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特開2025-99555X線診断装置、X線診断装置の制御方法、及び、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099555
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】X線診断装置、X線診断装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20250626BHJP
   A61B 6/10 20060101ALI20250626BHJP
   A61B 6/40 20240101ALI20250626BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/10 550
A61B6/40 500D
A61B6/04 532B
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216305
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100220630
【弁理士】
【氏名又は名称】河崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】杜 儒霖
(72)【発明者】
【氏名】竹内 雪葉
(72)【発明者】
【氏名】小杉 功光
(72)【発明者】
【氏名】菅原 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】屋代 正二
(72)【発明者】
【氏名】石井 誠
(72)【発明者】
【氏名】猪野 保
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA33
4C093CA38
4C093ED01
4C093EE16
4C093FD09
(57)【要約】
【課題】X線管の移動におけるスループットを向上することである。
【解決手段】実施形態に係るX線診断装置は、X線管保持装置に保持されたX線管が移動している時に、前記X線管と被検体を載置する天板を有する寝台との間の距離を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記距離が第1の閾値以下の場合に、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更することにより、前記寝台を退避させる、制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線管保持装置に保持されたX線管が移動している時に、前記X線管と被検体を載置する天板を有する寝台との間の距離を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記距離が第1の閾値以下の場合に、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更することにより、前記寝台を退避させる制御部と、
を備える、X線診断装置。
【請求項2】
前記X線管から照射されたX線を検出する検出器を保持し、立位の前記被検体を撮影するためのスタンドを更に備える、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記寝台は、前記スタンドと前記X線管との間に配置される、請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記スタンドを向く前記X線管が移動する時に、前記X線管と前記寝台との間の距離の算出を開始する、請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記スタンドを向く前記X線管と前記スタンドに保持された前記検出器とが正対を保って移動する時に、前記X線管と前記寝台との間の距離の算出を開始する、請求項2に記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更するとともに、前記X線管から遠ざかる方向に前記天板を移動させることにより、前記寝台を退避させる、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記算出部が算出した前記距離が第2の閾値以下、かつ、前記X線管が前記寝台に近づく方向に移動する場合に、前記X線管が前記寝台に近づいていることを報知する報知部を更に備える、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項8】
前記X線管の移動ルートを計画する計画部であって、前記算出部が算出した前記距離が第2の閾値以下、かつ、前記X線管が前記寝台に近づく方向に移動する場合に、前記移動ルートを再計画する計画部を更に備える、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記算出部が算出した距離が第3の閾値以下の場合、前記X線管の移動を停止させる、請求項5又は請求項6に記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記寝台の位置と、前記X線管の位置とを検出する位置検出部を更に備える、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記寝台及び/又は前記X線管の干渉を検出する干渉検出部を更に備える、請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項12】
X線管保持装置に保持されたX線管が移動している時に、前記X線管と被検体を載置する天板を有する寝台との間の距離を算出するステップと、
算出した前記距離が第1の閾値以下の場合に、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更することにより、前記寝台を退避させるステップと、
を備える、X線診断装置の制御方法。
【請求項13】
X線管保持装置に保持されたX線管が移動している時に、前記X線管と被検体を載置する天板を有する寝台との間の距離を算出するステップと、
算出した前記距離が第1の閾値以下の場合に、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更することにより、前記寝台を退避させるステップと、
をX線診断装置に実行させるためのプログラム。
【請求項14】
X線を照射するX線管の移動ルート上に被検体を載置する天板を有する寝台があるか否かを判定する判定部と、
前記移動ルート上に前記寝台がある場合に、前記寝台を制御して、前記寝台を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させる制御部と、
を備える、X線診断装置。
【請求項15】
前記X線管から照射されたX線を検出する検出器を保持し、立位の前記被検体を撮影するためのスタンドを更に備える、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項16】
前記寝台は、前記スタンドと前記X線管との間に配置される、請求項15に記載のX線診断装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記移動ルート上に前記寝台がある場合において、前記スタンドを向く前記X線管が移動する時に、前記寝台を制御して、前記寝台を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させる、請求項15に記載のX線診断装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記移動ルート上に前記寝台がある場合において、前記スタンドを向く前記X線管と前記スタンドに保持された前記検出器が正対を保って移動する時に、前記寝台を制御して、前記寝台を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させる、請求項15に記載のX線診断装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記寝台を制御して、前記寝台の前記天板を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させる、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記寝台を制御して、前記寝台の前記天板を当該移動ルート上から離間させるとともに、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台を移動させることにより、前記寝台を退避させる、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項21】
X線を照射するX線管が移動している時に、前記X線管と前記寝台との間の距離を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記距離が第2の閾値以下、かつ、前記X線管が前記寝台に近づく方向に移動する場合に、前記X線管が前記寝台に近づいていることを報知する報知部と、
を更に備える、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項22】
前記移動ルートを計画する計画部であって、前記算出部が算出した前記距離が前記第2の閾値以下、かつ、前記X線管が前記寝台に近づく方向に移動する場合に、前記移動ルートを再計画する計画部を更に備える、請求項21に記載のX線診断装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記算出部が算出した距離が第3の閾値以下の場合、前記X線管の移動を停止させる、請求項21又は請求項22に記載のX線診断装置。
【請求項24】
前記X線管は、前記X線管を保持するX線管保持装置に保持される、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項25】
前記X線管は、前記X線管と当該X線管に対向するX線検出器とを保持する保持アームに保持される、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項26】
前記寝台の上の物体の有無を検出する物体検出部を更に備える、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項27】
前記寝台の位置と、前記X線管の位置とを検出する位置検出部を更に備える、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項28】
前記寝台及び/又は前記X線管の干渉を検出する干渉検出部を更に備える、請求項14に記載のX線診断装置。
【請求項29】
X線を照射するX線管の移動ルート上に被検体を載置する天板を有する寝台があるか否かを判定するステップと、
前記移動ルート上に前記寝台がある場合に、前記寝台を制御して、前記寝台を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させるステップと、
を備える、X線診断装置の制御方法。
【請求項30】
X線を照射するX線管の移動ルート上に被検体を載置する天板を有する寝台があるか否かを判定するステップと、
前記移動ルート上に前記寝台がある場合に、前記寝台を制御して、前記寝台を当該移動ルート上から離間させることにより、前記寝台を退避させるステップと、
をX線診断装置に実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置、X線診断装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、立位の被検体を撮影するためのスタンドに保持されたX線検出器の上下動や臥位の被検体を撮影するための寝台の上下動に連動して、X線検出器の上下動や寝台の上下動に追従するようにX線管を移動させるオートトラッキング、及び/又は、予め登録した位置にX線管等を移動させるオートポジショニングを備えるX線診断装置が存在している。このようなX線診断装置において、オートトラッキング又はオートポジショニングを実施する際に、X線管の移動ルート上に寝台が存在する場合がある。
【0003】
このような場合において、X線管の移動ルート上に存在する寝台とX線管との干渉を防ぐために、X線診断装置によっては、X線管と寝台との干渉を制御する機能を備える場合がある。しかし、この干渉制御が実行されることにより、X線管の移動が途中で停止する場合や、X線管が自動動作できない場合がある。このような場合、ユーザが寝台を手動にて干渉制御が実行されない位置まで退避させる必要が生じ、X線管の移動がスムーズに実施されないこととなる。
【0004】
