特開2026-156005IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2026.10.10 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧

特開2026-156005二次電池の制御装置、および制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】二次電池の制御装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊沢 理加
(72)【発明者】
【氏名】楊 殿宇
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA11
5G503HA02
(57)【要約】
【課題】エネルギロスの低減、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮等を図る。
【解決手段】複数のバッテリパック110(二次電池)の充電状態を制御する制御装置120は、各バッテリパック110のOCV(開放電圧)を検出する開放電圧検出部121と、各二次電池をその開放電圧に応じて複数の開放電圧グループに分類するとともに目標となる開放電圧グループを設定し、少なくとも異なる開放電圧グループの1対の二次電池を所定の抵抗を介して並列接続し、または上記複数の二次電池のうちの少なくとも一部に充放電回路を接続するバランス制御部122を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項】
複数の二次電池の充電状態を制御する制御装置であって、
各二次電池の開放電圧を検出する開放電圧検出部と、
上記複数の二次電池を充放電するように制御するバランス制御部と、
を備え、
上記バランス制御部は、各二次電池をその開放電圧に応じて複数の開放電圧グループに分類するとともに目標となる開放電圧グループを設定し、上記複数の二次電池のうちの少なくとも異なる開放電圧グループの1対の二次電池を所定の抵抗を介して並列接続し、または上記複数の二次電池のうちの少なくとも一部に充放電回路を接続し充放電することにより各二次電池を目標の開放電圧グループの電圧範囲に調整することを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項1の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、上記二次電池の平均値の開放電圧グループと最頻値の開放電圧グループが一致する際には該開放電圧グループを目標の開放電圧グループに設定し、該開放電圧グループ以外の二次電池が目標の開放電圧グループの電圧範囲になるよう上記調整を行うことを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項2の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、上記二次電池の平均値の開放電圧グループと最頻値の開放電圧グループが一致しない際は、前記目標となる開放電圧グループを平均値の開放電圧グループに設定し平均値の開放電圧グループ以外の二次電池を平均値の開放電圧グループの電圧範囲に調整した場合の移動電荷量と、前記目標となる開放電圧グループを最頻値の開放電圧グループに設定し最頻値の開放電圧グループ以外の二次電池を最頻値の開放電圧グループの電圧範囲に調整した場合の移動電荷量とを比較し、移動電荷量が少ない側を目標の開放電圧グループに設定し該電圧グループ以外の二次電池が目標の開放電圧グループの電圧範囲になるよう上記調整を行うことを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項1の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、最頻値となる開放電圧グループの電圧範囲が複数の開放電圧グループの最端となる場合、最頻値となる開放電圧グループ以外の二次電池に充放電回路を接続して、充電、または放電のいずれかを行い開放電圧が最頻値の開放電圧グループの電圧範囲となるよう調整することを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項1乃至4の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、前記平均値及び最頻値の開放電圧グループの電圧範囲は該グループ内の複数の二次電池を並列接続使用可能な電圧範囲に設定されており、目標として設定された開放電圧グループの二次電池に対しては上記調整を行わないことを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項1乃至4の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、上記異なる開放電圧グループの1対の二次電池の開放電圧の差が所定以下の場合に、該1対の二次電池を所定の抵抗を介して並列接続し充放電することを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項6の二次電池の制御装置であって、
