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特開2025-9956打撃フェースが改善されたゴルフクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009956
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】打撃フェースが改善されたゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20250109BHJP
【FI】
A63B53/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102451
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】18/346,026
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】カイル エイ. カー
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
2C002MM04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改良された打撃フェースを具備するゴルフクラブヘッドの提供。
【解決手段】ゴルフクラブヘッドは、打撃フェースが、さらに、打撃フェース部分1902の幾何学的中心の近くに位置付けられた厚肉中央領域と、この厚肉中央領域から半径方向外向きに延びる中央遷移領域と、この中央遷移領域から半径方向外向きに延びる薄肉中間領域と、この薄肉中間領域から半径方向外向きに延びる厚肉応力低減領域と、この厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延びる薄肉周囲領域とからなり、これらすべてが結合して、改良された打撃フェースを形成する。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、前面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記前面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉中央領域と、
上記厚肉中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉中間領域と、
上記薄肉中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉応力低減領域と、
上記厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉周囲領域とを有し、
上記厚肉応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出する、馬蹄形リングを形成し、
上記第4の厚さは、上記厚さより大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記馬蹄形リングの開口部は、上記打撃フェース部分のクラウン遷移部分の近くに配置されている請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記厚肉応力低減領域は、さらに、
トウ側上部厚肉応力低減領域、
トウ側厚肉応力低減領域、
下部厚肉応力低減領域、
ヒール側厚肉応力低減領域、および、
ヒール側上部厚肉応力低減領域を有し、
上記トウ側上部厚肉応力低減領域および上記ヒール側上部厚肉応力低減領域は、互いに不連続である請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記トウ側上部厚肉応力低減領域は、上記クラウン遷移部分に直接接続されている請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記ヒール側上部厚肉応力低減領域が上記クラウン遷移部分に直接接続されている請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記厚肉応力低減領域は、約0.6から約1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記T対H比が約0.7から約0.9の間である、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記T対H比が約0.8である、請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
ゴルフボールに衝突するように適合された、ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後部に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
中央開口部を具備する周囲領域であって、さらに第4の厚さを具備する厚肉応力低減領域を有する上記周囲領域と、
上記中央開口部と係合するように適合されたフェースインサートとを有し、
上記フェースインサートが、さらに、上記打撃フェース部分の幾何学的中心の近くに位置する第1の厚さを具備する厚肉中央領域を有し、
上記厚肉応力低減領域のどの部分も上記フェースインサートと係合せず、
上記第4の厚さは上記第1の厚さよりも大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
上記中央開口部の頂部レッジは、上記打撃フェース部分のクラウン先端から約1.5mm未満の距離に配置されている請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
上記中央開口部の上記頂部レッジは、上記打撃フェース部分の上記クラウン先端から約1.0mm未満の距離に配置されている請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
上記中央開口部の上記頂部レッジは、上記打撃フェース部分の上記クラウン先端から約0.9mm未満の距離に配置されている請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
上記厚肉中央部分は不完全な円を形成する請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
上記不完全な円の不連続部は、上記厚肉中央部分のクラウン側の近くに配置されている請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.3~約1.7である請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.4~約1.6である請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.5である請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
上記中央開口部の頂部レッジはクラウン頂点から約10mm未満の距離に配置されている請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
上記中央開口部の上記頂部レッジは、クラウン頂点から約9mm未満の距離に配置されている請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
上記中央部分の上記頂部レッジは、クラウン頂点から約8mm未満の距離に配置されている請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、打撃フェースを改良したゴルフクラブヘッドに関する。より具体的には、この発明は、打撃フェースが、打撃フェース部分の幾何中心の近くに位置付けられた肉厚の中央領域と、当該肉厚の中央領域から半径方向外向きに延びる中央遷移領域と、当該中央遷移領域から半径方向外向きに延びる薄肉中間領域と、当該薄肉中間領域から半径方向外向きに延びる厚肉の応力低減領域と、当該厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延びる薄肉周囲領域とをさらに有し、これらが組み合わさって、改良された打撃フェースを形成する、メタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドの打撃フェースは、ゴルフボールを打ったときに最も高いレベルの応力を受けるゴルフクラブヘッドの唯一の部品である。さらに、打撃フェースはゴルフボールと接触する唯一の部品であるため、あらゆるゴルフクラブの設計にとって重要な部品の1つある。
【0003】
打撃フェースを介してゴルフクラブヘッドの性能を改善するために、ゴルフクラブの設計者は、非常に薄い打撃フェースを作成しようと試みてきた。これにより、ゴルフボールに衝突するときに打撃フェースが弾性的に変形し、それによって、ゴルフボールの速度が、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースを離れた後、増大する。ただし、ゴルフのルールを守る必要がある。Zebeleanに付与された米国特許第4,432,549号は、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの上側部分を薄くすることによって、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースを薄くする初期の試みの1つを示している。
【0004】
フェースを薄くすることは、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの性能を改善する唯一の方法ではなく、より最近の改善には、打撃フェースの様々な部分の厚さを調整して性能を改善することが含まれる。すでに薄くなっているフェースに基づいて、Evans等の米国特許第6,863,626号は、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの厚さを変化させる初期の試みの1つを図説し、これは、厚肉の中央領域が中心から外側に減少して、当該中心でゴルフボールの速度を低減させるのを支援し、速度および性能が改善された大きな領域を生成することを開示している。
【0005】
厚肉の中央部分と組み合わされた薄肉のフェースの既知の技術にさらに基づいて、ゴルフクラブヘッドの性能をさらに改善するために、Baconらに付与された米国特許第10,758,789号は、打撃フェースの末端に厚肉の周囲領域を追加し、これにより、耐久性が向上し、ボール速度が増大し、特徴時間(characteristic time)が増加すると発明者は主張している。しかしながら、これを追加することは有益ではあるけれども、最適化されていない。なぜならば、米国特許第10,758,789号に示されているように、厚肉の周囲領域の利点は一般に局所的であり、それを打撃フェースの周辺までずっと広げる必要はないからである。
【0006】