一方、X線診断装置によっては、X線管と寝台との干渉を制御する機能を備えていない場合もある。このような場合、X線管の移動ルート上に存在する寝台との干渉を防ぐことができず、X線管と寝台とが干渉する可能性が生じる。従って、X線診断装置において、オートトラッキング又はオートポジショニングを実施する際に、ユーザが寝台を手動にて退避させることなく、X線管の移動がスムーズに実施されることにより、X線管の移動におけるスループットを向上させることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-143103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線管の移動におけるスループットを向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記の課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るX線診断装置は、X線管保持装置に保持されたX線管が移動している時に、前記X線管と被検体を載置する天板を有する寝台との間の距離を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記距離が第1の閾値以下の場合に、前記寝台を制御して、前記X線管から遠ざかる方向に前記寝台の高さを変更することにより、前記寝台を退避させる、制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るX線診断装置の外観を示す模式図。
図2】第1実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図。
図3】第1実施形態に係るX線診断装置を用いた臥位によるX線撮影を説明する図。
図4】第1実施形態に係るX線診断装置を用いた立位によるX線撮影を説明する図。
図5】第1実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートトラッキングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
図6】第1実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートトラッキングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
図7】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行時のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図8】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図9】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中における寝台の退避動作の一例を説明する図。
図10】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中における寝台の退避動作の他の例を説明する図。
図11】第1実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
図12】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行時のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図13】第1実施形態に係るX線診断装置において、計画されたX線管の移動ルートの一例を示す図。
図14】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行中におけるX線管の移動動作の一例を示す図。
図15】第1実施形態に係るX線診断装置においてオートポジショニング実行中のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図16】第1実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行中における寝台の退避動作の一例を説明する図。
図17】第1実施形態に係るX線診断装置において、目標位置まで移動したX線管の一例を示す図。
図18】第2実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図。
図19】第2実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートトラッキングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
図20】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行時のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図21】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中における寝台の退避動作の一例を説明する図。
図22】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中における寝台の退避動作の他の例を説明する図。
図23】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートトラッキング実行中のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図24】第2実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
図25】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行時のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図26】第2実施形態に係るX線診断装置において、計画されたX線管の移動ルートの一例を示す図。
図27】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行中における寝台の退避動作の一例を説明する図。
図28】第2実施形態に係るX線診断装置において、オートポジショニング実行中のX線管と、スタンドのX線検出器と、寝台との位置関係を示す図。
図29】第3実施形態に係るX線診断装置の外観を示す模式図。
図30】第3実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図。
図31】第3実施形態に係るX線診断装置で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、X線診断装置、X線診断装置の制御方法、及び、プログラムの実施形態について説明する。なお、以下の説明において実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
【0010】
〔第1実施形態〕
図1及び図2を用いて、第1実施形態に係るX線診断装置の構成を説明する。図1は第1実施形態に係るX線診断装置の外観を示す模式図である。図2は、第1実施形態に係るX線診断装置の構成例を示すブロック図である。図1及び図2に示すX線診断装置1は、一般X線撮影装置である。つまり、以下の説明では、第1実施形態に係るX線診断装置1が、一般X線撮影装置である場合を例に説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、X線管10と、X線管保持装置20と、高電圧発生器30と、寝台40と、スタンド50と、コンソール装置60とを備えて構成されている。
【0012】
X線管10は、X線を照射する。また、X線管10は、X線管保持装置20に保持される。図1に示すように、X線管10は、X線管保持装置20の一端に取り付けられ、X線管保持装置20に対して、X軸に平行な軸回りのa方向に回動可能である。このX線管10はユーザの操作によって所望の位置へ配置される。ユーザは、X線管10を操作することによって、X線管10と寝台40内に設けられたX線検出器43との距離や方向を自由に設定することができる。また、X軸回りに回動可能なX線管10は、例えば、Z軸方向からY軸方向までの任意の方向にX線を照射することができる。図1及び図2に示すように、X線管10は、X線管球11と、X線絞り12と、X線管位置検出センサ13とを備えて構成されている。
【0013】
X線管球11は、高電圧発生器30から供給された管電流と、高電圧発生器30により印加された管電圧とに基づいてX線を発生する。X線管球11から発生されたX線は、被検体Pに照射される。
【0014】
X線絞り12は、鉛板等の金属板で構成される。X線絞り12は、コンソール装置60の処理回路64による制御の下、X線管球11が発生したX線の絞りを行い、被検体Pに照射するX線の範囲を制御する。すなわち、X線絞り12の絞りを絞ることにより、X線の照射範囲を狭くすることができ、逆に、X線絞り12の絞りを開くことにより、X線の照射範囲を広くすることができる。なお、X線絞り12は、コリメータと呼ばれる場合もある。
【0015】
X線管位置検出センサ13は、X線管10の位置を検出するセンサである。X線管10の位置には、例えば、X線管10の照射方向も含まれる。X線管位置検出センサ13は、検出結果を、コンソール装置60の処理回路64に出力する。また、このX線管位置検出センサ13は、例えば、エンコーダや、加速度センサ、ジャイロセンサなどにより構成される。
【0016】
X線管保持装置20は、X線管10を移動可能に保持する。具体的には、X線管保持装置20は、ユーザの操作に連動して、X線管10を所望の位置に移動させる。図1に示すように、X線管保持装置20は、支柱部21と、支持基台22と、を備えて構成されている。このX線管保持装置20は、管球保持装置とも呼ばれる。
【0017】
支柱部21の一端は、X線管10を、図1に示すX軸に平行な軸回りのa方向に回動可能に保持する。また、支柱部21の他端は、支持基台22に取り付けられている。この支柱部21は、図示しない駆動部により上下方向に伸縮可能に構成されている。つまり、支柱部21は、X線管10を、図1に示すY軸に対応するb方向に移動させることができる。
【0018】
支持基台22は、支柱部21を介して、X線管10を支持する。この支持基台22は、レールR2上に設置される。支持基台22は、例えば、図示しない駆動部によりレールR2上を移動することによって、X線管10をX軸に対応するc方向に移動させることができる。また、レールR2は、レールR1上を移動することによって、支持基台22に取り付けられたX線管10をZ軸に対応するd方向に移動させることができる。レールR1は、天井面に設置される。
【0019】
なお、本実施形態に係るX線管保持装置20は、レールR1及びレールR2を介して、天井に設置されるものとして説明したが、X線管保持装置20は、天井に設置される場合に限られない。すなわち、X線管保持装置20の設置箇所は任意であり、例えば、X線管保持装置20は、天井及び床面、或いは、壁面及び床面に設置されたレールを介して、天井及び床面、或いは、壁面及び床面に設置されるものとしてもよい。
【0020】
高電圧発生器30は、X線管球11に印加する直流高電圧を発生する高電圧発生部と、当該直流高電圧の大きさ、印加時間、および流れる電流量などを制御するX線制御部とを備えている。高電圧発生器30は、処理回路64からX線撮影条件(管電流の値、管電圧の値、照射時間、mAs値、および線源画像受像間距離(Source to Image receptor Distance: SID)などを受け取る。高電圧発生器30は、X線撮影条件に基づいて、X線撮影およびX線透視にそれぞれ適した管電流をX線管球11に供給し、X線撮影およびX線透視にそれぞれ適した管電圧をX線管球11に印加する。
【0021】
寝台40は、臥位において撮影される被検体Pを載置、移動させる装置である。図1及び図2に示すように、寝台40は、天板41と、基台42と、X線検出器43と、寝台位置検出センサ44と、寝台駆動部45と、干渉検出センサ46とを有する。なお、寝台40に備えられるX線検出器43は、寝台40に対して着脱可能な構成としてもよい。
【0022】
天板41は、被検体Pを載置する板状部材である。この天板41は、寝台駆動部45により、基台42に対して、天板41の長軸方向である、図1に示すZ軸に対応するe方向に移動可能に構成されている。
【0023】
基台42は、天板41を、鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。つまり、基台42は、図1に示すY軸に対応するf方向に、天板41を移動可能に構成されているため、寝台40の高さを変更可能にしている。また、基台42の内部には、X線検出器43が、天板41の長軸方向である、図1に示すZ軸に対応するe方向に移動可能に設けられている。
【0024】
