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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099573
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】圧電デバイス及び超音波流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/667 20220101AFI20250626BHJP
   G01F 1/66 20220101ALI20250626BHJP
【FI】
G01F1/667 B
G01F1/66 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216346
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000142425
【氏名又は名称】アズビル金門株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 智仁
(72)【発明者】
【氏名】布村 崇裕
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035FB02
(57)【要約】
【課題】音響インピーダンスの差を大きくすることで、振動の筐体への伝達を抑制することができる圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電デバイス40は、ケース部材20a,20bに設けられ、圧電素子42が取り付けられる金属板41を内周部に支持するパッキン45を備える。パッキン45は、ケース部材20a,20bと金属板41との間に中空部Sを形成する突出部53を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられ、圧電素子が取り付けられる取付板を内周部に支持するパッキンを備え、
前記パッキンは、
前記筐体と前記取付板との間に中空部を形成する中空形成部を有する
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記中空部は、前記パッキンの周方向に沿って複数形成される
ことを特徴とする請求項1記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記中空形成部は、
前記パッキンの外周面から外側に向けて突出し、前記筐体に接触する突出部である
ことを特徴とする請求項1記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記中空形成部は、前記筐体に対して点接触又は線接触する
ことを特徴とする請求項1記載の圧電デバイス。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の圧電デバイスを一対備える
ことを特徴とする超音波流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電デバイス及び超音波流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電素子を有する圧電デバイスが開示されている。特許文献1に開示された圧電デバイスは、圧電素子を伸縮させることで振動を発生させる。また、特許文献1に開示された圧電デバイスは、圧電素子が取り付けられる取付板を、制振部材を介して、筐体に固定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/164890号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された圧電デバイスは、樹脂材料で形成した制振部材の外周部に突起を設けている。この突起は、筐体に当接している。このため、特許文献1に開示された圧電デバイスは、圧電素子の振動、及び、この振動を受けて発生する取付板の振動を減衰させて、筐体への振動の伝達を抑制している。
【0005】
ここで、音の伝わり易さを示す音響インピーダンスの観点から考えると、固体同士の間では、互いの音響インピーダンス間に、殆ど差が生じない。このため、特許文献1に開示された圧電デバイスにおいては、制振部材の突起と筐体とを互いに接触させても、それらの音響インピーダンスの差が小さいため、制振部材から筐体への振動の伝達を十分に抑制することができない。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、音響インピーダンスの差を大きくすることで、振動の筐体への伝達を抑制することができる圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る圧電デバイスは、筐体に設けられ、圧電素子が取り付けられる取付板を内周部に支持するパッキンを備え、パッキンは、筐体と取付板との間に中空部を形成する中空形成部を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、音響インピーダンスの差を大きくすることで、振動の筐体への伝達を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る圧電デバイスが適用される超音波流量計の外観斜視図である。
図2】実施の形態1に係る圧電デバイスがケース部材に取り付けられた状態の斜視図である。図2Aは、キャップがケース部材から取り外された状態を示す図である。図2Bは、キャップがケース部材に取り付けられた状態を示す図である。
