(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099576
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250626BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216350
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA05
2C333CA49
2C333CA50
2C333CA76
(57)【要約】
【課題】保留連演出に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供する。
【解決手段】保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点までに記憶されている全保留の中に「大当たり(特殊小当たりを含む)」と事前判定される判定情報が記憶されている場合、大当たり遊技中にその旨を報知する保留連演出を実行させる。ただし、「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる判定情報が記憶されていることに基づいて単純に保留連演出を実行するのではなく、保留の記憶順に応じて保留連演出の実行確率をそれぞれ定めるようにした。これにより、同じ「大当たり(特殊小当たりを含む)」であっても、その記憶順に応じて保留連演出の実行確率が異なることになる。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球の入賞を契機に判定情報を取得する判定情報取得手段と、前記判定情報取得手段による取得順序が古い順に、前記判定情報を所定の上限数まで保留として記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に記憶された前記判定情報を用いて特典を付与するか否かを判定する特典判定手段と、を有する遊技機であって、
前記特典判定手段による判定に供される前に、特典付与の判定結果を事前に判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定の結果、前記保留記憶手段に記憶されている判定情報の中に前記特典を付与するものが含まれている場合にその旨を報知する保留連演出を実行させるか否かを決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段によって前記保留連演出の実行が決定された場合、前記保留連演出を大当たり遊技中に実行する演出実行手段と、を有し、
前記保留記憶手段に記憶されている保留毎に前記保留連演出の実行確率が定められていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が操作可能な操作手段を有し、
前記操作手段の操作によって、前記保留連演出の実行確率を、保留毎に任意の確率に変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出決定手段は、
前記特典を付与すると事前判定された保留について前記保留記憶手段に記憶されている保留の中での記憶順を確認し、その順番に対応付けられた確率に従って前記保留連演出の実行可否を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技球が通過可能な特定領域が設けられた特別入賞装置と、
前記特典判定手段によって大当たりと判定された場合、又は前記特典判定手段によって小当たりと判定されたことを契機に前記特別入賞装置が開放して遊技球が前記特定領域を通過した場合に、大当たり遊技を実行させる大当たり遊技実行手段と、を有し、
前記特典判定手段が判定する小当たりには、前記特定領域を遊技球が通過可能な特殊小当たりと、前記特定領域を遊技球が通過不能な通常小当たりと、を含み、
前記演出決定手段は、前記事前判定手段による事前判定の結果、前記特殊小当たりであると事前判定された場合には前記保留連演出の実行を決定可能である一方、前記通常小当たりであると事前判定された場合には前記保留連演出を実行させないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入賞すると当否判定が行われ、その当否判定の結果が大当たりである場合に、大当たり遊技を実行する遊技機が知られている。このようなパチンコ遊技機では、次回も大当たりが発生することに対する遊技者の期待感を向上させるために、大当たりが連続する可能性を示唆する保留連演出が、大当たり遊技中に実行されることがある(例えば、特許文献1参照)。保留連演出は、実行が保留されている大当たり判定の結果を先読みすることによって実行可否が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような保留連演出の実行可否の決定方法に関し、大当たりとなる保留が存在すれば実行され、大当たりとなる保留が存在しなければ実行されないという二択しか存在せず、保留連演出の実行可否の決定方法については改善の余地がある。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、保留連演出に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、始動口への遊技球の入賞を契機に判定情報を取得する判定情報取得手段と、前記判定情報取得手段による取得順序が古い順に、前記判定情報を所定の上限数まで保留として記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に記憶された前記判定情報を用いて特典を付与するか否かを判定する特典判定手段と、を有する遊技機であって、前記特典判定手段による判定に供される前に、特典付与の判定結果を事前に判定する事前判定手段と、前記事前判定手段による事前判定の結果、前記保留記憶手段に記憶されている判定情報の中に前記特典を付与するものが含まれている場合にその旨を報知する保留連演出を実行させるか否かを決定する演出決定手段と、前記演出決定手段によって前記保留連演出の実行が決定された場合、前記保留連演出を大当たり遊技中に実行する演出実行手段と、を有し、前記保留記憶手段に記憶されている保留毎に前記保留連演出の実行確率が定められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、保留連演出に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図3】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図8】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
【
図9】メイン側主制御処理のフローチャートである。
【
図10】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図11】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図13】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図14】特図大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図15】特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図17】特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図18】特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。
【
図19】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図20】サブ側主制御処理のフローチャートである。
【
図21】1msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図22】10msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図23】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図24】先読み演出判定処理のフローチャートである。
【
図25】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図28】(a)~(e)は、保留連演出の流れを示す模式図である。
【
図29】第2実施形態における保留連演出の実行確率に係るカスタム画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(
図3)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(
図3)と、演出ボタンランプ9c(
図3)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0014】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0016】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図2)及び賞球払出装置400(
図2)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(
図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0017】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0018】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、
図3では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0019】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置33と、表示器類50とを備える。
【0020】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下方の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0021】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。つまり、可動部材21の開閉動作によって第2始動口22への遊技球の入賞(入球)頻度が変化する。なお、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
【0022】
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。
図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0023】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(
図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0024】
第1大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置33は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置33は、第2大入賞口35を開閉する第2開閉部材34を備える。第1大入賞口32及び第2大入賞口35は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31及び第2開閉部材34は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32及び第2大入賞口35に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
【0025】
第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(V入賞領域ともいう、図示せず)及び非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口35に入賞した遊技球を特定領域又は非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド35d(
図2)とが設けられている。第2大入賞装置33は、本発明における「特別入賞装置」の一例である。
【0026】
図1の説明に戻り、表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側下方であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。
図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0027】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0028】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0029】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0030】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。なお、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0031】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0032】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0033】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0034】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、
図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
【0035】
演出図柄変動パターンの変動表示は、特図変動パターンの変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。
【0036】
演出図柄変動パターンの変動表示は、特図変動パターンの変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。
図1に示すように、演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。第1演出保留表示領域51B及び第2演出保留表示領域52Bは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数を知ることができる。同様に、遊技者は、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第2特図保留数を知ることができる。
【0037】
このように、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。なお、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。
【0038】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0039】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、
図2及び
図3に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図2)と、払出制御基板73(
図2)と、サブ制御基板100(
図3)と、画像制御基板200(
図3)と、音声制御基板78(
図3)と、ランプ制御基板79(
図3)とを備えている。
【0040】
図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、を備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65と、RAMクリアスイッチ66と、を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル(この例では
図4参照)、大当たり種別判定テーブル(この例では
図5参照)、小当たり種別判定テーブル(この例では
図6参照)、リーチ判定テーブル(この例では
図7参照)、特図変動パターン選択テーブル(この例では
図8参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
