(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】車載エンジンのCO2回収システム
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 啓嗣
(72)【発明者】
【氏名】村田 淳矢
(72)【発明者】
【氏名】原田 雄司
(72)【発明者】
【氏名】上杉 康範
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹
(72)【発明者】
【氏名】小池 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】外薗 徹
(72)【発明者】
【氏名】野口 智輝
(72)【発明者】
【氏名】高島 大知
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴彦
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
3G091AA18
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3G091AB08
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(57)【要約】
【課題】車両走行時に用いる上での使い勝手を向上させる。
【解決手段】車載エンジン1のCO2回収システムSは、温度スイング式の吸着装置3と、排気ガスを冷却する冷却器4と、吸着装置3及び冷却器4が配置される排気経路2と、を備え、吸着装置3は、排気ガスを流通させかつ該排気ガスを吸着材3aに接触させるCO2通路31と、熱交換媒体Fを流通させかつ該熱交換媒体F及び吸着材3aの間で熱交換させる熱交換通路32と、を有し、排気経路2は、冷却器4及び吸着装置3を双方とも迂回した後に車外に放出されるように排気ガスを導く第1経路21と、冷却器4及びCO2通路31を順番に通過した後に車外に放出されるように排気ガスを導く第2経路22と、冷却器4を迂回するように排気ガスを導くとともに、排気ガスを、熱交換通路32を介して吸着装置3との間で熱交換を行った後に車外に放出する第3経路23とに分岐している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項】
車両に搭載される車載エンジンのシリンダの下流に配置され、前記シリンダから排出された排気ガスを流通させるとともに、該排気ガス中のCO2を回収する車載エンジンのCO2回収システムであって、
低温状態では排気ガス中のCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したCO2を脱離する温度特性を示す吸着材を含んだ吸着装置と、
前記排気ガスを冷却する冷却器と、
前記吸着装置及び前記冷却器が配置され、前記排気ガスを流通させる排気経路と、を備え、
前記吸着装置は、
前記排気ガスを流通させて前記吸着材に接触させるとともに、該吸着材から脱離されたCO2を含んだ脱離ガスを排出するCO2通路と、
熱交換媒体を流通させるとともに、該熱交換媒体及び前記吸着材の間で熱交換させる熱交換通路と、を有し、
前記排気経路は、
前記冷却器及び前記吸着装置を双方とも迂回した後に車外に放出されるように前記排気ガスを導く第1経路と、
前記冷却器及び前記CO2通路を順番に通過した後に車外に放出されるように前記排気ガスを導く第2経路と、
前記冷却器を迂回するように前記熱交換媒体としての前記排気ガスを導くとともに、該排気ガスを、前記熱交換通路を介して前記吸着装置との間で熱交換を行った後に車外に放出する第3経路と、に分岐している、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項1に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
車外から取り込んだ空気を流通させる空気流通管を備え、
前記空気流通管は、前記空気の流通経路として、前記第3経路における前記熱交換通路の上流側の部位に接続された第4経路を構成し、
前記第4経路は、前記第3経路と合流しつつ前記熱交換通路を通過することで、前記吸着材との間で熱交換を行うように前記空気を導くとともに、該空気を、前記吸着材との熱交換後に車外に放出する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項2に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記第3経路は、前記熱交換通路の媒体出口に接続されかつ前記第4経路との間で共有される共有経路を含み、
前記第2経路に配置され、前記シリンダと前記CO2通路との間を開閉する吸着切替弁と、
前記第3経路に配置され、該第3経路を開閉する排気ガス導入弁と、
前記第4経路における前記第3経路との非共有部に配置され、該第4経路を開閉する空気導入弁と、
前記第2経路に配置され、前記CO2通路から前記排気ガス又は前記脱離ガスを引き込むように動作することで、前記第2経路を介した流動を生成する第1流動生成部と、
前記共有経路に配置され、前記熱交換通路から前記熱交換媒体を引き込むよう動作することで、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動と、前記第4経路を介した前記空気の流動と、の少なくとも一方を生成する第2流動生成部と、
前記吸着切替弁、前記排気ガス導入弁、前記空気導入弁、前記第1流動生成部及び前記第2流動生成部の動作を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記吸着装置にCO2を吸着させる吸着工程に際しては、前記シリンダと前記CO2通路との間を開放した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記吸着装置が冷却されるように、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させ、
前記吸着装置からCO2を脱離させる脱離工程に際しては、前記シリンダと前記CO2通路との間を少なくとも部分的に閉塞した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記吸着装置が所望の温度に昇温されるように、前記第3経路及び前記第4経路の少なくとも一方を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項3に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラに接続され、前記吸着材の温度を検出する第1壁温センサと、
前記コントローラに接続され、前記CO2通路から流出した前記排気ガスのCO2濃度を検出するCO2センサと、を備え、
前記熱交換通路は、前記CO2通路の上流側部分から前記熱交換媒体を流入させるとともに、前記CO2通路の下流側部分から前記熱交換媒体を流出させ、
前記第1壁温センサは、前記CO2通路を、前記排気ガスの流れ方向において上流側部分と下流側部分とに二等分したときの二等分線を含んだ位置又は前記下流側部分に配置され、
前記コントローラは、前記第1壁温センサ及び前記CO2センサの少なくとも一方の検出信号に基づいて、第1経路、前記第2経路及び前記第3経路の切替と、前記第1及び第2流動生成部の動作と、を制御する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項4に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラは、前記吸着工程を開始した後、前記第1壁温センサの検出温度が所定温度以上の場合には、前記検出温度が前記所定温度未満の場合に比して前記CO2通路から引き込まれる前記排気ガスの流量が大きくなるように、前記第1流動生成部の出力を高く設定する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項4に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラに接続され、前記CO2通路の前記上流側部分における前記吸着材の温度を検出する第2壁温センサを備え、
前記コントローラは、
前記脱離工程が開始されると、前記第3経路を開放して前記第4経路を閉塞した状態で前記第2流動生成部を作動させることで、前記熱交換媒体として、前記排気ガスを前記熱交換通路に供給することで前記吸着材を加熱し、
前記第3経路を介した前記排気ガスによる前記吸着材の加熱中、前記第2壁温センサの検出温度が所定の基準温度に達した場合に成立する所定条件の成否を判定し、
前記所定条件が成立した場合、前記第1壁温センサの検出温度に応じて前記第3及び第4経路の開閉状況を切り替えることで、前記熱交換媒体として前記空気を含んだガスを前記熱交換通路に供給することで、前記上流側部分における昇温を抑制しつつ前記吸着材を加熱する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項6に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラは、
前記所定条件が成立した場合、前記第1壁温センサ及び前記第2壁温センサの検出温度と、前記基準温度と、に基づいて、前記排気ガスの供給を停止した場合に前記検出温度が目標温度まで昇温するのに要する所要時間を推定し、
前記所要時間が所定の閾値未満の場合、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動を停止させた状態で、前記所要時間にわたって待機した後に、前記脱離工程を終了して前記吸着工程へと移行させ、
前記所要時間が前記閾値以上の場合、前記空気を含んだガスを前記熱交換通路に供給することで、前記上流側部分の昇温を抑制しつつ前記吸着材を加熱した後に、前記検出温度が前記目標温度に到達したことを受けて、前記脱離工程を終了して前記吸着工程へと移行させる、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項6又は7に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラは、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部の動作を継続させることで、前記第4経路を介して供給される前記空気を、前記空気を含んだガスとして前記熱交換通路に供給し、
前記コントローラは、
前記空気の供給中、前記第1壁温センサの検出温度の時間変化を算出し、
前記算出結果が所定の第1基準値以上の場合には、前記空気の供給を継続し、
前記算出結果が前記第1基準値未満の場合には、前記第3及び第4経路の開閉状況を切り替えることで、前記空気の供給を停止して前記排気ガスの供給を再開する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項6又は7に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記熱交換通路から流出した後かつ第2流動生成部を通過する前のガス温を検出する出口側ガス温センサを備え、
前記コントローラは、前記第3経路を開放しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させることで、前記第3経路を介して供給される前記排気ガスと、前記第4経路を介して供給される前記空気との混合ガスを、前記空気を含んだガスとして前記熱交換通路に供給し、
前記コントローラは、前記脱離工程において、
前記混合ガスの供給中、前記出口側ガス温センサの検出温度をモニタし、
前記検出温度が所定の第2基準値以上の場合には、前記排気ガスの流量を低減し、
前記検出温度が前記第2基準値未満の場合には、前記排気ガスの流量を増加させる、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項3に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラに接続され、前記車両のアクセルペダル開度を検出するアクセル開度センサを備え、
前記吸着材は、CO2の分圧が大気圧に比して低いほどCO2をより少なく吸着し、
前記コントローラは、前記アクセル開度センサの検出信号に基づいて、
前記吸着工程中かつ前記車両の加速要求時には、前記シリンダと前記CO2通路との間を開放した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる処理を継続し、
前記吸着工程中かつ前記車両の減速要求時には、前記シリンダと前記CO2通路との間を閉塞しかつ前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記吸着装置が冷却されるように、前記第4経路を介した前記空気の流動を生成する一方、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動を抑止する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項4に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラは、前記脱離工程の終了後、予冷工程を経て前記吸着工程へ移行し、
前記コントローラは、前記予冷工程に際し、前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させ、
前記コントローラは、前記予冷工程中に前記第1壁温センサの検出温度が所定温度未満になった場合、前記予冷工程を終了するとともに、前記第1流動生成部を作動させることで前記吸着工程を開始する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項11に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラに接続され、前記車両のアクセルペダル開度を検出するアクセル開度センサを備え、
前記コントローラは、
前記予冷工程中かつ前記車両の加速要求時には、前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる処理を継続し、
前記予冷工程中かつ前記車両の減速要求時には、前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項1に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記第1経路は、車外に開放された放出部に接続され、
前記第2経路及び前記第3経路は、前記吸着装置の下流側にて前記第1経路に合流し、該第1経路を介して前記放出部に接続される、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項13に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記吸着装置から脱離したCO2を回収するCO2タンクを備え、
前記第2経路は、前記CO2通路の下流において、
前記CO2タンクを通過して前記第1経路に合流するタンク通過経路と、
前記CO2タンクを迂回して前記第1経路に合流するタンク迂回経路と、に分岐し、
前記排気ガスに前記タンク通過経路を通過させるか、又は前記排気ガスに前記タンク迂回経路を通過させるか切り替える回収切替部を備える、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項14に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記CO2タンク又は前記タンク通過経路には、前記CO2通路及び前記CO2タンクを順番に通過して前記第1経路へと至る流れ方向に逆らう逆流を抑制する逆止弁が配置されている、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項14に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記CO2タンクには、前記温度特性を示す複数のCO2吸着材が充填され、
前記複数のCO2吸着材は、それぞれ、球形状又はペレット形状を有する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項1に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記第2経路には、
前記冷却器及び前記CO2通路の間に配置され、前記冷却器で冷却された前記排気ガスから液状の水分を除去する気液分離器と、
前記気液分離器及び前記CO2通路の間に配置され、前記気液分離器から排出された前記排気ガスを除湿する除湿タンクと、が配置され、
前記除湿タンクは、
低温状態では排気ガス中のH2O及びCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したH2O及びCO2を脱離するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する第1除湿特性と、
H2Oの分圧が大気圧に比して低いほどH2Oをより少なく吸着する一方、CO2の分圧が大気圧に比して低いほどCO2をより少なく吸着するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する第2除湿特性と、を示し、
前記第2経路における前記除湿タンク及び前記CO2通路の間に配置され、前記CO2通路に流入する前記排気ガスのCO2濃度を検出する吸着前CO2センサを備える、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項17に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記除湿タンクは、前記車載エンジンが搭載された車両の走行風によって冷却される、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項3に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記車載エンジンは、ディーゼルエンジンであり、
前記排気経路の上流端に接続され、前記排気ガス中の粒子状物質を捕集するDPFを備え、
前記コントローラは、前記DPFに捕集された粒子状物資の量が所定量以上の場合に、前記DPFに捕集された粒子状物質を燃焼除去するDPF再生を実行し、
前記コントローラは、前記脱離工程中かつ前記DPF再生時には、前記第3経路及び前記第4経路のうち、少なくとも前記第3経路を開放するとともに、前記第3経路を介した前記排気ガスの流量が非DPF再生時に比して大きくなるように、前記第2流動生成部の出力を高める、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項19に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記コントローラは、前記吸着工程中かつ前記DPF再生時には、前記吸着工程を中断して前記脱離工程へと移行する、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項1に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記冷却器は、排気ガスの流れ方向の上流側から順に、
所定の冷却性能を発揮する第1冷却器と、
変更可能な冷却性能を発揮する第2冷却器と、を有し、
前記第2経路における前記排気ガスの温度又は流量に関連したパラメータを検出する排気ガスセンサと、
前記排気ガスセンサの検出信号に基づいて、前記冷却器を作動させるコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記検出信号に基づいて、前記第1冷却器によって前記排気ガスを冷却するモードと、前記第1冷却器及び前記第2冷却器の双方によって前記排気ガスを冷却するモードと、を使い分ける、
車載エンジンのCO2回収システム。
【請求項】
請求項21に記載された車載エンジンのCO2回収システムにおいて、
前記第1冷却器は、前記車載エンジンを冷却するための冷媒回路に組み込まれ、
前記冷媒回路は、
前記車載エンジンを冷却するための冷媒を冷却するラジエータと、
前記車載エンジン及び前記ラジエータの間で前記冷媒を循環させる冷媒流路と、を有し、
前記第1冷却器は、前記冷媒流路の途中に配置されている、
車載エンジンのCO2回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本開示は、車載エンジンのCO2回収システムに関する。
【背景技術】
【】
特許文献1には、CO2回収機構が例示されている。このCO2回収機構は、エンジンから排出された排気ガスが、CO2分離装置を経由して大気に放出される経路と、CO2分離装置をバイパスして大気に放出される経路と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
ところで、前記特許文献1の如きCO2分離装置に、低温状態では排気ガス中のCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したCO2を脱離する温度特性を示す吸着材を用いる場合がある。この場合、排気ガス中のCO2を吸着させるためには、排気ガスを、吸着材に至る前に冷却することが求められる。しかしながら、前記特許文献1には、そうした冷却系統について開示も示唆もない。
【】
また、前述の如き吸着材からCO2を脱離させるためには、その吸着材を加熱することた求められるものの、前記特許文献1には、そうした加熱系統について詳細な開示はない。
【】
