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特開2025-99819保管ユニット、保管装置、細胞培養システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099819
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】保管ユニット、保管装置、細胞培養システム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20250626BHJP
【FI】
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216765
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松澤 貴司
(72)【発明者】
【氏名】浅野 伸
(72)【発明者】
【氏名】小松 洋音
(72)【発明者】
【氏名】小川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】奥田 剛久
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真一
(72)【発明者】
【氏名】日比野 雄平
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 彰久
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA27
4B029BB11
4B029BB12
4B029DF10
4B029DG10
4B029GA06
4B029GA08
4B029GB01
4B029GB02
4B029GB10
(57)【要約】
【課題】保管されたワークの信頼性を向上しつつ、ワークを容易且つ連続して取り出し可能な保管ユニット、保管装置、及び細胞培養システムを提供する。
【解決手段】細胞培養システムの保管装置は、投入部と、投入部から水平方向に離れるに従って下方に向かって傾斜する滑走面を有し、ワークを重力により滑走可能であるとともに、複数のワークを滑走方向に並べて保管可能な保管部と、ワークを停止させるストッパを滑走面よりも上方に有し、停止したワークを外部に取り出し可能な取出部と、滑走方向におけるストッパよりも投入部に近い位置に設けられるとともにストッパに突き当たったワークの上面に対向するように設けられ、ワークの滑走面から離間する方向への変位を規制する規制部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが投入される投入部と、
前記投入部から水平方向に離れるに従って下方に向かって傾斜する滑走面を有し、前記投入部から投入された前記ワークを重力により斜め下方に滑走可能であるとともに、複数の前記ワークを滑走方向に並べて保管可能な保管部と、
滑走している前記ワークの前面に突き当たることで前記ワークを停止させるストッパを前記滑走面よりも上方に有し、前記ストッパに突き当たって停止した前記ワークを外部に取り出し可能な取出部と、
滑走方向における前記ストッパよりも前記投入部に近い位置に設けられるとともに前記ストッパに突き当たった前記ワークの上面に対向するように設けられ、前記ワークの前記滑走面から離間する方向への変位を規制する規制部と、
を備える保管ユニット。
【請求項2】
前記ワークは、ワーク本体と、ワーク本体を支持して前記滑走面を滑走可能なワークトレイと、を備え、
前記規制部は、前記ワークのうち前記ワークトレイの上面に対向するように設けられている
請求項1に記載の保管ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の保管ユニットを上下に複数段備え、
最上段に設けられた前記保管ユニットよりも下段の前記保管ユニットは、直ぐ上に配置された前記保管ユニットの下面に前記規制部が設けられている
保管装置。
【請求項4】
請求項1に記載の保管ユニットを上下に複数段備え、
最上段に設けられた前記保管ユニットよりも下段の前記保管ユニットの前記規制部は、直ぐ上に配置された前記保管ユニットの下面から突出する突出部を備える
保管装置。
【請求項5】
下段の前記保管ユニットの前記滑走面から、該滑走面の直ぐ上に配置された前記保管ユニットの下面との間の最短距離である天井高さをHaとし、前記ストッパに突き当たって停止した状態の前記ワークの最も前記投入部に近い側の高さをHbとし、前記ストッパの前記滑走面に対して垂直な方向の高さをhb、前記ストッパの上端と前記規制部に衝突する前記ワークの衝突位置との距離をLAB、前記ワークの滑走方向の長さをDとし、前記ストッパの上端を中心とした前記ワークの転倒許容角をαとし、前記ワークの転倒時の最大転倒角をβとすると、α及びβは、以下の(1)式を満たす
【数1】
請求項3に記載の保管装置。
【請求項6】