【0041】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
【0042】
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0043】
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0044】
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0045】
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0046】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。また、パチンコ遊技機1では、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(
図3)を初期化する。
【0047】
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ35aと、特定領域センサ35bと、非特定領域センサ35cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド33aと、振分部材ソレノイド35dと、が電気的に接続されている。
【0048】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口35に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ35bは、第2大入賞口35内部の特定領域(図示せず)内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ35cは、第2大入賞口35内部の非特定領域(図示せず)に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0049】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド33aは、第2大入賞装置33の第2開閉部材34を開閉駆動する。振分部材ソレノイド35dは、第2大入賞装置33の内部に設けられた振分部材を駆動する。
【0050】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0051】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0052】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0053】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0054】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0055】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0056】
(サブ制御基板)
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、を備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0057】
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0058】
第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0059】
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。変動演出パターンとは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定するパターンである。
【0060】
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP(Video Display Processor)201と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0061】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0062】
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0063】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0064】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0065】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
【0066】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0067】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。パチンコ遊技機1では、大当たりに当選した場合には第1大入賞口32が開放され、小当たりに当選した場合には第2大入賞口35が開放される。より詳細に説明すると、大当たり判定で大当たりに当選した場合は「1種大当たり」となり、「大当たり」を示す図柄が確定表示された後、大入賞口(実施形態では第1大入賞口32)を開閉させるラウンド遊技を規定ラウンド数だけ実行する大当たり遊技が実行される。大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間を「ラウンド」といい、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。ちなみに、大当たり遊技を構成する各ラウンド遊技は、ラウンド遊技の終了条件の成立により終了する。ラウンド遊技の終了条件とは、大入賞口に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立することである。一方、大当たり判定で小当たりに当選すると、「小当たり」を示す図柄が確定表示された後、大当たり遊技を構成するラウンド遊技における大入賞口の開放時間よりも短い時間だけ大入賞口(実施形態では第2大入賞口35)が開放される。小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放時間は、少なくとも1球の遊技球が入賞可能な時間(例えば1.2秒)とされている。また、小当たり当選に基づく開放中も、規定個数の遊技球が第2大入賞口35に入賞すると第2大入賞口35が閉鎖されるようになっているが、その入賞上限個数は、大当たり遊技における入賞上限個数よりも少ない。ただし、小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放中に遊技球が特定領域を通過した場合には「2種大当たり」となり、1種大当たりと同様、大入賞口(実施形態では第2大入賞口35)を開閉させるラウンド遊技を規定ラウンド数だけ実行する大当たり遊技が実行される。なお、本実施形態において、2種大当たりにおけるラウンド遊技時間は、1種大当たりにおけるラウンド遊技時間と同じく、複数の遊技球が入賞可能な時間(例えば30秒)とされている。また、以下の説明においては、1種大当たりと区別するために、特定領域の通過により生起された大当たりを「V当たり」と、「V当たり」に基づく大当たり遊技を「V当たり遊技」とそれぞれ示す場合がある。
【0068】
また、パチンコ遊技機1では、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
【0069】
パチンコ遊技機1の普通図柄表示器53には、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。一方、特別図柄表示器には、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。
【0070】
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。これにより、時短状態における単位時間あたりの特図変動の実行回数(変動表示回数ともいう)は、非時短状態における単位時間あたりの特図変動の実行回数よりも多くなる。
【0071】
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動可能とされている。普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53が確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0072】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに、時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。例えば非時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は0.5秒、時短状態での普通可変入賞装置20の開放時間は3秒である。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0073】
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
【0074】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに時短状態(以下、この状態を「時短遊技状態」という)である。本実施形態における時短状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、所定回数以内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに非時短状態である。また、時短状態は、非時短状態に比して特別図柄の変動時間が短くなっていることに加え、電サポ制御が行われるため、第2始動口22に入賞しやすく、かつ単位時間あたりの特図変動の実行回数が多い遊技状態となる。
【0075】
[大当たり判定テーブル]
図4に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値(大当たり判定値)は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
【0076】
大当たり判定テーブルT1には、第1特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は「ハズレ」と判定する。また、ハズレと判定される場合であって、特に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が365~366のいずれかであった場合は、小当たりと判定される。
【0077】
また、大当たり判定テーブルT1には、第2特図の抽選用の大当たり乱数値として、0~364の計365個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数が0~364の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~364以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。また、第2特図の抽選でハズレと判定される場合であって、特に取得した大当たり乱数が365~5826の範囲内の値であった場合は、小当たりと判定される。すなわち、第1特図の抽選と第2特図の抽選とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、第2特図の抽選の方が第1特図の抽選よりも小当たりと判定される確率が高くなっている。また、第2特図の抽選では小当たりの当選確率が約1/12とされており、大当たりに比べて当選確率が非常に高い。詳細は後述するが、第2特図の小当たりは、主として、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が可能な開放パターンで第2大入賞装置33を作動させる当たりとされる。一方、第1特図の小当たりは、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置33を作動させる当たりとされる。
【0078】
ちなみに、第1特図の抽選は小当たりを設定しなくてもよい。また、大当たり乱数とは別に小当たり乱数を設け、大当たりに当選しなかった場合に小当たり判定を行うようにしてもよい。また、取得した大当たり乱数が「大当たり」とは判定されないが「小当たり」と判定される範囲内の値であった場合には、「ハズレ」と判定されることなく、「小当たり」と判定されてもよい。また、第2特図の抽選において、小当たりの当選確率を1/1や1/2等、遊技性に応じて適宜変更してもよい。また、第1特図の抽選と第2特図の抽選で小当たりの当選確率を同一確率としてもよいが、第1特図の抽選で小当たりに当選した場合には、特定領域への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置33や振分部材を作動させることが望ましい。
【0079】
[大当たり種別判定テーブル]
図5に示す大当たり種別判定テーブルT2は、大当たり判定で大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルT2は、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~9の計10個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の大当たり種別乱数を発生する。
【0080】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「4R大当たり(時短3回)」と、「10R大当たり(時短3回)」と、「10R大当たり(時短6回)」がある。第1特図の抽選では、大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であれば、「4R大当たり(時短3回)」に当選したと判定され、大当たり種別乱数が5~9であれば、「10R大当たり(時短3回)」に当選したと判定される。一方、第2特図の抽選では、大当たり種別乱数の値に関わらず「10R大当たり(時短6回)」に当選したと判定される。また、V入賞による大当たり(第2大入賞装置33内の特定領域に入賞したことによる大当たり)では、大当たり種別乱数の値に関わらず「10R大当たり(時短6回)」に当選したと判定する。
【0081】
このように、大当たり抽選で大当たりに当選した場合、第1特図の抽選よりも第2特図の抽選において大当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技終了後に生起される時短遊技状態の上限回数が多い大当たり種別に当選し易い。時短遊技状態の上限回数が多いということは、手持ちの遊技球を過剰に減らすことなく大当たり抽選を受けることができるため、遊技者にとって有利である。なお、各大当たり種別の決定確率は、遊技性等に応じて、適宜、変更してもよい。また、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数や時短遊技状態の上限回数等も、適宜、変更してもよい。
【0082】
[小当たり種別判定テーブル]
図6に示す小当たり種別判定テーブルT3は、小当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が小当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT3は、抽選の種別(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)毎に所定個数の小当たり種別乱数値(小当たり種別判定値)を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する小当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数が発生する。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~1の計10個の小当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の小当たり種別乱数を発生する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、小当たり種別として「通常小当たり」と「特殊小当たり」がある。「通常小当たり」は、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が実質的に不可能な開放パターンで第2大入賞装置33を作動させる小当たりである。「特殊小当たり」は、特定領域(V入賞領域)への遊技球の通過が可能な開放パターンで第2大入賞装置33を作動させる小当たりである。
