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特開2025-99823撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099823
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20250626BHJP
   H04N 23/69 20230101ALI20250626BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20250626BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20250626BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20250626BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N23/69
H04N23/695
G03B15/00 P
G03B15/00 H
G03B19/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216771
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】福永 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】金子 成悟
【テーマコード(参考)】
2H054
5C122
【Fターム(参考)】
2H054BB05
2H054BB07
5C122DA03
5C122DA11
5C122DA42
5C122EA06
5C122FD01
5C122FF01
5C122FG14
5C122FH10
5C122FH11
5C122GD04
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】カメラの駆動範囲を制限することなく、撮像装置本体等が映ってしまうなどの変化があった場合でも正常な画像を生成できるようにする。
【解決手段】制御装置より撮像領域の変更要求を受信すると、駆動制御指示を出し、ズーム機構、パン機構、チルト機構、ローテーション機構の少なくとも1つを駆動して撮像領域を移動させる。そして、撮像領域内に撮像装置本体等が映り込んだ場合に、その撮像領域において、撮像装置本体等の映り込み領域を除外するように、撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を縮小する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定手段と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記機構の位置情報に基づいて、前記所定の変化として所定の物体が映ったか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記撮像領域における画像の変化に基づいて、前記所定の変化があったか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域を除外するように前記評価枠を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定する際に、前記所定の変化が発生した領域での情報の重み付けを低くするように前記評価枠を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域を除外するように前記評価枠の形状を変更するとともに新たな評価枠を追加することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定手段と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定手段は、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
複数の撮像手段と、
前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定手段と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定手段と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定手段により前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の最も物理的に近い撮像手段の撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記駆動制御手段は、パン機構、チルト機構、ズーム機構、前記撮像手段を回転させるローテーション機構のうち、少なくとも1つの機構の駆動制御を行うことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定工程においては、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項12】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記判定工程において前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定工程においては、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項13】
