(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009975
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法、システム、媒体及び装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/03 20060101AFI20250109BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20250109BHJP
B23K 31/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01B11/03 Z
G06T7/60 150Z
B23K31/00 K
B23K31/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103062
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】202310789213.6
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524243181
【氏名又は名称】上海市機械施工集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI MECHANIZED CONSTRUCTION GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.701, Luochuan Middle Road, Jing’an District, Shanghai 200072, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳暁明
(72)【発明者】
【氏名】馬良
(72)【発明者】
【氏名】袁山山
(72)【発明者】
【氏名】王麗
(72)【発明者】
【氏名】賈宝栄
(72)【発明者】
【氏名】黄羲凌
(72)【発明者】
【氏名】周峰
(72)【発明者】
【氏名】徐彬
(72)【発明者】
【氏名】羅海燕
(72)【発明者】
【氏名】徐怡華
(72)【発明者】
【氏名】周鋒
(72)【発明者】
【氏名】李冀清
(72)【発明者】
【氏名】劉偉
(72)【発明者】
【氏名】申澤新
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA21
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2F065SS12
5L096AA09
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5L096FA33
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5L096GA32
5L096GA51
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法であって、建築工事施工技術分野に関し、3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、第1の点群データ及び溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、第2の点群データ及び溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るステップと、マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するステップと、点群主成分分析法に基づいて溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るステップと、を含む。
【効果】鉄筋溶接ビード検出の効率及び正確度を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法であって、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、
前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るステップと、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するステップと、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るステップと、を含む、ことを特徴とする点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項2】
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップは、
溶接対象領域の溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接対象領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、
前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接対象領域の第1の点群データを取得するステップと、
溶接済み領域における溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接済み領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、
前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項3】
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定する前記ステップは、さらに、
前記第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第1の目標点群データを得るステップと、
前記溶接対象領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第1の最大値集合及び第1の最小値集合を推定するステップと、
前記第1の最大値集合、第1の最小値集合及び前記第1の目標点群データに基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項4】
前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定する前記ステップは、
前記第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第2の目標点群データを得るステップと、
前記溶接済み領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第2の最大値集合及び第2の最小値集合を推定するステップと、
前記第2の最大値集合、第2の最小値集合及び前記第2の目標点群データに基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項5】
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得る前記ステップは、
反復最近接点法に基づいて、前記溶接対象関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、且つ姿勢変換行列を算出するステップと、
前記姿勢変換行列をマッチング結果とするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項6】
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出する前記ステップは、
前記マッチング結果における前記姿勢変換行列に基づいて、前記溶接済み関心領域の点群データを前記溶接対象関心領域に変換するステップと、
前記溶接済み関心領域のいずれか1つの目標点について、
前記溶接対象関心領域の点群データのうち前記目標点までの最短ユークリッド距離の点群データを決定し、且つ前記溶接対象関心領域のうち前記最短ユークリッド距離が溶接ビード抽出閾値よりも大きい溶接済み領域の点群データに対応する点を溶接ビード点とし、溶接ビード点群集合を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項7】