【0083】
第1特図の抽選では、小当たり種別乱数の値に関わらず「通常小当たり」に当選したと判定される。一方、第2特図の抽選では、小当たり種別乱数が0であれば、「通常小当たり」に当選したと判定され、小当たり種別乱数が1~9であれば、「特殊小当たり」に当選したと判定される。なお、第2特図の抽選では、小当たり種別に対応付ける小当たり種別乱数の個数を任意に変更してもよい。例えば、全ての小当たり種別乱数を「特殊小当たり」に振り分けるようにしてもよい。
【0084】
[リーチ判定テーブル]
図7に示すリーチ判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
【0085】
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
【0086】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレ(小当たりを除く)であった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT4は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値(リーチ判定値)は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~255の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0087】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0088】
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、
図7のテーブルは、基本的に第1特図に対応するリーチ判定テーブルを示す。第2特図に対応するリーチ判定テーブルは、第1特図のテーブルと同一内容にしてもよいし、異なるテーブルとしてもよい。
【0089】
[特図変動パターン選択テーブル]
図8に示す特図変動パターン選択テーブルT5は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT5は、遊技状態と、判定(大当たり判定、小当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。
【0090】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が開発側の意図に沿った遊技を行った場合、非時短状態では主に第1特図の変動が行われ、時短状態では第2特図の変動が行われる。このため、
図8に示す例では特に非時短状態の第1特図に対応する特図変動パターン選択テーブルと、時短状態の第2特図に対応する特図変動パターン選択テーブルを例に挙げて説明する。
【0091】
また、特図変動パターン選択テーブルT5に示す変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7で行われる演出内容を特定する変動演出パターンを指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0092】
非時短状態のときに第1特図の大当たり判定で大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94のいずれかであった場合、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99のいずれかであった場合、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間、つまり、特別図柄を確定表示している時間は500msである。特図変動パターンP2の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
【0093】
また、非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は400,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP4の変動時間は150,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてSPリーチを表示させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
【0094】
また、非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP6の変動時間は5,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7において通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、非時短状態では、ほぼ小当たりに当選することがないので、
図8では、小当たりと判定された場合に選択され得る特図変動パターンについての説明を省略しているが、小当たり専用の特図変動パターンを設定してもよい。
【0095】
時短状態のときに第2特図の大当たり判定で大当たりと判定され、その変動が大当たり遊技終了後1回転目の変動かつ第2特図の保留が存在しない場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合、特図変動パターンP11が選択される。一方、大当たり遊技終了後1回転目の変動であっても第2特図の保留が存在する場合や2回転目以降の変動である場合、特図変動パターンP12が選択される。特図変動パターンP11の変動時間は13,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP12の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP11,P12に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。なお、1種2種混合機では、遊技者が操作を誤らなければ、時短遊技状態中の小当たりも実質的に大当たりとなるので(特殊小当たりに当選した場合)、大当たりに小当たりも含むこととする。このとき、「通常小当たり」が選択された場合には、大当たりに繋がる「通常小当たり」と区別すべく、小当たり専用の特図変動パターンを設定してもよい。
【0096】
また、時短状態のときにハズレと判定され、その変動が大当たり遊技終了後1回転目の変動かつ第2特図の保留が存在しない場合であって、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP13が選択される。一方、大当たり遊技終了後1回転目の変動であっても第2特図の保留が存在する場合や2回転目以降の変動である場合、特図変動パターンP14が選択される。特図変動パターンP13の変動時間は13,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP14の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP13,P14に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7においてノーマルリーチを表示させる内容が対応付けられている。
【0097】
また、時短状態のときにハズレと判定され、その変動が大当たり遊技終了後1回転目の変動かつ第2特図の保留が存在しない場合であって、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合、特図変動パターンP15が選択される。一方、大当たり遊技終了後1回転目の変動であっても第2特図の保留が存在する場合や2回転目以降の変動である場合、特図変動パターンP16が選択される。特図変動パターンP15の変動時間は5,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP16の変動時間は2,500msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP15,P16に対応する変動演出パターンには、演出表示装置7において通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
【0098】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
【0099】
(メイン側主制御処理)
最初に、
図9に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0100】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0101】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、
図10に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、ゲートセンサ12a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ35b、非特定領域センサ35c等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、
図9のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0102】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、V入賞検出処理(S16)、普通動作処理(S17)、特別図柄待機処理(S18)、特別図柄変動処理(S19)、その他の処理(S20)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S20)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
【0103】
(始動口センサ検出処理)
次に、
図11に従って、始動口センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S30:YES)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0104】
S31の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S30:NO)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞していない場合(S32:NO)、S38に進むが、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S32:YES)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:YES)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合(S33:NO)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立し、取得した乱数に基づく大当たり判定の実行が一旦保留されることになる。
【0105】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。つまり、乱数の取得順序が新しいほど番号の大きい記憶領域に記憶されるよう、各種乱数を取得順序が古い順に各記憶領域に格納する。
【0106】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0107】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞していない場合(S38:NO)、始動口センサ検出処理を終了するが、第1始動口11に入賞したと判定した場合(S38:YES)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:YES)、始動口センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:NO)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立し、取得した乱数に基づく大当たり判定の実行が一旦保留されることになる。
【0108】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0109】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。本実施形態では、S35,S41の処理、及びS35,S44の処理を実行する遊技制御用マイコン61が、本発明における「判定情報取得手段」の一例である。また、第1特図保留記憶部64a、第2特図保留記憶部64b、及びこれらの記憶部が設定されているRAM64が、本発明における「保留記憶手段」の一例である。また、遊技者にとって有利な大当たり遊技が、本発明における「特典」の一例である。そして、大当たり遊技を生起可能な「大当たり」又は「特殊小当たり」に当選しているか否かを判定する遊技制御用マイコン61が、本発明における「特典判定手段」の一例である。
【0110】
(V入賞検出処理)
次に、
図12に従って、V入賞検出処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2大入賞口35内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定する(S44)。遊技球が特定領域を通過したことは、特定領域センサ35bによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S44:YES)、すなわち大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S45へと移行する。一方、遊技球が特定領域を通過していないと判定した場合(S44:NO)、遊技制御用マイコン61は、V入賞検出処理を終了する。
【0111】
S45において遊技制御用マイコン61は、大当たり種別乱数を取得し、大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルT2(
図5)を参照し、大当たりの種類を判定する。ただし、本実施形態では特定領域を通過したことによる大当たりを一種類のみとしているため、S45の処理は省略してもよい。また、V入賞に基づく大当たりの種別判定は、第2大入賞口35を開放する契機となった直前の小当たりの当選時(特別図柄の当選時)に行い、S45ではその判定結果のみを取得するようにしてもよい。
【0112】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S46)、V入賞検出処理を終了する。
【0113】
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
【0114】
(特別図柄待機処理)
次に、
図13に従って、特別図柄待機処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S60)。「0」ではないと判定した場合(S60:NO)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(S61)及び第2特図変動パターン選択処理(S62)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S63)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S64)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S65)。この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(
図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(
図15及び
図16)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。
【0115】
これにより、第2特別図柄表示器52では、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特図の変動表示が行われることになる。また、第2特別図柄表示器52が第2特図の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データが、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされることになる。S65の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
【0116】
