(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026001279
(43)【公開日】2026-01-07
(54)【発明の名称】データ収集装置およびデータ収集プログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20251224BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20251224BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20251224BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20251224BHJP
G01D 3/00 20060101ALI20251224BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
G08C15/00 E
G08C15/06 J
G08C17/00 Z
G01D3/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098471
(22)【出願日】2024-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】391040788
【氏名又は名称】三菱電機システムサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中井 拓真
(72)【発明者】
【氏名】橋里 翼
(72)【発明者】
【氏名】猪嶋 誉一
(72)【発明者】
【氏名】刈谷 俊介
【テーマコード(参考)】
2F073
2F075
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA21
2F073AB01
2F073AB03
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC14
2F073CD11
2F073DD07
2F073EF08
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG06
2F075AA01
2F075EE14
2F075EE16
5K048AA02
5K048BA34
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、複数種のセンサ無線機器を使用可能とするデータ収集装置の設計を容易にすることである。
【解決手段】データ収集装置10が備えるプロセッサ22には、電文解析処理部28および補正計算処理部30が構成される。プロセッサ22は、センサ識別処理、データ取得処理およびセンサデータ補正処理を実行する。センサ識別処理は、データ収集装置10が受信したパケットに基づいて、パケットに含まれる電文54の送信元のセンサ無線機器12を識別する処理である。データ取得処理は、センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、電文54におけるセンサデータ領域62を特定し、対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを取得する処理である。センサデータ補正処理は、センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成する処理である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信部と、プロセッサと、を備え、
前記無線通信部は、
パケットを受信し、前記パケットを前記プロセッサに出力し、
前記プロセッサは、
前記パケットに基づいて、前記パケットに含まれる電文の送信元のセンサ無線機器を識別するセンサ識別処理と、
前記センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、前記電文におけるセンサデータ領域を特定し、前記対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを、前記センサデータ領域から取得するデータ取得処理と、
前記センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成するセンサデータ補正処理と、を実行することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ収集装置であって、
複数種のセンサ無線機器に対し、前記センサデータに対する補正計算アルゴリズムを対応付けた補正データベースを備え、
前記補正データベースは、前記データ収集装置に接続された外部装置によって変更可能であり、
前記プロセッサは、
前記補正データベースに基づいて、前記センサデータに対する補正計算を実行することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ収集装置であって、
複数種のセンサ無線機器に対し、センサを識別する情報と、前記センサデータ領域を示す情報とを対応付けたセンサ情報データベースを備え、
前記センサ情報データベースは、
前記データ収集装置に接続された外部装置によって変更可能であり、
前記プロセッサは、
前記センサ情報データベースを参照し、前記対象センサ無線機器に対して、前記電文における前記センサデータ領域を特定することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ収集装置であって、
