(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026017828
(43)【公開日】2026-02-05
(54)【発明の名称】モノフルオロスルホニル化剤組成物、モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法、及び、新規化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 233/92 20060101AFI20260129BHJP
C07C 303/24 20060101ALI20260129BHJP
C07C 305/26 20060101ALI20260129BHJP
C07D 233/68 20060101ALI20260129BHJP
C07D 233/64 20060101ALI20260129BHJP
C07D 233/90 20060101ALI20260129BHJP
C07D 235/06 20060101ALI20260129BHJP
C07D 231/56 20060101ALI20260129BHJP
【FI】
C07D233/92
C07C303/24
C07C305/26
C07D233/68
C07D233/64
C07D233/90 Z
C07D235/06
C07D231/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024118833
(22)【出願日】2024-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】517363366
【氏名又は名称】学校法人神戸薬科大学
(71)【出願人】
【識別番号】000002200
【氏名又は名称】セントラル硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】波多野 学
(72)【発明者】
【氏名】平田 翼
(72)【発明者】
【氏名】秋山 勝宏
(72)【発明者】
【氏名】木村 高岳
(72)【発明者】
【氏名】富田 廉
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フェノール性水酸基等の官能基を含む基質をモノフルオロスルホニル化できるモノフルオロスルホニル化剤組成物、これを用いたモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物を含むモノフルオロスルホニル化剤組成物である。
[式中、X
1、X
2、Y
1及びY
2は窒素原子又はCRであり、nは1~3であり、Rのうち1個以上はEWGで表される電子求引基である。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物を含む、
モノフルオロスルホニル化剤組成物。
【化1】
一般式(1)中、X
1は、窒素原子又はC(R
1)であり、X
2は、窒素原子又はC(R
2)であり、Y
1は、窒素原子又はC(R
3)であり、Y
2は、窒素原子又はC(R
4)であり、
R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R
1~R
4の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R
5を有していてもよく、
nは1~3の整数であり、
R
1が複数存在する場合のR
1は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R
2が複数存在する場合のR
2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R
5が複数存在する場合のR
5は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R
1~R
5の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちp個は、EWGで表される電子求引基であり、pは1以上の整数である。
【請求項2】
下記一般式(2a):
【化2】
(一般式(2a)中、X
11は、窒素原子又はC(R
11)であり、X
12は、窒素原子又はC(R
12)であり、Y
11は、窒素原子又はC(R
13)であり、Y
12は、窒素原子又はC(R
14)であり、
R
11~R
14は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、
R
11~R
14の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちq個は、EWGで表される電子求引基であり、qは1~4の整数である。)で表される化合物及び/又は下記一般式(2b):
【化3】
(一般式(2b)中、X
21は、窒素原子又はC(R
21)であり、X
22は、窒素原子又はC(R
22)であり、X
23は、窒素原子又はC(R
23)であり、X
24は、窒素原子又はC(R
24)であり、Y
21は、窒素原子又はC(R
25)であり、Y
22は、窒素原子又はC(R
26)であり、
R
21~R
26は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R
21~R
26の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R
27を有していてもよく、
R
27が複数存在する場合のR
27は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R
21~R
27の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちr個は、EWGで表される電子求引基であり、rは1以上の整数である。)で表される化合物を含む、
モノフルオロスルホニル化剤組成物。
【請求項3】
前記一般式(2a)中、X11がC(R11)であり、X12がC(R12)であり、Y11がC(R13)であり、Y12が窒素原子であり、R11、R12が、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、EWGで表される電子求引基であり、R11、R12の少なくとも一方が、EWGで表される電子求引基であり、R13が、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又は、イソプロピル基であり、
前記一般式(2b)中、X21は、C(R21)であり、X22は、C(R22)であり、X23は、C(R23)であり、X24は、C(R24)であり、Y21は、窒素原子又はC(R25)であり、Y22は、窒素原子又はC(R26)であり、Y21、Y22の少なくとも一方が窒素原子であり、R22、R23の一方がEWGで表される電子求引基であり、他方が水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基であり、R21、R24、R25、R26が、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基である請求項2に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物。
【請求項4】
前記電子求引基は、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、アルキルカルボニルオキシ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、又は、アルコキシカルボニル基である請求項1~3のいずれか1項に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物を、
一般式(3):
Ar-OH (3)
(一般式(3)中、Arは芳香環基又は置換芳香環基を表す。)
で表される芳香族ヒドロキシル化合物と反応させる、
モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法。
【請求項6】
非求核性強塩基の存在下で前記モノフルオロスルホニル化剤組成物を前記芳香族ヒドロキシル化合物と反応させる
請求項5に記載のモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法。
【請求項7】
下記一般式(4a)~(4d)のいずれかで表される化合物。
【化4】
一般式(4a)中、Rは、炭素数1~8のアルキル基を表す。NO
2基は、環上の、Rが結合していない炭素原子に結合している。一般式(4d)中、NO
2基は、六員環上の、窒素原子が結合していない炭素原子に結合している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フェノール性水酸基等の官能基を含む基質をモノフルオロスルホニル化できるモノフルオロスルホニル化剤組成物、これを用いたモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法、及び、新規化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モノフルオロスルホニル基(FSO2-)はカップリング反応やコバレントボンドドラッグ等に利用される有用な官能基である。
フェノール性水酸基のモノフルオロスルホニル化は、医薬品や素材開発における重要な反応である。例えば、SharplessらがFSO2-イミダゾリウム-トリフラート塩を用いたフェノールのモノフルオロスルホニル化(FSO2化)反応を報告している(非特許文献1)。同様の内容について、中国化学院上海机科学研究所が特許出願を行っている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】T.Guo,G.Meng,X.Zhan,Q.Yang,T.Ma,L.Xu,K.B.Sharpless,J.Don,Angew.Chem.Int.Ed.,2018,57,2605-2610.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1、非特許文献1記載の手法では、FSO2-イミダゾリウム-トリフラート塩を合成するために、アゾール類のモノフルオロスルホニル化反応とメチルトリフラート塩にする反応の計2段階の反応が必要である点、2段階目の反応では発煙性のあるメチルトリフラート(MeOTf)を使用する点が課題であった。
またモノフルオロスルホニル化試薬について、その経済性や副生成物削減等の観点から、さらなる検討の余地が残されていた。
【0006】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものである。本開示では、簡便に製造できるモノフルオロスルホニル化剤組成物であって、副生成物の生成を抑制しながら、フェノール性水酸基等の官能基を有する基質を収率よくモノフルオロスルホニル化することができるモノフルオロスルホニル化剤組成物を提供することを課題とする。また、上記モノフルオロスルホニル化剤組成物を用いた、モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討を行った。その結果、本開示の、アゾール類のモノフルオロスルホニル化反応のみの1段階反応で簡便に製造できるフリー体であるモノフルオロスルホニル化剤を含むモノフルオロスルホニル化剤組成物により、副生成物の生成を抑制しながら、フェノール性水酸基等の官能基を有する基質を収率よくモノフルオロスルホニル化できることを見出した。
【0008】
すなわち、本開示は、以下の[1]-[7]に記載する発明を提供する。
【0009】
[1]
下記一般式(1)で表される化合物を含む、
モノフルオロスルホニル化剤組成物。
【化1】
一般式(1)中、X
1は、窒素原子又はC(R
1)であり、X
2は、窒素原子又はC(R
2)であり、Y
1は、窒素原子又はC(R
3)であり、Y
2は、窒素原子又はC(R
4)であり、
R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R
1~R
4の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R
5を有していてもよく、
nは1~3の整数であり、
R
1が複数存在する場合のR
