。
【0076】
具体的には、先行車両の位置認識における車両幅方向の信頼度が第1閾値以上の場合、表示制御部72は、
図11Aおよび
図12Aに示すように、車両幅方向に沿ったマーカ100の濃色部分100Aの割合を100%にする。また、先行車両の位置認識における車両幅方向の信頼度が第1閾値未満かつ第2閾値以上の場合(第1閾値>第2閾値)、表示制御部72は、
図11Bおよび
図12Bに示すように、車両幅方向に沿ったマーカ100の濃色部分100Aの割合を中程度にし、濃色部分100A以外の残余の部分を淡色部分100Bにする。また、先行車両の位置認識における車両幅方向の信頼度が第2閾値未満の場合、表示制御部72は、
図11Cおよび
図12Cに示すように、車両幅方向に沿ったマーカ100の淡色部分100Bの割合を100%にする。このように、先行車両の位置認識における車両幅方向の信頼度に応じて、車両幅方向に沿ったマーカ100の濃色部分100A/淡色部分100Bの割合を上記のように変化させることで、先行車両の位置認識に関する車両幅方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができる。
【0077】
次のステップ214、220の処理については、第1実施形態で説明した通りであるので、説明を省略する。
【0078】
このように、第2実施形態において、表示制御部72は、先行車両の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した先行車両の位置の認識に関する信頼度に基づいてマーカ100の表示態様を変化させる。これにより、先行車両の位置の認識に関する信頼度をユーザに認識させることができる。
【0079】
また、第2実施形態において、表示制御部72は、先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度に基づき、マーカ100の表示態様の変化として、マーカ100の車両上下方向の幅を変化させる。これにより、マーカ100の車両上下方向の幅を変化させる、という表示態様の簡易な変化により、先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度をユーザに認識させることができる。
【0080】
また、第2実施形態において、表示制御部72は、取得した先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、マーカ100の車両上下方向の幅を大きくする。これにより、先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができると共に、先行車両の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度が低い場合に、先行車両に対するマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0081】
さらに、第2実施形態において、表示制御部72は、先行車両の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した先行車両の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度に基づき、マーカ100の表示態様の変化として、マーカ100の色の濃淡を車両幅方向に変化させる。これにより、マーカ100の色の濃淡を車両幅方向に変化させる、という表示態様の簡易な変化により、先行車両の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度をユーザに認識させることができる。
【0082】
また、第2実施形態において、表示制御部72は、取得した先行車両の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、マーカ100のうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った割合を大きくする。これにより、先行車両の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度をユーザに直感的に認識させることができる。
【0083】
〔第3実施形態〕
次に本開示の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第3実施形態に係る表示制御処理について、
図13を参照して説明する。
【0084】
第3実施形態に係る表示制御処理では、第1実施形態と同様に、AR表示条件が成立していると判断した場合(ステップ200が肯定判定の場合)に、先行車両との距離および車両幅方向の相対位置をカメラユニット24から取得する(ステップ202)。また、基準位置におけるマーカ100を作成し(ステップ208)、先行車両との距離と基準距離との距離差に応じてマーカ100を拡大または縮小させる(ステップ214)。
【0085】
上記処理により、マーカ100の画像は、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従って縮小されてAR-HUD56の表示領域74に表示される。これにより、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従ってマーカ100の部分画像102の間隔が小さくなり、人間の目の分解能(例えば、およそ1/60deg)以下となることが生じ得る。この場合、
図14Cに、「遠距離表示の場合、部分画像の間隙を認識できない 間隙の大きさ<目の分解能(1/60deg)」と表記して示すように、ユーザによるマーカ認識においてマーカ100全体が一塊の画像として認識され易くなる。
【0086】
このため、次のステップ216において、表示制御部72は、ステップ214での拡大または縮小を経たマーカ100の部分画像102の間隔が、人間の目の分解能(例えば、およそ1/60deg)よりも大きいか否か判定する。ここで、自車両と先行車両との距離が比較的小さい場合には、ステップ216の判定が否定されてステップ220へ移行する。従って、この場合、ステップ214で拡大または縮小したマーカ100が、先行車両の像90に対応する位置にそのまま表示される(
図14Aに近距離表示と表記して示すマーカ100も参照)。
【0087】