したがって、薄肉のフェース、厚肉の中央領域を具備し、また、厚い周囲領域を具備するゴルフクラブヘッドに対して、打撃フェースの周辺の端部から不必要な重量を除去し、そのような特徴の恩恵を受けることができる最適化された場所でのみ、肉厚化した周囲領域を局所化することによって、さらなる改良を行うことができることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,432,549号
【特許文献2】米国特許第6,863,626号
【特許文献3】米国特許第10,758,789号
【発明の概要】
【0008】
この発明の一側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、前面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記前面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、上記第4の厚さは、上記第1の厚さより大きい上記ゴルフクラブヘッドである。
【0009】
この発明の他の側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、前面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記前面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉の中央領域と、上記厚肉の中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉の中間領域と、上記薄肉の中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉の応力低減領域と、上記厚肉の応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉の周囲領域とを有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部後方表面から後方に突出するリングを形成し、上記第5の厚さは上記第4の厚さより小さく、上記薄肉の中間領域の上記第3の厚さは、上記打撃フェース部分の最も薄い部分である、上記ゴルフクラブヘッドである。
【0010】
この発明の他の側面は、ゴルフクラブヘッドであって、上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、上記打撃フェース部分は、さらに、実質的に平面である、前面打撃表面と、内部背面表面とを有し、上記前面打撃表面および上記内部背面表面が組み合わさって、さらに、上記打撃フェース部分の周囲に位置付けられた、厚肉の応力低減領域を有し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出するリングを形成し、上記厚肉の応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心を通る垂直断面を横切って測定して、上記打撃フェース部分の上記幾何学的中心から約15mmから約30mmの間の距離に配置される、上記ゴルフクラブヘッドである。
【0011】
この発明の他の側面において、厚くなった応力低減領域は、打撃フェース部分の内側後方表面から後方に突出するリングの少なくとも一部を形成する。
【0012】
この発明の他の側面において、内側後方表面は、少なくとも12時の光線印(レイ、インデックス、時間印ともいう)、1時の光線印、2時の光線印、3時の光線印、4時の光線印、5時の光線印、6時の光線印、7時の光線印、8時の光線印、9時の光線印、10時の光線印、および11時の光線印を有するクロックグリッドに分割されて良く、厚みを増した応力低減領域は、9時の光線印と2時の光線印との間の上部領域と、9時方向の光線印と3時方向の光線印との間の下部領域とからなる領域にのみ位置付けられる。
【0013】
この発明の他の側面において、厚さ応力低減領域は、8時の光線印と10時の光線印との間に厚さの低減された領域を具備し、ヒール厚さを増した応力低減領域を形成する。
【0014】
この発明の他の側面において、上記厚くなった応力低減領域は馬蹄形のリングを形成する。
【0015】
この発明の他の側面において、ゴルフクラブヘッドの前部に位置し、ゴルフボールに打撃するように構成された打撃フェース部分と、打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とをさらに有するゴルフクラブヘッドである。打撃フェース部分は、中央開口部を有する周縁領域をさらに有し、周縁領域はさらに、第4の厚さを具備する厚くなった応力低減領域と、中央開口部と係合するように適合されたフェースインサートとを有し、フェースインサートは、さらに、打撃フェース部分の幾何学的中心の近くに位置し、第1の厚さを具備する厚くなった中央領域を有し、厚くなった応力低減領域のどの部分もフェースインサートと係合せず、第4の厚さは第1の厚さよりも大きい。
【0016】
この発明の他の側面において、中央開口部の頂部棚は、打撃フェース部分のクラウン先端から約1.0mm未満の距離に配置される。
【0017】
この発明の他の側面において、フェースインサートのアスペクト比は約1.3~約1.7である。
【0018】
この発明の他の側面において、中央開口部の頂部棚は、クラウン頂点から約10mm未満の距離に配置される。
【0019】
この発明のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
この発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面に示されているように、この発明の以下の説明から明らかになるであろう。ここに組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、この発明の原理を説明し、関連技術の当業者がこの発明を実施および使用することを可能にするのにさらに役立つ。
図1】添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの正面図を示し、断面線A-A'を示す。
図2】添付図面の図2は、図1に示される断面線A-A'に沿った、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図3】添付図面の図3は、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図4】添付図面の図4は、再び、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示し、種々の機能を強調表示する。
図5】添付図面の図5は、再度、図2に示されるこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェースの拡大断面図を示し、種々の機能を強調表示する。
図6図6a~図6lは、この発明の例示的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域の代表的な断面図を示す。
図7a】添付図面の図7aは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の陰影を付けた背面図を示す。
図7b】添付図面の図7bは、この発明の例示的実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図8】添付図面の図8は、図1に示される断面線A-A'に沿った、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図9】添付図面の図9は、図8に示されるこの発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図10a】添付図面の10aは、この発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェースの陰影を付けた背面図を示す。
図10b】添付図面の図10bは、この発明の他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図11】添付図面の図11は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
図12】添付図面の図12は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図13】添付図面の図13は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の部分断面図を示す。
図14】添付図面の14は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図15】添付図面の15は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図16】添付図面の16は、この発明の代替的な実施例に従う打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図17】添付図面の17は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図18】添付図面の図18は、この発明のさらに他の代替的な実例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の拡大断面図を示す。
図19】添付図面の図19は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図20】添付図面の図20は、この発明のさらに他の実施例に従うフェースインサートを取り外したゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分の背面図を示す。
図21】添付図面の図21は、この発明のさらに他の実施例に従うフェースインサートの拡大背面図を示す。
図22】添付図面の図22は、図19の断面線22-22'に沿って見た、この発明のさらに他の実施例に従う打撃フェース部分の拡大断面図である。
図23】添付図面の図23は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0021】
以下の詳細な説明は、この発明を実行する現在考えられる最良のモードを記述する。この発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されるので、この説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、単にこの発明の一般原理を説明する目的で作成されたものである。
【0022】
この発明の様々な特徴を以下に説明する。それぞれを互いに独立して、または他の特徴と組み合わせて使用することができる。ただし、この発明の単一の特徴のいずれも、上述の問題のいずれかまたはすべてに対処しない場合もあれば、上述の問題の1つに対処するだけの場合もある。さらに、上述の問題の1つまたは複数は、以下に説明する特徴のいずれによっても完全には対処されない可能性がある。
【0023】