前記プロセッサは、
複数セットの前記センサデータについて、前記センサデータ領域における配列構造を特定することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ収集装置であって、
前記無線通信部は、
BLEデバイスであるセンサ無線機器との間で無線通信を行うことを特徴とするデータ収集装置。
【請求項6】
無線通信部と、プロセッサと、を備え、
前記無線通信部は、
パケットを受信し、前記パケットを前記プロセッサに出力する、データ収集装置の記憶部に読み込まれるデータ収集プログラムであって、
前記パケットに基づいて、前記パケットに含まれる電文の送信元のセンサ無線機器を識別するセンサ識別処理と、
前記センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、前記電文におけるセンサデータ領域を特定し、前記対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを取得するデータ取得処理と、
前記センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成するセンサデータ補正処理と、を前記プロセッサに実行させることを特徴とするデータ収集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集装置およびデータ収集プログラムに関し、特に、パケットを受信し、パケットからデータを取得する装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数個所で物理量を検出するシステムとして、温度センサ、気圧センサ等のセンサを複数個所に配置し、無線通信によってセンサの検出値を収集するデータ収集システムがある。データ収集システムでは、センサを搭載したセンサ無線機器が、データ収集装置に検出値を無線送信する。
【0003】
以下の特許文献1および2には、無線通信によるデータ収集システムが記載されている。特許文献3~5には、センサの検出値を収集する装置が検出値に対して実行する演算処理が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-107762号公報
【特許文献2】特開2015-26949号公報
【特許文献3】特開2018-206301号公報
【特許文献4】特開2012-58192号公報
【特許文献5】特開2014-78134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線通信によるデータ収集システムでは、検出対象が異なる様々なセンサ無線機器が用いられる。一般に、検出対象が異なる場合、センサ無線機器による検出値が示す物理量が異なる。また、検出対象の物理量が同一であっても、検出原理が異なる場合、検出値が示す物理量が異なる場合がある。
【0006】
したがって、センサ無線機器を、検出対象や検出原理等の種類が異なるセンサ無線機器に変更可能とする場合には、データ収集装置で実行される演算処理を追加または変更可能とする必要が生じる。また、検出対象や検出原理等の種類が異なるセンサ無線機器をデータ収集システムに追加可能とする場合にも、データ収集装置で実行される演算処理の追加または変更を可能とする必要が生じる。これによって、データ収集装置の設計が複雑になってしまうことがあった。
【0007】
本発明の目的は、複数種のセンサ無線機器を使用可能とするデータ収集装置の設計を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信部と、プロセッサと、を備え、前記無線通信部は、パケットを受信し、前記パケットを前記プロセッサに出力し、前記プロセッサは、前記パケットに基づいて、前記パケットに含まれる電文の送信元のセンサ無線機器を識別するセンサ識別処理と、
前記センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、前記電文におけるセンサデータ領域を特定し、前記対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを、前記センサデータ領域から取得するデータ取得処理と、前記センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成するセンサデータ補正処理と、を実行することを特徴とする。
【0009】
一つの実施形態では、複数種のセンサ無線機器に対し、前記センサデータに対する補正計算アルゴリズムを対応付けた補正データベースを備え、前記補正データベースは、前記データ収集装置に接続された外部装置によって変更可能であり、前記プロセッサは、前記補正データベースに基づいて、前記センサデータに対する補正計算を実行する。
【0010】
一つの実施形態では、複数種のセンサ無線機器に対し、センサを識別する情報と、前記センサデータ領域を示す情報とを対応付けたセンサ情報データベースを備え、前記センサ情報データベースは、前記データ収集装置に接続された外部装置によって変更可能であり、 前記プロセッサは、前記センサ情報データベースを参照し、前記対象センサ無線機器に対して、前記電文における前記センサデータ領域を特定する。
【0011】
一つの実施形態では、前記プロセッサは、複数セットの前記センサデータについて、前記センサデータ領域における配列構造を特定する。
【0012】
一つの実施形態では、前記無線通信部は、BLEデバイスであるセンサ無線機器との間で無線通信を行う。