1は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R
2が複数存在する場合のR
2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R
5が複数存在する場合のR
5は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R
1~R
5の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちp個は、EWGで表される電子求引基であり、pは1以上の整数である。
【0010】
[2]
下記一般式(2a):
【化2】
(一般式(2a)中、X
11は、窒素原子又はC(R
11)であり、X
12は、窒素原子又はC(R
12)であり、Y
11は、窒素原子又はC(R
13)であり、Y
12は、窒素原子又はC(R
14)であり、
R
11~R
14は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、
R
11~R
14の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちq個は、EWGで表される電子求引基であり、qは1~4の整数である。)で表される化合物及び/又は下記一般式(2b):
【化3】
(一般式(2b)中、X
21は、窒素原子又はC(R
21)であり、X
22は、窒素原子又はC(R
22)であり、X
23は、窒素原子又はC(R
23)であり、X
24は、窒素原子又はC(R
24)であり、Y
21は、窒素原子又はC(R
25)であり、Y
22は、窒素原子又はC(R
26)であり、
R
21~R
26は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R
21~R
26の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R
27を有していてもよく、
R
27が複数存在する場合のR
27は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R
21~R
27の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちr個は、EWGで表される電子求引基であり、rは1以上の整数である。)で表される化合物を含む、
モノフルオロスルホニル化剤組成物。
【0011】
[3]
前記一般式(2a)中、X11がC(R11)であり、X12がC(R12)であり、Y11がC(R13)であり、Y12が窒素原子であり、R11、R12が、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、EWGで表される電子求引基であり、R11、R12の少なくとも一方が、EWGで表される電子求引基であり、R13が、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又は、イソプロピル基であり、
前記一般式(2b)中、X21は、C(R21)であり、X22は、C(R22)であり、X23は、C(R23)であり、X24は、C(R24)であり、Y21は、窒素原子又はC(R25)であり、Y22は、窒素原子又はC(R26)であり、Y21、Y22の少なくとも一方が窒素原子であり、R22、R23の一方がEWGで表される電子求引基であり、他方が水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基であり、R21、R24、R25、R26が、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基である[2]に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物。
【0012】
[4]
前記電子求引基は、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、アルキルカルボニルオキシ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、又は、アルコキシカルボニル基である[1]~[3]のいずれか1項に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物。
【0013】
[5]
[1]~[4]のいずれか1項に記載のモノフルオロスルホニル化剤組成物を、
一般式(3):
Ar-OH (3)
(一般式(3)中、Arは芳香環基又は置換芳香環基を表す。)
で表される芳香族ヒドロキシル化合物と反応させる、
モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法。
【0014】
[6]
非求核性強塩基の存在下で前記モノフルオロスルホニル化剤組成物を前記芳香族ヒドロキシル化合物と反応させる[5]に記載のモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法。
【0015】
[7]
下記一般式(4a)~(4d)のいずれかで表される化合物。
【化4】
一般式(4a)中、Rは、炭素数1~8のアルキル基を表す。NO
2基は、環上の、Rが結合していない炭素原子に結合している。一般式(4d)中、NO
2基は、六員環上の、窒素原子が結合していない炭素原子に結合している。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、アゾール類のモノフルオロスルホニル化反応のみの1段階反応で簡便に製造できるフリー体を用いて、副生成物の生成を抑制しながら、フェノール性水酸基等の官能基を有する基質を収率よくモノフルオロスルホニル化することができるモノフルオロスルホニル化剤組成物を提供することができる。また、上記モノフルオロスルホニル化剤組成物を用いたモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供することができる。更に、上記フリー体に該当する新規な化合物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示において、副生成物の生成が抑制され、収率に優れるが、その理由は以下のように推測される。本開示では、モノフルオロスルホニル化剤組成物として、電子求引基を有するアゾール類由来の化合物を使用することにより、当該化合物からアゾールが脱離し易く、目的物であるモノフルオロスルホニルオキシ化合物が得られやすい。
【0018】
以下、本開示を詳細に説明する。以下、本開示の実施態様について説明するが、本開示は以下の実施の態様に限定されるものではなく、本開示の趣旨を損なわない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜実施することができる。
【0019】
<モノフルオロスルホニル化剤組成物>
(モノフルオロスルホニル化剤)
本開示のモノフルオロスルホニル化剤組成物(以下、本開示の組成物ともいう)は、モノフルオロスルホニル化剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
【0020】
【0021】
一般式(1)中、X1は、窒素原子又はC(R1)であり、X2は、窒素原子又はC(R2)であり、Y1は、窒素原子又はC(R3)であり、Y2は、窒素原子又はC(R4)であり、
R1~R4は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R1~R4の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R5を有していてもよく、
nは1~3の整数であり、
R1が複数存在する場合のR1は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R2が複数存在する場合のR2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、R5が複数存在する場合のR5は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R1~R5の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちp個は、EWGで表される電子求引基であり、pは1以上の整数である。
【0022】
EWGで表される電子求引基とは、I効果(誘起効果(inductive effect))による、イミダゾール部位の電子密度を低下させる性質を有する基のことである。
EWGで表される電子求引基としては、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、アルキルカルボニルオキシ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基から選択される基が好適なものとして挙げられる。目的物の収率をより高いものとする観点からは、電子求引基は、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基から選択される基がより好ましく、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基から選択される基が更に好ましく、ニトロ基、ハロゲン原子から選択される基が特に好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル基におけるアルキル基の炭素数は、1~8が好ましく、1~3がより好ましく、1が更に好ましい。アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基の炭素数は、1~8が好ましく、1~3がより好ましく、1が更に好ましい。
【0023】
pは、一般式(1)で表される化合物が有する、EWGで表される電子求引基の数を表し、1以上の整数である。pは、1~5の整数であることが好ましく、1~3の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましい。
例えば、R1、R2のいずれか1個又はそれぞれ1個ずつが電子求引基であること、又は、R5の1個が電子求引基であることが特に好ましい。
【0024】
一般式(1)中、X1、X2、Y1、Y2のうち、通常は0~3個が窒素原子であり、0~2個が窒素原子であることが好ましく、1個又は2個が窒素原子であることがより好ましく、1個が窒素原子であることが更に好ましい。
例えば、X1は、C(R1)であり、X2は、C(R2)であることが好ましい。また、Y1、Y2の一方又は両方が、窒素原子であることが好ましい。言い換えれば、Y1が窒素原子であり、Y2がC(R4)であるか、Y1がC(R3)であり、Y2が窒素原子であるか、Y1及びY2がそれぞれ窒素原子であることが好ましい。中でも、Y1、Y2の一方が、窒素原子であることがより好ましい。
【0025】
R1~R4における1価の置換基は、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基、又は、電子求引基であることが好ましい。
【0026】
炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数2~6の直鎖状のアルケニル基、及び炭素数2~6の直鎖状のアルキニル基が挙げられ、中でも炭素数1~6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
炭素数1~6の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
【0027】
炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基としては、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルケニル基、及び炭素数3~6の分枝状のアルキニル基が挙げられ、中でも炭素数3~6の分枝状のアルキル基が好ましい。
炭素数3~6の分枝状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0028】
炭素数6~14の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
