(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026018987
(43)【公開日】2026-02-05
(54)【発明の名称】組電池、及び組電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20260129BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20260129BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20260129BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20260129BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/211
H01M50/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024120371
(22)【出願日】2024-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 梦嘉
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY03
(57)【要約】
【課題】電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる組電池を提供する。
【解決手段】組電池は、電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面接着シートを備え、前記両面接着シートは、前記電池セルの厚み方向において前記両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を有し、かつ、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて内側に位置する両面接着シートの接着面積は外側に位置する両面接着シートの接着面積以下であり、前記電池セルの厚み方向において最も内側に位置する両面接着シートの接着面積は最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セルが積層された組電池であって、
前記電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面接着シートを備え、
前記両面接着シートは、前記電池セルの厚み方向において前記両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を有し、かつ、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて内側に位置する両面接着シートの接着面積は外側に位置する両面接着シートの接着面積以下であり、前記電池セルの厚み方向において最も内側に位置する両面接着シートの接着面積は最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さい、組電池。
【請求項2】
前記少なくとも四つ以上の電池セルは、少なくとも六つ以上の電池セルであって、
前記両面接着シートの少なくとも一つは、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートのうち外側に位置する両面接着シートの接着面積と同じ接着面積を有する、請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて内側に位置する両面接着シートの接着面積は外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さい、請求項1に記載の組電池。
【請求項4】
前記両面接着シートは、前記電池セルの厚み方向の荷重による前記電池セルの圧力が予め定められた圧力以下となる接着面積を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の組電池。
【請求項5】
電池セルの厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セルが積層された組電池の製造方法であって、
前記電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面接着シートを設置するステップを有し、
前記両面接着シートを設置するステップは、前記電池セルの厚み方向において前記両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られ、かつ、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて外側に位置する両面接着シートの接着面積以下であり、前記電池セルの厚み方向において最も内側に位置する両面接着シートの接着面積が最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくなる接着面積を算出するステップを含む、組電池の製造方法。
【請求項6】