また、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S60:YES)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S66)。「0」ではないと判定した場合(S66:NO)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(S67)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S69)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S70)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S71)。この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(
図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(
図15及び
図16)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。
【0117】
これにより、第1特別図柄表示器51では、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特図の変動表示が行われることになる。また、第1特別図柄表示器51が第1特図の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データが、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされることになる。S71の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
【0118】
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S66:YES)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S72)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S72:YES)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S72:NO)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S73)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
【0119】
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S60:YESの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。ただし、いずれかの特図が変動中である場合にはS60以降の処理は行わずに、特別図柄待機処理を終了する。
【0120】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、
図14に従って、第2特図大当たり判定処理(S61)及び第1特図大当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理と第1特図大当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0121】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの大当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
【0122】
大当たりと判定した場合(S82:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2)を参照し、大当たりの種別を判定する(S83)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短状態の上限回数についても決定される。振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
【0123】
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにし(S84)、S83で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S85)、本処理を終了する。
【0124】
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:NO)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルの小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S86)。小当たりと判定した場合(S86:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブル(この例では小当たり種別判定テーブルT3)を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技の有無、時短状態の継続、時短状態の終了等についても決定される。
【0125】
その後、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにし(S88)、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S85)、本処理を終了する。
【0126】
一方、小当たりと判定しなかった場合(S86:NO)、すなわちハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S85)、本処理を終了する。本実施形態では、大当たり乱数及び小当たり種別乱数が、本発明における「判定情報」の一例である。
【0127】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、
図15及び
図16に従って、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0128】
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定する(S90)。時短状態であるか否かは、時短フラグがONであるか否かによって判定することができる。時短状態であると判定した場合(S90:YES)、遊技制御用マイコン61は、S97に移行する。時短状態ではないと判定した場合(S90:NO)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。
【0129】
S91,S97に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S97:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S98)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、取得した乱数と同じ乱数が対応付けられている特図変動パターンP1を選択する(S92)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、取得した乱数と同じ乱数が対応付けられている特図変動パターンP11を選択する(S98)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S96に移行する。
【0130】
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S97:NO)、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定したことになる。この場合、遊技制御用マイコン61は、S93,S99に移行する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S93,S99)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT4のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S93:YES)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルT4のうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S99:YES)。
【0131】
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S94,S100)。例えば、非時短状態である場合、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、取得した乱数と同じ乱数が対応付けられている特図変動パターンP4を選択する(S94)。時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、取得した乱数と同じ乱数が対応付けられている特図変動パターンP13,P14を選択する(S100)。前述したように、大当たり遊技終了後1回転目の変動かつ第2特図の保留が存在しない場合、特図変動パターンP13が選択される。一方、大当たり遊技終了後1回転目の変動であっても第2特図の保留が存在する場合や2回転目以降の変動である場合、特図変動パターンP14が選択される。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S96に移行する。
【0132】
一方、取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S93,S99:NO)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルを参照して、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S95,S101)。例えば、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP5を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP6を選択する(S95)。特図変動パターンP6の変動時間は特図変動パターンP5よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。また、時短状態である場合、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であるとすると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT5を参照し、取得した乱数と同じ乱数が対応付けられている特図変動パターンP15,P16を選択する(S101)。前述したように、大当たり遊技終了後1回転目の変動かつ第2特図の保留が存在しない場合、特図変動パターンP15が選択される。一方、大当たり遊技終了後1回転目の変動であっても第2特図の保留が存在する場合や2回転目以降の変動である場合、特図変動パターンP16が選択される。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S96に移行する。
【0133】
S96に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S96で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS65,S71でセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
【0134】
また、ここでは説明は省略するが、小当たりの場合においても特図変動パターン選択テーブルを参照して小当たりに対応した特図変動パターンの選択が行われる。特に1種2種混合機では、第2特図で小当たりに当選した場合も実質的に大当たりとなるので、大当たりした場合と同様の演出が選択されることとなる。ただし、「通常小当たり」が選択された場合には、小当たり専用の特図変動パターンが選択されるようにしてもよい。
【0135】
(特別図柄変動処理)
次に、
図17に従って、特別図柄変動処理(S19)について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0136】
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S96でセットした特図変動パターンに応じた時間)が終了したか否かを判定する(S110)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S110:NO)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄変動処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S110:YES)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、S85でセットした特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S112)。この処理によって、特別図柄が確定する。なお、選択された特図変動パターンに対応する停止時間(例えば500ms)だけ特別図柄は停止した状態を継続(特別図柄の確定状態を継続)し、その後に次回の特別図柄の変動が開始される。
【0137】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114)、ONであると判定した場合(S114:YES)、遊技状態リセット処理を実行する(S115)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。
【0138】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S116)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S117)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0139】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理(大当たり)を実行する(S118)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(大当たり)において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで第1大入賞口32又は第2大入賞口35を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口32又は第2大入賞口35が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、第1開閉部材31又は第2開閉部材34の閉動作により第1大入賞口32又は第2大入賞口35を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口32又は第2大入賞口35の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。また、遊技制御用マイコン61は、第2大入賞口35に遊技球が入賞する度に、第2大入賞口35へ遊技球が入賞したことを示すコマンド(第2大入賞口入賞コマンド)をRAM64の出力バッファにセットする。
【0140】
特別電動役物処理(大当たり)(S118)の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S119)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ等)に関する情報が含まれている。その後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄変動処理を終了する。
【0141】
パチンコ遊技機1では、大当たりの種類によって時短回数が異なっているため、例えば時短回数を「3回」とする大当たり種別が選択された場合には、最大で特別図柄が3回変動するまで時短状態が継続する。その変動回数内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に、再度、時短遊技状態となる。一方、大当たり種別に基づく時短回数内に大当たりに当選しなかった場合については、一旦時短状態は終了し、第2特図の残保留による抽選が行われる。そして、第2特図の残保留の変動において大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)すれば、大当たり遊技後に、再度、時短遊技状態となる。