前記保管ユニットの前記滑走面の傾斜角度をθとし、前記ストッパに突き当たって停止した状態の前記ワークを水平にするためのストロークをZhとし、前記ストッパに突き当たって停止した状態の前記ワークの前記ストッパを乗り越えさせるためのストロークをZaとし、前記取出部から前記ワークを取り出す際に前記ワークを上方へ変位させるストロークをZとし、tanθ≦(hb/D)のときZ=Zh+Za、tanθ>(hb/D)のときZ=Zhとして、以下の(2)式を満たす
Ha≧Hb+(Z/cosθ)・・・(2)
請求項5に記載の保管装置。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の保管装置を収容するストッカと、
前記ワークに分注操作を行う液操作エリアを有するクリーンベンチと、
前記ワークに収容された培養液内の細胞を増殖させる培養エリアを有するインキュベータと、
前記ストッカ内に設けられて、前記ワークを把持して前記保管ユニットの前記取出部から水平方向に前記ワークを取り出し可能な搬送装置と、
を備える細胞培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保管ユニット、保管装置、細胞培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、培養する細胞を一時的に保管する原料保管室を備え、この原料保管室から原料処理室を経た原料細胞を、搬送ロボットを用いて自動搬送する自動細胞培養施設が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4803196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように自動的にワークを搬送する自動細胞培養システムでは、保管されているワークもロボットにより自動搬送することが要望されている。
しかし、上記自動細胞培養システムでは、保管されたワークを連続して取り出し可能にする必要がある。そのため、ワークを保管する装置の構造が複雑化したり、搬送ロボットによる取り出しの動作が複雑化したりしてしまう。
さらに、ワークの保管作業を行う際に、意図しないワークの転倒などにより破損が発生すると、破損したワークが自動搬送されてしまい細胞培養がなされない可能性があるという課題がある。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、保管されたワークの信頼性を向上しつつ、ワークを容易且つ連続して取り出し可能な保管ユニット、保管装置、及び細胞培養システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る保管ユニットは、ワークが投入される投入部と、前記投入部から水平方向に離れるに従って下方に向かって傾斜する滑走面を有し、前記投入部から投入された前記ワークを重力により斜め下方に滑走可能であるとともに、複数の前記ワークを滑走方向に並べて保管可能な保管部と、滑走している前記ワークの前面に突き当たることで前記ワークを停止させるストッパを前記滑走面よりも上方に有し、前記ストッパに突き当たって停止した前記ワークを外部に取り出し可能な取出部と、滑走方向における前記ストッパよりも前記投入部に近い位置に設けられるとともに前記ストッパに突き当たった前記ワークの上面に対向するように設けられ、前記ワークの前記滑走面から離間する方向への変位を規制する規制部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る保管装置は、上記の保管ユニットを上下に複数段備え、最上段に設けられた前記保管ユニットよりも下段の前記保管ユニットは、直ぐ上に配置された前記保管ユニットの前記保管部の下面に前記規制部が設けられている。
【0008】
本開示の一態様に係る細胞培養システムは、上記保管装置を収容するストッカと、前記ワークに分注操作を行う液操作エリアを有するクリーンベンチと、前記ワークに収容された培養液内の細胞を増殖させる培養エリアを有するインキュベータと、前記ストッカ内に設けられて、前記ワークトレイを把持して前記保管ユニットの前記取出部から水平方向に前記ワークを取り出し可能な搬送装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の細胞培養システムの保管装置によれば、保管されたワークの信頼性を向上しつつ、ワークを容易且つ連続して取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態における細胞培養システムの概略構成を示す図である。
図2】本開示の実施形態における保管装置の概略構成を示す側断面図である。
図3】本開示の実施形態における保管装置を投入口側から見た正面図である。
図4】本開示の実施形態における保管ユニットの取出部近傍の拡大図である。
図5】本開示の実施形態における下段の保管ユニットの規制部の配置を説明する図である。
図6】本開示の実施形態の第一変形例におけるワークの斜視図である。