上記所定の抵抗は、上記二次電池が備えるプリチャージ抵抗であることを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項7の二次電池の制御装置であって、
上記複数の電圧グループの各電圧範囲は、隣接するグループの二次電池との間で上記所定の抵抗を介し充放電可能な電圧範囲に設定されることを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項1の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、自身の開放電圧グループに対し目標となる開放電圧グループ側の開放電圧グループの他の何れの二次電池とも開放電圧の差が所定以上の場合に、その二次電池に充放電回路を接続し充電、または放電を行うことを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
請求項9の二次電池の制御装置であって、
上記バランス制御部は、上記充放電回路に接続した二次電池と上記他の二次電池との開放電圧の差が所定以下になった場合に、これらの二次電池を前記所定の抵抗を介して並列接続することを特徴とする二次電池の制御装置。
【請求項】
複数の二次電池の充電状態を制御する制御方法であって、
各二次電池の開放電圧を検出する開放電圧検出ステップと、
上記複数の二次電池を充放電するように制御するバランス制御ステップと、
を備え、
上記バランス制御ステップは、各二次電池をその開放電圧に応じて複数の開放電圧グループに分類するとともに目標となる開放電圧グループを設定し、上記複数の二次電池のうちの少なくとも異なる開放電圧グループの1対の二次電池を所定の抵抗を介して並列接続し、または上記複数の二次電池のうちの少なくとも一部に充放電回路を接続し充放電することにより各二次電池を目標の開放電圧グループの電圧範囲に調整することを特徴とする二次電池の制御方法。
【請求項】
複数の二次電池の充電状態を制御する制御装置であって、
各二次電池の開放電圧を検出する開放電圧検出部と、
上記複数の二次電池を充放電するように制御するバランス制御部と、
を備え、
上記バランス制御部は、各二次電池の開放電圧の分布に応じて、何れの二次電池についても、開放電圧差が、所定の抵抗を介して充放電可能な充放電可能範囲である二次電池が存在するという条件が満足される場合に、上記条件の満足が維持されるように、開放電圧差が上記充放電可能範囲である1対の二次電池ごとに、順次、上記所定の抵抗を介して充放電させることを特徴とする二次電池の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、二次電池の複数の電池要素の電位を均等化する二次電池の制御装置、および制御方法に関するものである。
【背景技術】
【】
従来、複数のバッテリパックを直列または並列に接続して所望の電力を供給するバッテリ装置では、使用に伴って各バッテリパックの電位にばらつきが発生した場合に、それらの複数のバッテリパックを所定の抵抗を介して並列に接続し、パックバランシングを実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【特許文献】特開2021-58062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
上記のように複数のバッテリパックを所定の抵抗を介して並列に接続してバランシングする場合、移動する電荷の量が多いと、エネルギロスが大きいことになる。また、バッテリパック間で開放電圧の差が大きいと、並列接続したときに流れる電流が大きくなり、バッテリパックの劣化を招きやすくなったり、バランシングに要する時間が長くかかったりする。
【】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、エネルギロスの低減や、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮などを図ることが容易にできるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
複数の二次電池の充電状態を制御する制御装置であって、
各二次電池の開放電圧を検出する開放電圧検出部と、
上記複数の二次電池を充放電するように制御するバランス制御部と、
を備え、
上記バランス制御部は、各二次電池をその開放電圧に応じて複数の開放電圧グループに分類するとともに目標となる開放電圧グループを設定し、上記複数の二次電池のうちの少なくとも異なる開放電圧グループの1対の二次電池を所定の抵抗を介して並列接続し、または上記複数の二次電池のうちの少なくとも一部に充放電回路を接続し充放電することにより各二次電池を目標の開放電圧グループの電圧範囲に調整することを特徴とする。
