(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026020337
(43)【公開日】2026-02-06
(54)【発明の名称】消火栓装置及び架台
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20260129BHJP
A62C 3/00 20060101ALI20260129BHJP
A62C 13/78 20060101ALI20260129BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C3/00 J
A62C13/78 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025205433
(22)【出願日】2025-11-27
(62)【分割の表示】P 2021155111の分割
【原出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】梅原 寛
(57)【要約】
【課題】消火栓装置の設置路面に傾斜がある場合に水平設置を簡単且つ容易に可能として施工性を向上させる。
【解決手段】トンネルの監視員通路34に設置された架台28上に消火栓装置10が固定される。架台28は監視員通路の路面に沿って設置される第1架台30と第2架台32で構成され、第2架台32は固定架台80、可動架台82及び角度設定機構で構成される。固定架台80は第1架台30上に設置され、可動架台82は長手方向の一端側が固定架台80に支持される。角度設定機構は、監視員通路34に路面傾斜がある場合に、可動架台82を支持した固定架台80を路面傾斜の傾斜方向上側に配置した状態で、可動架台82が所定の傾斜となるように、固定架台80に対する可動架台82の回動角を設定して固定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの監視員通路の路面に設置された架台上に筐体が取付け固定される消火栓装置であって、
前記架台は、
前記監視員通路の長手方向の路面に沿って設置される固定架台と、
上端面に前記筐体を取付け固定し、前記長手方向の一端側が前記固定架台の一端側に支持され、他端側が前記固定架台の他端側に対して上下する方向に回動する可動架台と、
前記監視員通路に路面傾斜がある場合、前記固定架台が前記路面傾斜に配置された状態で、所定の傾斜となるように、前記固定架台に対する前記可動架台の回動角を設定して固定する角度設定機構と、
を備えたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
トンネルの監視員通路の路面に消火栓装置の筐体を取付け固定する架台であって、
前記監視員通路の長手方向の路面に沿って設置される固定架台と、
上端面に前記筐体を取付け固定し、前記長手方向の一端側が前記固定架台の一端側に支持され、他端側が前記固定架台の他端側に対して上下する方向に回動する可動架台と、
前記監視員通路に路面傾斜がある場合、前記固定架台が前記路面傾斜に配置された状態で、所定の傾斜となるように、前記固定架台に対する前記可動架台の回動角に設定して固定する角度設定機構と、
を備えたとことを特徴とする架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火用ホース、消火器等を収納してトンネル内に設置された消火栓装置及び架台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内には、トンネル非常用設備として消火栓装置が設置されている。消火栓装置は、消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類が収納され、また、消火器扉を備えた消火器収納部に、例えば、2本の消火器が収納されている。また、消火栓装置は、一般的に、トンネル長手方向に、例えば、50メートル間隔でトンネル壁面を箱抜きして埋込み設置されている(特許文献1)。
【0003】
ところで、トンネル壁面(トンネル躯体の壁面)に、箱抜き等による消火栓装置の埋込部(凹部)を設けることができない場合、監視員通路に消火栓装置を露出した状態で設置する必要がある。
【0004】
このような場合に、トンネル壁面に消火栓装置を壁掛け設置するための架台構造が提案されており、この構造の架台は、壁面に固定される主支持部と消火栓装置の姿勢を保持する姿勢保持部材等から構成されている(特許文献2)。
【0005】
また、監視員通路上に設置した架台上に消火栓装置を露出した状態で取付け固定する、いわゆる据置き構造とすることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-055073号公報
【特許文献2】特開2020-078429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、監視員通路の架台上に消火栓装置を取付け固定する据置き構造とした場合、トンネル内を通過する道路のトンネル長手方向の路面傾斜と同様に監視員通路にも路面傾斜があり、路面傾斜が小さい場合には消火栓装置を路面傾斜に沿ってそのまま設置する場合もあるが、消火栓装置を水平に設置する傾斜調整を必要とする場合もある。なお、道路や監視員通路の路面傾斜については、一般的に「道路勾配(縦断勾配)」を使用し、水平距離に対する高さをパーセント(%)で表すが、以下の説明では、傾斜角度(°)で表すことにする。
【0008】
本発明は、設置路面に傾斜がある場合に水平設置を簡単且つ容易に可能として施工性を向上させる消火栓装置及び架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1発明:消火栓装置)
本発明は、道路を有するトンネルの長手方向の壁面に沿って設けられた監視員通路の路面に設置された架台上に筐体が取付け固定される消火栓装置であって、
架台は、
監視員通路の長手方向の路面に沿って設置される固定架台と、
上端面に筐体を取付け固定し、長手方向の一端側が固定架台の一端側に軸支され、他端側が固定架台の他端側に対して上下する方向に回動する可動架台と、
固定架台が設置される監視員通路に路面傾斜がある場合、可動架台を軸支した固定架台の一端側を路面傾斜の傾斜方向上側に配置した状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する角度設定機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(路面傾斜に対し水平とする回動角の調整)
角度設定機構は、回動角を路面傾斜の傾斜角又は当該傾斜角に近い角度となるように設定して固定する。
【0011】
(架台の角度設定機構)
固定架台は、上向きに開口した長手方向に長い箱枠部材であり、
可動架台は、下向きに開口した長手方向に長い箱枠部材であって、固定架台の内部に配置され、
角度設定機構は、
固定架台と可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に、軸部材を着脱自在に貫通して、回動角を零に固定しており、
一端側及び他端側に配置された何れか一方の軸部材が抜かれて他方の軸部材を中心に可動架台が回動自在に軸支された状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する。
【0012】
(第1の角度設定機構)
第1の角度設定機構は、
異なる複数の回動角に対応して配置された複数の貫通穴を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に固定された角度設定部材と、
角度設定部材の複数の貫通穴と同軸に、固定架台の一端側及び他端側の各々に開口された複数の角度設定穴と、
角度設定部材の複数の貫通穴に対応して可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に開口された複数の通し穴と、
を備え、
可動架台が回動自在となった状態で、角度設定部材の何れかの貫通穴に対応して位置合わせされた可動架台の通し穴に、固定架台の対応する角度設定穴を介して抜かれた軸部材が挿入され、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する。
【0013】
(第2の角度設定機構)
第2の角度設定機構は、
異なる複数の回動角に対応した複数の傾斜面が多段階に形成された組立及び分解可能な複数の積木部材を有し、固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に選択された1又は複数の積木部材が組立て状態で固定されることにより回動角の何れかを設定する角度設定部材を備え、
可動架台が回動自在となった状態で、可動架台が角度設定部材の傾斜面に当接して、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する。
【0014】
(第3の角度設定機構)
第3の角度設定機構は、
異なる複数の回動角に対応した傾斜面が形成された複数種類の角度設定部材を備え、
固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に複数種類の角度設定部材の何れかを選択して固定することにより傾斜角の何れかが設定され、
可動架台が回動自在となった状態で、可動架台が選択された角度設定部材の傾斜面に当接して、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する。
【0015】
(第4の角度設定機構)
第4の角度設定機構は、
所定の傾斜角の第1勾配面を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側に固定された1又は複数の固定ブロック部材と、
固定ブロック部材に隣接して第1勾配面とは逆傾斜の第2勾配面を有し、長手方向に移動自在に配置された移動ブロック部材と、
第1勾配面と第2勾配面の隣接する交差位置に形成されたV溝に配置されて可動架台を支持する軸部材と、
を備え、
可動架台が回動自在となった状態で、移動ブロック部材の長手方向の移動に応じてV溝に配置された軸部材を第1勾配面に沿って傾斜方向に移動させることにより、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する。
【0016】
(角度設定機構を架台片側のみに設けた架台)