炭素数4~9の芳香族複素環基としては、ピロール基、ピラジン基、ピリミジン基、ピリダジン基等が挙げられる。
【0029】
R1~R4における1価の置換基は、中でも、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、又は、電子求引基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、電子求引基であることがより好ましい。
【0030】
R1~R4の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成してもよい。R1~R4の隣り合う2個としては、R1とR2の隣り合う2個、R2とR4の隣り合う2個、R3とR4の隣り合う2個が挙げられる。R1~R4の隣り合う2個が結合して形成される環は、特に限定されないが、例えば、炭素数6~14の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環)又は炭素数4~9の芳香族複素環(例えば、ピロール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環)が挙げられる。上記環は、アルキル基等の置換基R5を有していてもよく、置換基の炭素数は上記の環の炭素数に含めない。
【0031】
R5は、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、又は、電子求引基であることが好ましい。
【0032】
炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基としては、それぞれ、R1~R4における1価の置換基としての炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基に記載の例が挙げられる。
【0033】
R5は、中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、電子求引基であることが好ましい。
【0034】
例えば、R1とR2の隣り合う2個が結合して環を形成することが好ましい。R1とR2の隣り合う2個が結合して形成される環は、特に限定されないが、例えば、置換基R5を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環)であることが好ましく、置換基R5を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)であることがより好ましく、置換基R5を有していてもよいベンゼン環であることが更に好ましい。
【0035】
一般式(1)中、nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
【0036】
本開示の組成物は、モノフルオロスルホニル化剤として、下記一般式(2a):
【化6】
(一般式(2a)中、X
11は、窒素原子又はC(R
11)であり、X
12は、窒素原子又はC(R
12)であり、Y
11は、窒素原子又はC(R
13)であり、Y
12は、窒素原子又はC(R
14)であり、
R
11~R
14は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、
R
11~R
14の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちq個は、EWGで表される電子求引基であり、qは1~4の整数である。)で表される化合物及び/又は下記一般式(2b):
【化7】
(一般式(2b)中、X
21は、窒素原子又はC(R
21)であり、X
22は、窒素原子又はC(R
22)であり、X
23は、窒素原子又はC(R
23)であり、X
24は、窒素原子又はC(R
24)であり、Y
21は、窒素原子又はC(R
25)であり、Y
22は、窒素原子又はC(R
26)であり、
R
21~R
26は、それぞれ独立に、水素原子又は1価若しくは2価の置換基であり、
R
21~R
26の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成していてもよく、該環は1価の置換基R
27を有していてもよく、
R
27が複数存在する場合のR
27は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、
R
21~R
27の少なくとも1つが1価の置換基として存在し、1価の置換基のうちr個は、EWGで表される電子求引基であり、rは1以上の整数である。)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0037】
一般式(2a)、(2b)中、EWGで表される電子求引基は、一般式(1)で上述した電子求引基と同様である。
【0038】
一般式(2a)中、qは、一般式(2a)で表される化合物が有する、EWGで表される電子求引基の数を表し、1~4の整数である。qは、1~3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
例えば、R11、R12のいずれか又はそれぞれが電子求引基であることが更に好ましい。
【0039】
一般式(2a)中、X11、X12、Y11、Y12のうち、通常は0~3個が窒素原子であり、0~2個が窒素原子であることが好ましく、1個又は2個が窒素原子であることがより好ましく、1個が窒素原子であることが更に好ましい。
例えば、X11は、C(R11)であり、X12は、C(R12)であることが好ましい。また、Y11、Y12の一方又は両方が、窒素原子であることが好ましい。言い換えれば、Y11が窒素原子であり、Y12がC(R14)であるか、Y11がC(R13)であり、Y12が窒素原子であるか、Y11及びY12がそれぞれ窒素原子であることが好ましい。中でも、Y11、Y12の一方が、窒素原子であることがより好ましく、Y11がC(R13)であり、Y12が窒素原子であることが更に好ましい。
【0040】
また例えば、X11は、C(R11)であり、R11は、水素原子であり、X12は、C(R12)であり、R12は、EWGで表される電子求引基であるニトロ基であり、Y11がC(R13)であり、R13は、水素原子であり、Y12が窒素原子であり、qは1であることが好ましい。この化合物は、4-ニトロイミダゾールのモノフルオロスルホニル化反応により得られる化合物であり、本明細書中、4-ニトロイミダゾールSO2Fともいう。
これにより、副生成物の生成が抑制され、収率に優れる効果が顕著になるが、その理由は以下のように推測される。当該化合物から脱離したアゾールは、極性官能基であるニトロ基を有するため、反応液中で溶解度が低く、析出する結果、目的物のモノフルオロスルホニル基と反応しにくく、副生成物の生成を抑えることができる。
【0041】
R11~R14における1価の置換基は、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基、又は、電子求引基であることが好ましい。
炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基は、それぞれ、一般式(1)において上述した炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基と同様である。
【0042】
R11~R14における1価の置換基は、中でも、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、又は、電子求引基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、電子求引基であることがより好ましい。
【0043】
以下に一般式(2a)で表される化合物が有する好ましいアゾール骨格を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0044】
【0045】
一般式(2a-2)中、Rは、一般式(2a)におけるR13と同様である。
中でも、一般式(2a)で表される化合物が、一般式(2a-1)で表されるアゾール骨格又は一般式(2a-2)で表されるアゾール骨格を有することが好ましい。
【0046】
一般式(2b)中、rは、一般式(2b)で表される化合物が有する、EWGで表される電子求引基の数を表し、1以上の整数であり、1~5の整数であることが好ましく、1~3の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1であることが一層好ましい。
例えば、R22、R23のいずれかが電子求引基であることが特に好ましい。
【0047】
一般式(2b)中、X21、X22、X23、X24、Y21、Y22のうち、通常は0~5個が窒素原子であり、0~3個が窒素原子であることが好ましく、0~2個が窒素原子であることがより好ましく、1個又は2個が窒素原子であることが更に好ましく、1個が窒素原子であることが一層好ましい。
例えば、X21は、C(R21)であり、X22は、C(R22)であり、X23は、C(R23)であり、X24は、C(R24)であることが好ましい。また、Y21、Y22の一方又は両方が、窒素原子であることが好ましい。言い換えれば、Y21が窒素原子であり、Y22がC(R26)であるか、Y21がC(R25)であり、Y22が窒素原子であるか、Y21及びY22がそれぞれ窒素原子であることが好ましい。中でも、Y21、Y22の一方が、窒素原子であることがより好ましく、Y21が窒素原子であり、Y22がC(R26)であることが更に好ましい。
【0048】
R21~R26における1価の置換基は、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基、又は、電子求引基であることが好ましい。
炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基は、それぞれ、一般式(1)において上述した炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基と同様である。
【0049】
R21~R26における1価の置換基は、中でも、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、又は、電子求引基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、電子求引基であることがより好ましい。
【0050】
R21~R26の隣り合う2個が2価の置換基であり、これらが互いに結合して環を形成してもよい。R21~R26の隣り合う2個としては、R21とR22の隣り合う2個、R22とR23の隣り合う2個、R23とR24の隣り合う2個、R25とR26の隣り合う2個が挙げられる。R21~R26の隣り合う2個が結合して形成される環は、特に限定されないが、例えば、炭素数6~14の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環)又は炭素数4~9の芳香族複素環(例えば、ピロール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環)が挙げられる。上記環は、アルキル基等の置換基R27を有していてもよく、置換基の炭素数は上記の環の炭素数に含めない。
【0051】
R27は、炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基、又は、電子求引基であることが好ましい。
【0052】
炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基としては、それぞれ、一般式(1)において上述した炭素数1~6の直鎖状のアルキル基、炭素数3~6の分枝状のアルキル基に記載の例が挙げられる。
【0053】
R27は、中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又は、電子求引基であることが好ましい。
【0054】
R21~R26は、水素原子又は1価の置換基であることが好ましい。
【0055】
以下に一般式(2b)で表される化合物が有する好ましいアゾール骨格を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0056】
【0057】
一般式(2b-1)~(2b-3)中、Rは、一般式(2b)におけるR21~R24における水素原子又は1価の置換基と同様である。