図3】実施の形態1に係る圧電デバイスの外観斜視図である。図3Aは、圧電デバイスを上方側から見た図である。図3Bは、圧電デバイスを下方側から見た図である。
図4】パッキンを正面側から見た外観斜視図である。
図5】パッキンを背面側から見た外観斜視図である。
図6】圧電デバイスをケース部材に取り付けた状態の平面図である。
図7】変形例となる中空形成部を部分的に示す図である。図7Aは、矩形の中空部を有する中空形成部を示す図である。図7Bは、円形の中空部を有する中空形成部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る圧電デバイス40a,40bについて、図1から図6を用いて説明する。
【0012】
先ず、実施の形態1に係る超音波流量計100の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は実施の形態1に係る圧電デバイス40a,40bが適用される超音波流量計100の外観斜視図である、図2は、実施の形態1に係る圧電デバイス40bがケース部材20bに取り付けられた状態の斜視図である。なお、図1においては、上流側の配線44及び下流側のキャップ30bが取り外されている。
【0013】
図1に示す超音波流量計100は、超音波を用いて、流体の流量又は流速を測定するものである。測定対象となる流体は、空気又はガス等の気体、或いは、水等の液体である。超音波流量計100は、例えば、ガスメータ又は水道メータ等に搭載される。図1に記載した矢印は、超音波流量計100の内部を通過する流体の流れ方向を示している。
【0014】
図1に示すように、超音波流量計100は、1つの測定管10、一対のケース部材20a,20b、一対のキャップ30a,30b、及び、一対の圧電デバイス40a,40bを備えている。測定管10及びケース部材20a,20bは、超音波流量計100の筐体を構成するものである。
【0015】
測定管10は、筒状をなしている。測定管10は、測定流路11、流入口12、及び、流出口13を有している。測定管10は、例えば、樹脂材料で形成されている。測定流路11、流入口12、及び、流出口13は、一体的に形成されている。
【0016】
測定流路11は、測定管10の内周面によって構成されるものであり、当該測定管10の軸方向に沿って形成されている。流体は、測定流路11の軸方向に沿って流れる。測定流路11の上流側開口端は、流体が流入する流入口12を構成している。一方、測定流路11の下流側開口端は、流体が流出する流出口13を構成している。即ち、測定管10は、流入口12から測定流路11内に供給された流体を、その測定流路11を通過させた後、流出口13から排出する。詳細については後述するが、超音波流量計100は、流体が測定流路11を通過するときに、その流量又は流速を測定する。
【0017】
図1及び図2に示すように、ケース部材20a,20bは、圧電デバイス40a,40bを測定管10に取り付けるための部材である。ケース部材20a,20bは、測定管10における同一面となる上面において、測定流路11の軸方向(流体の流れ方向)に沿って設けられている。一方のケース部材20aは、測定流路11の上流側に配置されている。他方のケース部材20bは、測定流路11の下流側に配置されている。
【0018】
ケース部材20a,20bは、例えば、樹脂材料で形成されている。ケース部材20a,20bは、測定管10と一体に形成されるものでも良いし、測定管10とは別体となるものでも良い。
【0019】
ケース部材20a,20bは、環状をなす底板(図示省略)と、この底板の外周部に設けられる縦壁22とを、有している。このように、ケース部材20a,20bは、上方側が開口した、箱型をなしている。このため、ケース部材20a,20bは、その内部に圧電デバイス40a,40bを収容し、取り付け可能としている。ケース部材20a,20bは、その中心軸が測定流路11の軸方向に対して傾斜するように配置されている。なお、縦壁22は、切り欠き状をなす、配線用の通過口22aを有している。
【0020】
図1及び図2に示すように、キャップ30a,30bは、圧電デバイス40a,40bを保護するためのカバーとして、ケース部材20a,20bの各縦壁22に対して、それぞれ取り付け可能となっている。キャップ30a,30bは、例えば、樹脂材料で形成されている。
【0021】
圧電デバイス40a,40bは、例えば、超音波センサ又は超音波振動素子であり、超音波を発生させるものである。圧電デバイス40a,40bは、お互いの間で、超音波の送受信を可能としている。一方の圧電デバイス40aは、超音波の発振器及び受信器として機能する。他方の圧電デバイス40bは、超音波の受信器及び送信機として機能する。
【0022】
圧電デバイス40a,40bは、測定流路11の軸方向に沿って設けられている。圧電デバイス40a,40bは、ケース部材20a,20bの内部に取り付けられている。即ち、測定流路11の上流側に配置される一方の圧電デバイス40aは、ケース部材20aの内部に取り付けられている。また、測定流路11の下流側に配置される他方の圧電デバイス40bは、ケース部材20bの内部に取り付けられている。
【0023】
このように、圧電デバイス40a,40bは、ケース部材20a,20bの内部に取り付けられることで、その中心軸が測定流路11の軸方向に対して傾斜し、且つ、測定流路11を臨むように配置される。具体的には、圧電デバイス40aは、その送受信面が下流側を向くように、傾斜して配置されている。また、圧電デバイス40bは、その送受信面が上流側を向くように、傾斜して配置されている。更に、圧電デバイス40a,40bは、ケース部材20a,20bの内部に取り付けられると、その周囲が縦壁22によって囲まれることになるが、当該縦壁22の上端よりも上方側に突出することはない。