前記保持力が得られる接着面積は、予め測定された両面接着シートの接着面積と両面接着シートの保持力との関係から算出する、請求項5に記載の組電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組電池、及び組電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池セルの厚み方向に複数の電池セルが積層された組電池が開示されている。かかる組電池は、電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面シートを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した組電池では、電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間に働く力が当該二つの電池セルの位置(積層位置)によって異なる一方、両面接着シートの保持力は接着剤の特性と両面接着シートの接着面積によって定まる。そのため、隣り合う二つの電池セルの位置に関係なく同じ接着面積の両面接着シートによって隣り合う二つの電池セルを互いに接着すると、隣り合う二つの電池セルの位置によっては両面接着シートの保持力が必要以上に大きな場合がある。かかる場合には両面接着シートが無駄に消費されていることになる。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる組電池、及び組電池の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る組電池は、電池セルの厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セルが積層された組電池であって、前記電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面接着シートを備え、前記両面接着シートは、前記電池セルの厚み方向において前記両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を有し、かつ、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて内側に位置する両面接着シートの接着面積は外側に位置する両面接着シートの接着面積以下であり、前記電池セルの厚み方向において最も内側に位置する両面接着シートの接着面積は最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さい。
【0007】
上記(1)の構成によれば、電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記少なくとも四つ以上の電池セルは、少なくとも六つ以上の電池セルであって、前記両面接着シートの少なくとも一つは、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートのうち外側に位置する両面接着シートの接着面積と同じ接着面積を有する。
【0009】
上記(2)の構成によれば、電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの位置ごとに接着面積が異なる両面接着シートとする必要がなくなり、両面接着シートの品目数を減らすことができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて内側に位置する両面接着シートの接着面積は外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さい。
【0011】
上記(3)の構成によれば、電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて外側から内側に向けて接着面積を漸次小さくすることができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)のいずれか一つの構成において、前記両面接着シートは、前記電池セルの厚み方向の荷重による前記電池セルの圧力が予め定められた圧力以下となる接着面積を有する。
【0013】
上記(4)の構成によれば、電池セルの厚み方向の荷重による電池セルの圧力が予め定められた圧力以下となるので、電池セルの短絡等を防止することができる。
【0014】
(5)本発明の少なくとも一実施形態に係る組電池の製造方法は、電池セルの厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セルが積層された組電池の製造方法であって、前記電池セルの厚み方向に隣り合う二つの電池セルの間ごとに当該二つの電池セルを互いに接着する両面接着シートを設置するステップを有し、前記両面接着シートを設置するステップは、前記電池セルの厚み方向において前記両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られ、かつ、前記電池セルの厚み方向に隣り合う両面接着シートにおいて外側に位置する両面接着シートの接着面積以下であり、前記電池セルの厚み方向において最も内側に位置する両面接着シートの接着面積が最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくなる接着面積を算出するステップを含む。