X線検出器43は、被検体Pが載置される天板41より下方に取り付けられ、天板41とともにf方向に移動可能である。つまり、このX線検出器43は、臥位の被検体Pを撮影するために用いられる。また、X線検出器43は、X線管10から照射され、被検体Pを透過したX線を検出する。X線検出器43は、例えば、X線を検出することができるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)を備える。FPDは、複数の半導体検出素子を有する。半導体検出素子には、間接変換形と直接変換形とがある。間接変換形とは、入射X線を蛍光体などのシンチレータによって光に変換し、変換された光を電気信号に変換する形式である。直接変換形とは、入射X線を直接的に電気信号に変換する形式である。X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示しないアナログデジタル変換器(Analog to Digital converter:A/D変換器)に出力される。A/D変換器は、電気信号をデジタルデータに変換する。A/D変換器は、デジタルデータを処理回路64に出力する。
【0025】
寝台位置検出センサ44は、寝台40の位置を検出するセンサである。寝台40の位置には、例えば、寝台40の移動方向も含まれる。この寝台位置検出センサ44は、例えば、天板41に設けられている。また、この寝台位置検出センサ44は、検出結果を、コンソール装置60の処理回路64に出力する。また、この寝台位置検出センサ44は、例えば、エンコーダや、加速度センサ、ジャイロセンサなどにより構成される。この寝台位置検出センサ44と、X線管位置検出センサ13とは、本実施形態における位置検出部を構成している。
【0026】
寝台駆動部45は、天板41を天板41の長軸方向に移動させたり、基台42を上下方向に移動させたり、X線検出器43を天板41の長軸方向に移動させたりするためのモータ或いはアクチュエータである。
【0027】
干渉検出センサ46は、寝台40の干渉を検出するセンサである。具体的には、干渉検出センサ46は、寝台40の天板41と壁面との干渉や寝台40の天板41とユーザや寝台40近くに存在する物品(例えば、車椅子、椅子等)との干渉等を検出する。干渉検出センサ46は、検出結果をコンソール装置60の処理回路64に出力する。この干渉検出センサ46は、例えば、接触センサ、超音波センサ、又はカメラ等により構成される。干渉検出センサ46は、本実施形態における干渉検出部に相当している。
【0028】
スタンド50は、X線管10から照射されたX線を検出するためのX線検出器51を保持し、立位の被検体Pを撮影するための装置である。図1及び図2に示すように、スタンド50は、X線検出器51と、検出器支持部52と、スタンド駆動部53と、スタンド支柱部54とを備えて構成されている。このスタンド50は、例えば、検査室の壁面近くに設置される。また、X線検出器51は、スタンド50から着脱可能な構成としてもよい。このX線検出器51は、本実施形態における検出器に相当している。
【0029】
X線検出器51は、検出器支持部52及びスタンド駆動部53を介して、スタンド支柱部54に取り付けられている。このX線検出器51は、スタンド駆動部53により、スタンド支柱部54に対して、スタンド支柱部54の長軸である、図1に示すY軸に対応するg方向に、移動可能に構成されている。このX線検出器51は、立位の被検体Pを撮影するために用いられる。この他のX線検出器51の構成は、上述したX線検出器43の構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0030】
検出器支持部52は、X線検出器51をg方向に移動可能に支持する。具体的には、検出器支持部52の一方は、X線検出器51を有し、検出器支持部52の他方は、スタンド支柱部54に取り付けられる。
【0031】
スタンド駆動部53は、検出器支持部52を介して、X線検出器51をスタンド支柱部54の長軸方向に移動させるためのモータ或いはアクチュエータである。
【0032】
スタンド支柱部54は、床面に設置される。スタンド支柱部54は、スタンド駆動部53を介して、検出器支持部52を支持することによって、X線検出器51を移動可能に支持する。
【0033】
コンソール装置60は、メモリ61と、出力インターフェース62と、入力インターフェース63と、処理回路64と、通信インターフェース65とを備えて構成されている。
【0034】
メモリ61は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどによって構成される。メモリ61は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアによって構成されてもよい。メモリ61は、処理回路64において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)なども含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。
【0035】
出力インターフェース62は、例えば、処理回路64から供給された信号を出力する。この出力インターフェース62は、例えば、表示回路、印刷回路、及び音声デバイス等により実現される。表示回路には、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等が含まれる。なお、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路も表示回路に含まれる。印刷回路は、例えば、プリンタ等を含む。なお、印刷対象を表すデータを外部へ出力する出力回路も印刷回路に含まれる。音声デバイスは、例えば、スピーカ等を含む。なお、音声信号を外部へ出力する出力回路も音声デバイスに含まれる。
【0036】
入力インターフェース63は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路64に出力する。例えば、入力インターフェース63は、マウスや、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。この入力インターフェース63は、寝台40やX線管10に設けられてもよい。また、入力インターフェース63は、コンソール装置60本体と無線通信可能なタブレット端末やワイヤレススイッチ等で構成されることにしても構わない。入力インターフェース63は、例えば、オートトラッキングやオートポジショニングの開始のタイミングをユーザから受け付ける。
【0037】
ここで、オートトラッキングとは、寝台40又はスタンド50の上下方向の移動に連動して、X線管保持装置20の支柱部21が上下方向に伸縮することにより、X線管10が、寝台40又はスタンド50に自動的に追従する機能である。また、オートポジショニングとは、予め登録した目標位置に、X線管保持装置20に保持されたX線管10、寝台40、及び、スタンド50の少なくともいずれかが自動的に移動する機能である。なお、予め登録される目標位置は、例えば、臥位のX線撮影における撮影位置や、立位のX線撮影における撮影位置などである。
【0038】
処理回路64は、X線診断装置1の全体的な制御を行う制御回路であり、また、各種演算を行う演算回路でもある。例えば、本実施形態に係る処理回路64は、取得機能641と、算出機能642と、制御機能643と、報知機能644と、計画機能645とを有する。取得機能641は、本実施形態に係る取得部に相当しており、算出機能642は、本実施形態に係る算出部に相当しており、制御機能643は、本実施形態に係る制御部に相当しており、報知機能644は、本実施形態に係る報知部に相当しており、計画機能645は、本実施形態に係る計画部に相当している。
【0039】
図2における実施形態では、取得機能641と、算出機能642と、制御機能643と、報知機能644と、計画機能645にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ61に格納されている。処理回路64はプログラムをメモリ61から読み出し、実行することで、各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。なお、図2においては、単一の処理回路64にて、取得機能641と、算出機能642と、制御機能643と、報知機能644と、計画機能645とが実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路64を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものとしても構わない。
【0040】
取得機能641は、例えば、X線管位置検出センサ13、寝台位置検出センサ44及び干渉検出センサ46から、検出結果を取得する。算出機能642は、X線管10が移動している時に、X線管10と寝台40との間の距離を算出する。
【0041】
制御機能643は、算出機能642が算出したX線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下の場合に、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させる。この第1の閾値は、メモリ61に記憶されている。
【0042】
報知機能644は、算出機能642が算出したX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合に、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する。この第2の閾値は、第1の閾値以下の値である。この第2の閾値も、メモリ61に記憶されている。
【0043】
計画機能645は、X線管10の移動ルートを計画する。また、計画機能645は、算出機能642が算出したX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合に、X線管10の移動ルートを再計画する。この計画機能645は、例えば、オートポジショニングが実行される場合に、X線管10の現在位置から目標位置までの移動ルートを計画する。
【0044】
通信インターフェース65は、有線、無線又はその両方にて外部装置と通信するための回路である。例えば、通信インターフェース65は、PACS(Picture Archiving and Communication System)などと通信する。
【0045】
次に、図3及び図4を用いて、被検体Pが寝台40に載置された場合における臥位によるX線撮影と、被検体Pがスタンド50の前に位置づけされた場合における立位によるX線撮影とを説明する。図3は、第1実施形態に係るX線診断装置1を用いた臥位によるX線撮影を説明する図である。図4は、第1実施形態に係るX線診断装置1を用いた立位によるX線撮影を説明する図である。この臥位の被検体PのX線撮影と立位の被検体PのX線撮影する場合とは、臥位によるX線撮影が行われた後、被検体Pを寝台40からスタンド50に移動させて、立位によるX線撮影が行われてもよく、立位によるX線撮影が行われた後、被検体Pを寝台40に移動させて、臥位によるX線撮影が行われてもよく、臥位によるX線撮影のみが行われてもよく、立位によるX線撮影のみが行われてもよい。
【0046】
図3に示すように、臥位の被検体PをX線撮影する場合、臥位の状態の被検体Pが、寝台40に載置される。そして、ユーザは、X線管10を被検体Pに対して所望の位置に位置付ける。このとき、ユーザは、例えば、オートポジショニングを実行することにより、スタンド50に対して位置付けされたX線管10や、臥位のX線撮影における撮影位置とは異なる位置に位置付けされたX線管10を、寝台40の天板41と対向するように、臥位のX線撮影における撮影位置に移動させる。そして、ユーザは、例えば、オートトラッキングを実行することにより、X線管10と寝台40とを連動させて、X線管10と寝台40との上下方向の位置を調整する。
【0047】
なお、上述した臥位の被検体PをX線撮影する場合の例においては、オートポジショニング及びオートトラッキングがそれぞれ実行される場合を例に説明したが、オートポジショニングのみ、又は、オートトラッキングのみが実行されてもよい。また、オートポジショニングを実行した後に、ユーザが、X線管10と寝台40との上下方向の位置をそれぞれ手動で調整してもよい。また、ユーザが、スタンド50に対して位置付けされたX線管10や臥位のX線撮影における撮影位置とは異なる位置に位置付けされたX線管10を、寝台40の天板41と対向するように、臥位のX線撮影における撮影位置に手動で移動させた後、オートトラッキングを実行するようにしてもよい。
【0048】
図4に示すように、立位の被検体PをX線撮影する場合、立位の状態の被検体Pが、スタンド50に位置付けられる。そして、ユーザは、X線管10を被検体Pに対して所望の位置に位置付ける。このとき、ユーザは、例えば、オートポジショニングを実行することにより、寝台40に対して位置付けされたX線管10や、立位のX線撮影における撮影位置とは異なる位置に位置付けされたX線管10を、スタンド50と対向するように、立位のX線撮影における撮影位置に移動させる。そして、ユーザは、例えば、オートトラッキングを実行することにより、X線管10とスタンド50のX線検出器51とを連動させて、X線管10とスタンド50のX線検出器51との上下方向の位置を調整する。