図7】本開示の実施形態の第二変形例における保管装置の概略構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
以下、本開示の第一実施形態について図1図5を参照して詳細に説明する。
本実施形態の細胞培養システム100は、無人かつ自動での細胞培養や培養後の細胞の分析等を行うシステムである。
【0012】
<細胞培養システム>
図1に示すように、本実施形態の細胞培養システム100は、ストッカ110と、インキュベータ130と、クリーンベンチ140と、パスボックス150と、を有する。
【0013】
<ストッカ>
ストッカ110は、インキュベータ130やクリーンベンチ140で使用する複数のワークWを保管するための設備である。ストッカ110は、ストッカ本体111と、保管装置112と、搬送装置113と、を少なくとも有している。なお、詳細は後述するが、ワークWは、フラスコ、ウェルプレート等のワーク本体と、ワーク本体を支持するワークトレイと、を備えている。一つのワークWは、同一種類のワーク本体を複数備えている場合もある。
【0014】
ストッカ本体111は、内部に保管エリアR1を形成する。ストッカ本体111は、保管エリアR1を大気圧よりも高く(陽圧)且つ清浄度の高い無菌状態の空間に維持している。ストッカ本体111は、新規のワークWを作業者が保管装置112に投入する際に開閉する扉(図示せず)を備えている。
【0015】
保管装置112は、保管エリアR1内に配置されており、複数のワークWを保管可能とされている。
搬送装置113は、保管装置112に保管されている複数のワークWのうち、所定のワークWを取り出してクリーンベンチ140に受け渡す。搬送装置113としては、いわゆる6軸ロボットを例示できる。
【0016】
<インキュベータ>
インキュベータ130は、培養液内の細胞を増殖させるための設備である。インキュベータ130は、細胞培養に適した温度・湿度・二酸化炭素濃度に管理された培養エリアR3を形成している。インキュベータ130の培養エリアR3には、例えば複数の振盪ステージ(図示せず)が設けられ、複数のワークWを振盪可能な構成とされている。インキュベータ130は、培養エリアR3内においてワークWを自動搬送するための他の搬送装置(図示せず)を有している。
【0017】
<クリーンベンチ>
クリーンベンチ140は、ワークWに対して、分注操作、廃液の抜き取り等の各種の操作・処理を行う。クリーンベンチ140内には、清浄度が高く無菌状態の空間である液操作エリアR4が形成されている。クリーンベンチ140は、液操作エリアR4内においてワークWを自動搬送するための他の搬送装置(図示せず)を有している。
【0018】
<パスボックス>
パスボックス150は、インキュベータ130とクリーンベンチ140との間に設けられている。このパスボックス150を介して培養エリアR3と液操作エリアR4との間でのワークWの移送が行われる。パスボックス150は、第一ドア150a、第二ドア150bを有している。
【0019】
第一ドア150aは、パスボックス150内の空間と培養エリアR3との連通状状態及び非遮断状態を切り替える。第二ドア150bは、パスボックス150内の空間と液操作エリアR4とのを連通状態及び遮断状態とを切り替える。これら第一ドア150a及び第二ドア150bが同時に開放状態になることはなく、これにより培養エリアR3と液操作エリアR4とが直接的に連通することない。
【0020】
<細胞培養システムの概略動作>
以上のような構成の細胞培養システム100では、インキュベータ130内でワークW内の培養液が振盪されることで細胞増殖が促進される。細胞増殖が進行したワークWは、パスボックス150を介して液操作エリアR4に移送される。液操作エリアR4に移送されたワークW内の培養液を分注したり、ワークWへの培地の供給が行われたりする。
【0021】
一方で、新たなワークWを用いて細胞増殖を行う際には、例えば以下の手順で行われる。
まず、搬送装置113が、保管装置112から新たなワークWを取り出して、液操作エリアR4内に搬送する。液操作エリアR4では、培養液の入っていない新たなワークWに培地を供給し、細胞増殖が進んだ増殖済みの培養液が入っている液操作エリアR4から移送されたワークWから、新たなワークWに培養液を分注する。これにより、新たなワークWへの細胞の植え継ぎ操作が完了する。植え継ぎ操作を経た新たなワークWは、インキュベータ130に移送され、細胞の増殖が行われ、上記の処理が繰り返される。
【0022】
<保管装置>
図2は、本開示の実施形態における保管装置の概略構成を示す側断面図である。図3は、本開示の実施形態における保管装置を投入口側から見た正面図である。
図2図3に示すように、保管装置112は、複数の保管ユニット10により構成されている。本実施形態における保管装置112は、複数の保管ユニット10を上下方向Dvに並べて複数段備えている。また、本実施形態で例示する保管装置112は、保管ユニット10を左右方向Dhに複数列備えている。保管ユニット10は、鉛直方向及び水平方向に並んで複数が配列されている。なお、保管装置112の有する保管ユニット10の上下方向Dvの段数及び左右方向Dhの列数は、何ら限定されることはなく必要に応じて適宜設定できる。