【0013】
また、本発明は、無線通信部と、プロセッサと、を備え、前記無線通信部は、パケットを受信し、前記パケットを前記プロセッサに出力する、データ収集装置の記憶部に読み込まれるデータ収集プログラムであって、前記パケットに基づいて、前記パケットに含まれる電文の送信元のセンサ無線機器を識別するセンサ識別処理と、前記センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、前記電文におけるセンサデータ領域を特定し、前記対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを取得するデータ取得処理と、
前記センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成するセンサデータ補正処理と、を前記プロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数種のセンサ無線機器を使用可能とするデータ収集装置の設計を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】データ収集装置の詳細な構成を示す図である。
【
図5】センサデータ領域の配列構造の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示された同一の事項については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0017】
(1)データ収集システム100の構成
図1には、本発明の実施形態に係るデータ収集システム100の構成が示されている。データ収集システム100は、データ収集装置10、複数のセンサ無線機器12-1~12-Nおよび上位機器16を備えている。ここで、Nは2以上の整数である。複数のセンサ無線機器12-1~12-Nのそれぞれは(以下、センサ無線機器12ということがある)、センサ14を備えている。センサ14は、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、振動センサ、水位センサ等であってよい。各センサ無線機器12は検出値を示すセンサデータをセンサ14から取得して、センサデータを含むパケットをデータ収集装置10に無線送信する。データ収集装置10は、各センサ無線機器12から送信されたパケットを受信して、各センサ無線機器12のセンサデータを取得する。
【0018】
センサ無線機器12-1~12-Nは、工場、ビル、オフィス、倉庫、植物栽培用の温室等に配置される。センサ無線機器12がビルやオフィスに配置される場合には、センサ14として温度センサ、湿度センサ等が用いられてよい。この場合、各センサ無線機器12が配置された位置における温度、湿度等を示すセンサデータがデータ収集装置10で収集される。センサ無線機器12が工場や倉庫に配置される場合には、センサ14として温度センサや湿度センサの他、振動センサ等が用いられてよい。この場合、各センサ無線機器12が配置された位置における温度、湿度、振動等を示すセンサデータがデータ収集装置10で収集される。上位機器16は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置であってよい。上位機器16は、無線通信回線または有線通信回線によってデータ収集装置10に接続されている。データ収集装置10は、センサデータを上位機器16に送信する。上位機器16はセンサデータに基づく情報を表示し、ユーザは表示された情報によって製品の監視等を行う。
【0019】
センサ無線機器12が温室に配置された場合には、センサ14として温度センサ、湿度センサ、照度センサ等が用いられてよい。この場合、各センサ無線機器12が配置された位置における温度、湿度、照度等を示すセンサデータがデータ収集装置10で収集される。
【0020】
(2)データ収集装置10の構成
図2には、データ収集装置10の詳細な構成が示されている。ただし、
図2には、データ収集装置10の他、センサ無線機器12-1~12-N、上位機器16、データ収集装置10に接続された外部装置40、さらには、外部装置40に接続された外部メモリ42も示されている。データ収集装置10は、プロセッサ22、記憶部26、無線通信部20および上位機器通信部24を備えている。
【0021】
無線通信部20は、各センサ無線機器12から無線送信されたパケットを受信し、プロセッサ22に出力する。プロセッサ22は、パケットからある一纏まりの情報を有する電文を抽出すると共に、パケットに基づいて送信元のセンサ無線機器12の種別(製造元や型番、センサ無線機器12がどのような物理量を検出するものであるか等)を特定する。プロセッサ22は、電文からセンサデータを抽出し、送信元として特定されたセンサ無線機器12の種別に応じた補正計算をセンサデータに対して施し、補正後センサデータを生成する。なお、パケットおよび電文の具体的な構成や、プロセッサ22が実行する具体的な処理については後述する。
【0022】
ここで、センサデータは、センサの動作原理に応じた検出値を示すデータであり、補正後センサデータは、センサの動作原理に応じた検出値を、検出対象の物理量に変換したものである。例えば、温度センサとしてサーミスタを用いた場合には、センサデータは検出された温度に応じた抵抗値を示し、補正後センサデータは温度を示す。この場合、補正計算は、サーミスタの抵抗値を温度に変換する計算となる。また、温度センサとして熱電対を用いた場合には、センサデータは検出された温度に応じた出力電圧を示し、補正後センサデータは温度を示す。この場合、補正計算は、熱電対の出力電圧を温度に変換する計算となる。