【0015】
上記(5)の製造方法によれば、電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の製造方法において、前記保持力が得られる接着面積は、予め測定された両面接着シートの接着面積と両面接着シートの保持力との関係から算出する。
【0017】
上記(6)の製造方法によれば、電池セルの厚み方向において両面接着シートよりも内側に位置する電池セルの総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を算出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の少なくとも一実施形態に係る組電池によれば、電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる。
【0019】
本発明の少なくとも一実施形態に係る組電池の製造方法によれば、電池セルの厚み方向において内側に位置する両面接着シートの少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シートの接着面積よりも小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る組電池を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示した電池セルを概略的に示す図である。
【
図3】電池セルの厚み方向に四つの電池セルが積層された組電池を概略的に示す図である。
【
図4】電池セルの厚み方向に六つの電池セルが積層された組電池の一例を概略的に示す図である。
【
図5】電池セルの厚み方向に六つの電池セルが積層された組電池の他の一例を概略的に示す図である。
【
図6】両面接着シートの接着面積と両面接着シートの保持力との関係を示す図である。
【
図7】実施形態に係る組電池の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。また、添付図面に組電池の高さ方向を矢印で示しているが、組電池の高さ方向は相対的なものにすぎない。
【0022】
[組電池の用途]
実施形態に係る組電池は、例えば、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HV)、又は燃料電池自動車(FCV)等の電動車両に搭載される。ハイブリッド自動車には、停車中に外部機器(例えば、急速充電器)から充電(外部充電)可能なプラグインハイブリッド自動車(PHV,PHEV)や停車中に外部充電可能であって停車中に外部機器(例えば、一般家庭)に給電(外部給電)可能なプラグインハイブリッド車両(PHEV)が含まれる。
【0023】
[組電池]
図1に示すように、実施形態に係る組電池1は、電池セル10の厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セル(単電池)10が積層された組電池である。実施形態に係る組電池1は、電池セル10ごとにカラー12が設けられている。尚、カラー12は、必須の構成ではない。また、実施形態に係る組電池1は、電池セル10の厚み方向に隣り合う所定数の電池セル10ごとに伝熱板14が設けられている。電池セル10の内部で発熱した熱は、伝熱板14を伝わり組電池1の外部に放熱される。尚、伝熱板14は、必須の構成ではない。実施形態に係る組電池1は、電池セル10の厚み方向に隣り合う二つの電池セル10,10の間ごとに当該二つの電池セル10,10を互いに接着する両面接着シート16が設けられる。両面接着シート16は、二つの電池セル10,10の間に伝熱板14が設けられる場合に、電池セル10と伝熱板14を接着するシート16aと伝熱板14と電池セル10を接着するシート16bの二枚のシートで構成される。実施形態に係る組電池1は、電池セル10の厚み方向に積層された電池セル10が一対の加圧板18,18で挟まれる。尚、加圧板18,18は、必須の構成ではない。組電池1は、電池セル10の厚み方向に積層された電池セル10が一対の加圧板18,18で挟まれる場合に、電池セル10と加圧板18との間に両面接着シート20を有する。面接着シート20は、電池セル10と加圧板18とを互いに接着する。
【0024】
図1に示す組電池1は、電池セル10の厚み方向に十四個の電池セル10が積層されているが、電池セル10の積層数はこれに限られるものではない。組電池1を構成する電池セル10は、正極と負極との間でリチウムイオンが移動することで充電や放電を行うリチウムイオン電池(二次電池)であるが、これに限られるものではない。特に図示はしないが、リチウムイオン電池は、正極と負極との間にセパレータが設けられ、正極と負極との間に電解質が封入される。
【0025】
図2に示すように、実施形態に係る電池セル10は、板状であって、厚み方向に直交する面が矩形(長方形)であるが、これに限られるものではない。また、実施形態に係る電池セル10の外装は、可撓性を有するラミネートフィルムによって構成され、その一辺から正極タブ22と負極タブ24とが導出されるが、これに限られるものではない。
【0026】