【】
これにより、各二次電池の開放電圧の分布に応じた均一化が行われることによって、エネルギロスの低減や、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮などを図ることができる。
【発明の効果】
【】
本発明では、エネルギロスの低減や、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮などを図ることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】二次電池システムの構成を示す回路図である。
【図】バランシング制御の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図】バッテリパック110どうしで充放電する処理の流れを示すフローチャートである。
【図】バッテリパック110どうしで充放電する場合のOCVの分布の変化の例を示す説明図である。
【図】充放電回路と、バッテリパック110どうしとで充放電する処理の流れを示すフローチャートである。
【図】充放電回路と、バッテリパック110どうしとで充放電する場合のOCVの分布の変化の例を示す説明図である。
【図】充放電回路と、バッテリパック110どうしとで充放電する場合のOCVの分布の変化の他の例を示す説明図である。
【図】最頻値を目標値にする処理の流れを示すフローチャートである。
【図】最頻値を目標値にする場合のOCVの分布の変化の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【】
本発明の実施例として、例えば、複数の車両に搭載されて使用されていたバッテリパックが並列に接続されて定置用蓄電システム等にリユースされる二次電池システムの例において、各バッテリパックのOCV(開放電圧)がバランシング(均一化)される場合の例を説明する。このような複数の車両に搭載されて使用されていたバッテリパックがリユースされる等の場合には、各バッテリの使用環境や使用状態が互いに大きく異なることによって各バッテリパックパックのOCVの差が大きいことが往々にしてあるが、以下のような二次電池の制御装置が用いられることによって、エネルギロスの低減や、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮などを図ることが容易にできる。
【】
(二次電池システム100の全体構成)
二次電池システム100は、例えば図1に2つのバッテリパック110(二次電池)の例を示すように、複数のバッテリパック110と、制御装置120と、PCS130(パワーコンディショナシステム)とが設けられて構成されている。
【】
各バッテリパック110には、例えば複数のリチウムイオン電池などのバッテリセルが直列接続された電池要素111が設けられている。電池要素111の正極および負極は、リレー112(RL1~RL5)および/または例えば抵抗値P(Ω)のプリチャージ抵抗113を介して、電力入出力正極INV-P、電力入出力負極INV-N、急速充電用正極QBC-P、または急速充電用負極QBC-Nに接続されている。
【】
制御装置120には、開放電圧検出部121と、バランス制御部122とが設けられている。開放電圧検出部121は、各バッテリパック110の開放電圧を検出するようになっている。バランス制御部122は、バッテリパック110を充放電するように制御するものである。より詳しくは、バランス制御部122は、バッテリパック110の開放電圧の分布に応じて、複数のバッテリパック110のうちの1対のバッテリパック110をプリチャージ抵抗113を介して並列接続し、またはバッテリパック110に図示しない外部の充放電回路を接続するようになっている。
【】
制御装置120には、また、接続経路123~126が設けられている。接続経路123はバッテリパック110の電力入出力正極INV-Pどうしを直接接続し、接続経路124はバッテリパック110の電力入出力負極INV-Nどうしを直接接続する。接続経路123・124は、また、PCS130に接続され、バッテリパック110からPCS130への供給電力の出力、およびPCS130からバッテリパック110への充電電力の入力がなされるようになっている。接続経路125・126は、バッテリパック110の急速充電用正極QBC-P、および急速充電用負極QBC-Nを充放電回路に接続して、各バッテリパック110を充放電するようになっている。
【】
ここで、図1においては、便宜上、2つのバッテリパック110が直接、接続経路123等によって接続されるように描かれているが、実際には、例えばスイッチマトリクスの切り替え等によって複数のバッテリパックのうちの任意の2つや、あらかじめ設定された組み合わせの範囲のうちの任意の2つ、また、あらかじめ設定された2つの組み合わせのうちの何れかなどが同図のように接続され得るようになっている。