近年、排気ガスを利用したCO2回収システムの検討が進んでいる。しかしながら、そうしたCO2回収システムには、車両走行時に用いる上で、その構成に工夫の余地がある。
【】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車載エンジンのCO2回収システムにおいて、車両走行時に用いる上での使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【】
本開示の第1の態様は、車両に搭載される車載エンジンのシリンダの下流に配置され、前記シリンダから排出された排気ガスを流通させるとともに、該排気ガス中のCO2を回収する車載エンジンのCO2回収システムに係る。このCO2改修システムは、低温状態では排気ガス中のCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したCO2を脱離する温度特性を示す吸着材を含んだ吸着装置と、前記排気ガスを冷却する冷却器と、前記吸着装置及び前記冷却器が配置され、前記排気ガスを流通させる排気経路と、を備え、前記吸着装置は、前記排気ガスを流通させて前記吸着材に接触させるとともに、該吸着材から脱離されたCO2を含んだ脱離ガスを排出するCO2通路と、熱交換媒体を流通させるとともに、該熱交換媒体及び前記吸着材の間で熱交換させる熱交換通路と、を有し、前記排気経路は、前記冷却器及び前記吸着装置を双方とも迂回した後に車外に放出されるように前記排気ガスを導く第1経路と、前記冷却器及び前記CO2通路を順番に通過した後に車外に放出されるように前記排気ガスを導く第2経路と、前記冷却器を迂回するように前記熱交換媒体としての前記排気ガスを導くとともに、該排気ガスを、前記熱交換通路を介して前記吸着装置との間で熱交換を行った後に車外に放出する第3経路と、に分岐している。
【】
前記態様によると、CO2回収システムが第3経路を備えることで、脱離に必要な熱を、排気ガスからダイレクトに供給できる。これにより、熱エネルギを無駄なく活用できる。
【】
さらに、CO2回収システムが第1経路を備えることで、第2経路及び第3経路におけるガスの流動に不具合が生じたとしても、車載エンジンを停止させることなく、第1経路からダイレクトに排気ガスを排出できる。これにより、車両走行を継続させることができる。
【】
さらに、CO2回収システムが第1経路を備えることで、排気ガス量が非常に多い場合であっても、一部の排気ガスには第2経路又は第3経路を通過させる一方、残りの排気ガスは第1経路から排出させることができ、吸着装置を流れる排気ガスの流量を安定させることができる。これにより、車両走行時のように排気ガス量の増減が想定される場面にあっても、CO2回収システムの運用を安定させることができる。そのことで、車両走行時に用いる上での使い勝手を向上させることにある。
【】
また、本開示の第2の態様によれば、前記CO2回収システムは、車外から取り込んだ空気を流通させる空気流通管を備え、前記空気流通管は、前記空気の流通経路として、前記第3経路における前記熱交換通路の上流側の部位に接続された第4経路を構成し、前記第4経路は、前記第3経路と合流しつつ前記熱交換通路を通過することで、前記吸着材との間で熱交換を行うように前記空気を導くとともに、該空気を、前記吸着材との熱交換後に車外に放出する、としてもよい。
【】
前記態様によると、CO2回収システムは、吸着材の冷却に、車外から取り込んだ空気を用いる。空気が流れる第4経路を第3経路に合流させることで、熱交換通路を、排気ガスによる加熱時と空気による冷却時の双方で用いることができる。液冷媒用の通路が不要になるため、吸着装置をよりシンプルに構成することが可能になる。
【】
さらに、空気による冷却は、液冷媒の冷却が不要になるため、応液冷媒による冷却に比して、応答性に優れたものとなる。応答性に優れたシステムを構築することで、車両走行時における使い勝手を向上させることができる。
【】
また、本開示の第3の態様によれば、前記第3経路は、前記熱交換通路の媒体出口に接続されかつ前記第4経路との間で共有される共有経路を含み、前記CO2回収システムは、前記第2経路に配置され、前記シリンダと前記CO2通路との間を開閉する吸着切替弁と、前記第3経路に配置され、該第3経路を開閉する排気ガス導入弁と、前記第4経路における前記第3経路との非共有部に配置され、該第4経路を開閉する空気導入弁と、前記第2経路に配置され、前記CO2通路から前記排気ガス又は前記脱離ガスを引き込むように動作することで、前記第2経路を介した流動を生成する第1流動生成部と、前記共有経路に配置され、前記熱交換通路から前記熱交換媒体を引き込むよう動作することで、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動と、前記第4経路を介した前記空気の流動と、の少なくとも一方を生成する第2流動生成部と、前記吸着切替弁、前記排気ガス導入弁、前記空気導入弁、前記第1流動生成部及び前記第2流動生成部の動作を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記吸着装置にCO2を吸着させる吸着工程に際しては、前記シリンダと前記CO2通路との間を開放した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記吸着装置が冷却されるように、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させ、前記吸着装置からCO2を脱離させる脱離工程に際しては、前記シリンダと前記CO2通路との間を少なくとも部分的に閉塞した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記吸着装置が所望の温度に昇温されるように、前記第3経路及び前記第4経路の少なくとも一方を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる、としてもよい。
【】
前記態様によると、第2流動生成部は、熱交換通路の出口側に位置する共有経路に配置される。排気ガスによる加熱時と空気による冷却時とで第2流動生成部が共有されるため、CO2回収システムの製造コストを抑制できる。
【】
さらに、第2流動生成部には、熱交換後の排気ガスが通過することになるから、熱交換前の排気ガスを通過させるような構成に比して、第2流動生成部を熱から保護することができる。
【】
さらに、熱交換通路には、第2流動生成部から引き込まれた空気(膨張させた空気)が流入することになるから、圧縮後の空気を熱交換通路に流入させるような構成に比して、熱交換通路を流れる空気の昇温を抑制できる。
【】
また、本開示の第4の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記コントローラに接続され、前記吸着材の温度を検出する第1壁温センサと、前記コントローラに接続され、前記CO2通路から流出した前記排気ガスのCO2濃度を検出するCO2センサと、を備え、前記熱交換通路は、前記CO2通路の上流側部分から前記熱交換媒体を流入させるとともに、前記CO2通路の下流側部分から前記熱交換媒体を流出させ、前記第1壁温センサは、前記CO2通路を、前記排気ガスの流れ方向において上流側部分と下流側部分とに二等分したときの二等分線を含んだ位置又は前記下流側部分に配置され、前記コントローラは、前記第1壁温センサ及び前記CO2センサの少なくとも一方の検出信号に基づいて、前記第2経路、第1経路及び前記第3経路の切替と、前記第1及び第2流動生成部の動作と、を制御する。
【】
前記態様によると、前述のように熱交換通路をレイアウトした場合、下流側部分には、上流側部分との熱交換後の熱交換媒体が供給されることになる。この場合、上流側部分が目標温度に達していたとしても、下流側部分が目標温度に達しておらず、吸着工程及び脱離工程の双方に不都合を来たす可能性がある。
【】
これに対し、前記態様の如く第1壁温センサをレイアウトすることで、上流側部分ばかりでなく下流側部分における温度状況を判断することができ、吸着工程及び脱離工程の双方にとって好都合なものとなる。
【】
さらに、センサの検出信号に基づいて、第1経路、第2経路及び第3経路の切替と、第1及び第2流動生成部の動作と、を制御するように構成したことで、シミュレーション上で脱離工程及び吸着工程の実行時間を定めたような構成に比して、より適切なタイミングで脱離工程と吸着工程との切り替えを行うことができ、CO2の回収効率を向上させることができる。
【】
また、本開示の第5の態様によれば、前記コントローラは、前記吸着工程を開始した後、前記第1壁温センサの検出温度が所定温度以上の場合には、前記検出温度が前記所定温度未満の場合に比して前記CO2通路から引き込まれる前記排気ガスの流量が大きくなるように、前記第1流動生成部の出力を高く設定する、としてもよい。
【】
前記態様によると、吸着工程の開始直後は、第2経路における排気ガスの流量を、相対的に大きくし、その後、第1壁温センサの検出温度が所定温度未満まで低下すると、第2経路における排気ガスの流量を、相対的に小さくする。こうすることで、吸着工程の開始直後は、排気ガスの流量を大きくしたことによって、吸着材をより効率よく冷却することができる。
【】
その後、前記検出温度が適温まで冷却され次第、排気ガスの流量を小さくすることで、吸着材との接触時間を長くすることができ、排気ガスからのCO2の吸着を、より効率よく行うことができる。
【】
また、本開示の第6の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記コントローラに接続され、前記CO2通路の前記上流側部分における前記吸着材の温度を検出する第2壁温センサを備え、前記コントローラは、前記脱離工程が開始されると、前記第3経路を開放して前記第4経路を閉塞した状態で前記第2流動生成部を作動させることで、前記熱交換媒体として、前記排気ガスを前記熱交換通路に供給することで前記吸着材を加熱し、前記第3経路を介した前記排気ガスによる前記吸着材の加熱中、前記第2壁温センサの検出温度が所定の基準温度に達した場合に成立する所定条件の成否を判定し、前記所定条件が成立した場合、前記第1壁温センサの検出温度に応じて前記第3及び第4経路の開閉状況を切り替えることで、前記熱交換媒体として前記空気を含んだガスを前記熱交換通路に供給することで、前記上流側部分における昇温を抑制しつつ前記吸着材を加熱する、としてもよい。
【】
前記態様によると、前述のように排気ガスを用いて吸着材を加熱する場合、局所的な昇温による温度ムラが懸念されるところ、排気ガスのみに頼ることなく空気を含んだガスを併用することで、液冷媒を用いずとも、吸着材を適切に温度制御することが可能になる。応答性に優れたシステムを構築することができ、車両走行時における使い勝手を向上させる上で有利になる。
【】
さらに、第1壁温センサ及び第2壁温センサを併用することで、温度ムラに基づいた温度制御をより適切に行うことが可能になる。このことも、吸着材の適切な温度制御、ひいては車両走行時における使い勝手の向上に資する。
【】
また、本開示の第7の態様によれば、前記コントローラは、前記所定条件が成立した場合、前記第1壁温センサ及び前記第2壁温センサの検出温度と、前記基準温度と、に基づいて、前記排気ガスの供給を停止した場合に前記検出温度が目標温度まで昇温するのに要する所要時間を推定し、前記所要時間が所定の閾値未満の場合、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動を停止させた状態で、前記所要時間にわたって待機した後に、前記脱離工程を終了して前記吸着工程へと移行させ、前記所要時間が前記閾値以上の場合、前記空気を含んだガスを前記熱交換通路に供給することで、前記上流側部分の昇温を抑制しつつ前記吸着材を加熱した後に、前記検出温度が前記目標温度に到達したことを受けて、前記脱離工程を終了して前記吸着工程へと移行させる、としてもよい。
【】
現実のシステムでは、排気ガスの供給が停止されたとしても、上流側から下流側へと伝わる熱伝導によって、下流側部分に位置する吸着材3aが昇温する可能性がある。それが短時間で完了する場合、熱媒体としての排気ガスの供給は、もはや不要となる。
【】
そこで、前記態様のように、コントローラは、前述した温度ムラが懸念される場合、熱伝導に係る所要時間の推定結果次第では、排気ガスの供給を停止させる。これにより、空気の流動に工夫を凝らさずとも、温度ムラを解消できる。
【】
一方、所要時間の推定結果に応じて、コントローラは、排気ガスに代えて、空気を含んだガスの供給を開始する。空気を含んだガスは、排気ガスよりも低温となる。排気ガスを用いて吸着材を加熱する場合、局所的な昇温による温度ムラが懸念されるところ、排気ガスのみに頼ることなく空気を含んだガスを併用することで、液冷媒を用いずとも、吸着材を適切に温度制御することが可能になる。
【】
さらに、前記態様のような第1壁温センサと第2壁温センサを用いることで、より適切な温度制御を実現できる。つまり、第1壁面センサの温度が高ければ、熱伝導で第2壁温センサの温度が上がり易くなるため、前述の如き温度ムラの状態を的確に判断できる。
【】
また、本開示の第8の態様によれば、前記コントローラは、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部の動作を継続させることで、前記第4経路を介して供給される前記空気を、前記空気を含んだガスとして前記熱交換通路に供給し、前記コントローラは、前記空気の供給中、前記第1壁温センサの検出温度の時間変化を算出し、前記算出結果が所定の第1基準値以上の場合には、前記空気の供給を継続し、前記算出結果が前記第1基準値未満の場合には、前記第3及び第4経路の開閉状況を切り替えることで、前記空気の供給を停止して前記排気ガスの供給を再開する、としてもよい。
【】
前記態様によると、空気を含んだガスとして空気そのものを供給することで、比較的高温となった上流側の吸着材から受熱して、その熱を以て下流側の吸着材を加熱できる。このように構成することで、温度ムラを抑制する上で有利になる。
【】
さらに、空気の導入は、状況次第では吸着材の冷却が懸念されるところ、前記態様の如き検出温度の時間変化を参照することで、その傾きに応じて空気の導入を継続したり、空気に代えて排気ガスの導入を再開したりできる。吸着材の温度制御を、よりきめ細かく行うことができる。
【】
また、本開示の第9の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記熱交換通路から流出した後かつ第2流動生成部を通過する前のガス温を検出する出口側ガス温センサを備え、前記コントローラは、前記第3経路を開放しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させることで、前記第3経路を介して供給される前記排気ガスと、前記第4経路を介して供給される前記空気との混合ガスを、前記空気を含んだガスとして前記熱交換通路に供給し、前記コントローラは、前記脱離工程において、前記混合ガスの供給中、前記出口側ガス温センサの検出温度をモニタし、前記検出温度が所定の第2基準値以上の場合には、前記排気ガスの流量を低減し、前記検出温度が前記第2基準値未満の場合には、前記排気ガスの流量を増加させる、としてもよい。
【】
前記態様によると、排気ガスに比して低温となる混合ガスを供給することで、比較的高温となった上流側の吸着材との間の熱交換を抑制する一方、下流側の吸着材との間で積極的な熱交換を実現できる。このように構成することで、温度ムラを抑制する上で有利になる。
【】
さらに、出口側ガス温センサの検出温度を参照することで、混合ガスをより適切に温度管理できる。これにより吸着材の温度制御を、よりきめ細かく行うことができる。
【】
また、本開示の第10の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記コントローラに接続され、前記車両のアクセルペダル開度を検出するアクセル開度センサを備え、前記吸着材は、CO2の分圧が大気圧に比して低いほどCO2をより少なく吸着し、前記コントローラは、前記アクセル開度センサの検出信号に基づいて、前記吸着工程中かつ前記車両の加速要求時には、前記シリンダと前記CO2通路との間を開放した状態で前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる処理を継続し、前記吸着工程中かつ前記車両の減速要求時には、前記シリンダと前記CO2通路との間を閉塞しかつ前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記吸着装置が冷却されるように、前記第4経路を介した前記空気の流動を生成する一方、前記第3経路を介した前記排気ガスの流動を抑止する、としてもよい。
【】
車両の減速要求時には、燃料供給がカットされるため、加速要求時に比して、排気ガス中のCO2濃度は低くなる。この場合、排気ガス中のCO2の分圧が低くなるため、吸着材の圧力特性に起因して、吸着工程にもかかわらず、CO2が意図せずして脱離してしまう可能性がある。
【】
これに対し、前記態様によると、コントローラは、吸着工程中かつ車両の減速要求時には、吸着装置の冷却こそ継続するものの、CO2通路への排気ガスの流入を制限する。こうすることで、吸着材からの意図せずした脱離を抑制できる。
【】
また、本開示の第11の態様によれば、前記コントローラは、前記脱離工程の終了後、予冷工程を経て前記吸着工程へ移行し、前記コントローラは、前記予冷工程に際し、前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させ、前記コントローラは、前記予冷工程中に前記第1壁温センサの検出温度が所定温度未満になった場合、前記予冷工程を終了するとともに、前記第1流動生成部を作動させることで前記吸着工程を開始する、としてもよい。
【】
脱離工程の終了直後、吸着材は高温状態にある。その状態のまま吸着工程を開始してしまうと、CO2通路から第1流動生成部へと高温の排気ガスが到来してしまい、熱による不具合を招く可能性がある。
【】
これに対し、前記態様によると、脱離工程を終了して吸着工程を開始する前に、一旦、予冷工程を行って吸着材を冷却する。こうすることで、第1流動生成部に至る排気ガスの温度を抑制することができ、熱による不具合を防ぐことができる。
【】
また、本開示の第12の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記コントローラに接続され、前記車両のアクセルペダル開度を検出するアクセル開度センサを備え、前記コントローラは、前記予冷工程中かつ前記車両の加速要求時には、前記第1流動生成部を停止させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる処理を継続し、前記予冷工程中かつ前記車両の減速要求時には、前記第1流動生成部を作動させるとともに、前記第3経路を閉塞しかつ前記第4経路を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる、としてもよい。
【】
車両の減速要求時には、燃料供給がカットされるため、加速要求時に比して、排気ガスの温度は低くなる。この場合、CO2通路及びその付近に残留しているCO2が、意図せずして吸着材に吸着されてしまう可能性がある。
【】
これに対し、前記態様によると、コントローラは、予冷工程中かつ車両の減速要求時には、第1流動生成部を作動させる。これにより、CO2通路及びその付近に残留しているCO2を、無駄なく回収することができる。
【】
また、本開示の第13の態様によれば、前記第1経路は、車外に開放された放出部に接続され、前記第2経路及び前記第3経路は、前記吸着装置の下流側にて前記第1経路に合流し、該第1経路を介して前記放出部に接続される、としてもよい。
【】
前記態様によると、第2経路及び第3経路におけるガスの流動に不具合が生じたときに、第1経路からの排気ガスの排出を、スムースに実行できる。車両走行時における使い勝手を向上させる上で有利になる。
【】
また、このように構成することで、第1経路における動圧を利用して、第2経路及び第3経路からガスを引き込むことができる。これにより、第2経路及び第3経路の使い勝手を向上させることができる。
【】
また、本開示の第14の態様によれば、前記CO2回収システムは、前記吸着装置から脱離したCO2を回収するCO2タンクを備え、前記第2経路は、前記CO2通路の下流において、前記CO2タンクを通過して前記第1経路に合流するタンク通過経路と、前記CO2タンクを迂回して前記第1経路に合流するタンク迂回経路と、に分岐し、前記排気ガスに前記タンク通過経路を通過させるか、又は前記排気ガスに前記タンク迂回経路を通過させるか切り替える回収切替部を備える、としてもよい。
【】
前記態様によると、タンク通過経路を設けることで、第1経路との接続を利用してCO2タンク内を大気圧に保つことができる。そのことで、CO2以外の成分を第1経路から排出するともに、CO2以外の成分に起因した昇圧を防ぐことができる。
【】
また、このように構成することで、第1経路における動圧を利用して、CO2タンクに導くように脱離ガスを引き込むことができる。これにより、ブロワ、ポンプ等を用いることなく、CO2タンクの使い勝手を向上させることができる。
【】
また、本開示の第15の態様によれば、前記CO2タンク又は前記タンク通過経路には、前記CO2通路及び前記CO2タンクを順番に通過して前記第1経路へと至る流れ方向に逆らう逆流を抑制する逆止弁が配置されている、としてもよい。
【】
前記態様によると、第1経路からCO2タンクへの逆流、及び、CO2タンクから吸着装置への逆流を抑制できる。
【】
また、本開示の第16の態様によれば、前記CO2タンクには、前記温度特性を示す複数のCO2吸着材が充填され、前記複数のCO2吸着材は、それぞれ、球形状又はペレット形状を有する、としてもよい。
【】
前記態様によると、CO2タンクを通過するようなガス流の圧力損失を低減できる。そのことで、ブロワ等のデバイスの負荷を低減することができる。