両面接着シート16は、表面と裏面との両方が接着面となる接着シートであって、表面と裏面の両方に接着面が設けられている。両面接着シート16の形状は、電池セル10の厚み方向と直交する面の形状と相似形である。尚、両面接着シート16の形状は電池セル10の厚み方向と直交する面の形状と相似形でなくてもよい。両面接着シート16は、その中心が電池セル10の厚み方向と直交する面の中心と一致するように配置される。尚、両面接着シート16は、その中心が電池セル10の厚み方向と直交する面の中心と一致しなくてもよい。
図2に示す例では、両面接着シート16の形状は、電池セル10の厚み方向と直交する面の形状と同じ長方形である。また、両面接着シート16は、その中心が電池セル10の厚み方向と直交する面の形状の中心と一致するように配置されている。
【0027】
実施形態に係る両面接着シート16は、電池セル10の厚み方向において両面接着シート16よりも内側に位置する電池セル10の総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を有する。尚、両面接着シート16よりも内側に位置する電池セル10と電池セル10との間に伝熱板14が設けられている場合に、電池セルの総質量は、伝熱板14の質量を含むものであってもよい。
【0028】
図3に示すように、電池セル10の厚み方向に四つの電池セル10A,10B,10C,10Dが積層された組電池1Aでは、下から一つ目の電池セル10Aと二つ目の電池セル10Bとの間に設けられる両面接着シート16Aよりも内側に位置する電池セル10は、下から二つ目の電池セル10Bである。すなわち、下から三つ目(上から二つ目)の電池セル10Cは、除かれる(上から二つ目の電池セル10Cは両面接着シート16Aよりも内側に位置する電池セルではない)。したがって、両面接着シート16Aよりも内側に位置する電池セル10の総質量は、下から二つ目の電池セル10Bの質量となる。同じように、上から一つ目の電池セル10Dと二つ目の電池セル10Cとの間に設けられる両面接着シート16Cよりも内側に位置する電池セル10は、上から二つ目の電池セル10Cである。すなわち、上から三つ目(下から二つ目)の電池セル10Bは、除かれる(下から二つ目の電池セル10Bは両面接着シート16Cよりも内側に位置する電池セルではない)。したがって、両面接着シート16Cよりも内側に位置する電池セル10の総質量は、上から二つ目の電池セル10Cの質量となる。
【0029】
図4及び
図5に示すように、電池セル10の厚み方向に六つの電池セル10E(10L),10F(10M),10G(10N),10H(10P),10J(10Q),10K(10R)が積層された組電池1B(1C)では、下から一つ目の電池セル10E(10L)と二つ目の電池セル10F(10M)との間に設けられる両面接着シート16E(16L)よりも内側に位置する電池セル10は、下から二つ目の電池セル10F(10M)と三つ目の電池セル10G(10N)である。すなわち、両面接着シート16E(16L)よりも内側に位置する電池セル10の総質量は、下から二つ目の電池セル10F(10M)と下から三つ目の電池セル10G(10N)の質量の合計となる。また、下から二つ目の電池セル10F(10M)と三つ目の電池セル10G(10N)との間に設けられる両面接着シート16F(16M)よりも内側に位置する電池セル10は、下から三つ目の電池セル10G(10N)であり、両面接着シート16F(16M)よりも内側に位置する電池セル10は、下から三つ目の電池セル10G(10N)である。すなわち、両面接着シート16F(16M)よりも内側に位置する電池セル10の総質量は、下から三つ目の電池セル10G(10N)の質量となる。
【0030】
衝撃加速度は、電池セル10に加えられる加速度であり、例えば、電動車両が衝突された場合に組電池1に加えられる加速度を想定する。加速度は、衝突条件等により任意に設定可能であり、電池セル10の総質量と予め定められた衝撃加速度との積は、衝突力として捉えることができる。
【0031】
保持力は、電池セル10の厚み方向に隣り合う二つの電池セル10,10においてその位置関係を保持するための力であり、両面接着シート16は、衝突力に対抗するために、衝突力よりも大きな保持力が要求される。両面接着シート16の接着面積は、
図6に示すように、両面接着シート16の接着面積と両面接着シート16の保持力との関係から求められる。両面接着シート16の接着面積と両面接着シート16の保持力との関係は、検証試験、例えば、両面接着シート16の接着面に平行な引っ張りせん断荷重により測定する方法によって求められるが、これに限られるものではない。
【0032】
実施形態に係る組電池1において、加圧板18と電池セル10との間に設けられる両面接着シート20は、電池セル10の厚み方向に隣合う二つの電池セル10,10の間ごとに設けられる両面接着シート16と同じように、両面接着シート20よりも内側に位置する電池セル10の総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られる接着面積を有する。尚、両面接着シート20よりも内側に位置する電池セル10と電池セル10との間に伝熱板14が設けられている場合に、電池セルの総質量は、伝熱板14の質量を含むものであってもよい。