【】
なお、各バッテリパックの充放電、均一化は並行して行われるようにしてもよいし、順次、または所定のグループごとに行われるようにしてもよい。
【】
(バランシング制御)
上記のような二次電池システム100では、図2に示すような制御装置120の処理によって、バッテリパック110の充電状態の均一化が行われる。
【】
(S101) まず、各バッテリパック110のOCVが検出される。
【】
(S102) 各バッテリパック110のOCVの分布パターンが解析される。具体的には、例えば、OCVの平均値や最頻値の算出、各バッテリパック110のOCVの差等が求められる。また、各バッテリパック110はOCVに応じて複数にグループ分けされる。具体的には、各グループのOCV範囲は、隣接するグループの何れのバッテリパック110との間でもプリチャージ抵抗を介して充放電を行えるOCV範囲に設定される。換言すれば、隣接する2つのグループの最低OCVと、最高OCVとの電圧差が、プリチャージ抵抗を介して充放電するときに流れる電流が所定の許容電流を超えない電圧差となるように設定される。また、均一化の目標値となる平均値または最頻値のOCVを含むグループ(平均値グループまたは最頻値グループ)の範囲は、均一化完了時に許容されるばらつきの範囲、すなわち充放電しなくてもよい範囲、より詳しくはグループ内の複数の二次電池を並列接続使用可能な電圧範囲に設定される。また、平均値グループの両側に隣接する2つのグループについては、これらの2つのグループの最低OCVと、最高OCVとの電圧差が、プリチャージ抵抗を介して充放電するときに流れる電流が所定の許容電流を超えない電圧差となるように設定される。なお、上記のようなグループ分けをするのに限らず、それぞれ互いのOCVが最も近いバッテリパック110どうしのOCV差の最大値が、プリチャージ抵抗を介して充放電を行えるOCV範囲(充放電可能範囲)より小さければ、すなわち、何れのバッテリパック110についても、OCV差が上記充放電可能範囲であるバッテリパック110が存在する場合には、その関係(条件)が維持されるように、開放電圧差が上記充放電可能範囲である1対のバッテリパック110ごとに、順次、プリチャージ抵抗を介して充放電させることにより、外部の充放電回路による充放電をすることなく全てのバッテリパック110のOCVを平均値に近づけることができる。より具体的には、例えば、各1対のバッテリパック110間でプリチャージ抵抗を介して充放電させる際に、上記1対のバッテリパック110よりもOCVの平均値側、およびOCVの平均値側と反対側のそれぞれ何れかのバッテリパック110とのOCV差が充放電可能OCV差よりも小さい時点で上記充放電を停止させるとともに、上記1対のバッテリパック110のうち、平均値側のバッテリパック110は、それよりもさらに平均値側のバッテリパックと充放電させ、平均値側と反対側のバッテリパック110は、それよりもさらに平均値側と反対側のバッテリパックと充放電させることによって、常に上記条件を維持させつつ、全てのバッテリパック110のOCVを平均値に近づけることができる。
【】
なお、上記(S102)での解析によって、上記最頻値グループが最端のグループ(最低OCVグループ、または最高OCVグループ)であると判定された場合に、他のグループのバッテリパック110を最端のグループのOCV範囲にするためには、すなわち、目標OCVを最頻値にするためには、それらのバッテリパック110どうしの充放電は必ずしも行わずに、外部の充放電回路で充放電して、目標値を最頻値とする均一化をするようにしてもよい。
【】
(S103) 上記解析の結果に基づいて、平均値グループと最頻値グループとが一致しているかどうか、または平均値と最頻値との差が所定以下かどうかが判定され、一致または差が所定以下の場合には、(S104)に移行し、目標OCVをOCVの平均値=最頻値とする均一化が行われる。一致していない場合には、後述する(S106)に移行する。
【】
(S104、S105) 上記(S103)で平均値グループと最頻値グループとが一致、または平均値と最頻値との差が所定以下と判定された場合には、何れのグループも、そのグループに隣接するグループにバッテリパック110が存在するか否か、つまり、プリチャージ抵抗113を介して充放電可能なバッテリパック110が存在するか否かが判定され、存在する場合には、(S105)に移行し、平均値グループより低開放電圧側のグループ及び高開放電圧側のグループをそれぞれ均一化した後に低開放電圧側のグループと高開放電圧側のグループとの間でプリチャージ抵抗113を介して充放電可能か否か、すなわち、平均値グループより低圧側のバッテリパックのOCVの平均値と高圧側のバッテリパックのOCVの平均値との差が、プリチャージ抵抗113を介して充放電可能な電圧差か否かが判定され、上記充放電が可能である場合には、外部の充放電装置を用いることなく均一化が可能なので、後述する(S200)に移行して全てのバッテリパック110が平均値グループになるようにする均一化が行われる。