【0142】
一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S114:NO)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S120)。小当たりフラグがONではないと判定した場合(S120:NO)、遊技制御用マイコン61は、S119に移行する。一方、小当たりフラグがONであると判定した場合(S120:YES)、遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口35を開放させるために、後述する特別電動役物処理(小当たり)を実行する(S121)。なお、遊技制御用マイコン61は、小当たりの場合、遊技状態リセット処理(S115)を実行することなく、小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放を行う。本実施形態では、大当たりフラグがセットされている場合に大当たり遊技を実行させる遊技制御用マイコン61が、本発明における「大当たり遊技実行手段」の一例である。
【0143】
(特別電動役物処理(小当たり))
次に、
図18に従って、特別電動役物処理(小当たり)(S121)について説明する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり)は、第2特図において高確率で実行されるため、第2特図を前提として説明する。
【0144】
遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定を行い(S122)、小当たりオープニングを実行させるための小当たりオープニングコマンドをセットする(S123)。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0145】
続いて、遊技制御用マイコン61は、当選した小当たりに応じた第2大入賞口35の開放パターンをセットし(S124)、第2開閉部材34の開閉制御を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、当選した小当たりの種別に従って、振分部材作動フラグを設定する(S125)。振分部材作動フラグは、振分部材を作動させる期間であることを示すフラグである。具体的に説明すると、本実施形態において遊技制御用マイコン61は、「特殊小当たり」を決定した場合に振分部材作動フラグをONにし、「通常小当たり」を決定した場合に振分部材作動フラグをOFFにする。
【0146】
遊技制御用マイコン61は、振分部材作動フラグがONになっている期間中、振分部材ソレノイド35dを通電状態とし、特定領域が開状態となるよう振分部材を制御する。なお、振分部材作動フラグがONになっている期間中、常に特定領域が開状態となるように振分部材を制御する必要はなく、振分部材ソレノイド35dがOFFにされる時間帯があってもよい。
【0147】
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S126)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ35bによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S126:YES)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S127)。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35の開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、大当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように大当たり遊技を開始させるための制御が実行可能となる(
図17のS114)。ただし、大当たり判定で大当たりと判定されたことによって実行される大当たり遊技は、第1大入賞装置30で実行される一方、特定領域の通過によって実行される大当たり遊技は、第2大入賞装置33で実行される。
【0148】
S127の終了後、遊技制御用マイコン61は、S128に移行する。一方、遊技球が特定領域を通過していないと判定した場合(S126:NO)、遊技制御用マイコン61は、S127の処理を実行することなく、S128に移行する。つまり、遊技球が特定領域を通過していないため、小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放後に大当たり遊技が開始されることはない。
【0149】
S128に移行した遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口35の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口35の閉鎖条件は、第2大入賞口35が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。第2大入賞口35の閉鎖条件が成立していないと判定した場合(S128:NO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。一方、第2大入賞口35の閉鎖条件が成立したと判定した場合(S128:YES)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S129)、本処理を終了する。
【0150】
(遊技状態管理処理)
次に、
図19に従って、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S130)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S130:NO)、遊技制御用マイコン61は、S134に移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S130:YES)、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値を1減算する(S131)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の時短カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S132)。1減算後の時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S132:YES)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをOFFにし(S133)、S134に移行する。一方、1減算後の時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S132:NO)、遊技制御用マイコン61は、S133の処理を実行することなくS134に移行する。
【0151】
S134において遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。時短カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、時短カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短状態が終了し、非通常状態に移行する。
【0152】
(サブ側主制御処理)
次に、
図20に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S140)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S141)、否定判定した場合(S141:NO)、RAM120を初期化し(S142)、S143に進む。また、S141において肯定判定した場合(S141:YES)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS143に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S141:NO)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S141:YES)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS140~S142は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0153】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S143)、乱数更新処理を実行する(S144)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S145)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S146)。以降、S143~S146を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S147)、1msタイマ割込処理(S148)及び10msタイマ割込処理(S149)の実行が可能となる。
【0154】
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S147)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S148,S149)に優先して実行される処理である。
【0155】
(1msタイマ割込処理)
次に、
図21に従って、1msタイマ割込処理(S148)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S150)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0156】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S151)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S163)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S164)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0157】
続いて、演出制御用マイコン101は、演出図柄用の変動開始コマンドを出力したか否かを判定する(S152)。演出図柄用の変動開始コマンドは、後述する変動演出開始処理においてRAM120の出力バッファにセットされ、S151において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、演出図柄用の変動開始コマンドを出力したと判定した場合(S152:YES)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S153)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S154)。S154の終了後、又は演出図柄用の変動開始コマンドを出力していないと判定した場合(S152:NO)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0158】
(10msタイマ割込処理)
次に、
図22に従って、10msタイマ割込処理(S149)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(
図23)を実行し(S160)、スイッチ状態取得処理を実行する(S161)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S150)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S162)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S163)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0159】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S164)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S165)、本処理を終了する。その他の処理(S165)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
【0160】
(受信コマンド解析処理)
次に、
図23に従って、受信コマンド解析処理(S160)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S170)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S170:YES)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S171)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ等)に関する情報が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれている情報が「非時短状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「1」をセットする。「時短状態」を示している場合、演出制御用マイコン101は、遊技状態フラグ「2」をセットする。
【0161】
また、演出制御用マイコン101は、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値を更新する。すなわち、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数の情報を保持することができる。
【0162】
S171の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S170:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S172)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S172:YES)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S173)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン101は、小当たりが指示されている場合には、オープニング演出選択処理において、小当たり当選に基づくオープニング中に実行する演出の種類を決定し、選択した内容の小当たりオープニング演出を実行するためオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0163】
S173の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S172:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S174)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S174:YES)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S175)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0164】
S175の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S174:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から第2大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S176)。第2大入賞口入賞コマンドを受信したと判定した場合(S176:YES)、遊技制御用マイコン61は、第2大入賞口入賞時処理を実行する(S177)。この第2大入賞口入賞時処理では、第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域を通過したか否かに応じて異なる演出を選択する処理などを行う。
【0165】
S177の終了後、又は第2大入賞口入賞コマンドを受信していないと判定した場合(S176:NO)、演出制御用マイコン101は、特定の実行タイミング(本実施形態では大当たり遊技中の特定のラウンド)で現時点での保留に対する大当たり(特殊小当たりを含む)の期待度を示唆する保留連演出(
図28(d)参照)を行うための保留連演出処理(
