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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099791
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/50 20180101AFI20250626BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20250626BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20250626BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20250626BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20250626BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20250626BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20250626BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250626BHJP
【FI】
F21S43/50
F21S43/14
F21S43/237
F21W102:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:55
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216724
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道家 幸治
(57)【要約】
【課題】 導光体からの漏れ光を防止した上で軽量化を図る。
【解決手段】 所定の方向に延び少なくとも一端面が入射面として形成され外周面の一部が出射面として形成された導光体と、反射面を有し反射面が導光体の外周面における出射面以外の部分に対向して位置されたリフレクターと、第1の部分と第2の部分とヒンジ部を有し第1の部分と第2の部分がヒンジ部を介して折り返し可能にされたシェードとを備え、導光体は出射面より入射面側の部分が導光用端部として設けられ、シェードは折り返された第1の部分と第2の部分によって導光用端部とリフレクターの一部を挟み込む状態で配置された。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に延び少なくとも一端面が入射面として形成され外周面の一部が出射面として形成された導光体と、
反射面を有し前記反射面が前記導光体の外周面における前記出射面以外の部分に対向して位置されたリフレクターと、
第1の部分と第2の部分とヒンジ部を有し前記第1の部分と前記第2の部分が前記ヒンジ部を介して折り返し可能にされたシェードとを備え、
前記導光体は前記出射面より前記入射面側の部分が導光用端部として設けられ、
前記シェードは折り返された前記第1の部分と前記第2の部分によって前記導光用端部と前記リフレクターの一部を挟み込む状態で配置された
車輌用灯具。
【請求項2】
前記シェードには前記第1の部分に連続された第1の結合部と前記第2の部分に連続された第2の結合部とが設けられ、
前記シェードは前記第1の結合部と前記第2の結合部が結合された状態で配置された
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記リフレクターに位置決め孔を有する被押さえ部が設けられ、
前記第1の部分には前記被押さえ部を押さえる押さえ突部が設けられ、
前記第2の部分には前記位置決め孔に挿入される位置決めピンが設けられ、
前記第1の部分と前記第2の部分が折り返されるときに前記位置決めピンが前記位置決め孔に挿入される
請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
ランプハウジングに取り付けられ部材挿通孔を有するブラケットが設けられ、
前記導光用端部の一部が前記部材挿通孔に挿通され、
前記シェードに前記導光用端部と前記部材挿通孔の隙間に挿入される遮光部が設けられた
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項5】
前記遮光部に前記導光用端部の外周面に押し付けられる押当突部と前記部材挿通孔を形成する周面に押し付けられる位置決め突部とが設けられ、
前記押当突部と前記位置決め突部が前記遮光部の厚み方向における反対の面側に位置された
請求項4に記載の車輌用灯具。
【請求項6】
前記シェードには位置決め片部が設けられ、
前記遮光部が前記部材挿通孔に挿通された状態において前記位置決め片部が前記部材挿通孔の開口縁に押し当てられる