【0023】
プロセッサ22は、各センサ無線機器12について取得した補正後センサデータを上位機器通信部24に出力する。上位機器通信部24は、補正後センサデータを上位機器16に送信する。
【0024】
(3)パケットの構成例
図3には、センサ無線機器12がデータ収集装置10に送信するパケットの構成例が示されている。パケットは、ヘッダ部50と、ヘッダ部50に続くペイロード部52とを含む。ヘッダ部50には、データ収集装置10がパケットから情報を取得するための制御情報が含まれている。例えば、パケットに対する処理タイミング(パケットが示す信号との同期タイミング等)を調整するためのプリアンブル、送信元を識別するための送信元アドレス、宛先を指定する宛先アドレス等が含まれてよい。また、ヘッダ部50には、送信元のセンサ無線機器12を識別するための識別データが含まれてよい。この識別データは、ペイロード部52に含まれてもよい。
【0025】
ペイロード部52には、パケットが伝送する実体的な情報が含まれている。
図3に示されている例では、ペイロード部52における予め定められた領域に、センサ無線機器12が生成したセンサデータを含む電文54が含まれている。
【0026】
電文54は、データ長領域56、種別領域58および伝送データ領域60を含む。データ長領域56は、電文54の長さを示す情報を含む。種別領域58は、電文54の種別を示す情報を含む。
図3に示された例では、電文54がセンサデータを含む電文であることを示す情報を種別領域58が含む。伝送データ領域60は、電文54が伝送する実体的なデータを含む。
図3に示された例では、伝送データ領域60は、センサデータ領域62を含み、センサデータ領域62には、3セットのセンサデータとして、センサデータ1~センサデータ3が含まれている。
【0027】
なお、各センサ無線機器12は、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標である。以下、BLEという)の通信規格に従って無線通信をするBLEデバイスであってよい。BLEの通信規格では、データ長領域56、種別領域58および伝送データ領域60として、それぞれ、” Length ”、” AD Type ”、および” AD DATA ” が規定されている。各センサ無線機器12は、Zigbee(登録商標)等のその他の通信規格に従って無線通信をするデバイスであってもよい。
【0028】
電文54のセンサデータ領域62には様々な配列構造がある。ここで、配列構造とは、複数セットのセンサデータ(
図3に示されている例では、センサデータ1~3)のそれぞれが占有する領域の位置および範囲によって定義されるデータ構造をいう。例えば、
図4(a)および(b)に示されている電文54-1および54-2では、センサデータ1~センサデータ3がセンサデータ領域62において占有する範囲が異なっている。配列構造は、各センサデータが、センサデータ領域62において先頭から数えて何ビット目から何ビット目を占有するかによって示されてよい。
【0029】
(4)プロセッサ22が実行する処理
(4-1)電文解析処理部28が実行する処理
図2を再び参照し、プロセッサ22が実行する具体的な処理について説明する。プロセッサ22は、予め自らに読み込まれたプログラムを実行することで、電文解析処理部28および補正計算処理部30を構成する。電文解析処理部28は、無線通信部20から出力されたパケット(以下、処理対象パケットということがある)に含まれる識別データに基づいて、処理対象パケットの送信元のセンサ無線機器12の種別を特定する。センサ無線機器12の種別は、センサ無線機器12の製造元や型番、センサ無線機器12がどのような物理量を検出するものであるか等によって特定される。
【0030】
センサ無線機器12の種別を特定する処理は、記憶部26に記憶されたセンサ情報データベース32を参照することで行われる。すなわち、センサ情報データベース32には、複数の種別のそれぞれについて、パケットに含まれる識別データとセンサ無線機器12の種別とを対応付けた情報が含まれている。電文解析処理部28はセンサ情報データベース32を参照し、処理対象パケットに含まれていた識別データに対応付けられているセンサ無線機器12の種別を、処理対象パケットの送信元のセンサ無線機器12の種別として特定する。
【0031】
また、電文解析処理部28は、特定されたセンサ無線機器12の種別に基づいて、処理対象パケットに含まれる電文54の構造(電文構造)を特定する。すなわち、電文解析処理部28は、処理対象パケットに含まれる電文54におけるセンサデータ領域62を特定し、センサデータ領域62の配列構造を特定する。
【0032】
センサデータ領域62を特定し、センサデータ領域62の配列構造を特定する処理は、記憶部26に記憶されたセンサ情報データベース32を参照することで行われる。すなわち、センサ情報データベース32には、センサ無線機器12の種別と、センサデータ領域62の範囲と、センサデータ領域62の配列構造とを対応付けた情報が含まれている。
【0033】
センサデータ領域62を特定し、センサデータ領域62の配列構造を特定した後、電文解析処理部28は、1セットのセンサデータまたは複数セットのセンサデータをセンサデータ領域62から抽出し、補正計算処理部30に出力する。また、電文解析処理部28は、1セットのセンサデータまたは複数セットのセンサデータに対して、送信元のセンサ無線機器12の種別を対応付けた種別情報を補正計算処理部30に出力する。
【0034】
(4-2)補正計算処理部30が実行する処理