【0033】
加圧板18と電池セル10との間に設けられる両面接着シート20の接着面積は、電池セル10の厚み方向最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積以上である。また、両面接着シート20の接着面積は、電池セル10の厚み方向最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積と同じ接着面積であってもよいし、電池セル10の厚み方向最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも大きくてもよい。
【0034】
また、電池セル10の厚み方向に隣り合う両面接着シート16において内側に位置する両面接着シート16の接着面積は、外側に位置する両面接着シート16の接着面積以下である。当該両面接着シート16の面積は、電池セル10の厚み方向において最も内側に位置する両面接着シート16の接着面積は最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さい。したがって、電池セル10の厚み方向に隣り合う両面接着シート16において内側に位置する両面接着シート16の接着面積は、外側に位置する両面接着シート16の接着面積と同じ接着面積であってもよいが、電池セル10の厚み方向において最も内側に位置する両面接着シート16の接着面積は最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さい。
【0035】
図3に示すように、組電池1Aは、電池セル10の厚み方向に四つの電池セル10A,10B,10C,10Dが積層されたものである。組電池1Aは、下から一つ目の電池セル10Aと下から二つ目の電池セル10Bとの間に両面接着シート16Aを有し、下から二つ目の電池セル10Bと下から三つ目の電池セル10Cとの間に両面接着シート16Bを有し、下から三つ目の電池セル10Cと下から四つ目の電池セル10Dとの間に両面接着シート16Cを有する。両面接着シート16B(内側に位置する両面接着シート16)の接着面積は、両面接着シート16Aの接着面積(外側に位置する両面接着シート16)及び両面接着シート16Cの接着面積(外側に位置する両面接着シート16)よりも小さい。尚、両面接着シート16Cの接着面積は、両面接着シート16Aの接着面積と等しい。
【0036】
図4に示すように、組電池1Bは、電池セル10の厚み方向に少なくとも六つの電池セル10E,10F,10G,10H,10J,10Kが積層されたものである。組電池1Bは、下から一つ目の電池セル10Eと下から二つ目の電池セル10Fとの間に両面接着シート16Eを有し、下から二つ目の電池セル10Fと下から三つ目の電池セル10Gとの間に両面接着シート16Fを有し、下から三つ目の電池セル10Gと下から四つ目の電池セル10Hとの間に両面接着シート16Gを有し、下から四つ目の電池セル10Hと下から五つ目の電池セル10Jとの間に両面接着シート16Hを有し、下から五つ目の電池セル10Jと下から六つ目の電池セル10Kとの間に両面接着シート16Jを有する。組電池1Bの両面接着シート16の少なくとも一つは、電池セル10の厚み方向に隣り合う両面接着シート16のうち外側に位置する両面接着シート16の接着面積と同じ接着面積を有する。
図4に示す例では、両面接着シート16F、両面接着シート16G及び両面接着シート16Hの接着面積は、同じである。また、両面接着シート16E及び両面接着シート16Jの接着面積は同じである。更に、両面接着シート16F、両面接着シート16G及び両面接着シート16H(内側に位置する両面接着シート16)の接着面積は、両面接着シート16E及び両面接着シート16J(外側に位置する両面接着シート16)の接着面積よりも小さい。
【0037】
図5に示すように、組電池1Cは、電池セル10の厚み方向に少なくとも六つの電池セル10L,10M,10N,10P,10Q,10Rが積層されたものである。組電池1Cは、下から一つ目の電池セル10Lと下から二つ目の電池セル10Mとの間に両面接着シート16Lを有し、下から二つ目の電池セル10Mと下から三つ目の電池セル10Nとの間に両面接着シート16Mを有し、下から三つ目の電池セル10Nと下から四つ目の電池セル10Pとの間に両面接着シート16Nを有し、下から四つ目の電池セル10Pと下から五つ目の電池セル10Qとの間に両面接着シート16Pを有し、下から五つ目の電池セル10Qと下から六つ目の電池セル10Rとの間に両面接着シート16Qを有する。組電池1Cは、電池セル10の厚み方向に隣り合う両面接着シート16において内側に位置する両面接着シート16の接着面積は外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さくしたものである。
図5に示す例では、両面接着シート16N(内側に位置する両面接着シート16)の接着面積は、両面接着シート16M及び両面接着シート16P(外側に位置する両面接着シート16)の接着面積よりも小さい。尚、両面接着シート16Mの接着面積は、両面接着シート16Pの接着面積と等しい。また、両面接着シート16M及び両面接着シート16P(内側に位置する両面接着シート16)の接着面積は、両面接着シート16L及び両面接着シート16Q(外側に位置する両面接着シート16)の接着面積よりも小さい。
