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特開2025-99511印刷システム、印刷方法、及び印刷プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099511
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷方法、及び印刷プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20250626BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20250626BHJP
   H04N 23/10 20230101ALI20250626BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20250626BHJP
   B41J 2/525 20060101ALI20250626BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250626BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 304
G06F3/12 344
G06F3/12 373
G06F3/12 356
G06F3/12 308
H04N1/387
H04N23/10
G06T1/00 510
B41J2/525
B41J29/38 801
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216214
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大庸
【テーマコード(参考)】
2C061
5B057
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
5B057AA11
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CE18
5B057CH07
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが、過去の印刷ジョブで使用された複数の調整済みの色変換テーブルのうちから、新規に実施する印刷ジョブで使用するに適した色変換テーブルを容易に再利用することを可能とする画像形成装置を提供すること。
【解決手段】印刷システムにおいて、コントローラの制御部は、印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別とを関連付けて記憶部に記憶する履歴データ生成部と、新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する色変換テーブル設定部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別とを関連付けて記憶部に記憶する履歴データ生成部と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する色変換テーブル設定部と、
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記履歴データ生成部は、前記調整済み色変換テーブルの入出力カーブの特性を、前記ユーザに識別可能な文字又は記号で表した要約情報に変換する機能を有し、
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの前記識別情報を、前記要約情報と共に表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記色変換テーブル設定部は、前記新たな印刷ジョブにおける印刷対象の画像内に映る前記物体の種別と、前記調整済み色変換テーブルと関連付けて記憶された前記物体の種別情報とに基づいて、前記色変換テーブル使用履歴の一覧のうちから、前記新たな印刷ジョブで使用するに適した前記調整済み色変換テーブルの候補を提示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
印刷対象の画像の特定の領域の色を指定可能なポイント調整機能が、前記調整済み色変換テーブルと共に使用されている場合、
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、前記ポイント調整機能の使用の有無、及び前記ポイント調整機能を使用する際に指定された前記特定の領域に係る前記物体の種別情報を、前記調整済み色変換テーブルの前記識別情報と共に表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
印刷対象の画像の明るさを調整可能なトーンカーブ調整機能が、前記調整済み色変換テーブルと共に使用されている場合、
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、前記トーンカーブ調整機能の使用の有無、及び前記トーンカーブ調整機能の種別情報を、前記調整済み色変換テーブルの前記識別情報と共に表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記色変換テーブル設定部は、ユーザの操作により、前記調整済み色変換テーブルの入出力カーブを修正して、修正された前記調整済み色変換テーブルを前記新たな印刷ジョブにおける使用対象の色変換テーブルとして設定することを可能とする
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記色変換テーブル設定部は、前記新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面において、前記色変換テーブル使用履歴の一覧のうち、ユーザに仮選択された前記調整済み色変換テーブルを、前記新たな印刷ジョブの印刷対象の画像に適用したときの修正後のイメージ画像を表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記履歴データ生成部は、複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれにつき、前記新たな印刷ジョブで再使用される度に使用回数をカウントアップして記憶し、
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれにつき、当該調整済み色変換テーブルの前記使用回数を、当該調整済み色変換テーブルの前記識別情報と共に表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれにつき、当該調整済み色変換テーブルの作成日及び使用顧客を表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれにつき、当該調整済み色変換テーブルが使用された印刷ジョブのジョブ設定情報を表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の前記調整済み色変換テーブルを、所定の項目をもとに、フィルタリング及び/又は並べ替え可能に表示する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記色変換テーブル設定部は、前記色変換テーブル使用履歴の一覧において、表示対象とする項目を、ユーザ操作により、設定変更可能とする、
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項13】