【0049】
なお、上述した立位の被検体PをX線撮影する場合の例においても、オートポジショニング及びオートトラッキングがそれぞれ実行される場合を例に説明したが、オートポジショニングのみ、又は、オートトラッキングのみが実行されてもよい。また、オートポジショニングを実行した後に、ユーザが、X線管10とスタンド50のX線検出器51との上下方向の位置をそれぞれ手動で調整してもよい。また、ユーザが、寝台40に対して位置付けされたX線管10や立位のX線撮影における撮影位置とは異なる位置に位置付けされたX線管10を、スタンド50のX線検出器51と対向するように、立位のX線撮影における撮影位置に手動で移動させた後、オートトラッキングを実行するようにしてもよい。
【0050】
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理を説明する。図5及び図6は、第1実施形態に係るX線診断装置1で実行されるオートトラッキングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図である。このオートトラッキングによるX線管移動処理では、X線管10の移動開始後、寝台40の現在位置及びX線管10の現在位置を取得して、X線管10と寝台40との間の距離を算出したり、算出した距離が第1の閾値以下の場合に寝台40を退避させたり、算出した距離が第2の閾値以下の場合にユーザに報知したり、算出した距離が第3の閾値以下の場合に、X線管10の移動を停止させたりする。このオートトラッキングによるX線管移動処理は、オートトラッキングの実行をユーザから受け付けた場合に実行される処理である。
【0051】
図5に示すように、まず、X線診断装置1は、X線管10の移動を開始する(ステップS11)。このX線管10の移動を開始する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、入力インターフェース63を介して、ユーザからスタンド50のX線検出器51の移動に関する入力操作を受け付けて、X線検出器51の移動を開始するとともに、オートトラッキングによるX線管10の移動を開始する。
【0052】
図7は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行時のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図7に示すように、X線管10は、スタンド50のX線検出器51を向くように、位置づけされている。また、図7に示すように、X線管10は、寝台40の天板41の上方に位置付けられている。この図7に示す例において、オートトラッキングが実行され、X線検出器51が下方に移動することにより、X線管10がX線検出器51に追従するように、スタンド50を向くX線管10とスタンド50に保持されたX線検出器51とが正対を保って下方に移動する。
【0053】
次に、図5に示すように、X線診断装置1は、寝台40の現在位置を取得する(ステップS13)。この寝台40の現在位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、寝台位置検出センサ44の検出結果を取得することにより、寝台40の現在位置を取得する。
【0054】
次に、図5に示すように、X線診断装置1は、X線管10の現在位置を取得する(ステップS15)。このX線管10の現在位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管位置検出センサ13の検出結果を取得することにより、X線管10の現在位置を取得する。
【0055】
次に、図5に示すように。X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離を算出する(ステップS17)。このX線管10と寝台40との間の距離を算出する処理は、処理回路64における算出機能642により実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS13で取得した寝台40の現在位置と、ステップS15で取得したX線管10の現在位置とに基づいて、X線管10と寝台40との間の距離を算出する。つまり、ステップS11及びステップS17に基づき、本実施形態に係る算出機能642は、スタンド50を向くX線管10が移動する時、X線管10と寝台40との間の距離の算出を開始する。特に、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理において、算出機能642は、スタンド50を向くX線管10とスタンドに保持されたX線検出器51とが正対を保って移動する時に、X線管10と寝台40との間の距離の算出を開始する。
【0056】
図8は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図8に示すように、X線管10は、X線検出器51の移動に連動して、下方に移動し、天板41に対して近づいている。この図8に示す例において、X線診断装置1は、ステップS17においてX線管10と寝台40の天板41との間の距離を算出している。
【0057】
次に、図5に示すように、X線診断装置1は、X線管10の移動が完了したか否かを判定する(ステップS19)。このX線管10の移動が完了したか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管10が移動しているか否かを判定することにより、X線管10の移動が完了したか否かを判定する。
【0058】
そして、ステップS19において、X線管10の移動が完了していない場合(ステップS19:No)、X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS21)。このX線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、メモリ61に記憶されている第1の閾値と、ステップS17で算出されたX線管10と寝台40との間の距離とを比較して、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する。より具体的には、図8に示す例において、制御機能643は、X線管10と寝台40の天板41との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する。
【0059】
そして、ステップS21において、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下でない場合(ステップS21:No)、ステップS15に戻り、ステップS19においてX線管10の移動が完了するまで、或いは、ステップS21においてX線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下となるまで、ステップS15からステップS21までの処理を繰り返す。
【0060】
一方、ステップS21において、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下の場合(ステップS21:Yes)、X線診断装置1は、寝台40を退避させる(ステップS23)。この寝台40を退避させる処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させる。より具体的には、制御機能643は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、高さ方向の寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更することにより、寝台40をX線管10から退避させる。
【0061】
図9は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中における寝台40の退避動作の一例を説明する図である。図9に示すように、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向として、寝台40の天板41が鉛直下方に移動するように寝台40の高さを変更して、寝台40をX線管10から退避させる。また、図9に示すように、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理において、寝台40がX線管10から退避しているとき、X線管10は、X線検出器51の移動に連動して移動している。つまり、本実施形態に係るステップS23においては、X線診断装置1は、X線管10を移動させると共に、寝台40を退避させる。そして、X線診断装置1は、寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで寝台40が移動した場合に、寝台40の移動を停止させる。
【0062】
なお、このステップS23において、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させることとしたが、寝台40をX線管10から退避させる方法はこれに限られない。すなわち、寝台40を退避させる方法は任意であり、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更するとともに、X線管10から遠ざかる方向に天板41を移動させることにより、寝台40を退避させてもよい。
【0063】
図10は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中における寝台40の退避動作の他の例を説明する図である。図10に示すように、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台の40の高さを変更するとともに、X線管10から遠ざかる方向として、天板41の長手方向に、天板41を移動させることにより、寝台40を退避させる。
【0064】
このステップS23より後のステップS25からステップS31までの処理は、上述したステップS13からステップS19までの処理と同等である。すなわち、X線診断装置1は、寝台40の現在位置を取得し(ステップS25)、X線管10の現在位置を取得し(ステップS27)、X線管10と寝台40との間の距離を算出し(ステップS29)、X線管10の移動が完了したか否かを判定する(ステップS31)。このように、ステップS13からステップS19までの処理と同等であるため、ステップS25からステップS31までの処理の説明を省略する。
【0065】
そして、ステップS31において、X線管10の移動が完了していない場合(ステップS31:No)、X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS33)。このX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下であるか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、メモリ61に記憶されている第2の閾値と、ステップS29で算出されたX線管10と寝台40との間の距離とを比較して、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下であるか否かを判定する。そして、ステップS33において、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下でない場合(ステップS33:No)、ステップS25に戻り、ステップS31においてX線管10の移動が完了するまで、或いは、ステップS33においてX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下となるまで、ステップS25からステップS33までの処理を繰り返す。
【0066】
一方、ステップS33において、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下の場合(ステップS33:Yes)、X線診断装置1は、X線管10が寝台40に近づく方向に移動するか否かを判定する(ステップS35)。このX線管10が寝台に近づく方向に移動するか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管10の現在位置と、寝台40の現在位置とを取得し、X線管10の現在位置と、寝台40の現在位置とを比較することにより、X線管10が寝台40に近づく方向に移動しているか否かを判定する。そして、ステップS35において、X線管10が寝台40に近づく方向に移動していない場合(ステップS35:No)、X線診断装置1は、ステップS25に戻り、ステップS31おいてX線管10の移動が完了するまで、或いは、ステップS33においてX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下となり、かつ、ステップS35においてX線管10が寝台40に近づく方向に移動するまで、ステップS25からステップS35までの処理を繰り返す。