中でも、一般式(2b)で表される化合物が、一般式(2b-2)で表されるアゾール骨格を有することが好ましい。
【0058】
目的物の収率をより高いものとする観点からは、本開示の組成物は、上記一般式(2a)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0059】
上述の一般式(1)で表される化合物(好ましくは、上述の一般式(2a)で表される化合物及び/又は一般式(2b)で表される化合物。以下同様。)は、下記反応式で表されるアゾール類のモノフルオロスルホニル化反応により1段階で簡便に製造できる。
【0060】
【0061】
モノフルオロスルホニル化反応は、塩基の存在下でおこなうことが好ましい。塩基としては、例えば炭酸ナトリウム等の無機塩基が好適なものとして挙げられる。また、モノフルオロスルホニル化反応は、反応溶媒を用いて行うことが好ましい。反応溶媒としては、特に限定されないが、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、アセトニトリル、アセトンがより好ましい。
【0062】
フッ化スルフリル(SO2F2)の使用量としては、特に制限は無いが、一般式(1a)で表される原料化合物1モルに対して1~20モルが好ましく、1.1~5モルがより好ましい。
【0063】
塩基の使用量としては、特に制限は無いが、一般式(1a)で表される原料化合物1モルに対して1~20モルが好ましく、1.5~5モルがより好ましい。
【0064】
モノフルオロスルホニル化反応の反応時間は、例えば10分~80時間とすることができ、3~24時間が好ましい。
【0065】
上述の一般式(1)で表される化合物を含むモノフルオロスルホニル化剤組成物を用いることにより、フェノール性水酸基等を有する基質をモノフルオロスルホニル化することが可能となる。本開示の好ましい態様の1つとして、上述の一般式(1)で表される化合物と、塩基と、を含むモノフルオロスルホニル化剤組成物が挙げられる。塩基は、非求核性強塩基であることが好ましい。
【0066】
特定の塩基を更に含むモノフルオロスルホニル化剤組成物(以下、モノフルオロスルホニル化剤組成物、又は単に組成物ともいう)により、副生成物の生成を抑制しながら、フェノール性水酸基に対して選択的にモノフルオロスルホニル化できる。また、モノフルオロスルホニル化剤組成物が特定の塩基を含むことにより、再現性よく収率に優れる、モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供することができる。
【0067】
なお、本明細書において、モノフルオロスルホニル化剤がフェノール性水酸基に対して「選択的に反応する」とは、フェノール性水酸基に対して優先的にモノフルオロスルホニル化反応が進行することを意味する。
本開示の組成物は、一般式(1)で表される化合物を含む。一般式(1)で表される化合物は2種類以上を組み合わせてもよい。
組成物の全質量に対し、一般式(1)で表される化合物が80%以上含まれることが好ましく、90%以上含まれることがより好ましい。
【0068】
(塩基)
本開示のモノフルオロスルホニル化剤組成物は、塩基を含んでいてもよい。塩基は、無機塩基であってもよく、有機塩基であってもよい。
無機塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシドおよびカリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドが挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn-プロピルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、後述する非求核性強塩基の具体例等が挙げられる。
中でも、塩基としては、非求核性強塩基が好ましい。
なお、塩基は2種類以上を組み合わせてもよい。
【0069】
本明細書において、非求核性強塩基とは、立体的な障害により窒素原子上の孤立電子対の求核性が弱く、且つ、塩基性度(非求核性強塩基のプロトン付加体のpKaH)が後述する好ましい数値範囲内の塩基を意味する。
【0070】
非求核性強塩基としては、下記一般式(A)で表される化合物であることが好ましい。
【化11】
(一般式(A)中、R
100~R
102は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、又は炭素数4~9の芳香族複素環基であり、R
103は、水素原子、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基、又はNR
104R
105であり、R
104、R
105は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、又は炭素数4~9の芳香族複素環基であり、R
100とR
101は結合して環を形成していてもよく、R
102とR
103は結合して環を形成していてもよい。)
【0071】
R100~R105の炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の分枝状の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数4~9の芳香族複素環基は、前記一般式(1)で説明したものと同様である。
【0072】
R100~R102としては、水素原子、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1~3の直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、水素原子、炭素数1~2の直鎖状の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。また、R103は、NR104R105であることが好ましく、当該R104、R105は、水素原子、炭素数1~6の直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1~3の直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、水素原子、炭素数1~2の直鎖状の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。なお、直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキル基が好ましい。
【0073】
より好適な態様としては、R
100とR
101が結合して環を形成、又はR
102とR
103が結合して環を形成していることが好ましく、R
100とR
101が結合して環を形成、及びR
102とR
103が結合して環を形成していることがより好ましい。R
100とR
101が結合して環を形成、及びR
102とR
103が結合して環を形成している場合、前記一般式(A)で表される化合物は、下記一般式(A-1)で表される化合物となる。
【化12】
(一般式(A-1)中、R
106、R
107は、それぞれ独立に、2価の基である。)
【0074】
R100とR101が結合して形成される基(R106)、R102とR103が結合して形成される基(R107)は、2価の基であれば特に限定されないが、例えば、ヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は、好ましくは2~15、より好ましくは3~10、更に好ましくは3~6である。
【0075】
前記炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等が挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。
【0076】
アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。なかでも、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基が好ましい。
【0077】
アルケニレン基としては、例えば、1-プロペニレン基、2-プロペニレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、1-ペンテニレン基、2-ペンテニレン基、1-ヘキセニレン基、2-ヘキセニレン基、1-オクテニレン基等が挙げられる。
【0078】
アルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等が挙げられる。
【0079】
前記炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでもよいがヘテロ原子を含まないことが好ましい。なお、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ケイ素原子等が挙げられる。
【0080】
前記一般式(A-1)で表される化合物について、R106、R107の説明を行ったが、前記一般式(A)で表される化合物において、R100とR101が結合して環を形成、又はR102とR103が結合して環を形成している場合、すなわち、形成される環が1個の場合についても、R106、R107は、好ましい態様も含めて、前記一般式(A-1)で表される化合物の場合と同様である。
【0081】
前記一般式(A)で表される化合物としては、特に限定されないが、後述する炭素数が4以上である複素環基を有する化合物の他、例えば、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、1,1,3,3-テトラエチルグアニジン、1,1,3,3-テトラプロピルグアニジン、1,1,3-トリメチルグアニジン、1,3,3-トリメチルグアニジン、1,1,3-トリエチルグアニジン、1,3,3-トリエチルグアニジン、1,1,3-トリプロピルグアニジン、1,3,3-トリプロピルグアニジン等が挙げられる。
【0082】
非求核性強塩基としては、有機塩基であることが好ましく、複素環基含有有機塩基であることがより好ましく、炭素数が4以上である複素環基を有する化合物であることが更に好ましく、窒素原子を有し炭素数が4以上である複素環基を有する化合物が特に好ましい。
具体的には、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、ピリジン、2,3-ルチジン、2,4-ルチジン、2,5-ルチジン、2,6-ルチジン、3,4-ルチジン、3,5-ルチジン、2,3,4-コリジン、2,4,5-コリジン、2,5,6-コリジン、2,4,6-コリジン、3,4,5-コリジン、及び3,5,6-コリジン等が挙げられる。
【0083】
前記複素環基含有有機塩基を用いることにより、より好適に再現性よく収率に優れる、モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供することができる傾向がある。
【0084】
非求核性強塩基の塩基性度が高い方が、より好適に再現性よく収率に優れる傾向があるため、非求核性強塩基のプロトン付加体のpKaHは、好ましくは9.0以上、より好ましくは10.0以上、更に好ましくは11.0以上、特に好ましくは12.0以上、最も好ましくは13.0以上であり、上限は特に限定されないが、例えば、37以下である。
なお、非求核性強塩基の塩基性度が高い方が、より好適に再現性よく収率に優れる傾向がある理由は、以下のように推測される。塩基性度の高い非求核性強塩基の存在により、酸性度の高い一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物が有する水酸基が脱プロトン化されたフェノキシドイオンが生じて共存しやすくなり、この際、一般式(1)で表される化合物の反応性は比較的低いため、系中に存在する最も求核性の高いフェノキシドイオンによって優先的に反応が進行する。一方、一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物がアミノ基を有する場合には、アミノ基は脱プロトンされず、アミノ基のまま存在し、反応性が比較的低い一般式(1)で表される化合物とは反応できない。このように、塩基性度の高い非求核性強塩基の存在による、一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物が有する水酸基の選択的な脱プロトン化によるフェノキシドイオンの生成により、結果として、水酸基において選択的に反応が進行するためと推測される。