請求項4又は請求項5に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源から出射された光が導光体によって導かれて出射される車輌用灯具についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に前照灯ユニット等の複数の種類のランプユニットが配置され、それぞれのランプユニットから各別に光が出射される構成にされたコンビネーションランプとして機能するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された車輌用灯具においては、それぞれのランプユニットの各部が取り付けられるベース部材が設けられている。ベース部材はランプハウジングに取り付けられている。
【0003】
一方、車輌用灯具には、所定の方向に延びる導光体(ライトガイド)を有するランプユニットが設けられ、導光体によって光が導かれて出射される構成にされたものがある(例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。このような車輌用灯具においては、導光体の一部からの光漏れを防止するためにシェードが設けられているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-188360号公報
【特許文献2】WO2020/90476号公報
【特許文献3】特開2010-170806号公報
【特許文献4】特開2022-113003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたようなコンビネーションランプとして機能する車輌用灯具においては、灯具外筐の内部に複数のランプユニットが配置されるため、ベース部材の大きさが大きくなり易く、車輌用灯具の軽量化を阻害する要因になってしまう。
【0006】
特に、複数のランプユニットの中に導光体を有するランプ
ユニットが存在し導光体を必要とする構成において導光体がベース部材に取り付けられる場合には、ベース部材に導光体を取り付けるための導光体取付部が必要になったり、ベース部材のランプハウジングに対する取付状態の安定化を図るために導光体取付部の近傍にランプハウジングに対する被取付部を設ける必要が生じる場合もある。このようにベース部材に導光体取付部や被取付部が設けられると、ベース部材が一層大型になり車輌用灯具の重量がさらに増加してしまう。
【0007】
そこで、本発明車輌用灯具は、導光体からの漏れ光を防止した上で軽量化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車輌用灯具は、所定の方向に延び少なくとも一端面が入射面として形成され外周面の一部が出射面として形成された導光体と、反射面を有し前記反射面が前記導光体の外周面における前記出射面以外の部分に対向して位置されたリフレクターと、第1の部分と第2の部分とヒンジ部を有し前記第1の部分と前記第2の部分が前記ヒンジ部を介して折り返し可能にされたシェードとを備え、前記導光体は前記出射面より前記入射面側の部分が導光用端部として設けられ、前記シェードは折り返された前記第1の部分と前記第2の部分によって前記導光用端部と前記リフレクターの一部を挟み込む状態で配置されたものである。
【0009】
これにより、折り返された第1の部分と第2の部分によって入射面と出射面の間の導光用端部が挟み込まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、折り返された第1の部分と第2の部分によって入射面と出射面の間の導光用端部が両側から挟み込まれるため、ベース部材が配置される場合にベース部材に導光体取付部やランプハウジングへの被取付部を設ける必要がなくベース部材が小型化され、導光体からの漏れ光を防止した上で軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図2乃至図12と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の正面図である。
図2】ランプハウジングにベース部材とヒートシンクが取り付けられた状態をカバーとブラケットと共に示す斜視図である。
図3】ランプハウジングにベース部材とヒートシンクが取り付けられベース部材にリフレクターが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図4】リフレクターの一部とシェードを示す斜視図である。
図5】リフレクターに導光体が保持された状態を示す斜視図である。
図6】灯室に配置された各部等を示す斜視図である。
図7】シェードの外面側を示す斜視図である。
図8】シェードの内面側を示す斜視図である。
図9】導光体とシェードを示す斜視図である。
図10】閉じられた状態で示すシェードの斜視図である。
図11】リフレクターの挿入部とシェードの遮光部とがブラケットの部材挿通孔に挿入された状態を示す背面図である。
図12】導光体とリフレクターがシェードに保持された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0013】
以下には、車輌用灯具からの光の照射方向を前方として前後上下左右の方向を説明する。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0014】