【0023】
<保管ユニット>
保管ユニット10は、投入部11と、保管部12と、取出部13と、規制部14と、を備えている。
<投入部>
投入部11には、ワークWが投入される。本実施形態の投入部11は、保管ユニット10の最も上方に配置されている。投入部11は、ワークWを、例えば、ワークWの長手方向にスライド投入可能になっている。本実施形態において、ワークWは、複数の種類があり、一つの保管ユニット10には、同一種類のワークWのみが保管される。これら複数の種類のワークWは、作業者によってそれぞれの種類に応じた保管ユニット10の投入部11から投入される。
【0024】
<保管部>
保管部12は、投入部11から水平方向に離れるに従って下方に向かって傾斜する滑走面12fを有している。滑走面12fは、投入部11から投入されたワークWを重力により斜め下方に滑走させることが可能である。また、保管部12は、複数のワークWを、ワークWの滑走方向Drに並べて保管可能である。なお、本実施形態では、滑走面12fが平面をなしている場合を図示しているが、滑走面12fを滑走方向Drに複数のローラーを並べて形成することもできる。以下の説明において、滑走方向Drの投入部11に近い側を上流側Dru、滑走方向Drの取出部13に近い側を下流側Drdと称する。
【0025】
本実施形態の保管部12は、滑走面12fの左縁部及び右縁部から上方(例えば、鉛直上方)に向かって立ち上がる一対の側壁12w(図3参照)を備えている。本実施形態のワークWは、左右方向Dhの両外側を向く一対の側面Wsfを有している。保管部12の一対の側壁12wの間隔は、ワークWの一対の側面Wsfの間隔よりも僅かに(例えば、1~2mm程度)大きい。これにより、滑走面12fを滑走するワークWの姿勢が維持され、一つの保管部12に一列にワークWが保管されることとなる。なお、例えば、左右方向DhにおいてワークWが左右対称な形状ではない場合、上記一列に並んで保管される複数のワークWの互いの左右の形状が揃うように、作業者が一定の向きで複数のワークWを投入部11から投入する。
【0026】
<取出部>
図4は、本開示の実施形態における保管ユニットの取出部近傍の拡大図である。
取出部13は、保管部12に保管されたワークWを保管ユニット10の外部に取り出し可能に形成されている。図4に示すように、取出部13は、保管ユニット10のうち最も下方に配置されている。言い換えれば、取出部13は、保管部12の滑走方向Drの最も下流側Drdの端部に設けられている。取出部13は、滑走面12fよりも上方にストッパ13sを有している。本実施形態のストッパ13sは、滑走面12fの下流側Drdの縁部から滑走面12fに垂直な上方に向かって延びる平板状に形成されているが、ストッパ13sの形状は平板状に限られない。ストッパ13sは、アルミニウム合金等の金属により形成することができる。滑走面12fを滑走してきたワークWは、ストッパ13sに突き当たって停止する。投入部11から投入された後続のワークWは、静止している先発のワークWに突き当たって停止する。
【0027】
取出部13は、保管ユニット10に保管されたワークWのうち、最も下流側Drdに保管されたワークWを、搬送装置113によって保管ユニット10の外部に取り出し可能とされている。具体的には、取出部13では、ストッパ13sの上方に、ワークWの高さよりも上下方向Dvに大きい取出口13oが形成されている。
【0028】
上述した搬送装置113(図1参照)は、予め複数の取出口13oのそれぞれの位置情報と、保管されているワークWの種類の情報とを関連付けて記憶しており、自動的に取り出し対象となるワークWが保管されている取出口13oの前に移動する。そして、搬送装置113は、この取出口13oからハンド113hを保管ユニット10の内部に挿入して、最も下流側Drdに配置されたワークWを挟み込んで、滑走方向Drの下流側Drdに向かって傾斜した姿勢のワークWを水平な姿勢になるまで持ち上げる。搬送装置113は、その後、ストッパ13sを乗り越えられる高さまでワークWを持ち上げて、この持ち上げたワークWを保管ユニット10から離間する水平方向(言い換えれば、手前)に移動させて、取出部13から外部にワークWを取り出す。外部にワークWが取り出されると、当該保管ユニット10に保管されている後続のワークWは、重力により滑走方向Drの下流側Drdに移動する。そして、最も下流側DrdのワークWがストッパ13sに突き当たり、保管ユニット10に保管されているワークWの移動が停止する。
【0029】
<規制部>
