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特開2025-9995医療用一酸化窒素を供給するための装置上に保守リマインダを表示すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009995
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】医療用一酸化窒素を供給するための装置上に保守リマインダを表示すること
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/12 20060101AFI20250109BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61M16/12
A61M16/00 370Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024103601
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】2306904
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】523084536
【氏名又は名称】イノシステムズ
【氏名又は名称原語表記】INOSYSTEMS
【住所又は居所原語表記】7 rue Georges Besse, 92160 Antony, France
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ブランダン
(72)【発明者】
【氏名】マリー・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・マーシャル
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・プルーベス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】NO含有ガス流を送達する装置が適切に機能しているかの必須のチェックを実行し損ねるリスクを最小限に抑えることを可能とするNO含有ガスを供給するための装置を提供する。
【解決手段】弁手段(7)を備える、NO含有ガスの流れを運ぶための内部回路(6)と、マイクロプロセッサ(9)を有する制御手段(8)と、触覚グラフィカル表示画面(4)と、少なくとも1つのセンサ(112)を備えるガス分析ライン(111)とを備える、NO含有ガスを供給するための装置(1)に関する。制御手段(8)は、所与の時間頻度で、第1の仮想選択キーの、触覚グラフィカル表示画面(4)上での一時表示を制御するように構成され、ユーザによる第1の仮想選択キーの作動は、ガス分析ライン(111)の1つ以上のセンサ(112)の較正手順を開始する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NO含有ガスを供給するための装置(1)であって、
-弁手段(7)を備える、NO含有ガスの流れを運ぶための内部ガス回路(6)と、
-マイクロプロセッサ(9)を有する制御手段(8)と、
-前記制御手段(8)によって制御される触覚グラフィカル表示画面(4)と、
-前記制御手段(8)に電気的に接続された少なくとも1つのセンサ(112)を備えるガス分析ライン(111)と
を備える、装置において、前記制御手段(8)は、所与の時間頻度で、少なくとも第1の仮想選択キー(81)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での一時表示を制御するように構成され、ユーザによる前記第1の仮想選択キー(81)の作動は、前記ガス分析ライン(111)の1つ以上の前記センサ(112)の較正手順の、前記制御手段(8)による開始を引き起こすことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の仮想選択キー(81)は、前記センサの較正手順の開始に対応する選択であって、前記ユーザによって行われた選択に対応する少なくとも1つの制御信号を前記制御手段(8)に供給するために、前記制御手段(8)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御手段(8)は、特に前記センサの較正手順についての、実施されるべき1つ以上の安全性チェックに関連する情報(80)の少なくとも1つの項目の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御手段(8)は、少なくとも1日1回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制御手段(8)は、前記第1の仮想選択キー(81)と同時に又はそれに続いて第2の仮想選択キー(82)の表示を更に制御するように構成され、前記第2の仮想選択キー(82)は、前記第2の仮想選択キー(82)のユーザ作動に反応して前記センサの較正手順をキャンセルするか又は拒否するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項3に従属する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御手段(8)は、前記内部ガス回路(6)中のガスのいかなる循環も許可又は停止するように、前記内部ガス回路(6)中のガスの流れを制御するために前記弁手段(7)を制御することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記センサ(112)は、1つ以上の電気化学セルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、ポップアップウィンドウ(84)内の前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記制御手段(8)は、1日1~4回、好ましくは1日1又は2回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
装置が、1つ以上の前記安全性チェックの手順、特に前記センサの較正手順を記憶するように構成された記憶手段を備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記制御手段(8)は、第3の仮想選択キー(83)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成され、前記ユーザによる前記第3の仮想選択キー(83)の作動は、始まった較正手順の中断を引き起こすことを特徴とする、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項13】
