(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009976
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ラック
(51)【国際特許分類】
B65G 1/14 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B65G1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103075
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2023107461
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2024084999
(32)【優先日】2024-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522500099
【氏名又は名称】たつみ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】岩根 弘幸
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF01
3F022MM04
3F022MM11
(57)【要約】
【課題】複数の保管対象物の夫々の搬入、搬出をし易くすることが可能なラックを提供すること。
【解決手段】ラック2は、ラック本体21と複数のローラ22とを備えている。ラック本体21は、外形が矩形となる1又は複数の棚部材と当該棚部材の4つの角位置に夫々配置されて当該棚部材を支持する複数の支柱部材とを有する。ローラ22は、棚部材に組付けられて当該棚部材への保管の対象となる保管対象物Bの矢印TやYの方向の移動を補助する。棚部材には、4つの第1フレームで正方形となる第1枠部が形成されていると共に、当該4つの第1フレーム全てにローラ22の回転軸を着脱自在に受ける第1軸受部が1又は複数形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が矩形となる1又は複数の棚部材と当該棚部材の4つの角位置に夫々配置されて当該棚部材を支持する複数の支柱部材とを有するラック本体と、
前記棚部材に組付けられて当該棚部材への保管の対象となる保管対象物の当該棚部材での所定方向の移動を補助する複数のローラと、
を備え、
前記棚部材には、4つの第1フレームで正方形となる第1枠部が形成されていると共に、当該4つの第1フレーム全てに前記ローラの回転軸を着脱自在に受ける第1軸受部が1又は複数形成されている、
ラック。
【請求項2】
前記棚部材は、前記外形が長方形となるように形成されていると共に、当該棚部材の長手方向に前記第1枠部が複数配置されている、
請求項1に記載のラック。
【請求項3】
前記棚部材には、複数の前記第1枠部の夫々における当該棚部材の短手方向の端部に、前記第1軸受部と同じ形状の第2軸受部が形成された第2フレームを有する第2枠部が夫々形成されている、
請求項2に記載のラック。
【請求項4】
前記棚部材には、前記保管対象物の前記所定方向の移動の際の過剰移動を規制するストッパが1又は複数設けられている、
請求項1に記載のラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
葬儀後から火葬するまでの間、或いは葬儀後に火葬場へ移送するまでの間、遺体を収納した棺を一時的に複数保管する保冷庫としては、下記特許文献1に開示されたものが知られている。
複数の棺の夫々は、ラックに乗せられて保管されるようになっている。複数の棺の夫々は、ラックに対し保管対象となる物、即ち保管対象物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含め従来の技術では、複数の保管対象物の夫々の搬入、搬出のし易さまでは十分に配慮することができていない状況であった。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、複数の保管対象物の夫々の搬入、搬出をし易くすることが可能なラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様のラックは、
外形が矩形となる1又は複数の棚部材と当該棚部材の4つの角位置に夫々配置されて当該棚部材を支持する複数の支柱部材とを有するラック本体と、
前記棚部材に組付けられて当該棚部材への保管の対象となる保管対象物の当該棚部材での所定方向の移動を補助する複数のローラと、
を備え、
前記棚部材には、4つの第1フレームで正方形となる第1枠部が形成されていると共に、当該4つの第1フレーム全てに前記ローラの回転軸を着脱自在に受ける第1軸受部が1又は複数形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の保管対象物の夫々の搬入、搬出をし易くすることが可能なラックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るラックの機能について示す図であり、(a)は縦入れを可能とする図、(b)は横入れを可能とする図である。
【
図2】
図1のラックを構成するラック本体の平面図である。
【
図8】
図4乃至
図7の矢印A2乃至A4の箇所の拡大図である。
【
図9】
図1のラックを構成するローラの図であり、(a)はローラの正面図、(b)はローラの側面図である。
【
図10】縦入れを可能とする例のラックの平面図である。
【
図11】縦入れを可能とする例のラックの斜視図である。
【
図12】横入れを可能とする例のラックの平面図である。
【
図13】横入れを可能とする例のラックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るラックの機能について示す図であり、(a)は縦入れを可能とする図、(b)は横入れを可能とする図である。