一方、自車両と先行車両との距離が比較的大きい場合には、ステップ216の判定が肯定されてステップ218へ移行する。ステップ218において、表示制御部72は、部分画像102の幅一定で、部分画像102の間隔が人間の目の分解能よりも大きくなるように、部分画像102の数と間隔を調整する。これにより、
図14Cに、「遠距離表示であっても、マーカの間隔を広げて部分画像の数を減らすことで、部分画像の間隙を認識可能 間隙の大きさ>目の分解能(1/60deg)」と表記して示すように、マーカ100の部分画像102の間隔が人間の目の分解能よりも大きくされる。
【0088】
なお、ステップ218の処理により、部分画像102の数は、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従って段階的に減少され、部分画像102の間隔は、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従って段階的に増加される(
図14Bも参照)。しかし、部分画像102の数および間隔は、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従って連続的に変化させるようにしてもよい。
【0089】
ステップ218の処理を行うとステップ220へ移行する。従って、この場合、ステップ214で拡大または縮小したマーカ100は、先行車両の像90に対応する位置に、部分画像102を間引いた状態で表示される(
図14Aに遠距離表示と表記して示すマーカ100も参照)。これにより、ユーザによるマーカ認識においてマーカ100全体が一塊の画像として認識され難くなり、自車両と先行車両との距離が比較的大きい場合にも先行車両に対するマーカ100の位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0090】
このように、第3実施形態において、表示制御部72は、マーカ100の画像を、自車両と先行車両との距離が大きくなるに従って縮小してAR-HUD56の表示領域74に表示させると共に、縮小後のマーカ100の画像における部分画像102の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、部分画像102の車両幅方向に沿った間隔および部分画像102の数を調整する。これにより、マーカ100全体が一塊の画像として認識されることが抑制され、自車両と先行車両との距離が大きい場合にも、先行車両に対するマーカの位置ずれが明瞭に認識されることを抑制することができる。
【0091】
なお、上記の実施形態では、マーカ100を構成する複数の部分画像102における辺108、110の車両上下方向の位置が直線状に揃っている態様を説明した(
図4参照)。しかし、本開示に係るマーカは複数の部分画像102が上記のように配置されていることに限定されるものではない。例えば、
図15に示すマーカ120のように、複数の部分画像102における辺108、110の車両上下方向の位置が車両上下方向に周期的に変化するように、複数の部分画像102が配置されていてもよい。
【0092】
また、上記の実施形態では、マーカ100を構成する個々の部分画像102における辺104、106が直線状になっている態様を説明した。しかし、本開示におけるマーカは、個々の部分画像の辺が直線状になっていることに限定されるものではない。例えば、
図16に示すマーカ122のように、マーカ122を構成する個々の部分画像102における辺104、106が曲線状になっていてもよい。
【0093】
また、上記の実施形態では、マーカ100を構成する個々の部分画像102が、辺104、106の車両上下方向の上端部同士が車両幅方向に平行な辺108で接続され、辺104、106の車両上下方向の下端部同士が車両上下方向に平行な辺110で接続された形状である態様を説明した(
図4参照)。しかし、本開示に係るマーカは個々の部分画像が上記の形状であることに限定されるものではない。例えば、
図17に示すマーカ124のように、部分画像102は、辺104、106の車両上下方向の上端部同士が車両上下方向に平行な辺126で接続され、辺104、106の車両上下方向の下端部同士が車両幅方向に平行な辺128で接続された形状であってもよい。
【0094】
さらに、例として
図18に示すマーカ130のように、部分画像102は、辺104、106の車両上下方向の上端部同士が円弧状の辺132で接続され、辺104、106の車両上下方向の下端部同士が円弧状の辺134で接続された形状であってもよい。
【0095】
なお、上述したマーカ120、122、124、130は、「車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカ」の一例である。
【0096】
また、上記の実施形態では、マーカ100が、複数の部分画像102が間隔を空けて配列されて成る態様を説明したが、本開示に係るマーカは複数の部分画像から構成されていることに限られるものではない。例えば、
図19に示すマーカ136のように、複数の部分画像102が一体化された平行四辺形状の単一のマークで構成されていてもよい。なお、マーカ136は「短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカ」の一例である。
【0097】
また、上記の実施形態では、マーカ100を構成する個々の部分画像102がおよそ棒状とされた態様を説明したが、本開示に係るマーカは、例えば、
図20および
図21に示すマーカ138のように、個々の部分画像102がおよそV字状で時計回りに90°回転され、所定の間隔を空けて配列された構成であってもよい。マーカ138は、例えばマーカ138の車両幅方向左端においては、
図20に符号140、142、144で示す3つの範囲内のエッジが、各々、ユーザによるマーカ認識における基準点と解釈される。但し、マーカ138は、その位置関係から、特に範囲142内のエッジが他の範囲140、144内のエッジよりもより強く基準点と解釈されるため、マーカ100などと比較して、先行車両の像90に対するマーカ138の位置ずれがユーザに明瞭に認識されることを抑制する効果は低くなる。しかし、本開示に係るマーカは
図20に示すマーカ138も権利範囲に含むものである。
【0098】
また、上記の実施形態では、マーカ100が車両幅方向に左右非対称である態様を説明したが、本開示に係るマーカは、例えば、