前記制御手段(8)は、前記センサの較正手順の始まりから経過した時間及び/又は前記センサの較正手順の終了前に残っている時間を表す時間グラフ(85)、特に棒グラフ又は砂時計を表す時間グラフの、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記制御手段(8)は、前記第3の仮想選択キー(83)と、前記時間グラフ(85)との前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での同時表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項12に従属する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
患者にガスを投与するための設備(100)であって、
-ガス状NO、特にNO/N2ガス混合物を含む少なくとも1つのガス源(10)と、
-少なくとも1つの前記ガス源(10)によってNO含有ガスが投入される、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(1)と、
-酸素含有ガスを供給するための医療用人工呼吸器(50)と、
-前記装置(1)及び前記医療用人工呼吸器(50)によってガスが供給されるガス投入ライン(21)と
を備える、設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に一酸化窒素(NO)供給装置と呼ばれ、急性肺動脈性肺高血圧症を患う1人以上の人を治療するために使用され、保守リマインダを、好ましくは毎日表示するように構成された、NOを含有するガス、特にNO/N2ガス混合物を供給及び監視するための装置又はデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入用一酸化窒素(NOi)は、急性肺動脈性肺高血圧症を患う人、即ち、患者を治療するための標準ケアである。実際に、吸入されると、NOは、肺血管を拡張し、ガス交換を改善することによって酸素化を増大する。これらの特性は、特にEP-A-560928、EP-A-1516639、及びUS-A-10,201,564によって説明されているように、新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)、主に成人に見られる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、又は成人若しくは子供に見られる心臓手術における肺高血圧症などの様々な病状を治療するために使用される。
【0003】
通常、窒素(N2)中に希釈された少量のガス状NO(即ち、数体積ppm)は、酸素、典型的には、N2/O2混合物若しくは空気などの少なくとも20~21体積%の酸素(O2)、又は純酸素さえも含有するガス流中に注入及び希釈され、それは、ガス供給設備の患者回路を通って運ばれ、NO及び酸素を含有する、得られる最終ガス混合物は、次いで、患者によって吸入される。投与量に対応するNOの最終濃度は、医者又は同様の人物によって決定される。一般に、最終濃度は、当該の患者に吸入によって投与される、即ち、患者回路によって運ばれる酸素含有ガス流へのNO/N2混合物の注入後(即ち、約21体積%より大きい)、最終NO/N2/O2ガスにおいて、治療される母集団、即ち、新生児、子供、青年、又は大人に応じて、及び治療されるべき病気に応じて、1~80体積ppm(ppmv)のオーダーであり、典型的には、10~20ppm(ppmv)のオーダーである。
【0004】
NOi治療の実施は、通常、1つ以上のNO/N2シリンダ(又はNO発生器)と、NOを供給及び監視するための装置と、医療用人工呼吸器と、気管挿管チューブなどの患者回路及び呼吸インタフェース、又はガス加湿器若しくは同様のものなどの他の要素を備える患者キットとを伴う。そのような設備は、US2022/106189、EP2581103、及びEP0839546によって特に説明されている。
【0005】
機器のこれらのピースの全ては、医者によって処方されるとすぐにNOi治療を至急始める準備が整ってなければならない。患者を治療するための時間が数時間から数日になり得ることが分かった場合、治療の円滑な進行と、患者にとっての最適な安全性のこの条件下とを保証するために、それらが適切に機能しているか定期的にチェックすることが必須である。治療のいかなる予期せぬ中断も、患者の生存を脅かす可能性がある深刻なリスクに患者を晒す。
【0006】
このことから、NO供給装置が適切に機能しているか検証することは、NOiを用いる治療中に患者に供給されるNOの量を監視及び制御/調節することを可能にするので、特に重要である。特に、典型的には、患者に投与されるNOの投与量並びに毒性NO2の不在(又はほぼ不在)及び酸素の割合の、監視又は分析セルによる正確な測定を確実にするために、これらのセル、即ち、NO及びNO2含有量測定のために使用されるNO、NO2、及びO2センサと、患者に投与されるガス中の吸気される酸素分画FiO2とを定期的に較正することが必須である。これらの測定の正確さを維持することは、主要な安全性の側面である。
【0007】
しかしながら、NOiが投与される病院の蘇生及び手術ユニットで働く医療チーム(例えば、医者、看護師、又は他の医療従事者)は、毎日ケア及び医療手順を行っており、それは、ある特定の監視タスクの省略につながる可能性がある。
【0008】
課題は、従って、NOiを必要とする患者にNOiを使用する医療チームがNO供給装置、即ち、NO含有ガス流を送達する装置が適切に機能しているかの必須のチェック、特に、即ち、NO、NO2、及びO2センサの監視セルの定期的な較正の一部又は全てを実行し損ねるリスクを最小限に抑えることを可能にすることである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の解決策は、このことから、NO供給装置又はNO送達装置とも呼ばれる、NO含有ガスを供給(即ち、送達)するための装置に関し、本装置は、
-内部ガス回路、例えば、弁手段を備える、NO含有ガスの流れを運ぶための内部ガス回路と、
-マイクロプロセッサベースの制御手段、即ち、コントローラ又は同様のものと、
-制御手段によって制御される触覚グラフィカル表示画面と、
-制御手段に電気的に接続された少なくとも1つのセンサを備えるガス分析ライン及び測定セルと
を備える。
【0010】
その上、制御手段は、所与の時間頻度で、少なくとも第1の仮想選択キーの、グラフィカル表示画面上での一時表示を制御するように構成され、ユーザによる第1の仮想選択キーの作動は、ガス分析ラインの1つ以上のセンサの較正手順の、制御手段による開始を引き起こす。
【0011】
検討中の実施形態に応じて、本発明の装置は、以下の特徴のうちの1つ以上を備えることができる:
-内部ガス回路は、1つ以上のガス通路を備える。
-ガス分析ラインはまた、「較正ライン」、「監視ライン」、又は「採集ライン」と呼ばれる。
-本発明の装置は、NOガス、即ち、NO/N2混合物などのNO含有ガスを監視及び供給するように構成される。
-センサの較正手順は、ユーザが第1の仮想選択キーを作動させた後に始まる。
-第1の仮想選択キーは、センサの較正手順の開始に対応する、ユーザによって行われた選択に対応する少なくとも1つの制御信号を制御手段に供給するために、制御手段と協働する。