角度設定機構は、固定架台及び可動架台で構成された架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方のみに設けられ、
可動架台は、架台が長手方向の一端側と他端側を入れ替えて設置された場合、入れ替え前と入れ替え後で筐体の取付穴に対し可動架台の取付穴が相対して一致するように、可動架台に取付穴が形成される。
【0017】
(第2発明:消火栓装置の架台)
本発明は、道路を有するトンネルの長手方向の壁面に沿って設けられた監視員通路に設置された消火栓装置の筐体を路面上に取付け固定する架台であって、
監視員通路の長手方向の路面に沿って設置される固定架台と、
上端面に筐体を取付け固定し、長手方向の一端側が固定架台の一端側に軸支され、他端側が固定架台の他端側に対して上下する方向に回動される可動架台と、
固定架台が設置される監視員通路に路面傾斜がある場合、可動架台を軸支した固定架台の一端側を路面傾斜の傾斜方向上側に配置した状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する角度設定機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
それ以外の本発明による架台の特徴は、前述した消火栓装置で示した架台と同様であることから、その説明は省略する。
【発明の効果】
【0019】
(第1発明:消火栓装置の効果)
本発明の消火栓装置にあっては、道路を有するトンネルの長手方向の壁面に沿って設けられた監視員通路の路面に設置された架台上に筐体が取付け固定される消火栓装置であって、消火栓装置の架台が、監視員通路の長手方向の路面に沿って設置される固定架台と、上端取付面に筐体を取付け固定し、長手方向の一端側が固定架台の一端側に軸支され、他端側が固定架台の他端側に対して上下する方向に回動される可動架台と、固定架台が設置される監視員通路に路面傾斜がある場合に、可動架台を軸支した固定架台の一端側を路面傾斜の傾斜方向上側に配置した状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定する角度設定機構を備えたことで、より具体的には、角度設定機構により、回動角を傾斜路面の傾斜角に一致するか又は当該傾斜角に近い角度となるように設定して固定することで、道路勾配に応じた路面傾斜のある監視員通路上に消火栓装置を設置する場合に、路面傾斜に沿って設置された固定架台に対し、簡単且つ容易に消火栓装置を水平又又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、取付け固定することを可能とする。
【0020】
(架台の角度設定機構の効果)
また、固定架台は、上向きに開口した長手方向に長い箱枠部材であり、可動架台は、下向きに開口した長手方向に長い箱枠部材であって、固定架台の内部に配置され、角度設定機構は、固定架台と可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に、軸部材を着脱自在に貫通して、回動角を零に固定しており、一端側及び他端側に配置された何れか一方の軸部材が抜かれて他方の軸部材を中心に可動架台が回動自在に軸支された状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するようにしたことで、道路の上り勾配又は下り勾配に応じて監視員通路の路面傾斜方向が異なっていても、路面傾斜の傾斜方向上側で固定架台に対し可動架台を軸支し、路面傾斜の傾斜方向下側で固定架台に対し可動架台の回動角を調整することで、簡単且つ容易に、消火栓装置を水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、取付け固定することを可能とする。
【0021】
(第1の角度設定機構の効果)
また、第1の角度設定機構は、異なる複数の回動角に対応して配置された複数の貫通穴を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に固定された角度設定部材と、角度設定部材の複数の貫通穴と同軸に、固定架台の一端側及び他端側の各々に開口した複数の角度設定穴と、角度設定部材の複数の貫通穴に対応して可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に開口された複数の通し穴とを備え、可動架台が回動自在となった状態で、角度設定部材の何れかの貫通穴に対応して位置合わせされた可動架台の通し穴に、固定架台の対応する角度設定穴を介して前記抜かれた軸部材が挿入されることで、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を細かい調整作業をすることなく容易に設定して固定することを可能とする。また、複数の貫通穴を形成した角度設定部材を金属製のブロック部材とすることで、重量のある消火栓装置を載置して取付け固定しても、高い剛性が得られる。
【0022】
(第2の角度設定機構の効果)
また、第2の角度設定機構は、複数の異なる回動角に対応した複数の傾斜面が多段階に形成された組立及び分解可能な複数の積木部材を有し、固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に選択された1又は複数の積木部材が組立て状態で固定されることにより回動角の何れかを設定する角度設定部材を備え、可動架台が回動自在となった状態で、可動架台が角度設定部材の傾斜面に当接させることで、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を細かい調整作業をすることなく容易に固定することを可能とする。また、積木部材を組み立てて角度設定部材とすることで、重量のある消火栓装置を載置して取付け固定しても、高い剛性が得られる。
【0023】
(第3の角度設定機構の効果)
また、第3の角度設定機構は、異なる複数の前記回動角に対応した傾斜面が形成された複数種類の角度設定部材を備え、固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に複数種類の角度設定部材の何れかを選択して固定することにより傾斜角の何れかが設定され、可動架台が回動自在となった状態で、可動架台が選択された角度設定部材の傾斜面に当接して、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定することを可能とし、さらに、第2の角度設定機構のように、複数の傾斜面が多段階に形成された複数の積木部材を選択して所定の調整角度を設定する角度設定部材を組立てる必要がなく、簡単な構造とすることができる。
【0024】
(第4の角度設定機構の効果)
また、第4の角度調設定機構は、所定の傾斜角の第1勾配面を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側に固定された1又は複数の固定ブロック部材と、固定ブロック部材に隣接して第1勾配面とは逆傾斜の第2勾配面を有し、長手方向に移動自在に配置された移動ブロック部材と、第1勾配面と第2勾配面の隣接する交差位置に形成されたV溝に配置されて可動架台を支持する軸部材とを備え、可動架台が回動自在となった状態で、移動ブロック部材の長手方向の移動に応じてV溝に配置された軸部材を第1勾配面に沿って傾斜方向に移動させることにより、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を連続的(無段階)に変更して任意の回動角とすることができ、第1乃至第3の角度設定機構の段階的な回動角の設定に比べ、可動架台を水平状態に設定する精度を高めることができる。また、相互に隣接して向い合う第1勾配面と第2勾配面を有する固定ブロック部材と可動ブロック部材を金属製のブロック部材とすることで、重量のある消火栓装置を載置して取付け固定しても、高い剛性が得られる。
【0025】
(角度設定機構を架台片側のみに設けた架台の効果)
また、角度設定機構は、固定架台及び可動架台で構成された架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方にのみに設けられ、可動架台は、架台が長手方向の一端側と他端側を入れ替えて設置された場合、入れ替え前と入れ替え後で筐体の取付穴に対し可動架台の取付穴が相対して一致するように可動架台に取付穴が形成されることで、路面傾斜の傾斜方向が異なった場合に、架台の一端側と他端側を入れ替えて設置するだけで、消火栓装置を水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように配置する可動架台の回動角の設定が、架台の片側にのみ設けた角度設定機構により簡単に実現できる。
【0026】
(第2発明:架台の効果)
本発明による消火栓装置をトンネル内に取付け固定する架台の効果については、前述した消火栓装置における架台の効果と同様であることから、その説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】監視員通路上に設置した消火栓装置の実施形態を示した説明図である。
【
図2】消火栓装置の架台による設置高さを示した説明図である。
【
図3】消火栓装置の内部構造を、消火栓扉を開いて正面から示した説明図である。
【
図4】消火栓装置の内部構造を平面から示した説明図である。
【
図5】消火栓装置の側面から見た断面を示した説明図である。
【
図6】道路勾配がある場合の角度調整可能な架台による消火栓装置の水平設置を示した説明図である。
【
図7】
図6における架台角度調整の原理構成を模式的に示した説明図である。
【
図8】角度設定機構付きの架台を取り出して平面、正面及び側面で示した説明図である。
【
図9】角度設定機構付きの架台の片側を取り出して第1の角度設定機構を正面及び側面で示した説明図である。
【
図10】第1の角度設定機構の固定架台側を正面及び側面で示した説明図である。
【
図11】
図10の角度設定部材を取り出して示した斜視図である。
【
図12】
図9の角度設定機構の可動架台側を正面及び側面で示した説明図である。
【
図13】固定架台の両端下側の軸穴と角度設定穴及び可動架台の角度設定穴を取り出して模式的に示した説明図である。
【
図14】第1の角度設定機構による回動角0.5°又は1.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【
図15】第1の角度設定機構による回動角1.5°又は2.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【
