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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】基板付きコネクタ
(51)【国際特許分類】
   
   
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】古橋 杏子
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
5E223AB60
5E223BA17
5E223BB12
5E223CA13
5E223CB45
5E223CD01
5E223CD06
5E223CD14
5E223DA25
5E223DA34
5E223DB13
5E223DB14
(57)【要約】
【課題】基板に実装される同軸コネクタを備える基板付きコネクタにおいて、基板の伝送線路と同軸コネクタとの接続部分におけるインピーダンス不整合を低減することができる基板付きコネクタを提供する。
【解決手段】基板付きコネクタ1は、伝送線路41を有する基板4と、基板4に実装される同軸コネクタ2とを備える。同軸コネクタ2は、伝送線路41に電気的に接続される中心導体11と、中心導体11の周囲を覆う誘電体21と、誘電体21の外側を覆う外導体31とを有する。基板4には、基板4を厚さ方向に貫通する第一貫通孔51が形成される。中心導体11及び誘電体21は、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、第一貫通孔51に挿通される突出部13,23を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項】
伝送線路を有する基板と、
前記基板に実装される同軸コネクタと、を備え、
前記同軸コネクタは、
前記伝送線路に電気的に接続される中心導体と、
前記中心導体の周囲を覆う誘電体と、
前記誘電体の外側を覆う外導体と、を有し、
前記基板には、前記基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記中心導体及び前記誘電体は、前記同軸コネクタの前記基板との実装面から突出して、前記貫通孔に挿通される突出部を有する、
基板付きコネクタ。
【請求項】
前記貫通孔の内面には、メッキ層が設けられている、請求項1に記載の基板付きコネクタ。
【請求項】
前記中心導体は、前記中心導体の前記突出部の先端部から前記伝送線路へ向けて延在する接続部を有し、
前記誘電体の前記突出部の先端部には、前記接続部が配置される窪み部が形成されている、
請求項1又は2に記載の基板付きコネクタ。
【請求項】
前記誘電体は、低摩擦性を有する材料から構成されている、請求項1又は2に記載の基板付きコネクタ。
【請求項】
前記誘電体の前記突出部と前記貫通孔の内面との間には、隙間が設けられていない、請求項1又は2に記載の基板付きコネクタ。
【請求項】
前記基板には、前記基板を厚さ方向に貫通する第二貫通孔が形成され、
前記外導体は、前記同軸コネクタの前記基板との実装面から突出して、前記第二貫通孔に挿通される足部を有する、
請求項1又は2に記載の基板付きコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、基板付きコネクタに関する。
【背景技術】
【】
基板に実装される同軸コネクタを備える基板付きコネクタにおける信号伝送では、通信の高速化及び高周波化が進む中で、基板の伝送線路における信号減衰が増大し、信号品質が低下することが懸念される。従来は、ケーブルの導体損失が信号品質低下の主な原因とされていたが、高速・高周波通信では、コネクタによる損失も無視することができない。特に、基板と同軸コネクタとの接続部分における特性インピーダンスの不整合は、信号反射による損失を引き起こし、信号品質を低下させる要因となっている。そのため、高速・高周波通信においては、基板と同軸コネクタとの接続部分におけるインピーダンス不整合を低減することが重要である。
【】