-制御手段は、特にセンサの較正手順の、実施されるべき1つ以上の安全性チェックに関連する情報の少なくとも1つの項目の、グラフィカル表示画面上での表示を制御するように更に構成される。
-装置は、コンピュータメモリ、特にフラッシュメモリ又は同様のものなどの記憶手段を備える。 n
-1つ以上の安全性チェックの手順が、記憶手段、特にセンサの較正手順内に記憶される。
-記憶手段は、安全性チェックの手順(複数可)、特にセンサの較正手順を記憶するように構成される。
-安全性チェックの手順は、ガス分析ラインの1つ以上のセンサの較正手順を含む。
-制御手段は、1日1~4回、より好ましくは1日1又は2回の時間頻度で少なくとも第1の仮想選択キーの表示を制御するように構成される。
-制御手段は、少なくとも1日1回の時間頻度で、
○定時に、例えば、毎日午前8時に、
○又は、装置がオンに切り替えられているときに、即ち、装置が起動されているときに、
○又は、デバイスによる投与の始まりから予め定義された時間期間後に、例えば、治療の開始から24時間後に、
○又は、最後の較正が実行されてから予め定義された時間期間後に、例えば、最後の較正が実行されてから24時間後に
のうちのいずれかで、少なくとも第1の仮想選択キーの表示を制御するように構成される。
-制御手段は、加えて、第1の仮想選択キーと同時に又はそれに続いて第2の仮想選択キー、即ち、第2の触覚キーの表示を制御するよう構成される。
-第2の仮想選択キーは、第2の仮想選択キーのユーザによる作動に反応して、センサの較正手順をキャンセルするか又は拒否するように構成される。
-第2の仮想選択キーは、センサの較正手順をキャンセルするか又は拒否するために、即ち、センサの較正手順を保留するために、対応するユーザによって行われた選択に対応する少なくとも1つの制御信号を制御手段に供給するために、制御手段と協働する。
-制御手段は、情報の少なくとも1つの項目と、第1及び任意選択で第2の仮想選択キーとの同時表示を制御するように構成される。
-制御手段は、情報の少なくとも1つの項目と、第1の仮想選択キー及び任意選択で第2の仮想選択キーとの、ポップアップ内での表示を制御するように構成される。
-制御手段は、第3の仮想選択キーの、グラフィカル表示画面上での表示を制御するように更に構成され、ユーザによる第3の仮想選択キーの作動は、始まった、即ち、ユーザが第1の仮想選択キーを押した後に始まった較正手順の中断を引き起こす。
-制御手段は、センサの較正手順の始まりから経過した時間及び/又はセンサの較正手順の終了、即ち、終わりの前に残っている時間を表す棒グラフ、砂時計、又は同様の時間グラフの、グラフィカル表示画面上での表示を制御するように更に構成される。
-制御手段は、センサの較正手順の始まりから経過した時間及び/又はセンサの較正手順の終了前に残っている時間を表す時間グラフ、特に棒グラフ又は砂時計を表す時間グラフ、特に棒グラフ又は砂時計を表す時間グラフの、グラフィカル表示画面上での表示を制御するように更に構成される。
-制御手段は、第3の仮想選択キー及び時間グラフの、グラフィカル表示画面上での同時表示をもたらすように更に構成され、即ち、第3の仮想選択キー及び時間グラフ、即ち、砂時計、棒グラフ、又は同様のものの表示が同時にもたらされる。
-装置は、ガス分析ラインと、少なくとも1つのセンサ、即ち、1つ以上のセンサ、好ましくは、NOセンサ及びNO2センサ、並びに好ましくは、O2センサとを備える内部ガス分析器を備える。
-内部ガス回路は、NO含有ガスの流れが(少なくとも)ガス入口と、NO含有ガス、即ち、NO/N2混合物を供給する(少なくとも)ガス出口との間を運ばれることを可能にする。
-内部回路は、NO供給装置中に配置されたガス回路の一部である。
-少なくとも1つのセンサは、1つ以上の電気化学セルを備える。
-少なくとも1つのセンサは、NOの濃度(即ち、含有量又は投与量)を測定するように構成されたNOセンサを備える。
-少なくとも1つのセンサは、NO2の濃度(即ち、含有量又は投与量)を測定するように構成されたNO2センサを備える。
-少なくとも1つのセンサは、O2の濃度(即ち、含有量又は投与量)を測定するように構成されたO2センサを備える。
-1つ以上のセンサは、ガス分析ライン内で濃度測定を実施するように配置される。
-内部回路は、1つ以上のダクト、通路、チューブ、又は同様のものを備える。
-ガス分析ラインは、ダクト、通路、チューブ、又は同様のものを備える。
-マイクロプロセッサベースの制御手段は、(少なくとも)電子基板を備える。
-制御手段は、電子基板上に配置された1つ以上のマイクロプロセッサを備える。
-触覚グラフィカル表示画面は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一部である。
-グラフィカル表示画面は、カラー表示を示す。
-グラフィカル表示画面は、グラフィカル表示画面の表面上を押すユーザの指の接触を検出するように構成される。
-グラフィカル表示画面は、タッチパネルを備える。
-第1及び第2の仮想選択キーは、グラフィカル表示画面上に表示された触覚キーである。
-第1及び第2の仮想選択キーは、制御手段と協働する。
-制御手段は、第1及び第2の選択キーのうちの一方及び/又は他方上のユーザの指のいかなる押下にも反応して作動する。
-制御手段は、タイムカウンタを備える。
-制御手段は、タイムカウンタと一体化又は協働する。
-タイムカウンタは、マイクロプロセッサに一体化される。
-表示は、所与の頻度で、典型的には24時間毎に、即ち、少なくとも1日1回、自動でもたらされ、タイムカウンタと協働する制御手段によって制御される。
-表示は、所望のNOの量、即ち、NOの含有量又は濃度を修正、設定、又は選択するための選択手段を備える。
-選択手段は、少なくとも1つのキー又は1つのボタン、特に、グラフィカル表示画面上に表示された仮想キーを備える。
-弁手段は、少なくとも1つの電磁弁、好ましくは、1つ以上の比例電磁弁を備える。
-弁手段、特に、1つ以上の電磁弁は、内部ガス回路内のガスの流れを制御するように制御手段によって制御される。
【0012】
本発明はまた、患者にガス、即ち、NO含有ガスを投与するための設備に関し、本設備は、
-ガス状NO、特にNO/N2ガス混合物を含む少なくとも1つのガス源と、
-少なくとも1つのガス源によってNO含有ガスが投入される、本発明によるガス供給装置と、
-酸素を含有するガスを供給するための医療用人工呼吸器と、
-本発明によるガス供給装置によってガス(即ち、NO/N2混合物などのNO含有ガス)が、及び医療用人工呼吸器によってガス(即ち、酸素を含有するガス、例えば、空気又はO2/N2混合物)が供給される投入ラインと
を備える。
【0013】
検討される実施形態によると、本発明のガス投与設備は、以下の特徴のうちの1つ以上を備えることができる:
-医療用人工呼吸器、即ち、換気補助装置は、投入ラインに少なくとも約21体積%の酸素を含有する呼吸ガス、特に空気又はN2/O2混合物を供給するために、投入ラインと流体連通している。