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得る前記ステップの後、
各前記溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較するステップであって、前記溶接ビードの寸法は、長さ、幅及び深さを含むステップと、
前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合しない溶接ビードを不合格溶接ビードとして決定するステップと、
前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合する溶接ビードを合格溶接ビードとして決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項8】
点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムであって、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するための点群データ取得モジュール(301)と、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定し、前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するための関心領域取得モジュール(302)と、
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るための点群マッチングモジュール(303)と、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するための溶接ビード点群集合抽出モジュール(304)と、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るための溶接ビード寸法生成モジュール(305)と、を含む、ことを特徴とする点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システム。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体に複数の命令が記憶されており、前記命令は、プロセッサによってロードされ、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するのに適する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
電子機器であって、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含み、前記メモリは、命令を記憶するために用いられ、前記トランシーバは、他のデバイスと通信するために用いられ、前記プロセッサは、前記電子機器に請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させるために、前記メモリに記憶された命令を実行するために用いられる、ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、建築工事施工技術分野に関し、具体的には点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法、システム、媒体及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋材料は道路、建築、橋梁などの国民インフラ建築分野に広く応用されており、特に地下連続壁の鉄筋籠の製作及び施工において、鉄筋を設計要求に従って籠状構造に編み込む必要があり、地下連続壁の補強及び支持用の構造形式の1つである。その主な作用は地下連続壁の曲げ、せん断、圧縮などの力学的特性を強化し、地下連続壁の安定性及び安全性を保証することであり、その鉄筋の主な接続方式は溶接であり、その溶接ビードの溶接品質は鉄筋の枠組みの性能を決定すると同時に、鉄筋籠全体の安全性及び安定性を決定する。
【0003】
鉄筋の溶接ビードの寸法は、溶接ビードの品質を判断する重要な標準の1つであり、従来の溶接ビードの検出方法は、外観検出法であり、主に人手で検出定規を採用して手動で測定し、この方法は検出者の主観的な影響を受けやすいため、検出の標準が一致せず、それによって検出結果が不正確になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法、システム、媒体及び装置を提供し、当該方法は、鉄筋溶接ビード検出の効率及び正確度を向上させ、それによって鉄筋籠全体の安全性及び安定性を保障することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本願は、点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法を提供し、前記方法は、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、
前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るステップと、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するステップと、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るステップと、を含む。
【0006】
上記技術案を採用することによって、3次元レーザスキャナを用いて溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ及び溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを収集し、且つ溶接対象関心領域の点群データ及び溶接済み関心領域の点群データを決定し、溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出し、さらに点群主成分分析法に基づいて溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得、従来技術に比べて、人手による測定の主観的影響因子を低減するとともに、溶接ビードの検出精度及び効率を効果的に向上させることができる。
【0007】
任意選択で、3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップは、溶接対象領域の溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接対象領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接対象領域の第1の点群データを取得するステップと、溶接済み領域における溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接済み領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、を含む。
【0008】
上記技術案を採用することによって、溶接ビードに基づいて3次元レーザスキャナの姿勢を適応的に調整することにより、溶接対象領域の溶接ビード及び溶接済み領域の溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になり、それによって溶接ビード点群データ検出の品質及び効率を向上させる。
【0009】
任意選択で、前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定する前記ステップは、さらに、前記第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第1の目標点群データを得るステップと、前記溶接対象領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第1の最大値集合及び第1の最小値集合を推定するステップと、前記第1の最大値集合、第1の最小値集合及び前記第1の目標点群データに基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、を含む。
【0010】