これに対して、特許文献1は、同軸コネクタが回路基板に挿入実装された部品実装基板に関する技術を開示している。当該特許文献1に開示の同軸コネクタは、第1の突起部を有する中心導体と、複数の第2の突起部を有する外部導体と、中心導体と外部導体とを電気的に絶縁する絶縁体とを備える。また、回路基板は、複数の絶縁層が積層方向に重ね合わされた絶縁基板と、絶縁基板を積層方向に貫通する第1のスルーホールと、絶縁基板を積層方向に貫通する複数の第2のスルーホールとを備える。そして、中心導体の第1の突起部が第1のスルーホールに挿嵌されており、外部導体の複数の第2の突起部のそれぞれが複数の第2のスルーホールに挿嵌されていることで、同軸コネクタが回路基板に挿入実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【特許文献】特開2022-45934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
特許文献1に開示の同軸コネクタでは、外部導体の突起部を増やすのには限界があり、また、突起部を増やすことで、突起部を挿入するために回路基板に設ける複数のスルーホール間の距離が短くなり、実装前の回路基板のスルーホールが破損する可能性がある。また、通信の高周波化が進むにつれ、導体損失を抑制するために、同軸コネクタの中心導体は細くなり、回路基板の伝送線路も細くなる。それに伴い同軸コネクタの外部導体の直径も小さくなるために、外部導体の突起部を挿入するためにスルーホールを基板に複数設けることで、複数のスルーホール間の距離が短くなり、実装前の回路基板のスルーホールが破損する可能性がある。さらに、同軸コネクタの中心導体の先端部分が回路基板の裏側に突出していることによりスタブが形成されるため、信号反射による信号品質の低下を招く可能性がある。
【】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、基板に実装される同軸コネクタを備える基板付きコネクタにおいて、基板の伝送線路と同軸コネクタとの接続部分におけるインピーダンス不整合を低減することができる基板付きコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【】
本発明の態様に係る基板付きコネクタは、伝送線路を有する基板と、基板に実装される同軸コネクタと、を備え、同軸コネクタは、伝送線路に電気的に接続される中心導体と、中心導体の周囲を覆う誘電体と、誘電体の外側を覆う外導体と、を有し、基板には、基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、中心導体及び誘電体は、同軸コネクタの基板との実装面から突出して、貫通孔に挿通される突出部を有する。
【発明の効果】
【】
本発明によれば、基板に実装される同軸コネクタを備える基板付きコネクタにおいて、基板の伝送線路と同軸コネクタとの接続部分におけるインピーダンス不整合を低減することができる基板付きコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】本実施形態に係る基板付きコネクタの一例を示す斜視図である。
【図】基板付きコネクタを基板の裏側から見た要部拡大の斜視図である。
【図】基板に実装される同軸コネクタの要部拡大の斜視図である。
【図】基板付きコネクタを基板の裏側から見た要部拡大の平面図である。
【図】図4のA-A部で切断された基板付きコネクタの概略的な一部断面図である。
【図】図5のB-B部で切断された基板付きコネクタの概略的な断面図である。
【図】図5のC-C部で切断された基板付きコネクタの概略的な断面図である。
【図】基板に設けられた第一貫通孔の要部拡大の斜視図である。
【図】図8のD-D部で切断された基板の概略的な一部断面図である。
【図】変形例に係る中心導体及び誘電体の概略的な一部断面図である。
【図】変形例に係る中心導体及び誘電体の概略的な一部断面図である。
【図】変形例に係る中心導体及び誘電体の概略的な一部断面図である。
【図】他の実施形態に係る基板付きコネクタの概略的な一部断面図である。
【図】他の実施形態に係る基板の概略的な一部断面図である。
【図】更に他の実施形態に係る基板付きコネクタの概略的な一部断面図である。
【図】変形例に係る中心導体及び誘電体を基板の裏側から見た概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、図面を用いて本実施形態に係る基板付きコネクタについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【】