【0011】
図1に示すように、例えば倉庫1の倉庫本体3内のラック設置スペース33に設置されるラック2は、矢印Tで示す縦入れ及び矢印Yで示す横入れのいずれか一方に保管対象物Bを移動させ易くすることができるように構成されている。
ラック2は、縦入れ専用や横入れ専用のものとして夫々製造されるのではなく、上述のように縦入れ及び横入れのいずれにも対応することができるように構成されている。
【0012】
具体的に、ラック2は、保管対象物Bの移動を補助するローラ22(後述する)を複数有しており、当該ローラ22の延在方向が後述する棚部材212の短手方向に平行となるようにローラ22が組付けられた場合(
図1(a))には、上述の縦入れをスムーズに行うことができるように、また、長手方向に平行となるように組付けられた場合(
図1(b))には、上述の横入れをスムーズに行うことができるように構成されている。
このようなラック2は、ラック本体21と、複数のローラ22とを備えて構成されている。
【0013】
なお、
図1中の「上下」の矢印はラック2の上下方向を示すものとする。また、「前後」の矢印はラック2の前後方向及び後述する棚部材212の長手方向を示すものとする。また、「左右」の矢印はラック2の左右方向及び棚部材212の短手方向を示すものとする。
【0014】
図2は、
図1のラックを構成するラック本体の平面図である。
また、
図3は、
図2の矢印A1の箇所の拡大図、
図4は、2段タイプのラック本体の正面図、
図5は、3段タイプのラック本体の正面図である。
また、
図6は、2段タイプのラック本体の右側面図、
図7は、3段タイプのラック本体の右側面図、
図8は、
図4乃至
図7の矢印A2乃至A4の箇所の拡大図である。
以下の説明では、
図1乃至
図8を適宜参照するものとする。
【0015】
ラック本体21は、複数の支柱部材211と、複数の棚部材212と、複数の振れ止め部材213と、複数の落下防止ストッパ214とを備えて構成されている。
【0016】
複数の支柱部材211は、上下方向に真っ直ぐ伸びる金属製の棒であって、ここでは同じ形状のものが4本用いられている。
4本の支柱部材211は、棚部材212の4つの角位置に配置されている。
【0017】
棚部材212は、ラック2が
図4及び
図6に示す2段タイプの場合に同じ形状で2つ用いられ、
図5及び
図7に示す3段タイプの場合には、同じ形状で3つ用いられるようになっている。
棚部材212は、ここでは保管対象物Bが例えば直方体の形状であることから、平面視が長方形となる形状に形成されている。
【0018】
棚部材212は、短手方向に所定の間隔をあけて配置される2つの外形フレーム212aと、長手方向に所定の間隔をあけて配置される2つの外形フレーム212bと、4つの第1枠部212cと、左右4つずつとなる合計8つの第2枠部212dとを有している。
2つの外形フレーム212a及び2つの外形フレーム222bは、棚部材212の外形を形成する外枠になる。
4つの第1枠部212cは、長手方向に沿って連続して並ぶように配置されている。
【0019】
8つの第2枠部212dは、このうち4つが4つの第1枠部212cと一方の外形フレーム212aとの間に配置されており、残り4つが4つの第1枠部212cと他方の外形フレーム212aとの間に配置されている。
4つの第1枠部212cは、基本的に同じ構成になっており、夫々4つの第1フレーム212eを有して正方形に形成されている。
4つの第1枠部212cは、ここでは隣り合う同士が第1フレーム212eを共通使用するように構成されている。
【0020】
複数の第1フレーム212eには、所定のピッチで第1軸受部212fが複数形成されている。
この複数の第1軸受部212fは、ローラ22の回転軸222を受けるための部分であって、上から下へ向けて切り欠くような例えばU字状の溝に形成されている(
図8参照)。
【0021】
複数の第1軸受部212fは、回転軸222を受けた状態でローラ22のローラ本体221が第1フレーム212eから上方に突出するような深さの溝に形成されている。
複数の第1軸受部212fは、ここでは1つの第1フレーム212eにおいて、4つ形成されている(数は一例であるものとする)。
【0022】
8つの第2枠部212dは、基本的に8つ同じ構成になっており、第2フレーム212gを有して長手方向に細長い長方形に形成されている。
8つの第2枠部212dは、第1枠部212cの第1フレーム212eと外形フレーム212aを共通使用するように構成されている。
【0023】
8つの第2枠部212dは、ここでは隣り合う同士が第2フレーム212gを共通使用するように構成されている。
第2フレーム212gには、第1フレーム212eと同じ形状の第2軸受部212hが1つ形成されている(
図8参照。数は一例であるものとする)。
【0024】
複数の振れ止め部材213は、ラック本体21の強度を確保する(歪みを規制する)ために用いられる例えば棒状の部材であって、上述の縦入れをする場合には、長手方向に沿って2本の支柱部材211を連結する(
図4及び
図5参照)ように組付けられている。
また、上述の横入れをする場合には、短手方向に沿って2本の支柱部材211を連結する(
図6及び
図7での図示は省略)ように組付けられている。
【0025】
複数の落下防止ストッパ214は、保管対象物Bを縦入れする場合には、奥の位置にある外形フレーム212bに配置されて保管対象物Bの落下を防止し、横入れする場合には、奥の位置にある外形フレーム212aに配置されて保管対象物Bの落下を防止する。
なお、落下防止ストッパ214を着脱自在、又はスライド自在となる構造にして、上述の奥の位置の逆となる手前の位置の外形フレーム212bや外形フレーム212aに配置してもよいものとする。
【0026】
図9は、
図1のラックを構成するローラの図であり、(a)はローラの正面図、(b)はローラの側面図である。