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報とを関連付けて記憶部に記憶する処理と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する処理と、
を行う印刷方法。
【請求項14】
コンピュータに、
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報とを関連付けて記憶部に記憶する処理と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する処理と、
を実行させる印刷プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システム、印刷方法、及び印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された画像に色変換処理を施し、色変換処理後の画像を印刷する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、撮影画像から人物画像を切り抜き、この人物画像が証明写真に適した明るさとなるように色変換処理を施した後に背景画像と合成し、合成画像をプリントすることが記載されている。
【0004】
又、特許文献2には、原画像の指定された位置の画質が予め定め定められた目標値に近づくように画像処理を施して印刷することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-219587号公報
【特許文献2】特開2003-111007号公報
【特許文献3】特開2007-181251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、プロフェッショナルプリントの世界では、カラーマネジメントという技術を用いて、「色変換テーブル(ICCプロファイルとも称される)」により、原稿となる画像の色を、目標となる色見本に合わせて再現するための色変換が行われている。
【0007】
しかしながら、実際の印刷の現場では、目標となる色見本等がなく、印刷の都度、クライアントに受け入れられる「好ましい色」に調整して印刷物を印刷しなければならない場合がある。このような場合、熟練者が色変換テーブルを修正しながら、試印刷を行い、目視により、色変換テーブルの調整が行われている。
【0008】
図1は、色変換テーブルを利用した画像の色調整の一例を示す図である。図1において、左図は、色調整前の元画像を表し、右図は、色調整後の画像を表している。ここでは、スーパーマーケットのチラシで使用された肉の写真を用いている。
【0009】
一般的にスーパーマーケットのチラシでは、肉をおいしく見せるため、青・黄色味を抑え、赤と白を強調している。この際、ユーザは、例えば、色変換テーブルの入出力カーブのプロファイル調整を行って、色彩・明度をコントロールしたり、白を強調したりする。
【0010】
但し、このように調整された色変換テーブルは、別の印刷物には必ずしも適しておらず、例えば、スーパーマーケットのチラシ用に調整された色変換テーブルは、家電のチラシには使用することはできない。家電のチラシにおいては、家電のディテールが視認し得ることが重要視されるが、白を強調した色変換テーブルを用いると、白物家電のディテールがつぶれてしまうためである。
【0011】
このような色変換テーブルの調整は、熟練者でなければ困難であり、またその調整作業も煩雑である。このような背景から、過去に使用した調整済みの色変換テーブルを再利用して、新規入稿データを印刷する際の色変換テーブルのセッティング作業を軽減したいという要請がある。
【0012】
近年の印刷システムにおいては、かかる要請に応えるべく、新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面において、過去に使用した色変換テーブルの使用履歴の一覧を表示する技術を導入しているものも見受けられる。しかしながら、現状では、ユーザが、色変換テーブルの使用履歴の一覧から、新たな印刷ジョブで使用するに適した色変換テーブルを容易に選択し得るようになっているとは言い難い(例えば、特許文献3を参照)。
【0013】
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、色変換テーブルのセッティング作業を軽減し得るより好適な印刷システム、印刷方法、及び印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した課題を解決する主たる本開示は、
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報とを関連付けて記憶部に記憶する履歴データ生成部と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する色変換テーブル設定部と、
を備える印刷システムである。
【0015】
又、他の局面では、
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報とを関連付けて記憶部に記憶する処理と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する処理と、
を行う印刷方法である。
【0016】
又、他の局面局面では、
コンピュータに、
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報とを関連付けて記憶部に記憶する処理と、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルそれぞれの識別情報を、前記物体の種別情報と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する処理と、
を実行させる印刷プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る印刷システムによれば、色変換テーブルのセッティング作業を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】色変換テーブルを利用した画像の色調整の一例を示す図
図2】印刷システムのシステム構成の一例を示す図
図3】コントローラのハードウェア構成の一例を示す図
図4】CPUの機能構成の一例を示す図
図5】色変換テーブル設定部の制御のもと、表示部に表示される色変換テーブル設定画面の一例を示す図
図6】過去の印刷ジョブにおける印刷対象の画像の一例を示す図
図7】過去の印刷ジョブで使用された調整済みの色変換テーブルの一例を示す図
図8】印刷ジョブを実施する際の制御部の動作フローの一例を示す図
図9】制御部の動作フローの変形例を示す図
図10】色変換テーブル設定画面の変形例を示す図
図11】色変換テーブル設定画面の他の変形例を示す図
図12】ポイントカラー調整機能の設定画面の一例を示す図
図13】色変換テーブル設定画面の他の変形例を示す図
図14】色変換テーブル設定画面の他の変形例を示す図
図15】色変換テーブル設定画面中の表示項目を設定する画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<印刷システム100の構成>
まず、本発明の一実施形態に係る印刷システム100の構成について説明する。
【0021】
図2に、印刷システム100のシステム構成の一例を示す図である。図2に示すように、印刷システム100は、印刷指示端末10、コントローラ20、プリンタ30を備え、各装置は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。尚、各装置の台数は、特に限定されない。
【0022】