本明細書において、非求核性強塩基のプロトン付加体のpKaHは、非求核性強塩基をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、25℃で測定される。
【0085】
非求核性強塩基は、25℃で液状であることが好ましい。25℃で液状である非求核性強塩基(好ましくは非求核性強有機塩基)を使用することにより、より好適に再現性よく収率に優れる、モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法を提供することができる傾向がある。
なお、本明細書において、25℃で液状とは、25℃において、流動性を有するもので、クリーム状やペースト状のものも含まれる。
【0086】
非求核性強塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)(pKaH=13.9)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)(pKaH=13.4)、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)(pKaH=13.6)、2-tert-ブチル-1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(TBD)(pKaH=15.3)、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(MTBD)(pKaH=14.8)、イミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(pKaH=16.4)、ホスファゼン塩基P1-t-Bu(pKaH=15.7)、ホスファゼン塩基P2-t-Bu、ホスファゼン塩基P4-t-Bu(pKaH=30.25)、及びリチウムジイソプロピルアミド(LDA)(pKaH=36、THF)からなる群より選ばれるいずれかであることが好ましい。
中でも、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)(pKaH=13.9)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)(pKaH=13.4)、又は1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)(pKaH=13.6)が好ましく、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)(pKaH=13.9)が特に好ましい。これらの塩基は単独又は組み合わせて使用することができる。
【0087】
本開示の効果がより好適に得られるという理由から、本開示のモノフルオロスルホニル化剤組成物において、塩基100モル%中、非求核性強塩基の合計含有率は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
【0088】
塩基の使用量としては、特に制限は無いが、後述の被モノフルオロスルホニル化合物1モルに対して通常は0.01~30モルが好ましく、0.01~25モルがより好ましく、1~20モルが更に好ましい。なお、後述するように、特定の条件下では、塩基の使用量を触媒量とすることが好ましい場合がある。
【0089】
また、本開示の組成物は、更に溶媒を含んでいても良い。
溶媒としては、上記一般式(1)で表される化合物、上記塩基を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、後述のモノフルオロスルホニル化の反応溶媒を挙げることができる。
【0090】
<モノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法>
本開示の組成物を用いたモノフルオロスルホニルオキシ化合物の製造方法(以下、製造方法ともいう)は、上述のモノフルオロスルホニル化剤組成物を、下記一般式(3)で表される化合物と反応させる工程を含む。
【0091】
(被モノフルオロスルホニル化合物)
前記のモノフルオロスルホニル化剤組成物でモノフルオロスルホニル化される化合物(以下、被モノフルオロスルホニル化合物、ともいう)は、下記一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物である。
一般式(3):
Ar-OH (3)
一般式(3)中、Arは芳香環基又は置換芳香環基を表す。
【0092】
一般式(3)で表される芳香環ヒドロキシル化合物のArは、芳香環基又は置換芳香環基を表す。
該芳香環基は、特に限定されないが、単環であっても多環であってもよく、炭素数1~18の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基等の芳香族炭化水素基や、ピロリル基(窒素保護体も含む)、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジル基、フリル基、チエニル基、インドリル基(窒素保護体も含む)、インダゾリル基、キノリル基、カルバゾリル基、ピロロピリジル基、ベンゾフリル基及びベンゾチエニル基等の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基が挙げられる。
上記一般式(3)中、Arが芳香環基を表し、前記芳香環基が、芳香族複素環基であることが好ましい。
【0093】
該置換芳香環基は、前記の芳香環基の、任意の炭素原子又は窒素原子上に、任意の数及び任意の組み合わせで、置換基を有する。係る置換基は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基及びプロピル基等の低級アルキル基、ビニル基、アリル基及びプロパルギル基等の低級不飽和基、フルオロメチル基、クロロメチル基及びブロモメチル基等の低級ハロアルキル基、C(CF3)2OH基(ヒドロキシル基保護体も含む)、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等の低級アルコキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基及びブロモメトキシ基等の低級ハロアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基等の低級アシルオキシ基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びプロポキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基及びプロポキシカルボニルプロピル基等の低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、β-D-グルコピラノシド基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピロリル基(窒素保護体も含む)、ピリジル基、フリル基、チエニル基、インドリル基(窒素保護体も含む)、キノリル基、ベンゾフリル基及びベンゾチエニル基等の芳香環基、カルボキシル基の保護体、アミノ基、アミノ基の保護体、低級アルキルアミノ基、低級アルキルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体、ならびにX’-Ar’-OH基等である。これらの置換基は、更に置換されていてもよく、例えば、前記の“係る置換基は”の置換基により更に置換されていてもよい。
【0094】
上記一般式(3)中、Arが置換芳香環基を表し、前記置換芳香環基が有する置換基が、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、β-D-グルコピラノシド基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、又はヒドロキシル基であることが好ましい。
【0095】
X’-Ar’-OH基のX’は、C(CH3)2基、C(CF3)2基、酸素原子、窒素原子(窒素保護体も含む)、硫黄原子、SO基又はSO2基を表し、Ar’は、フェニレン基又は置換フェニレン基を表す。フェニレン基の置換位置は、ヒドロキシル基に対して2位、3位又は4位である。該置換フェニレン基の置換基は、前記の置換芳香環基の置換基と同じである。X’-Ar’-OH基が置換した一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物の具体例として、以下の化合物が挙げられる。
【0096】
【0097】
なお、本明細書において、低級とは、炭素数1~6の、直鎖状もしくは分枝状の鎖式又は環式(炭素数3以上の場合)であるものを意味する。また、前記の“係る置換基は”の芳香環基には、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級不飽和基、低級ハロアルキル基、C(CF3)2OH基(ヒドロキシル基保護体も含む)、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、ホルミルオキシ基、低級アシルオキシ基、シアノ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、カルボキシル基の保護体、アミノ基の保護体、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基の保護体及びX’-Ar’-OH基等が置換することもできる。更に、ピロリル基、インドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基の保護基は、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,1999,John Wiley & Sons,Inc.等に記載された保護基である。その中でも芳香環基、ならびに置換基として“ヒドロキシル基”、“芳香環基”及び“X’-Ar’-OH基”を除く置換芳香環基が好ましく、芳香族炭化水素基、ならびに置換基として“ヒドロキシル基”、“芳香環基”及び“X’-Ar’-OH基”を除く置換芳香族炭化水素基(置換基を有する芳香族炭化水素基)が特に好ましい。ヒドロキシル基を複数有する芳香環ヒドロキシル化合物では、採用する反応条件により、フルオロスルホニル化が複数進行する場合がある。
【0098】
好ましい一態様として、上記一般式(3)で表される芳香族環ヒドロキシル化合物は、アルコール性水酸基及びアミノ基から選択される少なくとも1つを置換基として有する態様が挙げられる。これらの置換基は、更に置換されていても良く、例えば、前記の“係る置換基は”の置換基により更に置換されていてもよい。
【0099】
以下に一般式(3)で表される化合物を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0100】
【0101】
モノフルオロスルホニル化反応において、上記一般式(3)で表される芳香族ヒドロキシル化合物は、前記一般式(1)で表されるモノフルオロスルホニル化合物1.0molに対して、0.7mol~1.2mol用いられることが好ましい。より好ましくは0.8mol~1.0molである。
【0102】
(溶媒)
上述のモノフルオロスルホニル化反応は、反応溶媒を用いて行うことが好ましい。
モノフルオロスルホニル化の反応溶媒としては、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ケトン系溶媒等が挙げられる。
【0103】
これらの反応溶媒の具体例としては、エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等を例示することができる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-ペンタン、n-ノナン、n-デカン等を例示することができる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン等を例示することができる。
ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、塩化メチレン(ジクロロメタン)、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等を例示することができる。
エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、γ-ブチロラクトン等を例示することができる。
アミド系溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等を例示することができる。
ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等を例示することができる。
スルホキシド系溶媒としては、ジメチルスルホキシド等を例示することができる。
ケトン系溶媒としては、アセトン等を例示することができる。
これらの中でも、入手しやすく、基質及び本開示のモノフルオロスルホニル化剤の溶解性に優れることより、ニトリル系溶媒が好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
これらの反応溶媒は単独又は組み合わせて使用することができる。
【0104】
モノフルオロスルホニル化の反応溶媒の使用量としては、特に制限は無いが、被モノフルオロスルホニル化合物1モルに対して0.05L(リットル)以上使用すれば良く、通常は0.1~20Lが好ましく、特に0.1~10Lがより好ましい。
【0105】
(塩基)
上述のモノフルオロスルホニル化反応は、上述した塩基を用いて行うことが好ましい。
塩基は、本開示のモノフルオロスルホニル化剤組成物に含まれるものであってもよく、反応開始時又は反応途中で反応系に添加されるものであってもよい。
塩基の好ましい使用量は、基本的には上述した通りである。
ただし、一般式(1)で表される化合物が4-ニトロイミダゾールSO2Fであり、溶媒としてジクロロメタンを用いる場合、塩基として、触媒量(被モノフルオロスルホニル化合物1モルに対して、好ましくは0.05~0.5モル、より好ましくは0.15~0.4モル)のDBUを用いることが特に好ましい。これにより、本開示の効果が特異的に優れたものとなる。
【0106】
(反応温度)
モノフルオロスルホニル化の反応温度は特に制限は無いが、150℃以下の反応温度で行うことが好ましく、-100~150℃の範囲がより好ましく、-78~100℃が更に好ましく、0~50℃が特に好ましい。
【0107】
(反応時間)
モノフルオロスルホニル化の反応時間としては、特に制限は無いが、0.1~72時間の範囲で行えば良く、原料及び反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点で終点とすることが好ましい。
【0108】
(後処理操作)
上記反応後、モノフルオロスルホニルオキシ化合物を単離するための後処理操作としては、有機合成における一般的な操作を行えば良い。
例えば、反応を不均一反応液で行った場合は、ろ過をおこなうことが好ましい。
【0109】
得られたモノフルオロスルホニルオキシ化合物は、例えば、遷移金属によるカップリング反応等に適宜好ましく用いることができる。
上述のように、本開示の製造方法により得られるモノフルオロスルホニルオキシ化合物は、カップリング反応生成物を従来の方法に比べて格段に効率よく製造することが可能となる。
【0110】
<新規化合物>
本開示は、下記一般式(4a)~(4d)のいずれかで表される化合物でもある。
【化15】
一般式(4a)中、Rは、炭素数1~8のアルキル基を表す。Rは、メチル基を表すことが好ましい。NO
2基は、環上の、Rが結合していない炭素原子に結合しており、環上の4位に結合していることが好ましい。一般式(4d)中、NO
2基は、六員環上の、窒素原子が結合していない炭素原子に結合しており、環上の4位又は5位に結合していることが好ましい。
【実施例0111】
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。ここで、実施例、比較例において、NMR収率(%)とは、核磁気共鳴スペクトル1H-NMR又は19F-NMRの分析により、内部標準法(1H-NMR分析及び19F-NMRにおいては内部標準物質として1,4-ビストリフルオロメチルベンゼン)で定量することで得られた値である。
【0112】
[実施例1]
基質としての4-ニトロイミダゾール3.18g(28.1mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム7.46g(70.3mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル28mLを採取し、容量200mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス7.18g(70.3mmol、2,5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル56mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した後、目的物を含む溶液を濃縮することで、単離収率64%で4-ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリドを3.51g得た。
【0113】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):8.63(1H,d,J=1.6Hz),8.99(1H,d,J=1.6Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):59.2(1F,s)
【0114】
以下に、実施例1における反応を示す。
【0115】
【0116】
[実施例2]
基質としての2-メチル-4-ニトロイミダゾール0.93g(7.33mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム1.94g(18.3mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル7.3mLを採取し、容量50mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス1.87g(18.3mmol、2.5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル15mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率87%で2-メチル-4-ニトロイミダゾールスルホニルフルオリドを1.37g得た。
【0117】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):2.62(3H,s),8.37(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):58.8(1F,s)
【0118】
以下に、実施例2における反応を示す。
【0119】
【0120】
[実施例3]
基質としての4,5-ジクロロイミダゾール0.52g(3.78mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム1.00g(9.44mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル3.8mLを採取し、容量20mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス0.96g(9.44mmol、2.5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル12mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率82%で4,5-ジクロロイミダゾールスルホニルフルオリドを0.68g得た。
【0121】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):8.46(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):56.8(1F,s)
【0122】
以下に、実施例3における反応を示す。
【0123】
【0124】
[実施例4]
基質としての4-トリフルオロメチルイミダゾール0.37g(2.72mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム0.72g(6.79mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル2.7mLを採取し、容量20mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス0.69g(6.79mmol、2.5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル8mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率87%で4-トリフルオロメチルイミダゾールスルホニルフルオリドを0.52g得た。
【0125】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):8.54(1H,m),8.63(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):58.8(1F,s),64.9(3F,s)
【0126】
以下に、実施例4における反応を示す。
【0127】
【0128】
[実施例5]
基質としての1H-イミダゾール-5-カルボン酸メチル0.51g(4.03mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム1.07g(10.1mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル4.0mLを採取し、容量20mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス1.03g(10.1mmol、2.5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル12mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率96%で1-フルオロスルホニル-イミダゾール-5-カルボン酸メチルを0.81g得た。
【0129】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):3.87(3H,s),8.44(1H,s),8.49(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):58.5(1F,s)
【0130】
以下に、実施例5における反応を示す。
【0131】
【0132】
[実施例6]
基質としての5-ニトロベンゾイミダゾール0.61g(3.74mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム0.99g(9.35mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル3.7mLを採取し、容量20mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス0.95g(9.35mmol、2.5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル11mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によってニトロ基の位置異性体混合物として収率39%で4(5)-ニトロベンゾイミダゾールスルホニルフルオリドを0.36g得た(major:minor=56:44)。
【0133】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):major:8.08~8.12(1H,m),8.48~8.52(1H,m),8.71(2H,s,J=2.9Hz),8.92(1H,s).minor:8.08~8.12(1H, m),8.44~8.47(1H,m),8.65(2H,s,J=2.1Hz),9.00(1H,s).