【0038】
また、両面接着シート16は、電池セル10の厚み方向の荷重による電池セル10の圧力が予め定められた圧力以下となる接着面積を有する。電池セル10の厚み方向の荷重は、組電池に働く荷重を想定して設定される。予め定められた圧力は、電池セル10が短絡等の防止するための圧力であり、例えば、検証試験の結果に基づいて設定される。これにより、両面接着シート16の最小接着面積が決定される。
【0039】
[組電池の効果]
実施形態1に係る組電池1によれば、電池セル10の厚み方向において内側に位置する両面接着シート16の少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さくすることができる。
【0040】
図3に示す例では、下から二つ目の電池セル10Bと下から三つ目の電池セル10Cとの間に位置する両面接着シート16Bの接着面積を、下から一つ目の電池セル10Aと下から二つ目の電池セル10Bとの間に位置する両面接着シート16A及び下から三つ目の電池セル10Cと下から四つ目の電池セル10Dの間に位置する両面接着シート16Cの接着面積よりも小さくすることができる。
【0041】
図4に示す例では、下から三つ目の電池セル10Gと四つ目の電池セル10Hとの間に位置する両面接着シート16Gの接着面積と、下から二つ目の電池セル10Fと三つ目の電池セル10Gとの間に位置する両面接着シート16Fの接着面積及び下から四つ目の電池セル10Hと下から下から五つ目の電池セル10Jとの間に位置する両面接着シート16Hの接着面積と、が同じになるので、電池セル10の厚み方向に隣り合う二つの電池セル10の位置ごとに接着面積が異なる両面接着シート16とする必要がなくなり、両面接着シート16の品目数を減らすことができる。
【0042】
図5に示す例では、下から三つ目の電池セル10Nと四つ目の電池セル10Pとの間に位置する両面接着シート16Nの接着面積は、下から二つ目の電池セル10Mと三つ目の電池セル10Nとの間に位置する両面接着シート16Mの接着面積及び下から四つ目の電池セル10Pと下から五つ目の電池セル10Qとの間に位置する両面接着シート16Pよりも小さく、下から二つ目の電池セル10Mと三つ目の電池セル10Nとの間に位置する両面接着シート16Mの接着面積及び下から四つ目の電池セル10Pと下から五つ目の電池セル10Qとの間に位置する両面接着シート16Pの接着面積は、下から一つ目の電池セル10Lと二つ目の電池セル10Mとの間に位置する両面接着シート16Lの接着面積及び下から五つ目の電池セル10Qと下から六つ目の電池セル10Rとの間に位置する両面接着シート16Qの接着面積よりも小さくなるので、両面接着シート16の消費を抑制することができる。
【0043】
また、組電池1において、電池セル10の厚み方向の荷重による電池セル10の圧力は、予め定められた圧力以下となる。このため、組電池1は、電池セル10の短絡等を防止することができる。
【0044】
[組電池の製造方法]
実施形態に係る組電池1の製造方法は、電池セル10の厚み方向に少なくとも四つ以上の電池セル10が積層された組電池の製造方法である。組電池1の製造方法は、電池セル10の厚み方向に隣り合う二つの電池セル10の間ごとに当該二つの電池セル10を互いに接着する両面接着シート16を設置するステップ(S10)を有する。
【0045】
両面接着シート16を設置するステップ(S10)は、電池セル10の厚み方向において両面接着シート16よりも内側に位置する電池セル10の総質量と予め定められた衝撃加速度との積よりも大きな保持力が得られ、かつ、電池セル10の厚み方向に隣り合う両面接着シート16において外側に位置する両面接着シート16の接着面積以下であり、電池セル10の厚み方向において最も内側に位置する両面接着シート16の接着面積が最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さくなる接着面積を算出するステップ(S12)を含む。尚、電池セル10の厚み方向において両面接着シート16よりも内側に位置する電池セル10の総質量、及び予め定められた衝撃加速度は、組電池で説明したものと同じである。
【0046】
保持力が得られる接着面積は、予め測定された両面接着シート16の接着面積と両面接着シート16の保持力との関係から算出される。尚、両面接着シート16の接着面積と両面接着シート16の保持力との関係は、組電池で説明したものと同じである。
【0047】
[組電池の製造方法の効果]
実施形態に係る組電池1の製造方法によれば、電池セル10の厚み方向において内側に位置する両面接着シート16の少なくとも一つの接着面積を最も外側に位置する両面接着シート16の接着面積よりも小さくすることができる。
【0048】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態を含む。
【符号の説明】
【0049】
1 組電池
10,10A~10D,10E~10K,10L~10R 電池セル
12 カラー
14 伝熱板
16,16A~16C,16E~16J,16L~16Q 両面接着シート
16a,16b シート
18 加圧板
20 両面接着シート
22 正極タブ
24 負極タブ