添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の正面図を示す。何よりもまず、添付図面の図1は、x、y、およびz軸に沿ったゴルフクラブヘッド100の向きを定義する座標系101を示す。ここに示されるx軸は水平であり、ヒールからトウの方向に広がり、正の軸はゴルフクラブヘッド100のヒールを指す。ここに示されるy軸は垂直であり、クラウンからソールの方向に広がる。最後に、ここに示されるz軸は、紙面の表裏を指し前後の方向にまたがる軸を参照し、正の軸が前面方向を指す。このゴルフクラブヘッド100の正面図は、この実施例ではフェースインサート104とフェース周囲106とからさらに構成される打撃フェース部分102を示す。添付図面の図1は、また、y軸に沿い、y-z平面に沿う、垂直な切断線A-A'を示し、これは、打撃フェース部分102の内部形状をより明確に示すことを可能にする。
【0024】
添付図面の図2は、図1に示される断面線A-A'沿ったゴルフクラブヘッド200の断面図を示す。図2に示されるゴルフクラブヘッド200のこの断面図において、ゴルフクラブヘッド200は、打撃フェース部分202と、打撃フェース部分202の後部に取り付けられた後方本体部分203とを有することが分かる。この発明において定義される打撃フェース部分202は、実質的に平面であり、ゴルフクラブヘッド200の前部に位置し、ゴルフボールを打つように適合されたゴルフクラブヘッド200の部分を指す。打撃フェース部分202は、実質的に平坦な前面打撃表面210と可変輪郭を有する後方内側表面212とによって形成される厚さによって製造され、可変フェース厚さプロファイルを有する打撃フェース部分を形成する。打撃フェース部分202と後方本体部分203との間の境界は、後方内側表面212が実質的に平面の垂直方向から実質的に水平方向に向かって逸脱するときに生じる。
【0025】
添付の図面の図2は、最後に、この実施例において、フェースインサート204が使用され、フェース周囲206によって作成された打撃フェース部分202の開口部を閉じることを示している。この発明のこの実施例において、フェースインサート204は、全般的には、軽量で耐久性が高い特性を実現するためにチタン材料から作られて良く、また、フェース周囲206の周りの独特の厚肉の応力低減領域216により、同様の構造を有する従来のゴルフクラブヘッドよりも大幅に薄くされて良い。この発明のこの実施例において、フェース周囲206の周りの厚肉の応力低減領域220は、フェースインサート204をより薄く軽量にすることを可能にし、約25グラム未満、より好ましくは約24グラム未満、最も好ましくは、約23グラム未満の質量をもたらし、これは、すべて、この発明の範囲および内容から逸脱するものではない。フェース周囲206の周りに厚くなった応力低減領域220なしで取り付けられたフェースインサートと比較して、フェースインサートの質量は約12グラム減少する。
【0026】
フェース周囲206の周りの厚肉の応力低減領域220を、肉厚の中央領域214、中央遷移領域216、薄肉の中間領域218、および、薄肉の周囲領域222などの打撃フェース部分202の残りの部分の幾何形状と合わせてより詳細に説明するために、打撃フェース部分202の拡大図が図3に提供される。
【0027】
添付図面の図3は、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の拡大断面図を示す。この拡大断面図は、打撃フェース部分202の様々な高さをより明確に示すことを可能にし、他方、添付図面の図4は、打撃フェース部分202の様々な厚さを示す。この発明のこの図示された例示的な実施例によれば、打撃フェース部分202は、さらに、薄肉の上部周囲領域222-aと薄肉の下部周囲領域222-bとを含み、組み合わされて薄肉の周囲領域222を形成する。打撃フェース部分202は、薄肉の周囲領域から内側に位置付けられて、肉厚の応力低減領域220を形成するように結合する、上部の肉厚の応力低減領域220-aおよび下部の肉厚の応力低減領域220-bを有する。別の言い方をすれば、肉厚の応力低減領域220は、打撃フェース部分202の内側表面212から後方に突出するリングを形成すると言うことができる。打撃フェース部分202は、肉厚の応力低減領域の内側に位置付けられて、薄肉の中間領域218を形成するように組み合わされた、上部の薄肉の中間領域218-aおよび下部の薄肉の中間領域218-bを有する。打撃フェース部分202は、薄肉の中間領域から内側に位置付けられて、中央遷移領域216を形成するように組み合わされた、上部中央遷移領域216-aおよび下部中央遷移領域216-bを有する。最後に、打撃フェース部分202は、中央遷移領域214の内側に位置する、肉厚の中央領域214を具備する。
【0028】
図3に示されているこの発明のこの実施例において、肉厚の中央領域214の高さH1は、一般的には、約4.0mmから約15.0mmの間、より好ましくは約4.0mmから約10.0mmの間、最も好ましくは約4.0mmである。
【0029】
中央遷移領域216の高さは、この発明のこの実施例によれば、肉厚の中央領域214の上よりも肉厚の中央領域214の下の方が高くても良い。したがって、この実施例によれば、上部中央遷移領域216-aの高さH2-aは、約7.0mmから約11.0mmの間、より好ましくは約8.0mmから約10.0mmの間、最も好ましくは約9.0mmである。下部中央遷移領域216-bの高さH2-bは、一般的には、約13.0mmから約17.0mmの間、より好ましくは約14.0mmから約16.0mmの間、最も好ましくは約15.0mmであって良い。ただし、代替的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部中央遷移領域216-aおよび下部中央遷移領域216-bの高さが同じであって良いことに留意されたい。
【0030】
この発明のこの実施例によれば、薄肉の中間領域218の高さは、また、厚肉の中央領域214の上よりも厚肉の中央領域214の下でより高くて良い。したがって、この実施例によれば、高さH3-aは一般的には約3.5mmから約5.5mmであり、より好ましくは約4.0mmから約5.0mmであり、最も好ましくは約4.5mmである。下部中央遷移領域218-bの高さH3-bは、一般的には、約6.5mmから約8.5mmの間、より好ましくは約7.0mmから約8.0mmの間、最も好ましくは約7.5mmであって良い。ただし、大艇的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部中央遷移領域218-aおよび下部中央遷移領域218-bの高さが同じであってもよいことに留意されたい。
【0031】
厚肉の応力低減領域220の高さは、先の測定値とは異なり、測定が上部の厚肉の応力低減領域220-aまたは下部の厚肉の応力低減領域220-bに関するものであるかどうかにかかわらず、同じ測定値である。したがって、この実施例によれば、高さH4-aおよびH4-bは両方とも約4.0mmから約6.0mmであり、より好ましくは約4.5mmから約5.5mmであり、最も好ましくは約5.0mmである。上述の論理と同様に、異なるH4-aおよびH4-b値を有することも、両方が上記の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。ここで、厚肉の応力低減領域220の高さが、この発明の適切な機能にとって重要であることは注目に値する。なぜならば、打撃フェース部分202に不必要な質量を過剰に付加しないようにする要請と、フェース周囲106(図1に示す)からの応力を低減するのに十分な構造的剛性を提供して、打撃フェース部分202の残りの部分をより薄くし、より効率的にする要請とを注意深くバランスさせるためである。厚肉の応力低減領域220の高さは、厚肉の応力低減領域220の厚さ(図4で後述される)と組み合わされて、この発明の性能向上を達成する最適化された形状が概説される。
【0032】
薄肉の周囲領域222に関する議論に移る前に、幾何学的なフェース中心108(図1に示される)に対する厚肉の応力低減領域220の配置が、この発明における性能向上の達成にとって重要であることに留意することが重要である。これは、図3に示す拡大断面図に表されるように、幾何学的フェース中心108(図1に示す)を通過する垂直断面平面に沿って特に当てはまる。この特定の断面の重要性、およびこの断面に沿った厚肉の応力低減領域220の配置は、この平面に沿った上部フェース部分でより高い応力向上を実現し、したがって、肉厚の応力低減領域220を追加する打撃フェース部分202の傾向に由来する。この発明の当該実施例において、厚肉の応力低減領域220は、一般的に、断面A-A'に沿って、幾何学的フェース中心108から約15mmから約30mm離れた距離に配置して良く、好ましくは、断面平面A-A'に沿って幾何学的フェース中心108(図1に示す)から約17mmから約28mm離れて配置されて良く、最も好ましくは、断面平面A-A'に沿って、幾何学的フェース中心108(図1に示す)から約20mmから約25mmの間で配置されて良い。
【0033】
薄肉の周囲領域222の高さは、また、厚肉の中央領域214の上よりも、厚肉の中央領域214の下でより高くても良い。したがって、この実施例によれば、高さH5-aは、約1.8mmから約2.8mmの間であり、より好ましくは約2.1mmと約2.5mmの間であり、最も好ましくは約2.3mmであって良い。高さH5-bは、一般的には、約2.3mmから約3.3mmの間であり、より好ましくは約2.6mmから約3.0mmの間であり、最も好ましくは約2.8mmであって良い。ただし、代替的な実施例において、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、上部の薄肉の周囲領域222-aおよび下部の薄肉の周囲領域222-bの高さが同じであって良いことに留意されたい。
【0034】
添付図面の図4は、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の別の拡大断面図を示す。この断面図において、打撃フェース部分202の構成要素の様々な厚さがより詳細に示されている。この発明のこの現行の実施例において、厚肉の中央領域214は、一般的には、約3.6mm未満、より好ましくは約3.4mm未満、最も好ましくは約3.2mm未満の厚さT1を有して良い。この発明の目的は、打撃フェース部分202にかかる応力を緩和する厚肉の応力低減領域220の導入によって、打撃フェース部分202の様々な構成要素の厚さを最小限に抑えることであるためである。
【0035】
薄肉の中間領域218の厚さは、それが上部の薄肉の中間領域218-aに位置するか、下部の薄肉の中間領域218-bに位置するかに関係なく、概して同じであって良い。したがって、厚さT3-aおよびT3-bは両方とも約2.5mm未満であり、より好ましくは約2.4mm未満であり、最も好ましくは約2.3mm未満である。ただし、この発明の別の実施例において、T3-aおよびT3-bの値は、互いにわずかに異なっていてもよく、両方が上記の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0036】