【】
また、本開示の第17の態様によれば、前記第2経路には、前記冷却器及び前記CO2通路の間に配置され、前記冷却器で冷却された前記排気ガスから液状の水分を除去する気液分離器と、前記気液分離器及び前記CO2通路の間に配置され、前記気液分離器から排出された前記排気ガスを除湿する除湿タンクと、が配置され、前記除湿タンクは、低温状態では排気ガス中のH2O及びCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したH2O及びCO2を脱離するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する第1除湿特性と、H2Oの分圧が大気圧に比して低いほどH2Oをより少なく吸着する一方、CO2の分圧が大気圧に比して低いほどCO2をより少なく吸着するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する第2除湿特性と、を示し、前記第2経路における前記除湿タンク及び前記CO2通路の間に配置され、前記CO2通路に流入する前記排気ガスのCO2濃度を検出する吸着前CO2センサを備える、としてもよい。
【】
前記態様によると、除湿タンクを設けることで、吸着装置におけるCO2の回収効率を向上させることができる。さらに、除湿タンクの上流に気液分離器を設けることで、除湿タンクにおける水分の回収量を補うことができ、除湿タンクによる、回収効率の向上効果を高めることができる。さらに、除湿タンクの下流に吸着前CO2センサを配置することで、除湿タンクによるCO2吸着の影響が反映された、より正確なセンシングを実現できる。
【】
また、本開示の第18の態様によると、前記除湿タンクは、前記車載エンジンが搭載された車両の走行風によって冷却される、としてもよい。
【】
前記態様によると、除湿タンクにおける水吸着に起因した発熱を抑制することができる。これにより、除湿タンクの回収効率を高めるとともに、CO2吸着時における排気ガスの昇温を防ぐ上でも有利になる。
【】
また、本開示の第19の態様によれば、前記車載エンジンは、ディーゼルエンジンであり、前記CO2回収システムは、前記排気経路の上流端に接続され、前記排気ガス中の粒子状物質を捕集するDPFを備え、前記コントローラは、前記DPFに捕集された粒子状物資の量が所定量以上の場合に、前記DPFに捕集された粒子状物質を燃焼除去するDPF再生を実行し、前記コントローラは、前記脱離工程中かつ前記DPF再生時には、前記第3経路及び前記第4経路のうち、少なくとも前記第3経路を開放するとともに、前記第3経路を介した前記排気ガスの流量が非DPF再生時に比して大きくなるように、前記第2流動生成部の出力を高める、としてもよい。
【】
前記態様によると、コントローラは、脱離工程中かつDPF再生時には、第3経路を介した排気ガスの流量を高める。こうすることで、DPF再生によって生じる高温のガスによって、CO2の脱離を促すことができる。
【】
また、本開示の第20の態様によれば、前記コントローラは、前記吸着工程中かつ前記DPF再生時には、前記吸着工程を中断して前記脱離工程へと移行する、としてもよい。
【】
一般に、DPF再生は、数分~数十分にわたって行われる。そこで、コントローラは、一旦、脱離工程を開始して、吸着材からCO2を回収する。こうすることで、CO2を効率よく回収できる。
【】
また、本開示の第21の態様によれば、前記冷却器は、排気ガスの流れ方向の上流側から順に、所定の冷却性能を発揮する第1冷却器と、変更可能な冷却性能を発揮する第2冷却器と、を有し、前記第2経路における前記排気ガスの温度又は流量に関連したパラメータを検出する排気ガスセンサと、前記排気ガスセンサの検出信号に基づいて、前記冷却器を作動させるコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記検出信号に基づいて、前記第1冷却器によって前記排気ガスを冷却するモードと、前記メイン冷却器及び前記サブ冷却器の双方によって前記排気ガスを冷却するモードと、を使い分ける、としてもよい。
【】
前記態様のように構成することで、サブ冷却器の使用頻度を抑制できる。これにより、要求される冷却性能と、消費エネルギの低減とを両立できる。その際、第2経路における排気ガスの温度又は流量を用いることで、その第2経路における排気ガスの冷却性能を、より適切に調整できる。
【】
また、本開示の第22の態様によれば、前記第1冷却器は、前記車載エンジンを冷却するための冷媒回路に組み込まれ、前記冷媒回路は、前記車載エンジンを冷却するための冷媒を冷却するラジエータと、前記車載エンジン及び前記ラジエータの間で前記冷媒を循環させる冷媒流路と、を有し、前記第1冷却器は、前記冷媒流路の途中に配置されている、としてもよい。
【】
前記第22の態様によると、排気ガスから受熱した冷媒によって、車載エンジンを温めることができる。そのことで、車載エンジンの早期暖機を実現できる。
【発明の効果】
【】
以上説明したように、本開示によれば、車載エンジンのCO2回収システムにおいて、車両走行時に用いる上での使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図
】
図2は、車載エンジンのCO2回収システムの全体構成を例示する概略図である。
【図
】
図3は、回収システムの構成を例示するシステム図である。
【図
】
図4は、吸着装置の周辺構造を例示する拡大図である。
【図
】
図5は、CO2吸着量に関する吸着材の温度特性を例示する図である。
【図
】
図6は、CO2吸着量に関する吸着材の圧力特性を例示する図である。
【図
】
図7は、吸着装置における流路構造を例示する図である。
【図
】
図8は、CO2タンクの周辺構造を例示する拡大図である。
【図
】
図9は、コントローラの構成を例示する図である。
【図
】
図10は、吸着工程、脱離工程及び予冷工程の関係性を例示する概念図である。
【図
】
図11は、吸着工程(加速時)における回収システムの状態を例示する図である。
【図
】
図12は、吸着工程(減速時)における回収システムの状態を例示する図である。
【図
】
図13は、脱離工程における回収システムの状態を例示する図である。
【図
】
図14は、予熱工程における回収システムの状態を例示する図である。
【図
】
図15は、フェールセーフ工程における回収システムの状態を例示する図である。
【図
】
図16は、吸着工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図17は、吸着工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図18は、吸着工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図19は、吸着工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図20は、ガスによる温度制御時に懸念される温度ムラを説明するための図である。
【図
】
図21は、中央部壁温と流量との関係を例示するグラフである。
【図
】
図22は、脱離工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図23は、脱離工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図24は、脱離工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図25は、脱離工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図26は、中央部壁温と流量との関係を例示するグラフである。
【図
】
図27は、流量比と入口ガス温との関係を例示するグラフである。
【図
】
図28は、予冷工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図29は、DPF再生に関連した制御プロセスを例示するフローチャートである。
【図
】
図30は、DPF再生に関連した制御プロセスを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。以下の記載において、「上流」の語は、排気ガス又は冷媒の流れ方向に関する上流を意味しており、「下流」の語は、排気ガス又は冷媒の流れ方向に関する下流を意味している。また、以下の記載における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」は、それぞれ、車両の乗員の視点を基準とする。
【】
<1.全体構成>
図1は、自動車Vを例示する側面図である。
図2は、車載エンジン1のCO2回収システムSの全体構成を例示する概略図である。以下、「CO2回収システム」を、単に「回収システム」ともいう。
【】
図1に例示するように、自動車Vには、内燃機関としての車載エンジン1が搭載されている。車載エンジン1は、本実施形態では、ディーゼル燃料を燃焼させるディーゼルエンジンである。なお、車載エンジン1は、ディーゼルエンジンには限定されない。
【】
車載エンジン1は、自動車Vの前部に位置するエンジンルームに配置されている。後述のように、自動車Vは、該自動車Vの前方から走行風を取り込んで、該走行風によって回収システムSの各部を空冷できる(
図1の符号Aiを参照)。
【】
図2に例示するように、車載エンジン1は、燃焼室12を形成するシリンダ11を備えている。シリンダ11には、外部から燃焼室12に空気を供給する吸気管13と、燃焼室12から排気ガスを排出させるとともに、該排気ガスを流通させる排気管14が接続されている。排気管14の少なくとも一部によって、回収システムSにおける後述の排気経路2が構成されている。
【】
排気管14の上流端には、排気浄化装置15が配置されている。前述のように車載エンジン1にディーゼルエンジンを用いる場合、排気浄化装置15は、排気ガスの上流側から順に、排気ガス中の有害物質を酸化反応で分解する酸化触媒15aと、排気ガス中の粒子状物質を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)15bと、を含んで構成される。排気浄化装置15は、前記有害物質を無害化することで生成されたCO2(二酸化炭素)及びH2O(水)を含んだ排気ガスを排出する。
【】
排気管14の下流端には、テールパイプ16が配置されている。テールパイプ16は、車外の大気に開放されている。テールパイプ16は、車外の大気に連通している。排気ガスは、テールパイプ16から車外に放出される。テールパイプ16は、車外に開放されているという点で、本実施形態における「放出部」を例示している。
【】
図1に戻ると、回収システムSは、車両としての自動車Vに搭載される。
図2に例示するように、回収システムSは、車載エンジン1のシリンダ11の下流に配置されている。
【】
詳しくは、本実施形態に係る回収システムSは、車載エンジン1のシリンダ11と、排気管14の下流端(テールパイプ16)との間に接続されており、シリンダ11からテールパイプ16に至る途中の排気管14に配置されている。
【】
さらに詳しくは、回収システムSは、DPF15bと、テールパイプ16との間に接続されており、DPF15bからテールパイプ16に至る途中の排気管14に配置されている。
【】
具体的に、回収システムSは、その少なくとも一部が車体フロア201下に配置されており、車体フロア201下を流れる風を利用して、CO2タンク5、CO2クーラ6及び除湿タンク72をそれぞれ空冷するように構成されている(車体フロア201については、後述の
図3に図示)。このように構成することで、吸気装置3をはじめとする各部の冷却に要するエネルギを最小化できる。なお、回収システムSの他部は、例えば、エンジンルームに配置してもよい。
【】
そして、回収システムSは、シリンダ11から排出された排気ガスを流通させるとともに、該排気ガス中のCO2を回収するように構成されている。回収システムSは、CO2回収後の排気ガスを、前記テールパイプ16を介して大気に放出する。
【】
詳しくは、本実施形態に係る回収システムSは、シリンダ11から排出された排気ガスを流通させるとともに、その排気ガスの少なくとも一部からCO2を回収する。回収システムSは、CO2が回収された排気ガスの流れと、CO2の非回収対象とされた排気ガスの流れとを合流させた上で、合流後の排気ガスを大気に放出する。
【】
<2.回収システム>
図3は、回収システムSの構成を例示するシステム図である。
図4は、吸着装置3の周辺構造を例示する拡大図である。
図5は、CO2吸着量に関する吸着材3aの温度特性を例示する図である。
図6は、CO2吸着量に関する吸着材3aの圧力特性を例示する図である。
図7は、吸着装置3における流路構造を例示する図である。
図8は、CO2タンク5の周辺構造を例示する拡大図である。
図9は、コントローラ100の構成を例示する図である。
【】
図2に示すように、回収システムSは、主たる構成要素として、所定の温度特性を示す吸着装置3と、排気ガスを冷却する冷却器4と、排気ガスを流通させる排気経路2と、を備えている。排気経路2の上流端には、DPF15bが接続されている。排気経路2の下流端には、放出部としてのテールパイプ16が接続されている。吸着装置3及び冷却器4は、双方とも排気経路2に配置されている。
【】
また、回収システムSはさらに、CO2タンク5と、CO2クーラ6と、除水装置7と、経路切替部8と、ガス流動制御部9と、コントローラ100と、コントローラ100に接続されるセンサ類と、を備えている。
【】
(2-1.吸着装置)
吸着装置3は、CO2吸着材としての吸着材3aを含んでいる。この吸着材3aは、低温状態では排気ガス中のCO2(二酸化炭素)を吸着する一方、高温状態では吸着したCO2を脱離する温度特性を示す。すなわち、吸着装置3は、温度スイング式の吸着装置として機能する。
【】
吸着装置3はまた、圧力スイング式の吸着装置とみなすこともできる。つまり、前記吸着材3aは、CO2の分圧(特に、後述のCO2通路31におけるCO2の分圧)が大気圧に比して低いほど、CO2をより少なく吸着する。
【】
以下、CO2の吸着量を単に「CO2吸着量」と呼称する場合がある。同様に、CO2の分圧を単に「CO2分圧」と呼称する場合がある。
【】
具体的に、吸着装置3は、前記吸着材3aに加えて、筐体30と、CO2通路31と、熱交換通路32と、を有している。吸着装置3は、排気経路2において、冷却器4の下流かつテールパイプ16の上流に配置されている。詳しくは、吸着装置3は、排気経路2において、除湿タンク72の下流かつCO2クーラ6の上流に配置されている。
【】
吸着材3aは、
図5に示すように、前記温度特性として、同一の圧力条件下(圧力が等しい条件下)では、低温になるほどCO2を吸着する。吸着材3aはまた、所定の温度下(温度が等しい条件下)では、大気圧付近でCO2吸着量が最大となる。詳しくは、吸着材3aは、所定の温度下では、CO2分圧が大気圧に比して低くなるほど、CO2吸着量が小さくなる。
【】
吸着材3aは、低温状態又はCO2分圧が高い状態では排気ガスからCO2を吸着するとともに、高温状態又はCO2分圧が低い状態では吸着したCO2を脱離する。例えば、本実施形態に係る吸着材3aは、所定の脱離温度以上の場合に、吸着したCO2の脱離を開始する(CO2の脱離が急峻に進行する)。吸着材3aは、例えば、ゼオライト製の吸着材である。
【】
CO2吸着量の圧力特性については、
図6も参照されたい。
図6の曲線L1は、CO2分圧が相対的に高い場合(例えば、CO2分圧が大気圧付近の場合)における、吸着材3aの温度の高低と、吸着材3aのCO2吸着量と、の関係を例示している。一方、
図6の曲線L2は、CO2分圧が相対的に低い場合(例えば、CO2分圧が大気圧よりも有意に低い場合)における、吸着材3aの温度の高低と、吸着材3aのCO2吸着量と、の関係を例示している。前述のように、吸着材3aは、一定の温度T1の下では、CO2分圧が大気圧に比して低くなるほど、CO2吸着量が小さくなる(
図6の曲線L1と曲線L2とを参照)。
【】
筐体30は、吸着材3aを収容するケーシングとして機能する。CO2通路31及び熱交換通路32は、筐体30に形成されている。
図4に示すように、筐体30には、CO2通路31の通路入口31a及び通路出口31bと、熱交換通路32の媒体入口32a及び媒体出口32bと、が開口している。
【】
CO2通路31は、排気ガスを流通させるとともに、該排気ガスを吸着材3aに接触させる。詳しくは、CO2通路31は、吸着材3aに吸着させるべきCO2を含んだ排気ガスを吸着装置3内に流入させるとともに、CO2吸着後の排気ガスを、吸着装置3から流出させることができる。CO2通路31はまた、吸着材3aから脱離させたCO2を含んだガス(以下、これを「脱離ガス」という)を、吸着装置3内から流出させることができる。
【】
CO2通路31は、筐体30の一端面に開口した通路入口31aと、その一端面の反対側に面する筐体30の他端面に開口した通路出口31bと、を有しており、通路入口31aと通路出口31bを結ぶようにストレートに伸びる流路によって構成されている。排気ガスは、通路入口31aから流入する。CO2吸着後の排気ガス、及び脱離ガスは、通路出口31bから流出する。
【】
CO2通路31の内壁面には、吸着材3aが塗布されている。CO2通路31を通過する排気ガスは、通路内に配置された吸着材3aと接触する。この接触により、CO2通路31内の排気ガスから、吸着材3aへとCO2を吸着させたり、吸着材3aからCO2通路31内へとCO2を脱離させたりできる。
【】
熱交換通路32は、熱交換媒体Fを流通させるとともに、該熱交換媒体F及び吸着材3aの間で熱交換させる。詳しくは、熱交換通路32は、吸着材3aを冷却又は加熱するための熱交換媒体Fを吸着装置3内に流入させるとともに、冷却又は加熱後の熱交換媒体Fを、吸着装置3内から流出させることができる。
【】
本実施形態では、熱交換媒体Fにガスが用いられている。熱交換媒体Fに用いられるガスは、排気ガス、空気(大気由来の空気)及び混合ガスを含む。混合ガスは、排気ガスと空気とを混合させたガスを示す。空気及び混合ガスは、本実施形態における「空気を含んだガス」の例示である。排気ガス及び混合ガスは、吸着材3aの加熱に使用可能である。空気は、加熱及び冷却を含んだ温度制御一般に使用可能である。
【】
いずれにせよ、吸着装置3は、吸着材3aの加熱と冷却の双方に、ガスを用いるように構成されている。吸着材3aの加熱ばかりでなく、吸着材3aの冷却にもガスを用いることで、熱交換通路32に、加熱用の熱交換媒体Fを流通させる通路と、冷却用の熱交換媒体Fを流通させる通路と、を兼用させることができる。
【】
このように、本実施形態に係る回収システムSは、吸着装置3の温度制御(加熱と冷却の双方を含む)に、ガスを利用する。詳しくは、本実施形態に係る回収システムSは、吸着装置3の温度制御に、大気由来の空気と排気ガスを利用する。吸着装置3の温度制御の詳細については後述する。
【】
熱交換通路32の説明に戻ると、この熱交換通路32は、筐体30の外面に開口した媒体入口32a及び媒体出口32bを有しており、媒体入口32aと媒体出口32bを結ぶように筐体30内を伸びる流路によって構成されている。熱交換媒体Fとしてのガスは、媒体入口32aから筐体30内に流入し、吸着材3aと熱交換する。熱交換後の熱交媒体は、媒体出口32bから流出する。
【】
また、本実施形態に係る熱交換通路32は、CO2通路31の上流側部分31Uから熱交換媒体Fを流入させるとともに、CO2通路31の下流側部分31Dから熱交換媒体Fを流出させるように構成されている。
【】
ここで、CO2通路31の上流側部分31Uは、該CO2通路31を、排気ガスの流れ方向において上流側部分31Uと下流側部分31Dとに二等分したときの上流側部分31Uである。同様に、CO2通路31の下流側部分31Dは、該CO2通路31を、排気ガスの流れ方向において上流側部分31Uと下流側部分31Dとに二等分したときの下流側部分31Dである。
【】
詳しくは、媒体入口32aは、
図4に示すように、CO2通路31の上流側部分31Uに位置している。言い換えると、媒体入口32aは、排気ガスの流れ方向において、通路出口31bよりも通路入口31aに近接している。
【】
同様に、媒体出口32bは、
図4に示すように、CO2通路31の下流側部分31Dに位置している。言い換えると、媒体出口32bは、排気ガスの流れ方向において、通路入口31aよりも通路出口31bに近接している。
【】
図7に示すように、熱交換通路32は、吸着装置3内に、多層フィン構造の熱交換器を構成している。詳細には、熱交換通路32は、CO2通路31の内部空間を伸びている。そして、CO2通路31内で熱交換通路32として伸びる管状体32cは、その表面積を拡大するように突出した複数のフィン32dを構成している。CO2通路31から流入又は流出する排気ガス又は脱離ガスは、各フィン32dの突出方向に沿って流れるようになっている。
【】
そして、吸着材3aは、各フィン32dの外面に塗布されている。各フィン32dの外面は、CO2通路31の内壁部の少なくとも一部を構成している。なお、多層フィン構造の熱交換器は、
図7の例に限定されない。例えば、プレートフィン等のフィン型熱交換器によって、多層フィン構造の熱交換器を構成してもよい。
【】
このように、吸着装置3に、吸着材3aが塗布された多層フィン構造の熱交換器を用いることで、熱伝導性及び熱伝達性を双方とも高めることができる。ゼオライトの温度特性を用いる上で、有利な構成を実現できる。
【】
(2-2.冷却器)
冷却器4は、排気経路2における吸着装置3の上流側(詳しくは、排気経路2におけるCO2通路31の上流側)に配置されており、排気経路2を流れる排気ガスを冷却する。冷却器4が排気ガスを冷却することで、排気ガスからのCO2の吸着を促すことができる。
【】