上記技術案を採用することによって、第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理することにより、ノイズ及び冗長情報を除去し、点群データの数を減らすことができ、且つ溶接対象領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第1の最大値集合及び第1の最小値集合を推定することにより、溶接対象領域に対して精緻化処理及び制御を行うことができ、さらに溶接対象領域検出の精度及び効率を向上させる。
【0011】
任意選択で、前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定する前記ステップは、前記第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第2の目標点群データを得るステップと、前記溶接済み領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第2の最大値集合及び第2の最小値集合を推定するステップと、前記第2の最大値集合、第2の最小値集合及び前記第2の目標点群データに基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、を含む。
【0012】
上記技術案を採用することによって、第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理することにより、ノイズ及び冗長情報を除去し、点群データの数を減らすことができ、且つ溶接済み領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第2の最大値集合及び第2の最小値集合を推定することにより、溶接済み領域に対して精緻化処理及び制御を行うことができ、さらに溶接済み領域検出の精度及び効率を向上させる。
【0013】
任意選択で、前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得る前記ステップは、反復最近接点法に基づいて、前記溶接対象関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、且つ姿勢変換行列を算出するステップと、前記姿勢変換行列をマッチング結果とするステップと、を含む。
【0014】
上記技術案を採用することによって、溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、2つの領域の点群データを一体に統合し、且つ姿勢変換行列を算出することにより、点群間の整列及びマッチングを実現でき、後続の溶接済み領域の処理及び分析が容易となり、溶接済み領域検出の精度及び効率を向上させる。
【0015】
任意選択で、前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出する前記ステップは、前記マッチング結果における前記姿勢変換行列に基づいて、前記溶接済み関心領域の点群データを前記溶接対象関心領域に変換するステップと、前記溶接済み関心領域のいずれか1つの目標点について、前記溶接対象関心領域の点群データのうち前記目標点までの最短ユークリッド距離の点群データを決定し、且つ前記溶接対象関心領域のうち前記最短ユークリッド距離が溶接ビード抽出閾値よりも大きい溶接済み領域の点群データに対応する点を溶接ビード点とし、溶接ビード点群集合を得るステップと、を含む。
【0016】
上記技術案を採用することによって、ユークリッド距離によって溶接対象関心領域の点群データのうち距離が最も短い点群データを決定し、且つ距離が最も短い点を溶接ビード点とし、ユークリッド距離が点と点との間の距離であり、点群データのマッチング及び位置合わせ効果を評価する重要な指標であり、最短ユークリッド距離が溶接ビード抽出閾値よりも大きい溶接済み領域の点群データに対応する点を溶接ビード点とし、溶接ビード点の抽出進度及び数を制御することができ、後続の溶接ビードの検出精度及び効率を効果的に向上させる。
【0017】
任意選択で、点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得る前記ステップの後、各前記溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較するステップであって、前記溶接ビードの寸法は、長さ、幅及び深さを含むステップと、前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合しない溶接ビードを不合格溶接ビードとして決定するステップと、前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合する溶接ビードを合格溶接ビードとして決定するステップと、を含む。
【0018】
上記技術案を採用することによって、測定された溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較すれば、溶接ビードの検出結果が得られ、溶接ビードが合格品であるか否かを作業者に明確に知らせることができ、それによって後続の溶接ビードの検出及び検収を容易にする。
【0019】
本願の第2の態様によれば、点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムを提供し、前記システムは、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するための点群データ取得モジュールと、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定し、前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するための関心領域取得モジュールと、
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るための点群マッチングモジュールと、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するための溶接ビード点群集合抽出モジュールと、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るための検出報告生成モジュールと、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るための溶接ビード寸法生成モジュールと、を含む。
【0020】
本願の第3の態様は、コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体に複数の命令が記憶されており、前記命令は、プロセッサによってロードされて上記方法のステップを実行するように適する。
【0021】
本願の第4の態様は、電子機器を提供し、プロセッサと、メモリと、を含み、ここで、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサプロセッサによってロードされて上記方法のステップを実行するように適する。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本願の実施例にて提供される1つ又は複数の技術案は、少なくとも以下の技術的効果又は利点を有する。
1、本願は、3次元レーザスキャナを用いて溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ及び溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを収集し、且つ溶接対象関心領域の点群データ及び溶接済み関心領域の点群データを決定し、溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出し、さらに点群主成分分析法に基づいて溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得、従来技術に比べて、人手による測定の主観的影響因子を低減するとともに、溶接ビードの検出精度及び効率を効果的に向上させることができる。
2、本願は、溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、2つの領域の点群データを一体に統合し、且つ姿勢変換行列を算出することにより、点群間の整列及びマッチングを実現でき、後続の溶接済み領域の処理及び分析が容易となり、溶接済み領域検出の精度及び効率を向上させる。