ここでは、厚さT4-aを有する上部の厚肉の応力低減領域220-aおよび厚さT4-bを有する下部の厚肉の応力低減領域220-bとして示される、厚肉の応力低減領域220の厚さは、当該厚肉の応力低減領域220の幅と組み合わされて、幾何形状を定義し、これは、ゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分202の改善された性能にとって重要である。この実施例において、上部の厚肉の応力低減領域220-aおよび下部の厚肉の応力低減領域220-bのそれぞれの厚さT4-aおよびT4-bは両方とも同じであり、したがって約3.6mmから約4.4mm、より好ましくは約3.8mmから約4.2mmの間、最も好ましくは約4.0mmである。ただし、この発明の別の実施例において、厚さT4-aおよびT4-bは、先に定義された厚さの範囲外にならない限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いにわずかにずれていてもよい。
【0037】
厚肉の応力低減領域220の厚さT4および高さH4が定義されると、厚肉の応力低減領域220の好ましい幾何学的形状は、厚さと高さの比として確立することができる。好ましい幾何学的形状は、以下の式(1)によって定義されるT対H比を有する。
T対H比=(厚肉の応力低減領域の厚さT4)/(厚肉の応力低減領域の高さH4)
---式(1)
この発明に従う打撃フェース部分202の厚肉の応力低減領域220のT対H比は、一般的には、約0.6から約1.1の間、より好ましくは約0.7から約0.9の間、最も好ましくは約0.8であっても良い。繰り返しになるけれども、上述のように、この比率は、当該厚肉の応力低減領域220の追加によって追加される不必要な質量を最小限に抑えながら、打撃フェース部分202の応力低減特性を達成するために重要である。
【0038】
薄肉の周囲領域222の厚さは、それが上部の薄肉の周囲領域22-aに位置するか、または下部の薄肉の周囲領域222-bに位置するかに関係なく、概して同じであって良い。したがって、厚さT5-aおよびT5-bは両方とも約3.0mm未満であり、より好ましくは約2.8mm未満であり、最も好ましくは約2.7mm未満である。ただし、この発明の別の実施例において、T5-aおよびT5-bの値は互いにわずかに異なっていてもよく、両方が上述の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0039】
ここで強調する価値のある別の重要な関係は、厚肉の応力低減領域720の厚さT4に対する厚肉の中央領域714の厚さT1である。厚肉の応力低減領域720を導入すると、打撃フェース部分702全体の厚さおよび質量が全体として大幅に減少するので、2つの厚さの間の結果として得られる関係は、この発明の改善された性能を達成するために非常に重要である。この発明のこの例示的な実施例において、T4をT1で割った比は、一般に約1より大きく、より好ましくは約1.15より大きく、最も好ましくは約1.375より大きい。別の言い方をすれば、厚肉の応力低減領域220の厚さT4は、厚肉の中央領域214の厚さT1、または打撃フェース部分202全体に沿った任意の他の位置よりも大きいと言うことができる。打撃フェース部分202の最も厚い部分は、厚肉の応力低減領域220上に位置する。
【0040】
添付図面の図5は、図3および図4と同様なゴルフクラブヘッド200の打撃フェース部分202の拡大断面図を示す。ただし、今回は、厚肉の応力低減領域220から、隣接する薄肉の中間領域218および薄肉の周囲領域222への遷移に焦点を当てる。この発明のこの実施r例において、厚肉の応力低減領域220の周りの様々な半径も、この発明の適切な機能にとって重要である。なぜならば、望ましくない半径は、応力を減らすという目的に役立たないだけでなく、製造上の課題を追加する可能性があるためである。何よりも、半径は、一方では厚肉の応力低減領域220の追加に起因する望ましくない重量の追加を最小限に抑え、他方では肉厚の応力低減領域220に起因する応力と製造上の課題とのバランスを取る必要がある。
【0041】
半径R5-aおよび半径R5-bは、曲率半径、または厚肉の応力低減領域220-aおよび220-bから薄肉の周囲領域222-aおよび222-bに向かうブレンドを示す。この実施例におけるR5-aおよびR5-bは、一般的には、同じ数であってよく、伊パン的には、約1.0mm~約1.4mm、より好ましくは約1.1mm~約1.3mm、最も好ましくは約1.2mmである。ただし、この発明の他の実施例において、R5-aおよびR5-bは、上述の半径範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていてもよいことに留意されたい。
【0042】
半径R3-aおよび半径R3-bは、曲率半径、または、厚肉の応力低減領域220-aおよび220-bから薄肉の中間領域218-aおよび218-bに向かうブレンドを示す。この実施例におけるR3-aおよびR3-bは、一般的には、同じであって良く、また、上述のR5-aおよびR5-bと同じであって良く、約1.0mm~約1.4mmの間、より好ましくは約1.1mm~約1.3mmの間で、最も好ましくは約1.2mmであって良い。ただし、この発明の他の実施例において、R3-aおよびR3-bは、上述の半径範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていてもよいことに留意されたい。
【0043】
ここで、それぞれR5およびR3として示される、厚肉の応力低減領域220から薄肉の周囲領域222および薄肉の中間領域218に向かうブレンドの半径は、一般に互いに同じであって良いことに注目することは有益である。ただし、上述のように、この発明の他の実施例において、これらの数は、上述の範囲内にある限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、互いに異なっていても良い。
【0044】
添付の図面の図6aから6Lは、厚肉の応力低減領域220の代替的な形状を示している。図6aを参照すると、遷移半径を追加した前述の設計と同様に、実質的に長方形の設計がここに示されている。添付図面の図6bは、この発明の代替的な実施例に従う厚肉の応力低減領域220の代替的なの外向きテーパ設計を示す。図。添付図面の図6cは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の他の内向きテーパ設計を示す。添付図面の図6dは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の一定のオフセット設計を有する代替的な外向きテーパを示す。添付図面の図6eは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の内側オフセット設計を有する代替外向きテーパを示す。添付図面の図6fは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の外向きオフセット設計を伴う代替的な外向きテーパを示す。添付図面の図6gは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な三角形のシェブロン設計を示す。添付図面の図6hは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な内側オフセット三角形シェブロン設計を示す。添付図面の図6iは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な外向きオフセット三角形シェブロン設計を示す。添付図面の図6jは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な半球設計を示す。添付図面の図6kは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的な有機的な設計(オーガニック・デザイン)を示す。添付の図面の図6Lは、この発明の代替的な実施例に従う、厚肉の応力低減領域220の代替的なくぼみチャネルのテーパ設計を示す。
【0045】
図7aおよび7bは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分702の背面図を示す。図7aにおいて、打撃フェース部分702の様々な構成要素をよりよく視覚化するために陰影を付けた図が提示されている。図7aにおいて、薄肉周囲領域722は、打撃フェース部分702の外周を形成する。薄肉周囲領域722から内側に、厚肉の応力低減領域720を見ることができる。厚肉の応力低減領域720から内側に薄肉中間領域718がある。薄肉の中間領域718の内側に中央遷移領域716がある。最後に、打撃フェース部分702の幾何学的中心には、厚肉の中央領域714がある。打撃フェース部分702の様々な構成要素を示すことに加えて、図7aは、また、様々なコンポーネントの高さがフェース上のどこにあるかによってどのように変化するかを示しており、様々なコンポーネントの高さの以前の測定値は、図1に示されているように、フェースの幾何学的中心に沿った断面のみを参照していた。一例において、中間遷移領域718の高さは、打撃フェース部分702のヒールおよびトウ部分での中間遷移領域718の高さと比較すると、一般的に、打撃フェース部分702のクラウンおよびソール部分で小さいことが分かる。
【0046】
別の言い方をすれば、打撃フェースは、打撃フェース部分702の幾何学的中心の近くに位置する厚肉の中央領域714と、この厚肉の中央領域714から半径方向外側に延びる中央領域716と、厚肉の中央領域714から半径方向外側に延在する薄肉の中間領域718と、厚肉の中央領域714から半径方向外側に延在する厚肉の応力低減領域720と、最後に、厚肉の応力低減領域720から外側に延在する薄肉の周囲領域722とを有するいうことができる。
【0047】
フェースの種々の部分に沿ったさまざまな構成要素の高さの違いをよりよく示すために、図7bに、打撃フェース部分702の陰影を付けていない背面図を示す。上述に加えて、図7bは、すべての測定値が幾何学的フェース中心108(図1に示される)から得られるので、様々な構成要素の半径方向距離をより詳細に示すことを可能にする。これは、図2の厚肉の応力低減領域220の位置に関する上述の説明と同様である。ただし、ここで提供される距離は、図2における前の説明のように、特定の断面A-A'に拘束されなく、むしろ、半径方向の最小距離と最大距離の測定値である。図7bに示される打撃フェース部分702の当該背面図において、厚肉の中央領域714の外周は、任意の半径方向にわたって幾何学的フェース中心から約4.00mmから約14.0mmの間の投影距離D1内に概して位置することが分かる。中央遷移領域716の外周は、一般的に、任意の半径方向にわたって幾何学的フェース中心から約13.0mmから約30.0mmの間の距離D2に位置付けられて良い。薄肉の中間領域718の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約17.0mmから約40.0mmの間の距離D3に位置付けられて良い。厚肉の応力低減領域720の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約15.0mmから約46.0mmの間の距離D4に位置付けられて良い。最後に、薄肉の周囲領域722の外周は、一般的に、フェース中心から任意の半径方向にわたって約25.50mmから約55.5mmの間の距離D5に位置付けられて良い。