【】
また、(S104)で隣接するグループにバッテリパック110が存在しない場合、また、(S105)でプリチャージ抵抗113を介して充放電が可能でない場合、すなわち、OCVの差が大きいためにプリチャージ抵抗113を介した充放電を行うと大きな電流が流れることになる場合には、少なくとも一部外部からの充電、または外部への放電が必要となるため、充放電回路とバッテリパック間の充放電とで全バッテリパックを平均値グループにするよう、処理が(S300)に移行する。
【】
(S106) また、上記(S103)で平均値グループと最頻値グループとが一致していないと判定された場合には、(S106)に移行し、OCVの均一化の目標を平均値グループとした方が電荷の移動ロスが小さいかどうか、つまり、全バッテリパックの電荷の移動量が少ないかどうかが判定され、少ない場合は、目標OCVをOCVの平均値とする均一化を行うために、前述した(S104)に移行する。一方、OCVの均一化の目標を最頻値グループとした方が電荷の移動ロスが小さい場合には、少なくとも全バッテリパックのOCVを最頻値グループにするには外部からの充電、または外部への放電が必要となるため、充放電回路とバッテリパック間の充放電とで全バッテリパックを最頻グループにするよう、後述する(S400)に移行する。
【】
(バッテリパック110どうしでプリチャージ抵抗113を介した充放電による均一化)
上記(S200)では、より詳しくは、図3、図4および以下のようにして均一化が行われる。
【】
(S201) 低開放電圧側のグループ及び高開放電圧側のグループにおいて、互いに異なるグループのバッテリパック110間でプリチャージ抵抗113を介して均一化が行われる。その際、図4の例では、全てのバッテリパックについて隣接するグループ間で均一化が行われているが、複数バッテリパックの内、一部のバッテリパック110が隣接しないグループの一部のバッテリパック110とプリチャージ抵抗113による均一化が可能な許容電圧差範囲内にある場合、その一部を隣しないグループのバッテリパック110と均一化させ、残りを隣接するグループと均一化させてもよく、その方が時間短縮できる。
【】
(S202) 上記(S201)によって全バッテリパック110が平均値グループに隣接するグループの電圧範囲になれば、処理が(S203)に移行する一方、上記電圧範囲になっていなければ、(S201)が繰り返される。
【】
(S203) 上記のようにして各グループ内のバッテリパック110のOCVが平均値グループに隣接するグループの電圧範囲になると、次に、OCVが、平均値グループのOCVよりも高い高開放電圧側のバッテリパック110と低い低開放電圧側のバッテリパック110でプリチャージ抵抗113を介して並列接続されて均一化が行われる。
【】
(S204) 上記(S203)によって低・高開放電圧グループの各バッテリパック110のOCV平均値グループの電圧範囲になれば、処理は戻る一方、上記電圧範囲になっていなければ、(S203)が繰り返されて、均一化が行われる。
【】
(外部の充放電回路と、バッテリパック110どうしの充放電とで平均値グループに均一化)
上記(S300)では、(S104)で、何れかのバッテリパック110が隣接するグループにバッテリパックが存在しないと判定された場合、または、(S105)で、平均値グループより低開放電圧側のグループ及び高開放電圧側のグループをそれぞれ均一化した後に低開放電圧側のグループと高開放電圧側のグループとの間でプリチャージ抵抗113を介して充放電可能でないと判定された場合に、図5~図7および以下に示すように、そのバッテリパック110に外部の充放電回路を接続することによって均一化が行われる。
【】
(S301) まず、(i)高・低開放電圧両側の何れのグループの一部のバッテリパックに対しても、隣接するグループにバッテリパック不在のグループがあるか、または、(ii)高・低開放電圧両側のグループで均一化後のそれぞれの電圧が何れも平均値グループに隣接するグループの電圧範囲にないか否か、すなわち、平均値グループより低圧側のバッテリパックのOCVの平均値、および高圧側のバッテリパックのOCVの平均値が、それぞれ、平均値グループに隣接するグループの電圧範囲にないか否かが判定され、肯定されれば(S302)に移行し外部の充放電回路による充電及び放電が何れも行われる一方、否定されれば、後述する(S304)に移行して、外部の充放電回路による充電、または放電の何れか一方が行われる。
【】
(S302)(S303) 上記(ii)の場合には、高・低開放電圧両側のグループとも図6に示されるように平均値グループに隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループができず、かつ、両グループの平均電圧が、それぞれ平均値グループに隣接するグループの電圧範囲に入るようになるまで行われる。上記(i)の場合には、図7に示されるように平均値に隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループがなくなるとともに両グループの平均電圧が、それぞれ平均値グループに隣接するグループの電圧範囲に入るまで行われる。