【0067】
一方、ステップS35において、X線管10が寝台40に近づく方向に移動している場合(ステップS35:Yes)、すなわち、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下となり、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合、X線診断装置1は、通常速度以下の速度で移動するとともに、報知する(ステップS37)。この報知する処理は、処理回路64における報知機能644により実現される。具体的には、X線診断装置1は、出力インターフェース62を介して、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する。より具体的には、報知機能644は、出力インターフェース62を介して、X線管10が移動している時に報知される音とは異なる音を報知することにより、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する。
【0068】
なお、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する方法は、X線管10が移動している時に報知される音とは異なる音を報知する場合に限られない。すなわち、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する方法は任意であり、例えば、X線診断装置1は、出力インターフェース62として、ディスプレイを介して、X線管10が寝台40に近づいていることを示す情報を表示するように報知してもよく、出力インターフェース62として、図示しない照明部を介して、X線管10が移動している時に出射される光の色とは異なる光の色を出射するように報知してもよい。
【0069】
このステップS37より後のステップS39からステップS45までの処理は、上述したステップS13からステップS19までの処理と同等である。すなわち、X線診断装置1は、寝台40の現在位置を取得し(ステップS39)、X線管10の現在位置を取得し(ステップS41)、X線管10と寝台40との間の距離を算出し(ステップS43)、X線管10の移動が完了したか否かを判定する(ステップS45)。このように、ステップS13からステップS19までの処理と同等であるため、ステップS39からステップS45までの処理の説明を省略する。
【0070】
そして、ステップS45において、X線管10の移動が完了していない場合(ステップS45:No)、X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS47)。このX線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下であるか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、メモリ61に記憶されている第3の閾値と、ステップS43で算出されたX線管10と寝台40との間の距離とを比較して、X線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下であるか否かを判定する。そして、ステップS47において、X線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下でない場合(ステップS47:No)、ステップS39に戻り、ステップS45においてX線管10の移動が完了するまで、或いは、ステップS47においてX線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下となるまで、ステップS39からステップS47までの処理を繰り返す。
【0071】
一方、ステップS47において、X線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下の場合(ステップS47:Yes)、或いは、ステップS21、ステップS31及びステップS45において、X線管10の移動が完了した場合(ステップS21、ステップS31、及びステップS45:Yes)、X線診断装置1は、X線管10の移動を停止させる(ステップS49)。このX線管10の移動を停止させる処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線検出器51の移動を停止させるとともに、X線管保持装置20を制御して、X線管10の移動を停止させる。
【0072】
この、ステップS49を実行することにより、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理を終了する。
【0073】
次に、図11を用いて、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を説明する。図11は、第1実施形態に係るX線診断装置1で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図である。このオートポジショニングによるX線管移動処理では、X線管10の移動ルートを計画したり、X線管10の移動開始後、寝台40の現在位置及びX線管10の現在位置を取得して、X線管10と寝台40との間の距離を算出したり、算出した距離が第1の閾値以下の場合に寝台40を退避させたり、算出した距離が第2の閾値以下の場合にユーザに報知し、X線管10の移動ルートを再計画したりする。このオートポジショニングによるX線管移動処理は、オートポジショニングの実行をユーザから受け付けた場合に実行される処理である。以下の説明では、上述した本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理と異なる部分を説明する。
【0074】
図11に示すように、まず、X線診断装置1は、X線管10の現在位置を取得する(ステップS51)。このX線管10の現在位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線診断装置1は、X線管位置検出センサ13の検出結果を取得することにより、X線管10の現在位置を取得する。
【0075】
次に、図11に示すように、X線診断装置1は、X線管10の目標位置を取得する(ステップS53)。このX線管10の目標位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、メモリ61から、予め登録した目標位置を取得する。
【0076】
次に、図11に示すように、X線診断装置1は、X線管10の移動ルートを計画する(ステップS55)このX線管10の移動ルートを計画する処理は、処理回路64における計画機能645により実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS51で取得したX線管10の現在位置と、ステップS53で取得したX線管10の目標位置とに基づいて、X線管10の移動ルートを計画する。
【0077】
図12及び図13を用いて、本実施形態に係る移動ルートを説明する。図12は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行時のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図13は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、計画されたX線管10の移動ルートの一例を示す図である。この図12に示す例において、X線管10は、寝台40を向くように位置づけされている。また、図12に示すように、寝台40は、スタンド50とX線管10との間に配置される。また、図12に示すように、被検体Pが天板41に載置されている状態において、オートポジショニングの実行によりX線管10が移動する際に、X線管10が天板41に載置された被検体Pに接触しないようにするため、寝台40には進入禁止エリアAR1が事前に設定されている。この進入禁止エリアAR1は、例えば、寝台40の天板41の上面から上方40cm~50cmの範囲である。この進入禁止エリアAR1が設定されている場合には、進入禁止エリアAR1も寝台40の一部とみなされる。
【0078】
図13に示すように、移動ルートMR1は、例えば、X線管球11の管球中心TC1がスタンド50のX線検出器51の中心等の予め登録した目標位置GP1に位置づけされるように計画される。図13中の二点鎖線は計画された移動ルートMR1を示す。図13に示す例において、計画される移動ルートMR1は、目標位置GP1までの最短ルートである。
【0079】
次に、図11に示すように、X線診断装置1は、X線管10の移動を開始する(ステップS57)。このX線管10の移動を開始する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管保持装置20を制御して、ステップS55で計画されたX線管10の移動ルートMR1に沿うように、X線管10の移動を開始する。より具体的には、図14に示すように、制御機能643は、X線管保持装置20を制御して、図13に示すX線管10の移動ルートMR1に沿うように、X線管10を上方に移動させることにより、X線管10の移動を開始する。なお、このステップS57より後のステップS13及びステップS15の処理は、上述した図5及び図6に示すオートトラッキングによるX線管移動処理のステップS13及びステップS15の処理と同等であるため、説明を省略する。
【0080】
次に、図11に示すように、X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離を算出する(ステップS59)。このX線管10と寝台40との間の距離を算出する処理は、処理回路64における算出機能642により実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS13で取得した寝台40の現在位置と、ステップS15で取得したX線管10の現在位置とに基づいて、X線管10と寝台40との間の距離を算出する。
【0081】
図15は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行中のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図15に示すように、X線管10は、図13に示す移動ルートMR1に沿って移動する場合、寝台40の天板41の上面から上方に設定された進入禁止エリアARの近傍を通過する。このため、図15に示す例において、X線診断装置1は、ステップS59において、X線管10と寝台40の天板41の上面から上方に設定された進入禁止エリアAR1との間の距離を算出する。なお、ステップS59の後のステップS19の処理は、上述した図5及び図6に示すオートトラッキングによるX線管移動処理のステップS19の処理と同等であるため説明を省略する。
【0082】
そして、ステップS19において、X線管10の移動が完了していない場合(ステップS19:No)、X線診断装置1は、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS61)。このX線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、メモリ61に記憶されている第1の閾値と、ステップS59で算出されたX線管10と寝台40との間の距離とを比較して、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する。より具体的には、図15に示す例において、制御機能643は、ステップS59において算出されたX線管10と寝台40の天板41の上面から上方に設定された進入禁止エリアAR1との間の距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する。そして、ステップS61において、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下でない場合(ステップS61:No)、ステップS15に戻り、ステップS19においてX線管10の移動が完了するまで、或いは、ステップS61においてX線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下となるまで、ステップS15、ステップS59、ステップS19及びステップS61の処理を繰り返す。
【0083】
一方、ステップS61において、X線管10と寝台40との間の距離が第1の閾値以下の場合(ステップS61:Yes)、X線診断装置1は、寝台40を退避させる(ステップS63)。この寝台40を退避させる処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させる。より具体的には、制御機能643は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、高さ方向の寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで、寝台40の高さを変更することにより、寝台40をX線管10から退避させる。