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):major:57.0(1F,s).minor:57.4(1F,s)
【0134】
以下に、実施例6における反応を示す。
【0135】
【0136】
[実施例7]
基質としての6-ニトロインダゾール0.49g(3.00mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム0.48g(4.50mmol、1.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル3.0mLを採取し、容量20mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス0.37g(3.60mmol、1.2eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル10mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率96%で6-ニトロインダゾールスルホニルフルオリドを0.71g得た。
【0137】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):8.14(1H, d,J=8.8Hz),8.31(1H,d,J=8.8Hz),8.68(1H,s),8.71(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):54.2(1F,s)
【0138】
以下に、実施例7における反応を示す。
【0139】
【0140】
[比較例1]
基質としてのイミダゾール20.4g(300mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム79.4g(749mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル300mLを採取し、容量2Lのガラスフラスコに仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス36.7g(360mmol、1.2eq.)をバルーンより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液にジクロロメタン600mL、上水300mLを加え、分液ロートに移液して分層した。得られた有機層を更に上水300mLで洗浄し、得られた油層を硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた油層をろ過し、30℃,100kPaで減圧濃縮することで目的物の粗体を得た。粗体に対してフラッシュ蒸留を行うことによって、GC純度99%の目的物を単離収率62%でイミダゾールスルホニルフルオリドを28.0g得た。
【0141】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):7.32(1H,d,J=1.1Hz),7.82(1H,t,J=1.6Hz),8.38(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):57.5(1F,s)
【0142】
以下に、比較例1における反応を示す。
【0143】
【0144】
[比較例2]
基質としての2-メチルイミダゾール11.6g(141mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム22.4g(211mmol、1.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル141mLを採取し、容量500mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス17.3g(169mmol、1.2eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で2日間撹拌した。反応液をアセトニトリル200mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率58%で2―メチルイミダゾール―1―スルホニルフルオリドを13.4g得た。
【0145】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):2.88(3H,s),7.02(1H,d,J=1.8Hz),7.59(1H,d,J=1.8Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):56.8(1F,s)
【0146】
以下に、比較例2における反応を示す。
【0147】
【0148】
[比較例3]
基質としてのベンゾイミダゾール10.3g(84.9mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム13.5g(127mmol、1.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル85mLを採取し、容量500mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス10.4g(102mmol、1.2eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル170mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率78%でベンゾイミダゾールスルホニルフルオリドを13.2g得た。
【0149】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):7.56~7.65(2H,m),7.86~7.90(2H,m),8.66(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):55.1(1F,s)
【0150】
以下に、比較例3における反応を示す。
【0151】
【0152】
[比較例4]
基質としてのインダゾール0.16g(1.30mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム0.21g(2.00mmol、1.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル1.4mLを採取し、容量10mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス0.17g(1.60mmol、1.2eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル10mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって単離収率96%でインダゾールスルホニルフルオリドを0.26g得た。
【0153】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):7.51(1H,t,J=8.0Hz),7.70(1H,d,J=8.4Hz),7.91~7.95(2H,m),8.55(1H,s)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):52.2(1F,s)
【0154】
以下に、比較例4における反応を示す。
【0155】
【0156】
[実施例8]
基質としての4-ニトロフェノール56mg(0.40mmol、1.0eq.)、反応溶媒としてテトラヒドロフラン2mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン70mg(0.44mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、対応するアゾールモノスルホニルフルオリド(0.60mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを21mg加えて混合する。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-ニトロフェノールスルホニルモノフルオリドを定量した。
【0157】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):7.66(2H,d,J=9.4Hz),8.34(2H,d,J=9.4Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):38.7(1F,s)
【0158】
以下に、実施例8における反応を示す。
【0159】
【0160】
[実施例9-14、比較例5-8]
次に、アゾールモノスルホニルフルオリド(アゾール化合物)を変えた他は、実施例8と同様の手順でモノフルオロスルホニル化反応を行った。NMR収率の結果を、実施例8―14及び比較例5-8を併せ、以下の表1にまとめる。
【表1】
【0161】
[実施例15]
基質としての4-アミノフェノール24mg(0.21mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン36mg(0.24mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド63mg(0.32mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを21mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率74%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが31mg生成していることを確認した。
【0162】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):6.66(2H,d,J=9.2Hz),7.09(2H,d,J=9.1Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):34.8(1F,s)
【0163】
以下に、実施例15における反応を示す。
【0164】
【0165】
[実施例16]
基質としての4-ヒドロキシ安息香酸メチル35mg(0.23mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン39mg(0.25mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド67mg(0.34mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを60mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-フルオロスルホニルオキシ安息香酸メチルを定量し、定量収率76%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが41mg生成していることを確認した。
【0166】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):3.86(3H,s),7.52(2H,d,J=8.0Hz),8.11(2H,d,J=8.9Hz)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):37.8(1F,s)
【0167】
以下に、実施例16における反応を示す。
【0168】
【0169】
[実施例17]
基質としての4-クロロフェノール30mg(0.23mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン39mg(0.25mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド67mg(0.34mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを50mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-クロロフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率86%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが42mg生成していることを確認した。
【0170】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):7.42(2H,d,J=8.2Hz),7.52(2H,d,J=9.2Hz)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):36.9(1F,s)
【0171】
以下に、実施例17における反応を示す。
【0172】
【0173】
[実施例18]
基質としてのチラミン28mg(0.20mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン34mg(0.22mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド60mg(0.31mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを39mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-(2-アミノエチル)フェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率63%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが28mg生成していることを確認した。