図16】片側にのみ角度設定機構が設けられた架台を取り出して平面、正面及び側面で示した説明図である。
【
図17】積木構造の角度設定部材を用いた第2の角度設定機構を示した説明図である。
【
図18】第2の角度設定機構による回動角0°,0.5°又は1.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【
図19】第2の角度設定機構による回動角1.5°又は2.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【
図20】一体構造の角度設定部材を用いた第3の角度設定機構を示した説明図である。
【
図21】第 4の角度設定機構を備えた架台を取り出して平面、正面及び側面で示した説明図である。
【
図22】
図21は
図20の架台右端側に設けられた第4の角度設定機構の主要部を取り出して示した説明図である。
【
図23】可動ブロック部材の移動距離と可動架台の回動角の関係を示した説明図である。
【
図24】第4の角度設定機構の正面、正面断面、平面について詳細を示した説明図である。
【
図25】第4の角度設定機構を右側面について詳細を示した説明図である。
【
図26】第4の角度設定機構を設ける可動架台の右端側を取り出して詳細を示した説明図である。
【
図27】第4の角度設定機構による回動角0.5°又は1.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【
図28】第4の角度設定機構による回動角1.5°又は2.0°の角度設定状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る消火栓装置及び架台の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
【0029】
[実施形態の基本的な概念]
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、トンネル用の消火栓装置及びその架台に関するものである。
【0030】
ここで、「消火栓装置」とは、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備の一種であり、トンネル内に設置された筐体内に消火用ホース及び消火器が収納されたものであり、消火栓設備を含む概念である。
【0031】
また、「架台」とは、柱と梁などによって物を支える構造を指すものであり、支持台、土台、基台、台座、ベースなどの概念を含むものである。本実施形態の架台は、シールド工法などにより構築された横断面が湾曲したトンネルの壁面に沿ってトンネル長手方向に設けられた監視員通路の路面上に設置され、消火栓装置の筐体を取付け固定するものである。
【0032】
また、本実施形態の架台は、消火栓装置が設置される監視員通路の路面上に設置された場合に、トンネル壁面の湾曲形状に沿うように、奥行き方向の底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈するものでる。
【0033】
また、消火器栓装置の架台は、固定架台と可動架台で構成され、設置される監視員通路に路面傾斜がある場合に、消火栓装置の筐体を水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように取付け固定することを可能とする角度設定機構を備えるものである。
【0034】
ここで、「固定架台」とは、監視員通路のトンネルの長手方向の路面に沿って設置される架台である。また、「可動架台」とは、上端面に消火栓装置の筐体が取付け固定され、長手方向の一端側が固定架台の一端側に軸支され、他端側が固定架台の他端側に対して上下する方向に回動する架台である。
【0035】
角度調整を可能とする架台の構造は任意であるが、例えば、固定架台は上向きに開口した監視員通路の長手方向に長い箱枠部材であり、可動架台は下向きに開口した監視員通路の長手方向に長い箱枠部材であって固定架台の内部に配置され、角度設定機構は、固定架台と可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に、軸部材を着脱自在に貫通して、回動角を零に固定しており、任意の回動角を設定する場合には、一端側及び他端側に配置された何れか一方の軸部材が抜かれて他方の軸部材を中心に可動架台が回動自在に軸支された状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するものである。
【0036】
角度設定機構の構造や機構は任意であるが、以下の第1乃至第4の角度設定機構を実施形態とするものである。
【0037】
「第1の角度設定機構」は、異なる複数の回動角に対応して配置された複数の貫通穴を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に取付け固定された角度設定部材と、角度設定部材の複数の貫通穴と同軸に、固定架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に開口された複数の角度設定穴と、角度設定部材の複数の貫通穴に対応して可動架台の長手方向の一端側及び他端側の各々に開口した複数の通し穴とを備え、可動架台が回動自在となった状態で、角度設定部材の何れかの貫通穴に対応して位置合わせされた可動架台の通し穴に、固定架台の対応する角度設定穴を介して前記抜かれた軸部材が挿入され、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するものである。
【0038】
また、「第2の角度設定機構」は、異なる複数の回動角に対応した複数の傾斜面が多段階に形成された組立及び分解可能な複数の積木部材を有し、固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に選択された1又は複数の積木部材が組立て状態で固定されることにより異なる回動角の何れかを設定する角度設定部材を備え、可動架台が回動自在となった状態で、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するものである。
【0039】
また、「第3の角度設定機構」は、異なる複数の回動角に対応した複数の傾斜面が形成された複数の角度設定部材を備え、固定架台の長手方向の一端側又は他端側の何れか一方に角度設定部材の何れかを選択して固定されることにより回動角の何れかが設定され、可動架台が回動自在となった状態で、可動架台を選択した角度設定部材の傾斜面に当接して、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するものである。
【0040】
また、「第4の角度設定機構」は、所定の傾斜角の第1勾配面を有し、固定架台の長手方向の一端側及び他端側に固定された1又は複数の固定ブロック部材と、固定ブロックに隣接して第1勾配面とは逆傾斜の第2勾配面を有し、長手方向に移動自在に配置された移動ブロック部材と、第1勾配面と第2勾配面の隣接する交差位置に形成されたV溝に配置されて可動架台を支持する軸部材とを備え、可動架台が回動自在となった状態で、可動ブロック部材の長手方向の移動に応じてV溝に配置された軸部材を第1勾配面に沿って傾斜方向に移動させることにより、可動架台が水平又は路面傾斜に対応した傾斜となるように、固定架台に対する可動架台の回動角を設定して固定するものである。
【0041】
また、構造を簡単にするため、左右何れかの一端側で軸支された固定架台と可動架台の他端側のみに角度設定機構を設け、路面傾斜の傾斜方向が異なることで固定架台と可動架台の左右を入れ替えて設置した場合に、入れ替え前と入れ替え後で固定架台の取付穴に対し可動架台の取付穴が相対して一致するように、可動架台に取付穴が形成されるものである。
【0042】
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、「消火栓装置の架台」が「監視員通路に固定される逆台形状の第1架台」と「その上に載置されて消火栓装置の筐体を取付け固定する第2架台」とで構成されるものであり、また、第2架台は、設置される監視員通路に路面傾斜がある場合に消火栓装置を水平又は路面傾斜に対応した傾斜に設置するように角度を調整するため、「固定架台」、「可動架台」及び「第1乃至第4の角度設定機構」が設けられ、「第1乃至第3の角度設定機構」が「0.5°,1.0°,1.5°又は2.0°の何れかの回動角を段階的に設定可能とする」ものであり、「第4の角度設定機構」が「0°~2.0°の範囲で任意の回動角に無段階で設定可能とする」ものである場合について説明する。
【0043】
[実施形態の具体的内容]
消火栓装置の消火栓装置及び架台について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.消火栓装置
a1.消火栓装置の概要
a2.消火栓装置の設置
a3.消火栓装置の設置高さと薄型化
a4.消火栓装置の内部構造
b.角度調整可能な架台
b1.路面に傾斜がある場合の消火栓装置の水平配置
b2.架台の角度設定機構
c.第1の角度設定機構
c1.架台の構造
c2.固定架台の角度設定穴
c3.角度設定部材
c4.可動架台の角度設定穴
c5.固定架台及び可動架台の角度設定穴の位置関係
c6.第1の角度設定機構による回動角の設定操作
c7.架台左側の角度設定機構
c8.片側にのみ角度設定機構を備えた架台
d.第2及び第3の角度設定機構
d1.第2の角度設定機構の構造
d2.第2の角度設定機構による回動角の設定操作
d3.第3の角度設定機構
e.第4の角度設定機構
e1.第4の角度設定機構の構成
e2.可動ブロック部材の移動距離と可動架台の回動角の関係
e3.第4の角度設定機構の具体的な構造
e4.第4の角度設定機構による回動角の設定操作
f.本発明の変形例
【0044】
[a.消火栓装置]
本実施形態によるトンネル用の消火栓装置及び架台について、より詳細に説明する。
図1は、トンネル内における消火栓装置の設置を示した説明図であり、
図1(A)にトンネル横断面で見た消火栓装置の設置を示し、
図1(B)にトンネル壁面方向に見た消火栓装置の設置を示している。
【0045】
(a1.消火栓装置の概要)
消火栓装置について、概要を説明する。
図1(B)に示すように、消火栓装置10は、消火栓収納部側の筐体11aと消火器収納部側の筐体11bに分割された構造であり、筐体11a,11bの前面には化粧枠13a,13bが装着されている。