3、本願では測定された溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較すれば、溶接ビードの検出結果が得られ、溶接ビードが合格品であるか否かを作業者に明確に知らせることができ、それによって後続の溶接ビードの検出及び検収を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願の実施例にて提供される点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法の概略フローチャートである。
【
図2】本願の実施例にて提供される3次元レーザスキャナによる溶接ビード検出の概略図である。
【
図3】本願の実施例にて提供される点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムのモジュール概略図である。
【
図4】本願の実施例にて提供される電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当業者が本明細書における技術案をよりよく理解するために、以下、本明細書の実施例における図面を参照して、本明細書の実施例における技術案を明確且つ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
【0025】
本願の実施例の説明において、「例えば」又は「例を挙げると」などの用語は、例、例示又は説明を示すために用いられる。本願の実施例において「例えば」又は「例を挙げると」として説明されている任意の実施例又は設計案は、他の実施例又は設計案よりも好ましいか又は有利であると解釈されるべきではない。正確には、「例えば」又は「例を挙げると」などの用語の使用は、関連する概念を具体的な方法で提示することを意図している。
【0026】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上を意味する。例えば、複数のシステムとは、2つ以上のシステムを意味し、複数の画面端末とは、2つ以上の画面端末を意味する。さらに、「第1の」、「第2の」という用語は、単に説明の目的のためのものであり、相対的な重要性を示すか又は暗示するか、又は示された技術的特徴を暗示的に特定するものとして理解されるべきではない。したがって、「第1の」、「第2の」と定義された特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。「含む」、「含有する」、「有する」、及びこれらの変形は、特に別段強調されない限り、「含むが、限定されない」ことを意味する。
【0027】
本願の実施例にて提供される方法及びシステムを理解しやすくするために、本願の実施例を紹介する前に、まず本願の実施例の背景を紹介する。
【0028】
鉄筋は、建築工事における必要品であり、製鉄所で生産される鉄筋は全ての建築のニーズを満たすことは不可能であり、施工側は自らの鉄筋の使用長さや強度を満たすために溶接を行ってニーズを満たす。このような操作は、一般的であり、コストを節約し、材料の利用率を向上させることができ、特に地下連続壁の鉄筋籠の製作及び施工において、鉄筋を設計要求に従って籠状構造に組み込んで溶接する必要があり、地下連続壁の補強及び支持用の構造形式の1つである。
【0029】
鉄筋の溶接品質は、鉄筋籠全体の安全性及び安定性を決定するが、鉄筋の溶接ビードの寸法は、溶接ビードの品質を判断する重要な標準の1つであり、従来の溶接ビードの検出方法は、主に人手による外観検出法を採用し、人手で検出定規を採用して手動で測定し、そして人手で観測して判断し、このような溶接ビードの検出方法は、検出者の主観的な影響を受けやすく、それによって溶接ビードの検出結果が不正確になる。
【0030】
一実施例では、
図1を参照すると、特に点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法の概略フローチャートを提出し、当該方法は、コンピュータプログラムに依存して実現されてもよいし、ワンチップマイクロコンピュータに依存して実現されてもよいし、点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システム上で実行されてもよい。当該コンピュータプログラムは、アプリケーションに集積されてもよいし、独立型の工具型アプリケーションとして実行されてもよく、具体的には、本願の実施例では当該方法は、写真照明の制御装置に適用されてもよく、当該方法は、ステップ10~ステップ60を含み、上記ステップは、以下のとおりである。
【0031】
ステップ10:3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得する。
【0032】
3次元レーザスキャナは、レーザ測距の原理を利用して、物体表面を走査してその3次元座標情報を取得する測量装置である。それは、物体表面の3次元形状情報を迅速且つ正確に取得することができ、その動作原理は、レーザビームを放射し、レーザビームが物体表面に照射された後に反射され、3次元レーザスキャナが反射されたレーザ信号を受信し、且つ信号の時間遅延に基づいて物体表面の距離情報を算出し、それによって物体表面の3次元座標情報を得ることであり、本願の実施例では3次元レーザスキャナを採用して溶接ビードを検出する。
【0033】
点群データは、多数の点からなる3次元空間内のデータの集合であり、各点は空間内の位置と、場合によっては他の属性とを含む。点群データは、物体又はシーンの形状、テクスチャ、表面特徴などの情報を表すことができる。本願の実施例では点群データは、3次元レーザスキャナによって収集されたものであってもよく、ここで第1の点群データとは3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域からのデータの集合であり、第2の点群データとは3次元レーザスキャナによって収集された溶接済み領域からのデータの集合である。
【0034】
上記実施例に加えて、代替的な実施例として、3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するというステップは、以下のステップをさらに含んでもよい。
【0035】
ステップ101:溶接対象領域の溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、溶接対象領域における溶接ビードに基づいて3次元レーザスキャナの姿勢を調整する。
【0036】
ステップ102:3次元レーザスキャナによって収集された溶接対象領域の第1の点群データを取得する。
【0037】
具体的には、溶接前に、3次元レーザスキャナを溶接対象領域に取り付け、当該3次元レーザスキャナがコンピュータ装置と無線通信可能に接続され、測定前に3次元レーザスキャナを調整及び校正して3次元レーザスキャナの測定範囲、走査速度及び走査分解能などのパラメータを決定する。一般的に、走査範囲及び速度は、走査の全面性及び効率性を保証するために、測定対象領域のサイズ及び形状に応じて調整されるべきである。溶接対象領域の溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、測定前に溶接対象領域における溶接ビードに基づいて3次元レーザスキャナの姿勢を調整し、且つ走査時に3次元レーザスキャナと測定対象領域との間の距離及び角度が適切になることを保証する必要があり、それによって走査の全面性及び重複度を保証し、具体的な調整パラメータは、作業者が自分で調整することができる。
【0038】
さらに、各パラメータを調整した後、3次元レーザスキャナが動作を開始するように制御し、3次元レーザスキャナによって収集されたデータに基づいて、さらに3次元再構成ソフトウェア又は点群処理ソフトウェアに基づいて溶接対象領域の第1の点群データを生成し、第1の点群データは多数の点からなる3次元データであり、溶接対象領域の形状及び特徴を反映することができる。
【0039】
ステップ103:溶接済み領域における溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、溶接済み領域における溶接ビードに基づいて3次元レーザスキャナの姿勢を調整する。
【0040】
ステップ104:3次元レーザスキャナによって収集された溶接済み領域の第2の点群データを取得する。
【0041】