印刷指示端末10は、プリンタドライバープログラムや専用のソフトウェアを用いて、コントローラ20に対して印刷指示を行う。具体的には、印刷指示端末10は、ユーザ操作に応じて、ジョブの情報としてコントローラ20が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)等で記述された印刷データを生成し、生成した印刷データをコントローラ20に送信する。
【0023】
コントローラ20は、印刷指示端末10から送信された印刷データに対してラスタライズ(RIP処理とも称される)を行って印刷用画像データを作成する。そして、コントローラ20は、印刷用画像データに色変換、スクリーニング等の画像処理を行ってプリンタ30に送信する。尚、コントローラ20は、プリンタ30に内蔵されていてもよい。又、コントローラ20とプリンタ30とは、PCI接続等、専用線を介して接続されていてもよい。
【0024】
プリンタ30は、コントローラ20から受信したビットマップ形式の画像データ(CMYKデータ)に基づいて印刷を行う画像形成装置である。プリンタ30における印刷方式としては、電子写真方式やインクジェット方式等の各種の印刷方式を採用することができる。
【0025】
図3は、コントローラ20のハードウェア構成の一例を示す図である。図4は、CPU21の機能構成の一例を示す図である。
【0026】
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、操作部24、表示部25、及び通信部26等を備え、各部はバス27により接続されている。
【0027】
CPU21は、コントローラ20の各部の処理動作を統括的に制御する制御部である(以下、「制御部21」とも称する)。CPU21は、操作部24から入力される操作信号等に応じて、記憶部23に格納されている各種処理プログラム及びデータを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0028】
具体的には、制御部21は、記憶部23に格納されている各種処理プログラムを実行することで、色変換テーブル設定部21a、履歴データ生成部21b、色調整実行部21cとして機能する(図4を参照)。
【0029】
又、制御部21は、その他、印刷指示端末10から受信した印刷データ(PDLデータ)を解析し、ビットマップ形式の印刷用画像データ(CMYK値)に展開したりする。
【0030】
RAM22は、制御部21により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0031】
記憶部23は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理プログラム(例えば、RIP処理プログラムや色調整処理プログラム)や各種処理に関するデータ等を記憶する。
【0032】
又、本実施形態に係る記憶部23は、基準色変換テーブル231、及び履歴データベース232を記憶する。
【0033】
基準色変換テーブル231は、カラーマネジメントの観点で、プリンタ30の色出力のクセ等が調整されるように、初期設定された色変換テーブルである。基準色変換テーブル231は、例えば、新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する際に読み出され、当該印刷ジョブに適したプロファイルとなるように、ユーザに調整される。
【0034】
履歴データベース232は、過去の印刷ジョブで印刷対象に適合するように、ユーザに調整された色変換テーブル(以下、「調整済み色変換テーブル」と称する)に係る履歴データである。
【0035】
履歴データベース232には、例えば、新たな調整済み色変換テーブルD1が作成される毎に、当該調整済み色変換テーブルD1のデータが登録される。そして、履歴データベース232には、当該調整済み色変換テーブルD1と関連付けて、印刷画像内の物体の種別情報D2と、当該調整済み色変換テーブルD1の要約情報D3と、が登録される。図5を参照して後述する色変換テーブルの設定画面では、かかる履歴データベース232の内容が、「色変換テーブル使用履歴の一覧」として、表示される。
【0036】
尚、色変換テーブル(ここでは、基準色変換テーブル231及び調整済み色変換テーブルD1)は、例えば、ターゲットプロファイル及びプリンタプロファイルによって構成される。色変換処理を行うには、色合わせの目標とするデバイスの色変換テーブルが必要となり、それをターゲットプロファイルと呼ぶ。ターゲットプロファイルは、デバイスに依存するデバイス値(例えば、CMYK値、RGB値等)を、デバイスに依存しない色彩値(例えば、XYZ値、L*a*b*値等)に変換するための、デバイス値と色彩値との対応関係を示す色変換テーブルである。ターゲットプロファイルとしては、通常、オフセット印刷機のプロファイルや、JapanColor等の標準的なプロファイルが選択される。プリンタプロファイルは、色彩値をプリンタ30のデバイス値に変換するための、色彩値とデバイス値との対応関係を示す色変換テーブルである。即ち、プリンタプロファイルとして、実際に出力するプリンタ30のプロファイルが選択される。
【0037】
即ち、入力された画像データのデバイス値(RGB値等)は、ターゲットプロファイルを用いてデバイスに依存しない色彩値に変換され、この色彩値がプリンタプロファイルを用いて出力デバイスたるプリンタ30のデバイス値(CMYK値等)に変換される。そして、この変換を経て得られたプリンタ30のデバイス値(CMYK値)に対応するように変換された画像データを用いて、プリンタ30での印刷が実行される。
【0038】
尚、使用される色変換テーブルとしては、入力デバイスのデバイス値から色彩値への色変換テーブルと色彩値から出力デバイスのデバイス値への色変換テーブルを一つのLUTにしたものが用いられてもよい。かかるLUTは、デバイスリンクプロファイルとも称される。
【0039】
調整済み色変換テーブルD1のデータは、例えば、ユーザが印刷対象の画像に適した色変換がなされるように、基準色変換テーブル231に対して行った調整内容が反映された色変換テーブルのデータである。本実施形態では、調整済み色変換テーブルD1のデータは、調整済みターゲットプロファイルのデータと調整済みプリンタプロファイルのデータとで別個に記憶されている。
【0040】
尚、調整済み色変換テーブルD1のデータは、基準色変換テーブル231からの変更内容の形式で記憶されてもよいし、調整済み色変換テーブルD1の入出力プロファイルそのものの形式で記憶されてもよい。
【0041】
物体の種別情報D2は、調整済み色変換テーブルD1が適用された印刷対象の画像内に映る物体の種別に係る情報である。物体の種別情報D2は、ユーザが、調整済み色変換テーブルD1にて調整対象となった物体の種別を識別し得るようするために登録される。換言すると、ユーザが、今回の印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面において、各調整済み色変換テーブルD1の使用用途を識別し得るようにするために登録される。物体の種別情報D2は、制御部21による印刷対象の画像の画像解析(例えば、パターン認識)により生成される。尚、物体の種別情報D2のデータ形式は、物体種別IDであってもよいし、文字列や記号列のデータであってもよい。
【0042】
ここで登録対象となる物体の種別情報D2は、例えば、印刷対象の画像内の主たる物体の種別であり、例えば、スーパーマーケットのチラシの肉や、家電量販店のチラシの白物家電等が挙げられる。図6に示すように、印刷対象の画像内に、猫B2と犬B1が映っている場合には、物体の種別情報D2としては、例えば、「猫、犬」と登録される。但し、物体の種別情報D2は、印刷物の用途が反映されたものであるのが好ましい。かかる観点から、「猫、犬」等の個体の単位に代えて、「人物の顔」等の個体の部位の単位で登録されてもよい。かかる登録される種別内容は、例えば、履歴データ生成部21bによるパターン認識処理の設定(即ち、識別対象の設定)によって調整可能である。