【0174】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):2.80(2H,t,J=7.1Hz),3.25~3.30(2H,m),7.30(2H,d,J=9.8Hz),7.38(2H,d,J=8.9Hz)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):36.4(1F,s)
【0175】
以下に、実施例18における反応を示す。
【0176】
【0177】
[実施例19]
基質としてのp-クレゾール23mg(0.21mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン35mg(0.23mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド61mg(0.31mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを37mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で4-メチルフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率86%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが34mg生成していることを確認した。
【0178】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):2.33(3H,s),7.23(2H,d,J=3.4Hz),7.84(2H,d,J=1.0Hz)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):36.3(1F,s)
【0179】
以下に、実施例19における反応を示す。
【0180】
【0181】
[実施例20]
基質としてのm-クレゾール22mg(0.20mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン34mg(0.22mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド61mg(0.34mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを54mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で3-メチルフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率97%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが37mg生成していることを確認した。
【0182】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):2.36(3H,s),7.19~7.40(4H,m)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):36.7(1F,s)
【0183】
以下に、実施例20における反応を示す。
【0184】
【0185】
[実施例21]
基質としてのo-クレゾール22mg(0.20mmol、1.0eq.)、反応溶媒として重アセトニトリル1mLを採取し、反応器である容量20mLの撹拌子入りガラスフラスコに仕込んだ。続けてジアザビシクロウンデセン34mg(0.22mmol、1.1eq.)をフラスコに加えて室温で10分間撹拌した後、4-ニトロイミダゾールモノスルホニルフルオリド60mg(0.34mmol、1.5eq.)を加えて室温で30分撹拌した。得られた反応液の重さを測った後、内部標準物質として1,4-BIS-トリフルオロメチルベンゼンを32mg加えて混合した。ろ過を行った後、NMRで分析することによってNMR収率で2-メチルフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率100%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが37mg生成していることを確認した。
【0186】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):2.33(3H,s),7.31~7.38(3H,m),7.84(1H,d,J=1.0Hz)
19F-NMR(400MHz,d3-acetonitrile)δ(ppm):38.3(1F,s)
【0187】
以下に、実施例21における反応を示す。
【0188】
【0189】
実施例15-21のNMR収率の結果を、以下の表2にまとめる。
【表2】
【0190】
(4-ニトロイミダゾールSO2Fの合成条件検討について)
[実施例22]
基質としての4-ニトロイミダゾール3.18g(28.1mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム7.46g(70.3mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトニトリル28mLを採取し、容量300mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス7.18g(70.3mmol、2,5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトニトリル56mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した後、目的物を含む溶液を濃縮することで、単離収率64%で4―ニトロイミダゾール―1―スルホニルフルオリドを3.51g得た。
【0191】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):8.63(1H,d,J=1.6Hz),8.99(1H,d,J=1.6Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):59.2(1F,s)
【0192】
以下に、実施例22における反応を示す。
【0193】
【0194】
[実施例23]
基質としての4-ニトロイミダゾール1.02g(9.02mmol、1.0eq.)、炭酸ナトリウム2.39g(22.6mmol、2.5eq.)、反応溶媒としてアセトン9mLを採取し、容量200mLのステンレス鋼(SUS)製耐圧容器に仕込んだ。続けてフッ化スルフリルガス2.30g(22.6mmol、2,5eq.)をボンベより徐々に吹き込み、室温で終夜撹拌した。反応液をアセトン18mLで洗いこみながらセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。濃縮によって得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した後、目的物を含む溶液を濃縮することで、単離収率74%で4―ニトロイミダゾール―1―スルホニルフルオリドを1.76g得た。
【0195】
以下に、実施例23における反応を示す。
【0196】
【0197】
実施例22-23を、以下の表3にまとめる。
【表3】
【0198】
(4-ニトロイミダゾールSO2Fを用いたフェノール類のSO2F化の条件検討について)
[実施例24]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4-ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とアセトニトリル5mLの両成分から成る組成物およびDBU167mg(1.10mmol、1.1eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率83%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが159mg生成していることを確認した。
【0199】
[物性値]
1H-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):6.66(2H,d,J=9.2Hz),7.09(2H,d,J=9.1Hz)
19F-NMR(400MHz,d6-acetone)δ(ppm):34.8(1F,s)
【0200】
以下に、実施例24における反応を示す。
【0201】
【0202】
[実施例25]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4-ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とジクロロメタン5mLの両成分から成る組成物およびDBU167mg(1.10mmol、1.1eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率83%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが171mg生成していることを確認した。
【0203】
以下に、実施例25における反応を示す。
【0204】
【0205】
[実施例26]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とジクロロメタン5mLの両成分から成る組成物およびDBU30mg(0.20mmol、0.2eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率97%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが186mg生成していることを確認した。
【0206】
以下に、実施例26における反応を示す。
【0207】
【0208】
[実施例27]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とジクロロメタン5mLの両成分から成る組成物およびDBU15mg(0.10mmol、0.1eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率79%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが152mg生成していることを確認した。
【0209】
以下に、実施例27における反応を示す。
【0210】
【0211】
[実施例28]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とジクロロメタン5mLの両成分から成る組成物およびトリエチルアミン20mg(0.20mmol、0.2eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率70%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが134mg生成していることを確認した。
【0212】
以下に、実施例28における反応を示す。
【0213】
【0214】
[実施例29]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とジクロロメタン5mLの両成分から成る組成物およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン26mg(0.20mmol、0.2eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率67%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが128mg生成していることを確認した。
【0215】
以下に、実施例29における反応を示す。
【0216】
【0217】
[実施例30]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とアセトニトリル5mLの両成分から成る組成物およびDBU30mg(0.20mmol、0.2eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率40%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが76mg生成していることを確認した。
【0218】
以下に、実施例30における反応を示す。
【0219】
【0220】
[実施例31]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とテトラヒドロフラン5mLの両成分から成る組成物およびDBU167mg(1.1mmol、1.1eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率44%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが84mg生成していることを確認した。
【0221】
以下に、実施例31における反応を示す。
【0222】
【0223】
[実施例32]
基質としての4-アミノフェノール109mg(1.00mmol、1.0eq.)を反応器である容量30mLの撹拌子入りナスフラスコに採取した。続けて4―ニトロイミダゾール-1-スルホニルフルオリド215mg(1.10mmol、1.1eq.)とクロロホルム5mLの両成分から成る組成物およびDBU167mg(1.1mmol、1.1eq.)を反応器に加え、室温(25℃)で2時間撹拌し反応液を得た。反応液に内部標準としての1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加え、NMRで分析することによってNMR収率で4-アミノフェノールスルホニルモノフルオリドを定量し、定量収率34%で対応するフェノールのスルホニルフルオリドが65mg生成していることを確認した。
【0224】
以下に、実施例32における反応を示す。
【0225】
【化45】
実施例24-32を、以下の表4にまとめる。
【表4】
本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。