【0046】
ここで、
図1の説明では、X-Y-Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、
図1(B)のように消火栓装置の前面を正面に見て、X方向が左右方向とし、Y方向が上下方向とし、Z方向が前後方向とする。また、X方向における+X側は右側、-X側は左側とし、Y方向における+Y側は上側、-Y側は下側とし、Z方向における+Z側は前側とし、-Z側は後側とする。この点は本発明の実施形態となる
図2~
図28においても同様となる。
【0047】
消火栓収納部側の化粧枠13aの扉開口部は上下に分割され、扉開口部の下側にヒンジ12aにより下向きに開く前傾式の消火栓扉12が設置され、扉開口部の上側にヒンジ14aにより上向きに開く保守扉14が設置され、その内部である消火栓収納部には消火用のホースと消火栓弁を含むバルブ類が収納されている。
【0048】
消火器収納部側に装着された化粧枠13bの扉開口部の左側には、ヒンジ16aにより左向きに横開きする消火器扉16が設けられ、内部である消火器収納部に、例えば2本の消火器を収納可能としている。また、消火器扉16の下側には覗き窓17が設けられ、外部から消火器の収納状態の有無を確認可能としている。
【0049】
化粧枠13bの扉開口部の右側には、ヒンジ18aにより右向きに横開きする電装扉18が設けられている。電装扉18には、電装機器として、例えば赤色表示灯20、発信機22及び応答ランプ24が設けられ、また電装扉18の筐体内側には電話ジャック25が設けられている。
【0050】
赤色表示灯20は常時点灯し、消火栓装置10が遠方から確認できるようになっている。火災が発生し、発信機22が押されて押し釦スイッチがオンすると、発信信号が送信され、これを受信した防災受信盤から火災警報が出力される。消火栓装置10は、防災受信盤からの応答信号を受信して、赤色表示灯20が点滅し、応答ランプ24が点灯する。
【0051】
(a2.消火栓装置の設置)
トンネル内の消火栓装置の設置について、より詳細に説明する。シールド工法により構築された円筒状(円形断面)のトンネル躯体の下部には、道路36がトンネル長手方向に構築され、道路36の片側に沿ったトンネル壁面26の下側に、道路36に対し所定高さの監視員通路34が構築されている。
【0052】
シールド工法によるトンネル壁面26は、消火栓装置10を設置するための箱抜きをしないことから(「できない」のではなく、コストや手間の関係から箱抜きを「しない」)、監視員通路34上のトンネル壁面26に寄せて架台28が設置され、架台28上に消火栓装置10の筐体11a,11bが取付け固定されている。ここで、監視員通路34の路面から消火栓装置10に設けられた発信機22までの高さが、法的に定められた800mm~1500mmの間に入るように、架台28の高さH1が設定されている。
【0053】
また、本実施形態の架台28は、第1架台30と第2架台32で構成されている。第1架台30は、
図1(A)に示すように、側面形状を底辺に対し上辺が長い逆台形とし、トンネル壁面26の湾曲形状に沿って後側が斜め下向きの傾斜面となっている。第2架台32は、第1架台30の上に固定され、消火栓装置10の筐体11a,11bを取付け固定するものである。
【0054】
(a3.消火栓装置の設置高さと薄型化)
消火栓装置の設置高さと薄型化について、より詳細に説明する。架台28により監視員通路34上に設置された消火栓装置10の飛び出し(出っ張り)による通路幅の制約を低減するため、消火栓装置10の設置高さを最適化し、併せて、消火栓装置10を可能な限り薄型化する。
【0055】
まず、架台28の高さH1の最適化について、より詳細に説明する。
図2は、トンネル横断面における消火栓装置の設置状態を概略的に示している。消火栓装置10が設置されるトンネル壁面26は円形断面となっており、
図2(A)にあっては、トンネル中心(円形断面の中心)Pからの水平方向のトンネル中心線SL1に対し、監視員通路34上に設置された消火栓装置10は、その高さ方向の中心を通る横方向の筐体中心線SL2が可能な限り近付くように、架台28の高さH1が設定されている。なお、
図2は、消火栓装置10が側面形状を縦長の矩形とした場合を例にとっている。
【0056】
この場合、筐体中心線SL2をトンネル中心線SL1に近づけるほど、消火栓装置10がトンネル壁面26から飛び出す度合いを低減することができ、路幅の制約を低減可能とする。
【0057】
図2(B)は、筐体中心線SL2をトンネル中心線SL1に一致させるように架台28の高さH1が設定された場合を示す。この場合には、消火栓装置10がトンネル壁面26から飛び出す度合いを最小とすることができ、監視員通路の路幅の制約を更に低減可能とする。ただし、消火器の取出し等を踏まえ、可能な範囲での調整となる。
【0058】
次に、消火栓装置10の薄型化について、より詳細に説明する。消火栓装置10を薄型化するためには、消火栓装置10の筐体背面をトンネル壁面26に沿った形状とすることが有効である。消火栓装置10の筐体11a,11bを薄型化するための形状は任意であるが、例えば、
図1(A)に示すように、筐体11a,11blの側面形状として、上側の高さH3の部分については、前面及び背面15aが鉛直面となっているが、下側の高さH4の部分については、前面は鉛直面であるが、背面15bがトンネル壁面26の湾曲形状に合わせて前方下向きに傾斜した傾斜面となっており、筐体11a,11bの底部で最小幅となっている。
【0059】
ここで、筐体11a,11bの底部の最小幅(最小奥行幅)は、消火器収納部となる筐体11bに消火器が収納できればよいことから、収納する消火器の直径に合わせた幅とする。消火器の直径は、概ね150mmを超えないことから、筐体11a,11bの底部の最小幅は、消火器案内部の設置を考慮して、例えば180~200mm程度とする。これに対しトンネル壁面の型抜きに設置されている公知の消火栓装置の筐体幅(奥行幅)は、概ね300mm程度であることから、本実施形態の筐体最小幅は、従来の約半分程度に薄くできる。また、傾斜面となる背面15bの上部及び背面15aまでの筐体幅は、概ね200mmとなり、従来の筐体幅の2/3程度に薄型化される。
【0060】
このような筐体11a,11bの薄型化に対し、消火用ホース、バルブ類、電装機器、消火器等を収納する収納容積は変わらないことから、所定の収納容積が得られるように、筐体11a,11bの横幅Wや高さH2を増加させた寸法に設定される。ここで、本実施形態では、消火栓扉12、保守扉14、消火器扉16及び電装扉18として、箱抜き設置した従来の消火栓装置と同じサイズのものが使用されている。その結果、本実施形態にあっては、横幅Wに変化はないが、高さH2が従来装置より増加した縦長のサイズに変更されている。勿論、所定の収納容積が得られるように、横幅Wと高さH2の両方を増加させてもよい。
【0061】
監視員通路34の内部はダクト40となっており、そこに給水本管42が敷設され、消火栓装置10ごとに分岐管44が引き出され、仕切弁46(例えば、ボール弁)を介して給水配管48が架台28の中を通して筐体11aの内部に引き込まれている。また、図示を省略しているが、ダクト40には、消火栓装置10に接続される各種のケーブルも施設されており、消火栓装置10ごとに下から架台28を通して筐体11a内に引き込まれている。このため、消火栓装置10の左右又は背後に、給水配管やケーブルを引き込むためのスペースを確保する必要がなく、見栄えも良くなる。
【0062】
(a4.消火栓装置の内部構造)
消火栓装置の内部構造について、より詳細に説明する。
図3乃至
図5に示すように、消火栓収納部となる筐体11aの内部(消火栓扉12の内側)は、バルブ類収納部50aとホース収納部50bに分けられている。
【0063】
バルブ類収納部50aには、架台28を通して下から給水配管48が引き込まれて給水栓54に接続され、また、給水配管48は下向きに分岐し、消火栓弁56及び自動調圧弁58が設けられ、続いてホース62が接続されている。消火栓弁56は、消火栓弁開閉レバー60により開閉操作されるものであり、消火栓弁開閉レバー60が開閉操作されると公知のワイヤーリンク機構により消火栓弁56が遠隔的に開閉する。また、消火栓弁開閉レバー60が開閉操作されると、操作ボックスに設けられたポンプ起動連動スイッチがオン、オフする。また、給水栓54の右上には、消防隊が使用するポンプ起動スイッチ65が設けられている。
【0064】
ホース収納部50bには、ホース収納フレーム64が設けられ、下側から引き込まれたホース62が右回りの内巻き状態で収納されている。また、ホースガイド66を通して引き出されたホース62の先端にはノズル68が装着され、ノズルホルダー70に着脱自在に保持されている。
【0065】
ここで、筐体11aの薄型化に伴い、高さH2を従来装置より増加させたため、
図3に示すように、ホース収納フレーム64の高さも増加している。これによりホース62の1ターン当り(1巻き当り)の長さが増加し、ホース62を重ね巻きするターン数が減少することで、筐体11aを薄型化しても所定長のホース62、例えば30mのホース62を内巻き状態で収納可能としている。なお、ホース収納部の高さがホース収納時の操作を阻害する場合は、筐体11aの高さH2ではなく、横幅Wを長くする。
【0066】
筐体11bの内部(消火器扉16の内側)は消火器収納部52であり、
図4に示すように、2本の消火器74が収納されている。ここで、筐体11a,11bの背面下側は、
図1(A)及び
図5に示すように、前方に向けて斜め下向きの傾斜面15bとなっており、鉛直面15aとなる上部の幅D2に対し底部の奥行幅D1は最小幅となっている。底部の最小幅D1は、消火器74を収納可能であればよいことから、前述したように、消火器74の直径に対応して、例えばD1=150mm程度となっている。
【0067】
また、消火器収納部52の背面には、端子箱72a,72bが設置されている。端子箱72aには、電装扉18に設けられた赤色表示灯20が接続され、端子箱72bには、電装扉18に設けられた発信機22、応答ランプ24及び電話ジャック25が接続され、更に、バルブ類収納部50aに設けられたポンプ起動スイッチ65とポンプ起動連動スイッチが接続されている。
【0068】
端子箱72a,72bは、筐体11bの薄型化に伴い、従来装置のように消火器74の後部の筐体背面に設置することができないので、薄型化に伴い増加した消火器収納部52の上部の空きスペースの筐体背面に設置されている。
【0069】
[b.角度調整可能な架台]
角度調整可能な架台について、より詳細に説明する。