-医療用人工呼吸器は、定圧でガスを供給する呼吸補助装置であるか、又は代替として、医療用人工呼吸器は、HFO(高周波発振)によってガスを送達する高周波発振人工呼吸器である。
-ガス投入ラインは、ガス供給装置によって治療ガス、好ましくは、NO/N2混合物を、及び医療用人工呼吸器によって少なくとも約21体積%の酸素を含有する呼吸ガス、好ましくは、空気又はN2/O2混合物が供給される。
-ガス源は、2000体積ppm未満のNOを含有し、残りが窒素であり、好ましくは、1000体積ppm未満のNOを含有し、残りが、好ましくは、窒素であるNO/N2混合物を含み、治療ガス源は、250~900体積ppmのNOを含有し、残りが窒素であり、例えば、800体積ppmのオーダーのNOを含有し、残りが窒素であるNO/N2混合物を含む。
-ガス源は、ガス投入ライン上、好ましくは、治療ガスを供給するためのデバイスに治療ガスを投入するために前記デバイスがガス投入ラインに流体接続されている地点の下流、に配置されたガス加湿器を更に備える。
-ガス源は、患者によって吐き出されたガスを回収するためのラインを更に備える。
-ガス投入ライン及び吐き出されたガスの回収ラインは、接続ピース、好ましくは、Yピースにおいて接続され、患者回路の全て又は一部を画定又は形成する。
-投入ラインは、患者回路の吸気分岐部を形成する。
-吐き出されたガスの回収ラインは、患者回路の呼気分岐部を形成する。
-NO供給装置のガス分析ラインは、ガス投入ライン、即ち、吸気分岐部に流体接続されている。
-ガス投入ライン、即ち、吸気分岐部は、人工呼吸器と、NO供給装置から来るNO含有ガスの注入部位との間に配置された流量センサを備える。
-流量センサは、NO供給装置の制御手段に接続される。
-流量センサは、医療用人工呼吸器によって送達され、ガス投入ライン、即ち、吸気分岐部中を循環する酸素含有ガスの流れを測定する。
-ガス投入ライン、即ち、吸気分岐部は、医療用人工呼吸器によって送達されるガスを収集して運ぶように、医療用人工呼吸器の出口ポートに流体接続されている。
-吐き出されたガスの回収ライン、即ち、呼気分岐部は、患者によって吐き出されたガスの全て又は一部を医療用人工呼吸器に運ぶように、医療用人工呼吸器の入口ポートに流体接続されている。
-治療ガスの少なくとも1つの供給源は、1つ以上のガス容器、特に1つ以上の加圧ガスシリンダを備える。
-1つ以上のガス容器は、一体型減圧器(RDI)を有するか又は有しないガス分配弁を装備される。
-ガス分配弁は、真鍮などの銅合金から作られ、及び/又は例えば、ポリマー材料(即ち、プラスチック)、金属、又はそれらの組み合わせから作られたガス分配弁の周囲に配置された保護カウルを装備される。
-1つ以上の流体容器は、満杯のときに、少なくとも150~200bar abs、又は少なくとも250~300bar absの圧力のガス混合物、特にNO/N2を含む加圧ガスシリンダである。
-流体容器は、円筒形、特にオジーブの一般的形状を有する。
【0014】
一般に、本発明の範囲内で、
-「ppmv」は、体積百万分率を表す。
-「体積%」は、体積パーセンテージを表す。
-「NO」は、一酸化窒素を意味する。
-「NO2」は、二酸化窒素を意味する。
-「N2」は、窒素を意味する。
-「O2」は、酸素を意味する。
-「センサ」は、1つ以上の信号又は測定値を測定及び提供するために設計され、それに適し、及び/又はそのために構成された測定デバイスを意味し、例えば、NOセンサは、1つ以上の一酸化窒素濃度信号又は測定値を測定及び供給するためのNO濃度測定デバイスである。
-「濃度」、「投与量」、及び「含有量」という用語は、等価物とみなされるべきである。
-「~の/ための/ための手段(means of/to/for)」という用語は、「~の/ための/ためのデバイス(device of/to/for)」という用語と完全に等しく、それらによって置き換えられることが可能であるとみなされ、例えば、「制御手段」という用語は、「制御デバイス」によって置換され得、「弁手段」という用語は、「弁デバイス」によって置換され得、「制御手段」は、「制御デバイス」によって置換され得、といった具合である。
【0015】
本発明はここで、添付された図を参照して、非限定的な例として与えられる以下の詳細な発明からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による、NO供給装置を備える、ガス、即ち、NO含有ガスを投与するための設備の実施形態を示す。
図2】本発明によるNO供給装置の動作を概略的に示す。
図3】本発明による、NO供給装置のグラフィカル表示画面上での、実施されるべき安全性チェックに関連する情報と第1及び第2の仮想選択キーとの表示の例を概略的に示す。
図4】本発明による、NO供給装置のグラフィカル表示画面上での第3の仮想選択キーの表示の例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ガスを投与するための設備100の実施形態を図1に例示する。ここで、設備100は、2つの加圧ガスシリンダ又はガス源10を備え、各々が、1体積%までのNO、典型的には、100~1500ppmvのNO(残りはN2)を含有するNO/N2ガス混合物、即ちここでは、例えば、450又は800ppmvのNO(残りはN2)を含有するNO/N2ガス混合物を含み、NO/N2ガス混合物を、NOを供給する、即ち、送達するためのデバイス又は装置1に投入し、NO/N2ガス混合物の供給を監視/追尾及び制御することを可能にする。
【0018】
ガスシリンダ10は、可撓性ホース若しくは導管又は同様のものなどのガス投入ライン12を介してNO供給装置1に流体接続され、ガス投入ライン12は、ガスレギュレータ13、圧力ゲージ、等などの、ガス圧を調整及び/又は監視するためのデバイスを装備し得る。ガス投入ライン12は、NO送達デバイス1の1つ以上のガス入口2に接続され、NO送達デバイス1は、NO送達デバイス1内、即ち、NO送達デバイス1のハウジング又は外殻中にガスを運ぶ役割を果たす内部ガス回路、例えば、NO送達装置1の内部の1つ以上のガス通路を供給する。
【0019】
NO送達デバイス1はまた、可撓性ホース又は同様のものなどの酸素投入ライン12を介して、酸素源、例えば、加圧酸素シリンダ又は病院ネットワーク、即ち、病院の建物中に配置された酸素供給ラインに流体接続された酸素入口3を備える。
【0020】
ガスを投与するための設備100は、医療用人工呼吸器50、即ち、呼吸補助装置を更に備え、医療用人工呼吸器50は、空気又は酸素/窒素(N2/O2)混合物、又は更には酸素などの、典型的には少なくとも約21%のオーダーの酸素を含有する呼吸ガス流を供給する。
【0021】
ガスを投与するための設備100の医療用人工呼吸器50及びNO供給装置1とは、患者回路20のガス投入ライン又は吸気分岐部21と流体連通している。ガス投入ライン又は吸気分岐部21は、患者にガス流を運ぶ役割を果たし、そのガス流は、医療用人工呼吸器50からの酸素ベースの流れ(即ち、空気又はNO/N2混合物)と、NO供給装置1によって送達されるNO含有流、即ちNO/N2ガス混合物とを混合することによって形成される。