詳細には、冷却器4は、排気ガスの流れ方向の上流側から順に、所定の冷却性能を発揮するメイン冷却器41と、変更可能な冷却性能を発揮するサブ冷却器42と、を有している。冷却器4としてのメイン冷却器41及びサブ冷却器42は、双方とも、エンジン冷却水等の冷媒を循環させるように構成されており、この冷媒を介して排気ガスを冷却する。
【】
〔メイン冷却器〕
メイン冷却器41は、
図3に示すように、車載エンジン1を冷却するための冷媒回路17に組み込まれている。以下、この冷媒回路17を「メイン回路」と呼称する。詳しくは、メイン回路17は、メイン冷却器41を介して排気ガスを冷却するのに加えて、シリンダブロック、シリンダヘッド等、車載エンジン1のシリンダを構成する各部、及び、車載エンジン1に付随した種々の補器を冷却する。メイン回路17に用いられる冷媒は、例えばエンジン冷却水である。
【】
具体的に、メイン回路17は、
図3に示すように、ラジエータ171と、冷媒ポンプとして機能するメインポンプ172と、サーモスタット173と、冷媒流路としてのメイン流路174と、を有している。ラジエータ171、メインポンプ172及びサーモスタット173は、それぞれコントローラ100と電気的に接続されている。
【】
ラジエータ171は、車載エンジン1を冷却するための冷媒(エンジン冷却水)を冷却する。ラジエータ171は、コントローラ100から入力された電気信号に基づいて、冷媒の冷却を実行する。
【】
メインポンプ172は、メイン回路17を流れるように冷媒を圧送する。メインポンプ172は、コントローラ100から入力された電気信号に基づいて、冷媒の圧送を実行する。
【】
サーモスタット173は、車載エンジン1を冷却した後の冷媒の温度を検出する。サーモスタット173は、コントローラ100に検出信号を入力する。
【】
そして、メイン流路174は、車載エンジン1及びラジエータ171の間で冷媒を循環させる流路である。詳しくは、メイン流路174は、第1流路174aと、第2流路174bと、を含んでいる。
【】
第1流路174aは、メインポンプ172及び車載エンジン1を通過した後、ラジエータ171及びサーモスタット173を双方とも通過してメインポンプ172に戻る流路である。
【】
第2流路174bは、メインポンプ172及び車載エンジン1を通過した後、ラジエータ171を迂回しつつサーモスタット173を通過してメインポンプ172に戻る流路である。
【】
なお、図示は省略するが、メイン流路174は、メインポンプ172及び車載エンジン1を通過した後、ラジエータ171及びサーモスタット173を双方とも迂回しつつ、車載エンジン1の補器を通過してメインポンプ172に戻る流路を含んでいてもよい。
【】
そして、本実施形態に係るメイン冷却器41は、メイン流路174の途中に配置されている。具体的に、本実施形態に係るメイン冷却器41は、第1流路174aの途中に割り込ませるように配置されている。詳しくは、メイン冷却器41は、第1流路174aと第2流路174bとの共有部分、例えば、ラジエータ171及びサーモスタット173の下流、かつメインポンプ172及び車載エンジン1の上流に配置されている。
【】
なお、メイン回路17中のメイン冷却器41の配置、又は、メイン冷却器41の割り込みに起因して変更されたメイン流路174の流路構造次第では、第2のメインポンプを新設してもよい。
【】
例えば、メイン回路17に、サーモスタット173及びメイン冷却器41の間のメイン流路174と、メイン冷却器41及びメインポンプ172の間のメイン流路174とを接続することで、メイン冷却器41をバイパスする流路を設けてもよい。この場合、メイン冷却器41で生じる圧力損失に対応すべく、メイン冷却器の冷媒吐出口の直後に、前述した第2のメインポンプを配置してもよい。
【】
〔サブ冷却器〕
サブ冷却器42は、
図3に示すように、メイン回路17とは独立した冷媒回路43に組み込まれている。以下、この冷媒回路43を「サブ回路」と呼称する。詳しくは、サブ回路43は、サブ冷却器42を介して排気ガスを冷却するのに加えて、ガス流動制御部9における第2流動生成部92を冷却する。サブ回路43に用いられる冷媒は、例えばエンジン冷却水である。
【】
具体的に、サブ回路43は、
図3に示すように、サブラジエータ431と、冷媒ポンプとして機能するサブポンプ432と、冷媒流路としてのサブ流路433と、冷却切替弁85と、を有している。サブラジエータ431、サブポンプ432及び冷却切替弁85は、それぞれコントローラ100と電気的に接続されている。
【】
サブラジエータ431は、冷媒(例えばエンジン冷却水)を冷却する。サブラジエータ431は、コントローラ100から入力された電気信号に基づいて、冷媒の冷却を実行する。
【】
サブポンプ432は、サブ回路43を流れるように冷媒を圧送する。本実施形態に係るサブポンプ432は、冷媒の流量を変更可能な流量可変ポンプによって構成されている。冷媒の流量を変更することで、サブ冷却器42の冷却性能を変更できる。サブポンプ432は、コントローラ100から入力された電気信号に基づいて、所定の流量を実現するように、冷媒の圧送を実行する。
【】
そして、サブ流路433は、第2流動生成部92及びサブラジエータ431の間で冷媒を循環させる流路である。詳しくは、サブ流路433は、第3流路433aと、第4流路433bと、の組み合わせによって構成されている。
【】
第3流路433aは、サブポンプ432及びサブラジエータ431を通過した後、サブ冷却器42を通過してサブポンプ432に戻る流路(排ガス冷却用流路)である。
【】
第4流路433bは、サブポンプ432及びサブラジエータ431を通過した後、前記第3流路433aから分岐する流路である。第4流路433bは、第3流路433aから分岐した後、第2流動生成部92を通過してサブポンプ432に戻る流路(デバイス冷却用流路)である。
【】
第3流路433aは、サブ流路433に配置された冷却切替弁85を開弁することで開放され、該冷却切替弁85を閉弁することで閉塞される。冷却切替弁85は、サブ流路433の途中に配置されており、第3流路433aと第4流路433bとの分岐部に配置されている。
【】
第4流路433bは、冷却切替弁85の開閉状態にかかわらず常時開放される。すなわち、第2流動生成部92は、第3流路433aが開放されているか閉塞されているかにかかわらず、常時、冷媒によって冷却される。
【】
詳しくは、本実施形態に係る冷却切替弁85は、コントローラ100と電気的に接続されており、該コントローラ100から電気信号を受けて開閉する。冷却切替弁85を開閉することで、前述のように、第3流路433aを閉塞したり開放したりできる。
【】
(2-3.排気経路)
排気経路2は、吸着装置3及び冷却器4が配置されかつ排気ガスを流通させる経路であって、排気管14の少なくとも一部によって構成されている。前述のように、排気経路2は、DPF15bとテールパイプ16を接続している。
【】
ここで、
図3中に矢印で示したように、本実施形態に係る排気経路2は、主に、第1経路21と、第2経路22と、第3経路23と、に分岐している。これら3つの経路は、1つの経路に合流するようになっており、その合流部の下流側にてテールパイプ16に接続されるようになっている。
【】
第1経路21は、
図3の符号F1に例示するように、冷却器4及び吸着装置3を双方とも迂回した後に車外に放出されるように排気ガスを導く排気経路である。第1経路21は、DPF15bとテールパイプ16を接続する経路として機能する。
【】
第2経路22は、
図3の符号F2に例示するように、冷却器4及びCO2通路31を順番に通過した後に車外に放出されるように排気ガスを導く排気経路である。第2経路22には、冷却器4、特にメイン冷却器41及びサブ冷却器42と、吸着装置3のCO2通路31と、が介在している。第2経路22は、排気ガスからのCO2の吸着、及び、脱離したCO2の回収に用いられる。第2経路22には、吸着装置3から脱離したCO2を回収するCO2タンク5が配置されている。
【】
第3経路23は、
図3の符号F3に例示するように、冷却器4を迂回するように排気ガスを導くとともに、該排気ガスを、熱交換通路32を介して吸着装置3との間で熱交換を行った後に車外に放出する排気経路である。第3経路23は、排気ガスによる吸着装置3の温度制御に用いられる。言い換えると、第3経路23には、吸着装置3の熱交換通路32が介在している。
【】
前述のように、第1経路21は、テールパイプ16に接続されている。第2経路22と第3経路23は、吸着装置3の下流側にて第1経路21に合流し、該第1経路21を介してテールパイプ16に接続されている。第1経路21から第2経路22及び第3経路23に流入した排気ガスは、第1経路21に還流されるようになっている。
【】
詳しくは、第2経路22は、第1経路21においてDPF15bの下流に位置する第1分岐部251から分岐している。第2経路22は、冷却器4とCO2通路31を通過した後、第1経路21における、第1分岐部251の下流かつテールパイプ16の上流に位置する第1合流部261に接続されている。
【】
さらに詳しくは、第2経路22は、CO2通路31のさらに下流に位置する部分分岐部254において、タンク通過経路221と、タンク迂回経路222と、に分岐している。
【】
タンク通過経路221は、CO2タンク5を通過して第1経路21に合流する。詳細は後述するが、タンク通過経路221は、前述の第1合流部261を介して第1経路21に接続されている。
【】
タンク迂回経路222は、CO2タンク5を迂回して第1経路21に合流する。タンク迂回経路222は、後述の第2合流部262の下流かつ第1合流部261の上流に位置する部分合流部264を介して第1経路21に接続されている。
【】
また、第3経路23は、第2経路22の途中に位置する第2分岐部252から分岐している。第3経路23は、冷却器4を迂回しつつ熱交換通路32を通過した後、第1経路21における、第1分岐部251の下流かつ第1合流部261及び部分合流部264の上流に位置する第2合流部262に接続されている。
【】
回収システムSはまた、車外から取り込んだ空気を流通させる空気流通管18を備えている(
図3参照)。この空気流通管18は、空気の流通経路として、第3経路23における熱交換通路32の上流側の部位(
図3の第3合流部263を参照)に接続された第4経路24を構成している。
【】
詳しくは、空気流通管18は、自動車Vの前方に開口しており、走行中の自動車Vが受ける風圧(ラム圧)を利用して、車外から空気を取り込むように構成されている。
【】
ラム圧を利用することで、ラム圧の非利用時に比して、空気の流量を高めることができる。そのことで、空気による吸着装置3の冷却を効率的に行うことでき、ひいては、CO2の回収効率を向上させることができる。
【】
そして、第4経路24は、
図3の符号F4に例示するように、第3合流部263を介して第3経路23と合流しつつ熱交換通路32を通過することで、吸着材3aとの間で熱交換を行うように空気を導くとともに、該空気を、吸着材3aとの熱交換後に車外に放出するように構成されている。
【】
第3経路23における、第3合流部263よりも下流側の部位は、第3経路23と第4経路24とで共有されている。第3経路23と第4経路24とで共有される部位のうち、熱交換通路32の媒体出口32bよりも下流側の部位には、前述した第2流動生成部92が配置されている。以下、第2流動生成部92が配置される部位を共有経路231と呼称する。この共有経路231には、排気ガス、空気又は混合ガスが流通することになる。
【】
詳しくは、第4経路24の上流端は、車外に開放されている。第4経路24における下流側の部位は、第3合流部263を介して第3経路23と合流した後、熱交換通路32、共有経路231及び第2合流部262を介して第1経路21に接続されている。
【】
以下、排気経路2上に配置される他の要素について、順番に説明する。
【】
(2-4.CO2タンク)
CO2タンク5は、
図8に示すように第2経路22の途中に配置されている。詳しくは、CO2タンク5は、タンク通過経路221の途中に配置されている。CO2タンク5は、吸着装置3から脱離した後、タンク通過経路221を介して供給されるCO2を回収して貯蔵する。
【】
ここで、CO2タンク5によって回収されるCO2は、CO2以外の排気ガスとともに前述のように定義された脱離ガスとしてCO2タンクに流入する。CO2以外の排気ガスは、可能な限りタンク外に排出することができれば好都合である。
【】
これに対し、本実施形態に係るCO2タンク5は、タンク通過経路221及び第1経路21を介して大気に連通している。そのため、CO2以外の排気ガスは、タンク通過経路221を介して第1経路21に還流されるとともに、その第1経路21を介して大気に放出されることになる。
【】
また、タンク通過経路221を介した排気ガスの逆流を抑制すべく、CO2タンク5又はタンク通過経路221には、1つ又は複数の逆止弁53が配置されている。1つ又は複数の逆止弁53は、
図8の矢印A51及び矢印A53に示すように、CO2通路31及びCO2タンク5を順番に通過して前記第1経路21へと至る流れ方向に逆らう逆流を抑制する。
【】
一例として、本実施形態に係る逆止弁53は、CO2タンク5のタンク入口51及びタンク出口52の2箇所に配置されている。タンク入口51は、CO2タンク5内へと排気ガスを流入させる入口部である。タンク出口52は、CO2タンク5内から排気ガスを排出させる出口部である。なお、逆止弁53は、必須ではない。
【】
CO2タンク5には、吸着装置3の吸着材3aと同じ温度特性(
図5参照)を示す複数の吸着材5aが充填されている。吸着材5aは、例えばゼオライトである。そして、CO2タンク5を通過する排気ガス流を損なわないようにすべく、本実施形態に係る複数の吸着材5aは、それぞれ、球形状又はペレット形状を有している。
図8の例の場合、各吸着材5aは、球形状を有している。各吸着材5aが球形状又はペレット形状を有することで、
図5の矢印A52に示すように、CO2タンク5内を通過するようなガスの流動が
許容される。なお、各吸着材5aが球形状又はペレット形状を有することは、必須ではない。
【】
ここで、吸着材5aが
図5の温度特性を有する場合、CO2の回収効率を高めるためには、吸着材5aを可能な限り冷却できれば好都合である。
【】
そこで、本実施形態に係るCO2タンクは、
図1に示すように、自動車Vの走行風との間で熱交換されるように配置されている。CO2タンク5、ひいては吸着材5aは、その走行風によって冷却される。言い換えると、本実施形態に係るCO2タンク5は、空冷可能に構成されている。なお、CO2タンク5及び吸着材5aを走行風によって冷却することは、必須ではない。
【】
CO2タンク5を走行風で冷却することで、CO2タンク5の吸着材5aにて生じる吸着熱を緩和することができる。そのことで、CO2の回収効率の向上に有利になる。
【】
また、CO2タンク5は、
図1の両矢印に示すように、乗員等の作業者によって着脱可能に構成されている。作業者は、CO2の回収量に応じてCO2タンク5を交換できる。なお、CO2タンク5を着脱可能とすることは、必須ではない。
【】
CO2タンク5を着脱可能とすることで、CO2タンク5の使い勝手を向上できる。
【】
(2-5.CO2クーラ)
CO2クーラ6は、
図3に示すよう第2経路22の途中に配置されている。詳しくは、CO2クーラ6は、タンク通過経路221において、部分分岐部254とCO2タンク5との間に配置されている。
【】
CO2クーラ6は、吸着装置3から脱離した後、タンク通過経路221を介してCO2タンク5に供給される脱離ガスを冷却する。CO2クーラ6による冷却中、CO2タンク5には、CO2クーラ6によって冷却された脱離ガスが供給される。CO2クーラ6は、例えば、液冷式の冷却器である。CO2クーラ6は、例えば、ヒートシンクによって構成されている。
【】
また、CO2クーラ6は、不図示の冷媒ポンプを有している。CO2クーラ6の冷媒ポンプは、コントローラ100と電気的に接続されている。CO2クーラ6は、コントローラ100から入力される電気信号に基づいて冷媒ポンプを駆動することで、脱離ガスの冷却を実行する。
【】
ここで、回収システムSを省エネルギ化するためには、CO2クーラ6の消費電力を、可能な限り抑制できれば好都合である。
【】
そこで、本実施形態に係るCO2クーラ6は、
図1に示すように、自動車Vの走行風との間で熱交換されるように配置されている。CO2クーラ6は、その走行風によって冷却される。言い換えると、本実施形態に係るCO2クーラ6は、空冷可能に構成されている。なお、CO2クーラ6を走行風によって冷却することは、必須ではない。
【】
このように、CO2通路31とCO2タンク5の間にCO2クーラを介在させたことで、CO2クーラ6によって、脱離ガス中のCO2を冷却できる。そのことで、CO2タンク5内の吸着材5aの吸着を促すことができ、CO2の回収効率を向上させることができる。
【】
(2-6.除水装置)
除水装置7は、
図3に示すように第2経路22に配置されている。詳しくは、除水装置7は、第2経路22における冷却器4とCO2通路31の間に配置されている。さらに詳しくは、除水装置7は、サブ冷却器42とCO2通路31の間に配置されている。
【】
除水装置7は、排気ガス中のH2Oを取り除く。詳しくは、本実施形態に係る除水装置7は、気液分離器71と、除湿タンク72と、を有している。
【】
気液分離器71は、第2経路22におけるサブ冷却器42及びCO2通路31の間に配置されている。気液分離器71は、冷却器4で冷却された排気ガスから、液状の水分(例えば、微粒子状の水分)を除去する。気液分離器71が除去した水分は、車外に排出される。
【】
除湿タンク72は、第2経路22における気液分離器71及びCO2通路31の間に配置されている。除湿タンク72は、冷却器4で冷却された後、気液分離器71から排出された排気ガスを除湿する。除湿タンク72によって取り除かれた水分は、除湿タンク72に蓄えられる。
【】
除湿タンク72には、吸着装置3の吸着材3aと同じ温度特性(
図5参照)及び圧力特性(
図6)を示す除湿材72aが収容されている。除湿材72aは、例えばゼライトである。
【】
除湿材72aは、温度特性及び圧力特性の双方に関して、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する性質を有している。詳しくは、除湿材72aは、
図5で表される第1除湿特性と、
図6で表される第2除湿特性と、を有している。
【】
さらに詳しくは、第1除湿特性は、低温状態では排気ガス中のH2O及びCO2を吸着する一方、高温状態では吸着したH2O及びCO2を脱離するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する温度特性である。この第1除湿特性については、H2Oが優先的に吸着されることを除き、
図5又は
図6の縦軸を「CO2吸着量又はH2O吸着量」と読み替えることで理解されよう。
【】
さらに詳しくは、第2除湿特性は、H2Oの分圧が大気圧に比して低いほどH2Oをより少なく吸着する一方、CO2の分圧が大気圧に比して低いほどCO2をより少なく吸着するとともに、CO2に比してH2Oを優先的に吸着する圧力特性である。この第2除湿特性については、H2Oが優先的に吸着されることを除き、
図5又は
図6の縦軸を「CO2吸着量又はH2O吸着量」と読み替えることで理解されよう。
【】
除湿タンク72は、H2O及びCO2が双方とも未吸着の第1フェーズ(除湿材72aの吸着量=0)では、H2O及びCO2を双方とも吸着する。この第1フェーズでは、除湿タンク72は、第2経路22にH2O及びCO2を双方とも排出しない。
【】
その後、除湿タンク72は、H2O及びCO2が限界まで吸着された第2フェーズ(除湿材72aの吸着量=MAX)では、除湿材72aに吸着されたCO2を強制的に脱離するとともに、脱離したCO2に代わってH2Oを吸着する。この第2フェーズでは、除湿タンク72は、第2経路22にCO2を排出することになる。本実施形態に係る除湿タンク72は、CO2回収に際しては、主にこの第2フェーズで用いられるようになっている。
【】
その後、除湿タンク72は、H2Oが限界まで吸着された第3フェーズ(除湿材72aの吸着量=MAX)では、除湿材72aによってH2Oを吸着した第3フェーズを維持しつつも、それ以上のH2Oを吸着しない。この状態では、除湿タンク72は、第2経路22に、H2O及びCO2を双方とも排出することになる。
【】
ここで、除湿材72aが
図5の温度特性を有する場合、H2Oの回収効率を高めるためには、除湿材72aを可能な限り冷却できれば好都合である。
【】
そこで、本実施形態に係る除湿タンク72は、
図1に示すように、自動車Vの走行風との間で熱交換されるように配置されている。除湿タンク72、ひいては除湿材72aは、その走行風によって冷却される。言い換えると、本実施形態に係る除湿タンク72は、空冷可能に構成されている。なお、除湿タンク72及び除湿材72aを走行風によって冷却することは、必須ではない。
【】
また、除湿タンク72は、
図1の両矢印に示すように、乗員等の作業者によって着脱可能に構成されている。作業者は、H2Oの除湿量に応じて除湿タンク72を交換できる。なお、除湿タンク72を着脱可能とすることは、必須ではない。
【】
除湿タンク72を着脱可能とすることで、除湿タンク72の使い勝手を向上できる。
【】
(2-7.経路切替部)
経路切替部8は、排気経路2上に配置された複数のバルブによって構成されている。詳しくは、経路切替部8は、排気経路2上に配置されかつ、排気経路2の各部を開放又は閉塞する複数の開閉弁によって構成されている。
【】
経路切替部8を構成する各開閉弁は、いずれも、コントローラ100と電気的に接続されている。経路切替部8を構成する各開閉弁は、いずれも、コントローラ100から電気信号を受けて開閉する。
【】
具体的に、経路切替部8は、前記複数の開閉弁として、吸着切替弁81と、回収切替弁82と、排気ガス導入弁83と、空気導入弁84と、を有している。
【】