車輌用灯具1は、例えば、ヘッドランプユニットを含む複数のランプユニットを有するコンビネーションランプとして設けられている(図1参照)。車輌用灯具1は、例えば、ヘッドランプユニット100とクリアランスランプユニット200とフロントターンシグナルランプユニット300の三つのランプユニットを有している。クリアランスランプユニット200はデイタイムランニングランプユニットとしても機能する。但し、車輌用灯具1は複数のランプユニットを有する構成にされていれば他の機能のランプユニットが設けられていてもよい。
【0015】
車輌用灯具1においては、クリアランスランプユニット200が上下方向における略中央部において左右に延びる状態で位置され、ヘッドランプユニット100がクリアランスランプユニット200の上側に位置され、フロントターンシグナルランプユニット300がクリアランスランプユニット200の下側に位置されている。ヘッドランプユニット100は車輌の左右方向における外側に寄った位置に配置され、フロントターンシグナルランプユニット300は車輌の左右方向における内側に寄った位置に配置されている。
【0016】
尚、本発明はクリアランスランプユニット200に関する発明であるため、以下における説明と参照する図については、ヘッドランプユニット100とフロントターンシグナルランプユニット300の説明と図示を省略する。
【0017】
車輌用灯具1は前端に開口を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図2参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0018】
ランプハウジング2は略前後方向を向く後面部6と後面部6の外周部から前方に突出された周面部7とを有し、車輌の左右方向における外側に相当する部分が側部8として設けられている。側部8は車輌の左右方向における内側から外側へ行くに従って後方に変位するように屈曲されている。側部8には部材取付部9が設けられ、部材取付部9には略前後に貫通された配置孔9aが形成されている。部材取付部9の前端部には配置孔9aの周囲の位置に略前方に突出された挿通突部9bが設けられている。
【0019】
部材取付部9にはヒートシンク10が後方側から取り付けられている。ヒートシンク10は略前後方向を向く円板状の光源ベース10aと光源ベース10aから後方に突出された複数の放熱フィン10bとを有している。ヒートシンク10には光源ベース10aの外周部から略前方に突出された二つの位置合わせピン10cが周方向に離隔して設けられている。
【0020】
ヒートシンク10は光源ベース10aが配置孔9aを後方から覆う状態で部材取付部9に取り付けられ、位置合わせピン10cが配置孔9aから略前方に突出される。
【0021】
ヒートシンク10の光源ベース10aには、例えば、絶縁性の接着剤によって光源11が実装されている。光源11としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられている。光源11はヒートシンク10が部材取付部9に取り付けられた状態において配置孔9aに位置される。
【0022】
部材取付部9には前側からブラケット12がネジ止め等によって取り付けられている。ブラケット12はランプハウジング2の部材取付部9以外の部分にもネジ止め等によって取り付けられている。
【0023】
ブラケット12は導光体配置部13と挿通用突部14と機構組付部15を有している。導光体配置部13には略前後方向に貫通された部材挿通孔13aが形成されている。導光体配置部13には略前後に延びる複数の受け突部13bが設けられ、受け突部13bは左右両側に、例えば、それぞれ二つずつが上下に離隔して位置されている。挿通用突部14は導光体配置部13から上方に突出され、略前後方向に貫通された突部挿通孔14aを有している。機構組付部15は導光体配置部13から側方に突出され、例えば、左右に離隔して位置された二つのファン取付部15aを有している。ファン取付部15aには図示しない冷却用ファンが後方から取り付けられる。冷却用ファンは、主として、ヘッドランプユニット100の各部を冷却するためのファンである。
【0024】
ブラケット12は突部挿通孔14aに部材取付部9の挿通突部9bが挿通された状態でネジ止めによってランプハウジング2に取り付けられている。
【0025】
灯室5にはベース部材16がランプハウジング2の後面部6に取り付けられた状態で配置されている。ベース部材16は略左右に延びるリフレクター取付部17とベース部材16の下側に位置されたユニットベース部18とを有している。
【0026】
リフレクター取付部17は略前後方向を向く板状の第1の受け面部19と第1の受け面部19の下端部から前方に突出された第2の受け面部20と第2の受け面部20の長手方向における一端部から前方に突出された突片部21とを有している。突片部21には上下に貫通された突部部材挿通孔21aが形成されている。リフレクター取付部17は長手方向における一端側の部分がランプハウジング2の側部8に対応して後方側に屈曲されている。
【0027】
ユニットベース部18はリフレクター取付部17における突片部21が設けられていない側の略半部における下側に位置されている。
【0028】
ベース部材16にはクリアランスランプユニット200の一部を構成する白色又は乳白色のリフレクター22が取り付けられている(図3参照)。リフレクター22はリフレクター取付部17に沿って延びる反射保持部23を有し、反射保持部23は前方から側方に亘って開口された凹状に形成されている(図3乃至図6参照)。