【0043】
要約情報D3は、自身と関連付けて記憶された調整済み色変換テーブルD1により画像に対して施される色調整の内容を、ユーザが、一見して識別可能とするために登録される情報である。要約情報D3は、例えば、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブのプロファイル(即ち、特性)を、ユーザに識別可能な文字列又は記号列で表した情報として登録される。要約情報D3は、例えば、新たな調整済み色変換テーブルD1が登録された際に、制御部21(履歴データ生成部21b)による当該調整済み色変換テーブルD1のデータ変換により生成される。
【0044】
又、記憶部23には、その他、印刷指示端末10から受信した印刷データ、RIP済みの印刷用画像データ、及び、ユーザ情報等が記憶される。
【0045】
操作部24は、例えば、カーソルキー、文字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザによる操作入力を受け付ける。操作部24は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。
【0046】
表示部25は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、CPU21からの指示に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0047】
尚、本実施形態に係る操作部24及び表示部25は、タッチパネル付の液晶ディスプレイで一体的に構成されている。
【0048】
通信部26は、通信ネットワークNを介して外部装置(例えば、印刷指示端末10、プリンタ30)との間でデータの送受信を行う。
【0049】
<制御部21の詳細構成>
ここで、制御部21の色変換テーブル設定部21a、履歴データ生成部21b、及び、色調整実行部21cの機能について、詳述する。
【0050】
図5は、色変換テーブル設定部21aの制御のもと、表示部25に表示される色変換テーブル設定画面の一例を示す図である。
【0051】
図6は、過去の印刷ジョブにおける印刷対象の画像の一例を示す図である。図7は、過去の印刷ジョブで使用された調整済みの色変換テーブルD1の一例を示す図である。尚、図6は、調整済みの色変換テーブルA-Iccが使用された印刷ジョブにおける印刷対象の画像を示している。又、図7は、調整済みの色変換テーブルA-IccのターゲットプロファイルのC色に係るプロファイルのみを示している。
【0052】
≪色変換テーブル設定部21aの構成≫
色変換テーブル設定部21aは、新たな印刷ジョブの実行指令があった場合、色変換テーブル設定画面を表示する。この際、色変換テーブル設定部21aは、ユーザが、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルとして、過去に使用された調整済みの色変換テーブルD1を再利用し得るように、色変換テーブル使用履歴の一覧を表示する。
【0053】
具体的には、色変換テーブル設定部21aは、記憶部23に蓄積された履歴データベース232のデータを読み出す。そして、色変換テーブル設定部21aは、複数の調整済み色変換テーブルD1それぞれの識別情報を、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する。この際、色変換テーブル設定部21aは、調整済み色変換テーブルD1が適用された画像内の物体種別情報D2、調整済み色変換テーブルD1の要約情報D3等についても、色変換テーブル使用履歴に表示する。
【0054】
尚、色変換テーブル設定部21aは、例えば、色変換テーブル使用履歴の一覧を、リスト形式で表示する。又、調整済み色変換テーブルD1それぞれの識別情報は、典型的には、文字列又は記号列で表現されている。
【0055】
図5に示す色変換テーブル設定画面においては、R1領域が、「色変換テーブル使用履歴の一覧」を表示する領域であり、R1領域には、複数の調整済み色変換テーブルD1に係る情報がリスト形式で表示されている。具体的には、R1領域には、調整済み色変換テーブルD1毎に、以下の情報が表示されている。
R1a:色変換テーブルID(即ち、識別情報)
R1b:色変換テーブルファイル名
R1c:適用対象となった画像ファイル名
R1d:適用対象となった画像の物体種別情報
R1e:調整済み色変換テーブル(ターゲットプロファイル)の色調整内容の要約情報
R1f:調整済み色変換テーブル(デバイスプロファイル)の色調整内容の要約情報
【0056】
又、図5に示す色変換テーブル設定画面において、R2領域は、色変換テーブル使用履歴の一覧において仮選択された調整済み色変換テーブルD1を、今回の印刷対象の画像に適用したときの調整後のイメージ画像を表示する領域である。具体的には、R2領域には、調整前の元画像と調整後のイメージ画像とが並べて表示される。尚、色変換テーブル使用履歴の一覧において仮選択する対象の調整済み色変換テーブルD1は、カーソルRt2の位置の移動操作によって変更可能である。
【0057】
又、図5に示す色変換テーブル設定画面において、R3領域は、色変換テーブル使用履歴の一覧から、今回の印刷ジョブにおいて使用する調整済み色変換テーブルD1を選択確定するための操作ボタンである。ここでは、R3領域には、以下のボタンが表示されている。
R3a:新規作成ボタン(ここでは、基準色変換テーブル231から、新規に色変換テーブルを作成するためのボタンを意味する。)
R3b:選択<修正なし>(ここでは、調整済み色変換テーブルD1に対して修正を行わずに選択するためのボタンを意味する。)
R3c:選択<修正あり>(ここでは、調整済み色変換テーブルD1に対して修正を行うためのボタンを意味する。)
【0058】
尚、図5中のRt1は、色変換テーブル使用履歴の一覧から、仮選択中の調整済み色変換テーブルD1を変更する操作ボタンである。ここでは、ユーザは、カーソルRt2を上下に移動させて、色変換テーブル使用履歴の一覧から、仮選択中の調整済み色変換テーブルD1を変更することができるようになっている。
【0059】
この色変換テーブル設定画面では、色変換テーブル使用履歴の一覧に、各調整済み色変換テーブルD1が適用された画像内の物体種別情報D2が表示されている点に特に特徴を有する。即ち、上記したように、色変換テーブルによる適切な色調整内容は、印刷対象の画像(即ち、色調整対象の物体の種別)に依拠して、異なっている。この点、ユーザは、画像内の物体種別情報D2から、各調整済み色変換テーブルD1の使用目的や使用用途を把握することができる。
【0060】
即ち、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧を閲覧することで、新たな印刷ジョブの印刷対象の画像の物体種別と一致又は類似する物体種別に適用された調整済み色変換テーブルD1を選択することが可能である。これによって、ユーザは、新たに色変換テーブルを再作成し直す手間を省略することができる。
【0061】
ここで、色変換テーブル設定部21aは、「選択<修正あり>」ボタンR3cを押下された場合には、仮選択されている調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブ(図7を参照)を表示し、当該入出力カーブの修正操作を受け付ける。そして、色変換テーブル設定部21aは、修正された色変換テーブルを、今回の印刷ジョブにおいて使用する色変換テーブルとして設定する。
【0062】
尚、図7の色変換テーブル修正画面には、以下の画像が表示されている。