また、
図10は、縦入れを可能とする例のラックの平面図、
図11は、縦入れを可能とする例のラックの斜視図である。
また、
図12は、横入れを可能とする例のラックの平面図、
図13は、横入れを可能とする例のラックの斜視図である。
【0027】
図9において、複数のローラ22は、ローラ本体221と、回転軸222と、回転軸ストッパ223とを備えて構成されている。
ローラ本体221は、円柱形状に形成されており、回転軸222の軸周りに回転自在に組付けられている。
回転軸ストッパ223は、第1軸受部212fや第2軸受部212hに組付けられたローラ22の移動を規制するために設けられている。
【0028】
複数のローラ22は、上述の縦入れをする場合に、例えば
図10及び
図11に示すような位置に組付けられるようになっている。
また、複数のローラ22は、上述の横入れをする場合に、例えば
図12及び
図13に示すような位置に組付けられるようになっている。
【0029】
以上、
図1乃至
図13を参照しながら説明してきたように、ラック2は、上述の構成及び構造を有することから、
図1に示すように、保管対象物Bの縦入れ及び横入れのいずれにも対応することができる。
また、ラック2は、4つの第1枠部212cと8つの第2枠部212dを有して、適宜位置に複数のローラ22を配置することから、特に上述の横入れをする場合、保管対象物Bをスムーズに移動させることができる。
【0030】
ここまで、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0031】
なお、上述の実施形態では、各段同じ方向に保管対象物Bを移動させるようにしていたが、これに限らないものとする。即ち、ローラ22の組付けを変えて、例えば1段目が縦入れで、2段目が横入れとなるようにしてもよいものとする(3段目も横入れ等)。
【0032】
また、上述の実施形態では、保管対象物Bが直方体となる形状であったが、これに限らないものとする。即ち、平面視が長方形となる例えば浅底のトレイであってもよいものとする。また、立方体となる形状等であってもよいものとする。
特に限定していなかったが、保管対象物Bは、遺体を収納する棺や遺体を乗せる上述の浅底のトレイ、或いは製造現場や製品の輸送に用いられる通箱等が好適であるものとする。
【0033】
上述の実施形態では、特に符号を付して説明していないが、外形フレーム212bがある箇所に第3となる枠部(第3枠部)が設けられており、この第3枠部の第3フレームに形成された第3軸受け部には、ローラ22の組付けが可能な第3軸受部が形成されていてもよいものとする。
【0034】
以上をまとめると、本発明が適用されるラックは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用されるラック(例えば
図1のラック2)は、
外形が矩形となる1又は複数の棚部材(例えば
図2乃至
図7の棚部材212)と当該棚部材の4つの角位置に夫々配置されて当該棚部材を支持する複数の支柱部材(例えば
図2乃至
図7の支柱部材211)とを有するラック本体(例えば
図1乃至
図7のラック本体21)と、
前記棚部材に組付けられて当該棚部材への保管の対象となる保管対象物(例えば
図1の保管対象物B)の当該棚部材での所定方向の移動(例えば
図1の矢印TやYの方向の移動)を補助する複数のローラ(例えば
図1のローラ22)と、
を備え、
前記棚部材には、4つの第1フレーム(例えば
図2及び
図3の第1フレーム212e)で正方形となる第1枠部(例えば
図2及び
図3の第1枠部212c)が形成されていると共に、当該4つの第1フレーム全てに前記ローラの回転軸を着脱自在に受ける第1軸受部(例えば
図3の第1軸受部212f)が1又は複数形成されている、
ことであれば足りる。
本発明によれば、複数の保管対象物の夫々の搬入、搬出をし易くすることが可能なラックを提供ことができる。
【0035】
また、ラック(例えば
図1のラック2)において、
前記棚部材は、前記外形が長方形(例えば
図2に示すような長方形)となるように形成されていると共に、当該棚部材の長手方向(例えば
図1の「前後」の矢印で示す方向)に前記第1枠部が複数配置されている、
ことができる。
本発明によれば、保管対象物の形状に対応することができる。
【0036】
また、ラック(例えば
図1のラック2)において、
前記棚部材には、複数の前記第1枠部の夫々における当該棚部材の短手方向(例えば
図1の「左右」の矢印で示す方向)の端部に、前記第1軸受部と同じ形状の第2軸受部(例えば
図3の第2軸受部212h)が形成された第2フレーム(例えば
図3の第2フレーム212g)を有する第2枠部(例えば
図3の第2枠部212d)が夫々形成されている、
ことができる。
本発明によれば、保管対象物に対する短手方向の搬入、搬出をさらにし易くすることができる。
【0037】
また、ラック(例えば
図1のラック2)において、
前記棚部材には、前記保管対象物の前記所定方向の移動の際の過剰移動を規制するストッパ(例えば
図4乃至
図7の落下防止ストッパ214)が1又は複数設けられている、
ことができる。
本発明によれば、保管対象物の過剰移動を規制することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・倉庫
2・・・ラック
3・・・倉庫本体
21・・・ラック本体
22・・・ローラ
211・・・支柱部材
212・・・棚部材
212a・・・外形フレーム
212b・・・外形フレーム
212c・・・第1枠部
212d・・・第2枠部
212e・・・第1フレーム
212f・・・第1軸受部
212g・・・第2フレーム
212h・・・第2軸受部
213・・・振れ止め部材
214・・・落下防止ストッパ
221・・・ローラ本体
222・・・回転軸
223・・・回転軸ストッパ
B・・・保管対象物
T・・・縦入れを示す矢印
Y・・・横入れを示す矢印