図25)を実行する(S178)。詳細は後述する。
【0166】
次に、遊技制御用マイコン61は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S179)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S179:YES)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S180)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0167】
S180の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S179:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定する(S181)。始動入賞コマンドを受信したと判定した場合(S181:YES)、演出制御用マイコン101は、後述する先読み演出判定処理(
図24)を実行する(S182)。先読み演出判定処理について、詳しくは後述するが、特図保留演出記憶部121,122に記憶した始動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数が、特図大当たり判定(
図14のS82)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定を行う前に特図当たり判定(事前判定)を行う。また、本実施形態においては、特図保留演出記憶部に記憶した始動入賞コマンドに含まれている小当たり種別乱数が、特殊小当たりと判定される乱数であるか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定を行う前に特図当たり判定(事前判定)を行う。そして、大当たりと判定したか否か(特殊小当たりを含む)に応じて、先読み演出を行うか否かを抽選により決定し、先読み演出を行うと決定した場合は、その実行する先読み演出の種類を決定して、その決定した先読み演出を実行する。
【0168】
S182の実行後、又は始動入賞コマンドを受信したと判定していない場合(S181:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S183)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S183:YES)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(
図25)を実行する(S184)。
【0169】
S184の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S183:NO)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S185)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S185:YES)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S186)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための演出図柄用の変動終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした演出図柄用の変動終了コマンドがコマンド送信処理(S145)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
【0170】
S186の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S185:NO)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S187)、本処理を終了する。その他の処理(S187)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
【0171】
(先読み演出判定処理)
次に、
図24に従って、先読み演出判定処理(
図23のS182)について説明する。
図24では、第2始動入賞コマンドに基づく先読み演出判定処理を中心に説明する。
【0172】
演出制御用マイコン101は、RAM120の受信バッファに格納されている第2始動入賞コマンドをRAM120の第2特図保留演出記憶部122に記憶する(S190)。受信した第2始動入賞コマンドは、第2特図保留演出記憶部122の第1乃至第4記憶領域のうち、当該第2始動入賞コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で第2始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。また、変動演出パターンの表示は、第2特図保留演出記憶部122の第1記憶領域に記憶されている第2始動入賞コマンドに基づいて行われ、変動演出パターンの表示を行う毎に各記憶領域に記憶されている第2始動入賞コマンドは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトする。
【0173】
続いて、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する(S191)。第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。このため、第2特図保留演出カウンタの値は、第2特図保留数と同期して増減する。
【0174】
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定を行う(S192)。この事前判定では、S190で第2特図保留演出記憶部122に記憶した第2始動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数が、第2特図大当たり判定処理(
図14)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を行う前に事前判定を行う。サブ制御基板100のROM110には、大当たり判定テーブルT1(
図4)と同一のサブ側大当たり判定テーブルが記憶されており、演出制御用マイコン101は、サブ側大当たり判定テーブルを参照して事前判定を行う。同様に、演出制御用マイコン101は、S190で第2特図保留演出記憶部122に記憶した第2始動入賞コマンドに含まれている小当たり種別乱数が、第2特図大当たり判定処理(
図14)において「特殊小当たり」と判定される小当たり種別乱数であるか否かを判定する。サブ制御基板100のROM110には、小当たり種別判定テーブルT3(
図6)と同一のサブ側小当たり種別判定テーブルが記憶されており、演出制御用マイコン101は、サブ側小当たり種別判定テーブルを参照して事前判定を行う。
【0175】
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定の結果が、大当たりであるか、又は特殊小当たりであるか否かを判定する(S193)。大当たり又は特殊小当たりである場合(S193:YES)、演出制御用マイコン101は、事前判定において大当たり(特殊小当たりを含む)が存在することを示す先読み大当たりフラグを、大当たり(特殊小当たりを含む)と判定した大当たり乱数又は小当たり種別乱数を含む第2始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域にセットする(S194)。その後、演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理を終了する。一方、大当たりでもなく、特殊小当たりでもないと判定した場合(S193:NO)、演出制御用マイコン101は、S194を実行することなく先読み演出判定処理を終了する。
【0176】
ちなみに、
図24では説明を省略したが、第1始動入賞コマンドに基づく先読み演出判定処理も、第2始動入賞コマンドに基づく先読み演出判定処理と同じように実行される。本実施形態では、S192の処理、及びS192の処理を実行する演出制御用マイコン101が、本発明における「事前判定手段」の一例である。なお、本実施形態では、始動入賞コマンドを遊技制御用マイコン61からサブ制御基板100に送信し、始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコン101が、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を実行するよりも前に事前判定を実行している。これに代えて、遊技制御用マイコン61は、各種乱数を取得した時点で大当たりとなるか否かを事前判定し、その事前判定結果を含む始動入賞コマンドをサブ制御基板100に送信するようにしてもよい。また、事前判定において大当たり(特殊小当たりを含む)が存在することを演出制御用マイコン101が認識することができればよく、先読み大当たりフラグによる管理を行わなくてもよい。
【0177】
(変動演出開始処理)
次に、
図25に従って、変動演出開始処理(S184)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S200)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S200において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S201)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。
【0178】
続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンドや先読み大当たりフラグ等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S202)。次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S203)。
【0179】
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S204)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。続いて、演出制御用マイコン101は、S204において選択した演出内容(変動演出パターン)の表示を演出表示装置7に開始させるための演出図柄用の変動開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S205)。演出図柄用の変動開始コマンドには、演出内容(変動演出パターン)の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む演出図柄用の変動開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S151)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0180】
(保留連演出処理)
次に、
図26に従って、保留連演出処理(
図23のS178)について説明する。
演出制御用マイコン101は、大当たり遊技中であり、特に保留連演出を行う特定のラウンドが開始されたか否かを判定する(S210)。本実施形態では、最終ラウンド(4R大当たりである場合には第4ラウンド、10R大当たりである場合には第10ラウンドを)を、保留連演出を行うラウンドとする。なお、保留連演出を行うラウンドは、最終ラウンド以外であってもよいし、第2特図で大当たりした際に行われる大当たり遊技中のみ保留連演出を行うことも可能である。また、オープニング演出の実行中やエンディング演出の実行中に保留連演出を行うことも可能である。
【0181】
特定のラウンドではないと判定した場合(S210:NO)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、特定のラウンドが開始されたと判定した場合(S210:YES)、演出制御用マイコン101は、S211へと移行する。そして、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出記憶部122を確認し、第2特図の保留が少なくとも1以上存在するか否かを判定する。なお、保留連演出を行う特定のラウンドが開始された時点での保留の有無を判定してもよいし、大当たり遊技が開始される時点での保留の有無を判定してもよい。また、第2特図のみではなく第1特図を含めて保留が存在するか否かを判定してもよい。
【0182】
第2特図の保留が存在しないと判定した場合(S211:NO)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、第2特図の保留が少なくとも1以上存在すると判定した場合(S211:YES)、演出制御用マイコン101は、S212へと移行する。
【0183】
S212において演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出記憶部122に大当たり又は特殊小当たりとなるデータが記憶されているか否かを判定する。具体的には、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出記憶部122に先読み大当たりフラグがセットされているか否かを判定する。先読み大当たりフラグがセットされていない場合(S212:NO)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、先読み大当たりフラグがセットされている場合(S212:YES)、演出制御用マイコン101は、保留連演出を実行させるか否かを決定する(S213)。このとき、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている保留(判定情報)毎に定められた確率に従って、保留連演出の実行可否を抽選で決定する。
【0184】
図27は、保留毎に異なる保留連演出の実行確率を示す保留連演出決定テーブルT6である。保留連演出決定テーブルT6は、ROM110に記憶されている。
図27に示すように、保留連演出決定テーブルT6では、大当たり(特殊小当たりを含む)と事前判定された判定情報が記憶されている記憶領域に応じて、保留連演出の実行確率が異なっている。具体的には、保留連演出の実行可否を決定するための予告演出乱数として、0~9の計10個の予告演出乱数が設定されており、「実行可」を特定する乱数の個数が、判定情報が記憶される記憶領域に応じて異なっている。
【0185】
例えば、第1記憶領域(記憶順序(取得順序)が時間的に最も古い)の判定情報が「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる場合、保留連演出の実行確率が「0/10」となるように予告演出乱数の判定値が定められている。また、第2記憶領域の判定情報が「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる場合、保留連演出の実行確率が「5/10」となるように予告演出乱数の判定値が定められている。また、第3記憶領域の判定情報が「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる場合、保留連演出の実行確率が「5/10」となるように予告演出乱数の判定値が定められている。また、第4記憶領域(記憶順序(取得順序)が時間的に最も新しい)の判定情報が「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる場合、保留連演出の実行確率が「10/10」となるように予告演出乱数の判定値が定められている。
【0186】
上記の説明は、第2特図保留数が上限「4」まで記憶されていることを前提とし、「第1記憶領域」が、記憶順序が最も古い記憶領域に相当し、「第4記憶領域」が、記憶順序が最も新しい記憶領域に相当するものとして説明した。この例に関わらず、第2特図保留数が上限に到達していない場合であっても、大当たりとなる保留が記憶される記憶領域に応じた確率で保留連演出の実行可否を決定可能である。例えば、保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点での第2特図保留数が「3」である場合、第3記憶領域が、記憶順序が最も新しい記憶領域に相当するが、演出制御用マイコン101は、第3記憶領域に対応する確率に従って保留連演出の実行可否を決定することになる。
【0187】
このように、本実施形態では、第2特図保留演出記憶部122に記憶される保留(判定情報)毎に保留連演出の実行確率が定められている。より具体的には、大当たり(特殊小当たり)と判定される判定情報が記憶される記憶領域が古いほど、すなわち、判定情報の記憶順序(取得順序)が早いほど、保留連演出の実行確率が低くなるように定められている。
【0188】