図6は、監視員通路に路面傾斜がある場合に角度調整可能な架台を用いた消火栓装置の水平配置を示した説明図であり、
図6(A)に左上り(右下り)の路面傾斜の場合を示し、
図6(B)に右上り(左下り)の路面傾斜の場合を示す。また、
図7は、角度調整の原理構成を模式的に示した説明図であり、
図7(A)に傾斜方向が左上り(右下り)の路面傾斜の場合を示し、
図7(B)に傾斜方向が右上り(左下り)の路面傾斜の場合を示す。
【0070】
(b1.路面に傾斜がある場合の消火栓装置の水平配置)
図6,7に示すように、本実施形態の角度調整可能な架台28は、
図1~5に示す形態と同様に、第1架台30と第2架台32で構成され、この内、第2架台32は、固定架台80、可動架台82及び架台の左右両端側に設けられた角度設定機構81a,81bで構成される。
【0071】
図6(A)のように、水平ライン78に対し監視員通路34の路面傾斜に左上りの傾斜角αがある場合、路面ライン34aに沿って配置された固定架台80に対し、可動架台82は、路面傾斜の傾斜方向上側となる左端側が軸部材84aにより軸支され、右端側が角度設定機構により上下する方向に回動され、傾斜角αに一致するか又は傾斜角αに近い回動角に設定して固定される。ここで、路面ライン34aとは監視員通路34の路面に平行な長手方向のラインを意味する。
【0072】
図7(A)は、
図6(A)に対応した角度調整の原理構成であり、左上りの傾斜角αをもつ路面ライン34aに沿って固定架台80が配置され、可動架台82は左端の軸部材84aを中心に右端側が上下方向に回動自在に軸支される。角度設定機構81bは、回動角θが路面ライン34aの傾斜角αに一致するように可動架台82を回動して固定する。これにより可動架台82は水平ライン78に沿って水平に配置される。
【0073】
また、
図6(B)のように水平ライン78に対し監視員通路34の路面傾斜が逆に右上りの傾斜角αがある場合、路面ライン34aに沿って配置された固定架台80に対し、可動架台82は路面傾斜の傾斜方向上側となる右端側が軸部材84bにより軸支され、左端側の角度設定機構により上下する方向に回動され、傾斜角αに一致するか又は傾斜角αに近い回動角に設定して固定される。
【0074】
図7(B)は、
図6(B)に対応した角度調整の原理構成であり、右上りの傾斜角αをもつ監視員通路の路面ライン34aに沿って固定架台80が配置され、可動架台82は右端側の軸部材84aを中心に左端側が上下方向に回動自在に軸支される。角度設定機構81aは、回動角θが路面ライン34aの傾斜角αに一致するように可動架台82を回動して固定する。これにより可動架台82は水平ライン78に沿って水平に配置される。
【0075】
角度設定機構81a,81bにより設定する回動角θは任意であるが、道路の最大勾配を3.5%、即ち道路の路面傾斜を概ね2°以内の傾斜角αとすると、例えば0°~2°の範囲で設定する。
【0076】
また、角度設定機構81a,81bは、監視員通路に路面傾斜がある場合に可動架台82を水平又は路面傾斜に対応した傾斜に設定するものであるが、これ限定されず、監視員通路に路面傾斜がない場合にも、必要に応じて角度を微調整する場合を含む。例えば、監視員通路に路面傾斜はないが、路面の平坦度などにより架台が長手方向に僅かに傾斜する場合がある。このような場合にも、可動架台82の回動角を微調整して水平又は路面傾斜に対応した傾斜に設定することを可能とする。
【0077】
ここで、以下に説明する第1乃至第3の角度設定機構は、可動架台82の回動角θを段階的に設定するものであり、例えば0°~2°の範囲で0.5°刻みの設定を可能とし、0.5°、1.0°、1.5°又は2.0°の何れかの回動角θを設定する。また、以下に説明する第4の角度設定機構は、可動架台82の回動角θを無段階(連続的)に設定するものであり、例えば0°~2°の範囲で任意の回動角θを設定する。
【0078】
(b2.架台の角度設定機構)
第2架台32に設けられた角度設定機構について、より詳細に説明する。本実施形態の角度設定機構は、
図8乃至
図16に示す第1の角度設定機構と、
図17乃至
図19に示す第2の角度設定機構、
図20に示す第3の角度設定機構、及び
図21乃至
図28に示す第4の角度設定機構がある。
【0079】
[c.第1の角度設定機構]
第1の角度設定機構について、より詳細に説明する。
図8は、角度調整可能な第2架台32の実施形態であり、
図8(A)に平面、
図8(B)に正面、
図8(C)に右側面を示している。
【0080】
(c1.架台の構造)
第2架台32の構造について、より詳細に説明する。第2架台32は、
図8に示すように、固定架台80、可動架台82、軸部材84a,84b、ナット86a,86b、角度設定部材90a,90bで構成される。
【0081】
固定架台80は、例えば、左右方向(トンネル長手方向)に長い2本のアングル材を横に並べて両端(一端及び他端)を平らな鋼材で溶接固定することで、上向きに開口した箱枠部材の形状とする。また、可動架台82は、例えば、左右方向に長い2本のアングル材を下向きにして横に並べ、両端底部に平らな鋼材を用いた底板80a,80bを溶接固定することで、下向きに開口した箱枠部材の形状とし、奥行方向の幅は固定架台80の中に入る幅とする。また、固定架台80の両端底部に固定された底板80a,80bの上には角度設定部材90a,90bが配置されている。
【0082】
固定架台80の前側及び後側の部材面の両端下側には軸穴88a,88bが形成され、可動架台82の前側及び後側の部材面にも軸穴88a,88bに相対する軸穴が形成されている。固定架台80の軸穴88a,88bが開口した後側の部材面にはナット86a,86bが溶接等で固着され、ネジ穴を形成している。固定架台80の中に可動架台82が配置された状態で、軸穴88a,88bの各々に軸部材84a,84bを挿入し、先端側のネジ部を後側の部材面に固着されたナット86a,86bにねじ込むことで、固定架台80に可動架台82が固定される。この状態で固定架台80に対し可動架台82の回動角は0°となっている。
【0083】
図6(A)に示したように、左上りの路面傾斜に沿って固定架台80が設置される場合には、右端側の軸部材84bを抜き取り、左端の軸部材84aを中心に可動架台82が回動自在に軸支された状態とする。また、逆に、
図6(B)に示したように、右上りの路面傾斜に沿って固定架台80が設置される場合には、左端の軸部材84aを抜き取り、右端側の軸部材84aを中心に可動架台82が回動自在に軸支された状態とする。
【0084】
(c2.固定架台の角度設定穴)
固定架台80の角度設定穴について、より詳細に説明する。固定架台80の右端側に位置する前側の部材面には、可動架台82を右上りの回動角に設定する角度設定機構を構成するための角度設定穴92a,92b,92c,92dが形成されている。固定架台80の角度設定穴92a,92b,92c,92dが開口した後側の部材面にはナット93a,93b,93c,93dが溶接等により固着され、ネジ穴を形成している。
【0085】
また、固定架台80の左端側に位置する前側の部材面にも、可動架台82を逆に左上りの回動角に設定する角度設定機構を構成するための角度設定穴92a,92b,92c,92dが右側に対し左右対称の並びとなるとように形成され、それぞれが開口した後側の部材面にはナット93a,93b,93c,93dが溶接等により固着され、ネジ穴を形成している。
【0086】
図9は、第2架台32の角度設定機構を構成する右端側を取り出して、
図9(A)に正面、
図9(B)に右側面を示している。また、
図10は、
図9の固定架台80の右端側を取り出しており、
図10(A)に正面から見た内部構造、
図10(B)に右側面を示している。
【0087】
固定架台80に形成された角度設定穴92a~92dは、軸穴88bから抜き取られた軸部材84bを挿入して後側の部材面に固着されたナット93a~93dにねじ込み固定することにより、左端の軸穴88aに挿入された軸部材84aを中心に回動する可動架台82の回動角を設定するものであり、角度設定穴92aは0,5°、角度設定穴92bは1.0°、角度設定穴92cは1.5°、角度設定穴92dは2.0°の回動角を設定するために使用される。
【0088】
(c3.角度設定部材)
角度設定部材90a,90bについて、より詳細に説明する。
図8に示す固定架台80の右端側の底板80aの上には、可動架台82を右上りの回動角に設定する角度設定機構を構成するための角度設定部材90aが固定されている。また、固定架台80の左端側の底板80bの上には、可動架台82を逆に左上りの回動角に設定する角度設定機構を構成するための角度設定部材90bが固定されている。
【0089】
図11は、右端側の角度設定部材90aを取り出して示している。角度設定部材90aは、鋼製の矩形ブロック体であり、固定架台80の前側の部材面に形成した角度設定穴92a~92dに対応した位置に貫通穴95a~95dが形成されており、軸部材84bを通して可動架台82を支持した場合の強度を確保可能としている。また、角度設定部材90aの前側及び後側の下部の両側には、嵌合突起96aが形成され、回動角0°で
図11(A)に示す可動架台82の前側及び後側の部材面下端に設けられた嵌合凹部96bに嵌合することで位置決めされる。
【0090】
(c4.可動架台の角度設定穴)
可動架台82の通し穴について、より詳細に接明する。
図12は、可動架台82の右端側を取り出しており、
図12(A)に正面、
図12(B)に右側面を示している。
【0091】
可動架台82は、
図12(A)に示すように、前側及び後側の部材面下側に軸穴89bが形成され、
図9(A)に示したように、固定架台80の内側に配置された状態でその軸穴88bに相対し、軸部材84bの挿入を可能としている。また、可動架台82の右団側の前側及び後側の部材面下側にも、右端側と同様に、固定架台80の軸穴88aに相対する軸穴89a(図示せず)が形成され、軸部材84aの挿入を可能としている。
【0092】
また、可動架台82の左右両端の下側に形成した軸穴89a,89bの中心を結ぶ回動角0°の線上に、通し穴94a,94b,94c,94dが形成されている。通し穴94aは0,5°、通し穴94bは1.0°、通し穴94cは1.5°、通し穴94dは2.0°の回動角を設定するために使用される。
【0093】
固定架台80に対し可動架台82の回動角を設定する場合には、可動架台82の何れかの通し穴を、固定架台80の同じ回動角の角度設定穴に位置合わせした状態で軸部材84bを挿入して回動角を設定する。この場合、固定架台80の内側に固定されている