規制部14は、ストッパ13sに突き当たったワークWの滑走面12fから離間する方向への変位を規制している。図4に示すように、規制部14は、ストッパ13sに突き当たったワークWの上面Wufに対向するように設けられている。規制部14は、滑走方向Drにおけるストッパ13sよりも上流側Druに設けられている。保管部12にワークWが保管されていない状態で投入部11からワークWが投入されると、滑走面12f上を下流側Drdに滑走してきたワークWは、ストッパ13sに衝突する。そして、ストッパ13sの上端Aを中心にしてワークWの上流側Druの上端Bが図4中に二点鎖線で示すように回動して上方に変位する場合がある。このようにワークWが回動して上方に変位した場合、ワークWの上面Wufが規制部14に接触する。これにより、転倒許容角以上の上方への上面Wufの変位が規制される。この規制部14の滑走方向Drの位置は、取出部13からのワークWの取り出しを阻害しない位置とするのが好ましい。例えば、規制部14の滑走方向Drの位置は、ストッパ13sに突き当たったワークWの最も上流側Druの上面Wufと対向する位置とすることができる。なお、規制部14の形状は図示した形状に限定されるものではない。
【0030】
本実施形態において、複数段の保管ユニット10のうち、最上段に設けられた最上段ユニット10Aよりも下段に配置されている下段ユニット10Bでは、直ぐ上に配置された保管ユニット10の下面に規制部14が設けられている。言い換えれば、直ぐ上に配置された保管ユニット10の下面10uが規制部14を兼ねている。すなわち、下段ユニット10Bのストッパ13sに衝突したワークWは、直ぐ上に配置された保管ユニット10の下面10uにより転倒許容角以上の上方への変位が規制される。
【0031】
図5は、本開示の実施形態における下段の保管ユニットの規制部の配置を説明する図である。
図5に示すように、下段ユニット10Bの滑走面12fから、該滑走面12fの直ぐ上に配置された保管ユニット10の下面10uとの間の最短距離である天井高さを「Ha」とし、ストッパ13sに突き当たって停止した状態のワークWの最も上流側Druの高さを「Hb」とし、ストッパ13sの滑走面12fに対して垂直な方向の高さを「hb」、ストッパ13sの上端Aと規制部14に衝突するワークWの衝突位置Bとの距離を「LAB」、滑走方向DrにおけるワークWの長さを「D」とし、ストッパ13sの上端Aを中心としたワークWの転倒許容角を「α」とし、ワークWの転倒時の最大転倒角を「β」とすると、βがαを超えないことが、下面10uが規制部14を兼ねる場合の成立条件の一つとなる。すなわち、α及びβは以下の(1)式を満たしている。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、規制部14とワークWとの衝突する位置Cと、上記ストッパ13sの上端Aとの距離を「LAC」とすると、LABとLACとは、以下の(2)式のようになる。
【0034】
【数2】
【0035】
このとき、保管ユニット10においてワークWが円滑に滑走可能な滑走面12fの傾斜角度を「θ」とすると、
tanθ=(Hb-hb)/D
sin(θ+β)=(Ha-+hb)/LAB
となる。
【0036】
さらに、下面10uが規制部14を兼ねる場合のもう一つの成立条件は、以下のようになる。ストッパ13sの高さhb、ワークWの長さD、傾斜角度θによって場合分けされる。言い換えれば、ワークWを引き出す方向を法線とするワークWの投影面に対するストッパ13sの高さであるhbcosθと、E点の高さであるEsinθの大小関係によって場合分けされる。ここで、E点は、ワークWをハンド113hで取り出す際に、ワークWが水平状態に回転するときの中心である。
【0037】
ストッパ13sに突き当たって停止した状態のワークWを水平にするための上下方向Dvのストロークを「Zh」とし、ストッパ13sに突き当たって停止した状態のワークWを、ストッパ13sを乗り越えさせるためのストロークを「Za」とし、取出部13からワークWを取り出す際にワークWを上方へ変位させるストロークを「Z」とする。
tanθ≦(hb/D)の場合、
Z=Zh+Za=Esinθ+(hbcosθ-Esinθ)とする。
tanθ>(hb/D)の場合、
Z=Zh=Esinθとする。
そして、保管装置112は、これら場合分けされたZに応じて、
Ha≧Hb+(Z/cosθ)・・・(3)
を満たすように形成されている。
なお、図5中に示す「ha」は、本実施形態におけるハンド113hの挿入位置である。
【0038】
そして、本実施形態の保管装置112は、上記(1)式、(3)式の二つの成立条件を満たしている。
【0039】
(作用効果)
上記実施形態では、滑走面12fから離間する方向へのワークWの変位を規制する規制部14が、滑走方向Drにおけるストッパ13sよりも上流側Druに設けられるとともにストッパ13sに突き当たったワークWの上面Wufに対向するように設けられている。
これにより、ワークWを重力により滑走面12f上を滑走させて投入部11から取出部13に移動させて、複数のワークWを順次保管ユニット10内に保管することができる。さらに、重力により滑走するワークWがストッパ13sに衝突したときに、ストッパ13sの上端Aを中心としてワークWが回転して転倒することを有効に抑えることができる。また、取出部13のワークWをハンド113hにより上方に持ち上げて手前に移動させるだけでワークWを取り出すことができる。さらに、取出部13のワークWを取り出すことで、重力により後続のワークWを取出部13に自動的に移動させることができる。