【0024】
ここで、超音波流量計100は、圧電デバイス40a,40bから送信された超音波を、測定流路11を流れる流体中に伝播させる。そして、超音波流量計100は、圧電デバイス40a,40b間における超音波の伝播時間差に基づいて、測定流路11を流れる流体の流量又は流速を測定する。
【0025】
具体的には、圧電デバイス40aから送信された超音波は、測定流路11を流れる流体中を、上流側から下流側に向けて斜めに伝播して、当該測定流路11の底面に反射した後、圧電デバイス40bによって受信される。一方、圧電デバイス40bから送信された超音波は、測定流路11を流れる流体中を、下流側から上流側に向けて斜めに伝播して、当該測定流路11の底面に反射した後、圧電デバイス40aによって受信される。即ち、双方の超音波の伝播経路は、V字状にそれぞれ形成される。そして、超音波流量計100は、圧電デバイス40a,40bが超音波を送受信することで、2方向の超音波の伝播時間をそれぞれ求めた後、それらの伝播時間差に基づいて、測定流路11を流れる流体の流量又は流速を測定する。
【0026】
次に、圧電デバイス40a,40bの構成について、図3から図6を用いて説明する。図3は、実施の形態1に係る圧電デバイス40の外観斜視図である。図4は、パッキン45を正面側から見た外観斜視図である。図5は、パッキン45を背面側から見た外観斜視図である。図6は、圧電デバイス40をケース部材20aに取り付けた状態の平面図である。図7は、変形例となる中空形成部56A,56Bを部分的に示す図である。なお、圧電デバイス40a,40bは、同じ構成で、且つ、同じ機能を有しているため、以下の説明においては、圧電デバイス40a,40bを圧電デバイス40として記載している。
【0027】
図3に示すように、圧電デバイス40は、全体として、円形をなしている。圧電デバイス40は、金属板41、圧電素子42、音響整合層43、配線44、及び、パッキン45を有している。
【0028】
金属板41は、平板状で、且つ、円形に形成されている。この金属板41は、振動板の役割を果たすものである。金属板41は、上面41a及び下面41bを有している。上面41aと下面41bとは、金属板41の厚さ方向において、互いに反対側に配置されている。金属板41は、例えば、ステンレス、アルミニウム、又は、銅等の金属材料で形成されている。
【0029】
上面41aは、圧電デバイス40がケース部材20a,20bに取り付けられると、ケース部材20a,20bの開口部側に配置される。この上面41aは、圧電素子42を取り付けるための面である。下面41bは、圧電デバイス40がケース部材20a,20bに取り付けられると、ケース部材20a,20bの底板と対向する。この下面41bは、音響整合層43を取り付けるための面である。
【0030】
なお、金属板41は、取付板を構成するものである。上面41aは、第1表面を構成するものである。下面41bは、第2表面を構成するものである。
【0031】
圧電素子42は、電気信号である超音波信号と超音波とを相互に変換可能とする。また、圧電素子42は、超音波を送受信可能となっている。具体的には、圧電素子42は、電圧が印加されると、金属板41の厚さ方向に伸縮(振動)することで、超音波を発生する。また、圧電素子42は、外部から超音波(振動)が加わると、電圧を発生する。圧電素子42は、例えば、接着剤を介して、金属板41の上面41aに取り付けられている。
【0032】
音響整合層43は、圧電素子42における超音波の送受信の効率を向上させるものである。この音響整合層43は、圧電素子42の音響インピーダンスと流体の音響インピーダンスとを整合して、それらの間における超音波の反射を抑制する。このため、音響整合層43は、測定流路11と対向する下面41bに取り付けられている。
【0033】
よって、圧電素子42によって発生された超音波は、金属板41を介して、音響整合層43から測定流路11に出射される。一方、測定流路11から音響整合層43に入射された超音波は、金属板41を介して、圧電素子42に伝播される。
【0034】
2本の配線44は、金属板41の上面41a及び圧電素子42の表面に、それぞれ接続されている。これらの配線44は、ケース部材20a,20bの内部に取り付けられた圧電デバイス40から、その縦壁22の通過口22aを介して、超音波流量計100が備える制御装置(図示省略)まで引き出されている。
【0035】
具体的には、一方の配線44の一端は、金属板41の上面41aに接続され、当該配線44の他端は、超音波流量計100が備える制御装置(図示省略)に接続されている。また、他方の配線44の一端は、圧電素子42の表面に接続されており、当該配線44の他端は、上記制御装置に接続されている。
【0036】
パッキン45は、圧電デバイス40のケース部材20a,20bへの固定と、圧電素子42によって発生された超音波振動の減衰の抑制との、両立を図るものである。このように、超音波流量計100は、圧電デバイス40を、パッキン45を介して、ケース部材20a,20bに固定することで、圧電デバイス40からケース部材20a,20bを介して測定管10に伝わる振動を抑えることができる。このため、超音波流量計100は、測定精度の低下を抑えることができる。
【0037】