【】
(S304) ここでは、低開放電圧側だけのグループの一部のバッテリパックに対し隣接するグループにバッテリパック不在のグループがあるか、または、低開放電圧側のグループでだけ、均一化後のそれぞれの電圧(すなわち低開放電圧側のバッテリパック110のOCVの平均値)が平均値グループに隣接するグループの電圧範囲にあるか否かが判定される。
【】
(S305、S307) 上記(S304)で肯定されれば(S305)に移行して、低開放電圧側のバッテリパック110に対してだけ、外部の充放電回路によって充電が行われる一方、否定されれば、(S307)に移行して、高開放電圧側のバッテリパック110に対してだけ、外部の充放電回路によって放電が行われる。すなわち、外部の充放電回路に接続して、適切な大きさの電流で充放電することによって、プリチャージ抵抗113を介して充放電させるよりも充放電電流を小さく設定することができるので、バッテリパック110等が劣化しにくいようにすることができる。
【】
(S306、S308) 上記充放電によって、外部充放電の対象となるグループに対し上記(S303)と同様の判定が行われ、すなわち高・低開放電圧両側のグループとも、平均値グループに隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループがなく、かつ、平均電圧が、それぞれ平均値グループに隣接するグループの電圧範囲に入っていれば、(S309)に移行する一方、そうでなければ、(S305、S307)が繰り返される。
【】
(S309~S311) ここでは、前記(S201)~(S204)と同様に、プリチャージ抵抗113を介した並列接続による均一化が行われる。なお、このようにプリチャージ抵抗113による均一化が行われることによってエネルギロスを少なく抑えることが容易にできるが、上記(S302、S303)を経由する場合にはこれに限らず、上記(S302、S303)によって均一化が完了するまで(平均値との差が所定以下になるまで)外部の充放電回路の充電及び放電による均一化が行われるようにして、バランシング時間の短縮を図り得るようにしてもよい。
【】
(外部の充放電回路と、バッテリモジュールパック110どうしの充放電とで最頻値グループに均一化)
上記(S400)では、(S106)で、OCVの均一化の目標を最頻値グループとした方が電荷の移動ロスが小さい、つまり、全バッテリパックの電荷の移動によるエネルギロスが小さいと判定された場合に、図8、図9および以下に示すように、そのバッテリパック110に外部の充放電回路を接続することによって均一化が行われる。
【】
ここで、電荷の移動によるエネルギロスは、バッテリパック間でプリチャージ抵抗を介して充放電する場合については、プリチャージ抵抗に流れる電流による消費電力量J1、外部の充放電回路で所定の抵抗を介して放電する場合については、上記抵抗に流れる電流による消費電力量J2、外部の充放電回路で外部負荷に対して放電する場合については、外部負荷の定格電圧へ電圧変換するための電圧変換器での消費電力量J3となる。
【】
上記消費電力量J1は、プリチャージ抵抗の抵抗値をR1、バッテリパック間の電圧差をΔV1、バッテリパック間の充放電に要したのべ時間をt1とすると、下記関係式からΔV12÷ 抵抗値R1 × 時間t1(電圧差ΔV1は初期値が各バッテリパックの電圧に応じて異なるとともに経過時間とともに0に近づき、時間t1もパックによって異なる)となる。また、消費電力量J2は、外部充放電回路の抵抗値をR2、外部充電回路とバッテリパックとの間の電圧差をΔV2、放電に要したのべ時間をt2とすると、下記関係式からΔV22 ÷ 抵抗値R2 × 時間t2(電圧差ΔV2は初期値がバッテリパック・充放電回路の電圧に応じて異なるとともに充放電回路の電圧が一定の場合は経過時間とともに低くなり、時間t2もバッテリパックの電圧・充放電回路の電圧により異なる)となる。また 、消費電力量J3は電圧変換器の効率に基づく。
【】
式1:電圧差ΔV(V)=電流I(A)×抵抗値R(Ω)
式2:消費電力P(W)=電流I(A)×電圧差ΔV(V)
式3:消費電力量W(J)=消費電力P(W)× 時間t(s)=電圧差ΔV(V)2 ÷ 抵抗値R(Ω) × 時間t(s)
【】
(S401)まず、OCVの最頻値の電圧が平均値の電圧より高いか否かが判定され、肯定される場合、(S402)に移行する一方、否定される場合、(S404)に移行する。
【】