【0084】
図16は、第1実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行中における寝台40の退避動作の一例を説明する図である。図16に示すように、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向として、寝台40の天板41が鉛直下方に移動するように寝台40の高さを変更して、寝台40をX線管10から退避させる。また、図15及び図16に示すように、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理において、寝台40がX線管10から退避しているとき、X線管10は、移動ルートMR1に沿って目標位置に移動している。つまり、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理においては、X線診断装置1は、X線管10を移動させると共に、寝台40を退避させる。そして、X線診断装置1は、寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで寝台40が移動した場合に、寝台40の移動を停止させる。
【0085】
なお、このステップS63においても、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させることとしたが、寝台40をX線管10から退避させる方法はこれに限られない。すなわち、寝台40を退避させる方法は任意であり、X線診断装置1は、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に、寝台40の高さを変更するとともに、X線管10から遠ざかる方向に天板41を移動させることにより、寝台40を退避させるようにしてもよい。
【0086】
このステップS63より後のステップS25からステップS31までの処理は、上述したステップS13、ステップS15、ステップS59及びステップS19の処理と同等である。すなわち、X線診断装置1は、寝台40の現在位置を取得し(ステップS25)、X線管10の現在位置を取得し(ステップS27)、X線管10と寝台40との間の距離を算出し(ステップS29)、X線管10の移動が完了したか否かを判定する(ステップS31)。このように、ステップS13、ステップS15、ステップS59及びステップS19の処理と同等であるため、ステップS25からステップS31までの処理の説明を省略する。また、ステップS31の後のステップS33からステップS37までの処理は、上述したオートトラッキングによるX線管移動処理のステップS33からステップS37までの処理と同等であるため説明を省略する。
【0087】
次に、図11に示すように、X線診断装置1は、X線管10の移動ルートMR1を再計画する(ステップS65)。このX線管10の移動ルートMR1を再計画する処理は、処理回路64における計画機能645により実現される。具体的には、X線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下となり、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合、X線診断装置1は、ステップS53において取得したX線管10の目標位置と、ステップS25において取得したX線管10の現在位置とに基づいて、X線管10の移動ルートMR1を再計画する。再計画される移動ルートMR2は、例えば、寝台40と干渉しないように計画される移動ルートである。そして、X線診断装置1は、X線管保持装置20を制御して、再計画された移動ルートMR2に沿うように、X線管10を移動させる。また、X線診断装置1は、ステップS25に戻り、ステップS31においてX線管10の移動が完了するまで、ステップS25からの処理を繰り返す。
【0088】
一方、ステップS19及びステップS31において、X線管10の移動が完了した場合(ステップS19、ステップS31:Yes)、X線診断装置1は、X線管10の移動を停止させる(ステップS67)。このX線管10の移動を停止させる処理は、処理回路64における制御機能643により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管保持装置20を制御して、X線管10の移動を停止させる。
【0089】
図17は、本実施形態に係るX線診断装置1において、目標位置まで移動したX線管10の一例を示す図である。図17に示すように、X線管10は、スタンド50のX線検出器51に正対するように位置付けされる。
【0090】
このステップS67を実行することにより、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を終了する。
【0091】
以上のように、本実施形態に係るX線診断装置1においては、X線管10が移動している時に、X線管10と寝台40との間の距離を算出し、算出した距離が第1の閾値以下の場合に、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に寝台の高さを変更することにより、寝台40を退避させることとしたので、オートトラッキング又はオートポジショニングを実施する際に、ユーザが寝台40を手動にて退避させることなく、X線管10の移動がスムーズに実施されることにより、X線管10の移動におけるスループットを向上させることができる。
【0092】
なお、上述した第1実施形態において、X線診断装置1は、X線管10を移動させるとともに、寝台40を退避させることとしたが、これに限られない。X線診断装置1は、寝台40を退避させている間、X線管10の移動を停止させてもよい。この場合、X線診断装置1は、寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで寝台40が移動した場合に、寝台40の移動を停止させるとともに、X線管10の移動を再開させるようにしてもよい。
【0093】
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態においては、X線管10が移動している時に、X線管10と寝台40との間の距離を算出し、算出した距離が第1の閾値以下の場合に、寝台40を制御して、X線管10から遠ざかる方向に寝台40の高さを変更することにより、寝台40を退避させることとしたが、寝台40を退避させるタイミングはこれに限られない。第2実施形態においては、X線管10の移動開始前に、X線管10の移動ルート上に寝台40があるか否かを判定し、移動ルート上に寝台40がある場合に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートから離間させることにより、寝台40を退避させてもよい。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。なお、X線診断装置1の外観は、上述した第1実施形態の図1と同等であるため、説明を省略する。
【0094】
図18は、第2実施形態に係るX線診断装置1の構成例を示すブロック図であり、上述した第1実施形態における図2に対応する図である。この図18に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、上述した第1実施形態に係るX線診断装置1に対して、処理回路64に判定機能646を追加することにより構成されている。この判定機能646は、本実施形態における判定部に相当している。また、制御機能、報知機能及び計画機能の機能が第1実施形態と異なるため、本実施形態においては、制御機能643a、報知機能644a、及び、計画機能645aと表記する。なお、この制御機能643a、報知機能644a、計画機能645a、及び、判定機能646以外の構成及び機能は、上述した第1実施形態における図2と同等であるので説明を省略する。
【0095】
制御機能643aは、移動ルート上に寝台40がある場合に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルート上から離間させることにより、寝台40を退避させる。報知機能644aは、算出機能642が算出した距離が第2の閾値以下、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合に、X線管10が寝台40に近づいていることを報知する。この第2の閾値は、メモリ61に記憶される。
【0096】
計画機能645aは、X線管10の移動ルートを計画する。また、計画機能645aは、算出機能642が算出したX線管10と寝台40との間の距離が第3の閾値以下、かつ、X線管10が寝台40に近づく方向に移動する場合に、X線管10の移動ルートを再計画する。この第3の閾値は、第2の閾値以下の値である。この第3の閾値も、メモリ61に記憶されている。判定機能646は、X線管10の移動ルート上に寝台40があるか否かを判定する。
【0097】
図19は、第2実施形態に係るX線診断装置1で実行されるオートトラッキングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図である。本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理では、X線管10の移動開始前に、移動ルート上に寝台40があるか否かを判定したり、移動ルート上に寝台40がある場合に寝台40を退避させたり、X線管10と寝台40との間の距離を算出して、算出した距離が第2の閾値以下の場合にユーザに報知したり、算出した距離が第3の閾値以下の場合に、X線管10の移動を停止させたりする。このオートトラッキングによるX線管移動処理は、オートトラッキングの実行をユーザから受け付けた場合に実行される処理である。
【0098】
図19に示すように、まず、X線診断装置1は、X線管10の現在位置を取得する(ステップS71)。このX線管10の現在位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、X線管位置検出センサ13の検出結果を取得することにより、X線管10の現在位置を取得する。
【0099】
次に、図19に示すように、X線診断装置1は、寝台40の現在位置を取得する(ステップS73)。この寝台40の現在位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、寝台位置検出センサ44の検出結果を取得することにより、寝台40の現在位置を取得する。
【0100】
次に、図19に示すように、X線診断装置1は、移動ルート上に寝台40があるか否かを判定する(ステップS75)。この移動ルート上に寝台40があるか否かを判定する処理は、処理回路64における判定機能646により実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS71で取得したX線管10の現在位置と、ステップS73で取得した寝台40の現在位置とに基づいて、X線管10全体の移動ルート上に寝台40があるか否かを判定する。
【0101】
図20は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行時のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図20に示すように、本実施形態に係るX線管10は、スタンド50のX線検出器51を向くように、位置づけされている。また、図20に示すように、X線管10は、寝台40の天板41の上方に位置付けられている。この図20に示す例において、オートトラッキングが実行された場合、X線検出器51は鉛直方向に上下動可能なため、X線検出器51の移動に連動するX線管10も鉛直方向に上下動することになる。つまり、X線診断装置1は、X線管10の現在位置と寝台40の現在位置とを取得することで、X線管10の現在位置から鉛直方向に上下動することによるX線管10全体の移動ルートMR2上に寝台40があるか否かを判定することができる。
【0102】
そして、ステップS75において、移動ルートMR2上に寝台40がある場合(ステップS75:Yes)、X線診断装置1は、寝台40を退避させる(ステップS77)。この寝台40を退避させる処理は、処理回路64における制御機能643aにより実現される。具体的には、X線管10の移動ルートMR2上に寝台40がある場合に、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2上から離間させることにより、寝台40を退避させる。より具体的には、制御機能643aは、スタンド50を向くX線管10が移動する時に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2上から離間させることにより、寝台40を退避させる。特に、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理においては、X線診断装置1の制御機能643aは、スタンド50を向くX線管10とスタンドに保持されたX線検出器51とが正対を保って移動する時に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2上から離間させることにより、寝台40を退避させる。