複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項14】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定工程においては、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記判定工程において前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定工程においては、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させるためプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視用途や映像制作用途で使用される撮像装置には、撮影範囲をフレキシブルに変更するために、被写体の拡大・縮小を行うズーム機構と、撮像部を水平方向に駆動するパン機構と、垂直方向に駆動するチルト機構とを有するものが知られている。さらに、撮像装置によっては撮像素子自体を回転させる機構(以下、ローテーション機構)を備えた機種も存在する。
【0003】
一方で、駆動機構が多い撮像装置では撮影可能な領域が広範囲に及ぶため、設置環境や駆動位置によっては、撮像装置を設置するための器具や撮像装置本体(以下、撮像装置本体等)の一部が撮像領域に映ってしまうことがある。多くの場合、撮像装置本体等が映っている領域は撮像素子に対して遮光された状態になるため、画像としては一様な異常画像となってしまう。
【0004】
また、露出制御、焦点調節、自動ホワイトバランス、デイナイト判定など撮像または画像処理に関わるパラメータは、撮影画像の領域の全面または一部の領域からなる評価枠を参照して決定される。したがって、撮像装置本体等が映っている領域が評価枠と重なってしまうと、これらのパラメータを正しく設定することができず、正常な画像を生成できなくなってしまう。そこで、正常な画像を生成する技術として、特許文献1には、レンズフードやフィルタなどが一部映ってしまう現象(ケラレ)の発生を防止するためにズーム位置に応じてカメラのチルト駆動の範囲を制限する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-359770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、カメラの駆動範囲が制限されるため、ケラレが発生する領域近傍に注目被写体が存在している場合に、広い画角を維持しながら注目被写体を撮影領域の中心に配置するような撮影を行うことができない。
【0007】
本発明は前述の問題点に鑑み、カメラの駆動範囲を制限することなく、撮像装置本体等が映ってしまうなどの変化があった場合でも正常な画像を生成できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る撮像装置は、撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定手段と、前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定手段と、を有し、前記判定手段により前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カメラの駆動範囲を制限することなく、撮像装置本体等が映ってしまうなどの変化があった場合でも正常な画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る撮像装置の内部構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態において評価枠を変更する処理を説明するための図である。
図3】第1の実施形態において、映り込みが発生した場合に評価枠を変更する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態において評価枠を変更する処理を説明するための図である。
図5】第2の実施形態において、映り込みが発生した場合に評価枠を変更する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】第3の実施形態に係る撮像装置の内部構成例を示すブロック図である。
図7】第3の実施形態において、映り込みが発生した場合に参照する評価枠を変更する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係る撮像装置の映り込みを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置やシステムの構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る撮像システム10を構成する撮像装置100の内部構成例を示すブロック図である。撮像システム10は、撮像装置100と、UI(ユーザーインターフェース)表示部を有する制御装置170とを備えている。撮像装置100は、IPネットワーク160を介して制御装置170に相互通信可能な状態で、無線または有線で接続されている。ユーザーは制御装置170から各種操作を行うことで撮像装置100の撮像領域、撮像条件の変更や各種設定が可能である。
【0013】
図1に示すように、撮像装置100は、撮像部110、画像処理部120、システム制御部130、駆動部140と記憶部150とを備えている。撮像部110は、さらに撮像光学系111と撮像素子112とを備えている。撮像光学系111は、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り機構などにより構成される。撮像素子112は、撮像光学系111を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換して電気信号を出力するCMOSセンサやCCDセンサなどのセンサである。
【0014】
