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  • -超電導ケーブルの冷却システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026014566
(43)【公開日】2026-01-29
(54)【発明の名称】超電導ケーブルの冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H10N 60/81 20230101AFI20260122BHJP
   F25B 9/00 20060101ALI20260122BHJP
【FI】
H10N60/81 ZAA
F25B9/00 A
H10N60/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115771
(22)【出願日】2024-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002255
【氏名又は名称】SWCC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】足立 和久
(72)【発明者】
【氏名】三堂 信博
(72)【発明者】
【氏名】青木 裕治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 佳明
(72)【発明者】
【氏名】相良 勇
(72)【発明者】
【氏名】平井 寛一
(72)【発明者】
【氏名】小林 英樹
【テーマコード(参考)】
4M114
【Fターム(参考)】
4M114AA02
4M114AA04
4M114AA17
4M114AA18
4M114AA19
4M114CC12
4M114CC18
4M114DA02
4M114DA26
4M114DA32
4M114DA35
4M114DA42
4M114DA47
(57)【要約】
【課題】ガスの利用設備と超電導ケーブルの冷却システムとを組み合わせた場合に、タンク10に貯留した液体状態のガス11の気化工程において冷却システムで利用する冷媒を有効活用すること。
【解決手段】ガスを液体状態で貯留してあるタンク10と、互いに熱交換可能な気化ライン21および液化ライン22を少なくとも有する熱交換器20と、液体状態の第一冷媒31でもって超電導ケーブルAに循環させる第二冷媒を冷却するサブクーラー30と、サブクーラー30内で気化した気体状態の第一冷媒32を吸引するポンプ40と、サブクーラー30とポンプ40の間に介設して、気体状態の第一冷媒32を加温する加温器50と、加温された気体状態の第一冷媒32を加圧する圧縮機60を少なくとも具備する。気化ライン21はタンク10からの液体状態のガス11を気化させてガスの利用設備へ供給し、液化ライン22は圧縮機60で加圧した気体状態の第一冷媒32を液化させて、サブクーラー30へ供給するよう構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの利用設備と組み合わせて使用する、超電導ケーブルの冷却システムであって、
前記ガスを液体状態で貯留してある、タンクと、
互いに熱交換可能としてある、気化ラインおよび液化ラインを少なくとも有する、熱交換器と、
液体状態の第一冷媒を収容してあり、この液体状態の第一冷媒でもって、超電導ケーブル内に循環させる第二冷媒を冷却する、サブクーラーと、
前記サブクーラー内で気化した、気体状態の第一冷媒を吸引する、ポンプと、
前記サブクーラーと前記ポンプの間に介設して、気体状態の第一冷媒を加温する、加温器と、
前記加温器によって加温された気体状態の第一冷媒を加圧する、圧縮機と、
を少なくとも具備し、
前記気化ラインは、
前記タンクから送られる液体状態のガスを気化させて、前記設備へ供給するよう構成し、
前記液化ラインは、
前記圧縮機で加圧した気体状態の第一冷媒を液化させて、前記サブクーラーへ供給するよう構成してあることを特徴とする、
超電導ケーブルの冷却システム。
【請求項2】
前記第一冷媒と、前記ガスの主要元素が同一であり、
前記液化ラインに送られる気体状態の第一冷媒中の主要元素の純度が、前記設備へ供給する気体状態のガス中の主要元素の純度よりも低いことを特徴とする、
請求項1に記載の超電導ケーブルの冷却システム。
【請求項3】
前記設備へ供給する気体状態のガスが、99.999%以上の純度を有する窒素であることを特徴とする、
請求項2に記載の超電導ケーブルの冷却システム。
【請求項4】
前記ガス、前記第一冷媒および前記第二冷媒が窒素であることを特徴とする、