【0103】
図21は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中における寝台40の退避動作の一例を説明する図であり、上述した第1実施形態における図9に対応する図である。図21に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、寝台40を制御して、天板41の長手方向におけるX線管10から遠ざかる方向に天板41を移動させて、寝台40の天板41をX線管10全体の移動ルートMR2上から離間させることにより、寝台40をX線管10から退避させる。そして、X線診断装置1は、寝台40の天板41の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の天板41の干渉を検出するまで寝台40の天板41が移動した場合に、寝台40の天板41の移動を停止させる。
【0104】
なお、このステップS77において、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2上から離間させることにより、寝台40を退避させることとしたが、寝台40を退避させる方法はこれに限られない。すなわち、寝台40を退避させる方法は任意であり、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2上から離間させるとともに、X線管10から遠ざかる方向に寝台40を移動させることにより、寝台40を退避させるようにしてもよい。
【0105】
図22は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中における寝台40の退避動作の他の例を説明する図である。図22に示すように、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40の天板41をX線管10の移動ルートMR2上から離間させるとともに、X線管10から遠ざかる方向として、寝台40の下方に、寝台40を移動させることにより、寝台40を退避させる。
【0106】
一方、ステップS75において、移動ルートMR2上に寝台40がない場合(ステップS75:No)、又は、ステップS77の後、X線診断装置1は、X線管10の移動を開始する(ステップS79)。このX線管10の移動を開始する処理は、処理回路64における制御機能643aにより実現される。具体的にはX線診断装置1は、入力インターフェース63を介して、ユーザからスタンド50のX線検出器51の移動に関する入力操作を受け付けて、X線検出器51の移動を開始することにより、X線管10の移動を開始する。
【0107】
図23は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートトラッキング実行中のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図23に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1においては、寝台40の天板41が天板41の長手方向におけるX線管10から遠ざかる方向に退避しているとき、X線管10は、X線検出器51に連動して下方に移動している。つまり、本実施形態に係るオートトラッキング処理においては、X線診断装置1は、寝台40の天板を退避させると共に、X線管10を移動させる。
【0108】
このステップS79より後のステップS25からステップS49までの処理は、上述した第1実施形態のオートトラッキングによるX線管移動処理における図5に示すステップS25からステップS35までの処理及び図6に示すステップS37からステップS49までの処理と同等であるため、説明を省略する。
【0109】
このステップS49を実行することにより、本実施形態に係るオートトラッキングによるX線管移動処理を終了する。
【0110】
次に、図24を用いて、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を説明する。図24は、第2実施形態に係るX線診断装置1で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図であり、上述した第1実施形態における図1に対応する図である。このオートポジショニングによるX線管移動処理では、X線管10の移動ルートを計画したり、X線管10の移動開始前に、移動ルート上に寝台40があるか否かを判定したり、移動ルート上に寝台40がある場合に寝台40を退避させたり、寝台40の現在位置及びX線管10の現在位置を取得して、X線管10と寝台40との間の距離を算出したり、算出した距離が第2の閾値以下の場合にユーザに報知し、X線管10の移動ルートを再計画したりする。このオートポジショニングによるX線管移動処理は、オートポジショニングの実行をユーザから受け付けた場合に実行される処理である。なお、ステップS51及びステップS53の処理は,上述した第1実施形態における図11のステップS51及びステップS53の処理と同等であるため説明を省略する。
【0111】
次に、図24に示すように、X線診断装置1は、X線管10の移動ルートを計画する(ステップS81)このX線管10の移動ルートを計画する処理は、処理回路64における計画機能645aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS51で取得したX線管10の現在位置と、ステップS53で取得したX線管10の目標位置とに基づいて、X線管10の移動ルートを計画する。
【0112】
図25及び図26を用いて、本実施形態に係る移動ルートを説明する。図25は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行時のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図であり、上述した第1実施形態における図12に対応する図である。図26は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、計画されたX線管10の移動ルートの一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図13に対応する図である。この図25に示す例において、上述した第1実施形態に係る図12と同様に、X線管10は、寝台40を向くように位置づけされている。また、図25に示すように、上述した第1実施形態に係る図12と同様に、寝台40は、スタンド50とX線管10との間に配置される。図25に示すように、被検体Pが天板41に載置されている状態において、オートポジショニングの実行によりX線管10が移動する際に、X線管10が天板41に載置された被検体Pに接触しないようにするため、寝台40には進入禁止エリアAR1が事前に設定されている。この進入禁止エリアAR1は、例えば、寝台40の天板41の上面から上方40cm~50cmの範囲である。この進入禁止エリアAR1が設定されている場合には、進入禁止エリアAR1も寝台40の一部とみなされる。
【0113】
図26に示すように、本実施形態に係る移動ルートMR3は、X線管10全体の移動ルートである。つまり、本実施形態に係る移動ルートMR3は、X線管10全体の移動軌跡である。本実施形態に係る移動ルートMR3は、例えば、X線管球11の管球中心TC1がスタンド50のX線検出器51の中心等の予め登録した目標位置GP1に位置づけされる場合のX線管10全体の移動軌跡が求められることにより、計画される。
【0114】
次に、図24に示すように、X線診断装置1は、寝台40の位置を取得する(ステップS83)。この寝台40の位置を取得する処理は、処理回路64における取得機能641により実現される。具体的には、X線診断装置1は、寝台位置検出センサ44の検出結果を取得することにより、寝台40の現在位置を取得する。
【0115】
次に、図24に示すように、X線診断装置1は、移動ルートMR3上に寝台40があるか否かを判定する(ステップS85)。移動ルートMR3上に寝台40があるか否かを判定する処理は、処理回路64における判定機能646により実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS81で計画された移動ルートMR3と、ステップS83で取得した寝台40の現在位置とに基づいて、X線管10の移動ルートMR3上に寝台40があるか否かを判定する。より具体的には、図26に示すように、判定機能646は、X線管10全体の移動ルートMR3上に、進入禁止エリアAR1を含む寝台40があるか否かを判定する。
【0116】
そして、ステップS85において、移動ルートMR3上に寝台40がある場合(ステップS85:Yes)、X線診断装置1は、寝台40を退避させる(ステップS87)。この寝台40を退避させる処理は、処理回路64における制御機能643aにより実現される。具体的には、X線管10の移動ルートMR3上に寝台40がある場合に、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR3上から離間させることにより、寝台40をX線管10から退避させる。より具体的には、制御機能643aは、寝台40を制御して、寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで、寝台40を移動ルートMR3上から離間させることにより、寝台40をX線管10から退避させる。
【0117】
図27は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行中における寝台40の退避動作の一例を説明する図であり、上述した第1実施形態における図16に対応する図である。図27に示すように、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40が鉛直下方に移動して、寝台40を移動ルートMR3上から離間させることにより、寝台40をX線管10から退避させる。そして、X線診断装置1は、高さ方向の寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで寝台40が移動した場合に、寝台40の移動を停止させる。
【0118】
なお、このステップS87においては、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40が鉛直下方に移動して、寝台40を移動ルートMR3上から離間させることにより、寝台40をX線管10から退避させることとしたが、寝台40を退避させる方法はこれに限られない。すなわち、寝台40を退避させる方法は任意であり、X線診断装置1は、寝台40を制御して、寝台40移動ルートMR3上から離間させるとともに、寝台40の天板41を移動ルートMR3上から離間させることにより、寝台40を退避させるようにしてもよい。
【0119】
一方、ステップS85において、移動ルートMR3上に寝台40がない場合(ステップS85:No)、又は、ステップS87の後、X線診断装置1は、X線管10の移動を開始する(ステップS89)。このX線管10の移動を開始する処理は、処理回路64における制御機能643aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、入力インターフェース63を介して、ユーザからスタンド50のX線検出器51の移動に関する入力操作を受け付けて、X線検出器51の移動を開始することにより、X線管10の移動を開始する。
【0120】
図28は、第2実施形態に係るX線診断装置1において、オートポジショニング実行中のX線管10と、スタンド50のX線検出器51と、寝台40との位置関係を示す図である。図28に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1においては、寝台40が退避しているとき、X線管10は移動ルートMR3に沿って目標位置に移動している。つまり、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理においては、X線診断装置1は、寝台40を退避させると共に、X線管10を移動させる。
【0121】
このステップS89より後のステップS25からステップS37までの処理と、ステップS65及びステップS67の処理とは、上述した第1実施形態のオートポジショニングによるX線管移動処理における図11に示すステップS25からステップS37までの処理とステップS65及びステップS67の処理と同等であるため、説明を省略する。