P1:調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブのうち、修正対象を、ターゲットプロファイルとするか、又は、デバイスプロファイルとするかを選択するためのチェックボックス
P2:調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブ(ターゲットプロファイル又はデバイスプロファイル)を表示する領域
P3:P2に表示する対象のカラー(ここでは、CMYKの4色のいずれか)の入出力カーブ(ターゲットプロファイル又はデバイスプロファイル)を選択するためのチェックボックス
P4:修正した色変換テーブルの入出力カーブを確定するための操作ボタン
【0063】
即ち、P2の表示領域には、P1で選択された修正対象(ターゲットプロファイル又はプロファイル)であって、且つ、P3で選択されたカラーの入出力カーブが表示される。そして、P2上では、ユーザの画面上でのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作により、入出力カーブを変更することが可能となっている。
【0064】
図5に戻って、色変換テーブル使用履歴の一覧中のR1eの要約情報、及びR1fの要約情報の項目について説明する。
【0065】
これらの項目R1e、R1fは、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブのプロファイルをユーザに簡易的に識別可能にするために生成された文字列又は記号列からなる要約情報D3を表示する項目である。
【0066】
図5から分かるように、色変換テーブル使用履歴の一覧に、各調整済み色変換テーブルD1について、調整済みターゲットプロファイルのグラフや、調整済みデバイスプロファイルのグラフをすべて表示することは困難である。
【0067】
そこで、本実施形態に係る色変換テーブル設定部21aは、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性がユーザに識別可能な文字列又は記号列に変換して表された要約情報に係る項目R1e、R1fを表示する。尚、ここで、項目R1eは、ターゲットプロファイルに係る要約情報であり、項目R1fは、デバイスプロファイルに係る要約情報である。
【0068】
具体的には、図5の要約情報R1eの「C+,M-」は、基準色変換テーブル231のターゲットプロファイルに対してC色がプラスされ、M色がマイナスされるように調整されたことを表している。又、図5の要約情報R1eの「K-」は、基準色変換テーブル231のターゲットプロファイルに対してK色がマイナスされるように調整されたことを表している。又、図5の要約情報R1fの「M-」は、基準色変換テーブル231のデバイスプロファイルに対してM色がマイナスされるように調整されたことを表している。
【0069】
尚、かかる要約情報D3は、例えば、新たな調整済み色変換テーブルD1が登録された際に、履歴データ生成部21bによる当該調整済み色変換テーブルD1のデータ変換により生成される。
【0070】
実際に、新たな印刷ジョブに使用する色変換テーブルを設定する際のユーザの操作態様としては、例えば、以下の通りである。
【0071】
ユーザは、まず、新たな印刷ジョブの印刷用途を考慮して、色変換テーブル使用履歴の一覧の中から、印刷対象の画像内の物体の種別と一致又は類似する物体の種別に適用された調整済み色変換テーブルD1を検索する。又、この際、ユーザは、調整済み色変換テーブルD1の要約情報D3についても参照する。
【0072】
そして、ユーザは、カーソル操作ボタンRt1を押下してカーソルRt2を上下に移動させて、色変換テーブル使用履歴の一覧から、所望の調整済み色変換テーブルD1を仮選択する。これにより、色変換テーブル設定画面には、調整前の元画像と調整後のイメージ画像が表示される。ユーザは、調整後のイメージ画像を閲覧し、仮選択中の調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの修正の要否について検討する。
【0073】
そして、調整済み色変換テーブルD1の修正が不要と判断した場合には、ユーザは、「選択<修正なし>」ボタンR3bを押下する。そして、ユーザは、当該調整済み色変換テーブルD1を、新たな印刷ジョブに使用する色変換テーブルとして確定する。一方、当該調整済み色変換テーブルD1の修正が必要と判断した場合には、ユーザは、「選択<修正あり>」ボタンR3cを押下する。そして、ユーザは、当該調整済み色変換テーブルD1の修正(図7を参照)を行う。そして、ユーザは、当該修正後の色変換テーブルを、新たな印刷ジョブに使用する色変換テーブルとして確定する。
【0074】
≪履歴データ生成部21bの構成≫
履歴データ生成部21bは、印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用された調整済み色変換テーブルD1に係るデータを、履歴データベース232として記憶部23に記憶する。即ち、履歴データ生成部21bは、色変換テーブル設定部21aが、新たな印刷ジョブの実行に際して「色変換テーブル使用履歴の一覧」(図5を参照)を表示し得るように、履歴データを生成する。
【0075】
第1に、履歴データ生成部21bは、印刷ジョブの印刷対象の画像を解析して、当該画像内に映る物体の種別を識別する。そして、履歴データ生成部21bは、当該物体の種別情報D2を、当該印刷ジョブで使用された調整済みの色変換テーブルD1と関連付けて記憶部23に記憶する。
【0076】
このとき、履歴データ生成部21bは、例えば、公知のCNN(Convolutional Neural Network)を用いたパターン認識処理によって、印刷ジョブの印刷対象の画像内に映る物体の種別を識別する。但し、履歴データ生成部21bによる画像解析の手法は、任意であり、例えば、SVM(Support Vector Machine)識別器、ベイズ識別器、又は、テンプレートマッチング等のパターン認識技術が用いられてもよい。
【0077】
第2に、履歴データ生成部21bは、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性を、要約情報D3に変換し、当該要約情報を、調整済みの色変換テーブルと関連付けて記憶部23に記憶する。尚、要約情報D3は、典型的には、ユーザに識別可能な文字列又は記号列からなる。
【0078】
このとき、履歴データ生成部21bは、例えば、基準色変換テーブル231に対して、ユーザによって、調整が加えられたカラーと、調整が加えられた方向とを、文字列又は記号列で表すことで、要約情報D3を生成する。又、履歴データ生成部21bは、要約情報D3の生成の際に、AIを使用した自然言語処理技術を用いてもよい。
【0079】
尚、履歴データ生成部21bが生成する要約情報D3は、基準色変換テーブル231からの変更内容の要約情報であってもよい。又、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性そのものの要約情報であってもよい。
【0080】
又、履歴データ生成部21bがかかる履歴データを生成するタイミングは、例えば、印刷ジョブが実行された後である。但し、その一部の処理は、新たな印刷ジョブで、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル設定画面を表示する際であってもよい。
【0081】
≪色調整実行部21cの構成≫
色調整実行部21cは、印刷実行に際して、色変換テーブル設定部21aにて設定された色変換テーブルに基づいて、印刷用画像データの色変換を行う。そして、色調整実行部21cは、色変換済みの画像データを通信部26によりプリンタ30に送信し、本印刷を行わせる。
【0082】
尚、色調整実行部21cによる色変換処理自体は、公知の技術と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0083】