請求項3に記載の超電導ケーブルの冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを利用する設備と組み合わせて使用する、超電導ケーブルの冷却システムに関し、特に高純度のガスを利用する設備との組み合わせに好適な超電導ケーブルの冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場、研究機関、医療施設、各種モビリティ(飛行機、乗用車、船舶など)などに設けている種々の設備において、あらゆるガス(窒素、ヘリウム、水素、アルゴンなど)が利用されている。
これらのガスは、液化した状態で貯留しておき、必要に応じて適宜気化させて利用することが一般的である。
【0003】
他方、これらの設備に対する電力供給手段として、サブクールシステム(以下の特許文献1を参照。)を備えた、超電導ケーブルの採用が検討されている。
そこで、出願人は、サブクールシステムにおいて超電導ケーブルを冷却するための冷媒(一方の冷媒)を冷却するための冷媒(他方の冷媒)を由来とするガスを、これらの設備で利用するガスとして再利用できる余地があることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-117026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、他方の冷媒を由来とするガスを、ポンプを用いてサブクーラーから取り出した場合、ポンプを経由したガスの中に不純物が混入する場合がある。
そのため、これらの設備で利用するガスに、高純度が要求される場合、ポンプで取り出したガスをそのまま設備に供給することができなかった。
【0006】
よって、本発明は、ガスの利用設備と超電導ケーブルの冷却システムとを組み合わせた場合に、冷却システムから取り出したガスを有効活用することが可能な手段の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、ガスの利用設備と組み合わせて使用する、超電導ケーブルの冷却システムであって、前記ガスを液体状態で貯留してある、タンクと、互いに熱交換可能としてある、気化ラインおよび液化ラインを少なくとも有する、熱交換器と、液体状態の第一冷媒を収容してあり、この液体状態の第一冷媒でもって、超電導ケーブル内に循環させる第二冷媒を冷却する、サブクーラーと、前記サブクーラー内で気化した、気体状態の第一冷媒を吸引する、ポンプと、前記サブクーラーと前記ポンプの間に介設して、気体状態の第一冷媒を加温する、加温器と、前記加温器によって加温された気体状態の第一冷媒を加圧する、圧縮機と、を少なくとも具備し、前記気化ラインは、前記タンクから送られる液体状態のガスを気化させて、前記設備へ供給するよう構成し、前記液化ラインは、前記圧縮機で加圧した気体状態の第一冷媒を液化させて、前記サブクーラーへ供給するよう構成したことを特徴とするものである。
また、本願発明は、前記第一冷媒と、前記ガスの主要元素が同一であり、前記液化ラインに送られる気体状態の第一冷媒中の主要元素の純度が、前記設備へ供給する気体状態のガス中の主要元素の純度よりも低い状態で使用することもできる。
また、本願発明は、前記設備へ供給する気体状態のガスに、99.999%以上の純度を有する窒素を用いてもよい。
また、本願発明は、前記ガス、前記第一冷媒および前記第二冷媒に窒素を用いてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用設備に超電導ケーブルの冷却システムを組み合わせた場合においても、冷却システムから取り出したガスを有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る超電導ケーブルの冷却システムの全体構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例0011】
<1>全体構成
図1に、本発明に係る超電導ケーブルの冷却システム(以下、単に「本システム」ともいう。)の全体構成の概略を示す。
本システムは、超電導ケーブルAを構成する導体を冷媒によって冷却することで、超電導状態で電力供給を行うためのシステムである。
本発明では、本システムを、製造工場、研究機関、医療施設、各種モビリティ(飛行機、乗用車、船舶など)などに設けている種々の設備(以下、単に「利用設備」ともいう。)と組み合わせて使用することを想定している。
本システムは、タンク10、熱交換器20、サブクーラー30、ポンプ40、加温器50、および圧縮機60を少なくとも備えて構成する。
以下、各部の詳細について説明する。
【0012】
<2>タンク
タンク10は、利用設備で使用するガスを液体状態で貯留しておくための部材である。
本発明において、タンク10の構成は特段限定しない。
【0013】
<2.1>ガス
本発明において、タンク10に貯留するガスの種類は、液化が可能なガスであればよく、特段限定しない。液化が可能なガスの例には、窒素、ヘリウム、水素、アルゴンなどがある。