画像処理部120は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの専用の回路により構成され、撮像部110から入力される電気信号に対して各種信号処理を行う。システム制御部130は、CPU、ASIC、FPGA等で構成され、画像処理部120から入力されるデータをIPネットワーク160に出力できるデータへ変換し、制御装置170に送信する。また、システム制御部130は、制御装置170から撮像領域の変更指示を入力し、撮像部110、画像処理部120および駆動部140の制御を行う。また、システム制御部130は、撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を生成する評価枠生成部131を含む。さらにシステム制御部130は、駆動部140の状態や画像処理部120から入力される画像データから撮像装置本体等の映り込みが発生している領域を判定する判定部132を含む。ここで、撮像装置本体等の映り込みとは、撮像装置本体等が撮像されて撮像領域内に映っている状態を指す。具体的には、図8に示すように、撮像装置100の筐体が撮像画角802内に位置(存在)した場合、映り込みが発生する。そして、領域803(斜線部)が撮像画像内における映り込み領域となる。
【0015】
システム制御部130は生成された評価枠の領域の画像を参照して露出制御、焦点調節、自動ホワイトバランス、デイナイト判定など撮像または画像処理に関わるパラメータを設定し、各種処理を行う。ここで、撮像に関わるパラメータとは、アナログゲインやシャッタースピード、焦点調節(レンズ制御)等を指し、画像処理に関わるパラメータとは、デジタルゲインやホワイトバランス、デイナイト判定等を指す。図1に示す例では、画像処理部120とシステム制御部130を分けているが、同一のデバイスで構成するようにしてもよい。
【0016】
駆動部140は、被写体の拡大・縮小を行うズーム機構142、水平方向に駆動するパン機構143、垂直方向に駆動するチルト機構144、および撮像素子112を回転するローテーション機構145を備えている。また、駆動部140は、ズーム機構142、パン機構143、チルト機構144、およびローテーション機構145を制御するためのモータードライバ等で構成される駆動制御部141を備えている。駆動制御部141は、システム制御部130からの制御信号により、ズーム機構142、パン機構143、チルト機構144、およびローテーション機構145の駆動制御を行う。記憶部150はFlashROMやEEPROMといったメモリデバイスで構成され各種設定情報等が格納されており、システム制御部130は記憶部150に格納された情報を必要に応じて読み出し、書き換えを行う。
【0017】
<映り込み判定による評価枠縮小処理>
次に、図2および図3を参照しながら、撮像装置100本体の映り込みを判定して評価枠を縮小する処理について説明する。図2(a)に示すように撮像装置100は初期状態で撮像領域201が設定され、点線内で示す評価枠202が設定されているものとする。露出制御、焦点調節、自動ホワイトバランス、デイナイト判定など撮像または画像処理に関わるパラメータは、撮影された画像内に設定された評価枠に基づいて設定される。しかしながら、画像内に撮像装置本体が映り込み、評価枠にも撮像装置本体が含まれてしまうと、正常な画像を生成することができなくなる。そこで本実施形態では、評価枠に撮像装置本体等が含まれないように評価枠の縮小処理を行う。
【0018】
図3は、本実施形態において、チルト駆動により撮像装置100本体の映り込みが発生した場合に評価枠を縮小する処理手順の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、記憶部150に展開されたプログラムをシステム制御部130が実行することにより実現される。まず、システム制御部130が制御装置170より撮像領域の変更要求を受信すると、処理を開始する。
まず、S301において、システム制御部130は、駆動制御部141に対し、駆動制御指示が出す。なお、本実施形態では、チルト機構144を垂直下方向に駆動する制御指示を行う場合を例に説明する。そして、S302において、システム制御部130は、駆動制御部141を介して、撮像領域を変更するように駆動制御する。図2(b)には、チルト機構144を垂直下方向に駆動した後の撮像領域203の例を示す。
【0019】
次に、S303において、システム制御部130の判定部132は、駆動後のズーム機構142、パン機構143、チルト機構144、ローテーション機構145の位置情報を取得する。各駆動機構の位置情報は、不図示の各駆動機構に設けられた位置センサの情報を読み出すことによって取得してもよく、記憶部150に格納された位置情報を読み出することによって取得してもよい。また、各駆動機構の位置情報は、回転角度によって定義してもよい。
【0020】
そして、S304において、システム制御部130の判定部132は、S303で取得した各駆動機構の位置情報および画角を基に、撮像装置本体等の映り込みが発生しているか否かを判定する。例えば、チルト角が所定の角度(例えば、90°)以上であり、かつ、画角が所定の角度以上の場合に、撮像装置本体が映り込む(撮像装置本体を撮像する)と判定する。なお、撮像装置本体が映り込む(撮像装置本体を撮像する)チルト機構144のチルト角(駆動機構の位置情報)と画角の関係は、予め記憶部150に記憶しておく。
【0021】
この判定の結果、撮像装置本体等の映り込みが発生していない場合は、評価枠の変更を行わずに処理を終了する。一方、撮像装置本体等の映り込みが発生している場合は、S305に進む。そして、S305において、システム制御部130の評価枠生成部131は、画像処理部120から入力される画像データにおける撮像装置本体等の映り込み領域を算出し、算出された映り込み領域を含まないように評価枠を縮小し、処理を終了する。なお、映り込み領域の算出は、例えば、駆動機構の位置情報(例えば、チルト角)と画角より判定する。図2(b)の例では、撮像装置本体等の映り込みが発生しているため、図2(c)に示すように、映り込み領域204を含まないよう評価枠205を縮小する。
【0022】