【0029】
反射保持部23の内面は反射面23aとして形成されている。反射保持部23は長手方向における一端側の部分がリフレクター取付部17に対応して後方側に屈曲されている。反射保持部23の一端部(先端部)は挿入部24として設けられ、挿入部24には外方に突出された二つの外側突部24aと内方に突出された二つの内側突部24bとがそれぞれ周方向に離隔して設けられている。
【0030】
リフレクター22は長手方向における一端側の部分が各種の機能を有する各部が設けられた複合機能部25として設けられている。複合機能部25には反射保持部23からそれぞれ突出された係合突部26と被押さえ部27と突出部28とが設けられている。
【0031】
係合突部26と被押さえ部27はそれぞれ反射保持部23から下方に突出されている。係合突部26の先端部には係合爪26aが設けられている。被押さえ部27はリフレクター22の長手方向において係合突部26と挿入部24の間に位置されている。被押さえ部27には位置決め孔27aが形成されている。
【0032】
突出部28は反射保持部23から上方に突出され、略側方に開口された挿入凹部29を有している。挿入凹部29の後側開口縁はストッパー縁29aとして形成されている。
【0033】
リフレクター22には突出部28の後端部から側方に突出された被取付片部30が設けられている。被取付片部30には被取付孔30aが形成されている。
【0034】
リフレクター22は係合突部26が突片部21の突部部材挿通孔21aに上側から挿入されてベース部材16に対して位置決めされる。リフレクター22は係合突部26の係合爪26aが突片部21の下側開口縁に係合され、所定の部分がネジ止めや係合等によってベース部材16に取り付けられる。
【0035】
また、リフレクター22はブラケット12の突部挿通孔14aに部材取付部9の挿通突部9bが挿通された状態において、被取付孔30aに挿通突部9bが挿通され取付ネジが挿通突部9bに螺合されることによりランプハウジング2の部材取付部9に取り付けられる。従って、リフレクター22はブラケット12とともにランプハウジング2の部材取付部9に共締めされて取り付けられる。
【0036】
リフレクター22にはクリアランスランプユニット200の一部を構成する導光体31が保持されている(図4乃至図6参照)。導光体31はリフレクター22の反射保持部23に沿って延び、例えば、略丸軸状に形成されている。尚、導光体31は一部が二股状に分離された形状に形成されていてもよく、この二股状の部分が上下で結合された形状に形成されていてもよい。
【0037】
導光体31は軸方向における一端面が入射面31aとして形成されている。導光体31には長手方向における両端部を除く部分に出射面31bが形成され、出射面31bには、例えば、拡散ステップが形成されている。導光体31は出射面31bより入射面31a側の部分が導光用端部32として設けられている。尚、導光体31においては長手方向における両面が入射面として形成されていてもよい。
【0038】
導光用端部32は略前後方向に延びる部分であり、導光用端部32には上方に突出された位置決め片部33が設けられている。位置決め片部33は、例えば、矩形状に形成されている。
【0039】
導光体31は位置決め片部33が挿入凹部29に前側から挿入され、位置決め片部33の後縁がストッパー縁29aに係合可能な状態にされる。従って、位置決め片部33がストッパー縁29aに接触又は近接して位置されることにより、導光体31の長手方向におけるリフレクター22に対する位置決めが行われる。
【0040】
リフレクター22の複合機能部25と導光体31の導光用端部32にはシェード34が両者を両側から覆うように取り付けられる(図7乃至図9参照)。
【0041】
シェード34は第1の部分35と第2の部分36とヒンジ部37を有し第1の部分35と第2の部分36がヒンジ部37を介して折り返し可能にされている。
【0042】
第1の部分35は導光体31の導光用端部32を外側から覆う部分であり、上下に分かれて設けられた略平板状の第1のベース面部38と第1のベース面部38の間に設けられた第1の保持部39とフランジ状の第1の位置決め片部40とブラケット12の部材挿通孔13aに挿入される遮光部41とを有している。
【0043】
第1のベース面部38は各部分が第1の保持部39の上下に連続して位置されている。第1のベース面部38の内面側には三つの押さえ突部38aが設けられている。三つの押さえ突部38aは、例えば、第1の保持部39の上側に一つと下側に二つが設けられ、下側の押さえ突部38aが左右に離隔して位置されている。第1のベース面部38の内面側には第1の保持部39の上側に位置決め突部38bが設けられている。
【0044】
第1の保持部39は側方に開口された凹状に形成され、内面が曲面にされている。
【0045】
第1の位置決め片部40は第1のベース面部38の一端部と第1の保持部39の一端部とから外方に張り出されている。
【0046】
遮光部41は第1の位置決め片部40を挟んで第1の保持部39の反対側に設けられ、側方に開口された凹状に形成されている。遮光部41には外面側に二つの位置決め突部41aが上下に離隔して設けられている。
【0047】