なお、本実施例では、タンク10に液体窒素を貯留している。
【0014】
<3>サブクーラー
サブクーラー30は、超電導ケーブルAを冷却するための冷媒を冷却するための部材である。
本発明において、サブクーラー30の構成は特段限定しない。
本実施例では、サブクーラー30の内部に、液体状態の冷媒(液体状態の第一冷媒31)を収容しておき、この中に超電導ケーブルAの冷却に用いる冷媒(冷却前の第二冷媒C1)を流す管路を配置している。
そして、超電導ケーブルAの両端にそれぞれ接続してある一方の終端接続部B1から、冷却前の第二冷媒C1を取り出し、サブクーラー30を経由させて他方の終端接続部B2に戻すことで、冷却された第二冷媒C2を超電導ケーブルA内に循環させることができる。
【0015】
<3.1>第一冷媒・第二冷媒
第一冷媒は、サブクーラー30内で第二冷媒を冷却するための冷媒である。
第二冷媒は、超電導ケーブルA内の導体を冷却するための冷媒である。
本発明において、第一冷媒および第二冷媒の種類は特段限定しないが、本実施例では、窒素を想定している。
【0016】
<4>ポンプ
ポンプ40は、サブクーラー30内で気化した気体状態の第一冷媒32を、サブクーラー30から吸引して取り出すための部材である。
本発明において、ポンプ40の構成は特段限定しない。
本実施例では、ポンプ40として、真空ポンプを用いている。
【0017】
<5>加温器
加温器50は、ポンプ40で吸引した気体状態の第一冷媒32を加温するための部材である。
本発明において、加温器50の構成は特段限定しない。
本実施例では、加温器50をポンプ40とサブクーラー30の間に介設している。これは、サブクーラー30内の気体状態の第一冷媒32は低温であるため、そのままポンプ40に流入させると、ポンプ40の故障を引き起こす恐れがあるためである。
【0018】
<6>圧縮機
圧縮機60は、気体状態の第一冷媒32を加圧するための部材である。
本発明において、圧縮機60の構成は特段限定しない。
本実施例では、圧縮機をポンプ40と熱交換器20の間に介設し、気体状態の第一冷媒32の圧力を常圧まで戻してから、熱交換器20に導入するよう構成している。
これは、真空ポンプ40で吸引された気体状態の第一冷媒32の圧力を高めて融点を下げることで、熱交換器20内での第一冷媒の液化を促進するためである。
【0019】
<7>熱交換器
熱交換器20は、利用設備に対する気体状態のガス12の供給と、サブクーラー30に対する液体状態の第一冷媒31の供給を行うための部材である。
本発明に係る熱交換器20は、気化ライン21および液化ライン22を少なくとも有して構成する。以下、各ラインの詳細について説明する。
【0020】
<7.1>気化ライン
気化ライン21は、タンク10に貯留してある液体状態のガス11を気化させて、気体状態のガス12を生成するためのラインである。気化ライン21によって生成された気体状態のガス12は、ガスの利用設備へと供給する。
本発明において、気化ライン21の構成は特段限定しない。
【0021】
<7.2>液化ライン
液化ライン22は、圧縮機60で加圧した気体状態の第一冷媒32を液化させるためのラインである。液化ライン22によって液化された液体状態の第一冷媒31は、サブクーラー30へと戻すよう構成する。
本発明において、液化ライン22の構成は特段限定しない。
【0022】
<7.3>ライン間の熱交換
本発明では、気化ライン21と液化ライン22の間で互いに熱交換可能な構成とする。
本構成とすることにより、気化ライン21のみを設けて気体状態のガス12を生成して利用設備に供給する場合と比較して、気化ライン21での液化ライン22からの吸熱分だけ、気体状態のガス12の生成効率を向上させることができる。
【0023】
<8>まとめ
以上説明したとおり、本実施例に係る冷却システムによれば少なくとも以下の作用効果を奏する。
(1)サブクーラー30から取り出した気体状態の第一冷媒32を液化させるための液化ライン22を、気化ライン21と熱交換可能に追加することで、利用設備に供給する気体状態のガス12の生成効率を向上させることができる。
(2)サブクーラー30から取り出した気体状態の第一冷媒32をそのまま利用設備に供給する構成としないため、利用設備に供給するガスに高純度(99.999%以上、より好ましくは99.9999%)が要求される場合であっても、気体状態の第一冷媒32の純度を問わずに本システムを運用することができる。
【符号の説明】
【0024】
10:タンク
11:液体状態のガス
12:気体状態のガス
20:熱交換器
21:気化ライン
22:液化ライン
30:サブクーラー
31:液体状態の第一冷媒
32:気体状態の第一冷媒
40:ポンプ
50:加温器
60:圧縮機
A :超電導ケーブル
B1:一方の終端接続部
B2:他方の終端接続部
C1:冷却前の第二冷媒
C2:冷却後の第二冷媒
図1