したがって、保管されたワークWの信頼性を向上しつつ、ワークWを容易且つ連続して取り出すことが可能になる。
【0040】
さらに、上記実施形態では、保管ユニット10を上下方向Dvに複数段備え、最上段に設けられた最上段ユニット10Aよりも下段の下段ユニット10Bは、直ぐ上に配置された保管ユニット10の下面10uが規制部14を兼ねている。
これにより、下段ユニット10B用の規制部14を省略できるため、ワークWが転倒することを抑えつつ、保管装置112の部品点数増加を抑制することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、上記(1)式と(3)式とを満たしている。
これにより、大きさが異なる複数種類のワークWを取り扱う保管装置112であっても、ワークWの大きさに関わらず、保管されたワークWの信頼性を容易に向上できるとともに、ワークWの取り出しを容易且つ連続して行うことが可能な保管装置112を提供できる。
【0042】
<実施形態の第一変形例>
上記実施形態では、ワークWが搬送方向Drに長い直方体である場合を一例にして説明した。しかし、ワークWの形状は、適宜変更可能である。以下、上述した実施形態の第一変形例について、図面を参照して説明する。なお、この実施形態の第一変形例の説明においては、ワーク及び規制部の構成のみが異なるため、上述した実施形態と同一部分に同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0043】
図6は、本開示の実施形態の第一変形例におけるワークの斜視図である。
この第一変形例に係るワークWは、ワーク本体21と、ワークトレイ22とを備えている。
【0044】
<ワーク本体>
本第一変形例におけるワーク本体21は、培養液が収容されるフラスコである。ワーク本体21は、いわゆる三角フラスコであって、鉛直方向に延びるフラスコ軸線O1を中心とする有底筒状をなしている。具体的には、フラスコ2の下部外周面は、上方に向かうに従って縮径するフラスコ軸線O1を中心とした円錐面状をなしており、フラスコの上部外周面は、フラスコ軸線O1を中心とする円筒状をなしている。なお、フラスコ上部の開口には、図示しない蓋部が着脱可能となっている。また、フラスコは、三角フラスコに限られるものでは無い。
【0045】
ワークトレイ22は、ワーク本体21を支持して滑走面12f上を滑走可能とされている。この第一変形例で例示するワークトレイ22は、滑走方向Drに並んで二つのワーク本体21を載置可能とされている。本第一変形例のワークトレイ22は、載置プレート23、支持部24、及び上部フレーム25を少なくとも有している。
【0046】
<載置プレート>
載置プレート23は、上記二つのワーク本体21を下方から支持する部材である。載置プレート23は、本第一変形例の載置プレート23は、平面視にて長方形の平板状をなしている。ワークWは、上記平面視における長方形状の長手方向(一対の長辺が延びる方向)と滑走方向Drとが一致するように、作業者により投入部11から投入される。二つのワーク本体21は、載置プレート23の長手方向に並んで載置されるとともに、載置プレート23の左右方向Dhの一方に寄せて載置されている。
【0047】
<支持部>
支持部24は、載置プレート23から上方に向かって延びる棒状の部材である。支持部24の上端は、載置プレート23に載置されたワーク本体21の上端よりも下方に位置している。支持部24は、複数設けられており、これら支持部24の上端は、同一の高さとされている。
【0048】
<上部フレーム>
上部フレーム25は、支持部24によって下方から支持されている。平面視における上部フレーム25の輪郭形状は、載置プレート23の平面視の輪郭形状と同様に、滑走方向Drを長手方向とした長方形状をなしている。上部フレーム25の平面視の大きさは、載置プレート23の大きさと同等とされている。上部フレーム25は、載置プレート23と平行に配置されている。
【0049】
上部フレーム25には、上下に貫通する開口部25aが形成されている。上述したワーク本体21は、この開口部25aを上下に貫通している。言い換えれば、ワーク本体21の上端よりも下方に上部フレーム25が配置されている。本第一変形例のワークWは、搬送装置113によって搬送される際に、上部フレーム25の下面がハンド113hによって下方から支持される搬送用被支持面をなす。
【0050】
この第一変形例における規制部14は、ワークWのうち、ワークトレイ22の上面22ufに対向するように設けられている。言い換えれば、この第一変形例におけるワークWでは、ワークトレイ22の上面22ufが、上面Wufをなしている。規制部14は、上記実施形態と同様に、ストッパ13sに衝突したワークWの最大転倒角が転倒許容角を超えないように、ワークWの上方への変位を規制している。