【0122】
このステップS67を実行することにより、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を終了する。
【0123】
以上のように、本実施形態に係るX線診断装置1においては、X線管10の移動ルートMR2、MR3上に寝台40があるか否かを判定し、移動ルートMR2、MR3上に寝台40がある場合に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルートMR2、MR3上から離間させることにより、寝台40を退避させることとしたので、ユーザが寝台40を手動にて退避させることなく、X線管10の移動をスムーズに実施することが可能となり、X線管10の移動におけるスループットを向上させることができる。
【0124】
なお、上述した第2実施形態において、X線診断装置1は、寝台40を退避させると共に、X線管10を移動させることとしたが、これに限られない。X線診断装置1は、寝台40を退避させている間、X線管10の移動を開始させないようにしてもよい。この場合、X線診断装置1は、寝台40の移動限界まで、或いは、干渉検出センサ46が寝台40の干渉を検出するまで寝台40が移動した場合に、寝台40の移動を停止させるとともに、X線管10の移動を開始させるようにしてもよい。
【0125】
〔第3実施形態〕
上述した第2実施形態においては、X線管保持装置20に保持されたX線管10の移動ルート上に寝台40がある場合に、寝台40を退避させることとしたが、X線管10は、X線管保持装置20に保持される場合に限られない。第3実施形態においては、X線管10が、X線管10とX線管10に対向するX線検出器43とを保持する保持アームに保持されるようにしてもよい。以下、上述した第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分を説明する。
【0126】
図29及び図30を用いて、第3実施形態に係るX線診断装置1の構成を説明する。図29は、第3実施形態に係るX線診断装置の外観を示す模式図である。図30は、第3実施形態に係るX線診断装置1の構成例を示すブロック図である。図29及び図30に示すX線診断装置1は、Cアームを有するX線TV装置である。このため、以下の説明では、X線診断装置1がCアームを有するX線TV装置である場合を例に説明する。
【0127】
図29及び図30に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、X線管10と、高電圧発生器30と、寝台40aと、コンソール装置60と、アーム部70とを備えて構成されている。なお、X線管10と、高電圧発生器30と、コンソール装置60とは、上述した第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0128】
寝台40aは、臥位において撮影される被検体Pを載置、移動させる装置である。図29及び図30に示すように、寝台40aは、天板41と、X線検出器43aと、寝台位置検出センサ44と、寝台駆動部45aと、干渉検出センサ46と、物体検出センサ47とを有する。なお、天板41、寝台位置検出センサ44及び干渉検出センサ46は、上述した第1実施形態と同等であるため説明を省略する。
【0129】
本実施形態に係るX線検出器43aは、X線管10に対向するように、アーム部70が備える保持アーム71の一端に取り付けられている。上述したX線検出器43aの構成以外は、上述した第1実施形態におけるX線検出器43と同等であるため説明を省略する。また、本実施形態に係る寝台駆動部45aは、天板41を天板41の長軸方向に移動させるためのモータ或いはアクチュエータである。
【0130】
物体検出センサ47は、寝台40の上の物体の有無を検出するセンサである。物体検出センサは、例えば、重量センサや加速度センサ、接触センサ等により構成される。物体検出センサ47は、検出結果を、コンソール装置60の処理回路64に出力する。この物体検出センサ47は、本実施形態における物体検出部に相当している。
【0131】
アーム部70は、保持アーム71と、保持アーム駆動部72とを備える。保持アーム71は、その一端にX線管10を保持し、他端にX線検出器43aを保持する。この保持アーム71に保持されたX線管10と、X線検出器43aとは対向する。つまり、X線管10は、X線管10とX線管10に対向するX線検出器43aとを保持する保持アーム71に保持される。この保持アーム71はCアームとも呼ばれる。保持アーム71は、後述の処理回路64による制御の下、回転及び/又はスライドする。保持アーム駆動部72は、後述の処理回路64からの駆動信号を読み込んで、保持アーム71を回転駆動させたり、スライドさせたりするモータやアクチュエータ等により構成される。
【0132】
次に、図31を用いて、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を説明する。図31は、第3実施形態に係るX線診断装置1で実行されるオートポジショニングによるX線管移動処理の内容を説明するフローチャート図であり、上述した第2実施形態に係る図24に対応する図である。このオートポジショニングによるX線管移動処理では、X線管10の移動ルートを計画したり、X線管10の移動開始前に、移動ルート上に寝台40があるか否かを判定したり、寝台40上に物体があるか否かを判定したり、移動ルート上に寝台40がある場合、かつ、寝台40上に物体がない場合に寝台40を退避させたり、寝台40の現在位置及びX線管10の現在位置を取得して、X線管10と寝台40との間の距離を算出したり、算出した距離が第2の閾値以下の場合にユーザに報知し、X線管10の移動ルートを再計画したりする。
【0133】
このオートポジショニングによるX線管移動処理は、オートポジショニングの実行をユーザから受け付けた場合に実行される処理である。例えば、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理は、X線管10が下側、X線検出器43が上側に位置するいわゆるPA(Posterior-Anterior)モードと、X線管10が上側、X線検出器43が下側に位置するいわゆるAP(Anterior-Posterior)モードとを切り替える場合に実行される。なお、ステップS51からステップS85までの処理は,上述した第2実施形態における図24のステップS51からステップS85までの処理と同等であるため説明を省略する。
【0134】
そして、ステップS85において、移動ルート上に寝台40がある場合(ステップS85:Yes)、X線診断装置1は、寝台40上に物体があるか否かを判定する(ステップS91)。この寝台40上に物体があるか否かを判定する処理は、処理回路64における判定機能646により実現される。具体的には、X線診断装置1は、物体検出センサ47の検出結果に基づいて、寝台40上に物体があるか否かを判定する。そして、ステップS91において、寝台40上に物体がないと判定された場合(ステップS91:No)、すなわち、移動ルート上に寝台40があり、かつ、寝台40上に物体がない場合に、X線診断装置1は、寝台40を退避させる(ステップS87)。
【0135】
ステップS89以降の処理は、上述した第2実施形態の図24と同等であるので説明を省略する。そして、ステップS67を実行することにより、本実施形態に係るオートポジショニングによるX線管移動処理を終了する。
【0136】
以上のように、本実施形態に係るX線診断装置1がCアームを有するX線TV装置である場合においても、X線管10の移動ルート上に寝台40があるか否かを判定し、寝台40上に物体があるか否かを判定し、移動ルート上に寝台40があり、かつ、寝台40上に物体がない場合に、寝台40を制御して、寝台40を移動ルート上から離間させることにより、寝台40を退避させることとしたので、ユーザが寝台40を手動にて退避させることなく、X線管10の移動をスムーズに実施することが可能となり、X線管10の移動におけるスループットを向上させることができる。
【0137】
また、本実施形態に係るX線診断装置1がCアームを有するX線TV装置である場合においては、寝台40上に物体がない場合にのみ寝台40を退避できることとしたので、例えば、寝台40に載置された診療中の被検体P等がいる場合に被検体Pが動くリスクを低減することができる。
【0138】
〔第1乃至第3実施形態の変形例〕
上述した第1乃至第3実施形態に係るX線診断装置1は、一般X線撮影装置及び、Cアームを有するX線TV装置を例に説明したが、X線診断装置1の種類はこれに限られない。例えば、X線アンギオ装置など、任意の型のX線診断装置として実現可能である。
【0139】
上述した第1乃至第3実施形態に係るX線診断装置1は、寝台40に干渉検出センサ46を備えることとしたが、干渉検出センサ46は必ずしも寝台40に備えられなくてもよい。すなわち、干渉検出センサ46の設置位置は任意であり、例えば、干渉検出センサ46は、X線管10に備えられていても良く、検査室の壁面や天井面に備えられていてもよい。また、上述した第1乃至第3実施形態に係るX線診断装置1において、干渉検出センサ46は、寝台40の干渉を検出するとともに、或いは、寝台40の干渉を検出するのに代えて、X線管10の干渉を検出するようにしてもよい。すなわち、干渉検出センサ46は、寝台40及び/又はX線管10の干渉を検出するようにしてもよい。
【0140】
また、上述した第1乃至第3実施形態において、報知機能644、644aは、寝台40、40aが退避している間、出力インターフェース62を介して、寝台40が移動していることをユーザに報知してもよい。例えば、報知機能644、644aは、出力インターフェース62として、スピーカを介して、寝台40が移動していることを示す音を出力して、ユーザに報知してもよく、出力インターフェース62として、ディスプレイを介して、寝台40が移動していることを示す情報を表示して、ユーザに報知してもよい。
【0141】
また、上述した第1乃至第3実施形態において、制御機能643、643aは、算出機能642が算出したX線管10と寝台40との間の距離が第2の閾値以下となっている間、X線管保持装置20の移動速度を通常の速度よりも遅くするようにしてもよい。このように、X線管保持装置20の移動速度を通常速度よりも遅くすることにより、X線管10と寝台40とが干渉するリスクを低減することができる。
【0142】
また、上述した第1乃至第3実施形態において、X線診断装置1の位置検出部は、X線管位置検出センサ13と、寝台位置検出センサ44とにより構成されることとしたが、X線診断装置1の位置検出部の構成はこれに限られない。すなわち、X線診断装置1の位置検出部の構成は任意であり、例えば、位置検出部は、X線管10と、寝台40とを撮影するカメラと、カメラ画像を解析することにより、X線管10の位置と、寝台40の位置とを検出する位置検出回路により構成されてもよい。
【0143】
また、上述した第1乃至第3実施形態におけるオートポジショニングによるX線管移動処理において、寝台40の近傍に位置付けられたX線管10を、スタンド50のX線検出器51の中心や立位のX線撮影における撮影位置等の目標位置まで移動するための移動ルートを計画することを説明したが、移動ルートはこれに限られない。すなわち、移動ルートは任意であり、例えば、スタンド50を向くX線管10やスタンド50の近傍に位置付けられたX線管10を寝台40のX線検出器43の中心や臥位のX線撮影における撮影位置等の目標位置まで移動するための移動ルートを計画するようにしてもよい。
【0144】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリ61に保存されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現する。なお、メモリ61にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図2図18図30における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
【0145】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0146】
1…X線診断装置、10…X線管、11…X線管球、12…X線絞り、13…X線管位置検出センサ、20…X線管保持装置、21…支柱部、22…支持基台、30…高電圧発生器、40、40a…寝台、41…天板、42…基台、43、43a…X線検出器、44…寝台位置検出センサ、45、45a…寝台駆動部、46…干渉検出センサ、47…物体検出センサ、50…スタンド、51…X線検出器、52…検出器支持部、53…スタンド駆動部、54…スタンド支柱部、60…コンソール装置、61…メモリ、62…出力インターフェース、63…入力インターフェース、64…処理回路、65…通信インターフェース、70…アーム部、71…保持アーム、72…保持アーム駆動部
図1
図2
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