吸着切替弁81は、第2経路22に配置されており、シリンダ11とCO2通路31との間を開閉する。詳しくは、吸着切替弁81は、第2経路22における冷却器4の下流、かつ吸着装置3の上流に配置されており、冷却器4とCO2通路31との間を開閉する。さらに詳しくは、吸着切替弁81は、第2経路22における除湿タンク72とCO2通路31との間に配置されており、除湿タンク72とCO2通路31との間を開閉する。
【】
吸着切替弁81が開弁又は閉弁することで、第2経路22における所定の部位(吸着切替弁81が配置された部位)が開放又は閉弁される。例えば、吸着切替弁81が開弁された場合、CO2通路31への排気ガスの流入が許容される。この場合、第2経路22は、前記所定の部位(吸着切替弁81が配置された部位)が開放された状態にある。この状態は、例えば、排気ガスから吸着材3aにCO2を吸着させる場合に用いられる。
【】
一方、吸着切替弁81が閉弁された場合、CO2通路31への排気ガスの流入が抑止される。この場合、第2経路22は、前記所定の部位(吸着切替弁81が配置された部位)が閉塞された状態にある。この状態は、例えば、CO2通路31への排気ガスの流入を意図的に抑止したい場合、又は、吸着材3aからCO2を脱離させる場合に用いられる。
【】
回収切替弁82は、第2経路22に配置されており、排気ガスにタンク通過経路221を通過させるか、又はタンク迂回経路222を通過させるかを切り替える回収切替部として機能する。詳しくは、回収切替弁82は、タンク迂回経路222に配置されており、タンク迂回経路222を開閉する。
【】
回収切替弁82は、開弁時にはタンク迂回経路222を開放するとともに、閉弁時にはタンク迂回経路222を閉塞する。例えば、回収切替弁82が開弁された場合、タンク迂回経路222を介した排気ガスの流動が促される一方、タンク通過経路221を介した排気ガスの流動が抑止される。この状態は、例えば、吸着材3aへのCO2の吸着時等、CO2タンク5によるCO2の回収が不要な場合に用いられる。
【】
一方、回収切替弁82が閉弁された場合、タンク迂回経路222を介した排気ガスの流動が抑止される一方、タンク通過経路221を介した排気ガスの流動が促される。この状態は、例えば、吸着材3aからのCO2の脱離時等、CO2タンク5によるCO2の回収が求められる場合に用いられる。
【】
排気ガス導入弁83は、第3経路23に配置されており、第3経路23を開閉する。詳しくは、排気ガス導入弁83は、第3経路23における、第2分岐部252の下流かつ第3合流部263の上流の部位に配置されており、当該部位を開閉する。
【】
排気ガス導入弁83が開弁又は閉弁することで、第3経路23における所定の部位(排気ガス導入弁83が配置された部位)が開放又は閉弁される。例えば、排気ガス導入弁83が開弁された場合、熱交換通路32への排気ガス又は混合ガスの流入が許容される。この場合、第3経路23は、前記所定の部位(排気ガス導入弁83が配置された部位)が開放された状態にある。この状態は、例えば、排気ガス又は混合ガスによって吸着材3aを加熱する場合に用いられる。
【】
一方、排気ガス導入弁83が閉弁された場合、熱交換通路32への排気ガスの流入が抑止される。この場合、第3経路23は、前記所定の部位(排気ガス導入弁83が配置された部位)が閉塞された状態にある。この状態は、例えば、空気によって吸着材3aを温度制御する場合、又は、混合ガスによって吸着材3aを加熱する場合に用いられる。
【】
空気導入弁84は、第4経路24における第3経路23との非共有部に配置されており、該第4経路24を開閉する。詳しくは、空気導入弁84は、第4経路24の上流端よりも下流、かつ第3合流部263よりも上流の部位に配置されており、当該部位を開放又は閉塞する。
【】
空気導入弁84が開弁又は閉弁することで、第4経路24における所定の部位(空気導入弁84が配置された部位)が開放又は閉弁される。例えば、空気導入弁84が開弁された場合、熱交換通路32への空気の流入が許容される。この場合、第4経路24は、前記所定の部位(空気導入弁84が配置された部位)が開放された状態にある。この状態は、例えば、空気によって吸着材3aを温度制御する場合、又は、混合ガスによって吸着材3aを加熱する場合に用いられる。
【】
一方、空気導入弁84が閉弁された場合、熱交換通路32への空気の流入が抑止される。この場合、第4経路24は、前記所定の部位(空気導入弁84が配置された部位)が閉塞された状態にある。この状態は、例えば、排気ガス又は混合ガスによって吸着材3aを加熱する場合に用いられる。
【】
ここで、吸着切替弁81及び回収切替弁82は、CO2の回収に関連した排気経路2、つまり第2経路22上に配置されている。これらの開閉弁は、CO2の漏れを可能な限り抑制すべく、密封性に優れた開閉弁を用いれば好都合である。
【】
そこで、本実施形態に係る吸着切替弁81及び回収切替弁82は、双方とも、バタフライバルブに比して密封性に優れたポペットバルブによって構成されている(
図3参照)。なお、吸着切替弁81及び回収切替弁82をポペットバルブによって構成することは、必須ではない。
【】
一方、排気ガス導入弁83及び空気導入弁84は、熱交換媒体Fとしてのガス(排気ガス及び空気の少なくとも一方によって構成されるガス)の導入に関連した排気経路2、つまり第3経路23上に配置されている。これらの開閉弁には、密封性に比して、異物噛み込み時の動作ロバスト性、ガス流量、ガス温度又はガス圧力のコントロール性が求められたり、高温の排気ガスに対する耐熱性が求められたりする場合がある。
【】
そこで、本実施形態に係る排気ガス導入弁83及び空気導入弁84は、双方とも、ポペットバルブに比して動作ロバスト性、コントロール性及び耐熱性に優れたバタフライバルブによって構成されている(
図3参照)。排気ガス導入弁83及び空気導入弁84は、双方とも各弁の開度を任意に調整可能である。
【】
吸着切替弁81及び回収切替弁82については密封性に優れた弁を用いることで、脱離ガスをCO2タンク5まで確実に導くことができる。そのことで、CO2の回収効率を向上させることができる。一方、排気ガス導入弁83及び空気導入弁84については動作ロバスト性等に優れた弁を用いることで、ガスによる吸着装置3の温度制御をより適切に実行できる。
【】
なお、排気ガス導入弁83及び空気導入弁84をバタフライバルブによって構成することは、必須ではない。例えば、排気ガス導入弁83については、後述の吸着工程に際して意図せずして排気ガスが流入しないように、ポペットバルブによって構成してもよい。ポペットバルブによって排気ガス導入弁83を構成することで、排気ガスの意図せぬ流入を抑制し、熱交換通路32に流入する空気の温度を低く保つことができる。そのことで、CO2回収効率の向上に有利になる。
【】
また、耐熱性と密封性を両立すべく、
図3のように、複数(図例では2つ)のバタフライバルブによって排気ガス導入弁83を構成してもよい。複数のバタフライバルブによって排気ガス導入弁83を構成することで、1つのバタフライバルブを用いる場合に比して密封性を高めつつ、ポペットバルブを用いる場合に比して耐熱性を高めることができる。
【】
(2-8.ガス流動制御部)
ガス流動制御部9は、排気経路2上に配置された複数のデバイスによって構成されている。詳しくは、ガス流動制御部9は、排気経路2上に配置されかつ、該排気経路2に沿ったガスの流動を生成するデバイスによって構成されている。
【】
ガス流動制御部9を構成する各デバイスは、いずれも、コントローラ100と電気的に接続されている。ガス流動制御部9を構成する各デバイスは、コントローラ100から電気信号を受けて動作するブロワ又はコンプレッサによって構成されている。各デバイスは、コントローラ100から入力される電気信号に基づいて、種々のガス流を生成する。さらに、各デバイスは、コントローラ100から入力される電気信号に基づいて、対応するガスの流量又は流速を変更可能に構成されている。
【】
具体的に、ガス流動制御部9は、前記複数のデバイスとして、第1流動生成部91と、第2流動生成部92と、第3流動生成部93と、を有している。なお、第3流動生成部93は、必須ではない。
【】
第1流動生成部91は、第2経路22に配置されている。詳しくは、第1流動生成部91は、CO2通路31の通路出口31bと、第2経路22における部分分岐部254と、の間に配置されている。
【】
第1流動生成部91は、吸着装置3のCO2通路31から排気ガス又は脱離ガスを引き込むように動作する。第1流動生成部91が動作することで、第2経路22を介した流動が生成される。
【】
第1流動生成部91によって生成される流動は、第2経路22の上流側から下流側へと排気ガス又は脱離ガスを導く流動に相当する。詳しくは、第1流動生成部91によって生成される流動は、第1経路21から第2経路22へと排気ガスを引き込んで、該排気ガスをCO2通路31に導いたり、CO2通路31から脱離ガスを引き込んで、該脱離ガスをCO2タンク5に導いたりする流動に相当する。
【】
具体的に、本実施形態に係る第1流動生成部91は、コンプレッサに分類される圧縮流体機、又は、ブロワに分類される送風機によって構成されている。
【】
第2流動生成部92は、共有経路231に配置されている。詳しくは、第2流動生成部92は、熱交換通路32の媒体出口32bと、共有経路231における第2合流部262と、の間に配置されている。
【】
第2流動生成部92は、吸着装置3の熱交換通路32から、熱交換媒体Fとしてのガス(排気ガス、空気又は混合ガス)を引き込むように動作する。第2流動生成部92が動作することで、第3経路23を介した排気ガスの流動と、第4経路24を介した空気の流動と、の少なくとも一方が生成される。
【】
第2流動生成部92によって生成される流動は、第3経路23及び第4経路24の少なくとも一方に沿って上流側から下流側へとガスを導く流動に相当する。詳しくは、第2流動生成部92によって生成される流動は、第1経路21から第3経路23へ排気ガスを引き込んだり、車外から第4経路24へ空気を引き込んだりすることで、排気ガス、空気又は混合ガスを熱交換通路32まで導く流動に相当する。さらに、第2流動生成部92によって生成される流動は、熱交換通路32を通過した排気ガス、空気又は混合ガスを、第1経路21に放出する流動としても機能する。
【】
具体的に、本実施形態に係る第2流動生成部92は、コンプレッサに分類される圧縮流体機によって構成されている。ガスによって吸着装置3を温度制御する場合、その吸着装置3における圧力損失が懸念される。
【】
これに対し、第2流動生成部92に圧縮流体機を用いることで、圧力損失が懸念される場合であっても、温度制御に要する流量を確保できる。なお、第2流動生成部92に圧縮流体機を用いることは、必須ではない。
【】
第3流動生成部93は、第4経路24に配置されている。詳しくは、第3流動生成部93は、第4経路24の上流端(大気開放部)と、第4経路24における第3合流部263と、の間に配置されている。
【】
第3流動生成部93は、車外から空気を引き込むように動作する。第1流動生成部91が動作することで、第4経路24を介した流動が生成される。
【】
第3流動生成部93によって生成される流動は、第4経路24の上流側から下流側へと空気を導く流動に相当する。詳しくは、第3流動生成部93によって生成される流動は、車外から第4経路24へと空気を引き込んで、該空気を熱交換通路32に導く流動に相当する。
【】
なお、以下の説明では省略するが、第3流動生成部93は、第4経路24からの空気の吸入時に、第2流動生成部92に代えて、又は、第2流動生成部92に加えて動作する。第3流動生成部93を用いることで、第3合流部263からCO2通路32の媒体入口32aにかけて生じ得る負圧を抑制できる。これにより、吸着工程に際して第4経路24から空気が吸入される場合に、第3経路23からの排気ガスの意図せぬ流入を抑制することができる。
【】
(2-9.コントローラ)
コントローラ100は、プロセッサ、メモリ及び入出力バス等のハードウェアと、データベース、制御プログラム等のソフトウェアと、を有している。コントローラ100は、例えばECU(Engine Control Unit)によって構成されている。
【】
〔基本構成〕
コントローラ100には、種々のセンサ類が接続されている。具体的に、コントローラ100には、冷却前排気センサSw1と、冷却後排気センサSw2と、上流側壁温センサSw3と、中央部壁温センサSw4と、入口側ガス温センサSw5と、出口側ガス温センサSw6と、メイン冷媒センサSw7と、サブ冷媒センサSw8と、バイパス冷媒センサSw9と、吸着前CO2センサSw10と、吸着後CO2センサSw11と、回収後CO2センサSw12と、車内CO2センサSw13と、圧力センサSw14と、アクセル開度センサSw15と、が電気的に接続されている。コントローラ100には、これらのセンサの検出信号が入力される。
【】
前記センサのうち、冷却前排気センサSw1と、冷却後排気センサSw2と、入口側ガス温センサSw5と、出口側ガス温センサSw6と、圧力センサSw14は、第1経路21、第2経路22及び第3経路23のうち、少なくとも第2経路22における排気ガスの温度又は流量の検出に関連しているという点で、本実施形態に係る「排気ガスセンサ」を例示している。
【】
その他、コントローラ100には、ガス流動制御部9を構成するファン又はコンプレッサの実回転数又は指令回転数を示す信号も入力される。ファン又はコンプレッサの回転数は、第2経路22又は第3経路23におけるガス(排気ガス、空気又は混合ガス)の流量に相関している。ガス流動制御部9は、本実施形態に係る「排気ガスセンサ」の別例を示している。
【】
冷却前排気センサSw1は、第1経路21における排気ガスの温度(以下、単に「排ガス温」ともいう)を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、冷却前排気センサSw1は、第1経路21におけるDPF15b及び第1分岐部251の間に配置されており、その配置箇所における排ガス温を検出する。
【】
冷却後排気センサSw2は、第2経路22において、冷却器4による冷却後の排ガス温を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、冷却後排気センサSw2は、第2経路22におけるサブ冷却器42及び気液分離器71の間に配置されており、その配置箇所における排ガス温を検出する。
【】
上流側壁温センサSw3は、CO2通路31の上流側部分31Uにおける吸着材3aの温度(以下、これを単に「壁温」ともいう)を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、上流側壁温センサSw3は、排気ガスの流れ方向において、通路出口31bよりも通路入口31aに近接した部位に配置されており、その部位におけるCO2通路31の壁温(つまり、CO2通路31の内壁面に塗布された吸着材3aの温度)を検出する。上流側壁温センサSw2は、本実施形態における「第2壁温センサ」の例示である。
【】
中央部壁温センサSw4は、CO2通路31を上流側部分31Uと下流側部分31Dとに二等分したときの二等分線を含んだ位置又は下流側部分31Dに配置されている。詳しくは、中央部壁温センサSw4は、CO2通路31を、排気ガスの流れ方向に沿って、上流部と、中央部と、下流部とに3分したときの中央部又は下流部に配置されている。中央部壁温センサSw4は、該中央部壁温センサSw4の配置箇所における吸着材3aの温度を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、中央部壁温センサSw4は、排気ガスの流れ方向において、通路入口31aよりも通路出口31bに近接した部位に配置されており、その部位におけるCO2通路31の壁温(つまり、CO2通路31の内壁面に塗布された吸着材3aの温度)を検出する。中央部壁温センサSw4は、本実施形態における「第1壁温センサ」の例示である。
【】
入口側ガス温センサSw5は、熱交換通路32に流入する直前の排気ガス、空気又は混合ガスの温度(以下、「ガス温」と総称する)を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、入口側ガス温センサSw5は、第3経路23における、第3合流部263の下流、かつ熱交換通路32の媒体入口32aの上流に配置されており、その配置箇所におけるガス温を検出する。
【】
出口側ガス温センサSw6は、熱交換通路32から流出した後、かつ第2流動生成部92を通過する前のガス温を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、出口側ガス温センサSw6は、共有経路231における、熱交換通路32の媒体出口32bの下流、かつ第2流動生成部92の上流に配置されており、その配置箇所におけるガス温を検出する。
【】
メイン冷媒センサSw7は、メイン流路174における冷媒温度を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、メイン冷媒センサSw7は、メイン流路174において、サーモスタット173とメイン冷却器41の間、又は、ラジエータ171とメイン冷却器41の間に配置されている。
【】
サブ冷媒センサSw8は、サブ流路44における冷媒温度を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、サブ冷媒センサSw8は、サブ流路433の第3流路433aに配置されており、サブラジエータ431とサブ冷却器42の間を流れる冷媒温度を検出する。
【】
バイパス冷媒センサSw9は、サブ流路44における冷媒温度を検出し、その検出温度を示す検出信号を出力する。詳しくは、バイパス冷媒センサSw9は、サブ流路433の第4流路433bに配置されており、サブラジエータ431と第2流動生成部92の間を流れる冷媒温度を検出する。
【】
吸着前CO2センサSw10は、CO2通路31に流入する前の排気ガスのCO2濃度を検出するとともに、その検出濃度を示す検出信号を出力する。詳しくは、吸着前CO2センサSw10は、第2経路22における除湿タンク72及びCO2通路31の間に配置されており、その配置箇所におけるCO2濃度を検出する。なお、吸着前CO2センサSw10は、サブ冷却器42及び気液分離器71の間に配置してもよい。
【】
吸着後CO2センサSw11は、CO2通路31から流出した排気ガスのCO2濃度を検出するとともに、その検出濃度を示す検出信号を出力する。詳しくは、吸着後CO2センサSw11は、第2経路22におけるCO2通路31の通路出口31b及び部分分岐部254の間に配置されており、その配置箇所におけるCO2濃度を検出する。なお、吸着後CO2センサSw11の配置は、この例には限定されない。
【】
回収後CO2センサSw12は、CO2タンク5を通過した排気ガスのCO2濃度を検出するとともに、その検出濃度を示す検出信号を出力する。詳しくは、回収後CO2センサSw11は、タンク通過経路221におけるタンク出口52と第1合流部261の間に配置されており、その配置箇所におけるCO2濃度を検出する。
【】
このように、CO2タンク5と第1経路21を接続するタンク通過経路221に回収後CO2センサSw12を配置することで、例えば、CO2の漏洩の有無等、CO2タンク5におけるCO2の回収状況を監視することができる。そのことで、ユーザに、CO2タンク5の交換タイミングを把握させることができる。
【】
車内CO2センサSw13は、自動車Vの車室202内のCO2濃度を検出するとともに、その検出濃度を示す検出信号を出力する。
【】
圧力センサSw14は、第2経路22におけるCO2通路31及びCO2タンク5の間に配置されており、その配置箇所におけるガス(例えばCO2)の圧力を検出するとともに、その検出圧力を示す検出信号を出力する。詳しくは、CO2圧力センサSw14は、タンク通過経路221におけるCO2クーラ6とCO2タンク5の間に配置されており、その配置箇所における圧力を検出する。圧力センサSw14に代えて、ガス(例えばCO2)の流量を検出する流量計を用いてもよい。
【】
アクセル開度センサSw15は、自動車Vのアクセルペダル開度を検出するとともに、その検出開度を示す検出信号を出力する。アクセル開度センサSw15は、車載エンジン1の運転状態に関連したパラメータを検出するという点で、本実施形態に係る「エンジン状態センサ」を例示している。
【】
コントローラ100は、各種センサから入力された検出信号に基づいて制御信号(電気信号)を生成し、その制御信号を、ガス流制御部8及び経路切替部9をはじめとする各アクチュエータの動作を制御する。
【】
ここで、コントローラ100によって動作が制御されるアクチュエータは、
図9に例示するように、車載エンジン1のインジェクタ17、並びに、回収システムSのCO2クーラ6、ラジエータ171、メインポンプ172、サブラジエータ431、サブポンプ432、吸着切替弁81、回収切替弁82、排気ガス導入弁83、空気導入弁84、冷却切替弁85、第1流動生成部91、第2流動生成部92及び第3流動生成部93を含んでいる。
【】
〔基本制御〕
一例として、コントローラ100は、アクセルペダルの検出開度に基づいて、アクセルペダルの踏込量に対応した車載エンジン1の目標負荷を設定する。コントローラ100は、設定した目標負荷に対応した燃料噴射量を決定し、決定した燃料噴射量を実現するようにインジェクタ17を作動させる(インジェクタ17は、
図9にのみ図示)。インジェクタ17から噴射されたディーゼル燃料が燃焼することで、自動車Vが加速する。
【】
燃焼によって生じた炭化水素は、酸化触媒15aによってCO2へと変換されることになる。したがって、車載エンジン1にディーゼルエンジンを用いた場合、回収システムSへと供給される排気ガス中のCO2濃度は、車載エンジン1の目標負荷に応じて増大することになる。
【】
コントローラ100は、前記検出開度又は前記目標負荷と、排気ガス中のCO2濃度と、を関連付けたマップを記憶している。コントローラ100は、そのマップに、検出開度又は目標負荷を照らし合わせることで、排気ガス中のCO2濃度、特に、回収システムSへの流入直後のCO2濃度(例えば、冷却前排気センサSw1付近のCO2濃度)を推定する。
【】