【0022】
より厳密には、NO供給デバイス1は、NO/N2混合物を、例えば、450又は800ppmvのNOで、装置1のNO出口5に接続された注入ライン又はダクト23を介してガス投入ライン21中に送達又は注入して、NO/N2流を、医療用人工呼吸器50によって送達され、患者回路20の吸気分岐部21を介して運ばれる酸素ベースのガス流(少なくとも約21%のO2を有する)、例えば、空気又は酸素/窒素混合物と混合して(24.1において)、所望の投与量のNO、窒素(N2)及び酸素(O2)、並びにことによると不可避の不純物(例えば、アルゴン、CO2、NO2、等)を本質的に含有する最終混合物、即ち、NO/N2/O2ガス混合物を得る。
【0023】
吸気分岐部21は、NOが吸気分岐部21中に注入される部位24の下流に配置されたガス加湿器30を更に備える。ガス加湿器30は、ガス流、例えば、NO/N2/O2ガス混合物が、気管挿管チューブ、呼吸マスク又は同様のものなどの呼吸インタフェース40によって治療されるべき患者によって吸入される前に、ガス流を加湿することを可能にする。
【0024】
また、患者回路20の呼気分岐部22を形成する、患者によって吐き出されたガスを回収するためのラインが設けられる。ガス投入ライン又は吸気分岐部21と、吐き出されたガスの回収ライン又は呼気分岐部22とは、接続ピース25、好ましくは、Yピースにおいて接続される。
【0025】
吸気分岐部21は、医療用人工呼吸器50によって送達される酸素ベースのガス、典型的には、空気又はN2/O2混合物(約21%のO2を含有する)を回収して運ぶように、コネクタ、カップリング、又は同様のものなどの、医療用人工呼吸器50の出口ポート51に上流で流体接続され、その一方で、吐き出されたガスを運ぶ呼気分岐部22は、患者によって吐き出されたガスの流れの全て又は一部を医療用人工呼吸器50に戻すように、コネクタ、カップリング、又は同様のものなどの医療用人工呼吸器50の入口ポート52に流体接続される。
【0026】
吐き出されたガスのための呼気分岐部22は、患者の吐き出されたガス中に存在するCO2を除去するために使用される1つ以上の任意選択の構成要素、例えば、CO2除去デバイス35、即ち、高温容器若しくは同様のものなどのCO2トラップ、又はフィルタ若しくは同様のものを備えることができる。
【0027】
例えば、熱線又は差圧タイプの流量センサ25が、人工呼吸器50と加湿器30との間のガス投入ライン又は吸気分岐部21上に配置され、流量測定ライン26を介してNO送達デバイス1に接続される。この配置は、人工呼吸器50によって送達され、注入導管又はライン23が接続され、NO/N2/O2ガス混合物が形成される部位24の上流で吸気分岐部21中を循環する、空気又はN2/O2混合物などのガスの流量を測定する役割を果たす。これは、流量センサ25によって実行される流量測定が流量測定ライン26を介してNO送達デバイス1の制御手段に戻されるので、NO送達デバイス1によるNO流(即ち、N2/O2)の送達をより効率的に調整することを可能にする。
【0028】
図2に概略的に示すように、NO供給装置1は、従来の形で、例えば、ポリマーから作られた剛性ハウジングを備え、1つ以上のガス投入ライン12を通して投入されるNO/N2流を運ぶために、ガス導管又は同様のものなどの内部ガス回路6が剛性ハウジングを通り、ガス投入ライン12は、NO/N2混合物シリンダ31によって供給される。内部ガス回路6は、NO供給装置1のガス入口(又は複数の入口)21を、装置1のNO出口5を介して注入ライン23に、それらの間でNOベースのガス流を運ぶように流体的に接続している。内部ガス回路6は、ハウジング中に配置される。
【0029】
流量制御手段、典型的には弁手段7、即ち、1つ以上の弁デバイス、例えば、1つの電磁弁又は並列に配置された複数の電磁弁、好ましくは1つ以上の比例(電磁)弁が、内部ガス回路6、典型的には、内部ガス通路上に配置されて、内部ガス回路6中を注入ライン23の方向に循環するガス流(複数可)、即ち、流量を制御する。
【0030】
これを行うために、弁手段7は、制御手段8、即ち、NO供給装置1のハウジング中にも配置された1つ以上の制御デバイス又はコントローラ、典型的には、1つ以上のアルゴリズムを実施する1つ以上のマイクロプロセッサ9、典型的には、1つ以上のマイクロコントローラを備える電子基板によって制御される。制御手段8は、記憶手段(図示せず)、例えば、フラッシュメモリなどの1つ以上のコンピュータメモリなどの他の要素を備えることができる。制御手段8は、ユーザによって設定/固定された値から、人工呼吸器50によって送達され、吸気分岐部21上に配置され且つ流量測定ライン26によってNO送達デバイス1に接続された流量センサ25によって測定されたガス、即ち、空気の流量に応じて、制御手段8によって決定及び/又は計算されたガス流量を得るために、特に、弁手段を制御することによってガス流量を調節又は制御すること、典型的には、1つ以上の前記弁を開放又は閉鎖することを可能にする。
【0031】
NO供給装置1の内部ガス回路6、特に内部ガス通路はまた、NO供給装置1中を循環するNOベースのガスの流量を決定するために、弁手段7の上流及び/又は下流に配置された1つ以上の流量計(図示せず)及び/又は減圧器(図示せず)などの圧力調整器を備えることができる。流量計は、差圧タイプ、熱線タイプ、又は他の何らかのタイプのものであり得る。流量計は、再びNO/N2流量の測定値を制御手段に提供するために、制御手段と協働し、これらの測定値は、特に医療用人工呼吸器50によって供給されるO2ベースのガスの流量に応じてNOの効率的な送達を確実にするために、制御手段8によって処理される。
【0032】
通常、NO供給装置1はまた、様々な情報項目若しくはデータ、アイコン、曲線、警告、等、並びに特に選ぶための、選択を行うための、又は所望の値(例えば、流量、NOの投与量、等)などの情報、若しくは医療従事者に有用な任意の他の情報若しくはデータを入力するための仮想選択キー及び/又はペイン若しくはウィンドウも表示する役割を果たすグラフィカル表示画面4、好ましくは、タッチスクリーン、即ち、タッチパネルを備えるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を備える。表示は、好ましくは、カラーであるが、白黒でもあり得る。
【0033】
NO供給装置1の制御手段8は、例えば、電子制御カードと、マイクロプロセッサベースの制御ユニット9、典型的にはマイクロコントローラ又は同様のものとを備える。制御手段8は、装置1の全ての電気機械要素を調節又は制御することを可能にする。より厳密には、制御カードは、好ましくは、制御ユニットを一体化し、センサ、等などの様々な構成要素から来る信号を制御し、また分析するように構成される。
【0034】