第1の部分35の内面側には四つの押当突部35aが設けられ、押当突部35aは第1の保持部39の一端部と遮光部41においてそれぞれ上下に離隔して二つずつが設けられている。
【0048】
第2の部分36は導光体31の導光用端部32とリフレクター22の複合機能部25とを内側から覆う部分であり、上下に分かれて設けられた略平板状の第2のベース面部42と第2のベース面部42の上下方向における中央部に設けられた第2の保持部43とフランジ状の第2の位置決め片部44とを有している。第2の部分36はヒンジ部37を挟んで第1の部分35の反対側に設けられている。
【0049】
第2のベース面部42は各部分が第2の保持部43の上下に連続して位置されている。
【0050】
第2の位置決め片部44は第2のベース面部42の一端部と第2の保持部43の一端部とから外方に張り出されている。
【0051】
第2の部分36の内面側には複数の突状部36aが設けられている。突状部36aは、例えば、第2の保持部43の両端部においてそれぞれ上下に離隔して二つずつが設けられると共に第2のベース面部42に一つが設けられている。第2の部分36の内面側には位置決めピン36bが設けられ、位置決めピン36bはヒンジ部37に寄った位置に設けられている。
【0052】
シェード34には第1の部分35の第1のベース面部38から突出された二つの第1の結合部45と第2の部分36の第2のベース面部42から突出された二つの第2の結合部46とが設けられている。第1の結合部45と第2の結合部46はそれぞれ略前後に離隔して位置されている。第1の結合部45は板状に形成され第1の部分35に対して弾性変形可能にされている。第1の結合部45には係合孔45aが形成されている。第2の結合部46は突起形状に形成されている。
【0053】
シェード34は第1の部分35と第2の部分36がヒンジ部37を介して折り返され、リフレクター22の複合機能部25と導光体31の導光用端部32を両側から覆う状態にされる(図9及び図10参照)。シェード34は第1の結合部45の係合孔45aの開口縁に第2の結合部46が係合されることにより第1の結合部45と第2の結合部46が結合され、複合機能部25と導光用端部32に取り付けられる。
【0054】
複合機能部25と導光用端部32がシェード34によって覆われた状態においては、複合機能部25の各部が第1の部分35の押さえ突部38aと第2の部分36の突状部36aとによって押さえられる(図11参照)。このとき複合機能部25に設けられた被押さえ部27が二つの押さえ突部38aによって押さえられる。被押さえ部27の位置決め孔27aに第2の部分36の位置決めピン36bが挿入され、複合機能部25に対するシェード34の位置決めが行われる。また、第1の部分35の位置決め突部38bがリフレクター22の挿入凹部29に挿入され、位置決め突部38bが挿入凹部29に挿入されている導光用端部32における位置決め片部33の端縁に係合される。従って、シェード34の導光体31に対する位置決めが行われる。
【0055】
また、複合機能部25と導光用端部32がシェード34によって覆われた状態においては、導光体31における導光用端部32の一部が第1の保持部39に挿入され、シェード34の四つの押当突部35aが導光用端部32に押し当てられると共にリフレクター22の二つの内側突部24bが導光用端部32に押し当てられる。従って、導光用端部32がシェード34とリフレクター22によって反対側から挟持された状態で両者に保持される。
【0056】
このとき、リフレクター22における複合機能部25の一部が第2の保持部43に挿入され、反射保持部23に四つの突状部36aが押し当てられると共に突出部28に一つ突状部36aが押し当てられる。従って、複合機能部25がシェード34の第2の部分36によって押さえられ、導光体31の導光用端部32とリフレクター22の複合機能部25とが第1の部分35と第2の部分36によって反対側から挟持された状態で保持される。このとき導光用端部32は先端部がシェード34とリフレクター22から突出された状態にされている。
【0057】
導光用端部32と複合機能部25がシェード34によって保持された状態において、シェード34の遮光部41とリフレクター22の挿入部24とがブラケット12の部材挿通孔13aに略前方から挿入される(図11及び図12参照)。
【0058】
遮光部41と挿入部24が部材挿通孔13aに挿入された状態においては、シェード34の二つの位置決め突部41aとリフレクター22の外側突部24aとが部材挿通孔13aを形成する周面に周方向に離隔した位置において押し当てられる。従って、導光用端部32のブラケット12に対する径方向における位置決めが行われると共にブラケット12に対するシェード34とリフレクター22と導光体31のガタツキの発生が防止され、導光体31とリフレクター22がブラケット12に安定した状態で保持される。
【0059】
また、遮光部41と挿入部24が部材挿通孔13aに挿入されるときには、部材挿通孔13aの開口縁にシェード34の第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44が略前方から押し当てられる。従って、導光用端部32のブラケット12に対する長手方向(軸方向)における位置決めが行われる。尚、第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44は部材挿通孔13aの前側開口縁に近接されてもよい。