図4及び図5に示すように、パッキン45は、本体51、外周壁部52、突出部53、配線保持部54、及び、差し込み溝55を有している。パッキン45は、例えば、弾性樹脂材料で形成されている。本体51、外周壁部52、突出部53、配線保持部54、及び、差し込み溝55は、一体的に形成されている。
【0038】
本体51は、環状をなしている。外周壁部52は、本体51の上面外周部において、その周方向に沿って設けられている。
【0039】
突出部53は、外周壁部52の外周面において、その周方向に沿って複数設けられている。突出部53は、外周壁部52の外周面から、その径方向外側に向かって突出するように形成されている。このため、突出部53は、ケース部材20a,20bの内周面に対して、潰れたように弾性変形しつつ、点接触又は線接触する。図4及び図5は、1つの外周壁部52に対して、5つの突出部53を形成した例である。また、図4及び図5は、突出部53がケース部材20a,20bに対して線接触する形状を有する例である。
【0040】
配線保持部54は、2本の配線44を保持するものである。配線保持部54には、配線44を保持する溝が形成されている。配線保持部54は、本体51から径方向外側に向けて突出するように形成されている。また、配線保持部54は、径方向両側の外周壁部52と連続するように形成されている。
【0041】
差し込み溝55は、金属板41の外周部が差し込まれる溝である。差し込み溝55は、外周壁部52の径方向内側において、複数設けられている。差し込み溝55は、径方向において、所定の間隔で配置されている。図4及び図5は、4つの差し込み溝55を形成した例である。なお、差し込み溝55は、パッキン45の内周部を構成するものである。
【0042】
ここで、突出部53は、中空形成部を構成するものである。図6に示すように、突出部53は、圧電デバイス40がケース部材20a,20bに取り付けられたときに、ケース部材20a,20bと、パッキン45に差し込まれる金属板41との間に、隙間となる複数の中空部Sを形成する。パッキン45は、複数の突出部53を有することで、複数の中空部Sを当該パッキン45の周方向に沿って形成させる。
【0043】
なお、図6は、圧電デバイス40を一方のケース部材20aに取り付けた状態のみを示すものであって、圧電デバイス40を他方のケース部材20bに取り付けた状態については省略している。また、図6においては、配線45が省略されている。
【0044】
このように、圧電デバイス40は、複数の突出部53をパッキン45に形成することにより、ケース部材20a,20bにおける縦壁22の内面と、パッキン45における外周壁部52の外周面との間に、複数の中空部Sを設けることができる。このため、パッキン45においては、外周壁部52が中空部Sに接触する接触面積は、突出部53がケース部材20a,20bに接触する接触面積よりも、遥かに広くなる。この結果、パッキン45の音響インピーダンスと、中空部Sに存在する気体(例えば、空気)のインピーダンスとの間には、大きな差が生じる。よって、パッキン45に伝えられた振動は、気体によって反射し、ケース部材20a,20bに伝わり難くなる。
【0045】
なお、上述した実施の形態1においては、中空形成部として、突出部53を例として挙げているが、中空部Sを形成するものであれば、それに限定されるものではない。この点について、図7を用いて説明する。
【0046】
図7Aに示すように、中空形成部56Aは、突出部53に替えて設けられたものである。中空形成部56Aは、外周壁部52の外周面に、その周方向に沿って設けられている。即ち、中空形成部56Aは、外周壁部52の外周面の周方向全域に設けられた、環状をなす部位である。この中空形成部56Aには、矩形の中空部Sが複数設けられている。このため、中空形成部56Aの音響インピーダンスと、中空部Sに存在する気体のインピーダンスとの間には、大きな差が生じる。この結果、パッキン45に伝えられた振動は、気体によって反射し、ケース部材20a,20bに伝わり難くなる。
【0047】
図7Bに示すように、中空形成部56Bは、突出部53に替えて設けられたものである。中空形成部56Bは、外周壁部52の外周面に、その周方向に沿って設けられている。即ち、中空形成部56Bは、外周壁部52の外周面の周方向全域に設けられた、環状をなす部位である。この中空形成部56Bには、円形の中空部Sが複数設けられている。このため、中空形成部56Bの音響インピーダンスと、中空部Sに存在する気体のインピーダンスとの間には、大きな差が生じる。この結果、パッキン45に伝えられた振動は、気体によって反射し、ケース部材20a,20bに伝わり難くなる。
【0048】
以上、実施の形態1に係る圧電デバイス40は、音響インピーダンスの差を大きくすることで、振動の筐体への伝達を抑制することができる。
【0049】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは、実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 測定管、11 測定流路、12 流入口、13 流出口、20a,20b ケース部材、22 縦壁、22a 通過口、30a,30b キャップ、40,40a,40b 圧電デバイス、41 金属板、41a 上面、41b 下面、42 圧電素子、43 音響整合層、44 配線、45 パッキン、51 本体、52 外周壁部、53 突出部、54 配線保持部、55 差し込み溝、56A,56B 中空形成部、100 超音波流量計、S 中空部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7