具体的には、3次元レーザスキャナを溶接済み領域に取り付け、溶接済み領域における溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、溶接済み領域における溶接ビードに基づいて3次元レーザスキャナの姿勢を調整し、具体的な実現過程は上記ステップ101を参照することができ、ここではその説明を省略する。3次元レーザスキャナが動作を開始するように制御し、3次元レーザスキャナによって収集されたデータに基づいて、さらに3次元再構成ソフトウェア又は点群処理ソフトウェアに基づいて溶接対象領域の第2の点群データを生成し、第2の点群データは多数の点からなる3次元データであり、溶接済み領域の形状及び特徴を反映することができる。
【0042】
ステップ20:第1の点群データ及び溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定する。
【0043】
3次元レーザスキャナの走査領域は大きい可能性があり、且つ走査重複の可能性があるため、第1の点群データを処理し、溶接対象関心領域の点群データを得る必要があり、後続の計算量を減らし、それによって検出の効率及び正確性を向上させる。溶接対象関心領域の点群データとは、点群処理ソフトウェアにより第1の点群データの位置合わせ、分割、及び抽出などを行うことにより、最終的に得られた領域内の点群データである。当該溶接対象関心領域の点群データは、当該領域内の全ての点の座標情報を含む。
【0044】
具体的には、第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第1の目標点群データを得、溶接対象領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第1の最大値集合及び第1の最小値集合を推定し、第1の最大値集合及び第1の最小値集合に基づいて、溶接対象領域の3次元座標軸方向における座標範囲を決定し、当該座標範囲により形成される領域を溶接対象関心領域とし、溶接対象領域の点群データをスクリーニングし、溶接ビード点群データの3次元座標方向における座標値が溶接対象関心領域内である点群データを抽出し、溶接対象関心領域の点群データを得る。
【0045】
上記実施例に加えて、代替的な実施例として、第1の点群データ及び溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するというステップは、以下のステップをさらに含んでもよい。
【0046】
ステップ201:第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第1の目標点群データを得る。
【0047】
具体的には、第1の点群データには一部のノイズ又は異常点が存在する可能性があるので、ノイズ除去処理が必要であり、ノイズ除去の処理方法は、フィルタアルゴリズム、例えばガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、バイラテラルフィルタなどを採用することができる。これらのフィルタアルゴリズムは、効果的にノイズ及び異常点を除去し、点群データ内に有効な情報を保持することができる。
【0048】
さらに、第1の点群データは、通常、多数の点を含むため、点群データの数及び複雑さを低減するために、ノイズ除去処理後の点群データに対してダウンサンプリング処理を行う必要があり、ダウンサンプリングの方法はボクセルメッシュダウンサンプリング、ランダムサンプリング、距離に基づくサンプリングなどを採用することができる。これらの方法は、点群データの分布及び密度に基づいて最適化を行い、一定の精度を有するダウンサンプリング後の第1の目標点群データを得ることができる。
【0049】
ステップ202:溶接対象領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第1の最大値集合及び第1の最小値集合を推定する。
【0050】
具体的には、溶接対象領域の点群データを分割し、溶接ビードが位置する領域を点群データから抽出し、溶接ビード点群データを得る。溶接ビード点群データを処理し、溶接ビード点群データの3次元座標方向における座標値、即ちx軸座標値、y軸座標値及びz軸座標値を取得し、ここで、3次元座標方向は、本願の実施例では空間内の位置又は方向を表す互いに垂直な3つの軸である。3次元座標系では、3つの軸で位置又は方向を表し、これらの軸がそれぞれX軸、Y軸、及びZ軸であり、各軸がそれに垂直な面に垂直である。
【0051】
さらに、溶接ビード点群データのx軸方向、y軸方向及びz軸方向における座標値を統計分析し、x軸方向、y軸方向及びz軸方向における第1の最大値集合、及びx軸方向、y軸方向及びz軸方向における第1の最小値集合を得る。統計学的手法、例えば極値差分法、分位法、標準偏差法などを用いて計算することができる。
【0052】
ステップ203:第1の最大値集合、第1の最小値集合及び第1の目標点群データに基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定する。
【0053】
具体的には、第1の目標点群データを分割し、溶接ビード領域と非溶接ビード領域とに分割し、溶接ビード領域の点群データを処理し、溶接ビード点群データの3次元座標方向における座標値、例えばz軸座標値を取得し、第1の最大値集合及び第1の最小値集合に基づいて、溶接対象関心領域の3次元座標方向における座標範囲を決定し、溶接対象ビード領域の点群データをスクリーニングし、溶接ビード点群データの3次元座標方向における座標値が溶接対象関心領域内である点群データを保持し、溶接対象関心領域の点群データを得、即ち後続の処理及び分析に用いる一定の精度及び正確性を有する点群データを得ることができる。
【0054】
ステップ30:第2の点群データ及び溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定する。
【0055】
3次元レーザスキャナの走査領域は大きい可能性があり、走査重複の可能性があるため、第2の点群データを処理し、溶接済み関心領域の点群データを得る必要があり、後続の計算量を減らし、それによって検出の効率及び正確性を向上させる。溶接済み関心領域の点群データとは、点群処理ソフトウェアにより第2の点群データの位置合わせ、分割、及び抽出などを行うことにより、最終的に得られた領域内の点群データである。当該溶接済み関心領域の点群データは、当該領域内の全ての点の座標情報を含む。
【0056】
具体的には、第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第2の目標点群データを得、溶接済み領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第2の最大値集合及び第2の最小値集合を推定し、第2の最大値集合及び第2の最小値集合に基づいて、溶接済み領域の3次元座標軸方向における座標範囲を決定し、当該座標範囲により形成される領域を溶接済み関心領域とし、溶接済み領域の点群データをスクリーニングし、溶接ビード点群データの3次元座標方向における座標値が溶接済み関心領域内である点群データを抽出し、溶接済み関心領域の点群データを得る。
【0057】
上記実施例に加えて、代替的な実施例として、第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するというステップは、
第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第2の目標点群データを得るステップ301と、
溶接済み領域における溶接ビード座標の3次元座標方向における第2の最大値集合及び第2の最小値集合を推定するステップ302と、
第2の最大値集合、第2の最小値集合及び第2の目標点群データに基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップ303と、をさらに含んでもよい。
【0058】
具体的には、上記ステップ301~ステップ303の実現方法について上記ステップ201~ステップ203を参照することができ、溶接済み関心領域の点群データの決定は、溶接対象関心領域の点群データの決定方式と同じであり、ここでは詳述しない。
【0059】
ステップ40:溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得る。
【0060】
点群マッチングとは、2つ以上の点群データを位置合わせし、点群データの整列及び融合を実現することである。本願の実施例では、溶接対象関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、2つの領域の点群データを一体に統合し、且つ姿勢変換行列を算出することにより、点群間の整列及びマッチングを実現でき、後続の溶接済み領域の処理及び分析が容易となり、溶接済み領域検出の精度及び効率を向上させる。