【0048】
添付図面の図8は、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド800の、図1に示される断面線A-A'に沿った断面図を示す。この発明のこの断面図において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの形状および幾何学形状は、下部の厚肉の応力低減領域820-bとは異なるように変更されて、一般的に、打撃フェース部分802の上部クラウン領域において発生する高い応力レベルに対処するのに役立つ。上部の厚肉の応力低減領域820-aと下部の厚肉の応力低減領域820-bとの間のブレンドの高さおよび曲率半径の相違を示すために、打撃フェース部分802の拡大図が図9に提供される。
【0049】
添付図面の図9は、図8に示されるゴルフクラブヘッド800の打撃フェース部分802の断面図の拡大図を示す。この拡大断面図においては、この発明のこの実施例を先の実施例と区別する特徴のみが強調されている。この発明のこの代替的な実施例において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、下部の厚肉の応力低減領域820-bの高さH4-bとはもはや同じではない。実際、上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、打撃フェース部分802の上部でしばしば発生する応力上昇要因に対処するために低減される。上部の応力低減領域820-aが厚くなると、上部の薄肉の中間領域818-aの高さH3-aが増加する。上述した点に加えて、応力をさらに低減するために、上部の厚肉の応力低減領域820-aと上部の薄肉の中間領域818-aとの間の半径R3-aを増加させて、この位置でより緩やかなブレンドを作成する。最後に、打撃フェース部分802の応力レベルに対処することとは無関係に、上部の厚肉の応力低減領域820-aと上部の薄肉の周囲領域822-aとの間の半径R5-aも増加させてブレンドを柔らかくし、製造可能性を容易にすることができるようになす。
【0050】
数字を掘り下げると、この発明のこの実施例に従う上部の厚肉の応力低減領域820-aの高さH4-aは、一般的に、約3.1mmから約3.9mmの間、より好ましくは約3.3mmから約3.7mm、最も好ましくは約3.5mmでありの間であって良く、これは下部の厚肉の応力低減領域820-bに位置付けられる対応部分H4-bよりも約0.5mm短い。この発明の現行の実施例に従う上部の薄肉の中間領域818-aの高さH3-aは、一般的に、約6.5mmから約8.5mmの間、より好ましくは約7.0mmから約8.0mmの間であり、最も好ましくは約7.5mmであって良く、これにより、下部の薄肉の中間領域818-bに位置する対応部分H3-bとほぼ同じになる。
【0051】
高さの変化に加えて、上部の厚肉の応力低減領域820-aの半径R3-aおよびR5-aも変更され、下部の厚肉の応力低減領域820-bの対応する部分とは異なるようになっている。R3-aの曲率半径を大きくすることにより、隣接する2つの構成要素間の遷移がより緩やかになり、打撃フェース部分802のその部分で発生する可能性がある応力上昇を排除するのに役立つ。この発明のこの実施例に従うR3-aは、一般的に、約1.50mmを超え、より好ましくは約1.60mmを超え、より好ましくは約1.70mmを超えて良い。他方、曲率半径R5-aもより緩やかになるように増加するけれども、今回は製造上の理由から、減少した鋳造フローのあまり目立たない領域を考慮している。したがって、この発明のこの実施例に従うR5-aは、一般的に、約1.50mmを超え、より好ましくは約1.60mmを超え、より好ましくは約1.70mmを超えて良い。したがって、この実施例において、上部の厚肉の応力低減領域820-aの遷移部の曲率半径が、下部の厚肉の応力低減領域820-bの遷移部の曲率半径よりも大きいことが重要であることにここで注目する価値がある。なぜなら、打撃フェース部分802は、しばしばその位置でより高い応力レベルを示すからである。
【0052】
図10aおよび10bは、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1002の背面図を示す。図10aにおいて、打撃フェース部分1002の様々な構成要素のより良い視覚を提供するために陰影付きの図が提示されている。図10aに示される陰影を付けた図および図10bに示されるワイヤフレーム図において、上部の厚肉の応力低減領域1020-aに対する調整が見られ、その高さH4-a(図9に示される)は、厚肉の応力低減領域1020-aの残りの部分と比較して小さい。ここで、以前に言及されなかった注目に値する別のことは、この発明の現行の例示的な実施例において、厚肉の応力低減領域1020全体が、打撃フェース部分1002の中央部分を取り囲むリングの形状をとるということである。ただし、この発明の代替的な実施例において、厚肉の応力低減領域1020は、打撃フェース部分1002を完全に取り囲む必要はなく、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、打撃フェース部分を部分的に取り囲むものでも良い。別の言い方をすれば、厚肉の応力低減領域1020は、この発明の範囲および内容からすべて逸脱することなく、フェースの周りを360度未満、フェー顔の周りを約270度未満、フェースの周りを180度未満だけ取り囲んで良い。
【0053】
添付の図面の図11から15は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドを示し、ここで、厚肉の応力低減領域は、複数の材料から形成されて、厚肉の応力減少領域の応力低減能力をさらに改善することを達成する。
【0054】
添付図面の図11は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッド1100の分解斜視図を示しており、厚肉の応力低減領域はさらに複数の材料から形成されている。図11に示されるゴルフクラブヘッド1100のこの分解断面図において、図11に示されるように、本体部分1103は、周囲レッジ1132を有するポケット1134を有し、周囲レッジ1132は、ガスケット1130を収容するのを支援し、ガスケット1130は、フェースインサート1104を周囲レッジ1132から分離する。この発明のこの実施例において、周囲レッジ1132、ガスケット1130、およびフェースインサート1104の周縁の組み合わせが組み合わさって、厚くなった応力低減領域(図12に示される)を作り出す。
【0055】
[添付図面の図12は、図1に示される断面線A-A'に沿った、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1200の断面図を示す。ゴルフクラブヘッド1200のこの断面図において、ゴルフクラブヘッド1200は、前の実施例と同様に、前面打撃フェース部分1202と後方本体部分1203とに分割できることが分かる。前面打撃フェース部分1202は、前の実施例のようにフェースインサート1204を受け入れるように適合された開口ポケット1234からさらに構成される。ただし、この発明のこの実施例において、業界で一般に知られているようにフェースインサート1204をポケット1234の周囲に直接溶接する代わりに、開口ポケット1234は、打撃フェースの外側表面から窪んだ周囲レッジ1232を作成し、この周囲レッジ1232は、フェースインサート1204を周囲レッジ1232から分離するガスケット1230を受容するように適合される。この発明のこの断面図において、周囲レッジ1232、ガスケット1230、およびフェースインサート1204の周縁の組み合わせが組み合わさって、厚肉の応力低減領域1220を作り出すことが明確に分かる。この実施例における厚肉の応力低減領域1220は、上部の厚肉の応力低減領域1220-aおよび下部の厚肉の応力低減領域1220-bとしてさらに形成されて良く、これらの両方は、上述した先の実施例と同様の寸法測定値を有する。
【0056】
この発明のこの実施例において、フェースインサート1204、ガスケット1230、および周囲レッジ1232は、一般的に、ある種の接着剤を使用して一緒に結合されて良い。ただし、この発明の代替的な実施例において、異なる材料特性を有して良い、厚肉の応力低減領域1220を形成する3つの構成要素は、すべてこの発明から逸脱することなく、ろう付け、スエージ加工、または機械的ファスナなどの種々の結合技術に依存することもできる。これは、フェースインサート1204が周囲レッジ1232自体に直接結合されていない限り、この発明の範囲および内容はこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0057】
ガスケット1230を作成するために使用される材料も、この発明のこの実施例において重要であり、前面打撃フェース部分1202の周囲の応力を低減するのに役立ち得る。この実施例において、ガスケットを作成するために使用される材料は、一般に、約5GPaから約120GPaの間、より好ましくは約10GPaから約80GPaの間、最も好ましくは約30GPaの弾性率、またはヤング率を有して良い。上述に加えて、ガスケット1230は、また、約2,000g/cc未満、より好ましくは約1,900g/cc未満、最も好ましくは約1,800g/cc未満の密度を有することができ、すべてこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0058】
ガスケット1230自体の寸法の一部を示すために、前面打撃フェース部分1202の拡大断面図を図13に示す。この図13に示される部において、ガスケット1230は、ほぼ同じ上部ガスケット高さH6-aおよび下部ガスケット高さH6-bを有することができることが分かる。この発明のこの実施例に従うH6-aおよびH6-bは、一般的に、約3.0mm~約7.0mm、より好ましくは約4.0mm~約6.0mm、最も好ましくは約5.0mmであって良い。図13は、また、ガスケットの厚さT6を示し、上部ガスケット厚さT6-aおよび下部ガスケット厚さT6-bとして示され、これらは両方ともこの発明のこの実施例においてほぼ同じである。したがって、この発明のこの実施例に従うT6-aおよびT6-bは、一般的に、約0.3mmから約0.7mmの間、より好ましくは約0.4mmから約0.6mmの間、最も好ましくは約0.5mmであって良い。
【0059】
上述の厚さおよび高さの測定値に基づいて、ガスケット1230は、以下の式(2)によって定義されるT対H比を有して良いと言うことができる。
T対H比=(ガスケットの厚さT6)/(ガスケットの高さH6)―――(2)