図22および
図23に示すマーカ146のように、車両幅方向の中央部を挟んで、およそ棒状で鉛直方向に対して時計回り45°程度傾斜された部分画像148Aと、およそ棒状で鉛直方向に対して反時計回り45°程度傾斜された部分画像148Bと、が左右対称に配列された形状であってもよい。
【0099】
また、例えば
図24および
図25に示すマーカ150のように、車両幅方向に沿って部分画像148Aと部分画像148Bとが交互に出現するように配列された構成であってもよい。
図22~
図25に示すマーカ146,150は、車両幅方向に左右対称であり、マーカ146,150の車両幅方向の中央部がユーザによるマーカ認識における基準点と解釈され易くなるため、マーカ100などと比較して、先行車両の像90に対するマーカ146,150の車両幅方向の位置ずれがユーザに明瞭に認識されることを抑制する効果は低くなる。しかし、本開示に係るマーカは
図22~25に示すマーカ146、150も権利範囲に含むものである。
【0100】
なお、上述したマーカ138、146、150についても、「車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカ」の一例である。
【0101】
さらに、上記の実施形態では、本開示における対象物が先行車両である場合を説明したが、本開示に係る対象物は先行車両以外の物体、例えば歩行者などであってもよい。
【0102】
また、上記の実施形態では、AR-HUD56の表示領域74を透過して視認される車両の前景に含まれる対象物に対応する位置にマーカ100などを表示させる態様を説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、AR-HUD56の表示領域74に自車両の前景を模した画像を表示するようにAR-HUD56を構成し、自車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置にマーカ100などを表示させてもよい。また、上記の実施形態では、本開示における表示機器の一例としてAR-HUD56を適用した態様を説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示における表示機器はメータディスプレイ68であってもよい。
【0103】
また、上記では本開示に係る表示制御プログラムの一例である表示制御プログラム54が記憶部48に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本開示に係る表示制御プログラムは、HDD、SSD、DVD等の非一時的記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【0104】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0105】
(付記1)
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含む表示制御装置。
【0106】
(付記2)
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させる表示制御部を含む表示制御装置。
【0107】
(付記3)
前記部分画像は、車両幅方向に等間隔に配置されている付記1記載の表示制御装置。
【0108】
(付記4)
前記部分画像は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状である付記1または付記3記載の表示制御装置。
【0109】
(付記5)
前記マーカは車両幅方向に左右非対称である付記1~付記4の何れか1項記載の表示制御装置。
【0110】
(付記6)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した前記信頼度に基づいて前記マーカ表示態様を変化させる付記1~付記5の何れか1項記載の表示制御装置。
【0111】
(付記7)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した前記車両上下方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの車両上下方向の幅を変化させる付記6記載の表示制御装置。
【0112】
(付記8)
前記表示制御部は、取得した前記車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカの車両上下方向の幅を大きくする付記7記載の表示制御装置。
【0113】
(付記9)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した前記車両幅方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる付記6記載の表示制御装置。
【0114】
(付記10)
前記表示制御部は、取得した前記車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカのうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った割合を大きくする付記9記載の表示制御装置。
【0115】
(付記11)
前記表示制御部は、前記マーカの画像を、前記車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して前記表示機器の表示領域に表示させると共に、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整する付記1、付記3~付記10の何れか1項記載の表示制御装置。
【0116】
(付記12)
前記表示機器はヘッドアップディスプレイである付記1~付記11の何れか1項記載の表示制御装置。
【0117】
(付記13)
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる表示制御方法。
【0118】
(付記14)
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理をコンピュータによって実行させる表示制御方法。
【0119】
(付記15)