図1は、一実施形態に係る基板付きコネクタ1の斜視図である。図1では、同軸コネクタ2に接続されるハウジング3が仮想線(二点鎖線)で示されている。本実施形態では、一例として、基板4の厚さ方向をZ方向と規定し、Z方向に直交する平面をXY平面と規定する。X方向とY方向とは互いに直交する。以下、基板4の厚さ方向を基準として、Z方向の上流側、すなわち、同軸コネクタ2が基板4に実装される側を「表」と表現し、Z方向の下流側、すなわち、同軸コネクタ2が基板4に実装される側とは反対側を「裏」と表現する場合がある。
【】
図2は、基板付きコネクタ1を基板4の裏側(基板4の実装面40とは反対側の面側)から見た要部拡大の斜視図である。図3は、基板4に実装される同軸コネクタ2の要部拡大の斜視図である。図3では、同軸コネクタ2の基板4との実装面10が仮想線(一点鎖線)で示されている。図4は、基板付きコネクタ1を基板4の裏側から見た要部拡大の平面図である。図5は、図4のA-A部で切断された基板付きコネクタ1の概略的な一部断面図である。図5における断面図は、後述する中心導体11の中心軸を含む仮想面である。図6は、図5のB-B部で切断された基板付きコネクタ1の概略的な断面図である。図7は、図5のC-C部で切断された基板付きコネクタ1の概略的な断面図である。
【】
基板付きコネクタ1は、同軸コネクタ2と、基板4とを備えている。同軸コネクタ2は、基板4の表側にある実装面40に実装されており、基板4は、伝送線路41を有している。基板4に実装された同軸コネクタ2には、ハウジング3が接続されている。
【】
同軸コネクタ2は、基板4の伝送線路41に電気的に接続される中心導体11と、中心導体11の周囲を覆う誘電体21と、誘電体21の外側を覆う外導体31とを有する。
【】
中心導体11は、棒状部材である。本実施形態では、中心導体11は、円柱状に形成されている。中心導体11は、外導体31の内部に配置される導体本体12と、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、後述する第一貫通孔51に挿通される突出部13とを有して構成されている。中心導体11の突出部13の先端は、誘電体21の突出部23の先端と略面一となっており、中心導体11の突出部13が誘電体21の突出部23からは突出してはいないため、スタブ(Stub)は形成されない。
【】
誘電体21は、中心導体11の少なくとも一部を内側に貫通させつつ、中心導体11と同軸状に配置される筒状部材である。本実施形態では、誘電体21は、外導体31の内部に配置される誘電体本体22と、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、第一貫通孔51に挿通される突出部23とを有して構成されている。
【】
外導体31は、基板4の実装面40に配置される外導体本体32と、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、後述する第二貫通孔53に挿通される複数(本実施形態では、4本)の足部33とを有して構成されている。外導体本体32には、少なくとも中心導体11の導体本体12及び誘電体21の誘電体本体22を収容する収容室34が形成されている。本実施形態では、外導体本体32は、直方体状に形成されており、足部33は、角柱状に形成されている。これら足部33は、基板4に形成された第二貫通孔53に挿通されて、基板4の裏面に例えば半田付けされて固定されている。
【】
本実施形態では、中心導体11が、中心導体11の突出部13の先端部(下端部)から伝送線路41へ向けて延在する接続部14をさらに有している。また、誘電体21の突出部23の先端部(下端部)には、中心導体11の接続部14が配置される窪み部24が形成されている。中心導体11の接続部14の外表面は、誘電体21の突出部23の外表面と略面一となっており、接続部14の全体が窪み部24の内部に配置されている。
【】
高周波通信用の同軸コネクタ2の特性インピーダンスは、後述する基板4の伝送線路41の特性インピーダンスと同等の値(本実施形態では、50Ω)になるように設定されている。なお、同軸構造の特性インピーダンスは、一般的な近似式を用いて算出することができる。同軸コネクタ2の特性インピーダンスに影響を及ぼすパラメータを図6に示す。ここで、εrは絶縁体(誘電体21)の比誘電率、Dは外導体31の内径、dは内導体(中心導体11)の外径である。各パラメータは、近似式から求めてもよく、3次元電磁界解析等から求めてもよい。