ガスケット1230のT対H比は、一般的に、約0.04から約0.23の間、より好ましくは約0.06から約0.15の間、最も好ましくは約0.1であって良い。
【0060】
ガスケット1230の厚さおよび高さは、ガスケット1230の上部部分およびガスケット1230の下部部分について同じであるけれども、ガスケットの厚さおよび高さは、相互に異なっていて良いいことにも留意されたい。これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。例示的な一実施例において、ガスケット1230の上部をより厚くし、ガスケット1230の下部をより薄くして、ゴルフボールとの衝突時に打撃フェース部分1202がより下方に撓み、下方の打ち出しとスピンを減少させるのを支援することができ、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。言うまでもなく、ガスケット1230の厚さを操作する場合、通常、周囲レッジ1232の深さはそれに応じて調整され、休止ニュートラル位置でゴルフクラブヘッドの継ぎ目のない平らな外観を作り出す。代替的には、材料の厚さを維持することもできるけれども、弾性率は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく同じ効果を達成するように調整される。
【0061】
添付図面の図14は、この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1402の背面図を示す。図14に示されるこの発明のこの実施例に御家、前面打撃フェース部分1402は、先の実施例において示したように、リングの一部を部分的にのみ形成する厚肉の応力低減領域1420を具備して良いことが分かる。より具体的には、図14に示されるこの発明のこの実施例において示される厚肉の応力低減領域1420は、上部厚肉応力低減領域1420-aおよび下部厚肉応力低減領域1420-bを介して、上部クラウン領域および下部ソール領域にのみ存在する。
【0062】
ここで図14に示される打撃フェース部分1402の背面図は、上部厚肉応力低減領域1420-aおよび下部厚肉応力低減領域1420-bに加えて、厚肉中央領域1414、中央遷移領域1416、薄肉中間領域1418、および薄肉周囲領域1422を示す。打撃フェース部分1402のこの背面図は、上部厚肉応力低減領域1420-aと下部厚肉応力低減領域1420-bとが互いに結合して、図7で前に示したようなリング形状の一部のみを形成することを示している。換言すれば、厚肉応力低減領域1420は、薄肉中間領域1418を完全に取り囲むのではなく、部分的にのみ取り囲んでいる。厚肉応力低減領域は、薄肉中間領域1418の周囲の半径方向360度未満に形成されるとも言える。
【0063】
現在分割されている上部厚肉応力低減領域1420-aと下部厚肉応力低減領域1420-bとを視覚的に強調表示することに加えて、添付図面の図14は、また、幾何学的フェース中心1408に対する上部厚肉応力低減領域1420-aおよび下部厚肉応力低減領域1420-bの位置をより具体的に識別するために、光線印(クロックグリッド)1440も作成する。より具体的には、光線印1440は、12時の光線印1440-12、1時の光線印1440-1、2時の光線印1440-2、3時の光線印1440-3、4時の光線印1440-4、5時の光線印1440-5、6時の光線印1440-6、7時の光線印1440-7、8時の光線印1440-8、9時の光線印1440-9、10時の光線印1440-10、および11時の光線印1440-11を具備し、打撃フェース部分1402の種々な部分を半径方向に12の別個の領域に分割する。
【0064】
光線印1440が確立されると、この発明のこの例示的な実施例において、上部厚肉応力低減領域1420-aが、10時の光線印1440-10と2時の光線印1440-2との間に位置する上部領域に位置付けられることが分かる。下部厚肉応力低減領域1420-bは、4時の光線印1440-4と8時の光線印1440-8との間に位置付けられる下部領域に位置付けられる。上部厚肉応力低減領域1420-aおよび下部厚肉応力低減領域1420-bの位置の当該範囲は、構造的剛性を維持し、打撃フェース部分1402の応力レベルを、それが必要であると特定される位置でのみ低減し、そのような機能を必要としない場所からは削除されるため、この発明にとって重要である。
【0065】
ここで、この出願において範囲を参照する際の混乱を避けるために、クロックグリッドの境界は常に時計回りの方向で参照されることに留意されたい。
【0066】
換言すれば、厚肉応力低減領域は、10時の光線印1440-10と2時の光線印1440-2との間の上部領域と、4時の光線印1440-4と8時の光線印1440-8との間の下部領域とからなる領域にのみ位置すると言える。
【0067】
添付図面の図15は、この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1502の背面図を示す。この発明のこの実施例において、上部厚肉応力低減領域1520-aは、9時の光線印1540-9と2時の光線印との間の上部領域に位置し、他方、下部厚肉応力低減領域1520-bは、3時の光線印1540-3と9時の光線印1540-9との間の下部領域に位置し、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。ここで、上部厚肉応力低減領域1520-aと下部厚肉応力低減領域1520-bとの境界は、互いにある程度の重なりを有して良く、それらは、分離を伴う個別のコンポーネントであることに留意すべきであり、これはこの発明の範囲および内容内に留まる。
【0068】
換言すれば、厚肉応力低減領域は、9時の光線印1540-9と2時方向の光線印1540-2との間の上部領域と3時の光線印1540-3と9時の光線印1540-9の間の下部領域とからなる領域にのみ位置すると言える。
【0069】
添付図面の図16は、この発明の代替的な実施例に従う打撃フェース部分1602の拡大断面図を示し、非360度の厚肉応力低減領域1620をより詳細に示すことができる。この図において、上部薄肉中間領域1618-a、下部薄肉中間領域1618-b、上部厚肉応力低減領域1620-a、下部厚肉応力低減領域1620-b、上部薄肉周囲領域1622-a、および下部薄肉周囲領域1622-bを含む打撃フェース部分1602の実際の断面図は、この発明の以前の実施例で図9において示された打撃フェース部分802の断面図とあまり変わらないことがわかる。しかしながら、打撃フェース部分1602の断面図を詳しく調べると、打撃フェース部分1602の内側のトウ領域には、図14および15に示した前の実施例のような、厚肉応力低減領域1620に似た特徴がまったく含まれていないことが分かるであろう。
【0070】
添付図面の図17は、この発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1702の背面図を示す。この発明のこの実施例において、12時の光線印1740-12、1時の光線印1740-1、2時の光線印1740-2、3時の光線印1740-3、4時の光線印1740-4、5時の光線印1740-5、6時の光線印1740-6、7時の光線印1740-7、8時の光線印1740-8、9時の光線印1740-9、10時の光線印1740-10、および11時の光線印1740-11を具備するよく知られたクロックグリッド1740を見ることができ、これは、打撃フェース部分1702の種々の部分を半径方向に12の別個の領域に分割する。しかしながら、厚肉応力低減領域1420(図14に示す)が打撃フェース部分1702のヒールおよびトウ部分で完全に消失する前の実施例とは異なり、図17に示される厚肉応力低減領域1720は、打撃フェース部分1702のヒール部分およびトウ部分において最小限の壁厚を維持する。
【0071】
図17に示される当該発明のこの実施例において、厚肉応力低減領域1720は、1つの連続した構造であり、これは、上部厚肉応力低減領域1720-a、下部厚肉応力低減領域1720-b、トウ厚肉応力低減領域1720-c、およびヒール厚肉応力低減領域1720-dを具備し、トウ厚肉応力低減領域1720-cおよびヒール厚肉応力低減領域1720-dは、上部厚肉応力低減領域1720-aおよび下部厚肉応力低減領域1720-aと比較して相対的に小さい厚さを具備する。
【0072】
言い換えると、この発明のこの実施例において、厚肉応力低減領域は、1時の光線印1740-1と4時の光線印1740-1との間の厚みが減少した領域を具備してトウ厚肉応力低減領域1720-cを形成するとともに、8時の光線印1740-8と10時の光線印1740-10との間の厚みが低減された領域を具備してヒール厚肉応力低減領域1720-dを形成して良い。
【0073】
添付図面の図18は、この発明の代替的な実施例に従う打撃フェース部分1802の拡大断面図を示し、厚さが減少した厚肉応力低減領域1820をより詳細に示すことができる。先の実施形例と同様に、打撃フェース部分1802のこの断面図は、上部薄肉中間領域1818-a、下部薄肉中間領域1818-b、上部厚肉応力低減領域1820-a、下部厚肉応力低減領域1820-b、上部薄肉周囲領域1822-a、および下部薄肉周囲領域1822-bを含む。しかしながら、図18に示されるこの図は、トウ厚肉応力低減領域1820-cの減少した厚さを示すことができる。
【0074】
添付図面の図19は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1902の背面図を示す。この発明のこの実施例において、厚くなった応力低減領域1920が、薄くなった中間領域1918から外側に放射状に延びている。しかし、この発明のこの実施例においては、厚くなった応力低減領域1920は、リング形状ではなく馬蹄形状を具備し、打撃フェース部分1902の性能を向上させることができる異なる形状のフェースインサート1904を収容するのに役立つ。より具体的には、図19から、厚くなった応力低減領域1920は、トウ側上部厚肉応力低減領域1920-a1およびヒール側上部厚肉応力低減領域1920-a2として指定される2つの上部応力低減領域1920aを具備してよいことが分かる。トウ側上部厚肉応力低減領域1920-a1およびヒール側上部厚肉応力低減領域1920-a2は、両方とも、打撃フェース部分1902のクラウン遷移部分に直接接続していることに留意すべきである。つまり、打撃フェース部分1902のクラウン部分で互いに直接接続して完全なリングを形成するのではなく、むしろ不完全な円を形成する不連続性を生み出す。代替的には、応力低減領域1920が上述の馬蹄形を形成しているともいえる。その結果、馬蹄形の応力低減領域1920が厚くなっていることにより、打撃フェース部分1902の上部クラウン部分付近に開口部が形成される。
【0075】