NO供給装置1のための電力、特に制御手段、グラフィカル表示画面4、等などの、動作するために電流を必要とする構成要素のための電力は、従来、電流源及び/若しくは電気供給手段(図示せず)、例えば、電気コード及び接続ソケットなどの主電源電流(110/220V)への接続、並びに/又は1つ以上の電池、好ましくは、充電式電池、並びに/又は変流器によって提供される。医療用人工呼吸器50への電力供給は、同様の形で、特に、主電源電流への接続によって、又は内部バッテリによって確実にされる。
【0035】
最後に、設備100はまた、吸気分岐部21をNO供給装置1に流体接続するガス採集ライン60を備える。ガス採集ライン60は、加湿器30と接合ピース25、即ち、Yピースとの間の、典型的には、接合ピース25のすぐ近くのガス投入ライン21に(61において)流体接続され、また、NO送達デバイス1の入口ポート62、例えば、可撓性ホース又は同様のものなどのガス採集ライン60を、以下で詳述するように、内部ガス分析器110のセンサ112を装備されたガス分析ライン111に接続するためのコネクタ、カップリング、又は同様のものによって支持されたポート62にも流体接続される。
【0036】
ガス採集ライン60は、患者回路20の吸気分岐部21からガスサンプルを取り、NO送達デバイス1に運ぶことを可能にし、そこで、ガスサンプルは、内部ガス分析器110中で、即ち、分析されたガスサンプルの一致性を検証するために、制御手段8に電気的に接続された1つ以上のセンサ112、典型的には、例えば、1つ以上の電気化学セルなどの測定手段を備えるガス分析ライン111内で分析される。
【0037】
特に、最終ガスが過剰量の毒性NO2種を含有しないこと、最終ガスの酸素含有量が低酸素性でないこと、最終ガスが過剰に高いNO2含有量を有しないこと、及び最終ガスのNO含有量が所望の投与量、即ち、医療従事者、即ち、医師又は同様の人物によって通常選択される、吸入によって投与されるべきNOの投与量に対応することを確実にするために、特に、最終ガスの組成が、患者に投与されるべき所望のNO/N2/O2ガス混合物の組成と一致することが検証されるべきである。
【0038】
言い換えれば、ガス採集ライン60は、NO及びO2種の含有量が所望の含有量に従うこと、及び毒性NO2種の含有量が数ppmvを上回らないことを確実にするために、最終ガス混合物、即ち、NO/N2/O2ガス混合物の組成を監視することを可能にする。
【0039】
この一致性チェックは、従来、専用の測定手段、典型的には、NO2、NO、及びO2センサ112、例えば、電気化学セル又は同様のものによって実施され、それらのセンサ自体は、周期的に、例えば、毎週、較正されなければならない。この較正は、フラッシュメモリ又は同様のものなどの、装置1の記憶手段中に記憶された予め定義された較正手順を開始することによって実施される。
【0040】
装置1の制御手段8はまた、装置1中に配置されたガス分析器110の様々なセンサ112から来る信号を回収及び処理する、即ち、分析し、これらの信号に応答して、特にセンサを較正するように作動するように構成される。
【0041】
本発明によると、医師、看護師、又はその他などの医療従事者、即ち、1つ以上のケアチームが、NO供給装置1が適切に機能するのに必須のチェックの全て又は一部、特にセンサ112、即ち、ガス分析ライン111の監視セル、典型的には、NO及びNO2センサ112、の定期的な較正を開始し損ねるリスクを最小限に抑えるためである。
【0042】
これを行うために、ガス分析ライン111の1つ以上のセンサ112、即ち、1つ以上のNO及びNO2センサに電気的に接続された制御手段8は、所与の時間頻度で、例えば1日1回、即ち、24時間毎に、実施されるべき1つ以上の安全性チェックに関連する情報の少なくとも1つの項目、典型的には実施されるべき較正のリマインダ、及び第1の仮想選択キー81、即ち、第1の触覚キーの、グラフィカル表示画面4上での表示を制御するように構成され、ユーザ、即ち、看護職員による第1の仮想選択キー81の作動は、制御手段8に、グラフィカル表示画面4によって表示されるものの中から選択される安全性チェックの手順、即ち、記憶された手順、特に好ましくは、毎日、即ち、少なくとも1日1回実行されるべき較正手順を開始させる。
【0043】
図3は、実施されるべき安全性チェック、即ちここでは、装置1の水トラップ及びシリンダ中のガスの圧力、特にNO/N2ガス混合物の圧力をチェックすること、並びにガス分析ラインのセンサを較正することに関する情報80の表示と、較正手順を開始する役割を果たす、NO供給装置1のグラフィカル表示画面4上での第1の仮想選択キー81(較正キー)の表示と、好ましくはまた、較正手順の開始、即ち、始まりを遅延又はキャンセルする役割を果たす第2の仮想選択キー82(キャンセルキー)の表示との例を示す。
【0044】
好ましくは、これらの表示は、グラフィカル表示画面4上に現れるポップアップウィンドウ84中に示される。
【0045】
実施されるべき安全性チェック、特にセンサの較正に関連する情報80の1つ以上の項目、並びに第1及び第2の仮想選択キー81、82は、所与の時間頻度で、典型的には少なくとも1日1回、即ち、少なくとも24時間毎に、グラフィカル表示画面上に自動的に表示される。これは、タイムカウンタ、例えば、マイクロプロセッサ9に一体化されたタイムカウンタと一体化又は協働する制御手段8によって行われる。
【0046】
実施されるべき安全性チェックに関連する情報80は、好ましくは、フラッシュメモリ又は任意の他のタイプのコンピュータメモリなどの装置1の記憶手段中に記憶される。
【0047】
ユーザが、実行されるべき安全性チェック、特にセンサの較正に関連する情報80の1つ以上の項目と、グラフィカル表示画面4上に、特にポップアップウィンドウ内に現れる第1及び任意選択で第2の仮想選択キー81、82とを見ると、ユーザは、
-較正手順を防止する、即ち、開始しないように構成された第2の仮想選択キー82を押すことによって、較正手順の開始を遅延させるか、若しくは防止/拒否するか、
-又は、第1の仮想選択キー81を押すことによって較正手順を開始すること
のうちのいずれかを行うことを決めることができる。
【0048】
故に、第1の仮想選択キー81が押された場合、第1の信号(即ち、較正開始信号)が制御手段8に送信され、制御手段8は、ユーザによるこの押下/選択に反応して、実施されるべき安全性チェック、例えば、センサの較正に関連する情報80の1つ以上の項目の表示、並びに第1及び第2の仮想選択キー81、82の表示の中断を指令し、制御手段8はまた、装置1のガス分析ラインのセンサの較正手順を開始する。
【0049】
この場合、実施されるべき安全性チェック、例えば、センサの較正、並びに第1及び任意選択で第2のキーに関連する情報80の1つ以上の項目は、所与の時間頻度、例えば1日に1~4回、の終わりに、特に新しいポップアップウィンドウ内にのみ再表示されるであろう。
【0050】
しかしながら、図4に例示する実施形態によると、センサの較正手順が開始されると、第1の仮想選択キー81を押した後、グラフィカル表示画面4上に、ユーザが押すことによっても作動可能な第3の仮想選択キー83(停止キー)を表示するように装置1を構成することができ、そのキーの作動は、較正手順キャンセル信号を生成し、較正手順キャンセル信号は、制御手段8に送信され、制御手段8は、次いで、このキャンセル信号に応答して、始まった較正手順が停止されるように指令する。これは、従って、例えば、ユーザがそのような手順を意図せずに開始することによって間違いをした場合、又はその上、装置1の緊急の必要性があるために手順が中断されなければならない場合に、ユーザが較正手順を停止することを可能にする。