なお、検出開度又は目標負荷に基づいてCO2濃度を推定することは、必須ではない。冷却前排気センサSw1付近にCO2濃度センサを配置し、その検出信号をコントローラ100に入力してもよい。
【】
また、コントローラ100は、DPF15bに捕集された粒子状物資の量が所定量以上の場合に、DPF15bに捕集された粒子状物質を燃焼除去するDPF再生を実行する。
【】
図10は、吸着工程、脱離工程及び予冷工程の関係性を例示する概念図である。
図10に例示するように、回収システムSは、自動車Vの運転中、吸着装置3にCO2を吸着させる吸着工程(
図11及び
図12参照)と、吸着装置3からCO2を脱離させる脱離工程(
図13参照)と、を交互に繰り返す。詳しくは、回収システムSは、脱離工程から吸着工程に移行する前に、所定の予冷行程(
図14参照)を実行する。この場合、回収システムSは、脱離工程と、予冷工程と、吸着工程と、を順番にかつサイクリックに繰り返す(
図10のステップST1、ステップST2及びステップST3を参照)。なお、予冷工程は、必須ではない。
【】
コントローラ100は、これらの工程を、前述したアクチュエータを動作させることで実行する。例えば、コントローラ100は、中央部壁温センサsw4と、吸着後CO2センサSw11をはじめとするCO2濃度又はCO2圧力に関連した種々のセンサと、の一方の検出信号に基づいて第1経路21、第2経路22及び第3経路23の切替と、第1及び第2流動生成部91,92の動作と、を制御する。
【】
回収システムSまた、自動車Vの運転中に所定条件を満たした場合、
図10の符号ST4に例示したように、前述したサイクルリックな工程を中断し、フェールセーフ工程(
図15参照)を開始する。
【】
以下、これらの工程について、順番に説明する。
【】
<3.吸着工程>
図11は、吸着工程(加速時)における回収システムSの状態を例示する図である。
図12は、吸着工程(減速時)における回収システムSの状態を例示する図である。
図16~
図19は、吸着工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【】
以下に詳述するように、コントローラ100は、吸着工程に際し、シリンダ11とCO2通路31との間を開放した状態で第1流動生成部91を作動させるとともに、吸着装置3が冷却されるように、第3経路23を閉塞しかつ第4経路24を開放した状態で、第2流動生成部92を作動させる(
図16のステップS103を参照)。
【】
なお、コントローラ100は、吸着工程に際し、冷却器4による排気ガスの冷却を実行する。その際、コントローラ100は、前述した排気ガスセンサに分類されるセンサ類の検出信号に基づいて、メイン冷却器41によって排気ガスを冷却する第1モードと、メイン冷却器41及びサブ冷却器42の双方によって排気ガスを冷却する第2モードと、を使い分けるようになっている(
図16のステップST102、及び、ステップST102に関する説明を参照)。
【】
まず、吸着工程が開始されると、コントローラ100は、
図16のステップST101から順番に各処理を実行する。まず、ステップST101において、コントローラ100は、
図9に例示した各種センサの検出信号を読み込む。
【】
続くステップST102において、コントローラ100は、ステップST101で読み込んだ検出信号に基づいて、各アクチュエータの制御目標(吸着工程用)を決定する。
【】
ST102において、コントローラ100は、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)に基づいて、第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)を決定する。
【】
一例として、コントローラ100は、前記中央部壁温が高ければ高いほど、第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)を高く設定する。第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)が高くなるほど、熱交換通路32を流れる熱交換媒体Fの流量が大きくなる。
【】
さらに、ST102において、コントローラ100は、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)に基づいて、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)を決定する。
【】
一例として、コントローラ100は、前記中央部壁温が所定温度(Ta)以上の場合には、CO2通路31から引き込まれる排気ガスの流量が、中央部壁温が所定温度(Ta)未満の場合に比して大きくなるように、第1流動生成部91の目標出力をより高く設定する。第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)が高くなるほど、第2経路22を流れる排気ガスの流量が大きくなる。
【】
さらなる例示として、コントローラ100は、前記中央部壁温が所定温度(Ta)以上の場合には、第1流動生成部91の目標出力を最大値に設定するとともに、中央部壁温が所定温度(Ta)未満の場合には、第1流動生成部91の目標出力(つまり、第1流動生成部91に起因して流れるガスの流量)を、最大値よりも低く設定する(
図21参照)。
【】
さらに、ST102において、コントローラ100は、第2経路22を流れる排気ガスの流量と、第2経路22を流れる排気ガスの温度と、第1経路21を流れる排気ガスの温度と、1つ以上に基づいて、サブポンプ432の目標出力を決定する。これにより、前記第1モードと第2モードとが使い分けられる。
【】
ここで、コントローラ100は、第2経路22を流れる排気ガスの流量を、前述のように、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)から推定する。コントローラ100はまた、第2経路22を流れる排気ガスの温度として、冷却後排気センサSw2の検出温度(冷却後排気温度)を用いることができる。コントローラ100はまた、第1経路21を流れる排気ガスの温度として、冷却前排気センサSw1の検出温度(冷却前排気温度)を用いることができる。
【】
一例として、コントローラ100は、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)が所定未満の場合には、メインポンプ172のみをON(駆動状態)にして、サブポンプ432をOFF(停止状態、目標出力=0)にする(第1モード)。
【】
コントローラ100は、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)が所定以上の場合には、メインポンプ172をON(駆動状態)にするとともに、サブポンプ432をON(駆動状態、目標出力=可変値)にする(第2モード)。
【】
第2モードにおいて、コントローラ100は、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)が所定以上の場合には、第1流動生成部91の目標出力が高くなるほど、サブポンプ432の目標出力を高く設定する。
【】
第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)に代えて又は加えて、冷却後排気温度又は冷却前排気温度を用いる場合も同様である。この場合、前述した「第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)」なる語を、適宜、冷却後排気温度又は冷却前排気温度に置き換えればよい。
【】
続くステップST103において、コントローラ100は、回収システムSを、
図11に例示した状態に設定する。具体的に、コントローラ100は、吸着切替弁81を開弁することで、シリンダ11とCO2通路31との間を開放する。コントローラ100は、回収切替弁82を全開にすることで、タンク迂回経路222に沿って排気ガスが流れるように、第2経路22を切り替える。コントローラ100は、排気ガス導入弁83を閉弁しかつ空気導入弁84を全開にすることで、熱交換媒体Fとしての空気によって、吸着装置3を冷却する。
【】
さらに、コントローラ100は、第1流動生成部91及び第2流動生成部92を、ステップST102で設定された目標出力で動作させる。CO2通路31を通過する排気ガスの流動と、熱交換通路32を通過する空気(熱交換媒体F)の流動と、が生成される。
【】
さらに、コントローラ100は、冷却切替弁85を開弁することで、サブ冷却器42及び第2流動生成部92を通過するように冷媒を循環させるとともに、メインポンプ172をON状態にする。コントローラ100はまた、サブ冷却器42に関連したサブポンプ432を、ステップST102で定めた目標出力に応じて、ON状態又はOFF状態にする。
【】
続くステップS104において、コントローラ100は、前処理フラグがONか否かを判定する。前処理フラグは、自動車Vの運転開始直後、例えば、吸着工程の初回実行時にONになり、自動車Vを運転開始したから所定時間が経過したり、吸着工程の2回目以降実行にはOFFになる。
【】
ステップS104の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST105に進めて前処理を実行した後、
図17のステップST106を実行する。ステップS104の判定がNOの場合、コントローラ100は、ステップST105の処理をスキップし、前記ステップST106を実行する。
【】
図19に、吸着工程の前処理を例示する。同図のステップST121において、コントローラ100は、吸着前CO2センサSw10の検出濃度(吸着前CO2濃度)が、所定濃度(Cb)未満であるか否かを判定する。
【】
コントローラ100は、ステップST121の判定がNOの場合は前処理を終了する一方、同判定がYESの場合は制御プロセスをステップST122に進める。
【】
ステップST122において、コントローラ100は、吸着切替弁81を全開にしかつ第1流動生成部91を上限出力で作動させる。これにより、除湿タンク72の除湿材72aが、前述した第1フェーズから第2フェーズへと移行する。この第2フェーズでは、除湿タンク72から第2経路22にCO2が排出される。前処理は、除湿タンク72を第1フェーズから第2フェーズへと移行させるための処理として機能する。
【】
続いて、
図17のステップST106において、コントローラ100は、中央部壁温が、前述した所定温度(Ta)未満か否かを判定する。この判定がYESの場合、コントローラ100は、吸着材3aが十分に冷却されているものとみなし、制御プロセスをステップST107に進める。一方、ステップST106の判定がNOの場合、コントローラ100は、吸着材3aの冷却が不十分であるとみなし、制御プロセスを、
図18のステップST111に進める。
【】
図18の制御プロセスにおいて、コントローラ100は、吸着工程中かつ自動車Vの加速要求時には、シリンダ11とCO2通路31との間を開放した状態で第1流動生成部91を作動させるとともに、第3経路23を閉塞しかつ第4経路24を開放した状態で前記第2流動生成部を作動させる処理(ステップST103の処理)を継続する(ステップST112からステップST114を参照)。
【】
一方、
図18の制御プロセスにおいて、コントローラ100は、吸着工程中かつ自動車Vの減速要求時には、シリンダ11とCO2通路31との間を閉塞しかつ第1流動生成部91を停止させるとともに、吸着装置が冷却されるように、第4経路24を介した空気の流動を生成する一方、第3経路23を介した排気ガスの流動を抑止する(ステップST115を参照)。
【】
具体的に、ステップST111において、コントローラ100は、アクセルペダル開度が非ゼロか否か(アクセルペダルか踏まれているか否か)を判定する。
【】
ステップST111の判定がYESの場合、コントローラ100は、自動車Vの加速要求時と判定し、制御プロセスをステップST112へと進める。この場合に行われるステップST112、ステップST113及びステップST114の処理は、
図16のステップST101、ステップST102及びステップST102の処理と同じである。つまり、コントローラ100は、ステップST112、ステップST113及びステップST114の処理を継続するとともに、回収システムSを、
図11の状態で用いることになる。
【】
なお、ステップST112からステップST114にかけて、中央部壁温の変化に応じて、各アクチュエータの目標出力を変更してもよい。
図18は、コントローラ100が、第1流動生成部91の目標出力を変更することを例示しているが、その変更に加えて、第2流動生成部92の目標出力を変更したり、サブ432の目標出力を変更したりしてもよい。
【】
ステップST111の判定がYESの場合、コントローラ100は、自動車Vの減速要求時と判定し、制御プロセスをステップST115へと進める。ステップST115において、コントローラ100は、回収システムを、
図11の状態から
図12の状態に移行させる。コントローラ100は、吸着切替弁81を閉弁しかつ第1流動生成部91を停止させる。その他のアクチュエータについては、第4経路24を開放状態に維持することを含め、現状を維持することが許容される。なお、少なくとも排気ガス導入弁83については、これを閉弁状態に維持せずに、開弁状態としてもよい。
【】
ステップST114又はステップST115の処理が完了すると、コントローラ100は、制御プロセスを
図17のステップST106に戻す。
【】
ステップST107において、コントローラ100は、アクセルペダル開度が非ゼロか否か(アクセルペダルか踏まれているか否か)を判定する。
【】
ステップST107の判定がYESの場合、コントローラ100は、自動車Vの加速要求時と判定し、制御プロセスをステップST108へと進める。ステップST107の判定がNOの場合、コントローラ100は、自動車Vの減速要求時と判定し、制御プロセスをステップST107の処理を再び実行する。
【】
ステップST108において、コントローラ100は、回収システムSへの流入直後のCO2濃度に対する、吸着後CO2センサSw11の検出濃度(吸着後CO2濃度)の比(又は両濃度の差分)を算出し、その算出値が所定値(Ra)未満であるか否かを判定する。回収システムSへの流入直後のCO2濃度は、前述のようにコントローラ100によって推定できる。ここで、車載エンジン1が、理論空燃比で運転するガソリンエンジンの場合、コントローラ100は、吸着後CO2濃度が所定値未満であるか否かを算出すればよい。
【】
ステップST108の判定がYESの場合、コントローラ100は、吸着材3aに、その吸着限度付近までCO2が吸着されたものと判定し、制御プロセスをステップST109へと進める。ステップST108の判定がNOの場合、コントローラ100は、吸着材3aに、その吸着限度付近までCO2が吸着されていないと判定し、制御プロセスをステップST107まで戻す。
【】
ステップST109において、コントローラ100は、吸着工程に係る処理を終了し、脱離工程へと移行する。その後、コントローラ100は、
図22又は
図24に示す制御プロセスを新たに開始する。
【】
なお、
図18に例示した処理は、ステップST107の判定がNOの場合、又は、ステップS108の判定がNOの場合に行ってもよい。同図に例示した処理は、
図16及び
図17に例示した制御プロセスの最中に、割り込まれて実行されるものであってもよい。
【】
<4.脱離工程>
図13は、脱離工程における回収システムSの状態を例示する図である。
図20は、ガスによる温度制御時に懸念される温度ムラを説明するための図である。
図21は、中央部壁温と流量との関係を例示するグラフである。
図22~
図25は、脱離工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
図26は、中央部壁温と流量との関係を例示するグラフである。
図27は、流量比と入口ガス温との関係を例示するグラフである。
【】
以下に詳述するように、コントローラ100は、脱離工程に際し、シリンダ11とCO2通路31との間を少なくとも部分的に閉塞した状態で第1流動生成部91を作動させるとともに、吸着装置3が所望の温度に昇温されるように、第3経路23及び第4経路24の少なくとも一方を開放した状態で第2流動生成部92を作動させる(
図22のステップST203を参照)。本実施形態では、コントローラ100は、脱離行程中、常時、熱交換媒体Fとしての排気ガス、空気又は混合ガスを吸着装置3に流す。
【】
ところで、脱離工程時においては、吸着材3aの耐熱性又は剥離温度による制約が存在する。そうした制約が、CO2の回収効率を向上させる上で不都合を来たす可能性がある。
【】
すなわち、排気ガスによって吸着材3aの加熱を試みた際に、CO2通路31の中央部から下流側部分31Dにかけての領域については十分に昇温されていないにも関わらず、CO2通路31の上流側部分31Uが、前記制約を逸脱するまで過度に昇温されてしまう可能性がある。上流側部分31Uとそれ以外の部分とで吸着材3aの温度にムラが生じると、CO2の回収効率を向上させる上で不都合である。
【】
また、こうした問題は、熱交換媒体Fとしてのガス(排気ガス)の流量が小さい場合に、より顕著なものになる。この場合、ガスの流量が大きい場合に比して、ガス全体の熱容量が相対的に小さくなる。これにより、排気ガスは、CO2通路31の上流側部分31Uに位置する吸着材3aに熱を与えてしまう一方、それ以外の部分に与えるべき熱量が不足する可能性がある。
【】
図20の破線より右側の領域のように、熱交換媒体Fの流量、ひいては車載エンジン1の運転可能領域に制限が課されてしまうという問題があった。
【】
これに対し、本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、脱離工程時に用いる熱交換媒体Fとして、より速やかな昇温に優れた排気ガスと、上流側部分31Uとそれ以外の部分との間の3aの温度ムラの解消に優れた空気又は混合ガスと、を適宜使い分けることにした。
【】
すなわち、後述するように、コントローラ100は、脱離工程が開始されると、第3経路23を開放して第4経路24を閉塞した状態で第2流動生成部92を作動させることで、熱交換媒体Fとして、排気ガス(排気ガス単体)を熱交換通路32に供給することで吸着材3aを加熱する(
図22のステップST203及び
図24のステップST303を参照)。
【】
コントローラ100はまた、第3経路23を介した排気ガスによる吸着材3aの加熱中、上流側壁温センサSw3の検出温度(上流側壁温)が所定の基準温度(Tx)に達した場合に成立する所定条件の成否を判定する(後述のステップST205及びステップST304を参照)。
【】
そして、コントローラ100は、所定条件が成立した場合、上流側壁温センサSw3及び中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)に応じて第3及び第4経路23,24の開閉状況を切り替えることで、熱交換媒体Fとして、空気を含んだガスを熱交換通路32に供給する。これにより、コントローラ100は、上流側部分31Uにおける昇温を抑制しつつ吸着材3aを加熱する。(後述のステップST211及びステップST311を参照)。
【】
(空気を用いた構成例)
まず、空気を含んだガスに、空気単体を用いた構成について説明する。この場合の制御プロセスは、
図22及び
図23に例示されている。
【】
この構成例では、上流側壁温が許容値付近まで上昇した場合、熱交換通路32に空気を送り込む。送り込まれた空気は、上流側部分31Uに位置する吸着材3aから受熱して、当該上流側部分31Uの昇温を抑制する。受熱した空気は、熱交換通路32に沿って流れることで、CO2通路31における、上流側部分31Uよりも下流側の領域(中央部を含む)と熱交換する。空気は、上流側部分31Uから受けた熱を与えることで、前記下流側の領域を加熱する。上流側部分31Uから受熱する一方、それ以外の部分へとその熱を輸送する(熱輸送)ことで、温度ムラに係る問題が解消される。
【】
脱離工程が開始されると、コントローラ100は、
図22のステップST201から順番に各処理を実行する。まず、ステップST201において、コントローラ100は、
図9に例示した各種センサの検出信号を読み込む。
【】
続くステップST202において、コントローラ100は、ステップST201で読み込んだ検出信号に基づいて、各アクチュエータの制御目標(脱離工程用)を決定する。
【】
ST202において、コントローラ100は、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)に基づいて、第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)を決定する。
【】
一例として、コントローラ100は、前記中央部壁温が低ければ低いほど、第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)を高く設定する。第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)が高くなるほど、熱交換通路32を流れる熱交換媒体Fの流量が大きくなる。
【】
さらに、ST202において、コントローラ100は、圧力センサSw14の検出圧力(CO2圧力)に基づいて、第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)を決定する。
【】
一例として、コントローラ100は、CO2圧力が低いほど、第1流動生成部91の目標出力をより高く設定する。第1流動生成部91の目標出力(目標回転数)が高くなるほど、CO2通路31から引き込まれて第2経路22を流れる脱離ガスの流量が大きくなる。つまり、脱離ガスの流量、特に脱離ガス中のCO2の流量は、CO2圧力と正の相関を有する。そこで、CO2圧力が低い場合には、CO2流量も小さいと判断し、第1流動生成部91の目標出力をより高く設定する。