ここで、トウ側上部厚肉応力低減領域1920-a1は、打撃フェース部分1902のトウ側においてトウ側厚肉応力低減領域1920-cに接続され、この領域は、打撃フェース部分1902のソール側ににおいて下部厚肉応力低減領域1920-bに接続され、この領域は、ヒール側厚肉応力低減領域1920-dに接続されるけれども、打撃フェース部分1902の上部クラウン領域では切断されたままであり、より高いフェースインサート1904を収容する。このフェースインサート1904は、フェースインサート1904の中央領域でより高くなるように設計されており、フェースインサート1904と周囲領域1903(図20に示す)との間の溶接線を、この現在の設計で高応力を生成する場所からさらに遠ざけるのに役立つ。周囲領域1903および中央開口部2050(図20に表示)の形状をさらに示すために、図20ではフェースインサート1904を取り外した状態を示している。
【0076】
最後に、図20では、断面線22-22'が、打撃フェース部分1902の幾何学的フェース中心1908を通過するように、打撃フェース部分1902を垂直に通って描かれていることがわかる。後に示す図22のゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分1902の断面図により、打撃フェース部分1902のさまざまな寸法を後でより詳細に示すことができる。
【0077】
添付図面の図20は、この発明のさらに他の実施例に従うゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分2002の背面図を示すけれども、図19に示すフェースインサート1904が除去されており、フェース周囲2006の境界とともに中央開口部2050がより明瞭に示されている。図20に示す打撃フェース部分2002は、馬蹄形の厚くなった応力低減領域2020と対になるため、馬蹄形の厚くなった応力低減領域2020の内周と実質的に一致する中央開口部2050を具備する。添付図面の図20は、中央開口部2050の境界を示すほかに、中央開口部2050の頂部レッジから打撃フェース部分2002のクラウン先端までの距離も示されており、この距離は、ここに示す距離D6で示される。図20に示す距離D6は、従来のゴルフクラブヘッドと比較してその距離がどの程度短縮されているかを示しており、一般に約1.25mm未満、より好ましくは約1.00mm未満、最も好ましくは約0.95mm未満である。この発明のこの実施例において示す距離D6は、一般に、図1に示すY軸、つまり図20に示す破線で示す面の幾何学的中心2008で取られる。
【0078】
従来形状のフェースインサート104(図1参照)は、通常、アスペクト比が約2.0の打撃フェース部分102(図1参照)の輪郭に一致するように設計された実質的に楕円形の形状を具備する。しかし、この発明のこの実施例に従うフェースインサート2104は、フェースが高いため、アスペクト比が約1.3~約1.7、より好ましくは約1.4~約1.6、最も好ましくは約1.5である。添付図面の図21は、この発明のこの代替的実施例に従うフェースインサート2102のみの背面図を示す。フェースインサート2104のアスペクト比は、一般に、フェースインサート2104の幅D7をフェースインサート2104の高さD8で割った比として定義することができる。この発明のこの1つの例示的な実施例において、フェースインサート2104の幅D7は、一般に約60mmから約64mmの間、より好ましくは約61mmから約63mmの間、最も好ましくは約62mmである。フェースインサート2104の高さD8は、一般に約40mmから約44mmの間、より好ましくは約41mmから約43mmの間、最も好ましくは約42mmである。言うまでもなく、中央開口部2050(図20に示す)である。
【0079】
言い換えれば、打撃フェース部分1902は、ゴルフボールに打撃するように適合されたゴルフクラブヘッドの前方部分と、打撃フェース部分1902の後部に取り付けられた本体部とに配置されると言える。打撃フェース部分1902は、中央開口部2050を具備するフェース周囲2006を具備し、フェース周囲2006は、第4の厚さを具備する馬蹄形厚肉応力低減領域2020を具備する。打撃フェース部分1902は、中央開口部2050と係合するように適合されたフェースインサート2104をさらに備え、フェースインサート2104は、第1の厚さを規定するフェースインサート2104の幾何学的中心2108の近くに位置する厚くなった中央領域を具備する。打撃フェース部分1902のフェース周囲2006内の厚肉応力低減領域2020は、厚肉応力低減領域2020のどの部分もフェースインサート2104と係合しないように形成される。この発明の好ましい実施例に従う厚肉応力低減領域2020の第4の厚さは、フェースインサート2104の中央領域の第1の厚さよりも大きい。
【0080】
添付図面の図22は、図19に示す断面線22-22'に沿って取ったゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分2202の拡大断面図を示す。打撃フェース部分2202のこの断面図では、フェースインサート2204が打撃フェース部分2202のクラウン先端から距離D6離れた位置に配置されていることが分かる。この発明で定義されるクラウン先端は、打撃フェース部分2202が打撃フェース平面と実質的に平面でなくなり、クラウンに移行し始める位置である。距離D6の値については既に上述で説明されているため、ここで繰り返さない。距離D6に加えて、添付の図面の図22には、クラウン頂点2252から測定されたフェースインサート2204の上端の位置を測定する距離D9も示されている。クラウン頂点2252は、一般に、図19に示されている中央断面22-22'にあるクラウンの最高点として定義される。この発明のこの例示的な実施例に示されている距離D9は、一般に、約10mm未満、より好ましくは約9mm未満、最も好ましくは約8mm未満であり、いずれもこの発明の範囲および内容から逸脱するものではない。
【0081】
断面線22-21'は、幾何学的フェース中心1908(図19参照)に位置しているため、厚肉応力低減領域2220が不連続な位置でクラブヘッドを二分しており、したがって、この断面図では、上側の厚肉応力低減領域の実際の厚さは示されていない。しかし、図22は、厚さT4-bを有する下側の厚肉応力低減領域2220-bの厚さを示しており、これは、前述の厚さと同様である。クラブヘッドの頂部では、上側の厚肉応力低減領域1920-a(図19参照)の厚さは見えないが、トウ側の上側の厚肉応力低減領域2220-a1が、クラウン遷移部分に直接接続されていることが背景に見えている。
【0082】
添付図面の図22は、この発明の以前の実施形態とは異なる厚さT3-aを有する上部薄肉周囲領域2218-aの厚さも示している。上部薄肉周囲領域2218-aの厚さの増加は、ゴルフボールに衝突したときに打撃フェース部分2202の特定の位置で発生する高い応力の一部を緩和するために必要である。この発明のこの代替的実施例に従う厚さT3-aは、通常、約2.3mmから約2.6mmの間、より好ましくは約2.4mmから約2.5mmの間、最も好ましくは約2.45mmの間であり、いずれもこの発明の範囲および内容から逸脱するものではない。上部の薄肉の周囲領域2218-aのこの位置は、通常、厚肉応力低減領域2220がリング全体を形成する他の実施例よりも、打撃フェース部分2202の上方にまで延びる。
【0083】
添付図面の図23は、この発明のこの代替的実施例に従うゴルフクラブヘッド2300の分解斜視図を示す。図23に示す分解図では、フェースインサート2304がフェース外周2306から移動されて中央開口部2350が露出しており、これらの接合されたコンポーネント間の関係がより明確に示されている。上述に加えて、図23に示すゴルフクラブヘッド2300の分解図では、中央開口部の頂部レッジとクラウンリーディングエッジとの間の距離D6を別の視点で示すことができる。
【0084】
ここで説明する実施例のほとんどは、解放可能なホーゼル穴カバーを作成することを目的としているが、これらの実施例はすべて、ホーゼル穴カバーをホーゼル穴内に留まらせるために接着剤を含んで、ホーゼルホーカバーを除去できないようにして良いことに留意されたい。これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0085】
動作例以外、または、特に明記しない限り、本明細書の先の部分における、材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角度、種々の性能比、その他のような、すべての数値範囲、量、値およびパーセンテージは、「約」という用語が値、量、または範囲に明示的に現れなくても、「約」という用語が前に付いているかのように理解して良い。したがって、そうでないと示されない限り、上述の明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、この発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を請求項の範囲に限定することを試みることなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0086】
この発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。ただし、数値には本質的に、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に起因する特定の誤差が含まれている。さらに、様々な範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組み合わせが使用され得ることに留意されたい。
【0087】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、前面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記前面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉中央領域と、
上記厚肉中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉中間領域と、
上記薄肉中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉応力低減領域と、
上記厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉周囲領域とを有し、
上記厚肉応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出する、馬蹄形リングを形成し、
上記第4の厚さは、上記厚さより大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記馬蹄形リングの開口部は、上記打撃フェース部分のクラウン遷移部分の近くに配置されている請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記厚肉応力低減領域は、さらに、
トウ側上部厚肉応力低減領域、
トウ側厚肉応力低減領域、
下部厚肉応力低減領域、
ヒール側厚肉応力低減領域、および、
ヒール側上部厚肉応力低減領域を有し、