図11に示した角度設定部材90aの貫通穴も、固定架台80の同じ回動角の角度設定穴に位置合わせされ、角度設定部材90aの貫通穴に軸部材84bを通して回動角が設定される。
【0094】
より詳細には、
図9(A)に点線で示している可動架台82の通し穴94a~94dについて、回動角0.5°を設定する場合には、固定架台80の角度設定穴92aに可動架台82の通し穴94aを位置合わせして軸部材84bを挿入する。また、回動角1.0°を設定する場合には、固定架台80の角度設定穴92bに可動架台82の通し穴94bを位置合わせして軸部材84bを挿入する。また、回動角1.5°を設定する場合には、固定架台80の角度設定穴92cに可動架台82の通し穴94cを位置合わせして軸部材84bを挿入する。さらに、回動角2.0°を設定する場合には、固定架台80の角度設定穴92dに可動架台82の通し穴94dを位置合わせして軸部材84bを挿入する。
【0095】
(c5.固定架台及び可動架台の角度設定穴の位置関係)
角度設定機構を構成するために設けられた、固定架台80の角度設定穴92a~92dと可動架台82の通し穴94a~94dの位置関係について、より詳細に説明する。
【0096】
図13は、固定架台80の軸穴88a,88bと角度設定穴92a及び可動架台82の通し穴94aを取り出して模式的に示しており、また、回動角θは実際より大きな角度で見やすいようにしている。
【0097】
ここで、回転中心となる軸穴88aの中心をO、回動角θの軸線上に位置する角度設定穴92aの中心をP、P点から下した垂線が交差する回動角0°の基準ラインとの交点をQとすると、直角三角形OPQの底辺L1,垂辺L2及び斜辺L3の長さの間には、
tanθ=L2/L1
L3=(L12+L22)1/2
の関係がある。
【0098】
このため、底辺L1の長さと回動角θが決まると、
L2=L1tanθ
としてQ点から角度設定穴92aの中心Pまでの垂辺L2の距離が決まり、固定架台80に角度設定穴92aを加工することができる。
【0099】
また、可動架台82の通し穴94aの中心のR点は、O点を中心とするP点までの半径L3の円弧と基準ラインとの交点となり、基準ライン上のP点から距離L3の位置としてR点が決まり、可動架台82に通し穴94aを加工することができる。
【0100】
(c6.第1の角度設定機構による回動角の設定操作)
第1の角度設定機構による回動角の設定操作について、より詳細に説明する。
図14(A)は、傾斜角αが左上りの0.5°となる路面ライン34aに沿って固定架台80を設置した場合の可動架台82の回動角θの設定を示す。
【0101】
まず、
図8に示した路面傾斜の傾斜方向上側となる左端の軸部材84aを軸穴88aに挿入して可動架台82の回転中心とし、右端の軸部材84bを抜き取って可動架台82を回動自在とする。続いて、
図14(A)に示すように、固定架台80の角度設定穴92aに可動架台82の通し穴94aを位置合わせする。このとき固定架台80の内側に固定している角度設定部材90aの貫通穴95aにも、可動架台82の通し穴94aが位置合わせされる。この位置合わせ状態で、抜き取っている軸部材84bを固定架台80の角度設定穴92aに挿入し、先端のネジ部を後側の部材面の固着しているナット93a(
図8,
図9参照)にねじ込んで可動架台82を固定する。
【0102】
このように可動架台82の回動角θを0.5°に設定することにより、可動架台82は水平ライン78に沿って配置され、消火栓装置10を水平な状態に取付け固定することを可能とする。
【0103】
図14(B)の回動角θ=1.0°の設定、
図15(C)の回動角1.5°の設定、
図15(D)の回動角θ=2.0°の設定の各々についても同様であり、固定架台80の角度設定穴92b~92dの何れかに、可動架台82の対応する通し穴94b~94dの何れかを位置合わせした状態で、抜き取っている軸部材84bを位置合わせしている固定架台80の角度設定穴92b~92dの何れかに挿入し、ナット93b~93dにねじ込んで可動架台82を固定する。なお、固定架台80が設置される監視員通路の傾斜角αが0.5°、1.0°、1.5°、2.0°とはならずに何れかの間にある場合は、近い方の傾斜角に対応した回動角に設定し、消火栓装置10を水平又は路面傾斜に対応した傾斜に取付け固定することを可能とする。
【0104】
(c7.架台左側の角度設定機構)
第2架台32の左端側に設けられる角度設定機構は、前述した右端側の角度設定機構に対し左右の配置が対称となる角度設定機構とする。
図8(A)(B)に示すように、固定架台80の前側の部材面に、回動角0.5°,1.0°,1.5°,2.0°を設定するための角度設定穴92a~92dが形成され、角度設定穴92a~92dに対応した後側の部材面にはナット93a,93b,93c,93dが固着され、底板80aの上に貫通穴95a~95dを形成した角度設定部材90aが固定される。また、可動架台82の左端側の前側及び後側の部材面には、
図14に対し左右対称となる配置で通し穴94a~94dが設けられる。これにより
図6(B)及び
図7(B)に示したように、右上りの路面傾斜の回動角αに対応した可動架台82の回動角θの設定により、傾斜した監視員通路に消火栓装置10を水平又は路面傾斜に対応した傾斜で配置することを可能とする。
【0105】
(c8.片側にのみ角度設定機構を備えた架台)
構造を簡単にするため、片側にのみ角度設定機構を備えた架台について、より詳細に説明する。
図8乃至
図15の実施形態にあっては、固定架台80と可動架台82で構成された角度調整可能な第2架台32について、角度設定機構を固定架台80と可動架台82の左右両端側に設け、左上りの路面傾斜と右上りの路面傾斜に対し、何れかの角度設定機構で可動架台82の回動角を設定しているが、これに限定されず、固定架台80と可動架台82の左右何れか一方となる片側にのみ角度設定機構を設けてもよい。
【0106】
図16は片側のみに角度設定機構を設けた架台であり、
図16(A)に平面、
図16(B)に正面、
図16(C)に右側面を示している。本実施形態は、第2架台32の右端側のみに、角度設定機構を構成する固定架台80の角度設定穴92a~92dとナット93a~93d、角度設定部材90a、及び、可動架台82の通し穴94a~94d(
図12参照)が設けられているが、左側には角度設定機構が設けられておらず、その分、構造が簡単となっている。
【0107】
固定架台80の左端下側の軸穴88aと可動架台82の相対する軸穴に軸部材84aを挿入してナット86aにねじ込むことで、軸部材84aを中心に可動架台82を回動自在に軸支している。また、固定架台80と可動架台82の相対する軸穴に軸部材84bを挿入してナット86bにねじ込むことで固定しており、回動角を設定する場合には、軸部材84bを抜き取って軸部材84aを中心に可動架台82を回動自在とする。
【0108】
この角度設定機構を右端側のみに設けた第2架台32にあっては、
図6(A)に示すように、左上りの路面傾斜角に応じて可動架台82の回動角を設定して消火栓装置10を水平又は路面傾斜に対応した傾斜に配置するものであるが、
図6(B)に示す右上りの路面傾斜に対しては、固定架台80と可動架台82の左右(トンネル長手方向の一端側と他端側)を入れ替えて配置することで、右上りの路面傾斜角に応じて可動架台82の回動角を設定して消火栓装置10を水平又は路面傾斜に対応した傾斜に配置することを可能とする。
【0109】
このように路面傾斜が異なった場合に、左右を入れ替えて設置した第2架台の可動架台82に消火栓装置10の筐体を取付け固定するためには、
図16(A)に示すように、可動架台82の上端面に形成された筐体を固定する取付穴が、第2架台32の左右を入れ替えて設置した場合に、入れ替え前と入れ替え後とで筐体側の取付穴に対し相対して一致した位置となるように形成されている。
【0110】
可動架台82の前後2つをペアとして長手方向の2箇所ずつに分けて形成された取付穴76aは、
図16(A)のように左上りの傾斜路面に第2架台32を設置する場合に使用される取付穴である。また、可動架台82の別の位置に前後2つをペアとして長手方向の2箇所ずつに分けて形成された取付穴76bは、
図16(B)のように右上りの傾斜路面に第2架台32を設置する場合に、
図16(A)の設置状態に対し左右を入れ替えて設置する場合に使用される取付穴である。
【0111】
[d.第2及び第3の角度設定機構]
(d1.第2の角度設定機構の構造)
第2の角度設定機構について、
図17乃至
図19に基づいて、より詳細に説明する。ここで、
図19(A)は最大回動角2.0°の設定状態での固定架台の右端側について内部構造を正面から示し、
図19(B)は可動架台の右端側を取り出して示す。
図18及び
図19の(A)~(E)は、回動角0°,0.5°,1.0°,1.5°,2.0°の設定を示している。
【0112】
本実施形態は、
図17(A)に示すように、固定架台80に対する可動架台82の回動角0°,0.5°,1.0°,1.5°,2.0°に対応した積木部材100,101,102,103,104を備える。積木部材100~104は、順次組立て固定されることで、
図8に示した左端の軸穴88aに挿入された軸部材84aを中心とする回動角0°,0.5°,1.0°,1.5°,2.0°の何れかを設定するための傾斜面100a~104aを形成する。
【0113】
ここで、回動角0°の積木部材100は、固定架台80の両側の軸穴88a,88bを通る線上に回動角0°の傾斜面100aを合わせた状態で固定されている。また積木部材100~104が重ね合う面には、組立時の位置合わせのための嵌合部100b~103bが形成され、傾斜面100a~103a側が嵌合凹部、相対する底面側が嵌合突起となっている。
【0114】
また、積み重ねられた積木部材100~104は、右端面に当接した積木固定部材98dをボルト105により各々の積木部材に固定することで一体化している。なお、積木固定部材は、積木部材101~104を積み重ねる枚数に応じて、異なる高さのものが4種類(98a~98d)準備されている。
【0115】
可動架台82には、
図17(B)に示すように、
図16(A)の回動角0°の積木部材100の傾斜面100aに当接する当接面を下側にもつ当接部材106が奥行方向に配置されている。当接部材106が積み重ねられた積木部材100~104の傾斜面100a~104aに当接することで、可動架台82は、回動角0°,0.5°,1.0°,1.5°,2.0°の何れかが設定される。
【0116】
(d2.第2の角度設定機構による回動角の設定操作)