【0051】
さらに、この第一変形例の規制部14は、左右方向Dhにおけるワーク本体21とは異なる位置、言い換えれば、ワークトレイ22よりも上方でワーク本体21の配置されていない左右方向Dhの他方側の位置に設けられている。これにより、規制部14が滑走するワークWに干渉することがない。なお、この第一変形例における規制部14は、最上段ユニット10A及び下段ユニット10Bの両方に適用できる。
【0052】
(作用効果)
上記実施形態の第一変形例によれば、ワークWのうち最も上方に配置される部分がワーク本体21である場合であっても、ワーク本体21に規制部14を干渉させずに、規制部14によってワークWの上方への変位を有効に規制できる。また、下段ユニット10Bの場合、ワーク本体21の上端部が直ぐ上の保管ユニット10の下面10uに接触することを抑制できる。したがって、この第一変形例のような構成を備えるワークWであっても、上記実施形態と同様に、保管されているワークWの搬送の信頼性を向上できる。
【0053】
<実施形態の第二変形例>
図7は、本開示の実施形態の第二変形例における保管装置の概略構成を示す側断面図である。
上記実施形態の下段ユニット10Bでは、当該下段ユニット10Bの直ぐ上の保管ユニット10の下面10uが規制部14を兼ねる場合を例示した。しかし、図7に示す実施形態の第二変形例における保管装置112のように、規制部14は、下面10uから下方に向かって突出する突出部14Bを備えるようにしてもよい。
【0054】
この第二変形例のように構成することで、上下方向Dvに複数段の保管ユニット10を備えている場合に、下段ユニット10Bの滑走面12fから、直ぐ上の保管ユニット10の下面10uまでの高さと、ワークWの上面Wufの位置とに応じて、下面10uから下方に向かって突出する規制部14の長さを決定することができる。そのため、例えば、取出口13o(図4参照)を大きく形成した場合であっても、ワークWの転倒を抑制することができる。
【0055】
<その他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態及び各変形例では、保管装置112が、保管ユニット10を上下方向Dvに複数段備えている場合について説明したが、保管装置112は、保管ユニット10を上下方向Dvに複数段備えているものに限られない。同様に、上述した実施形態及び各変形例では、保管装置112が、左右方向Dhに複数列の保管ユニット10を並べて備えている場合について説明したが、保管装置112は、保管ユニット10を左右方向Dhに複数列備えているものに限られない。さらに、上述した実施形態及び各変形例では、保管装置112が複数の保管ユニット10により構成される場合を例示したが、一つの保管ユニット10により保管装置112が構成されるようにしてもよい。
【0056】
<付記>
各実施形態に記載の保管ユニット、保管装置、細胞培養システムは、例えば以下のように把握される。
【0057】
(1)第1の態様に係る保管ユニット10は、ワークWが投入される投入部11と、
前記投入部11から水平方向に離れるに従って下方に向かって傾斜する滑走面12fを有し、前記投入部11から投入された前記ワークWを重力により斜め下方に滑走可能であるとともに、複数の前記ワークWを滑走方向Drに並べて保管可能な保管部12と、滑走している前記ワークWの前面に突き当たることで前記ワークWを停止させるストッパ13sを前記滑走面12fよりも上方に有し、前記ストッパ13sに突き当たって停止した前記ワークWを外部に取り出し可能な取出部13と、滑走方向Drにおける前記ストッパ13sよりも前記投入部11に近い位置に設けられるとともに前記ストッパ13sに突き当たった前記ワークWの上面に対向するように設けられ、前記ワークWの前記滑走面12fから離間する方向への変位を規制する規制部14,14Bと、を備える。
【0058】
これにより、ワークWを重力により滑走面12f上を滑走させて投入部11から取出部13に移動させて、複数のワークWを順次保管ユニット10内に保管することができる。さらに、重力により滑走するワークWがストッパ13sに衝突したときに、ストッパ13sの上端Aを中心としてワークWが回転して転倒することを有効に抑えることができる。さらに、取出部13のワークWを取り出すことで、重力により後続のワークWを取出部13に自動的に移動させることができる。
したがって、保管されたワークWの信頼性を向上しつつ、ワークWを容易且つ連続して取り出すことが可能になる。
【0059】
(2)第2の態様に係る保管ユニット10は、(1)の保管ユニット10であって、前記ワークWは、ワーク本体21と、ワーク本体21を支持して前記滑走面12fを滑走可能なワークトレイ22と、を備え、前記規制部14,14Bは、前記ワークWのうち前記ワークトレイ22の上面に対向するように設けられている。
【0060】