前記部分画像は、車両幅方向に等間隔に配置されている付記13記載の表示制御方法。
【0120】
(付記16)
前記部分画像は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状である付記13または付記15記載の表示制御方法。
【0121】
(付記17)
前記マーカは車両幅方向に左右非対称である付記13または付記14記載の表示制御方法。
【0122】
(付記18)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した前記信頼度に基づいて前記マーカの表示態様を変化させる付記13または付記14記載の表示制御方法。
【0123】
(付記19)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した前記車両上下方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの車両上下方向の幅を変化させる付記18記載の表示制御方法。
【0124】
(付記20)
前記表示制御部は、取得した前記車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカの車両上下方向の幅を大きくする付記19記載の表示制御方法。
【0125】
(付記21)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した前記車両幅方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる付記18記載の表示制御方法。
【0126】
(付記22)
前記表示制御部は、取得した前記車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカのうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った割合を大きくする付記21記載の表示制御方法。
【0127】
(付記23)
前記表示制御部は、前記マーカの画像を、前記車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して前記表示機器の表示領域に表示させると共に、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整する付記13、付記15~付記22の何れか1項記載の表示制御方法。
【0128】
(付記24)
前記表示機器はヘッドアップディスプレイである付記13~付記23の何れか1項記載の表示制御方法。
【0129】
(付記25)
コンピュータに、
車両幅方向に間隔を空けて並ぶ複数の部分画像から成り、前記部分画像の長手方向に沿った辺が車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させるための表示制御プログラム。
【0130】
(付記26)
コンピュータに、
短辺を有する多角形状で、前記短辺が車両幅方向の端部側に位置しかつ車両上下方向に対して非平行なマーカを、表示機器の表示領域のうち、前記表示機器の表示領域を透過して視認される車両の前景または前記表示機器の表示領域に表示される前記車両の前景を模した画像に含まれる対象物に対応する位置に表示させることを含む処理を実行させるための表示制御プログラム。
【0131】
(付記27)
前記部分画像は、車両幅方向に等間隔に配置されている付記25記載の表示制御プログラム。
【0132】
(付記28)
前記部分画像は、車両上下方向の上端部および下端部の一方が車両幅方向に平行で他方が車両上下方向に平行な形状である付記25または付記27記載の表示制御プログラム。
【0133】
(付記29)
前記マーカは車両幅方向に左右非対称である付記25または付記26記載の表示制御プログラム。
【0134】
(付記30)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する信頼度を取得し、取得した前記信頼度に基づいて前記マーカの表示態様を変化させる付記25または付記26記載の表示制御プログラム。
【0135】
(付記31)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両上下方向の信頼度を取得し、取得した前記車両上下方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの車両上下方向の幅を変化させる付記30記載の表示制御プログラム。
【0136】
(付記32)
前記表示制御部は、取得した前記車両上下方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカの車両上下方向の幅を大きくする付記31記載の表示制御プログラム。
【0137】
(付記33)
前記表示制御部は、前記対象物の位置の認識に関する車両幅方向の信頼度を取得し、取得した前記車両幅方向の信頼度に基づき、前記マーカの表示態様の変化として、前記マーカの色の濃淡を車両幅方向に変化させる付記30記載の表示制御プログラム。
【0138】
(付記34)
前記表示制御部は、取得した前記車両幅方向の信頼度が低くなるに従って、前記マーカのうち色が淡い淡色部分の車両幅方向に沿った割合を大きくする付記33記載の表示制御プログラム。
【0139】
(付記35)
前記表示制御部は、前記マーカの画像を、前記車両と対象物との距離が大きくなるに従って縮小して前記表示機器の表示領域に表示させると共に、縮小後の前記マーカの画像における前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔が目の分解能よりも大きくなるように、前記部分画像の車両幅方向に沿った間隔および前記部分画像の数を調整する付記25、付記27~付記34の何れか1項記載の表示制御プログラム。
【0140】
(付記36)
前記表示機器はヘッドアップディスプレイである付記25~付記35の何れか1項記載の表示制御プログラム。
【符号の説明】
【0141】
10 車載システム
24 カメラユニット
42 表示制御ECU
54 表示制御プログラム
56 AR-HUD
70 先行車両検出部
72 表示制御部
74 表示領域
90 先行車両の像
100、120、122、124、130、136、138、146、150 マーカ
102、148A、148B 部分画像