【】
このように、CO2流量が小さい場合に第1流動生成部91の出力を高めることで、CO2を含んだ脱離ガス量が乏しく、CO2タンク5へのCO2の圧送が困難な場合であって、これを確実にCO2タンク5へと送り込むことができる。
【】
なお、コントローラ100は、脱離工程の最中、圧力センサSw14に基づいた第1流動生成部91の目標出力の設定をリアルタイムで実行するとともに、その設定を反映するように、第1流動生成部91の出力をリアルタイムで変更してもよい。
【】
さらに、ST202において、コントローラ100は、第2流動生成部92の目標出力に基づいて、サブポンプ432の目標出力を決定する。一例として、コントローラ100は、第2流動生成部92の目標出力(目標回転数)が高いほど、サブポンプ432の目標出力をより高く設定する。
【】
なお、後述のように脱離工程の最中に第2流動生成部92の目標出力が変化した場合、コントローラ100は、その変化に追従させるように、サブポンプ432の目標出力をリアルタイムで変更するとともに、その変更を反映するように、サブポンプ432の出力をリアルタイムで変更してもよい。
【】
続くステップST203において、コントローラ100は、回収システムSを、
図13に例示した状態に設定する。具体的に、コントローラ100は、吸着切替弁81を少なくとも部分的に閉弁することで、シリンダ11とCO2通路31との間を少なくとも部分的に閉塞する。コントローラ100は、回収切替弁82を閉弁状態にすることで、タンク通過経路221に沿って脱離ガスが流れるように、第2経路22を切り替える。コントローラ100は、排気ガス導入弁83を全開状態にしかつ空気導入弁84を閉弁することで、熱交換媒体Fとしての排気ガスによって、吸着装置3を加熱する。
【】
ここで、「吸着切替弁81を少なくとも部分的に閉弁する」状態は、「吸着切替弁81を若干開弁する」状態を含んでいる。脱離工程において、コントローラ100は、吸着切替弁81の開度を、全開状態よりも全閉状態に近いものの、全閉状態には未達の状態にする。具体的に、コントローラ100は、吸着切替弁81を、0%を超過しかつ50%未満、さらに例示すると、0%を超過しかつ10%未満の開度にする。ここで「0%」は、全閉状態に相当する。「100%」は、全開状態に相当する。なお、「吸着切替弁81を若干開弁する」ことは、必須ではない。
【】
脱離工程時に吸着切替弁81を若干開弁することで、吸着切替弁81上流側からの空気の流入が許容される。これにより、脱離ガスを、CO2タンク5までスムースかつ確実に送り込むことができる。
【】
さらに、コントローラ100は、第1流動生成部91及び第2流動生成部92を、ステップST202で設定された目標出力で動作させる。CO2通路31から流出する脱離ガスの流動と、熱交換通路32を通過する排気ガス(熱交換媒体F)の流動と、が生成される。
【】
さらに、コントローラ100は、冷却切替弁85を閉弁することで、サブ冷却器42を通過せずに第2流動生成部92を通過するように冷媒を循環させるとともに、メインポンプ172をOFF状態にする。コントローラ100はまた、サブ冷却器42に関連したサブポンプ432を、ステップST202で定めた目標出力に応じて、ON状態にする。
【】
続くステップST204において、コントローラ100は、前記中央部壁温の時間変化(dTwm/dt)を算出し、その時間推移を記録する。この時間変化は、所定時間あたりの中央部壁温の変化量を示している。時間変化には、比率を用いてもよいし、微分係数を用いてもよい。
【】
続くステップST205において、コントローラ100は、第3経路23を介した排気ガスによる吸着材3aの加熱中、上流側壁温センサSw3の検出温度が所定の基準温度(Tx)に達した場合に成立する所定条件の成否を判定する。具体的に、コントローラ100は、上流側壁温が所定の基準温度(Tx)を超過したか否かを判定する。基準温度(Tx)は、吸着材3aの耐熱温度(上限温度)未満に設定されている。
【】
ステップST205の判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST201に戻す。同ステップの判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST206に進める。
【】
続くステップST206において、コントローラ100は、上流側壁温と、中央部壁温とに基づいて、前述した熱輸送の効果を最大化する流量(mc)を算出する。この流量(mc)を用いることで、CO2通路31の中央部から下流側部分32Dにかけての昇温効果が最大化される。
【】
具体的に、コントローラ100は、上流側壁温については前記基準温度(Tx)にあるとみなす(上流側壁温=Tx)。コントローラ100は、上流側壁温を基準温度(Tx)から後述の第2所定温度(Ty)まで冷却したときに、中央部壁温が最大となる流量(mc)を、中央部壁温を参照して推定する。
【】
詳しくは、コントローラ100は、中央部壁温の検出値が高いほど、流量(mc)をより大きく推定する(
図26参照)。この検出値が高い場合、上流側から中央部にかけてCO2通路31が高温状態にあると想定される。したがって、流量を大きくしたとしても、高温状態にあるCO2通路31から十分に受熱できる。受熱量が大きくなる分、中央部から下流側部分32Dを十分に加熱することができ、温度ムラを抑制することが可能になる。
【】
続くステップST207において(つまり、ステップST205の所定条件が成立した場合)、コントローラ100は、上流側壁温センサSw3及び中央部壁温センサSw4の検出温度と、基準温度(Tx)と、に基づいて、前記排気ガスの供給を停止した場合に中央部壁温が目標温度(Tv)まで昇温するのに要する所要時間(ts)を推定する。この所要時間(ts)は、熱伝導による昇温に要する時間に相当する。詳しくは、コントローラ100は、中央部壁温の検出値が高いほど、所要時間(ts)をより少なく推定する。なお、この目標温度(Tv)は、CO2の脱離が急峻に進行する、又は、当該脱離が完了すると想定される温度以上に設定されている。所要時間(ts)は、例えばコントローラ100に事前に記憶されたマップ又はモデルから推定できる。後述する他のパラメータについても、同じくマップ又はモデルから推定できる。
【】
続くステップST208において、コントローラ100は、所要時間(ts)が所定の閾値(Ua)未満であるか否かを判定する。この閾値(Ua)は、例えば、数秒程度の時間に相当する。
【】
ステップST208の判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスを、
図23のステップST211に進める。同ステップの判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST209に進める。
【】
ステップST209に進んだ場合、つまり、所要時間(ts)が前記閾値(Ua)未満の場合、コントローラ100は、第3経路23を介した排気ガスの流動を停止させた状態で、所要時間(ts)にわたって待機する。その後、コントローラ100は、
図23のステップST217に例示されるように、脱離工程を終了して予冷工程へと移行させたり、
予冷工程が設定されていない場合には、脱離工程を終了して吸着工程へと移行させたりする。
【】
一方、ステップST211に進んだ場合、当該ステップ及びこれ以降のステップにおいて、コントローラ100は、空気を含んだガス(ここでは空気単体)を熱交換通路32に供給することで、上流側部分31Dの昇温を抑制しつつ吸着材3aを加熱した後に、中央部壁温センサSw4の検出温度が目標温度(Tv)に到達したことを受けて、脱離工程を終了して予冷工程へと移行させたり、予冷工程が設定されていない場合には、脱離工程を終了して吸着工程へと移行させたりする。
【】
具体的に、ステップST211において、コントローラ100は、排気ガス導入弁83を閉弁することで第3経路23を閉塞し、かつ空気導入弁84を開弁することで第4経路24を開放した状態とする。コントローラ100は、第2流動生成部92の動作を継続させることで、第4経路24を介して供給される空気を、熱交換媒体(空気を含んだガス)Fとして熱交換通路32に供給する。
【】
詳しくは、コントローラ100は、第2流動生成部92を、前記時間変化(dTwm/dt)として比率を用いた場合の分母に相当する所定時間(dt)にわたって動作させるとともに、ステップST206で算出した流量(mc)に対応した出力で動作させる。
【】
続くステップST212において、コントローラ100は、センサ類の検出信号を再び読み込んで、制御プロセスをステップST213に進める。
【】
ステップST213に進んだ場合、つまり、排気ガスに代わって空気が供給されている場合、コントローラ100は、ステップST212で読み込んだ検出信号に基づいて、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)の時間変化を算出する。例えば、コントローラ100は、ステップST204で算出された時間変化を同様に定義された時間変化(dTwm/dt)を算出する。
【】
続くステップST214において、コントローラ100は、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)が、前述した目標温度(Tv)以下であるか否かを判定する。
【】
ステップST214の判定がNOになる場合とは、中央部壁温が目標温度(Tv)を超過するまで加熱された場合に相当する。この場合、CO2の脱離が完了又は十分に進行していると想定されるため、コントローラ100は、制御プロセスをステップST217へと進める。
【】
一方、ステップST214の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST215に進める。ステップST215において、コントローラ100は、上流側壁温センサSw3の検出温度(上流側壁温)が、前記第2所定温度(Ty)以下になったか否かを判定する。この判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST211に戻し、空気による熱輸送を継続する。
【】
一方、ステップST215の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST216に進める。ステップST216において、コントローラ100は、ステップST213で算出した時間変化(dTwm/dt)を、所定の第1基準値(ΔR1)と比較する。コントローラ100は、時間変化(dTwm/dt)が第1基準値(ΔR1)未満であるか否かを判定する。第1基準値は、例えば0である(ΔR1=0)。
【】
そして、コントローラ100は、時間変化(dTwm/dt)の算出結果が第1基準値(ΔR1)以上の場合(ステップST216:NO)、制御プロセスをステップST211に戻し、空気の供給(空気による熱輸送)を継続する。ステップST216の判定がNOになる状況は、中央部壁温が、熱輸送によって適切に昇温されている状況に相当する。
【】
対して、コントローラ100は、時間変化(dTwm/dt)の算出結果が第1基準値(ΔR1)未満の場合(ステップST216:YES)、制御プロセスをステップST201に戻し、空気の供給を停止して排気ガスの供給を再開する。ステップST216の判定がYESになる状況は、熱輸送による中央部壁温の昇温が、適切に進んでない状況、又は、昇温から降温に転じた状況に相当する。
【】
(混合ガスを用いた構成例)
続いて、空気を含んだガスに、空気と排気ガスの混合ガスを用いた構成について説明する。この場合の制御プロセスは、
図24及び
図25に例示されている。
【】
この構成例では、上流側壁温が許容値付近まで上昇した場合、熱交換通路32に混合ガスを送り込む。混合ガスは、空気との混合によって排気ガスに比して低温になっている。そのため、送り込まれた混合ガスは、上流側部分31Uに位置する吸着材3aとは熱交換しない。熱交換しないことで、当該上流側部分31Uの昇温が抑制される。その後、混合ガスは、熱交換通路32に沿って流れることで、CO2通路31における、上流側部分31Uよりも下流側の領域(中央部を含む)と熱交換する。混合ガスは、この下流側の領域を加熱する。上流側部分31Uとは熱交換せずに、それ以外の部分を加熱することで、温度ムラに係る問題が解消される。
【】
脱離工程が開始されると、コントローラ100は、
図24のステップST301から順番に各処理を実行する。ステップST301、ステップST302及びステップST303の処理の内容は、
図22のステップST201からステップST203の処理と同じである。
【】
続くステップST304において、コントローラ100は、前記上流側壁温が基準温度(Tx)以上に成立する所定条件に加えて、又は、当該所定条件に代えて、出口側ガス温センサSw6の検出温度(出口ガス温)が、第2基準温度(Tz)以上であるか否かを判定する。第2基準温度(Tz)は、第2流動生成部92の耐熱温度に応じて定められ折り、その耐熱温度未満となるように設定されている。
【】
ステップST304の判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST401に戻す。ステップST304の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST305に進める。
【】
ステップST305において、コントローラ100は、上流側壁温と、入口側ガス温センサSw5の検出温度(入口ガス温)とに基づいて、前記出口ガス温を所望とする流量(mc)を決定する。
【】
詳細には、コントローラ100は、この後に続く混合ガスの供給を行うための準備として、混合ガス全体に占める空気の流量(m1)と排気ガスの流量(m2)と、をそれぞれ決定する。
【】
コントローラ100は、入口ガス温を基準温度(Tx)に一致させることと、出口ガス温を前記第2基準温度(Tz)に一致させることと、から構成される2つの拘束条件と、検出された中央部壁温、入口ガス温及び出口ガス温と、に基づいて流量比を決定する。
【】
具体的に、コントローラ100は、入口ガス温に基づいて、空気の流量(m1)と排気ガスの流量(m2)との比率(流量比)を決定する。
図27に例示するように、コントローラ100は、入口ガス温の検出温度が高くなるほど、空気に対する排気ガスの流量比を大きく決定する。この決定に際し、コントローラ100は、冷却前排気センサSw1の検出温度を参照してもよい。
【】
コントローラ100はまた、基準温度(Tx)に一致するとみなした入口ガス温と、第2基準温度(Tz)に一致するとみなした出口ガス温と、中央部壁温と、に基づいて、混合ガスの全流量を決定する。
【】
つまり、出口ガス温は、入口ガス温と、混合ガスからの吸着材3aの受熱量と、吸着材3aの熱容量と、に基づいて決まる。吸着材3aの受熱量は、全流量と、中央部壁温との値に近似的に依存する。吸着材3aの熱容量は、全流量に依存して決まる。これらの関係を整理すると、混合ガスの全流量を、入口ガス温と、出口ガス温と、中央部壁温と、に基づいて決定できる。
【】
コントローラ100は、全流量及び流量比に基づいて、混合ガス全体に占める空気の流量(m1)と排気ガスの流量(m2)と、をそれぞれ決定する。
【】
続くステップST306において(つまり、ステップST305の所定条件が成立した場合)、コントローラ100は、上流側壁温センサSw3及び中央部壁温センサSw4の検出温度と、基準温度(Tx)と、に基づいて、排気ガスの供給を停止した場合に中央部壁温が目標温度(Tv)まで昇温するのに要する所要時間(ts)を推定する。この推定の詳細は、
図22のステップST207の処理と実質的に同じである。
【】
続くステップST307において、コントローラ100は、所要時間(ts)が所定の閾値(Ua)未満であるか否かを判定する。閾値(Ua)については、前述した通りである。
【】
ステップST307の判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスを、
図25のステップST311に進める。同ステップの判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST308に進める。
【】
ステップST308に進んだ場合、つまり、所要時間(ts)が前記閾値(Ua)未満の場合、コントローラ100は、第3経路23を介した排気ガスの流動を停止させた状態で、所要時間(ts)にわたって待機する。その後、コントローラ100は、
図25のステップST318に例示されるように、脱離工程を終了して予冷工程へと移行させたり、
予冷工程が設定されていない場合には、脱離工程を終了して吸着工程へと移行させたりする。
【】
一方、ステップST311に進んだ場合、当該ステップ及びこれ以降のステップにおいて、コントローラ100は、空気を含んだガス(ここでは混合ガス)を熱交換通路32に供給することで、上流側部分31Dの昇温を抑制しつつ吸着材3aを加熱した後に、中央部壁温センサSw4の検出温度が目標温度(Tv)に到達したことを受けて、脱離工程を終了して予冷工程へと移行させたり、予冷工程が設定されていない場合には、脱離工程を終了して吸着工程へと移行させたりする。
【】
具体的に、ステップST311において、コントローラ100は、排気ガス導入弁83を開弁することで第3経路23を開放し、かつ空気導入弁84を開弁することで第4経路24を開放した状態とする。コントローラ100は、第2流動生成部92の動作を継続させることで、第3経路23を介して供給される排気ガスと、第4経路24を介して供給される空気との混合ガスを、熱交換媒体(空気を含んだガス)Fとして熱交換通路32に供給する。
【】
詳しくは、コントローラ100は、第2流動生成部92を、所定時間(dt)にわたって動作させるとともに、ステップST306で算出した混合ガスの流量(mc)に対応した出力で動作させる。その際、排気ガス導入弁83及び空気導入弁84は、前記流量比に対応した開度で開弁される。
【】
続くステップST312において、コントローラ100は、センサ類の検出信号を再び読み込んで、制御プロセスをステップST313に進める。これ以降のステップST317に例示されるように、コントローラ100は、混合ガスの供給中、出口側ガス温センサSw6の検出温度をモニタし、この検出温度が所定の第2基準温度(Tz)以上の場合には、排気ガスの流量を低減し、その検出温度が第2基準温度(Tz)未満の場合には、排気ガスガスの流量を増加させる、
ステップST313に進んだ場合、つまり、排気ガスに代わって混合ガスが供給されている場合、コントローラ100は、ステップST312で読み込んだ検出信号に基づいて、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)の時間変化を算出する。例えば、コントローラ100は、ステップST204で算出された時間変化を同様に定義された時間変化(dTwm/dt)を算出する。
【】
続くステップST313において、コントローラ100は、中央部壁温センサSw4の検出温度(中央部壁温)が、前述した目標温度(Tv)以下であるか否かを判定する。
【】
ステップST313の判定がNOになる場合とは、中央部壁温が目標温度(Tv)を超過するまで加熱された場合に相当する。この場合、CO2の脱離が完了又は十分に進行していると想定されるため、コントローラ100は、制御プロセスをステップST318へと進める。
【】
一方、ステップST313の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST314に進める。ステップST314において、コントローラ100は、入口側ガス温センサSw5の検出温度(入口ガス温)が、前記基準温度(Tx)以下であるか否かを判定する。
【】
ステップST314の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST315に進める。ステップST315において、コントローラ100は、出口側ガス温センサSw6の検出温度(出口ガス温)が、前記第2基準温度(Tz)以下であるか否かを判定する。
【】
ステップS315の判定がYESの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST316に進めて、排気ガスの流量を増加させる。その後、コントローラ100は、制御プロセスをステップST311へと戻し、排気ガスの流量又は流量比を増加させた状態で、混合ガスによる温度制御を継続する。
【】
一方、ステップST314又はステップS315の判定がNOの場合、コントローラ100は、制御プロセスをステップST317に進めて、排気ガスの流量を減少させる。その後、コントローラ100は、制御プロセスをステップST311へと戻し、排気ガスの流量又は流量比を減少させた状態で、混合ガスによる温度制御を継続する。
【】
ステップST311からステップST317にかけてのステップを繰り返すことで、センサ類の検出温度に見合った状態に調整された混合ガスによって、吸着材3aの温度制御を行うことができる。
【】
<5.予冷工程>
図14は、予冷工程における回収システムSの状態を例示する図である。
図28は、予冷工程の制御プロセスを例示するフローチャートである。
【】
コントローラ100は、脱離工程の終了後、予冷工程を経て前記吸着工程へ移行する。以下に例示するように、コントローラ100は、予冷工程に際し、第1流動生成部91を停止させるとともに、第3経路23を閉塞しかつ第4経路24を開放した状態で第2流動生成部92を作動させる(
図28のステップST404を参照)。
【】
詳しくは、コントローラ100は、予冷工程中かつ自動車Vの加速要求時には、第1流動生成部91を停止させるとともに、第3経路23を閉塞しかつ第4経路24を開放した状態で第2流動生成部92を作動させる処理を継続する(
図28のステップST403及びST404を参照)。
【】