図3の例では、映り込みが発生していない状態からチルト駆動により映り込みが発生した場合に評価枠を縮小する動作を説明したが、逆の場合には評価枠を拡大するようにしてもよい。例えば図2(c)に示すように評価枠205が設定され、チルト機構144を垂直上方向に駆動し、図2(a)のように映り込みが発生していない状態となった場合に、評価枠を拡大するようにしてもよい。また、S305の処理においては、映り込み領域の評価枠を縮小した分、映り込み領域以外の領域で評価枠を拡大してもよい。
【0023】
また、図3の例では、各駆動機構の位置情報から撮像装置本体等の映り込み領域を算出して評価枠を変更するようにしたが、他の基準によって評価枠を変更してもよい。例えば、駆動方向に一様に暗い領域が発生した場合や露出を変更した場合などの画像の変化に応じて評価枠を変更するようにしてもよい。また、撮像装置100がLED照明などの投光器を備えている場合には、投光器のON・OFF制御による画像の変化から評価枠の変更を行ってもよい。この場合、一様に暗い領域や、露出や投光器の照明によって露出制御、焦点調節、自動ホワイトバランス、デイナイト判定など撮像または画像処理に関わるパラメータに影響を及ぼす領域を除外するように評価枠を変更する。このように、撮像装置本体等の映り込みなど撮像領域内で所定の変化が発生した場合に、評価枠の変更を行うようにする。
【0024】
また、本実施形態では撮像または画像処理に関わるパラメータの評価枠の縮小処理についてのみ説明しているが、動体検出等の画像処理を行っている場合には、画像処理用の評価枠が別途設定される場合がある。このような場合には、動体検出等の画像処理用に設定される評価枠に関しても同様に、映り込みの発生に応じて評価枠を変更するようにしてもよい。また、図3の例では、チルト機構144を駆動して撮像装置本体等の映り込みが発生した場合の処理について説明したが、ズーム機構142またはパン機構143を駆動した場合も同様である。
【0025】
以上のように本実施形態によれば、撮像領域において撮像装置本体等の映り込みが発生した際に、映り込み領域を除外するように評価枠を再設定するようにした。これにより、映り込み領域の影響を受けずに撮像または画像処理に関わるパラメータを正しく設定することができ、正常な画像を生成することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下、図4および図5を参照しながら、ローテーション駆動を用いて撮像領域を変更した際の評価枠の変更について説明する。なお、本実施形態に係る撮像システムおよび撮像装置の構成は、第1実施形態で示した図1の構成と同様のため、説明は省略する。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、図4(a)に示すように撮像装置100は初期状態では撮像領域401が設定され、点線内で示す評価枠402が設定されているものとする。
【0027】
図5は、本実施形態において、ローテーション駆動により撮像装置100本体の映り込みが発生した場合に評価枠を変更する処理手順の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、記憶部150に展開されたプログラムをシステム制御部130が実行することにより実現される。まず、システム制御部130が制御装置170より撮像領域の変更要求を受信すると、処理を開始する。
まず、S501において、システム制御部130は、駆動制御部141に対し、駆動制御指示を出す。ここでは、ローテーション機構145を駆動する制御指示を行う場合について説明する。そして、S502において、システム制御部130は、駆動制御部141を介して、撮像領域を回転して変更するようにローテーション機構145を駆動制御する。図4(b)には、ローテーション機構145を駆動した後の撮像領域403の例を示す。
【0028】
次のS503およびS504の処理は、それぞれ図3のS303およびS304と同様であるため、説明は省略する。そして、S504の判定の結果、映り込みが発生している場合は、S505に進む。そして、S505において、システム制御部130の評価枠生成部131は、S503で算出された映り込み領域を含まないように評価枠を縮小する。図4(b)の例では、撮像装置本体等の映り込みが発生しているため、図4(c)に示すように、映り込み領域404を含まないよう評価枠405を縮小する。
【0029】
続いて、S506において、システム制御部130の評価枠生成部131は、映り込み領域を含まない範囲で新たな評価枠を追加する。この処理では、図4(d)示すように、評価枠405を縮小したことで設定が外れてしまった領域に対して新たな評価枠406を追加する。
【0030】
本実施形態では、映り込みが発生していない撮像領域に対して評価枠を新たに追加する処理を説明したが、撮像領域の中の映り込みが発生していない領域の形状に応じて評価枠の形状自体を変更するようにしてもよい。また、映り込みの判定方法に関しては、各駆動機構の位置情報からでなく、第1の実施形態と同様に撮像領域の画像の変化から行うようにしてもよい。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、ローテーション駆動により撮像領域において撮像装置本体等の映り込みが発生した際に、評価枠を映り込み領域を避けて再設定するとともに設定が外れてしまった領域に対して新たな評価枠を追加で設定するようにした。これにより、映り込みの影響を受けずに撮像または画像処理に関わるパラメータをより正しく設定することができ、正常な画像を生成することができる。
【0032】
(第3の実施形態)
以下、図6および図7を参照しながら撮像部を複数有する撮像装置で評価枠を設定する例について説明する。以下、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。本実施形態では、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動、ローテーション駆動のいずれも場合でも適用可能である。
【0033】
図6は、本実施形態に係る撮像システム20を構成する撮像装置1000の内部構成例を示すブロック図である。撮像システム20は、撮像装置1000と、制御装置とを有し、互いにIPネットワーク160を介して接続されている。なお、制御装置170は第1の実施形態と同様である。