【0060】
上記のように、導光用端部32のブラケット12に対する径方向における位置決めが行われると共に導光用端部32のブラケット12に対する長手方向における位置決めが行われることにより、ブラケット12に取り付けられたヒートシンク10に対する導光体31における入射面31aの位置が適正な位置に定められる。従って、ヒートシンク10に実装された光源11から出射される光の導光体31への良好な入射状態が確保される。
【0061】
また、導光用端部32にはシェード34の押当突部35aとリフレクター22の内側突部24bが押し当てられているが、導光用端部32はシェード34とリフレクター22によって挟持されているため、遮光部41と挿入部24の部材挿通孔13aへの挿入時に導光用端部32の外周面に対して押当突部35aと内側突部24bが摺動されることがない。従って、導光用端部32の傷付きの発生を防止することができる。
【0062】
上記のように、部材挿通孔13aの開口縁にシェード34の第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44が押し当てられることにより、シェード34と部材挿通孔13aの間の隙間及びリフレクター22と部材挿通孔13aの間の隙間が第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44によって略前方から閉塞される。
【0063】
導光体31がリフレクター22とシェード34に保持された状態においては、導光体31の前側に図示しないインナーレンズが配置される。インナーレンズは光を拡散する機能や光を所定の方向へ向けて出射する機能を有し、例えば、リフレクター22にネジ止めや係合等によって取り付けられる。車輌用灯具1においては、例えば、導光体31がリフレクター22とシェード34に保持されインナーレンズが取り付けられた状態において、上記のように、シェード34の遮光部41とリフレクター22の挿入部24がブラケット12の部材挿通孔13aに挿入され、リフレクター22がベース部材16に取り付けられる。
【0064】
尚、灯室5には所定の各部を遮蔽するための図示しないエクステンションが配置されている。エクステンションは、例えば、車輌の左右方向においてシェード34が存在する部分より車輌の中央側に配置されている。
【0065】
上記のように構成された車輌用灯具1において、光源11から光が出射されると、出射された光が入射面31aから導光体31に入射される。導光体31に入射された光は導光体31の内部で長手方向に導かれ出射面31bから出射される。このとき導光体31からリフレクター22側に出射される光(漏れ光)も存在するが、リフレクター22側に出射された光はリフレクター22の反射面23aで反射され再び導光体31に入射され導光体31から出射される。従って、光の有効活用が図られる。
【0066】
導光体31から出射された光はインナーレンズによって制御され、カバー3を透過されて所定の方向へ向けて均一な光として照射される。
【0067】
光源11から光が出射されたときには、光の一部が入射面31aから入射されず光の漏れが生じる可能性がある。また、入射面31aから入射された光が導光用端部32の外周面から漏れ光が出射される可能性もある。
【0068】
しかしながら、車輌用灯具1においては、導光用端部32がシェード34によって覆われているため、光源11から出射された光がシェード34によって遮蔽され、光の漏れの発生が防止される。特に、ブラケット12の部材挿通孔13aから前方側へ向かう光が漏れ光となる可能性もあるが、部材挿通孔13aにはシェード34の遮光部41とリフレクター22の挿入部24が嵌合される状態で挿入されるため、部材挿通孔13aからの漏れ光の発生が抑制される。また、部材挿通孔13aを形成する周面と遮光部41の間に隙間が生じたり部材挿通孔13aを形成する周面と挿入部24の間に隙間が生じている場合であっても、部材挿通孔13aがシェード34の第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44によって前側から閉塞されるため、この場合においても部材挿通孔13aからの漏れ光の発生が防止される。
【0069】
尚、車輌用灯具1はヘッドランプユニット100とクリアランスランプユニット200を有し、車輌用灯具1が外部から視認されたときにヘッドランプユニット100とクリアランスランプユニット200の間から白色又は乳白色のリフレクター22の複合機能部25の一部が視認されると見栄えの低下を来すおそれがある。しかしながら、車輌用灯具1においては、リフレクター22の複合機能部25がシェード34によって覆われているため、ヘッドランプユニット100とクリアランスランプユニット200の間から複合機能部25が視認されることがなく、車輌用灯具1が外部から視認されたときの見栄えの向上を図ることができる。
【0070】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、第1の部分35と第2の部分36がヒンジ部37を介して折り返し可能にされたシェード34を有し、導光体31は出射面31bより入射面31a側の部分が導光用端部32として設けられ、シェード34は折り返された第1の部分35と第2の部分36によって導光用端部32とリフレクター22の一部を挟み込む状態で配置されている。