コントローラ100はまた、予冷工程中かつ自動車Vの減速要求時には、第1流動生成部91を作動させるとともに、第3経路23を閉塞しかつ第4経路24を開放した状態で第2流動生成部92を作動させる(
図28のステップST403及びST405を参照)。
【】
コントローラ100はまた、予冷工程中に中央部壁温センサSw4の検出温度が所定温の第3基準温度(Tb)未満になった場合、予冷工程を終了するとともに、第1流動生成部91を作動させることで吸着工程を開始する(
図28のステップST406を参照)。
【】
まず、吸着工程が開始されると、コントローラ100は、
図28のステップST401から順番に各処理を実行する。ステップST401及びステップST402の処理は、吸着器3、冷却器4及び経路切替部8に関する制御目標と、第1流動生成部91の目標出力とを除いて、
図16のステップST101及びステップST102の処理と実質的に同じである。
【】
続くステップST403において、コントローラ100は、アクセルペダル開度が非ゼロか否か(アクセルペダルか踏まれているか否か)を判定する。
【】
ステップST403の判定がYESの場合、コントローラ100は、自動車Vの加速要求時と判定し、制御プロセスをステップST404へと進める。ステップST403の判定がNOの場合、コントローラ100は、自動車Vの減速要求時と判定し、制御プロセスをステップST405へと進める。
【】
ステップST404において、コントローラ100は、回収システムSを、
図12に例示した状態に設定する。具体的に、コントローラ100は、吸着切替弁81を閉弁することで、シリンダ11とCO2通路31との間を閉塞する。コントローラ100は、回収切替弁82を閉弁する。コントローラ100は、排気ガス導入弁83を閉弁しかつ空気導入弁84を全開にすることで、熱交換媒体Fとしての空気によって、吸着装置3を冷却する。
【】
さらに、コントローラ100は、第1流動生成部91を停止させて第2流動生成部92を動作させる。熱交換通路32を通過する空気(熱交換媒体F)の流動が生成される。
【】
さらに、コントローラ100は、第2流動生成部92を通過するように冷媒を循環させた状態を保ちつつ、メインポンプ172をOFF状態にする。コントローラ100はまた、サブ冷却器42に関連したサブポンプ432を、ステップST402で定めた目標出力に応じてON状態にする。
【】
一方、ステップST405において、コントローラ100は、第1流動生成部91を動作させる。回収切替弁82を閉弁していることと相まって、CO2通路31から脱離ガスを引き込むような流動が生成される。これ以外の処理の内容は、ステップST404の処理と実質的に同じである。
【】
続いて、
図28のステップST406において、コントローラ100は、検出された中央部壁温が、前述した第3基準温度(Tb)未満か否かを判定する。この判定がYESの場合、コントローラ100は、吸着材3aが十分に冷却されているものとみなし、制御プロセスをステップST407に進める。一方、ステップST406の判定がNOの場合、コントローラ100は、吸着材3aの冷却が不十分であるとみなし、制御プロセスを、
図28のステップST401まで戻す。
【】
ステップST407において、コントローラ100は、予冷工程に係る処理を終了し、吸着工程へと移行する。その後、コントローラ100は、
図16に示す制御プロセスを新たに開始する。
【】
<6.その他の制御プロセス>
コントローラ100は、吸着工程、脱離工程及び予冷工程のうちの1つ以上に割り込んで実行される制御プロセスとして、以下に挙げるプロセスを実行できる。
【】
ここに、
図29及び
図30は、DPF再生に関連した制御プロセスを例示するフローチャートである。前述のように、コントローラ100は、DPF再生を実行する。DPF再生は、吸着工程、脱離工程又は予冷工程と同時に行われる可能性がある。この場合に行われる処理について説明する。
【】
コントローラ100は、脱離工程中かつDPF再生時(ステップST501:YES)には、第3経路23及び第4経路24のうち、少なくとも第3経路23を開放するとともに、第3経路23を介した排気ガスの流量が、非DPF再生時に比して大きくなるように、第2流動生成部92の出力を高める(ステップST502)。コントローラ100は、脱離工程中かつ非DPF再生時(ステップST501:NO)には、前述した脱離工程の各プロセスを継続する(ステップST503)。
【】
コントローラ100は、吸着工程中かつDPF再生時(ステップST601:YES)には、吸着工程を中断して脱離工程へと移行する(ステップST602)。コントローラ100は、吸着工程中かつ非DPF再生時(ステップST601:NO)には、前述した脱離工程の各プロセスを継続する(ステップST603)。
【】
あるいは、コントローラ100は、吸着行程かつDPF再生時に、第1流動生成部91を停止してもよい。こうすることで、吸着装置3への過剰なCO2及びH2Oの流入を抑制できる。
【】
その他、コントローラ100は、吸着工程、脱離工程及び予冷工程の実行中、車内CO2センサSw13の検出濃度が、所定濃度を超過した場合には、回収システムSを、
図15に例示した状態へと移行させる(フェールセーフ工程)。コントローラ100は、回収システムSを構成する各アクチュエータの動作を停止させる。回収システムSは、第1経路21を流れる流動のみを許容することになる。
【】
フェールセーフ工程を実行可能に構成することで、CO2が吸着装置3又はCO2タンク5から漏洩して車室202内まで入り込んだときに、その事態に対して適切に対処できる。
【】
その他、コントローラ100は、車載エンジン1がディーゼルエンジンであることに関連し、CO2吸着量とエンジンの目標負荷とを関連付いた制御を行ってもよい。
【】
例えば、コントローラ100は、吸着工程中、吸着材3aにおけるCO2吸着量を推定し、エンジン負荷が所定負荷未満であってかつ、CO2吸着量の推定結果が所定の基準値以上の場合、第1流動生成部91を停止させるとともに、吸着切替弁81を閉弁するような処理を実行してもよい。これにより、エンジン負荷が低くてCO2濃度が低濃度の場合に、吸着材3aからの意図せぬ脱離を抑制できる。
【】
その他、第2経路22における除湿タンク72とCO2通路31との間の部位にバイパス経路を接続するとともに、コントローラ100によってそのバイパス経路を開閉できるように構成することで、そのバイパス経路を介して除湿タンク72からH2Oをパージさせる処理を実行してもよい。
【】
この場合、コントローラ100は、自動車Vの加速要求時にはCO2通路31を開放してバイパス経路を閉塞し、自動車の減速要求時には、CO2通路を閉塞してバイパス経路を開放するように構成してもよい。減速要求時の排気ガス(CO2濃度が低いF/Cガス)によって、除湿タンク72からH2Oを脱離させるとともに、脱離させたH2Oを、バイパス通路から排出することが可能になる。この場合、冷却器4が停止されることになる。
【】
<7.効果等>
以上説明したように、本実施形態によれば、回収システムSは、
図3に例示した第3経路23を備えている。これにより、同図の符号F3に示すように、脱離に必要な熱を、排気ガスからダイレクトに供給できる。そのことで、熱エネルギを無駄なく活用できる。
【】
さらに、
図3に例示したように、回収システムSが第1経路21を備えることで、第2経路22及び第3経路23におけるガスの流動に不具合が生じたとしても、車載エンジン1を停止させることなく、第1経路21からダイレクトに排気ガスを排出できる。これにより、車両走行を継続させることができる。
【】
さらに、
図3に例示したように、回収システムSが第1経路21を備えることで、排気ガス量が非常に多い場合であっても、一部の排気ガスには第2経路22又は第3経路23を通過させる一方、残りの排気ガスは第1経路21から排出させることができ、吸着装置3を流れる排気ガスの流量を安定させることができる。これにより、車両走行時のように排気ガス量の増減が想定される場面にあっても、回収システムSの運用を安定させることができる。そのことで、車両走行時に用いる上での使い勝手を向上させることにある。
【】
また、
図3の符号F4に例示したように、回収システムSは、吸着材3aの冷却に、車外から取り込んだ空気を用いる。空気が流れる第4経路24を第3経路23に合流させることで、熱交換通路32を、排気ガスによる加熱時と空気による冷却時の双方で用いることができる。液冷媒用の通路が不要になるため、吸着装置3をよりシンプルに構成することが可能になる。
【】
さらに、空気による冷却は、液冷媒の冷却が不要になるため、応液冷媒による冷却に比して、応答性に優れたものとなる。応答性に優れたシステムを構築することで、車両走行時における使い勝手を向上させることができる。
【】
図3に例示したように、第2流動生成部92は、熱交換通路32の出口側に位置する共有経路に配置される。排気ガスによる加熱時と空気による冷却時とで第2流動生成部92が共有されるため、回収システムSの製造コストを抑制できる。
【】
さらに、第2流動生成部92には、熱交換後の排気ガスが通過することになるから、熱交換前の排気ガスを通過させるような構成に比して、第2流動生成部92を熱から保護することができる。
【】
さらに、熱交換通路32には、第2流動生成部92から引き込まれた空気(膨張させた空気)が流入することになるから、圧縮後の空気を熱交換通路32に流入させるような構成に比して、熱交換通路32を流れる空気の昇温を抑制できる。
【】
また、
図4に例示したように熱交換通路32をレイアウトした場合、下流側部分31Dには、上流側部分31Uとの熱交換後の熱交換媒体Fが供給されることになる。この場合、上流側部分31Uが目標温度に達していたとしても、下流側部分が目標温度に達しておらず、吸着工程及び脱離工程の双方に不都合を来たす可能性がある。
【】
これに対し、
図4のように中央部壁温センサSw4をレイアウトすることで、上流側部分31Uばかりでなく下流側部分31Dにおける温度状況を判断することができ、吸着工程及び脱離工程の双方にとって好都合なものとなる。
【】
さらに、センサの検出信号に基づいて、第1経路21、第2経路22及び第3経路23の切替と、第1及び第2流動生成部91,92の動作と、を制御するように構成したことで、シミュレーション上で脱離工程及び吸着工程の実行時間を定めたような構成に比して、より適切なタイミングで脱離工程と吸着工程との切り替えを行うことができ、CO2の回収効率を向上させることができる。
【】
また、吸着工程に際して説明したように、吸着工程の開始直後は、第2経路22における排気ガスの流量を、相対的に大きくし、その後、中央部壁温センサSw4の検出温度が所定温度未満まで低下すると、第2経路22における排気ガスの流量を、相対的に小さくする。こうすることで、吸着工程の開始直後は、排気ガスの流量を大きくしたことによって、吸着材3aをより効率よく冷却することができる。
【】
その後、前記検出温度が適温まで冷却され次第、排気ガスの流量を小さくすることで、吸着材3aとの接触時間を長くすることができ、排気ガスからのCO2の吸着を、より効率よく行うことができる。
【】
また、
図4及び
図7に例示したように、排気ガスを用いて吸着材3aを加熱する場合、局所的な昇温による温度ムラが懸念されるところ、排気ガスのみに頼ることなく空気を含んだガスを併用することで、液冷媒を用いずとも、吸着材3aを適切に温度制御することが可能になる。応答性に優れたシステムを構築することができ、車両走行時における使い勝手を向上させる上で有利になる。
【】
さらに、
図4に例示したように、中央部壁温センサSw4に上流側壁温センサSw3を併用することで、温度ムラに基づいた温度制御をより適切に行うことが可能になる。このことも、吸着材3aの適切な温度制御、ひいては車両走行時における使い勝手の向上に資する。
【】
現実のシステムでは、排気ガスの供給が停止されたとしても、上流側から下流側へと伝わる熱伝導によって、下流側部分に位置する吸着材3a3aが昇温する可能性がある。それが短時間で完了する場合、熱媒体としての排気ガスの供給は、もはや不要となる。
【】
そこで、
図22のステップST208及び
図24のステップST307に例示したように、コントローラ100は、前述した温度ムラが懸念される場合、熱伝導に係る所要時間(ts)の推定結果次第では、排気ガスの供給を停止させる。これにより、空気の流動に工夫を凝らさずとも、温度ムラを解消できる。
【】
一方、
図23及び
図25に例示したように、所要時間の推定結果に応じて、コントローラ100は、排気ガスに代えて、空気を含んだガスの供給を開始する。空気を含んだガスは、排気ガスよりも低温となる。排気ガスを用いて吸着材3aを加熱する場合、局所的な昇温による温度ムラが懸念されるところ、排気ガスのみに頼ることなく空気を含んだガスを併用することで、液冷媒を用いずとも、吸着材3aを適切に温度制御することが可能になる。
【】
さらに、第1壁温センサとしての中央部壁温センサSw4と、第2壁温センサとしてのと、を用いることで、より適切な温度制御を実現できる。つまり、上流側壁温センサSw3の検出温度が高ければ、熱伝導で中央部壁温センサSw4の検出温度が上がり易くなるため、前述の如き温度ムラの状態を的確に判断できる。
【】
また、
図23に例示したように、空気を含んだガスとして空気そのものを供給することで、比較的高温となった上流側の吸着材3aから受熱して、その熱を以て下流側の吸着材3aを加熱できる。このように構成することで、温度ムラを抑制する上で有利になる。
【】
さらに、空気の導入は、状況次第では吸着材3aの冷却が懸念されるところ、前述の如き検出温度の時間変化を参照することで、その傾きに応じて空気の導入を継続したり、空気に代えて排気ガスの導入を再開したりできる。吸着材3aの温度制御を、よりきめ細かく行うことができる。
【】
また、
図24及び
図25を用いて説明したように、排気ガスに比して低温となる混合ガスを供給することで、比較的高温となった上流側の吸着材3aとの間の熱交換を抑制する一方、下流側の吸着材3aとの間で積極的な熱交換を実現できる。このように構成することで、温度ムラを抑制する上で有利になる。
【】
さらに、
図24及び
図25に例示したように、出口側ガス温センサSw6の検出温度を参照することで、混合ガスをより適切に温度管理できる。これにより吸着材3aの温度制御を、よりきめ細かく行うことができる。
【】
また、自動車Vの減速要求時には、燃料供給がカットされるため、加速要求時に比して、排気ガス中のCO2濃度は低くなる。この場合、排気ガス中のCO2の分圧が低くなるため、吸着材3aの圧力特性に起因して、吸着工程にもかかわらず、CO2が意図せずして脱離してしまう可能性がある(
図6のΔGを参照)。
【】
そこで、
図18に例示したように、コントローラ100は、吸着工程中かつ車両の減速要求時には、吸着装置3の冷却こそ継続するものの、CO2通路31への排気ガスの流入を制限する。こうすることで、吸着材3aからの意図せずした脱離を抑制できる。
【】
また、脱離工程の終了直後、吸着材3aは高温状態にある。その状態のまま吸着工程を開始してしまうと、CO2通路31から第1流動生成部91へと高温の排気ガスが到来してしまい、熱による不具合を招く可能性がある。
【】
そこで、
図28に例示したように、脱離工程を終了して吸着工程を開始する前に、一旦、予冷工程を行って吸着材3aを冷却する。こうすることで、第1流動生成部91に至る排気ガスの温度を抑制することができ、熱による不具合を防ぐことができる。
【】
自動車Vの減速要求時には、燃料供給がカットされるため、加速要求時に比して、排気ガスの温度は低くなる。この場合、CO2通路31及びその付近に残留しているCO2が、意図せずして吸着材3aに吸着されてしまう可能性がある。
【】
そこで、
図28に例示したように、コントローラ100は、予冷工程中かつ自動車Vの減速要求時には、第1流動生成部91を作動させる。これにより、CO2通路31及びその付近に残留しているCO2を、無駄なく回収することができる。
【】
また、
図15に例示したフェールセーフ工程を実行することで、第2経路22及び第3経路23におけるガスの流動に不具合が生じたときに、第1経路21からの排気ガスの排出を、スムースに実行できる。車両走行時における使い勝手を向上させる上で有利になる。
【】
また、
図3のようなタンク通過経路221を用いることで、第1経路21における動圧を利用して、第2経路22及び第3経路23からガスを引き込むことができる。これにより、第2経路22及び第3経路23の使い勝手を向上させることができる。
【】
また、
図3のようなタンク通過経路221を設けることで、第1経路21との接続を利用してCO2タンク5内を大気圧に保つことができる。そのことで、CO2以外の成分を第1経路21から排出するともに、CO2以外の成分に起因した昇圧を防ぐことができる。
【】
また、
図3のようにタンク通過経路221を構成することで、第1経路21における動圧を利用して、CO2タンク5に導くように脱離ガスを引き込むことができる。これにより、ブロワ、ポンプ等を用いることなく、CO2タンク5の使い勝手を向上させることができる。
【】
また、
図8のような逆止弁51を設けることで、第1経路21からCO2タンク5への逆流、及び、CO2タンク5から吸着装置3への逆流を抑制できる。
【】
また、
図8のように球形状を有する吸着材5aを用いることで、CO2タンク5を通過するようなガス流の圧力損失を低減できる。そのことで、ブロワ等のデバイスの負荷を低減することができる。
【】
また、
図3のような除湿タンク72を設けることで、吸着装置3におけるCO2の回収効率を向上させることができる。さらに、除湿タンク72の上流に気液分離器71を設けることで、除湿タンク72における水分の回収量を補うことができ、除湿タンク72による、回収効率の向上効果を高めることができる。さらに、除湿タンク72の下流に吸着前CO2センサSw10を配置することで、除湿タンク72によるCO2吸着の影響が反映された、より正確なセンシングを実現できる。
【】
また、
図3のような気液分離器71を用いることで、除湿タンク72における水吸着に起因した発熱を抑制することができる。これにより、除湿タンク72の回収効率を高めるとともに、CO2吸着時における排気ガスの昇温を防ぐ上でも有利になる。
【】
また、
図29に例示したように、コントローラ100は、脱離工程中かつDPF再生時には、第3経路23を介した排気ガスの流量を高める。こうすることで、DPF再生によって生じる高温のガスによって、CO2の脱離を促すことができる。
【】
一般に、DPF再生は、数分~数十分にわたって行われる。そこで、
図30に例示したように、コントローラ100は、一旦、吸着工程を終了(中断)して脱離工程を開始して、吸着材3aからCO2を回収する。こうすることで、CO2を効率よく回収できる。
【】
また、
図11から
図14にかけての各状態の冷却器4を作動させることで、サブ冷却器42の使用頻度を抑制できる。これにより、要求される冷却性能と、消費エネルギの低減とを両立できる。その際、第2経路22における排気ガスの検出温度又は検出流量を用いることで、その第2経路22における排気ガスの冷却性能を、より適切に調整できる。
【】
さらに、
図3のようなメイン回路17を用いることで、排気ガスから受熱した冷媒によって、車載エンジン1を温めることができる。そのことで、車載エンジン1の早期暖機を実現できる。
【】
<8.他の実施形態>
前記実施形態では、CO2通路31の通路出口31bと、第2経路22における部分分岐部254と、の間に第1流動生成部91が配置されていたが、本開示は、そうした構成に限定されない。
【】
例えば、第1流動生成部91は、タンク迂回経路222における回収切替弁82の下流かつ部分合流部264の上流に配置されていてもよい。タンク迂回経路222上に第1流動生成部91を配置することで、高温の脱離ガスと第1流動生成部91との接触を抑制できる。
【】
そのことで、
図3のように第1流動生成部91を配置する構成に比して、相対的に耐熱性の低いデバイスを、第1流動生成部91に用いることが可能になる。これにより、より安価な第1流動生成部91の使用が許容され、回収システムSの製造コストを抑制する上で有利になる。
【】
また、前記実施形態では、第1流動生成部91が流量可変な構成について説明したが、そうした構成は、必須ではない。第1流動生成部91を流量可変とする代わりに、吸着切替弁81及び回収切替弁82の開度調整を通じて、第2経路22における流量を変更するように構成してもよい。
【符号の説明】
【】
V 自動車(車両)
1 車載エンジン
11 シリンダ
14 排気管
15 排気浄化装置
15b DPF
16 テールパイプ(放出部)
17 冷媒回路
171 ラジエータ
174 メイン流路(冷媒流路)
18 空気流通管
S CO2回収システム
2 排気経路
21 第1経路
22 第2経路
221 タンク通過経路
222 ダンク迂回経路
23 第3経路
231 共有経路
24 第4経路
263 第3合流部(第3経路における熱交換通路の上流側の部位)
3 吸着装置
3a 吸着材
31 CO2通路
31a 通路入口
31b 通路出口
31U 上流側部分
31D 下流側部分
32 熱交換通路
32a 媒体入口
32b 媒体出口
4 冷却器
41 メイン冷却器(第1冷却器)
42 サブ冷却器(第2冷却器)
5 CO2タンク
5a CO2吸着材
53 逆止弁
6 CO2クーラ
7 除水装置
71 気液分離器
72 除湿タンク
8 経路切替部
81 吸着切替弁
82 回収切替弁(回収切替部)
83 排気ガス導入弁
84 空気導入弁
9 ガス流動制御部
91 第1流動生成部
92 第2流動生成部
100 コントローラ
Sw3 上流側壁温センサ(第2壁温センサ)
Sw4 中央部壁温センサ(第1壁温センサ)
Sw6 出口側ガス温センサ
Sw10 吸着前CO2センサ
Sw14 圧力センサ(排気ガスセンサ)
Sw15 アクセル開度センサ
F 熱交換媒体
【図】
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