≪制御部21の動作フロー≫
図8は、印刷ジョブを実施する際の制御部21の動作フローの一例を示す図である。
【0084】
まず、制御部21は、印刷指示端末10からの印刷ジョブの実行指令を受け付ける(ステップS1)。次に、制御部21は、ユーザからの今回の印刷ジョブで使用する対象の色変換テーブルの設定を受け付けるべく、図5に示した色変換テーブル設定画面を表示部25に表示する(ステップS2)。そして、制御部21は、ユーザ操作を待ち受け、色変換テーブル設定画面に表示する色変換テーブル使用履歴の一覧のうちから、今回の印刷ジョブで使用する対象の色変換テーブルの選択及び/又は修正を受け付ける(ステップS3)。
【0085】
次に、制御部21は、ステップS3において選択及び/又は修正された色変換テーブルを用いて、印刷対象の画像データの色変換処理を行う。そして、制御部21は、色変換済みの画像データを通信部26によりプリンタ30に送信し、本印刷を行わせる(ステップS4)。
【0086】
次に、制御部21は、色変換処理に係る履歴データを生成する。そして、制御部21は、記憶部23に、当該履歴データを、今回の印刷ジョブで使用された調整済み色変換テーブルD1と関連付けて保存する(ステップS5)。尚、色変換処理に係る履歴データとは、上記したように、例えば、当該印刷ジョブで使用された調整済みの色変換テーブルD1、印刷対象の画像内に映る物体の種別情報D2、及び、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性の要約情報D3等である。
【0087】
かかる一連の動作フローにより、制御部21は、実行指令を受け付けた印刷ジョブを終了する。
【0088】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る印刷システム100は、
印刷ジョブが実行された際、当該印刷ジョブで使用されたユーザによる調整済みの色変換テーブルと、画像解析により識別された印刷対象の画像内に映る物体の種別情報D2とを関連付けて記憶部23に記憶する履歴データ生成部21bと、
新たな印刷ジョブを実行する際に、当該新たな印刷ジョブで使用する色変換テーブルを設定する画面を生成し、当該画面において、前記記憶部23に蓄積された複数の前記調整済み色変換テーブルD1それぞれの識別情報を、前記物体の種別情報D2と共に、色変換テーブル使用履歴の一覧として選択可能に表示する色変換テーブル設定部21aと、
を備える。
【0089】
本実施形態に係る印刷システム100によれば、ユーザは、新たな印刷ジョブの度に、印刷対象の画像に適した色調整を行うために、新たに色変換テーブルを再作成し直す手間を省略することができる。特に、本実施形態に係る印刷システム100は、過去の印刷ジョブで使用された調整済み色変換テーブルD1を一覧表示する際に、当該色変換テーブルの適用対象となった画像内に映る物体の種別情報D2を表示する。そのため、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、容易に、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択することが可能である。
【0090】
又、本実施形態において、履歴データ生成部21bは、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性を、ユーザに識別可能な文字又は記号で表した要約情報D3に変換する機能を有する。そして、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の調整済み色変換テーブルD1それぞれの識別情報を、要約情報D3と共に表示する。
【0091】
これによって、ユーザは、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブの特性を、色変換テーブル使用履歴の一覧から容易に認識することができる。即ち、これにより、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、容易に、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択することができる。
【0092】
又、本実施形態において、色変換テーブル設定部21aは、ユーザの操作により、調整済み色変換テーブルD1の入出力カーブを修正して、修正された色変換テーブルを新たな印刷ジョブで使用することを可能とする。
【0093】
これによって、ユーザは、過去の印刷ジョブで使用された調整済み色変換テーブルD1をもとに、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを容易に作成することが可能となる。
【0094】
又、本実施形態において、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧において仮選択された調整済み色変換テーブルD1を、新たな印刷ジョブの画像に適用したときの修正後のイメージ画像を表示する。
【0095】
これによって、ユーザは、過去の印刷ジョブで使用された調整済み色変換テーブルD1それぞれの調整内容を容易に把握することできる。
【0096】
<変形例1>
本変形例では、色変換テーブル設定部21aが、更に、色変換テーブル使用履歴の一覧のうちから、新たな印刷ジョブで使用するに適した調整済み色変換テーブルD1の候補を提示する点で、上記実施形態と相違する。
【0097】
図9は、本変形例に係る制御部21の動作フローを示す図である。図10は、色変換テーブル設定画面の変形例を示す図である。
【0098】
図9の動作フローは、ステップS1とステップS2との間に、ステップSaが挿入されている点でのみ、図8の動作フローと相違する。
【0099】
ここで、ステップSaは、制御部21が、印刷対象の画像の物体種別を識別する処理を行うステップである。具体的には、ステップSaにおいて、制御部21は、まず、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像の画像解析(例えば、パターン認識処理)を行って、当該画像内に映る物体の種別を識別する。
【0100】
その後、制御部21は、色変換テーブル設定画面を表示部25に表示する(ステップS2)。この際、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧のうちから、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像内に映る物体の種別と一致又は類似するものを抽出する。そして、制御部21は、色変換テーブル設定画面において、今回の印刷ジョブに適した色変換テーブル候補として、ユーザに提示する。
【0101】
図10に示す色変換テーブル設定画面では、今回の印刷ジョブに適した色変換テーブル候補が、マーカRxが付された形で表示されている。
【0102】
尚、物体の種別の一致度の判定手法は、例えば、テキストデータを用いる手法が用いられてもよい。又、それぞれの物体の種別をベクトル形式で表現し、当該ベクトルの類似度を算出する方法が用いられてもよい。
【0103】
このように、変形例1に係る色変換テーブル設定部21aは、新たな印刷ジョブにおける印刷対象の画像内に映る物体の種別と、調整済み色変換テーブルD1に関連付けて記憶された物体の種別情報D2とを参照する。そして、色変換テーブル設定部21aは、それらに基づいて、色変換テーブル使用履歴の一覧のうちから、新たな印刷ジョブに適した調整済み色変換テーブルD1の候補を提示する。
【0104】
これによって、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、容易に、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択することができる。