【0061】
具体的には、反復最近接点法は、2つ以上の点群データを位置合わせ、及び整列する方法であり、反復によって、誤差が最小になるまで、点群データ間の位置合わせ誤差を絶えず最適化する。溶接済み関心領域の点群データを基準点群とし、溶接対象関心領域の点群データを位置合わせ対象点群とし、位置合わせ対象点群から1つの点を選択し、基準点群の中でその点に最も近い点を探索し、位置合わせ対象点群と基準点群との間の対応する点対間の距離誤差を計算し、2つの点群データ間の位置合わせ誤差を測定し、距離誤差を最小化することで位置合わせ対象点群の剛体変換行列を最適化し、基準点群に対する位置及び姿勢をより接近させ、点群データ間の距離誤差が予め設定された閾値に達するか、最大の反復回数に達するまで、上記ステップを繰り返す。さらに反復最近接点アルゴリズムを用いて姿勢変換行列を求め、溶接対象関心領域の点群データを変換し、溶接済み関心領域の点群データと整列させ、姿勢変換行列をマッチング結果とする。
【0062】
ステップ50:マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出する。
【0063】
具体的には、マッチング結果における姿勢変換行列に基づいて、溶接済み関心領域の各点を姿勢変換行列により変換し、それによって溶接対象関心領域におけるその対応点を得る。溶接対象関心領域の点群データ、即ち溶接済み関心領域のいずれか1つの目標点を順次トラバースすることにより、各点と目標点との間のユークリッド距離を計算し、且つ距離が最小の点を対応点として選択し、距離が溶接ビード抽出閾値以下である場合、当該点に対応する溶接済み領域の点群データを溶接ビード点群集合に加えると、溶接ビード点群集合を得、溶接ビード点の抽出進度及び数を制御し、後続の溶接ビードの検出精度及び効率を効果的に向上させることができる。
【0064】
ステップ60:点群主成分分析法に基づいて溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得る。
【0065】
点群主成分分析法は点群データを主成分軸に投影し、各主成分方向における分散及び平均値を得、それによって点群データの各方向における寸法情報を得ることである。
【0066】
具体的には、溶接ビード点群集合を点群行列に変換し、且つ主成分分析を行う。点群行列の各行は、1つの点に対応し、各列は、1つの次元(例えばX、Y、Z座標)に対応し、点群行列を主成分分析し、各主成分方向における分散及び平均値を得ることができる。主成分方向は、点群データの主な分布方向に対応し、その方向及び分散情報に基づいて、各溶接ビードのX、Y、Z方向における寸法を決定することができる。例えば、各主成分方向における標準偏差を計算し、それによって各方向における溶接ビードの寸法情報を得ることができ、溶接ビードのX、Y、Z方向における寸法はそれぞれ溶接ビードの長さ、幅及び深さに対応することができる。
【0067】
さらに、各溶接ビードの寸法を得た後、各溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較し、予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲は人手で設定された溶接ビードの長さ標準範囲、幅標準範囲、及び深さ標準範囲であってもよい。溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合しない溶接ビードを不合格溶接ビードとして決定し、溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合する溶接ビードを合格溶接ビードとして決定し、溶接ビードが合格品であるか否かを作業者に明確に知らせることができ、それによって後続の溶接ビードの検出及び検収を容易にする。
【0068】
さらに溶接ビードを寸法別に分類し、それによって異なる寸法範囲内の溶接ビードの数及び割合を得ることができる。同時に、ビード寸法分布をより完全に記述するために、溶接ビードの平均寸法、標準偏差などの統計量を計算することもできる。
【0069】
図2を参照すると、本願の実施例にて提供される3次元レーザスキャナによる溶接ビード検出の概略図であり、以下、
図2を参照して本願の実施例の実施原理を説明する。まず3次元レーザスキャナを溶接前の走査位置に制御し、溶接対象領域の溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、3次元レーザスキャナの姿勢を調整し、3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データを取得し、3次元レーザスキャナが予め設定された移動経路3に従って溶接後の走査位置に移動するように制御し、溶接済み領域の溶接ビードが3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、3次元レーザスキャナの姿勢を再び調整し、溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得する。第1の点群データ及び溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定し、第2の点群データ及び溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定する。溶接関心領域の点群データを溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得、マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出し、点群主成分分析法に基づいて溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得る。
【0070】
図3を参照すると、本願の実施例にて提供される点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムのモジュール概略図であり、当該点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムは、点群データ取得モジュール301、関心領域取得モジュール302、点群マッチングモジュール303、溶接ビード点群集合抽出モジュール304及び溶接ビード寸法生成モジュール305を含んでもよく、ここで、
点群データ取得モジュール301は、3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するために用いられ、
関心領域取得モジュール302は、前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定し、前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するために用いられ、
点群マッチングモジュール303は、前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るために用いられ、
溶接ビード点群集合抽出モジュール304は、前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するために用いられ、
溶接ビード寸法生成モジュール305は、点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るために用いられる。
【0071】
なお、上記実施例にて提供される装置は、その機能を実現する際に、上記各機能モジュールの分割のみで例示し、実際の応用では、必要に応じて上記機能を異なる機能モジュールに割り当てて完了させ、即ち上記説明した機能の全部又は一部を実現するために、装置の内部構造を異なる機能モジュールに分割する。また、上記実施例にて提供されるシステム及び方法の実施例は、同じ概念に属し、その具体的な実現過程は、方法の実施例に詳細に言及し、ここではその説明を省略する。
【0072】
本願は、電子機器をさらに開示する。
図4を参照すると、
図4は、本願の実施例に開示される電子機器の構造概略図である。当該電子機器400は、少なくとも1つのプロセッサ401、少なくとも1つのネットワークインタフェース404、ユーザインタフェース403、メモリ405、少なくとも1つの通信バス402を含んでもよい。
【0073】