【】
基板4は、例えば、トップ層42と、中間層43と、ボトム層44とから構成される3層構造のものである。トップ層42と中間層43との間、中間層43とボトム層44との間には、それぞれ絶縁層45が形成又は配置されている。本実施形態では、伝送線路41が、ボトム層44に形成又は配置され、中間層43をGND(グランド)としたコプレーナ線路である。その伝送線路41の特性インピーダンスは、所定の値(例えば、50Ω)となるように設定されている。なお、伝送線路41の特性インピーダンスは、一般的な近似式を用いて算出することができる。
【】
基板4には、基板4を厚さ方向に貫通して、中心導体11及び誘電体21の突出部13,23が挿通される第一貫通孔51が形成されている。つまり、同軸コネクタ2を基板4に接続するために、同軸コネクタ2の誘電体21の突出部23が挿通できる大きさの第一貫通孔51が基板4に形成されている。第一貫通孔51の内面には、一部を除いてメッキ層52が形成されている。つまり、基板4の伝送線路41との接続のための導体である接続部14と、基板4のボトム層44等とを電気的に接続させないようにするため、第一貫通孔51の内面にメッキ層52を一部施さないようにしている。
【】
本実施形態では、第一貫通孔51の大きさ(第一貫通孔51のメッキ層52を含む内径)が重要である。同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出している中心導体11及び誘電体21の突出部13,23の径、そして、同軸構造の外導体としての役割を持つ第一貫通孔51のメッキ層52を含む内径を、特性インピーダンスが50Ωとなるように設定している。
【】
なお、同軸構造の特性インピーダンスは、一般的な近似式を用いて算出することができる。中心導体11及び誘電体21の突出部13,23の特性インピーダンスに影響を及ぼすパラメータを図7に示す。ここで、εrは絶縁体(誘電体21)の比誘電率、Dは外導体(メッキ層52)の内径、dは内導体(中心導体11の突出部13)の外径である。各パラメータは、近似式から求めてもよく、3次元電磁界解析等から求めてもよい。
【】
また、基板4には、基板4を厚さ方向に貫通して、同軸コネクタ2の外導体31に形成された足部33が挿通される第二貫通孔53が複数(本実施形態では、4つ)形成されている。本実施形態では、第二貫通孔53は、円孔状に形成されている。第二貫通孔53には、同軸コネクタ2の外導体31に形成された足部33が挿通されて、その足部33が、基板4の裏面に例えば半田付けされて固定されている。
【】
図8は、基板4に設けられた第一貫通孔51の要部拡大の斜視図である。図9は、図8のD-D部で切断された基板4の概略的な一部断面図である。
【】
基板4の伝送線路41は、前述の通り、特性インピーダンスが50Ωとなるように設定されている。なお、伝送線路41の特性インピーダンスは、一般的な近似式を用いて算出することができる。伝送線路41の特性インピーダンスに影響を及ぼすパラメータを図9に示す。ここで、Wは信号線路(伝送線路41)の幅、Gは信号線路(伝送線路41)とグランド(ボトム層44)との間のギャップ46の幅、hは絶縁体(絶縁層45)の厚さ、tは信号線路(伝送線路41)の厚さ、εrは絶縁体(絶縁層45)の比誘電率である。各パラメータは、近似式から求めてもよく、3次元電磁界解析等から求めてもよい。
【】
ところで、基板4の伝送線路41があるボトム層44において、同軸コネクタ2の中心導体11と基板4の伝送線路41とを電気的に接続する必要がある。その一方で、基板4の伝送線路41との接続のための導体である接続部14と、基板4のボトム層44等とを電気的に接続させないようにする必要がある。そのため、基板4の第一貫通孔51の内面の一部にメッキ層52を施さない、又は一旦形成したメッキ層52の一部を除去するものとする。
【】
図9に第一貫通孔51の断面を示し、図9中のドットのハッチングを付した部分がメッキ層52を形成した箇所である。メッキ層52を施さない部分はメッキ工程の際にマスクを使用して形成してもよく、メッキ工程の後に不要なメッキをレーザー等で除去するようにしてもよい。
【】
次に、同軸コネクタ2の中心導体11と基板4の伝送線路41との接続部分について説明する。
【】