【0105】
尚、変形例1に係る印刷システム100において、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像内に映る物体の種別情報は、ユーザ自身が入力する情報であってもよい。
【0106】
<変形例2>
本変形例では、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧に、更に、調整済み色変換テーブルD1と同時に使用されたポイントカラー調整等の調整内容の要約情報を表示する点で、上記実施形態と相違する。
【0107】
図11は、本変形例に係る色変換テーブル設定画面を示す図である。図12は、ポイントカラー調整機能の設定画面の一例を示す図である。
【0108】
本変形例では、印刷対象の画像に対して色調整を行う際に、色変換テーブルによる色調整に加えて、ポイントカラー調整又はトーンカーブ調整が使用されるケースを示している。
【0109】
ポイントカラー調整とは、ユーザ操作により、印刷対象画像の特定の領域の色が、特定の色となるように指定して、印刷対象の画像に対して色調整を行う機能である。このポイントカラー調整が行われた場合、色変換テーブルによる色調整が行われた際、当該画像の指定の領域の色が指定の色となる。
【0110】
ポイントカラー調整は、典型的には、画像内の物体の特定の領域(例えば、人物の肌)を、特定の色に指定したい等に用いられる。又、その他、ポイントカラー調整は、色変換テーブルを使用した際に生じる特定の領域(例えば、文字部分)のざらつき等を除去する際にも使用され得る。
【0111】
ポイントカラー調整の適用対象は、典型的には、ユーザが印刷画像内で注目している物体である。そのため、当該物体の種別が、色変換テーブル使用履歴の一覧において表示されていれば、ユーザは、容易に、新たな印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択することができるようになる。
【0112】
本変形例に係る色変換テーブル設定部21aは、かかる観点から、色変換テーブル使用履歴の一覧において、ポイントカラー調整機能の使用の有無及びポイントカラー調整機能を使用する際に指定された物体の種別情報を表示する。そして、ユーザが、調整済み色変換テーブルD1を、今回の印刷ジョブにおける使用対象の色変換テーブルとして選択した場合には、同時に、同様の条件のポイントカラー調整機能が設定される構成となっている。
【0113】
図11では、色変換テーブル使用履歴の一覧には、図5で示した項目の他、ポイントカラー調整機能に係る使用状況に係る項目R1gが表示されている。図11では、一例として、色変換テーブルID_3につき、ポイントカラー調整機能が使用され、その際、ポイントカラー調整機能にて指定された領域の物体種別が「リンゴ」である態様を示している。
【0114】
又、図11では、色変換テーブル設定画面に、ポイントカラー調整機能の修正ボタンR3d、及びトーンカーブ調整機能の修正ボタンR3eが表示され、これらを、登録内容から修正可能となっている。
【0115】
ポイント調整の実施の有無、及び当該ポイント調整の内容に係る情報は、履歴データ生成部21bによって生成される。即ち、履歴データ生成部21bは、例えば、色変換処理に係る履歴データを生成する際、ポイントカラー調整が指定された領域の物体の種別を特定する。そして、履歴データ生成部21bは、記憶部23に、ポイント調整の実施の有無、当該ポイントカラー調整の内容、及びポイントカラー調整が指定された領域の物体の種別に係る情報を、使用された調整済み色変換テーブルD1と関連付けて保存する。尚、ポイントカラー調整では、調整点が指定されるため、履歴データ生成部21bは、この調整点を基準位置として、パターン認識処理によって、ポイントカラー調整が指定された領域の物体の種別を特定する。
【0116】
これによって、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧に、ポイント調整の実施の有無、及び、ポイントカラー調整にて指定された領域の物体の種別を表示することが可能である。
【0117】
尚、図12のポイントカラー調整機能の設定画面には、以下の内容が表示されている。
Q1:ポイントカラー調整の調整点に加算するCMYK値を入力する領域
Q2:ポイントカラー調整した色の周囲の色への影響範囲を設定する領域
Q3:ポイントカラー調整の調整点のCMYKの値を表示する領域
Q4:「調整対象の画像」を示す領域
(左側には調整前の画像、右側には調整前の画像が表示される)
Q4s:ポイントカラー調整を行う対象領域(即ち、調整点)
【0118】
図12の設定画面は、例えば、図11でポイント調整機能の修正ボタンR3dが選択された場合に表示される。かかる設定画面にて、ユーザは、色変換テーブルと共に使用するポイントカラー調整の内容を設定することが可能となっている。
【0119】
又、本変形例では、トーンカーブ調整機能が使用可能な態様を示しているが、トーンカーブ調整機能とは、画像の明るさやコントラストを調整する補正機能である。
【0120】
又、本変形例に係る色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧において、トーンカーブ調整機能の使用の有無、及びトーンカーブ調整機能で使用されたトーンカーブ種別を表示する。
【0121】
尚、ここでは、複数の種別のトーンカーブが登録されており、ユーザがそれら複数種別のトーンカーブから選択して使用できる態様となっている。そして、ユーザが、いずれかの調整済み色変換テーブルD1を、新たな印刷ジョブにおける使用対象の色変換テーブルとして選択した場合には、同時に、同一の種別のトーンカーブ調整が設定される構成となっている。
【0122】
図11では、色変換テーブル使用履歴の一覧のR1h領域が、「トーンカーブ調整機能に係る使用状況」を表示する領域である。図11では、一例として、色変換テーブルID_4につき、トーンカーブ調整機能が使用され、その際、トーンカーブ調整機能にて「Tone curb 1」が使用された態様を示している。
【0123】
トーンカーブ調整の実施の有無、及び当該トーンカーブ調整の内容(即ち、トーンカーブの種別)に係る情報は、履歴データ生成部21bによって生成される。履歴データ生成部21bは、例えば、色変換処理に係る履歴データを生成する際、記憶部23に、トーンカーブ調整の実施の有無、及び当該トーンカーブ調整のトーンカーブ種別に係る情報を、使用された調整済み色変換テーブルD1と関連付けて保存する。
【0124】
以上のように、本変形例に係る印刷システム100によれば、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、より容易に、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択することができる。
【0125】
加えて、ユーザは、色変換テーブルと併用してポイントカラー調整機能又はトーンカーブ調整機能が使用されている場合にも、調整済み色変換テーブルD1と共に、同じ条件下でこれらの機能を使用することができる。従って、本変形例に係る印刷システム100によれば、今回の印刷対象の画像に対して、より確実に、過去に調整済み色変換テーブルD1を使用した際と同様の色調整を実施することが可能である。
【0126】
<変形例3>
本変形例では、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧に、更に、調整済み色変換テーブルD1の使われ方に係る情報を表示する点で、上記実施形態と相違する。
【0127】
図13は、本変形例に係る色変換テーブル設定画面を示す図である。