(S402) 最頻値よりもOCVが高い高開放電圧側のグループの一部のバッテリパックに対し隣接するグループにバッテリパック不在のグループが存在するか否か(すなわち高開放電圧側のバッテリパック110が存在する全てのグループが互いに隣接しているか否か)、または、高開放電圧グループ側の均一化後の電圧(すなわちOCVの平均値)が最頻値グループに隣接するグループの電圧範囲より高くなるか否かが判定され、肯定される場合、(S403)に移行する一方、否定される場合、(S406)に移行する。
【】
(S403) 全バッテリパックの平均電圧が最頻値グループの電圧範囲になるように低開放電圧グループに対して充電が行われ、一方で、高開放電圧グループに対しては最頻値グループに隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループが存在しなくなるとともに高開放電圧側のグループの平均電圧が最頻値グループに隣接するグループの電圧範囲に入るようになるまで外部放電が行われ後述する(S410)に移行する。
【】
(S404) 上記(S401)で否定される場合、最頻値よりもOCVが低い低開放電圧グループの一部のバッテリパックに対し隣接するグループにバッテリパック不在のグループが存在するか否か(すなわち低開放電圧側のバッテリパック110が存在する全てのグループが互いに隣接しているか否か)、または、低開放電圧側のグループの均一化後の電圧(すなわちOCVの平均値)が最頻値グループに隣接するグループの電圧範囲より低くなるか否かが判定され、肯定される場合、(S405)に移行する一方、否定される場合、(S407)に移行する。
【】
(S405) 全バッテリパックの平均電圧が最頻値グループの電圧範囲になるように高開放電圧グループに対して放電が行われ、一方で、低開放電圧グループに対しては最頻値グループに隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループが存在しなくなるとともに低開放電圧側のグループの平均電圧が最頻値グループに隣接するグループの電圧範囲に入るようになるまで外部充電が行われ、後述する(S410)に移行する。
【】
(S406、S407) 上記(S402)で否定される場合、(S406)に移行して外部の充放電回路によって充電が行われる。また、上記(S404)で否定される場合、(S407)に移行して外部の充放電回路によって放電が行われる。すなわち、外部の充放電回路に接続して、適切な大きさの電流で充放電することによって、バッテリパック110等が劣化しにくいようにすることができる。
【】
(S408、S409) 上記充放電によって、外部充放電の対象となるグループに対し上記(S403)(S405)と同様の処理が行われ、すなわち高・低開放電圧両側のグループとも、最頻値グループに隣接するグループと最も離れているグループとの間にバッテリパックが存在しないグループがなく、かつ、平均電圧が、それぞれ最頻値グループに隣接するグループの電圧範囲に入っていれば、(S410)に移行する一方、そうでなければ、(S406、S407)が繰り返される。
【】
(S410~S412) ここでは、前記(S201)~(S204)と同様に、プリチャージ抵抗113を介した並列接続による均一化が行われる。なお、このようにプリチャージ抵抗113による均一化が行われることによってエネルギロスを少なく抑えることが容易にできるが、上記(S403)(S405)を経由する場合にはこれに限らず、上記(S403)(S405)によって均一化が完了するまで(平均値との差が所定以下になるまで)外部の充放電回路の充電及び放電による均一化が行われるようにして、バランシング時間の短縮を図り得るようにしてもよい。
【】
また、目標となるグループの電圧幅(バラツキ)はバッテリモジュールパックを定置用蓄電システム定置用として使用する際に許容される電圧幅に設定されており、電力移動によるエネルギロスを抑える観点から、上記均一化は目標として定めた平均値グループ、または最頻グループグループのバッテリパックに対しては行われない。
【】
なお、目標となる開放電圧グループの開放電圧幅はバッテリパックを並列接続し定置用蓄電システムとして使用する際に許容される開放電圧幅に設定されており、電荷移動によるエネルギロスを抑える観点から、上記均一化は目標として定めた平均値、または最頻値の開放電圧グループのバッテリパックに対しては行われない。さらに、ここでいう均一化とは対象となる複数のバッテリパックを同じ開放電圧にすることではなく、同じグループの開放電圧幅にすることを意味する。
【】
上記のように各バッテリパック110のOCVの分布に応じて均一化が行われるようにすることによって、エネルギロスの低減や、電池の劣化抑制、バランシング時間の短縮などを容易に図ることができる。
【符号の説明】
【】
100 二次電池システム
110 バッテリパック
111 電池要素
112 リレー
113 プリチャージ抵抗
120 制御装置
121 開放電圧検出部
122 バランス制御部
123~126 接続経路
130 PCS
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】