【0051】
言い換えれば、制御手段はまた、第3の仮想選択キー83の、グラフィカル表示画面4上での表示を制御するように構成することができ、ユーザによる第3の仮想選択キー83の作動は、始まった、即ち、ユーザが第1の仮想選択キーを押した後に始まった較正手順の中断を引き起こす。
【0052】
有利には、較正手順の始まりから経過した時間及び/又は較正手順の終了、即ち、終わりの前に残っている時間を示す、棒グラフ、砂時計、又は同様のものなどの時間グラフ85も表示される。これは、ユーザが第3の仮想選択キー83を押すことによって較正手順を中断するか否かを決定するのに役立つ。
【0053】
逆に、ユーザが第2の仮想選択キー82を押した場合、第2の信号(即ち、較正の非開始又は遅延された較正のための信号)が制御手段8に送信され、制御手段8は、ユーザによるこの押下/選択に反応して、実施されるべき安全性チェック、例えば、センサの較正に関連する情報80の表示、並びに第1及び第2の仮想選択キー81、82の表示の中断を指令するが、較正を開始しない。
【0054】
この場合、実施されるべき安全性チェック、例えば、センサの較正に関連する情報80の1つ以上の項目、並びに第1及び好ましくは第2の仮想選択キー81、82は、次いで、表示画面4から消え、所与の時間期間後、例えば1時間若しくは2時間後、若しくは別の時間期間後にのみ、又は所与の時間頻度でのみ、即ち例えば、24時間後に、そこに再表示されるであろう。
【0055】
表示画面4上での表示は、装置1のメニューからユーザによって選択されたものに応じて、カラー又は白黒であり得る。
【0056】
本発明のNO供給装置1は、一酸化窒素(NOi)、即ち、得られた最終NO/O2/N2混合物を、マスク又は気管挿管チューブを介して、肺病を治療するために最終NO/O2/N2混合物を必要とする1つ以上の人、即ち、患者、典型的には、急性肺動脈性肺高血圧症を患う1人以上の患者に投与するために、特に患者の肺血管を拡張し、及び/又は肺ガス交換を改善することによって肺血管の酸素化を増大させるために、特に新生児肺動脈性肺高血圧症(PPHN)、主に成人に見られる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、又は成人若しくは子供に見られる心臓手術における肺高血圧症(PH)を治療するために、ガス投与設備100、例えば、図1のもので使用することができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NO含有ガスを供給するための装置(1)であって、
-弁手段(7)を備える、NO含有ガスの流れを運ぶための内部ガス回路(6)と、
-マイクロプロセッサ(9)を有する制御手段(8)と、
-前記制御手段(8)によって制御される触覚グラフィカル表示画面(4)と、
-前記制御手段(8)に電気的に接続された少なくとも1つのセンサ(112)を備えるガス分析ライン(111)と
を備える、装置において、前記制御手段(8)は、所与の時間頻度で、少なくとも第1の仮想選択キー(81)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での一時表示を制御するように構成され、ユーザによる前記第1の仮想選択キー(81)の作動は、前記ガス分析ライン(111)の1つ以上の前記センサ(112)の較正手順の、前記制御手段(8)による開始を引き起こすことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の仮想選択キー(81)は、前記センサの較正手順の開始に対応する選択であって、前記ユーザによって行われた選択に対応する少なくとも1つの制御信号を前記制御手段(8)に供給するために、前記制御手段(8)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御手段(8)は、特に前記センサの較正手順についての、実施されるべき1つ以上の安全性チェックに関連する情報(80)の少なくとも1つの項目の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御手段(8)は、少なくとも1日1回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制御手段(8)は、前記第1の仮想選択キー(81)と同時に又はそれに続いて第2の仮想選択キー(82)の表示を更に制御するように構成され、前記第2の仮想選択キー(82)は、前記第2の仮想選択キー(82)のユーザ作動に反応して前記センサの較正手順をキャンセルするか又は拒否するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項3に従属する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御手段(8)は、前記内部ガス回路(6)中のガスのいかなる循環も許可又は停止するように、前記内部ガス回路(6)中のガスの流れを制御するために前記弁手段(7)を制御することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記センサ(112)は、1つ以上の電気化学セルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、ポップアップウィンドウ(84)内の前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記制御手段(8)は、1日1~4回、好ましくは1日1又は2回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
装置が、1つ以上の前記安全性チェックの手順、特に前記センサの較正手順を記憶するように構成された記憶手段を備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記制御手段(8)は、第3の仮想選択キー(83)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成され、前記ユーザによる前記第3の仮想選択キー(83)の作動は、始まった較正手順の中断を引き起こすことを特徴とする、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項13】