基板4の内部の同軸構造(中心導体11及び誘電体21の突出部13,23)から、基板4の伝送線路41へ、可能な限り特性インピーダンスの乱れなく接続することが重要である。そのため、中心導体11の突出部13から伝送線路41へ段差なく滑らかに接続できるように、伝送線路41と同じ厚み、同じ幅の導体である接続部14を中心導体11の突出部13から伝送線路41の方向へ向けて形成する。この接続部14は、同軸コネクタ2の中心導体11と一体化して成型することが可能である。また、誘電体21にボトム層44の厚みと同じ深さの窪み部24を設け、その窪み部24に金属導体を印刷したり、MID(立体成形基板)で成型したりして、接続部14を形成してもよい。このように接続部14を形成することにより、同軸コネクタ2の誘電体21を基板4の第一貫通孔51へ挿入すると、同軸コネクタ2の中心導体11と基板4の伝送線路41とがメッキ層52を介して電気的に接続されることになる。
【】
第一貫通孔51のメッキ層52は、一般的に15μm~20μm程度の厚みを持つ。そのため、伝送線路41とのより確実な接続のために、伝送線路41との接続のための導体である接続部14の先端に、第一貫通孔51への挿入が可能な程度の微小な突起61を設けてもよい(図10A参照)。また、伝送線路41との接続のための導体である接続部14に、いわゆるポゴピンのように機能するバネ62を持つ突起63を設けてもよい(図10B参照)。さらに、誘電体21に微小なバネ64を設け、このバネ64によって中心導体11を伝送線路41の方向へ押すような構造としてもよい(図10C参照)。
【】
誘電体21は、高周波帯での誘電体損失を抑制するために、例えば、低誘電率の材料である低誘電率の材料としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられる。このPTFEは、低摩擦性に優れているため、誘電体21の突出部23を基板4の第一貫通孔51へ挿入し易くすることが可能である。また、誘電体21と第一貫通孔51との間の隙間は極力減らすのがよく、誘電体21の突出部23と第一貫通孔51の内面との間には隙間が設けられていないことが望ましい。
【】
基板4の実装面40よりも上方の同軸コネクタ2の内部の特性インピーダンスが50Ωであれば、不要な反射を防ぐために、外導体31の内部にある中心導体11の導体本体12の外径と、基板4の内部にある中心導体11の突出部13の外径とを同じとする。また、同様に、特別な理由がない限り、外導体31の内部にある誘電体21の誘電体本体22の外径と、基板4の内部にある誘電体21の突出部23の外径とを同じとする。そして、誘電体21の突出部23の外径と同等の内径の第一貫通孔51を基板4に形成する。
【】
このように、本実施形態の態様に係る基板付きコネクタ1は、伝送線路41を有する基板4と、基板4に実装される同軸コネクタ2とを備える。同軸コネクタ2は、伝送線路41に電気的に接続される中心導体11と、中心導体11の周囲を覆う誘電体21と、誘電体21の外側を覆う外導体31とを有する。基板4には、基板4を厚さ方向に貫通する第一貫通孔51が形成される。中心導体11及び誘電体21は、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、第一貫通孔51に挿通される突出部13,23を有する。
【】
本実施形態では、同軸コネクタ2の中心導体11及び誘電体21が、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出した形状の突出部13,23を有し、これら中心導体11及び誘電体21の突出部13,23が、基板4に形成された第一貫通孔51に挿通される。これにより、同軸コネクタ2の外導体31の内部のみでなく、基板4の内部においても同様に同軸構造を形成して、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、信号品質の低下を抑制することができる。
【】
以上、本実施形態によれば、基板4の伝送線路41と同軸コネクタ2との接続部分におけるインピーダンス不整合を低減することができる基板付きコネクタ1を提供することができる。
【】
また、基板付きコネクタ1において、第一貫通孔51の内面には、メッキ層52が設けられていてもよい。
【】