【0128】
本変形例に係る色変換テーブル設定画面では、色変換テーブル使用履歴の一覧において、図5で例示した表示項目に加えて、以下の項目が表示されている。
R1i:調整済み色変換テーブルD1の「使用回数」
R1j:調整済み色変換テーブルD1の「作成日」
R1k:調整済み色変換テーブルD1を使用した「顧客」
R1l:調整済み色変換テーブルD1が使用された際に印刷に用いられた「紙の種類」
R1m:調整済み色変換テーブルD1が使用された際に印刷に用いられた「紙の坪量」
【0129】
つまり、本変形例においては、履歴データ生成部21bは、例えば、色変換処理に係る履歴データを生成する際、当該調整済み色変換テーブルD1につき、ユーザに再使用される度に使用回数をカウントアップして記憶部23に記憶する構成を有している。そして、当該使用回数を、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧において、調整済み色変換テーブルD1の識別情報と共に表示する。
【0130】
これによって、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、過去の印刷ジョブで使用された色変換テーブルそれぞれの使用頻度を容易に把握することできる。そして、ユーザは、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択する際の参考情報とすることができるようになっている。
【0131】
又、本変形例においては、履歴データ生成部21bは、例えば、色変換処理に係る履歴データを生成する際(図8のステップS5)、当該調整済み色変換テーブルD1が作成された作成日及び使用顧客に係る情報を記憶部23に記憶する構成を有する。そして、当該作成日及び使用顧客に係る情報を、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧において、当該調整済み色変換テーブルD1の識別情報と共に表示する。
【0132】
又、本変形例においては、履歴データ生成部21bは、複数の調整済み色変換テーブルD1それぞれにつき、当該調整済み色変換テーブルD1が使用された際の紙種や坪量の情報に係るジョブ設定情報についても、記憶部23に記憶する構成を有する。そして、当該ジョブ設定情報を、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧において、当該調整済み色変換テーブルD1の識別情報と共に表示する。
【0133】
調整済み色変換テーブルD1の作成日及び使用顧客に係る情報は、当該調整済み色変換テーブルD1の用途を特定する際に、有用な参考条件となり得る。又、同様に、調整済み色変換テーブルD1が使用された際の紙種の情報や坪量の情報に係るジョブ設定情報は、当該調整済み色変換テーブルD1の用途を特定する際に、有用な参考条件となり得る。
【0134】
以上のように、本変形例に係る印刷システム100によれば、ユーザは、色変換テーブル使用履歴の一覧から、過去の印刷ジョブで使用された色変換テーブルそれぞれの使われ方を容易に把握することできる。これによって、ユーザは、今回の印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択する際の参考情報とすることができる。
【0135】
<変形例4>
本変形例では、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル設定画面の色変換テーブル使用履歴の一覧において、所定の項目をもとに、フィルタリング及び/又は並べ替えを可能としている点で、上記実施形態と相違する。
【0136】
図14は、本変形例に係る色変換テーブル設定画面を示す図である。
【0137】
図14では、色変換テーブル使用履歴の一覧において、「調整対象のオブジェクト」に係る項目R1d、及び「顧客」に係る項目R1kについて、フィルタリングすることが可能となっている。又、色変換テーブル使用履歴の一覧において、調整済み色変換テーブルD1の「使用回数」に係る項目R1i、及び調整済み色変換テーブルD1の「作成日」に係る項目R1jについて、昇順降順で並べ替えることが可能となっている態様を示している。尚、フィルタリング機能及び並べ替え機能は、典型的には、記憶部23に記憶されたこれらの項目のテキスト情報や数値情報を用いて、実行される。
【0138】
これによって、ユーザは、新たな印刷ジョブの印刷対象の画像に適した色変換テーブルを選択する際、色変換テーブル使用履歴の一覧から、所望の条件にあった色変換テーブルを容易に検索することできる。
【0139】
<変形例5>
本変形例では、色変換テーブル設定部21aが、色変換テーブル使用履歴の一覧において、表示対象とする項目を、ユーザ操作により、設定変更可能とする点で、上記実施形態と相違する。
【0140】
図15は、色変換テーブル使用履歴の一覧に表示する項目を設定する画面の一例を示す図である。
【0141】
図15では、表示項目を設定する画面において、複数の候補表示項目それぞれについて、チェックボックスを付したUI画像R4が表示される態様を示している。そして、ユーザは、当該各チェックボックスに対するオン/オフの切り替えによって、色変換テーブル使用履歴の一覧に表示する対象の表示項目を選択することが可能となっている。
【0142】
これによって、ユーザの嗜好に応じて、色変換テーブル設定画面内で、色変換テーブル使用履歴の一覧の閲覧性を高めることができる。
【0143】
<その他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
【0144】
例えば、色変換テーブルを作成する際に、ベタ保持、濁り除去又は色見本自動調整使用に係る自動調整機能が使用される場合がある。この場合、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧において、複数の調整済み色変換テーブルD1それぞれにつき、当自動調整機能の使用の有無を表示する構成をとってもよい。
【0145】
又、色変換テーブル設定部21aは、色変換テーブル使用履歴の一覧中の所定の項目については、ユーザのタッチ操作によって、当該データと関連付けられた元データがポップアップ形式で表示されるようにしてもよい。かかる項目としては、例えば、「画像ファイル名R1c」、「基準ターゲットプロファイルに対する調整内容R1e」、及び、「基準デバイスプロファイルに対する調整内容R1f」等が挙げられる。
【0146】
具体的には、色変換テーブル設定部21aは、例えば、「Animal.pdf(画像ファイル名R1c)」がタッチ操作された場合、その元データの画像(図6を参照)をポップアップ表示してもよい。又、色変換テーブル設定部21aは、「C+,M-(ターゲットプロファイルR1d)」がタッチ操作された場合、そのターゲットプロファイル(図7を参照)をグラフ形式でポップアップ表示してもよい。
【0147】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本開示に係る印刷システムによれば、色変換テーブルのセッティング作業を軽減することが可能である。
【符号の説明】
【0149】
10 印刷指示端末
20 コントローラ
21 制御部
21a 色変換テーブル設定部
21b 履歴データ生成部
21c 色調整実行部
23 記憶部
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 バス
30 プリンタ
100 印刷システム
231 基準色変換テーブル
232 履歴データベース
D1 調整済み色変換テーブル
D2 物体種別情報
D3 要約情報
図1
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