前記制御手段(8)は、前記センサの較正手順の始まりから経過した時間及び/又は前記センサの較正手順の終了前に残っている時間を表す時間グラフ(85)、特に棒グラフ又は砂時計を表す時間グラフの、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記制御手段(8)は、前記第3の仮想選択キー(83)と、前記時間グラフ(85)との前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での同時表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項12に従属する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
患者にガスを投与するための設備(100)であって、
-ガス状NO、特にNO/N2ガス混合物を含む少なくとも1つのガス源(10)と、
-少なくとも1つの前記ガス源(10)によってNO含有ガスが投入される、請求項1~11又は13のいずれか一項に記載の装置(1)と、
-酸素含有ガスを供給するための医療用人工呼吸器(50)と、
-前記装置(1)及び前記医療用人工呼吸器(50)によってガスが供給されるガス投入ライン(21)と
を備える、設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
本発明のNO供給装置1は、一酸化窒素(NOi)、即ち、得られた最終NO/O2/N2混合物を、マスク又は気管挿管チューブを介して、肺病を治療するために最終NO/O2/N2混合物を必要とする1つ以上の人、即ち、患者、典型的には、急性肺動脈性肺高血圧症を患う1人以上の患者に投与するために、特に患者の肺血管を拡張し、及び/又は肺ガス交換を改善することによって肺血管の酸素化を増大させるために、特に新生児肺動脈性肺高血圧症(PPHN)、主に成人に見られる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、又は成人若しくは子供に見られる心臓手術における肺高血圧症(PH)を治療するために、ガス投与設備100、例えば、図1のもので使用することができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[請求項1]
NO含有ガスを供給するための装置(1)であって、
-弁手段(7)を備える、NO含有ガスの流れを運ぶための内部ガス回路(6)と、
-マイクロプロセッサ(9)を有する制御手段(8)と、
-前記制御手段(8)によって制御される触覚グラフィカル表示画面(4)と、
-前記制御手段(8)に電気的に接続された少なくとも1つのセンサ(112)を備えるガス分析ライン(111)と
を備える、装置において、前記制御手段(8)は、所与の時間頻度で、少なくとも第1の仮想選択キー(81)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での一時表示を制御するように構成され、ユーザによる前記第1の仮想選択キー(81)の作動は、前記ガス分析ライン(111)の1つ以上の前記センサ(112)の較正手順の、前記制御手段(8)による開始を引き起こすことを特徴とする、装置。
[2]
前記第1の仮想選択キー(81)は、前記センサの較正手順の開始に対応する選択であって、前記ユーザによって行われた選択に対応する少なくとも1つの制御信号を前記制御手段(8)に供給するために、前記制御手段(8)と協働することを特徴とする、[1]に記載の装置。
[3]
前記制御手段(8)は、特に前記センサの較正手順についての、実施されるべき1つ以上の安全性チェックに関連する情報(80)の少なくとも1つの項目の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[4]
前記制御手段(8)は、少なくとも1日1回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、[3]に記載の装置。
[5]
前記制御手段(8)は、前記第1の仮想選択キー(81)と同時に又はそれに続いて第2の仮想選択キー(82)の表示を更に制御するように構成され、前記第2の仮想選択キー(82)は、前記第2の仮想選択キー(82)のユーザ作動に反応して前記センサの較正手順をキャンセルするか又は拒否するように構成されていることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[6]
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、[3]に従属する[5]に記載の装置。
[7]
前記制御手段(8)は、前記内部ガス回路(6)中のガスのいかなる循環も許可又は停止するように、前記内部ガス回路(6)中のガスの流れを制御するために前記弁手段(7)を制御することを特徴とする、[1]に記載の装置。
[8]
少なくとも1つの前記センサ(112)は、1つ以上の電気化学セルを備えることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[9]
前記制御手段(8)は、前記情報(80)の少なくとも1つの項目と、ポップアップウィンドウ(84)内の前記第1の仮想選択キー(81)及び任意選択で第2の仮想選択キー(82)との同時表示を制御するように構成されていることを特徴とする、[6]に記載の装置。
[10]
前記制御手段(8)は、1日1~4回、好ましくは1日1又は2回の時間頻度で前記情報(80)の少なくとも1つの項目及び/又は前記第1の仮想選択キー(81)の表示を制御するように構成されていることを特徴とする、[4]に記載の装置。
[11]
装置が、1つ以上の前記安全性チェックの手順、特に前記センサの較正手順を記憶するように構成された記憶手段を備えることを特徴とする、[3]に記載の装置。
[12]
前記制御手段(8)は、第3の仮想選択キー(83)の、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成され、前記ユーザによる前記第3の仮想選択キー(83)の作動は、始まった較正手順の中断を引き起こすことを特徴とする、[1]又は[5]に記載の装置。
[13]
前記制御手段(8)は、前記センサの較正手順の始まりから経過した時間及び/又は前記センサの較正手順の終了前に残っている時間を表す時間グラフ(85)、特に棒グラフ又は砂時計を表す時間グラフの、前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[14]
前記制御手段(8)は、前記第3の仮想選択キー(83)と、前記時間グラフ(85)との前記触覚グラフィカル表示画面(4)上での同時表示を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[12]に従属する[13]に記載の装置。
[15]
患者にガスを投与するための設備(100)であって、
-ガス状NO、特にNO/N 2 ガス混合物を含む少なくとも1つのガス源(10)と、
-少なくとも1つの前記ガス源(10)によってNO含有ガスが投入される、[1~14のいずれか一項]に記載の装置(1)と、
-酸素含有ガスを供給するための医療用人工呼吸器(50)と、
-前記装置(1)及び前記医療用人工呼吸器(50)によってガスが供給されるガス投入ライン(21)と
を備える、設備。
【外国語明細書】