これにより、下段ユニット10B用の規制部14を省略できるため、ワークWが転倒することを抑えつつ、保管装置112の部品点数増加を抑制することができる。
【0061】
(3)第3の態様に係る保管装置は、(1)の保管ユニット10を上下に複数段備え、最上段に設けられた前記保管ユニット10よりも下段の前記保管ユニット10は、直ぐ上に配置された前記保管ユニット10の下面に前記規制部14が設けられている。
【0062】
これにより、下段ユニット10B用の規制部14を省略できるため、ワークWが転倒することを抑えつつ、保管装置112の部品点数増加を抑制することができる。
【0063】
(4)第4の態様に係る保管装置は、(1)の保管ユニット10を上下に複数段備え、最上段に設けられた前記保管ユニット10よりも下段の前記保管ユニット10の前記規制部14は、直ぐ上に配置された前記保管ユニット10の下面から突出する突出部14Bを備える。
【0064】
これにより、上下方向Dvに複数段の保管ユニット10を備えている場合に、下段ユニット10Bの滑走面12fから、直ぐ上の保管ユニット10の下面10uまでの高さと、ワークWの上面Wufの位置とに応じて、下面10uから下方に向かって突出する規制部14の長さを決定することができる。そのため、例えば、取出口13oを大きく形成した場合であっても、ワークWの転倒を抑制することができる。
【0065】
(5)第5の態様に係る保管装置は、(3)の保管装置であって、下段の前記保管ユニット10の前記滑走面12fから、該滑走面12fの直ぐ上に配置された前記保管ユニット10の下面との間の最短距離である天井高さをHaとし、前記ストッパ13sに突き当たって停止した状態の前記ワークWの最も前記投入部11に近い側の高さをHbとし、前記ストッパ13sの前記滑走面12fに対して垂直な方向の高さをhb、前記ストッパ13sの上端と前記規制部14に衝突する前記ワークWの衝突位置との距離をLAB、前記ワークWの滑走方向Drの長さをDとし、前記ストッパ13sの上端を中心とした前記ワークWの転倒許容角をαとし、前記ワークWの転倒時の最大転倒角をβとすると、α及びβは、(1)式を満たす。
【0066】
これにより、大きさが異なる複数種類のワークWを取り扱う保管装置112であっても、ワークWの大きさに関わらず、保管されたワークWの搬送の信頼性を容易に向上可能な保管装置112を提供できる。
【0067】
(6)第6の態様に係る保管装置は、(5)の保管装置であって、前記保管ユニット10の前記滑走面12fの傾斜角度をθとし、前記ストッパ13sに突き当たって停止した状態の前記ワークWを水平にするためのストロークをZhとし、前記ストッパ13sに突き当たって停止した状態の前記ワークWの前記ストッパ13sを乗り越えさせるためのストロークをZaとし、前記取出部13から前記ワークWを取り出す際に前記ワークWを上方へ変位させるストロークをZとし、tanθ≦(hb/D)のときZ=Zh+Za、tanθ>(hb/D)のときZ=Zhとして、Ha≧Hb+(Z/cosθ)を満たす。
【0068】
これにより、大きさが異なる複数種類のワークWを取り扱う保管装置112であっても、ワークWの大きさに関わらず、ワークWの取り出しを容易且つ連続して行うことが可能な保管装置112を提供できる。
【0069】
(7)第7の態様に係る細胞培養システム100は、(3)または(4)の保管装置112を収容するストッカ110と、前記ワーク本体21に分注操作を行う液操作エリアR4を有するクリーンベンチ140と、前記ワーク本体21に収容された培養液内の細胞を増殖させる培養エリアR3を有するインキュベータ130と、前記ストッカ110内に設けられて、前記ワークWを把持して前記保管ユニット10の前記取出部13から水平方向に前記ワークWを取り出し可能な搬送装置113と、を備える。
【0070】
これにより、ストッカ110のワークWを自動搬送してクリーンベンチ140により分注操作を行うとともにインキュベータ130により細胞を増殖させる細胞培養システム100において、ワークWの自動搬送に係る不具合発生を低減して、信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…保管ユニット
10A…最上段ユニット
10B…下段ユニット
10u…下面
11…投入部
12…保管部
12f…滑走面
12w…側壁
13…取出部
13s…ストッパ
13o…取出口
14…規制部
14B…突出部
21…ワーク本体
22…ワークトレイ
23…載置プレート
24…支持部
25…上部フレーム
25a…開口部
100…細胞培養システム
110…ストッカ
111…ストッカ本体
112…保管装置
113…搬送装置
113h…ハンド
130…インキュベータ
140…クリーンベンチ
150…パスボックス
Dv…上下方向
Dh…左右方向
Dr…滑走方向
O1…フラスコ軸線
R1…保管エリア
R3…培養エリア
R4…液操作エリア
W…ワーク
Wsf…側面
Wuf…上面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7