本実施形態では、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出した中心導体11及び誘電体21の突出部13,23が挿入される第一貫通孔51の内面に、メッキ層52が形成される。これにより、同軸コネクタ2の外導体31の内部のみでなく、基板4の内部においても同様に同軸構造を形成して、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、信号品質の低下を抑制することができる。
【】
また、基板付きコネクタ1において、中心導体11は、中心導体11の突出部13の先端部から伝送線路41へ向けて延在する接続部14を有していてもよい。誘電体21の突出部23の先端部には、接続部14が配置される窪み部24が形成されていてもよい。
【】
本実施形態では、伝送線路41を多層基板である基板4のグランド(ボトム層44)に配置して、その伝送線路41を同軸コネクタ2の中心導体11に接続部14を介して電気的に接続することが可能である。
【】
また、基板付きコネクタ1において、誘電体21は、低摩擦性を有する材料から構成されていてもよい。
【】
本実施形態では、誘電体21が低摩擦性に優れているため、誘電体21の突出部23を基板4の第一貫通孔51へ挿入し易くすることが可能である。
【】
また、基板付きコネクタ1において、誘電体21の突出部23と第一貫通孔51の内面との間には、隙間が設けられていなくてもよい。
【】
誘電体21と第一貫通孔51との間の隙間は極力減らすのがよく、誘電体21の突出部23と第一貫通孔51の内面との間には隙間が設けられていないことが望ましい。これにより、同軸コネクタ2の外導体31の内部のみでなく、基板4の内部においても同様に同軸構造を形成して、特性インピーダンスの不整合を抑制することができ、信号品質の低下を抑制することができる。
【】
さらに、基板付きコネクタ1において、基板4には、基板4を厚さ方向に貫通する第二貫通孔53が形成されていてもよい。外導体31は、同軸コネクタ2の基板4との実装面10から突出して、第二貫通孔53に挿通される足部33を有していてもよい。
【】
同軸コネクタ2の外導体31に固定用の足部33を設けることにより、足部33を基板4に形成された第二貫通孔53に挿通して、基板4の裏面に例えば半田付けして固定することが可能である。
【】
[他の実施形態]
以下、他の実施形態に係る基板付きコネクタについて説明する。
【】
前述の実施形態に係る基板付きコネクタ1では、基板4は3層基板から構成されているが、これに限定はされない。基板付きコネクタにおける基板は、例えば、両面基板であってもよく、多層基板であってもよい。
【】
図11、図12に示す基板付きコネクタ1Aのように、基板4Aの内層(中間層43)に伝送線路41を配置し、その伝送線路41に同軸コネクタ2の中心導体11を電気的に接続することが可能である。その場合でも、信号品質を悪化させるスタブは形成されない。なお、基板付きコネクタ1Aでは、基板4Aは5層基板から構成されている。
【】
また、図13に示す基板付きコネクタ1Bのように、基板4に挿入する誘電体21にバネ71を形成して、基板4に対して固定する機能を誘電体21に持たせることも可能である。この際には、基板4に対して固定するための足部33をなくすことが可能になる。さらに、図14に示すように、誘電体21にスリット72を数か所形成して、誘電体21がバネ性を有するようにしてもよい。ただし、誘電体21の形状は特性インピーダンスに影響を及ぼすため、信号への影響が許容される範囲内で誘電体21の形状を設計することが望ましい。
【】
また、同軸コネクタの特性インピーダンス、並びに基板の伝送線路の特性インピーダンスは、50Ωには限定されない。同軸コネクタの特性インピーダンス、並びに基板の伝送線路の特性インピーダンスは、75Ωであってもよく、その他の任意の値であってもよい。
【】
さらに、基板に形成する伝送線路は、グランド付きのコプレーナ線路には限定されない。基板に形成する伝送線路は、例えば、ストリップ線路であってもよく、マイクロストリップ線路であってもよい。
【】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【】
1 基板付きコネクタ
2 同軸コネクタ
4 基板
10 実装面
11 中心導体
13 突出部
14 接続部
21 誘電体
23 突出部
24 窪み部
31 外導体
33 足部
41 伝送線路
51 第一貫通孔
52 メッキ層
53 第二貫通孔
【図】
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