【0034】
一方、撮像装置1000は、第1の実施形態で説明した撮像部110とは別に、異なる撮像範囲をもつ撮像部1010を有しており、さらに、画像処理部1020と駆動部1040とを有している。撮像部1010は、撮像光学系1011と撮像素子1012とを有し、駆動部1040は、駆動制御部1041と、ズーム機構1042と、パン駆動機構1043と、チルト機構1044と、ローテーション機構1045とを有している。なお、図1と同一の符号を付している構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。また、撮像部1010、画像処理部1020および駆動部1040の各構成も、基本的にはそれぞれ撮像部110、画像処理部120および駆動部140と同様であるため、説明は省略する。
【0035】
システム制御部130は、画像処理部120、1020からそれぞれ入力されたデータをIPネットワーク160に出力できるデータに変換し、制御装置170に送信する。また、システム制御部130は、制御装置170から撮像領域の変更指示を入力し、撮像部110、1010、画像処理部120、1020および駆動部140、1040の制御を行う。
【0036】
続いて、図7のフローチャートを参照しながら、複数の撮像部を有する撮像装置において、映り込みのない撮像領域で撮影を行っている撮像部の評価枠を参照して適用する処理について説明する。図7は、本実施形態において、撮像装置100本体の映り込みが発生した場合に評価枠を縮小する処理手順の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、記憶部150に展開されたプログラムをシステム制御部130が実行することにより実現される。まず、システム制御部130が制御装置170より撮像部1010の撮像領域の変更要求を受信すると、処理を開始する。
【0037】
まず、S701~S704の処理は、それぞれ撮像部1010および駆動部1040を制御の対象としているが、これらの各処理はそれぞれ図3のS301~S304と同様であるため、説明は省略する。S704の判定の結果、映り込みが発生している場合は、S705に進む。そして、S705において、システム制御部130の判定部132は、もう一つの撮像部110の撮像領域においても撮像装置本体等の映り込みが発生しているか否かを判定する。この判定の結果、撮像部110の撮像領域において映り込みが発生していない場合は、S706に進む。そして、S706において、システム制御部130は、撮像部1010での撮像または画像処理に関わるパラメータを撮像部110の撮影領域に設定された評価枠に基づいて設定するように変更する処理を行う。一方、S705の判定の結果、撮像部110の撮像領域においても映り込みが発生している場合には、そのまま処理を終了する。
【0038】
なお、本実施形態では、S706において、撮像部110の撮像領域に設定されている評価枠をそのまま参照するようにしたが、新たな評価枠を追加してもよい。例えば、撮像部110の撮像領域の中で撮像部1010の撮像領域に近い領域に補完用として新たな評価枠を追加し、追加した評価枠を加えた状態で参照するようにしてもよい。また、本実施形態では2つの撮像部を有する撮像装置を例に挙げて説明したが、3つ以上の撮像部を有する場合には、以下のように処理を行う。例えばS705では、少なくとも1つの撮像部の撮像領域で映り込みが発生していないか否かを判定する。そして、撮像領域で映り込みが発生していない撮像部が存在する場合は、S706において、撮像領域において映り込みが発生していない撮像部のうち、物理的な距離が最も近い撮像部の撮像領域に設定されている評価枠を参照する。
【0039】
以上のように本実施形態によれば、複数の撮像部を有する撮像装置において1つの撮像部の撮像領域で撮像装置本体等の映り込みが発生した場合でも、映り込みのない他の撮像部の評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するようにした。これにより、映り込みの影響を受けずに撮像または画像処理に関わるパラメータをより正しく設定することができ、正常な画像を生成することができる。
【0040】
(その他の実施形態)
前述した各実施形態では制御装置170から撮像領域の変更要求を受信したことにより撮像部を駆動させる例について説明した。一方で、目標被写体を捉えて駆動する追尾機能により撮像部を駆動させる場合や、予め設定されたルートに応じて撮像領域を変更するように駆動させる場合においても同様に、各実施形態での処理を適用してもよい。また、第1および第2の実施形態では、映り込み領域に重ならないように評価枠の形状を変更したが、評価枠の形状はそのままとし、撮像または画像処理に関わるパラメータを設定する際の参照方法を変更するようにしてもよい。例えば、撮像または画像処理に関わるパラメータを設定する際に、映り込み領域の情報の重み付けを低くするように評価枠を変更してもよい。さらに、前述した各実施形態では、映り込む物体として、撮像装置を設置するための器具や撮像装置本体を例示したが、それ以外の物体を対象としてもよい。
【0041】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0042】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
【0043】
(構成1)
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定手段と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置。
【0044】
(構成2)
前記判定手段は、前記機構の位置情報に基づいて、前記所定の変化として所定の物体が映ったか否かを判定することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成3)