補正計算処理部30は、電文解析処理部28から出力されたセンサデータに対し、補正データベース34においてセンサ無線機器12の種別に対して定められた補正計算を実行し、補正後センサデータを求める。補正計算には、後述するように、抽出計算、関数計算およびこれらの組合わせがある。
【0035】
記憶部26に記憶された補正データベース34は、センサ無線機器12の種別に対し、補正計算のアルゴリズムを対応付けた情報を含む。また、記憶部26には、補正データベース34においてセンサ無線機器12の各種別に対応付けられた補正計算アルゴリズムのプログラムが記憶されている。補正計算アルゴリズムは、例えば、逆ポーランド記法を用いたアルゴリズムであってよい。
【0036】
補正計算処理部30は、補正データベース34を参照し、センサ無線機器12の種別に対応付けられた補正計算を認識すると共に、そのセンサ無線機器12の種別に対応する補正計算アルゴリズムを実行するためのプログラムを読み込む。
【0037】
補正計算のうちの抽出計算は、電文54から抽出されたセンサデータに対する計算である。
図5には、センサデータ領域62の配列構造の例が示されている。
図5に示された配列構造は、説明の便宜上の概念的なものである。センサデータ領域62には、センサデータD1~D7が含まれている。センサデータD1は数値領域[0]および[1]によって表され、センサデータD2は数値領域[2]および[3]によって表される。センサデータD3は数値領域[4]および[5]によって表される。センサデータD4は数値領域[6]および[7]によって表され、センサデータD5は数値領域[8]~[11]によって表される。センサデータD6は数値領域[12]~[15]によって表され、センサデータD7は数値領域[16]~[19]によって表される。
【0038】
抽出計算には、例えば、2進数または16進数の予め定められた桁の範囲に、数値領域の数値を当て嵌める計算がある。次の(数1)は、センサデータD3の補正後の数値A3を求める例である。
【0039】
(数1)A3=x[4]+(x[5]×0x100)
【0040】
ここで、x[i]は、数値領域[i]に記述された数値を示す。また、「0x」の表記は、この後に続く数値が16進数であることを示す。(数1)は、数値領域[4]に記述されたx[4]に対し、16進数の第3桁目がx[5]である数値を加算することを意味する。x[4]およびx[5]が16進数で2桁の数値である場合、数値A3は、下位2桁にx[4]を当て嵌め、下位第3桁目および第4桁目にx[5]を当て嵌めた16進数となる。
【0041】
次の(数2)は、センサデータD5の補正後の数値A5を求める例である。
【0042】
(数2)A5=x[8]+(x[9]×0x100)+(x[10]×0x10000)
+(x[11]+0x1000000)
【0043】
(数2)は、数値領域[8]に記述されたx[8]に対し、16進数の第3桁目がx[9]である数値を加算し、16進数の第5桁目がx[10]である数値を加算し、16進数の第4桁目がx[11]である数値を加算することを意味する。x[8]~x[11]が16進数で2桁の数値である場合、数値A5は、下位2桁にx[8]を当て嵌め、下位から数えて第3桁目および第4桁目にx[9]を当て嵌め、下位から数えて第5桁目および第6桁目にx[10]を当て嵌め、下位7桁目および第8桁目にx[11]を当て嵌めた16進数となる。
【0044】
次に、関数計算は、四則演算、線形多項式、べき乗多項式、指数関数等を含んでよい。例えば、センサデータiの補正後の数値Aiは(数3)の線形計算式によって求められてよい。
【0045】
(数3)Ai=a・x[j]+b
【0046】
ただし、iは、センサデータを特定する整数であり、jは、電文54における数値領域を特定する整数である。また、aおよびbは任意の定数である。次の(数4)は、べき乗多項式に基づく関数計算の例である。
【0047】
(数4)Ai=c・x[j]+d・x[j]2+ex[j]3+f
【0048】
ここで、c、d、eおよびfは任意の定数である。
【0049】
次の(数5)は、指数関数を用いた関数計算の例である。
【0050】
(数5)Ai=α・exp(β・x[j])+γ・x[j]
【0051】
ここで、α、βおよびγは任意の定数である。
【0052】
補正データベース34では、センサ無線機器12の種別に対し、補正計算のアルゴリズムが対応付けられている。補正計算のアルゴリズムは、抽出計算のみ実行するもの、1つの関数計算を実行するもの、複数の関数計算を組み合わせたもの等、センサ無線機器12の種別に応じた補正計算を実行するものであってよい。
【0053】
例えば、補正計算には、オフセットを補正するもの、実際の温度の増加に対して検出値が曲線的に増加する場合について、検出値が直線的に増加するように検出値を補正するもの、検出値を真数から対数に変換するもの、検出値を変数として三角関数の関数値を求めるもの等が含まれてよい。
【0054】
補正計算は、センサ無線機器12の種別と、上位機器16に送信されるべきセンサデータの形式に応じて定められる。補正計算は、抽出計算と関数計算の任意の組合わせによって実現されてよい。
【0055】
(5)プロセッサ22が実行する処理のまとめ
以上説明したように、データ収集装置10が備えるプロセッサ22には電文解析処理部28および補正計算処理部30が構成され、プロセッサ22は、次のようなセンサ識別処理、データ取得処理およびセンサデータ補正処理を実行する。
【0056】