ここで、通信バス402は、これらの構成要素間の接続通信を実現するために用いられる。
【0074】
ここで、ユーザインタフェース403は、ディスプレイ(Display)、カメラ(Camera)を含んでもよく、選択的に、ユーザインタフェース403は、標準的な有線インタフェース、無線インタフェースをさらに含んでもよい。
【0075】
ここで、ネットワークインタフェース404は、選択的に標準的な有線インタフェース、無線インタフェース(例えばWI-FIインタフェース)を含んでもよい。
【0076】
ここで、プロセッサ401は、1つ以上の処理コアを含んでもよい。プロセッサ401は、各種インタフェース及び回線を用いてサーバ全体の各部を接続し、メモリ405内に記憶された命令、プログラム、コードセット又は命令セットを動作又は実行し、及びメモリ405内に記憶されたデータを呼び出すことによって、サーバの各種機能及び処理データを実行する。任意選択で、プロセッサ401は、デジタル信号処理(Digital Signal Processing、DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(Programmable Logic Array、PLA)のうちの少なくとも1つのハードウェア形式で実現されてもよい。プロセッサ401は、中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPU)、画像プロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)及びモデムなどのうちの1つ以上の組み合わせを集積してもよい。ここで、CPUは、主に、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース、及びアプリケーションプログラムなどを処理し、GPUは、ディスプレイに表示する必要のあるコンテンツのレンダリング及び描画を担当するために用いられ、モデムは、無線通信を処理するために用いられる。理解されるように、上記モデムは、プロセッサ401に集積されずに、単独で1枚のチップで実現されてもよい。
【0077】
ここで、メモリ405は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)を含んでもよいし、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory)を含んでもよい。任意選択で、当該メモリ405は、非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable storage medium)を含む。メモリ405は、命令、プログラム、コード、コードセット又は命令セットを記憶するために用いられてもよい。メモリ405は、記憶プログラム領域と、記憶データ領域と、を含んでもよく、ここで、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステムを実現するための命令、少なくとも1つの機能のための命令(例えば、タッチ機能、サウンド再生機能、画像再生機能など)、上記各方法の実施例を実現するための命令などを記憶するために用いられ、記憶データ領域は、上記各方法の実施例に係るデータなどを記憶することができる。メモリ405は、任意選択で前述プロセッサ401から遠隔に配置された少なくとも1つの記憶装置であってもよい。
図4を参照すると、コンピュータ記憶媒体であるメモリ405は、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、ユーザインタフェースモジュール及び点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法のアプリケーションプログラムを含んでもよい。
【0078】
図4に示す電子機器400において、ユーザインタフェース403は、主にユーザに入力を提供するためのインタフェースとして用いられ、ユーザが入力したデータを取得し、プロセッサ401は、メモリ405に記憶された点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法のアプリケーションプログラムを呼び出すために用いられてもよく、1つ以上のプロセッサ401によって実行されるときに、電子機器400に上記実施例の1つ以上の前記方法を実行させる。なお、前述の各方法の実施例について、説明を簡単にするために、全てを一連の動作の組み合わせとして表現したが、当業者であれば、本願が説明された動作の順序によって限定されず、本願によれば、あるステップが他の順序を採用するか、又は同時に行われることができることを認識するであろう。次に、当業者であれば、本明細書に記載された実施例がいずれも好ましい実施例に属し、言及された動作及びモジュールが本願に必ずしも必要ではないことを認識するであろう。
【0079】
上記実施例において、各実施例の説明はそれぞれに重点を置いており、ある実施例において詳述しない部分については、他の実施例の関連説明を参照されたい。
【0080】
本願にて提供されるいくつかの実施形態において、開示される装置は、他の形態により実現することができると理解すべきである。例えば、以上に説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、ユニットの分割は、論理機能上の分割に過ぎず、実施する際に別の形態で分割することもでき、例えば、複数のユニット又はコンポーネントを別のシステムに組み合わせもしくは集積させたり、又は一部の特徴を反映させず、実行しなかったりしてもよい。また、説明又は検討した相互の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットを用いる間接的接続又は通信接続とすることもでき、電気的形態又はその他の形態とすることもできる。
【0081】
分離部材として説明されるユニットは、物理的に分離されるものでもよければ、分離されないものであってもよく、ユニットとして示される部材は、物理的なユニットであってもよいが、物理的なユニットでなくてもよく、即ち同一の場所に設けられるものであってもよいが、複数のネットワークユニットに配置されるものであってもよい。必要に応じて、一部のユニットだけを用いるか、又は全てのユニットを使用して本実施例の態様の目的を達成することができる。
【0082】
また、本願の各実施例において、各機能ユニットが1つの処理ユニットに集積されてもよいが、各ユニットが単独で物理的な部材として存在するか、又は2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。上記集積されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0083】
集積されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実現され、且つ独立した製品として販売されるか又は使用される時に、コンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。このような理解に基づき、本願の技術案の本質的に又は従来技術に貢献する部分又は当該技術案の全部又は一部はソフトウェア製品の形式で表すことができ、当該コンピュータソフトウェア製品はメモリに記憶され、コンピュータ装置(パソコン、サーバ、又はネットワーク装置など)に本願の各実施例の方法の全部又は一部のステップを実行させるのに用いる若干の命令を含む。前記メモリは、Uディスク、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0084】
上記は、本開示の例示的な実施例に過ぎず、それによって本開示の範囲を限定することはできない。即ち本開示の教示に基づいてなされた等価的な変化及び修飾は、全て本開示がカバーする範囲内にある。明細書及び実施上の真理の開示を検討した後、当業者は、その開示の他の実施形態を容易に思いつくであろう。
【0085】
本願は、本開示の一般原理に従い、本開示に記載されていない当技術分野における周知の技術常識又は慣用技術手段を含む、本開示のあらゆる変形、用途、又は適応的変化をカバーすることを意図している。明細書及び実施例は例示的なものとしてのみ扱われ、本開示の範囲及び精神は特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0086】