第2の角度設定機構による回動角の設定操作について、より詳細に説明する。
図18(A)は、固定架台80が設置される路面ライン34aの傾斜角αが0°の場合であり、固定架台80内には積木部材100のみが固定されており、可動架台82は、積木部材100に当接して回動角αが0°となり、水平ライン78aに沿って配置されている。
【0117】
図18(B)は、固定架台80が設置される路面ライン34aの傾斜角αが0.5°の場合であり、固定架台80に固定されている積木部材100の上に、回動角0.5°を設定する積木部材101積み重ね、積木固定部材98aをボルト105により積木部材100,101に固定して一体化する。この状態で、
図8に示す左端側の軸部材84aを軸穴88aに挿入して可動架台82の回転中心とし、右端側の軸部材84bを抜き取って可動架台82を回動自在とする。続いて、可動架台82を積木部材101の傾斜面101aに当接させることで、回動角0.5°を設定し、適宜の構造により固定することで、可動架台82は、水平ライン78aに沿って配置される。
【0118】
角度設定された可動架台82を固定架台80側に固定する構造は任意であるが、
図17(B)に示す可動架台82の当接部材106が、
図17(A)の、例えば、積木部材104の傾斜面104aに当接して回動角2.0°を設定していることから、可動架台82の当接部材106に長手方向の長穴を形成し、長穴が位置する積木部材104の傾斜面104aにネジ穴を設け、長穴を介してボルトをネジ穴にねじ込んで可動架台82を固定する。この点は、他の積木部材100~103についても同様である。
【0119】
図18(C)の回動角1.0°の設定、
図19(D)の回動角1.5°の設定、
図19(E)の回動角2.0°の各々の設定についても同様であり、固定架台80の内部に積木部材101~104を選択して積み重ね、積木固定部材98b~98dとボルト105により固定して一体化し、可動架台82を積木部材102~104の傾斜面102a~104aに当接させることで、回動角1.0°~2.0を設定する。
【0120】
第2架台32の左端側については、前述した右端側に対し左右対称となる積木部材100~104を準備し、積木部材100を固定架台80内に固定すると共に、設定する回動角に応じて、積木部材101~104を選択して積み重ね、積木固定部材98a~98dとボルト105により固定して一体化し、最上部に位置する積木部材の傾斜面に可動架台82を当接させることで、必要とする回動角を設定して固定する。
【0121】
(d3.第3の角度設定機構)
第3の角度設定機構について、より詳細に説明する。前述した第2の角度設定機構にあっては、回動角0°~2.0°の各々に対応して分割された積木部材100~104を準備しているが、
図20に示す第3の角度設定機構のように、回動角0°~2.0°の傾斜面110a~114aが形成された角度設定部材110~114を準備し、
図17(A)に示した積木部材100~104と同様に、選択的に固定架台80内の所定位置に固定するようにしても良い。
【0122】
また、
図17乃至
図20の架台についても、構造を簡単にするため、片側にのみ角度設定機構を備えた構成とし、第2架台32を左右入れ替えて設置した場合に、消火栓装置10の筐体を固定する可動架台82の取付穴が、筐体側の取付穴に対し入れ替え前と入れ替え後で同じ位置となるように形成する。
【0123】
[e.第4の角度設定機構]
第4の角度設定機構について、より詳細に説明する。
図21は、第4の角度設定機構を備えた第2架台32の実施形態であり、
図21(A)に平面、
図21(B)に正面、
図21(C)に右側面を示している。また、
図22は
図21の架台右端側に設けられた第4の角度設定機構の主要部を取り出しており、
図22(A)に正面、
図22(B)に平面、
図22(C)に右側面を示している。
【0124】
(e1.第4の角度設定機構の構成)
第4の角度設定機構は、例えば、
図21の長手方向の一端側となる右端側を例にとると、固定ブロック部材116と可動ブロック部材118を備える。固定ブロック部材116は鋼製の部材であり、固定架台80の底部に配置された底板80bの前後方向(奥行方向)の2箇所に分けて溶接等により固定されている。また、固定ブロック部材116は、
図22に取り出して示すように、左上りに傾斜(右下がりに傾斜)する第1勾配面116aが形成され、第1勾配面116aの傾斜角は任意であるが、例えば、45°としている。
【0125】
可動ブロック部材118も鋼製の部材であり、2箇所の固定ブロック部材116の間の底板80b上に長手方向に移動自在に配置されている。また、可動ブロック部材118には、固定ブロック部材116の第1勾配面116aとは逆傾斜となる右上りに傾斜(左下がりに傾斜)する第2勾配面118aが形成され、第2勾配面118aの傾斜角は任意であるが、例えば、第1勾配面116aと同じ45°としている。
【0126】
図21(A)に示すように、可動ブロック部材118が移動する固定架台80の底板80bには長手方向にガイド開口124が形成されている。可動ブロック部材118の底部には、
図22(A)に示すように、上下方向にネジ穴121が形成され、下側からガイド開口124を通してロックボルト120がねじ込まれている。このため、ロックボルト120を緩めることで、ガイド開口124に沿って可動ブロック部材118を長手方向に移動することができる。
【0127】
固定ブロック部材116の第1勾配面116aと可動ブロック部材118の第2勾配面118は、
図22(A)に示すように、正面から見ると、両勾配面の交差により奥行方向にずれたV溝130を形成しており、V溝130には可動架台82側の軸部材84bが配置される。V溝130に対する軸部材84bの配置は、
図21(A)に示すように、第2架台32の右端側から抜いた軸部材84bを、軸部材84b’に示すように、架台の後面側からV溝130を通る位置に挿入してスリット開口122から取り出し、ナット186bにより抜け止めしている。なお、V溝130に軸部材84b’を挿入して配置する構造の詳細は後述する。
【0128】
(e2.可動ブロック部材の移動距離と可動架台の回動角の関係)
可動ブロック部材118の移動距離と可動架台82の回動角の関係について、
図23を参照して、より詳細に説明する。
【0129】
図23(A)は、固定ブロック部材116に対し可動ブロック部材118を移動した場合の可動架台82の回動角の変化を模式的に示している。
図23(A)に示すように、固定架台116は、左端の軸部材84aの中心と右端の軸穴88bの中心を結ぶ軸136に沿った位置にある。
【0130】
可動架台82は、左端側が軸部材84aを回転中心として固定架台80に軸支され、回動角0°の初期位置で、右端側が両勾配面の交点Pに対応したV溝130に配置された軸部材84bに支持され、軸部材84aの中心とV溝130に配置された軸部材84bの中心を結ぶ可動架台82の軸138は、固定架台80の軸136と重なる同じ位置にある。
【0131】
可動架台82の回動角θを0°とする初期位置から可動ブロック部材118を左方向に移動すると、固定した第1勾配面116aに対し第2勾配面118aが左方向に移動し、両勾配面の交点Pに対応したV溝130は第1勾配面116aに沿って斜め左上方向に移動し、V溝130に配置している軸部材84bも同様に移動し、可動架台82の回動角θが増加する。
【0132】
ここで、可動ブロック部材118の左右方向の移動距離x1と両勾配面の交点Pの上下方向の移動距離y1との関係を、より詳細に説明する。初期位置にある可動ブロック部材118を、例えば、左方向に距離x1移動させたとすると、両勾配面の交点Pは両勾配面の交点Qに移動することで上方に距離y1移動し、軸部材84bは軸部材84b’の位置に移動し、回動角θが増加する。
【0133】
図23(B)は可動ブロック部材118の左右方向の移動距離x1と両勾配面の交点の上下方向の移動距離y1の関係を求めるための座標を示している。
図23(B)にあっては、固定された第1勾配面116aを示す直線200をy=-axとし、第2勾配面118aの初期位置を示す直線300をy=axとし、直線300を左方向に移動した直線400をy=ax+bとしている。
【0134】
直線300を左側に移動した直線400と直線200との交点はP2であり、交点P2の座標は、公知のように、交点P2の座標が直線200と直線400で一致することを示す連立方程式を解くことで、
x=-b/2a 式(1)
y=b/2 式(2)
として与えられる。
【0135】
ここで、直線300を左方向(-x方向)に距離x1移動させた場合の切片bは、
b=ax1
となり、このときの交点P2の上方向(+y方向)への移動量y1は、式(2)から、
y1=ax1/2
となる。
【0136】
本実施形態では第1及び第2勾配面116a,118aに対応した直線の傾斜角を45°としていることから傾きaはa=1であり、よって、交点P2の上方向の移動距離y1は
y1=x1/2
となる。
【0137】
即ち、
図23(A)のように、可動ブロック部材118を左方向に距離x1移動すると、両勾配面の交点Pは上方にy1=x1/2、即ち、可動ブロック部材118の移動距離の半分の高さの両勾配面の交点Qに移動する。これに伴い可動架台82の軸部材84bも両勾配面の交点と同じ移動距離となり、軸1138で示す回動角θに可動架台82を回動させることができる。
【0138】
なお、第1勾配面116a及び第2勾配面118aの傾斜角は任意であり、これに応じて勾配面に対応した直線の傾きaと切片bの値が決まり、可動ブロック部材118の左右方向の移動距離x1と可動架台82の上下方向の移動距離y1との関係が決まることになる。
【0139】
(e3.第4の角度設定機構の具体的な構造)
第4の角度設定機構の具体的な構造について、より詳細に説明する。
図24及び
図25は、
図21に示した第2架台32の右端側に配置された第4の角度設定機構を取り出して詳細を示しており、
図24(A)は正面、
図24(B)は正面断面、
図24(B)は平面を示し、
図25は右側面を示している。また、
図26は可動架台の右端側を取り出して詳細を示しており、
図26(A)は正面、
図26(B)は右側面を示している。
【0140】
図24に示すように、上向きに開いた固定架台80の右端側の底板80bの上には、前後方向に分けた両側に固定ブロック部材116が固定され、その間に可動ブロック部材118が、ガイド開口124を通して下側からのねじ込まれたロックナット120をガイド軸として、左右方向に移動自在に配置されている。
【0141】
ここで、