センサ識別処理は、データ収集装置10が受信したパケットに基づいて、電文54の送信元のセンサ無線機器12を識別する処理である。データ取得処理は、センサ識別処理によって識別された対象センサ無線機器について、電文54におけるセンサデータ領域62を特定し、対象センサ無線機器によって得られたセンサデータを取得する処理である。センサデータ補正処理は、センサデータに対する補正計算を実行し、補正後センサデータを生成する処理である。
【0057】
プロセッサ22は、各センサ無線機器12について取得した補正後センサデータを上位機器通信部24に出力する。上位機器通信部24は、補正後センサデータを上位機器16に送信する。
【0058】
なお、記憶媒体としての記憶部26には、センサ識別処理、データ取得処理およびセンサデータ補正処理をプロセッサ22に実行させるプログラムが記憶されてよい。プロセッサ22は、記憶部26に記憶されたプログラムを実行することで、センサ識別処理、データ取得処理およびセンサデータ補正処理を実行する。
【0059】
(6)各データベースが含む情報のまとめ
上記のように、センサ情報データベース32には、センサ無線機器12の複数の種別のそれぞれについて、すなわち、複数種のセンサ無線機器12のそれぞれについて、パケットに含まれる識別データとセンサ無線機器12の種別とを対応付けた情報が含まれている。また、センサ情報データベース32には、センサ無線機器12の種別と、センサデータ領域62の範囲と、センサデータ領域62の配列構造とを対応付けた情報が含まれている。このように、センサ情報データベース32は、センサ無線機器12の種別に各情報を対応付けた対応付けデータを含む。センサ情報データベース32は、センサ無線機器12について固有の情報である。したがって、使用下のセンサ無線機器12の種別を特定することで、記憶部26が記憶すべきセンサ情報データベース32に含まれるべき対応付けデータが特定される。
【0060】
また、上記のように、補正データベース34は、センサ無線機器12の種別に対し、補正計算のアルゴリズムを対応付けた情報を含む。また、記憶部26には、補正データベース34においてセンサ無線機器12の各種別に対応付けられた補正計算アルゴリズムのプログラムが記憶されている。このように、補正データベース34は、センサ無線機器12の種別に各情報を対応付けた対応付けデータを含む。補正データベース34は、センサ無線機器12について固有の情報である。したがって、使用下のセンサ無線機器12の各種別を特定することで、補正データベース34に含まれるべき対応付けデータ(センサ無線機器12の種別と補正計算とを対応付けるデータ、すなわち補正データベース34の構成要素)が特定される。さらに、センサ無線機器12の種別を特定することで記憶部26が記憶すべき補正計算アルゴリズムのプログラムが特定される。
【0061】
(7)各データベースを変更する処理
センサ情報データベース32および補正データベース34は、データ収集装置10に接続された外部装置40によって変更可能であってよい。外部装置40は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置であってよい。また、補正データベース34においてセンサ無線機器12の種別に対応付けられた補正計算アルゴリズムが、ユーザによる外部装置40の操作に応じて記憶部26に記憶可能である。
【0062】
外部メモリ42には、各種別のセンサ無線機器12について、センサ情報データベース32における対応付けデータ、補正データベース34における対応付けデータおよび補正計算アルゴリズムが記憶されている。外部メモリ42は、インターネット等の電気通信回線を構成するコンピュータのメモリであってよい。
【0063】
外部装置40は、ユーザの操作に応じてセンサ無線機器12の種別を認識し、センサ無線機器12の種別に応じたセンサ情報データベース32における対応付けデータを外部メモリ42における外部データベースから取得し、その取得した対応付けデータをセンサ情報データベース32に追加する。
【0064】
また、外部装置40は、ユーザの操作に応じてセンサ無線機器12の種別を認識し、センサ無線機器12の種別に応じた補正データベース34における対応付けデータを外部メモリ42における外部データベースから取得し、その取得した対応付けデータを補正データベース34に追加する。外部装置40は、さらに、補正データベース34に対応付けられた補正計算アルゴリズムのプログラムを外部メモリ42における外部データベースから取得し、その取得したプログラムを記憶部26に記憶させる。
【0065】
本実施形態に係るデータ収集装置10では、使用下のセンサ無線機器12の種別に応じたセンサ情報データベース32および補正データベース34が、外部装置40の操作によって記憶される。これによって、データ収集装置10に対し複数種のセンサ無線機器12を使用可能とすることが容易となる。また、記憶部26に記憶させるセンサ情報データベース32および補正データベース34を変更するのみで、使用可能なセンサ無線機器12が追加または変更され得る。これによって、複数種のセンサ無線機器12を使用可能とするデータ収集装置10の設計が容易となる。
【符号の説明】
【0066】
10 データ収集装置、12-1~12-N センサ無線機器、14 センサ、16 上位機器、20 無線通信部、22 プロセッサ、24 上位機器通信部、26 記憶部、28 電文解析処理部、30 補正計算処理部、32 センサ情報データベース、34 補正データベース、40 外部装置、42 外部メモリ、50 ヘッダ部、52 ペイロード部、54,54-1,54-2 電文、56 データ長領域、58 種別領域、60 伝送データ領域、62 センサデータ領域、100 データ収集システム。