なお、実施形態で示した実行確率はあくまで一例であり、任意の数値に変更可能である。例えば、大当たり(特殊小当たり)となる判定情報の記憶順序が新しいほど、保留連演出の実行可を決定する確率が低くなるように定めてもよい。また、第2特図保留演出記憶部122に記憶される保留(判定情報)毎に保留連演出の実行確率が定められていればよく、記憶順序が早いほど保留連演出の実行確率を低くするなどの法則を採用しなくてもよい。
【0189】
前述したように、パチンコ遊技機1では、非時短状態で大当たりに当選した場合に決定される大当たり種別は、全て時短回数が「3」となっている。このため、4つ目の保留が大当たりとなる場合、時短状態が継続している期間中には大当たりが発生せず、時短状態終了直後の特図変動において大当たりが発生することになる。このため、
図27に示す保留連演出決定テーブルT6では、4つ目の保留(時間的に最も古い保留)が大当たりとなる場合、1~3つ目の保留とは区別するために、保留連演出の実行確率を「0/10」としている。ただし、時短状態が継続している期間中に大当たりが発生しないだけで、保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点までに記憶されている保留の中に大当たりとなる保留が記憶されていることに変わりないので、4つ目(時間的に最も古い保留)の保留に対する実行確率を「0/10」とするのではなく「1/10」以上としてもよい。ちなみに、時短状態で大当たりに当選した場合に決定される大当たり種別は、全て時短回数が「6」となっている。このため、時短状態が継続している期間中に大当たりが発生することになる。このことを考慮し、時短状態中に大当たりに当選した場合、当選した大当たり種別に応じて4つ目の保留に対する保留連演出の実行確率を定めてもよい。例えば、非時短状態で大当たりに当選した場合は4つ目の保留に対する保留連演出の実行確率を「0/10」とするが、時短状態で大当たりに当選した場合は4つ目の保留に対する保留連演出の実行確率を「2/10」等としてもよい。
【0190】
図26の説明に戻り、演出制御用マイコン101は、先読み大当たりフラグがセットされている記憶領域、すなわち、大当たり(特殊小当たり)となる判定情報の記憶順を確認し、記憶順に対応する予告演出乱数の振り分けに従って、保留連演出の実行可否を乱数抽選によって決定する(S213)。
【0191】
例えば、S213の実行時点における第2特図保留数が「4」で、第3記憶領域に先読み大当たりフラグがセットされている場合、演出制御用マイコン101は、「5/10」の確率で保留連演出の実行を決定する。また、S213の実行時点における第2特図保留数が「3」で、第3記憶領域に先読み大当たりフラグがセットされている場合、演出制御用マイコン101は、「5/10」の確率で保留連演出の実行を決定する。また、S213の実行時点における第2特図保留数が「2」で、第2記憶領域に先読み大当たりフラグがセットされている場合、演出制御用マイコン101は、「5/10」の確率で保留連演出の実行を決定する。つまり、演出制御用マイコン101は、S213の実行時点における第2特図保留数がいくつであろうとも、先読み大当たりフラグが記憶されている記憶領域に応じた確率で、保留連演出の実行可否を抽選で決定する。
【0192】
保留連演出の実行抽選で「実行否」が決定された場合(S214:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、「実行可」が決定された場合(S214:YES)、演出制御用マイコン101は、S215に移行する。S215において演出制御用マイコン101は、保留連演出の実行を指示するためのコマンドを出力バッファにセットする。このコマンドは、画像制御基板200に送信される。そして、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。なお、大当たり(特殊小当たり)と事前判定されない場合には先読み大当たりフラグがセットされないため、大当たり(特殊小当たり)と事前判定される保留が存在しない場合、保留連演出の実行が決定されないことになる。つまり、同じ「小当たり」であっても、「通常小当たり」と事前判定される場合には、保留連演出の実行が決定されない。
【0193】
このように、本実施形態では、保留連演出の実行可否判定タイミングである最終ラウンドに到達する時点で記憶されている保留の中に大当たり(特殊小当たりを含む)となる保留が存在する場合、保留毎に定められた確率で保留連演出の実行可否が決定されるようになっている。本実施形態では、S213の処理、及びS213の処理を実行する演出制御用マイコン101が、本発明における「演出決定手段」の一例である。
【0194】
ちなみに、保留連演出の実行可否判定タイミングである最終ラウンドに到達する時点までに記憶されている保留の中に大当たり(特殊小当たりを含む)となる保留が複数存在する場合、時間的に最も新しい保留に基づく抽選のみ実行し、以降の保留に基づく保留連演出の実行抽選は行わなくてもよい。反対に、複数の大当たり判定情報のうち時間的に最も古い保留に基づく抽選のみ実行し、以前の保留に基づく保留連演出の実行抽選は行わなくてもよい。また、大当たり(特殊小当たりを含む)となる保留が複数存在する場合、その保留が記憶される記憶領域の組み合わせや、大当たりとなる保留の数などに従って保留連演出の実行確率を定めてもよい。例えば、大当たりとなる保留の数が同じ「2個」であっても、第1記憶領域と第2記憶領域に先読み大当たりフラグがセットされている場合よりも、第1記憶領域と第3記憶領域に先読み大当たりフラグがセットされている場合の方が、保留連演出の実行確率が高くなるように乱数を対応付けてもよい。
【0195】
また、大当たりとなる保留が複数存在する場合、例えば、大当たりとなる保留の記憶順序が時間的に新しい順に、その順番に対応する確率に従って保留連演出の実行可否を抽選で決定するが、「実行可」に当選するまで実行抽選が行われるようにしてもよい。また、先読み大当たりフラグをセットする契機となった当たりの種類に応じて実行確率を異ならせてもよい。例えば、「大当たり」よりも「特殊小当たり」の方が、保留連演出の実行可を決定する確率が高くなるようにしてもよい。また、先読み大当たりフラグをセットする契機となった「当たりの種類」と、大当たり(特殊小当たりを含む)となる判定情報が記憶された「順番」と、の両方に応じて、保留連演出の実行確率を定めてもよい。
【0196】
以下、
図28に従って、保留連演出の流れとその作用について説明する。
図28では、最終ラウンドに到達する時点で第2特図保留が上限まで記憶されており、かつ記憶順序が2番目に古い判定情報が「大当たり」と事前判定される判定情報であることを前提とする(第2記憶領域)。
【0197】
大当たり判定で大当たりと判定された場合、
図28(a)に示すように、演出表示装置7では、大当たり演出図柄の組み合わせ(この例では「222」)が確定表示され、その後、大当たり遊技が開始される。
図28(b)に示すように、大当たり遊技中も第2始動口22に遊技球が入賞した場合には、上限値に到達するまで第2特図保留が記憶される。その後、大当たり遊技が進行し、
図28(c)に示すように、最終ラウンドに到達する。
【0198】
前提より、記憶順序が2番目に古い保留が「大当たり」と事前判定される保留であるとすると、
図27で説明したような確率(この例では「5/10」)に従って保留連演出の実行可否が決定される。このとき、保留連演出の実行が決定されたとすると、
図28(d)に示すように、最終ラウンドにおいて、キャラクタKCがセリフS1を発する態様で「保留連演出」が実行される。
【0199】
その後、エンディング演出が行われて大当たり遊技が終了すると、時短遊技状態が生起される。この時短遊技状態において、第2特図保留に基づく大当たり判定が順次実行される。前提条件により、大当たり遊技終了後2回目に行われる大当たり判定で大当たりと判定される。つまり、大当たり遊技中に大当たり判定の実行が保留されている保留上限内において、再度、大当たりが発生することになる。これにより、
図28(d)に示すような遊技演出は、大当たり遊技中に大当たり判定の実行が保留されている第2特図保留の中に、大当たりとなる保留が含まれている旨を報知する演出である、ということになる。また、単に大当たり遊技中に大当たり判定の実行が保留されている保留上限内に保留があるといった単純な情報のみに従って保留連演出の実行可否が一義的に決定されるのではなく、その保留の位置を加味して保留連演出の実行可否が決定されるため、保留連演出の実行決定に係るバリエーションが増加する。
【0200】
一方、保留連演出の実行抽選に当選しなかった場合、
図28(e)に示すように、キャラクタKCがセリフS1を発することなくそのまま最終ラウンドが終了し、大当たり遊技が終了する。つまり、保留連演出が実行されることなく、大当たり遊技が終了する。ただし、保留連演出が実行されないだけであり、前提条件により、大当たり遊技終了後2回目に行われる大当たり判定で大当たりと判定されることになる。これにより、保留連演出が行われなかったとしても、大当たり遊技終了後、保留上限内において、再度、大当たりが発生することになる。
【0201】
従来のパチンコ遊技機のように、保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点までにおいて、大当たりとなる保留の記憶順を考慮することなく、単に「大当たり」となる保留が記憶されているという情報のみに基づいて、一義的に保留連演出の実行を高確率で決定したとする。この場合、保留連演出が実行されないと、保留内で大当たりに当選しない可能性が非常に高いということが遊技者に知られてしまうおそれがある。一方、大当たりとなる保留の記憶順を考慮することなく、単に「大当たり」となる保留が記憶されているという情報のみに基づいて、一義的に保留連演出の実行を低確率で決定したとする。この場合、「保留内に大当たりがある旨を大当たり遊技中に知らせる」という、遊技者にとって喜ばしいはずの保留連演出のそもそもの発生率が下がってしまい、遊技者を十分に楽しませることができないおそれがある。本実施形態のパチンコ遊技機1のように、時短回数が少ない1種2種混合機タイプの遊技機においては保留連演出の重要度が高いにもかかわらず、現時点における全保留の中に大当たりとなる保留が記憶されているという情報のみに基づいて一義的に保留連演出の実行確率を決定してしまうと、保留連演出の本来の役割を十分に果たすことができなくなってしまう。
【0202】
一方、本実施形態のパチンコ遊技機1では、「大当たり(特殊小当たりを含む)」となる判定情報が記憶されていることに基づいて単純に保留連演出を実行するのではなく、保留毎に定められた確率に従って保留連演出の実行可否が決定される。これにより、同じ「大当たり(特殊小当たりを含む)」であっても、その記憶順に応じて保留連演出の実行確率が異なることになる。例えば、同じ「大当たり(特殊小当たりを含む)」であっても、記憶順序が最も古い保留よりも、記憶順序が最も新しい保留の方が、保留連演出の実行が決定され易い等の現象が生じることになる。これにより、単に保留連演出が実行されるか否かだけではなくなり、保留連演出を遊技者に十分に楽しませることが可能となる。
【0203】
本実施形態では、保留連演出を実行する演出表示装置7が、本発明における「演出実行手段」の一例である。なお、保留連演出は、演出表示装置7だけでなく、スピーカ8や盤ランプ2a等でも行われてもよい。この場合、スピーカ8や盤ランプ2aも「演出実行手段」に相当する。また、保留連演出の演出態様は、実施形態の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。例えば、背景画像の色を変化させる態様などとしてもよい。
【0204】
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、「特典を付与する保留が記憶されているから保留連演出を実行する」といったように保留連演出の実行可否が一律で決定されることがなくなる。つまり、いくら特典を付与する保留が記憶されていたとしても、保留毎に対応付けられた確率で保留連演出の実行可否が決定されることになるため、保留連演出の実行決定に係るバリエーションが増加し、保留連演出に対する興趣の向上を図ることが可能となる。
【0205】
(2)また、大当たりと事前判定された保留について全保留の中での記憶順を確認し、その順番に対応付けられた確率に従って保留連演出の実行可否を決定する。その結果、判定情報が記憶される記憶領域が古い(記憶順序が時間的に古い)ほど保留連演出の実行確率を低くしたり、判定情報が記憶される記憶領域が新しい(記憶順序が時間的に新しい)ほど保留連演出の実行確率を高くするなど、記憶順序に応じた実行確率を設定することが可能となる。これにより、保留の位置に応じて保留連演出の実行確率が異なることになり、結果的に保留連演出の実行決定に係るバリエーションが増加する。
【0206】
(3)また、遊技球が通過可能な特定領域が設けられた第2大入賞装置33(特別入賞装置)と、大当たりと判定された場合、又は小当たりと判定されたことを契機に第2大入賞装置33が開放して遊技球が特定領域を通過した場合に、大当たり遊技を実行させる遊技制御用マイコン61(大当たり遊技実行手段)と、を有する。小当たりには、特定領域を遊技球が通過可能な特殊小当たりと、特定領域を遊技球が通過不能な通常小当たりと、を含む。演出制御用マイコン101(演出決定手段)は、特殊小当たりであると事前判定された場合には保留連演出の実行を決定可能である一方、通常小当たりであると事前判定された場合には保留連演出を実行させない。つまり、保留連演出は、遊技者にとって有利な大当たり遊技が発生する場合にしか実行されないということになるため、保留連演出の価値を高めることができる。
【0207】
(4)時短上限回数を超える4つ目の保留(時間的に最も古い保留)で大当たりとなる場合、保留連演出の実行確率を「0/10」とした。これにより、時短状態が継続している期間中に大当たりが発生しない場合には保留連演出が実行されないことになり、1~3つ目の保留が大当たりとなる場合に保留連演出が実行されることと差別化を図ることができる。
【0208】
(5)保留連演出の実行否が決定された場合、保留連演出が実行されなくても大当たりとなることに変わりはない。このため、保留毎に保留連演出の実行確率を定めることに意味合いを持たせつつ、保留連演出が実行されなくても大当たりが発生するという逆転的な現象も生じるようにすることで、より一層、遊技者を楽しませることができる。
【0209】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0210】
第1実施形態では、保留連演出決定テーブルT6(
図27)がROM110に記憶されており、演出制御用マイコン101は、当該テーブルに定められた確率に従って保留連演出の実行可否を決定していた。さらに、このテーブルに定められた確率は変更不可であった。これに代えて第2実施形態では、遊技者のカスタム設定により、保留連演出の実行確率を、保留毎に任意の確率に変更可能としている。以下詳細に説明する。
【0211】
図29は、保留連演出の実行確率を保留毎に任意の確率に変更するための各種設定を行う際に演出表示装置7に表示される設定変更画面G1を示す。なお、設定変更画面G1は、待機状態中のみ表示されるものとしてもよいし、待機状態であるか否かを問わず、遊技者による操作手段(例えば演出ボタン9)の操作によって適宜表示されるものとしてもよい。つまり、図柄変動中や大当たり遊技中であっても遊技者による操作手段の操作によって設定変更画面G1が表示され、図柄変動中や大当たり遊技中にも、保留連演出の実行確率を変更できるようにしてもよい。ただし、図柄変動や大当たり遊技の視認性を低下させないよう、図柄変動や大当たり遊技中の表示画面に重ねて表示させる場合には、例えば設定変更画面G1を半透過性画像とする等が好ましい。また、この設定事項は、予め定めたリセット条件の成立によって、デフォルト値にリセットされてもよい。リセット条件の一例とは、例えば、パチンコ遊技機1の電源オフ、RAMクリアスイッチ66の押下等である。
【0212】
図29に示すように、設定変更画面G1では、設定変更項目の一例として「音」「一発告知」「保留連」等の項目が表示されている。設定変更画面G1が演出表示装置7に表示されているときに演出レバー6(操作手段に相当)を操作して「音量」という項目K1を選択すると、音量に関する調整項目(音量レベルを上げる、下げるなど)が表示される(図示せず)。設定変更画面G1が演出表示装置7に表示されているときに演出レバー6を操作して「一発告知」という項目K2を選択すると、一発告知に関する調整項目(一発告知の出現率など)が表示される(図示せず)。設定変更画面G1が演出表示装置7に表示されているときに演出レバー6を操作して「保留連」という項目K3を選択すると、保留連演出に関する調整項目が表示される。設定変更画面G1では、いずれか1つの項目K1~K3を囲うようにカーソルCが表示されており、演出レバー6を押下する度にカーソルCが上下に1つずつ移動する。そして、何れかの項目K1~K3をカーソルCで選択した状態で、演出ボタン9(操作手段に相当)の操作によって「決定」という項目を選択・決定すると、選択した項目に係る変更の実行を決定したことになる。