上記トウ側上部厚肉応力低減領域および上記ヒール側上部厚肉応力低減領域は、互いに不連続である請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記トウ側上部厚肉応力低減領域は、上記クラウン遷移部分に直接接続されている請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記ヒール側上部厚肉応力低減領域が上記クラウン遷移部分に直接接続されている請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記厚肉応力低減領域は、約0.6から約1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記T対H比が約0.7から約0.9の間である、請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記T対H比が約0.8である、請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
ゴルフボールに衝突するように適合された、ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後部に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
中央開口部を具備する周囲領域であって、さらに第4の厚さを具備する厚肉応力低減領域を有する上記周囲領域と、
上記中央開口部と係合するように適合されたフェースインサートとを有し、
上記フェースインサートが、さらに、上記打撃フェース部分の幾何学的中心の近くに位置する第1の厚さを具備する厚肉中央領域を有し、
上記厚肉応力低減領域のどの部分も上記フェースインサートと係合せず、
上記第4の厚さは上記第1の厚さよりも大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
以下ここで説明した技術的特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
ゴルフクラブヘッドにおいて、
上記ゴルフクラブヘッドの前面部分に位置付けられ、ゴルフボールを打撃するように適合化された打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後方に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
実質的に平面である、前面打撃表面と、
内部背面表面とを有し、
上記前面打撃表面および上記内部背面表面とが組み合わさって、さらに、
上記打撃フェース部分の幾何中心近くに位置付けられ、第1の厚さを具備する厚肉中央領域と、
上記厚肉中央領域から半径方向外向きに延び、可変厚さを具備する中央遷移領域と、
上記中央遷移領域から半径方向外向きに延び、第3の厚さを具備する薄肉中間領域と、
上記薄肉中間領域から半径方向外向きに延び、第4の厚さを具備する、厚肉応力低減領域と、
上記厚肉応力低減領域から半径方向外向きに延び、第5の厚さを具備する、薄肉周囲領域とを有し、
上記厚肉応力低減領域は、上記打撃フェース部分の上記内部背面表面から後方に突出する、馬蹄形リングを形成し、
上記第4の厚さは、上記厚さより大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴2]
上記馬蹄形リングの開口部は、上記打撃フェース部分のクラウン遷移部分の近くに配置されている技術的特徴1に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴3]
上記厚肉応力低減領域は、さらに、
トウ側上部厚肉応力低減領域、
トウ側厚肉応力低減領域、
下部厚肉応力低減領域、
ヒール側厚肉応力低減領域、および、
ヒール側上部厚肉応力低減領域を有し、
上記トウ側上部厚肉応力低減領域および上記ヒール側上部厚肉応力低減領域は、互いに不連続である技術的特徴2に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴4]
上記トウ側上部厚肉応力低減領域は、上記クラウン遷移部分に直接接続されている技術的特徴3に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴5]
上記ヒール側上部厚肉応力低減領域が上記クラウン遷移部分に直接接続されている技術的特徴4に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴6]
上記厚肉応力低減領域は、約0.6から約1.1の間のT対H比を有し、上記T対H比は以下のように定義される、
T対H比=(厚肉応力低減領域の上記第4の厚さT4)/(厚肉応力低減領域の高さH4)
技術的特徴5に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴7]
上記T対H比が約0.7から約0.9の間である、技術的特徴6に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴8]
上記T対H比が約0.8である、技術的特徴7に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴9]
ゴルフボールに衝突するように適合された、ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェース部分と、
上記打撃フェース部分の後部に取り付けられた本体部分とを有し、
上記打撃フェース部分は、さらに、
中央開口部を具備する周囲領域であって、さらに第4の厚さを具備する厚肉応力低減領域を有する上記周囲領域と、
上記中央開口部と係合するように適合されたフェースインサートとを有し、
上記フェースインサートが、さらに、上記打撃フェース部分の幾何学的中心の近くに位置する第1の厚さを具備する厚肉中央領域を有し、
上記厚肉応力低減領域のどの部分も上記フェースインサートと係合せず、
上記第4の厚さは上記第1の厚さよりも大きいことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴10]
上記中央開口部の頂部レッジは、上記打撃フェース部分のクラウン先端から約1.5mm未満の距離に配置されている技術的特徴9に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴11]
上記中央開口部の上記頂部レッジは、上記打撃フェース部分の上記クラウン先端から約1.0mm未満の距離に配置されている技術的特徴10に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴12]
上記中央開口部の上記頂部レッジは、上記打撃フェース部分の上記クラウン先端から約0.9mm未満の距離に配置されている技術的特徴11に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴13]
上記厚肉中央領域は不完全な円を形成する技術的特徴10に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴14]
上記不完全な円の不連続部は、上記厚肉中央領域のクラウン側の近くに配置されている技術的特徴13に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴15]
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.3~約1.7である技術的特徴9に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴16]
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.4~約1.6である技術的特徴15に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴17]
上記フェースインサートのアスペクト比が約1.5である技術的特徴16に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴18]
上記中央開口部の頂部レッジはクラウン頂点から約10mm未満の距離に配置されている技術的特徴9に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴19]
上記中央開口部の上記頂部レッジは、クラウン頂点から約9mm未満の距離に配置されている技術的特徴18に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴20]
上記中央開口部の上記頂部レッジは、クラウン頂点から約8mm未満の距離に配置されている技術的特徴19に記載のゴルフクラブヘッド。
[符号の説明]
100 ゴルフクラブヘッド
101 座標系
102 打撃フェース部分
104 フェースインサート
106 フェース周囲
108 幾何学的フェース中心
200 ゴルフクラブヘッド
202 打撃フェース部分
203 後方本体部分
204 フェースインサート
206 フェース周囲
210 前面打撃表面
212 後方内側表面
214 中央領域
216 中央遷移領域
218 中間領域
220 応力低減領域
222 周囲領域
702 打撃フェース部分
714 中央領域
716 中央遷移領域
718 薄肉中間領域
720 応力低減領域
722 薄肉周囲領域
800 ゴルフクラブヘッド
802 打撃フェース部分
818 中間領域
820 応力低減領域
822 周囲領域
1002 打撃フェース部分
1020 応力低減領域
1100 ゴルフクラブヘッド
1103 本体部分
1104 フェースインサート
1130 ガスケット
1132 周囲レッジ
1134 ポケット
1200 ゴルフクラブヘッド
1202 前面打撃フェース部分
1203 後方本体部分
1204 フェースインサート
1220 応力低減領域
1230 ガスケット
1232 周囲レッジ
1234 開口ポケット
1402 前面打撃フェース部分
1408 幾何学的フェース中心
1414 厚肉中央領域
1416 中央遷移領域
1418 薄肉中間領域
1420 厚肉応力低減領域
1422 薄肉周囲領域
1440 光線印
1502 打撃フェース部分
1520厚肉応力低減領域
1540 光線印
1602 打撃フェース部分
1618 薄肉中間領域
1620 厚肉応力低減領域
1622 薄肉周囲領域
1702 打撃フェース部分
1720 厚肉応力低減領域
1740 光線印
1802 打撃フェース部分
1818 薄肉中間領域
1820 厚肉応力低減領域
1822 薄肉周囲領域
1902 打撃フェース部分
1903 周囲領域
1904 フェースインサート
1908 幾何学的フェース中心
1918 中間領域
1920 応力低減領域
2002 打撃フェース部分
2006 フェース周囲
2008 幾何学的中心
2020 馬蹄形厚肉応力低減領域
2050 中央開口部
2104 フェースインサート
2108 幾何学的中心
2202 打撃フェース部分
2204 フェースインサート
2218 薄肉周囲領域
2220 厚肉応力低減領域
2252 クラウン頂点
2300 ゴルフクラブヘッド
2304 フェースインサート
2306 フェース外周
2350 中央開口部
【外国語明細書】