【0071】
従って、折り返された第1の部分35と第2の部分36によって入射面31aと出射面31bの間の導光用端部32が両側から挟み込まれるため、ベース部材16が配置される場合にベース部材16にシェード取付部やランプハウジング2への被取付部を設ける必要がなくベース部材16が小型化され、シェード34からの漏れ光の発生を防止した上で軽量化を図ることができる。
【0072】
特に、ベース部材16に導光体31からの漏れ光の発生を防止する防止部を設ける場合には、防止部がシェード34よりも離れた位置で導光体31からの漏れを防止する構造になり易いため、その分、ベース部材16の大きさが大きくなり、ベース部材16が重量化し易くなる。従って、シェード34のように導光用端部32を覆う構造によって漏れ光の発生を防止することにより、車輌用灯具1の大幅な軽量化を図った上で漏れ光の発生を防止することができる。
【0073】
また、シェード34には第1の部分35に連続された第1の結合部45と第2の部分36に連続された第2の結合部46とが設けられ、シェード34は第1の結合部45と第2の結合部46が結合された状態で配置されている。
【0074】
従って、第1の結合部45と第2の結合部46が結合された状態において導光用端部32が第1の部分35と第2の部分36によって挟み込まれるため、導光用端部32のシェード34による安定した遮蔽状態を確保することができる。また、シェード34に他の部材に対する被取付部、例えば、リフレクター22やランプハウジング2に対する被取付部を設けてシェード34の安定した配置状態を確保する必要がないため、シェード34の小型化を図ることができる。
【0075】
さらに、リフレクター22に位置決め孔27aを有する被押さえ部27が設けられ、第1の部分35に被押さえ部27を押さえる押さえ突部38aが設けられ、第2の部分36に位置決め孔27aに挿入される位置決めピン36bが設けられ、第1の部分35と第2の部分36が折り返されるときに位置決めピン36bが位置決め孔27aに挿入される。
【0076】
従って、第1の部分35と第2の部分36が折り返されるときに被押さえ部27が押さえ突部38aに押さえられ位置決めピン36bが位置決めピン36bに挿入されることによりシェード34のリフレクター22に対する位置決めが行われるため、位置決めピン36bの位置決め孔27aへの挿入を円滑かつ確実に行うことができる。
【0077】
さらにまた、導光用端部32の一部がブラケット12の部材挿通孔13aに挿通され、シェード34に導光用端部32と部材挿通孔13aの隙間に挿入される遮光部41が設けられている。
【0078】
従って、部材挿通孔13aと導光用端部32の間の隙間に遮光部41が位置されるため、遮光部41によって部材挿通孔13aと導光用端部32の間からの光漏れを防止することができる。
【0079】
また、遮光部41に導光用端部32の外周面に押し付けられる押当突部35aと部材挿通孔13aを形成する周面に押し付けられる位置決め突部41aとが設けられ、押当突部35aと位置決め突部41aが遮光部41の厚み方向における反対の面側に位置されている。
【0080】
従って、押当突部35aと位置決め突部41aがともに遮光部41に設けられているため、両者の形成スペースが小さくなり、シェード34の小型化を図ることができる。また、シェード34と導光体31のブラケット12に対する位置決めを同時に行うことができる。
【0081】
加えて、シェード34には第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44が設けられ、遮光部41の部材挿通孔13aへの挿入時に第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44が部材挿通孔13aの開口縁に押し当てられる。
【0082】
従って、第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44が部材挿通孔13aの開口縁に押し当てられることにより、部材挿通孔13aへの挿入方向におけるシェード34のブラケット12に対する位置決めが行われるため、シェード34のブラケット12に対する位置決めを容易かつ確実に行うことができる。また、第1の位置決め片部40と第2の位置決め片部44によって部材挿通孔13aが閉塞されるため、部材挿通孔13aからの漏れ光の発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 車輌用灯具
2 ランプハウジング
12 ブラケット
13a 部材挿通孔
22 リフレクター
23a 反射面
27 被押さえ部
27a 位置決め孔
31 導光体
31a 入射面
31b 出射面
32 導光用端部
34 シェード
35 第1の部分
35a 押当突部
36 第2の部分
36b 位置決めピン
37 ヒンジ部
38a 押さえ突部
38b 位置決め突部
40 第1の位置決め片部
41 遮光部
44 第2の位置決め片部
45 第1の結合部
46 第2の結合部
図1
図2
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