301...点群データ取得モジュール、302...関心領域取得モジュール、303...点群マッチングモジュール、304...溶接ビード点群集合抽出モジュール、305...溶接ビード寸法生成モジュール、400...電子機器、401...プロセッサ、402...通信バス、403...ユーザインタフェース、404...ネットワークインタフェース、405...メモリ。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法であって、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定するステップと、
前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するステップと、
前記溶接対象関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るステップと、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するステップと、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るステップと、を含む、ことを特徴とする点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項2】
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップは、
溶接対象領域の溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接対象領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、
前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接対象領域の第1の点群データを取得するステップと、
溶接済み領域における溶接ビードが前記3次元レーザスキャナの測定範囲内になるように、前記溶接済み領域における溶接ビードに基づいて前記3次元レーザスキャナの姿勢を調整するステップと、
前記3次元レーザスキャナによって収集された前記溶接済み領域の第2の点群データを取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項3】
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定する前記ステップは、さらに、
前記第1の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第1の目標点群データを得るステップと、
3次元レーザスキャナの視野内の前記溶接対象領域における溶接ビード座標のx軸方向における最小値と最大値、y軸方向における最小値と最大値、及びz軸方向における最小値と最大値を推定するステップと、
x軸座標の前記x軸方向における最小値と最大値の間、y軸座標の前記y軸方向における最小値と最大値の間、z軸座標の前記z軸方向における最小値と最大値の間で、前記第1の目標点群データをクリップし、クリップされた点群データは、溶接対象関心領域の点群データとなるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項4】
前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定する前記ステップは、
前記第2の点群データをノイズ除去及びダウンサンプリング処理し、第2の目標点群データを得るステップと、
3次元レーザスキャナの視野内の前記溶接済み領域における溶接ビード座標のx軸方向における最小値と最大値、y軸方向における最小値と最大値、及びz軸方向における最小値と最大値を推定するステップと、
x軸座標の前記x軸方向における最小値と最大値の間、y軸座標の前記y軸方向における最小値と最大値の間、z軸座標の前記z軸方向における最小値と最大値の間で、前記第2の目標点群データをクリップし、クリップされた点群データは、溶接済み関心領域の点群データとなるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項5】
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得る前記ステップは、
反復最近接点法に基づいて、前記溶接対象関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、且つ姿勢変換行列を算出するステップと、
前記姿勢変換行列をマッチング結果とするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項6】
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出する前記ステップは、
前記マッチング結果における前記姿勢変換行列に基づいて、前記溶接済み関心領域の点群データを前記溶接対象関心領域に変換するステップと、
前記溶接済み関心領域のいずれか1つの目標点について、
前記溶接対象関心領域の点群データのうち前記目標点までの最短ユークリッド距離の点群データを決定し、且つ前記溶接対象関心領域のうち前記最短ユークリッド距離が溶接ビード抽出閾値よりも大きい溶接済み領域の点群データに対応する点を溶接ビード点とし、溶接ビード点群集合を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項7】
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得る前記ステップの後、
各前記溶接ビードの寸法を予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲とそれぞれ比較するステップであって、前記溶接ビードの寸法は、長さ、幅及び深さを含むステップと、
前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合しない溶接ビードを不合格溶接ビードとして決定するステップと、
前記溶接ビードの寸法が予め設定された標準溶接ビードの寸法範囲に適合する溶接ビードを合格溶接ビードとして決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出方法。
【請求項8】
点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システムであって、
3次元レーザスキャナによって収集された溶接前の溶接対象領域の第1の点群データ、及び前記3次元レーザスキャナによって収集された溶接後の溶接済み領域の第2の点群データを取得するための点群データ取得モジュール(301)と、
前記第1の点群データ及び前記溶接対象領域に基づいて、溶接対象関心領域の点群データを決定し、前記第2の点群データ及び前記溶接済み領域に基づいて、溶接済み関心領域の点群データを決定するための関心領域取得モジュール(302)と、
前記溶接関心領域の点群データを前記溶接済み関心領域の点群データと点群マッチングし、マッチング結果を得るための点群マッチングモジュール(303)と、
前記マッチング結果に基づいて溶接ビード点群集合を抽出するための溶接ビード点群集合抽出モジュール(304)と、
点群主成分分析法に基づいて前記溶接ビード点群集合を分析し、各溶接ビードの寸法を得るための溶接ビード寸法生成モジュール(305)と、を含む、ことを特徴とする点群マッチングに基づく溶接ビードの寸法検出システム。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体に複数の命令が記憶されており、前記命令は、プロセッサによってロードされ、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するのに適する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
電子機器であって、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含み、前記メモリは、命令を記憶するために用いられ、前記トランシーバは、他のデバイスと通信するために用いられ、前記プロセッサは、前記電子機器に請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行させるために、前記メモリに記憶された命令を実行するために用いられる、ことを特徴とする電子機器。