図24に示すように、固定架台80は、L形のアングル材を向かい合わせて底板80bで奥行方向に連結されているが、ロックボルト120の頭部が固定架台80の底面から下側に飛び出さないように、
図25に示すように、アングル材と底板80bの間にスペーサ83を配置し、ロックボルト120の頭部を収納する深さスペースを形成している。このため、
図6に示したように、監視員通路34の路面に設置された第1架台30の上に、第2架台32の固定架台80を取付け固定する場合、ロックボルト120の飛出しがないので、取付け作業を阻害するようなことがない。
【0142】
固定架台80の内部には下向きに開いた可動架台82が配置され、可動架台82の左端側を軸支して図示の右端側を上下方向に回動させる場合には、
図24(C)に示すように、右端側から抜いた軸部材84bを軸部材84b’に示すように、固定架台80及び可動架台82の後側の部材面から手前側へ通してナット186bで固定することで、第1及び第2勾配面116a,118bの交差で形成されるV溝130に軸部材84b’を配置している。
【0143】
ここで、固定架台80には、右端側から抜いた軸部材84bを通すため、
図24(A)に示すように、第1勾配面116に沿って前側の部材面にスリット開口122が形成され、相対する後側の部材面にも同じスリット開口(図示せず)が形成されている。
【0144】
また、可動部材架台82には、
図26に示すように、軸部材84b’を通すため、可動架台82の前側の部材面にスリット開口132が形成され、相対する後側の部材面にも同じスリット開口(図示せず)が形成されている。スリット開口132は、可動ブロック部材118の初期位置で形成されるV溝130に配置された軸部材84bの中心を通る回動角0°の中心線に沿って長手方向に形成された長穴とする。このためスリット開口132は、可動ブロック部材118の移動に伴い第1勾配面116に沿って軸部材84bが斜め方向に移動する場合に、可動架台82に対する軸部材84bの上下方向の動きを規制するとともに左右方向に相対移動する動き(左右方向にスライドする動き)を許容することで、可動架台82の回動角を変化させる。
【0145】
図24(B)に示すように、V溝130に配置された軸部材84b’は、可動ブロック部材118の左方向への移動に伴い、第1勾配面116aに沿って斜め左上方向に移動し、可動架台82の回動角を0°とする初期位置から、例えば、回動角を2°とする軸部材84b”で示す位置に移動する。
【0146】
ここで、回動角0°の初期位置から回動角2°の間に、0.5°刻みで0.5°、1.0°、1.5°と段階的に変化する回動角の設定を示しているが、可動架台82の回動角は可動架台118の移動に応じて連続的(無段階)に変化するものであり、例えば、0°~2°の範囲で任意の回動角を設定することを可能とする。
【0147】
可動架台82の上端面には消火栓装置が取付け固定され、その荷重はスリット開口132に通した軸部材84b’に加わり、続いて、V溝130に配置した軸部材84b’と第1及び第2勾配面116a,118aとの接触部分に加わる。このため、剛性の高い固定ブロック部材116と可動ブロック部材118で消火栓装置の荷重を受けて確実に支持することを可能とする。
【0148】
(e4.第4の角度設定機構による回動角の設定操作)
第4の角度設定機構による傾斜角の設定操作について、より詳細に説明する。
図27(A)は回動角0.5°の設定を示す。まず
図21に示した左端側の軸部材84aを軸穴88aに挿入して可動架台82を軸支し、右端側の軸部材84bを抜き取って可動架台82を回動自在とする。
【0149】
続いて、
図21(C)に示したように、抜き取った軸部材84b’を架台の後側からV溝130に通してナット186bで抜け止めする。続いて、ロックボルト120を緩め、
図24(C)に示した角度目盛126の回動角0.5°に可動ブロック部材118の左先端を合わせるように左方向に移動する。移動後にロックボルト120を締めて固定し、また、V溝130を通している軸部材84b’もナット186bを締めて固定する。これにより
図27(A)に示すように、傾斜角0.5°の路面ライン34aに沿って配置された固定架台80に対し、可動架台82の回動角を0.5°に設定し、可動架台82を水平ライン78に沿った水平状態に配置することができる。
【0150】
同様に、角度目盛126の回動角1.0°、1.5°又は2.0°に可動ブロック部材118の左先端を合わせるように左方向に移動することで、
図27(B)、
図28(C)及び
図28(D)に示すように、例えば、可動架台82の回動角を1.0°、1.5°又は2.0°に設定し、可動架台82を水平ライン78に沿った水平状態に配置することができる。勿論、可動架台82の回動角は、例えば、路面の傾斜角に対応した0°~2.0°の範囲で任意の角度に設定し、可動架台82を水平ライン78に沿った水平状態に配置することができる。
【0151】
このように、傾斜路面の傾斜角が分かっている場合には、
図24(C)に示した角度目盛126の傾斜角に一致する角度に、可動ロック部材118の左先端を合わせることで、例えば、可動架台82を水平とする回動角に簡単且つ容易に設定することができるが、傾斜角が正確にわからない場合には、可動架台82の上に水準器を載せ、水準器が水平を示すように可動ブロック部材118を移動することで、可動架台82を水平とする回動角に簡単且つ容易に設定することができる。また、角度目盛126と水準器の両方を利用して可動架台82を水平とする回動角に設定してもよい。
【0152】
第2架台32の左端側に設けられる第4の角度設定機構は、前述した右端側の角度設定機構に対し左右の配置が対称となる角度設定機構とする。また、構造を簡単にするため、第4の角度設定機構を第2架台32の長手方向の片側のみに設けるようにしても良い。
【0153】
また、第4の角度設定機構は、可動架台82の回動角を0°~2.0°の範囲で設定する場合を例にとっているが、回動角の最大値を更に増加させたい場合には、固定ブロック部材116と可動ブロック部材118を備えた角度設定機構を固定架台80の中央側に寄せて配置し、回転中心から角度設定機構までの距離を短くすればよい。
【0154】
[e.本発明の変形例]
本発明による消火栓装置及び架台の変形例について、より詳細に説明する。本発明の消火栓装置及び架台は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
【0155】
(固定架台と可動架台の位置関係)
上記の実施形態における架台は、可動架台を固定架台の内部に配置する構成であるが、可動架台を固定架台の外部に配置する構成も可能である。
【0156】
(角度設定部材)
上記の実施形態における第1の角度設定機構は、軸部材84a,84bを介した消火栓装置10の荷重を角度設定部材90a,90bで受ける構成であるが、固定架台80の強度が確保できる場合は、角度設定部材90a,90bを用いずに、軸部材84a,84bを介した消火栓装置10の荷重を固定架台80の角度設定穴92a~92dで受ける構成も可能である。
【0157】
(回動角を無段階に設定する角度設定機構)
上記の実施形態における第4の角度設定機構は、回動角を0°~2°の範囲で無段階(連続的)に設定しているが、回動角を無段階に設定する他の角度設定機構として、固定架台に一端側を軸支した可動架台の他端側を昇降させる昇降機構により連続的に回動角を調整可能としてもよい。このための昇降機構は任意であるが、例えば、固定架台側に上向きにボルトを配置し、ボルトを回すことでボルト先端に当接している可動架台の回動角を連続的に変化させる。また、固定架台に公知のジャッキ機構を設けて可動架台の回動角を連続的に変化させてもよい。この場合、架台に取付固定する消火栓装置10の重量は100kg程度になることから、昇降機構で調整した回動角で受ける荷重を支える別の支持機構を設けることが望ましい。
【0158】
(第1架台と第2架台)
上記の実施形態は、消火栓装置10の架台28として、第1架台30と角度調整可能な第2架台32(固定架台80、可動架台82及び角度設定機構を備えた架台)で構成する場合を例にとっているが、これに限定されず、角度調整可能な第2架台32(固定架台80、可動架台82及び角度設定機構を備えた架台)のみを使用して監視員通路上に設置される消火栓装置を含むものであり、また、固定架台80、可動架台82及び角度設定機構で構成される架台そのものを含むものである。
【0159】
(箱抜き設置の消火栓装置)
また、上記の実施形態は、トンネル壁面に箱抜きすることなく監視員通路上に設置した架台により消火栓装置を取付け固定する場合を例にとっているが、これに限定されず、トンネル壁面を箱抜きして埋込み設置される消火栓装置を取付け固定する角度調整可能な架台を含むものである。
【0160】
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0161】
10:消火栓装置
11a,11b:筐体
12:消火栓扉
13a,13b:化粧枠
14:保守扉
16:消火器扉
17:覗き窓
18:電装扉
20:赤色表示灯
22:発信機
24:応答ランプ
25:電話ジャック
26:トンネル壁面
28:架台
30:第1架台
32:第2架台
34:監視員通路
34a:路面ライン
36:道路
38:壁面固定部材
40:ダクト
42:給水本管
44:分岐管
46:仕切弁
48:給水配管
50a:バルブ類収納部
50b:ホース収納部
52:消火器収納部
54:給水栓
56:消火栓弁
58:自動調圧弁
60:消火栓弁開閉レバー
62:ホース
64:ホース収納フレーム
65:ポンプ起動スイッチ
66:ホースガイド
68:ノズル
70:ノズルホルダー
72a,72b:端子箱
74:消火器
76a,76b:取付穴
78:水平ライン
80:固定架台
80a,80b:底板
81a,81b:角度設定機構
82:可動架台
83:スペーサ
84a,84b:軸部材
86a,86b,93a~93d:ナット
88a,88b,89a,89b:軸穴
90a,90b,110~114:角度設定部材
92a~92d:角度設定穴
94a~94d:通し穴
95a~95d:貫通穴
96a:嵌合突起
96b:嵌合凹部
98a~98d:積木固定部材
100~104:積木部材
100a~104a:傾斜面
100b~104b:嵌合部
106:当接部材
116:固定ブロック部材
116a:第1勾配面
118:可動ブロック部材
118a:第2勾配面
120:ロックボルト
121:ネジ穴
122,132:スリット開口
124:ガイド開口
126:角度目盛
130:V溝