前記判定手段は、前記撮像領域における画像の変化に基づいて、前記所定の変化があったか否かを判定することを特徴とする構成1または2に記載の撮像装置。
(構成4)
前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域を除外するように前記評価枠を変更することを特徴とする構成1~3の何れかに記載の撮像装置。
(構成5)
前記設定手段は、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定する際に、前記所定の変化が発生した領域での情報の重み付けを低くするように前記評価枠を変更することを特徴とする構成1~3の何れかに記載の撮像装置。
(構成6)
前記設定手段は、前記所定の変化が発生した領域を除外するように前記評価枠の形状を変更するとともに新たな評価枠を追加することを特徴とする構成4に記載の撮像装置。
【0045】
(構成7)
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定手段と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定手段は、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置。
【0046】
(構成8)
複数の撮像手段と、
前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定手段と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定手段と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定手段により前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【0047】
(構成9)
前記制御手段は、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の最も物理的に近い撮像手段の撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御することを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
(構成10)
前記駆動制御手段は、パン機構、チルト機構、ズーム機構、前記撮像手段を回転させるローテーション機構のうち、少なくとも1つの機構の駆動制御を行うことを特徴とする構成1~9の何れかに記載の撮像装置。
【0048】
(方法1)
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定工程においては、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【0049】
(方法2)
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記判定工程において前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定工程においては、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【0050】
(方法3)
複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【0051】
(プログラム1)
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記設定工程においては、前記所定の変化が発生した領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とするプログラム。
【0052】
(プログラム2)
撮像手段と、前記撮像手段による撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を設定する設定工程と、
撮像装置本体が前記撮像手段によって撮像された撮像画像内に存在するか否かを判定する判定工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記判定工程において前記撮像装置本体が前記撮像画像内に存在すると判定された場合に、前記設定工程においては、前記前記撮像装置本体に対応する領域に基づいて前記評価枠を変更することを特徴とするプログラム。
【0053】
(プログラム3)
複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段それぞれの撮像領域を変更させる機構の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記撮像領域において、前記撮像手段による撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するための評価枠を前記複数の撮像手段それぞれに対して設定する設定工程と、
前記駆動制御手段によって駆動制御され変更された撮像領域において、前記パラメータの設定に影響を及ぼす所定の変化があったか否かを判定する判定工程と、
前記複数の撮像手段の中の1つの撮像領域において、前記判定工程において前記所定の変化があったと判定された場合に、前記所定の変化があったと判定された撮像領域においては、前記複数の撮像手段の中の前記所定の変化があったと判定されていない撮像領域に設定された評価枠に基づいて撮像または画像処理に関わるパラメータを設定するよう制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させるためプログラム。
【符号の説明】
【0054】
110 撮像部、130 システム制御部、131 評価枠生成部、132 判定部、141 駆動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8