図29の例では、「保留連」で示す項目K3が決定されている様子を示している。
【0213】
「保留連」で示す項目K3が決定されると、設定変更画面G1では、各保留に対する保留連演出の実行確率を変更させるための変更項目H0が表示される。変更項目H0は、第1変更項目H1と、第2変更項目H2と、第3変更項目H3と、第4変更項目H4と、を有する。第1変更項目H1は、大当たりとなる保留が記憶されている記憶領域が第1記憶領域(時間的に最も古い)である場合における保留連演出の実行確率を設定するための項目である。第2変更項目H2は、大当たりとなる保留が記憶されている記憶領域が第2記憶領域である場合における保留連演出の実行確率を設定するための項目である。第3変更項目H3は、大当たりとなる保留が記憶されている記憶領域が第3記憶領域である場合における保留連演出の実行確率を設定するための項目である。第4変更項目H4は、大当たりとなる保留が記憶されている記憶領域が第4記憶領域(時間的に最も新しい)である場合における保留連演出の実行確率を設定するための項目である。また、各変更項目H1~H4は、保留連演出の実行確率を上げたいときに選択する上矢印Y1と、保留連演出の実行確率を下げたいときに選択する下矢印Y2と、を構成要素に有する。
【0214】
上記の説明は、第2特図保留数が上限「4」まで記憶されていることを前提とし、「第1記憶領域」が、記憶順序が最も古い記憶領域に相当し、「第4記憶領域」が、記憶順序が最も新しい記憶領域に相当するものとして説明した。この例に関わらず、第2特図保留数が上限に到達していない場合であっても、大当たりとなる保留が記憶される記憶領域に応じて設定した任意の確率で保留連演出の実行可否を決定可能である。例えば、保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点での第2特図保留数が「3」である場合、第3記憶領域が、記憶順序が最も新しい記憶領域に相当するが、演出制御用マイコン101は、第3記憶領域に対応する任意の確率に従って保留連演出の実行可否を決定することになる。
【0215】
各変更項目H1~H4において、上矢印Y1又は下矢印Y2を選択するように演出レバー6を操作すると、選択状態となった矢印Y1,Y2は、白色から黒色に変わる。また、各変更項目H1~H4では、保留連演出の実行確率として「低」「中」「高」の3種類の確率が定められている。具体的には、「低」に相当する確率を、例えば「3/10」としている。「中」に相当する確率を、例えば「5/10」としている。「高」に相当する確率を、例えば「8/10」としている。
【0216】
遊技者は、演出レバーの操作によって、保留連演出の実行確率を変更したい変更項目H1~H4を選択し、その変更項目H1~H4において、設定したい実行確率に相当する「低」「中」「高」のうち何れかの項目が表示されるまで、演出レバー6の操作によって上矢印Y1又は下矢印Y2を操作する。そして、変更項目H1~H4において、設定したい実行確率に相当する「低」「中」「高」のうち何れかの項目が表示された状態で、演出ボタン9を操作して「決定」という項目を選択・決定すると、保留連演出の実行確率が、選択した「低」「中」「高」の項目に対応する確率に変更される。別の変更項目H1~H4の実行確率を変更したい場合には、再度、演出レバーの操作によって、任意の変更項目H1~H4を選択する。
【0217】
具体的に説明すると、ROM110では、各変更項目H1~H4における保留連演出の実行確率の最初のデフォルト値として「低」が定められている。演出レバー6が上方向に操作された際には、「低」の次には「中」を、「中」の次には「高」を、「高」の次には「低」を選択するようプログラムが組まれている。演出レバー6が下方向に操作された際には、「低」の次には「高」を、「高」の次には「中」を、「中」の次には「低」を選択するようプログラムが組まれている。そして、演出制御用マイコン101は、演出レバー6(演出レバー押込検出スイッチ6a)から出力される信号の種類と、信号の受信回数などより、「低」「中」「高」のうちどの項目が選択されたかを特定する。そして、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9(演出ボタン検出スイッチ9a)から信号を入力すると、選択した実行確率を、選択した変更項目H1~H4に対応する記憶領域(保留が記憶された順番に相当)での保留連演出の実行確率として設定する。例えば、第1実施形態で説明したような保留連演出決定テーブルT6のような形式で、選択した変更項目H1~H4に対する記憶領域での保留連演出の実行確率の変化を管理するようにしてもよい。
【0218】
そして、演出制御用マイコン101は、保留連演出を行うラウンドに到達すると、
図26で説明したような保留連演出処理を実行する。S213の処理に到達すると、直近のカスタム設定で設定した確率が採用された保留連演出決定テーブルを参照し、大当たり(特殊小当たり)と事前判定される判定情報が記憶されている記憶領域ごとに対応する確率に従って、保留連演出の実行可否を決定する。
【0219】
例えば、直近のカスタム設定において、第1記憶領域に対応する実行確率として「低」を(第1変更項目H1に相当)、第2記憶領域に対応する実行確率として「中」を(第2変更項目H2に相当)、第3記憶領域に対応する実行確率として「中」を(第3変更項目H3に相当)、第4記憶領域に対応する保留連演出の実行確率として「高」を(第4変更項目H4に相当)を選択したとする。この場合、第1記憶領域に記憶された保留が大当たり(特殊小当たりを含む)となる場合には「3/10」の確率で保留連演出の実行可否が決定される。第2記憶領域に記憶された保留が大当たりとなる場合には「5/10」の確率で保留連演出の実行可否が決定される。第3記憶領域に記憶された保留が大当たりとなる場合には「5/10」の確率で保留連演出の実行可否が決定される。第4記憶領域に記憶された保留が大当たりとなる場合には「8/10」の確率で保留連演出の実行可否が決定される。そして、保留連演出の実行を決定した場合、演出制御用マイコン101は、保留連演出の実行を指示するコマンドを画像制御基板200に出力する。
【0220】
このように、保留連演出に係るカスタム設定として、保留連演出の実行確率を保留毎に任意の確率に変更可能とすることで、遊技者の好みを反映し、保留連演出の実行頻度を保留毎に設定することが可能となる。従来のパチンコ遊技機における保留連演出に係るカスタム設定では、大当たりとなる保留の記憶順を考慮することなく、単に「大当たり」となる保留が記憶されているという情報のみに基づいて、保留連演出の実行確率を「高くするか」「低くするか」の二択しか存在しなかった。このカスタム設定において「高くする」を選択した場合、保留連演出が実行されないと、保留内で大当たりに当選しない可能性が非常に高いということが遊技者に知られてしまうおそれがある。一方、このカスタム設定において「低くする」を選択した場合、「保留内に大当たりがある旨を大当たり遊技中に知らせる」という、遊技者にとって喜ばしいはずの保留連演出のそもそもの発生率が下がってしまい、遊技者を十分に楽しませることができないおそれがある。つまり、保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点までに記憶されている全保留に対して一律の設定を行うカスタマイズでは、遊技者にとって一長一短のカスタマイズとしかならず、遊技者を満足させているとは言い難い。
【0221】
一方、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の好みを反映し、保留連演出の実行確率を保留毎に設定可能としている。このため、「大当たり」と事前判定される保留が存在していたとしても、その記憶順が違えば保留連演出の実行確率が異なることになる。つまり、保留毎に任意の確率を定めることができるため、例えば、ある保留については保留連演出の実行確率を高くし、その保留よりも記憶順序が遅い保留については保留連演出の実行確率を低くするなどの設定が可能となる。つまり、大当たりとなる保留が存在するという事実だけに基づいて保留連演出の実行確率を「高くするか」「低くするか」の何れかとするのではなく、大当たりとなる保留の位置に応じてその記憶順毎にそれぞれ異なる確率を設定することが可能となるため、保留連演出に係るカスタマイズが前述したような一長一短のカスタマイズとはならず、遊技者を満足させることができる。
【0222】
なお、カスタム設定において保留連演出の実行確率を変更しなかった場合には、デフォルト値がそのまま保留連演出の実行確率として採用されることになるため、大当たりと事前判定される判定情報がどの記憶領域に記憶されていたとしても、全て3/10の確率で実行可否が決定されることになる。
【0223】
また、遊技者の任意のタイミングで演出ボタン9を操作すると、設定変更画面G1を表示させることができるため、適宜、保留毎の保留連演出の実行確率を変更することが可能である。このため、1つ前の保留連演出と次に実行される保留連演出とで、保留毎の保留連演出の実行確率を変更することが可能となる。ただし、保留連演出処理の実行中は設定変更画面G1の表示を禁止する等の禁則処理を実施することが望ましい。
【0224】
また、「低」「中」「高」に相当する確率を1種類とするのではなく(この例では「低」=「3/10」、「中」=「5/10」、「高」=「8/10」)、複数種類の確率の中から選択されるようにしてもよい。例えば、「低」に相当する確率の範囲を「0/10~3/10」とし、「中」に相当する確率の範囲を「4/10~5/10」とし、「高」に相当する確率の範囲を「6/10~10/10」としてもよい。そして、保留連演出の実行可否を決定する際、例えば「低」の項目が選択されているならば、0/10、1/10、2/10、3/10のうち何れかの確率が抽選で決定され、その確率に従って保留連演出の実行可否が決定されるようにしてもよい。このようにすることで、同じ「低」であっても、異なる確率が採用される場合があるため、より一層、複雑な保留連演出の実行形態を定めることが可能となる。
【0225】
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、保留毎に任意の確率を定めることができるため、例えば、ある保留については保留連演出の実行確率を高くし、その保留よりも記憶順序が遅い保留については保留連演出の実行確率を低くするなどの設定が可能となる。つまり、大当たりとなる保留が存在するという事実だけに基づいて保留連演出の実行確率を「高くするか」「低くするか」の何れかとするのではなく、大当たりとなる保留の位置に応じてその記憶順毎にそれぞれ異なる確率を設定することが可能となるため、保留連演出に係るカスタマイズが前述したような一長一短のカスタマイズとはならず、遊技者を満足させることができる。
【0226】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0227】
・保留連演出の実行可否判定タイミングに到達する時点までに記憶されている全保留の中に「大当たり(特殊小当たりを含む)」と事前判定される判定情報が記憶されていることを遊技者に知らせることができれば、その実行タイミングは実施形態の例に限られない。例えば、エンディング演出中に実行されるようにしてもよいし、1回目のラウンド遊技中としてもよい。また、保留連が確定したときに大当たりボーナス名を変更するような態様で保留連演出を実行するべく、オープニング演出中に実行されるようにしてもよい。
【0228】
・「大当たり」は保留連演出の対象とせず、「特殊小当たり」のみ保留連演出の対象としてもよい。
・振分部材はソレノイド式に限定されない。例えば、複数の孔が設けられたクルーンを振分部材としてもよい。この場合、複数の孔のうちいずれか1つの孔を遊技球が通過したことを「V入賞」とし、V入賞を契機に大当たりを発生させてもよい。
【0229】
・小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放時間や開放パターンを適宜変更してもよい。ただし、大当たり遊技のように多量の遊技球が入賞し得るような時間ではない方が好ましい。
【0230】
・第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(所謂「入球順(記憶順)変動」)の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化を並行して消化する制御処理を採用してもよい。
【0231】
・実施形態では、小当たりと判定された場合、小当たり種別乱数を用いて小当たりの種別を決定するようにしたが、小当たりと判定される大当たり乱数の違いによって、小当たり種別が決定されてもよい。また、大当たり種別乱数と小当たり種別乱数を別々に設定する必要はなく、1種類の「当たり種別乱数」として設定し、大当たり判定で大当たりと判定された場合には、当たり種別乱数に従って大当たり種別を決定する一方、小当たり判定で小当たりと判定された場合には、当たり種別乱数に従って小当たり種別を決定するようにしてもよい。また、時短状態の上限回数は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
【0232】
・時短遊技状態は、通常小当たりの当選回数が規定回数に到達したことを契機に終了させるようにしてもよい。この場合、通常小当たりの当選回数と、大当たり(特殊小当たりを含む)となる判定情報が記憶された「順番」と、に応じて、保留連演出の実行確率を定めてもよい。例えば、保留毎に保留連演出の実行確率を定めることを前提としつつ、時短遊技状態を終了させるための通常小当たりの当選回数が多くなるほど保留連演出の実行確率が高くなるようにしてもよい。例えば、時短遊技状態を終了させる契機となる通常小当たりの当選回数を「3回」としたとする。この場合、第1記憶領域(記憶順序が最も古い)に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には1/10の確率で保留連演出を実行するようにしてもよい。第2記憶領域に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には3/10の確率で保留連演出を実行するようにしてもよい。第3記憶領域に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には4/10の確率で保留連演出を実行するようにしてもよい。第4記憶領域(記憶順序が最も新しい)に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には5/10の確率で保留連演出を実行するようにしてもよい。
【0233】
一方、時短遊技状態を終了させる契機となる通常小当たりの当選回数を「4回」としたとする。この場合、第1記憶領域(記憶順序が最も古い)に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には2/10の確率で保留連演出を実行するようしてもよい。第2記憶領域に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には4/10の確率で保留連演出を実行するようしてもよい。第3記憶領域に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には5/10の確率で保留連演出を実行するようしてもよい。第4記憶領域(記憶順序が最も新しい)に記憶される第2特図保留が「大当たり(特殊小当たり)」となる場合には6/10の確率で保留連演出を実行するようにしてもよい。この場合、保留毎に保留連演出の実行確率を異ならせつつ、時短遊技状態で実行される特図変動回数が多くなるほど保留連演出が実行される可能性が高くなるため、保留連演出が実行された場合には、保留内に大当たりがあることに加え、時短上限回数が多くなることにも期待を持たせることが可能となる。
【0234】
・大入賞口(大入賞装置)は、1つであってもよい。
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0235】
・また上記実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機であってもよいし、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、時短遊技状態と非時短遊技状態とで、遊技球の打ち分けを行うことがないよう、第1始動口11と第2始動口22を同一流路上に配置してもよい。
【0236】
・上記実施形態は、管理式パチンコ遊技機や管理式スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0237】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
3 遊技領域
6 演出レバー
7 演出表示装置
9 演出ボタン
11 第1始動口
21 可動部材
22 第2始動口
30 第1大入賞装置
32 第1大入賞口
33 第2大入賞装置
35 第2大入賞口
35b 特定領域センサ
35d 振分部材ソレノイド
61 遊技制御用マイコン
64 RAM
101 演出制御用マイコン
110 ROM